特許第6553603号(P6553603)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6553603
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】AFM用のサンプルホルダー
(51)【国際特許分類】
   G01Q 30/20 20100101AFI20190722BHJP
   G01Q 60/24 20100101ALI20190722BHJP
【FI】
   G01Q30/20
   G01Q60/24
【請求項の数】18
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-532678(P2016-532678)
(86)(22)【出願日】2014年8月6日
(65)【公表番号】特表2016-531292(P2016-531292A)
(43)【公表日】2016年10月6日
(86)【国際出願番号】EP2014066904
(87)【国際公開番号】WO2015018865
(87)【国際公開日】20150212
【審査請求日】2017年7月4日
(31)【優先権主張番号】13179454.7
(32)【優先日】2013年8月6日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515160921
【氏名又は名称】ウニヴェルズィテート バーゼル
(74)【代理人】
【識別番号】100149032
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 敏明
(72)【発明者】
【氏名】ロパリック,マルコ
【審査官】 山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−522833(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0131167(US,A1)
【文献】 特開2007−205964(JP,A)
【文献】 特開2000−214064(JP,A)
【文献】 米国特許第04672797(US,A)
【文献】 特表2002−543440(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01Q 10/00 − 90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
子間力顕微鏡用の、サンプルを保持するためのサンプルホルダーであって、前記サンプルホルダーは
−第1及び第2保持部材(100、200)であって、各々の前記保持部材(100、200)は先端(103、203)を備え、前記保持部材(100、200)がそれぞれ、前記先端(103、203)が互いに隣接して位置する第1位置から、前記先端(103、203)が前記第1位置よりも互いに離れ、かつ保持されるためのサンプル(S)の少なくとも一部を受け取るための隙間(G)で分けられる第2位置まで、それぞれ移動できる、前記第1及び第2保持部材(100、200)と、
−前記サンプル(S)が前記隙間(G)に受け取られ、かつ前記保持部材(100、200)が前記第2位置から前記第1位置へ戻る場合に、前記サンプル(S)を保持するように前記サンプル(S)を貫通し、又は圧迫するように設計される、前記先端(103、203)と
を備え
上側(10a)及び前記上側(10a)から離れて面する下側(10b)を有する柔軟性支持部材(10)であり、かつ、各々の前記保持部材(100、200)が、前記柔軟性支持部材(10)の前記上側(10a)と接続される第1部分(101、201)、及び前記先端(103、203)を形成する第2部分(102、202)を備えることによって特徴付けられる、サンプルホルダー。
【請求項2】
前記第1位置から前記第2位置への前記運動が、前記先端(103、203)が互いに離れ合う前記保持部材(100、200)の旋回運動であることを特徴とする、請求項1に記載のサンプルホルダー。
【請求項3】
前記サンプルホルダーが基部(30)を備え、前記柔軟性支持部材(10)がその下側(10b)を前記基部(30)の上側(30a)に置くように設計され、前記基部が前記保持部材(100、200)を引きつけるために、前記基部(30)が磁力で各々の前記保持部材(100、200)に作用するように設計されることを特徴とする、請求項又はに記載のサンプルホルダー。
【請求項4】
前記第1及び前記第2保持部材(100、200)が、それらの第1位置に存在する場合に互いに対して一列に並び、前記第1及び前記第2保持部材(100、200)がそれらの第2位置に存在する場合に互いに対して角度(W)で配置され、鈍角(W)で配置され、180°未満で配置されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載のサンプルホルダー。
【請求項5】
前記保持部材(100、200)がそれぞれ疎水性表面(106、206)を備え、前記疎水性表面(106、206)が前記柔軟性支持部材(10)から離れて面する各々の前記保持部材(100、200)の外側に少なくとも形成され、前記疎水性表面(106、206)が、前記外側を疎水性被覆物で被覆することで形成され、疎水性パップペンマーカー(PAP−Pen marker)で被覆することで形成されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載のサンプルホルダー。
【請求項6】
前記柔軟性支持部材(10)が複数の孔を有する多孔質表面(P)を備え、該表面(P)は前記先端(103、203)の間の前記隙間(G)の下に広がり、前記多孔質表面(P)はポリマー又は金属の発泡体で形成され、ポリリジン又はフィブリンで被覆され、前記多孔質表面(P)の前記孔は0.1μmから200μmの範囲の孔径を備えることを特徴とする、請求項のいずれか1項に記載のサンプルホルダー。
【請求項7】
各々の前記保持部材(100、200)が前記先端(103、203)を形成する網状素子(N)により形成され、又は前記網状素子(N)を備え、前記網状素子(N)がプラスチック又は金属で形成されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載のサンプルホルダー。
【請求項8】
前記サンプルホルダー(1)はさらに、別個の第1基部セグメント(104)、金属で形成され、又は金属を含み、前記第1保持部材(100)の前記第1部分(101)に隣接する前記柔軟性支持部材(10)の前記上側(10a)に接続し、かつ、前記基部(30)に引きつけられる、前記第1基部セグメント(104)を備え、その結果前記第1保持部材(100)はその第1位置からその第2位置へ旋回可能であり、前記第1保持部材(100)は前記基部(30)から解放され、かつ、前記柔軟性支持部材(10)の一部を引き連れ、一方前記第1基部セグメント(104)は前記基部(30)に付着して残り、かつ、前記サンプルホルダー(1)はさらに、別個の第2基部セグメント(204)であって、金属で形成され、又は金属を含み、前記第2保持部材(200)の前記第1部分(201)に隣接する前記柔軟性支持部材(10)の前記上側(10a)に接続し、かつ、前記基部(30)に引きつけられる、前記第2基部セグメント(204)を備え、その結果前記第2保持部材(200)はその第1位置からその第2位置へ旋回可能であり、前記第2保持部材(200)は前記基部(30)から解放され、かつ、前記柔軟性支持部材(10)の一部を引き連れ、一方前記第2基部セグメント(204)は前記基部(30)に付着して残ることを特徴とする、請求項又は請求項を引用する請求項4〜のいずれか1項に記載のサンプルホルダー。
