(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ガイド装置は、前記第1ガイド部の第1ガイド面から鉛直方向の上方に突出して前記製函用シート材の下面をガイドするガイドロールを有することを特徴とする請求項1に記載のシート積重装置。
前記第1ガイド部は、鉛直方向に貫通する第1切欠部が設けられ、前記ガイドロールは、外周面の一部が前記第1切欠部を通して前記第1ガイド面から上方に突出することを特徴とする請求項2に記載のシート積重装置。
前記第2ガイド部は、水平方向に貫通する第2切欠部が設けられ、前記ガイドロールは、外周面の一部が前記第2切欠部を通して第2ガイド面から前記ホッパ部側に突出することを特徴とする請求項3に記載のシート積重装置。
前記第1ガイド部と前記第2ガイド部は、L字断面形状をなすガイド板により構成され、前記第1切欠部と前記第2切欠部は、前記ガイド板の屈曲部を含む領域に貫通する1個の切欠部として構成されることを特徴とする請求項4に記載のシート積重装置。
前記送り出し部における前記ホッパ部側を覆うカバーが配置され、前記ガイド装置は、前記カバーに装着されることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のシート積重装置。
前記ガイド装置は、第1ガイド部における鉛直方向の位置を調整する第1調整装置を有することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のシート積重装置。
前記ガイド装置は、第2ガイド部における水平方向の位置を調整する第2調整装置を有することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のシート積重装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、このような製函機において、高速化が進んでいるが、生産速度を速めると、段ボール箱の挙動が不安定となり、この段ボール箱を正しい姿勢でホッパ上に順に積み重ねていくことが困難となる。特に、軽量で大サイズの段ボール箱は、十分な剛性がないことから、送り出しロールにより水平状態でホッパの上方に送り出されたとき、この段ボール箱の先端部が下方に向けて前傾する。すると、段ボール箱は、先端部が曲がった状態で積み重ねられることから、レッジがホッパ内に進入して段ボール箱を集積してスタックを形成するとき、レッジの先端部と段ボール箱の先端部が接触し、段ボール箱が折れてしまう。また、段ボール箱は、先端部が下方に向けて前傾すると、この先端部が先に積み重ねられた段ボール箱に接触した後、前傾したままの状態でホッパ内に留まり、後続の段ボールシートが適正に積み重ねられなくなる場合がある。また、前傾したままの状態でホッパ内に留まった段ボール箱の後端部に、ホッパ内に進入してくるレッジの先端部が接触し、段ボール箱の後端部が折れてしまうという課題がある。
【0006】
本発明は上述した課題を解決するものであり、製函用シート材の高速搬送に対して製函用シート材の損傷発生を抑制すると共に製函用シート材を所定の姿勢で適正に積み重ねることができるシート積重装置、カウンタエゼクタ、製函機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本発明のシート積重装置は、製函用シート材を積重するホッパ部と、前記製函用シート材を前記ホッパ部に送り出す送り出し部と、を備えるシート積重装置において、前記送り出し部と前記ホッパ部との間に配置されて前記製函用シート材の下面をガイドする水平方向に沿う第1ガイド部と前記製函用シート材の後端部をガイドする鉛直方向に沿う第2ガイド部とを有するガイド装置を設けることを特徴とするものである。
【0008】
従って、送り出し部により製函用シート材が送り出されると、この製函用シート材は、下面が第1ガイド部に支持されることで、先端部の下方への前傾が抑制され、ホッパ部に積み重ねられた製函用シート材への衝突が回避されて先端部の損傷を抑制することができる。また、製函用シート材は、送り出し部から抜けると、自由状態になるが、後端部が第2ガイド部に支持されることで、水平状態が保持されながら適正に重ねることができる。その結果、製函用シート材の高速搬送に対して製函用シート材の損傷発生を抑制することができると共に、製函用シート材を所定の姿勢で適正に積み重ねることができる。
【0009】
