【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1の特徴を有する含浸工具、請求項11の特徴を有する方法、及び請求項17の特徴を有する装置によって達成される。
【0008】
強化繊維材料にプラスチック材料を含浸させる含浸工具は、支持面を備えた支持要素を備える。含浸工具はカバー要素を更に備え、カバー要素は、支持要素の支持面に対向する被覆面を備え、支持要素の支持面から離れて配置される。そして、含浸工具は収容空間を備え、収容空間は、支持要素の支持面とカバー要素の被覆面によって境界が定められ、収容空間にプラスチック材料を供給する注入路に接続される。
【0009】
注入路から含浸工具の収容空間に、構成部品、具体的には航空機構成部品、強化繊維材料の強化繊維が埋め込まれたマトリックス中に形成することが可能なプラスチック材料が供給される。プラスチック材料は、熱可塑性高分子材料又は架橋プラスチック材料、具体的には樹脂、好ましくはエポキシ樹脂であり得る。強化繊維材料は、個々の繊維の形態、又は繊維状不織布若しくは織布の形態の、強化繊維を含有し得る。好ましくは、強化繊維材料は連続的なストランド形態で存在し、このため、細長い構造形状体、例えば、航空機の主要構成部品として使用可能なフレーム、ストリンガー又は同種のものに加工することが可能である。
【0010】
含浸工具は、連続含浸工程で用いるのに適している。このため、含浸工具の収容空間は、連続工程において強化繊維材料を収容空間に供給する入口開口部と、連続工程において収容空間からプラスチック材料を含浸させた強化繊維材料を取り出す出口開口部と、を備える。強化繊維材料は、含浸工具の収容空間を通して、一定の速度で又は速度を変化させて運ぶことができる。ただし、含浸工具の収容空間を通して、断続的に及び/又は搬送休止を挟んで強化材料を運ぶことも考慮でき、搬送休止は、例えば、プラスチック材料を収容空間に注入するのに、及び/又はそれまでにプラスチック材料の部分的な硬化を準備するのに利用することができる。
【0011】
支持要素の支持面とカバー要素の被覆面との間の距離は、収容空間を通る強化繊維材料の供給方向に対して垂直な方向、並びに、支持面及び/又は被覆面により画定される面に対して平行な方向において、一定である。換言すると、収容空間を通る強化繊維材料の供給方向に対して垂直な方向、並びに、支持面及び/又は被覆面により画定される面に対して平行な方向において、支持要素の支持面もカバー要素の被覆面も、支持面と被覆面との間の距離を変化させる段、傾斜又は他の幾何学的要素を備えていない。
【0012】
これとは対照的に、収容空間を通る強化繊維材料の供給方向における支持要素の支持面及び/又はカバー要素の被覆面は、完全に、段又は波形状を有していてもよく、これによって、収容空間を通る強化繊維材料の供給方向において、支持面と被覆面との間の距離が変化する。例えば、収容空間を通して含浸される強化繊維材料の供給時に、支持面及び/又は被覆面の波形状を利用し、動圧の変化、したがって良好な含浸特性を達成してもよい。
【0013】
さらに、支持要素とカバー要素は、収容空間を通る強化繊維材料の供給方向に、支持要素の支持面とカバー要素の被覆面との間の距離が、連続工程において収容空間を通して供給される強化繊維材料の種々の厚さに適合可能なように、互いに移動可能である。ここで、「厚さ」という用語は、二次元強化繊維材料により画定される面に対して垂直な方向における強化繊維材料の範囲を意味し、強化繊維材料の厚さは連続的に又は断続的に変化し得る。例えば、強化繊維材料の厚さの変化は、強化繊維材料を構成し得る強化繊維織布層の数又は種類の変化から生じてもよい。
【0014】
支持要素は固く固定することができ、カバー要素は、所望の方法により支持要素の支持面とカバー要素の被覆面との間の距離を変化させるように、支持要素に対して移動可能である。または、含浸工具に、固く固定されたカバー要素と、カバー要素に対して移動可能な支持要素とを設けることも考慮できる。そして、支持要素とカバー要素はともに移動可能に取り付けることができ、その結果、これらの両要素は、支持要素の支持面とカバー要素の被覆面との間の距離を適合させるように、種々の位置間で移動可能である。
【0015】
