特許第6553793号(P6553793)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヤフー株式会社の特許一覧

特許6553793情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
<>
  • 特許6553793-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図000002
  • 特許6553793-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図000003
  • 特許6553793-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図000004
  • 特許6553793-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図000005
  • 特許6553793-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図000006
  • 特許6553793-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図000007
  • 特許6553793-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図000008
  • 特許6553793-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図000009
  • 特許6553793-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図000010
  • 特許6553793-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図000011
  • 特許6553793-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図000012
  • 特許6553793-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図000013
  • 特許6553793-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6553793
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/00 20190101AFI20190722BHJP
【FI】
   G06F16/00
【請求項の数】17
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2018-176617(P2018-176617)
(22)【出願日】2018年9月20日
【審査請求日】2018年12月13日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 徹
(72)【発明者】
【氏名】宰川 潤二
(72)【発明者】
【氏名】バッタチャルジ アヌパム
(72)【発明者】
【氏名】クルカルニ カウステューブ
(72)【発明者】
【氏名】小林 隼人
(72)【発明者】
【氏名】清水 伸幸
【審査官】 関 博文
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−018286(JP,A)
【文献】 特開2012−008899(JP,A)
【文献】 特開2008−191877(JP,A)
【文献】 特開2010−033377(JP,A)
【文献】 特開2018−073429(JP,A)
【文献】 特開2018−156429(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一のユーザによって所定の時間内に入力された一対の検索クエリの分散表現が類似する特徴を有するものとして、複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを取得する取得部と、
前記取得部によって取得された第1学習モデルを用いて、所定の検索クエリから前記所定の検索クエリが属するカテゴリを予測する第2学習モデルを生成する生成部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリとして、所定の区切り文字で区切られた文字列を含む複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして学習することで、前記複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして、前記複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを取得する取得部と、
前記取得部によって取得された第1学習モデルを用いて、所定の検索クエリから前記所定の検索クエリが属するカテゴリを予測する第2学習モデルを生成する生成部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして、前記複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを取得する取得部と、
前記取得部によって取得された第1学習モデルを用いて、所定の検索クエリから前記所定の検索クエリが属するカテゴリを予測する第2学習モデルを生成する生成部と、
を備え、
前記取得部は、
ランダムに抽出された複数の検索クエリが相違する特徴を有するものとして学習することで、前記複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを取得する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして、前記複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを取得する取得部と、
前記取得部によって取得された第1学習モデルを用いて、所定の検索クエリから前記所定の検索クエリが属するカテゴリを予測する第2学習モデルを生成する生成部と、
を備え、
前記取得部は、
ランダムに抽出された一対の検索クエリの分散表現が相違するように学習することで、前記複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを取得する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして、前記複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを取得する取得部と、
前記取得部によって取得された第1学習モデルを用いて、所定の検索クエリから前記所定の検索クエリが属するカテゴリを予測する第2学習モデルを生成する生成部と、
を備え、
前記生成部は、
検索クエリが学習モデルに入力された際に、学習モデルが出力する分散表現の分類結果が、前記検索クエリが属するカテゴリに対応するように学習することで、所定の検索クエリから前記所定の検索クエリが属するカテゴリを予測する第2学習モデルを生成する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
前記取得部は、
入力情報として所定の検索クエリが入力された際に、出力情報として前記所定の検索クエリの分散表現を出力する第1学習モデルを取得する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記生成部は、
入力情報として検索クエリが学習モデルに入力された際に、出力情報として前記検索クエリが当該カテゴリに属する確率をカテゴリ毎に出力する第2学習モデルを生成する
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
同一のユーザによって所定の時間内に入力された一対の検索クエリの分散表現が類似する特徴を有するものとして、複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された第1学習モデルを用いて、所定の検索クエリから前記所定の検索クエリが属するカテゴリを予測する第2学習モデルを生成する生成工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
同一のユーザによって所定の時間内に入力された一対の検索クエリの分散表現が類似する特徴を有するものとして、複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを取得する取得手順と、
前記取得手順によって取得された第1学習モデルを用いて、所定の検索クエリから前記所定の検索クエリが属するカテゴリを予測する第2学習モデルを生成する生成手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項10】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリとして、所定の区切り文字で区切られた文字列を含む複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして学習することで、前記複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして、前記複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された第1学習モデルを用いて、所定の検索クエリから前記所定の検索クエリが属するカテゴリを予測する第2学習モデルを生成する生成工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリとして、所定の区切り文字で区切られた文字列を含む複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして学習することで、前記複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして、前記複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを取得する取得手順と、
前記取得手順によって取得された第1学習モデルを用いて、所定の検索クエリから前記所定の検索クエリが属するカテゴリを予測する第2学習モデルを生成する生成手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項12】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして、前記複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された第1学習モデルを用いて、所定の検索クエリから前記所定の検索クエリが属するカテゴリを予測する第2学習モデルを生成する生成工程と、
