特許第6553944号(P6553944)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6553944位置合わせ装置、位置合わせシステムおよび位置合わせ方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6553944
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】位置合わせ装置、位置合わせシステムおよび位置合わせ方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/24 20060101AFI20190722BHJP
【FI】
   B65G47/24 H
   B65G47/24 J
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-102061(P2015-102061)
(22)【出願日】2015年5月19日
(65)【公開番号】特開2016-216182(P2016-216182A)
(43)【公開日】2016年12月22日
【審査請求日】2018年5月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112689
【弁理士】
【氏名又は名称】佐原 雅史
(74)【代理人】
【識別番号】100128934
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】早川 智敬
【審査官】 土田 嘉一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−172558(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/052326(WO,A1)
【文献】 特許第5675648(JP,B2)
【文献】 特開2003−010805(JP,A)
【文献】 特開2012−045525(JP,A)
【文献】 特開2000−153189(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/24
B65G 47/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬送しながら該物品の外表面の向きを所定方向に合わせる位置合わせ装置であって、
前記物品を搬送方向に沿う第一の軸または該第一の軸に交差する第二の軸を中心に回転させる回転駆動手段と、
前記物品を回転可能に保持する複数のローラと、
前記複数のローラを一体的に搬送する搬送手段と、を備え、
前記複数のローラは、第一のローラ、第二のローラおよび第三のローラを含み、
前記第一のローラおよび前記第二のローラはそれぞれ、前記物品を回転可能に支持するローラであり、
前記第三のローラは、前記物品と当接して前記回転駆動手段の回転力を前記物品に伝達するローラであり、
前記第一のローラおよび前記第二のローラはそれぞれ互いに近接又は離間するアームの先端に取り付けられており、前記第一のローラおよび前記第二のローラが近接又は離間することによって前記物品を保持または開放する、
ことを特徴とする位置合わせ装置。
【請求項2】
前記物品は、本体部と、該本体部に取り付けられて該本体部の外表面から該外表面の外側に突出するノズル部と、を備えた容器であり、
前記複数のローラは、前記ノズル部が回転する空間と干渉しない位置に設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の位置合わせ装置。
【請求項3】
前記本体部は略円柱状であり、
前記ローラは、前記本体部の長手方向の長さと同等以下の長さを有する、
ことを特徴とする請求項2に記載の位置合わせ装置。
【請求項4】
物品を搬送しながら該物品の外表面の向きを所定方向に合わせる位置合わせシステムであって、
前記物品を搬送方向に沿う第一の軸または該第一の軸に交差する第二の軸を中心に回転させる回転駆動手段と、
前記物品を回転可能に保持する複数のローラと、
前記複数のローラを一体的に搬送する搬送手段とを有する位置合わせ装置と、
前記物品を前記位置合わせ装置の保持位置まで搬送する他の搬送手段を備え、
前記位置合わせ装置を前記物品の搬送方向に沿って複数配置し、
前記位置合わせ装置は前記保持位置において前記物品を保持し、前記他の搬送手段から離間させて前記物品を回転して位置合わせを行う、
ことを特徴とする位置合わせシステム
【請求項5】
前記複数のローラは、第一のローラ、第二のローラおよび第三のローラを含み、
前記第一のローラおよび前記第二のローラはそれぞれ、前記物品を回転可能に支持するローラであり、
前記第三のローラは、前記物品と当接して前記回転駆動手段の回転力を前記物品に伝達するローラである、
ことを特徴とする請求項4に記載の位置合わせシステム
【請求項6】
前記物品は、本体部と、該本体部に取り付けられて該本体部の外表面から該外表面の外側に突出するノズル部と、を備えた容器であり、
前記複数のローラは、前記ノズル部が回転する空間と干渉しない位置に設けられる、
ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の位置合わせシステム。
