(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
腎臓症状、肝臓症状、炎症症状、神経系の症状、線維性疾患、ならびに急性及び慢性の臓器移植拒絶の治療又は予防のための、請求項1〜20のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容し得る塩。
腎臓症状、肝臓症状、炎症症状、神経系の症状、線維性疾患、ならびに急性及び慢性の臓器移植拒絶の治療又は予防用の医薬の製造のための、請求項1〜20のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容し得る塩の使用。
【技術分野】
【0001】
本発明は、哺乳類での治療又は予防に有用な有機化合物、及び特に、リゾホスファチジン酸(LPA)生成の阻害剤であるため、LPAレベル及び関連するシグナル伝達のモデュレーターであり、腎臓症状、肝臓症状、炎症症状、神経系の症状、呼吸器系の症状、血管及び心血管症状、線維性疾患、ガン、眼症状、代謝症状、胆汁うっ滞性及び他の形式の慢性掻痒症、ならびに急性及び慢性の臓器移植拒絶の治療又は予防のためのオートタキシン(ATX)阻害剤に関する。
【0002】
本発明は、式(I)
【化1】
[式中、
R
1は、置換されているフェニル又は置換されているピリジニルであり、ここで、置換されているフェニル及び置換されているピリジニルは、R
3、R
4、及びR
5で置換されており、
Aは、−N−又は−CH−であり、
Wは、−C(O)−、−C(O)O−、−S(O)
2−、−C(O)−NR
10−、又は−CR
6R
7−であり、
R
2は、環系B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、P、Q、R、S、T、U、V、X、Z、AA、AB、AC、AD、AE、AF、AG、AH、AI、AJ、AK、AL、AM、AN、AO、AP、AQ、AR、AS、AT、AU、及びAV:
【化2】
から選択され、
R
3は、置換されているヘテロシクロアルコキシ、置換されているヘテロシクロアルキルアルコキシ、置換されているヘテロシクロアルキルアミノ、又は置換されているヘテロシクロアルキルアルキルアミノであり、ここで、置換されているヘテロシクロアルコキシ、置換されているヘテロシクロアルキルアルコキシ、置換されているヘテロシクロアルキルアミノ、及び置換されているヘテロシクロアルキルアルキルアミノは、R
11、R
12、及びR
13で置換されており、
R
4及びR
5は、H、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロゲン、及びシアノから独立して選択され、
m、n、p、及びqは、1又は2から独立して選択され、
R
6及びR
7は、H又はアルキルから独立して選択され、
R
8は、H、アルキル、ハロアルキル、又はシクロアルキルであり、
R
9は、H、アルキル、ハロゲン、ハロアルキル、及びアルコキシであり、
R
10は、H又はアルキルであり、
R
11、R
12、及びR
13は、H、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、及びシアノから独立して選択される]
で表示される新規な化合物又は薬学的に許容し得る塩を提供する。
【0003】
オートタキシン(ATX)は、エクトヌクレオチドピロホスファターゼ/ホスホジエステラーゼ2又はリゾホスホリパーゼDとも呼ばれる分泌酵素である。同酵素は、リゾホスファチジルコリン(LPC)を生体活性のシグナル伝達分子であるリゾホスファチジン酸(LPA)に変換するのに重要である。血漿LPAレベルは、ATX活性とよく相関することが示されている。このため、ATXは、細胞外LPAの重要な供給源であると考えられる。プロトタイプのATX阻害剤による初期の研究から、このような化合物は、マウス血漿中でのLPA合成活性を阻害可能であることが示されている。1970年代及び1980年代初頭に行われた研究では、LPAは、平滑筋細胞収縮、血小板活性化、細胞増殖、化学遊走等を含む広い範囲の細胞応答を誘引することができると証明されている。LPAは、幾つかのGタンパク質共役レセプター(GPCR)へのシグナル伝達を介して、その作用を媒介する。最初のメンバーは元々、Edg(内皮細胞分化遺伝子)レセプター又は脳室帯遺伝子−1(vzg−1)を示していたが、現在では、LPAレセプターと呼ばれている。現在、プロトタイプ群は、LPA1/Edg−2/VZG−1、LPA2/Edg−4、及びLPA3/Edg−7からなる。近年、3つの更なるLPAレセプターであるLPA4/p2y9/GPR23、LPA5/GPR92、及びLPA6/p2Y5について、プロトタイプのLPA1−3レセプターより、ヌクレオチド−選択的プリンレセプターに密接に関連することが説明されている。ATX−LPAシグナル伝達系は、例えば、神経系機能、血管発生、心血管生理学、再生、免疫系機能、慢性炎症、腫瘍転移及び進行、臓器線維化、ならびに肥満及び/又は他の代謝疾患、例えば、糖尿病を含む大きな範囲の生理学的及び病態生理学的機能に関係している。したがって、ATXの向上した活性及び/又は向上したレベルのLPA、変化したLPAレセプター発現及びLPAに対する変化した応答は、ATX/LPA系に関する、数多くの異なる病態生理学的症状の開始、進行、及び/又はアウトカムに寄与することができる。
【0004】
本発明に従って、式(I)で表示される化合物又はそれらの薬学的に許容し得る塩及びエステルは、オートタキシンの活性及び/又はリゾホスファチジン酸(LPA)の生体活性に関連する疾患、障害、又は症状の治療又は予防に使用することができる。
【0005】
本明細書における式(I)で表示される化合物又はそれらの薬学的に許容し得る塩及びエステルは、オートタキシン活性を阻害するため、LPA生成を阻害し、LPAレベル及び関連するシグナル伝達をモデュレーションする。本明細書に記載されたオートタキシン阻害剤は、ATX活性及び/又はLPAシグナル伝達が関与し、疾患の病因又は病理に関係し、あるいは、疾患の少なくとも1つの兆候に別の方法で関連している、疾患又は症状の治療又は予防のための作用剤として有効である。ATX−LPA系は、例えば、血管新生、慢性炎症、自己免疫疾患、繊維性疾患、ガン及び腫瘍の転移及び進行、眼症状、代謝症状、例えば、肥満及び/又は糖尿病、胆汁うっ滞性及び他の形式の慢性掻痒症等の症状、ならびに急性及び慢性の臓器移植拒絶に関係するとされている。
【0006】
本発明の目的は、式(I)で表示される化合物ならびにそれらの前述の塩及びエステル、ならびに、治療活性物質としてのそれらの使用、該化合物の製造方法、中間体、医薬組成物、該化合物、それらの薬学的に許容し得る塩又はエステルを含有する医薬、ATX活性及び/又はリゾホスファチジン酸(LPA)の生体活性に関連する障害又は症状の治療又は予防、特に、腎臓症状、肝臓症状、炎症症状、神経系の症状、呼吸器系の症状、血管及び心血管症状、線維疾患、ガン、眼症状、代謝症状、胆汁うっ滞性及び他の形式の慢性掻痒症、ならびに急性及び慢性の臓器移植拒絶の治療又は予防での該化合物、塩、又はエステルの使用、ならびに、腎臓症状、肝臓症状、炎症症状、神経系の症状、呼吸器系の症状、血管及び心血管症状、線維疾患、ガン、眼症状、代謝症状、胆汁うっ滞性及び他の形式の慢性掻痒症、ならびに急性及び慢性の臓器移植拒絶の治療又は予防用の医薬の製造のための該化合物、塩、又はエステルの使用である。
【0007】
「アルコキシ」という用語は、式−O−R’(式中、R’は、アルキル基である)の基を意味する。アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、及びtert−ブトキシを含む。
【0008】
「アルキル」という用語は、1から12個の炭素原子の、一価の直鎖状又は分岐鎖状の飽和炭化水素基を意味する。特定の実施態様では、アルキルは、1から7個の炭素原子を有し、より特定の実施態様では、1から4個の炭素原子を有する。アルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、及びペンチルを含む。特定のアルキル基は、メチル、エチル、プロピル、及びイソプロピルを含む。
【0009】
「アルキルアミノ」という用語は、式―NH−R’(式中、R’は、アルキル基である)の基を意味する。アルキルアミノ基の例は、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n−ブチルアミノ、イソブチルアミノ、及びtert−ブチルアミノを含む。
【0010】
「アミノ」という用語は、−NH
2基を意味する。
【0011】
「シアノ」という用語は、−C≡N基を意味する。
【0012】
「シクロアルコキシ」という用語は、式−O−R’(式中、R’は、シクロアルキル基である)の基を意味する。シクロアルコキシ基の例は、シクロプロポキシ、シクロブトキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ、及びシクロオクチルオキシを含む。特定のシクロアルコキシ基は、シクロプロポキシである。
【0013】
「シクロアルキル」という用語は、3から10個の環炭素原子の、一価の飽和の単環式又は二環式の炭化水素基を意味する。特定の実施態様では、シクロアルキルは、3から8個の環炭素原子の、一価の飽和の単環式炭化水素基を意味する。二環式は、共通する2個の炭素原子を有する、2個の飽和炭素環からなる環系を意味する。単環式シクロアルキルについての例は、シクロプロピル、シクロブタニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はシクロヘプチルである。二環式シクロアルキルについての例は、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル又はビシクロ[2.2.2]オクタニルである。特定の単環式シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブタニル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルである。より特定の単環式シクロアルキル基は、シクロプロピルである。
【0014】
「シクロアルキルアルキル」という用語は、アルキル基の少なくとも1つの水素原子がシクロアルキル基により置き換えられているアルキル基を意味する。シクロアルキルアルキルの例は、シクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロプロピルブチル、シクロブチルプロピル、2−シクロプロピルブチル、シクロペンチルブチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、ビシクロ[4.1.0]ヘプタニルメチル、ビシクロ[4.1.0]ヘプタニルエチル、ビシクロ[2.2.2]オクタニルメチル、ビシクロ[2.2.2]オクタニルエチル、アダマンタニルメチル、及びアダマンタニルエチルを含む。シクロアルキルアルキルの特定例は、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、ビシクロ[4.1.0]ヘプタニルメチル、ビシクロ[4.1.0]ヘプタニルエチル、ビシクロ[2.2.2]オクタニルメチル、ビシクロ[2.2.2]オクタニルエチル、アダマンタニルメチル、及びアダマンタニルエチルである。シクロアルキルアルキルの更なる特定例は、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、ビシクロ[4.1.0]ヘプタニルメチル、ビシクロ[2.2.2]オクタニルメチル、アダマンタニルメチル、及びアダマンタニルエチルである。
【0015】
「ジアルキルアミノ」という用語は、式−N−R’R’’(式中、R’及びR’’は、独立して、アルキル基から選択される)の基を意味する。特定のジアルキルアミノ基は、ジメチルアミノである。
【0016】
「ハロアルキル」という用語は、アルキル基の少なくとも1つの水素原子が同じか又は異なるハロゲン原子により置き換えられているアルキル基を意味する。「ペルハロアルキル」という用語は、アルキル基の全ての水素原子が同じか又は異なるハロゲン原子により置き換えられているアルキル基を意味する。ハロアルキルの例は、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、トリフルオロメチルエチル、及びペンタフルオロエチルを含む。特定のハロアルキル基は、トリフルオロメチルである。
【0017】
「ハロゲン」及び「ハロ」という用語は、本明細書において互換的に使用され、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードを意味する。特定のハロゲンは、フルオロである。
【0018】
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、1、2、又は3個のN、O、及びSから選択される環ヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素である、4から9個の環原子の、一価の飽和又は部分不飽和の単環又は二環系を意味する。二環式は、共通の2つの環原子を有する2つの環からなることを意味する。すなわち、2つの環を分離するブリッジは、単結合又は1もしくは2つの環原子の鎖のいずれかである。単環式の飽和ヘテロシクロアルキルについての例は、4,5−ジヒドロ−オキサゾリル、オキセタニル、アゼチジニル、ピロリジニル、2−オキソ−ピロリジン−3−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロ−チエニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1,1−ジオキソ−チオモルホリン−4−イル、アゼパニル、ジアゼパニル、ホモピペラジニル、又はオキサゼパニルである。二環式の飽和ヘテロシクロアルキルについての例は、8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクチル、キヌクレジニル、8−オキサ−3−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクチル、9−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノニル、3−オキサ−9−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノニル、又は3−チア−9−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノニルである。部分不飽和ヘテロシクロアルキルについての例は、ジヒドロフリル、イミダゾリニル、ジヒドロ−オキサゾリル、テトラヒドロ−ピリジニル、又はジヒドロピラニルである。ヘテロシクロアルキル基の特定例は、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、及びオキセタニルである。
【0019】
「ヘテロシクロアルコキシ」という用語は、式−O−R’(式中、R’は、ヘテロシクロアルキル基である)の基を意味する。ヘテロシクロアルコキシ基の例は、テトラヒドロピラニルオキシ、テトラヒドロフラニルオキシ、及びオキセタニルオキシを含む。特定のヘテロシクロアルコキシ基は、テトラヒドロピラニルオキシである。
【0020】
「ヘテロシクロアルキルアルコキシ」という用語は、アルコキシ基の少なくとも1つの水素原子がヘテロシクロアルキル基により置き換えられているアルコキシ基を意味する。ヘテロシクロアルキルアルコキシの例は、テトラヒドロピラニルメトキシ、テトラヒドロフラニルメトキシ、オキセタニルメトキシ、テトラヒドロピラニルエトキシ、テトラヒドロフラニルエトキシ、及びオキセタニルエトキシを含む。特定のヘテロシクロアルキルアルコキシは、テトラヒドロピラニルメトキシである。
【0021】
「ヘテロシクロアルキルアルキルアミノ」という用語は、アルキルアミノ基の少なくとも1つの水素原子がヘテロシクロアルキル基により置き換えられているアルキルアミノ基を意味する。ヘテロシクロアルキルアルキルアミノの例は、テトラヒドロピラニルメチルアミノ、テトラヒドロフラニルメチルアミノ、オキセタニルメチルアミノ、テトラヒドロピラニルエチルアミノ、テトラヒドロフラニルエチルアミノ、及びオキセタニルエチルアミノを含む。
【0022】
「ヘテロシクロアルキルアミノ」という用語は、式−NH−R’(式中、R’は、ヘテロシクロアルキル基である)の基を意味する。ヘテロシクロアルキルアミノ基の例は、テトラヒドロピラニルアミノ、テトラヒドロフラニルアミノ、及びオキセタニルアミノを含む。特定のヘテロシクロアルキルアミノ基は、テトラヒドロピラニルアミノである。
【0023】
「薬学的に許容し得る塩」という用語は、生物学的又は他の方法で望ましくなくはない、遊離塩基又は遊離酸の生物学的有効性及び特性を保持している、それらの塩を意味する。該塩は、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等、特に、塩酸及び有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、N−アセチルシステイン等と形成される。加えて、これらの塩は、無機塩基又は有機塩基を遊離酸に付加することにより調製することができる。無機塩基から誘導される塩は、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム塩等を含むがこれらに限定されない。有機塩基から誘導される塩は、一級、二級、及び三級アミン、天然の置換されているアミンを含む置換されているアミン、環状アミン、及び塩基性イオン交換樹脂、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、リシン、アルギニン、N−エチルピペリジン、ピペリジン、ポリイミン樹脂等の塩を含むがこれらに限定されない。式(I)で表示される化合物の特定の薬学的に許容し得る塩は、塩酸塩、メタンスルホン酸塩、及びクエン酸塩である。
【0024】
「薬学的に許容し得るエステル」は、一般式(I)で表示される化合物がインビボで親化合物に変換して戻ることができる誘導体を提供するように、官能基で誘導体化されていてもよいことを意味する。このような化合物の例は、生理学的に許容することができ、代謝的に不安定なエステル誘導体、例えば、メトキシメチルエステル、メトキシチオメチルエステル、及びピバロイルオキシメチルエステルを含む。更に、インビボにおいて一般式(I)で表示される親化合物を生成することができる代謝的に不安定なエステルと同様に、一般式(I)で表示される化合物の任意の生理学的に許容し得る均等物は、本発明の範囲内にある。
【0025】
「保護基」(PG)という用語は、合成化学においてそれに従来から関連する意味において、化学反応を別の非保護反応性部位において選択的に行うことができるように、多官能化合物中の反応性部位を選択的にブロックする基を意味する。保護基は、適切な時点で除去することができる。例示的な保護基は、アミノ保護基、カルボキシ保護基、又はヒドロキシ保護基である。特定の保護基は、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、及びベンジル(Bn)基である。更なる特定の保護基は、tert-ブトキシカルボニル(Boc)及びフルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基である。より特定の保護基は、tert-ブトキシカルボニル(Boc)基である。
【0026】
略語uMは、マイクロモル濃度を意味し、記号μMに相当する。
【0027】
略語uLは、マイクロリットルを意味し、記号μLに相当する。
【0028】
略語ugは、マイクログラムを意味し、記号μgに相当する。
【0029】
式(I)で表示される化合物は、幾つかの不斉中心を含有することができ、光学的に純粋なエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、例えば、ラセミ体等、光学的に純粋なジアステレオ異性体、ジアステレオ異性体の混合物、ジアステレオ異性体のラセミ体又はジアステレオ異性体のラセミ体の混合物の形態で存在することができる。
【0030】
カーン−インゴルド−プレローグ順位則に従って、不斉炭素原子は、「R」又は「S」立体配置のものであることができる。
【0031】
また、本発明の実施態様は、本明細書に記載された式(I)で表示される化合物及びその薬学的に許容し得る塩又はエステル、特に、本明細書に記載された式(I)で表示される化合物及びその薬学的に許容し得る塩、とりわけ、本明細書に記載された式(I)で表示される化合物である。
【0032】
本発明の実施態様は、本明細書に記載された式(I)(式中、
R
1は、置換されているフェニル又は置換されているピリジニルであり、ここで、置換されているフェニル及び置換されているピリジニルは、R
3、R
4、及びR
5で置換されており、
Aは、−N−又は−CH−であり、
Wは、−C(O)−、−S(O)
2−、−C(O)−NR
10−、又は−CR
6R
7−であり、
R
2は、環系B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、P、Q、R、S、T、U、V、X、Z、AA、AB、AC、AD、AE、AF、AG、AH、AI、AJ、AK(R
9は、Hである)、AL、及びAMから選択され、
R
3は、置換されているヘテロシクロアルコキシ、置換されているヘテロシクロアルキルアルコキシ、置換されているヘテロシクロアルキルアミノ、又は置換されているヘテロシクロアルキルアルキルアミノであり、ここで、置換されているヘテロシクロアルコキシ、置換されているヘテロシクロアルキルアルコキシ、置換されているヘテロシクロアルキルアミノ、及び置換されているヘテロシクロアルキルアルキルアミノは、R
