(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも1つのリブ(2.2)は、キャリヤ(7)と少なくとも1つのリブ(2.2)との間の係合により変形されるように適用された弾力材を含む、請求項1に記載の薬剤送達デバイス(1)。
キャリヤ(7)に対して遠位方向(D)にシリンジ(8)が動かないようにされるように、容器キャリヤ(7)は、シリンジ(8)のシリンジ筒(8.2)上のフランジ(8.1)を支持するように適用された横断方向部分(7.1)を含み、ここで、該横断方向部
分(7.1)は、少なくとも1つのリブ(2.2)に係合するように適用された環状カラー(7.2)に取り付けられていて、薬剤容器はシリンジ(8)である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の薬剤送達デバイス(1)。
カラー(7.2)は弛緩時に略円形の横断面を有し、カラー(7.2)の内径はシリンジ(8)のフランジ(8.1)の最大外径より大きい、請求項4に記載の薬剤送達デバイス(1)。
横断方向部分(7.1)は、いくつかの連結リブ(7.6)によりカラー(7.2)の第1のセクション(7.7)に連結されている内側カラー(7.5)を含む、請求項4または5に記載の薬剤送達デバイス(1)。
内側カラー(7.5)に対するカラー(7.2)の軸方向運動時、連結リブ(7.6)は、長手方向軸に対して第1のセクション(7.7)を傾斜させるように適用される、請求項6または7に記載の薬剤送達デバイス(1)。
1つまたはそれ以上のキャリヤリブ(7.3)はカラー(7.2)の内面上に配置されており、キャリヤ(7)に対する近位方向(P)のシリンジ(8)の動きを制限するために、シリンジ筒(8.2)上のフランジ(8.1)に係合するように半径内向き方向に突出している、請求項4〜8のいずれか1項に記載の薬剤送達デバイス(1)。
スリーブばね(12)は、キャリヤ(7)に対して遠位方向(D)にスリーブ(6)を付勢するように、キャリヤ(7)とスリーブ(6)との間に配置されている、請求項1〜10のいずれか1項に記載の薬剤送達デバイス(1)。
【発明を実施するための形態】
【0013】
対応する部分は、全図において同じ参照符号を付けられている。
【0014】
図1Aは、使用前の、本発明による薬剤送達デバイス1の例示的実施形態の概略長手方向断面図である。薬剤送達デバイス1は略細長い円筒状の本体2を含む。
【0015】
薬剤送達デバイス1は、スリーブ6の内部で薬剤容器を中心に置くように適用された近位カラー6.1と1つまたはそれ以上の長手方向リブ6.2とを備えたスリーブ6をさらに含む。スリーブ6は、遠位方向Dのかつ/または近位方向Pの、長手方向軸に沿った相対運動を可能にするために、本体2に摺動可能に連結されている。
【0016】
薬剤容器(例えば、シリンジ8)を保持する容器キャリヤ7が、本体2の内部に配置されている。
【0017】
図1Bは、容器キャリヤ7の例示的実施形態の概略斜視図である。
【0018】
ある例示的実施形態では、キャリヤ7は、キャリヤ7が変形されることを可能にする弾力材、例えばプラスチック、を含む。ある例示的実施形態では、シリンジ8がキャリヤ7に対して遠位方向Dに動かないように、容器キャリヤ7は、シリンジ8のシリンジ筒8.2上のフランジ8.1を支持するように適用された横断方向部分7.1を含む。キャリヤ7は本体2の内部に摺動可能に配設されている。キャリヤ7は、横断方向部分7.1に連結されているカラー7.2をさらに含む。1つまたはそれ以上のキャリヤリブ7.3がカラー7.2の内径面上に配置されており、キャリヤ7に対する近位方向Pのシリンジ8の動きを制限するために、シリンジ筒8.2上のフランジ8.1に係合するように半径内向き方向に突出している。キャリヤリブ7.3は、カラー7.2の円周全体に亘って均一に分布していてもよい。例えば、4つのキャリヤリブ7.3を、それぞれ互いに90度だけ角度離間して配置することができる。様々な数の均一のまたは非均一の分布を有するキャリヤリブ7.3を、同様に配置することができる。カラー7.2は、シリンジ8のフランジ8.1の最大外径より大きい内径を有する略円形の横断面を有し得る。すなわち、略環状の間隙15がカラー7.2とフランジ8.1との間にもたらされており、カラー7.2のある程度の変形を可能にする。
【0019】
ある例示的実施形態では、キャリヤリブ7.3は、シリンジ8をキャリヤ7に取り付ける時にフランジ8.1によるキャリヤリブ7.3の径方向外向きの変形を容易にするように適用された近位斜面7.4を含む。
【0020】
該例示された実施形態では、横断方向部分7.1は、いくつかの連結リブ7.6によりカラー7.2の第1のセクション7.7に連結されている内側カラー7.5を含む。第1のセクション7.7は、連結リブ7.6に連結されていない第2のセクション7.8により分離されている。ある例示的実施形態では、連結リブ7.6はキャリヤリブ7.3と角度心合わせされている。内側カラー7.5は、シリンジ筒8.2の外径に実質的に対応する内径を有する。別の例示的実施形態では、横断方向部分7.1は、カラー7.2に連結されている横断方向ディスクとして配置することができる。同様に、連結リブ7.6はキャリヤリブ7.3と心合わせされていなくても、連結リブ7.6の数がキャリヤリブ7.3の数と異なってもよい。
