特許第6553622号(P6553622)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6553622薄い底部を有する、プラスチック容器のためのプリフォーム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6553622
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】薄い底部を有する、プラスチック容器のためのプリフォーム
(51)【国際特許分類】
   B29C 49/06 20060101AFI20190722BHJP
   B29B 11/08 20060101ALI20190722BHJP
   B29C 45/70 20060101ALI20190722BHJP
   B29C 45/56 20060101ALI20190722BHJP
   B29C 45/26 20060101ALI20190722BHJP
【FI】
   B29C49/06
   B29B11/08
   B29C45/70
   B29C45/56
   B29C45/26
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-542332(P2016-542332)
(86)(22)【出願日】2014年9月15日
(65)【公表番号】特表2016-530137(P2016-530137A)
(43)【公表日】2016年9月29日
(86)【国際出願番号】EP2014069632
(87)【国際公開番号】WO2015036596
(87)【国際公開日】20150319
【審査請求日】2017年9月14日
(31)【優先権主張番号】RM2013A000510
(32)【優先日】2013年9月13日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】503308405
【氏名又は名称】エス.アイ.ピー.エイ.ソシエタ’インダストリアリザッジオーネ プロゲッタジオーネ エ オートマジオーネ ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100166338
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 正夫
(74)【代理人】
【識別番号】100152054
【弁理士】
【氏名又は名称】仲野 孝雅
(72)【発明者】
【氏名】ガイオッティ・デヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】シグラー・ローラン
(72)【発明者】
【氏名】ザネッテ・ディーノ・エンリコ
(72)【発明者】
【氏名】ヅォッパス・マッテオ
【審査官】 ▲来▼田 優来
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−517295(JP,A)
【文献】 特開平06−198719(JP,A)
【文献】 特開2003−025397(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0244050(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0222123(US,A1)
【文献】 特表2000−506078(JP,A)
【文献】 特開平04−163106(JP,A)
【文献】 特開2008−178994(JP,A)
【文献】 特開平4−279445(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C45/00,49/00−49/80
B29B11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロー成形工程によって最終ブロー成形ボトルを作製するように適合された、重量20g未満の円筒状のPET製プリフォーム(100)であって、前記プリフォームは、
ネック部と、
プリフォーム先端部を有し、前記プリフォーム先端部にゲート(3)の点を有する、底部分(2)と、
前記底部分(2)と前記ネック部との間を延び、側部肉厚WTを有する、本体部分(1)と
を備え、
前記プリフォームの厚さは周方向に均一であり、
前記底部分(2)は、前記ゲート(3)の前記点においてより薄い点を有する底部肉厚を有し、前記より薄い点は最小底部肉厚BWTminを画定し、
前記プリフォームの前記肉厚は、前記ゲート(3)の前記点からゆるやかに変化して前記側部肉厚WTに達し、
比BWTmin/WTが0.20と0.55との間になるように構成され
前記本体部分(1)と前記底部分(2)との間に、前記側部肉厚WTより大きい厚さWTmaxを有する壁ステップ(4)が設けられる、
