(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6553650
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】データ処理の方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20190722BHJP
【FI】
G06Q30/02 346
【請求項の数】15
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-571396(P2016-571396)
(86)(22)【出願日】2015年6月26日
(65)【公表番号】特表2017-523505(P2017-523505A)
(43)【公表日】2017年8月17日
(86)【国際出願番号】US2015038130
(87)【国際公開番号】WO2016003826
(87)【国際公開日】20160107
【審査請求日】2018年5月9日
(31)【優先権主張番号】201410306802.5
(32)【優先日】2014年6月30日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510330264
【氏名又は名称】アリババ・グループ・ホールディング・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ALIBABA GROUP HOLDING LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャオジュン ジャン
【審査官】
宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】
韓国登録特許第10−1354624(KR,B1)
【文献】
特開2007−122288(JP,A)
【文献】
特開2002−123645(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数のコンピューティング装置によって実装される方法であって、
被処理データを受信すること、
前記被処理データに対応する第1のランダム値が前記1つまたは複数のコンピューティング装置に関連する記憶媒体に記憶されているかどうかを判定すること、
前記被処理データに対応する前記第1のランダム値が前記1つまたは複数のコンピューティング装置に関連する前記記憶媒体に記憶されているかどうかの判定結果の少なくとも一部に基づいて前記被処理データに、対応する動作を行うことであって、前記対応する動作が、前記被処理データを前記第1のランダム値を用いて処理することまたは前記被処理データを第2のランダム値を用いて処理することのうち1つを含む、こと、
前記第1のランダム値または前記第2のランダム値の記憶時間の長さを監視すること、および
前記被処理データに対応する前記第1のランダム値が前記1つまたは複数のコンピューティング装置に関連する前記記憶媒体に記憶されているという前記判定に応答して、前記第1のランダム値の記憶時間の前記長さをリセットすることを含み、
前記被処理データが注文データを含み、前記被処理データに対応する前記第1のランダム値が前記1つまたは複数のコンピューティング装置に関連する前記記憶媒体に記憶されているかどうか判定することが、前記第1のランダム値に対応する前記注文データの注文識別子(ID)が前記1つまたは複数のコンピューティング装置に関連する前記記憶媒体に記憶されているかどうか判定することを含む、
方法。
【請求項2】
前記被処理データに対応する前記第1のランダム値が前記1つまたは複数のコンピューティング装置に関連する前記記憶媒体に記憶されているという判定に応答して、前記第1のランダム値を用いて、前記被処理データを処理することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記被処理データに対応する前記第1のランダム値が前記1つまたは複数のコンピューティング装置に関連する前記記憶媒体に記憶されていないという判定に応答して、前記第2のランダム値を用いて、前記被処理データを処理することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記被処理データに対する前記第2のランダム値を取得すること及び前記1つまたは複数のコンピューティング装置に関連する前記記憶媒体に前記第2のランダム値を記憶することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記被処理データに対する前記第2のランダム値を取得することが、所定の数のプリセットランダム値をプリセットすること、前記所定の数のプリセットランダム値からプリセットランダム値をランダムに選択すること及び前記選択されたプリセットランダム値を前記被処理データに対する前記第2のランダム値として指定することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