【請求項9】
前記第1基部セグメント(104)が前記柔軟性支持部材(10)の第1境界領域(11)に配置され、かつ、前記第2基部セグメント(204)が前記柔軟性支持部材(10)の第2境界領域(12)に配置され、該第2境界領域(12)は前記第1境界領域(11)の反対側にあり、かつ、その第1位置で前記第1保持部材(100)は前記第1基部セグメント(104)と平行に並び、かつ、その第1位置で前記第2保持部材(200)は前記第2基部セグメント(204)と平行に並び、かつ、前記第1及び前記第2保持部材(100、200)は互いに隣接し、かつ、前記第1及び前記第2基部セグメント(104、204)の間に配置され、かつ、前記第1及び前記第2基部セグメント(104、204)は前記柔軟性支持部材(10)と接着され、接着剤によって接着され、エポキシを含む接着剤によって接着されることを特徴とする、請求項に記載のサンプルホルダー。
【請求項10】
前記保持部材(100、200)が、前記柔軟性支持部材(10)と前記基部(30)の間にある、前記保持部材(100、200)の縦軸(L)と交差して走る挿入方向(I)における竿(R)の挿入によって、前記第1位置から前記第2位置へ動かされるよう設計されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載のサンプルホルダー。
【請求項11】
各々の前記保持部材(100、200)が棒(101、201)、金属で形成される、棒(101、201)を備え、該棒は前記第1部分(101、201)を形成し、かつ、各々の前記保持部材(100、200)はさらに、棘(105、205)、鋼で形成され、各前記棒(101、201)と接続する、棘(105、205)を備え、該棘(105、205)は各前記先端(103、203)を形成する各前記第2部分(102、202)を備え、各々の前記棘(105、205)はその関連する棒(101、201)と接着され、接着剤によって接着され、エポキシを含む接着剤によって接着されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載のサンプルホルダー。
【請求項12】
前記基部(30)は第1位置と第2位置との間を回転するよう設計される回転部材(42)を備え、前記回転部材(42)はその第2位置に回転する場合に前記基部(30)の前記上側(30a)から一部(43)を突き出し、かつそれにより前記一部(43)で前記柔軟性支持部材(10)の前記上側(10a)から離れて面する前記柔軟性支持部材(10)の前記下側(10b)を押し、それにより前記回転部材(42)がその第2位置に回転している場合に前記保持部材(100、200)がそれらの第2位置に配置され、かつ、前記回転部材(42)がその第1位置に回転する場合に引っ込むことにより、前記保持部材(100、200)がそれらの第1位置に配置されることを特徴とする、請求項又は請求項を引用する請求項4〜11のいずれか1項に記載のサンプルホルダー。
【請求項13】
各々の前記保持部材(100、200)が前記保持部材(100、200)の前記先端(103、203)の反対側に末端(14、24)を備え、その結果前記基部(30)は各々の前記末端(14、24)に磁力で作用するように設計され、前記保持部材(100、200)がそれらの第1位置からそれらの第2位置へ動かされる場合に、前記末端(14、24)は前記基部(30)に引きつけられ、前記末端(14、24)が前記基部(30)と接触し続けることを特徴とする、請求項12に記載のサンプルホルダー。
【請求項14】
前記回転部材(42)及び前記保持部材(100、200)がそれらの第1位置に存在する場合に、前記保持部材(100、200)の前記先端(103、203)を引きつけるように、前記回転部材(42)が前記回転部材(42)の前記第1位置で前記先端(103、203)に面する磁性部(400)を備えることを特徴とする、請求項12又は13に記載のサンプルホルダー。
【請求項15】
記先端(103、203)が互いに平行に並ぶ場合、能動的に前記サンプル(S)を貫通するように、前記先端(103、203)は互いの方へ動かされるように設計されることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載のサンプルホルダー。
【請求項16】
前記保持部材が前記サンプルを保持するようにそれらの第1位置に位置する場合、前記先端は能動的に前記サンプル(S)を貫通するように、互いの方へ動かされるように設計されることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1項に記載のサンプルホルダー。
【請求項17】
各々の前記保持部材(100、200)が、前記柔軟性支持部材(10)の前記上側(10a)と接着される第1部分(101、201)を備えることによって特徴付けられる、請求項1〜16のいずれか1項に記載のサンプルホルダー。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか1項に記載のサンプルホルダーを用いるサンプルの保持方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はサンプルを保持するためのサンプルホルダーであって、具体的には原子間力顕微鏡用のサンプルホルダー、対応するサンプルホルダーシステム、及びそのようなサンプルの保持方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原子間力顕微鏡法(AFM)は今日、生体内及び/又は生体外の様々な生物学的過程及び病理を調査するための非常に有望で、かつ重要な道具であると認識される(文献1〜5)。しかしながら、生きている生体組織を扱う仕事は、それらの生存及びその結果としての正確かつ再現可能な測定を確保するために、特殊な実験設定を必要とする。これらの設定は、抽出場所からAFMへの迅速かつ簡単なサンプル移動、安定し、かつ簡単なサンプル取り付け、及び近生理学的な実験条件(気体、温度及び灌流)を含む。これまで、生理的環境の方へできる限り実験条件を改良するほとんどの仕事はなされた。現在、サンプルはしばしば一時的な管又は箱で実験室に移動され、かつその後接着剤でサンプルホルダーに取り付けられる。しかしながら、以下に概略を説明するように、幾つかの問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
生体サンプルは、生検用具から抽出される場合、通常は非常に柔らかく、かつ極めて小さい。サンプルがその後一時的な管/箱に移動される場合、サンプルは付着しておらず緩衝溶液中に浮いているので、それによりサンプルを傷つける可能性が増加し、追加的な操作を困難にさせ、かつ、顕微鏡の下への取り付けのためにサンプルが置かれ、かつ除去される場合に、損傷の危険性を増加させる。