プリフォーム(100)。
【請求項2】
前記壁ステップ(4)の前記厚さWTmaxは、前記側部肉厚WTより4%と20%との間の値だけ大きい、請求項に記載のプリフォーム。
【請求項3】
前記プリフォームは炭酸清涼飲料ボトルのためのものであり、前記比BWTmin/WTは0.20と0.30との間にある、請求項1または2に記載のプリフォーム。
【請求項4】
前記プリフォームは炭酸清涼飲料以外の飲料ボトルのためのものであり、前記比BWTmin/WTは0.50と0.55との間にある、請求項1または2に記載のプリフォーム。
【請求項5】
容量0.75L未満のボトルを作製するように適合される、請求項1からのいずれか一項に記載のプリフォーム。
【請求項6】
ブロー成形工程によって最終ブロー成形ボトルを作製するための、重量20g未満のPET製プリフォームを作製するための射出圧縮成形方法であって、前記プリフォームは、
ネック部と、
プリフォーム先端部を有し、前記プリフォーム先端部にゲート(3)の点を有する、底部分(2)であって、前記底部分(2)は、前記ゲート(3)の前記点においてより薄い点を有する底部肉厚を有し、前記より薄い点は最小底部肉厚BWTminを画定する、底部分(2)と、
前記底部分(2)と前記ネック部との間を延び、側部肉厚WTを有する本体部分(1)であって、前記プリフォームの前記肉厚は、前記ゲート(3)の前記点からゆるやかに変化して前記側部肉厚WTに達する、本体部分(1)と
を備え、
コアの先端部を有するコアと、
キャビティと、
射出点が設けられているゲートインサートと
を備える型が設けられ、
前記コアの先端部と前記ゲートインサートとの間の空間は、射出−圧縮成形工程の開始時により大きく、圧縮段階の間、前記工程の最終段階で縮小する一方である、請求項1から5のいずれか一項に記載のプリフォームの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば射出圧縮ブロー成形によって飲料用または他の液体用の小型容器を作製するために用いられる、PETなどのプラスチック材料または他の適切な材料のプリフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
経済的理由から、PET容器製造者らが従う方針とは、主に使い捨て容器としての容器そのものの技術的性能を維持しながら、重量、したがって使用される樹脂の量をできるだけ減らすことである。このような結果を実現するために、より軽量のプリフォームを作製することが必要である。飲料市場の大半を占める小型の最終容器、例えば、容量1リットル未満のボトル、特に、容量が25clと50clとの間のボトルの性能に、設計者らは特に注意を払う。具体的には、重量が6gと15gとの間の、COを含まない水用ボトルには、複雑な形状に設計され得る容器を構成する様々なゾーンでその構造強度の限界まで延伸するための熱可塑性材料はあまり存在しないので、非常に難しい課題がある。このような容器を設計する際の最優先事項は、非常に薄い本体壁を有し、例えば軸方向の負荷に対する抵抗性、窒素の添加がある場合は破裂強度、および径方向の変形に対する抵抗性をなお維持しなければならないという、この分野のブロー成形容器の技術的性能の複雑さによって構成される。従来の射出技術では、この数年間に、壁の様々なゾーンの厚さに関するプリフォームの設計の限界が定まってきており、具体的には、プリフォームの一様の底部肉厚(BWT)とその側部肉厚(WT)との間に、ある一定の比を確保しなければならないことが、PETプリフォーム業界では知られており、概して受け入れられている。典型的には、この比は以下の範囲内になければならない:
0.7≦BWT/WT≦0.95。
【0003】
このような比では、溶融PETがコアの上部とゲートインサート側の射出点との間を移動するように十分な隙間が残されているのでゲート部分で材料に応力をかけ過ぎることなくプリフォームの射出を実行できることが確認できる。しかし、最小0.7のBWT/WT比が保証されない場合は、射出点の周りで過剰な応力のリスクが高くなり、そうなることで:1)既知の現象である応力誘発性の結晶化により、プリフォーム先端部が結晶化されるか、または2)射出点の正面の厚さ制限によりこの部分のPET溶融物の簡単な流れが妨げられることがあるので、プリフォーム型の適切かつ完全な充填を妨害される恐れがあり、さらに、この領域の溶融PETを過度に凝固させる場合があり、そうなると、より低温の溶融物がプリフォームの上部シール面(TSS)に到達するのを難しくさせることがある(ショートショットのリスク)。このような比は、COを含む飲料(炭酸清涼飲料=CSD)でもCOを含まない飲料でもほぼ同じである。この条件では、肉厚の構造上の限界のせいで、PETの量を減らすことが難しい。従来の射出方法を用いてプリフォームの肉厚を2mm未満にすることは、PETの摺動に対抗する射出成形型の同じキャビティ内に生じる摩擦力が大きいので特に難しい。したがって、上記の欠点を克服できる革新的なプリフォームを実現する必要性が特に感じられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の主な目的は、容器の最適なブロー成形の質を確保するような形状を有するブロー−成形または延伸ブロー−成形による容器、具体的には小型のPETボトルの構築のためのプラスチック材料のプリフォームを提供することである。