記憶時間の前記長さが所定の閾値より大きいという判定に応答して、前記第1のランダム値または前記第2のランダム値を、前記1つまたは複数のコンピューティング装置に関連する前記記憶媒体から削除することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
1つまたは複数のプロセッサ及び前記1つまたは複数のプロセッサが実行可能な複数のコンポーネントを保持するメモリを含むシステムであって、前記複数のコンポーネントが、
被処理データを受信するように構成された受信モジュール、
前記被処理データに対する対応するランダム値が前記システムに関連する記憶媒体に記憶されているかどうか判定するように構成されたクエリモジュール及び
前記被処理データに対する前記対応するランダム値が前記システムに関連する前記記憶媒体に記憶されているという判定に応答して、前記対応するランダム値を用いて前記被処理データを処理し、
前記被処理データに対する前記対応するランダム値が前記システムに関連する前記記憶媒体に記憶されていないという判定に応答して、
前記被処理データに対する追加のランダム値を取得し、
前記追加のランダム値を用いて前記被処理データを処理し、
前記追加のランダム値を前記システムに関連する前記記憶媒体に記憶し、
前記対応するランダム値の記憶時間の長さを監視する
ように構成された処理モジュールを含み、
前記受信モジュールが、注文データを受信するようにさらに構成され、前記クエリモジュールが、前記対応するランダム値に対応する前記注文データの注文IDが前記システムに関連する前記記憶媒体に記憶されているかどうか判定するようにさらに構成され、
前記処理モジュールが、前記被処理データに対する前記対応するランダム値が前記システムに関連する前記記憶媒体に記憶されているという前記判定に応答して、前記対応するランダム値の記憶時間の前記長さをリセットするようにさらに構成された、
システム。
【請求項8】
前記処理モジュールが、所定の数のプリセットランダム値をプリセットし、前記所定の数のプリセットランダム値の中から、プリセットランダム値をランダムに選択し、前記選択されたプリセットランダム値を、前記注文データに対応する前記追加のランダム値として指定するようにさらに構成された、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記処理モジュールが、記憶時間の前記長さが所定の閾値より大きいという判定に応答して、前記システムに関連する前記記憶媒体から、前記対応するランダム値を削除するようにさらに構成された、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
1つまたは複数のコンピューティング装置によって実行されると前記1つまたは複数のコンピューティング装置に作動を行うよう命令するコンピュータ実行可能命令を記憶している1つまたは複数のコンピュータ可読媒体であって、前記作動が、
被処理データに対応する第1のランダム値が前記1つまたは複数のコンピューティング装置に関連する記憶媒体に記憶されているかどうか判定すること、
前記被処理データに対応する前記第1のランダム値が前記1つまたは複数のコンピューティング装置に関連する前記記憶媒体に記憶されているかどうかの判定結果の少なくとも一部に基づいて前記被処理データに、対応する動作を行うことであって、前記対応する動作が、前記被処理データを前記第1のランダム値を用いて処理することまたは前記被処理データを第2のランダム値を用いて処理することのうちの1つを含む、こと、および
前記第1のランダム値または前記第2のランダム値の記憶時間の長さを監視すること、
を含み、
前記作動が、さらに、前記被処理データに対応する前記第1のランダム値が前記1つまたは複数のコンピューティング装置に関連する前記記憶媒体に記憶されているという前記判定に応答して、前記第1のランダム値の記憶時間の前記長さをリセットすることを含み、
前記被処理データが注文データを含み、前記被処理データに対応する前記第1のランダム値が前記1つまたは複数のコンピューティング装置に関連する前記記憶媒体に記憶されているかどうか判定することが、前記第1のランダム値に対応する前記注文データの注文識別子(ID)が前記1つまたは複数のコンピューティング装置に関連する前記記憶媒体に記憶されているかどうか判定することを含む、
