(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6553614
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】生体認証データを用いる車両イグニッションを制御するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
B60K 28/06 20060101AFI20190722BHJP
A61B 5/1172 20160101ALI20190722BHJP
【FI】
B60K28/06 B
A61B5/1172
【請求項の数】19
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-538915(P2016-538915)
(86)(22)【出願日】2014年6月26日
(65)【公表番号】特表2016-538193(P2016-538193A)
(43)【公表日】2016年12月8日
(86)【国際出願番号】US2014044350
(87)【国際公開番号】WO2015030920
(87)【国際公開日】20150305
【審査請求日】2017年6月8日
(31)【優先権主張番号】61/870,384
(32)【優先日】2013年8月27日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/315,631
(32)【優先日】2014年6月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514049623
【氏名又は名称】オートモーティブ コアリション フォー トラフィック セーフティ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】トッド, ギルバート エー.
(72)【発明者】
【氏名】ナゴル, チャックラバルティ エム.
【審査官】
結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−308037(JP,A)
【文献】
特開2001−266133(JP,A)
【文献】
特開2004−117104(JP,A)
【文献】
特開2003−272463(JP,A)
【文献】
特開2004−86866(JP,A)
【文献】
特開2005−323892(JP,A)
【文献】
特開昭61−181440(JP,A)
【文献】
特開平10−309268(JP,A)
【文献】
独国特許出願公開第19938064(DE,A1)
【文献】
特表2008−529107(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 28/00,28/06,
A61B 5/1172
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のイグニッションを制御するためのシステムであって、前記システムは、
車両ドライバの生体認証特性を測定するための測定窓と、
コントローラと
を備え、
前記測定窓は、タッチパッド上に容量センサを備え、前記容量センサは、前記車両ドライバの指を検出可能であり、前記コントローラは、前記容量センサに結合され、
前記コントローラは、
信号インジケータを用いることにより、前記測定窓上の前記車両ドライバの前記指の配置が正しいかどうかを示す信号を前記車両ドライバに提供することと、
前記指の前記配置が正しくないときに、前記測定窓上の前記車両ドライバの前記指の前記配置を補正するために前記車両ドライバの前記指を特定の方向につつくように触知アクチュエータを用いることにより触知フィードバックを前記車両ドライバに提供することと、
前記車両ドライバの前記指の前記配置が正しいときに、前記測定窓から、前記車両ドライバの前記生体認証特性の測定を受信することと、
前記車両ドライバの前記生体認証特性の前記測定が所定の閾値を満たすかどうかを判定することと、
前記車両ドライバの前記生体認証特性の前記測定に基づいて、前記車両の前記イグニッションのアクティブ化を制御することと
を実行するように構成される、システム。
【請求項2】
前記触知アクチュエータは、前記タッチパッドに結合される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記車両ドライバへの前記信号は、前記測定窓に対する前記指の前記配置の方向を示す、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記車両ドライバへの前記信号は、配置の誤差の補正方法を示す、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記信号インジケータは、視覚的インジケータを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記コントローラは、前記指の前記配置が正しいかどうかを示すオーディオフィードバックを前記車両ドライバにさらに提供するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記タッチパッドは、複数の容量センサを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記生体認証特性は、血中アルコールレベルを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記測定窓は、1つを上回る生体認証特性を測定するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