支持要素とカバー要素との間の相対的な移動は、必要に応じて制御部の制御下で、適切な駆動装置、例えば、電動モータ、油圧システム又は空気圧システムによって実現してもよい。ただし、支持要素の支持面とカバー要素の被覆面との間の距離を、連続工程において収容空間を通して供給される強化繊維材料の種々の厚さに適合させる受動装置を設けることも考慮できる。かかる受動装置は、例えば、支持要素及び/又はカバー要素をばねにより取り付けるばね要素を備えていてもよい。そして、ばね要素は、支持要素の支持面とカバー要素の被覆面が互いに最小距離を有する位置に向かって、支持要素及び/又はカバー要素にあらかじめ負荷をかけることができる。また、支持要素の支持面とカバー要素の被覆面との間の最小距離よりも大きな厚さを有する強化繊維材料が収容空間に供給される場合、強化繊維材料と支持要素の支持面及びカバー要素の被覆面との相互作用により、支持要素及びカバー要素は、ばね要素のばね作用に反して別々に押し出され、その結果、支持要素の支持面とカバー要素の被覆面との間の距離は、強化繊維材料の厚さに応じて増加する。そしてさらに、強化繊維材料の厚さが減少する場合、ばね要素は、支持要素とカバー要素が互いの方に向かって戻ることを保証し、これによって、支持要素の支持面とカバー要素の被覆面との間の距離が減少する。
【0016】
支持面と被覆面との間の距離を、収容空間を通して供給される強化繊維材料の厚さに適合させることによって、強化繊維材料の厚さには狭すぎる収容空間を通して強化繊維材料が供給されるのを防止することができる。したがって、強化繊維材料の表面と支持面及び/又は被覆面との間の過度に高い摩擦力とともに、これによって得られる強化繊維材料の損傷を確実に防止することができる。さらに、支持面と被覆面との間の距離を、強化繊維材料の厚さに適合させることによって、含浸工具の構造から生じ得る、含浸工具の収容空間からのプラスチック材料の漏出を最小にすることができ、これによって、支持面と被覆面との間の距離が、強化繊維材料の最大厚さに厳格に適合され、このため、最大厚さよりも小さな厚さを有する強化繊維材料の一部が、含浸工具の収容空間を通して運ばれる場合、強化繊維材料と被覆面との間に隙間が生じる。
【0017】
さらに、必要に応じて、支持要素及びカバー要素の相対的な移動時に、支持面及び被覆面を、収容空間を通る強化繊維材料の供給方向に対して垂直な方向、並びに支持面及び/又は被覆面により画定される面に対して平行な方向に一定な距離をおいて配置することによって、収容空間全体にわたって均一な、支持面と被覆面との距離を増減させることができる。したがって、含浸工具によって、連続注入工程において、強化繊維材料であって、強化繊維材料の供給方向においてその厚さが大きく変化し、このため、先に含浸浴法のみを用いてプラスチック材料を含浸させることができた強化繊維材料を加工することができる。そして、含浸工具は、含浸がU字型、オメガ型又はT字型部分の形成に先行するため、種々の幾何形状体(profile geometry)、例えば、U字型、オメガ型又はT字型部分の連続的な製造に普遍的に用いることができる。
【0018】
収容空間を通る強化繊維材料の供給方向に対して垂直な方向における含浸工具の収容空間は、支持要素及び/又はカバー要素に形成され得る横方向面によって、境界を定めることができる。例えば、収容空間は、支持要素に形成された2つの横方向面、又はカバー要素に形成された2つの横方向面によって、境界が定められてもよい。ただし、支持要素に形成された横方向面及びカバー要素に形成された横方向面によって含浸工具の収容空間の境界が定められた構成を考慮することができる。横方向面は、互いに平行に配置することができる。さらに又はあるいは、含浸工具の少なくとも特定の動作段階において、支持面及び被覆面は、互いに平行に方向を合わせることができる。横方向面は、支持面及び/又は被覆面に対して実質的に垂直に延び得る。
【0019】
含浸工具の好適な実施形態において、収容空間を通る強化繊維材料の供給方向に対して垂直な方向、並びに、支持面及び/又は被覆面により画定される面に対して垂直な方向にある支持要素とカバー要素は、支持要素の支持面とカバー要素の被覆面との間の距離を、連続工程において収容空間を通して供給される強化繊維材料の種々の厚さに適合させるように、互いに移動可能である。含浸工具のかかる発展は、特に、カバー要素が板状構造であり、支持要素に形成された横方向壁間に収容される場合、又は、支持要素が板状構造であり、カバー要素に形成された横方向壁間に収容される場合に都合が良い。そして、含浸工具は、単純な幾何形状及び簡単な構造を有する。
