特許第6553875号(P6553875)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6553875
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】電気特性測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 27/22 20060101AFI20190722BHJP
【FI】
   G01R27/22 Z
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-6917(P2015-6917)
(22)【出願日】2015年1月16日
(65)【公開番号】特開2015-155894(P2015-155894A)
(43)【公開日】2015年8月27日
【審査請求日】2018年1月12日
(31)【優先権主張番号】特願2014-7025(P2014-7025)
(32)【優先日】2014年1月17日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】592187534
【氏名又は名称】株式会社 堀場アドバンスドテクノ
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 理一郎
(72)【発明者】
【氏名】赤澤 欣俊
(72)【発明者】
【氏名】村上 裕昭
(72)【発明者】
【氏名】井上 健太郎
【審査官】 永井 皓喜
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭54−40180(JP,U)
【文献】 特開2008−268169(JP,A)
【文献】 特開平11−183417(JP,A)
【文献】 特開平10−253685(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/127041(WO,A1)
【文献】 特開2014−153273(JP,A)
【文献】 特開平11−287776(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 27/22
G01R 27/00
G01N 27/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性を有する液体試料に接触する一対の電極と、
前記一対の電極に直流電圧を印加するための高電圧電源を備える電源回路及び前記一対の電極間に流れる電流を検出する検出回路を有する回路本体部と、
前記一対の電極及び前記回路本体部を接続する2本の接続導線と、
前記2本の接続導線を被覆するとともにコモンに接続された被覆導体、又は、前記電源回路の高電圧側の配線に設けられ、感電した場合に人に流れる電流値を3A以下とする感電防止用抵抗とを備え、
前記検出回路により検出された電流から比抵抗又は比抵抗に関連する物理量を演算するように構成され、
前記電源回路及び前記検出回路は共通の筐体内に収容されており、
前記電源回路において、前記高電圧電源と、前記筐体に設けられ前記接続導線に接続される外部端子との間の配線が空中配線とされている電気特性測定装置。
【請求項2】
前記被覆導体が、前記2本の接続導線それぞれに互いに独立して設けられている請求項1記載の電気特性測定装置。
【請求項3】
前記一対の電極が、円筒状をなす外部電極と、当該外部電極の内部に配置された円柱状をなす内部電極とからなり、
前記外部電極に前記電源回路の高電圧が印加されるとともに、電極間に流れる電流が前記内部電極から前記検出回路に検出されるように構成された請求項1又は2に記載の電気特性測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体試料の比抵抗又は比抵抗に関連する物理量を測定する電気特性測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、絶縁性を有する液体試料の比抵抗を測定するものとして、特許文献1に示すものが考えられている。この比抵抗測定装置は、外部電極及び内部電極に交流電圧を印加して、外部電極及び内部電極の間に位置する液体試料の比抵抗を測定するものである。
【0003】
