(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6553690
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】重力送りスプレー容器のためのバルブ及びフィルタシステム
(51)【国際特許分類】
B05B 7/24 20060101AFI20190722BHJP
B05B 7/30 20060101ALI20190722BHJP
【FI】
B05B7/24ZAB
B05B7/30
【請求項の数】18
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-161124(P2017-161124)
(22)【出願日】2017年8月24日
(62)【分割の表示】特願2015-553757(P2015-553757)の分割
【原出願日】2014年1月8日
(65)【公開番号】特開2018-1162(P2018-1162A)
(43)【公開日】2018年1月11日
【審査請求日】2017年9月25日
(31)【優先権主張番号】61/755,410
(32)【優先日】2013年1月22日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/146,617
(32)【優先日】2014年1月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515198670
【氏名又は名称】カーライル フルイド テクノロジーズ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100130133
【弁理士】
【氏名又は名称】曽根 太樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180194
【弁理士】
【氏名又は名称】利根 勇基
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ケー.ビーリー
【審査官】
松岡 美和
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2012/0279609(US,A1)
【文献】
特開平07−232728(JP,A)
【文献】
特表2001−508698(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0280062(US,A1)
【文献】
米国特許第3334860(US,A)
【文献】
特表2007−517659(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/154619(US,A1)
【文献】
特表2006−510469(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 7/24
B05B 7/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重力送り容器アセンブリであって、該重力送り容器アセンブリは、
取入口と、チャンバと、吐出口とを備える容器と、
前記チャンバ内のフィルタ・アセンブリであって、スプレー材料を濾過すべく構成されたというフィルタ・アセンブリと、
前記吐出口を開閉すべく構成されたバルブであって、
前記容器に対するシールを形成すべく構成された環状部分と、
開き位置において当該バルブをスプレー材料が通過することを許容すべく構成されたリブもしくはパネルを備える基礎部分と、
を備える、というバルブと、
を備える、という重力送り容器アセンブリを備え、
前記リブもしくはパネルは、前記重力送り容器アセンブリの中心軸線から径方向外側に延在し、前記リブもしくはパネルは、前記重力送り容器アセンブリの中心軸線に沿って延在し、
前記フィルタ・アセンブリは、前記バルブを開き位置と閉じ位置との間で付勢すべく構成される、システム。
【請求項2】
前記バルブは、前記閉じ位置から前記開き位置へのみ移動すべく構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記フィルタ・アセンブリは、外側リングと、該外側リングから前記バルブまで延在する支持アームを備え、
前記支持アームは、前記バルブを前記開き位置と閉じ位置との間で付勢すべく構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記バルブは、前記容器がスプレー・デバイスに対して連結されたときに開くべく構成され、