【0004】
さらに、具体的には、生体サンプルはその生理学的機能を維持するために適切な緩衝溶液に継続的に浸される必要がある。残念ながら、使用される接着剤(例えば、エポキシ、生体組織接着剤)のほとんどが液体環境中で適切に機能しないことが知られている。その結果として、生体サンプルはしばしば部分的に乾燥することを必要とし、それは生体サンプルの性質を著しく変える恐れがある。さらに、接着剤のサンプル緩衝液との混合は潜在的にサンプルを汚染する恐れがある。
【0005】
過去10年間にわたってAFM下へのサンプルの取り付けの重要な改良及び向上がなされた。例えば、細胞上でのAFM実験に提供される様々な便利な解決策がある。典型的には、細胞は細胞培養皿の底に付着され、細胞培養皿はその後AFMのサンプル台に固定される。その上、温度、気体及び灌流の制御が備えられる。
【0006】
しかしながら、他方では、AFM下でのより大きく無傷な組織の取り付け、水和及び設置の改良はほとんどなされていない。現在の手順は、疎水性(ポリテトラフルオロエチレン)支持部材又は細胞培養皿のいずれかへの様々な異なる接着手段に限られている。
【0007】
上記に基づいて、本発明の根本的な問題は、安定した取り付け、かつ好ましくは、簡便かつ迅速な(例えば、生きている生体)サンプルの移動、具体的にはAFM下への移動を可能にするサンプルホルダーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この問題は請求項1の特徴を有するサンプルホルダーによって解決される。
【0009】
好ましい実施形態は対応する従属項で同様に提示される。
【0010】
請求項1によれば、サンプルホルダーは少なくとも第1及び第2保持部材を備え、各々の保持部材は先端を備え、保持部材がそれぞれ、先端が互いに隣接して位置する(ただし小さい隙間で分けられ得る)第1位置から、先端が前記第1位置より互いにさらに離れ、かつ保持されるサンプルの少なくとも一部を受け取るための(そしてより大きい)隙間で分けられる第2位置まで移動でき、かつ、サンプルが前記隙間に受け取られ、かつ保持部材が第2位置から第1位置へ後退する場合に、サンプルを保持するようにサンプルを貫通し、又は圧迫するように、前記先端は設計される。
【0011】
好ましくは、サンプルホルダーは上側と前記上側から離れて面する下側を有する柔軟性支持部材であり、各々の保持部材は柔軟性支持部材の上側と接続され、具体的には接着される第1部分、及び前記先端を形成する第2部分を備える。
【0012】
本発明によるサンプルホルダーは、具体的には柔らかい生体サンプル(乳房、皮膚組織)、具体的には医療生検用具(例として、セノアールエックス・アンカー・マンモ・バイオプシー・システム、シーメンス、ドイツ)で抽出されたサンプルに適している。説明されるように、サンプルは隙間又は溝の中央に位置し、かつ、前述の機構で安定的に取り付けられる。これは、具体的には−接着剤が使われる場合−サンプルが配置される平らな接着剤の被覆を作るのはかなり難しいという事実によりサンプル表面のうねりが通常は増加するので、通常は測定に利用しにくいサンプルの切片の測定を可能にする。
【発明の効果】
【0013】
具体的には、(サンプル又は周囲の緩衝溶液のいずれかと接着剤との混合を理由とする)サンプルの接着剤汚染のおそれを避けるために、本発明によるサンプルホルダーは接着剤のないサンプルの機械的安定化を用いている。さらに、サンプルの組成及び構造はサンプルの固定に接着剤を用いる場合なら受けるであろう著しい影響を受けないので、前記機械安定化は、具体的にはAFM実験後に同じサンプルを追加的な分析に提供する可能性を備える。具体的には、接着剤の硬化を待つ必要がないので、機械安定化はまた、実験前段階で必要とする時間が少ないことを示す。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明によるサンプルホルダーの実施形態の平面図を示す。
図2図1に示される方向IIに沿った、図1によるサンプルホルダーの側面図を示す。
図3図1に示される方向IIIに沿った、図1によるサンプルホルダーの別の側面図を示す。
図4図1から3に示すサンプルホルダーにどのようにサンプルが固定されるのかを、連続する3つの図で示す。
図5】本発明によるサンプルホルダーのさらなる実施形態の、基部の上方からの上面図を示す。
図6図5によるサンプルホルダーの、細長保持部材と一体の柔軟性支持部材の上面図を示す。
図7図5による基部及び、図6による柔軟性支持部材並びに細長保持部材と一体の完全なサンプルホルダーの上面図を示す。
図8図5から7に示すサンプルホルダーにどのようにサンプルが固定されるのかを、連続する2つの側面図で示す。
図9】保持部材のさらなる実施形態を示す。
図10】本発明のさらなる実施形態の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
具体的には、本発明の好ましい実施形態によれば、第1位置から第2位置への前記移動は先端が互いから離れ合う保持部材の旋回運動を含む。具体的には、前記保持部材は互いに反対側にあり、かつ、それらの第1位置からそれらの第2位置の方へ同時に旋回するよう設計される。
【0016】
しかしながら、その代わりとして、前記移動は、先端が単純に互いに離れる方へ(又は互いの方へ)動く直線運動であることもまた可能である。この場合、柔軟性支持部材は弾性がある可能性があり、又はそのような直線運動を可能にする他の何らかの手段に置き換わる可能性がある。
【0017】
具体的には、装置は基部を備え、前記柔軟性支持部材がその下側を前記基部の上側に置くように設計される。本発明の好ましい実施形態では、基部が具体的には保持部材を引きつけるように、磁力で保持部材にそれぞれ作用するように設計される。このために、基部は1又は幾つかの磁性領域を、例えば基部と一体化する可能性のある1又は幾つかの磁石の形で備える可能性がある。さらに、基部それ自身が磁石として形成される可能性がある。
【0018】
基部は、例えば鋼板で形成される可能性のある、AFMのサンプル台に取り付けられるように設計されることが好ましい。
【0019】
好ましくは、第1及び第2保持部材が、前記第1位置に存在する場合に互いに対して並列に並ぶ(すなわち、細長保持部材の場合のそれらの縦軸、又は板状、網状、若しくは網の目状の保持部材の場合のそれらの延長面が一致する)。好ましくは、第1及び第2保持部材は(先端間の前記拡大した隙間の原因となる)前記第2位置では、互いに対して(具体的には鈍角の)角度で位置され、具体的には180°未満で配置される。並列に並ぶことは、細長部材が互いに対して平行に並ぶことを意味し(すなわち、それらの縦軸又は延長面は一致する)、その結果それらは理想的に180°で取り囲む。しかしながら、特に、該角度から少しのずれがある可能性があるが、保持部材が第2位置のときの先端間の隙間が第1位置のときより依然として大きい範囲内である。
【0020】
具体的には、柔軟性支持部材はポリテトラフルオロエチレンを含み、又はポリテトラフルオロエチレンから形成される。好ましくは、柔軟性支持部材はポリテトラフルオロエチレンのテープとして形成される。支持部材は必要な限りの長さで作られうるものであり、前記境界領域が支持部材の(例えば、縦の)伸長方向に沿って(可変の長さを有する前記テープ又は支持部材に沿って)互いに平行に広がることが好ましい。