【請求項7】
前記本体部は略円柱状であり、
前記ローラは、前記本体部の長手方向の長さと同等以下の長さを有する、
ことを特徴とする請求項6に記載の位置合わせシステム。
【請求項8】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の位置合わせ装置を前記物品の搬送方向に沿って複数配置し、
前記物品を前記位置合わせ装置の保持位置まで搬送する他の搬送手段を備え、前記位置合わせ装置は前記保持位置において前記物品を保持し、前記他の搬送手段から離間させて前記物品を回転して位置合わせを行う、
ことを特徴とする位置合わせシステム
【請求項9】
物品を搬送しながら該物品の外周面の向きを所定方向に合わせる位置合わせ方法であって、
第一のローラ、第二のローラおよび第三のローラを含む複数のローラを一体的に搬送する搬送手段によって搬送するステップと、
前記物品を他の搬送手段によって保持位置まで搬送するステップと、
前記保持位置において、開閉する第一のローラおよび第二のローラで前記物品を回転可能に保持し、前記他の搬送手段から離間させるステップと、
前記複数のローラを搬送しながら、前記第三のローラを前記物品に当接させて回転駆動手段の回転力を該物品に伝達し、該物品を搬送方向に沿う第一の軸または該第一の軸に交差する第二の軸を中心に回転させるステップと、
前記第一のローラおよび前記第二のローラが離間して、前記物品を開放するステップとを有する、
ことを特徴とする位置合わせ方法。
【請求項10】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の位置合わせ装置を前記物品の搬送方向に沿って複数配置した、
ことを特徴とする位置合わせシステム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を搬送しながら物品の外周面の位置合わせを行う位置合わせ装置、位置合わせシステムおよび位置合わせ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品を搬送しながら、その外周面の向き(例えば、外周面に貼付又は印刷したラベルやマークの向きなど)を所定位置に合わせる位置決めシステムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1には、容器を搬送するコンベアと、コンベアの両側に配置されて容器を支持するとともに回転中心軸のまわりに自由回転可能なガイドローラ(ワーク搬送経路)と、駆動ローラと、駆動ローラを回転中心軸のまわりに回転駆動させる回転用サーボモーターを含む回転駆動機構とを備え、容器をコンベアで搬送し、その搬送途中で、ガイドローラで支持しつつ駆動ローラを容器に接触させて回転駆動させることにより、容器を回転させて円柱容器の外周方向の位置合わせを行う技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5675648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術のように、円柱容器をガイドローラ上で滑らせて搬送しながら、駆動ローラにより回転させて周方向の位置合わせを行う場合、駆動ローラとガイドローラによって確実に容器を保持(挟持)する必要がある。つまり容器は搬送経路となるガイドローラに押しつけられる状態となり、容器の外周面は、搬送方向および外周面の周方向の両方においてガイドローラと擦れるため、容器の外周面に傷がつく恐れがある。
【0006】
また、容器の外周面にラベル等が貼られている場合には、搬送面の縁等に引っかかって、ラベルに傷がつく恐れがある。
【0007】
また、特許文献1に記載の装置は、例えば、容器の頭部に容器の外周面より外側に突出するノズルが取り付けられている場合など、外形の一部が容器の外周面より外周方向の外側に突出している物品を搬送することはできない。すなわち、周方向に回転させようとしても突出部分(ノズル)が搬送面(ガイドローラ)に引っかかってしまうため、物品を外周方向に回転して位置合わせを行うことができない問題がある。
【0008】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされ、搬送する物品に傷を付けることなく、物品を搬送しつつ、外周面の周方向に回転させて所定の向きに位置合わせをすることが可能な位置合わせ装置、位置合わせシステムおよび位置合わせ方法を提供することを目的とする。
【0009】
また、搬送する物品に傷を付けることなく、物品の一部がその外周面より外周の外側方向に突出している物品であっても、物品を搬送しつつ、外周面の周方向に回転させて所定の向きに位置合わせをすることが可能な位置合わせ装置、位置合わせシステムおよび位置合わせ方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明は、物品を搬送しながら該物品の外表面の向きを所定方向に合わせる位置合わせ装置であって、前記物品を搬送方向に沿う第一の軸または該第一の軸に交差する第二の軸を中心に回転させる回転駆動手段と、前記物品を回転可能に保持する複数のローラと、前記複数のローラを一体的に搬送する搬送手段と、を備え、前記複数のローラは、第一のローラ、第二のローラおよび第三のローラを含み、前記第一のローラおよび前記第二のローラはそれぞれ、前記物品を回転可能に支持するローラであり、前記第三のローラは、前記物品と当接して前記回転駆動手段の回転力を前記物品に伝達するローラであり、前記第一のローラおよび前記第二のローラはそれぞれ互いに近接又は離間するアームの先端に取り付けられており、前記第一のローラおよび前記第二のローラが近接又は離間することによって前記物品を保持または開放する、ことを特徴とする位置合わせ装置である。