車両のイグニッションを制御するための方法であって、前記方法は、
イグニッションコントローラのタッチパッド上の容量センサにおいて、車両ドライバの指を検出することと、
信号インジケータを用いることにより、測定窓上の前記車両ドライバの前記指の配置が正しいかどうかを示す信号を前記車両ドライバに提供することと、
前記指の前記配置が正しくないときに、前記測定窓上の前記車両ドライバの前記指の前記配置を補正するために前記車両ドライバの前記指を特定の方向につつくように触知アクチュエータを用いることにより触知フィードバックを前記車両ドライバに提供することと、
前記車両ドライバの前記指の前記配置が正しいときに、前記タッチパッド上の前記測定窓から、前記車両ドライバの生体認証特性の測定を受信することと、
前記車両ドライバの前記生体認証特性の前記測定が所定の閾値を満たすかどうかを判定することと、
前記車両ドライバの前記生体認証特性の前記測定に基づいて、前記車両の前記イグニッションのアクティブ化を制御することと
を含む、方法。
【請求項11】
前記触知アクチュエータは、前記タッチパッドに結合される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記車両ドライバへの前記信号は、前記測定窓に対する前記指の前記配置の方向を示す、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記車両ドライバへの前記信号は、配置の誤差の補正方法を示す、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記信号インジケータは、視覚的インジケータを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記コントローラは、前記指の前記配置が正しいかどうかを示すオーディオフィードバックを前記車両ドライバにさらに提供するように構成される、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記タッチパッドは、容量センサを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記タッチパッドは、複数の容量センサを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記生体認証特性は、血中アルコールレベルを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
前記測定窓は、1つを上回る生体認証特性を測定するように構成される、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(政府の利益)
本発明は、高速道路安全事業団によって授与された契約番号DTNH22−08−H−00188の下で政府によって支援されてなされた。政府は本発明において特定の権利を有している。
【0002】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2013年8月27日に出願された「Single/Multiple Capacitive Sensors ”Push to Start” With LED/Haptic Notification and Measurement Window」と題する米国仮出願番号第61/870,384号、および2014年6月26日に出願された「Systems and Methods for Controlling Vehicle Ignition Using Biometric Data」と題する米国出願番号第14/315,631号に基づく優先権を主張しており、これら出願の全体の内容は、本明細書によって参考として援用される。
【0003】
(発明の分野)
本開示は、車両イグニッションを制御するために、容量センサと、車両ドライバの生体認証データとを使用する、プッシュスタートイグニッションスイッチに関する。
【背景技術】
【0004】
(発明の背景)
プッシュボタンまたはプッシュスタートイグニッションスイッチは、一般的に、キーレスエントリのために、車両において使用される。そのようなボタンは、典型的には、車両内のキーフォブ(key fob)を検出し、そして車両ドライバによって押されると、機械的イグニッションをアクティブ化することによって機能する。そのようなシステムは、キーフォブの近接性および可用性に基づいて機能する。任意の個人が、キーフォブを所有し得るため、これらのシステムは、非権限または非好適個人が、車両イグニッションを始動させないように防止しない。故に、これらのシステムは、危険なドライバに対して、任意のセキュリティまたは安全制御を提供しない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(要旨)
