(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
ガラス表面のメタライゼーションは様々な分野で広く使用されている。そのようなガラスの例はK−ガラスであり、K−ガラスはその製造中にガラスの一表面に適用された低放射率コーティングを有する高品質ガラスである。金属化コーティングの分子はガラスの結晶格子中へと深く貫通し、非常に安定となり、極めて機械的に強く、不変的となる。この技術を用いて得られたコーティングは「ハード」コーティングと呼ばれる。
【0003】
低放射率コーティングを有するガラスは電気的に加熱された表面を有するガラス製品の製造に用いられると知られてもいる。
【0004】
特に、GB1051777Aに電気的に加熱された表面を有するガラス製品が開示されている。その技術的解決法は非長方形形状のガラスを加熱することを目的とし、導電層中に複数の個々のセクションを設け、該セクションが連続セクションの群で接続され、その群が電気回路内で並列に接続されていることによって上記目的が達成される。
【0005】
しかしこの解決法は用途が制限されている。なぜなら表面をペアのセクションへと分割することで、台形などの均一に形状が変化するガラス製品でのみ目的の実現が可能となるからである。更に、セクション間の多数の接続を提供する必要性によって、全体として構造が複雑になる。また、この解決法は指定された加熱条件でガラスを加熱することを許さない。
【0006】
EA201000722A1
には、別のガラス製品が開示されている。この解決法によれば、電気的に加熱された表面を有するガラス製品が、実質的に透明な基板と、基板に適用された実質的に透明な導電層とを備え、導電層は、導電層の全表面抵抗に比べて大きな指定された表面抵抗を有する一つまたは複数のセクションを備える。この出願では大きな表面抵抗を有するセクションが、ガラスの全表面にわたって所定のシークエンスによって、互いに傾斜した所定の構成を有するラインの断片(fragment)として適用される形態(figure)によって形成される。この形態は電気的に加熱された表面の一つのセクション内で、所定の間隔(pitch)で、同一の寸法を有して配置される。
【0007】
この
解決法の不利点は、ライン断片の端部で熱放射集中ゾーンが現れることを含み、これは重大な問題である。また、上記不利点は、角度をつけられたラインによって形成される形態の不確実な形状によって、これらの形態の「間隔」が隣接するセクションで正確に合わせられず、異なる表面抵抗を有することによって、これらの領域間で抵抗を計算することができないゾーンが現れるという事実を含む。
【0008】
他の不利点は所望の表面抵抗を提供するために形態の寸法及び構成を計算する困難さを含み、従って、この解決法の技術的複雑さ、特に、ライン断片の適用の複雑さを含む。
また別の解決法が文献EP2381739A2に開示されており、この文献は、透明な基板を含む発熱体と、ボロノイ図を形成する形態の境界線形状を有する導電性発熱パターンとを教示している。しかし、この解決法は、非長方形幾何学的形状を有するガラス製品の表面を加熱する課題に向けられていない。
最も関連した先行技術は、出願GB2091528Aに記述されている。この解決法は、グレージング材料の基板上にメッシュで堆積された透明な導電層(エナメル)を備える電気的に加熱可能な透明なパネルに関連する。導電層は、長手方向に延在する少なくとも二つの隣接するセクションと共に形成され、各セクションは、ハニカム構造を形成し、一つのセクション内で同じ寸法を有し、導電層全体にわたってその間に同じ距離を有して配置された、正六角形形状の電気的に絶縁されたゾーンを有し、各セクション内の電気的に絶縁されたゾーンは、一つのセクション内で実質的に同じ幅wを有する導電性ストリップによって分離されている。