(2)本発明はまた、物品を搬送しながら該物品の外表面の向きを所定方向に合わせる位置合わせシステムであって、前記物品を搬送方向に沿う第一の軸または該第一の軸に交差する第二の軸を中心に回転させる回転駆動手段と、前記物品を回転可能に保持する複数のローラと、前記複数のローラを一体的に搬送する搬送手段とを有する位置合わせ装置と、前記物品を前記位置合わせ装置の保持位置まで搬送する他の搬送手段を備え、前記位置合わせ装置を前記物品の搬送方向に沿って複数配置し、前記位置合わせ装置は前記保持位置において前記物品を保持し、前記他の搬送手段から離間させて前記物品を回転して位置合わせを行う、ことを特徴とする位置合わせシステムである。
(3)本発明はまた、上記(1)の位置合わせ装置を前記物品の搬送方向に沿って複数配置し、前記物品を前記位置合わせ装置の保持位置まで搬送する他の搬送手段を備え、前記位置合わせ装置は前記保持位置において前記物品を保持し、前記他の搬送手段から離間させて前記物品を回転して位置合わせを行う、ことを特徴とする位置合わせシステムである。
(4)本発明はまた、物品を搬送しながら該物品の外周面の向きを所定方向に合わせる位置合わせ方法であって、第一のローラ、第二のローラおよび第三のローラを含む複数のローラを一体的に搬送する搬送手段によって搬送するステップと、前記物品を他の搬送手段によって保持位置まで搬送するステップと、前記保持位置において、開閉する第一のローラおよび第二のローラで前記物品を回転可能に保持し、前記他の搬送手段から離間させるステップと、前記複数のローラを搬送しながら、前記第三のローラを前記物品に当接させて回転駆動手段の回転力を該物品に伝達し、該物品を搬送方向に沿う第一の軸または該第一の軸に交差する第二の軸を中心に回転させるステップと、前記第一のローラおよび前記第二のローラが離間して、前記物品を開放するステップとを有する、ことを特徴とする位置合わせ方法である。
(5)本発明はまた、上記(1)の位置合わせ装置を前記物品の搬送方向に沿って複数配置したことを特徴とする位置合わせシステムである。
【0026】
このような構成によれば、搬送する物品に傷を付けることなく、また、物品の一部がその外周面より外周の外側方向に突出している物品であっても、物品を搬送しつつ、外周面の周方向に回転させて所定の向きに位置合わせをすることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、搬送する物品に傷を付けることなく、物品を搬送しつつ、外周面の周方向に回転させて所定の向きに位置合わせをすることが可能な位置合わせ装置、位置合わせシステムおよび位置合わせ方法を提供することができる。
【0028】
また、本発明によれば、搬送する物品に傷を付けることなく、物品の一部がその外周面より外周の外側方向に突出している物品であっても、物品を搬送しつつ、外周面の周方向に回転させて所定の向きに位置合わせをすることが可能な位置合わせ装置、位置合わせシステムおよび位置合わせ方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の実施形態にかかる位置合わせシステムの側面概要図である。
図2】本発明の実施形態にかかる物品の一例を示す図であり、(a)正面図であり、(b)上面図である。
図3】本発明の実施形態にかかる位置合わせ装置を説明する図であり、(a)物品の搬送方向の前方から見た正面図であり、(b)搬送方向の後方から見た背面図であり、(c)側面図である。
図4】本発明の実施形態にかかる位置合わせ装置を物品の搬送方向から見た正面図であり(a)物品を保持する前(開放時)の正面図であり、(b)物品を保持している状態の正面図である。
図5】本実施形態の他の形態を示す図である。
図6】本実施形態の他の形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して、本発明に係る位置合わせ装置、位置合わせシステムおよび位置合わせ方法について詳細に説明する。なお、各図において、一部の構成を適宜省略して、図面を簡略化する。そして、各図において、部材の大きさ、形状、厚みなどを適宜誇張して表現する。
【0031】
<位置合わせシステム>
図1は、本実施形態の位置合わせシステム1の側面図であり、図2は、位置合わせされる物品XA1の一例を示す図であり、同図(a)が物品XA1の正面図であり、同図(b)が物品XA1の上面図である。また、図3は、本実施形態の位置合わせ装置10を示す図であり、同図(a)が搬送方向下流側(進行方向の前方)から見た正面図であり、同図(b)が搬送方向上流側(進行方向の後方)から見た背面図であり、同図(c)が側面図である。また、図4は、位置合わせ装置10による物品XA1の開放および保持の様子を示す正面図であり、同図(a)がアーム21,22を開いた状態の正面図であり、同図(b)がアーム21,22を閉じた状態の正面図である。