を含み、
前記取得工程は、
ランダムに抽出された複数の検索クエリが相違する特徴を有するものとして学習することで、前記複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを取得する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項13】
同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして、前記複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを取得する取得手順と、
前記取得手順によって取得された第1学習モデルを用いて、所定の検索クエリから前記所定の検索クエリが属するカテゴリを予測する第2学習モデルを生成する生成手順と、
をコンピュータに実行させ、
前記取得手順は、
ランダムに抽出された複数の検索クエリが相違する特徴を有するものとして学習することで、前記複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを取得する
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項14】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして、前記複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された第1学習モデルを用いて、所定の検索クエリから前記所定の検索クエリが属するカテゴリを予測する第2学習モデルを生成する生成工程と、
を含み、
前記取得工程は、
ランダムに抽出された一対の検索クエリの分散表現が相違するように学習することで、前記複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを取得する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項15】
同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして、前記複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを取得する取得手順と、
前記取得手順によって取得された第1学習モデルを用いて、所定の検索クエリから前記所定の検索クエリが属するカテゴリを予測する第2学習モデルを生成する生成手順と、
をコンピュータに実行させ、
前記取得手順は、
ランダムに抽出された一対の検索クエリの分散表現が相違するように学習することで、前記複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを取得する
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項16】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして、前記複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された第1学習モデルを用いて、所定の検索クエリから前記所定の検索クエリが属するカテゴリを予測する第2学習モデルを生成する生成工程と、
を含み、
前記生成工程は、
検索クエリが学習モデルに入力された際に、学習モデルが出力する分散表現の分類結果が、前記検索クエリが属するカテゴリに対応するように学習することで、所定の検索クエリから前記所定の検索クエリが属するカテゴリを予測する第2学習モデルを生成する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項17】
同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして、前記複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを取得する取得手順と、
前記取得手順によって取得された第1学習モデルを用いて、所定の検索クエリから前記所定の検索クエリが属するカテゴリを予測する第2学習モデルを生成する生成手順と、
をコンピュータに実行させ、
前記生成手順は、
検索クエリが学習モデルに入力された際に、学習モデルが出力する分散表現の分類結果が、前記検索クエリが属するカテゴリに対応するように学習することで、所定の検索クエリから前記所定の検索クエリが属するカテゴリを予測する第2学習モデルを生成する
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の情報をカテゴリに分類する技術が知られている。具体的には、カテゴリ毎に分類された教師データの群によって、各カテゴリに応じた学習モデルを生成する。そして、生成した学習モデルに分類対象となるデータを入力して、分類対象となるデータが学習モデルに対応するカテゴリに属する確率を出力する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018−97397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、検索クエリの分類精度を高めることができるとは限らない。具体的には、検索クエリをカテゴリに分類し、高い分類精度を得るためには、十分な量の教師データを用意することが必要である。しかしながら、上記の従来技術では、カテゴリ毎に分類された教師データの群によって、各カテゴリに応じた学習モデルを生成するにすぎないため、十分な量の教師データを用意することができるとは限らない。したがって、上記の従来技術では、検索クエリの分類精度を高めることができるとは限らない。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、検索クエリの分類精度を高めることができる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして、前記複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを取得する取得部と、前記取得部によって取得された第1学習モデルを用いて、所定の検索クエリから前記所定の検索クエリが属するカテゴリを予測する第2学習モデルを生成する生成部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、検索クエリの分類精度を高めることができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係るクエリ情報記憶部の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係るベクトル情報記憶部の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る分類定義記憶部の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係るカテゴリ情報記憶部の一例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係るモデル情報記憶部の一例を示す図である。
図9図9は、実施形態に係る第1学習モデルの一例を示す図である。
図10図10は、実施形態に係る第2学習モデルの一例を示す図である。
図11図11は、実施形態に係る第1学習モデルの生成処理手順を示すフローチャートである。
図12図12は、実施形態に係る情報処理手順を示すフローチャートである。
図13図13は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
〔1.情報処理の一例〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。図1に示す情報処理は、ユーザ端末10と検索サーバ50と情報処理装置100とによって行われる。
【0011】
〔情報処理システムの構成〕
図1の説明に先立って、図2を用いて情報処理システム1の構成について説明する。図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。図2に示すように、情報処理システム1には、ユーザ端末10と、検索サーバ50と、情報処理装置100とが含まれる。ユーザ端末10と、検索サーバ50と、情報処理装置100とは所定のネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続される。なお、図2に示す情報処理システム1には、任意の数のユーザ端末10と任意の数の検索サーバ50と任意の数の情報処理装置100とが含まれてもよい。
【0012】
ユーザ端末10は、検索サービスを利用するユーザによって使用される情報処理装置である。ユーザ端末10は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。なお、以下では、ユーザ端末10をユーザと同一視する場合がある。すなわち、以下では、ユーザをユーザ端末10と読み替えることもできる。
【0013】
また、以下では、ユーザID「U1」により特定されるユーザを「ユーザU1」とする場合がある。このように、以下では、「ユーザU*(*は任意の数値)」と記載した場合、そのユーザはユーザID「U*」により特定されるユーザであることを示す。例えば、「ユーザU2」と記載した場合、そのユーザはユーザID「U2」により特定されるユーザである。
【0014】
また、以下では、ユーザ端末10を利用するユーザに応じて、ユーザ端末10をユーザ端末10−1、10−2として説明する。例えば、ユーザ端末10−1は、ユーザU1により使用されるユーザ端末10である。また、例えば、ユーザ端末10−2は、ユーザU2により使用されるユーザ端末10である。また、以下では、ユーザ端末10−1、10−2について、特に区別なく説明する場合には、ユーザ端末10と記載する。
【0015】
ユーザ端末10は、ユーザによって入力された検索クエリを検索サーバ50に送信する。具体的には、ユーザ端末10は、ユーザによる操作に従って、検索クエリを入力するための検索ボックスを含む検索ページを検索サーバ50から取得する。続いて、ユーザ端末10は、ユーザによって検索ボックスに文字が入力される操作に続いて、検索クエリを送信する操作が行われると、検索ページを介して検索ボックスに入力された文字を検索クエリとして検索サーバ50に送信する。例えば、ユーザ端末10は、ユーザによって検索ボックスに文字が入力される操作に続いて、検索クエリの送信ボタンが押下される操作やエンターキーが押下される操作が行われると、検索ページを介して検索ボックスに入力された文字を検索クエリとして検索サーバ50に送信する。
【0016】