【0021】
本発明の好ましい実施形態では、隙間に沿って広がる柔軟性支持部材の中央部分は、薄い多孔質の構造又は表面であって、具体的には3mmの直径を有し、具体的には例として金属の若しくはポリマーの発泡体、又は同様の構造体で形成される前記構造又は前記表面を備え、サンプルとの接触面積及び接着を増やすために、これらの発砲体又は構造体はポリリジン又はフィブリンで被覆されることが好ましい。サンプルが持ち上げられる場合、すなわち、保持部材がそれらの第2位置に存在する場合に前記孔は開き、かつ、保持部材が第1位置に移動する時点で前記孔は閉じ、その結果さらにサンプルは同様に孔に捕まえられうる。
【0022】
具体的には、各々の保持部材の第1部分は柔軟性支持部材の上側に留められ又は接着され、具体的には接着剤で留められ又は接着され、具体的にはエポキシを含む接着剤で留められ又は接着される。
【0023】
本発明の好ましい変形によれば、保持部材はそれぞれ疎水性表面を備え、前記疎水性表面は柔軟性支持部材から離れて面する各々の保持又は細長部材の外側に少なくとも形成され、具体的には前記疎水性表面は疎水性被覆物で前記外側を被覆することによって形成され、具体的には疎水性パップペンマーカー(PAP−Pen marker)、ポリテトラフルオロエチレン又は何らかの疎水性ポリマー等で被覆する。
【0024】
本発明の好ましい変形では、サンプルホルダーは別個の第1基部セグメントであって、金属で形成しうるものであり、又は金属を含み、かつ、具体的には第1保持部材の前記第1部分と隣接する柔軟性支持部材の上側と接続し、かつ、(基部から及ぼされ、かつ第1基部セグメントに作用する磁力に起因して)基部に引きつけられる前記第1基部セグメントを備え、その結果前記第1基部セグメントは第1保持部材の第1部分から間隔が空き、かつ、−第1保持部材が第1位置にいる場合−第1保持部材の縦軸又は延長面に沿って第1保持部材と平行に並ぶ(すなわち、第1基部セグメント及び第1保持部材が前記第1位置で並列に並ぶ)。従って、前記第1基部セグメントと前記第1保持部材との間の距離に起因して、前記第1保持部材はその第1位置からその第2位置に旋回されうる。旋回運動では、第1保持部材は具体的には(柔軟性支持部材によって第1保持部材から分離されるが)第1保持部材を引きつける基部から解放され、かつ、具体的には接続される柔軟性支持部材の一部を引き連れ、さらに第1基部セグメントが具体的には(柔軟性支持部材の介在下で)磁性の基部に付着して残り、ただし具体的には第1保持部材がその第2位置に移動する間に磁性基部に沿って滑る。
【0025】
同様に、サンプルホルダーは好ましくはさらに別個の第2基部セグメントであって、金属で形成可能であり、又は金属を含み、かつ、第2保持部材の前記第1部分と隣接する柔軟性支持部材の上側と接続し、かつ、(例えば、磁力に起因して)基部に引きつけられ、かつ、具体的には第2保持部材の第1位置にいる第2保持部材(上記を参照)と平行に並ぶ、前記第2基部セグメントを備える。従って同様に、前記第2基部セグメントと前記第2保持部材との間の距離に起因して、前記第2保持部材はその第1位置からその第2位置に旋回されうるものであり、第2保持部材は具体的には同様に第2保持部材を引きつける磁性基部から解放され、かつ、具体的には前記第2保持部材と接続される柔軟性支持部材の一部を引き連れ、さらに第2基部セグメントが具体的には(同様に柔軟性支持部材の介在下で)磁性基部に付着して残る。旋回すると、第2基部セグメントは、具体的には磁性基部に沿って滑り、具体的には第1基部セグメントの方へ滑る。
【0026】
好ましくは、第1基部セグメントは柔軟性支持部材の第1境界領域に配置され、同時に第2基部セグメントは柔軟性支持部材の第2境界領域に配置され、該第2境界領域は前記第1境界領域の反対側にあり、かつ、具体的には第1位置の第1保持部材は第1基部セグメントと(第1保持部材の縦軸又は延長面に対して)平行に並び、かつ、具体的には第1位置では第2保持部材は第2基部セグメントと(第2保持部材の縦軸又は延長面に対して)平行に並ぶ。具体的には、第1及び第2保持部材は互いに隣接し、かつ第1及び第2基部セグメントの間に配置される。さらに、好ましくは、第1及び第2基部セグメントは柔軟性支持部材に接着され、例えば接着剤によって接着され、例えばエポキシを含む接着剤によって接着される。
【0027】
本発明の変形によれば、前記保持部材は、前記先端の下の前記柔軟性支持部材と前記基部の間にある、前記保持部材の縦軸と交差して走り、又は前記隙間に沿って走る挿入方向における竿の挿入によって、前記第1位置から前記第2位置へ(好ましくは同時に)動かされるよう設計される。容易な挿入のために、前記竿は具体的には先細の末端領域を備える。
【0028】
本発明の好ましい実施形態では、前記保持部材は細長保持部材として形成され、すなわち、それらは縦軸に沿って広がり、かつ、各縦軸に垂直な個々の保持部材の大きさより著しく大きい、縦軸に沿った長さを備える。
【0029】
本発明の好ましい実施形態では、そのような細長部材の場合、各々の細長部材は棒、具体的には金属で形成され、該棒はそれぞれ第1部分を備える、前記棒を備え、かつ、具体的には、各々の細長部材はさらに棘、具体的には鋼で、それぞれの棒に接続され、該棘はそれぞれの先端を形成するそれぞれの第2末端部分を備える、前記棘を備える。具体的には、それぞれの棘はその関連する棒と接着され、具体的には接着剤によって接着され、具体的にはエポキシを含む接着剤によって接着される。
【0030】
あるいは、細長保持部材の代わりに、第1及び第2保持部材はそれぞれ網状(又は網の目状)素子を備え、又は延長面に沿って二次元的に、すなわち(少なくとも保持部材の第1位置の)柔軟性支持部材と平行に広がるそのような網状(又は網の目状)素子で形成される。前記延長面と垂直な網状素子の幅は、それぞれの延長面内の網状素子の寸法より著しく小さい。それらの網状素子はそれぞれの保持部材の前記先端を形成する、少なくとも1つの先端を備える。好ましくは、各々の網状素子は複数の先端を備える。好ましくは、それぞれの網状素子がより大きい網状層から切り取られる場合、それらの先端が生じる。網状素子はプラスチック又は金属である可能性がある。プラスチックの網状素子が用いられる場合、それぞれの保持部材は少なくとも1つの先端の反対側の末端又は末端領域を備える可能性があり、該末端又は末端領域は適切な金属で形成され、又は適切な金属を含み、その結果それぞれの末端又は末端領域は磁力によって基部に引きつけられ得る。
【0031】
本発明のさらにもう1つの好ましい実施形態によれば、基部は回転部材であって、該回転部材が引っ込む位置に対応する第1位置と該回転部材が前に出る位置に対応する第2位置との間を回転されるように設計される、前記回転部材を備える。具体的には、回転部材は第2位置に配置される場合、基部の上側から(例えば、基部の上側に対して垂直に)一部を突き出し、前記回転部材は前記一部を柔軟性支持部材の前記上側から離れて面する柔軟性支持部材の下側に寄りかからせ、回転部材がその第2位置に配置される場合、保持部材がそれらの第2位置に配置される。具体的には、回転部材はその第1位置に配置される場合、基部の前記上側と基本的に同一平面であり、保持部材がそれらの第1位置に対応して配置される。