【0032】
図1に示すように、本実施形態の位置合わせシステム1は、物品XA1の搬送方向Tに沿って複数(ここでは3つ)配置された位置合わせ装置10を有する。位置合わせ装置10については後に詳述するが、物品XA1を保持する複数のローラ11、12、13と複数のローラ11、12、13を一体的に搬送方向Tに沿って搬送する搬送手段(ローラ搬送手段)18を有している。また、位置合わせシステム1は、更に、物品XA1の保持位置への侵入を検知するセンサ3と、物品XA1の向きを検出するための撮像手段(カメラ)2と、物品XA1を位置合わせ装置10の保持位置まで搬送する他の搬送手段(フィンガーコンベア4)を有する。
【0033】
ここで、図2を参照して、本実施形態の位置合わせシステム1で搬送及び位置合わせされる物品XA1について説明する。図2は物品XA1の外観図である。
【0034】
物品XA1は、例えば、略円柱状の本体部31と、本体部31の長手方向の一方の端部に取り付けられたノズル部32、とを備えた容器(ボトル容器)である。ノズル部32は、例えば、キャップ、ポンプおよび吐出部が一体化したポンプディスペンサーである。また、ノズル部32の先端は、本体部31の外周面から外周外側(略円柱状の半径方向外側)に突出する。つまり同図に示すように物品XA1を正面(側面)および上面から見た場合に、ノズル部32(その先端)が物品XA1の幅方向において最も突出した部分となる。以下の説明では、本体部31の円柱の中心軸を、物品XA1の中心軸C0とする。
【0035】
また、物品XA1の本体部31の外表面の一部には商品名などのラベル33が貼付されている。なお本実施形態では、ラベル33を貼付する場合を例に説明するが、これに限らずマークや文字などを本体部31に直接、印刷又は成型(型押し成型)などするものであってもよく、そのような場合も本実施形態のラベル33に含まれる。
【0036】
再び図1を参照して、物品XA1は、フィンガーコンベア4等によって押送されて、保持位置(位置合わせ装置10の下方)に移動する。
【0037】
フィンガーコンベア4は例えば、搬送方向Tの前後方向のほぼ全長に延びる2枚の板状の搬送路5を備える。2枚の搬送路5はそれらの間に所定の幅(物品XA1の直径よりも狭い幅)の空間が確保され、係る空間内を押送フィンガー6が通過し、物品XA1を後方(例えば、底部側)から押送する。
【0038】
センサ3によって、物品XA1が保持位置に搬入されたことを検知されると、制御手段8はカメラ2を制御し、位置合わせ装置10の上流側で物品XA1を上方から撮影する。制御手段8は、画像認識手段9によってラベル33の位置(または別途設けられた合わせマークの位置)を検出する。制御手段8は、画像認識手段9の検出結果に基づき、ラベル33が所定方向に向くような物品XA1の回転量を算出し、当該回転量に基づき位置合わせ装置10を制御する。
【0039】
位置決め装置10は、単軸ロボット55によって一体的に搬送方向に沿って移動する。搬送手段18は上下(鉛直)方向に移動可能となっており、位置決め装置10を搬送方向Tに沿って押送フィンガー6と同速度で移動しながら搬送手段18が下降すると、各位置合わせ装置10は一体的に下降し、物品XA1を保持する。搬送手段18が上昇すると、位置合わせ装置10はこれに伴って物品XA1を上方に持ち上げ、フィンガーコンベア4から離間させた状態で(搬送路5から上方に浮かせた状態で)物品XA1を、搬送方向Tに沿う物品XA1の中心軸C0(図2参照)の周りに回転し、ラベル33を所定方向の向きに合わせる位置合わせを行う。位置合わせ装置10は、押送フィンガー6と同速で移動しながら位置合わせを行う。
【0040】
<位置合わせ装置>
図3を参照して本実施形態の位置合わせ装置10について説明する。なお、同図(a)では、同図(b)に示す支持部14の記載を省略している。
【0041】
位置合わせ装置10は、物品XA1を回転可能に保持する複数のローラ(第一のローラ11、第二のローラ12、第三のローラ13)と、複数のローラを一体的に搬送する搬送手段18と、支持部14と、物品XA1を搬送方向Tに沿う第一の軸または第一の軸に交差(直交)する第二の軸を中心として回転させる回転駆動手段15と、リンク機構16と、アーム21、22を有する。なお、以下の実施例では、物品XA1を搬送方向Tに沿う第一の軸を中心に回転させる場合について説明する。
【0042】
第一のローラ11および第二のローラ12はそれぞれ、回転軸20Aの中心(中心軸C1,C2)の周りに回転自在であり、物品XA1を回転可能に支持するローラである。一方、第三のローラ13は、回転軸19の中心(中心軸C3)の周りに回転可能であり、物品XA1と当接して回転駆動手段15の回転力を物品XA1に伝達するローラである。
【0043】
第一のローラ11、第二のローラ12および第三のローラ13は、支持部14とリンク機構16により一体的に支持される。そして搬送手段18が支持部14およびリンク機構16を一体的に搬送することによって、第一のローラ11、第二のローラ12および第三のローラ13も一体的に搬送される。