【0005】
本発明の別の重要な目標は、射出−圧縮成形工程によって最適に軽量化されたプリフォームを得ることである。射出圧縮成形技術は、プリフォームの肉厚に対する従来の限界を克服できるのでプリフォームを設計するための新たな可能性をもたらす。したがって、本発明の目標は、ブロー成形工程によって最終ブロー成形容器を作製するように適合された、請求項1に記載の、重量20g未満のPET製のプリフォームであって、前記プリフォームは:
−ネック部と、
−プリフォーム先端部を画定し最小底部肉厚BWTminを画定する先端部を有する、底部分と、
−底部分とネック部との間を延び、側部肉厚WTを画定する、本体部分と
を備え、
前記最小底部肉厚BWTminから前記側部肉厚WTへの肉厚のゆるやかな移行部があり、前記移行部は底部分の端部で終端し、
比BWTmin/WTが0.20と0.55との間になるように構成される、
プリフォームによって達成される。
【0006】
有利には、本発明のプリフォームの形状により、既知のプリフォームに対して、最終容器の全重量をさらに減らすことが可能になる。新たな容器の重量は、7グラムと21グラムとの間になるように構成される重量を有する従来技術の等価のボトルに少なくとも等しい機械的特性を維持しながら、水用ボトルのための6グラムとCSD飲料のための20グラム未満との間にある。
【0007】
従属請求項は本発明の好ましい実施形態を説明する。
【0008】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面の助けにより、限定でなく例示として示された、プラスチック材料のプリフォームの好ましいが排他的ではない実施形態の詳細な説明の点に鑑みて、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】典型的なCSDの用途のBWT/WT比を示す。
図2】典型的な水の用途のBWT/WT比を示す。
図3】CSDの用途の本発明によるプリフォームの形状およびBWTmin/WT比を示す。
図4】水の用途の本発明によるプリフォームの形状およびBWTmin/WT比を示す。
図5】標準的な技術のプリフォームの延伸ブロー成形動作によるボトル底部の形成を示す。
図6】本発明によるプリフォームの延伸ブロー成形の動作によるボトル底部の形成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図中の同じ参照番号は同じ要素または構成要素を特定する。
【0011】
本発明者らによって開発された射出圧縮工程(ICP)技術は、プリフォームの肉厚に対する従来の限界を克服できるので、プリフォームの設計に新たな可能性をもたらす。ゲートインサート側の射出点へのコアの位置/距離が射出−圧縮工程の間ずっと一定ではなく、つまり、コアの先端部とゲートインサートとの間の隙間/空間が、射出−圧縮工程の開始時により大きく、圧縮段階が起こるこの工程の最終段階で縮小する一方なので、以下のBWTmin/WT比がここで適用できる:
0.20≦BWTmin/WT≦0.55、好ましくは0.25≦BWTmin/WT≦0.55であり、
ここで、BWTminは最小の底部肉厚、すなわちプリフォーム先端部の底部肉厚である。このことは、プリフォーム先端部領域ではプリフォームの肉厚を最適化でき、射出点の周りの無駄な材料を実質的に低減できることを意味する。同じボトルを生産する2つのプリフォーム、つまり、図1および図2の従来の射出技術を用いて生産された一方のプリフォームと、図3および図4のICPを用いて生産された他方のプリフォームとを比較すると、ICPを用いた場合は最小比0.7を保証する必要がなく、したがって、プリフォーム先端部領域の肉厚がより小さくなるので、ICPを用いて生産された方が軽量のベースを有する。図1は、炭酸清涼飲料(CSD)用プリフォームの最終部品100の現行技術の設計を示し、ここで、参照番号1は本体部分を示し、参照番号2は、本体1が始まるペタルの支持点で終端する底部分を示す。この例では、底部肉厚BWTは一様であり、比BWT/WTは0.8程度のものであり、最終ボトルの重量は21グラムである。