【0032】
回転部材は、回転部材を保持部材の縦軸に垂直に走る回転軸の周りを、手動で回転させるためのハンドルを備える可能性がある。前記ハンドルは回転軸及び基部から前記回転軸に沿って広がることが好ましい(具体的には、回転軸はハンドルの縦軸を形成する)。
【0033】
その上、好ましくは、各々の保持部材はそれぞれの保持部材の先端の反対側にある末端又は末端領域を備え、前記基部は各々の末端又は末端領域に磁力で作用するように設計され、その結果前記末端は基部に引きつけられ、具体的には、その結果保持部材がそれらの第1位置からそれらの第2位置へ動かされる場合に、前記末端は基部と接触し続ける。末端と基部の間の直接接触を提供するために、第1保持部材の末端は具体的には柔軟性支持部材の第1境界領域を越えて突き出し、かつ、同様に第2保持部材の末端は具体的には柔軟性支持部材の第2境界領域を越えて突き出し、該第2境界領域は具体的には第1境界領域の反対側にある。好ましくは、基部は、第1保持部材の末端又は末端領域(又は幾つかの第1細長保持部材の場合の複数の末端/末端領域)を引きつけ、かつ接触するための第1磁性領域又は第1磁石、及び第2保持部材の末端又は末端領域(又は幾つかの第2細長保持部材の場合の複数の末端)を引きつけ、かつ接触するための第2磁性領域又は第2磁石を備える。
【0034】
その上、前記回転部材は磁性部であって、例えば第3磁性領域又は磁石の形であり、例えば回転部材に組み込まれる、前記磁性部を備え、該磁性部は、回転部材及び保持部材がそれぞれそれらの第1位置に存在する場合に、具体的には少なくとも保持部材の2つの反対側の先端を(又はさらに多くの反対側の先端を)引きつけるように、回転部材の第1位置では保持部材の前記先端に面する。
【0035】
好ましくは、本発明によるサンプルホルダーは複数の第1細長保持部材及び複数の第2細長保持部材を備え、具体的には第2細長保持部材は各々の第1細長保持部材と関連する。この場合、サンプルホルダーは具体的には、上側及び前記上側から離れて面する下側を有する柔軟性支持部材と、複数の第1及び複数の第2細長保持部材であって、異なる第2細長保持部材が各々の第1細長保持部材と関連し(又は逆も同様である)、各々の細長保持部材は柔軟性支持部材の上側と接続する第1部分、及びそれぞれの細長保持部材の先端を形成する反対側の第2部分を備え、細長保持部材がそれぞれ、先端が互いに隣接して位置する第1位置から、先端が第1位置よりも互いにさらに離れ、かつ保持されるためのサンプルの少なくとも一部を受け取るための隙間で分けられる第2位置までそれぞれ移動でき、前記先端が、サンプルが前記隙間に受け取られ、かつ細長保持部材が第2位置から第1位置へ後ろに動かされる場合に、サンプルを保持するようにサンプルを貫通するように設計される、前記複数の細長第1及び前記複数の細長第2保持部材とを備える。
【0036】
好ましくは、互いに対して平行に広がる第1細長保持部材は、具体的には等距離に互いに間隔を空け、かつ、柔軟性支持部材の第1領域の上に配置され、同時に互いに対して平行に広がる第2細長保持部材は、具体的には等距離に互いに間隔を空け、かつ、柔軟性支持部材の第1領域の上に配置され、該第2領域は細長部材の縦軸に沿って第1領域の反対側にある。
【0037】
好ましくは、サンプルホルダーはさらに複数の別個の第1基部セグメントであって、具体的には金属で形成され、又は金属を含み、該第1基部セグメントは柔軟性支持部材の上側と接続され、かつ、磁性基部に引きつけられる前記第1基部セグメントを備え、各々の前記第1基部セグメントは異なる第1細長保持部材と関連し、かつ、関連する第1細長保持部材(上記を参照)の第1部分と隣接して配置され、その結果第1細長保持部材はそれらの第1位置からそれらの第2位置へ旋回されうるものであり、第1細長保持部材は磁性基部から解放され、かつ、具体的にはそれらが接続される柔軟性支持部材の一部を引き連れ、同時に第1基部セグメントが磁性基部に付着して残る(ただしそれらは具体的には第1細長保持部材の旋回により、磁性基部に沿って滑る)。さらに、サンプルホルダーは好ましくは複数の別個の第2基部セグメントであって、具体的には金属で形成され、又は金属を含み、該第2基部セグメントは柔軟性支持部材の上側と接続され、かつ、磁性基部に引きつけられる前記第2基部セグメントを備え、各々の第2基部セグメントは異なる第2細長保持部材と関連し、かつ、関連する第2細長保持部材(上記を参照)の第1部分と隣接して配置され、結果として第2細長保持部材はそれらの第1位置からそれらの第2位置へ旋回されうるものであり、第2細長保持部材は磁性基部から解放され、かつ、具体的にはそれらが接続される柔軟性支持部材の一部を引き連れ、同時に第2基部セグメントが磁性の基部に付着して残る(ただしそれらは具体的には第2細長保持部材の旋回により、磁性基部に沿って滑る)。
【0038】
好ましくは、第1基部セグメントは柔軟性支持部材の(第1領域の)第1境界領域上に配置され、第2基部セグメントは柔軟性支持部材の(第2領域の)第2境界領域上に配置されることが好ましく、該第2境界領域は前記第1境界領域の反対側にある(上記を参照)。具体的には、第1位置では、各々の第1細長保持部材はその関連する第1基部セグメントと平行に並び、同時に各々の第2細長保持部材はその関連する第2基部セグメントと平行に並ぶ。さらに、好ましくは、各々の第1細長保持部材はその関連する第2細長保持部材と隣接して配置され、かつ、それらの細長保持部材は好ましくはそれらの関連する第1基部セグメントと第2基部セグメントとの間に配置される。具体的には、第1及び第2基部セグメントは柔軟性支持部材の上側に接着され、具体的には接着剤によって接着され、具体的にはエポキシを含む接着剤によって接着される(上記を参照)。
【0039】
さらに、好ましくは、複数の第1及び複数の第2細長保持部材が存在する場合、各々の第1細長保持部材及びその関連する第2細長保持部材が、前記第1位置に存在する場合に互いに対して(すなわち、その結果一致するそれらの縦軸に対して)並列に並ぶ一方で、それらは前記第2位置では互いに対して(例えば、鈍角の)角度で配置され、具体的には180°未満で配置される。
【0040】
さらに、複数の第1及び複数の第2細長保持部材が存在する場合、細長保持部材は、先端の下で、かつ前記柔軟性支持部材と前記基部の間にある、細長保持部材の縦軸と交差して走る挿入方向における竿の挿入(上記を参照)によって、又は前記回転部材(上記を参照)によって、第1位置から第2位置へ(好ましくは同時に)動かされるよう設計されることが好ましい。
【0041】
複数の第1及び複数の第2細長保持部材が存在する場合、片側の第1細長保持部材の先端と反対側の第2細長保持部材の先端の間で定義される前記隙間は、細長保持部材の縦軸と垂直に(すなわち、第1及び第2境界領域と平行に)広がることが好ましい。
【0042】
細長保持部材の第1位置では、相対する先端はより互いに近く、かつ、前記隙間はそれ故に、第1細長保持部材が旋回して第2細長保持部材から離れることに起因して相対する先端が互いにさらに離れる第2位置のときよりも小さくなる。
【0043】
その上、サンプルホルダーは、サンプルの温度を制御し、かつ、気体及び/又は液体(例えば、緩衝溶液など)をサンプルに供給するための、温度、大気及び灌流の制御システムを備えることが可能である。