車両のイグニッションを制御するためのシステムおよび方法が、本明細書に開示される。車両ドライバの生体認証特性を測定するための測定窓は、車両ドライバの指を検出可能なタッチパッド上の容量センサを含む。コントローラは、容量センサに結合され、指の配置が正しいかどうかを示す信号を車両ドライバに提供するように構成される。指の位置が正しい場合、コントローラは、測定窓から、車両ドライバの生体認証特性の測定を受信する。コントローラは、次いで、車両ドライバの生体認証特性の測定が所定の閾値を満たすかどうかを判定し、車両ドライバの生体認証特性の測定に基づいて、車両の始動を制御する。
【0006】
ある実施形態では、触知アクチュエータは、タッチパッドに結合され、車両が始動すると、プッシュスタートボタンをシミュレートするように構成される。車両ドライバに提供される信号は、触知フィードバック、視覚的インジケータ、オーディオインジケータ、または信号の組み合わせを含んでもよい。信号は、異なるタイプの配置誤差、例えば、どのように車両ドライバの配置が誤差であるのか、または配置の誤差の補正方法を示してもよい。いくつかの実施形態では、タッチパッドは、1つまたはそれを上回る容量センサを含む。いくつかの実施形態では、タッチパッドは、容量センサ(単数または複数)を取り囲む1つまたはそれを上回る接地面を含んでもよい。測定窓は、光学またはスペクトル測定を提供してもよく、例えば、血中アルコールレベルを含む、1つまたはそれを上回る生体認証特性を測定可能である。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
車両のイグニッションを制御するためのシステムであって、
車両ドライバの生体認証特性を測定するための測定窓であって、前記測定窓は、タッチパッド上に容量センサを備え、前記容量センサは、車両ドライバの指を検出可能である、測定窓と、
前記容量センサに結合され、
前記指の配置が正しいかどうかを示す信号を前記車両ドライバに提供し、
前記指の位置が正しい場合、前記測定窓から、前記車両ドライバの生体認証特性の測定を受信し、
前記車両ドライバの生体認証特性の測定が所定の閾値を満たすかどうかを判定し、
前記車両ドライバの生体認証特性の測定に基づいて、前記車両の始動を制御する、
ように構成される、コントローラと、
を備える、システム。
(項目2)
前記タッチパッドに結合される触知アクチュエータをさらに備え、前記触知アクチュエータは、前記車両が始動すると、プッシュスタートボタンをシミュレートするように構成される、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記車両ドライバへの信号は、触知フィードバックを備える、項目2に記載のシステム。
(項目4)
前記車両ドライバへの信号は、どのように配置が誤差であるのかを示す、項目1に記載のシステム。
(項目5)
前記車両ドライバへの信号は、配置の誤差の補正方法を示す、項目1に記載のシステム。
(項目6)
前記信号は、視覚的インジケータを備える、項目1に記載のシステム。
(項目7)
前記信号は、オーディオインジケータを備える、項目1に記載のシステム。
(項目8)
前記タッチパッドは、複数の容量センサを備える、項目1に記載のシステム。
(項目9)
前記生体認証特性は、血中アルコールレベルを含む、項目1に記載のシステム。
(項目10)
前記測定窓は、1つを上回る生体認証特性を測定するように構成される、項目1に記載のシステム。
(項目11)
前記タッチパッドは、前記容量センサを取り囲む接地面を備える、項目1に記載のシステム。
(項目12)
車両のイグニッションを制御するための方法であって、
イグニッションコントローラのタッチパッド上の容量センサにおいて、車両ドライバの指を検出するステップと、
前記指の配置が正しいかどうかを示す信号を前記車両ドライバに提供するステップと、
前記指の位置が正しい場合、前記タッチパッド上の測定窓から、前記車両ドライバの生体認証特性の測定を受信するステップと、
前記車両ドライバの生体認証特性の測定が所定の閾値を満たすかどうかを判定するステップと、
前記車両ドライバの生体認証特性の測定に基づいて、前記車両の始動を制御するステップと、
を含む、方法。
(項目13)
前記タッチパッドに結合される触知アクチュエータをさらに備え、前記触知アクチュエータは、前記車両が始動すると、プッシュスタートボタンをシミュレートするように構成される、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記車両ドライバへの信号は、触知フィードバックを備える、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記車両ドライバへの信号は、どのように配置が誤差であるのかを示す、項目12に記載の方法。
(項目16)
前記車両ドライバへの信号は、配置の誤差の補正方法を示す、項目12に記載の方法。
(項目17)
前記信号は、視覚的インジケータを備える、項目12に記載の方法。
(項目18)
前記信号は、オーディオインジケータを備える、項目12に記載の方法。
(項目19)
前記タッチパッドは、容量センサを備える、項目12に記載の方法。
(項目20)
