特許第6553733号(P6553733)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6553733D2D通信システムにおいてサイドリンクバッファー状態報告によってトリガーされたスケジューリング要求を取り消す方法及びその装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6553733
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】D2D通信システムにおいてサイドリンクバッファー状態報告によってトリガーされたスケジューリング要求を取り消す方法及びその装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/12 20090101AFI20190722BHJP
   H04W 76/14 20180101ALI20190722BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20190722BHJP
【FI】
   H04W72/12 150
   H04W76/14
   H04W92/18
【請求項の数】12
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2017-543681(P2017-543681)
(86)(22)【出願日】2015年7月29日
(65)【公表番号】特表2017-538374(P2017-538374A)
(43)【公表日】2017年12月21日
(86)【国際出願番号】KR2015007952
(87)【国際公開番号】WO2016072592
(87)【国際公開日】20160512
【審査請求日】2018年7月27日
(31)【優先権主張番号】62/075,806
(32)【優先日】2014年11月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】リ ソンヨン
(72)【発明者】
【氏名】イ ソンジュン
【審査官】 齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−155334(JP,A)
【文献】 Huawei, HiSilicon,D2D impacts on scheduling request and Text Proposals[online],3GPP TSG-RAN WG2#87bis R2-144404,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_87bis/Docs/R2-144404.zip>,2014年10月10日
【文献】 LG Electronics Inc.,ProSe BSR format with support of more than 4 Groups[online],3GPP TSG-RAN WG2#87bis R2-144588,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_87bis/Docs/R2-144588.zip>,2014年10月10日
【文献】 Huawei, HiSilicon,ProSe-BSR Triggering and Cancelling Mechanisms and Text Proposals[online],3GPP TSG-RAN WG2#87bis R2-144407,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_87bis/Docs/R2-144407.zip>,2014年10月10日
【文献】 LG Electronics,Issues on Scheduling Request for D2D Communication[online],3GPP TSG-RAN WG2#87 R2-143543,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_87/Docs/R2-143543.zip>,2014年 8月22日
【文献】 Huawei, HiSilicon,Additional Condition for SR Cancelling[online],3GPP TSG-RAN WG2#89 R2-150295,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_89/Docs/R2-150295.zip>,2015年 2月13日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムで動作する端末のための方法であって、
一つ以上のスケジューリング要求(Scheduling Requests;SRs)が保留中(pending)にある間に上りリンク承認を受信する段階と
前記上りリンク承認に基づいて、メディアアクセス制御(Medium Access Control;MAC)プロトコルデータユニット(Protocol Data Unit;PDU)を生成する段階と、
前記一つ以上の保留中のSRの全てが端末対端末通信に関するバッファー状態報告(Buffer Status Report;BSR)過程によってトリガーされ、端末対基地局通信に関するBSR過程によってトリガーされた保留中のSRがない場合、
前記生成したMAC PDUが前記端末対端末通信に関するBSR過程をトリガーした最後のイベントまで含むバッファー状態を有するサイドリンクBSR MAC制御要素(Control Element;CE)を有する場合、前記一つ以上の保留中のSRの全て取り消す段階と、有する、方法。
【請求項2】
前記端末対端末通信に関するBSRは、PC5インターフェースを介して通信され1つ以上のサイドリンクバッファにおいて送信に利用可能なデータの量を示し、
前記端末は、前記端末対端末通信において前記PC5インターフェースを介して他の端末と直接通信を行う、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記一つ以上の保留中のSRの全てを取り消す場合、sr−ProhibitTimerを停止する段階をさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記サイドリンクBSR MAC CEが前記端末対端末通信に関するBSR過程をトリガーした最後のイベントまで含むバッファー状態を有しない場合、前記端末は保留中のSRを取り消さない、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記MAC PDUがサイドリンクBSR MAC CEを有しない場合、前記端末は保留中のSRを取り消さない、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記端末対端末通信に関するBSR過程によってトリガーされた全ての保留中のSRを取り消す場合、前記端末対端末通信に関してトリガーされた全てのBSRを取り消す段階をさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
無線通信システムで動作する端末であって、
無線周波数(Radio FrequencyRF)モジュールと、
前記RFモジュールに対して構成されたプロセッサと、有し、
前記プロセッサは
一つ以上のスケジューリング要求(Scheduling RequestsSRs)が保留中(pending)にある間に上りリンク承認を受信し
前記上りリンク承認に基づいて、メディアアクセス制御(Medium Access Control;MAC)プロトコルデータユニット(Protocol Data Unit;PDU)を生成し、
前記一つ以上の保留中のSRの全てが端末対端末通信に関するバッファー状態報告(Buffer Status Report;BSR)過程によってトリガーされ、端末対基地局通信に関するBSR過程によってトリガーされた保留中のSRがない場合、
前記生成したMAC PDUが前記端末対端末通信に関するBSR過程をトリガーした最後のイベントまで含むバッファー状態を有するサイドリンクBSR MAC制御要素(Control ElementCE)を有する場合、前記一つ以上の保留中のSRの全て取り消すように構成される、端末。
【請求項8】
前記端末対端末通信に関するBSRは、PC5インターフェースを介して通信され1つ以上のサイドリンクバッファにおいて送信に利用可能なデータの量を示し、
前記端末は、前記端末対端末通信において前記PC5インターフェースを介して他の端末と直接通信を行う、請求項に記載の端末。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記一つ以上の保留中のSRの全てを取り消す場合、sr−ProhibitTimerを停止するようにさらに構成される、請求項に記載の端末。
【請求項10】
前記サイドリンクBSR MAC CEが前記端末対端末通信に関するBSR過程をトリガーした最後のイベントまで含むバッファー状態を有しない場合、前記プロセッサは保留中のSRを取り消さない、請求項に記載の端末。
【請求項11】
前記MAC PDUがサイドリンクBSR MAC CEを有しない場合、前記プロセッサは保留中のSRを取り消さない、請求項に記載の端末。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記端末対端末通信に関するBSR過程によってトリガーされた全ての保留中のSRを取り消す場合、前記端末対端末通信に関してトリガーされた全てのBSRを取り消すようにさらに構成される、請求項に記載の端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信システムに関するもので、特にD2D(Device to Device)通信システムにおいてサイドリンクバッファー状態報告によってトリガーされたスケジューリング要求を取り消す方法及びその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明を適用できる無線通信システムの一例として、3GPP LTE(3rd Generation Partnership Project Long Term Evolution;以下、「LTE」という)通信システムについて概略的に説明する。
【0003】
図1は、無線通信システムの一例として、E―UMTS網の構造を概略的に示した図である。E―UMTS(Evolved Universal Mobile Telecommunications System)は、既存のUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)から進化したシステムであって、現在、3GPPで基礎的な標準化作業を進めている。一般に、E―UMTSは、LTE(Long Term Evolution)システムと称することもできる。UMTS及びE―UMTSの技術規格(technical specification)の詳細な内容は、それぞれ「3rd Generation Partnership Project;Technical Specification Group Radio Access Network」のRelease 7とRelease 8を参照することができる。