【0020】
さらに又はあるいは、支持要素とカバー要素は軸線を中心に互いに旋回することができ、軸線は、支持要素の支持面とカバー要素の被覆面との間の距離を、連続工程において収容空間を通して供給される強化繊維材料の種々の厚さに適合させるように、強化繊維材料の供給方向に対して垂直に延びるとともに、支持面及び/又は被覆面により画定される面に対して平行に延びる。強化繊維材料の供給方向に対して垂直で、そして、支持面及び/又は被覆面により画定される面に対して平行に延びる軸線を中心に、支持要素の支持面とカバー要素の被覆面との間の距離を、連続工程において収容空間を通して供給される強化繊維材料の種々の厚さに適合させるように、互いに旋回することができる。含浸工具のかかる発展を考慮すると、支持面とカバー面は、一定の厚さの強化繊維材料が収納空間を通して供給される限り、互いに平行に配向することができる。他方、支持要素とカバー要素を互いに旋回させることによって、収容空間に供給される強化繊維材料の厚さが増加する場合、収容空間の入口開口部領域における支持面と被覆面との間の距離は増加するが、収容空間の出口開口部領域における支持面と被覆面との間の距離は減少する。
【0021】
したがって、更に厚い強化繊維材料を収容空間に供給することができる一方で、収容空間の出口開口部領域において、収容空間からのプラスチック材料の漏出を防止することができる。原理的には、支持要素とカバー要素が互いに旋回可能な軸線は、固定の軸線であり得る。含浸工具のかかる発展を考慮すると、支持面と被覆面との間の距離は、支持面と被覆面との間に強化繊維材料が詰まるようになることを、したがって損傷することを防止するように、収容空間の入口開口部領域又は出口開口部領域における支持要素及び/又はカバー要素の旋回時に、収容空間を通して供給される強化繊維材料の厚さよりも大きい必要がある。ただし、支持要素とカバー要素が互いに旋回可能な軸線は、事実上、固定でない軸線であってもよい。含浸工具のかかる変形を考慮すると、例えば、入口開口部領域における支持面と被覆面との間の距離は変化してもよく、支持面と被覆面との間の距離は一定に維持されてもよいし、又はその逆であってもよい。
【0022】
原理的には、支持要素とカバー要素はともに、旋回可能に取り付けることができる。ただし、支持要素は固く固定された支持要素として構成され、カバー要素は支持要素に対して旋回可能であることが好ましい。支持要素及び/又はカバー要素の旋回運動は、適切な駆動装置、例えば、駆動スピンドルを備えた電動モータ、油圧システム又は空気圧システムなどによって実現することができる。例えば、カバー要素は、複数の(例えば4つの)油圧ピストンによって、支持要素に対して旋回可能に取り付けられていてもよい。また、支持要素とカバー要素の互いの旋回運動を発生することができる駆動装置は、支持要素とカバー要素を互いに、強化繊維材料の供給方向に対して垂直に移動させて、支持面と被覆面との間の距離を、強化繊維材料の種々の厚さに適合させるように、構成されることが好ましい。
【0023】
支持要素には少なくとも1つの接触面を形成することができ、この接触面は、収容空間を通る強化繊維材料の供給方向に沿って、支持面に対して傾斜するとともに、カバー要素に形成された相補的な接触面と相互作用する。そして、支持要素とカバー要素は、支持要素の支持面とカバー要素の被覆面との間の距離を、連続工程において収容空間を通して供給される強化繊維材料の種々の厚さに適合させるように、接触面に対して平行な方向に互いに移動可能であることが好ましい。傾斜した接触面に沿った支持要素及びカバー要素の相対的な変位によって、複雑な機械駆動手段又は電気駆動手段を用いずに、支持面と被覆面との間の距離を無制限に調節することができる。
【0024】
支持要素に形成された接触面は支持面と傾斜角を形成することができ、この傾斜角は、カバー要素に形成された接触面が被覆面と形成する傾斜角に対応する。含浸工具のかかる発展を考慮すると、傾斜した接触面に沿った支持要素及びカバー要素の相対的な変位によって、支持面と被覆面との間の距離が変化しても、支持面と被覆面は、常に、互いに平行に維持され得る。