前記タッチパッドは、複数の容量センサを備える、項目12に記載の方法。
(項目21)
前記生体認証特性は、血中アルコールレベルを含む、項目12に記載の方法。
(項目22)
前記測定窓は、1つを上回る生体認証特性を測定するように構成される、項目12に記載の方法。
(項目23)
前記タッチパッドは、前記容量センサを取り囲む接地面を備える、項目12に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0007】
その本質およびその種々の利点を含む、本発明の前述および他の特徴は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を考慮することによって、より明白となるであろう。
【0008】
【
図1】
図1は、例証的実施形態による、容量プッシュスタートスイッチの斜視図である。
【
図2】
図2A−2Eは、例証的実施形態による、指配置および信号の実施例を示す、容量プッシュスタートスイッチの正面図である。
【
図3A】
図3Aは、例証的実施形態による、容量プッシュスタートスイッチのための容量センサの正面図である。
【
図3B】
図3Bは、例証的実施形態による、
図3Aの容量プッシュスタートスイッチの斜視図である。
【
図4A】
図4Aは、例証的実施形態による、容量プッシュスタートスイッチのための容量センサの正面図である。
【
図4B】
図4Bは、例証的実施形態による、
図4Aの容量プッシュスタートスイッチの斜視図である。
【
図5】
図5は、例証的実施形態による、別の容量プッシュスタートスイッチの正面図である。
【
図6】
図6は、例証的実施形態による、容量プッシュスタートスイッチを使用するための方法である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(詳細な説明)
本発明の全体的理解を提供するために、ここで、車両ドライバの生体認証データを測定するための測定窓を含む容量プッシュスタートスイッチを含む、ある例証的実施形態が、説明される。本明細書に説明される容量スイッチならびにシステムおよび方法は、対処されている用途に適切であるように適合および修正されてもよく、本明細書に説明されるシステムおよび方法は、他の好適な用途において採用されてもよく、そのような他の追加および修正は、その範囲から逸脱しないことが、当業者によって理解されるであろう。
【0010】
プッシュスタートイグニッションボタンは、多くのタイプの車両にインストールされている。概して、ボタンは、車両のダッシュボード内のステアリングホイール近傍に位置し、多くの場合、キーイグニッションスイッチが、位置付けられる。プッシュスタートボタンは、ボタンを押し、機械的スイッチをアクティブ化させることによって、アクティブ化される。そのようなボタンは、キーフォブによって制御され、キーフォブは、個別の運転席の近傍において検出されるときのみに始動が限定され得る。イグニッションスイッチをアクティブ化するために、付加的セキュリティ制限を追加することは、望ましい。
【0011】
アルコールの影響下での運転は、危険であって、ある血中アルコールレベルでは、違法であり得ることが周知である。アルコールレベルの検出および生体認証スクリーニングは、命を脅かす車両状況を低減する際に非常に重要となり得る。そのようなスクリーニングとイグニッションコントローラの組み合わせは、適切な生体認証データおよび/または血中アルコールレベルを伴うドライバのみ、車両にアクセスし、始動することを可能にするであろう。スクリーニング機能性をプッシュスタートボタンに追加することによって、また、限定され得る付加的ダッシュボード空間を占有しないという利点が加わる。故に、本明細書に説明される実施形態は、車両ドライバの生体認証データを測定するための測定窓を含む、プッシュスタートイグニッションコントローラに関する。
【0012】
図1を参照すると、容量プッシュスタートスイッチ100の例証的実施形態が、示される。ある実施形態では、プッシュスタートスイッチは、車両ドライバに馴染みのある要素、例えば、キーイグニッションまたはプッシュボタンイグニッションを想起させる略丸形形状を含んでもよい。テキストまたは単語もまた、例えば、「エンジン」、「停止」、「始動」、または他の単語等、ドライバに車両のステータスに関する情報を提供するために含まれてもよい。プッシュスタートスイッチはまた、測定窓120および1つまたはそれを上回る信号インジケータ110a−cを含んでもよい。測定窓120は、概して、指に合致する輪郭を伴って成形され、タッチパッド130内に位置付けられてもよい。インジケータ110a−cは、照明として示され、発光ダイオード(LED)光または他の照明であってもよい。他のインジケータもまた、使用されてもよい。
【0013】
プッシュスタートスイッチ100は、車のダッシュボード上に搭載されてもよく、車両製造プロセスの一部として実装されるか、またはアフターマーケットデバイスとして別個に販売されてもよい。プッシュスタートスイッチ100は、車両内の電気パネルに結合され(図示せず)、電力をデバイスならびに車両のためのオーディオシステムに提供し、統合されたオーディオフィードバックを提供してもよい。いくつかの実施形態では、プッシュスタートスイッチ100は、本明細書に説明される方法を行うことが可能なプロセッサ回路を伴う、コントローラを含んでもよい。他の実施形態では、プッシュスタートスイッチ100は、本明細書に説明される方法の一部または全部を行い得る、車両内のプロセッサ回路に結合されてもよい。