【0004】
図1を参照すると、E―UMTSは、端末(User Equipment;UE)、基地局(eNode B;eNB)、及びネットワーク(E―UTRAN)の終端に位置し、外部ネットワークと接続される接続ゲートウェイ(Access Gateway;AG)を含む。基地局は、ブロードキャストサービス、マルチキャストサービス及び/又はユニキャストサービスのために多重データストリームを同時に送信することができる。
【0005】
一つの基地局には一つ以上のセルが存在する。セルは、1.25MHz、2.5MHz、5MHz、10MHz、15MHz、20MHzなどの帯域幅のうち一つに設定され、多くの端末にダウンリンク又はアップリンク送信サービスを提供する。互いに異なるセルは、互いに異なる帯域幅を提供するように設定することができる。基地局は、多数の端末に対するデータ送受信を制御する。ダウンリンク(Downlink;DL)データに対して、基地局は、ダウンリンクスケジューリング情報を送信し、該当端末にデータが送信される時間/周波数領域、符号化、データサイズ、HARQ(Hybrid Automatic Repeat and reQuest)関連情報などを知らせる。また、アップリンク(Uplink;UL)データに対して、基地局は、アップリンクスケジューリング情報を該当端末に送信し、該当端末が使用可能な時間/周波数領域、符号化、データサイズ、HARQ関連情報などを知らせる。各基地局間には、ユーザトラフィック又は制御トラフィックの送信のためのインターフェースを使用することができる。核心網(Core Network;CN)は、AG及び端末のユーザ登録などのためのネットワークノードなどで構成することができる。AGは、複数のセルで構成されるTA(Tracking Area)単位で端末の移動性を管理する。
【0006】
D2D(Device to Device)通信は、基地局などのインフラストラクチャを利用せず、隣接ノード間でトラフィックを直接伝達する分散された通信技術のことをいう。D2D通信環境において、携帯用端末などの各ノードは、物理的にそれに隣接する端末(user equipment)を発見し、通信セッションを設定した後でトラフィックを送信する。この方式によれば、D2D通信は、基地局に集中しているトラフィックを分散してトラフィックの過負荷を解決でき、この点から、D2D通信は、4G以後の次世代モバイル通信技術の基本技術として注目を受けている。そこで、3GPP又はIEEEなどの標準協会は、LTE―A又はWi―Fiに基づいてD2D通信標準の確立を進行しており、クアルコム(Qualcomm)も自身のD2D通信技術を開発してきている。
【0007】
D2D通信は、モバイル通信システムのスループットを増加させ、新しい通信技術を生成するのに寄与すると期待される。また、D2D通信は、プロキシミティベースのソーシャルネットワークサービス又はネットワークゲームサービスをサポートすることができる。陰影地域(shade zone)に位置する端末のリンク問題は、D2Dリンクをリレーとして使用することによって解決することができる。この方式により、D2D技術は、多様な分野で新しいサービスを提供すると期待される。
【0008】
赤外線通信、ジグビー(ZigBee)、RFID(radio frequency identification)及びRFIDに基づくNFC(near field communication)などのD2D通信技術は既に使用されている。しかし、これらの技術は、限られた距離(約1m)内の特定オブジェクトの通信しかサポートせず、厳密にこれらの技術をD2D通信技術と見なすことは難しい。
【0009】
D2D技術が前記のように記述されてきたが、同一のリソースを用いて複数のD2D端末からデータを送信する方法の細部事項は提案されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、D2D通信システムにおいてサイドリンクバッファ状態報告によってトリガーされたスケジューリング要求を取り消す方法及びその装置を提供することにある。本発明で遂げようとする技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及していない他の技術的課題は、以下の記載から、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者には明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的は無線通信システムで装置によって動作する方法を提供することによって達成可能であり、この方法は一つ以上のスケジューリング要求(Scheduling Requests、SRs)が保留中(pending)にある間に上りリンク承認を受信する段階であって、一つ以上のスケジューリング要求はいずれもサイドリンクバッファー状態報告(sidelink Buffer Status Report、BSR)によってトリガーされる、段階と、メディアアクセス制御プロトコルデータユニット(Medium Access Control Protocol Data Unit、MAC PDU)を生成する段階と、MAC PDUがサイドリンクBSR MAC制御要素(Control Element、CE)を含む場合、一つ以上の保留中のスケジューリング要求を全て取り消す段階を含む。
【0012】
本発明の他の態様によると、無線通信システムで動作する端末が提供され、この端末は無線周波数(Radio Frequency、RF)モジュールと、無線周波数モジュールを制御するように構成されたプロセッサを含み、プロセッサは一つ以上のスケジューリング要求(Scheduling Requests、SRs)が保留中(pending)にある間に上りリンク承認を受信し、ここで一つ以上のスケジューリング要求はいずれもサイドリンクバッファー状態報告(sidelink Buffer Status Report、BSR)によってトリガーされる、メディアアクセス制御プロトコルデータユニット(Medium Access Control Protocol Data Unit、MAC PDU)を生成し、MAC PDUがサイドリンクBSR MAC制御要素(Control Element、CE)を含む場合、一つ以上の保留中のスケジューリング要求を全て取り消すように構成される。
【0013】
好ましくは、サイドリンクBSR MAC CEはサイドリンクBSRをトリガーした最後のイベントまで含むバッファー状態を含む。
【0014】
好ましくは、前記方法は、MAC PDUがサイドリンクBSR MAC CEを含む場合、sr−ProhibitTimerを停止する段階をさらに含む。
【0015】
好ましくは、サイドリンクBSR MAC CEがサイドリンクBSRをトリガーした最後のイベントまで含むバッファー状態を含まない場合、端末はサイドリンクBSRによってトリガーされた保留中のスケジューリング要求を取り消さない。
【0016】
好ましくは、MAC PDUがサイドリンクBSR MAC CEを含まない場合、端末はサイドリンクBSRによってトリガーされた保留中のスケジューリング要求を取り消さない。
【0017】
好ましくは、MAC PDUがサイドリンクBSRをトリガーした最後のイベントまで含むバッファー状態を含まないサイドリンクBSR MAC CEを含む場合、端末はサイドリンクBSRによってトリガーされた保留中のスケジューリング要求を取り消さない。
【0018】
好ましくは、端末はトリガーされた全てのサイドリンクBSRを取り消す。
【0019】
上述した一般的な説明及び次の本発明の詳細な説明は例示的に説明するためのもので、本発明の更なる説明を提供するためのものであることを理解しなければならない。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、D2D通信システムにおいてサイドリンクバッファー状態報告によってトリガーされたスケジューリング要求が所定の条件の下で取り消されることができる。
【0021】
本発明で得られる効果は以上で言及した効果に制限されず、言及しなかった他の効果は以下の記載から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明らかに理解可能であろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本明細書に添付する図面は本発明に対する更なる理解を提供するためのもので、本発明の多様な実施形態を示し、明細書の記載と一緒に本発明の原理を説明するためのものである。
図1】無線通信システムの一例としてE−UMTS(Evolved Universal Mobile Telecommunications System)のネットワーク構造を示す図である。
図2a】E−UMTSのネットワーク構造を示すブロック図である。
図2b】典型的なE−UTRAN及び典型的なEPCのアーキテクチャーを示すブロック図である。
図3】3GPP(3rd generation partnership project)無線アクセスネットワーク標準に基づく端末及びE−UTRANの間の無線インターフェースプロトコルの制御平面及び使用者平面を示す図である。
図4】E−UMTSシステムに使われる例示的な物理チャネル構造を示す図である。
図5】本発明の実施例による通信装置のブロック図である。
図6】一般通信のためのデフォルトデータ経路の例を示す図である。
図7】近接通信のためのデータ経路シナリオの例を示す図である。
図8】近接通信のためのデータ経路シナリオの例を示す図である。
図9】非ローミング(non−roaming)レファレンスアーキテクチャーを示す概念図である。
図10】サイドリンクのためのLayer−2構造を示す概念図である。
図11図11aはProSe直接通信のための使用者平面プロトコルスタックを示す概念図、図11bはProSe直接通信のための制御平面プロトコルスタックを示す図である。
図12】ProSe直接ディスカバリ(discovery)のためのPC5インターフェースを示す概念図である。
図13】下りリンクのためのLTEプロトコルアーキテクチャーの一般概要を示す図である。
図14】スケジューリング要求伝送を示す図である。
図15】バッファー状態及びパワーヘッドルーム報告のシグナリングを示す図である。
図16a】従来技術のSRの取消しの例を示す図である。
図16b】従来技術のSRの取消しの例を示す図である。
図16c】従来技術のSRの取消しの例を示す図である。
図17】本発明の実施例によるD2D通信システムにおいてサイドリンクバッファー状態報告によってトリガーされたスケジューリング要求の取消しを示す図である。
図18】本発明の実施例によるD2D通信システムにおいてサイドリンクバッファー状態報告によってトリガーされたスケジューリング要求を取り消した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)は、ヨーロッパシステム、GSM(Global system for mobile communication)、及びGPRS(General Packet Radio Service)を基盤としたWCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)で動作する3世代(3rd Generation、3G)非対称移動通信システムである。UMTSのLTE(Long―Term Evolution)は、UMTSを規格化する3GPPによって議論中である。