検索サーバ50は、検索サービスを提供するサーバ装置である。具体的には、検索サーバ50は、ユーザ端末10から検索クエリを受け付けると、受け付けた検索クエリに応じたコンテンツであって、検索結果として出力されるコンテンツを選択する。続いて、検索サーバ50は、選択されたコンテンツを含む検索結果ページをユーザ端末10に配信する。ここで、検索サーバ50によって配信されるコンテンツは、ウェブブラウザによって表示されるウェブページに限られない。例えば、検索サーバ50によって配信されるコンテンツは、ユーザ端末10にインストールされた専用のアプリケーションによって表示されるコンテンツであってもよい。また、検索サーバ50によって配信されるコンテンツは、音楽コンテンツや画像(静止画のみならず動画を含む。)コンテンツ、テキストコンテンツ(ニュース記事やSNS(Social Networking Service)に投稿された記事を含む。)、画像とテキストを組み合わせたコンテンツ、ゲームコンテンツなど、どのようなコンテンツであってもよい。
【0017】
また、検索サーバ50は、ユーザによって入力された検索クエリに関する情報を記憶する。具体的には、検索サーバ50は、ユーザの検索履歴に関する情報を記憶する。例えば、検索サーバ50は、ユーザ端末10から検索クエリを受け付けると、受け付けた検索クエリと検索クエリの送信元であるユーザを識別するユーザIDと検索クエリの送信日時とを対応付けてデータベースに登録する。検索サーバ50は、情報処理装置100の要求に応じて、ユーザによって入力された検索クエリに関する情報を情報処理装置100に送信する。
【0018】
情報処理装置100は、後述する第1学習モデルを用いて、所定の検索クエリから所定の検索クエリが属するカテゴリを予測する第2学習モデルを生成するサーバ装置である。ここで、第1学習モデルは、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが有する特徴を学習した学習モデルである。なお、以下では、適宜、第1学習モデルを第1モデル(又は、第1モデルM1)と記載する。また、以下では、適宜、第2学習モデルを第2モデル(又は、第1モデルM2)と記載する。
【0019】
一般的に、検索者が検索を行う際、一回の検索で検索者の意図する情報に到達するケースよりも、異なる検索クエリを用いて複数回にわたって検索を行った結果、検索者の意図する情報に到達するケースの方が多いと考えられる。すなわち、ユーザはある意図を持って検索を複数回行うと考えられるため、所定の時間内に連続して入力された検索クエリは、検索意図が近いという推定が成り立つ。そこで、本願発明に係る情報処理装置100は、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが有する特徴を学習させた第1学習モデルを生成する。具体的には、情報処理装置100は、ユーザによって入力された検索クエリに関する情報を検索サーバ50から取得する。続いて、情報処理装置100は、検索サーバ50から取得した検索クエリのうち、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリを抽出する。続いて、情報処理装置100は、抽出した複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして学習することで、所定の検索クエリから所定の検索クエリの特徴情報を予測する第1学習モデルを生成する。例えば、情報処理装置100は、抽出した複数の検索クエリの分散表現が類似するように第1学習モデルを学習させることで、所定の検索クエリから所定の検索クエリの特徴情報を含む分散表現(ベクトル)を出力する第1学習モデルを生成する。
【0020】
より具体的には、情報処理装置100は、RNN(Recurrent Neural Network)の一種であるLSTM(Long Short-Term Memory)を分散表現生成に用いたDSSM(Deep Structured Sematic Model)の技術を用いて、検索クエリから分散表現(ベクトル)を出力する第1学習モデルを生成する。例えば、情報処理装置100は、第1学習モデルの正解データとして、同一のユーザによって所定の時間内に入力された一対の検索クエリが類似する特徴を有するものとして、所定の検索クエリの分散表現(ベクトル)と、所定の検索クエリと対となる他の検索クエリの分散表現(ベクトル)とが、分散表現空間上で近くに存在するように学習する。なお、2つのベクトルが分散表現空間上で近くに存在するように学習することは、2つのベクトルが分散表現空間上で類似するように学習することと言い換えることができる。
【0021】
ここから、図1を用いて、情報処理の流れについて説明する。図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。図1の上段に示す例では、情報処理装置100は、同一のユーザU1によって所定の時間内に連続して入力された4個の検索クエリである検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)、検索クエリQ12(「六本木 イタリアン」)、検索クエリQ13(「赤坂 パスタ」)、検索クエリQ14(「麻布 パスタ」)を抽出する。情報処理装置100は、同一のユーザU1によって各検索クエリが入力された時間の間隔が所定の時間内である複数の検索クエリを抽出する。また、情報処理装置100は、同一のユーザU1によって各検索クエリのペアが入力された時間の間隔が所定の時間内である複数の検索クエリを抽出する。ここで、4個の検索クエリは、検索クエリQ11、検索クエリQ12、検索クエリQ13、検索クエリQ14の順番でユーザU1によって各検索クエリが所定の時間内に入力された検索クエリであるとする。情報処理装置100は、4個の検索クエリを抽出すると、時系列的に隣り合う2つの検索クエリを一対の検索クエリとして、3対の検索クエリのペアである(検索クエリQ11、検索クエリQ12)、(検索クエリQ12、検索クエリQ13)、(検索クエリQ13、検索クエリQ14)を抽出する。情報処理装置100は、3対の検索クエリのペアを抽出すると、抽出した検索クエリQ1k(k=1、2、3、4)を第1モデルM1に入力する(ステップS11)。なお、情報処理装置100は、同一のユーザU1によって全ての検索クエリが所定の時間内に入力された複数の検索クエリを抽出してもよい。そして、情報処理装置100は、時系列的に隣り合うか否かに関わらず、抽出した複数の検索クエリの中から2つの検索クエリを選択して、選択した2つの検索クエリを一対の検索クエリとして抽出してもよい。
【0022】
続いて、情報処理装置100は、検索クエリQ1k(k=1、2、3、4)の分散表現であるベクトルBQV1k(k=1、2、3、4)を第1モデルM1の出力データとして出力する(ステップS12)。ここで、ベクトルBQV1k(k=1、2、3、4)は、第1モデルM1の出力層から出力されたばかりの検索クエリQ1k(k=1、2、3、4)の分散表現であって、第1モデルM1にフィードバックをかける前(学習前)の分散表現を示す。
【0023】
ここで、同一のユーザU1によって所定の時間内に連続して入力された検索クエリQ1k(k=1、2、3、4)は、例えば、ユーザU1によって「ある場所(東京都港区付近)で飲食店を探す」という検索意図の下で検索された検索クエリの集合であると推定される。すなわち、検索クエリQ1k(k=1、2、3、4)は、「ある場所(東京都港区付近)で飲食店を探す」という検索意図の下で検索された検索クエリであるという点で、相互に類似する特徴を有する検索クエリであると推定される。そこで、情報処理装置100は、連続して入力された検索クエリが類似する特徴を有するものとして学習することで、所定の検索クエリから所定の検索クエリの特徴情報を予測する第1モデルを生成する(ステップS13)。具体的には、情報処理装置100は、連続して入力された検索クエリの分散表現が類似するものとして学習することで、所定の検索クエリから所定の検索クエリの分散表現を予測する第1モデルM1を生成する。例えば、情報処理装置100は、検索クエリQ11の分散表現(ベクトルQV11)と、検索クエリQ11と対となる検索クエリQ12の分散表現(ベクトルQV12)とが、分散表現空間上で類似するように第1モデルM1を学習させる。また、情報処理装置100は、検索クエリQ12の分散表現(ベクトルQV12)と、検索クエリQ12と対となる検索クエリQ13の分散表現(ベクトルQV13)とが、分散表現空間上で類似するように第1モデルM1を学習させる。また、情報処理装置100は、検索クエリQ13の分散表現(ベクトルQV13)と、検索クエリQ13と対となる検索クエリQ14の分散表現(ベクトルQV14)とが、分散表現空間上で類似するように第1モデルM1を学習させる。
【0024】
図1の上段の右側には、学習済みの第1モデルM1の出力結果として、同一のユーザU1によって所定の時間内に入力された検索クエリQ1k(k=1、2、3、4)の分散表現であるベクトルQV1k(k=1、2、3、4)が分散表現空間のクラスタCL11としてマッピングされる様子が示されている。このように、情報処理装置100は、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルM1を生成する。
【0025】
情報処理装置100は、第1モデルM1を生成すると、生成した第1モデルM1(第1モデルM1のモデルデータMDT1)を取得する。情報処理装置100は、第1モデルM1を取得すると、取得した第1モデルM1を用いて、第2学習モデルM2を生成する。具体的には、情報処理装置100は、第1モデルM1を再学習させることにより、第1モデルM1とは学習モデルの重みである接続係数が異なる第2モデルM2を生成する。より具体的には、情報処理装置100は、第1モデルM1を用いて、所定の検索クエリから所定の検索クエリが属するカテゴリを予測する第2学習モデルM2を生成する(ステップS14)。
【0026】
図1の下段に示す例では、情報処理装置100は、検索クエリが第2モデルM2に入力された際に、CAT11(「飲食店を探す」)、CAT12(「商品を探す」)、CAT13(「飲食店を予約する」)、CAT14(「商品を購入する」)の4つのカテゴリのいずれのカテゴリに属するかを予測する第2モデルM2を生成する。具体的には、情報処理装置100は、入力情報として検索クエリが第2モデルM2に入力された際に、出力情報として検索クエリがそのカテゴリに属する確率をカテゴリ毎に出力する第2モデルM2を生成する。例えば、情報処理装置100は、第2モデルM2の正解データとして、検索クエリと検索クエリが属するカテゴリ(CAT11〜CAT14のいずれか)との組を学習する。
【0027】