【0014】
本明細書に説明されるプッシュスタートスイッチ100は、測定窓を取り囲んで位置付けられる、1つまたはそれを上回る容量センサを含む。スイッチ100は、ドライバの生体認証特性を測定するために、スペクトロメータ分析を使用する、便宜的かつ能動的安全特徴であってもよい。従来のプッシュボタンイグニッションスイッチと異なり、プッシュスタートスイッチ100ボタンは、機械的システムではなく、代わりに、指紋に沿って、単一または複数の容量センサを含む。
【0015】
容量センサは、とりわけ、車両ドライバの存在を検出するために使用されてもよい。特に、センサは、測定窓120が適切に被覆されるように、ドライバの指が輪郭タッチパッド130内に適切に位置付けられているかどうかを検出してもよい。測定窓120は、ドライバの生体認証特性を測定可能な測定デバイスのための画面を提供してもよい。いくつかのタイプの測定デバイスは、スペクトロメータ、光学センサ、および光学デバイスを含む。生体認証特性のいくつかの実施例は、指紋、血中アルコールレベル、生理学的、生体化学、もしくは薬理学的分析を得るための指のスペクトロメータ分析、または他の特性を含む。タッチパッド130内の容量センサは、ドライバの指配置が適切であるかどうかのフィードバックをドライバに提供するために使用されてもよい。容量センサは、信号、例えば、照明110a−cをアクティブ化し、指配置が正しいかどうかを示す、プロセッサ(図示せず)に結合されてもよい。
【0016】
図2A−2Eを参照すると、視覚的フィードバックのいくつかの実施例が、例証的プッシュスタートスイッチのために示される。
図2A−2Eはそれぞれ、指が配置されたプッシュスタートスイッチタッチパッド輪郭を取り囲む、光インジケータ210を描写する。タッチパッド面積は、コントローラによって処理され、指配置が正しいかどうかに関して、光インジケータ210を使用して、フィードバックを提供する、指配置を検出する、1つまたはそれを上回る容量センサを含む。正しい指配置は、輪郭付き面積内の測定窓(指によって被覆されているため不可視)が指を測定することができるように重要である。指配置が正しくないと、容量センサは、指位置を感知し、照射された信号210を出現させる。
図2Aでは、指配置は、上過ぎて、したがって、上の照明210が照射される。
図2Bでは、指配置は、左側に寄り過ぎであって、左側の照明210を照射させる。
図2Cは、反対の問題を示し、指は、右側に寄り過ぎであって、したがって、右側の照明210が、照射される。
図2Dは、指が下過ぎるが、中心にあることを示し、したがって、下の照明210が両方とも照射される。
図2Eでは、指は、正しい位置にあって、したがって、照明210は全て、照射される。
【0017】
当業者によって理解されるであろうように、他のタイプの信号およびインジケータも、使用され得る。信号またはインジケータのいくつかの実施例として、指が移動すべき方向を示す照明、言語的合図を与えるオーディオフィードバック、触知フィードバック(例えば、振動または移動を提供し、指を特定の方向につつく)、異なるタイプの光(フラッシュ、ストロボ、回転、色)、または他の信号が挙げられる。
【0018】
図示されないが、プッシュスタートスイッチは、位置フィードバックならびにプッシュボタン始動のシミュレーションを提供し得る、触知アクチュエータに結合されてもよい。触知アクチュエータは、容量センサから受信された情報に基づいて、プロセッサによってアクティブ化され、例えば、容量センサ下で電気振動を生じさせることによって、タッチパッドにタッチする指に触感を提供する。
【0019】
フィードバック信号もまた、ドライバに与えられ、測定が完了したこと、または不完全であって、再度行う必要があることを示してもよい。そのようなフィードバックはまた、光、オーディオフィードバック、および触知フィードバックのうちの1つまたはその組み合わせであってもよい。
【0020】
図3Aおよび3Bを参照すると、プッシュスタートスイッチ300の例証的実施形態が、輪郭付きタッチパッド330内に位置付けられ、容量センサ340によって取り囲まれる、測定窓320を含むように示される。本実施形態では、3つの容量センサならびに接地面が、示される。接地面は、静電容量センサ読取値を正規化するために、容量センサを取り囲むが、タッチしないために使用されてもよい。接地面と容量センサの併用は、改良された測定正確度および再現性を提供する。プッシュスタートスイッチ内の容量センサの数は、コスト、生産効率、正確度、冗長性、または他の要因に基づく設計上の決定であってもよい。例えば、1つ、または
図4Aおよび4Bに示されるように、4つの容量センサが、使用されてもよい。プッシュスタートスイッチ400は、全てが輪郭付きタッチパッド430内で測定窓420を取り囲む、4つの容量センサ440を含む。
【0021】