しかしながら、絶縁性を有する液体試料の比抵抗を測定するためには、外部電極及び内部電極に高電圧を印加しなければならない。両電極に印加する電圧は、外部電極及び内部電極の間隔が大きければ大きいほど高電圧となってしまう。そうすると、感電の危険性が高くなってしまう。ここで、外部電極及び内部電極の間隔を小さくすることも考えられるが、外部からの振動による測定誤差の影響を受け易くなってしまう。
【0004】
さらに、従来の比抵抗測定装置では、例えば図5に示すように、オペアンプを用いて一対の電極の間に生じる電圧を検出することによって比抵抗を演算するように構成されている。しかしながら、外部電極に高電圧を印加する構成では、図5の(A)の回路構成では、オペアンプの動作電圧の範囲しか一対の電極に電圧をかけることができず、抵抗が高い場合は流れる電流が小さく測定が困難になってしまい、また、図5の(B)の回路構成では、オペアンプの非反転反転入力端子への入力電圧が大きくなってしまい、何れの場合も、オペアンプを使用することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3769119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであり、絶縁性の高い液体試料の比抵抗等の電気特性をオペアンプを用いて測定可能にし、感電の危険性を低減することをその主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち本発明に係る電気特性測定装置は、液体試料に接触する一対の電極と、前記一対の電極に電圧を印加するための電源回路及び前記一対の電極間に流れる電流を検出する検出回路を有する回路本体部と、前記一対の電極及び前記回路本体部を接続する2本の接続導線と、前記2本の接続導線を被覆するとともにコモンに接続された被覆導体、又は、前記電源回路の高電圧側の配線に設けられ、感電した場合に人に流れる電流値を3A以下とする感電防止用抵抗とを備え、前記検出回路により検出された電流から比抵抗又は比抵抗に関連する物理量を演算するように構成されたことを特徴とする。
【0008】
前記被覆導体を有する電気特性測定装置であれば、一対の電極及び回路本体部を接続する2本の接続導線が、被覆導体により被覆されているので、絶縁性の高い液体試料を測定するに際して、一対の電極に高電圧を印加する場合であっても、感電の危険性を低減することができる。また、被覆導体がコモンに接続されているので、検出回路により検出されるノイズを低減することができ、液体試料の比抵抗又は比抵抗に関連する物理量を示す信号の抽出を容易にすることができ、液体試料の比抵抗又は比抵抗に関連する物理量の測定精度を向上させることができる。さらに、接続導体に形成される浮遊容量の充電電流と、検出回路で検出される電流とを分離することができるので、浮遊容量の充電電流が定常状態になるのを待たずに、比抵抗又は比抵抗に関連する物理量を測定することができる。その上、検出回路が、一対の電極間に流れる電流を検出するように構成されているので、検出回路を構成するオペアンプに入力される電圧を小さくすることができ、従来のオペアンプを無理なく使用することができる。
前記感電防止用抵抗を有する電気特性測定装置であれば、絶縁性の高い液体試料を測定するに際して一対の電極に高電圧を印加する場合であっても、前記感電防止用抵抗により人体に流れる電流を3A以下に制限することができ、感電の危険性を低減することができる。
【0009】
被覆導体を設ける態様としては、前記被覆導体が、前記2本の接続導線それぞれに互いに独立して設けられていることが望ましい。これならば、安価な二重の同軸ケーブルを使用することができ、高価な高絶縁ケーブルを使用することなく、感電の危険性を回避しつつ、ノイズを低減することができる。
【0010】
前記電源回路において、高電圧電源と前記接続導線に接続される外部端子との間の配線が空中配線とされていることが望ましい。これならば、高電圧電源及び外部端子の間が空中配線されているので、本体回路部を構成する配線基板の絶縁を確実に確保することができる。
【0011】
検出回路に検出される電流に重畳するノイズを低減するためには、前記一対の電極が、円筒状をなす外部電極と、当該外部電極の内部に配置された円柱状をなす内部電極とからなり、前記外部電極に前記電源回路の高電圧が印加されるとともに、電極間に流れる電流が前記内部電極から前記検出回路に検出されるように構成されたものが望ましい。