11、R
12、及びR
13で置換されており、
R
4及びR
5は、H、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロゲン、及びシアノから独立して選択され、
m、n、p、及びqは、1又は2から独立して選択され、
R
8は、H、アルキル、ハロアルキル、又はシクロアルキルであり、
R
9は、H、アルキル、ハロゲン、ハロアルキル、及びアルコキシであり、
R
10は、H又はアルキルであり、
R
11、R
12、及びR
13は、H、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、及びシアノから独立して選択される]
で表示される化合物又は薬学的に許容し得る塩である。
【0033】
本発明の別の実施態様は、本明細書に記載された式(I)(式中、R
1は、R
3、R
4、及びR
5で置換されているピリジニルである)で表示される化合物である。
【0034】
また、本発明の実施態様は、本明細書に記載された式(I)(式中、R
3は、置換されているヘテロシクロアルコキシ、置換されているヘテロシクロアルキルアルコキシ、又は置換されているヘテロシクロアルキルアミノであり、ここで、置換されているヘテロシクロアルコキシ、置換されているヘテロシクロアルキルアルコキシ、及び置換されているヘテロシクロアルキルアミノは、R
11、R
12、及びR
13で置換されている)で表示される化合物である。
【0035】
本発明の特定の実施態様は、本明細書に記載された式(I)(式中、R
3は、テトラヒドロピラニルオキシ、テトラヒドロフラニルオキシ、オキセタニルオキシ、テトラヒドロピラニルメトキシ、又はテトラヒドロピラニルアミノである)で表示される化合物である。
【0036】
本発明の更なる特定の実施態様は、本明細書に記載された式(I)(式中、R
3は、置換されているヘテロシクロアルコキシ又は置換されているヘテロシクロアルキルアルコキシであり、ここで、置換されているヘテロシクロアルコキシ及び置換されているヘテロシクロアルキルアルコキシは、R
11、R
12、及びR
13で置換されている)で表示される化合物である。
【0037】
本発明のより特定の実施態様は、本明細書に記載された式(I)(式中、R
3は、テトラヒドロピラニルオキシ、テトラヒドロフラニルオキシ、オキセタニルオキシ、又はテトラヒドロピラニルメトキシである)で表示される化合物である。
【0038】
本発明の更により特定の実施態様は、本明細書に記載された式(I)(式中、R
3は、R
11、R
12、及びR
13で置換されているヘテロシクロアルキルアルコキシである)で表示される化合物である。
【0039】
本発明の更により特定の実施態様は、本明細書に記載された式(I)(式中、R
3は、テトラヒドロピラニルメトキシである)で表示される化合物である。
【0040】
また、本発明は、本明細書に記載された式(I)(式中、R
4は、ジアルキルアミノ、ハロアルキル、シクロアルキル、又はハロゲンである)で表示される化合物に関する。
【0041】
本発明の更なる特定の実施態様は、本明細書に記載された式(I)(式中、R
4は、ハロアルキル又はシクロアルキルである)で表示される化合物に関する。
【0042】
本発明のより特定の実施態様は、本明細書に記載された式(I)(式中、R
4は、シクロアルキルである)で表示される化合物である。
【0043】
本発明の別の実施態様は、本明細書に記載された式(I)(式中、R
5は、Hである)で表示される化合物である。
【0044】
また、本発明の実施態様は、本明細書に記載された式(I)(式中、R
11、R
12、及びR
13は、Hである)で表示される化合物である。
【0045】
また、本発明の実施態様は、本明細書に記載された式(I)(式中、Aは、−N−である)で表示される化合物である。
【0046】
本発明の別の実施態様は、本明細書に記載された式(I)(式中、Wは、−C(O)−、−C(O)O−、−C(O)−NR
10−、又は−CR
6R
7−である)で表示される化合物である。
【0047】
本発明の特定の実施態様は、本明細書に記載された式(I)(式中、Wは、−C(O)−である)で表示される化合物である。
【0048】
本発明の別の実施態様は、本明細書に記載された式(I)(式中、R
2は、環系B、H、M、O、Z、AI、AJ、AK、AL、AM、AN、AO、AQ、及びATから選択される)で表示される化合物である。
【0049】
本発明の特定の実施態様は、本明細書に記載された式(I)(式中、R
2は、環系B、M、O、AJ、AK、AL、AM、AN、及びAOから選択される)で表示される化合物である。
【0050】
本発明の更なる特定の実施態様は、本明細書に記載された式(I)(式中、R
2は、環系M、AJ、AK、AL、及びAMから選択される)で表示される化合物である。
【0051】
本発明のより特定の実施態様は、本明細書に記載された式(I)(式中、R
2は、環系M、AJ、及びALから選択される)で表示される化合物である。
【0052】
本発明の更なる特定の実施態様は、本明細書に記載された式(I)(式中、R
2は、環系AJである)で表示される化合物である。
【0053】
本発明の特定の実施態様は、本明細書に記載された式(I)(式中、m及びnは、1であり、p及びqは、2である)で表示される化合物である。
【0054】
本発明のより特定の実施態様は、本明細書に記載された式(I)(式中、
R
1は、R
3、R
4、及びR
5で置換されているピリジニルであり、
Aは、−N−であり、
Wは、−C(O)−であり、
R
2は、環系AJであり、
R
3は、R
11、R
12、及びR
13で置換されているヘテロシクロアルキルアルコキシであり、
R
4は、シクロアルキルであり、
R
5は、Hであり、
m及びnは、1であり、
p及びqは、2であり、
R
9は、Hであり、
R
11、R
12、及びR
13は、Hである)
で表示される化合物又は薬学的に許容し得る塩である。本明細書に記載された式(I)で表示される化合物の特定例は、以下:
5−((3aS,6aS)−5−(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)ピリジン−2−スルホンアミド;
6−((3aR,6aR)−5−(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)ピリジン−3−スルホンアミド;
4−((3aS,6aS)−5−(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)ベンゼンスルホンアミド;
4−((3aR,6aS)−5−(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)ベンゼンスルホンアミド;
((3aS,6aS)−5−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)ピリジン−4−イル)メタノン;
((3aS,6aS)−5−(3−シクロプロピル−4−(テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)ベンゾイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)((R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)メタノン;
((3aR,6aR)−5−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)(3−シクロプロピル−4−(テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)フェニル)メタノン;
((3aS,6aS)−5−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ピリジン−3−イル)メタノン;
((3aS,6aS)−5−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)ピリジン−3−イル)メタノン;
((3aS,6aS)−5−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イルオキシ)ピリジン−3−イル)メタノン;
((3aS,6aS)−5−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ピリジン−3−イル)メタノン;
((3aS,6aS)−5−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)(6−(オキセタン−3−イルオキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)メタノン;
((3aS,6aS)−5−(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ニコチノイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)((R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)メタノン;
4−((3aR,6aR)−5−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)−2−フルオロベンゼンスルホンアミド;
2−クロロ−4−((3aR,6aR)−5−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)ベンゼンスルホンアミド;
4−((3aR,6aR)−5−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)−3−フルオロベンゼンスルホンアミド;
((3aR,8aS)−2−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボニル)オクタヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−6(7H)−イル)(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)ピリジン−4−イル)メタノン;
4−((3aS,6aS)−5−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)ベンゼンスルホンアミド;
4−((3aR,8aS)−6−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)デカヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2−カルボニル)ベンゼンスルホンアミド;
((3aS,6aS)−5−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)(5−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)ピリジン−3−イル)メタノン;
((3aS,6aS)−5−(5−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)ニコチノイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)((R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)メタノン;
1−((3aS,6aS)−5−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)−3−(1H−1,2,3−トリアゾール−5−イル)プロパン−1−オン;
((3aR,8aS)−2−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボニル)オクタヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−6(2H)−イル)(3−シクロプロピル−5−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)フェニル)メタノン;
1−((3aR,8aS)−6−(3−シクロプロピル−5−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)ベンゾイル)オクタヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2(1H)−イル)−3−(1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)プロパン−1−オン;
((3aS,6aS)−5−(3−シクロプロピル−5−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)ベンゾイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)((R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)メタノン;
4−((3aS,6aS)−5−(3−シクロプロピル−5−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)ベンゾイル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)ベンゼンスルホンアミド;
4−((3aR,6aR)−5−(3−シクロプロピル−5−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)ベンゾイル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)−3−フルオロベンゼンスルホンアミド;
5−((3aR,8aS)−6−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)デカヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2−カルボニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン;
6−((3aR,8aS)−6−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)デカヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2−カルボニル)−1−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン;
5−(3−((3aR,8aS)−6−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2(1H)−イル)−3−オキソプロピル)オキサゾール−2(3H)−オン;
5−(3−((3aR,8aS)−6−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2(1H)−イル)−3−オキソプロピル)チアゾール−2(3H)−オン;
1−((3aR,8aS)−6−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2(1H)−イル)−3−(3−ヒドロキシイソキサゾール−5−イル)プロパン−1−オン;
((3aS,6aS)−5−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)((R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)メタノン;
((3aS,6aS)−5−(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ニコチノイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)((R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)メタノン;
((3aS,6aS)−5−(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イルオキシ)ニコチノイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)((R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)メタノン;
6−((3aR,6aR)−5−(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イルオキシ)ニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)ピリジン−3−スルホンアミド;
6−((3aR,6aR)−5−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)ピリジン−3−スルホンアミド;
((3aS,6aS)−5−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)メトキシ)ピリジン−4−イル)メタノン;
((3aS,6aS)−5−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)メトキシ)イソニコチノイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)((R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)メタノン;
6−((3aR,6aR)−5−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)メトキシ)イソニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)ピリジン−3−スルホンアミド;
((3aS,6aS)−5−((1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)ピリジン−4−イル)メタノン;
((3aS,6aS)−5−((1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)メトキシ)ピリジン−4−イル)メタノン;
((3aR,8aS)−6−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2(1H)−イル)((R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)メタノン;
((3aR,8aS)−6−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボニル)オクタヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2(1H)−イル)(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)ピリジン−4−イル)メタノン;
((3aS,6aS)−5−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)(2−(ジメチルアミノ)−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)ピリジン−4−イル)メタノン;
6−(((3aS,6aS)−5−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)メチル)ベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン;
((3aS,6aS)−5−(2−(ジメチルアミノ)−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)((R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)メタノン;
((3aR,6aS)−5−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)ピリジン−4−イル)メタノン;
4−((3aR,6aS)−5−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)ベンゼンスルホンアミド;
((3aR,8aS)−6−(3−シクロプロピル−5−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)ベンゾイル)オクタヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2(1H)−イル)((R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)メタノン;
((3aS,6aS)−5−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)(3−シクロプロピル−5−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)フェニル)メタノン;
6−((3aR,6aR)−5−(3−シクロプロピル−5−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)ベンゾイル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)ピリジン−3−スルホンアミド;