しかし、この先行技術の基本的な不利点も、非長方形幾何学形状を有するガラス製品の表面を加熱する上記課題の解決法を提供していないことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は従来技術の不利点を解消することである。より具体的に、所定の構成を有するガラス製品の全表面上に加熱要素の電力を均一に分散して提供すること、及び、指定された特性を伴う加熱を提供するセクションを作ることを目的とする。
【0011】
本発明によると、電気的に加熱された表面を有するガラス製品の製造方法であって、以下のステップを備える方法が提供される:
実質的に透明な基板を提供するステップ、
前記基板に実質的に透明な導電層を適用するステップ、及び
導電層中に、導電性ストリップによって分離された電気的に絶縁されたゾーンを有する少なくとも1つのセクションを形成するステップであって、前記導電性ストリップは少なくとも部分的に前記セクションの長手方向から離れ、一つのセクション内で実質的に同一の幅wを有する直線部及び/または湾曲部からなり、幅wは前記ストリップ部分の抵抗R
Nの組み合わせからなる前記セクションの所望の全抵抗R
totalに応じた電気的に絶縁されたゾーンの指定された構成に対して選択され、各ストリップ部分の抵抗R
Nは以下の式から決定されるステップ:
【数1】
ここでR
□は前記導電層の固有抵抗率であり、
wは前記ストリップの幅であり、
l
Nは前記ストリップの各部分の長さである。
【0012】
好ましくは、前記湾曲部の曲率が指定された機能に応じて変更される。
【0013】
本発明の別の態様によると、以下を備える電気的に加熱された表面を有するガラス製品が提供される:
実質的に透明な基板、及び
前記基板に適用された実質的に透明な導電層であって、ハニカム構造を形成する正六角形の形状を有する、一つのセクション内で実質的に同一の幅を有する導電性ストリップによって分離された電気的に絶縁されたゾーンを有する少なくとも1つのセクションを含み、前記正六角形は1つのセクション内で同一の寸法を有し、前記導電層にわたって前記六角形の周りに外接された円の中心間の距離が同一に配置され、一つのセクション内の前記円の指定された半径r
spが以下の式によって計算される、実質的に透明な導電層:
r
sp=r
max−r
max・R
in/R
n
ここでr
maxは隣接する正六角形を有する基本ハニカム構造に対する円の最大半径であり、
R
nは前記セクションの指定された表面抵抗であり、
R
inは電気的に絶縁されたゾーンなしの初期セクションの表面抵抗である。
【0014】
好ましくは、ガラス製品の端に沿って、互いに距離をおいて、バスバーが形成される。
【0015】
電気的に絶縁されたゾーンは、その内部に導電性層を備えることができる。
【0016】
ウィクショナリー(Wiktionary)によれば、「ストリップ」は、表面上または空間内の細長い領域であり、周囲から何かによって区別される。
【0017】
「表面抵抗」は、その材料と接触している二つの電極間の表面領域の電気抵抗である。表面抵抗は電極に印加された電流の電圧と、複合体の上層を流れる、電極間の電流の一部との割合でもある。
【0018】
「ハニカム構造」とは一般に蜂の巣に似た構造を指す。正六角形がハニカム構造を構成する理想的な形態であることは常識である。
【0019】
上記特徴の組み合わせによって提供される技術的効果は、まず熱放射集中ゾーンが存在しないことを含み、同様に温度勾配がほとんど完全に存在しないことも含む。
【0020】
さらに、特に加熱された領域上に可変表面抵抗を用いることが必要な際、電気的に絶縁されたゾーンの形成がずっと単純である。この効果は、電気的に加熱された表面の少なくとも二つの隣接したセクション中に用いられる構造の電気的に絶縁されたゾーンの間隔の配置によって提供される。
【0021】
また、本発明は、異なる抵抗拡大係数を有する電気的に絶縁されたゾーンを有する異なるレイアウトの急速形成と、抵抗拡大係数のより小さな変動ステップとを確保する。
【0022】