前記フィルタ・アセンブリは、前記容器が前記スプレー・デバイスから接続解除されたときに前記バルブを閉じるべく構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記容器は円錐形状の基部を備え、
前記フィルタ・アセンブリは、前記バルブが前記閉じ位置に在るときに前記円錐形状の基部上に着座する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記円錐形状の基部と前記フィルタ・アセンブリとに連結されたスプリングであって、前記バルブを前記閉じ位置に向けて付勢すべく構成されたスプリングを備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記フィルタ・アセンブリ及び前記バルブは、一体片として相互に一体化されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記重力送り容器アセンブリは、前記容器のチャンバを覆うべく構成された蓋体を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記容器は、複数の容積目印を有する半透明もしくは透明な壁部を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
重力送り容器アセンブリ内のスプレー材料をフィルタ・アセンブリを介して濾過することと、
前記重力送り容器アセンブリ内のバルブであって、スプレー・デバイスに対する前記重力送り容器アセンブリの取付け時に閉じ位置から開き位置まで移動すべく構成されたバルブを、吐出口に対する開き位置から閉じ位置に向けて付勢することと、
前記バルブが前記開き位置にあるときに、前記バルブのリブもしくはパネルの間の流体の流れを可能にすることと有し、
前記リブもしくはパネルは、前記重力送り容器アセンブリの中心軸線から径方向外側に延在し、前記リブもしくはパネルは、前記重力送り容器アセンブリの中心軸線に沿って延在し、
前記バルブを付勢することは、前記バルブを前記フィルタ・アセンブリを以て付勢することを有する、方法。
【請求項11】
前記バルブを前記フィルタ・アセンブリを以て付勢することは、前記バルブから前記フィルタ・アセンブリの外側リングまで延在する支持アームにより前記バルブを付勢することを有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記バルブを付勢することは、前記容器及び前記フィルタ・アセンブリに連結されたスプリングにより前記バルブを付勢することを有する、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記容器に対して蓋体を連結することを有する、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記容器がスプレー・デバイスに対して取り付けられるときに前記開き位置に向けて前記バルブを自動的に付勢することを有する、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記容器は、円錐状の底壁部を備え、
前記バルブは、前記円錐状の底壁部をシールすべく構成された円形部分を備え、
前記バルブは、前記円形部分に連結された基礎部分を備え、
前記基礎部分は、前記開き位置において当該バルブをスプレー材料が通過することを可能すべく構成された前記リブもしくはパネルを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
重力送り容器アセンブリであって、該重力送り容器アセンブリは、
スプレー塗料供給容器と、
前記スプレー塗料供給容器のチャンバであって、スプレー材料を保持すべく構成されたというチャンバを覆うべく構成された蓋体と、
前記チャンバ内で前記スプレー材料を濾過すべく構成された該チャンバ内のフィルタ・アセンブリと、
前記フィルタ・アセンブリに対して連結されたバルブであって、
前記容器に対するシールを形成すべく構成された環状部分と、
前記バルブが、前記スプレー塗料供給容器の吐出口に対する開き位置にあるときに、当該バルブを流体が通過することを許容すべく構成されたリブもしくはパネルを備える基礎部分とを備える、というバルブと、
を備え、
前記バルブは前記フィルタ・アセンブリを第1位置から第2位置まで移動させるべく構成され、前記第1位置は前記フィルタ・アセンブリが前記スプレー材料を濾過することを阻止し、且つ、前記第2位置は前記スプレー材料の濾過を可能とする、システム。