1つまたは複数のコンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記作動が、さらに、前記被処理データに対応する前記第1のランダム値が前記1つまたは複数のコンピューティング装置に関連する前記記憶媒体に記憶されているという判定に応答して、前記第1のランダム値を用いて、前記被処理データを処理することを含む、請求項10に記載の1つまたは複数のコンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記作動が、さらに、前記被処理データに対応する前記第1のランダム値が前記1つまたは複数のコンピューティング装置に関連する前記記憶媒体に記憶されていないという判定に応答して、前記第2のランダム値を用いて、前記被処理データを処理することを含む、請求項10に記載の1つまたは複数のコンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記作動が、さらに、前記被処理データに対する前記第2のランダム値を取得すること及び前記第2のランダム値を前記1つまたは複数のコンピューティング装置に関連する前記記憶媒体に記憶することを含む、請求項12に記載の1つまたは複数のコンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記被処理データに対する前記第2のランダム値を取得することが、所定の数のプリセットランダム値をプリセットすること、前記所定の数のプリセットランダム値からプリセットランダム値をランダムに選択すること及び前記選択されたプリセットランダム値を前記被処理データに対する前記第2のランダム値として指定することを含む、請求項13に記載の1つまたは複数のコンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記作動が、さらに、記憶時間の前記長さが所定の閾値より大きいという判定に応答して、前記1つまたは複数のコンピューティング装置に関連する前記記憶媒体から、前記第1のランダム値または前記第2のランダム値を削除することを含む、請求項14に記載の1つまたは複数のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連特許出願の相互参照
本出願は、2014年6月30日に出願された「データ処理方法及び装置」という名称の中国特許出願番号第201410306802.5号の優先権を主張し、その全体を参照文献として本明細書に援用する。
【0002】
本開示は、コンピュータ技術に関し、より具体的には、データ処理の方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
コンピュータ技術の発展にともない、ランダムに生成された値及びその後のランダム値に基づくアクションは、種々の分野で広く用いられてきた。例えば、データを処理するのに、コンピューティング装置は、まず、データに基づいて、対応するランダム値を取得し、次いで、データを処理し得る。
【0004】
上記のプロセスを説明する例を、以下に示す。
【0005】
ユーザにプロモーションとして提供される3つの割引量(例えば、ランダム値)があると仮定する。割引量は、それぞれ、10元、20元及び50元である。これらの割引量は、資格のある注文に利用可能である。プロモーション管理システムに関連するクライアント端末は、支払い要求を、支払いシステムを介して、プロモーション管理システムに送信しても良く、支払い要求は、注文データを含み得る。プロモーション管理システムは、被処理データに対応するランダム値として、3つの割引量のうち、プリセットランダム値をランダムに選択する。プロモーション管理システムは、1つの割引量を用いて、注文を処理する。
【0006】
注文量は100元であると仮定する。プロモーション管理システムが注文Aの注文要求を受信した後、プロモーション管理システムは、ランダム値として、割引量(例えば、20元)をランダムに選択する。プロモーション管理システムは、1つの割引量を用いて、注文を処理し、実際の量は80元であると判定する。
【0007】
注文が失敗したなら、ユーザは、注文要求を再び送り得る。場合によって、ユーザは、複数の支払いを意図的に失敗させ、同一の注文に対する複数の注文要求を送って、理想の割引量を取得し得る。プロモーション管理システムは、プロモーション管理システムが注文の別の注文要求を受信した後、ランダム値として、割引量をランダムに選択するであろう。プロモーション管理システムは、1つの割引量を用いて注文を処理し、実際の量を判定する。
【0008】