【0024】
3GPP LTEは、高速パケット通信を可能にする技術である。ユーザ及び提供者の費用を減少させ、サービス品質を改善し、カバレッジ(coverage)及びシステム容量を拡張及び改善することを目的とするLTE課題のための多くの方法が提案された。3G LTEは、上位―レベル要求であって、ビット(bit)当たりの費用減少、増加したサービス可用性、周波数帯域の柔軟性、単純な構造、開放型インターフェース、及び端末の適切な電力消耗を要求する。
【0025】
以下で、添付の図面を参照して説明した本発明の各実施例により、本発明の構成、作用及び他の特徴が容易に理解され得るだろう。以下で説明する各実施例は、本発明の技術的特徴が3GPPシステムに適用された各例である。
【0026】
本明細書は、LTEシステム及びLTE―Aシステムを用いて本発明の各実施例を説明するが、これは例示に過ぎない。したがって、本発明の各実施例は、前記定義に該当するいずれの通信システムにも適用することができる。また、本明細書は、FDD方式を基準にして本発明の実施例に対して説明するが、これは例示であって、本発明の実施例は、H―FDD方式又はTDD方式にも容易に変形して適用することができる。
【0027】
図2aは、E―UTRAN(Evolved―Universal Terrestrial Radio Access Network)網構造を示すブロック図である。E―UMTSは、LTEシステムと称することもできる。通信網は、IMS及びパケットデータを通じたVoIP(Voice over IP)などの多様なサービスを提供するために広く配置される。
【0028】
図2aに示したように、E―UMTS網は、E―UTRAN(evolved UMTS terrestrial radio access network)、EPC(Evolved Packet Core)、及び一つ以上の端末を含む。E―UTRANは、一つ以上のeNB(evolved NodeB)20を含むことができ、複数の端末10が一つのセルに位置することができる。一つ以上のE―UTRAN MME(Mobility Management Entity)/SAE(System Architecture Evolution)ゲートウェイ30は、ネットワークの終端に位置し、外部ネットワークに接続することもできる。
【0029】
本明細書において、「ダウンリンク(downlink)」は、eNB20から端末10への通信を称し、「アップリンク(uplink)」は、端末10からeNB20への通信を称する。端末10は、ユーザによって運搬される通信装備を称し、また、移動局(Mobile Station、MS)、ユーザ端末(User Terminal、UT)、加入者ステーション(Subscriber Station、SS)又は無線デバイスと称することもできる。
【0030】
図2bは、一般的なE―UTRANと一般的なEPCの構造を示すブロック図である。
【0031】
図2bに示したように、eNB20は、ユーザ平面及び制御平面のエンドポイント(end point)を端末10に提供する。MME/SAEゲートウェイ30は、セッション及び移動性管理機能のエンドポイントを端末10に提供する。eNB20及びMME/SAEゲートウェイ30は、S1インターフェースを介して接続することができる。
【0032】
eNB20は、一般に端末10と通信する固定局であって、基地局(BS)又はアクセスポイント(access point)と称することもある。一つのeNB20はセルごとに配置することができる。ユーザトラフィック又は制御トラフィックを送信するためのインターフェースをeNB20間で使用することができる。
【0033】
MMEは、eNB20に対するNASシグナリング、NASシグナリング保安、AS保安制御、3GPP接続ネットワーク間の移動性のためのインター(inter)CNノードシグナリング、(ページング再送信の制御及び実行を含む)遊休モード(idle mode)端末接近性(Reachability)、(遊休モード及び活性モード(active mode)の端末のための)トラッキング領域リスト管理、PDN GW及びサービングGW選択、MME変化が伴うハンドオーバーのためのMME選択、2G又は3G 3GPP接続ネットワークへのハンドオーバーのためのSGSN選択、ローミング、認証、専用ベアラ設定を含むベアラ管理、(ETWS及びCMASを含む)PWSメッセージ送信のためのサポートを含む多様な機能を行う。SAEゲートウェイホストは、パー―ユーザ(Per―user)ベースのパケットフィルタリング(例えば、深層パケット検査を使用)、適法なインターセプション(Lawful Interception)、端末 IPアドレス割り当て、ダウンリンクでの送信(Transport)レベルパケットマーキング、UL及びDLサービスレベル課金、ゲーティング及びレート強化、APN―AMBRに基づいたDLレート強化を含む多様な機能を提供する。MME/SAEゲートウェイ30は、明確性のために、本明細書で単純に「ゲートウェイ」と称する。しかし、MME/SAEゲートウェイ30は、MME及びSAEゲートウェイの両者を全て含む。
【0034】
複数のノードは、eNB20とゲートウェイ30との間でS1インターフェースを介して接続することができる。各eNB20は、X2インターフェースを介して相互接続することができ、各隣接eNBは、X2インターフェースを有するメッシュネットワーク構造(meshed network structure)を有することができる。
【0035】
図2bに示したように、eNB20は、ゲートウェイ30に対する選択、無線リソース制御(Radio Resource Control、RRC)活性化の間、ゲートウェイに向かうルーティング、ページングメッセージのスケジューリング及び送信、ブロードキャストチャネル(BCCH)情報のスケジューリング及び送信、アップリンク及びダウンリンクの全てにおける各端末10のための動的リソース割り当て、eNB測定の構成及び準備、無線ベアラ制御、無線承認制御(Radio Admission Control、RAC)、及びLTE_ACTIVE状態での接続移動性制御などの各機能を行うことができる。EPCにおいて、ゲートウェイ30は、ページング発信、LTE_IDLE状態管理、ユーザ平面暗号化、システム構造エボリューション(System Architecture Evolution、SAE)ベアラ制御、及び非―接続層(Non―Access Stratum、NAS)シグナリングの暗号化及び無欠性保護などの各機能を行うことができる。
【0036】
EPCは、移動性管理エンティティ(Mobility Management Entity、MME)、サービング―ゲートウェイ(serving―gateway、S―GW)、及びパケットデータネットワーク―ゲートウェイ(Packet Data Network―Gateway、PDN―GW)を含む。MMEは、主に各端末の移動性を管理する目的で用いられる接続及び可用性に対する情報を有する。S―GWは、E―UTRANを終端点として有するゲートウェイで、PDN―GWは、パケットデータネットワーク(PDN)を終端点として有するゲートウェイである。
【0037】
図3は、3GPP無線接続網規格を基盤にした端末とE―UTRANとの間の無線インターフェースプロトコルの制御平面及びユーザ平面の構造を示す図である。制御平面は、端末(User Equipment;UE)とネットワークがコールを管理するために用いる各制御メッセージが送信される通路を意味する。ユーザ平面は、アプリケーション層で生成されたデータ、例えば、音声データ又はインターネットパケットデータなどが送信される通路を意味する。
【0038】
第1層である物理層は、物理チャネル(Physical Channel)を用いて上位層に情報送信サービス(Information Transfer Service)を提供する。物理層は、上位にある媒体接続制御(Medium Access Control)層とは送信チャネル(Transport Channel)を介して接続されている。前記送信チャネルを介して媒体接続制御層と物理層との間にデータが移動する。送信側と受信側の物理層間には、物理チャネルを介してデータが移動する。前記物理チャネルは、時間と周波数を無線リソースとして活用する。具体的に、物理チャネルは、ダウンリンクでOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式で変調され、アップリンクでSC―FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)方式で変調される。
【0039】
第2層の媒体接続制御(Medium Access Control;MAC)層は、論理チャネル(Logical Channel)を介して上位層である無線リンク制御(Radio Link Control;RLC)層にサービスを提供する。第2層のRLC層は、信頼性のあるデータ送信をサポートする。RLC層の機能は、MAC内部の機能ブロックで具現することもできる。第2層のPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層は、帯域幅の狭い無線インターフェースでIPバージョン4(IP version 4、IPv4)パケットやIPバージョン6(IPv6)パケットのようなIP(internet protocol)パケットを効率的に送信するために不必要な制御情報を減少させるヘッダ圧縮(Header Compression)機能を行う。
【0040】
第3層の最下部に位置した無線リソース制御(Radio Resource Control;RRC)層は、制御平面のみで定義される。RRC層は、各無線ベアラ(Radio Bearer;RB)の設定(Configuration)、再設定(Re―configuration)及び解除(Release)と関連して論理チャネル、送信チャネル及び物理チャネルの制御を担当する。RBは、端末とネットワークとの間のデータ伝達のために第2層によって提供されるサービスを意味する。このために、端末とネットワークのRRC層は、互いにRRCメッセージを交換する。
【0041】
eNBの一つのセルは、1.25MHz、2.5MHz、5MHz、10MHz、15MHz及び20MHzなどの各帯域のうち一つで動作するように設定することができ、帯域でダウンリンク又はアップリンク送信サービスを提供するように設定することができる。異なる各セルは、異なる各帯域を提供するように設定することもできる。
【0042】
E―UTRANから端末への送信のためのダウンリンク送信チャネル(Downlink transport Channel)は、システム情報を送信するBCH(Broadcast Channel)、各ページングメッセージを送信するPCH(Paging Channel)、及びユーザトラフィック又は各制御メッセージを送信するためのダウンリンク共有チャネル(Shared Channel、SCH)を含む。ダウンリンクマルチキャスト又はブロードキャストサービスのトラフィック又は制御メッセージの場合、ダウンリンクSCHを介して送信することもでき、又は別途のダウンリンクMCH(Multicast Channel)を介して送信することもできる。