本発明のシート積重装置では、前記ガイド装置は、前記第1ガイド部の第1ガイド面から鉛直方向の上方に突出して前記製函用シート材の下面をガイドするガイドロールを有することを特徴としている。
【0010】
従って、ガイドロールが第1ガイド面から上方に突出していることから、送り出し部により送り出された製函用シート材は、下面が回転するガイドロールに支持されることとなり、製函用シート材における下面の擦り傷の発生を抑制することができる。
【0011】
本発明のシート積重装置では、前記第1ガイド部は、鉛直方向に貫通する第1切欠部が設けられ、前記ガイドロールは、外周面の一部が前記第1切欠部を通して前記第1ガイド面から上方に突出することを特徴としている。
【0012】
従って、ガイドロールが第1切欠部を通して第1ガイド面から上方に突出することで、製函用シート材は、下面が第1ガイド面とガイドロールに支持されることとなり、製函用シート材を適正にガイドすることができる。
【0013】
本発明のシート積重装置では、前記第2ガイド部は、水平方向に貫通する第2切欠部が設けられ、前記ガイドロールは、外周面の一部が前記第2切欠部を通して第2ガイド面から前記ホッパ部側に突出することを特徴としている。
【0014】
従って、ガイドロールが第2切欠部を通して第2ガイド面から前方に突出しており、送り出される製函用シート材によりガイドロールが回転することから、製函用シート材は、後端部が回転するガイドロールに接触して下方に押し下げられることとなり、製函用シート材の挙動を安定させてホッパ部に適正に重ねることができる。
【0015】
本発明のシート積重装置では、前記第1ガイド部と前記第2ガイド部は、L字断面形状をなすガイド板により構成され、前記第1切欠部と前記第2切欠部は、前記ガイド板の屈曲部を含む領域に貫通する1個の切欠部として構成されることを特徴としている。
【0016】
従って、第1ガイド部と第2ガイド部をガイド板により構成し、ガイド板の屈曲部を含む領域に第1切欠部と第2切欠部を貫通して1個の切欠部として形成するため、構造を簡素化することができると共に、加工コストを抑制することができる。
【0017】
本発明のシート積重装置では、前記ガイド板は、幅方向に分割される複数の分割ガイド板から構成されることを特徴としている。
【0018】
従って、ガイド板を幅方向に分割することで、加工精度を向上することができると共に、加工コストを抑制することができる。
【0019】
本発明のシート積重装置では、前記送り出し部における前記ホッパ部側を覆うカバーが配置され、前記ガイド装置は、前記カバーに装着されることを特徴としている。
【0020】
従って、ガイド装置を送り出し部のカバーに装着することで、既設の部材を介してガイド装置を支持することができ、取付部材の増加を抑制してコストの増加を抑制することができると共に、組付けの容易性を向上することができる。
【0021】
本発明のシート積重装置では、前記ガイド装置は、第1ガイド部における鉛直方向の位置を調整する第1調整装置を有することを特徴としている。
【0022】
従って、ガイド装置の組立時に、第1調整装置により第1ガイド部における鉛直方向の位置を調整することで、第1ガイド部を最適位置に配置することができる。
【0023】
本発明のシート積重装置では、前記ガイド装置は、第2ガイド部における水平方向の位置を調整する第2調整装置を有することを特徴としている。
【0024】
従って、ガイド装置の組立時に、第2調整装置により第2ガイド部における水平方向の位置を調整することで、第2ガイド部を最適位置に配置することができる。
【0025】
本発明のシート積重装置では、前記送り出し部は、上部送り出しロールと円周溝が形成された下部送り出しロールを有し、前記ガイド装置は、基端部が前記第1ガイド部に連結される第3ガイド部を有し、前記第3ガイド部は、先端部が前記円周溝内に配置されることを特徴としている。
【0026】
従って、第1ガイド部と下部送り出しロールとの間に第3ガイド部を配置することで、送り出しロールにより送り出された製函用シート材を第3ガイド部により適正に第1ガイド部に搬送することができる。
【0027】
また、本発明のカウンタエゼクタは、前記シート積重装置を備え、前記製函用シート材を計数しながら積み重ねた後、所定数のバッチに仕分けして排出する、ことを特徴とするものである。
【0028】