注文が再び失敗し、ユーザがプロモーション管理システムに注文要求を再び送ると仮定する。プロモーション管理システムは、注文Aの割引量をランダムに選択する。プロモーション管理システムは、注文データから、50元の割引量を取得し、注文Aに対応するランダム値の割引量を用い得る。プロモーション管理システムは、1つの割引量を用いて注文を処理し、実際の量は50元であると判定する。
【0009】
よって、同一の注文に対する複数の注文要求を受信した後で、プロモーション管理システムは、同一の注文に対する異なるランダム値を選択し得る。これにより、サーバの負荷は増大し、システムリソースは無駄になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本開示の実装例は、データ処理の方法及びシステムに関し、従来の技術に関連する高いサーバ負荷及びシステムリソースの無駄を解決する。この概要は、特許請求された主題の重要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図しておらず、特許請求された主題の範囲を決定することの補助として単独で用いられるということも意図していない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
データ処理の方法は、コンピューティング装置により、被処理データを受信することを含み得る。コンピューティング装置は、被処理データに対応するランダム値が、コンピューティング装置に関連する記憶媒体に記憶されているかどうかを判定し得る。被処理データに対応するランダム値が記憶されているという判定に応答して、コンピューティング装置は、ランダム値を用いて、被処理データを処理し得る。被処理データに対応するランダム値が記憶されていないという判定に応答して、コンピューティング装置は、被処理データに基づいて、追加のランダム値を取得し、追加のランダム値を用いて被処理データを処理し、コンピューティング装置に関連する記憶媒体に、追加のランダム値を記憶し得る。
【0012】
データ処理のコンピューティングシステムは、被処理データを受信するように構成された受信モジュール、被処理データに対応するランダム値がコンピューティングシステムに関連する記憶媒体に記憶されているかどうかを判定するように構成されたクエリモジュール及び被処理データに対応するランダム値がコンピューティングシステムに関連する記憶媒体に記憶されているという判定に応答して、ランダム値を用いて、被処理データを処理するように構成された処理モジュールを含み得る。処理モジュールは、被処理データに対応するランダム値がコンピューティングシステムに関連する記憶媒体に記憶されていないという判定に応答して、被処理データに対する追加のランダム値を取得し、追加のランダム値を用いて、被処理データを処理し、コンピューティングシステムに関連する記憶媒体に、追加のランダム値を記憶し得る。
【0013】
本開示の実装例は、データ処理の方法及びシステムに関する。被処理データを受信した後で、サーバは、注文データに対応するランダム値がサーバに関連する記憶媒体に記憶されているかどうかを判定し得る。サーバは、被処理データに対応するランダム値がサーバに関連する記憶媒体に記憶されているという判定に応答して、ランダム値を用いて、被処理データを処理し得る。サーバは、被処理データに対応するランダム値がサーバに関連する記憶媒体に記憶されていないという判定に応答して、追加のランダム値を取得し、追加のランダム値を用いて、被処理データを処理し得る。サーバは、サーバに関連する記憶媒体に、追加のランダム値を記憶し得る。ランダム値はサーバに関連する記憶媒体に記憶されているので、サーバは、被処理データを受信すると、注文データに対応するランダム値が記憶されていると判定し、記憶されているランダム値を用いて、被処理データを処理する。これらの例で、サーバは、ランダム値を再び取得することなしに、被処理データを処理し得る。これにより、効果的に、サーバの負荷は軽減し、システムリソースは節約される。
【0014】
添付の図を参照して、詳細な説明を記載する。異なる図で用いられる同一の参照番号は、同様のまたは同一の項目を示す。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】データを処理するプロセスの実例の流れ図である。
【
図2】プロモーション管理システムを用いてデータ処理を可能にするコンピューティング環境の実例の概略図である。
【
図3】プロモーションのシナリオでのデータ処理のプロセスの実例の流れ図である。
【
図4】データ処理を可能にするコンピューティングアーキテクチャの実例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示は、本明細書で記載したやり方以外の多くのやり方で実装されても良く、当業者は、本開示から逸脱せずに、同様のプロモーションを行い得る。したがって、本開示は、以下に記載する特定の実装例に限定されない。
