(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6553639
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】乗客用高架都市交通システム
(51)【国際特許分類】
B61B 3/02 20060101AFI20190722BHJP
B61D 19/00 20060101ALI20190722BHJP
E01F 1/00 20060101ALI20190722BHJP
B60L 13/00 20060101ALI20190722BHJP
E01B 25/00 20060101ALN20190722BHJP
【FI】
B61B3/02
B61D19/00 B
E01F1/00
B60L13/00 A
!E01B25/00 Z
【請求項の数】12
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-560332(P2016-560332)
(86)(22)【出願日】2014年12月16日
(65)【公表番号】特表2017-504524(P2017-504524A)
(43)【公表日】2017年2月9日
(86)【国際出願番号】MX2014000206
(87)【国際公開番号】WO2015093931
(87)【国際公開日】20150625
【審査請求日】2017年12月11日
(31)【優先権主張番号】MX/A/2013/015095
(32)【優先日】2013年12月18日
(33)【優先権主張国】MX
(31)【優先権主張番号】P20140104553
(32)【優先日】2014年12月5日
(33)【優先権主張国】AR
(73)【特許権者】
【識別番号】593232701
【氏名又は名称】サモラノ モルフィン、ルイス ロドルフォ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】サモラノ モルフィン、 ルイス ロドルフォ
【審査官】
諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2010/0319565(US,A1)
【文献】
中国特許出願公開第101380954(CN,A)
【文献】
国際公開第97/020721(WO,A1)
【文献】
独国特許出願公開第04310904(DE,A1)
【文献】
米国特許第03890904(US,A)
【文献】
特開昭59−006168(JP,A)
【文献】
特開2007−120299(JP,A)
【文献】
米国特許第05566620(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 13/00
B61B 3/02
B61D 17/04
B61D 19/00
B61L 27/04
E01B 25/00−25/34
E01F 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管上で輸送される複数の自律乗客キャビンから成るタイプの乗客用高架都市交通システムであって、
2つの水平な又は傾斜した平行な管を備え、前記管は同様に平行な第3の上側管と共に三角形断面を有する複合管状構造の一部を形成し、垂直に傾斜した真っすぐなポールと斜めのブレースによって大きな剛性を与える基礎構造であって、前記複合管状構造は、設置地形の特定の条件及び都市における障害物を取り除くために必要な高さの要件に応じて所定の間隔にあるポールにより路面上に高く支持されている、基礎構造を備え、
或いは、所定の間隔で設置されたポールによって支持される2つの平行な傾斜した又は水平な管を備える別の実施形態があり、ポールは頂上を三角構造によって覆われ、三角構造はその両側頂点で交通システムの両移動方向用の静止スチールケーブルを支持し、フックの各々から複数の自律乗客キャビンが移動する両方の主管状軌道を支持する可変長の吊り下げポールが下り、主管状軌道は軌道の反対側がキャビンの動作のために自由であるように下部で吊り下げフックにより支持され、
主管状軌道の一部であるダイバーターは水平方向に柔軟であり、軌道を駅に及び駅から主軌道に偏向することを意図しており、制御システムの要求に応じて、電気式又は油圧又は空気圧式アクチュエーターによって操作され、
前記交通システムは、
i.利用者が高架交通システムにアクセスすることができる手段を提供することを目的とする、ターミナル及び中間の両方の乗客駅であって、エスカレーター及びエレベーターを備える乗客駅と、
ii.2ヶ所又は最大3ヶ所の乗客キャビンであって、キャビンはそれらの牽引及び制御手段に関して自律的であり、キャビンは座席と旋回式前方ドア又は前方リフトゲートを備えており、構造的な吊り具が基礎構造の管状軌道上を走る牽引プーリーのケースでキャビン補強材の金属フレームからキャビンを連結し、前記ケースの内部には電気モーターに直接又は減速装置を介して接続されている牽引シーブが配置されており、軌道管の下部にある電気絶縁体から吊り下げられて延びる裸線に電気ブラシを介して接触するトロリー又はバッテリーによって電力供給を受けるキャビンと、
iii.キャビンの自律的な電気モーターのトロリー用の裸線に電力ケーブルを介して供給するために輸送ライン上に適切に分散された変電所によるエネルギー供給システムと、