6−((3aS,6aS)−5−(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)ベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン;
6−((3aS,6aS)−5−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)ベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン;
6−((3aR,8aS)−6−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)デカヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2−カルボニル)ベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン;
6−(((3aS,6aS)−5−(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ニコチノイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)メチル)ベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン;
((3aS,6aS)−5−((1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ピリジン−3−イル)メタノン;
((3aR,6aR)−5−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)(6,7−ジヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5(4H)−イル)メタノン;
1−((3aR,6aR)−5−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)ピペリジン−4−スルホンアミド;
((3aR,8aS)−6−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2(1H)−イル)(6,7−ジヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5(4H)−イル)メタノン;
((3aR,8aS)−6−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2(1H)−イル)(3−ヒドロキシ−4,5−ジヒドロイソキサゾロ[5,4−c]ピリジン−6(7H)−イル)メタノン;
(3aR,8aS)−N−((1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)−6−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2(1H)−カルボキシアミド;
(3aR,8aS)−6−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)−N−((3−ヒドロキシイソキサゾール−5−イル)メチル)オクタヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2(1H)−カルボキシアミド;
1H−トリアゾール−4−イルメチル (3aS,8aR)−6−[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−カルボニル]−1,3,3a,4,5,7,8,8a−オクタヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2−カルボキシラート;
5−((3aR,6aR)−5−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)ピリジン−2−スルホンアミド;
((3aR,8aS)−6−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2(1H)−イル)(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)メタノン;
((3aS,6aS)−5−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)(2−クロロ−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)ピリジン−4−イル)メタノン;
((3aR,8aS)−6−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2(1H)−イル)((S)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)メタノン;
及びそれらの薬学的に許容し得る塩から選択される。
【0055】
また、本明細書に記載された式(I)で表示される化合物の特定例は、以下:
5−((3aS,6aS)−5−(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)ピリジン−2−スルホンアミド;
6−((3aR,6aR)−5−(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)ピリジン−3−スルホンアミド;
4−((3aS,6aS)−5−(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)ベンゼンスルホンアミド;
4−((3aR,6aS)−5−(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)ベンゼンスルホンアミド;
((3aS,6aS)−5−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)ピリジン−4−イル)メタノン;
((3aS,6aS)−5−(3−シクロプロピル−4−(テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)ベンゾイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)((R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)メタノン;
((3aR,6aR)−5−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)(3−シクロプロピル−4−(テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)フェニル)メタノン;
((3aS,6aS)−5−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ピリジン−3−イル)メタノン;
((3aS,6aS)−5−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)ピリジン−3−イル)メタノン;
((3aS,6aS)−5−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イルオキシ)ピリジン−3−イル)メタノン;
((3aS,6aS)−5−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ピリジン−3−イル)メタノン;
((3aS,6aS)−5−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)(6−(オキセタン−3−イルオキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)メタノン;
((3aS,6aS)−5−(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ニコチノイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)((R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)メタノン
及びそれらの薬学的に許容し得る塩から選択される。
【0056】
本明細書に記載された式(I)で表示される化合物の更なる特定例は、以下:
5−((3aS,6aS)−5−(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)ピリジン−2−スルホンアミド;
((3aS,6aS)−5−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)ピリジン−4−イル)メタノン;
((3aS,6aS)−5−(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ニコチノイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)((R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)メタノン;
2−クロロ−4−((3aR,6aR)−5−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)ベンゼンスルホンアミド;
4−((3aR,6aR)−5−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)−3−フルオロベンゼンスルホンアミド;
((3aR,8aS)−2−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボニル)オクタヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−6(7H)−イル)(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)ピリジン−4−イル)メタノン;
5−((3aR,8aS)−6−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)デカヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2−カルボニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン;
6−((3aR,8aS)−6−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)デカヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2−カルボニル)−1−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン;
6−((3aR,6aR)−5−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)ピリジン−3−スルホンアミド;
((3aR,8aS)−6−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2(1H)−イル)((R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)メタノン;
((3aR,8aS)−6−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボニル)オクタヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2(1H)−イル)(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)ピリジン−4−イル)メタノン;
6−((3aR,8aS)−6−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)デカヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2−カルボニル)ベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン;
((3aR,8aS)−6−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2(1H)−イル)(6,7−ジヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5(4H)−イル)メタノン;
((3aR,8aS)−6−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2(1H)−イル)(3−ヒドロキシ−4,5−ジヒドロイソキサゾロ[5,4−c]ピリジン−6(7H)−イル)メタノン;
及びそれらの薬学的に許容し得る塩から選択される。
【0057】
また、本明細書に記載された式(I)で表示される化合物の更なる特定例は、以下:
5−((3aS,6aS)−5−(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)ピリジン−2−スルホンアミド;
((3aS,6aS)−5−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)ピリジン−4−イル)メタノン;
((3aS,6aS)−5−(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ニコチノイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)((R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)メタノン;
及びそれらの薬学的に許容し得る塩から選択される。
【0058】
本明細書に記載された式(I)で表示される化合物を製造するための方法は、本発明の目的である。
【0059】
本発明の式(I)で表示される化合物の調製は、連続的又は収束的な合成経路において行うことができる。本発明の合成を、下記の一般スキームに示す。反応及び得られた生成物の精製を行うのに必要とされる技術は、当業者に公知である。エナンチオマー又はジアステレオ異性体の混合物が反応中に生成される場合、これらのエナンチオマー又はジアステレオ異性体は、本明細書に記載された方法又は当業者に公知の方法、例えば、(キラル)クロマトグラフィー又は結晶化により分離することができる。下記説明の方法に使用される置換基及び指数は、本明細書において定められた意味を有する。
【0060】
本発明は、式(I)
【化3】
で表示される新規な化合物を提供する。
【0061】
一般式(I)で表示される化合物は、アミン前駆体1
【化4】
及び適切な試薬から、当技術分野において周知の方法を使用して合成することができる。
【0062】
例えば、アミン1を、式R
1−COOH(2)で表示される適切なカルボン酸と反応させて、式(I)で表示される化合物をもたらす。この反応を、カップリング剤、例えば、1,1’−カルボニルジイミダゾール、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド塩酸塩、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスファート、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスファート、又はブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスファートの存在下において、非プロトン性溶媒、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、及びそれらの混合物中で、−40℃〜80℃の温度で、塩基、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−メチルモルホリン、及び/又は4−(ジメチルアミノ)ピリジンの存在又は非存在下において行う。
【0063】
また、アミン1を、式R
1−COCl(3)で表示される塩化アシル等の適切なアシル化剤と反応させて、式(I)で表示される化合物をもたらすことができる。この反応を、溶媒、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、又はN,N−ジメチルホルムアミド中で、塩基、例えば、トリエチルアミン又は4−メチルモルホリンの存在下において、0℃〜80℃の温度で行う。
【0064】
カルボン酸(2)及びハロゲン化アシル(3)は市販されており、又は、本明細書もしくは文献に記載されているように調製することができる。
【0065】
一般式1のアミンを、適切に保護された前駆体4
【化5】
から合成される。
【0066】
適切な保護基(PG)は、tert−ブトキシカルボニル又はベンジルオキシカルボニルである。中間体4の脱保護を、当技術分野において公知の方法及び試薬を使用して行うことができる。
【0067】
例えば、PGがベンジルオキシカルボニルである場合には、脱保護を、適切な触媒、例えば、活性炭上のパラジウムの存在下において、20℃〜150℃の温度で、溶媒、例えば、メタノール又はエタノール中において、1bar〜100barの圧力での水素化により行うことができる。
【0068】
あるいは、PGがtert−ブトキシカルボニルである場合には、脱保護を、適切な酸、例えば、塩酸又はトリフルオロ酢酸の存在下において、溶媒、例えば、水、2−プロパノール、ジクロロメタン、又は1,4−ジオキサン中で、0℃〜30℃の温度において行うことができる。
【0069】
AがNである中間体4は、一般構造式4A
【化6】
により表される。
【0070】
PGは、適切な保護基、例えば、tert−ブトキシカルボニル又はベンジルオキシカルボニルである。
【0071】
中間体4Aは、一般式5
【化7】
で表示されるアミン前駆体から、適切な試薬との反応により、当技術分野において公知の方法を使用して製造することができる。
【0072】
例えば、5を、一般式X−CR
6R
7−R
2(6)(式中、Xは、脱離基、例えば、Cl、Br、I、又はOSO
2CH
3である)で表示されるアルキル化剤と反応させて、4A(式中、Wは、−CR
6R
7−である)をもたらす。この反応を、溶媒、例えば、テトラヒドロフラン又はN,N−ジメチルホルムアミド中で、塩基、例えば、トリエチルアミン又は炭酸カリウムの存在下において、0℃〜100℃の温度で行う。
【0073】
あるいは、式4A(式中、Wは、−CR
6R
7−であり、R
6は、水素、アルキル、又はシクロアルキルであり、R
7は、Hである)で表示される化合物について、アミン5を、還元的アミノ化反応において、一般式R
6−C(O)−R
2(7)で表示されるアルデヒド又はケトンと反応させて、4Aをもたらす。この反応を、適切な還元剤、例えば、ナトリウムボロハイドライド又はナトリウムトリアセトキシボロハイドライドの存在下において、溶媒、例えば、メタノール、酢酸、テトラヒドロフラン、1,2−ジクロロエタン、又はそれらの混合物中で、0℃〜50℃の温度において行う。
【0074】
あるいは、アミン5を、式R
2−COOH(8)で表示される適切なカルボン酸と反応させて、式4A(式中、Wは、−C(O)−である)で表示される化合物をもたらす。この反応を、カップリング剤、例えば、1,1’−カルボニルジイミダゾール、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド塩酸塩、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスファート、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスファート、又はブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスファートの存在下において、非プロトン性溶媒、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、及びそれらの混合物中で、−40℃〜80℃の温度で、塩基、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−メチルモルホリン、及び/又は4−(ジメチルアミノ)ピリジンの存在又は非存在下において行う。
【0075】
あるいは、アミン5を、式R
2−SO
2Cl(9)で表示される適切な塩化スルホニルと反応させて、式4A(式中、Wは、−S(O
2)−である)で表示される化合物をもたらす。この反応を、適切な溶媒、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン、水、又はそれらの混合物中で、塩基、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、炭酸水素カリウム、炭酸カリウムの存在下において、0℃〜溶媒又は溶媒混合物の沸点の温度で行う。
【0076】
あるいは、アミン5を、式R
2−N(R
10)−C(O)−Cl(10A)で表示される適切なN−(クロロカルボニル)アミンと反応させて、式4A(式中、Wは、−C(O)−NR
10である)で表示される化合物をもたらし、又は、式R
2−NCO(11)で表示されるイソシアナートと反応させて、式4A(式中、Wは、−C(O)−NR
10であり、R
10は、Hである)で表示される化合物をもたらす。
【0077】
あるいは、アミン5を、塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミン)の存在下において、溶媒、例えば、ジクロロメタン又はテトラヒドロフラン中で、ホスゲン又はホスゲン同等物(例えば、ジホスゲン、トリホスゲン)と反応させて、式12
【化8】