【0044】
より詳細には、支持部14は、搬送方向(進行方向)Tの前方に位置する前方側面S1と、後方に位置する後方側面S2と上面S3とを有する、側面視(同図(c))において略コの字状の構造体である。そして前方側面S1と後方側面S2には、搬送方向Tに沿って伸びる回転軸19が挿通される。回転軸19は第三のローラ13の回転軸であり、両者は固定されている。つまり、回転軸19の回転に伴って第三のローラ13が回転する。このように、支持部14は、第三のローラ13を回転軸19の周りに回転可能に支持する。
【0045】
支持部14の前方側面S1側には回転駆動手段15が設けられる。回転駆動手段15は、搬送方向Tに交差する方向(同図(a)の左右方向)両端に不図示の回転軸を設け、一方の回転軸の一端にプーリ15Dを連結してベルトを掛け渡し、当該回転軸の他端にギア15Aを連結して、そのギア15Aを他のギア15Bに噛合させたものである。また、他方の回転軸は不図示の駆動モータに連結する。
【0046】
ギア15A,15Bは支持部14内に配置され、ギア15Bは第三のローラ13の回転軸19に固定されている。駆動モータが駆動するとその回転力がプーリ15Dを介してギア15Aに伝達されてこれらが回転し、ギア15Bの回転によって回転軸19が回転する。そして回転軸19に固定されている第三のローラ13が回転する。
【0047】
また支持部14の内側にはリンク機構16が配置される。リンク機構16は、複数のリンク(リンク16A〜16C)と、各リンクを連結するピン16E、16Fと、各リンクを駆動させるエアシリンダ16Gを有している。リンク機構16は、前方側面S1側と後方側面S2側とでそれぞれ1組ずつ(1つの支持部14内に2組)設けられており、両者はピン16E、16Fに挿通された連結軸(不図示)によって連結されて同期して動作する。以下、1組のリンク機構16の構成、動作について説明する。
【0048】
エアシリンダ16Gは、位置合わせ装置10の上下方向(鉛直方向)に伸びる軸であり、支持部14の上面S3に設けられた挿通孔を介して、支持部14の上方に突出している。リンク機構16は、エアシリンダ16Gを中心として線対称の構成である。エアシリンダ16Gは上下方向(鉛直方向)に移動可能となっている。
【0049】
またエアシリンダ16Gの下方の端部は、支持部14の内側において、リンク16Aと連結する。リンク16Aは、エアシリンダ16Gおよび搬送方向Tに直交する方向(物品XA1の幅方向、同図(a)、(b)の左右方向)に伸び、両端がピン16Eによってそれぞれリンク16Bの一端に連結する。リンク16Bの他端は、ピン16Eよりも物品XA1の幅方向において広がった位置にあるピン16Fと連結する。これによりリンク16Bは、上方から下方に向かって広がるように傾斜した状態で連結される。ピン16Fには、リンク16Cの一端が連結する。リンク16Cは、同図(a)、(b)の正面視において、回転軸19の左右で分割されている。左右のリンク16Cは一方の端部で共に回転軸19と連結し、他方の端部でそれぞれ、右側のピン16F、左側のピン16Fに連結する。これにより、リンク16Cは、第三のローラ13の回転軸19の周りに所定角度で回動可能となっている。また、各リンク16Cのピン16Fの近傍には、下方に伸びるアーム21、22が固定されている。
【0050】
前方側面S1側のアーム21と後方側面S2側のアーム21は、第一のローラ11の回転軸20Aによって連結されており、1つのアーム21として動作する。同様に、前方側面S1側のアーム22と後方側面S2側のアーム22は、第二のローラ12の回転軸20Bによって連結されており、1つのアーム22として動作する。
【0051】
つまりアーム21の先端に、第一のローラ11が回転軸20Aの中心(中心軸C1)の周りに回転自在に取り付けられ、アーム22の先端に、第二のローラ12が回転軸20Bの中心(中心軸C2)の周りに回転自在に取り付けられる。回転軸C1〜C3はいずれも搬送方向Tに沿う方向(平行な方向)に延在する(同図(c))。
【0052】
図4を参照して、位置合わせ装置10による物品XA1の保持と、位置合わせの方法について説明する。図4は、位置合わせ装置10の正面図であり、支持部14を破線で示している。
【0053】
まず、同図(a)を参照して、物品XA1を開放する状態について説明する。
【0054】
既述のとおり、リンク機構16は、リンク16Cの一端が第三のローラ13の回転軸19に固定されることによって、支持部14にも固定されている。そして、エアシリンダ16Gが、支持部14に対して上方に引き上げられると(支持部14の上面S1から離間するように引き上げられると)、リンク16Aが上方に移動し、ピン16Eの位置が上がる。これによりピン16Eに連結するリンク16Bが上方に引かれ、リンク16Bの下端側は内側上方に移動してリンク16Bの傾斜角度が大きくなる。第三のローラ13の回転軸19の周りに所定角度で回動可能となっているリンク16Cは、リンク16Bの下端側が内側上方に移動することによって左右両端が上方(エアシリンダ16Gに近づく方向)に回動し、リンク16Cは左右両端が上がるように傾斜する。これにより、リンク16Cの左右両端に固定されている、アーム21,22が互いに離間するように移動し、アーム21,22の先端に取付けられている第一のローラ11および第二のローラ12が離間し、物品XA1を開放する。