図2は現行技術の水用ボトルのためのプリフォームを示す。この例では、底部肉厚BWTは一様であり、比BWT/WTは0.83程度のものであり、最終ボトルの重量は7.2グラムである。図3および図4は、本発明によるプリフォームの2つの例であり、ここで、底部肉厚BWTは図1および図2に示された例と比較すると一様でない。新規な設計による図3のCSDプリフォームは、ゲート3の周りにより薄いゾーンを呈し、ゲート3の先端部はより薄い点である。図3のプリフォームでは、比BWTmin/WTは0.25程度のものであり、プリフォームの重量は19.6グラムでしかない。ここで、BWTminはゲート3の点の底部肉厚を示し、ここで、厚さは最小値を有する。図4は水用ボトルのプリフォームに関する同じ概念を示す:この場合、比BWTmin/WTは0.55程度のものであり、重量は6.0グラム程度のものである。繰り返しになるが、所与の数字は単なる一例であり本発明の範囲を全く限定しない。
【0012】
好ましくは、炭酸清涼飲料ボトルに適した本発明によるプリフォームは、比BWTmin/WTが0.20と0.30との間にある(限界値が含まれる)。
【0013】
好ましくは、炭酸清涼飲料以外の飲料ボトルに適した本発明のプリフォームは、比BWTmin/WTが0.50と0.55との間にある(限界値が含まれる)。
【0014】
肉厚は、底部肉厚が最小値BWTminを有するゲート3の中央から、ゆるやかに増大してペタルの支持点でプリフォーム本体の側部肉厚WTに達する。ゲート3の中央、すなわちプリフォーム先端部のプリフォームの厚さは、プリフォームの射出点の周りで非晶質材料の量を減らしてこの領域の無駄な材料を減らし、熱安定性および応力割れの点でボトルの性能を強化するために、最小限まで小さくされる。ボトルベースの応力割れのリスクはCSDを収容するPET製品に関する主なリスクの一つなので、このことはCSD用途には特に重要である。
【0015】
プリフォームの設計の課題は、PET材料の分配を、それが必要とされる壁ゾーンにおいて実現することである。壁ゾーンとは、射出点の周りではなく、まさにベースの周囲の部分を意味する(射出点の周りにある過剰な材料はボトルの機械的性能には無益である)。
【0016】
この面を改善するために、本発明によるプリフォームの本体1は、側部肉厚WTを有するプリフォーム部分が終了する領域に、側部肉厚WTより大きい厚さWTmaxを有する壁ステップ4を呈す。前記厚さWTmaxは前記側部肉厚WTより4%と20%との間にある値だけ大きい。
【0017】
したがって、ステップ4はプリフォームの本体部分1と底部分2との間に、すなわち、ペタル状底部の場合にブロー成形容器のペタルの支持点に相当する本体部分1の端部と底部分2の端部との間に配置される。
【0018】
異なる2つの厚さ(WTおよびWTmax)を有するこの「ステップコア」設計は、ボトルベース(ペタル)の適切なブロー成形のために利用できる十分な材料を「ステップコア」の領域に有することを可能にし、そうすることで、底部の厚さに大きく左右されるボトルの安定性を改善する。壁ステップは図3図4および図6に4で示される。従来の射出技術では、やはり射出点の周りに無駄な材料を有することなく十分に強いベースを有することは通常は非常に複雑である。ICPプリフォーム設計のおかげで、今では、ボトルベースにより精密に材料を分配し、射出点の周りの材料の無駄を避けることが可能である。この面はCSDに適した用途にも特に重要である。というのは、ボトルベースの熱安定性はボトルベースの剛性に大きく左右されるので、良好な熱安定性を考慮するにはベースに十分な材料を分配しなければならないからである。しかし、従来の射出技術では、先に説明したように、十分に強いベースを有することは通常、ゲートの中央に対応する射出点の周りに、ある程度の無駄な材料が配置されることを意味する。これは概して受け入れらているが、こうした無駄な材料は主に非晶質状態にあるので応力割れを非常に受けやすい。ICPに適したプリフォームを作製する場合、本発明のおかげで、熱安定性および応力割れに対する感度の低さの点でより良好な解決策がここで実現される。図5および図6は、延伸−ブロー成形工程中にプリフォームが最終ボトルの形に変形される様子を示す概略図を示す。図5では、参照番号5がペタルを示し、古い技術がボトルの底部の中央Cに材料を多く残し過ぎていることが明らかであり、ここで、多く残し過ぎた材料は、不要なだけでなく応力割れの可能性を高める。図6では、参照番号4が「ステップコア」の領域の壁ステップを示し、最小の底部肉厚BWTminから側部肉厚WTへのゆるやかな移行部を有するプリフォームがボトルの底部の中央Cにずっと少ない材料しか残さないことをみてとれる。