(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記操作必要性判定手段は、前記車両の進行方向前方に制御対象区間があって、前記車両で実施されている前記第2自動運転制御の制御内容が前記制御対象区間を走行する為の制御であって、前記車両が走行する車線と異なる車線のみが前記制御対象区間と接続する場合に、前記車両が前記第2自動運転制御を継続して行う為に運転者がステアリング操作を行う必要がある状況と判定する請求項9に記載の自動運転支援システム。
前記影響推定手段は、前記車両の進行方向前方に分岐点があって、前記分岐点で分岐する一部の分岐経路のみに制御対象区間がある場合には、前記運転者によるステアリング操作が前記第2自動運転制御の実施に影響すると推定する請求項11に記載の自動運転支援システム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る自動運転支援システムを、ナビゲーション装置に具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係るナビゲーション装置1の概略構成について
図1を用いて説明する。
図1は本実施形態に係るナビゲーション装置1を示したブロック図である。
【0013】
図1に示すように本実施形態に係るナビゲーション装置1は、ナビゲーション装置1が搭載された車両の現在位置を検出する現在位置検出部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU13と、ユーザからの操作を受け付ける操作部14と、ユーザに対して車両周辺の地図やナビゲーション装置1で設定されている案内経路(車両の走行予定経路)に関する情報等を表示する液晶ディスプレイ15と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、記憶媒体であるDVDを読み取るDVDドライブ17と、プローブセンタやVICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタ等の情報センタとの間で通信を行う通信モジュール18と、から構成されている。また、ナビゲーション装置1はCAN等の車載ネットワークを介して、ナビゲーション装置1の搭載された車両に対して設置された車外カメラ19や各種センサが接続されている。更に、ナビゲーション装置1の搭載された車両に対する各種制御を行う車両制御ECU20とも双方向通信可能に接続されている。また、自動運転開始ボタン等の車両に搭載された各種操作ボタン21についても接続されている。
【0014】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について順に説明する。
現在位置検出部11は、GPS22、車速センサ23、ステアリングセンサ24、ジャイロセンサ25等からなり、現在の車両の位置、方位、車両の走行速度、現在時刻等を検出することが可能となっている。ここで、特に車速センサ23は、車両の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両の駆動輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号をナビゲーションECU13に出力する。そして、ナビゲーションECU13は発生するパルスを計数することにより駆動輪の回転速度や移動距離を算出する。尚、上記4種類のセンサをナビゲーション装置1が全て備える必要はなく、これらの内の1又は複数種類のセンサのみをナビゲーション装置1が備える構成としても良い。
【0015】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された地図情報DB31や所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。尚、データ記録部12をハードディスクの代わりにフラッシュメモリやメモリーカードやCDやDVD等の光ディスクにより構成しても良い。また、地図情報DB31は外部のサーバに格納させ、ナビゲーション装置1が通信により取得する構成としても良い。
【0016】
ここで、地図情報DB31は、例えば、道路(リンク)に関するリンクデータ33、ノード点に関するノードデータ34、経路の探索処理に用いられる探索データ35、施設に関する施設データ、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、地点を検索するための検索データ等が記憶された記憶手段である。
【0017】
また、リンクデータ33としては、道路を構成する各リンクに関してリンクの属する道路の幅員、勾(こう)配、カント、バンク、路面の状態、合流区間、道路構造、道路の車線数、車線数の減少する箇所、幅員の狭くなる箇所、踏切り等を表すデータが、コーナに関して、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口及び出口等を表すデータが、道路属性に関して、降坂路、登坂路等を表すデータが、道路種別に関して、国道、県道、細街路等の一般道のほか、高速自動車国道、都市高速道路、自動車専用道路、一般有料道路、有料橋等の有料道路を表すデータがそれぞれ記録される。
【0018】
また、ノードデータ34としては、実際の道路の分岐点(交差点、T字路等も含む)や各道路に曲率半径等に応じて所定の距離毎に設定されたノード点の座標(位置)、ノードが交差点に対応するノードであるか等を表すノード属性、ノードに接続するリンクのリンク番号のリストである接続リンク番号リスト、ノードにリンクを介して隣接するノードのノード番号のリストである隣接ノード番号リスト、各ノード点の高さ(高度)等に関するデータ等が記録される。
【0019】
また、探索データ35としては、出発地(例えば車両の現在位置)から設定された目的地までの経路を探索する経路探索処理に使用される各種データについて記録されている。具体的には、交差点に対する経路として適正の程度を数値化したコスト(以下、交差点コストという)や道路を構成するリンクに対する経路として適正の程度を数値化したコスト(以下、リンクコストという)等の探索コストを算出する為に使用するコスト算出データが記憶されている。
【0020】
一方、ナビゲーションECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)13は、ナビゲーション装置1の全体の制御を行う電子制御ユニットであり、演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、後述の自動運転開始プログラム(
図2参照)や自動運転制御変更プログラム(
図3、
図4参照)等が記録されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置を備えている。尚、ナビゲーションECU13は、処理アルゴリズムとしての各種手段を構成する。例えば、制御内容設定手段は、車両の状況に応じて自動運転制御の制御内容を設定する。制御実施手段は、設定された制御内容で自動運転制御を実施する。操作判定手段は、自動運転制御により走行する車両において運転者による車両操作が行われたか否か判定する。道路形状取得手段は、車両が走行する道路の道路形状を取得する。操作必要性判定手段は、道路形状と車両において実施されている自動運転制御の制御内容に基づいて、車両が自動運転制御を継続して行う為に運転者が車両操作を行う必要がある状況か否か判定する。制御態様変更手段は、操作判定手段及び操作必要性判定手段による判定結果に基づいて、車両で実施されている自動運転制御の継続、中止又は制御内容を変更する。
【0021】
操作部14は、走行開始地点としての出発地及び走行終了地点としての目的地を入力する際等に操作され、各種のキー、ボタン等の複数の操作スイッチ(図示せず)から構成される。そして、ナビゲーションECU13は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、操作部14は液晶ディスプレイ15の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。また、マイクと音声認識装置によって構成することもできる。