iv.サーボ制御装置のドライバー、プログラマブル論理制御装置(PLC)、遠隔端末装置(RTU)、センサー及び制御ボタンを含み、プログラミングに応じて、有線及び無線信号と無線周波数を介して乗客駅のPLCとひいてはマスター制御システムのPLCと通信を行う、キャビン制御及び自動化システムと、
v.特定のキャビンを駅に移動させ且つその逆で第2ダイバーターを経由して駅から主管状軌道に戻すために、各駅のPLCから軌道ダイバーターの電気式アクチュエーターに操作信号が送られるように、キャビンの設定された仮目的地を検出することを可能にする、管状軌道上及び各キャビン内のセンサーシステムと、
vi.主軌道上と管状駅内の両方で、キャビン間の距離の修正、エンジンの始動及び停止、加速及び減速を可能にするために、システム全体に対する各キャビンの相対位置を常にリアルタイムで知ることを可能にする、SCADA型データ収集システムを備えたマスター制御システムと
を更に含む、乗客用高架都市交通システム。
【請求項2】
前記キャビンは、1つ又は2つの駆動プーリーと、1つ又は2つの電気モーターとを更に備えることを特徴する、請求項1に記載の乗客用高架都市交通システム。
【請求項3】
前記駅は、前記キャビンが乗客の乗り降り用にただ1つの玄関口を有するように、前記キャビンを90°回転させるため及びレールを用いて前記キャビンを前記駅に転送するための機構を含むことを特徴とする、請求項1に記載の乗客用高架都市交通システム。
【請求項4】
前記キャビンを90°回転させるための機構は、前記キャビン吊り下げサポートの下部に配置されたボールから成ることを特徴とする、請求項3に記載の乗客用高架都市交通システム。
【請求項5】
前記主管状軌道は、その最上肩部に、荷重及び風によって引き起こされ得る前記キャビンにおける不均衡を回避するスタビライザーバーを有し、前記スタビライザーバーは、前記乗客キャビンをそれらの移動中に常に垂直位置に保持することを特徴とする、請求項1に記載の乗客用高架都市交通システム。
【請求項6】
前記ダイバーターは、前記制御システムの要求に応じて電気式又は油圧又は空気圧式アクチュエーターによって作動されることを特徴とする、請求項1に記載の乗客用高架都市交通システム。
【請求項7】
前記キャビンは、ヒンジ式ドア又は昇降式ドア用の開閉システムを有し、また、一時的に目的地を設定することを可能にするボタンを備えたコマンドパネルと、Wi−Fiなど又は光ファイバ無線システムによって、目的地駅で前記キャビンを方向転換させること、加速及び減速、エンジン停止及び始動のために駅の制御システムと通信を行う位置決めなどの制御システムとを含むことを特徴とする、請求項1に記載の乗客用高架都市交通システム。
【請求項8】
前記エネルギー供給システムはまた、分電及び保護盤を介して駅及び制御システムに電力を供給することを特徴とする、請求項1に記載の乗客用高架都市交通システム。
【請求項9】
前記無線信号は、Wi−Fiのようなものであり、光ファイバーケーブルを介して配線されていることを特徴とする、請求項1に記載の乗客用高架都市交通システム。
【請求項10】
前記マスター制御及び自動化システムは、それにより、無駄なエネルギー消費、及び前記キャビンの駆動部を構成する構成要素の耐用年数の短縮を回避するか、又は保守のために、非ラッシュ時の需要がない空のキャビンを循環から取り除くように作用することを特徴とする、請求項1に記載の乗客用高架都市交通システム。
【請求項11】
前記マスター制御システムは、ラッシュアワーに近づいたとき及び輸送需要が増加したときに、前記キャビンを前記交通システムに再統合するように作用することを特徴とする、請求項1に記載の乗客用高架都市交通システム。
【請求項12】
管上で輸送される複数の自律乗客キャビンから成るタイプの乗客用高架都市交通システムであって、
構造システムに高い剛性をもたらす等間隔の傾斜した支柱及び対角線の金属ストラップによって互いに接続された2つの下部水平管と1つの上部水平管によって形成される三角形断面の金属構造体を備え、
前記金属構造体は、前記交通システムが都市において交通車両、樹木、及び特定高さの他の障害物から安全な高さに設置されるように、支持間隔間の梁として機能し且つ都市において路面又は道路より上に持ち上げられており、
構造的な梁として機能する以外に、下部金属管は乗客キャビンがその背面に沿って移動する双方向軌道として機能し、従って十分な剛性を有し且つ一方の側に遮るもののない無限軌道を提供し、前記無限軌道は、前記交通システムの様々な駅に接続し且つその自重に加えて前記キャビン及び乗客の重量、動荷重、風荷重及び発生する可能性のある地震の荷重に耐えることができ、管及び間柱から成る前記三角形断面は、構造的な柱及び塔によって路面の自然地盤よりも高くなっていることを特徴とする、乗客用高架都市交通システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多くの人々が日常的に使用されるルートで勉強、仕事、楽しみ等のために集まる必要性を感じている都市環境において、既に他のルートを飽和状態にしている都市人口の増加によってその需要が増加している、水平乗客輸送手段に関する。