「薄肉ステップコア」またはTWSCと呼ばれる新規な設計は、「CSD」炭酸清涼飲料などの製品の用途に有利に使用することができ、その飲料は、最低が例えば2g/lから最大9g/lのどの炭酸濃度にも、測定値がg/lまたは気体の体積で表される添加物を含有するCOである。新規な設計TWSCは、腐食応力割れ(CSC)および熱安定性(TS)の基準値を超えるために、軽量の容器の作製を可能にし、ブロワの性能を高め、容器のベースへのプラスチックの分配のプロセスウィンドウを広げる。応力割れは、最も剛性の高い部分、すなわち、ベースプレートに存在する中央ゲートで内圧を受ける容器の質を評価するために設計された試験である。一般に、容器の輸送ラインは塩基性スリップ剤を用いるので、炭酸用容器は腐食応力割れと呼ばれる試験シミュレーションに合格しなければならない。この試験は、容器が指定の炭酸濃度まで飲料/水で満たされ、ペタルの高さをNaOH水溶液に浸漬されることを必要とする。ゲートは試験時間の間に割れてボトルを破裂させることがあってはならない。非晶質材料が微孔性かつ透過性なので、ゲートからペタルへの移行部分が滑らかでなく延伸ブロー成形工程中に十分に冷却されない場合は、移行ゾーンはNaOHのエッチング(塩基触媒加水分解)によって「臨界点」において特に攻撃可能である。アルカリ性エッチングはポリマー鎖の開裂を伴ってエステル結合を切断し、ペタルと射出点との間の領域にまばらに配向されたゾーンが見られる場合は、ボトルのベースが応力割れの試験に不合格になる可能性が非常に高くなる。この機序は、材料のプロフィルに沿って急速に簡単に伝播して脆性破壊を引き起こす恐れのある、局所的なひび割れの形成を伴う表面劣化の最初のステップで起こる。しかし、本発明のように移行部が滑らかな場合は、延伸が最大になると、ポリマー鎖の優先的な配向を与え、塩基性エッチングによる悪化を起こしにくくする。熱安定性は、20℃の周囲温度より高い温度でサーモスタットに所与の時間にわたって配置される、炭酸飲料を収容するボトルの機械的強度を評価可能にする別の試験である。この試験は、高温環境のボトルの保管をシミュレートすることを可能にする。炭酸ガスは水または水ベースの飲料に溶ける気体なので、気体の温度が上昇するにつれて溶解性が下がるため、温度に応じて液体状態のCOと気体状態のCOとが平衡状態になる。これは、閉じられた体積内の気相の増加および内圧の上昇を引き起こす。その結果、容器が部分的に膨張して体積が増大し、体積が増大すると、内圧が有意に低下し、PETボトルと熱との相互作用によって剛性が低下し、ロッカーボトムと呼ばれるベースの不可逆変形の可能性が生じる。ボトル底部が受ける応力は特にペタルの構造および移行部の最初の部分に関係があり、ボトルを不安定にさせることになる容器ベースのペタルの拡大およびそれに続くゲートの外転を防止するには十分な厚さが必要になる。容器は上記で言及したCSCおよびTSの試験を同時に通らなければならいことが明らかであり、そのときに、両方の特徴、すなわち、CSCのためにはゲートの移行部分がしっかりと延伸され冷却されること、およびTSのためにはペタルが十分に厚く強いことを満たす、ボトル用のベースを得ることが必要になる。標準的なプリフォームのゲートの厚さはTWSCの設計よりずっと大きいので、ゲートの領域を延伸させ、移行部の傾きとペタルの厚さとの間に良好な妥協点を見出すことが難しい。正確に言うと、結合形状が標準的なので、現行技術の容器では、機械のサイクル時間を損なう程度にかなりの冷却を必要とする非晶質材料が過剰に存在する非常に厚い移行部が作製される。本発明によるプリフォームの利点は、PETの利用を最適化し、したがって、ブロワの最大性能も用いてより軽量でより性能の高いブロー成形最終容器を得ることである。「薄肉ステップコア」のプリフォームは、現行技術のプリフォームと比べるとプロフィル「ステップコア」がペタルのプロフィル全体に対してより多くの量の材料を取り入れながら、ゲートの「薄肉」プロフィルにより、ブロー成形容器のベースに、ゲートの位置で始まり表面上のペタルの支持点に至る薄い緩やかな移行部を得ることが可能になるように設計される。その結果、ベースが全体的に軽量になり、そのベースでは、従来のプリフォームの形状によってゲートに蓄積される材料の量が、「TWSC」の設計によって減少し、ブロー成形ボトルのペタルのプロフィル上に位置決めされる「ステップコア」に沿って部分的に再分配され、そうなることで、ボトルが頑丈で冷却が簡単になる。しかし、本発明の利点は、ペタル状ベースを有する容器だけでなく、ミネラルウォータのために使用されるようなペタル状ベースを有さないことがある容器にも通用する。
【0019】
好ましい実施形態によれば、プリフォームは、ネックリングを有する剛性のネック部を備え、ネックはネジ山が付いており、容量0.75リットル(L)未満のボトルを作製するように適合されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6