で表示される対応するN−(クロロカルボニル)アミンを提供し、ついで、このアミンを、塩基、例えば、トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミンの存在下において、溶媒、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、又はN,N−ジメチルホルムアミド中で、式HN(R
10)R
2(13)で表示されるアミンと反応させて、式4A(式中、Wは、−C(O)−NR
10である)で表示される化合物をもたらす。
【0078】
あるいは、アミン5を、塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミン)の存在下において、溶媒、例えば、ジクロロメタン又はテトラヒドロフラン中で、ホスゲン又はホスゲン同等物(ジホスゲン、トリホスゲン)と反応させて、式12で表示される対応するN−(クロロカルボニル)アミンにし、ついで、このアミンを、塩基、例えば、トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミンの存在下において、溶媒、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、又はN,N−ジメチルホルムアミド中で、式H−O、H−P、H−Q、H−R、H−T、H−U、H−V、H−X、H−AA、H−AI、又はH−AOで表示されるアミンと反応させて、式4A(式中、Wは、−C(O)−であり、R
2は、O、P、Q、R、T、U、V、X、AA、AI、又はAOである)で表示される化合物をもたらす。
【0079】
あるいは、アミン5を、式R
2−O−C(O)−Cl(10B)で表示される適切なクロロホルマート又はイミダゾール−1−カルボキシラートエステル(10C)
【化9】
と反応させて、式4A(式中、Wは、−C(O)−O−である)で表示される化合物をもたらす。この反応を、適切な溶媒、例えば、アセトニトリル又はN,N−ジメチルホルムアミド中において、場合により、塩基、例えば、ジイソプロピルエチルアミン又はトリエチルアミンの存在下で、0℃〜100℃の温度で行う。
【0080】
クロロホルマート10Bは市販されており、又は、本明細書又は文献に記載されているように、式R
2−OHで表示される対応するアルコールから、ホスゲン又はホスゲン同等物(例えば、ジホスゲン、トリホスゲン)との反応により調製することができる。
【0081】
ミダゾール−1−カルボキシラートエステル10Cを、本明細書又は文献に記載されているように、式R
2−OHで表示される対応するアルコールから、1,1’−カルボニルジイミダゾールとの反応により調製することができる。
【0082】
N−(クロロカルボニル)アミン12を、文献に記載されているように、対応するアミン13から、ホスゲン又はホスゲン同等物(ジホスゲン、トリホスゲン)との反応により合成する。
【0083】
イソシアナート11は市販されており、又は、文献に記載されているように、式R
2−NH
2で表示される対応するアミンから、ホスゲン又はホスゲン同等物(例えば、ジホスゲン、トリホスゲン、1,1’−カルボニルジイミダゾール)との反応により調製することができる。
【0084】
N−(クロロカルボニル)アミン10Aは市販されており、又は、本明細書もしくは文献に記載されているように、式HN(R
10)R
2(13)で表示される対応するアミンから、ホスゲン又はホスゲン同等物(例えば、ジホスゲン、トリホスゲン、1,1’−カルボニルジイミダゾール)との反応により調製することができる。
【0085】
アミン5、アルキル化剤6、アルデヒド/ケトン7、カルボン酸8、塩化スルホニル9、イソシアナート11、及びアミン13は市販されており、又は、本明細書もしくは文献に記載されているように合成することができる。
【0086】
カルバマート4(式中、Aは、CHであり、Wは、−C(O)−N(R
10)である)は、一般式4B(式中、R
14は、N(R
10)R
2である)により表される。また、カルバマート4(式中、Aは、CHであり、Wは、−C(O)−であり、R
2は、O、P、Q、R、T、U、V、X、AA、AI、又はAOである)は、一般式4B(式中、R
14は、O、P、Q、R、T、U、V、X、AA、AI、又はAOである)により表される。
【化10】
【0087】
アミド4Bを、カルボン酸14
【化11】
から、式HN(R
10)R
2(13)、H−O、H−P、H−Q、H−R、H−T、H−U、H−V、H−X、H−AA、H−AI、又はH−AOで表示されるアミンとのカップリング反応により製造する。
【0088】
この反応を、カップリング剤、例えば、1,1’−カルボニルジイミダゾール、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド塩酸塩、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスファート、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスファート、又はブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスファートの存在下において、非プロトン性溶媒、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、及びそれらの混合物中で、−40℃〜80℃の温度で、塩基、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−メチルモルホリン、及び/又は4−(ジメチルアミノ)ピリジンの存在又は非存在下において行う。
【0089】
カルボン酸14は市販されており、又は、文献に記載されているように製造することができる。
【0090】
式(I)(式中、Aは、Nである)で表示される化合物を、一般式15
【化12】
で表示されるアミン前駆体から、適切な試薬との反応により、当技術分野において公知の方法を使用して製造することができる。
【0091】
例えば、式15で表示されるアミンを、一般式X−CR
6R
7−R
2(6)(式中、Xは、脱離基、例えば、Cl、Br、I、又はOSO
2CH
3である)で表示されるアルキル化剤と反応させて、式(I)(式中、Aは、Nであり、Wは、−CR
6R
7−である)で表示される化合物をもたらす。この反応を、溶媒、例えば、テトラヒドロフラン又はN,N−ジメチルホルムアミド中で、塩基、例えば、トリエチルアミン又は炭酸カリウムの存在下において、0℃〜100℃の温度で行う。
【0092】
あるいは、式15のアミンを、還元的アミノ化反応において、一般式R
6−C(O)R
2(16)で表示されるアルデヒド又はケトンと反応させて、式(I)(式中、Aは、Nであり、Wは、−CR
6R
7−であり、R
6は、水素、アルキル、又はシクロアルキルであり、R
7は、Hである)で表示される化合物をもたらす。この反応を、適切な還元剤、例えば、ナトリウムボロハイドライド又はナトリウムトリアセトキシボロハイドライドの存在下において、溶媒、メタノール、酢酸、テトラヒドロフラン、1,2−ジクロロエタン、又はそれらの混合物中で、0℃〜50℃の温度において行う。
【0093】
あるいは、アミン15を、式R
2−COOH(8)で表示される適切なカルボン酸と反応させて、式(I)(式中、Aは、Nであり、Wは、−C(O)−である)で表示される化合物をもたらす。この反応を、カップリング剤、例えば、1,1’−カルボニルジイミダゾール、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド塩酸塩、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスファート、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスファート、又はブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスファートの存在下において、非プロトン性溶媒、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、及びそれらの混合物中で、−40℃〜80℃の温度で、塩基、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−メチルモルホリン、及び/又は4−(ジメチルアミノ)ピリジンの存在又は非存在下において行う。
【0094】
あるいは、アミン15を、式R
2−SO
2Cl(9)で表示される適切な塩化スルホニルと反応させて、(I)(式中、Aは、Nであり、Wは、−S(O
2)−である)をもたらす。この反応を、適切な溶媒、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン、水、又はそれらの混合物中で、塩基、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、炭酸水素カリウム、炭酸カリウムの存在下において、0℃〜溶媒又は溶媒混合物の沸点の温度で行う。
【0095】
あるいは、アミン15を、式R
2−N(R
10)−C(O)−Cl(10A)で表示される適切なN−(クロロカルボニル)アミンと反応させて、式(I)(式中、Wは、−C(O)−NR
10である)で表示される化合物をもたらし、又は、式R
2−NCO(11)で表示されるイソシアナートと反応させて、式(I)(式中、Wは、−C(O)−NR
10であり、R
10は、Hである)で表示される化合物をもたらす。この反応を、適切な溶媒、例えば、アセトニトリル又はN,N−ジメチルホルムアミド中で、場合により、塩基、例えば、ジイソプロピルエチルアミン又はトリエチルアミンの存在下において、0℃〜100℃の温度で行う。
【0096】
あるいは、アミン15を、式R
2−O−C(O)−Cl(10B)で表示される適切なクロロホルマート又はイミダゾール−1−カルボキシラートエステル(10C)と反応させて、式(I)(Wは、−C(O)−O−である)で表示される化合物をもたらす。この反応を、適切な溶媒、例えば、アセトニトリル又はN,N−ジメチルホルムアミド中で、場合により、塩基、例えば、ジイソプロピルエチルアミン又はトリエチルアミンの存在下において、0℃〜100℃の温度で行う。
【0097】
あるいは、アミン15を、塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミン)の存在下において、溶媒、例えば、ジクロロメタン又はテトラヒドロフラン中で、ホスゲン又はホスゲン同等物(ジホスゲン、トリホスゲン)と反応させて、式16
【化13】
で表示される対応するN−(クロロカルボニル)アミンを提供し、ついで、このアミンを、塩基、例えば、トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミンの存在下において、溶媒、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、又はN,N−ジメチルホルムアミド中で、式HN(R
10)R
2(13)で表示されるアミンと反応させて、式(I)(Wは、−C(O)−NR
10−である)で表示される化合物をもたらす。
【0098】
あるいは、アミン15を、塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミン)の存在下において、溶媒、例えば、ジクロロメタン又はテトラヒドロフラン中で、ホスゲン又はホスゲン同等物(ジホスゲン、トリホスゲン)と反応させて、式16で表示される対応するN−(クロロカルボニル)アミンにし、ついで、このアミンを、塩基、例えば、トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミンの存在下において、溶媒、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、又はN,N−ジメチルホルムアミド中で、式H−O、H−P、H−Q、H−R、H−T、H−U、H−V、H−X、H−AA、H−AI、又はH−AOで表示されるアミンと反応させて、式(I)(式中、Wは、−C(O)−であり、R
2は、O、P、Q、R、T、U、V、X、AA、AI、又はAOである)で表示される化合物をもたらす。
【0099】
アミン15を、式17
【化14】
で表示されるそのtert−ブチルカルバマート誘導体から、カルバマート脱保護により合成することができる。この脱保護を、適切な酸、例えば、塩酸又はトリフルオロ酢酸の存在下において、溶媒、例えば、水、2−プロパノール、ジクロロメタン、又は1,4−ジオキサン中で、0℃〜30℃の温度において行うことができる。
【0100】
tert−ブチルカルバマート17を、式18
【化15】
で表示されるアミン前駆体及び適切な試薬から、当技術分野において周知の方法を使用して合成することができる。
【0101】
例えば、アミン18を、式R
1−COOH(2)で表示される適切なカルボン酸と反応させて、式17で表示される化合物をもたらす。この反応を、カップリング剤、例えば、1,1’−カルボニルジイミダゾール、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド塩酸塩、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスファート、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスファート、又はブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスファートの存在下において、非プロトン性溶媒、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、及びそれらの混合物中で、−40℃〜80℃の温度で、塩基、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−メチルモルホリン、及び/又は4−(ジメチルアミノ)ピリジンの存在又は非存在下において行う。
【0102】
また、アミン18を、式R
1−COCl(3)で表示される塩化アシル等の適切なアシル化剤と反応させて、式17で表示される化合物を提供することができる。この反応を、溶媒、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、又はN,N−ジメチルホルムアミド中で、塩基、例えば、トリエチルアミン又は4−メチルモルホリンの存在下において、0℃〜80℃の温度で行う。
【0103】
式18のアミンは市販されており、又は、本明細書もしくは文献に記載されているように製造することができる。
【0104】
式(I)(式中、Aは、CHであり、Wは、−C(O)−N(R
10)である)で表示される化合物を、一般式19
【化16】
で表示されるカルボン酸前駆体から、一般式HN(R
10)R
2で表示される適切なアミン試薬との反応により製造することができる。同様に、式(I)(式中、Aは、CHであり、Wは、C(O)であり、R
2は、O、P、Q、R、T、U、V、X、AA、AI、又はAOである)で表示される化合物を、一般式19で表示されるカルボン酸前駆体から、一般式H−O、H−P、H−Q、H−R、H−T、H−U、H−V、H−X、H−AA、H−AI、又はH−AOで表示される適切なアミン試薬との反応により、当技術分野において公知の方法を使用して製造することができる。
【0105】
例えば、この反応を、カップリング剤、例えば、1,1’−カルボニルジイミダゾール、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド塩酸塩、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスファート、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスファート、又はブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスファートの存在下において、非プロトン性溶媒、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、及びそれらの混合物中で、−40℃〜80℃の温度で、塩基、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−メチルモルホリン、及び/又は4−(ジメチルアミノ)ピリジンの存在又は非存在下において行う。
【0106】
式(I)(式中、Aは、CHであり、Wは、−C(O)−O−である)で表示される化合物を、一般式19で表示されるカルボン酸前駆体から、一般式R
2−OHで表示される適切なアルコールとの反応により、当技術分野において公知の方法を使用して製造することができる。
【0107】
例えば、この反応を、カップリング剤、例えば、1,1’−カルボニルジイミダゾール、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド塩酸塩、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスファート、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスファート、又はブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスファートの存在下において、非プロトン性溶媒、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、及びそれらの混合物中で、−40℃〜80℃の温度で、塩基、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−メチルモルホリン、及び/又は4−(ジメチルアミノ)ピリジンの存在又は非存在下において行う。
【0108】
あるいは、この反応を、以下の2工程で行う。まず、カルボン酸19を、当技術分野において公知の方法及び試薬、例えば、塩化チオニル又は塩化オキザリルを使用して、酸クロリド19A
【化17】
に変換する。ついで、酸クロリド19Aを、適切な溶媒、例えば、ジクロロメタン又はアセトニトリル中で、場合により、触媒、例えば、ピリジン又は4−(ジメチルアミノ)ピリジンの存在下において、−40℃〜+100℃の温度で、アルコールR
2−OHと反応させる。
【0109】
カルボン酸19を、対応するエステル前駆体20
【化18】
[式中、R
aは、低級アルキル、例えば、メチル又はエチルである]
から、当技術分野において公知の方法及び試薬を使用して製造することができる。例えば、この反応を、塩基、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、又は水酸化リチウムの存在下において、溶媒、例えば、水、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、又はそれらの混合物中で、20℃〜100℃の温度で行う。
【0110】
式20で表示される化合物を、式21
【化19】
で表示されるアミン前駆体及び適切な試薬から、当技術分野において周知の方法を使用して合成することができる。
【0111】
例えば、アミン21を、式R
1−COOH(2)で表示される適切なカルボン酸と反応させて、式20で表示される化合物をもたらす。この反応を、カップリング剤、例えば、1,1’−カルボニルジイミダゾール、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド塩酸塩、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスファート、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスファート、又はブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスファートの存在下において、非プロトン性溶媒、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、及びそれらの混合物中で、−40℃〜80℃の温度で、塩基、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−メチルモルホリン、及び/又は4−(ジメチルアミノ)ピリジンの存在又は非存在下において行う。
【0112】
また、アミン21を、式R
1−COCl(3)で表示される塩化アシル等の適切なアシル化剤と反応させて、式20で表示される化合物をもたらすことができる。この反応を、溶媒、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、又はN,N−ジメチルホルムアミド中で、塩基、例えば、トリエチルアミン又は4−メチルモルホリンの存在下において、0℃〜80℃の温度で行う。
【0113】
一般式21のアミンを、適切に保護された前駆体22
【化20】
から合成する。
【0114】
適切な保護基(PG)は、tert−ブトキシカルボニル又はベンジルオキシカルボニルである。中間体22の脱保護を、当技術分野において公知の方法及び試薬を使用して行うことができる。
【0115】
例えば、PGがベンジルオキシカルボニルである場合には、脱保護を、適切な触媒、例えば、活性炭上のパラジウムの存在下において、20℃〜150℃の温度で、溶媒、例えば、メタノール又はエタノール中において、1bar〜100barの圧力での水素化により行うことができる。
【0116】
あるいは、PGがtert−ブトキシカルボニルである場合には、脱保護を、適切な酸、例えば、塩酸又はトリフルオロ酢酸の存在下において、溶媒、例えば、水、2−プロパノール、ジクロロメタン、又は1,4−ジオキサン中で、0℃〜30℃の温度において行うことができる。
【0117】
エステル22(式中、R