【背景技術】
【0002】
都市の発達は、移動する距離、そのために必要な時間、安全性及び快適性に基づいて移動のニーズを変化させてきたため、数十年にわたって馬等の動物、カート、自転車、車、路面電車、バス、地下鉄、オートバイ、スキーリフト、ケーブルカー及びヘリコプターが使用されてきた。
【0003】
提案されるカスタマイズされた高架都市交通(TUEP)は、都市で採用される、混雑していないスペースを利用して連続的且つ大量に乗客を輸送するための代替的なシステムである。
【0004】
スキーリフトのような他のタイプのキャビンでの輸送手段は既にあるが、それらは、一般にケーブルで連結され且つレール上を走行する2つのキャビンから成り、一方のキャビンを他方が下に移動する間に上昇させる登山鉄道、電気モーター及び減速機によって駆動される2つの巨大なプーリー間に張られたスチールケーブルによって支持され且つ引っ張られるキャビン又は椅子からなるケーブルカーを提供することを目的とし、製造業で広く使用される装置であり、荷物を運ぶかレール上のキャビンであることができ且つ電動式スプロケットにより駆動されるベアリングを備えた特別な鎖によって引っ張られるモノレールも存在する。
【0005】
スキーリフトとケーブルカーの両方がキャビンを出発地から目的地へ輸送し、モノレールはキャビンを出発地から複数の駅へ順番に輸送する。3つの場合の全てにおいて、全体荷重が厳密に直列に配置され、あらゆる停止又は移動が全体荷重に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の主な目的は、車、トラック、電車、路面電車、自転車、歩行者等によって混雑していない道路などの都市空間を利用し、且つ安全性、スピード、容量、経済性、快適性、持続可能性の目標を満たす、都市における大規模な乗客輸送手段のための新たなシステムを提案することである。
【0007】
本発明の更なる目的は、人々の高まる都市モビリティニーズを解決又は緩和するのに十分な容量を有する乗客輸送手段を提供することであり、従って、その流れは、大規模な公共交通機関として使用されることを保証するのに十分でなければならない。
【0008】
本発明の別の目的は、全ての年齢及び状態の未熟練者が使用することができるように、絶対確実ではないが、安全な輸送手段を実現することである。
【0009】
更なる目的は、利用者が従来の輸送手段に対する競争上の優位性に気づくように、迅速な輸送手段を提案することである。
【0010】
更なる目的は、大気を汚染せず、且つ騒音公害を発生させないか、都市の美観に影響を与える輸送手段を実現することである。
【0011】
別の目的は、投資、運用及び保守の分野で経済的な輸送手段を実現することである。
【0012】
更なる目的は、利用者に広く受け入れられるように、使いやすく且つ快適に使用できる輸送手段を実現することである。
【0013】
最後に、更なる目的は、短期、中期、長期的に社会に受け入れられるように、持続可能な交通システムを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
新しい発明によれば、発明を特徴づける技術革新は以下のとおり示される。
【0015】
高架管状軌道を使って乗客キャビンを支持する構造的な方法がいくつかある。
【0016】
A.好ましい実施形態は、
a)構造システムに大きな剛性を提供する等間隔の傾斜した支柱と対角線の金属ストラップとによって互いに接続された2つの下部水平管と1つの上部水平管を備える三角形断面の金属構造体である。前記複合構造体は、支持間隔間の梁として機能し、交通システムが都市の交通車両、樹木及び特定の高さの他の障害物から安全な高さに設置されるように、都市において路面又は道路より上に持ち上げられている。
【0017】
b)構造梁として機能する以外に、下部金属管は乗客キャビンがその背面に沿って移動する双方向軌道として機能し、従って十分な剛性を有し且つ一方の側に遮るもののない無限軌道を提供し、この無限軌道は、交通システムの様々な駅に接続し且つそれ自体の重量に加えてキャビン及び乗客の重量、動荷重、風荷重及び発生する可能性のある地震の荷重に耐えることができる。管及び間柱から成るこの三角形断面は構造的な柱及び塔によって路面の自然地盤よりも高くなっているので、システム全体が存在しているカスタマイズされた高架都市交通の交通システムの基礎構造を表す。
【0018】
B.特に非常に長い経路間隔に使用することができる上述の基礎構造の一実施形態は以下のとおりである。
【0019】
a)吊り下げフックを使ってキャビンが走行する水平管状軌道を支持する2つの別個の静止スチールケーブルを支持する、適切に接地された長いポールから成る高架輸送手段であることを特徴とするシステム。各ケーブルはシステムの方向性に対応しており、すなわちそれは双方向である。スチールケーブルは、それに対して横断方向の三角形金属構造体に支持され、三角形金属構造体はポールの上端に配置され且つサスペンション型の末端を用いてスチールケーブルを保持し、それによりポール間の空間にカテナリーを形成する。ケーブルは、それらの自重、抗張力に加えて、管状軌道の重量、キャビン及び乗客の重量、運動の動荷重、風、地震、場合によっては雪の荷重を支持することができる。