【発明の効果】
【0012】
このように構成した本発明によれば、絶縁性の高い液体試料の比抵抗等の電気特性をオペアンプを用いて測定可能にし、感電の危険性を低減することができる。特に、絶縁性の高い液体試料の比抵抗又は比抵抗に関連する物理量を安全に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態の電気特性測定装置の構成を示す模式図。
図2】第1実施形態の検出回路を含む比抵抗測定回路の構成を示す図。
図3】変形実施形態の電気特性測定装置の構成を示す模式図。
図4】第2実施形態の電気特性測定装置の構成を示す模式図。
図5】従来の比抵抗測定回路の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1実施形態>
以下に本発明に係る電気特性測定装置の第1実施形態について図面を参照して説明する。
【0015】
第1実施形態の電気特性測定装置100は、例えばウエハ支持台等に温度調整機構に用いられるフッ素系液体等の液体の劣化を検知するために当該液体試料の比抵抗(電気抵抗率)を連続測定する比抵抗測定装置である。なお、この比抵抗測定装置100の測定対象である液体試料には、潤滑油、潤滑用液状有機媒体、錆止め油、放電加工油、液圧作動媒体液、食用油等のオイル類、熱媒体液、熱処理液、ワニス・顔料・農薬等希釈用炭化水素系溶媒、洗浄用炭化水素系溶媒、流動性を有するグリス類などが含まれる。
【0016】
具体的に比抵抗測定装置100は、2電極方式のものであり、図1に示すように、液体試料に接触する一対の電極21、22と、一対の電極21、22に電圧を印加するための電源回路31及び液体試料の比抵抗を測定するための検出回路32を有する回路本体部3と、一対の電極21、22及び回路本体部3を接続する2本の接続導線41、42を備えている。
【0017】
一対の電極21、22は、円筒状をなす外部電極21の内部に円柱状をなす内部電極22を配置して、外部電極21の内周面と内部電極22の外周面との間にセル空間Sが形成されたものである。つまり、本実施形態の一対の電極21、22は、測定セルを構成するものである。その他、平板状をなす電極21及び平板状をなす電極22を対向配置して構成されたものであっても良い。この一対の電極21、22は、液体試料を貯留する貯留容器200の例えば側壁に挿入されて、当該貯留容器200内の液体試料に接触するように前記貯留容器200に取り付けられる。
【0018】
回路本体部3は、電源回路31及び検出回路32等を配線基板301上に形成して構成されたものである。この回路本体部3は、接続導線41、42を接続するための外部端子3a、3bを有している。また、回路本体部3は、筐体302に収容されており、当該筐体302に外部端子3a、3bが設けられている。
【0019】
そして、電源回路31の高電圧電源311と外部端子3aとの間の配線312は空中配線とされている。このように高電圧側の配線312が空中配線とされているので、後述するオペアンプ32aの反転入力端子に接続される配線等との間で絶縁性を確保することができ、オペアンプ32aにより検出されるノイズを低減することができる。また、本実施形態の高電圧電源311は、液体試料の電気分解を考慮する必要が無いため、直流電源(例えば500V)を用いている。なお、直流電源を用いた場合であっても、定期的に直流電源を0Vにすることが好ましい。このとき、後述する検出回路32のゼロ出力を確認したり、又、回路に溜まった電荷を放電させたりすることができる。
【0020】
検出回路32は、外部電極21及び内部電極22の間に流れる電流を検出することによって、液体試料の比抵抗を測定するものである。
【0021】
具体的にこの検出回路32は、図1に示すように、外部電極21及び内部電極22の間に流れる電流を検出すべく、オペアンプ32aを用いて構成されたものであり、オペアンプ32aの反転入力端子は、外部端子3bと配線により接続さている。また、オペアンプ32aの非反転入力端子は、コモンに接続されている。なお、オペアンプ32aの非反転入力端子は、接地されていても良い。また、オペアンプ32aの反転入力端子及び出力側との間には、オペアンプ32aに対して並列に検出用抵抗32bが接続されている。このような構成により、オペアンプ32aから外部電極21及び内部電極22の間に流れる電流に応じた出力電圧(Vout)が出力される。検出回路32は、このオペアンプ32aからの出力電圧を用いてオイルの比抵抗(R)を演算する比抵抗演算部32cを有する。比抵抗演算部32cによる比抵抗(R)の演算は、R=R×V/Vout、である。ここで、Vは、外部電極21及び内部電極22に印加される直流電圧であり、Rは検出用抵抗32bの抵抗値である。