本発明の有用性は、より効率的であり、合理化された製造に高度に適応可能な、電気的に絶縁されたゾーンの形成方法を提供することでもある。
【0023】
本発明の他の目的及び利点が、添付図面を参照することによって、本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の本発明の好ましい実施形態の記述は単なる例示であり、特許請求の範囲に規定される本発明の範囲を制限するものとは全く意図されない。
【0026】
図1は基板2に適用された実質的に透明な導電層3を備えるガラス製品1を概略的に示し、導電層は正六角形の形状であり、ハニカム構造を形成する電気的に絶縁されたゾーン4からなる一つのセクションを備える。電気的に絶縁されたゾーンのこのレイアウトは現在最も好ましいと考えられている。
【0027】
以下の記述は、ガラスの導電コーティング上(例えば船窓ガラス)に、所定の特定の加熱電力及び印加電圧で、電気的に絶縁されたゾーンを適用するための近似的な計算スキームである。
【0028】
例として、導電層を有する厚さ6mmのガラス(上述した「ハード」コーティングを有するK−ガラス)が使用されてよく、そのコーティングの具体的な表面抵抗はR
□=16〜19ohmである。同時に、指定された具体的な加熱電力はW
sp=7〜9watts/(sq dm)であり、指定された印加電圧はU
ap=220V、50Hzである。加熱電力は電気的に加熱されたガラスの全表面上で均一であるべきである。電気的に加熱されたガラスの表面温度の許容される差は1〜6℃内であるべきである。
【0029】
表面積S
n=66(sq dm)(寸法6×11dm)、固有抵抗率R
□=17ohm/□、バスバーの幅10mmの導電層を備える電気的に加熱された表面を有するガラスである。
【0030】
初期導電層の消費電力(W、ワット)は以下の式によって計算することができる:
W=W
sp・S
n
ここでWは以下の範囲である:
W
min=W
sp min・S
n=7・66=462ワット;
W
max=W
sp max・S
n=9・66=594ワット
【0031】
ガラスの導電層の1(sq dm)当たりの電圧降下は以下の式によって計算される:
W=V
2/R
□、従って、V
2=W・R
□;
【0034】
この場合、印加電圧U
ap=220Vでの電気的に加熱されたガラスの表面上の電流パスの長さは:
L=U
ap/Vであり、ここで、
L
max=U
ap/V
min=220/10.9=2018mm;
L
max=U
ap/V
max=220/12.73=1778mm
である。
【0035】
電気加熱の所定の特性は導電層の表面を側AC及びBD上の直線で三つの均等なセクションへと分割することで(
図2)、かつ、導電層材料にレーザーを照射して処理し、動作条件に応じて0.05mmから数ミリメートルの幅にこれらのライン上のコーティングを完全に除去することで達成可能である。三つの電気的に絶縁されたセクションを連続的に接続することによって以下の導電長が得られる:
(L
AB−2×δ
bus)×3=(600−2×10)×3=1740mm
ここで、L
ABはAB側の長さであり、δはバスバーの幅である。
【0036】
結果的に電流パスの長さは計算されたものと近く、従って、所定の加熱特性の実施のための条件を観察し、均一な加熱を提供するだろう。現在これは電気的に加熱されたガラスで採用される標準的なレイアウトであり、唯一の違いはコーティングの除去方法である−コーティング材料はレーザー照射、エッチング、及び電気化学的に処理され得る。結果として生じる絶縁ラインの幾何学的形状及び幅、コーティング材料の除去の完全性、並びにガラスの光学特性の向上の観点から、各電気的に絶縁されたラインの幅は0.035mm以下であることが好ましいことに留意されたい。
【0037】
電気的に加熱された表面の少なくとも一部上の、導電層内に、ハニカム構造を形成する正六角形の形状で形成され、その周りを外接する円の中心間の距離が等しく配置され、同一の寸法を有する電気的に絶縁されたゾーンによって、本発明は上述の目的を解決する。