aは、メチル又はエチルである)を、カルボン酸14から、当技術分野において公知の方法及び試薬を使用して製造することができる。例えば、14を、塩基、例えば、炭酸カリウムの存在下において、溶媒、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド中で、−20℃〜+30℃で、ヨウ化メチル又は臭化エチルでアルキル化して、それぞれ、メチル又はエチルエステル22をもたらす。
【0118】
tert−ブチルカルバマート17(式中、R
1は、置換されているR
3−C(3)−フェニル又は置換されているR
3−C(2)−ピリジン−4−イルであり、R
3は、O−R
15である)を、一般式17A
【化21】
により表される。
【0119】
R
15は、ヘテロシクロアルキル又はヘテロシクリルであり、Xは、CH又はNであり、R
4、R
5、m、n、p、qは、上記の通りである。
【0120】
また、式17Aで表示される化合物を、フェノール又はピリジノール23
【化22】
から、当技術分野において周知の方法及び試薬を使用して製造することができる。
【0121】
例えば、化合物23を、式R
15−X(式中、Xは、脱離基、例えば、Br又はIである)で表示される適切なアルキル化剤でアルキル化して、化合物17Aをもたらす。この反応を、塩基、例えば、炭酸カリウムの存在下において、溶媒、例えば、アセトン、アセトニトリル、又はN,N−ジメチルホルムアミド中で、20℃〜溶媒の沸点の温度で行う。
【0122】
アルキル化剤R
15−Xは市販されており、又は、本明細書もしくは文献に記載されているように調製することができる。
【0123】
式23で表示される化合物を、アミン18及びカルボン酸24
【化23】
から、当技術分野において周知の方法及び試薬を使用して製造することができる。
【0124】
例えば、アミン18を、カルボン酸24と反応させて、式23で表示される化合物をもたらす。この反応を、カップリング剤、例えば、1,1’−カルボニルジイミダゾール、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド塩酸塩、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスファート、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスファート、又はブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスファートの存在下において、非プロトン性溶媒、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、及びそれらの混合物中で、−40℃〜80℃の温度で、塩基、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−メチルモルホリン、及び/又は4−(ジメチルアミノ)ピリジンの存在又は非存在下において行う。
【0125】
カルボン酸24は市販されており、又は、本明細書もしくは文献に記載されているように調製することができる。
【0126】
tert−ブチルカルバマート17(式中、R
1は、置換されているR
3−C(6)−ピリジン−3−イルであり、R
3は、O−R
15である)は、一般構造式17B
【化24】
により表される。
【0127】
R
15は、ヘテロシクロアルキル又はヘテロシクリルであり、R
4、R
5、m、n、p、qは、上記の通りである。
【0128】
また、式17Bで表示される化合物は、ハロピリジン25
【化25】
から、当技術分野において周知の方法及び試薬を使用して製造することができる。
【0129】
Yは、ハロゲン、例えば、F、Cl、Br、又はIであり、R
4、R
5、m、n、p、qは、上記の通りである。
【0130】
例えば、化合物25を、式R
15−OHで表示される適切なアルコールと反応させて、化合物17Bをもたらす。この反応を、塩基、例えば、水酸化カリウム又は炭酸カリウムの存在下において、溶媒、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド又はジメチルスルホキシド中で、−70℃〜+150℃の温度で行う。
【0131】
アルコールR
15−OHは市販されており、又は、本明細書もしくは文献に記載されているように調製することができる。
【0132】
式25で表示される化合物を、アミン18及びカルボン酸26
【化26】
から、当技術分野において周知の方法及び試薬を使用して製造することができる。
【0133】
例えば、アミン18を、カルボン酸26と反応させて、式25で表示される化合物をもたらす。この反応を、カップリング剤、例えば、1,1’−カルボニルジイミダゾール、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド塩酸塩、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスファート、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスファート、又はブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスファートの存在下において、非プロトン性溶媒、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、及びそれらの混合物中で、−40℃〜80℃の温度で、塩基、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−メチルモルホリン、及び/又は4−(ジメチルアミノ)ピリジンの存在又は非存在下において行う。
【0134】
カルボン酸26は市販されており、又は、本明細書もしくは文献に記載されているように調製することができる。
【0135】
エステル20(式中、R
1は、置換されているR
3−C(3)−フェニル又は置換されているR
3−C(2)−ピリジン−4−イルであり、R
3は、O−R
15である)は、一般構造式20A
【化27】
により表される。
【0136】
R
15は、ヘテロシクロアルキル又はヘテロシクリルであり、Xは、CH又はNであり、R
aは、低級アルキル、例えば、メチル又はエチルであり、R
4、R
5、m、n、p、qは、上記の通りである。
【0137】
また、式20Aで表示される化合物は、フェノール又はピリジノール27
【化28】
から、当技術分野において周知の方法及び試薬を使用して製造することができる。
【0138】
例えば、化合物27を、式R
15−X(式中、Xは、脱離基、例えば、Br又はIである)で表示される適切なアルキル化剤でアルキル化して、化合物20Aをもたらす。この反応を、塩基、例えば、炭酸カリウムの存在下において、溶媒、例えば、アセトン、アセトニトリル、又はN,N−ジメチルホルムアミド中で、20℃〜溶媒の沸点の温度で行う。
【0139】
式27で表示される化合物を、アミン18から、当技術分野において周知の方法及び試薬を使用して製造することができる。例えば、アミン18を、カルボン酸24と反応させて、式27で表示される化合物をもたらす。この反応を、カップリング剤、例えば、1,1’−カルボニルジイミダゾール、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド塩酸塩、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスファート、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスファート、又はブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスファートの存在下において、非プロトン性溶媒、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、及びそれらの混合物中で、−40℃〜80℃の温度で、塩基、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−メチルモルホリン、及び/又は4−(ジメチルアミノ)ピリジンの存在又は非存在下において行う。
【0140】
エステル20(式中、R
1は、R
3−C(6)置換ピリジン−3−イルであり、R
3は、O−R
15である)は、一般構造式20B
【化29】
により表される。
【0141】
R
15は、ヘテロシクロアルキル又はヘテロシクリルであり、R
aは、低級アルキル、例えば、メチル又はエチルであり、R
4、R
5、m、n、p、qは、上記の通りである。
【0142】
また、式20Bで表示される化合物は、ハロピリジン28
【化30】
から、当技術分野において周知の方法及び試薬を使用して製造することができる。
【0143】
Yは、ハロゲン、例えば、F、Cl、Br、又はIであり、R
aは、低級アルキル、例えば、メチル又はエチルであり、R
4、R
5、m、n、p、qは、上記の通りである。
【0144】
例えば、化合物28を、式R
15−OHで表示される適切なアルコールと反応させて、化合物20Bをもたらす。この反応を、塩基、例えば、水酸化カリウム又は炭酸カリウムの存在下において、溶媒、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド又はジメチルスルホキシド中で、−70℃〜+150℃の温度で行う。
【0145】
式28で表示される化合物を、アミン18から、当技術分野において周知の方法及び試薬を使用して製造することができる。例えば、アミン18を、カルボン酸26と反応させて、式28で表示される化合物をもたらす。この反応を、カップリング剤、例えば、1,1’−カルボニルジイミダゾール、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド塩酸塩、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスファート、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスファート、又はブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスファートの存在下において、非プロトン性溶媒、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、及びそれらの混合物中で、−40℃〜80℃の温度で、塩基、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−メチルモルホリン、及び/又は4−(ジメチルアミノ)ピリジンの存在又は非存在下において行う。
【0146】
また、本発明の実施態様は、式(III)で表示される化合物の存在下において、式(II)で表示される化合物の反応を含む、上記で定義した式(I)で表示される化合物を調製する方法である。
【化31】
[式中、R
1、R
2、m、n、p、及びqは、上記で定義した通りであり、Aは、−N−であり、Wは、−C(O)−である]
【0147】
特に、カップリング剤、例えば、1,1’−カルボニルジイミダゾール、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド塩酸塩、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスファート、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスファート、又はブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスファート、とりわけ、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスファートの存在下において、非プロトン性溶媒、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、及びそれらの混合物、とりわけ、N,N−ジメチルホルムアミド中で、塩基、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−メチルモルホリン、及び/又は4−(ジメチルアミノ)ピリジンの存在又は非存在下において、とりわけ、4−メチルモルホリンの存在下において、−78℃〜還流、とりわけ、−10℃〜室温を含む温度で行う。
【0148】
また、本発明の目的は、治療活性物質として使用するための、本明細書に記載された式(I)で表示される化合物である。
【0149】
同様に、本発明の目的は、本明細書に記載された式(I)で表示される化合物と、治療上不活性な担体とを含む医薬組成物である。
【0150】
本発明の目的は、腎臓症状、肝臓症状、炎症症状、神経系の症状、呼吸器系の症状、血管及び心血管症状、線維性疾患、ガン、眼症状、代謝症状、胆汁うっ滞性及び他の形式の慢性掻痒症、ならびに急性及び慢性の臓器移植拒絶、とりわけ、緑内障又は特発性肺線維症(idiopathic pulmonary formulation)の治療又は予防のための、本明細書に記載された式(I)で表示される化合物の使用である。
【0151】
腎臓症状は、末期腎疾患(ESRD)を含む、タンパク尿症を伴う又は伴わない、急性腎臓損傷及び慢性腎疾患を含むがこれらに限定されない。より詳細には、これは、低下したクレアチニンクリアランス及び低下した糸球体ろ過速度、微量アルブミン尿症、アルブミン尿症及びタンパク尿症、著しい細胞過形成を伴う又は伴わない網状メサンギウム基質の膨張を伴う糸球体硬化症(特に、糖尿病性腎症及びアミロイド症)、糸球体毛細血管の局所性血栓症(特に、血栓性微少血管症)、全節フィブリノイド壊死(global fibrinoid necrosis)、虚血性病変、悪性腎硬化症(例えば、虚血性退縮、減少した腎血流及び腎臓動脈症)、糸球体腎炎の実体におけるような毛細血管内(内皮及び糸球体間質)及び/又は毛細血管外細胞(半月体)の膨潤及び増殖、局所分節性糸球体硬化症、IgA腎症、血管炎/全身性疾患、ならびに急性及び慢性の腎臓移植拒絶を含む。
【0152】
肝臓症状は、肝硬変、肝臓うっ血、掻痒症を含む胆汁うっ滞性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎、ならびに急性及び慢性の肝臓移植拒絶を含むがこれらに限定されない。
【0153】
炎症症状は、関節炎、骨関節炎、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、炎症性腸疾患、異常な排出障害等、ならびに特発性肺線維症(IPF)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、又は慢性気管支喘息などの炎症性気道疾患を含むがこれらに限定されない。
【0154】
呼吸器系の更なる症状は、医原性薬物誘発線維症、職業及び/又は環境誘発線維症、全身性疾患及び血管炎、肉芽腫性疾患(サルコイドーシス、過敏性肺炎)、膠原病性血管疾患、肺胞蛋白症、ランゲルハンス細胞肉芽腫症、リンパ管平滑筋腫症、遺伝性疾患(ヘルマンスキー−パドラック症候群、結節性硬化症、神経線維腫症、代謝性蓄積障害、家族性間質性肺疾患)、放射線誘発線維症、珪肺症、アスベスト誘発肺線維症、又は急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を含む、種々の病因の他のびまん性実質性肺疾患を含むがこれらに限定されない。
【0155】
神経系の症状は、神経障害性疼痛、統合失調症、神経炎症(例えば、アストログリア増殖症)、末梢性及び/又は自律神経(糖尿病性)神経症等を含むがこれらに限定されない。
【0156】
血管症状は、アテローム性動脈硬化、血栓性血管疾患ならびに血栓性微小血管症、増殖性動脈症(例えば、粘液性細胞外マトリックスにより囲まれた血管内膜平滑筋細胞(myointimal cell)の膨潤及び結節性肥厚)、アテローム性動脈硬化、減少した血管コンプライアンス(例えば、硬化度、減少した心室コンプライアンス、及び減少した血管コンプライアンス)、内皮機能不全等を含むがこれらに限定されない。
【0157】
心血管症状は、急性冠動脈症候群、冠動脈心疾患、心筋梗塞、動脈及び肺高血圧、心不整脈、例えば、心房細動、卒中、及び他の血管損傷を含むがこれらに限定されない。
【0158】
線維性疾患は、心筋及び脈管線維症、腎線維症、肝線維症、肺線維症、皮膚線維症、強皮症、及び被包性腹膜炎を含むがこれらに限定されない。
【0159】
特定の実施態様では、式(I)で表示される化合物又はそれらの薬学的に許容し得る塩及びエステルは、臓器又は皮膚の線維症の治療又は予防に使用することができる。
【0160】
別の実施態様では、線維性疾患は、腎臓尿細管間質性線維症又は糸球体硬化症である。
【0161】
別の実施態様では、線維性疾患は、非アルコール性脂肪肝、肝線維症、又は肝硬変である。
【0162】
別の実施態様では、線維性疾患は、特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis)である。
【0163】
ガン及びガン転移は、乳ガン、卵巣ガン、肺ガン、前立腺ガン、中皮腫、神経膠腫、肝ガン、胃腸ガン、ならびにそれらの進行及び転移攻撃性を含むがこれらに限定されない。
【0164】
眼症状は、増殖性及び非増殖性(糖尿病性)網膜症、萎縮型及び滲出型の加齢黄斑変性(AMD)、黄斑浮腫、中心動脈/静脈閉塞、外傷性損傷、緑内障等を含むがこれらに限定されない。
【0165】
代謝症状は、肥満及び糖尿病を含むがこれらに限定されない。
【0166】
別の実施態様では、式(I)で表示される化合物又はそれらの薬学的に許容し得る塩及びエステルは、胆汁うっ滞性又は非胆汁うっ滞性の慢性掻痒症の治療又は予防に使用することができる。
【0167】
また、本発明は、腎臓症状、肝臓症状、炎症症状、神経系の症状、線維性疾患、ならびに急性及び慢性の臓器移植拒絶の治療又は予防のための、本明細書に記載された式(I)で表示される化合物の使用に関する。
【0168】
また、本発明は、腎臓症状、肝臓症状、及び線維性疾患の治療又は予防のための、本明細書に記載された式(I)で表示される化合物の使用に関する。
【0169】
本発明の特定の実施態様は、腎臓症状、肝臓症状、炎症症状、神経系の症状、線維性疾患、ならびに急性及び慢性の臓器移植拒絶の治療又は予防のための、本明細書に記載された式(I)で表示される化合物である。
【0170】
本発明の特定の実施態様は、腎臓症状、肝臓症状、及び線維性疾患の治療又は予防のための、本明細書に記載された式(I)で表示される化合物である。
【0171】
また、本発明は、腎臓症状、肝臓症状、炎症症状、神経系の症状、線維性疾患、ならびに急性及び慢性の臓器移植拒絶の治療又は予防用の医薬の製造のための、本明細書に記載された式(I)で表示される化合物の使用に関する。
【0172】
また、本発明は、腎臓症状、肝臓症状、及び線維性疾患の治療又は予防用の医薬の製造のための、本明細書に記載された式(I)で表示される化合物の使用に関する。
【0173】
また、本発明の目的は、腎臓症状、肝臓症状、炎症症状、神経系の症状、線維性疾患、ならびに急性及び慢性の臓器移植拒絶の治療又は予防のための方法であって、有効量の本明細書に記載された式(I)で表示される化合物を投与することを含む、方法である。
【0174】
また、本発明の目的は、腎臓症状、肝臓症状、及び線維性疾患の治療又は予防のための方法であって、有効量の本明細書に記載された式(I)で表示される化合物を投与することを含む、方法である。
【0175】
特定の実施態様では、腎臓症状は、急性腎臓損傷、慢性腎疾患、糖尿病性腎症、急性腎臓移植拒絶、及び慢性同種移植腎症からなる群より選択される。
【0176】
別の特定の実施態様では、腎臓症状は、急性腎臓損傷である。
【0177】
別の特定の実施態様では、腎臓症状は、慢性腎疾患である。
【0178】
更なる特定の実施態様では、腎臓症状は、糖尿病性腎症である。
【0179】
別の特定の実施態様では、腎臓症状は、急性腎臓移植拒絶である。
【0180】
別の特定の実施態様では、腎臓症状は、慢性同種移植腎症である。
【0181】
特定の実施態様では、肝臓症状は、急性及び慢性の肝臓移植拒絶である。
【0182】
特定の実施態様では、炎症症状は、関節炎である。
【0183】
特定の実施態様では、神経系の症状は、神経障害性疼痛である。
【0184】
別の実施態様では、線維性疾患は、被包性腹膜炎である。
【0185】
別の実施態様では、線維性疾患は、特発性肺線維症である。
【0186】
別の実施態様では、線維性疾患は、非アルコール性脂肪肝、肝線維症、又は肝硬変である。
【0187】
また、本発明の実施態様は、記載された方法の何れか1つに従って製造された、本明細書に記載された式(I)で表示される化合物である。
【0188】
アッセイ手法
HISタグを含む及び含まないヒトの全長ATXの生成
オートタキシン(ATX−ENPP2)のクローニング:市販のヒト造血細胞のトータルRNAから、cDNAを調製し、オーバーラップPCRにおけるテンプレートとして使用して、3’−6×Hisタグを含む又は含まない、全長ヒトENPP2 ORFを生成した。これらの全長インサートを、pcDNA3.1V5-His TOPO(Invitrogen)ベクター内にクローン化した。複数の単一クローンのDNA配列を検証した。正しい全長クローンからのDNAを使用して、タンパク質発現の検証のためにHek293細胞をトランスフェクトした。付加的なC−末端の6×Hisタグを含む又は含まない、コードされたENPP2の配列を、スイスプロットエントリQ13822に合わせる。
【0189】