【0017】
図1は、データを処理するプロセス100の実例の流れ図である。102で、サーバは、被処理データを受信し得る。実装例で、クライアント端末は、被処理データをサーバに送信しても良く、次に、サーバは、被処理データを受信する。送信の際、サーバは、種々のネットワーク(例えば、Wi−Fi無線)、データ線、または他のケーブル伝送モードを介して、クライアント端末と通信し得る。
【0018】
104で、サーバは、被処理データに対応するランダム値がサーバに関連する記憶媒体に記憶されているかどうかを判定し得る。被処理データに対応するランダム値がサーバに関連する記憶媒体に記憶されているなら、プロセス100の動作106が実行され得る。被処理データに対応するランダム値がサーバに関連する記憶媒体に記憶されていないなら、プロセス100の動作108が実行され得る。
【0019】
被処理データを受信後、サーバは、被処理データを処理しない場合がある。サーバは、まず、被処理データに対応するランダム値がサーバに関連するキャッシュ及び/または他の記憶媒体に記憶されているかどうかを判定し得る。
【0020】
106で、サーバは、ランダム値を用いて、被処理データを処理し得る。例えば、被処理データに対応するランダム値がサーバに関連する記憶媒体に記憶されているという判定に応答して、サーバは、被処理データに対するランダム値は生成されていたと判定し得る。サーバは、次に、ランダム値を、サーバに関連するキャッシュまたは他の記憶媒体から直接呼び出し得る。さらに、サーバは、被処理データを、ランダム値を用いて処理し得る。
【0021】
108で、サーバは、ランダム値がサーバに関連する記憶媒体に記憶されていないなら、被処理データに対する追加のランダム値を取得し得る。サーバは、追加のランダム値を用いて、被処理データを処理し、追加のランダム値を、サーバに関連する記憶媒体に記憶し得る。
【0022】
実装例で、被処理データに対応するランダム値が記憶されていないという判定に応答して、サーバは、被処理データに対するランダム値は生成されていないかまたはランダム値はサーバに関連する記憶媒体から削除されたと判定し得る。サーバは、ランダム値がサーバに関連する記憶媒体に記憶されていないなら、被処理データに対する追加のランダム値を取得し得る。サーバは、次に、追加のランダム値を用いて、被処理データを処理し、追加のランダム値を、サーバに関連する記憶媒体に記憶し得る。よって、同一の被処理データを受信するとき、サーバは、注文データに対応するランダム値を判定するであろう。
【0023】
さらに、サーバは、所定の数のランダム値をプリセットし得る。サーバは、ランダム値がサーバに関連する記憶媒体に記憶されていないなら、被処理データに対応するランダム値として、所定の数のランダム値から、プリセットランダム値をランダムに選択し得る。
【0024】
実装例で、システムリソースを節約するのに、サーバは、被処理データに対応するランダム値を記憶し、ランダム値の記憶時間の長さを監視し得る。ランダム値の記憶時間の長さが、所定の閾値より大きいという判定に応答して、サーバは、ランダム値を、サーバに関連する記憶媒体から削除し得る。例えば、記憶時間のデフォルトの長さは15分である。
【0025】
よって、サーバは、被処理データを処理した後、ランダム値の記憶時間の長さを監視し得る。記憶時間の長さが、所定の閾値より大きいという判定に応答して、サーバは、記憶されたランダム値を、サーバに関連する記憶媒体から削除し得る。
【0026】
サーバは、被処理データを受信し、さらに、被処理データに対応するランダム値がサーバに関連する記憶媒体に記憶されているかどうかを判定し得る。ランダム値がサーバに関連する記憶媒体に記憶されているという判定に応答して、サーバは、ランダム値を用いて、被処理データを処理し得る。ランダム値がサーバに関連する記憶媒体に記憶されていないなら、サーバは、追加のランダム値を用いて、被処理データを処理し、ランダム値を用いて、被処理データを処理し得る。サーバは、追加のランダム値を、サーバに関連する記憶媒体に記憶し得る。ランダム値はサーバに関連する記憶媒体に記憶されているので、サーバは、被処理データを受信すると、注文データに対応するランダム値がサーバに関連する記憶媒体に記憶されているかどうかを判定する。ランダム値が記憶されているという判定に応答して、サーバは、ランダム値を再び取得することなしに、被処理データを処理し得る。これにより、効果的に、サーバにかかる負荷は軽減し、システムリソースは節約される。
【0027】