【0038】
この場合、指定されたパラメータを有する電気的に絶縁されたゾーンを有する構造によって、電気的に加熱された層の全平均固有表面抵抗率を三倍大きくできるように用いられるべきである。
【0039】
ガラスに220Vの電圧を印加して、426〜594ワット(上記式によって計算された)の範囲内で全消費電力を供給するために、導電層の全表面抵抗は以下の範囲であるべきである:
R
in=V
2/W
in;
R
in.min=220
2/594=81.5ohm;
R
in.max=220
2/462=104.8ohms;
R
in.av=(81.5+104.8)/2=93.15ohms
【0040】
短い側AB及びCDに沿ってバスバーが配される場合(
図3)、導電層の初期表面抵抗は:
R
in.surf=[R
□・(L
CD−2・δ
w)/L
AB]=[17・(1120−2・10)/600]=31ohms
である。
【0041】
特定の加熱電力W
sp=7〜9watts/(sq dm)で所定の加熱条件を得るためには、全表面抵抗が3倍大きいべきであることが明らかである:
R
in.av/R
in.surf=93.5/31=3
これを拡大係数K=3と呼ぼう。
【0042】
この係数についてハニカム構造は上記の式に基づいて計算することができる:
【0044】
従って、r
spは外接円の最大半径を有する隣接した正六角形を有する基本ハニカム構造の選択された初期寸法に基づいて計算することができ、得られたハニカム構造の内接した正六角形の寸法を決定することができる。
【0045】
結果として生じるハニカム構造は、ガラスの導電層上に任意の従来の方法で適用され、所望の抵抗及び所望の加熱電力が得られ、今度はそれによって均一な加熱及び許容できる温度勾配が提供される。
【0046】
この例では、ガラスの寸法及び幾何学的形状、並びに指定された加熱条件(W
sp)は従来の方法による課題を解決することができるが、(特定の幾何学的形状及び寸法のガラスについて)従来の方法(直線によって形成されたゾーン)を使用することが不可能な際に、課題が存在する。これを以下の例で説明する。
【0047】
以下の例では、
図9に概略的に示された船窓ガラスを加熱することが課題である。この場合、従来の方法でガラスコーティングの抵抗をフィッティングすることはできない。ガラス表面が単一の刻まれた直線によって二部分に分割された際にさえ、表面抵抗は4倍大きくなるからである。これは上記式で分析することができる‐加熱電力が、指定された加熱条件を観察するのに許容できないほど小さくなるだろうことが分かる。電気的に加熱された表面の導電領域の独創的なレイアウトを用いて、この課題を解決することができる。
【0048】
設計の実現性に従って、バスバーは側AB及びCDに沿って配置されてよく(
図4)、それから、要求された値を有し、例示的なレイアウト(
図2)に従って適用されるカットオフ(cut−off)を有して調整することで、抵抗を三倍大きくすることができる。設計の考察に基づいて、バスバーが側AC及びBDに位置している場合(
図5)には、指定された加熱条件を達成するために、ガラス表面の抵抗は2.4倍増加するべきである。即ち、拡大係数K=2.41について計算された電気的に絶縁されたゾーンのレイアウトが適用されるべきである。
【0049】
これを計算によって説明する:
W=W
sp×S
n=8×137=1096ワット;
R
n=U
2/W=220
2/1096=44ohms;
R
in=[R
□×(L
AB−2×δ
w]/L
AC=18.21ohms;
K=R
n/R
in=44/18.21=2.41
【0050】
本発明によると、電気的に絶縁されたゾーンは、電気的に加熱されたガラス表面の各セクションについて独自の抵抗拡大係数Kを有してよい。
【0051】