ATX発酵:組換えタンパク質を、20Lの制御攪拌タンクバイオリアクタ(Sartorius)中での大規模一過性トランスフェクションにより生成した。細胞増殖及びトランスフェクション中に、温度、攪拌速度、pH、及び溶存酸素濃度を、37℃、120rpm、7.1、及び30% DOにそれぞれ維持した。Freestyle 293-F細胞(Invitrogen)を、Freestyle 293培地(Invitrogen)中、懸濁状態で培養し、錯化剤としてX-tremeGENE Ro-1539(市販品、Roche Diagnostics)を使用して、およそ1〜1.5×10E6個細胞/mLで、上記プラスミドDNAによりトランスフェクトした。細胞に、濃縮栄養液(J Immunol Methods 194(1996), 19, 1-199 (page 193))を供給し、トランスフェクションの72時間後、酪酸ナトリウム(2mM)により誘導し、トランスフェクションの96時間後に収集した。発現を、ウェスタンブロット、酵素アッセイ、及び/又は分析的IMACクロマトグラフィーにより分析した。フロースルー熱交換器中で細胞懸濁液を4℃に冷却した後、細胞分離及び上清の無菌ろ過を、Zeta Plus 60M02 E16(Cuno)及びSartopore 2 XLG(Sartorius)フィルタユニットによるろ過により行った。上清を、精製前に4℃で保存した。
【0190】
ATX精製:20リットルの培養上清を、0.02%の最終濃度にBrij 35を加えること、及び、1M HClを使用してpHを7.0に調整することにより、限外ろ過用に馴化させた。ついでまず、該上清を、0.2μmのUltran-Pilot Open Channel PESフィルタ(Whatman)によりマイクロろ過し、その後、30kDa MWCOを取り付けたUltran-Pilot Screen Channel PESフィルタ(Whatman)により、1リットルに濃縮した。IMACクロマトグラフィーの前に、NiSO
4を、1mMの最終濃度に加えた。ついで、清澄になった上清を、50mM Na
2HPO
4、pH 7.0、0.5M NaCl、10% グリセロール、0.3% CHAPS、0.02% NaN
3に予め平衡化したHisTrapカラム(GE Healthcare)にアプライした。該カラムを、20mM、40mM、及び50mM イミダゾールをそれぞれ含有する同じバッファーで段階的に洗浄した。続けて、カラムの15倍容量において、0.5M イミダゾールへの直線勾配を使用して、タンパク質を溶出した。ATX含有画分をプールし、30kDa PESフィルタメンブランを備えたAmiconセルを使用して濃縮した。20mM BICINE pH 8.5、0.15M NaCl、10% グリセロール、0.3% CHAPS、0.02% NaN
3中でのSuperdex S-200 分取グレード(XK 26/100)(GE Healthcare)におけるサイズ排除クロマトグラフィーにより、タンパク質を更に精製した。精製後のタンパク質の最終収率は、培養上清1リットル当たりATX 5〜10mgであった。タンパク質を、−80℃で保存した。
【0191】
ヒトATX酵素阻害アッセイ
特異的に標識された基質類似体(MR121基質)を使用する蛍光消光アッセイにより、ATX阻害を測定した。このMR121基質を得るために、BOC及びTBS保護6−アミノ−ヘキサン酸 (R)−3−({2−[3−(2−{2−[2−(2−アミノ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−プロピオニルアミノ]−エトキシ}−ヒドロキシ−ホスホリルオキシ)−2−ヒドロキシ−プロピルエステル(Ferguson et al., Org Lett 2006, 8(10), 2023)を、MR121蛍光体(CAS 185308-24-1、1−(3−カルボキシプロピル)−11−エチル−1,2,3,4,8,9,10,11−オクタヒドロ−ジピロリド[3,2−b:2’,3’−i]フェノキサジン−13−イウム)で、エタノールアミン側の遊離アミン上に標識し、ついで、脱保護後、続けて、アミノヘキサン酸の側にトリプトファンで標識した。
【0192】
アッセイ使用液を、下記の通り調製した。
アッセイバッファー(50mM Tris−HCl、140mM NaCl、5mM KCl、1mM CaCl
2、1mM MgCl
2、0.01% Triton−X−100、pH 8.0、
ATX溶液:ATX(ヒト His−タグ付き)保存溶液(20mM bicine、pH 8.5、0.15M NaCl、10% グリセロール、0.3% CHAPS、0.02% NaN
3中、1.08mg/mL)を、アッセイバッファーにおける最終濃度の1.4〜2.5倍に希釈、
MR121基質溶液:MR121基質保存溶液(DMSO中800μM MR121基質)を、アッセイバッファーにおける最終濃度の2〜5倍に希釈。
【0193】
試験化合物(DMSO中10mM ストック、8μL)を、384ウェルのサンプルプレート(Corning Costar #3655)に入れて、DMSO 8μLで希釈した。cpd溶液 8μLを、次の列から列Oまで移すことにより、列方向系列希釈を行った。化合物及び対照の溶液を、5回混合し、2μLを、384ウェルアッセイプレート(Corning Costar #3702)に移した。ついで、41.7nM ATX溶液 15μLを加え(30nM 最終濃度)、5回混合し、ついで、30℃で15分間インキュベートした。MR121基質溶液 10μLを加え(1μM 最終濃度)、30回混合し、ついで、30℃で15分間インキュベートした。ついで、蛍光を、2分毎に1時間測定した(Perkin Elmerプレート:vision multimode reader;光強度:2.5%;露光時間:1.4秒、フィルタ:Fluo_630/690nm)。IC
50値を、これらの読取りから算出した。
【0194】
【表1】
【0195】
本明細書に記載された式(I)で表示される化合物及びそれらの薬学的に許容し得る塩又はそのエステルは、0.00001μM〜1000μMのIC
50値を有する。特定の化合物は、0.0005μM〜500μMのIC
50値を有する。更なる特定の化合物は、0.0005μM〜50μMのIC
50値を有する。より特定の化合物は、0.0005μM〜5μMのIC
50値を有する。これらの結果を、先に記載した酵素アッセイを使用することにより得た。
【0196】
式(I)で表示される化合物及びそれらの薬学的に許容し得る塩は、(例えば、医薬製剤の形態で)医薬として使用することができる。該医薬製剤は、内服で、例えば、経口的に(例えば、錠剤、コーティング錠剤、糖衣錠、硬及び軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤、又は懸濁剤の形態で)、経鼻的に(例えば、点鼻スプレーの形態で)、直腸的に(例えば、坐剤の形態で)、又は、局所的に眼に(例えば、液剤、軟膏剤、ゲル剤、又は水溶性ポリマーインサートの形態で)投与することができる。ただし、投与は、非経口的に、例えば、筋肉内、静脈内、又は眼に(例えば、無菌の注射液剤の形態で)も達成することもできる。
【0197】
式(I)で表示される化合物及びそれらの薬学的に許容し得る塩は、錠剤、コーティング錠剤、糖衣錠、及び硬ゼラチンカプセル剤、注射液剤、又は局所調製物の製造のために、薬学的に不活性な無機又は有機補助剤と共に加工することができる。乳糖、トウモロコシデンプン又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩等は、例えば、錠剤、糖衣剤、及び硬ゼラチンカプセル剤用のこのような補助剤として使用することができる。
【0198】
軟ゼラチンカプセル剤に適した補助剤は、例えば、植物油、ロウ、脂肪、半固体物質、及び液状ポリオール等である。
【0199】
液剤及びシロップ剤の製造に適した補助剤は、例えば、水、ポリオール、ショ糖、転化糖、グルコース等である。
【0200】
注射液剤に適した補助剤は、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油等である。
【0201】
坐剤に適した補助剤は、例えば、天然油又は硬化油、ロウ、脂肪、半固体又は液体ポリオール等である。
【0202】
局所眼調製物に適した補助剤は、例えば、水、シクロデキストリン、マンニトール、又は、当技術分野において公知の多くの他の担体及び賦形剤である。
【0203】
更に、該医薬製剤は、保存剤、可溶化剤、増粘剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色剤、香味料、浸透圧を変えるための塩、バッファー、マスキング剤、又は抗酸化剤を含有することができる。また、それらは、他の治療的に価値のある物質を更に含有することができる。
【0204】
用量は、広い範囲で変えることができ、当然、各特定の症例における個々の要求に適合させられるであろう。一般的には、経口投与の場合には、体重1kg当たり約0.1mg〜20mg、好ましくは、体重1kg当たり約0.5mg〜4mg(例えば、ヒト一人当たりに約300mg)の一日用量を、好ましくは1〜3回の個々の用量に分割し、それは例えば、適切であるならば、同じ量からなることができる。局所投与の場合には、製剤は、医薬の0.001重量%〜15重量%及び必要とされる用量を含有することができる。この必要とされる用量は、0.001〜25mgであることができ、1日又は1週間当たりに1回の投与、又は、1日当たりに複数回の投与(2〜4回)、又は、1週間当たりに複数回の投与のいずれかにより投与することができる。ただし、本明細書に与えられた上限又は下限は、必要が示されれば、超えることができるのは明らかであろう。
【0205】
本発明は、実施例により以降証明されるが、これらは、限定的な性質を有していない。
【0206】
調製例がエナンチオマーの混合物として得られる場合、純粋なエナンチオマーを、本明細書に記載された方法により、又は、当業者に公知の方法、例えば、キラルクロマトグラフィーもしくは結晶化等により得ることができる。
【0207】
実施例
すべての実施例及び中間体は、特に指示しない限り、窒素雰囲気下で調製した。
【0208】
略語: aq.=水溶液; CAS−RN=Chemical Abstracts Service番号; HPLC=高速液体クロマトグラフィー; MS=質量スペクトル; sat.=飽和
【0209】
実施例1
5−((3aS,6aS)−5−(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)ピリジン−2−スルホンアミド
【化32】
N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中の(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ピリジン−3−イル)((3aS,6aS)−ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)メタノン塩酸塩(中間体1;40mg、95.5μmol)の溶液に、4−メチルモルホリン(48.3mg、477μmol)、6−スルファモイルニコチン酸(20.3mg、95.5μmol)及びO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロ−ホスファート(39.9mg、105μmol)を室温で加え、次に16時間後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル、勾配 ジクロロメタン〜ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 90:10:0.25)が、標記化合物を生成した(47mg、91%)。白色の固体、MS:542.2(M+H)
+。
【0210】
(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ピリジン−3−イル)((3aS,6aS)−ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)メタノン塩酸塩を適切なアミンにより、及び6−スルファモイルニコチン酸を適切なカルボン酸により置き換えて、以下の実施例を実施例1に従って調製した。
【0211】
【表2】
【0212】
実施例2
4−((3aR,6aS)−5−(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)ベンゼンスルホンアミド
【化33】
N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中の4−((3aR,6aS)−オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩(中間体2;30mg、90.4μmol)の溶液に、4−メチルモルホリン(45.7mg、452μmol)、5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ニコチン酸(中間体6.1;28.7mg、90.4μmol)及びO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロ−ホスファート(37.8mg、99.5μmol)を室温で加え、次に16時間後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル、勾配 ジクロロメタン〜ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 90:10:0.25)が、標記化合物を生成した(39mg、76%)。白色の固体、MS:541.3(M+H)
+。
【0213】
4−((3aR,6aS)−オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩を適切なアミンにより、及び5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ニコチン酸を適切なカルボン酸により置き換えて、以下の実施例を実施例2に従って調製した。
【0214】
【表3】
【0215】
実施例3
6−((3aS,6aS)−5−(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)ベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン
【化34】
N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中の(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ピリジン−3−イル)((3aS,6aS)−ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)メタノン塩酸塩(中間体1;50mg、119μmol)の溶液に、4−メチルモルホリン(60.3mg、597μmol)、4−アミノ−3−ヒドロキシ安息香酸(CAS 2374-03-0;18.3mg、119μmol)及びO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロ−ホスファート(45.4mg、119μmol)を0℃で加えた。添加後、反応混合物を周囲温度まで温め、一晩、18時間撹拌し、次に1,1’−カルボニルジイミダゾール(42.6mg、262μmol)を加え、次に72時間後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル、勾配 ジクロロメタン〜ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 90:10:0.25)が、標記化合物を生成した(22mg、36%)。明褐色の固体、MS:519.3(M+H)
+。
【0216】
(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ピリジン−3−イル)((3aS,6aS)−ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)メタノン塩酸塩を、適切なアミンにより置き換えて、以下の実施例を実施例3に従って調製した。
【0217】
【表4】
【0218】
実施例4
6−(((3aS,6aS)−5−(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ニコチノイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)メチル)ベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン
【化35】
ジクロロメタン(1mL)中の(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ピリジン−3−イル)((3aS,6aS)−ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)メタノン塩酸塩(中間体1;30mg、76μmol)の溶液に、4−メチルモルホリン(7.7mg、8.4μmol)、2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボアルデヒド(CAS-RN 54903-15-0;14.9mg、91μmol)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(21.6mg、99μmol)及び酢酸(9.1mg、0.15mmol)を加えた。白色の懸濁液を室温で16時間撹拌し、次に、反応混合物を氷/飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル、勾配 ジクロロメタン〜ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 90:10:0.25)が、標記化合物を生成した(20mg、52%)。白色の固体、MS:505.3(M+H)
+。
【0219】
2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボアルデヒドを適切なアルデヒドにより置き換えて、以下の実施例を実施例4に従って調製した。
【0220】
【表5】
【0221】
実施例5
((3aR,6aR)−5−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)(6,7−ジヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5(4H)−イル)メタノン
【化36】
ジクロロメタン(2mL)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(CAS-RN 7087-68-5;27.8mg、215μmol)中の4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン(CAS-RN 706757-05-3;13.4mg、108μmol)の撹拌懸濁液に、ジクロロメタン(2mL)中の(3aR,6aR)−5−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボニルクロリド(中間体13;55mg、108μmol)の溶液を加えた。微細懸濁液を周囲温度で1時間撹拌した後、N,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)を加えた。反応混合物を16時間撹拌し、次に氷/飽和塩化アンモニウム溶液/ジクロロメタンに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル、勾配 ジクロロメタン〜ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 90:10:0.25)が、標記化合物を生成した(41mg、73%)。白色の固体、MS:522.6(M+H)
+。
【0222】
(3aR,6aR)−5−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボニルクロリドを適切な塩化カルバモイルにより、及び4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジンを適切なアミンにより置き換えて、以下の実施例を実施例5に従って調製した。
【0223】
【表6】
【0224】
実施例6
((3aR,8aS)−6−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2(1H)−イル)((S)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)メタノン
【化37】
ラセミの((3aR,8aS)−6−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)オクタヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2(1H)−イル)(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)メタノン(実施例1.10;655mg、1.19mmol)を、固定相としてChiralpak ADカラム及び移動相としてヘプタン/2−プロパノール 3:2を用いて、分取HPLCにより分離した。これが、より速く溶離する(+)−(R)−エナンチオマー(実施例2.21;69mg、41%)、続いてより遅く溶離する(−)−(S)−エナンチオマー(実施例6;291mg、44%)を生成した。白色の泡状物、MS:549.4(M+H)
+。
【0225】
実施例7
1H−トリアゾール−4−イルメチル (3aS,8aR)−6−[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−カルボニル]−1,3,3a,4,5,7,8,8a−オクタヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2−カルボキシラート