支払いのシナリオで、一般のデータ処理システムは、クライアント端末、支払いシステム及びプロモーション管理システムによって動作される。
図2は、プロモーション管理システムを用いてデータ処理を可能にするコンピューティング環境200の実例の概略図である。プロモーション管理システムのクライアント端末は、プロモーション管理システムに、支払いシステムを介して、支払い要求を送信しても良く、支払い要求は、注文データを含み得る。
【0028】
これらの例で、注文データは、買い手ID、売り手ID、注文量及び/または注文IDを含み得る。注文IDは、注文データに対応する文字列、数字及び/または他の文字であり得る。
【0029】
プロモーション管理システムは、プロモーション管理システムに関連する記憶媒体(例えば、キャッシュ)が注文データに含まれる注文IDに対応するランダム値(例えば、割引量)を記憶しているかどうかを判定し得る。注文データに対応する割引量が記憶されているという判定に応答して、プロモーション管理システムは、割引量は注文データに割り当てられていたと判定し得る。
【0030】
プロモーション管理システムは、割引量を、支払いシステムに直接戻し得る。支払いシステムは、注文量及び割引量に基づいて、注文データの実際の量を判定し得る。支払いシステムは、実際の量を、クライアント端末に戻しても良く、次に、クライアント端末に関連するユーザは、実際の量に基づいて、支払いを行い得る。
【0031】
注文データに対応する割引量が記憶されていないという判定に応答して、プロモーション管理システムは、割引量は注文データに割り当てられていなかったと判定し得る。プロモーション管理システムは、注文データから割引量を取得して、次に、割引量を支払いシステムに戻し得る。プロモーション管理システムはまた、例えば、プロモーション管理システムに関連するキャッシュに、注文データに対応する割引量を記憶し得る。
【0032】
支払いシステムは、注文量及び割引量に基づいて、注文データの実際の量を判定し得る。支払いシステムは、実際の量を、クライアント端末に戻しても良く、次に、クライアント端末に関連するユーザは、実際の量に基づいて、支払いを行い得る。
【0033】
いくつかの実装例で、プロモーション管理システムは、所定の数の割引量をプリセットし得る。プロモーション管理システムは、割引量がプロモーション管理システムに関連する記憶媒体に記憶されていないなら、注文データに対応する割引量として、所定の数の割引量から、プリセット割引量をランダムに選択し得る。
【0034】
実装例で、割引量に関連する情報は、プロモーション管理システムのキャッシュ、または支払いシステムに関連するキャッシュ及び/もしくは記憶媒体に記憶され得る。情報は、情報が、注文データに対応する割引量が記憶されているかどうかを判定するのにアクセスされ得る限り、別の記憶媒体に記憶され得る。
【0035】
図3は、プロモーションのシナリオでのデータ処理のプロセス300の実例の流れ図である。302で、プロモーション管理システムのクライアント端末は、プロモーション管理システムに、支払いシステムを介して、支払い要求を送信し得る。支払い要求は、注文データを含み得る。
【0036】
304で、プロモーション管理システムは、注文データの注文IDに対応する割引量が記憶されているかどうかを判定し得る。割引量がプロモーション管理システムに関連する記憶媒体に記憶されているという判定に応答して、プロセス300の動作306は、実行され得る。割引量がプロモーション管理システムに関連する記憶媒体に記憶されていないという判定に応答して、プロセッサ300の動作308は、実行され得る。
【0037】
306で、プロモーション管理システムは、割引量を、支払いシステムに直接送信し得る。
【0038】
308で、プロモーション管理システムは、注文データから割引量を取得し得る。次に、プロモーション管理システムは、割引量を、プロモーション管理システムに関連する記憶媒体に記憶し、割引量を支払いシステムに送信し得る。
【0039】
310で、支払いシステムは、実際の量を、クライアント端末に送信しても良く、次に、クライアント端末に関連するユーザは、実際の量に基づいて、支払いを行い得る。
【0040】
以下の例は、特定のデータ処理のステップを説明する。プロモーション用の3つの割引量(例えば、ランダム値)があると仮定する。割引量は、10元、20元及び50元を含み、資格のある注文に利用可能である。さらに、注文Aは資格があり、注文Aの注文データ(例えば、「注文データa」)は割引量(例えば、100元)及び注文ID(例えば、888)を含むと仮定する。
【0041】