【0055】
次に同図(b)を参照して、物品XA1を保持する状態について説明する。
【0056】
物品XA1の保持位置において、エアシリンダ16Gが支持部14に対して下方に押し込まれると(支持部14の上面S1に近づくように押し込まれると)、リンク16Aが下方に移動し、ピン16Eの位置が下がる。ピン16Eに連結するリンク16Bも下方に押され、リンク16Bの下端側は同図(b)の左右方向に広がる(リンク16Bの傾斜角度が緩くなる)。第三のローラ13の回転軸19の周りに所定角度で回動可能となっているリンク16Cは、リンク16Bの下端側が左右方向に広がることによって水平に近づくように回動し、アーム21,22が互いに近づくように移動する。これによってアーム21,22の先端に取付けられている第一のローラ11および第二のローラ12が互いに近接し、物品XA1の外表面(外周面)と当接してこれを保持する。
【0057】
アーム21,22は内側に曲折した形状であり、物品XA1を抱え込むように保持する。またアーム21,22が物品XA1を保持した場合には、物品XA1の他の外表面(外周面)が第三のローラ13と当接するように、物品XA1のサイズ(直径)に応じて第三のローラ13に対する第一のローラ11、および第二のローラ12の位置が設定されている。
【0058】
この状態で、駆動モータの回転力が回転駆動手段15および回転軸19を介して第三のローラ13に伝達され、第三のローラ13の回転によって物品XA1が周方向に回転される。第一のローラ11と第二のローラ12は、物品XA1を回転自在に保持するのみであるので、回転駆動手段15から伝達される回転量に応じて、物品XA1を自在に回転することができる。
【0059】
ここで、図3(c)に示すように、第一のローラ11、第二のローラ12の回転軸20A,20Bの長さL1は、物品XA1の本体部31の長手方向の長さL2と同等以下とし、また各ローラはいずれも、物品XA1の回転によってノズル部32が回転する空間(図3(c)に破線丸印で示す空間)と干渉しない位置に設けられている。
【0060】
第一のローラ11および第二のローラ12は、物品XA1を保持する手段であるので、その回転軸20A,20B方向の長さL1(回転軸20A,20Bの長さ)が長い方が安定性がよくなるので好ましい。しかし、その長さL1が本体部31の長手方向の長さL2より長い場合、ノズル部32が回転した場合に干渉する恐れがある。第一のローラ11および第二のローラ12が本体部31より短くても、ノズル部32が回転する空間と干渉する位置に設けられている場合も同様である。なお、長さL1がL2よりも長い場合、物品XA1のノズル部32を第一のローラ11および第二のローラ12からはみ出して保持することも可能であるが、長さL1はL2と同等以下が好ましい。
【0061】
従って、第一のローラ11および第二のローラ12の長さL1は最長でも物品XA1の本体部31の長さL2と同等以下とする。なお、第三のローラ13は、物品XA1の外周面の一部と当接して回転力を伝達できればよく、第一のローラ11および第二のローラ12よりも、その回転軸19方向の長さは短くて良い。
【0062】
このようにすることで、ノズル部を有する物品XA1であっても、位置合わせ装置10との干渉を避けて、自由に周方向に回転させることができる。
【0063】
なお、物品XA1の回転中も、位置合わせ装置10は、搬送手段18によって搬送されている。
【0064】
再び図1および図4を参照して、位置合わせシステム1を用いた位置合わせ方法について説明する。
【0065】
物品XA1は、搬送路5上に載置され、フィンガーコンベア4によって保持位置まで押送される。物品XA1のノズル部32は搬送路5間の空間に収容された状態で搬送される。
【0066】
センサ3が、物品XA1が保持位置に搬入されたことを検知すると、制御手段8は、保持位置の上流で、カメラ2によって物品XA1の向き(ラベル22または位置合わせマークの位置)を撮影するよう制御し、画像認識手段9は物品XA1の向きを解析する。制御手段8は、画像認識手段9の検出結果に基づき、ラベル33が所定方向(適正な方向)に向くような物品XA1の回転量を算出し、当該回転量に基づき位置合わせ装置10を制御する。
【0067】
物品XA1が保持位置(位置合わせ装置10の下方)まで押送されると、位置合わせ装置10が下降して物品XA1を保持し、搬送路5の上方に持ち上げる。
【0068】
より詳細には、保持位置にて搬送手段18が下降することによって3つの位置合わせ装置10が一体的に下降し、それぞれの第一のローラ11および第二のローラ12が搬送路5に近接する。そしてこの状態で、エアシリンダー16Gをリンク16Aに対して下方に押し込む。
【0069】
これにより、図4(a)に示す様に、リンク16A、リンク16Bが下方に移動し、リンク16Cが水平に近づくように移動してアーム21,22が互いに近接し、第一のローラ11および第二のローラ12が物品XA1を上方に浮かせて保持するとともに、第三のローラ13が物品XA1の外周面に当接する。
【0070】