【0025】
支持要素に形成された接触面は、支持要素の横方向壁の、カバー要素に対向する領域に配置され、カバー要素に形成され凹部の支持要素に対向する領域に配置された接触面と相互作用することができる。凹部は、カバー要素の外面に設けることができる。あるいは又はさらに、カバー要素に形成された接触面は、カバー要素の横方向壁の、支持要素に対向する領域に配置され、支持要素に形成され凹部のカバー要素に対向する領域に配置された接触面と相互作用することができる。そして、凹部は、支持要素の外面に設けることができる。
【0026】
収容空間の入口開口部領域には、少なくとも1つの封止要素が設けられることが好ましく、封止要素は、入口開口部を通して収容空間に供給される強化繊維材料と支持要素及び/又はカバー要素との間の隙間を封止するように構成される。さらに又はあるいは、収容空間の出口開口部領域には少なくとも1つの封止要素を設けることができ、封止要素は、出口開口部を通して収容空間から取り出される、プラスチック材料を含浸させた強化繊維材料と、支持要素及び/又はカバー要素との間の隙間を封止するように構成される。入口開口部領域及び/又は出口開口部領域に配置された封止要素は、含浸工具の収容空間からプラスチック材料が漏出するのを効果的に防止することができる。封止要素の提供は、特に、入口開口部領域及び/又は出口開口部領域において、支持面と被覆面との間の距離が、入口開口部を通して供給される強化繊維材料の厚さ、及び、出口開口部を通して供給される、プラスチック材料を含浸させた強化繊維材料の厚さよりも大きい場合に都合が良い。
【0027】
さらに又はあるいは、含浸工具は、プラスチック材料を含浸させた強化繊維材料を加熱するか又は冷却する、加熱装置及び/又は冷却装置を備え得る。加熱又は冷却によって、プラスチック材料の粘性を制御することができる。さらに、熱を意図的に加えることによって、プラスチック材料の部分的又は完全な硬化を開始することができる。加熱装置及び/又は冷却装置は、具体的には、収容空間の入口開口部領域及び/又は出口開口部領域に設けることができる。例えば、入口開口部領域の収容空間に冷却エネルギーを供給することによって、プラスチック材料の粘性を上昇させることができ、このため、入口開口部からのプラスチック材料の漏出を最小にすることができる。同様に、出口開口部領域に熱エネルギーを供給することによって、プラスチック材料を部分的に硬化させることができ、このため、出口開口部からのプラスチック材料の漏出を最小にすることができる。加熱装置として、例えば、電気抵抗加熱装置を用いてもよい。あるいは又はさらに、加熱装置及び/又は冷却装置は、冷却流体又は加熱流体が通る流路を備え得る。
【0028】
含浸工具の好適な実施形態において、支持要素は、収容空間の入口開口部領域及び/又は出口開口部領域に配置された少なくとも1つの支持要素封止部と、支持要素中央部と、を備える。それぞれの支持要素封止部には支持面端部を形成することができ、支持面端部は、入口開口部領域及び/又は出口開口部領域における収容空間の境界を定める。支持要素中央部には、支持面中央部が形成され得る。支持要素封止部と支持要素中央部は、支持要素封止部に形成された支持面端部と被覆面との間で、連続工程において収容空間を通して供給される強化繊維材料の種々の厚さに適合可能な第1の距離が調節可能であるように、互いに移動可能であることが好ましい。第1の距離は、支持面中央部と被覆面との間の第2の距離であって、連続工程において収容空間を通して供給される強化繊維材料の種々の厚さに適合する第2の距離とは異なることが好ましい。
【0029】
したがって、含浸工具のかかる発展によって、収容空間の入口開口部領域及び/又は出口開口部領域における支持面と被覆面との間の距離を、収容空間の中央領域におけるものよりも大きく又は小さく調節することができる。よって、含浸工具の幾何形状は、収容空間を通して供給される種々の厚さの強化繊維材料の幾何形状に、特によく適合させることができる。例えば、収容空間の入口開口部及び/又は出口開口部における支持面と被覆面との間の距離は、支持要素中央部領域よりも小さくてもよく、すなわち、例えば入口開口部及び/又は出口開口部を通して供給される場合、強化繊維材料の一部は、収容空間の中央領域を通して供給される一部よりも厚さが小さい。したがって、収容空間の入口開口部及び/又は出口開口部からプラスチック材料が漏出するのを最小にすることができる。