【請求項17】
前記フィルタ・アセンブリは、外側リングから前記バルブまで延在する少なくとも一本の支持アームを備え、該少なくとも一本の支持アームは、前記バルブを閉じ位置に向けてスプリング付勢すべく構成される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記フィルタ・アセンブリは、前記外側リングから前記バルブまで延在する円錐状の網体を備える、請求項17に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概略的に、スプレー・デバイスに関し、更に詳細には、スプレー・デバイスのための液体供給容器に関する。
【背景技術】
【0002】
スプレー塗装デバイスは、多様な目標物体に対してスプレー塗料を適用すべく使用される。多くの場合、スプレー塗装デバイスは、重力送りスプレー・デバイス(gravity feed spray device)上で(例えば塗料などの)液体塗装材料を保持する容器の如き多数の再使用可能な構成要素を含んでいる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
残念乍ら、これらの再使用可能な構成要素を洗浄するためには、相当量の時間が費やされる。更に、液体塗装材料は多くの場合、混合されると共に、その後、混合カップから、重力送りスプレー・デバイスに対して連結された容器へと移し換えられる。従って、液体塗装材料を準備して容器へと移し換えてから、使用後に上記容器を洗浄するためには相当量の時間が費やされる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1実施形態においては、重力送り容器アセンブリであって、該重力送り容器アセンブリは、容器と、上記スプレー塗料供給容器内のチャンバであって、スプレー材料を保持すべく構成されたというチャンバを覆うべく構成された蓋体と、上記チャンバ内で上記スプレー材料を濾過すべく構成された該チャンバ内のフィルタ・アセンブリと、上記フィルタ・アセンブリに対して連結されたバルブであって、上記容器がスプレー・デバイスに対して連結されるときに開くべく構成されたというバルブと、を含み、上記バルブは上記フィルタ・アセンブリを第1位置から第2位置まで移動させるべく構成され、上記第1位置は上記フィルタ・アセンブリが上記スプレー材料を濾過することを阻止し、且つ、上記第2位置は上記スプレー材料の濾過を可能とする、という重力送り容器アセンブリを含むシステムが提供される。
【0005】
第2実施形態においては、重力送り容器アセンブリであって、該重力送り容器アセンブリは、取入口と、チャンバと、吐出口とを備える容器と、上記吐出口を開閉すべく構成されたバルブであって、上記容器に対するシールを形成すべく構成された環状部分と、開き位置において当該バルブを流体が通過することを許容すべく構成された複数のリブもしくはパネルを備える基礎部分と、を含む、というバルブと、を含む、という重力送り容器アセンブリを含むシステムが提供される。
【0006】
第3実施形態においては、容器内のスプレー材料をフィルタ・アセンブリを介して濾過する段階と、上記容器内のバルブを、吐出口に対する開き位置から閉じ位置に向けて付勢する段階であって、上記バルブは、スプレー・デバイスに対する上記容器の取付け時に上記閉じ位置から上記開き位置まで移動すべく構成される、という段階と、を含む方法が提供される。
【0007】
本発明のこれらの及び他の特徴、見地、及び利点は、各図を通して同様の符号は同様の部材を表すという添付図面を参照して以下の詳細な説明が読破されたときに更に良好に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】スプレー塗装デバイスに対して連結された重力送り容器アセンブリの実施形態の側断面図である。
【
図2】フィルタ・アセンブリ及びバルブの実施形態の斜視図である。
【
図3】閉じ位置における重力送り容器アセンブリの実施形態の側断面図である。
【
図4】開き位置における重力送り容器アセンブリの実施形態の側断面図である。
【
図5】開き位置における重力送り容器アセンブリの実施形態の側断面図である。
【
図6】