【化38】
アセトニトリル(3mL)中の(1−トリチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メタノール(CAS-RN 88529-86-6;50mg、146μmol)の溶液に、1,1’−カルボニルジイミダゾール(23.7mg、146μmol)を加えた。反応物を50℃で1.5時間撹拌し、次にトリエチルアミン(74.1mg、732μmol)及び(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)ピリジン−4−イル)((3aR,8aS)−オクタヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−6(2H)−イル)メタノン(中間体1.2;65.7mg、146μmol)を加え、反応混合物を加熱還流し、そして48時間撹拌した。混合物を周囲温度まで冷やし、トリフルオロ酢酸(334mg、2.93mmol)を加えた。反応物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を直接蒸発させ、残留物を1M水酸化ナトリウム水溶液及び酢酸エチルと合わせ、飽和塩化アンモニウム溶液に注ぎ、次に抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル、勾配 ジクロロメタン〜ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 90:10:0.25)が、標記化合物を生成した(35mg、46%)。白色の固体、MS:525.3(M+H)
+。
【0226】
中間体
中間体1
(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ピリジン−3−イル)((3aS,6aS)−ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)メタノン塩酸塩
工程1: (3aR,6aR)−tert−ブチル 5−(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ニコチノイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボキシラート
4−((3aR,6aS)−オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩を、(3aR,6aR)−tert−ブチル ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボキシラート(中間体3.1)により置き換えて、標記化合物を実施例2と同様にして生成した。白色の泡状物、MS:458.3(M+H)
+。
【0227】
工程2: (5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ピリジン−3−イル)((3aS,6aS)−ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)メタノン塩酸塩
塩化水素溶液(2−プロパノール中5〜6M、3.2mL)中の(3aR,6aR)−tert−ブチル 5−(5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ニコチノイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボキシラート(332mg、726μmol)の無色の溶液を、室温で4時間撹拌し、次に反応混合物を真空下で濃縮して、標記化合物を生成した(303mg、当量)。白色の泡状物、MS:358.2(M+H)
+。
【0228】
(3aR,6aR)−tert−ブチル ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボキシラートを適切なアミンにより、及び5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ニコチンを適切なカルボン酸により置き換えて、以下の中間体を中間体1に従って調製した。
【0229】
【表7】
【0230】
中間体2
4−((3aR,6aS)−オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
工程1: (3aR,6aS)−tert−ブチル 5−(4−スルファモイルベンゾイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボキシラート
N,N−ジメチルホルムアミド(75mL)中の(3aR,6aS)−tert−ブチル ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボキシラート(CAS-RN 250275-15-1;1.00g、4.48mmol)、4−メチルモルホリン(1.36g、13.4mmol)及び4−スルファモイル安息香酸(900mg、4.48mmol)の無色の溶液に、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロ−ホスファート(1.70g、4.48mmol)を室温で加え、次に16時間後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチル/2−メチルテトラヒドロフランに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして蒸発させた。残留物を酢酸エチル/ヘプタン 1:1でトリチュレートして、標記化合物を生成した(1.46g、82%)。白色の固体、MS:394.5(M−H)
−。
【0231】
工程2: 4−((3aR,6aS)−オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
2−プロパノール(10mL)中の(3aR,6aS)−tert−ブチル 5−(4−スルファモイルベンゾイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボキシラート(1.44g、3.64mmol)の白色の懸濁液に、塩化水素溶液(2−プロパノール中5〜6M、20mL)を加えた。懸濁液を室温で3時間撹拌し、次に真空下で濃縮した。残留物を、酢酸エチルでトリチュレートして、標記化合物を生成した(1.24g、98%)。白色の固体、MS:296.4(M+H)
+。
【0232】
(3aR,6aS)−tert−ブチル ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボキシラートを適切なアミンにより、及び4−スルファモイル安息香酸を適切なカルボン酸により置き換えて、以下の中間体を中間体2に従って調製した。
【0233】
【表8】
【0234】
中間体3
(3aS,6aS)−tert−ブチル ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボキシラート
工程1: (3R,4R)−tert−ブチル 3,4−ビス((メチルスルホニルオキシ)メチル)ピロリジン−1−カルボキシラート
ジクロロメタン(70mL)中の(3R,4R)−tert−ブチル 3,4−ビス(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシラート(CAS-RN 895245-32-6;2.97g、12.8mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(9.96g、77.0mmol)の溶液に、ジクロロメタン(5mL)中のメタンスルホニルクロリド(4.41g、38.5mmol)の溶液を0℃で滴下し、次に1時間後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液で処理し、そして酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及びブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル;ヘプタン〜酢酸エチルの勾配)が、標記化合物を生成した(4.22g、85%)。明黄色の油状物、MS:332.4(M−イソブテン+H)
+。
【0235】
工程2: (3aS,6aS)−tert−ブチル 5−ベンジルヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボキシラート
アセトニトリル(100mL)中の(3R,4R)−tert−ブチル 3,4−ビス((メチルスルホニルオキシ)メチル)ピロリジン−1−カルボキシラート(4.22g、10.9mmol)の溶液に、炭酸カリウム(15.1g、109mmol)及びフェニルメタンアミン(3.5g、32.7mmol)を加えた。反応混合物を95℃で45時間加熱し、次に室温に冷やし、そして酢酸エチルと水に分配した。有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及びブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル;酢酸エチル〜メタノールの勾配)が、標記化合物を生成した(2.23g、68%)。明黄色の固体、MS:303.5(M+H)
+。
【0236】
工程3: (3aS,6aS)−tert−ブチル ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボキシラート
メタノール(20mL)中の(3aS,6aS)−tert−ブチル 5−ベンジルヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボキシラート(2.22g、7.34mmol)の溶液に、パラジウム(10%担持炭、220mg、7.34mmol)を加え、反応混合物を水素雰囲気(1bar)、室温で24時間撹拌し、次に不溶性物質を珪藻土を通して濾過により除去した。濾液を濃縮して、標記化合物を生成した(1.60g、100%)。白色のロウ状固体、MS:213.5(M+H)
+。
【0237】
中間体3.1
(3aR,6aR)−tert−ブチル ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボキシラート
(3R,4R)−tert−ブチル 3,4−ビス(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシラートを、(3S,4S)−tert−ブチル 3,4−ビス(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシラート(CAS-RN 895245-30-4)により置き換えて、標記化合物を中間体3と同様にして生成した。白色のロウ状固体、MS:213.3(M+H)
+。
【0238】
中間体4
(+)−(R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボン酸
ラセミの4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボン酸(CAS-RN 33062-47-4;1.10g、6.58mmol)を、固定相としてのChiralpak ADカラム及び移動相としてのヘプタン/エタノール 3:2を用いた分取HPLCにより分離した。これが、より速く溶離する(+)−(R)−エナンチオマー(452mg、41%)、続いてより遅く溶離する(−)−(S)−エナンチオマー(381mg、35%)を生成した。白色の固体、MS:166.2(M−H)
−。
【0239】
中間体5
2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチン酸
工程1: メチル 6−シクロプロピル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボキシラート
メタノール(4mL)及び硫酸(12μL)中の6−シクロプロピル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボン酸(CAS-RN 150190-28-6;400mg、2.23mmol)の懸濁液を加え、70℃で48時間加熱し、次に真空下で濃縮した。残留物をジクロロメタン(10mL)に懸濁し、次に不溶性物質を濾過により除去し、濾液を蒸発させて、標記化合物を生成した(427mg、99%)。明褐色の半固体、MS:194.1(M+H)
+。
【0240】
工程2: メチル 2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチナート
アセトニトリル(5mL)中のメチル 6−シクロプロピル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボキシラート(212mg、1.1mmol)の撹拌懸濁液に、炭酸カリウム(455mg、3.29mmol)及び4−(ヨードメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン(CAS-RN 101691-94-5;744mg、3.29mmol)を加えた。反応混合物を80℃で16時間加熱し、次に真空下で蒸発させた。残留物を、クロマトグラフィー(シリカゲル;ヘプタン〜酢酸エチルの勾配)により精製して、標記化合物を生成した(188mg、59%)。無色の油状物、MS:292.2(M+H)
+。
【0241】
工程3: 2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチン酸
テトラヒドロフラン(2mL)及び水(2mL)中のメチル 2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチナート(184mg、632μmol)の溶液に、水酸化リチウム一水和物(53.0mg、1.26mmol)を加え、得られた混合物を室温で16時間撹拌した。テトラヒドロフランを除去するために混合物を部分的に蒸発させた。水相を1M塩酸水溶液と酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、標記化合物を与えた(218mg、定量)。無色の油状物、MS:276.1(M−H)
−。
【0242】
中間体5.1
2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)メトキシ)イソニコチン酸
4−(ヨードメチル)テトラヒドロ−2H−ピランを、3−(ブロモメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン(CAS-RN 116131-44-3)により置き換えて、標記化合物を中間体5と同様にして生成した。白色の固体、MS:276.2(M−H)
−。
【0243】
中間体6
5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)ニコチン酸
工程1: 5−ブロモ−6−(テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)ニコチン酸
5−ブロモ−6−クロロニコチン酸(200mg、804μmol)を、ジメチルスルホキシド(4mL)、粉末水酸化カリウム(135mg、2.41mmol)及びテトラヒドロフラン−3−オール(109mg、1.21mmol)と合わせた。反応混合物を50℃で3時間そして室温で48時間撹拌し、次に1M塩酸水溶液とジクロロメタンに分配した。有機層を1M塩酸水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、標記化合物を与え(257mg)、これを次の工程においてそのまま用いた。無色の油状物、MS:286.1(M−H)
−。
【0244】
工程2: 5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)ニコチン酸
トルエン(5mL)及び水(1mL)中の5−ブロモ−6−(テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)ニコチン酸(223mg、697μmol)、カリウムシクロプロピルトリフルオロボラート(potassium sychlopropyltrifluoroborate)(113mg、766μmol)、パラジウム(II)アセタート(3.1mg、13μmol)及びブチル−ジ−1−アダマンチルホスフィン(15mg、42μmol)及び炭酸セシウム(681mg、2.09mmol)の溶液を、アルゴンで3回パージし、次に還流下で6時間加熱した。冷却後、反応混合物を1M水酸化ナトリウム水溶液とジクロロメタンに 分配した。水層を1M塩酸水溶液で酸性化し、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル、勾配 ジクロロメタン〜ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 90:10:0.25)が、標記化合物を生成した(104mg、60%)。白色の固体、MS:250.1(M+H)
+。
【0245】
テトラヒドロフラン−3−オールを、適切なアルコールにより置き換えて、以下の中間体を中間体6と同様にして生成した:
【0246】
【表9】
【0247】
中間体7
5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ニコチン酸
工程1: 5−ブロモ−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ニコチン酸
1−メチルピロリジン−2−オン(2mL)中の5−ブロモ−6−クロロニコチン酸(200mg、804μmol)及びテトラヒドロ−2H−ピラン−4−アミン(415mg、4.02mmol)の溶液を、マイクロ波照射下、密閉管中で220℃で15分間加熱した。反応混合物を真空下で濃縮し、クロマトグラフィー(シリカゲル、勾配 ジクロロメタン〜ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 90:10:0.25)により精製して、標記化合物を生成した(133mg、50%)。オフホワイトの固体、MS:299.0(M+H)
+。
【0248】
工程2: 5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ニコチン酸
標記化合物を、中間体6、工程2と同様にして、5−ブロモ−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ニコチン酸及びカリウムシクロプロピルトリフルオロボラートから、生成した。白色の固体、MS:263.2(M+H)
+。
【0249】
中間体8
6−(オキセタン−3−イルオキシ)−5−(トリフルオロメチル)ニコチン酸
標記化合物を、中間体6、工程1と同様にして、6−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ニコチン酸及びオキセタン−3−オールから、生成した。明黄色の固体、MS:262.1(M−H)
−。
【0250】
中間体9
3−シクロプロピル−4−(テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)安息香酸
工程1: メチル 3−ブロモ−4−(テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)ベンゾアート
アセトニトリル(2mL)中のメチル 3−ブロモ−4−ヒドロキシベンゾアート(200mg、848μmol)の懸濁液に、炭酸カリウム(234mg、1.7mmol)及び3−ヨードテトラヒドロフラン(354mg、1.70mmol)を加えた。反応混合物を80℃で16時間加熱し、次に氷水と酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、標記化合物を生成し(298mg、橙色の油状物)、これを次の工程においてそのまま用いた。
【0251】
工程2: 3−ブロモ−4−(テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)安息香酸
テトラヒドロフラン(2mL)及び水(2mL)中のメチル 3−ブロモ−4−(テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)ベンゾアート(294mg、840μmol)の溶液に、水酸化リチウム一水和物(70mg、1.7mmol)を加えた。反応混合物を室温で4時間撹拌し、次にテトラヒドロフランを除去するために部分的に蒸発させた。残留水溶液を1M塩酸溶液で酸性化した。沈殿物を濾過により集め、乾燥させて、標記化合物を与えた(210mg、87%)。白色の固体、MS:285.0(M−H)
−。
【0252】
工程3: 3−シクロプロピル−4−(テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)安息香酸
標記化合物を、中間体6、工程2と同様にして、3−ブロモ−4−(テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)安息香酸及びカリウムシクロプロピルトリフルオロボラートから、生成した。オフホワイトの固体、MS:247.1(M−H)
−。
【0253】
中間体9.1
3−シクロプロピル−5−(オキサン−4−イルメトキシ)安息香酸
メチル 3−ブロモ−4−ヒドロキシベンゾアートをメチル 3−ブロモ−5−ヒドロキシベンゾアートにより、及び3−ヨードテトラヒドロフランを4−(ヨードメチル)テトラヒドロ−2H−ピランにより置き換えて、標記化合物を中間体9と同様にして生成した。明褐色の固体、MS:275.3(M−H)
−。
【0254】
中間体10