制御手段8は、搬送手段18のレール18Aに沿って、各支持部14を搬送方向Tに移動させつつ、算出した回転量に基づき、回転駆動手段15を制御する。回転駆動手段15は第三のローラ13を駆動し、所定の回転量だけ物品XA1を回転させる。すなわち、位置合わせ装置10は、フィンガーコンベア4および搬送路5から離間させた(浮かせた)状態で物品XA1を、レール18Aに沿って搬送方向Tに搬送しつつ、物品XA1の中心軸(略円柱状の本体部31の中心軸C0)の周りに回転し、位置合わせを行う。
【0071】
位置合わせ装置10は、フィンガーコンベア4および搬送路5から上方に浮かせた状態で、物品XA1を回転させる。また、第一のローラ11,第二のローラ12および第三のローラ13はいずれも、回転軸方向の長さが物品XA1の本体部31と同等以下の長さであって、ノズル部32の回転空間と干渉しない位置に設けられている。
【0072】
このような構成により、ノズル部32を有する物品XA1であっても、ノズル部32が搬送手段(フィンガーコンベア4,搬送路5)や位置合わせ装置10に干渉することなく、位置合わせを行うことができる。
【0073】
物品XA1の位置合わせが適切に行われた後は、搬送手段18を下降させて、各位置合わせ装置10を下降させ、物品XA1を搬送路5上に開放する。具体的には、開放位置において位置合わせ装置10を下降させ、物品XA1を搬送路5上に載置した状態でエアシリンダ16Gを上方に引き上げる。これによりリンク16A、リンク16Bも上方に引かれ、その下端側は支持部14の内側方向に入り込み、リンク16Cの左右両端に固定されているアーム21,22が互いに離間するように移動する。これにより、アーム21,22の先端に取付けられている第一のローラ11および第二のローラ12が離間して、物品XA1を搬送路5上に開放する。そして、位置決め装置10は、搬送方向下流側への移動速度よりも速い速度で上流側に移動する。
【0074】
このような構成によれば、物品XA1を搬送路5の上で移動させる(滑らせる)間は、物品XA1を周方向に回転させるための負荷(第三のローラ13を押しつけることによる負荷)が係らず、物品XA1を周方向に回転させる位置合わせの間は、物品XA1を搬送方向Tに搬送しつつも、搬送路5から浮かせた状態(非接触の状態)にできる。また、このときに物品XA1を保持するのは、物品XA1の回転と同期して回転自在な第一のローラ11および第二のローラ12のみである。従って、周方向に回転させる位置合わせ中も搬送面(ガイドローラ)と接触しながら(押さえつけながら)搬送される従来技術と比較して、物品XA1の外表面の傷(特に搬送方向に滑らせることによる傷)の発生を大幅に低減することができる。
【0075】
このようにして本実施形態では、位置合わせシステム1によって、物品XA1を搬送しつつ、物品XA1のラベル33が所定の方向を向くように、物品XA1を回転軸Cの周りに回転させて位置合わせを行う。そして図示は省略するが、位置合わせシステム1の下流工程では、物品XA1の底部などに印字などを行う。位置合わせシステム1によって物品XA1のラベルの位置を所定方向に合わせられているので、ラベル33に対して決まった位置に印字などを行うことができる。また、下流工程において、物品XA1を箱詰めする場合には、物品XA1を所定の向きにして箱詰めすることができる。
【0076】
<他の実施形態>
図5を参照して、本発明の位置合わせシステム1´の他の形態について説明する。図5は、他の形態の位置合わせシステム1´の概略を示す側面図である。
【0077】
上述の実施形態では、保持位置まで搬送路5上に載置した物品XA1をフィンガーコンベア4で押送する方法を例に説明したが、位置合わせ装置10は、保持位置およびその近傍に待機するようにせず、位置合わせシステム1の上流端から下流端まで移動可能とし、全て位置合わせ装置10によって物品XA1を搬送するようにしてもよい。
【0078】
搬送手段18´は、例えば複数の位置合わせ装置10に共通の1つのレール18A´を備えている。複数の位置合わせ装置10(支持部14)は、1つのレール18A´上を上流側から下流側まで移動可能となっている。
【0079】
この位置合わせシステム1´は、上流端において、第一のローラ11,第二のローラ12および第三のローラ13の間に物品XA1が供給される。この場合、エアシリンダ16Gを押し下げてアーム21、22を開放した状態にするのであるが、最大限の開放状態とせず、アーム21、22によって物品XA1が落下しないように保持でき、且つ供給される物品XA1が干渉しない程度に(最小限に)開放するとよい。
【0080】
その後、エアシリンダ16Gを引き上げてアーム21,22を閉じて第一のローラ11,第二のローラ12によって物品XA1を確実に保持するとともに、第三のローラ13に当接させる。
【0081】
そして各位置合わせ装置10を下流側まで移動させる。つまり、第1実施形態と同様に物品XA1を搬送しつつ、周方向に回転させて位置合わせを行う。各位置合わせ装置10は、開放位置、すなわち位置合わせシステム1´の下流端でアーム21、22を開放し、下流工程の搬送手段に物品XA1を移載する。
【0082】
この実施形態では、位置合わせシステム1´の上流端から下流端に至るまで、位置合わせ装置10による搬送のみで物品XA1を搬送することができる。つまり、上述の実施形態のようなフィンガーコンベア4や搬送路5が不要であって、位置合わせ装置10を搬送路5から離間させる(物品XA1を上方に浮かせる状態にする)必要が無い(搬送手段18の上下移動が全くないか僅かである)。