特に、複雑な幾何学的形状(台形、菱形、平行四辺形、円錐形など)を有するガラス表面の均一な加熱を確実にするためには、電気的に加熱された表面の各特定のセクションについて計算された電気的に絶縁されたゾーンを有するレイアウトを適用することが必要である。即ち、電気的に加熱された表面の各セクション内の表面抵抗R
nは条件R
n=R
in/Kから決定されるべきであり、R
inは電気的に絶縁されたゾーンなしの初期セクションの表面抵抗であり、Kは抵抗拡大係数である。
【0052】
本発明によれば、導電層の初期抵抗に比べて増加した指定された抵抗を有する一以上のセクションを、導電層内に電気的に絶縁されたゾーンを形成する前に、導電(低放射)層中に形成することができる。
【0053】
より具体的に、本発明の着想によれば、導電層内に、導電性ストリップによって分離された電気的に絶縁されたゾーンを有する少なくとも一つのセクションが形成され、導電性ストリップは少なくとも部分的にセクションの長手方向から離れ、セクション内で実質的に同一の幅wを有する直線部及び/または湾曲部からなり、上記幅はストリップ部分の抵抗R
Nの組み合わせからなるセクションの所望の全抵抗R
totalに応じて、電気的に絶縁されたゾーンの所与の構成に対して選択され、各ストリップ部分の抵抗R
Nは以下の数式から決定され、
【数5】
R
□は導電層の固有抵抗率であり、
wはストリップの幅であり、
l
Nはストリップの各部分の長さである。
【0054】
この特定のセクション内で導電性ストリップが一定の幅を有するならば、電気的に絶縁されたゾーンの構成は異なってよいと考えられる。しかし、導電ゾーンを形成する形態が複雑になる程、要求される抵抗の計算はより複雑となり、従って、所望の抵抗を提供するためのゾーンの寸法の調整がより複雑となることを理解されたい。
【0055】
本発明の原理による電気的に絶縁されたゾーンの例示的な実施形態についての計算例が以下に示される。
【0056】
図6は二種類の正多角形‐八角形5及び四角形(正方形)6‐の組み合わせを用いる電気的に絶縁されたゾーンの例示的なレイアウトを示す。本方法の主な特徴は、ストリップを分離することなく形態が隣接し、多角形の寸法を相互に大きくする際に連続的な層が最終的に得られるように、用いられる形態の寸法及び位置が好ましく選択されることである。この場合、形態に外接する円の半径は最大となるだろう。
【0057】
計算の都合上、電気的に加熱された(抵抗性の)層を有するガラスの表面は、全領域を覆う基本長方形7(この場合は正方形)形状の断片へと分割され得る。
【0058】
薄膜レジストの抵抗は以下の式から計算できることが知られている。
【0060】
ここでR
□は抵抗性層の固有抵抗率(K−ガラスでは16〜19ohm/□)であり、lは抵抗体の長さであり、wは抵抗体の幅である。
【0061】
従って、側が等しい基本正方形については、抵抗は固有抵抗率と等しいことになる:
R
el.sq=R
□
【0062】
図6に見られるように、各正方形は以下のストリップ部分を含む:A、B、C、D、E。
【0063】
正方形のストリップの全抵抗を決定する。形態の寸法が最大まで大きくなり形態が互いに隣接する際には、計算のために各ストリップ部分の長さが、形態の隣接するラインに沿って通るストリップ中心ラインの長さに対応するとみなされる。
【0064】
知られる通り、正八角形の側の長さtは:
【数7】
【0065】
ここでr
minは正八角形に内接した円の最大限可能な半径であり、kは
【数8】
と等しい定数である。
【0066】
また外接円の半径r
maxは
【数9】
と知られている。
【0067】
そうすると、
【数10】
であり、側tは、
【数11】
となる。
【0068】
図6から、部分A、B、C、Dのそれぞれの長さl
(A、B、C、D)がt/2と等しく、部分Eの長さI
Eがtと等しいことは明らかである。ストリップの全ての部分の幅wは同じである。
【0069】
ストリップの各部分の表面抵抗は上式から決定することができる:
【0071】
図6に示されたストリップのレイアウトは