【0043】
端末からネットワークにデータを送信するアップリンク送信チャネルとしては、初期制御メッセージを送信するRACH(Random Access Channel)と、その他にユーザトラフィックや制御メッセージを送信するアップリンクSCH(Shared Channel)とがある。送信チャネルの上位にあり、送信チャネルにマップされる論理チャネルとしては、BCCH(Broadcast Control Channel)、PCCH(Paging Control Channel)、CCCH(Common Control Channel)、MCCH(Multicast Control Channel)、及びMTCH(Multicast Traffic Channel)などがある。
【0044】
図4は、E―UMTSシステムで使用する物理チャネル構造の一例を示した図である。物理チャネルは、時間軸上にある多数のサブフレームと、周波数軸上にある多数のサブキャリア(Sub―carrier)とで構成される。ここで、一つのサブフレーム(Sub―frame)は、時間軸上に複数のシンボル(Symbol)で構成される。一つのサブフレームは、複数のリソースブロック(Resource Block)で構成され、一つのリソースブロックは、複数のシンボル及び複数のサブキャリアで構成される。また、各サブフレームは、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、すなわち、L1/L2制御チャネルのために該当サブフレームの特定シンボル(例えば、1番目のシンボル)の特定サブキャリアを用いることができる。図4には、L1/L2制御情報送信領域(PDCCH)とデータ領域(PDSCH)を示した。一実施例において、10msの無線フレーム(radio frame)が使用され、一つの無線フレームは10個のサブフレーム(subframe)で構成される。また、一つのサブフレームは二つの連続するスロットで構成される。一つのスロットの長さは0.5msである。また、一つのサブフレームは多数のOFDMシンボルで構成され、多数のOFDMシンボルのうち一部のシンボル(例えば、1番目のシンボル)は、L1/L2制御情報を送信するために使用することができる。データ送信のための時間単位である送信時間間隔(Transmission Time Interval、TTI)は1msである。
【0045】
基地局と端末は、一般に特定制御信号又は特定サービスデータを除いては、送信チャネルであるDL―SCHを用いる物理チャネルであるPDSCHを介してデータを送信/受信する。PDSCHのデータがいずれの端末(一つ又は複数の端末)に送信されるもので、前記各端末がどのようにPDSCHデータを受信してデコード(decoding)しなければならないのかに対する情報などは、PDCCHに含まれて送信される。
【0046】
例えば、特定PDCCHが「A」というRNTI(Radio Network Temporary Identity)でCRCマスク(masking)されており、「B」という無線リソース(例えば、周波数位置)及び「C」という送信形式情報(例えば、送信ブロックサイズ、変調方式、コーディング情報など)を用いて送信されるデータに関する情報が特定サブフレームを介して送信されると仮定する。この場合、セル内の端末は、自身が有しているRNTI情報を用いてPDCCHをモニターし、「A」RNTIを有している一つ以上の端末があると、前記各端末はPDCCHを受信し、受信したPDCCHの情報を介して「B」と「C」によって指示されるPDSCHを受信する。
【0047】
図5は、本発明の実施例に係る通信装置のブロック図である。
【0048】
図5に示された装置は、上述したメカニズムを行うように適応されたユーザ装置(User Equipment、UE)及び/又はeNBであってもよいが、同じ作業を行う任意の装置であってもよい。
【0049】
図5に示したように、装置は、DSP(Digital Signal Processor)/マイクロプロセッサ110及びRF(Radio Frequency)モジュール(送受信機;135)を含むこともできる。DSP/マイクロプロセッサ110は、送受信機135に電気的に接続されて送受信機135を制御する。装置は、設計者の選択によって、電力管理モジュール105、バッテリ155、ディスプレイ115、キーパッド120、SIMカード125、メモリデバイス130、スピーカー145及び入力デバイス150をさらに含むこともできる。
【0050】
特に、図5は、ネットワークから要求メッセージを受信するように構成された受信機135及びネットワークに送/受信タイミング情報を送信するように構成された送信機135を含む端末を示してもよい。このような受信機と送信機は送受信機135を構成できる。端末は、送受信機(受信機及び送信機、135)に接続されたプロセッサ110をさらに含むこともできる。
【0051】
また、図5は、端末に要求メッセージを送信するように構成された送信機135及び端末から送受信タイミング情報を受信するように構成された受信機135を含むネットワーク装置を示してもよい。送信機及び受信機は送受信機135を構成することもできる。ネットワークは、送信機及び受信機に接続されたプロセッサ110をさらに含む。このプロセッサ110は、送受信タイミング情報に基づいて遅延(latency)を計算することもできる。
【0052】
最近、3GPPでプロキシミティ基盤のサービス(Proximity―based Service;ProSe)が論議されている。ProSeは、(認証などの適切な手続後)eNBのみを介して(SGW(Serving Gate―way(SGW)/PDN(Packet Data Network)―GW(PGW)を介することなく)又はSGW/PGWを介して異なる端末を(直接)互いに接続させることができる。よって、ProSeを用いて装置対装置直接通信を提供することができ、全ての装置がユビキタス接続で接続されると期待される。近接した距離内の装置間の直接通信はネットワークの負荷を減少させることができる。最近、プロキシミティ基盤のソーシャルネットワークサービスは大衆の注目を受けており、新しい種類のプロキシミティ基盤のアプリケーションが出現され、新しいビジネスの市場及び収益を創造することができる。第一のステップにおいて、公衆安全及び緊要な通信(critical communication)が市場で要求される。また、グループ通信は、公衆安全システムの重要なコンポーネントの一つである。プロキシミティ基盤のディスカバリ、直接経路通信及びグループ通信の管理などの機能が要求される。
【0053】
使用ケースとシナリオは、例えば、i)商業的/社会的使用、ii)ネットワークオフローディング(offloading)、iii)公衆安全、iv)到達可能性(reachability)及び移動度の形態(mobility aspects)を含むユーザ経験の一貫性を確保するための現在のインフラストラクチャサービスの統合、v)(地域規定及びオペレータポリシーの対象であり、特定公衆安全指定周波数帯域及び端末に制限された)EUTRANカバレッジの不在時の公衆安全である。
【0054】
図6は、2個の端末間の通信のためのデフォルトデータ経路の例を示す。図6を参照すると、非常に近接した2個の端末(例えば、UE1、UE2)が互いに通信するときにも、それらのデータ経路(ユーザ平面)はオペレータネットワークを介する。よって、通信のための一般的なデータ経路は、eNB及びゲートウェイ(GW)(例えば、SGW/PGW)を含む。
【0055】
図7乃至図8は、プロキシミティ通信のためのデータ経路シナリオの例を示す。無線装置(例えば、UE1、UE2)が互いに隣接すると、直接モードデータ経路(図7)又は地域的にルートされたデータ経路(図8)を用いることができる。直接モードデータ経路において、eNB及びSGW/PGWなしで(認証などの適切な手続後に)無線装置が互いに直接接続される。地域的にルートされたデータ経路では、無線装置がeNBのみを介して互いに接続される。
【0056】
図9は、ノン―ローミングリファレンスアーキテクチャを示す概念図である。
【0057】
PC1乃至PC5はインターフェースを示す。PC1は、端末内のProSeアプリケーションとProSeアプリケーションサーバとの間の基準点である。これは、アプリケーションレベルシグナリング要求事項を定義するのに使用される。PC2は、ProSeアプリケーションサーバとProSe機能との間の基準点である。これは、ProSeアプリケーションサーバと、ProSe機能(function)を介して3GPP EPSによって提供されるProSe機能性(functionality)との間の相互作用を定義するのに使用される。一例として、ProSe機能内のProSeデータベースに対するアプリケーションデータアップデートのためのものであり得る。他の例は、3GPP機能性とアプリケーションデータ、例えば、名前変換(name translation)との間の相互作用(interworking)でProSeアプリケーションサーバによって使用されるデータであり得る。PC3は、端末とProSe機能との間の基準点である。これは、端末とProSe機能との間の相互作用を定義するのに使用される。一例は、ProSeディスカバリ及び通信のための構成に使用することができる。PC4は、EPCとProSe機能との間の基準点である。これは、EPCとProSe機能との間の相互作用を定義するのに使用される。可能な使用ケースは、各端末間の1対1通信経路を設定するケース、又は、セッション管理又は移動度管理のためにProSeサービス(認証)を実時間で有効化するケースであり得る。
【0058】
PC5は、(各端末間直接及びLTE―Uuを介した各端末間)1対1通信及びリレーのためにディスカバリ及び通信のための制御及びユーザ平面に使用される各端末間の基準点である。最後に、PC6は、異なるPLMNに加入された各ユーザ間のProSeディスカバリなどの機能に使用できる基準点である。
【0059】
EPC(Evolved Packet Core)は、MME、S―GW、P―GW、PCRF、HSSなどのエンティティを含む。ここで、EPCは、E―UTRANコアネットワークアーキテクチャを示す。EPC内のインターフェースは、図9に明示的に示していないが、影響を受けることができる。
【0060】
アプリケーション機能性を形成するProSe能力のユーザであるアプリケーションサーバは、例えば、公衆安全の場合は特定エージェンシー(PSAP)であってもよく、商業的場合はソーシャルメディアであってもよい。これらアプリケーションは3GPPアーキテクチャ外で定義されるが、3GPPエンティティに向かう基準点があり得る。アプリケーションサーバは、端末内のアプリケーションに向かって通信することができる。
【0061】
端末内のアプリケーションはアプリケーション機能を形成するためのProSeケイパビリティ(capability)を用いる。その例は公衆安全グループのメンバー間の通信又は隣接した友達を捜すことを要求するソーシャルメディアアプリケーションであってもよい。3GPPによって定義された(EPSの一部としての)ネットワーク内のProSe機能はProSeアプリサーバー、EPC及び端末に対して基準点を有する。
【0062】
機能は、制限されないが、例えば次を含むことができる。
【0063】
−第3者アプリケーションに対して基準点を介した相互作用(interworking)