【0020】
b)垂直吊り下げフックは離間した関係で静止スチールケーブルから吊り下げられており、管状軌道を支持することを意図している。フックの上端は、スチールワイヤを確実に締め付け且つ垂直直線部分と接続するクランプ型のものであり、垂直直線部分は、上端がカテナリーの形状に適合し且つ下端が管状軌道である水平位置に適合するように長さが調整可能である。フックの形状は、駆動プーリー及びキャビンエンジンの通過を妨げることなく、管状軌道を下部で支持する必要性に対応する。同様に、フックは、キャビンの各々に電力を供給するトロリーに電力を供給する裸電線のサポートとして機能する。
【0021】
C.管状軌道は、鋼又は他の金属若しくは重量プラスチックの材料で作られることができ、その上を乗客キャビンが走行する。軌道の最上部には矩形若しくは三角形であるか又はレールの形状を有することができるスタビライザーバーがあり、その機能は、輸送される荷重が重量の付加に対して適切にバランスを保っていない場合、又はキャビンを不安定にし且つ乗客に不快感を与える可能性がある横風が発生した場合に、キャビンの垂直状態を維持することである。このバーは、駆動プーリーの回転をプーリーに均等に成形された溝によって垂直基準線上に維持する。
【0022】
D.好ましくは管状軌道から吊り下がっている、2人又は最大3人の乗客用の自律キャビン。前記キャビンは、その動きに関して自律的であり、閉じた容器、構造的な吊り下げ部、1つ又は2つの駆動プーリー、及び1つ又は2つの電気モーターから構成されている。駆動プーリーは、管状軌道の上背部で回転し、管の外周に正確に一致する形状又は輪郭を有する。プーリーの内側は、プーリーがそのヨー運動において管状軌道上でスリップするのを防ぐのに必要な摩擦を提供する、ゴム又はエラストマーで覆われている。プーリーは、充填ベアリング又はドライブッシング若しくは潤滑ブッシングなどの減摩部材を備えている。この全てが、キャビンの垂直サポートが接続される構造要素に含まれている。また、これらの構成要素から、各キャビンのエンジン又は自律的な電気モーターが支持され、その回転軸によって駆動プーリーとしっかりと接続し、駆動プーリーを管状軌道上で回転させる。
【0023】
E.キャビンの運動をもたらす要素は、直接又は必要に応じて減速機によってプーリーに接続された電気モーターである。モーターは直流又は交流電流を可変速度で使用するが、キャビン間の距離を一定に保つ動作を達成するべくキャビン間の完全な同期を有するようにすることができる。斜面の傾斜によって必要とされるルートのために、直列に連結された2つのモーターがあってもよい。モーター用の電力はカテナリーとして配線された裸線から供給され、カテナリーはトロリーのような格納式アームと接触し、格納式アームはエンジンに基づいており、又はスタビライザーバー又はキャビンを支持する吊り具に取り付けられた駆動体と電気ブラシを介して接触する。非常時運転用のバックアップバッテリー。
【0024】
F.自律吊りキャビネットは、同様にアルミニウム、グラスファイバー又は炭素繊維で作ることができる昇降式前面又は側面ヒンジ式ドアと組み合わせて、その構造部分に関してアルミニウム等の軽い材料で作ることができる。乗客席もまた軽量であるべきであり、キャビンの構造部分により支持される。前方に通じているか又は回転可能に持ち上げることができるドアを有する前面は、ゲートとして乗客の出入りを可能にし、乗客が別の乗客の前を通る必要があるサイドドアによってもたらされる不快感を回避する。リフトゲートは、車の後部リフトゲートに使用されるものと同様のばね、油圧又はガスダンパー、及びロックのシステムを備えている。それらはまた、ドアが部分的に又は完全に開いた状態でキャビンが移動しないことを保証し、従って事故を防止するためにセンサーを備えている。ヒンジ式サイドドアを有するキャビンは、完全に実現可能な代替手段であり、横方向外側の機構で同時に開き且つ上記ばね及びダンパーを必要としない。
【0025】
G.乗客のTUEPへのアクセスのために、システムは駅を有し、駅でキャビンが一時的に停止され、フロント又はサイドドアが開き、乗客の乗り降りが達成される。システムは、状況の必要性に応じて、3種類の駅、i)TUEPの移動が始まり、終わる、ターミナル駅、ii)管状軌道に対して平行な縦方向の中間駅、iii)管状軌道の方向に対して横方向の中間駅を有する。中間駅は、所定の間隔で設置され、ターミナル駅に行く必要がない乗客の出発地及び目的地として機能する。管状軌道に平行な縦型の駅と横型の駅は、同じ動作特徴を有するが、異なる構造上のレイアウトを有する。全てのタイプの駅がTUEPの軌道レベルまで持ち上げられているので、乗客用エスカレーター又はエレベーターがアクセスする間、地上レベルでの車両又は歩行者の動きも中断することなく可能である。
【0026】
H.特定の中間駅に向かうキャビンのみを上記主管状軌道から迂回させ、前記目的地へ向かっていないキャビンの流れが中断することなくそれらの行程を続けることを可能にし、移動時間と始動及び停止におけるエネルギーを節約する。キャビンの迂回は後述する早期検出によって及びダイバーターの作動によって達成され、ダイバーターはこの場合、円弧部を形成することによって駅又は駆動幹線に軌道の連続性をもたらすことを可能にする水平方向に柔軟な管状軌道である。ダイバーターは、自動化システムコマンドの要求に応じて、正確且つ迅速な動作を確実にする、電気式又は油圧又は空気圧式アクチュエーターを備えている。キャビンがその後、行程を続けるべくTUEPシステムのメインフローに入ることを可能にするために、同様のダイバーターが設置される。