図10に示された抵抗のレイアウトとして表すことができる。
【0072】
抵抗R
sqは、
【数13】
である。
【0073】
R
A=R
B=R
C=R
D=R
NかつR
E=2R
Nであり、R
Nがt/2の長さを有するストリップ部分の抵抗:
【数14】
と等しいので、
【数15】
となる。
【0074】
従って、セクションの任意のストリップ部分の幅は、
【数16】
となる。
【0075】
R
sqは基本正方形内の抵抗であり、上記の通りそれは表面部分であり、抵抗は導電層のこのセクション内の他の全てのそのような正方形内の抵抗と同一であるので、R
sq=R
sec(セクションの抵抗)と考えることができる。
【0077】
例えば、八角形の外接円の半径r
maxが14mmのレイアウトが選択される場合には、
【数18】
である。
【0078】
上記場合について、一つのセクションからなる導電層の全表面抵抗がR
total=93.15ならば、幅wは以下となる:
【数19】
【0079】
図7に示される別の例示的な実施形態は二つの異なる種類の形態の組み合わせを用いるレイアウトを有する:円8及び四ビームスター9である。この場合、形態の形状及び寸法は、相互にその寸法を大きくする際、ストリップを分離せずに形態が隣接する、隙間のない層が最終的に得られるように選択される。しかし、熱放出集中ゾーンの形成をさけるために、スター形状の形態の末端は丸められるのが好ましい。
【0080】
計算の便利のために、この場合、ガラス表面は全領域を覆う基本正方形10の形状を有する断片へと分割されることもできる。
【0081】
図7から分かる通り、各正方形は円弧形状の四つのストリップ部分A、B、C、Dを有する。
【0082】
正方形のストリップの全抵抗
(Rtotal)を決定する。形態の寸法を、形態が互いに隣接するように最大まで大きくする際には、計算のために各ストリップ部分の長さが、形態の隣接するラインに沿って通るストリップ中心ラインの長さに対応するとみなされる。即ち、各ストリップ部分の長さL
(A、B、C、D)は円の最大半径で45°円弧の長さと凡そ等しい:
l
(A、B、C、D)=2πr
max/4=πr
max/2
【0083】
各ストリップ部分の表面抵抗も上式から決定することができる。
【数20】
【0084】
図8に示されたストリップのレイアウトは
図11に示された抵抗回路として表され得る。
【0085】
抵抗R
sqは以下と等しい:
【数21】
【0086】
R
A=R
B=R
C=R
D=R
NかつR
E=2R
Nであり、R
Nはセクションの抵抗であって、
【数22】
と等しいので、
【数23】
となる。
【0087】
従って、セクションの任意のストリップ部分の幅は以下と等しくなる:
【数24】
【0088】
R
sqは基本正方形内の抵抗であり、既述の通りそれは表面部分であり、抵抗は導電層のこのセクション内の他の全てのそのような正方形内と同じであるから、R
sq=R
sec(セクションの抵抗)と考えることができる。
【0090】
再び、円形状の形態の最大半径r
maxが14mmであるレイアウトが選択される場合、一つのセクションからなる導電層の全表面抵抗がR
total=93.15において、幅wは以下となる:
【数26】
【0091】
現在最も好ましいと考えられている、ハニカム構造を有する電気的に絶縁されたゾーンの別のレイアウトが以下に記述される。
【0092】
電気的に加熱された(抵抗性)層を有するガラスの表面は全領域を覆う基本長方形4(
図8)の形状を有する断片へと分割され得る。これらの断片のそれぞれは、
A=B=C=r
max
であり、r
maxは外接円の半径である。即ち、r
maxは正六角形の形状を有する電気的に加熱された領域の周りを外接する円の最大限可能な半径である。
【0093】
(1)X軸について基本初期長方形(
図8)の寸法を計算する:
【数27】
【0094】
(2)Y軸について基本初期長方形の寸法を計算する:
Y=2r
max・Sin60
【0095】