なお、検索クエリがCAT11(「飲食店を探す」)に属することは、検索クエリが飲食店を探す意図で入力された検索クエリであることを示す。また、CAT12(「商品を探す」)に属することは、検索クエリが商品を探す意図で入力された検索クエリであることを示す。また、検索クエリがCAT13(「飲食店を予約する」)に属することは、検索クエリが飲食店を予約する意図で入力された検索クエリであることを示す。また、検索クエリがCAT14(「商品を購入する」)に属することは、検索クエリが商品を購入する意図で入力された検索クエリであることを示す。
【0028】
具体的には、情報処理装置100は、検索クエリが学習モデルに入力された際に、学習モデルが出力する分散表現の分類結果が、検索クエリが属するカテゴリに対応するように学習することで、所定の検索クエリから所定の検索クエリが属するカテゴリを予測する第2モデルM2を生成する。そして、情報処理装置100は、例えば、入力情報として検索クエリが第2モデルM2に入力された際に、出力情報として検索クエリがそのカテゴリに属する確率をカテゴリCAT11〜CAT14毎に出力する第2モデルM2を生成する。
【0029】
例えば、情報処理装置100は、入力情報として検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)が第2モデルM2に入力された際に(ステップS15)、出力情報として検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)の分散表現であるベクトルBQV11を出力する。ここで、ベクトルBQV11は、第2モデルM2の出力層から出力されたばかりの検索クエリQ11の分散表現であって、第2モデルM2にフィードバックをかける前(学習前)の分散表現を示す。ここで、検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)が属する正解カテゴリがCAT11(「飲食店を探す」)であるとする。この場合、情報処理装置100は、出力された検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)の分散表現であるベクトルBQV11がCAT11(「飲食店を探す」)に分類される確率が所定の閾値を超えるように第2モデルM2を学習させる。なお、情報処理装置100は、あらかじめ用意された正解データを用いて第2モデルを学習させる。情報処理装置100は、第2モデルM2の正解データを生成してもよい。そして、情報処理装置100は、生成した正解データを用いて第2モデルM2を学習させてもよい。具体的には、情報処理装置100は、検索クエリを検索したユーザの検索後の行動に基づいて、検索クエリが属する正解カテゴリを決定する。より具体的には、情報処理装置100は、所定の検索クエリを検索したユーザに対して、検索後に所定の行動を起こしたユーザの割合が所定の閾値を超える所定の行動を、正解カテゴリに対応する行動として決定する。例えば、検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)を検索したユーザが検索後に所定の行動を起こしたユーザの割合として、飲食店を探す行動を起こしたユーザの割合が90%、検索後に商品を探す行動を起こしたユーザの割合が0%、検索後に飲食店を予約する行動を起こしたユーザの割合が10%、検索後に商品を購入する行動を起こしたユーザの割合が0%であったとする。この場合、情報処理装置100は、飲食店を探す行動を起こしたユーザの割合が所定の閾値(例えば、90%)を超えるため、飲食店を探す行動を検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)の正解カテゴリに対応する行動として決定する。そして、情報処理装置100は、正解カテゴリに対応する行動を飲食店を探す行動であると決定したので、検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)が属する正解カテゴリをCAT11(「飲食店を探す」)に決定する。
【0030】
例えば、情報処理装置100は、学習前の第2モデルM2に検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)が入力された際に、分散表現であるベクトルBQV11がCAT11(「飲食店を探す」)に分類される確率を80%、CAT12(「商品を探す」)に分類される確率を0%、CAT13(「飲食店を予約」)に分類される確率を20%、CAT14(「商品を購入する」)に分類される確率を0%と出力したとする。この場合、情報処理装置100は、分散表現であるベクトルBQV11がCAT11(「飲食店を探す」)に分類される確率を所定の閾値(例えば、90%)を超えるように第2モデルM2を学習させる。また、情報処理装置100は、分散表現であるベクトルBQV11がCAT11(「飲食店を探す」)に分類される確率が所定の閾値(例えば、90%)を超えるように学習させるのに合わせて、分散表現であるベクトルBQV11が他のカテゴリCAT13(「飲食店を予約」)に分類される確率を10%に下げるように第2モデルM2を学習させる。
【0031】
このように、情報処理装置100は、入力情報として所定の検索クエリが入力されると、出力情報として所定の検索クエリの分散表現が正解カテゴリに分類される確率が所定の閾値を超えるように第2モデルを学習させる。そして、情報処理装置100は、入力情報として所定の検索クエリが入力された際に、所定の検索クエリの分散表現がそのカテゴリに属する確率が所定の閾値を超えるカテゴリを、所定の検索クエリのカテゴリとして出力する。例えば、情報処理装置100は、学習済みの第2モデルM2に入力情報として検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)が入力されると、検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)の分散表現であるベクトルBQV11がカテゴリCAT11(「飲食店を探す」)に属する確率が90%を超えるので、出力情報として検索クエリが属するカテゴリをCAT11(「飲食店を探す」)と出力する(ステップS16)。このように、情報処理装置100は、検索クエリと検索クエリの正解カテゴリとの組を学習することで、所定の検索クエリから所定の検索クエリのカテゴリを予測する第2モデルを生成する(ステップS17)。
【0032】
一般的に、ユーザはある意図を持って検索を複数回行うと考えられるため、所定の時間内に連続して入力された検索クエリは、検索意図が近いという仮定が成り立つ。そこで、本願発明に係る情報処理装置100は、所定の時間内に連続して入力された複数の検索クエリは、所定の検索意図の下で検索された検索クエリであるという点で、相互に類似する特徴を有する検索クエリであるとみなして第1モデルM1を学習させる。これにより、情報処理装置100は、検索意図を考慮した検索クエリの特徴を第1モデルM1に学習させることができる。そして、情報処理装置100は、検索意図を考慮した検索クエリの特徴を学習した第1モデルM1を活用して、所定の検索クエリから所定の検索クエリのカテゴリを予測する第2モデルを効率的に生成することができる。これにより、情報処理装置100は、検索クエリを入力したユーザの検索意図を考慮したカテゴリに検索クエリを分類することを可能にする。また、従来、検索クエリをカテゴリに分類し、高い分類精度を得るためには、十分な量の正解データを用意することが必要であった。しかしながら、検索クエリ自体、多種多様であり、ロングテイルな性質を持つものであるため、多数の検索クエリに対応する正解カテゴリをラベル付けするのは、非常に手間がかかり困難である。ここで、情報処理装置100は、検索意図を考慮した検索クエリの特徴を学習させた第1モデルを出発点として第2モデルを学習させることにより、正解カテゴリをラベル付けする代わりに、ユーザの検索意図(検索クエリを入力したユーザのコンテクスト)を一種の正解として、検索クエリのカテゴリを予測する第2モデルを学習させることができる。これにより、情報処理装置100は、人手で検索クエリの正解カテゴリをラベル付けすることなく、第2モデルを学習させることができる。すなわち、情報処理装置100は、正解データが少ないときでも、十分な分類精度を得られるようになる。また、情報処理装置100は、正解データが多いときであれば、さらに高い分類精度を得られるようになる。したがって、情報処理装置100は、検索クエリの分類精度を高めることができる。
【0033】
〔2.情報処理装置の構成〕
次に、図3を用いて、実施形態に係る情報処理装置100の構成について説明する。図3は、実施形態に係る情報処理装置100の構成例を示す図である。図3に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、情報処理装置100は、情報処理装置100の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0034】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークと有線または無線で接続され、例えば、ユーザ端末10と、検索サーバ50との間で情報の送受信を行う。
【0035】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、図3に示すように、クエリ情報記憶部121と、ベクトル情報記憶部122と、分類定義記憶部123と、カテゴリ情報記憶部124と、モデル情報記憶部125とを有する。
【0036】
(クエリ情報記憶部121)
クエリ情報記憶部121は、ユーザによって入力された検索クエリに関する各種の情報を記憶する。図4に、実施形態に係るクエリ情報記憶部の一例を示す。図4に示す例では、クエリ情報記憶部121は、「ユーザID」、「日時」、「検索クエリ」、「検索クエリID」といった項目を有する。
【0037】
「ユーザID」は、検索クエリを入力したユーザを識別するための識別情報を示す。「日時」は、検索サーバがユーザから検索クエリを受け付けた日時を示す。「検索クエリ」は、ユーザによって入力された検索クエリを示す。「検索クエリID」は、ユーザによって入力された検索クエリを識別するための識別情報を示す。
【0038】
図4の1レコード目に示す例では、検索クエリID「Q11」で識別される検索クエリ(検索クエリQ11)は、図1に示した検索クエリQ11に対応する。また、ユーザID「U1」は、検索クエリQ11を入力したユーザがユーザID「U1」で識別されるユーザ(ユーザU1)であることを示す。また、日時「2018/9/1 PM17:00」は、検索サーバがユーザU1から検索クエリQ11を受け付けた日時が2018年9月1日の午後17:00であることを示す。また、検索クエリ「六本木 パスタ」は、ユーザU1によって入力された検索クエリQ11を示す。具体的には、検索クエリ「六本木 パスタ」は、地名を示す「六本木」と食品の種類を示す「パスタ」の文字とが区切り文字であるスペースで区切られた文字列であることを示す。
【0039】
(ベクトル情報記憶部122)
ベクトル情報記憶部122は、検索クエリの分散表現であるベクトルに関する各種の情報を記憶する。図5に、実施形態に係るベクトル情報記憶部の一例を示す。図5に示す例では、ベクトル情報記憶部122は、「ベクトルID」、「検索クエリID」、「ベクトル情報」といった項目を有する。