【0022】
そして、本実施形態の比抵抗測定装置100は、2本の接続導線41、42を被覆するとともに、コモンに接続された被覆導体5を備えている。ここで、一方の接続導体41は、外部端子3aと内部電極22とを接続するものであり、他方の接続導体42は、外部端子3bと外部電極21とを接続するものである。本実施形態では、内部電極22に高電圧が印加されるように構成されている。これは、外部電極21が、接地された導電性を有する貯留容器200に直接(絶縁体を介さずに)取り付けられる構成としてあるためである。
【0023】
この被覆導体5は、2本の接続導線41、42それぞれに互いに独立して設けられている。つまり、被覆導体5は、一方の接続導線41の周囲を被覆するとともにコモンに接続された第1被覆導体51と、当該第1被覆導体51とは別に設けられ、他方の接続導線42の周囲を被覆するとともにコモンに接続された第2被覆導体52とを有している。つまり、第1被覆導体51の内部には、一方の接続導体41が収容されて他方の接続導体42は収容されていない。また、第2被覆導体52の内部には、他方の接続導体42が収容されて一方の接続導体41は収容されていない。また、各被覆導体51、52に接続されるコモンは、本体回路部3に設けられている。各被覆導体51、52は接地されていても良い。さらに、他方の接続導体42及び第2被覆導体52をコモンに接続して互いに等電位となるように構成し、他方の接続導体42と第2被覆導体52との間で電流の行き来が生じないように構成している。
【0024】
具体的な構成として、一方の接続導体41と第1被覆導体51とは、それらの間に絶縁性を有する樹脂が設けられ、第1被覆導体51の周囲にも絶縁性を有する樹脂が設けられた同軸ケーブルにより構成されている。また、他方の接続導体42と第2被覆導体52とは、それらの間に絶縁性を有する樹脂が設けられ、第2被覆導体52の周囲にも絶縁性を有する樹脂が設けられた同軸ケーブルにより構成されている。つまり、一対の電極21、22と本体回路部3とは、2本の同軸ケーブルにより接続されている。なお、第1被覆導体51の周囲に設けられる樹脂と第2被覆導体52の周囲に設けられる樹脂とを共通化して、1本のケーブル構成としても良い。
【0025】
このように構成した比抵抗測定装置100によれば、一対の電極21、22及び回路本体部3を接続する2本の接続導線41、42が、被覆導体51、52により被覆されているので、絶縁性の高い液体試料を測定するに際して、一対の電極21、22に高電圧を印加する場合であっても、感電の危険性を低減することができる。また、検出回路32が、一対の電極21、22間に流れる電流を検出するように構成されているので、検出回路32を構成するオペアンプ32aに入力される電圧を小さくすることができ、オペアンプ32aを用いて絶縁性の高い液体試料の比抵抗を測定することができる。さらに、被覆導体51、52がコモンに接続されているので、検出回路32により検出されるノイズを低減することができ、液体試料の比抵抗を示す信号の抽出を容易にすることができ、液体試料の比抵抗の測定精度を向上させることができる。その上、接続導体41に形成される浮遊容量の充電電流と、検出回路32で検出される電流とを分離することができるので、浮遊容量の充電電流が定常状態になるのを待たずに、比抵抗を測定することができる。
【0026】
また、各接続導線41、42それぞれに、コモンに接続された被覆導体51、52を設ける構成としているので、安価な1つの芯線と1つのシール導線とからなる二重の同軸ケーブルを使用することができ、高価な高絶縁ケーブルを使用することなく、感電の危険性を回避しつつ、ノイズを低減することができる。
【0027】
なお、本発明は前記第1実施形態に限られるものではない。