【0044】
本発明のさらなる実施形態によれば、具体的には先端(及び、具体的には保持部材)が互いに(例えば、直線に沿って)平行に並ぶ場合、(例えば、保持部材/先端の旋回によって提供される保持機構に加えて)能動的にサンプルを貫通するように、(例えば、保持部材がそれらの各々の先端と共にある場合の)先端は互いの方へ(例えば、それぞれ前記直線に沿って)動かされるように設計される。
【0045】
さらなる実施形態によれば、サンプルを保持するように保持部材がそれらの第1位置に配置される場合に、能動的にサンプルを貫通するように、(例えば、保持部材がそれらの各々の先端と共にある場合の)先端は互いの方へ動かされるように設計される。
【0046】
サンプルホルダーは互いの方への先端の該運動を発生させる、発生又は補助の手段を備える可能性がある。
【0047】
具体的には、先端は5μmから200μmの範囲内の直径を備え、具体的には5μmの直径を備える。
【0048】
(例えば、サンプルを保持するための追加措置として)能動的にサンプルを両側から貫通するように先端が互いの方へ動かされる、これらの実施形態は、いかなる本発明の他の実施形態とも結びつきうる。もちろん、先端が互いの方へ動かされる、これらの実施形態は上述のような複数の保持部材及び先端を同様に用いうる。
【0049】
さらに、本発明による問題はシステムによって解決される。
【0050】
それによれば、前記システムは本発明による(例えば、前記回転部材のない)サンプルホルダーを備え、前記システムはさらに、先端をそれらの第1位置からそれらの第2位置へ動かすように、前記基部と柔軟性支持部材の間に挿入されるよう設計される竿を備え、具体的には前記竿は先細の末端領域を備え、具体的には前記竿は、細長保持部材の縦軸と交差して走る挿入方向における、(前記先細と前記基部の間への前記竿の容易な挿入を可能とするために)前記先細の末端領域を先に、前記基部と柔軟性支持部材の間(例えば、先端の下)へ挿入されるよう設計される。
【0051】
さらに、本発明の根本的な問題は請求項18に記載のサンプルの保持方法によって解決される。
【0052】
方法は具体的には本発明によるサンプルホルダーを用い、(例えば、細長の)保持素材はそれらの第1位置からそれらの第2位置に、
−具体的には先細の末端領域を備える竿であって、保持部材がそれらの第1位置からそれらの第2位置へ動かされるように、具体的には前記竿は、前記先細の末端領域を先とする挿入方向において、(例えば、先端の下であって)磁性基部と前記基部の上の前記柔軟性支持部材との間に挿入され、具体的には前記挿入方向は保持部材の縦の伸長方向と交差して走る、前記竿によって動かされ、
又は、具体的には保持部材をそれらの第2位置へ動かす(例えば、旋回させる)ために、第2位置へ回転される、前記回転部材(上記を参照)によって動かされ、
かつ、装置によって保持されるべきサンプルは前記隙間の部分に少なくとも配置され、かつ、保持部材がそれらの第2位置からそれらの第1位置の方へ動かされ、その結果先端が前記隙間に配置されるサンプルを貫通し(又は、少なくともサンプルを圧迫し)、かつ、それ故にサンプルをサンプルホルダーに固定し、
−具体的には、保持部材は、竿を柔軟性支持部材と磁性基部の間のその位置から引き抜くことによって、それらの第2位置からそれらの第1位置の方へ動かされ、
又は、具体的には保持部材をそれらの第1位置へ動かす(例えば、旋回させる)ために、第1位置へ回転される、前記回転部材によって動かされる。
【0053】
加えて、例えば最後の段階で、例えば能動的にサンプルを(例えば、両側から)貫通するように、先端が互いの方へ動かされる可能性がある。
【0054】
以下の実施形態で、本発明のさらなる特徴及び利点は図への参照で説明するものとする。
【0055】
図1ないし4によれば、本発明によるサンプルホルダー1は柔軟性支持部材10であって、具体的にはポリテトラフルオロエチレンであり、上側10aと下側10bを備えるテープの形である、前記柔軟性支持部材10を備える。サンプルホルダー1はさらに複数の第1及び第2細長保持部材100、200を備え、保持部材100、200のそれぞれは、金属棒101、201から形成される第1部分101、201、及び先端103、203を有する棘105、205から形成される第2部分102、202を備え、該棘105、205はそれぞれの金属棒101、201に取り付けられ、具体的には接着される。各々の保持部材100、200、すなわち、その第1及び第2部分101、102、201、202は縦軸Lに沿って伸びる。保持部材100、200はさらに、それらの第1部分(例えば、棒)101、201で、柔軟性支持部材10の上側10aと接続され、具体的には接着される。
【0056】
さらに、各々の第1保持部材100が第2保持部材200と関連するように、保持部材100、200は柔軟性支持部材10の上側10aの上に対で配置されることが好ましく、−第1位置では−それぞれ関連する保持部材100、200は互いに対して平行に並び、それらの縦軸Lは一致する。さらに、各々の第1保持部材100はそれぞれの第1保持部材100の第1部分101と隣接して配置される第1基部セグメント104と関連し、かつ、各々の第2保持部材200はそれぞれの第2保持部材200の第1部分201と隣接して配置される第2基部セグメント204と関連し、−前記第1位置では−基部セグメント104、204は同様にそれぞれの保持部材100、200と平行に並ぶ。好ましくは、第1基部セグメント104は柔軟性支持部材10の第1境界領域11に沿って配置されるのに対して、第2基部セグメント204は柔軟性支持部材10の反対側にある第2境界領域12に沿って配置され、該境界領域11、12は保持部材100、200の縦軸Lに対して垂直に伸びる。関連する第1及び第2保持部材100、200は同様にそれらの縦軸Lに沿って互いに相対し、かつ、一対の保持部材100、200のそれぞれと関連する2つのそれぞれの基部セグメント104、204の間のそれらの軸Lに沿って配置される。
【0057】
保持部材100、200はさらに、片側の第1保持部材100の先端103と、反対側の第2保持部材200の先端203との間に隙間Gが形成されるように配置される。
【0058】
任意に、隙間Gに沿って伸びる柔軟性支持部材10の中央部分は、複数の孔を備える、図3に示されるような、薄い多孔質構造又は表面Pを備える。前記構造又は表面Pは具体的には、例えば金属若しくはポリマーの発泡体又は同様の多孔質構造体で形成され、サンプルSとの接触面積及び接着を増やすために、これらの発砲体又は構造体はポリリジン又はフィブリンで被覆されることが好ましい。保持部材100、200がそれらの第2位置に存在する場合、前記孔は保持の第1位置の場合より開かれる。従って、サンプルSはさらに保持部材100、200の第1位置内の1つ又は幾つかの孔によって同様に保持される可能性がある。
【0059】
基部セグメント104、204は同様に、柔軟性支持部材10の上側10aであって、好ましくはポリテトラフルオロエチレンで形成され、又はポリテトラフルオロエチレンを含む前記上側10aであり、かつ、好ましくは金属で形成され、又は金属を含む保持部材100、200の棒101、201を引きつける磁性基部30の上に前記柔軟性支持部材10の下側10bを置く、前記上側10aに接続され、具体的には接着される。基部セグメント104、204は同様に金属で形成され、又は金属を含むことが好ましい。