【0040】
「ベクトルID」は、検索クエリの分散表現であるベクトルを識別するための識別情報を示す。「検索クエリID」は、ベクトルに対応する検索クエリを識別するための識別情報を示す。「ベクトル情報」は、検索クエリの分散表現であるN次元のベクトルを示す。検索クエリの分散表現であるベクトルは、例えば、128次元のベクトルである。
【0041】
図5の1レコード目に示す例では、ベクトルID「QV11」で識別されるベクトル(ベクトルQV11)は、図1に示した検索クエリQ11の分散表現であるベクトルQV11に対応する。また、検索クエリID「Q11」で識別される検索クエリ(検索クエリQ11)は、ベクトルQV11に対応する検索クエリが検索クエリQ11であることを示す。また、ベクトル情報「QVDT11」は、検索クエリQ11の分散表現であるN次元のベクトルを示す。
【0042】
(分類定義記憶部123)
分類定義記憶部123は、検索クエリが分類されるカテゴリの定義に関する各種の情報を記憶する。図6に、実施形態に係る分類定義記憶部の一例を示す。図6に示す例では、分類定義記憶部123は、「大分類ID」、「大分類」、「小分類ID」、「小分類」といった項目を有する。
【0043】
「大分類」は、検索クエリが分類されるカテゴリの大分類を示す。「大分類ID」は、大分類を識別するための識別情報を示す。図6に示す例では、大分類「購買行動系」は、図1の下段に示す例で説明した大分類に対応する。大分類「購買行動系」は、検索クエリをユーザの購買行動に基づいて分類するカテゴリの大分類を示す。図6に示す例では、大分類「購買行動系」は、さらに4つの小分類を有する。大分類ID「CAT1」は、大分類「購買行動系」を識別するための識別情報を示す。
【0044】
「小分類」、検索クエリが分類されるカテゴリの小分類を示す。「小分類ID」は、小分類を識別するための識別情報を示す。図6に示す例では、小分類「飲食店を探す」は、大分類「購買行動系」に属する分類であって、小分類に分類される検索クエリが、ユーザによって飲食店を探す意図で入力された検索クエリであることを示す。小分類ID「CAT11」は、小分類「飲食店を探す」を識別するための識別情報を示す。
【0045】
小分類「商品を探す」は、大分類「購買行動系」に属する分類であって、小分類に分類される検索クエリが、ユーザによって商品を探す意図で入力された検索クエリであることを示す。小分類ID「CAT12」は、小分類「商品を探す」を識別するための識別情報を示す。
【0046】
小分類「飲食店を予約」は、大分類「購買行動系」に属する分類であって、小分類に分類される検索クエリが、ユーザによって飲食店を予約する意図で入力された検索クエリであることを示す。小分類ID「CAT13」は、小分類「飲食店を予約」を識別するための識別情報を示す。
【0047】
小分類「商品を購入」は、大分類「購買行動系」に属する分類であって、小分類に分類される検索クエリが、ユーザによって商品を購入する意図で入力された検索クエリであることを示す。小分類ID「CAT14」は、小分類「商品を購入」を識別するための識別情報を示す。
【0048】
(カテゴリ情報記憶部124)
カテゴリ情報記憶部124は、検索クエリが属するカテゴリに関する各種の情報を記憶する。具体的には、カテゴリ情報記憶部124は、学習済みの第2学習モデルに検索クエリが入力された際に、第2学習モデルが出力するカテゴリに関する各種の情報を記憶する。図7に、実施形態に係るカテゴリ情報記憶部の一例を示す。図7に示す例では、カテゴリ情報記憶部124は、「検索クエリID」、「大分類ID」、「小分類ID」、「確率(%)」といった項目を有する。
【0049】
「検索クエリID」は、ユーザによって入力された検索クエリを識別するための識別情報を示す。図7に示す例では、検索クエリID「Q11」で識別される検索クエリ(検索クエリQ11)は、図1に示した検索クエリQ11に対応する。
【0050】
「大分類ID」は、大分類を識別するための識別情報を示す。「小分類ID」は、小分類を識別するための識別情報を示す。「確率(%)」は、学習済みの第2学習モデルに検索クエリが入力された際に、第2学習モデルが出力する小分類毎の確率を示す。図7に示す例では、確率(%)「90」は、検索クエリQ11がカテゴリCAT11に分類される確率が90%であることを示す。
【0051】
(モデル情報記憶部125)
モデル情報記憶部125は、情報処理装置100によって生成された学習モデルに関する各種の情報を記憶する。図8に、実施形態に係るモデル情報記憶部の一例を示す。図8に示す例では、モデル情報記憶部125は、「モデルID」、「モデルデータ」といった項目を有する。
【0052】
「モデルID」は、情報処理装置100によって生成された学習モデルを識別するための識別情報を示す。「モデルデータ」は、情報処理装置100によって生成された学習モデルのモデルデータを示す。例えば、「モデルデータ」には、検索クエリを分散表現に変換するためのデータが格納される。
【0053】
図8の1レコード目に示す例では、モデルID「M1」で識別される学習モデルは、図1に示した第1モデルM1に対応する。また、モデルデータ「MDT1」は、情報処理装置100によって生成された第1モデルM1のモデルデータ(モデルデータMDT1)を示す。
【0054】
モデルデータMDT1は、検索クエリが入力される入力層と、出力層と、入力層から出力層までのいずれかの層であって出力層以外の層に属する第1要素と、第1要素と第1要素の重みとに基づいて値が算出される第2要素と、を含み、入力層に入力された検索クエリに応じて、入力層に入力された検索クエリの分散表現を出力層から出力するよう、情報処理装置100を機能させてもよい。
【0055】
ここで、モデルデータMDT1が「y=a1*x1+a2*x2+・・・+ai*xi」で示す回帰モデルで実現されるとする。この場合、モデルデータMDT1が含む第1要素は、x1やx2等といった入力データ(xi)に対応する。また、第1要素の重みは、xiに対応する係数aiに対応する。ここで、回帰モデルは、入力層と出力層とを有する単純パーセプトロンと見做すことができる。各モデルを単純パーセプトロンと見做した場合、第1要素は、入力層が有するいずれかのノードに対応し、第2要素は、出力層が有するノードと見做すことができる。
【0056】
また、モデルデータMDT1がDNN(Deep Neural Network)等、1つまたは複数の中間層を有するニューラルネットワークで実現されるとする。この場合、モデルデータMDT1が含む第1要素は、入力層または中間層が有するいずれかのノードに対応する。また、第2要素は、第1要素と対応するノードから値が伝達されるノードである次段のノードに対応する。また、第1要素の重みは、第1要素と対応するノードから第2要素と対応するノードに伝達される値に対して考慮される重みである接続係数に対応する。
【0057】
情報処理装置100は、上述した回帰モデルやニューラルネットワーク等、任意の構造を有するモデルを用いて、分散表現の算出を行う。具体的には、モデルデータMDT1は、検索クエリが入力された場合に、分散表現を出力するように係数が設定される。情報処理装置100は、このようなモデルデータMDT1を用いて、分散表現を算出する。
【0058】
なお、上記例では、モデルデータMDT1が、検索クエリが入力された場合に、検索クエリの分散表現を出力するモデル(以下、モデルX1という。)である例を示した。しかし、実施形態に係るモデルデータMDT1は、モデルX1にデータの入出力を繰り返すことで得られる結果に基づいて生成されるモデルであってもよい。例えば、モデルデータMDT1は、検索クエリを入力とし、モデルX1が出力する分散表現を出力とするよう学習されたモデル(以下、モデルY1という。)であってもよい。または、モデルデータMDT1は、検索クエリを入力とし、モデルY1の出力値を出力とするよう学習されたモデルであってもよい。
【0059】
また、情報処理装置100がGAN(Generative Adversarial Networks)を用いた推定処理を行う場合、モデルデータMDT1は、GANの一部を構成するモデルであってもよい。
【0060】
図8の2レコード目に示す例では、モデルID「M2」で識別される学習モデルは、図1に示した第2モデルM2に対応する。また、モデルデータ「MDT2」は、情報処理装置100によって生成された第2モデルM2のモデルデータ(モデルデータMDT2)を示す。
【0061】
モデルデータMDT2は、検索クエリが入力される入力層と、出力層と、入力層から出力層までのいずれかの層であって出力層以外の層に属する第1要素と、第1要素と第1要素の重みとに基づいて値が算出される第2要素と、を含み、入力層に入力された検索クエリに応じて、入力層に入力された検索クエリが各カテゴリに属する確率を出力層から出力するよう、情報処理装置100を機能させてもよい。
【0062】
ここで、モデルデータMDT2が「y=a1*x1+a2*x2+・・・+ai*xi」で示す回帰モデルで実現されるとする。この場合、モデルデータMDT2が含む第1要素は、x1やx2等といった入力データ(xi)に対応する。また、第1要素の重みは、xiに対応する係数aiに対応する。ここで、回帰モデルは、入力層と出力層とを有する単純パーセプトロンと見做すことができる。各モデルを単純パーセプトロンと見做した場合、第1要素は、入力層が有するいずれかのノードに対応し、第2要素は、出力層が有するノードと見做すことができる。
【0063】
また、モデルデータMDT2がDNN(Deep Neural Network)等、1つまたは複数の中間層を有するニューラルネットワークで実現されるとする。この場合、モデルデータMDT2が含む第1要素は、入力層または中間層が有するいずれかのノードに対応する。また、第2要素は、第1要素と対応するノードから値が伝達されるノードである次段のノードに対応する。また、第1要素の重みは、第1要素と対応するノードから第2要素と対応するノードに伝達される値に対して考慮される重みである接続係数に対応する。
【0064】
情報処理装置100は、上述した回帰モデルやニューラルネットワーク等、任意の構造を有するモデルを用いて、検索クエリが各カテゴリに属する確率の算出を行う。具体的には、モデルデータMDT2は、検索クエリが入力された場合に、検索クエリが各カテゴリに属する確率を出力するように係数が設定される。情報処理装置100は、このようなモデルデータMDT2を用いて、検索クエリが各カテゴリに属する確率を算出する。
【0065】
なお、上記例では、モデルデータMDT2が、検索クエリが入力された場合に、検索クエリが各カテゴリに属する確率を出力するモデル(以下、モデルX2という。)である例を示した。しかし、実施形態に係るモデルデータMDT2は、モデルX2にデータの入出力を繰り返すことで得られる結果に基づいて生成されるモデルであってもよい。例えば、モデルデータMDT2は、検索クエリを入力とし、モデルX2が出力する確率を出力とするよう学習されたモデル(以下、モデルY2という。)であってもよい。または、モデルデータMDT2は、検索クエリを入力とし、モデルY2の出力値を出力とするよう学習されたモデルであってもよい。