【0064】
−ディスカバリ及び直接通信のための端末の許可(Authorization)及び設定(configuration)
【0065】
−EPCレベルProSe Appディスカバリの機能をイネーブル
【0066】
−ProSe関連の新加入者データ及びデータストレージのハンドリング;そしてProSeアイデンティティのハンドリング
【0067】
−保安関連機能
【0068】
−ポリジー関連機能に対するEPCへの制御を提供
【0069】
−チャージング(EPCを介して又はその外部、例えばオフラインチャージング)のための機能を提供
【0070】
特に、次のアイデンティティはProSe直接通信に使われる。
【0071】
−ソースLayer−2 IDはPC5インターフェースでD2DCパケットの送信者を識別する。ソースLayer−2 IDは受信機RLCエンティティの識別に使われる。
【0072】
−目的地Layer−2 IDはPC5インターフェースでD2Dパケットターゲットを識別する。目的地Layer−2 IDはMAC階層でパケットのフィルタリングに使われる。目的地Layer−2 IDはブロードキャスト、グループキャスト又はユニキャスト識別子であってもよい。
【0073】
−SA L1 IDはPC5インターフェースでスケジューリング割り当て(SA)の識別子である。SA L1 IDは物理階層におけるパケットのフィルタリングに使われる。SA L1 IDはブロードキャスト、グループキャスト又はユニキャスト識別子であってもよい。
【0074】
グループ形成及び端末内のソースLayer−2 ID及び目的地Layer−2 IDの設定にはアクセス階層シグナリング(Access Stratum signaling)が要求されない。この情報は上位層によって提供される。
【0075】
グループキャスト及びユニキャストの場合、MAC階層はターゲット(グループ、端末)を識別する上位層ProSe ID(すなわち、ProSe Layer−2グループID及びProse UE ID)を2個のビットストリングに変換するはずであり、この2個のビットストリングの一つは物理階層に伝達されてSA L1 IDとして使われる反面、他の一つは目的地Layer−2 IDとして使われる。ブロードキャストのために、L2はグループキャスト及びユニキャストと同一のフォーマットで前もって定義されたSA L1 IDを用いるブロードキャスト送信であることをL1に指示する。
【0076】
図10はサイドリンク(Sidelink)のためのLayer−2構造を示す概念図である。
【0077】
サイドリンクはProSe直接通信及びProSe直接ディスカバリのための端末対端末インターフェースで、PC5インターフェースに対応する。サイドリンクはProSe直接ディスカバリ及び端末の間のProSe直接通信を含む。サイドリンクは上りリンク送信と類似した上りリンクリソース及び物理チャネル構造を用いる。しかし、後述する任意の変化が物理チャネルで起こる。E−UTRAは2個のMACエンティティ、つまり端末内の一つのエンティティ及びE−UTRAN内の一つのエンティティを定義する。これらMACエンティティはさらに次の伝送チャネル、i)サイドリンク放送チャネル(SL−BCH)、ii)サイドリンクディスカバリチャネル(SL−DCH)及びiii)サイドリンク共有チャネル(SL−SCH)をハンドリングする。
【0078】
−基本送信方式:サイドリンク送信はUL送信方式と同一の基本送信方式を用いる。しかし、サイドリンクは全てのサイドリンク物理チャネルに対する単一クラスター送信に制限される。また、サイドリンクはそれぞれのサイドリンクサブフレームの終りで1個のシンボルギャップを用いる。
【0079】
−物理階層プロセッシング:伝送チャネルのサイドリンク物理階層プロセッシングは次の段階でUL送信とは違う。
【0080】
i)スクランブリング:PSDCH及びPSCCHに対し、スクランブリングは端末特定ではない。
【0081】
ii)変調:64QAMはサイドリンクに対して支援されない。
【0082】
−物理サイドリンク制御チャネル:PSCCHはサイドリンク制御リソースにマッピングされる。PSCCHはPSSCHのために端末によって使われるリソース及び他の送信パラメータを示す。
【0083】
−サイドリンク参照信号:PSDCH、PSCCH及びPSSCH復調のために、上りリンク復調参照信号と類似した参照信号はノーマルCPではスロットの4番目シンボルで送信され、拡張CPではスロットの3番目シンボルで送信される。サイドリンク復調参照信号シーケンスの長さは割り当てられたリソースのサイズ(サブキャリアの数)と同一である。PSDCH及びPSCCHに対し、参照信号は固定ベースシーケンス、循環シフト及び直交カバーコードに基づいて生成される。
【0084】
−物理チャネル過程:カバレッジ内(in−coverage)の動作のために、サイドリンク送信のパワースペクトル密度はeNBによって影響されることができる。
【0085】
図11aはProSe直接通信のための使用者平面プロトコルスタックを示す概念図、図11bはProSe直接通信のための制御平面プロトコルスタックを示す図である。
【0086】
図11aは使用者平面に対するプロトコルスタックを示し、PDCP、RLC及びMAC副階層(他の端末で終了(terminate))は使用者平面に対して列挙された機能(例えば、ヘッダー圧縮、HARQ再送信)を遂行する。PC5インターフェースは、図11aに示したように、PDCP、RLC、MAC及びPHYで構成される。
【0087】
ProSe直接通信の使用者平面詳細事項:i)MACサブヘッダーは(多数の論理チャネルを区別する)LCDを含み、ii)MACヘッダーはソースLayer−2 ID及び目的地Layer−2 IDを含み、iii)MACマルチプレクシング/デマルチプレクシングにおいて、優先順位ハンドリング及びパッディングはProSe直接通信に有用であり、iv)RLC UMはProSe直接通信に使われ、v)RLC SDUのセグメンテーション及びリアセンブリが遂行され、vi)受信端末は送信ピア端末ごとに少なくとも一つのRLC UMエンティティを維持する必要があり、vii)RLC UM受信機は第1RLC UMデータユニットの受信前に設定される必要がなく、viii)U−ModeはProSe直接通信のためのPDCPのヘッダー圧縮に使われる。
【0088】
図11bは制御平面に対するプロトコルスタックを示し、RRC、RLC、MAC及びPHY副階層(他の端末で終了(terminate))は制御平面に対して列挙された機能を遂行する。D2D端末はD2D通信前に受信D2D端末への論理的接続を確立及び維持しない。
【0089】
図12はProSe直接ディスカバリ(discovery)のためのPC5インターフェースを示す概念図である。
【0090】
ProSe直接ディスカバリはPC5を介してE−UTRA直接無線信号を用いて隣接ProSe−イネーブル端末(等)を探索するためにProSe−イネーブル端末によって使われる過程として定義される。
【0091】
ProSe直接ディスカバリのための無線プロトコルスタック(AS)が図12に示されている。
【0092】
AS階層は次の機能を遂行する。
【0093】
−上位層とのインターフェース(ProSeプロトコル):MAC階層は上位層からディスカバリ情報を受信する(ProSeプロトコル)。IP階層はディスカバリ情報を送信するのに使われない。
【0094】
−スケジューリング:MAC階層は上位層から受信されたディスカバリ情報をアナウンスするのに使われる無線リソースを決定する。
【0095】
−ディスカバリPDU生成:MAC階層はディスカバリ情報を伝達するMAC PDUを形成し、決定された無線リソースでの送信のためにMAC PDUを物理階層に送信する。MACヘッダーが付け加えられない。
【0096】
ディスカバリ情報アナウンスメントのための2種のリソース割り当てが存在する。
【0097】
−タイプ1:ディスカバリ情報のアナウンシングのためのリソースが非端末特定に基づいて(on a non UE specific basis)割り当てられるリソース割り当て過程はさらに次の特徴を有する:i)eNBは端末にディスカバリ情報のアナウンシングに使われるリソースプール設定(resource pool configuration)を提供する。設定はSIBでシグナルされることができる、ii)端末は指示されたリソースプールから無線リソースを自律的に選択し、ディスカバリ情報をアナウンスする、iii)端末はそれぞれのディスカバリ期間の間にランダムに選択されたディスカバリリソースに対するディスカバリ情報をアナウンスすることができる。
【0098】
−タイプ2:ディスカバリ情報のアナウンシングのためのリソースが端末特定に基づいて割り当てられるリソース割り当て過程はさらに次の特徴を有する:i)RRC_CONNECTEDの端末はRRCを介してeNBにディスカバリ情報のアナウンシングのためのリソースを要求することができ、ii)eNBはRRCを介してリソースを割り当て、iii)リソースはモニタリングのために端末内に設定されたリソースプール内で割り当てられる。
【0099】
RRC_IDLEの端末に対し、eNBは次のオプションの一つを選択することができる。
【0100】
−eNBはSIBでディスカバリ情報アナウンスメントのためのタイプ1リソースプールを提供することができる。ProSe直接ディスカバリに対して許された端末はこれらリソースを用いてRRC_IDLEでディスカバリ情報をアナウンスする。
【0101】
−eNBはSIBでD2Dを支援するが、ディスカバリ情報アナウンスメントのためのリソースを提供しない。端末はディスカバリ情報アナウンスメントのためのD2Dリソースを要求するためにRRC Connectedに進入する必要がある。
【0102】
RRC_CONNECTEDの端末に対し、
−ProSe直接ディスカバリアナウンスメントを遂行するように許された端末はeNBにD2Dディスカバリアナウンスメントを遂行することを願うということを指示する。
【0103】
−eNBはMMEから受信された端末コンテキストを用いて端末がProSe直接ディスカバリアナウンスメントに対して許されたかを確認する。
【0104】
−eNBは専用RRCシグナリングによって(又は無リソース)ディスカバリ情報アナウンスメントのために端末がタイプ1リソースプール又は専用タイプ2リソースを用いるように設定する。
【0105】
−eNBによって割り当てられたリソースはa)eNBがRRCシグナリングによってリソース(等)を設定解除(de−configure)するか、b)端末がIDLEに進入するまで有効である。(リソースがIDLEでも有効なままで残っていることができるか否かが問題とならない(FFS))。
【0106】
RRC_IDLE及びRRC_CONNECTEDの受信端末は許されることによってタイプ1及びタイプ2ディスカバリリソースプールをモニターする。eNBはSIBでディスカバリ情報モニタリングに使われるリソースプール設定を提供する。SIBは隣接セルでアナウンスするのに使われるディスカバリリソースを含むことができる。
【0107】
図13は下りリンクのためのLTEプロトコルアーキテクチャーの一般概要を示す図である。
【0108】
下りリンクのためのLTEプロトコルアーキテクチャーの一般概要は図13に示されている。また、上りリンク伝送に関連したLTEプロトコル構造は、伝送フォーマット選択及びマルチアンテナ伝送に違いがあるが、図13の下りリンク構造と類似している。