【0022】
また、液晶ディスプレイ15には、道路を含む地図画像、交通情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、案内経路(走行予定経路)に沿った案内情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。また、本実施形態では、自動運転制御による走行を開始する場合や、自動運転制御による走行を中止する場合に、その旨を表示する。尚、液晶ディスプレイ15の代わりに、HUDやHMDを用いても良い。
【0023】
ここで、車両の走行形態としては、ユーザの運転操作に基づいて走行する手動運転走行に加えて、ユーザの運転操作によらず車両が予め設定された経路や道なりに沿って自動的に走行を行う自動運転制御による走行が可能である。尚、自動運転制御では、例えば、車両の現在位置、車両が走行する車線、周辺の他車両の位置を随時検出し、車両制御ECU20によって予め設定された経路や道なりに沿って走行するようにステアリング、駆動源、ブレーキ等の車両制御が自動で行われる。尚、本実施形態の自動運転制御による走行では、車線変更や右左折は行われず、ユーザが車線変更や右左折にかかる車両操作を行わない限りは基本的に車両は同一車線内を走行する。
【0024】
本実施形態では特に以下の5種類の自動運転制御を行う。
(1)『定速走行』・・・予め決められた設定速度(例えば走行する道路の制限速度の90%)で同一車線内を走行する。
(2)『追従走行』・・・設定速度(例えば走行する道路の制限速度の90%)を上限として、前方車両との車間距離を一定距離(例えば10m)に保った状態で同一車線内を走行する。
(3)『スピードマネジメント(カーブ)』・・・進行方向前方にカーブがある場合に、カーブに進入するまでにカーブの曲率半径に応じた速度まで減速する。
(4)『スピードマネジメント(退出路)』・・・高速道路等に設けられた減速車線(退出路)を走行する場合に加速を抑制する。
(5)『スピードマネジメント(料金所、一時停止、信号)』・・・進行方向前方に料金所、一時停止、信号がある場合に、料金所、一時停止(道路標識)、信号に到達するまでに乗員に負担をかけずに停止できる速度(例えば20km/h)まで減速する。
また、上記(1)〜(5)の制御と平行して、(6)車両が車線を逸脱することなく車線の中心付近を走行させる制御(例えばレーン・キーピング・アシスト)についても実施される。
【0025】
また、上記(1)〜(6)の自動運転制御は全ての道路区間に対して行っても良いが、接続する他の道路との境界にゲート(有人無人、有料無料は問わない)が設けられた高速道路を走行する間のみにおいて行う構成としても良い。尚、車両が自動運転を行うことが可能な区間(以下、自動運転区間という)を走行する場合には必ず自動運転制御が行われるのではなく、ユーザにより自動運転制御を行うことが選択され、且つ自動運転制御で走行を行わせることが可能と判定された状況でのみ行われる。尚、自動運転制御で走行を行わせることができない状況としては、区画線が消えている又はカメラで認識できない程度まで薄くなっている区間を走行する場合、悪天候の状況等がある。
【0026】
更に、自動運転制御による走行が実施されている場合において、ユーザがアクセル、ブレーキ、ステアリング等の特定の車両操作(以下、オーバーライドという)を行ったことを検出した場合には、自動運転制御を中止する場合がある。例えば、ユーザがブレーキを操作したことを検出した場合には上記(1)〜(5)の制御を中止する。また、ユーザがステアリングを操作したことを検出した場合には、上記(1)〜(5)の制御については基本的に継続するが、(6)の制御については操作が終了するまで一時的に中止する。但し、本実施形態では後述のように周辺の道路形状や実施している自動運転制御の内容が一定条件を満たす場合には、ユーザがステアリングを操作したことを検出した際においても上記(1)〜(5)の制御が中止される場合もある。
【0027】
また、スピーカ16は、ナビゲーションECU13からの指示に基づいて案内経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、交通情報の案内を出力する。また、本実施形態では、本実施形態では、自動運転制御による走行を開始する場合や、自動運転制御による走行を中止する場合に、その旨を案内する音声についても出力される。
【0028】
また、DVDドライブ17は、DVDやCD等の記録媒体に記録されたデータを読み取り可能なドライブである。そして、読み取ったデータに基づいて音楽や映像の再生、地図情報DB31の更新等が行われる。尚、DVDドライブ17に替えてメモリーカードを読み書きする為のカードスロットを設けても良い。
【0029】
また、通信モジュール18は、交通情報センタ、例えば、VICSセンタやプローブセンタ等から送信された交通情報、プローブ情報、天候情報等を受信する為の通信装置であり、例えば携帯電話機やDCMが該当する。また、車車間で通信を行う車車間通信装置や路側機との間で通信を行う路車間通信装置も含む。
【0030】
また、車外カメラ19は、例えばCCD等の固体撮像素子を用いたカメラにより構成され、車両のフロントバンパの上方に取り付けられるとともに光軸方向を水平より所定角度下方に向けて設置される。そして、車外カメラ19は、車両が自動運転区間を走行する場合において、車両の進行方向前方を撮像する。また、車両制御ECU20は撮像された撮像画像に対して画像処理を行うことによって、車両が走行する道路に描かれた区画線や周辺の他車両等を検出し、検出結果に基づいて車両の自動運転制御を行う。尚、車外カメラ19は車両前方以外に後方や側方に配置するように構成しても良い。また、他車両を検出する手段としてはカメラの代わりにミリ波レーダ等のセンサや車車間通信や路車間通信を用いても良い。また、周囲の天候を検出する手段として、照度センサや降雨センサを設置しても良い。
【0031】
また、車両制御ECU20は、ナビゲーション装置1が搭載された車両の制御を行う電子制御ユニットである。また、車両制御ECU20にはステアリング、ブレーキ、アクセル等の車両の各駆動部と接続されており、本実施形態では特に車両において自動運転制御が開始された後に、各駆動部を制御することにより車両の自動運転制御を実施する。また、自動運転制御中にユーザによってオーバーライドが行われた場合には、オーバーライドが行われたことを検出する。
【0032】
ここで、ナビゲーションECU13は、走行開始後にCANを介して車両制御ECU20に対して自動運転制御に関する指示信号を送信する。そして、車両制御ECU20は受信した指示信号に応じて走行開始後の自動運転制御を実施する。尚、指示信号の内容は、車両に対して行う自動運転制御の制御内容(例えば、上記(1)〜(6)のいずれか)や制御の開始、中止、変更等を指示する情報である。尚、ナビゲーションECU13でなく車両制御ECU20が自動運転制御の制御内容を設定する構成としても良い。その場合には、車両制御ECU20はナビゲーション装置1から走行予定経路(案内経路)や車両状態や周辺の地図情報等の自動運転制御の設定に必要な情報を取得するように構成する。
【0033】
続いて、上記構成を有する本実施形態に係るナビゲーション装置1においてCPU41が実行する自動運転開始プログラムについて
図2に基づき説明する。
図2は本実施形態に係る自動運転開始プログラムのフローチャートである。ここで、自動運転開始プログラムは車両のACC電源がオンされた後に実行され、所定の条件を満たした場合に車両の自動運転制御を開始するプログラムである。尚、以下の
図2〜
図4にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置1が備えているRAM42やROM43に記憶されており、CPU41により実行される。
【0034】