【0027】
I.駅にある管状軌道は、各駅の状況と同じように多少延ばされたU字形状を有する。
【0028】
J.駅でのエンジンへの電力供給は、TUEP管状軌道におけるキャビンのメインフローに影響を与えずに、キャビンが他の真の低速で移動し且つ乗客の昇降のためにそれらの制動及び検出領域を有することができるように、桁軌道へのエンジン出力とは無関係である。
【0029】
K.駅は、乗車が最適な状態にあるように、乗客昇降領域にキャビン安定制動システムを備え、利用者を困らせる場合がある縦方向及び横方向の動きを回避する。同様に、駅は、それらが乗客の昇降のために唯一の正面玄関を有し、キャビンの移動ラインを横断する必要がないという安全条件が保たれるように、キャビンを90°回転させる機構を有する。
【0030】
L.TUEPの完全なシステムは、有線及び無線センサーを使って各キャビンの位置とその目的地を特定するSCADA(監視制御及びデータ収集)型の、中央マスター自動化システムと各キャビン用の個別の自動化システムによって制御されるので、各キャビンは速やかに駅の各々に迂回させることができ、その後それらはTUEPのメインシステムに再び入れられる。このような特定の使用に適合させることができるPROFIBUSやPROFINETなどのオープンプロトコルの市販のWi−Fi(無線通信)システムがあり、それらについては既に市場で入手可能なので更なる説明はしないが、確実に特定の特性化及びプログラミングを必要とする。各キャビンは、乗車する利用者が目的駅を設定するキーパッドを備えており、目的駅は駅の各乗客用乗り場にあるバッファ又はWi−Fiのような目的地プログラミングトリガーに記録される。前記目的地は、キャビンを迂回することなく通過させるか又はダイバーターを使って中間基準駅にキャビンを運ぶために、Wi−Fiアンテナを介して各駅のダイバーターにある受信アンテナに送信される。ダイバーターが作動すると、ダイバーターはTUEP軌道の通常の真っすぐな位置に戻る。制御システムは、キャビンの継続的な監視を行うことを担当するだけでなく、速度、加速、減速、制動、キャビン間の距離、目的地、キャビンの駅への進路変更、キャビンの中央フローへの復帰、及びセキュリティシステムを維持する。
【0031】
M.安全で動作可能な通信乗客交通システムを維持するために、システムは、自動操縦、シグナリング、発券システム、音声及びデータ通信システム、ビデオシステム、及び電力供給制御切り替え可能システムを維持する集中制御装置を備えた光ファイバーサブシステムを有する。
【0032】
N.駆動ラインの電圧降下を防ぐために適切に分散された配電変電所から成るだけでなく、駅及びその啓発を制御するために電力を供給する、TUEP及びその駅に沿った電力分配システム。また、TUEP全体は、静止したケーブルを支持するポールに取り付けられている従来のアース及び避雷器のネットワークによって保護されている。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】好ましい実施形態におけるTUEP、ターミナル駅及び2つの中間駅の平面図を示す。ルート部分の直線長さは、描画サイズによって示されていない。
【
図2】ターミナル駅と2つの中間駅を有する、好ましい実施形態におけるTUEPの立面図を示す。ルート部分の直線長さは、描画サイズによって示されていない。
【
図3】ターミナル駅と2つの中間駅を有する、好ましい実施形態におけるTUEPの等角図を示す。ルート部分の直線長さは、描画サイズによって示されていない。
【
図8】ターミナル駅と2つの中間駅を有する、代替的な実施形態におけるTUEPの平面図を示す。ルート部分の直線長さは、描画サイズによって示されていない。
【
図9】ターミナル駅と2つの中間駅を有する、代替的な実施形態におけるTUEPの立面図を示す。ルート部分の直線長さは、描画サイズによって示されていない。
【
図10】ターミナル駅と2つの中間駅を有する、代替的な実施形態におけるTUEPの等角図を示す。ルート部分の直線長さは、描画サイズによって示されていない。
【
図11】代替的な実施形態のターミナル駅の等角配置を示す。
【
図12】代替的な実施形態の縦方向中間駅の等角配置を示す。
【
図13】代替的な実施形態の横方向中間駅の等角配置を示す。
【
図14】下部軸受を有する真っすぐな位置にあるキャビンダイバーターを示す。
【
図15】駅に向かっている湾曲位置にあるキャビンダイバーターを示す。
【
図16】乗客キャビンをその駆動システムと共に示す。
【
図18】駅用の90°回転スイベルを備えた、キャビンに対する駆動システムの吊りフックを示す。
【
図19】交通システム全体の自動化及び制御のためのシステムの構造のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
添付の図面、特に