【0109】
下りリンクで送信されるデータはSAEベアラ1301の一つ上でIPパケットの形態で進入する。無線インターフェースを介した伝送前、入って来るIPパケットが多数のプロトコルエンティティを介して伝達され、これは以下で要約され、次のセクションでもっと詳細に記載される。
【0110】
*パケットデータ収斂プロトコル(PDCP)1303はIPヘッダー圧縮を遂行して無線インターフェースを介して送信する必要があるビット数を減少させる。ヘッダー圧縮メカニズムはROHCに基づいてWCDMAだけでなくいくつかの他の移動通信標準に使われる標準化したヘッダー圧縮アルゴリズムである。また、PDCP1303は送信されたデータの暗号化(ciphering)及び無欠性保障(integrity protection)を担当する。受信機側で、PDCPプロトコルは該当暗号解読(deciphering)及び圧縮解除動作を遂行する。移動端末のために設定された無線ベアラごとに一つのPDCPエンティティが存在する。
【0111】
*無線リンク制御(RLC)1305はセグメンテーション/連結(segmentation/concatenation)、再送信ハンドリング及び上位層への順次伝達を担当する。WCDMAとは違い、LTE無線アクセスネットワークアーキテクチャーにただ一つのタイプのノードが存在するから、RLCプロトコルはeNodeBに位置する。RLC1305は無線ベアラの形態でサービスをPDCP1303に提供する。端末のために設定された無線ベアラごとに一つのRLCエンティティが存在する。
【0112】
端末のために設定された論理チャネルごとに一つのRLCエンティティが存在し、それぞれのRLCエンティティは、i)RLC SDUのセグメンテーション、連結(concatenation)及びリアセンブリ;ii)RLC再送信;及びiii)該当論理チャネルに対する順次伝達及び複製検出を担当する。
【0113】
RLCの他の注目すべき特徴は、(1)可変的なPDUサイズのハンドリング、及び(2)ハイブリッド−ARQ及びRLCプロトコル間の密接な相互作用に対する可能性である。最後に、論理チャネルごとに一つのRLCエンティティが存在し、コンポーネントキャリアごとに一つのハイブリッド−ARQエンティティが存在するという事実は、キャリアアグリゲーション(carrier aggregation)の場合、一つのRLCエンティティが多数のハイブリッド−ARQエンティティと相互作用することができるということを暗示する。
【0114】
セグメンテーション及び連結(concatenation)メカニズムの目的は入って来るRLC SDUから適切なサイズのRLC PDUを生成することである。一つの可能性は固定されたPDUサイズ、妥協可能なサイズを定義することである。サイズが大きすぎれば、最低のデータレートを支援することができない。また、シナリオによっては過度なパッディングが要求されることがある。しかし、単一の小さなPDUサイズはそれぞれのPDUとともに含まれるヘッダーから高いオーバーヘッドをもたらすことができる。LTEによって支援されるデータレーターの非常に大きな動的範囲を考慮して見るとき、特に重要なこのような欠点を避けるために、RLC PDUサイズが動的に変更されることができる。
【0115】
RLC SDUをRLC PDUにセグメンテーション及び連結(concatenation)するプロセスにおいて、ヘッダーは、他のフィールドのうち、リオーダリング及び再送信メカニズムによって使われるシーケンス番号を含む。受信機側でのリアセンブリ機能は受信されたPDUからSDUをリアセンブリングする逆動作を遂行する。
【0116】
*メディアアクセス制御(MAC)1307はハイブリッド−ARQ再送信及び上りリンク及び下りリンクスケジューリングをハンドリングする。スケジューリング機能はeNodeBに位置し、これは上りリンク及び下りリンクに対してセルごとに一つのMACエンティティを有する。ハイブリッド−ARQプロトコル部分はMACプロトコルの送信及び受信端に存在する。MAC1307は論理チャネル1309の形態でサービスをRLC1305に提供する。
【0117】
*物理階層(PHY)1311は、コーディング/デコーディング、変調/復調、マルチアンテナマッピング及び他の典型的な物理階層機能をハンドリングする。物理階層1311は伝送チャネル1313の形態でサービスをMAC階層1307に提供する。
【0118】
図14はスケジューリング要求伝送を示す図である。
【0119】
スケジューラは端末から伝送を待つデータの量を知って適量の上りリンクリソースを割り当てる必要がある。もちろん、伝送データがない端末に上りリンクリソースを提供する必要がなく、これは端末が承認されたリソースを満たすためにただパッディングを行うからである。したがって、少なくとも、スケジューラは端末機が送信すべきデータを持っているか及び承認が与えられなければならないかを知っている必要がある。これはスケジューリング要求と知られている。
【0120】
スケジューリング要求は上りリンクスケジューラに上りリンクリソースを要求するために端末によって引き起こされた単純なフラグである。定義によるリソースを要求する端末はPUSCHリソースがないので、スケジューリング要求はPUCCH上で送信される。それぞれの端末には専用PUCCHスケジューリング要求リソースが割り当てられることができ、これは9番目サブフレームごとに発生する。専用スケジューリング要求メカニズムによって、要求が送信されるリソースから端末のアイデンティティが暗示的に知られるから、スケジューリングを要求する端末のアイデンティティを提供する必要がない。
【0121】
伝送バッファーに既に存在したものより高い優先順位を有するデータが端末に到着し、端末が承認を持っていないから、データを送信することができなければ、図15に示したように、端末は次の可能な時にスケジューリング要求を送信する。要求の受信時、スケジューラは承認を端末に割り当てることができる。端末が次の可能なスケジューリング要求時までスケジューリング承認を受信することができなければ、スケジューリング要求が繰り返される。端末が送信することができる上りリンクコンポーネントキャリアの数に関係なく、単一スケジューリング要求ビットのみが存在する。キャリアアグリゲーションの場合、スケジューリング要求は、プライマリーコンポーネントキャリア上でのみPUCCH送信を行う一般的な原理によってプライマリーコンポーネントキャリア上で送信される。
【0122】
スケジューリング要求のための単一ビットの使用は、マルチビットスケジューリング要求が高費用であるから、上りリンクオーバーヘッドを小さく維持しようとする欲求によって引き起こされる。単一ビットスケジューリング要求を使えば、このような要求を受信するとき、端末でのバッファー状況に対するeNodeBの知識が制限される。相異なるスケジューラ具現はこれを互いに違うようにハンドリングする。一つの可能性は、小量のリソースを割り当てて、パワーが制限されないように端末がリソースを効率的に用いることができるように保障することである。一旦、端末がUL−SCH上で伝送し始めれば、バッファー状態及びパワーヘッドルームについてのより詳細な情報が後述するようにインバンドMAC制御メッセージを介して提供されることができる。サービスタイプの知識も用いられることができる。例えば、ボイスの場合、承認される上りリンクリソースは、好ましくは典型的なボイス−オーバー−IPパッケージのサイズである。また、スケジューラは、例えば、移動度(mobility)及びハンドオーバー決定に使われる経路損失測定を用いて、端末が効果的に用いることができるリソースの量を推正することができる。
【0123】
専用スケジューリング要求メカニズムに対する代案は競争基盤設計である。このような設計において、多数の端末が共通リソースを共有し、要求の一部として自分のアイデンティティを提供する。これはランダムアクセスの設計と類似している。
【0124】
要求の一部として端末から送信されるビットの数は、この場合に、より大きくなり、よってリソースに対する必要性が高くなることができる。反対に、リソースは多数の使用者が共有する。基本的に、競争基盤設計は、セルに多数の端末が存在し、トラフィックの強度及びスケジューリングの強度が低い状況に適している。より高い強度を有する状況で、同時にリソースを要求する相異なる端末間の衝突レートは過度に高くて非効率的な設計を誘導することができる。
【0125】
LTEに対するスケジューリング要求設計が専用リソースに依存しても、このようなリソースが割り当てられない端末ははっきりとスケジューリング要求を送信することができない。その代わりに、スケジューリング要求リソースが設定されなかった端末はランダムアクセスメカニズムに依存する。原則として、特定の配置に有利な場合、LTE端末は競争基盤メカニズムに依存するように設定されることができる。
【0126】
スケジューリング要求(SR)は新たな送信のためのUL−SCHリソースを要求するのに使われる。SRがトリガーされれば、取り消されるまで保留(pending)中であると見なすことができる。MAC PDUがアセンブリングされ、このPDUがBSRをトリガーした最後のイベントまで(及びこれを含んで)バッファー状態を含むBSRを含むかUL承認が伝送に利用可能な全ての保留中のデータを収容することができれば、全ての保留中のSRが取り消され、sr−ProhibitTimerが中断されることができる。
【0127】
SRがトリガーされ、他の保留中のSRがなければ、UEはSR_COUNTERを0に設定することができる。
【0128】
一つのSRが保留中にある限り、このTTIで伝送に利用可能なUL−SCHリソースがなければ、UEはPCell上でランダムアクセス過程を開始し、任意のTTIで設定されたSRに対してUEが有効なPUCCHリソースを有しなければ全ての保留中のSRを取り消すことができる。
【0129】
UEがこのTTIに対して設定されたSRに対する有効なPUCCHリソースを有し、かつこのTTIが測定ギャップの一部であり、かつsr−ProhibitTimerが実行される場合、SR_COUNTER<dsr−TransMaxであれば、UEはSR_COUNTERを1だけ増加させることができ、物理階層がPUCCH上でSRをシグナリングするように指示し、sr−ProhibitTimerを開始する。
【0130】
SR_COUNTER≧dsr−TransMaxであれば、UEはRRCに通知して全てのサービングセルに対するPUCCH/SRSをリリース(release)し、任意の設定された下りリンク割り当て及び上りリンク承認をクリア(clear)し、PCell上でランダムアクセス過程を開始し、全ての保留中のSRを取り消す。
【0131】
図15はバッファー状態及びパワーヘッドルーム報告のシグナリングを示す図である。
【0132】
既に有効な承認を持っている端末は当然上りリンクリソースを要求する必要がない。しかし、スケジューラが以後のサブフレームで各端末にどのくらいのリソースを付与するかを決定するためには、前述したように、バッファー状態又は可用電力についての情報が役に立つ。このような情報はMAC制御要素を介して上りリンク伝送の一部としてスケジューラに提供される。MACサブヘッダーのいずれか一つのサブヘッダー内のLCIDフィールドは、図15のように、留保された値に設定されて、バッファー状態情報の存在有無を知らせる。