図1の重力送り容器アセンブリを利用するスプレー塗装プロセスの実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下においては、本発明の一つ以上の特定実施形態が記述される。これらの実施形態の簡潔な説明を提供するために、本明細書においては、実際の実施形態の特徴の全てが記載されないこともある。任意の工学または設計プロジェクトにおける如き斯かる任意の実際の実施形態の開発においては、実施形態毎に変化し得るシステム関連及び業務関連の制約に対する適応の如き開発者特有の目標を達成するために、実施形態特有である多くの決断が為されるべきことを理解すべきである。更に、斯かる開発の労力は複雑で時間が掛かるであろうが、本開示内容から利益を得る当業者であれば、設計、作製及び製造に関する通常的な作業であることを理解すべきである。
【0010】
本発明の種々の実施形態の要素を導入するとき、“一つの(a)”、“一つの(an)”、“その(the)”、及び、“前記(said)”という冠詞は、一つ以上の要素が在ることを意味することが意図される。“備える”、“含む”及び“有する”という語句は、包含的であることが意図されると共に、列挙された要素以外の付加的要素が在り得ることを意味する。
【0011】
本開示内容は概略的に、重力送り容器アセンブリを備えたスプレー塗装ガン・アセンブリに関している。更に詳細には、本開示内容は、通常的に閉じられるか又は閉じ位置に向けて付勢されることで、格納された液体塗装材料を収容するというバルブを有する一体化バルブ/フィルタ・アセンブリを備えた使い捨て可能/リサイクル可能な容器に関する。上記一体化バルブ/フィルタ・アセンブリに依れば、ユーザは、スプレー塗装ガンに対する取付けの前に、液体塗装材料を付加、計量及び混合することが可能とされる。単一の容器内で液体塗装材料を付加、計量及び混合する機能によれば、準備時間が短縮されると共に、液体塗装材料の無駄が減少される。上記容器アセンブリをスプレー塗装ガンに対して接続すると同時に、上記バルブは自動的に開き位置へと移動し得、且つ/又は、上記バルブを開くために手動式アクチュエータが使用され得る。更に、上記重力送り容器アセンブリは、上記バルブを閉じ位置に向けて付勢し、スプレー後にユーザが上記容器を分離することを可能とすることから、スプレーされなかった液体塗装材料を後時の使用のために保存し得る。幾つかの実施形態においては、上記フィルタ・アセンブリ自体が、上記バルブを閉じ位置に向けて付勢する(例えば、スプリング付勢力を提供する)スプリングとして機能し得る。他の実施形態においては、上記バルブを閉じ位置に向けてスプリングが付勢し得る。更なる他の実施形態において、上記バルブは、上記重力送り容器をスプレー塗装ガンに対して接続すると同時に、自動的に開くと共に、開いたままとなり得る。
【0012】
図1は、スプレー塗装ガン・アセンブリ10の実施形態を示す側断面図である。該スプレー塗装ガン・アセンブリは、スプレー塗装ガン12、空気供給源14、及び、重力送り容器アセンブリ16を含んでいる。示された如く、スプレー塗装ガン12は、本体20に対して連結されたスプレー先端アセンブリ18を含んでいる。該スプレー先端アセンブリ18は、本体20の受容器24内に着脱自在に挿入され得る液体供与先端アセンブリ22を含む。例えば、液体供与先端アセンブリ22を受容して使用すべく、複数の異なる種類のスプレー塗装デバイスが構成され得る。スプレー先端アセンブリ18はまた、液体供与先端アセンブリ22に対して連結された噴霧形成アセンブリ26も含んでいる。該噴霧形成アセンブリ26は、空気的、回転的、及び、静電的な微粒化機構の如き種々の噴霧形成機構を含み得る。但し、図示された噴霧形成アセンブリ26は、保持ナット30を介して本体20に対して着脱自在に固着された空気式微粒化キャップ28を備える。該空気式微粒化キャップ28は、液体供与先端アセンブリ22からの液体先端出口34の回りに配設された中央微粒化オリフィス32の如き種々の空気式微粒化オリフィスを含んでいる。空気式微粒化キャップ28はまた、空気噴流を使用して噴霧に強制的に(例えば平坦な噴霧などの)所望の噴霧パターンを形成させる噴霧形状化オリフィス36の如き一つ以上の噴霧形状化用空気オリフィスも有し得る。噴霧形成アセンブリ26はまた、所望の噴霧パターン及び液滴分布を提供する他の種々の微粒化機構も含み得る。
【0013】