図5は、いくつかの照明510および515、測定窓520、タッチパッド530、および容量センサ540を含む、プッシュスタートスイッチ500の例証的実施形態を示す。本明細書に論じられるように、照明510および515は、指配置ならびに測定のステータスに関連する視覚的フィードバックをドライバに提供してもよい。異なる数、タイプ、および組み合わせの照明信号が、位置、色、フラッシュ、ストロボ、および回転信号のうちの1つまたはその組み合わせを含め、使用されることができる。測定窓520は、測定デバイス、例えば、スペクトロメータまたは他のデバイスのための画面を提供し、車両ドライバの生体認証特性を得る。測定窓520は、輪郭付きタッチパッド530内に位置付けられ、ドライバの指を検出する、容量センサ540によって取り囲まれる。
【0022】
本明細書に説明されるプッシュスタートスイッチは、始動し得る、任意のタイプの車両内で使用されることができる。車両は、キーレスエントリ/始動を装備した任意の他の車両として挙動することができる。ドライバが、プッシュスタートスイッチを伴う車両に接近すると、ロック解除アクティビティ、例えば、所定の距離において検出された信号、コード化エントリ、または他の車両ロック解除に基づいて、ロック解除されてもよい。いったん車両のドアが開放されると、プッシュスタートスイッチのための照明が、ドライバがタッチパッドに誘導されるようにアクティブ化されてもよい。そのような特徴は、随意に、夜間使用にのみ利用可能であってもよい。
【0023】
本明細書に開示されるプッシュスタートスイッチを使用するための方法は、
図6のフローに従ってもよい。605では、車両ドライバは、ドライバの指に適合するように輪郭付けられた、タッチパッド内に位置付けられる1つまたはそれを上回る容量センサを使用して、検出されてもよい。容量センサは、ドライバの指が容量センサによって感知されたことを示す情報をセンサに結合されるコントローラに送達してもよい。610では、コントローラ内の処理回路は、車両ドライバの配置が正しいかどうかを判定するために使用されてもよい。特に、コントローラは、ドライバの指が、タッチパッド内の測定窓が生体認証情報をドライバの指から正確に捕捉し得る様式において、タッチパッド上に位置付けられているかどうかを判定してもよい。理想的には、指は、測定窓を完全に被覆するように配置されるであろう。そのような位置情報は、測定窓を取り囲む容量センサによって検出される。配置が正しくない場合、信号が、615において、車両ドライバに提供される。信号は、1つまたはそれを上回る光インジケータ、オーディオフィードバック、触知フィードバック、またはそれらの組み合わせであってもよい。信号は、ドライバが指配置を変更するように誘導し、センサにドライバの指を再検出させ、605におけるフローを継続させるはずである。
【0024】
しかしながら、指配置が正しい場合、フローは、620において、車両ドライバの生体認証特性の測定を継続する。ある実施形態では、タッチパッド内の測定窓は、ドライバの指をスキャンまたはサンプリングし、いくつかの分析、例えば、光学またはスペクトルを使用して、ドライバに関する生体認証情報を得るであろう。ある実施例では、生体認証情報は、血中アルコールレベルであることができる。別の実施例では、情報は、指紋を使用する識別に関連することができる。測定スキャンは、625において、データを分析し、データが閾値を満たすかどうかを判定する、プロセッサによって受信され得る。例えば、血中アルコールレベルの場合、レベルは、運転時の血中アルコールのための公知の法的基準またはいくつかの他の所定の閾値と比較されることができる。別の実施例では、指紋光学分析の場合、データは、権限ユーザの指紋のデータベースと照合されてもよい。
【0025】
ある実施形態では、1つを上回るタイプの生体認証測定が、得られてもよい。
【0026】
生体認証特性測定が、閾値を満たすと判定される場合、車両は、630において、始動する。生体認証特性が、閾値に満たないと判定される場合、車両は、635において、ロックし、ドライバは、生体認証特性測定が所定の閾値に準拠しなかったことを示す、適切な信号を受信してもよく、フローは、ドライバがスイッチを再始動しようとする場合、605に継続してもよい。
【0027】
ある実施形態では、605におけるドライバの検出は、人物が車両のドライバ席に検出されたかどうに依存するであろう。
【0028】
図示されないが、プッシュスタートスイッチに結合されるプロセッサまたはコントローラは、本明細書に説明される方法のステップを行うために使用されてもよい。そのようなコントローラは、メモリRAMおよびROM、処理ユニットCPU、スイッチにリンクし得る通信ポート、および他の車両構成要素を含む、従来のコンピュータの要素を含んでもよい。例えば、コントローラは、オーディオ信号が車両オーディオシステムを経由して再生し得るように、オーディオポートにリンクされてもよい。
【0029】
本発明の種々の実施形態が、本明細書に図示および説明されたが、そのような実施形態が一例として提供されるにすぎないことは、当業者に明白となるであろう。ここで、多数の変形例、変更、および代用が、本発明から逸脱することなく、当業者に想起されるであろう。本明細書に説明される本発明の実施形態の種々の代替が、本発明を実践する際に採用されてもよいことを理解されたい。以下の請求項は、本発明の範囲を定義し、これらの請求項およびその均等物の範囲内の方法、ならびに構造は、それによって網羅されることが意図される。