【0133】
スケジューリング観点では、各論理チャネルについてのバッファー情報をそれぞれ別に送信すれば良いが、これは相当なオーバーヘッドを引き起こすことができる。したがって、論理チャネルは論理チャネルグループにグループ化され、バッファー状態報告は各グループ別になされる。バッファー状態報告内のバッファー大きさフィールドは論理チャネルグループ内の全ての論理チャネルで伝送を待つデータの量を示す。バッファー状態報告は一つ又は四つの論理チャネルグループの全てを示し、次のような要因によってトリガーされることができる。
【0134】
i)伝送バッファー内に現在あるものより高い優先順位のデータが到着した場合、すなわち現在送信されているものより高い優先順位を有する論理チャネルグループが到着した場合。これはスケジューリング決定に影響を与えることができる。
【0135】
ii)サービングセル(serving cell)が変わる場合、すなわち、バッファー状態報告は端末の状況についての情報を新たなサービングセルに提供するのに有用である。
【0136】
iii)タイマーによって周期的に制御される。
【0137】
iv)パッディングの代わりに挿入される場合、すなわち、仮にスケジューリングされた伝送ブロックの大きさに合わせるために必要なパッディングの量がバッファー状態報告の大きさより大きければ、バッファー状態報告が挿入される。当然、可能な場合であれば、パッディングの代わりに有用なスケジューリング情報に対する可用ペイロードを使うことがもっと良い。
【0138】
BSR(Buffer Status Reporting)過程はUEのULバッファー内の送信に利用可能なデータ(data available for transmission)の量についての情報をサービングeNBに提供するのに使われる。RRCは、2個のタイマーであるperiodicBSR−Timer and retxBSR−Timerを設定(configure)し、それぞれの論理チャネルに対し、論理チャネルをLCG(Logical Channel Group)に割り当てる論理チャネルグループを選択的にシグナリングすることによってBSR報告を制御することができる。
【0139】
BSR過程に対し、UEは中断されなかった全ての無線ベアラを考慮し、中断されたベアラを考慮することができる。BSRは、次のようなイベントのいずれが発生する場合、トリガーされることができる。
【0140】
−LCGに属する論理チャネルに対するULデータがRLCエンティティ又はPDCPエンティティでの送信に利用可能になり、そのデータが、いずれかのLCGに属するとともにデータの送信に既に利用可能な論理チャネルの優先順位より高い優先順位で論理チャネルに属するか、あるいはLCGに属する論理チャネルの任意のチャネルに対する送信に利用可能なデータがない場合。この場合にBSRは以下で“レギュラーBSR”という。
【0141】
−ULリソースが割り当てられ、パッディング(padding)ビットの数がBSR MAC制御要素及びそのサブヘッダーのサイズより大きいか同じ場合。この場合にBSRは以下で“パッディングBSR”という。
【0142】
−retxBSR−Timerが満了し、UEがLCGに属する論理チャネルのいずれかに対する送信に利用可能なデータを有する場合。この場合にBSRは以下で“レギュラーBSR”という。
【0143】
−periodicBSR−Timerの満了する場合。この場合にBSRは以下で“周期的BSR”という。
【0144】
レギュラー及び周期的BSRに対し、1より多いLCGがBSRの送信されるTTIで送信に利用可能なデータを有すれば、UEはロング(Long)BSRを報告することができる。そうではなければ、UEはショート(Short)BSRを報告することができる。
【0145】
BSR過程が、少なくとも一つのBSRがトリガーされるとともに取り消されなかったと決定すれば、UEがこのTTIの間に新しい送信のために割り当てられたULリソースを有する場合、UEはマルチプレックシング及びアセンブリー過程がBSR MAC制御要素を生成するように命令し、生成された全てのBSRが切断された(Truncated)BSRの場合を除き、periodicBSR−Timerを開始又は再開し、retxBSR−Timerを開始又は再開することができる。
【0146】
レギュラーBSRがトリガーされれば、上りリンク承認が設定されないか論理チャネルSRマスキング(logicalChannelSR−Mask)が上位層によって設定された論理チャネルに対して送信に利用可能になるデータのためレギュラーBSRがトリガーされなければ、スケジューリング要求がトリガーされることができる。
【0147】
MAC PDUは、BSRが送信可能になるまで多数のイベントがBSRをトリガーするときにも、多くても一つのMAC BSR制御要素を含むことができる。この場合、レギュラーBSR及び周期的BSRがパッディングBSRより優先する。
【0148】
UEは任意のUL−SCH上での新たなデータの送信のための承認の指示があるとき、retxBSR−Timerを再開することができる。
【0149】
トリガーされた全てのBSRは、このサブフレーム内のUL承認が送信に利用可能な全ての保留中のデータを収容することができるが、BSR MAC制御要素及びそのサブヘッダーをさらに収容するのに十分ではない場合に取り消されることができる。トリガーされた全てのBSRはBSRが送信のためにMAC PDUに含まれるときに取り消されるであろう。
【0150】
UEはTTIで多くても一つのレギュラー/周期的BSRを送信するであろう。UEがTTIで多数のMAC PDUを送信するように要求されれば、レギュラー/周期的BSRを含まないMAC PDUのいずれかにパッディングBSRを含ませることができる。
【0151】
TTIで送信される全てのBSRはこのTTIの間に全てのMAC PDUが生成された後のバッファー状態をいつも反映する。それぞれのLCGはTTIごとに多くても一つのバッファー状態を報告し、この値はこのLCGに対するバッファー状態を報告する全てのBSRで報告されるであろう。
【0152】
要約すれば、BSRは次のような状況のいずれかでトリガーされる。
【0153】
i)バッファーが空いていない論理チャネルより高い優先順位を有する論理チャネルに対してデータが到逹した場合。
【0154】
ii)空いているUEのバッファーに対してデータが利用可能になった場合。
【0155】
iii)retxBSR−Timerが満了し、UEのバッファーに依然としてデータがある場合。
【0156】
iv)periodicBSR−Timerが満了した場合、又は
【0157】
v)MAC PDU内の残りの空間がBSRを収容することができる場合。
【0158】
図16a〜図16cは従来技術においてスケジューリング要求の取消しを説明する図である。
【0159】
従来技術において、MAC PDUがWAN BSRをトリガーした最後のイベントまでのバッファー状態を含むWAN BSRを含めば、保留中の全てのスケジューリング要求は取り消される。
【0160】
例として、端末が、例えばBSR1によってトリガーされたスケジューリング要求を送信し、端末が上りリンク承認を受信してから4ms以後に上りリンク伝送を行う上りリンク承認を受信すると仮定することができる。WAN BSRを含むMAC PDUを生成しているうち、新たなスケジューリング要求が、例えば、BSR2によってトリガーされ、端末はスケジューリング要求が保留中にあると見なすことができる。すると、BSR2は生成されたMAC PDUに含まれないこともある。BSR2をトリガーした最後のイベントまでのバッファー状態がMAC PDUを含んでいないので、端末は全ての保留中のスケジューリング要求を取り消してはいけない。
【0161】
ProSe通信において、サイドリンクデータのバッファー状態をeNBに知らせるために新たなサイドリンクBARが導入した。WAN BSRとサイドリンクBSRは互いに独立的な自体イベントによってトリガーされるので、SRはWAN BSR又はサイドリンクBSRによって他の時点でトリガーされることができる。
【0162】
サイドリンクBSRによってトリガーされたSRは保留中のSRの除去に考慮されなかったため、図16b及び図16cのような問題があり得る。
【0163】
図16bを参照すると、端末が、例えばProSeによってトリガーされたSRを送信し、上りリンク承認を受信してから4ms以後に端末が上りリンク伝送を遂行することを指示する上りリンク承認を受信すると仮定することができる。MAC PDUが生成されるまでトリガーされたUu BSRがなければ、MAC PDUはUu BSRを全然含まないこともある。その後、端末は保留中のSRを取り消さず、Uu BSRがトリガーされてMAC PDUに含まれるまでSR過程を遂行することができる。
【0164】
一方、図16cを参照すると、端末は、例えばサイドリンクBSR1によってトリガーされたSRを送信し、上りリンク承認を受信してから4ms以後に端末が上りリンク伝送を遂行することを指示する上りリンク承認を受信すると仮定することができる。端末がサイドリンクBSR1を含むMAC PDUを生成しているうち、例えば、BSR2によって他のSRがトリガーされれば、端末はSRが保留中であると見なすことができる。このような場合、サイドリンクBSR2は生成されたMAC PDUに含まれないこともある。このような場合、サイドリンクBSR2によってトリガーされたSRを含む保留中の全てのSRが取り消されれば、端末はSR禁止タイマーが満了しサイドリンクSRが再びトリガーされるまで待機しなければならない。したがって、UEは遅延されたサイドリンクデータ伝送を経験することができる。
【0165】
トリガーされたUu BSRがない場合、サイドリンクBSRによってトリガーされた保留中のSRを取り消すために、サイドリンクBSRを考慮した新たなR取消メカニズムが必要である。さらに、このメカニズムはPC5データ伝送を遅延させない方法を提供しなければならない。
【0166】
図17は本発明の一実施例によってD2D通信システムにおいてサイドリンクバッファー状態報告によってトリガーされたスケジューリング要求を取り消すための図である。
【0167】
本発明において、端末がProSe動作で構成された場合、端末がMAC PDUを生成するとき、端末がUu BSRによってトリガーされた保留中のSRがなく、サイドリンクBSR(又は、ProSe BSR)によってトリガーされた保留中の少なくとも一つのSRを持っている場合、端末はMAC PDUにサイドリンクBSRを含んでMAC PDUを生成するかを確認することができる。端末がサイドリンクBSRを含むMAC PDUを生成する場合、端末はサイドリンクBSRによってトリガーされた全ての保留中のSRの取消しを遂行しなければならない。端末がサイドリンクBSRを含まずにMAC PDUを生成する場合、端末はサイドリンクBSRによってトリガーされた全ての保留中のSRの取消しを遂行してはいけない。
【0168】