【0083】
つまりこの実施形態では、物品XA1を搬送路5上で滑らせて移動する必要が無いので、物品XA1の外表面の傷の(特に搬送方向Tに滑らせることによる傷)発生を第1実施形態と比較して更に低減することができる。
【0084】
また、位置合わせ装置10が物品XA1を回転する部分のみ搬送面を設けないようにしてもよい。具体的には、例えばフィンガーコンベアの場合、当該箇所の物品XA1を載置する搬送板を除去、又は他の搬送面よりも低くする。この場合、物品XA1をフィンガーから離間して回転するとよい。
【0085】
また、位置合わせ装置10は、リニア駆動によって移動してもよい。このようにすることで、ランダム状に搬送される物品XA1を受け取り、所定の間隔で引き渡すことができる。
【0086】
更にまた、各位置合わせ装置10を独立して昇降させる昇降手段を設けてもよい。位置合わせシステム1´の下方に搬送手段を配置した場合、位置合わせ装置10は、物品XA1の搬送速度と同期させて物品XA1の保持し、下流の搬送手段に移載できる。
【0087】
図6は、位置合わせ装置10の他の形態を示す正面図である。
【0088】
同図に示すように、例えば支持部14等に、ノズル部32の回転量を規制する回動式のストッパー50を設けても良い。例えば、本体部31が円筒形状の物品XA1に対して、ラベル33を図示の真下に位置合わせるとともに、ノズル部32のノズルの伸びる方向(角度)を真下から所定角度(例えば、図示の状態で反時計回りに45度)の角度αに合わせたい場合がある。例えば、物品形状が不安定な物の場合に、物品XA1の搬送手段における搬送面との接地部と、ノズル部32の先端とで物品XA1の姿勢を安定させて搬送できる。
【0089】
このような場合に、ノズル部32の移動(回転)が真下から45度回転した状態で規制されるようなストッパー50を設けるとよい。また、この場合、第一のローラ11,第二のローラ12および第三のローラ13で保持する本体部31は、必ず1周以上回転させてから位置合わせを行う。1周以上回転させることで、物品XA1を保持した状態でノズル部32がストッパー50を反時計回りの方向において超えてしまっている場合であっても、ストッパー50に接触させることができる。
【0090】
このような構成によれば、物品XA1毎に本体部31の位置合わせのための周方向の回転量がばらついていても、また、物品XA1の供給時において本体部31のラベル33に対して、ノズル部32の位置がばらついていても、位置合わせシステム1の下流側において本体部31のラベル33を確実に位置合わせするとともに、ラベル33に対するノズル部32の位置も揃えることができる。
【0091】
以上、本発明は上述の実施形態に限らず、各種の変形または応用が可能である。例えば、本発明の位置合わせ装置10は、物品XA1を搬送方向に沿う第一の軸または該第一の軸に交差する第二の軸を中心に回転させる回転駆動手段と、物品XA1を回転可能に保持する複数のローラと、複数のローラを一体的に搬送する搬送手段と、を備えるものであればよい。従って、位置合わせ装置10の駆動手段18は、位置合わせ装置10の下方に設けられて複数のローラ(支持部)を一体的に搬送するものであってもよい。
【0092】
また、ローラの数は3つに限らず、例えば、物品XA1を周方向に回転させるためのローラ(第三のローラ13に対応するローラ)が複数あってもよいし、物品XA1を保持する第一のローラ11および第二のローラ12に対応するローラが3つ以上あってもよい。
【0093】
また、上述した物品XA1の略円柱形状とは、断面形状が略円形であればよく、例えば八角柱などの多角柱であってもよい。また、断面形状が楕円形状(楕円柱)であってもよい。さらには、円柱状に限らず、第一のローラ11,第二のローラ12の形状を適切に選択することにより、鼓形状などであっても同様に実施でき、同様の効果が得られる。
【0094】
また、位置合わせ装置10は、物品XA1を搬送方向Tに交差(直交)する第二の軸を中心に回転させるものであってもよい。つまり、図1の位置合わせシステム1において物品XA1はノズル部32が上方で本体部32の底部が下方になるように起立状態で搬送され、位置合わせ装置10は、3つのローラ11〜13で物品XA1を保持し、起立状態で搬送しつつ、搬送方向Tに直交する方向(鉛直方向)に伸びる物品XA1の中心軸C0の周りに物品XA1を回転させるものであってもよい。この場合、第一のローラ11〜第ローラ13の中心軸C0〜C3の延在方向も、鉛直方向となる。
【0095】
また、フィンガーコンベア4は、ボックスモーションを行う複数の押送部材を備えた搬送装置でもよい。
【0096】
また、カメラ2は、反射式の光電センサでもよい。
また、レール18A'は、環状のものでもよい。
【符号の説明】
【0097】
XA1 物品
1 位置合わせシステム
10 位置決め装置
11 第一のローラ
12 第二のローラ
13 第三のローラ
14 支持部
16 リンク機構
21、22 アーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6