【0030】
さらに又はあるいは、カバー要素は、収容空間の入口開口部領域及び/又は出口開口部領域に配置された少なくとも1つのカバー要素封止部と、カバー要素中央部と、を備え得る。それぞれのカバー要素封止部には被覆面端部を形成することができ、被覆面端部は、入口開口部領域及び/又は出口開口部領域における収容空間の境界を定める。カバー要素中央部には、被覆面中央部が形成され得る。カバー要素封止部とカバー要素中央部は、カバー要素封止部に形成された被覆面端部と支持面との間で、連続工程において収容空間を通して供給される強化繊維材料の種々の厚さに適合する第1の距離が調節可能であるように、互いに移動可能であることが好ましい。第1の部分は、被覆面中央部と支持面との間の第2の距離であって、連続工程において収容空間を通して供給される強化繊維材料の種々の厚さに適合する第2の距離とは異なり得る。
【0031】
支持要素封止部には支持要素ガイド面を形成することができ、支持要素ガイド面は、収容空間を通る強化繊維材料の供給方向に沿って、支持要素封止部に形成された支持面端部に対して傾斜している。支持要素封止部に形成された支持要素ガイド面は、支持要素中央部に形成された相補的な支持要素ガイド面と相互作用し得る。具体的には、支持要素封止部と支持要素中央部は、支持面中央部と被覆面との間の第2の距離に対して、支持要素封止部に形成された支持面端部と被覆面との間の第1の距離を変化させるように、支持要素ガイド面に対して平行な方向に互いに移動可能である。
【0032】
同様に、カバー要素封止部にはカバー要素ガイド面を形成することができ、カバー要素ガイド面は、収容空間を通る強化繊維材料の供給方向に沿って、カバー要素封止部に形成された被覆面端部に対して傾斜するとともに、カバー要素中央部に形成された相補的なカバー要素ガイド面と相互作用する。カバー要素封止部とカバー要素中央部は、被覆面中央部と支持面との間の第2の距離に対して、カバー要素封止部に形成された被覆面端部と支持面との間の第1の距離を変化させるように、被覆面ガイド面に対して平行な方向に互いに移動可能である。
【0033】
支持要素封止部及び支持要素中央部に形成された支持要素ガイド面は、支持面と傾斜角を形成してもよく、この傾斜角は、カバー要素封止部に形成されたカバー要素ガイド面及びカバー要素中央部が被覆面と形成する傾斜角に対応する。含浸工具のかかる構成によって、互いに平行に方向を合わせられた支持面及び被覆面の部分は、これらの平面部分間の距離が変化する場合においても、互いに平行に配置されたままであることを保証できる。
【0034】
強化繊維材料にプラスチック材料を含浸させる方法では、含浸工具が提供され、含浸工具は、支持面を有する支持要素と、支持要素の支持面に対向するとともに、支持要素の支持面から離れて配置される、被覆面を有するカバー要素と、支持要素の支持面とカバー要素の被覆面とによって境界が定められる収容空間と、を備える。強化繊維材料は、連続工程において、収容空間の入口開口部を通して収容空間に供給される。プラスチック材料は、収容空間に接続された注入路を通して収容空間に供給される。プラスチック材料を含浸させた強化繊維材料は、連続工程において、収容空間の出口開口部を通して収容空間から取り出される。支持要素の支持面とカバー要素の被覆面との間の距離は、収容空間を通る強化繊維材料の供給方向に対して垂直な方向、並びに、支持面及び/又は被覆面により画定される面に対して平行な方向において、一定である。支持要素とカバー要素は、収容空間を通る強化繊維材料の供給方向において、支持要素の支持面とカバー要素の被覆面との間の距離を、連続工程において収容空間を通して供給される強化繊維材料の種々の厚さに適合させるように、互いに移動する。
【0035】
支持要素とカバー要素は、支持要素の支持面とカバー要素の被覆面との間の距離を、連続工程において収容空間を通して供給される強化繊維材料の種々の厚さに適合させるように、収容空間を通る強化繊維材料の供給方向に対して垂直な方向に、並びに、支持面及び/又は被覆面により画定される面に対して垂直な方向に、互いに移動することが好ましい。