(3)そうすると、X軸について基本初期長方形の抵抗は:
【数28】
【0096】
(4)半径(セルの寸法)を小さくする。セル半径が小さくなる際、ストリップA、B、Cの幅(w)は同じである(
図9)。ストリップA、B、Cの抵抗も同じである:
R=R
A=R
B=R
C
【0097】
図9に示されるストリップのレイアウトは
図12に示される抵抗回路として表すことができる。
【0098】
aとbとの間の抵抗は、
R
A+R
B・R
C/(R
B+R
C)=1.5R
である。
【0099】
ストリップA、B、Cの長さ(l)は中心ラインの長さと等しいと仮定され(単純化され)、r
maxと等しいと仮定される;
【0100】
そうすると一つのストリップの抵抗は:
【数29】
ここでR
□は抵抗性層の固有抵抗率である(K−ガラスについては、16〜19ohms/□)。
【0101】
ストリップの幅wは以下と等しい:
w=(r
max・Sin60−r
spSin60)=2Sin60(r
max−r
sp)
ここでr
spは(r
maxと比べてある程度減少した)指定されたセル半径である。
【0102】
ストリップ(A、BまたはC)の抵抗は以下と等しい:
【数30】
【0103】
r
maxの寸法を有するセルの分割に際して得られた長方形の全抵抗は以下である:
【数31】
【0104】
そうすると拡大係数Kは:
【数32】
【0105】
逆公式は:
r
sp=r
max−r
max/K
となる。
【0106】
代替的に、上式は任意の領域の全表面との関係で別に書くことができる:
r
sp=r
max−r
max・R
in/R
sp
ここでR
spは領域の指定された抵抗であり、
R
inは電気的に絶縁されたゾーンなしの領域の初期抵抗である。
【0107】
本発明によれば、電気的に絶縁されたゾーンの正六角形の形状は単に最も好ましい実施形態の一つであって、ゾーンの寸法を計算するより便利な方法を提供するが、当業者は、導電層内にハニカム構造を形成する他の任意の形状の電気的に絶縁されたゾーンが可能であることを認識するだろう。
【0108】
一般に、本発明によれば、電気的に絶縁されたゾーンは、例えばハニカム構造を形成する、閉じた線によって境界された任意の形態によって形成されてよい。形態は、一又は複数のセクション内で同一の寸法を有し、少なくとも構造に沿って配され、行は同じ方向を有し、円の中心間の距離が同じであり、各円内で、対応する形態が、形態の最も離れた点が円に属するように配置することができる。
【0109】
電気的に絶縁されたゾーンの寸法を修正する際、導電層の電流パス長さ及び表面抵抗が変化することは明らかである。従って、電気的に絶縁されたゾーンの寸法はガラス製品の形状及び寸法に応じて選択されるべきである。更に、本発明によると、ガラスの電気的に加熱された表面の各セクション内で、電気的に絶縁されたゾーンは独自の抵抗拡大係数Kを有する。
【0110】
例として
図13に示されるように、電気的に加熱されたガラス製品1は三つのセクション11、12及び13を有し、セクション11及び13はハニカム構造を有し、ハニカム構造12とは正六角形14の寸法のみ異なる。一方で、正六角形14の形状を有する電気的に絶縁されたゾーン間の間隔または距離はガラス製品1の全表面にわたって一定のままである。
【0111】
低放射率コーティングが除去される電気的に絶縁された領域は、形態の種類及びレイアウトに応じてデータが入力された専用ソフトウェアによって計算されるのが好ましい。これによって様々な目的のガラス製品を製造することが可能となる:構造光学、自動車、航空機製造、装甲ガラス、または電気的に加熱された建築物。
【0112】
当業者であれば、上述の実施形態に本発明が制限されず、改変が添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれ得ることを認識するだろう。本明細書で他の際立った特徴と一緒に提示された際立った特徴は、適宜、互いに分離しても用いられ得る。