【0021】
図1Aを再度参照すると、本体2は、キャリヤ7のカラー7.2に径方向内向きに当接するように適用された1つまたはそれ以上の長手方向本体リブ2.2を含む。本体リブ2.2がカラー7.2に当接すると、(
図3に示されている通り)カラー7.2の横断面がもはや円形ではないように、カラー7.2は本体リブ2.2により変形される可能性がある。ある例示的実施形態では、本体リブ2.2の数はキャリヤリブ7.3および/または連結リブ7.6の数に等しく、ここで、キャリヤリブ7.3および/または連結リブ7.6が本体リブ2.2から角度オフセットされているように、キャリヤ7は本体2の内部に配置されている。ある例示的実施形態では、キャリヤリブ7.3および/または連結リブ7.6は、隣接した本体リブ2.2から等間隔とすることができる(
図3参照)。例えば、キャリヤ7は、キャリヤ7が本体2に対して画成された角度位置にあるような形で、本体2にスプライン連結させてもよい。本体リブ2.2それぞれは段差2.3を含み、ここで、本体リブ2.2により画成されている内径は、近位でよりも段差2.3から遠位でより大きい。キャリヤ7は、変形されることなくまたは小程度の変形のみで、この段差2.3に近位で当接するまで動かされることが可能である。段差2.3を越えて近位に動くために、キャリヤ7のカラー7.2はより変形されなければならない。カラー7.2を変形させるために必要な力は、カラー7.2の弾性により、かつカラー7.2および本体リブ2.2の幾何学的形状により、定まる。
【0022】
図1Aを再度参照すると、シリンジ筒8.2は、薬物を受容するためのキャビティ8.3を画成している中空シリンダとして配置されている。中空注射針9が、キャビティ8.3と流体連通するように、シリンジ筒8.2の遠位端に配置されている。ストッパ10が、キャビティ8.3を近位で制限するために、シリンジ筒8.2の内部に配設されている。ストッパ10は、キャビティから針9を通して薬物を噴出するために、シリンジ筒8.2の内部で変位することができる。
【0023】
ピストンロッド11が、シリンジ筒8.2の内部でストッパ10を変位させるためにそれに係合するように、本体2の内部に配置されている。ある例示的実施形態では、ピストンロッド11は本体2に取り付けられており、ピストンロッド11と本体2との間の相対運動を防止する。該例示された実施形態では、ピストンロッド11は本体2と一体的に成形されている。別の例示的実施形態では、ピストンロッド11は、例えばラッチにより、本体2に固定してもよい。
【0024】
スリーブ6のカラー6.1が本体2の軸方向止め具2.1に当接するように、スリーブばね12がキャリヤ7に対して遠位方向Dにスリーブ6を付勢するように、キャリヤ7とスリーブ6の長手方向リブ6.2との間に配置されているのに対して、キャリヤ7のカラー7.2は本体2の段差2.3に当接する。したがって、キャリヤ7は本体2に対して最初の位置IPにある。
【0025】
注射を実行するために、薬剤送達デバイス1は以下の例示的方法に従って動作し得る。
【0026】
適切な場合、保護ニードルシースが針9から除去される。
【0027】
針9はスリーブ6の内部に配置されており、使用者がそれに触れないように、見ないようにする。この段階では、薬剤送達デバイス1は本体2に保持されている可能性があり、スリーブ6は注射部位、例えば患者の皮膚、に押し付けられている可能性がある。その結果として、スリーブ6は、スリーブばね12の力に対抗して、本体2に対して近位方向Pに動く。
図2は、スリーブ6が、最初の位置にある本体2およびキャリヤ7の内部で近位方向Pに動いた状態の、薬剤送達デバイス1の概略図である。
図3は対応する横断面図である。近位方向Pのスリーブ6の動きに因り、スリーブばね12はスリーブ6とキャリヤ7との間で圧縮される。キャリヤ7は、それが本体2の段差2.3により停止されるので、定位置に留まっている。段差2.3を係合解除するための変形に対抗するキャリヤ7の材料の抵抗は、キャリヤ7を定位置に保持するスリーブばね12の力に対する反対力をもたらす。
【0028】
その結果として、シリンジ8および針9は本体2に対して定位置に留まっており、一方、スリーブ6は近位方向Pに動き、したがって、針9は露出され、注射部位内に挿入される。スリーブばね12が完全に圧縮されると、またはスリーブ6がキャリヤ7に当接した場合、キャリヤ7、シリンジ8および針9に対するスリーブ6の動きは停止する。針9はその挿入深さに到達している。したがって、近位方向Pの、本体2に対するスリーブ6の任意のさらなる動きがキャリヤ7上での力を増大させ、カラー7.2が段差2.3を乗り越え、シリンジ8が本体2に対して最初の位置IPから出た状態で動き始めるような形で、キャリヤ7を変形させる。
【0029】
キャリヤ7の変形は以下のように達成される:
内側カラー7.5は、スリーブ6により、かつスリーブ6と内側カラー7.5との間で作用する、少なくとも殆ど完全に圧縮されているスリーブばね12により、近位方向Pに動く。同時に、カラー7.2は段差2.3に依然として当接しており、動かない。カラー7.2の遠位縁部上の第1のセクション7.7に取り付けられている連結リブ7.6は、第1のセクション7.7の遠位縁部を内側に引っ張り、それにより、それらの近位縁部が径方向外向きに反るように、第1のセクション7.7を傾斜させる。カラー7.2の全体的な円周が実質的に一定のままであるので、この傾斜は、第1のセクション7.7間のカラー7.2の第2のセクション7.8に反対方向の傾斜を引き起こし、その結果として、段差2.3を係合解除し、カラー7.2がリブ2.2に沿って動くことを可能にする。
【0030】
図4は、キャリヤ7が最初の位置IPを越えて近位に動いた状態の、薬剤送達デバイス1の斜視詳細図である。
図5は、対応する横断面図である。
【0031】
ピストンロッド11が本体2に連結されているので、本体2に対するキャリヤ7の動きは、ピストンロッド11をストッパ10に当接させ、シリンジ筒8.2の内部でそれを変位させ、キャビティ8.3から注射針9を通して注射部位内に薬物を噴出する。
【0032】
キャリヤ7が本体2の内部で動くと、本体リブ2.2によるカラー7.2の制御された歪みが、キャビティ8.3からの薬物の送達に対抗するさらなる力を与える。したがって、この力は、キャリヤ7の弾性により、本体リブ2.2およびキャリヤ7の幾何学的形状により、調節することができる。
【0033】
該例示された実施形態では、弾性キャリヤ7が、用手針挿入および用手薬物送達を備えた薬剤送達デバイス1に使用されている。同様に、弾性キャリヤ7は、注射力を調節するために、自動針挿入および/または自動薬物送達を備えた自動薬剤送達デバイスに適用することができる。この場合、弾性キャリヤ7は、注射力に対抗するためにピストンロッド11と相互作用するように配置することができ、ここで、ピストンロッド11は、本体2に取り付けられていなければならないとは限らない。
【0034】
図6は、2つの構成要素間の相対運動に対抗し制御する可撓性材料の使用の例示的実施形態の概略図である。構成要素の一方、例えば本体2またはキャリヤ7、にあるピン13を、構成要素の他方にある2つの弾性リブ14間に配置することができる。弛緩状態にあるリブ14間の距離は、ピン13の直径より小さい。ピン13がリブ14に対して動いた場合、それはリブ14の弾性を克服し、それらを広げ離さなければならない。
【0035】
図7は、2つの構成要素間の相対運動に対抗する可撓性材料の適用の例示的実施形態の概略図である。リブ14がピン13により交互に配列されるように、構成要素の一方、例えば本体2またはキャリヤ7、にある弾性リブ14を、構成要素の他方にある連続ピン13間に配置することができる。ピン13がリブに対して動いた場合、それらはリブ14の弾性を克服し、その変形を変更しなければならない。
【0036】
ある例示的実施形態では、薬剤送達デバイス1の遠位端上に、キャップが配置可能とすることができる。ある例示的実施形態では、キャップに覗き窓が配置されており、薬剤送達デバイス1の内部に配置可能なシリンジを覗くことを可能にしてもよい。
【0037】
スリーブ6は、最初の状態においてキャップの覗き窓と軸方向に心合わせし、したがってシリンジ内容物の検査を可能にするように適用された1つまたはそれ以上の横スリーブ窓を含んでもよい。
【0038】
本明細書で使用する用語「薬物」または「薬剤」は、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで、一実施形態において、薬学的に活性な化合物は、最大1500Daまでの分子量を有し、および/または、ペプチド、タンパク質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、酵素、抗体もしくはそのフラグメント、ホルモンもしくはオリゴヌクレオチド、または上述の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、または糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、がん、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症および/または関節リウマチの処置および/または予防に有用であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病または糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の処置および/または予防のための少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体もしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)もしくはその類似体もしくは誘導体、またはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4もしくはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4の類似体もしくは誘導体を含む。