先ず、自動運転開始プログラムではステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU41は、自車に関する車両情報を取得する。具体的には、現在位置検出部11により検出した車両の現在位置と、車速センサ23により検出した車両の現在の車速について取得する。尚、車両の現在位置は、高精度ロケーション技術を用いて詳細に特定することが望ましい。
【0035】
次に、S2においてCPU41は、地図情報DB31から情報を読み出したり、車外カメラ19やその他の各種センサの検出結果を取得したり、VICSセンタやプローブセンタ等の外部サーバと通信を行うことによって、車両の進行方向前方の道路形状や周辺環境を取得する。ここで、車両の進行方向前方の道路形状としては、例えば、車両の現在位置から道なり(但し、ナビゲーション装置1において案内経路が設定されている場合には案内経路)に沿って1km内の経路について、カーブ区間、料金所、一時停止、信号、減速車線の有無を取得する。また、カーブがある場合にはカーブの曲率半径やカーブの開始点についても取得する。また、周辺環境としては、例えば、自車の周辺に位置する他車両の位置を取得する。
【0036】
続いて、S3においてCPU41は、前記S1で取得した車両情報と前記S2で取得した道路形状とに基づいて、車両の進行方向前方に制御対象区間であるカーブ、料金所、一時停止(道路標識)、信号のいずれかがあるか否かを判定する。尚、制御対象区間は車両が走行する際に定速走行や追従走行以外の自動運転制御による特殊な制御(例えば減速制御)の対象となる区間である。
【0037】
そして、車両の進行方向前方にカーブ、料金所、一時停止(道路標識)、信号のいずれかがあると判定された場合(S3:YES)には、S4へと移行する。それに対して、車両の進行方向前方にカーブ、料金所、一時停止(道路標識)、信号のいずれもないと判定された場合(S3:NO)には、S7へと移行する。
【0038】
S4においてCPU41は、進行方向前方にカーブがあると判定された場合には、車両の現在の車速とカーブの開始点までの距離とに基づいて、カーブに進入するまでにカーブの曲率半径に応じた速度まで減速する為に、減速を開始すべき位置(減速開始位置)を算出する。同様に、進行方向前方に料金所、一時停止(道路標識)、信号があると判定された場合には、車両の現在の車速と料金所、一時停止(道路標識)、信号までの距離とに基づいて、料金所、一時停止(道路標識)、信号に到達するまでに乗員に負担をかけずに停止できる速度(例えば20km/h)まで減速する為に、減速を開始すべき位置(減速開始位置)を算出する。
【0039】
次に、S5においてCPU41は、前記S4で算出された減速開始位置を車両が通過したか否か判定する。
【0040】
そして、前記S4で算出された減速開始位置を車両が通過したと判定された場合(S5:YES)には、S6へと移行する。それに対して、前記S4で算出された減速開始位置を車両が通過していないと判定された場合(S5:NO)には、S1へと戻る。
【0041】
S6においてCPU41は、進行方向前方にカーブがあると判定された場合には、『スピードマネジメント(カーブ)』の開始を車両制御ECU20に指示する。一方、進行方向前方に料金所、一時停止(道路標識)、信号があると判定された場合には、『スピードマネジメント(料金所、一時停止、信号)』の開始を車両制御ECU20に指示する。その結果、指示信号を受信した車両制御ECU20は自動運転制御に係る処理を開始し、車両において自動運転制御による走行が開始されることとなる。尚、『スピードマネジメント(カーブ)』は、カーブに進入するまでにカーブの曲率半径に応じた速度まで減速する制御である。また、『スピードマネジメント(料金所、一時停止、信号)』は、料金所、一時停止(道路標識)、信号に到達するまでに乗員に負担をかけずに停止できる速度(例えば20km/h)まで減速する制御である。尚、自動運転制御では上記制御と平行して、車両が車線を逸脱することなく車線の中心付近を走行させる制御についても実施される。
【0042】
但し、上記S6の自動運転制御は、前記S5の判定条件を満たしたと判定された場合に必ず行われるのではなく、ユーザにより自動運転制御を行うことが自動運転開始ボタン等の車両に搭載された各種操作ボタン21の操作によって選択され、且つ自動運転制御で走行を行わせることが可能と判定された状況でのみ行われる。例えば、区画線が消えている又はカメラで認識できない程度まで薄くなっている区間を走行する場合や悪天候の状況等では行われない。
【0043】
一方、S7においてCPU41は、前記S1で取得した車両情報と前記S2で取得した道路形状とに基づいて、車両が制御対象区間である減速車線(退出路)に移動したか否かを判定する。尚、減速車線は、例えば高速道路のIC(インターチェンジ)、JCT(ジャンクション)等において本線から退出する為の車線に設定されている。また、サービスエリアやパーキングエリアへと進入する為の車線にも設定されている。
【0044】
そして、車両が減速車線(退出路)に移動したと判定された場合(S7:YES)には、S8へと移行する。それに対して、車両が減速車線(退出路)に移動していないと判定された場合(S7:NO)には、S9へと移行する。
【0045】
S8においてCPU41は、『スピードマネジメント(退出路)』の開始を車両制御ECU20に指示する。その結果、指示信号を受信した車両制御ECU20は自動運転制御に係る処理を開始し、車両において自動運転制御による走行が開始されることとなる。尚、『スピードマネジメント(退出路)』は、車両の車速が設定速度(例えば走行する道路の制限速度の90%)より遅い場合であっても加速しないように抑制する制御である。尚、自動運転制御では上記制御と平行して、車両が車線を逸脱することなく車線の中心付近を走行させる制御についても実施される。
【0046】
但し、上記S8の自動運転制御は、前記S7の判定条件を満たしたと判定された場合に必ず行われるのではなく、ユーザにより自動運転制御を行うことが自動運転開始ボタン等の車両に搭載された各種操作ボタン21の操作によって選択され、且つ自動運転制御で走行を行わせることが可能と判定された状況でのみ行われる。例えば、区画線が消えている又はカメラで認識できない程度まで薄くなっている区間を走行する場合や悪天候の状況等では行われない。
【0047】
一方、S9においてCPU41は、前記S1で取得した車両情報及び周辺環境に基づいて、車両の前方に前方車両があって、且つ現在の車両の車速が設定速度(例えば走行する道路の制限速度の90%)より遅いか否かを判定する。
【0048】
そして、車両の前方に前方車両があって、且つ現在の車両の車速が設定速度より遅いと判定された場合(S9:YES)には、S10へと移行する。それに対して、車両の前方に前方車両がない、又は現在の車両の車速が設定速度より速いと判定された場合(S9:NO)には、S11へと移行する。
【0049】
S10においてCPU41は、『追従走行』の開始を車両制御ECU20に指示する。その結果、指示信号を受信した車両制御ECU20は自動運転制御に係る処理を開始し、車両において自動運転制御による走行が開始されることとなる。尚、『追従走行』は、設定速度(例えば走行する道路の制限速度の90%)を上限として、前方車両との車間距離を一定距離(例えば10m)に保った状態で走行する制御である。尚、自動運転制御では上記制御と平行して、車両が車線を逸脱することなく車線の中心付近を走行させる制御についても実施される。
【0050】
それに対して、S11においてCPU41は、『定速走行』の開始を車両制御ECU20に指示する。その結果、指示信号を受信した車両制御ECU20は自動運転制御に係る処理を開始し、車両において自動運転制御による走行が開始されることとなる。尚、『定速走行』は、予め決められた設定速度(例えば走行する道路の制限速度の90%)で走行する制御である。尚、自動運転制御では上記制御と平行して、車両が車線を逸脱することなく車線の中心付近を走行させる制御についても実施される。
【0051】
