(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6553904
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】風呂給湯システム
(51)【国際特許分類】
F24H 1/00 20060101AFI20190722BHJP
F24D 17/00 20060101ALI20190722BHJP
【FI】
F24H1/00 602E
F24D17/00 G
【請求項の数】5
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-56795(P2015-56795)
(22)【出願日】2015年3月19日
(65)【公開番号】特開2016-176636(P2016-176636A)
(43)【公開日】2016年10月6日
【審査請求日】2017年8月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(74)【代理人】
【識別番号】100087745
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 善廣
(74)【代理人】
【識別番号】100098545
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100106611
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 幸史
(74)【代理人】
【識別番号】100150968
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 悠有子
(72)【発明者】
【氏名】巌 憲介
(72)【発明者】
【氏名】阿部 基
【審査官】
渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−139387(JP,A)
【文献】
特開平09−280647(JP,A)
【文献】
特開平05−223267(JP,A)
【文献】
特開2000−213803(JP,A)
【文献】
特開平11−132561(JP,A)
【文献】
特開2000−161782(JP,A)
【文献】
特開2001−324215(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/00
F24D 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源機からの出湯流路がミキシング弁の下流で、給湯側流路と風呂側流路とが分岐した風呂給湯システムにおいて、前記風呂側流路に高温差し湯を給湯した状態で前記給湯側流路に給湯が行われると前記高温差し湯を停止して、前記給湯側流路に給湯設定温度で給湯を実施し、給湯終了後に前記高温差し湯を再開させる風呂給湯システムにおいて、
前記給湯設定温度の設定と、前記高温差し湯を実施する指示と、を受け付ける操作パネルを備え、
前記高温差し湯は、少なくとも第1の差し湯温度またはこれより低温の第2の差し湯温度で実施され、
前記給湯設定温度が、前記第1の差し湯温度以上に設定されている場合には、前記高温差し湯は前記第1の差し湯温度で実施され、
前記給湯設定温度が、前記第1の差し湯温度未満に設定されている場合には、前記高温差し湯は前記第2の差し湯温度で実施されることを特徴とする風呂給湯システム。
【請求項2】
前記風呂に供給される差し湯の熱量は、前記第1の差し湯温度の差し湯の熱量と、前記第2の差し湯温度の差し湯の熱量とを同じにすることを特徴とする請求項1に記載の風呂給湯システム。
【請求項3】
前記差し湯の熱量は1000kcal未満を切り捨てて算出することを特徴とする請求項2に記載の風呂給湯システム。
【請求項4】
前記第1の差し湯温度は60℃であり、前記第2の差し湯温度は、55℃以上60℃未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の風呂給湯システム。
【請求項5】
前記第2の差し湯温度は55℃であることを特徴とする請求項4に記載の風呂給湯システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湯水を加熱する貯湯タンク等の熱源機からの出湯流路がミキシング弁の下流で、風呂側流路と給湯側流路とが分岐した風呂給湯システムにおいて、前記風呂側流路に高温差し湯を給湯した状態で前記給湯側流路に給湯が行われると高温差し湯を停止して、前記給湯側流路に給湯設定温度で給湯側流路への給湯を実施し、給湯終了後に高温差し湯を再開させる風呂給湯システムに関する。
【背景技術】
【0002】
貯湯タンクからの出湯流路がミキシング弁の下流で、給湯側流路と風呂側流路とが分岐した風呂給湯システムにおいて、高温差し湯実施中に給湯があった場合、高温差し湯を中断して、給湯設定温度にて給湯を実施し、給湯終了後に高温差し湯を再開させる制御としている(特許文献1参照)。
しかしながら、上記のような制御は、給湯の要求があったことを検知してから高温差し湯を中断するまでにタイムラグがあるため、給湯側に高温差し湯の温度の湯が回り込んでしまう。即ち、給湯側で設定されている温度に対してオーバーシュートが発生する。高温差し湯を従来の60℃で実施した場合は、給湯側のオーバーシュートが大きく、利用者に不快感を与える畏れがあった。
この問題を解決するために、高温差し湯の温度を最初から低くする方法を採用することも考えられるが、風呂の温度上昇が従来と比べて低くなるばかりか、風呂の水位の上昇が大きいという問題があった。また、温度上昇が低いために利用者が期待する高温差し湯の効果が得られないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−63655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記問題を解決するために、本発明は、給湯設定温度に応じて差し湯温度を制御することにより、利用者に不快感を与えることのない快適な風呂給湯システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の解決手段は、熱源機からの出湯流路がミキシング弁の下流で、給湯側流路と風呂側流路とが分岐した風呂給湯システムにおいて、前記風呂側流路に高温差し湯を給湯した状態で前記給湯側流路に給湯が行われると前記高温差し湯を停止して、前記給湯側流路に給湯設定温度で給湯を実施し、給湯終了後に前記高温差し湯を再開させる風呂給湯システムにおいて、