【0060】
これから、図4で説明されるようにサンプルSをサンプルホルダー1に固定するために、竿Rは、先端103、203の下(例えば、前記隙間Gの下)で柔軟性支持部材10の下側10bと磁性基部30との間に、磁性基部30に沿って、より厳密に言えば前記隙間Gに沿って伸び、かつ保持部材100、200の縦軸Lに対して垂直な挿入方向Iに沿って挿入される。好ましくは、前記竿Rは前記部品の間に先細の末端領域R’を先にして挿入され、その結果柔軟性支持部材10は磁性基部30から連続して局所的に遠ざけられ、棒101、201はそれらと接続する支持部材10の一部と共に旋回方法で磁性基部30から持ち上げられ、同時に基部セグメント104、204はそれらを引きつける磁性基部30に付着して残る。従って、保持部材100、200は隙間Gが広がるように旋回して互いから離れ、同時に竿Rによって誘発される保持部材100、200の旋回運動によって相対する基部セグメント104、204は互いの方へ動く。保持部材100、200が、それらがそれぞれ関連する保持部材100、200ともはや平行に並んでいないが、互いに対して180°未満の(例えば、鈍角の)角度Wで配置される、それらの第2位置に存在する時点で、サンプルSは少なくとも部分的に前記隙間G内に配置され、結果として前記竿Rを柔軟性支持部材10と磁性基部30の間の位置から引き抜くことによって、保持部材100、200は、隙間Gがより小さく(すなわち、相対する先端103、203が互いにより近づき)、かつ、それ故にサンプルSを貫通し、又は圧迫するそれらの第1位置へ旋回して戻る。これはサンプルSをサンプルホルダー1に対して固定する。
【0061】
具体的には、棒101、201はそれぞれ、疎水性表面106、206であって、具体的には個別のバッファ(例えば、PBS、リンガー等のような水溶液)に浸される、固定されるサンプルSを保持するための耐熱性及び撥水性の障壁を提供する、前記表面106、206を備える。具体的には、前記表面106、206はパップペンマーカー(PAP−Pen marker)(例えば、リサーチ・プロダクツ・インターナショナル、マウンテンプロスペクト、イリノイ州)による棒101、201の上半分の被覆によって提供される。さらに、ポリテトラフルオロエチレン又は他の疎水性ポリマーも同様に被覆に用いられうる。
【0062】
好ましくは、棘105、205は直径0.8mmであり、かつ、棒101、201のそれぞれから突き出る棘105、205のそれぞれの一部は、先端103、203をそれぞれ形成する先の尖った末端を備え、(それぞれの縦軸Lに対して)4.5mmの長さであることが好ましい。それらは金属棒101、201の縦軸Lに対する末端にエポキシ接着剤で取り付けられることが好ましい。
【0063】
好ましくは、保持部材100、200の前記第1位置での先端103、203の間の距離(すなわち、隙間Gの幅)AはA=1mmである。
【0064】
さらに、それぞれの関連する基部セグメント104、204(加えて、基部セグメント104、204と棒101、201との間の距離)を含む棒101、201の長さL’は10mmであることが好ましく、同時に縦軸Lに沿った柔軟性支持部材10の全幅L”は30mmであることが好ましい。
【0065】
さらに、縦軸Lと交差する棒101、201の幅Bは、次の棒101、201までの距離を含んでB=1.4mmであることが好ましい。
【0066】
図5ないし8は本発明によるサンプルホルダー1のさらなる実施形態を示す。
【0067】
ここで、さらに、サンプルホルダー1は、例えば上述のような柔軟性支持部材10(図6を参照)を備え、第1細長保持部材100は、柔軟性支持部材10の上側10aの上に柔軟性支持部材10の第1境界領域11に沿って、すなわち互いに平行に、かつ、互いに等距離に間隔を開けて配置され、それらの縦軸Lは前記第1境界領域11と垂直に伸びる。さらに、各々の第1細長保持部材100は、柔軟性支持部材10から前記第1境界領域11を越えて突き出ることが好ましい末端14を備え、それらの末端14はそれぞれの細長保持部材100の残りの柄に対して広がる可能性がある。
【0068】
同様に、第2細長保持部材200は、柔軟性支持部材10の第2境界領域12に沿って配置され、該第2境界領域は前記第1境界領域11と平行に走り、かつ、前記第1境界領域11の反対側にある。また、第2細長保持部材200も同様に、互いに平行に、かつ、互いに等距離に間隔を開けて配置され、それらの縦軸Lは前記第2境界領域12と垂直に伸びる。さらに、各々の第2細長保持部材200は、柔軟性支持部材10から前記第2境界領域12を越えて突き出ることが好ましい末端24を備え、それらの末端24はそれぞれの細長保持部材200の残りの柄に対して広がる可能性がある。
【0069】
第1及び第2保持部材100、200はそれぞれ、前記突出末端14、24を備える第1部分101、201、及びそれぞれの第1部分101、201と接続され、サンプルホルダー1に保持されるサンプルSを貫通する(又は圧迫する)ための先端103、203をそれぞれ形成する第2部分102、202を備え、保持部材100、200の第1部分101、201は柔軟性支持部材10の上側10aに留められ、又は接着される(上記を参照)。
【0070】
各々の第1保持部材100は異なる第2保持部材200と関連し、各々の第1及びそれと関連する第2保持部材100、200は、図6及び8(上部)に示される保持部材の第1位置でそれらの縦軸Lに対して一列に並ぶ。図1ないし4に対する上述の実施形態のように、保持部材100、200の相対する先端103、203は保持されるサンプルSを受け取るための隙間Gの境界を定める。
【0071】
同様に、任意に、上述のような多孔質表面Pは、隙間Gの下の柔軟性支持部材10の上表面に存在する可能性がある。
【0072】
図7に示されるように、柔軟性支持部材10は前記上側10aから離れて面する下側10bを基部30の上側30aに置くように設計され、基部30は2つの磁性領域301、302であって、第1保持磁石301及び第2保持磁石302の形であり、両方とも基部30と一体化され、結果としてそれらが基本的に基部30の上側30aと同一平面にある、前記磁性領域301、302を備える。第1保持部材100の末端14が第1磁石301に接触し、かつそれらに引きつけられ(第1及び第2保持部材100、200は金属で形成されるのが好ましい)、かつ、第2保持部材200の末端24が第2磁石302に接触し、かつそれらに引きつけられるように、前記磁石301、302は配置され、第2磁石302は第1磁石301の反対側にある。さらに、2つの磁石301、302は目的通りに(図7を参照)柔軟性支持部材10を基部30の上側30aの上に置く場合、保持部材100、200の縦軸Lと垂直に、すなわち柔軟性支持部材10のそれぞれの境界領域11、12に沿って伸びる。
【0073】