スプレー塗装ガン12の本体20は、スプレー先端アセンブリ18に対する種々の制御要素及び供給機構を含む。示された如く、本体20は、液体取入口継手42から液体供与先端アセンブリ22まで延在する液体通路40を有する液体供与アセンブリ38を含む。液体供与アセンブリ38は、液体通路40を通り液体供与先端アセンブリ22に至る液体を制御する液体バルブ・アセンブリ44も含んでいる。図示された液体バルブ・アセンブリ44は、液体供与先端アセンブリ22と液体バルブ調節器48との間で本体20を貫通して移動可能に延在するニードル・バルブ46を有する。液体バルブ調節器48は、ニードル・バルブ46の後部区画52と液体バルブ調節器48の内側部分54との間に配設されたスプリング50に対して回転可能に調節可能である。ニードル・バルブ46はまた、トリガ56が枢動継手58の回りで反時計方向に回転されるときに該ニードル・バルブ46が液体供与先端アセンブリ22から離間して内方に移動され得る如く、トリガ56に対しても連結される。但し、本技術の有効範囲内において、内方もしくは外方に開き得る任意の適切なバルブ・アセンブリが使用され得る。液体バルブ・アセンブリ44はまた、ニードル・バルブ46と本体20との間に配設されたパッキン・アセンブリ60の如き種々のパッキン/シール・アセンブリも含み得る。
【0014】
本体20内には、噴霧形成アセンブリ26における微粒化を促進する空気供給アセンブリ62も配設される。図示された空気供給アセンブリ62は、空気取入口継手64から空気通路66及び68を介して空気式微粒化キャップ28まで延在する。空気供給アセンブリ62はまた、スプレー塗装ガン12を通る空気の圧力及び流量を維持して調整する種々のシール・アセンブリ、空気バルブ・アセンブリ、及び、空気バルブ調節器も含んでいる。例えば、図示された空気供給アセンブリ62は、枢動継手58の回りにおけトリガ56の回転によれば当該空気バルブ・アセンブリ70が開かれて空気通路66から空気通路68へと空気流が許容される如く、トリガ56に対して連結された空気バルブ・アセンブリ70を含む。空気供給アセンブリ62はまた、空気式微粒化キャップ28に対する空気流を調整する空気バルブ調節器72も含んでいる。示された如く、トリガ56が本体20の取手74に向けて引き寄せられたときに液体及び空気が同時にスプレー先端アセンブリ18まで流れる如く、トリガ56は液体バルブ・アセンブリ44及び空気バルブ・アセンブリ70の両方に対して連結される。一旦作動されたなら、スプレー塗装ガン12は、所望の噴霧パターン及び液滴分布を備えた微粒化噴霧を生成する。
【0015】
図1の図示実施形態において、重力送り容器アセンブリ16及び空気供給源14は、スプレー塗装ガン12に対する夫々の液体塗装材料及び空気を提供する。空気供給源14によればスプレー塗装ガン12は、重力送り容器アセンブリ16を出射する液体塗装材料をスプレーして形状化し得る。空気供給源14は、空気取入口継手64にてスプレー・ガン12に連結され、空気管路76を介して空気を供給する。空気供給源14の実施形態としては、空気コンプレッサ、圧縮空気タンク、圧縮不活性気体タンク、または、それらの組み合わせが挙げられる。図示実施形態において、重力送り容器アセンブリ16はスプレー塗装ガン12に対して直接的に取付けられることで、(例えば、溶媒、塗料、シーラ、染色液などの)液体塗装材料を該スプレー塗装ガン12に対して供給する。図示された重力送り容器アセンブリ16は、スプレー塗料供給容器78、蓋体80、フィルタ・アセンブリ82、バルブ84、及び、アダプタ86を含んでいる。
【0016】
幾つかの実施形態において、重力送り容器アセンブリ16における全てのまたは幾つかの構成要素は、単回使用の用途に対して設計され得る(すなわち、スプレー塗料供給容器78、蓋体80、フィルタ・アセンブリ82、及び、バルブ84)。重力送り容器アセンブリ16における各構成要素は、透明もしくは半透明なプラスチック、繊維性もしくはセルロース性の材料、非金属材料、または、それらの幾つかの組み合わせの如き、使い捨て可能及び/またはリサイクル可能な材料で作成され得る。例えば、重力送り容器アセンブリ16は、全体的に(例えば100%など)または実質的に(例えば、75、80、85、90、95、99%超など)、使い捨て可能及び/またはリサイクル可能な材料から作成され得る。重力送り容器アセンブリ16の実施形態は、本質的にもしくは全体的に、例えばポリエチレンなどのポリマから成る材料組成を含んでいる。繊維性の容器アセンブリ140の実施形態は、本質的にもしくは全体的に、(例えば、植物繊維、木質繊維、動物繊維、または、鉱物繊維などの)天然繊維、または、(例えばセルロース、鉱物またはポリマなどの)合成/人工繊維から成る材料組成を含んでいる。セルロース系繊維の例としては、モダールまたは竹が挙げられる。ポリマ繊維の例としては、ナイロン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、アラミド、ポリエチレン、エラストマ、及び、ポリウレタンが挙げられる。
【0017】