【0066】
また、情報処理装置100がGAN(Generative Adversarial Networks)を用いた推定処理を行う場合、モデルデータMDT2は、GANの一部を構成するモデルであってもよい。
【0067】
(制御部130)
図3の説明に戻って、制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(生成プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0068】
また、制御部130は、モデル情報記憶部125に記憶されている第1モデルM1(モデルデータMDT1)に従った情報処理により、入力層に入力された検索クエリに対し、出力層以外の各層に属する各要素を第1要素として、第1要素と第1要素の重みとに基づく演算を行うことにより、分散表現を出力層から出力するよう、コンピュータを機能させる。
【0069】
また、制御部130は、モデル情報記憶部125に記憶されている第2モデルM2(モデルデータMDT2)に従った情報処理により、入力層に入力された検索クエリに対し、出力層以外の各層に属する各要素を第1要素として、第1要素と第1要素の重みとに基づく演算を行うことにより、検索クエリが各カテゴリに属する確率を出力層から出力するよう、コンピュータを機能させる。
【0070】
図3に示すように、制御部130は、取得部131と、抽出部132と、生成部133とを有し、以下に説明する情報処理の作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0071】
(取得部131)
取得部131は、種々の情報を取得する。具体的には、取得部131は、ユーザによって入力された検索クエリを検索サーバ50から取得する。取得部131は、ユーザによって入力された検索クエリを取得すると、取得した検索クエリをクエリ情報記憶部121に格納する。また、取得部131は、検索クエリの分散表現であるベクトルに関するベクトル情報を取得する。取得部131は、ベクトル情報を取得すると、取得したベクトル情報をベクトル情報記憶部122に格納する。また、取得部131は、検索クエリと検索クエリが属するカテゴリの分類を定義する情報を取得する。取得部131は、検索クエリと検索クエリが属するカテゴリの分類を定義する分類定義情報を取得すると、取得した分類定義情報を分類定義記憶部123に格納する。また、取得部131は、検索クエリが属するカテゴリに関するカテゴリ情報を取得する。取得部131は、カテゴリ情報を取得すると、取得したカテゴリ情報をカテゴリ情報記憶部124に格納する。
【0072】
また、取得部131は、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして、複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを取得する。具体的には、取得部131は、生成部133によって、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして学習することで、所定の検索クエリから所定の検索クエリの特徴情報を予測する学習モデルとして生成された第1学習モデルを取得する。また、取得部131は、入力情報として所定の検索クエリが入力された際に、出力情報として所定の検索クエリの分散表現を出力する第1学習モデルを取得する。また、取得部131は、所定の時間内に続けて入力された一対の検索クエリの分散表現が類似するように学習することで、複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを取得する。また、取得部131は、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリとして、所定の区切り文字で区切られた文字列を含む複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして学習することで、複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを取得する。また、取得部131は、ランダムに抽出された複数の検索クエリが相違する特徴を有するものとして学習することで、複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを取得する。また、取得部131は、ランダムに抽出された一対の検索クエリの分散表現が相違するように学習することで、複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを取得する。取得部131は、第1学習モデルを取得すると、取得した第1学習モデルを識別する識別情報と対応付けて、第1学習モデルのモデルデータMDT1をモデル情報記憶部125に格納する。
【0073】
また、取得部131は、生成部133によって、第1学習モデルを用いて、所定の検索クエリから所定の検索クエリが属するカテゴリを予測する学習モデルとして生成された第2学習モデルを取得する。取得部131は、第2学習モデルを取得すると、取得した第2学習モデルを識別する識別情報と対応付けて、第2学習モデルのモデルデータMDT2をモデル情報記憶部125に格納する。
【0074】
(抽出部132)
抽出部132は、種々の情報を抽出する。具体的には、抽出部132は、取得部131によって取得された検索クエリのうち、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリを抽出する。例えば、抽出部132は、同一のユーザによって各検索クエリが入力された時間の間隔が所定の時間内である複数の検索クエリを抽出する。続いて、抽出部132は、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリのうち、同一のユーザによって所定の時間内に連続して入力された一対の検索クエリを抽出する。例えば、抽出部132は、同一のユーザによって各検索クエリのペアが入力された時間の間隔が所定の時間内である複数の検索クエリを抽出する。例えば、抽出部132は、取得部131によって取得された検索クエリのうち、同一のユーザU1によって所定の時間内に連続して入力された4個の検索クエリである検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)、検索クエリQ12(「六本木 イタリアン」)、検索クエリQ13(「赤坂 パスタ」)、検索クエリQ14(「麻布 パスタ」)を抽出する。抽出部132は、検索クエリが入力された順番に並べると、検索クエリQ11、検索クエリQ12、検索クエリQ13、検索クエリQ14の順番で入力された4個の検索クエリを抽出する。続いて、抽出部132は、4個の検索クエリを抽出すると、時系列的に隣り合う2つの検索クエリを一対の検索クエリとして、3対の検索クエリのペアである(検索クエリQ11、検索クエリQ12)、(検索クエリQ12、検索クエリQ13)、(検索クエリQ13、検索クエリQ14)を抽出する。なお、抽出部132は、同一のユーザによって全ての検索クエリが所定の時間内に入力された複数の検索クエリを抽出してもよい。そして、抽出部132は、時系列的に隣り合うか否かに関わらず、抽出した複数の検索クエリの中から2つの検索クエリを選択して、選択した2つの検索クエリを一対の検索クエリとして抽出してもよい。
【0075】
また、抽出部132は、取得部131によって取得された検索クエリのうち、所定の検索クエリと所定の検索クエリに無関係な他の検索クエリとを抽出する。例えば、抽出部132は、取得部131によって取得された検索クエリの中から、所定の検索クエリを抽出する。続いて、抽出部132は、取得部131によって取得された検索クエリの中から、所定の検索クエリとは無関係にランダムに他の検索クエリを抽出する。
【0076】
(生成部133)
生成部133は、種々の情報を生成する。生成部133は、第1学習モデルを生成する。具体的には、生成部133は、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが有する特徴を学習させた第1学習モデルを生成する。より具体的には、生成部133は、取得部131によって取得された検索クエリのうち、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして学習することで、所定の検索クエリから所定の検索クエリの特徴情報を予測する第1学習モデルを生成する。
【0077】
生成部133は、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリの分散表現が類似するように学習モデルを学習させることで、所定の検索クエリから所定の検索クエリの特徴情報を予測する第1モデルを生成する。具体的には、生成部133は、所定の時間内に続けて入力された一対の検索クエリの分散表現が類似するように学習することで、第1学習モデルを生成する。より具体的には、生成部133は、RNNの一種であるLSTMを分散表現生成に用いたDSSMの技術を用いて、検索クエリから分散表現(ベクトル)を出力する第1学習モデルを生成する。例えば、生成部133は、第1学習モデルの正解データとして、同一のユーザによって所定の時間内に入力された一対の検索クエリが類似する特徴を有するものとして、所定の検索クエリの分散表現(ベクトル)と、所定の検索クエリと対となる他の検索クエリの分散表現(ベクトル)とが、分散表現空間上で近くに存在するように学習する。
【0078】
〔第1学習モデルの一例〕
ここで、図9を用いて情報処理装置100が生成する第1学習モデルの一例について説明する。図9は、実施形態に係る第1学習モデルの一例を示す図である。図9に示す例では、情報処理装置100が生成する第1学習モデルM1は、3層のLSTM RNNで構成されている。図9に示す例では、抽出部132は、同一のユーザU1によって所定の時間内に連続して入力された「六本木 パスタ」という検索クエリQ11と「六本木 イタリアン」という検索クエリQ12とから成る一対の検索クエリを抽出する。生成部133は、抽出部132によって抽出されたた検索クエリQ11を第1学習モデルM1の入力層に入力する(ステップS31)。
【0079】
続いて、生成部133は、第1学習モデルM1の出力層から検索クエリQ11の分散表現である256次元のベクトルBQV11を出力する。また、生成部133は、抽出部132によって抽出された検索クエリQ12を第1学習モデルM1の入力層に入力する。続いて、生成部133は、第1学習モデルM1の出力層から検索クエリQ12の分散表現である256次元のベクトルBQV12を出力する(ステップS32)。
【0080】