図7及び8に示されるように、基部30はさらに回転部材42であって、前記回転部材42によって、保持部材100、200が図8(上部)に示されるそれらの第1位置から、保持部材100、200が互いに対して180°未満(図4を例として参照)の(例えば、鈍角の)角度で配置される、それらの第2位置(図8下部を参照)へ旋回されうるものであり、その結果隙間Gが開き、かつサンプルSを(図4に示すように)隙間内に配置されることを可能にする、前記回転部材42を備える。これから、保持部材100、200がそれらの第1位置に戻る場合、図4に示されるように前記サンプルSは先端103、203によって両側から貫通され(又は圧迫され)、かつそれ故にサンプルホルダー1に固定される。
【0074】
前記回転部材42は第1位置又は引っ込む位置(図8上部)と第2位置又は前に出る位置(図8下部)との間を回転するように設計され、回転部材42は、第2位置に回転する場合、基部30の上側30aから一部43を前記上側30aの垂線に沿って突き出し、かつ、それにより前記一部43で柔軟性支持部材10の前記上側10aから離れて面する柔軟性支持部材10の下側10bを押し、保持部材100、200がそれらの第2位置に配置される。さらに、回転部材42は、第1位置に回転する場合、引っ込み、すなわち、基部30の上側30aから突き出ず、保持部材100、200はそれらの第1位置に配置される。前記回転部材42は基部30の凹部31に配置される可能性があり、回転部材42は前記第1位置と前記第2位置との間を回転部材42を(例えば、手動で)回転させるためのハンドル40を備える可能性があり、該ハンドル40は回転部材42から、回転部材42が基部30に回転可能に取り付けられる場合の回転部材42の回転軸L’に沿って突き出る。
【0075】
実際に柔軟性支持部材10の一部を押し、かつ、それをもって保持部材100、200をそれらの第1位置からそれらの第2位置へ押し出すために、回転部材42は回転軸L’に垂直に広がる面内に長軸及び短軸を備える(例えば、楕円輪郭である)横断面形を備え、その結果回転部材42は、回転部材42が第2位置へ回転する場合に基部30の上側30aから突き出る一部43を(例えば、前記長軸に沿って)形成し(図8下部を参照)、同時に回転部材42は第1(引っ込む)位置で凹部31内に完全に配置されることが好ましい(図8上部を参照)。
【0076】
回転部材42を第1位置から第2位置へ回転させる場合、前記一部43は基部30の上表面30aを超えて凹部31から突き出し始め、かつ、前記先端103、203の下の柔軟性支持部材10の下側10bの一部を押して、その結果柔軟性支持部材10の一部及び保持部材100、200は引き連れられ、かつそれらの第1位置からそれらの第2位置に旋回される。同時に、保持部材100、200の前記末端14、24は基部30に、すなわち磁石301、302のそれぞれに引きつけられ、その結果保持部材100、200がそれらの第1位置からそれらの第2位置へ旋回される場合も、前記末端14、24は基部30(例えば、磁石301、302)と接触したままである。
【0077】
その上、回転部材42は第3磁性領域400であって、例えば第3磁石の形であり、回転部材42及び保持部材100、200がそれらのそれぞれの第1位置に存在する場合に、少なくとも幾つかの保持部材100、200の先端103、203を引きつけるように、回転部材42の第1位置で先端103、203に面する、前記第3磁性領域400を備える。回転部材42を第2位置に回転させる場合、前記第3磁石400は先端103、203から旋回して離れ、その結果、第3磁石400による先端103、203への引力は大幅に弱体化する。
【0078】
さらに、図8に示されるように、多孔質表面Pが存在する場合、上述のように該多孔質表面Pはそれらの孔に起因する付加的な保持効果を備える可能性があり、該孔は保持部材100、200の第2位置では−表面Pの変形/歪曲に起因して−それらの第1位置の場合よりも開いており、その結果該孔は保持部材の第1位置でサンプルSをつかむ(すなわち、孔内のサンプルSの一部を保持する)可能性がある。
【0079】
さらに、図6による保持部材100、200は上述のような疎水性表面で被覆される可能性がある。
【0080】
図9はさらに、例えば上述のような柔軟性支持部材10に同様に取り付けられる、保持部材100、200のもう1つの実施形態を示し、網状素子Nを備える第1保持部材100は、柔軟性支持部材10の上側10aの上に、柔軟性支持部材10の第1境界領域11に沿って配置される。さらに、各々の第1保持部材100は、柔軟性支持部材10から前記第1境界領域11を越えて突き出ることが好ましい末端領域14を備える。
【0081】
同様に、第2保持部材200は柔軟性支持部材10の第2境界領域12に沿って前記上側10aの上に配置され、該第2境界領域12は前記第1境界領域11と平行に走り、かつ、前記第1境界領域11の反対側にある。同様に、第2保持部材200は網状素子Nを備える。さらに、各々の第2保持部材200は柔軟性支持部材10から前記第2境界領域12を越えて突き出ることが好ましい末端領域24を備える。
【0082】
第1及び第2保持部材100、200はそれぞれ、前記(例えば、突出)末端領域14、24及び網状素子Nの一部を備える第1部分101、201、並びに第1部分101、201とそれぞれ接続される第2部分102、202を備え、該第2部分102、202はサンプルホルダー1に保持されるサンプルSを貫通(又は圧迫)するための複数の先端103、203をそれぞれ形成する網状素子Nのそれぞれの残りの一部を備える。保持部材100、200の第1部分101、201は柔軟性支持部材10の上側10aに留められ、又は接着される(上記を参照)。
【0083】
図1ないし4及び図5ないし8に関する上述の実施形態の場合、保持部材100、200の相対する先端103、203は、保持されるサンプルSを受け取るための隙間Gの境界を定める。
【0084】
さらに、任意に図9において、図8に関する上述のような付加的な保持効果を提供する上述のような多孔質表面Pは、柔軟性支持部材10の上側10a上に存在する可能性がある。
【0085】
柔軟性支持部材10は保持部材100、200と共に、図6による柔軟性支持部材10の代わりに、図5に示される基部と併用されうる。そして、末端領域14、24は磁石301、302の上に置かれる。さらに、表面P(適切な金属を含む場合)は保持部材100、200の第1位置で第3磁性領域又は磁石400に引きつけられる可能性がある。
【0086】
しかしながら、図9による柔軟性支持部材10は保持部材100、200と共に図1ないし4による実施形態に同様に使用されうる。
【0087】
さらに、図9による保持部材100、200は上述のような疎水性表面で被覆される可能性がある。
【0088】
最後に、図10は上述の全ての実施形態と結びつきうる、本発明のさらなる特徴を示す。ここで、例えば最後の段階で、サンプルSを能動的に貫通するように、先端103、203、及び具体的には保持部材100、200は互いの方へ動かされる。具体的には、図10の上側の2つの図面に示されるように、該運動は先端103、203、及び具体的には保持部材100、200がそれらの第1位置に戻された後に実行される。サンプルホルダーは先端103、203の互いの方への前記運動を発生させるための手段Mを備える可能性がある。先端103、203の互いの方への運動は同様に手動で発生する可能性がある。
【0089】
参考文献
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