また、端末がMAC PDUを生成する場合、端末がUu BSRによってトリガーされた保留中のSRを持っておらず、サイドリンクBSRによってトリガーされた少なくとも一つの保留中のSRを持っている場合、端末は端末がサイドリンクBSRをトリガーした最後のイベントまで含むバッファー状態を含むサイドリンクBSRを含んでMAC PDUを生成するかを確認することができる。端末がサイドリンクBSRをトリガーした最後のイベントまで含むバッファー状態を含むサイドリンクBSRを含んでMAC PDUを生成する場合、端末はサイドリンクBSRによってトリガーされた全ての保留中のSRの取消しを遂行しなければならない。端末がサイドリンクBSRをトリガーした最後のイベントまで含むバッファー状態を含まないサイドリンクBSRを含んでMAC PDUを生成する場合、端末はサイドリンクBSRによってトリガーされた全ての保留中のSRの取消しを遂行してはいけない。
【0169】
端末がPC5を介して他の端末と直接通信するうちに端末はUuインターフェースを介して基地局と通信する(S1701)。端末は端末が基地局とデータを送受信する少なくとも一つのUu論理チャネルで構成され、端末は他の端末と直接データを送受信するサイドリンク論理チャネルで構成されることができる。また、端末はUuデータ伝送及びPC5データ伝送のための二つのバッファーを有する。
【0170】
このような場合、WAN BSRトリガー条件が満たされる場合、端末は基地局に対するWAN BSRをトリガーする。また、サイドリンクBSRトリガー条件が満たされる場合、端末は独立的にサイドリンクBSRをトリガーする。
【0171】
SRトリガー条件が満たされれば、端末はSRをトリガーし、SRが取り消されるまで保留状態と見なす。sr−ProhibitTimerが実行中ではなければ、端末はPUCCHを介してSRを送信し、sr−ProhibitTimerを開始する(S1703)。
【0172】
端末が一つ以上のSR(ここで、一つ以上のSRの全てはサイドリンクBSRによってトリガーされる)が保留中にある間に上りリンク承認を受信すれば(S1705)、端末はMAC PDUを生成する(S1707)。
【0173】
一例として、MAC PDUは、バッファー状態がTTIに対する全てのMAC PDUが構築された後の論理チャネルグループの全ての論理チャネルを介して利用可能なUuデータの総量として設定されたWAN BSR MACを含むかあるいは含まない。また、バッファー状態がTTIに対する全てのMAC PDUが構築された後の論理チャネルグループの全てのサイドリンクチャネルを介して利用可能なPC5データの総量として設定されたProSe BSR MAC CEを含むかあるいは含まない。
【0174】
端末がMAC PDUを生成するとき、端末がUu BSRによってトリガーされた何の保留されたSRも持っておらず、端末がサイドリンクBSR(又は少なくとも一つのサイドリンクBSR MAC SE)によってトリガーされた少なくとも一つの保留されたSRを持っている場合、端末は端末がサイドリンクBSRを含むMAC PDUを生成するかを確認する(S1709)。
【0175】
端末がサイドリンクBSR MAC CEを含むMAC PDUを生成すれば、端末はサイドリンクBSRによってトリガーされた全ての保留中のSRを取り消し(S1711)、端末はsr−ProhibitTimerを停止する(S1713)。
【0176】
端末がサイドリンクBSR MAC CEを含まないMAC PDUを生成する場合、端末はサイドリンクBSRによってトリガーされた何の保留中のSRも取り消さず、端末はsr−ProhibitTimerを停止しない(S1715)。
【0177】
他の例として、端末は端末がサイドリンクBSRをトリガーした最後のイベントまで含むPC5データのバッファー状態を含むサイドリンクBSRを含むMAC PDUを生成するかを確認する。
【0178】
端末がサイドリンクBSRをトリガーした最後のイベントまで含むpc5データのバッファー状態を含むサイドリンクBSRを含むMAC PDUを生成すれば、端末はサイドリンクBSRによってトリガーされた全ての保留中のSRを取り消し、端末はsr−ProhibitTimerを停止する。
【0179】
端末がサイドリンクBSRをトリガーした最後のイベントまで含むpc5データのバッファー状態を含むサイドリンクBSRを含まないMAC PDUを生成すれば、端末はサイドリンクBSRによってトリガーされた何の保留中のSRも取り消さず、端末はsr−ProhibitTimerを停止しない。
【0180】
一例として、MAC PDUがサイドリンクBSR MAC CEを含まなければ、端末はサイドリンクBSRによってトリガーされた何の保留中のSRも取り消さない。
【0181】
一例として、MAC PDUがサイドリンクBSRをトリガーした最後のイベントまでのバッファー状態を含まないサイドリンクBSR MAC CEを含む場合、端末はサイドリンクBSRによってトリガーされた何の保留中のSRも取り消さず、端末は全てのトリガーされたサイドリンクBSRを取り消す。
【0182】
図18は本発明の一実施例によるD2D通信システムにおいてサイドリンクバッファー状態報告によってトリガーされたスケジューリング要求を取り消す例である。
【0183】
端末は、時点T1<時点T2の場合、次のようにサイドリンクBSRをトリガーした最後のイベントを決定する。
【0184】
端末がT1でPC5データの到達時にただ一つのサイドリンクBSR1をトリガーすれば、最後のイベントはT1でのPC5データの到達である。端末がT1でPC5データの到達時にサイドリンクBSR1をトリガーし、端末がT2でPC5データの到達時に他のサイドリンクBSR2をトリガーすれば、最後のイベントはT2でのPC5データの到達である。
【実施例1】
【0185】
T1で到逹したPC5データはサイドリンクBSR1とSR1をトリガーする。端末は上りリンク承認を受信し、サイドリンクBSR1を含むMAC PDUを生成する。端末がMAC PDUを生成する間、T2で到逹したPC5データはサイドリンクBSR2とSR2をトリガーする。端末がMAC PDUを生成するとき、端末がUu BSRによってトリガーされた保留中のSRを持っておらず、端末がサイドリンクBSRによってトリガーされた保留中のSRを持っている場合、端末は端末がサイドリンクBSRを含むMAC PDUを生成するかを確認する。
【0186】
サイドリンクBSRがMAC PDUに含まれれば、端末はサイドリンクBSR1とサイドリンクBSR2によってトリガーされた全ての保留中のSRを取り消さなければならない。MAC PDUにサイドリンクBSRが含まれなければ、端末はサイドリンクBSR2によってトリガーされた保留中のSR2を取り消してはいけない。
【実施例2】
【0187】
T1で到逹したPC5データはサイドリンクBSR1とSR1をトリガーする。端末は上りリンク承認を受信し、サイドリンクBSR1を含むMAC PDUを生成する。端末がMAC PDUを生成する間、T2で到逹したPC5データはサイドリンクBSR2とSR2をトリガーする。端末がMAC PDUを生成する間、端末がUu BSRによってトリガーされた保留中のSRを持っておらず、端末がサイドリンクBSRによってトリガーされた保留中のSRを持っておれば、端末は端末がサイドリンクBSRをトリガーした最後のイベントまで含むバッファー状態を含むサイドリンクBSRを含むMAC PDUを生成するかを確認する。
【0188】
この実施例において、サイドリンクBSRをトリガーした最後のイベントはT2でのPC5データの到達である。したがって、端末がT2でのPC5データの到達まで含むバッファー状態を含むサイドリンクBSRを含むMAC PDUを生成する場合、端末はサイドリンクBSR1とサイドリンクBSR2によってトリガーされた全ての保留中のSRを取り消さなければならない。端末がT2でのPC5データの到達まで含むバッファー状態を含まないサイドリンクBSRを含むMAC PDUを生成する場合、端末はサイドリンクBSR2によってトリガーされた保留中のSR2を取り消してはいけない。
【0189】
以上で説明した実施例は本発明の構成要素及び特徴が所定の形態に結合されたものである。それぞれの構成要素又は特徴は他の明示的言及がない限り選択的なものとして考慮されなければならない。それぞれの構成要素又は特徴は他の構成要素又は特徴と結合されない形態に実施可能である。また、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成することも可能である。本発明の実施例で説明する動作の順序は変更可能である。ある実施例の一部の構成又は特徴は他の実施例に含まれることができ、あるいは他の実施例の対応する構成又は特徴に入れ替えられることができる。特許請求範囲で明示的な引用関係がない請求項を結合して実施例を構成するかあるいは出願後の補正によって新たな請求項として含ませることができるのは明らかである。
【0190】
本発明の実施例において、基地局(BS)によって行われるものとして説明された特定の動作は上位ノードのBSによって遂行されることもできる。すなわち、BSを含む複数のネットワークノードで、MSとの通信のために行われる多様な動作が基地局によって遂行されるか基地局以外の他のネットワークノードによって遂行されることができるのは明らかである。‘eNB’という用語は‘固定局(fixed station)’、‘NodeB、‘基地局(BS)’、アクセスポイントなどに取り替えられることもできる。
【0191】
前述した実施例は、例えばハードウェア、ファームウエア、ソフトウェア又はそれらの組合せなどの多様な手段によって具現されることもできる。
【0192】
ハードウェア設定において、本発明の実施例による方法は、一つ以上のASICs(Application Specific Integrated Circuits)、DSPs(Digital Signal Processors)、DSPDs(Digital Signal Processing Devices)、PLDs(Programmable Logic Devices)、FPGAs(Field Programmable Gate Arrays)、プロセッサ、コントローラー、マイクロコントローラー、マイクロプロセッサなどによって具現可能である。
【0193】
ファームウエア又はソフトウェアによる具現の場合、本発明の実施例による方法は、以上で説明した機能又は動作を行うモジュール、手順又は関数などの形態に具現されることができる。ソフトウェアコードはメモリユニットに記憶され、プロセッサによって駆動されることができる。前記メモリユニットは前記プロセッサの内部又は外部に位置し、既に知られた多様な手段によって前記プロセッサとデータを取り交わすことができる。
【0194】
本発明は本発明の特徴を逸脱しない範疇内で他の特定の形態に具体化されることができるのは当業者に明らかである。したがって、前記詳細な説明は全ての面で制限的に解釈されてはいけなく、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は添付の請求範囲の合理的解釈によって決まらなければならなく、本発明の等価的範囲内の全ての変更は本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0195】
上述した方法は3GPP LTEシステムに適用される例示を中心に説明したが、本発明は3GPP LTEシステムだけではなく多様な無線通信システムに適用可能である。
図1
図2a
図2b
図3
図4(a)】
図4(b)】
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11a
図11b
図12
図13
図14
図15
図16a
図16b
図16c
図17
図18