図2は、バルブ84に対して連結されたフィルタ・アセンブリ82の実施形態の斜視図である。幾つかの実施形態において、フィルタ・アセンブリ82及びバルブ84は、例えば一体片として相互に一体化された単一構成要素であり得る。他の実施形態において、フィルタ・アセンブリ82及びバルブ84は、重力送り容器アセンブリ16における使用のために相互に連結された別体的な構成要素であり得る。フィルタ・アセンブリ82は、外側リング86、内側ディスク88、支持アーム90、及び、フィルタもしくはメッシュ体92を含む。メッシュ体92は、重力送り容器アセンブリ16を出射する液体塗装材料を濾過するために、約50、75、100、125、150、175、200、225または250ミクロンに等しい、それより小さい、または、それより大きいメッシュの間隔もしくは開口サイズを有し得る。幾つかの実施形態において、フィルタまたはメッシュ体92は、紙フィルタ、金属もしくはプラスチックの網体、または、メンブレン薄寸体の如き、フィルタ材料または網体材料の薄寸体を含み得る。メッシュ体92及び支持アーム90は、外側リング86から内側ディスク88まで延在する。各支持アーム90は、(例えば一枚の円錐状メッシュ体などの)メッシュ体を支持し得、且つ/又は、メッシュ体92の個々のセグメントに対する接続点を提供し得る(すなわち、各メッシュ・セグメントは、隣接する各支持アーム90間に延伸すると共に、該支持アームに対して連結され得る)。各アーム90は、プラスチックの如きリサイクル可能材料で作成され得る。本実施形態においては3本の支持アーム90が在るが、他の実施形態においては、(例えば、1、2、3、4、5本などの)異なる本数の支持アームが在り得る。上記で説明された如く、フィルタ・アセンブリ82は、バルブ84に対して連結される。バルブ84は、環状部分94及び基礎部分96を含む。環状部分及び基礎部分94及び96は、プラスチックの如きリサイクル可能材料で作成され得る。環状部分94によれば、フィルタ・アセンブリ82はバルブ84に対して連結され得ると共に、スプレー塗料供給容器78に対するシールが形成され得る。本実施形態において、基礎部分96は、例えばx形状押出し成形体などの“X”の形態で配置されたリブもしくはパネル98を含む。以下において更に詳細に説明される如く、上記“X”形状によれば、流体はバルブ84を通りスプレー塗装ガン12内へと進行することが可能とされる。
【0018】
図3は、バルブ84が閉じ位置とされた重力送り容器アセンブリ16の実施形態の側断面図である。上記に説明された如く、重力送り容器アセンブリ16は、スプレー塗料供給容器78、蓋体80、フィルタ・アセンブリ82、及び、バルブ84を含んでいる。スプレー塗料供給容器78は、外壁100及び基部102を含む。協働して、外壁100及び基部102は、重力送り容器アセンブリ16が液体塗装材料を格納することを可能とするチャンバ104を形成する。チャンバ104を形成することに加え、外壁100は、蓋体80の取付けのための(例えば環状唇部などの)縁部もしくは棚部106と、(例えば容積の目印または指標などの)混合用目盛108とを含む。各目印または目盛108は、チャンバ104内の液体の容積を表す。混合用目盛108によればユーザは、チャンバ104内へと所定量の単一種類もしくは複数種類の液体塗装材料を注入して計量することが可能とされる。これに加え、外壁100は透明または半透明な材料で作成されることから、ユーザがスプレー塗料供給容器78内の単一種類もしくは複数種類の液体塗装材料を直接的に計量することで、時間及び材料を節約する(すなわち、別体的な容器内での液体塗装材料の計量を排除する)ことを可能とし得る。混合用目盛108は、合衆国の基準またはメートル単位(例えば、液量オンス、パイント、カップ、リットル、ミリリットル、または、それらの任意の組み合わせ)を使用し得る。
【0019】
基部102は、(例えば基礎部もしくは壁部などの)円錐形状フィルタ支持部分110、バルブ壁111、及び、(例えばアダプタ受容器などの)アダプタ・コネクタ部分112を含む。示された如く、円錐形状フィルタ支持部分110は、バルブ壁111と共に角度114を画成する。該角度114によれば、円錐形状フィルタ部分110は、該円錐形状フィルタ部分110の中央におけるバルブ開孔116に向けて液体塗装材料を案内し得る。角度114は、スプレーされるべき流体の種類に依存して変更され得る(例えば、約10、20、30、40°、または、それ以上の度数)。例えば、角度114は、更に粘性の液体塗装材料に対しては、該液体塗装材料がバルブ開孔116に向けて流れることを促進すべく、増大され得る。示された如く、フィルタ・アセンブリ82は、バルブ84が閉じ位置に在るときに、円錐形状フィルタ支持部分110上に着座する。フィルタ・アセンブリ82を円錐形状フィルタ部分110と面一にすると、ユーザは、スプレー塗料供給容器78内で単一種類もしくは複数種類の液体塗装材料を混合し得る。従って、重力送り容器アセンブリ16は、ユーザの時間と材料とを節約する(例えば、別体的な容器内における単一種類もしくは複数種類の液体塗装材料の計量及び混合を排除する)。