【0039】
インスリン類似体は、例えば、Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3),Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28),Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;B28位におけるプロリンがAsp、Lys、Leu、Val、またはAlaで置き換えられており、B29位において、LysがProで置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、およびDes(B30)ヒトインスリンである。
【0040】
インスリン誘導体は、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、およびB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0041】
エキセンジン−4は、例えば、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドであるエキセンジン−4(1−39)を意味する。
【0042】
エキセンジン−4誘導体は、例えば、以下のリストの化合物:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);または
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
(ここで、基−Lys6−NH2が、エキセンジン−4誘導体のC−末端に結合していてもよい);
【0043】
または、以下の配列のエキセンジン−4誘導体:
desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2(AVE0010)、
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desAsp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desMet(O)14,Asp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
または前述のいずれか1つのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物
から選択される。
【0044】
ホルモンは、例えば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどの、Rote Liste、2008年版、50章に列挙されている脳下垂体ホルモンまたは視床下部ホルモンまたは調節性活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニストである。
【0045】
多糖類としては、例えば、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、もしくは超低分子量ヘパリン、またはそれらの誘導体、または上述の多糖類の硫酸化形態、例えば、ポリ硫酸化形態、および/または、薬学的に許容されるそれらの塩がある。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としては、エノキサパリンナトリウムがある。
【0046】
抗体は、基本構造を共有する免疫グロブリンとしても知られている球状血漿タンパク質(約150kDa)である。これらは、アミノ酸残基に付加された糖鎖を有するので、糖タンパク質である。各抗体の基本的な機能単位は免疫グロブリン(Ig)単量体(1つのIg単位のみを含む)であり、分泌型抗体はまた、IgAなどの2つのIg単位を有する二量体、硬骨魚のIgMのような4つのIg単位を有する四量体、または哺乳動物のIgMのように5つのIg単位を有する五量体でもあり得る。
【0047】
Ig単量体は、4つのポリペプチド鎖、すなわち、システイン残基間のジスルフィド結合によって結合された2つの同一の重鎖および2本の同一の軽鎖から構成される「Y」字型の分子である。それぞれの重鎖は約440アミノ酸長であり、それぞれの軽鎖は約220アミノ酸長である。重鎖および軽鎖はそれぞれ、これらの折り畳み構造を安定化させる鎖内ジスルフィド結合を含む。それぞれの鎖は、Igドメインと呼ばれる構造ドメインから構成される。これらのドメインは約70〜110個のアミノ酸を含み、そのサイズおよび機能に基づいて異なるカテゴリー(例えば、可変すなわちV、および定常すなわちC)に分類される。これらは、2つのβシートが、保存されたシステインと他の荷電アミノ酸との間の相互作用によって一緒に保持される「サンドイッチ」形状を作り出す特徴的な免疫グロブリン折り畳み構造を有する。