5−(((3aR,6aR)−ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)メチル)−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール塩酸塩
工程1: (3aS,6aS)−tert−ブチル 5−((1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボキシラート
ジクロロメタン(10mL)及びN−メチルモルホリン(145mg、1.43mmol)中の(3aS,6aS)−tert−ブチル ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボキシラート塩酸塩(中間体3;356mg、1.43mmol)の清澄な溶液に、tert−ブチル 5−ホルミル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−1−カルボキシラート(CAS-RN 354587-73-8;425mg、1.72mmol)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(394mg、1.86mmol)及び酢酸(172mg、2.86mmol)を加えた。白色の懸濁液を室温で一晩16時間撹拌した。混合物を氷/酢酸エチル/飽和塩化アンモニウム水溶液に分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして蒸発させた。残留物を、クロマトグラフィー(シリカゲル、勾配 ジクロロメタン〜ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 90:10:0.25)により、標記化合物を生成した(247mg、50%)。白色の泡状物、MS:344.3(M+H)
+。
【0255】
工程2: 5−(((3aR,6aR)−ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)メチル)−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール塩酸塩
塩化水素溶液(2−プロパノール中5〜6M、5mL)中の(3aS,6aS)−tert−ブチル 5−((1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボキシラート(243mg、708μmol)の無色の溶液を、室温で4時間撹拌し、次に反応混合物を蒸発させた。残留物を酢酸エチルに懸濁し、沈殿物濾過により集めて、標記化合物を与えた(208mg、当量)。白色の固体、MS:244.2(M+H)
+。
【0256】
中間体11
2−(ジメチルアミノ)−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチン酸
工程1: メチル 6−(ジメチルアミノ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボキシラート
1−メチルピロリジン−2−オン(1mL)中のメチル 6−クロロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボキシラート(CAS-RN 6937-04-8;100mg、533μmol)及びジメチルアミン溶液(メタノール中2M、533μl、1.07mmol)の溶液を、マイクロ波照射下、密閉管中で190℃で10分間加熱した。反応混合物を氷/酢酸エチル/飽和塩化アンモニウム水溶液に分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして蒸発させた。残留物を、クロマトグラフィー(シリカゲル;酢酸エチル〜メタノールの勾配)により、標記化合物を生成した(23mg、22%)。黄色の固体、MS:197.1(M+H)
+。
【0257】
工程2: メチル 2−(ジメチルアミノ)−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチナート
アセトニトリル(2.5mL)中のメチル 6−(ジメチルアミノ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボキシラート(54mg、261μmol)の撹拌懸濁液に、炭酸カリウム(108mg、784μmol)及び4−(ヨードメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン(183mg、784μmol)を加えた。反応混合物を80℃で16時間撹拌し、次に直接蒸発させた。残留物を、クロマトグラフィー(シリカゲル;ヘプタン〜酢酸エチルの勾配)により、標記化合物を生成した(54mg、70%)。明黄色の油状物、MS:295.2(M+H)
+。
【0258】
工程3: 2−(ジメチルアミノ)−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチン酸
テトラヒドロフラン(1mL)及び水(1mL)中のメチル 2−(ジメチルアミノ)−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチナート(54mg、183μmol)の溶液に、水酸化リチウム一水和物(15.4mg、367μmol)を加え、得られた混合物を室温で4時間撹拌した。テトラヒドロフランを除去するために、混合物を部分的に蒸発させた。残留水溶液を、1M塩酸水溶液で酸性化した。沈殿物を濾過により集め、乾燥させて、標記化合物を与えた(24mg)。母液を固体の塩化ナトリウムで飽和させ、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、標記化合物の別の生成物(crop)を与えた(20mg)。総収率:44mg(86%)。白色の固体、MS:279.1(M−H)
−。
【0259】
中間体12
6−(((3aR,6aR)−ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)メチル)ベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン塩酸塩
標記化合物を、tert−ブチル 5−ホルミル−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−1−カルボキシラートを2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボアルデヒド(CAS-RN 54903-15-0)により置き換えて、中間体10と同様にして生成した。白色の固体、MS:260.1(M+H)
+。
【0260】
中間体13
(3aR,6aR)−2−[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−カルボニル]−1,3,3a,4,6,6a−ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−5−カルボニルクロリド
ジクロロメタン(2mL)中の(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)ピリジン−4−イル)((3aS,6aS)−ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)メタノン塩酸塩(中間体1.1;100mg、223μmol)及びN−メチルモルホリン(67.7mg、669μmol)の無色の溶液に、ジクロロメタン(2mL)中のトリホスゲン(33.1mg、112μmol)の溶液を0℃で滴下した。黄色の溶液を0℃で30分間、次に室温で16時間撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液及びジクロロメタンに分配した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、標記化合物を生成し(114mg、白色の泡状物)、これを次の工程においてそのまま用いた。
【0261】
中間体13.1
(3aR,8aS)−6−[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−カルボニル]−1,3,3a,4,5,7,8,8a−オクタヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2−カルボニルクロリド
(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)ピリジン−4−イル)((3aS,6aS)−ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)メタノン塩酸塩(中間体1.1)を、(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)ピリジン−4−イル)((3aR,8aS)−オクタヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−6(7H)−イル)メタノン塩酸塩(中間体1.2)により置き換えて、標記化合物を中間体13と同様にして生成した。明褐色の泡状物、MS:462.3(M+H)
+。
【0262】
中間体14
(5−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)ピリジン−3−イル)((3aS,6aS)−ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)メタノン塩酸塩
工程1: (3aR,6aR)−tert−ブチル 5−(6−クロロ−5−シクロプロピルニコチノイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボキシラート
N,N−ジメチルホルムアミド(12mL)中の(3aR,6aR)−tert−ブチル ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボキシラート塩酸塩(中間体3.1;600mg、2.41mmol)、4−メチルモルホリン(1.22g、12.1mmol)及び6−クロロ−5−シクロプロピルニコチン酸(CAS-RN 1211588-13-4;502mg、2.41mmol)の無色の溶液に、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロ−ホスファート(1.01g、2.65mmol)を室温で加え、次に18時間後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして蒸発させた。残留物を、クロマトグラフィー(シリカゲル、勾配 ジクロロメタン〜ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 90:10:0.25)により、標記化合物を生成した(1.02g、定量)。明黄色の固体、MS:392.3(M+H)
+。
【0263】
工程2: (3aR,6aR)−tert−ブチル 5−(5−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)ニコチノイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボキシラート
(3aR,6aR)−tert−ブチル 5−(6−クロロ−5−シクロプロピルニコチノイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボキシラート(300mg、712μmol)を、ジメチルスルホキシド(6mL)、粉末の水酸化カリウム(139mg、2.14mmol)及び(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メタノール(CAS-RN 14774-37-9;131mg、1.07mmol)と合わせた。反応混合物を室温で18時間撹拌し、次に氷水と酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして蒸発させた。残留物を、クロマトグラフィー(シリカゲル、勾配 ジクロロメタン〜ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 90:10:0.25)により、標記化合物を生成した(340mg、定量)。白色の泡状物、MS:472.4(M+H)
+。
【0264】
工程3: (5−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)ピリジン−3−イル)((3aS,6aS)−ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)メタノン塩酸塩
塩化水素溶液(2−プロパノール中5〜6M)(4mL)中の(3aR,6aR)−tert−ブチル 5−(5−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)ニコチノイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボキシラート(336mg、705μmol)の無色の溶液を、室温で2時間撹拌し、次に反応混合物を蒸発させて、標記化合物を与えた(299mg、定量)。白色の泡状物、MS:372.3(M+H)
+。
【0265】
中間体15
((3aR,8aS)−オクタヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2(1H)−イル)((R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)メタノン
工程1: (3aR,8aS)−6−ベンジル 2−tert−ブチル ヘキサヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2,6(1H,7H)−ジカルボキシラート
アセトン(5mL)及び水(5mL)中の(3aR,8aS)−tert−ブチル オクタヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2(1H)−カルボキシラート塩酸塩(CAS-RN 1251013-07-6;505mg、1.82mmol)の溶液に、炭酸ナトリウム(387mg、3.65mmol)を加えた。反応混合物を0℃に冷却し、ベンジルカルボノクロリダート(benzyl carbonochloridate)(328mg、1.82mmol)を加えた。30分後、氷浴を取り外し、次に23時間後、反応混合物を氷と酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして蒸発させた。残留物を、クロマトグラフィー(シリカゲル;ヘプタン〜酸エチルの勾配)により、標記化合物を生成した(625mg、91%)。明黄色の油状物、MS:319.2(M−イソブテン+H)
+。
【0266】
工程2: (3aR,8aS)−ベンジル オクタヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−6(7H)−カルボキシラート塩酸塩
塩化水素溶液(2−プロパノール中5〜6M、5mL)中の(3aR,8aS)−6−ベンジル 2−tert−ブチル ヘキサヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2,6(1H,7H)−ジカルボキシラート(605mg、1.62mmol)の無色の溶液を、室温で20時間撹拌し、次に反応混合物を蒸発させた。残留物をtert−ブチルメチルエーテル及び酢酸エチルに懸濁し、沈殿物を濾過により集めて、標記化合物を与えた(455mg、91%)。白色の固体、MS:275.1(M+H)
+。
【0267】
工程3: (3aR,8aS)−ベンジル 2−((R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボニル)オクタヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−6(7H)−カルボキシラート
N,N−ジメチルホルムアミド(8mL)中の(3aR,8aS)−ベンジル オクタヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−6(7H)−カルボキシラート塩酸塩(446mg、1.43mmol)、4−メチルモルホリン(726mg、7.17mmol)及び(R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボン酸(中間体4;240mg、1.43mmol)の明褐色の溶液に、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロ−ホスファート(546mg、1.43mmol)を室温で加え、次に18時間後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして蒸発させた。残留物を、クロマトグラフィー(シリカゲル、勾配 ジクロロメタン〜ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 90:10:0.25)により、標記化合物を生成した(591mg、97%)。白色の泡状物、MS:424.3(M+H)
+。
【0268】
工程4: ((3aR,8aS)−オクタヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2(1H)−イル)((R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−イル)メタノン
メタノール(3mL)及び1M塩酸塩(hydrochloride acid)水溶液(3mL)中の(3aR,8aS)−ベンジル 2−((R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボニル)オクタヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−6(7H)−カルボキシラート(567mg、1.34mmol)の溶液を、周囲温度で18時間、3barで水素化した。溶媒を蒸発させた。残留物を、ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 90:10:0.25に1時間懸濁し、次に不溶性物質を濾過により除去した。濾液を蒸発させて、標記化合物を与えた(367mg 95%)。白色の泡状物、MS:290.2(M+H)
+。
【0269】
中間体16
[(3aS,8aR)−2,3,3a,4,5,7,8,8a−オクタヒドロ−1H−ピロロ[3,4−d]アゼピン−6−イル]−[3−シクロプロピル−5−(オキサン−4−イルメトキシ)フェニル]メタノン
工程1: (3aR,8aS)−tert−ブチル 6−(3−シクロプロピル−5−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)ベンゾイル)オクタヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2(1H)−カルボキシラート
4−((3aR,6aS)−オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩をtert−ブチル(3aS,8aR)−3,3a,4,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ−1H−ピロロ[3,4−d]アゼピン−2−カルボキシラート(CAS-RN 1251013-07-6)により、及び5−シクロプロピル−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ニコチン酸を3−シクロプロピル−5−(オキサン−4−イルメトキシ)安息香酸(中間体9.1)により置き換えて、標記化合物を実施例2と同様にして生成した。白色の泡状物、MS:521.3(M+Na)
+
【0270】
工程2: [(3aS,8aR)−2,3,3a,4,5,7,8,8a−オクタヒドロ−1H−ピロロ[3,4−d]アゼピン−6−イル]−[3−シクロプロピル−5−(オキサン−4−イルメトキシ)フェニル]メタノン
ジクロロメタン(10mL)中の(3aR,8aS)−tert−ブチル 6−(3−シクロプロピル−5−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)ベンゾイル)オクタヒドロピロロ[3,4−d]アゼピン−2(1H)−カルボキシラート(707mg、1.4mmol)の無色の溶液に、トリフルオロ酢酸(1.6g、14mmol)を加えた。反応混合物を室温で14時間撹拌し、次に濃縮し、そして残留物を酢酸エチルと2M水酸化ナトリウム水溶液に分配した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、標記化合物を生成した(564mg、定量)。明黄色の泡状物、MS:399.3(M+H)
+。
【0271】
中間体16.1
[(3aS,6aS)−2,3,3a,4,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピロール−5−イル]−[3−シクロプロピル−5−(オキサン−4−イルメトキシ)フェニル]メタノン
tert−ブチル(3aS,8aR)−3,3a,4,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ−1H−ピロロ[3,4−d]アゼピン−2−カルボキシラートを、(3aR,6aR)−tert−ブチル ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボキシラート(中間体3.1)により置き換えて、標記化合物を中間体16と同様にして生成した。明黄色の泡状物、MS:371.3(M+H)
+。