【0020】
上記に説明された如く、基部102は環状バルブ壁111を含んでいる。バルブ84と協働して該バルブ壁111は、スプレー塗料供給容器78からの流体の流出を制御する。更に詳細には、バルブ壁111は、上記バルブが閉じ位置に在るときに、環状部分94と接触してシール係合を生成する。以下において更に詳細に説明される如く、開き位置において、バルブ84の環状部分94は環状バルブ壁111から離脱し、液体塗装材料がスプレー塗料供給容器78から流出することを可能とする。アダプタ・コネクタ部分112は、(
図1に見られる)アダプタ86を受容する。アダプタ86は、バルブ84を開くと共に、スプレー塗料供給容器78をスプレー塗装ガン12に対して連結する。アダプタ・コネクタ部分112は、螺旋状または渦巻状のフランジ120を備えた環状壁部118を含む。螺旋状フランジ120によれば、動作の間においてアダプタ86はスプレー塗料供給容器78に対して連結され得る。
【0021】
図4は、開き位置における重力送り容器アセンブリ16の実施形態の側断面図である。示された如く、アダプタ86は、本体部分122を以てスプレー塗料供給容器78に対して接続される。該本体部分122は、環状壁部118の螺旋状もしくは渦巻状のフランジ120に対して回転的に係合する螺旋状もしくは渦巻状の溝124を含む。アダプタ86が回転的にアダプタ・コネクタ部分112に対して連結されるにつれ、該アダプタ86はバルブ84に係合する。更に詳細には、アダプタ86は、バルブ84に対し、段状形成開孔126を以て係合する。該段状形成開孔126は、本体部分122及びスプレー・ガン・コネクタ部分128を貫通して延伸することで、液体塗装材料がチャンバ104からスプレー塗装ガン12内へと流れることを可能とする。段状形成開孔126は、異なる直径を有する(例えば円筒状ボアなどの)第1座刳り部130、及び、(例えば円筒状ボアなどの)第2座刳り部132を有する。容器78がガン12のアダプタ86に対して接続されるにつれ、第1座刳り部130は各パネル98に係合し、バルブ84を方向134において上方に付勢する。アダプタ86は、第2座刳り部132が環状バルブ壁111に係合して該アダプタ86の更なる移動を阻止するまで、方向134に移動し続け得る。バルブ84が方向134に移動するにつれ、該バルブ84は、閉じ位置から開き位置へと移行する。これに加え、フィルタ・アセンブリ82はバルブ84に対して連結されることから、該バルブ84が方向134に開くにつれて、該バルブ84は、基部102の円錐形状部分110から離間させてフィルタ・アセンブリ82を揚動させる。故に、バルブ84の移動は、同時的に、開孔116を開き、且つ、フィルタ・アセンブリ82を(例えば、支持部分110の垂直上方に離間された)濾過位置へと揚動する。該濾過位置において、液体塗装材料136は、スプレー塗装ガン12による使用のために、メッシュ体92、開孔116を通り、段状形成開孔126内へと進行し得る。本実施形態において示された如く、外側リング86は、バルブ84が方向134に移動するときに、移動しない。外側リング86は、円錐形状部分110に対し、圧力嵌め、接着剤結合、スポット溶接などにより連結され、垂直移動を阻止し得る。従って、バルブ84が方向134に移動するにつれ、該バルブ84は各支持アーム90及びメッシュ体92を移動させるが、外側リング86は移動させない。故に、方向134におけるバルブ84の移動によれば、各支持アーム90は強制的に、円錐形状部分110から離間して撓曲される。各支持アーム90は、方向134における移動に抗することから、スプレー塗料供給容器78がアダプタ86から離間するときに、バルブ84を強制的に閉じる(例えばスプリング付勢力などの)付勢力を方向138に提供する。換言すると、各アーム90は、フィルタ・アセンブリ82及びバルブ84を閉じ位置に向けて付勢する(例えば弾性的なスプリング・アームなどの)スプリングとして機能し得る。各支持アーム90がバルブ84を閉じるとき、各支持アームは、メッシュ体92を移動させて円錐形状部分110と接触させる。実際、フィルタ・アセンブリのメッシュ体92は円錐形状フィルタ部分110に当接して着座することから、単一種類もしくは複数種類の液体塗装材料はフィルタ・アセンブリ82を湿潤(して、例えば、液体塗装材料がメッシュ体92及びバルブ84上で乾燥することを阻止)することで、後時の使用に対して単一種類もしくは複数種類の液体塗装材料の保存を可能とする。