但し、上記S10やS11の自動運転制御は、前記S9の判定条件を満たしたと判定された場合や満たさないと判定された場合に必ず行われるのではなく、ユーザにより自動運転制御を行うことが自動運転開始ボタン等の車両に搭載された各種操作ボタン21の操作によって選択され、且つ自動運転制御で走行を行わせることが可能と判定された状況でのみ行われる。例えば、区画線が消えている又はカメラで認識できない程度まで薄くなっている区間を走行する場合や悪天候の状況等では行われない。
【0052】
続いて、上記構成を有する本実施形態に係るナビゲーション装置1においてCPU41が実行する自動運転制御変更プログラムについて
図3及び
図4に基づき説明する。
図3及び
図4は本実施形態に係る自動運転制御変更プログラムのフローチャートである。ここで、自動運転制御変更プログラムは車両が自動運転制御により走行している場合に実行され、オーバーライドの検出有無や周辺の道路形状に基づいて、自動運転制御の継続、中止又は制御内容の変更を行うプログラムである。
【0053】
先ず、S21においてCPU41は、車両の現在位置を取得する。尚、車両の現在位置は、高精度ロケーション技術を用いて詳細に特定し、複数の車線からなる道路を走行する場合には車両の走行する車線についても特定することが望ましい。
【0054】
次に、S22においてCPU41は、地図情報DB31から情報を読み出したり、車外カメラ19やその他の各種センサの検出結果を取得したり、VICSセンタやプローブセンタ等の外部サーバと通信を行うことによって、車両の進行方向前方の道路形状を取得する。特に車両の進行方向前方に分岐がある場合には、車線区分と車線毎の道路の繋がりと、分岐後の各経路の道路形状についても取得する。例えば、
図5に示すような道路区間を車両50が走行する場合には、道路が車線51〜53の3つの車線で構成され、進行方向前方の分岐において車線51と車線52、53でそれぞれ異なる経路へと分岐することを取得する。更に、車線51が接続する経路は分岐後にカーブし、車線52、53が接続する経路は分岐後についても直線形状を有することについても取得する。
【0055】
続いて、S23においてCPU41は、CANを介して車両制御ECU20と通信を行うことによって自動運転制御の制御状態を取得し、車両が『スピードマネジメント(カーブ)』の自動運転制御を実施中であるか否か判定する。
【0056】
そして、車両が『スピードマネジメント(カーブ)』の自動運転制御を実施中であると判定された場合(S23:YES)には、S24へと移行する。それに対して、車両が『スピードマネジメント(カーブ)』の自動運転制御を実施中でないと判定された場合(S23:NO)には、S27へと移行する。
【0057】
S24においてCPU41は、前記S22で取得した道路形状に基づいて、車両の進行方向前方に分岐があって、一部の分岐経路のみに制御対象区間であるカーブがあるか否か判定する。尚、前記S24において一部の分岐経路のみに制御対象区間であるカーブがあると判定される場合としては、例えば
図5や
図6に示す道路形状が該当する。
図5に示す例では、道路を構成する複数の車線51〜53の内、一部の車線51が他の車線52、53と分岐してカーブする道路に接続している。一方、
図6に示す例では、新たに車線54が追加されるとともに、追加された車線54が他の車線55、56と分岐してカーブする道路に接続している。
【0058】
そして、一部の分岐経路のみに制御対象区間であるカーブがあると判定された場合(S24:YES)には、S25へと移行する。それに対して、進行方向前方に分岐が存在しない、又は分岐が存在しても全ての分岐経路にそれぞれ制御対象区間であるカーブがあると判定された場合(S24:NO)には、S26へと移行する。
【0059】
S25においてCPU41は、オーバーライドの内、特に車線変更する為のステアリング操作が現在実施されている自動運転制御の実施に影響すると推定する。例えば、
図5に示すような状況において、車両50が右側に車線変更して走行車線が車線51から車線52へと変更となると、車両50はその後にカーブ区間を走行しないこととなる。従って、前方のカーブに対する『スピードマネジメント(カーブ)』の自動運転制御が行われている場合には中止する必要が生じる。一方、
図6に示すような状況において、車両50が車線54へ車線変更せずに車線55や車線56を継続して走行すると、車両50はその後にカーブ区間を走行しないこととなる。従って、前方のカーブに対する『スピードマネジメント(カーブ)』の自動運転制御が行われている場合には中止する必要が生じる。
【0060】
一方、S26においてCPU41は、オーバーライドの内、特に車線変更する為のステアリング操作が現在実施されている自動運転制御の実施に影響しないと推定する。即ち、車両がどの車線を走行してとしても、車両はその後にカーブ区間を走行することとなるので、車両が車線変更したか否かに関わらず前方のカーブに対する『スピードマネジメント(カーブ)』の自動運転制御を継続して実施しても問題が生じない。
【0061】
また、S27においてCPU41は、CANを介して車両制御ECU20と通信を行うことによって自動運転制御の制御状態を取得し、車両が『スピードマネジメント(退出路)』の自動運転制御を実施中であるか否か判定する。
【0062】
そして、車両が『スピードマネジメント(退出路)』の自動運転制御を実施中であると判定された場合(S27:YES)には、S28へと移行する。それに対して、車両が『スピードマネジメント(退出路)』の自動運転制御についても実施していない、即ち『定速走行』、『追従走行』、『スピードマネジメント(料金所、一時停止、信号)』のいずれかの自動運転制御を実施中であると判定された場合(S27:NO)には、S29へと移行する。
【0063】
S28においてCPU41は、オーバーライドの内、特に車線変更する為のステアリング操作が現在実施されている自動運転制御の実施に影響すると推定する。例えば、
図7に示すように、車両50が減速車線(退出路)である車線61を走行する場合には、基本的に『スピードマネジメント(退出路)』の自動運転制御が実施される。しかしながら、車両50が車線変更して減速車線ではない車線62や車線63へと車両が移動すると、車両50はその後に減速車線を走行しないこととなる。従って、減速車線に対する『スピードマネジメント(退出路)』の自動運転制御が行われている場合には中止する必要が生じる。
【0064】
一方、S29においてCPU41は、オーバーライドの内、特に車線変更する為のステアリング操作が現在実施されている自動運転制御の実施に影響しないと推定する。例えば、『定速走行』、『追従走行』を実施している場合には、車両がどの車線に移動したとしても自動運転制御を継続して実施しても問題が生じない。また、『スピードマネジメント(料金所、一時停止、信号)』を実施している場合では、車両がどの車線を走行してとしても、車両はその後に料金所、一時停止、信号に到達することとなるので、車両が車線変更したか否かに関わらず前方の料金所、一時停止、信号に対する『スピードマネジメント(料金所、一時停止、信号)』の自動運転制御を継続して実施しても問題が生じない。
【0065】
次に、S30においてCPU41は、前記S25、S26、S28、S29の推定の結果、オーバーライドの内、特に車線変更する為のステアリング操作が現在実施されている自動運転制御の実施に影響するか否か判定する。
【0066】
そして、車線変更する為のステアリング操作が現在実施されている自動運転制御の実施に影響すると判定された場合(S30:YES)には、S32へと移行する。それに対して、車線変更する為のステアリング操作が現在実施されている自動運転制御の実施に影響しないと判定された場合(S30:NO)には、S31へと移行する。そして、S31においてCPU41は、車線変更する為のステアリング操作が行われたか否かに関わらず、現在実施されている自動運転制御を継続して行う。
【0067】
一方、S32においてCPU41は、CANを介して車両制御ECU20と通信を行うことによって自動運転制御の制御状態を取得し、車両が『スピードマネジメント(カーブ)』の自動運転制御を実施中であるか否か判定する。
【0068】