図1、2及び3を参照すると、本発明のTUEPは、都市の通りより高い二重交通縦方向軌道(1)によって形成された高架都市交通システムを備える。管状軌道は、鉄筋コンクリートの基礎(図示せず)によって都市の地面にしっかりと立てられた一連のポール(2)によって吊るされている。我々は、架けられる間隔、軌道の高さ、その他の地震、風又は雪の条件に起因するニーズに従って、高架の管状軌道を支持する2つの異なる方法を検討した。
【0035】
好ましい実施形態は、支柱、両方向の管状軌道それ自体、管状軌道に対して平行な第3の縦方向管(3)、上記管と二等辺三角形又は正三角形を形成する角管間柱(4)、及びシステムに大きな剛性を提供する斜めブレース(5)によって構成された、複合構造体フレームで構成されている。同様に、乗客駅の構造は、三角形の複合断面を形成する管状要素で構成されている。
【0036】
管状軌道を支持する他の方法は以下の通りである。
図8、9、10、11、12及び13を参照すると、ポール(6)の上端には金属構造体(7)が配置されており、金属構造体は、送電線(図示せず)で使用されるような懸垂クランプを使ってTUEPの各方向に1つずつ静止ケーブル(8)を支持するのに役立つ。静止ケーブル(8)は自重によってそれらが設置される張力に応じて可変の高さのカテナリーを形成し、そのために、TUEPラインの長さのニーズに応じて、最初と最後のターミナル駅及びいくつかの中間駅に保持アンカーが設置されている。静止ケーブルの材料は、気象条件に応じて、鋼の種類を選択しなければならない、高能力を有する撚りスチールワイヤである。しっかりと吊るされた可変長の金属製フック(9)が各々所定の距離で離間しており、金属製フックは、管状軌道が完全に水平方向に平らにされるか又はTUEPの地理的な傾斜によって計画される傾きを有するように、それらの下部に管状軌道(1)を保持するために垂直に垂れ下がる。金属製フック(9)は、管状軌道が移動したり離れたりしないように、それらの下端部を管状軌道(1)の底壁に取り付けて支持する。TUEPの両側の垂直方向のフックの間には、キャビンを振り子状に動かす傾向がある風の場合にシステムに安定性をもたらすのに役立つ、X字形の交差ブレースがある。
【0037】
図10は、代替的な実施形態では管状型であること、及びその自重と満員のキャビンの重量によってカテナリーを形成しないことを保証する直径、厚さ及び材料を特徴とする管状軌道(1)を示す。管状軌道の最上端にはスタビライザーバー(11)が取り付けられており、スタビライザーバー(11)は、風又は積載荷重のバランスの欠如によるキャビンの横方向の推力により、キャビンとその牽引プーリーの位置が傾けられないように、三角形、長方形であるか又はレールとして成形することができる。牽引プーリーは、それらの底部に必然的にスタビライザーバー(11)に係合する同様の溝を有する必要がある。
【0038】
図1、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13に示される乗客キャビン(12)は全体として、基本的に3つの部分、プーリー(18)及び金属フレーム(19)からなる駆動部、モーター(20)及びレデューサー(21)、乗客収容部(23)のための吊り下げサポート(16)及び(28)で構成される。駆動部は1つ又は2つの金属製プーリー(18)を含み、プーリーは、管状軌道の背面を転がり且つ軌道管径と同一の内径を有するだけでなく、それが転がったりスライドしたりしないようにプーリーと管状軌道との間に十分な摩擦を提供するために、内側がゴム又は交換可能なエラストマーでコーティングされている。駆動プーリー(18)は、それらの端部で転がり軸受とそれを保持する金属フレーム(19)によって支持されている。1つ又は2つの牽引プーリーは、それぞれのモーター(20)及び歯車(21)と共に、キャビンに大きな安定性を提供するだけでなく、いずれかの電気モーターが故障した場合にシステム全体に大きな安全性を与えながら増大した牽引力を提供するために、各キャビンにおいて使用することができ、それにより緊急の場合には他方の電気モーターがキャビンを次の駅まで搬送することができ、次の駅でキャビンをシステムから取り外し且つ乗客をそこから救出する。この金属フレームからキャビンの吊り下げサポート(16)がしっかりとねじ込まれ、キャビンの構造体まで垂直に下降する。電動モーター(20)の取り付けフランジも、金属フレーム(19)から支持されている。モーターのローター軸は、直接又は必要に応じて減速装置を介して駆動プーリー(18)に結合されている。モーターがプーリーに運動をもたらし、その結果プーリーがTUEPにおけるキャビンの移動をもたらす。電気モーター(20)は、好ましくは直流ブラシレス又は交流可変速であってもよい。モーターへの電力供給は、変電所又はシステムのバッテリーに接続された電気ケーブルのカテナリーと摺動接触するトロリー(22)によって行われる。キャビンの吊り下げサポート(16)は、その下部において、後壁、床プラットホーム及び乗客席を支持する収容部(23)の金属構造体で終端している。前記吊り下げサポートは、その下端にヒンジ(28)を有し、ヒンジは、キャビンがレールにより導かれることによって駅に到達したときにキャビンの90°の回転を可能にする。