【0048】
α、δ、ε、γおよびμで表される5種類の哺乳類Ig重鎖が存在する。存在する重鎖の種類により抗体のアイソタイプが定義され、これらの鎖はそれぞれ、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM抗体中に見出される。
【0049】
異なる重鎖はサイズおよび組成が異なり、αおよびγは約450個のアミノ酸を含み、δは約500個のアミノ酸を含み、μおよびεは約550個のアミノ酸を有する。各重鎖は、2つの領域、すなわち定常領域(C
H)と可変領域(V
H)を有する。1つの種において、定常領域は、同じアイソタイプの全ての抗体で本質的に同一であるが、異なるアイソタイプの抗体では異なる。重鎖γ、α、およびδは、3つのタンデム型のIgドメインと、可撓性を加えるためのヒンジ領域とから構成される定常領域を有し、重鎖μおよびεは、4つの免疫グロブリン・ドメインから構成される定常領域を有する。重鎖の可変領域は、異なるB細胞によって産生された抗体では異なるが、単一B細胞またはB細胞クローンによって産生された抗体全てについては同じである。各重鎖の可変領域は、約110アミノ酸長であり、単一のIgドメインから構成される。
【0050】
哺乳類では、λおよびκで表される2種類の免疫グロブリン軽鎖がある。軽鎖は2つの連続するドメイン、すなわち1つの定常ドメイン(CL)および1つの可変ドメイン(VL)を有する。軽鎖のおおよその長さは、211〜217個のアミノ酸である。各抗体は、常に同一である2本の軽鎖を有し、哺乳類の各抗体につき、軽鎖κまたはλの1つのタイプのみが存在する。
【0051】
全ての抗体の一般的な構造は非常に類似しているが、所与の抗体の固有の特性は、上記で詳述したように、可変(V)領域によって決定される。より具体的には、各軽鎖(VL)について3つおよび重鎖(HV)に3つの可変ループが、抗原との結合、すなわちその抗原特異性に関与する。これらのループは、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる。VHドメインおよびVLドメインの両方からのCDRが抗原結合部位に寄与するので、最終的な抗原特異性を決定するのは重鎖と軽鎖の組合せであり、どちらか単独ではない。
【0052】
「抗体フラグメント」は、上記で定義した少なくとも1つの抗原結合フラグメントを含み、そのフラグメントが由来する完全抗体と本質的に同じ機能および特異性を示す。パパインによる限定的なタンパク質消化は、Igプロトタイプを3つのフラグメントに切断する。1つの完全なL鎖および約半分のH鎖をそれぞれが含む2つの同一のアミノ末端フラグメントが、抗原結合フラグメント(Fab)である。サイズが同等であるが、鎖間ジスルフィド結合を有する両方の重鎖の半分の位置でカルボキシル末端を含む第3のフラグメントは、結晶可能なフラグメント(Fc)である。Fcは、炭水化物、相補結合部位、およびFcR結合部位を含む。限定的なペプシン消化により、Fab片とH−H鎖間ジスルフィド結合を含むヒンジ領域の両方を含む単一のF(ab’)2フラグメントが得られる。F(ab’)2は、抗原結合に対して二価である。F(ab’)2のジスルフィド結合は、Fab’を得るために切断することができる。さらに、重鎖および軽鎖の可変領域は、縮合して単鎖可変フラグメント(scFv)を形成することもできる。
【0053】
薬学的に許容される塩は、例えば、酸付加塩および塩基性塩である。酸付加塩としては、例えば、HClまたはHBr塩がある。塩基性塩は、例えば、アルカリまたはアルカリ土類、例えば、Na+、またはK+、またはCa2+から選択されるカチオン、または、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)(式中、R1〜R4は互いに独立に:水素、場合により置換されたC1〜C6アルキル基、場合により置換されたC2〜C6アルケニル基、場合により置換されたC6〜C10アリール基、または場合により置換されたC6〜C10ヘテロアリール基を意味する)を有する塩である。薬学的に許容される塩のさらなる例は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」17版、Alfonso R.Gennaro(編)、Mark Publishing Company、Easton、Pa.、U.S.A.、1985およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0054】
薬学的に許容される溶媒和物は、例えば、水和物である。
【0055】
装置、方法ならびに/またはシステムの様々な構成要素ならびに本明細書に記載されている実施形態の修正(付加および/もしくは除去)を、そのような修正ならびにそれらの任意の全ての均等物を包含する、本発明の完全な範囲ならびに精神から逸脱することなく加えることができることを、当業者は理解するであろう。