前記給湯設定温度の設定と、前記高温差し湯を実施する指示と、を受け付ける操作パネルを備え、前記高温差し
湯は、少なくとも第1の差し湯温度またはこれより低温の第2の差し湯温度
で実施され、前記給湯設定温度が、前記第1の差し湯温度以上
に設定されている場合には、前記高温差し
湯は前記第1の差し湯温度
で実施され、前記給湯設定温度が、前記第1の差し湯温度未満
に設定されている場合には、前記高温差し
湯は前記第2の差し湯温度
で実施されることを特徴とする。
第2の解決手段は、第1の解決手段において、前記風呂に供給される差し湯の熱量は、前記第1の差し湯温度の差し湯の熱量と、前記第2の差し湯温度の差し湯の熱量とを同じにすることを特徴とする
第3の解決手段は、第2の解決手段において、前記差し湯の熱量は1000kcal未満を切り捨てて算出することを特徴とする。
第4の解決手段は、第1〜第3の解決手段において、前記第1の差し湯温度は60℃であり、前記第2の差し湯温度は、55℃以上60℃未満であることを特徴とする。
第5の解決手段は、第4の解決手段において、前記第2の差し湯温度は、55℃であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、給湯側の設定温度を大きく超えるようなオーバーシュートをなくして利用者に不快感を与えることがなく、しかも、給湯設定温度に合わせて高温差し湯の温度を設定するとともに風呂への給湯量を決定するので、利用者の高温差し湯の効果への期待に反することのない風呂給湯システムとすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の第1の実施の形態の風呂給湯システムの構成を
図1を参照して説明する。
図1に示す通り、本発明の風呂給湯システムは、熱源機である貯湯タンク1からの出湯流路2がミキシング弁3の下流で、給湯側流路4と風呂側流路5に分岐し、給湯側流路4はシャワー等の給湯器具6に接続され、風呂側流路5は風呂7に接続されて構成される。風呂側流路5には電磁弁8が設けられ、電磁弁8をONにすることで風呂7への給湯が行われる。
【0009】
給湯器具6側及び風呂7にはそれぞれ操作パネル9,10が設けられており、給湯器具6側の操作パネル9には、給湯設定温度を設定できるように構成される。また、風呂7側の操作パネル10には、風呂自動湯張りや高温差し湯等の指示を入力できるように構成される。尚、操作パネル9,10は、必ずしもパネルに限定されず、操作ダイヤルや押しボタン等も含まれる。
操作パネル9,10は、制御手段11に接続され、この制御手段11からの指示により、ミキシング弁3や電磁弁8の開度を制御する。制御手段はCPUやIC等から構成される演算手段及びRAM等から構成される記憶手段を備えている。
【0010】
上記構成において、操作パネル10で高温差し湯を指示すると制御手段9は、電磁弁8をONにし、制御手段11の記憶手段の高温差し湯温度に対応する開度でミキシング弁3を調整し、風呂7へ高温差し湯を行う。高温差し湯中に、給湯器具6が使用されると、制御手段11は、電磁弁8をOFFにして風呂7への高温差し湯を中断して、給湯器具6側の操作パネル9で設定されている温度で給湯できるように制御手段11はミキシング弁3の開度を調整し、給湯器具6の使用が終わると、制御手段11は、電磁弁8をONにして中断していた高温差し湯を再開する。
【0011】
本実施の形態では、高温差し湯の温度は、少なくとも第1の差し湯温度と第2の差し湯温度とで給湯できるようにし、前記給湯側の操作パネル9で設定される給湯設定温度が、第1の差し湯温度以上である場合には、高温差し湯の温度は第1の差し湯温度とし、前記給湯側の操作パネル9で設定される給湯側設定温度が、第1の差し湯温度未満である場合には、高温差し湯の温度は第1の差し湯温度より低温の第2の差し湯温度となるようにしている。
これにより、給湯設定温度を比較的高温に設定していても、高温差し湯も同じように高い温度で実行され、高温差し湯中に使用者が給湯を始めたとしても、使用者が希望している温度を大きく超える温度の給湯がされることがない。また、第1の差し湯温度未満の温度が給湯設定温度として設定されている場合には、第1の差し湯温度より低温の第2の差し湯温度で高温差し湯が実行されるので、同様に、高温差し湯中に使用者が給湯を始めたとしても、使用者が希望している温度を大きく超える温度の給湯がされることがない。
【0012】
第1の差し湯温度は、使用される風呂給湯システムで使用される高温差し湯の温度として設定できる最高温度のものとし、第2の差し湯温度は、第1の差し湯温度未満であれば特に制限するものではないが、具体的には、第1の差し湯温度を60℃として、第2の差し湯温度は、55℃以上60℃未満とすることが好ましく、第1の差し湯温度を60℃として、第2の差し湯温度は55℃とすることがより好ましい。
また、本発明では、1回の高温差し湯の指示において、風呂に供給される第1の差し湯温度の差し湯の熱量(総量)と、第2の差し湯温度の差し湯の熱量(総量)とを同じにしている。
【0013】
具体的には、高温差し湯の第1の差し湯温度を60℃として20Lを差し湯する場合には、熱総量として1200kcalとなる。この場合に第2の差し湯温度を55℃として25Lを差し湯すれば、熱総量として1,375kcalとなる。尚、熱量を同じにするとは、1,000kcal未満を切り捨てて判断する。厳密に熱量を同じにするのは困難だからである。このように、浴槽に張られたお湯に与える熱量を同じにすることにより、第1の差し湯温度と第2の差し湯温度というように高温差し湯の温度が異なっていても、浴槽内の湯の上昇温度に大きな差はないため、利用者は差し湯の温度感を損なうことがない。尚、上記熱総量の演算に関しては、上記制御手段11の演算手段により行うものとする。
【0014】
上述した通りであるが、熱源機としての貯湯タンク1は、貯湯タンク1外にヒートポンプ式の加熱装置を設け、貯湯タンク1内の湯水を循環加熱する構成としたり、風呂熱交換器を貯湯タンク1外に配置して、貯湯タンク1内の湯水を風呂熱交換器一次側に循環させる構成としたり、給水や浴槽水をガスバーナや石油バーナで加熱する瞬間式熱交換器(風呂熱交換器)を有した構成としたものでもよい。
【符号の説明】
【0015】
1 貯湯タンク
2 出湯流路
3 ミキシング弁
4 給湯側流路
5 風呂側流路
6 給湯器具
7 風呂
8 電磁弁
9 操作パネル
10 操作パネル
11 制御手段