キャビン(23)の前方部分は、前方にヒンジ結合され、自動車でサイドドアに使用されるようなヒンジ及びロックによって支援されるシステムによってキャビンへのアクセスを与えるドア(24)として機能するよう意図されている。前記ドアは、駅の適切な領域に到達するとドアを前方に開かせるラチェットレバー機構によって自動的に開かれる。しかしながら、反対方向にある他の同様のメカニズムが、乗客駅の出口領域でドアを閉じさせる。キャビンはまた、自動車に使用されるのと同様のロックを備え、キャビンが完全に閉じていない場合はエンジンの作動を許さないように近接センサー又はマイクロスイッチを有する。キャビンは安全要因として内側から開くことができない。キャビン内部にはボタンが適切に配置されており、これらのボタンで降りる目的地が設定され、位置決めシステムの外部放射アンテナに送信される。代替案は、キャビンの目的地が各駅のディスパッチャーによってスケジュールに入れられることであり、ディスパッチャーは、RFID(無線周波数)システムを使ってコマンドボタンと同じ目的を達成する。
【0039】
TUEPの具体的な特徴は、
図1、3、4、5、6、7、8、9、10、12及び13に示される中間乗降駅(30)及び(40)であり、中間乗降駅は、高架の管状軌道の脱出手段又は側線から構成され、駅としてその目的地に向かっていないキャビンの交通を中断しないことを目指し、その特定の駅で乗客を降ろすか又は乗せる必要があるキャビンのみを迂回させる。従って、管状の平行な経路又は垂直な脱出手段が駅を構成し、駅では、管状軌道がキャビンの下降、停止、集積、加速、及びTUEP本線への組み込みを可能にする。これは駅の入口と出口にある
図14及び15に示される管状ダイバーター(25)によって達成され、ダイバーターは、電気式又は油圧又は空気圧式アクチュエーター(26)によって、駅の管状軌道と続けるか又は続けないために管状軌道のコースを変更する。ダイバーター(25)自体は、管状軌道の経路を変更する横方向の力を使って曲げられ得る可撓管である。これらのダイバーターの好ましい実施形態は、これが唯一ではないが、ばねの使用であり、ばねの外径は正確に管状軌道の外径であり、ばねの巻数は弾力性と同時に管状軌道として機能するための剛性を可能にする。材料は、これらの特性を提供する鋼であるか又は任意の金属又は強化プラスチックであることができる。ダイバーターの垂直方向の偏向を回避するために、内側ヒンジ機構(図示せず)又はプレート上のベアリングが
図14及び
図15に示すように設置されている。ダイバーターの動作は上述のようにアクチュエーター(26)によるものであり、アクチュエーターは、循環するキャビンのアンテナから発信源放射を受け取るか又は感知した後、特定のキャビンがそれらを通って循環する前に、正確且つ迅速にダイバーターを引き寄せる。キャビンを通過させると、ダイバーターは、主管状軌道に連続性を与えるために、そのアクチュエーターを使って真っすぐな位置に戻る。類似するが逆の動作が、駅のキャビンを主管状軌道に組み込むダイバーターによって生じ、アクチュエーターが動作するのは、ある駅に置いていかれたキャビンによって残された2つのキャビンの間の空きスペースを検出したとき及びキャビンをTUEPのメインフローに挿入することができる場所がある場合のみである。これを達成するには、システムの位置決めシステムからのリアルタイムの情報が必須である。
【0040】
アクチュエーター(26)がダイバーター(25)を置かずにキャビンの衝突を安全に回避する場合には、システムは、キャビンの駆動部のプーリーボックス(19)に配置された衝突板によって押し下げられるレバー機構を備えた油圧ダンパー(27)によってキャビンを停止するように考えられている。このダンパーの作動は、キャビン間の影響を避けるために、全てのキャビンを電気的に停止しなければならない。
【0041】
駅のプラットホームには、乗客がキャビンに乗り降りする際に、事故又は利用者への不都合を回避するためにキャビンが安定位置に数秒間とどまるように、キャビン床レベリングガイド及びブレーキシステムがある。これらのガイドは同様に、本線とは異なる駅領域内のキャビンへの電力供給を提供する。
【0042】
高架であることにより、駅は、利用者の駅へのアクセスを実現するために乗客用エスカレーター又はエレベーターを必要とするので、それらは駅の一体部分である。我々は、
図5及び
図6に示される2つのタイプ中間駅と
図4に示される2つのターミナル駅(50)を、概念を限定することなく、それぞれの場合のTUEPの仕様に依存するように設計した。
図5に示される縦方向の中間駅(30)は、主管状軌道に平行な側線の配置を有し、TUEPが設置される同一中央分離帯を使用する。
図6に示される横方向の中間駅は、TUEPの主管状軌道に対して垂直な側線を有し、車両交通がそれらの下を通過することを可能にするのに役立ち、利用者の駅へのアクセスをTUEPが設置される都市の道路の歩道上に有する。
【0043】
全ての乗客駅は、空キャビン集積ゾーンを有していなければならず、空キャビン集積ゾーンは、低い旅客需要によりその路線で不要なキャビンを循環から取り除くことを目的とし、その結果、不要な電力消費及び過度の消耗を避けるだけでなく、メンテナンスを提供する。
【0044】