プロモーション管理システムのクライアント端末は、支払い要求を、支払いシステムを介してプロモーション管理システムに送信しても良く、支払い要求は、「注文データa」を含み得る。さらに、プロモーション管理システムは、注文データの「注文888」に対応する割引量が記憶されているかどうかを判定し得る。
【0042】
プロモーション管理システムは、「注文888」に対応する10元の割引量が記憶されていると判定し、次に、割引量を支払いシステムに戻し得る。支払いシステムは、注文データの実際の量(例えば、90元)を、注文量及び割引量に基づいて、判定し得る。支払いシステムは、実際の量をクライアント端末に戻しても良く、次に、クライアント端末に関連するユーザは、実際の量に基づいて、支払いを行い得る。
【0043】
「注文888」に対応する割引量は記憶されていないという判定に応答して、プロモーション管理システムは、割引量は、注文データに割り当てられていなかったと判定し得る。プロモーション管理システムは、注文データから、10元の割引量を取得し、次に、割引量を支払いシステムに戻し得る。プロモーション管理システムはまた、例えば、プロモーション管理システムのキャッシュに、注文データに対応する割引量(すなわち、10元)を記憶し得る。
【0044】
支払いシステムは、実際の量(すなわち、90元)をクライアント端末に戻しても良く、次に、クライアント端末に関連するユーザは、実際の量に基づいて、支払いを行い得る。
【0045】
追加の注文データを受信すると、プロモーション管理システムは、もう一度ランダムに選択することなしに、注文データの注文IDに対応する割引量が記憶されているかどうかを判定し得る。
【0046】
さらに、システムリソースを節約するのに、プロモーション管理システムは、プロモーション管理システムに関連するキャッシュ及び/または記憶媒体に、注文IDに対応する割引量を記憶し得る。
【0047】
ランダム値の記憶時間の長さが所定の閾値より大きいという判定に基づいて、プロモーション管理システムは、割引量を、プロモーション管理システムのキャッシュ及び/または記憶媒体から、削除し得る。例えば、記憶時間のデフォルトの長さは、15分として設定し得る。これらの例で、プロモーション管理システムは、割引量を記憶した後で、割引量の記憶時間の長さを監視し得る。記憶時間の長さが所定の閾値より大きいという判定に応答して、プロモーション管理システムは、記憶されたランダム値を、プロモーション管理システムに関連する記憶媒体から削除し得る。
【0048】
実装例で、ユーザは、複数の支払いを意図的に失敗させ、同一の注文の複数の注文要求を送って、理想の割引量を取得し得る。これは、サーバの負荷を増大させ得る。これを防ぐのに、割引量の記憶時間の長さを、48時間など、通常の期間より相対的に長く設定し得る。場合によっては、長い記憶時間は、大量のシステムリソースを占有し得る。システムリソースを節約するのに、記憶時間の長さを、短くし得る。いくつかの実装例で、記憶時間の長さは、例えば、支払いに関するユーザの行動に応答して、動的に調整され得る。
【0049】
実装例で、注文データを受信すると、プロモーション管理システムは、注文データの注文IDに対応する割引量が記憶されていると判定し得る。プロモーション管理システムは、割引量の記憶時間の長さをリセットし得る。例えば、プロモーション管理システムは、記憶時間の長さをゼロとしてリセットし、割引量の記憶時間の長さの記録を再スタートし得る。
【0050】
割引量の記憶時間の長さは、約1時間であると仮定する。2014年、5月20日、午前10時に、プロモーション管理システムのクライアント端末は、支払い要求を、支払いシステムを介して、プロモーション管理システムに送信しても良く、支払い要求は、「注文データa」を含み得る。「注文888」に対応する割引量(例えば、10元)が記憶されているという判定に応答して、プロモーション管理システムは、割引量の記憶時間の長さを監視し得る。
【0051】
ユーザが、割引量に満足していなければ、ユーザは、支払いを失敗させ得る。注文要求を受信して10分で(例えば、2014年、5月20日、午前10時10分)、プロモーション管理システムは、追加の注文要求「注文データa」を受信すると仮定する。プロモーション管理システムは、「注文888」に対応する割引量(すなわち、10元)が記憶されていると判定し、次に、割引量を支払いシステムに戻し得る。支払いシステムは、割引量を用いて、注文要求を処理し得る。
【0052】
同時に、プロモーション管理システムは、記憶時間の長さ(すなわち、10分)をゼロとして設定し、次に、割引量の記憶時間の長さを記録し始め得る。よって、2015年、5月20日、午前10時10分から1時間以内に、プロモーション管理システムが「注文データa」を含む追加の注文要求を受信するという判定に応答して、割引量(すなわち、10元)は判定され、プロモーション管理システムに関連するキャッシュ及び/または記憶媒体に記憶され得る。