そして、車両が『スピードマネジメント(カーブ)』の自動運転制御を実施中であると判定された場合(S32:YES)には、S33へと移行する。それに対して、車両が『スピードマネジメント(カーブ)』の自動運転制御を実施中でないと判定された場合(S32:NO)には、S37へと移行する。
【0069】
S33においてCPU41は、前記S21で取得された車両の現在位置と前記S22で取得した道路形状と車両制御ECU20によるオーバーライド操作の検出結果とに基づいて、車線変更する為のステアリング操作があって、且つ操作前に車両が走行する車線と異なる車線のみがカーブに接続されているか否か判定する。ここで、“車両が走行する車線と異なる車線のみがカーブに接続されている場合”とは、例えば
図8に示す状況であり、『スピードマネジメント(カーブ)』の自動運転制御により走行する車両が自動運転制御を継続して行う為に、運転者が車両操作(具体的には車線変更のためのステアリング操作)を行ってカーブに接続する車線に移動する必要がある状況である。
【0070】
従って、車線変更する為のステアリング操作があって、且つ操作前に車両が走行する車線と異なる車線のみがカーブに接続されていると判定された場合(S33:YES)とは、自動運転制御により走行する車両が自動運転制御を継続して行う為に、運転者が車両操作を行う必要がある状況であって、運転者による車両操作が行われた場合であるので、実施されている自動運転制御を継続する(S34)。それに対して、車線変更する為のステアリング操作が無かった場合や、操作前に車両が走行する車線がカーブに接続されていると判定された場合(S33:NO)には、S35へと移行する。
【0071】
S35においてCPU41は、前記S21で取得された車両の現在位置と前記S22で取得した道路形状と車両制御ECU20によるオーバーライド操作の検出結果とに基づいて、車線変更する為のステアリング操作が無く、且つ車両が走行する車線がカーブに接続されているか否か判定する。ここで、“車両が走行する車線がカーブに接続されている場合”とは、例えば
図9に示す状況であり、『スピードマネジメント(カーブ)』の自動運転制御により走行する車両が自動運転制御を継続して行う為に、運転者が車両操作(具体的には車線変更のためのステアリング操作)を行う必要が無く、現在の車線を継続して走行する必要がある状況である。
【0072】
従って、車線変更する為のステアリング操作が無く、且つ車両が走行する車線がカーブに接続されていると判定された場合(S35:YES)とは、自動運転制御により走行する車両が自動運転制御を継続して行う為に、運転者が車両操作を行う必要がない状況であって、運転者による車両操作が行われなかった場合であるので、実施されている自動運転制御を継続する(S34)。
【0073】
一方、車線変更する為のステアリング操作が無く、且つ車両が走行する車線と異なる車線のみがカーブに接続されていると判定された場合(S35:NO)は、自動運転制御により走行する車両が自動運転制御を継続して行う為に、運転者が車両操作を行う必要がある状況(例えば
図8に示す状況)であって、運転者による車両操作が行われなかった場合であるので、実施されている自動運転制御の中止を車両制御ECU20に指示する(S36)。
【0074】
同じく、車線変更する為のステアリング操作があって、且つ操作前に車両が走行する車線がカーブに接続されていると判定された場合(S35:NO)は、自動運転制御により走行する車両が自動運転制御を継続して行う為に、運転者が車両操作を行う必要がない状況(例えば
図9に示す状況)であって、運転者による車両操作が行われた場合であるので、実施されている自動運転制御の中止を車両制御ECU20に指示する(S36)。それによって、車両がその後にカーブを走行しないと予想される状況において『スピードマネジメント(カーブ)』の自動運転制御が継続して行われることを防止できる。
【0075】
尚、前記S36では自動運転制御を中止するのではなく制御内容を『スピードマネジメント(カーブ)』からその他の自動運転制御(例えば『定速走行』、『追従走行』)へと変更する構成としても良い。また、『スピードマネジメント(カーブ)』を中止した場合であっても、車両が車線を逸脱することなく車線の中心付近を走行させる制御(例えばレーン・キーピング・アシスト)については継続して実施する構成としても良い。
【0076】
また、S37においてCPU41は、CANを介して車両制御ECU20と通信を行うことによって自動運転制御の制御状態を取得し、車両が『スピードマネジメント(退出路)』の自動運転制御を実施中であるか否か判定する。
【0077】
そして、車両が『スピードマネジメント(退出路)』の自動運転制御を実施中であると判定された場合(S37:YES)には、S38へと移行する。ここで、『スピードマネジメント(退出路)』の自動運転制御を実施中の場合とは、例えば
図7に示す状況であり、『スピードマネジメント(カーブ)』の自動運転制御により走行する車両が自動運転制御を継続して行う為に、運転者が車両操作(具体的には車線変更のためのステアリング操作)を行う必要が無く、現在の車線を継続して走行する必要がある状況である。
【0078】
一方、車両が『スピードマネジメント(退出路)』の自動運転制御についても実施していない、即ち『定速走行』、『追従走行』、『スピードマネジメント(料金所、一時停止、信号)』のいずれかの自動運転制御を実施中であると判定された場合(S37:NO)には、S31へと移行する。そして、S31においてCPU41は、車線変更する為のステアリング操作が行われたか否かに関わらず、現在実施されている自動運転制御を継続して行う。
【0079】
S38においてCPU41は、車両制御ECU20によるオーバーライド操作の検出結果に基づいて、オーバーライドの内、特に車線変更する為のステアリング操作があったか否か判定する。
【0080】
そして、車線変更する為のステアリング操作があったと判定された場合(S38:YES)には、自動運転制御により走行する車両が自動運転制御を継続して行う為に、運転者が車両操作を行う必要がない状況(例えば
図7に示す状況)であって、運転者による車両操作が行われた場合であるので、実施する自動運転制御を『定速走行』へ変更するように車両制御ECU20に指示する(S39)。それによって、車両が減速車線(退出路)から本線へと戻った状況において『スピードマネジメント(退出路)』の自動運転制御が継続して行われることを防止できる。尚、前記S39では自動運転制御を中止するように構成としても良い。
【0081】
一方、車線変更する為のステアリング操作がなかったと判定された場合(S38:NO)には、自動運転制御により走行する車両が自動運転制御を継続して行う為に、運転者が車両操作を行う必要がない状況(例えば
図7に示す状況)であって、運転者による車両操作が行われなかった場合であるので、実施されている自動運転制御を継続する(S40)。
【0082】
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係るナビゲーション装置1、ナビゲーション装置1による自動運転支援方法及びナビゲーション装置1で実行されるコンピュータプログラムでは、車両の状況に応じて自動運転制御の制御内容を設定して自動運転制御を実施する(S3〜S11)一方で、車両が走行する道路の道路形状と車両において実施されている自動運転制御の制御内容とに基づいて、車両が自動運転制御を継続して行う為に運転者が車両操作を行う必要がある状況か否かを判定し、該判定結果と運転者による車両操作の有無に基づいて、車両で実施されている自動運転制御について継続、中止又は制御内容の変更を行う(S31、S34、S36、S39、S40)ので、仮に運転者による車両操作が検出された場合であっても従来技術のように一律に全ての自動運転制御が中止されることが無い。その結果、例えば自動運転制御を中止させる必要のない状況では自動運転制御を継続させることによって、自動運転制御の中止に伴う運転者の車両の運転操作の負担増を防止することが可能となる。更に、自動運転制御を中止させる必要がある状況であっても制御内容を変更して継続させることによって、同じく自動運転制御の中止に伴う運転者の車両の運転操作の負担増を防止することが可能となる。