【0022】
図5は、開き位置における重力送り容器アセンブリ16の実施形態の側断面図である。上記に説明された如く、アダプタ86は、本体部分122を以てスプレー塗料供給容器78に対して接続される。本体部分122は、環状壁部118の螺旋状フランジ120に対して回転的に係合する螺旋状溝124を含んでいる。アダプタ86がアダプタ・コネクタ部分112に対して回転的に連結されるにつれ、アダプタ86は段状形成開孔126の第1座刳り部130を係合させて、バルブ84を方向134において上方に付勢する。アダプタ86は、第2座刳り部132が環状バルブ壁111に係合して該アダプタ86の更なる移動を阻止するまで、方向134において移動し続け得る。バルブ84が方向134において移動するにつれ、バルブ84は閉じ位置から開き位置へと移行する。更に、フィルタ・アセンブリ82はバルブ84に対して連結されることから、該バルブ84が方向134において開くにつれ、該バルブ84は、基部102の円錐形状部分110から離間してフィルタ・アセンブリ82を揚動させる。故に、バルブ84の移動は、同時的に、開孔116を開き、且つ、フィルタ・アセンブリ82を濾過位置へと揚動する。該濾過位置において、液体塗装材料136は、スプレー塗装ガン12による使用のために、メッシュ体92、開孔116を通り、段状形成開孔126内へと進行し得る。本実施形態においては、フィルタ・アセンブリ82全体が方向134に移動する。但し、フィルタ・アセンブリ82に対し、且つ、円錐形状部分110に対して(すなわち、該円錐形状部分における溝内に)連結されたスプリング140は、バルブ84を閉じ位置に向けて付勢する。更に詳細には、スプリング140は、方向134におけるフィルタ・アセンブリ82及びバルブ84の移動に抵抗する。故に、アダプタ86がバルブ84を方向134に開くとき、スプリング140は緊張して延伸される。従って、アダプタ86の除去後、スプリング140は方向138に縮動し、バルブ84を閉じると共に、フィルタ・アセンブリ82を移動させて円錐形状部分110と接触させる。上記に説明された如く、フィルタ・アセンブリのメッシュ体92は円錐形状フィルタ部分110に当接して着座することから、単一種類もしくは複数種類の液体塗装材料はフィルタ・アセンブリ82を湿潤(して、例えば、液体塗装材料がメッシュ体92及びバルブ84上で乾燥することを阻止)することで、後時の使用に対して単一種類もしくは複数種類の液体塗装材料の保存を可能とする。幾つかの実施形態において、重力送り容器アセンブリ16は、バルブ84を閉じ位置へと付勢するスプリング140または他の付勢機構を含まなくても良い。従って、アダプタ86がバルブ84に対して一旦係合して該バルブ84を方向134に付勢したなら、それを閉じ位置へと戻す付勢力は無い。
【0023】
図6は、
図1の重力送り容器アセンブリを利用するスプレー塗装プロセスの実施形態を示すフローチャートである。プロセス160は、スプレー塗料供給容器78に対して液体塗装材料を加えることにより開始する(ブロック162)。詳細には、蓋体80が取り外され得ると共に、単一種類もしくは複数種類の液体塗装材料がスプレー塗料供給容器78のチャンバ104内へと注入され得る。単一種類もしくは複数種類の液体塗装材料が加えられるにつれ、ユーザは混合用目盛108を用いて、該単一種類もしくは複数種類の液体塗装材料の量を計り得る。注入の後、単一種類もしくは複数種類の液体塗装材料は混合される(例えば、容器78内で攪拌され、または、上記蓋体を取付けて容器78内で震動される)(ブロック164)。上記に説明された如く、使用前において、フィルタ・アセンブリ82は基部102上に着座することで、ユーザが液体スプレー材料をスプレー塗料供給容器78内で混合することを可能とする(例えば、ユーザは、液体スプレー材料をスプレー塗料供給容器78に対して加える前に、それを別体的な容器内に注入して混合する必要は無い)。次の段階において、スプレー塗料供給容器78は、スプレー器12に対して取付けられる(ブロック166)。ユーザは次に、スプレー器12により液体塗装材料をスプレーし得る(ブロック168)。
【0024】
本明細書においては本発明の幾つかの特徴のみが図示かつ記述されたが、当業者であれば、多くの改変及び変更を想起し得よう。故に、添付の各請求項は、本発明の真の精神内に収まる斯かる改変及び変更の全てを網羅することが意図されることは理解されるべきである。