【0053】
割引量が記憶されているという判定に応答して、プロモーション管理システムは、記憶時間の長さをリセットし得る。したがって、記憶時間の長さは延長される。
【0054】
図4は、データ処理を可能にするコンピューティングアーキテクチャ400の実例の概略図である。コンピューティング装置400は、ユーザ装置またはデータ処理用サーバであり得る。構成例で、コンピューティング装置400は、1つまたは複数のプロセッサ402、入出力インタフェース404、ネットワークインタフェース406及びメモリ408を含む。
【0055】
メモリ408は、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性メモリ及び/または読み出し専用メモリ(ROM)またはフラッシュRAMなどの不揮発性メモリという形のコンピュータ可読媒体を含み得る。メモリ408は、コンピュータ可読媒体の例である。
【0056】
コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールまたは他のデータなどの情報を記憶するいずれかの方法または技術に実装された揮発性媒体及び不揮発性媒体、取り外し可能な媒体及び取り外し不可能な媒体を含む。コンピュータ記憶媒体の例は、相変化メモリ(PRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、他のタイプのランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気的に消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリもしくは他のメモリ技術、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)、デジタル多目的ディスク(DVD)もしくは他の光記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶装置、またはコンピューティング装置がアクセスするために情報を記憶するのに用いても良い任意の他の非伝送媒体を含むが、これらに限定されない。本明細書で定義するように、コンピュータ可読媒体は、変調されたデータ信号および搬送波などの一時的な媒体を含まない。
【0057】
メモリ408をより詳細に検討すると、メモリ408は、受信モジュール410、クエリモジュール412及び処理モジュール414を含み得る。受信モジュール410は、被処理データを受信するように構成され得る。クエリモジュール412は、被処理データに対応するランダム値がコンピューティング装置400に関連する記憶媒体に記憶されているかどうかを判定するように構成され得る。処理モジュール414は、被処理データに対応するランダム値がコンピューティング装置400に関連する記憶媒体に記憶されているという判定に応答して、ランダム値を再び取得することなしに被処理データを処理するように構成され得る。被処理データに対応するランダム値がコンピューティング装置400に関連する記憶媒体に記憶されていないという判定に応答して、処理モジュール414は、被処理データに基づいて、追加のランダム値を取得し得る。処理モジュール414は、追加のランダム値を用いて、被処理データを処理し、コンピューティング装置400に関連する記憶媒体に追加のランダム値を記憶し得る。
【0058】
実装例で、受信モジュール410は、注文データを受信しても良く、クエリモジュール412は、注文データの注文IDが記憶されたランダム値に対応するかどうかを判定し得る。
【0059】
実装例で、処理モジュール414は、被処理データに対応する追加のランダム値として、所定の数のランダム値から、プリセットランダム値をランダムに選択し得る。
【0060】
実装例で、処理モジュール414は、ランダム値の記憶時間の長さを監視し得る。記憶時間の長さが、所定の閾値より大きいという判定に応答して、処理モジュール414は、コンピューティング装置400に関連する記憶媒体から、記憶されたランダム値を削除し得る。
【0061】
実装例で、処理モジュール414は、被処理データに対応するランダム値がコンピューティング装置400に関連する記憶媒体に記憶されているという判定に応答して、ランダム値の記憶時間の長さをリセットし得る。
【0062】
実施形態は、単に本開示を説明するためのものであり、本開示の範囲を限定することを意図していない。本開示の原理から逸脱することなく、本開示の保護下で、いくらかの修正及び改良はなされても良くかつ検討されるべきであることが、当業者には理解されよう。