続いて、生成部133は、連続して入力された2つの検索クエリの分散表現(ベクトル)が類似するように学習することで、検索クエリから分散表現(ベクトル)を出力する第1学習モデルM1を生成する(ステップS33)。例えば、第1学習モデルM1にフィードバックをかける前(学習前)の検索クエリQ11の分散表現であるベクトルBQV11と検索クエリQ12の分散表現であるベクトルBQV12とのなす角度の大きさをΘとする。また、第1学習モデルM1にフィードバックをかけた後(学習後)の検索クエリQ11の分散表現であるベクトルQV11と検索クエリQ12の分散表現であるベクトルQV12とのなす角度の大きさをΦとする。この時、生成部133は、ΘよりもΦが小さくなるように、第1学習モデルM1を学習させる。すなわち、生成部133は、ベクトルBQV11とベクトルBQV12のコサイン類似度の値よりも、ベクトルQV11とベクトルQV12のコサイン類似度の値が大きくなるように(値が1に近づくように)第1学習モデルM1を学習させる。このように、生成部133は、一対の検索クエリに対応する一対の分散表現である2つのベクトルが分散表現空間上で類似するように第1学習モデルM1を学習させることで、検索クエリから分散表現(ベクトル)を出力する第1学習モデルM1を生成する。
【0081】
また、生成部133は、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリとして、所定の区切り文字で区切られた文字列を含む複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして学習することで、第1学習モデルを生成する。例えば、生成部133は、地名を示す「六本木」と食品の種類を示す「パスタ」の文字とが区切り文字であるスペースで区切られた検索クエリ「六本木 パスタ」と、地名を示す「六本木」と料理の種類を示す「イタリアン」の文字とが区切り文字であるスペースで区切られた検索クエリ「六本木 イタリアン」とが類似する特徴を有するものとして学習することで、第1学習モデルを生成する。
【0082】
また、生成部133は、取得部131によって取得された検索クエリのうち、ランダムに抽出された複数の検索クエリが相違する特徴を有するものとして学習することで、第1学習モデルを生成する。具体的には、生成部133は、取得部131によって取得された検索クエリのうち、ランダムに抽出された一対の検索クエリの分散表現が相違するように学習することで、第1学習モデルを生成する。例えば、生成部133は、抽出部132によって抽出された所定の検索クエリの分散表現と、所定の検索クエリとは無関係にランダムに抽出された検索クエリの分散表現とが分散表現空間上で遠くにマッピングされるように第1学習モデルM1のトレーニングを行う。
【0083】
また、生成部133は、第2学習モデルを生成する。生成部133は、取得部131によって取得された第1学習モデルを用いて、所定の検索クエリから所定の検索クエリが属するカテゴリを予測する第2学習モデルを生成する。より具体的には、生成部133は、第1学習モデルを生成すると、生成した第1学習モデル(第1学習モデルM1のモデルデータMDT1)を取得する。生成部133は、第1モデルM1を取得すると、取得した第1モデルM1を用いて、第2学習モデルM2を生成する。生成部133は、第1モデルM1を再学習させることにより、第1モデルM1とは学習モデルの重みである接続係数が異なる第2モデルM2を生成する。具体的には、生成部133は、検索クエリが学習モデルに入力された際に、学習モデルが出力する分散表現の分類結果が、検索クエリが属するカテゴリに対応するように学習することで、所定の検索クエリから所定の検索クエリが属するカテゴリを予測する第2モデルM2を生成する。
【0084】
具体的には、生成部133は、検索クエリが学習モデルに入力された際に、学習モデルが出力する分散表現の分類結果が、検索クエリが属するカテゴリに対応するように学習することで、所定の検索クエリから所定の検索クエリが属するカテゴリを予測する第2学習モデルを生成する。生成部133は、入力情報として検索クエリが学習モデルに入力された際に、出力情報として検索クエリが属するカテゴリ毎の確率を出力する第2学習モデルを生成する。例えば、生成部133は、第1モデルM1を用いて、入力情報として所定の検索クエリが学習モデルに入力された際に、出力情報として検索クエリの分散表現がそのカテゴリに分類される確率をカテゴリ毎に出力する第2モデルM2を生成する。生成部133は、入力情報として所定の検索クエリが入力されると、出力情報として所定の検索クエリの分散表現が正解カテゴリに分類される確率が所定の閾値を超えるように第2モデルを学習させる。そして、生成部133は、入力情報として所定の検索クエリが入力された際に、所定の検索クエリの分散表現がそのカテゴリに属する確率が所定の閾値を超えるカテゴリを、所定の検索クエリのカテゴリとして出力する第2モデルM2を生成する。
【0085】
例えば、生成部133は、図8に示すモデル情報記憶部125を参照して、第1モデルM1(第1モデルM1のモデルデータMDT1)を取得する。続いて、生成部133は、図6に示す分類定義記憶部123を参照して、検索クエリを分類するカテゴリの大分類を選択する。続いて、生成部133は、大分類を選択すると、第2モデルM2の学習データとして、検索クエリと検索クエリが属する小分類との組を学習する。
【0086】
例えば、検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)が属する正解カテゴリがCAT11(「飲食店を探す」)であるとする。生成部133は、入力情報として検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)が第2モデルM2に入力された際に、第2モデルM2の出力層から検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)の分散表現であるベクトルBQV11を出力する。ここで、ベクトルBQV11は、第2モデルM2の出力層から出力されたばかりの検索クエリQ11の分散表現であって、第2モデルM2にフィードバックをかける前(学習前)の分散表現を示す。この場合、生成部133は、出力された検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)の分散表現であるベクトルBQV11が正解カテゴリCAT11(「飲食店を探す」)に分類される確率が所定の閾値を超えるように第2モデルM2を学習させる。
【0087】
例えば、生成部133は、学習前の第2モデルM2に検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)が入力された際に、分散表現であるベクトルBQV11がCAT11(「飲食店を探す」)に分類される確率を80%、CAT12(「商品を探す」)に分類される確率を0%、CAT13(「飲食店を予約」)に分類される確率を20%、CAT14(「商品を購入する」)に分類される確率を0%と出力したとする。この場合、生成部133は、分散表現であるベクトルBQV11がCAT11(「飲食店を探す」)に分類される確率を所定の閾値(例えば、90%)を超えるように第2モデルM2を学習させる。また、生成部133は、分散表現であるベクトルBQV11がCAT11(「飲食店を探す」)に分類される確率が所定の閾値(例えば、90%)を超えるように学習させるのに合わせて、分散表現であるベクトルBQV11が他のカテゴリCAT13(「飲食店を予約」)に分類される確率を10%に下げるように第2モデルM2を学習させる。続いて、生成部133は、学習済みの第2モデルM2に入力情報として検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)が入力されると、検索クエリQ11(「六本木 パスタ」)の分散表現であるベクトルBQV11がカテゴリCAT11(「飲食店を探す」)に属する確率が90%を超えるので、出力情報として検索クエリが属するカテゴリをCAT11(「飲食店を探す」)と出力する。
【0088】
なお、生成部133は、大分類として、任意の数の大分類を選択してもよい。そして、生成部133は、入力情報として検索クエリが第2モデルM2に入力された際に、出力情報として検索クエリが選択した任意の数の大分類に属する各小分類に属する確率を小分類毎に出力する第2モデルM2を生成してもよい。また、生成部133は、大分類として、全ての大分類を選択してもよい。そして、生成部133は、検索クエリが第2モデルM2に入力された際に、各小分類に属する確率を全ての小分類毎に出力する第2モデルM2を生成してもよい。
【0089】
〔第2学習モデルの一例〕
ここで、図10を用いて情報処理装置100が生成する第2学習モデルの一例について説明する。図10は、実施形態に係る第2学習モデルの一例を示す図である。図10に示す例では、情報処理装置100が生成する第2学習モデルM2は、第1学習モデルM1を用いて生成される。すなわち、情報処理装置100は、第1学習モデルM1を再学習させることにより、第1学習モデルM1とは学習モデルの重みである接続係数が異なる第2学習モデルM2を生成する。
【0090】
より具体的には、情報処理装置100が生成する第2学習モデルM2は、第1学習モデルM1と同様に、3層のLSTM RNNで構成されている。図10に示す例では、抽出部132は、ユーザU1によって入力された「六本木 パスタ」という検索クエリQ11を第2学習モデルM2の入力層に入力する(ステップS41)。
【0091】
続いて、生成部133は、第2学習モデルM2の出力層から検索クエリQ11の分散表現である256次元のベクトルBQV11を出力する(ステップS42)。
【0092】
続いて、生成部133は、検索クエリQ11の分散表現であるベクトルBQV11が各カテゴリに分類される確率を出力する(ステップS43)。
【0093】
続いて、生成部133は、検索クエリQ11の分散表現であるベクトルBQV11が正解カテゴリに分類される確率を高くするように第2学習モデルM2を学習することで、検索クエリから検索クエリのカテゴリを予測する第2モデルを生成する(ステップS44)。
【0094】
〔3.第1学習モデルの生成処理のフロー〕
次に、図11を用いて、実施形態に係る第1学習モデルの生成処理の手順について説明する。図11は、実施形態に係る第1学習モデルの生成処理手順を示すフローチャートである。図11に示す例では、情報処理装置100は、ユーザによって入力された検索クエリを取得する(ステップS101)。
【0095】
続いて、情報処理装置100は、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリを抽出する(ステップS102)。
【0096】
続いて、情報処理装置100は、抽出した複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして学習することで、所定の検索クエリから所定の検索クエリの特徴情報を予測する第1学習モデルを生成する(ステップS103)。