【0036】
支持要素とカバー要素は軸線を中心に互いに旋回することができ、この軸線は、支持要素の支持面とカバー要素の被覆面との間の距離を、連続工程において収容空間を通して供給される強化繊維材料の種々の厚さに適合させるように、収容空間を通る強化繊維材料の供給方向に対して垂直に延びるとともに、支持面及び/又は被覆面により画定される面に対して平行に延びる。軸線は固定の軸線であってもよいが、代替的に、事実上、固定でない軸線であってもよい。
【0037】
支持要素には少なくとも1つの接触面を形成することができ、この接触面は、収容空間を通る強化繊維材料の供給方向に沿って、支持面に対して傾斜するとともに、カバー要素に形成された相補的な接触面と相互作用する。支持要素とカバー要素は、支持要素の支持面とカバー要素の被覆面との間の距離を、連続工程において収容空間を通して供給される強化繊維材料の種々の厚さに適合させるように、接触面に対して平行な方向に互いに移動することができる。
【0038】
支持要素は、収容空間の入口開口部領域及び/又は出口開口部領域に配置された少なくとも1つの支持要素封止部と、支持要素中央部と、を備えていてもよく、それぞれの支持要素封止部には支持面端部を形成することができ、支持面端部は、入口開口部領域及び/又は出口開口部領域における収容空間の境界を定める。支持要素中央部には、支持面中央部が形成され得る。支持要素封止部と支持要素中央部は、支持要素封止部に形成された支持面端部と被覆面との間で、第1の距離であって、連続工程において収容空間を通して供給される強化繊維材料の種々の厚さに適合するとともに、支持面中央部と被覆面との間の、連続工程において収容空間を通して供給される強化繊維材料の種々の厚さに適合する第2の距離とは異なる第1の距離が調節されるように、互いに移動することができる。
【0039】
あるいは又はさらに、カバー要素は、収容空間の入口開口部領域及び/又は出口開口部領域に配置された少なくとも1つのカバー要素封止部と、カバー要素中央部と、を備えていてもよく、それぞれのカバー要素封止部には被覆面端部を形成することができ、被覆面端部は、入口開口部領域及び/又は出口開口部領域における収容空間の境界を定める。カバー要素中央部には、被覆面中央部が形成され得る。カバー要素封止部とカバー要素中央部は、カバー要素封止部に形成された被覆面端部と支持面との間で、第1の距離であって、連続工程において収容空間を通して供給される強化繊維材料の種々の厚さに適合するとともに、被覆面中央部と支持面との間の、連続工程において収容空間を通して供給される強化繊維材料の種々の厚さに適合する第2の距離とは異なる第1の距離が調節されるように、互いに移動することができる。
【0040】
支持要素封止部には支持要素ガイド面を形成することができ、支持要素ガイド面は、収容空間を通る強化繊維材料の供給方向に沿って、支持要素封止部に形成された支持面端部に対して傾斜するとともに、支持要素中央部に形成された相補的な支持要素ガイド面と相互作用する。支持要素封止部と支持要素中央部は、支持面中央部と被覆面との間の第2の距離に対して、支持要素封止部に形成された支持面端部と被覆面との間の第1の距離を変化させるように、支持要素ガイド面に対して平行な方向に互いに移動することができる。
【0041】
カバー要素封止部にはカバー要素ガイド面を形成することができ、カバー要素ガイド面は、収容空間を通る強化繊維材料の供給方向に沿って、カバー要素封止部に形成された被覆面端部に対して傾斜するとともに、カバー要素中央部に形成された相補的なカバー要素ガイド面と相互作用し、カバー要素封止部とカバー要素中央部は、被覆面中央部と支持面との間の第2の距離に対して、カバー要素封止部に形成された被覆面端部と支持面との間の第1の距離を変化させるように、カバー要素ガイド面に対して平行な方向に互いに移動することができる。
【0042】
繊維強化複合材料から部品を連続的に製造する装置は、供給装置であって、装置から強化繊維を含有する半製品を供給するように構成された供給装置を備える。装置は含浸装置を更に備え、含浸装置は上述した含浸工具を備える。
【0043】
ここで、添付の概略図面を参照して、本発明の好適な実施形態の詳細な説明を以下に示す。