例えば、前記第1実施形態では、2本の接続導線それぞれに被覆導体51、52を設けた2本の同軸ケーブルを用いて構成しているが、図3に示すように、3本の三重同軸ケーブルにより構成しても良い。具体的には、高電圧側の接続導線41を、低電圧側の接続導線42で被覆するとともに、当該低電圧側の接続導線42の周囲をコモンに接続された被覆導体5で被覆することが考えられる。この場合、2つの接続導体41、42の間で電流リークが生じる可能性があるため、2つの接続導体41、42の間に絶縁性の高い樹脂が必要等の理由から、前記実施形態に比べて高価になるが、感電の危険性を低減するとともに、検出回路により検出されるノイズを低減することができる。また、配線を簡略化することができる。
【0028】
また、感電の危険性を低減するとともに、検出回路により検出されるノイズを低減して測定精度を向上する目的からすれば、電気特性測定装置は、液体試料に接触する一対の電極と、前記一対の電極に電圧を印加するための電源回路及び前記一対の電極間に流れる電流を検出する検出回路を有する回路本体部と、前記一対の電極及び前記回路本体部を接続する2本の接続導線と、前記2本の接続導線を被覆するとともに、コモンに接続された被覆導体とを備えたものであれば良い。
【0029】
<第2実施形態>
次に本発明に係る電気特性測定装置の第2実施形態について図面を参照して説明する。なお、前記第1実施形態と同一又は対応する部材には同一の符号を用いる。
【0030】
第2実施形態の電気特性測定装置100は、図4に示すように、前記第1実施形態とは異なり、前記電源回路31の高電圧側の配線312に感電防止用抵抗313が設けられている。この感電防止用抵抗313は、例えば人が筐体302に設けられた外部端子3a、3bに触れた場合に当該人に流れる電流を制限する電流制限抵抗(例えば数MΩ)である。具体的には、感電した場合に、人に流れる電流値を3A以下に制限する抵抗であり、好ましくは、50mA以下に制限する抵抗であり、より好ましくは10mA以下に制限する抵抗である。なお、感電防止用抵抗313の抵抗値は、上記の人に流れる電流値及び直流電源311の直流電圧値をパラメータとして定められる。
【0031】
また、本実施形態の比抵抗測定装置100では、一方の接続導体41は、外部端子3aと外部電極21とを接続するものであり、他方の接続導体42は、外部端子3bと内部電極22とを接続するものである。本実施形態では、外部電極21に高電圧が印加されるように構成されている。これにより、外部電極21及び内部電極22の間に流れる電流を内部電極22から取り出して検出回路32のオペアンプ32aに入力される構成となる。このとき、内部電極22は外部電極21に収容されているので、貯留容器200等の周囲部材と直接接触しない構成となるため、前記電流に重畳するノイズを低減することができ、液体試料の比抵抗の測定精度を向上させることができる。
【0032】
このように構成した比抵抗測定装置100によれば、絶縁性の高い液体試料を測定するに際して一対の電極に高電圧を印加する場合であっても、前記感電防止用抵抗313により人体に流れる電流を制限することができ、感電の危険性を低減することができる。
【0033】
なお、本発明は前記第2実施形態に限られるものではない。
例えば、前記第2実施形態において、前記第1実施形態と同様に、2本の接続導線41、42を被覆するとともに、コモンに接続された被覆導体を備える構成としても良い。この構成ならば、感電の危険性をより一層低減することができる。
【0034】
また、ノイズ除去の観点からすれば、2本の接続導体41、42のうち、接続導体42を被覆導体により被覆しておけばよい。この構成ならば、感電防止用抵抗により感電を防止しつつ、被覆導体によりノイズを除去することができる。
【0035】
また、前記各実施形態の電気特性測定装置は、比抵抗を測定するものであったが、その他、比抵抗に関連する物理量として例えば導電率を測定するものであっても良い。
【0036】
その他、本発明は前記各実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0037】
100・・・比抵抗測定装置(電気特性測定装置)
21、22・・・一対の電極
S・・・収容空間
3・・・回路本体部
3a、3b・・・外部端子
31・・・電源回路
311・・・高電圧電源
312・・・高電圧側の配線
313・・・感電防止用抵抗
32・・・検出回路
41、42・・・接続導線
5・・・被覆導体
図1
図2
図3
図4
図5