電気システムは、変電所、緊急設備、直流配電システム、路線に沿ったトロリーシステム、可変速度電気モーター、及び「駆動装置」の種類の速度及びトルク制御装置を備えていることを特徴とする。
【0045】
自動化システムに関しては、我々は、複合体全体に大きな安全性及び機能性を与えるために、高度なシステムを含めた。
図19は、制御システムの構造を示す。TUEPのニーズを満たすために、自動操舵システムは、2つのモード、1)リモート自動モード及び2)ローカルモードで動作するように設計されている。
【0046】
1.リモート自動モードは、線路に沿って全てのゴンドラの出発地と目的地のルートを監視するための自動化されたルーチンを実行するために専用される。これは、TUEPの指令センターからリモートで、従ってゴンドラの発着及び駅が制御される遠隔端末装置(RTU)との通信に光ファイバ及び無線ネットワークを使用して実行される。
【0047】
2.ローカル操作モードは、ネットワーク、アプリケーションサーバー又は指令センターの遠隔自動化プログラムの故障の際に操作するために設計されている。この操作モードは、各ゴンドラ及び各駅に設置された遠隔端末装置(RTU)に基づいている。ゴンドラのRTUは、速度、距離、始動、及び利用者の下車要求コマンドを制御する能力を備えたプロセッサを有する。駅のRTUも少なくとも1つのプロセッサを有しており、線路ダイバーターと各駅でのキャビンの動きを制御することが可能である。ローカルモードでは、監視及び遠隔制御は特徴とされない。
【0048】
1.指令センターには、以下の機器、
i.アプリケーション及びデータサーバー
ii.操作ステーション及び周辺機器
iii.ネットワーク機器
がある。
【0049】
2.アプリケーション及びデータサーバーには、出発地と目的地のルート制御のためのプログラム及びルーチン、リアルタイムのキャビンデータベース、及び駅及びキャビンごとのそれぞれの移動のためのデータが存在する。操作ステーションには、警告、動向及びレポートが表示されるグラフィック監視ソフトウェアがインストールされており、グラフィック監視ソフトウェアは、オペレーターが線路の動作と相互作用する機器である。
【0050】
3.キャビン内には、以下の機器、
・電源、プロセッサ及び入出力モジュールを備える遠隔端末装置(RTU)
・コマンド及びモーター制御用センサー
・距離センサー
・スタートボタン
・非常ボタン
が設置されている。
【0051】
4.駅には、以下の機器、
・電源、プロセッサ及び入出力モジュールを備える遠隔端末装置(RTU)
・コマンド及びモーター制御用センサー
・距離センサー
・駅選択ボタン
・非常ボタン
が設置されている。
【0052】
動作モード
キャビンの流れは連続的であり、目的地に到達するキャビン又は予め要求された特定の目的地を有していない空のキャビンを呼び出すのに数秒しか必要としないため、乗客がエスカレーター及びエレベーターを使用して高架駅にアクセスしさえすれば、従来の輸送駅のように乗客の集積は必要ない。従って、駅のプラットホームのスペースを制限することができる。キャビンが駅に到着すると、ヒンジ式ドアがキャビンを開け、乗客が収容されて着席するための数秒間のアクセスを可能にする。これが起こると、キャビンは、手動又は自動で、アクチュエーター機構にヒンジ式ドアを閉めさせる小さな前進移動を開始し、その結果、近接センサー又は接触点がキャビンエンジン制御にキャビンが移動を続けることができ且つ従って主管状軌道の流れに入ることを示すように、確実にロックされる。
【0053】
ヒンジ式ドアが閉められると、乗客は移動したい目的地のボタンを押さなければならず、又は手動の乗車アシスタントがそのキャビンの特定の目的地をスケジュールに入れる。乗客の数に応じてキャビンごとに最大2つの目的地だけを選択することができる。すなわち、各移動に1回の停止のみが、移動に必要な時間の最大値として存在し得る。目的地に達すると、制御システムは、そのキャビンのメモリを消去し、従って、次のものが利用できる。移動すると、キャビンはダイバーターを操作することにより目的地に到着し、キャビンが降車を可能にするために数秒間停止する制動ゾーンに至るまで、キャビンは十分な減速を受け、その吊り下げサポート上で90°回転し、ヒンジ式ドアの自動開放が行われる。その後、開いているキャビンは乗客乗り場までゆっくりと前進し、乗客乗り場でキャビンは再び数秒間停止し、前述したシーケンスが始まる。キャビンを降りた乗客は、エスカレーター又はエレベーターで地上レベルまで下りなければならない。
【0054】
各駅の位置決め制御システムは、次のキャビンの部分的な能力を有し、TUEPの全体の主制御装置は、全ての駅の全ての制御を含む。
【0055】
乗客輸送量が減少する時間帯は、空のキャビンが循環する必要はないため、これらのうちいくつかは需要が減少したときにメインフローから取り除かなければならず、従って一部又は全ての駅が、手動又は自動で一時的に循環を出て、その後キャビンをTUEPシステムに統合する要求があったときにメインフローに戻るキャビン用に保管システムを有する。
【0056】
現時点で、出願人に知られている引用発明を実施するための最良の方法は、本発明の開示から明らかなものであることに留意されたい。
【0057】
上記のように本発明を説明してきたが、以下の特許請求の範囲に含まれるものを財産として請求する。