【0097】
〔4.情報処理のフロー〕
次に、図12を用いて、実施形態に係る情報処理の手順について説明する。図12は、実施形態に係る情報処理手順を示すフローチャートである。図12に示す例では、情報処理装置100は、第1学習モデル(第1学習モデルM1のモデルデータMDT1)を取得する(ステップS201)。
【0098】
続いて、情報処理装置100は、第1学習モデルを用いて、所定の検索クエリから所定の検索クエリのカテゴリを予測する第2学習モデルを生成する(ステップS202)。
【0099】
〔5.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置100は、取得部131と生成部133を備える。取得部131は、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして、複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを取得する。生成部133は、取得部131によって取得された第1学習モデルを用いて、所定の検索クエリから所定の検索クエリが属するカテゴリを予測する第2学習モデルを生成する。
【0100】
一般的に、ユーザはある意図を持って検索を複数回行うと考えられるため、所定の時間内に連続して入力された検索クエリは、検索意図が近いという仮定が成り立つ。そこで、本願発明に係る情報処理装置100は、所定の時間内に連続して入力された複数の検索クエリは、所定の検索意図の下で検索された検索クエリであるという点で、相互に類似する特徴を有する検索クエリであるとみなして第1モデルM1を学習させる。これにより、情報処理装置100は、検索意図を考慮した検索クエリの特徴を第1モデルM1に学習させることができる。そして、情報処理装置100は、検索意図を考慮した検索クエリの特徴を学習した第1モデルM1を活用して、所定の検索クエリから所定の検索クエリのカテゴリを予測する第2モデルを効率的に生成することができる。これにより、情報処理装置100は、検索クエリを入力したユーザの検索意図を考慮したカテゴリに検索クエリを分類することを可能にする。また、従来、検索クエリをカテゴリに分類し、高い分類精度を得るためには、十分な量の正解データを用意することが必要であった。しかしながら、検索クエリ自体、多種多様であり、ロングテイルな性質を持つものであるため、多数の検索クエリに対応する正解カテゴリをラベル付けするのは、非常に手間がかかり困難である。ここで、情報処理装置100は、検索意図を考慮した検索クエリの特徴を学習させた第1モデルを出発点として第2モデルを学習させることにより、正解カテゴリをラベル付けする代わりに、ユーザの検索意図(検索クエリを入力したユーザのコンテクスト)を一種の正解として、検索クエリのカテゴリを予測する第2モデルを学習させることができる。これにより、情報処理装置100は、人手で検索クエリの正解カテゴリをラベル付けすることなく、第2モデルを学習させることができる。すなわち、情報処理装置100は、正解データが少ないときでも、十分な分類精度を得られるようになる。また、情報処理装置100は、正解データが多いときであれば、さらに高い分類精度を得られるようになる。したがって、情報処理装置100は、検索クエリの分類精度を高めることができる。
【0101】
また、取得部131は、入力情報として所定の検索クエリが入力された際に、出力情報として所定の検索クエリの分散表現を出力する第1学習モデルを取得する。
【0102】
これにより、情報処理装置100は、所定の検索クエリの特徴という抽象的な概念を、分散表現という具体的な数値によって測定可能とすることができる。
【0103】
また、取得部131は、所定の時間内に続けて入力された一対の検索クエリの分散表現が類似するように学習することで、複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを取得する。
【0104】
一般的に、同一のユーザが短時間に続けて入力した2つの検索クエリは、検索意図が同一であるか、同一でなくとも検索意図が近いと考えられる。すなわち、所定の時間内に続けて入力された一対の検索クエリは、検索意図が同一であるか、同一でなくとも検索意図が近いと考えられる。すなわち、情報処理装置100は、所定の時間内に続けて入力された一対の検索クエリの分散表現が類似するように学習させることにより、第1モデルの学習精度を向上させることができる。
【0105】
また、取得部131は、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリとして、所定の区切り文字で区切られた文字列を含む複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして学習することで、複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを取得する。
【0106】
一般的に、単体の文字列からなる検索クエリよりも、複数の文字列を含む検索クエリのほうが、検索意図がより明確であると考えられる。すなわち、情報処理装置100は、所定の区切り文字で区切られた文字列を含む検索クエリを用いて学習させることにより、第1モデルの学習精度を向上させることができる。
【0107】
また、取得部131は、ランダムに抽出された複数の検索クエリが相違する特徴を有するものとして学習することで、複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを取得する。また、取得部131は、ランダムに抽出された一対の検索クエリの分散表現が相違するように学習することで、複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを取得する。
【0108】
一般的に、ランダムに抽出された複数の検索クエリは、互いに無関係に入力された検索クエリであるため、検索意図が異なるか、検索意図が遠いと考えられる。そこで、本願発明に係る情報処理装置100は、ランダムに抽出された複数の検索クエリは、異なる検索意図の下で検索された検索クエリであるという点で、相互に相違する特徴を有する検索クエリであるとみなして学習モデルM1を学習させる。これにより、学習モデルは、検索意図が近い検索クエリのペアである正解データに加えて、検索意図が遠い検索クエリのペアである不正解データを学習することができる。すなわち、情報処理装置100は、第1モデルの学習精度を向上させることができる。
【0109】
また、生成部133は、検索クエリが学習モデルに入力された際に、学習モデルが出力する分散表現の分類結果が、検索クエリが属するカテゴリに対応するように学習することで、所定の検索クエリから所定の検索クエリが属するカテゴリを予測する第2学習モデルを生成する。また、生成部133は、入力情報として検索クエリが学習モデルに入力された際に、出力情報として検索クエリが属するカテゴリ毎の確率を出力する第2学習モデルを生成する。
【0110】
これにより、情報処理装置100は、検索意図を考慮した検索クエリの特徴を含む分散表現を活用して、検索クエリを入力したユーザの検索意図を考慮したカテゴリに検索クエリを分類する第2学習モデルを効率的に生成することができる。すなわち、情報処理装置100は、検索クエリを入力したユーザの検索意図を考慮したカテゴリに検索クエリを分類することを可能にする。したがって、情報処理装置100は、検索クエリの分類精度を高めることができる。
【0111】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置100は、例えば図13に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図13は、情報処理装置100の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を備える。
【0112】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0113】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、所定の通信網を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを所定の通信網を介して他の機器へ送信する。
【0114】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0115】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0116】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムまたはデータ(例えば、第1モデルM1のモデルデータMDT1、第2モデルM2のモデルデータMDT2)を実行することにより、制御部130の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムまたはデータ(例えば、第1モデルM1のモデルデータMDT1、第2モデルM2のモデルデータMDT2)を取得してもよい。
【0117】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0118】
〔7.その他〕
また、上記実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0119】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0120】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0121】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、生成部は、生成手段や生成回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0122】
1 情報処理システム
10 ユーザ端末
50 検索サーバ
100 情報処理装置
121 クエリ情報記憶部
122 ベクトル情報記憶部
123 分類定義記憶部
124 カテゴリ情報記憶部
125 モデル情報記憶部
131 取得部
132 抽出部
133 生成部
【要約】
【課題】検索クエリの分類精度を高めること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、取得部と生成部とを備える。取得部は、同一のユーザによって所定の時間内に入力された複数の検索クエリが類似する特徴を有するものとして、複数の検索クエリが有する特徴を学習した第1学習モデルを取得する。生成部は、取得部によって取得された第1学習モデルを用いて、所定の検索クエリから所定の検索クエリが属するカテゴリを予測する第2学習モデルを生成する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13