【0083】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
【0084】
例えば、本実施形態に係るナビゲーション装置1においてCPU41が実行する自動運転制御変更プログラム(
図3、
図4)を以下のように構成しても良い。ここで、
図10は本実施形態に係る自動運転支援プログラムの変形例を示した図である。
【0085】
尚、S50〜S54の処理については前述したS30〜S34の処理と同様の処理であるので説明は省略する。また、S21〜S29の処理を行った後にS50へと移行する構成とする。
【0086】
先ず、S55においてCPU41は、前記S21で取得された車両の現在位置と前記S22で取得した道路形状と車両制御ECU20によるオーバーライド操作の検出結果とに基づいて、車線変更する為のステアリング操作が無く、且つ車両が走行する車線のみがカーブに接続されているか否か判定する。ここで、“車両が走行する車線のみがカーブに接続されている場合”とは、例えば
図9に示す状況であり、『スピードマネジメント(カーブ)』の自動運転制御により走行する車両が自動運転制御を継続して行う為に、運転者が車両操作(具体的には車線変更のためのステアリング操作)を行う必要が無く、現在の車線を継続して走行する必要がある状況である。
【0087】
従って、車線変更する為のステアリング操作が無く、且つ車両が走行する車線のみがカーブに接続されていると判定された場合(S55:YES)とは、自動運転制御により走行する車両が自動運転制御を継続して行う為に、運転者が車両操作を行う必要がない状況であって、運転者による車両操作が行われなかった場合であるので、実施されている自動運転制御を継続する(S54)。
【0088】
一方、車線変更する為のステアリング操作が無く、且つ車両が走行する車線と異なる車線についてもカーブに接続されている、又は車両が走行する車線がカーブに接続されていないと判定された場合(S55:NO)は、S56へと移行する。
【0089】
S56においてCPU41は、前記S21で取得された車両の現在位置と前記S22で取得した道路形状に基づいて、分岐する両側の車線がいずれもカーブに接続されており、且つ『スピードマネジメント(カーブ)』の制御対象となっているカーブと接続する車線と異なる車線を車両が走行しているか否か判定する。ここで、“『スピードマネジメント(カーブ)』の制御対象となっているカーブと接続する車線と異なる車線を車両が走行している”とは、例えば
図11に示す状況であり、分岐後の車線65〜67がいずれもカーブに接続されており、『スピードマネジメント(カーブ)』の自動運転制御の制御対象となっているカーブに接続される車線66、67ではなく、『スピードマネジメント(カーブ)』の自動運転制御の制御対象となっていないカーブに接続される車線65を車両50が走行する状況である。
【0090】
そして、分岐する両側の車線がいずれもカーブに接続されており、且つ『スピードマネジメント(カーブ)』の制御対象となっているカーブと接続する車線と異なる車線を車両が走行していると判定された場合(S56:YES)は、『スピードマネジメント(カーブ)』の制御内容を変更する(S57)。具体的には、車両が走行する車線に接続されているカーブが『スピードマネジメント(カーブ)』の制御対象となっているカーブよりも減速開始位置が手前にある場合には、車両が走行する車線に接続されているカーブの減速開始位置に合わせて、より減速度を大きくする。一方、車両が走行する車線に接続されているカーブが『スピードマネジメント(カーブ)』の制御対象となっているカーブよりも減速開始位置が遠方にある場合には、車両が走行する車線に接続されているカーブの減速開始位置に合わせて、減速度を小さくする。
【0091】
一方、分岐する両側の車線がいずれもカーブに接続されていないと判定された場合(S56:NO)は、自動運転制御により走行する車両が自動運転制御を継続して行う為に、運転者が車両操作を行う必要がある状況(例えば
図8に示す状況)であって、運転者による車両操作が行われなかった場合、或いは自動運転制御により走行する車両が自動運転制御を継続して行う為に、運転者が車両操作を行う必要がない状況(例えば
図9に示す状況)であって、運転者による車両操作が行われた場合が該当する。従って、実施されている自動運転制御の中止を車両制御ECU20に指示する(S58)。それによって、車両がその後にカーブを走行しないと予想される状況において『スピードマネジメント(カーブ)』の自動運転制御が継続して行われることを防止できる。
【0092】
尚、分岐する両側の車線がいずれもカーブに接続されており、且つ『スピードマネジメント(カーブ)』の制御対象となっているカーブと接続する車線を車両が走行していると判定された場合については、現在の『スピードマネジメント(カーブ)』の制御を継続して実施する構成とする。
【0093】
以降のS59〜S62の処理については前述したS37〜S40の処理と同様の処理であるので説明は省略する。
【0094】
また、本実施形態では、自動運転制御として上述した(1)〜(6)のいずれかを実施することとしているが、(1)〜(6)以外の制御を実施可能に構成しても良い。例えば、加速制御、停止制御、右左折や車線変更に係る制御を行う構成としても良い。
【0095】
また、本実施形態では、オーバーライドの内、特に車線変更する為のステアリング操作が行われた否かによって、車両で実施されている自動運転制御の継続、中止又は制御内容の変更の判断を行う構成としているが、車線変更する為のステアリング操作以外のオーバーライドを対象としても良い。例えば、アクセル操作やブレーキ操作を対象としても良い。
【0096】
また、本実施形態では、自動運転開始プログラム(
図2参照)や自動運転制御変更プログラム(
図3、
図4参照)をナビゲーション装置1が実行する構成としているが、車両制御ECU20が実行する構成としても良い。その場合には、車両制御ECU20は車両の現在位置や地図情報等をナビゲーション装置1から取得する構成とする。
【0097】
また、本実施形態では、車両の操作のうち、車両の挙動に関する操作である、アクセル操作、ブレーキ操作及びハンドル操作の全てを車両制御ECU20が制御することをユーザの運転操作によらずに自動的に走行を行う為の自動運転制御として説明してきた。しかし、自動運転制御を、車両の操作のうち、車両の挙動に関する操作である、アクセル操作、ブレーキ操作及びハンドル操作の少なくとも一の操作を車両制御ECU20が制御することとしても良い。一方、ユーザの運転操作による手動運転とは車両の操作のうち、車両の挙動に関する操作である、アクセル操作、ブレーキ操作及びハンドル操作の全てをユーザが行うこととして説明する。
【0098】
また、本発明はナビゲーション装置以外に、車両制御ECU20と通信可能に接続された装置に対して適用することが可能である。例えば、携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等(以下、携帯端末等という)に適用することも可能である。また、サーバと携帯端末等から構成されるシステムに対しても適用することが可能となる。その場合には、上述した自動運転開始プログラム(
図2参照)や自動運転制御変更プログラム(
図3、
図4参照)の各ステップは、サーバと携帯端末等のいずれが実施する構成としても良い。但し、本発明を携帯端末等に適用する場合には、自動運転制御が実行可能な車両と携帯端末等が通信可能に接続(有線無線は問わない)される必要がある。
【0099】
また、本発明に係る自動運転支援システムを具体化した実施例について上記に説明したが、自動運転支援システムは以下の構成を有することも可能であり、その場合には以下の効果を奏する。
【0100】
例えば、第1の構成は以下のとおりである。
車両の現在位置を取得する車両位置取得手段と、前記車両が走行する道路の道路形状を取得する道路形状取得手段と、前記車両の現在位置と前記車両が走行する道路の道路形状に基づいて、車線を逸脱させることなく車両を走行させる第1自動運転制御及び道路形状に応じて車両の速度を制御する第2自動運転制御の制御内容を設定する制御内容設定手段と、前記制御内容設定手段により設定された制御内容で前記第1自動運転制御
及び前記第2自動運転制御を実施する制御実施手段と、前記車両における運転者によるステアリング操作を検出する操作検出手段と、前記操作検出手段の検出結果と前記車両の現在位置と前記車両が走行する道路の道路形状とに基づいて、前記車両で実施されてい
る前記第2自動運転制御を継続又は中止する制御態様変更手段と、を有し、前記道路形状取得手段は、前記車両が走行する道路の車線区分と車線毎の道路の繋がりを取得し、前記制御態様変更手段は、
前記操作検出手段によって前記運転者のステアリング操作が行われたことを検出した場合に、前記車両が現在位置する車線と異なる車線のみが前記第2自動運転制御の実施対象となる実施対象車線に該当するか否かを判定し、前記車両が現在位置する車線と異なる車線のみが前記実施対象車線に該当すると判定された場合に、前記車両で実施されている前記第2自動運転制御を継続すると判定する。
上記構成を有する自動運転支援システムによれば、自動運転制御により走行する車両において、運転者によるステアリング操作の検出有無と、周辺の道路形状と、実施している自動運転制御の内容とに基づいて自動運転制御の継続又は中止の判断を行うので、仮に運転者による車両操作が検出された場合であっても従来技術のように一律に全ての自動運転制御が中止されることが無い。その結果、自動運転制御の中止に伴う運転者の車両の運転操作の負担増を防止することが可能となる。
【0101】
また
、上記構成を有する自動運転支援システムによれば、運転者によるステアリング操作が検出された場合であっても、自動運転制御を中止させる必要のない状況では自動運転制御を継続させることによって、自動運転制御の中止に伴う運転者の車両の運転操作の負担増を防止することが可能となる。
【0102】
また、第
2の構成は以下のとおりである。
車両の現在位置を取得する車両位置取得手段と、前記車両が走行する道路の道路形状を取得する道路形状取得手段と、前記車両の現在位置と前記車両が走行する道路の道路形状に基づいて、車線を逸脱させることなく車両を走行させる第1自動運転制御及び道路形状に応じて車両の速度を制御する第2自動運転制御の制御内容を設定する制御内容設定手段と、前記制御内容設定手段により設定された制御内容で前記第1自動運転制御及び前記第2自動運転制御を実施する制御実施手段と、前記車両における運転者によるステアリング操作を検出する操作検出手段と、前記操作検出手段の検出結果と前記車両の現在位置と前記車両が走行する道路の道路形状とに基づいて、前記車両で実施されている前記第2自動運転制御を継続又は中止する制御態様変更手段と、を有し、前記道路形状取得手段は、前記車両が走行する道路の車線区分と車線毎の道路の繋がりを取得し、前記制御態様変更手段は、前記操作検出手段によって前記運転者のステアリング操作を検出しない状態において、前記車両が現在位置する車線と異なる車線のみが前記第2自動運転制御の実施対象となる実施対象車線に該当するか否かを判定し、前記車両が現在位置する車線と異なる車線のみが前記実施対象車線に該当すると判定された場合に、前記車両で実施されている前記第2自動運転制御を中止すると判定する。
上記構成を有する自動運転支援システムによれば、運転者によるステアリング操作が検出されなかった場合において、自動運転制御を中止させる必要がある状況では自動運転制御を中止することが可能となる。その結果、車両操作が行われなかったことによる車両の状況変化に応じた自動運転制御の実行が可能となる。
【0103】
また、第
3の構成は以下のとおりである。
車両の現在位置を取得する車両位置取得手段と、前記車両が走行する道路の道路形状を取得する道路形状取得手段と、前記車両の現在位置と前記車両が走行する道路の道路形状に基づいて、車線を逸脱させることなく車両を走行させる第1自動運転制御及び道路形状に応じて車両の速度を制御する第2自動運転制御の制御内容を設定する制御内容設定手段と、前記制御内容設定手段により設定された制御内容で前記第1自動運転制御及び前記第2自動運転制御を実施する制御実施手段と、前記車両における運転者によるステアリング操作を検出する操作検出手段と、前記操作検出手段の検出結果と前記車両の現在位置と前記車両が走行する道路の道路形状とに基づいて、前記車両で実施されている前記第2自動運転制御を継続又は中止する制御態様変更手段と、を有し、前記道路形状取得手段は、前記車両が走行する道路の車線区分と車線毎の道路の繋がりを取得し、前記制御態様変更手段は、前記操作検出手段によって前記運転者のステアリング操作を検出しない状態において、前記車線に関する情報及び前記車両が走行する道路の道路形状に基づいて、前記車両が現在位置する車線のみが前記第2自動運転制御の実施対象となる実施対象車線に該当するか否かを判定し、前記車両が現在位置する車線のみが前記実施対象車線に該当すると判定された場合に、前記車両で実施されている前記第2自動運転制御を継続すると判定する。
上記構成を有する自動運転支援システムによれば、運転者による車両操作が検出されなかった場合に自動運転制御を継続して行うので、車両の状況に応じて必要となる自動運転制御を継続して実行させることが可能となる。
【0104】
また、第
4の構成は以下のとおりである。
車両の現在位置を取得する車両位置取得手段と、前記車両が走行する道路の道路形状を取得する道路形状取得手段と、前記車両の現在位置と前記車両が走行する道路の道路形状に基づいて、車線を逸脱させることなく車両を走行させる第1自動運転制御及び道路形状に応じて車両の速度を制御する第2自動運転制御の制御内容を設定する制御内容設定手段と、前記制御内容設定手段により設定された制御内容で前記第1自動運転制御及び前記第2自動運転制御を実施する制御実施手段と、前記車両における運転者によるステアリング操作を検出する操作検出手段と、前記操作検出手段の検出結果と前記車両の現在位置と前記車両が走行する道路の道路形状とに基づいて、前記車両で実施されている前記第2自動運転制御を継続又は中止する制御態様変更手段と、を有し、前記道路形状取得手段は、前記車両が走行する道路の車線区分と車線毎の道路の繋がりを取得し、前記制御態様変更手段は、前記操作検出手段によって前記運転者のステアリング操作が行われたことを検出した場合に、前記車両が現在位置する車線のみが前記第2自動運転制御の実施対象となる実施対象車線に該当するか否かを判定し、前記車両が現在位置する車線のみが前記実施対象車線に該当すると判定された場合に、前記車両で実施されている前記第2自動運転制御を中止すると判定する。
上記構成を有する自動運転支援システムによれば、運転者によるステアリング操作が検出された場合において、自動運転制御を中止させる必要がある状況では自動運転制御を中止することが可能となる。その結果、車両操作による車両の状況変化に応じた自動運転制御の実行が可能となる。
【0105】
また、第
5の構成は以下のとおりである。
車両の現在位置を取得する車両位置取得手段と、前記車両が走行する道路の道路形状を取得する道路形状取得手段と、前記車両の現在位置と前記車両が走行する道路の道路形状に基づいて、車線を逸脱させることなく車両を走行させる第1自動運転制御及び道路形状に応じて車両の速度を制御する第2自動運転制御の制御内容を設定する制御内容設定手段と、前記制御内容設定手段により設定された制御内容で前記第1自動運転制御及び前記第2自動運転制御を実施する制御実施手段と、前記車両における運転者によるステアリング操作を検出する操作検出手段と、前記操作検出手段の検出結果と前記車両の現在位置と前記車両が走行する道路の道路形状とに基づいて、前記車両で実施されている前記第2自動運転制御を継続又は中止する制御態様変更手段と、を有し、前記道路形状取得手段は、前記車両が走行する道路に分岐点がある場合に、分岐点に関する情報として車線区分と車線毎の道路の繋がりと、分岐後の各経路の道路形状について取得し、前記制御態様変更手段は、前記操作検出手段によって前記運転者のステアリング操作を検出しない状態において、前記道路の分岐点で分岐する車線のそれぞれに前記第2自動運転制御の実施対象となる実施対象車線が存在し、且つ前記車両が現在位置する車線が現時点で前記第2自動運転制御の制御対象となっている実施対象車線と異なる車線であるか否かを判定し、前記道路の分岐点で分岐する車線のそれぞれに前記実施対象車線が存在し、且つ前記車両が現在位置する車線が現時点で前記第2自動運転制御の制御対象となっている実施対象車線と異なる車線であると判定された場合に、前記車両で実施されている前記第2自動運転制御の制御内容を変更する。
上記構成を有する自動運転支援システムによれば、運転者による車両操作が検出されなかった場合に必要に応じて自動運転制御の制御内容を変更することが可能となる。その結果、車両の状況変化に応じた自動運転制御の実行が可能となる。
【0106】
また、第
6の構成は以下のとおりである。
前記実施対象車線は、カーブに接続する車線又は減速車線である。
上記構成を有する自動運転支援システムによれば、車線区分と車線毎のカーブ又は減速車線への接続状態とに基づいて、自動運転制御の継続又は中止を正確に判定することが可能となる。
【0107】
また、第
7の構成は以下のとおりである。
車両の現在位置を取得する車両位置取得手段と、前記車両が走行する道路の道路形状を取得する道路形状取得手段と、前記車両の現在位置と前記車両が走行する道路の道路形状に基づいて、車線を逸脱させることなく車両を走行させる第1自動運転制御及び道路形状に応じて車両の速度を制御する第2自動運転制御の制御内容を設定する制御内容設定手段と、前記制御内容設定手段により設定された制御内容で前記第1自動運転制御及び前記第2自動運転制御を実施する制御実施手段と、前記車両における運転者によるステアリング操作を検出する操作検出手段と、前記操作検出手段の検出結果と前記車両の現在位置と前記車両が走行する道路の道路形状とに基づいて、前記車両で実施されている前記第2自動運転制御を継続又は中止する制御態様変更手段と、を有し、前記道路形状取得手段は、道路の減速車線を特定する減速車線情報と前記車両が走行する道路の車線区分と車線毎の道路の繋がりを取得し、前記制御内容設定手段は、前記車両の現在位置と前記減速車線情報とに基づいて、減速車線に対する前記第2自動運転制御の制御内容を設定し、前記制御態様変更手段は、前記制御内容設定手段により設定された減速車線に対する制御内容で前記第2自動運転制御を実施している状態で、前記操作検出手段によって前記運転者のステアリング操作が行われたことを検出した場合に、前記減速車線に対する制御内容から予め決められた設定速度で同一車線を走行する制御内容へと前記第2自動運転制御の制御内容を変更して継続すると判定する。
上記構成を有する自動運転支援システムによれば、運転者によるステアリング操作が検出された場合において、自動運転制御の制御内容を変更することが可能となる。その結果、車両操作による車両の状況変化に応じた自動運転制御の実行が可能となる。
また、第
8の構成は以下のとおりである。
前記操作検出手段によって前記運転者のステアリング操作が行われたことを検出した場合に、操作が終了するまで一時的に前記第1自動運転制御を中止する。
上記構成を有する自動運転支援システムによれば、運転者によるステアリング操作が検出された場合において、車線を逸脱させることなく車両を走行させる自動運転制御を適切に実施可能となる。
また、第
9の構成は以下のとおりである。
車両の現在位置を取得する車両位置取得手段と、前記車両が走行する道路の道路形状を取得する道路形状取得手段と、前記車両の現在位置と前記車両が走行する道路の道路形状に基づいて、車線を逸脱させることなく車両を走行させる第1自動運転制御及び道路形状に応じて車両の速度を制御する第2自動運転制御の制御内容を設定する制御内容設定手段と、前記制御内容設定手段により設定された制御内容で前記第1自動運転制御及び前記第2自動運転制御を実施する制御実施手段と、前記車両における運転者によるステアリング操作を検出する操作検出手段と、前記操作検出手段の検出結果と前記車両の現在位置と前記車両が走行する道路の道路形状とに基づいて、前記車両で実施されている前記第2自動運転制御を継続又は中止する制御態様変更手段と、を有し、前記道路形状取得手段は、前記車両が走行する道路の車線区分と車線毎の道路の繋がりを取得し、前記制御態様変更手段は、前記車両が走行する道路の道路形状と前記車両において実施されている前記第2自動運転制御の制御内容に基づいて、前記車両が前記第2自動運転制御を継続して行う為に運転者がステアリング操作を行う必要がある状況か否か判定する操作必要性判定手段を更に備え、前記操作検出手段の検出結果と前記操作必要性判定手段の判定結果とに基づいて前記車両で実施されている前記第2自動運転制御を継続するか中止するかを判定する。
上記構成を有する自動運転支援システムによれば、自動運転制御により走行する車両において、運転者によるステアリング操作の検出有無と、周辺の道路形状と、実施している自動運転制御の内容とに基づいて自動運転制御の継続又は中止の判断を行うので、仮に運転者による車両操作が検出された場合であっても従来技術のように一律に全ての自動運転制御が中止されることが無い。その結果、自動運転制御の中止に伴う運転者の車両の運転操作の負担増を防止することが可能となる。
また、第
10の構成は以下のとおりである。
前記操作必要性判定手段は、前記車両の進行方向前方に制御対象区間があって、前記車両で実施されている前記第2自動運転制御の制御内容が前記制御対象区間を走行する為の制御であって、前記車両が走行する車線と異なる車線のみが前記制御対象区間と接続する場合に、前記車両が前記第2自動運転制御を継続して行う為に運転者がステアリング操作を行う必要がある状況と判定する。
上記構成を有する自動運転支援システムによれば、車両が自動運転制御を継続して行う為に運転者がステアリング操作を行う必要がある状況を正確に判定可能となる。
また、第
11の構成は以下のとおりである。
前記運転者によるステアリング操作が前記第2自動運転制御の実施に影響するか否か推定する影響推定手段を有し、前記制御態様変更手段は、前記運転者によるステアリング操作が前記第2自動運転制御の実施に影響すると推定された場合において、前記操作検出手段の検出結果と前記操作必要性判定手段の判定結果とに基づいて前記車両で実施されている前記第2自動運転制御を継続するか中止するかを判定する。
上記構成を有する自動運転支援システムによれば、運転者によるステアリング操作が自動運転制御の実施に影響すると推定された場合のみにおいて、運転者によるステアリング操作に基づく自動運転制御の継続又は中止の判断を行うことが可能となる。
また、第
12の構成は以下のとおりである。
前記影響推定手段は、前記車両の進行方向前方に分岐点があって、前記分岐点で分岐する一部の分岐経路のみに制御対象区間がある場合には、前記運転者によるステアリング操作が前記第2自動運転制御の実施に影響すると推定する。
上記構成を有する自動運転支援システムによれば、運転者によるステアリング操作が自動運転制御の実施に影響する場合を正確に推定することが可能となる。
また、第
13の構成は以下のとおりである。
前記道路形状取得手段は、道路の減速車線を特定する減速車線情報を取得し、前記制御内容設定手段は、前記車両の現在位置と前記減速車線情報とに基づいて、減速車線に対する前記第1自動運転制御及び前記第2自動運転制御の制御内容を設定し、前記影響推定手段は、前記制御内容設定手段により設定された減速車線に対する制御内容で前記第1自動運転制御及び前記第2自動運転制御を実施している場合には、前記運転者によるステアリング操作が前記第2自動運転制御の実施に影響すると推定する。
上記構成を有する自動運転支援システムによれば、運転者によるステアリング操作が自動運転制御の実施に影響する場合を正確に推定することが可能となる。
また、第
14の構成は以下のとおりである。
前記制御対象区間は、カーブ又は減速車線であって、前記制御内容設定手段は、前記制御対象区間がカーブの場合には、カーブに進入するまでにカーブの曲率半径に応じた速度まで減速する前記第2自動運転制御の制御内容を設定し、前記制御対象区間が減速車線の場合には、加速を抑制する前記第2自動運転制御の制御内容を設定する。
上記構成を有する自動運転支援システムによれば、車両の状況に応じた自動運転制御を行うことが可能となる。