従って、送り出し部により製函用シート材が送り出されると、この製函用シート材は、下面が第1ガイド部に支持されることで、先端部の下方への前傾が抑制され、ホッパ部に積み重ねられた製函用シート材への衝突が回避されて先端部の損傷を抑制することができる。また、製函用シート材は、送り出し部から抜けると、自由状態になるが、後端部が第2ガイド部に支持されることで、水平状態が保持されながら適正に重ねることができる。その結果、製函用シート材の高速搬送に対して製函用シート材の損傷発生を抑制することができると共に、製函用シート材を所定の姿勢で適正に積み重ねることができる。
【0029】
また、本発明の製函機は、製函用シート材を供給する給紙部と、前記製函用シート材に印刷を行う印刷部と、前記製函用シート材に対して表面に罫線加工を行うと共に溝切り加工を行う排紙部と、前記製函用シート材を折り畳んで端部を接合することで箱体を形成するフォルダグルア部と、前記箱体を計数しながら積み上げた後に所定数ごとに排出するカウンタエゼクタ部と、を備え、前記カウンタエゼクタ部として前記カウンタエゼクタが適用される、ことを特徴とするものである。
【0030】
従って、給紙部からの製函用シート材に対して印刷部で印刷が行われ、排紙部で罫線加工と溝切り加工が行われ、フォルダグルア部で折り畳んで端部が接合されて箱体が形成され、カウンタエゼクタ部で箱体が計数されながら積み上げられる。このとき、カウンタエゼクタ部にて、送り出し部により製函用シート材が送り出されると、この製函用シート材は、下面が第1ガイド部に支持されることで、先端部の下方への前傾が抑制され、ホッパ部に積み重ねられた製函用シート材への衝突が回避されて先端部の損傷を抑制することができる。また、製函用シート材は、送り出し部から抜けると、自由状態になるが、後端部が第2ガイド部に支持されることで、水平状態が保持されながら適正に重ねることができる。その結果、製函用シート材の高速搬送に対して製函用シート材の損傷発生を抑制することができると共に、製函用シート材を所定の姿勢で適正に積み重ねることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明のシート積重装置、カウンタエゼクタ、製函機によれば、送り出し部とホッパ部との間に製函用シート材の下面をガイドする水平方向に沿う第1ガイド部と製函用シート材の後端部をガイドする鉛直方向に沿う第2ガイド部とを有するガイド装置を配置するので、製函用シート材の高速搬送に対して製函用シート材の損傷発生を抑制することができると共に、製函用シート材を所定の姿勢で適正に積み重ねることができる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るシート積重装置、カウンタエゼクタ、製函機の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
【0034】
まず、本実施形態の製函機について説明する。
図1は、本実施形態の製函機を表す概略構成図である。
【0035】
本実施形態において、
図1に示すように、製函機10は、段ボールシートSを加工することで段ボール箱(箱体)Bを製造するものである。この製函機10は、段ボールシートS及び段ボール箱Bを搬送する方向に直線状をなして配置された給紙部11、印刷部12、排紙部13、ダイカット部14、フォルダグルア部15、カウンタエゼクタ部16とから構成されている。
【0036】
給紙部11は、板状の段ボールシートSが多数積載された状態で搬入され、この段ボールシートSを一枚ずつ送り出し、一定の速度で印刷部12に送るものである。印刷部12は、段ボールシートSの表面に多色刷り(本実施形態では、4色刷り)を行うものである。この印刷部12は、4つの印刷ユニット12A,12B,12C,12Dが直列をなして配置され、段ボールシートSの表面に4つのインキ色を使用して印刷を行うことができる。排紙部13は、段ボールシートSに対して、罫線加工を施すと共に溝切り加工を施すものである。
【0037】
ダイカット部14は、段ボールシートSに対して、手穴用の穴開け加工を施すものである。フォルダグルア部15は、段ボールシートSを搬送方向に移動させながら折り畳み、幅方向の両端部を接合して扁平状の段ボール箱Bを形成するものである。カウンタエゼクタ部16は、フォルダグルア部15により製造された段ボール箱Bを計数しながら積み重ねた後、所定数のバッチに仕分けして排出するものである。
【0038】
次に、本実施形態のカウンタエゼクタ部16について詳細に説明する。
図2は、本実施形態のカウンタエゼクタを表す概略構成図である。
【0039】
本実施形態のカウンタエゼクタ部(カウンタエゼクタ)16は、
図2に示すように、本実施形態のシート積重装置20を有している。このシート積重装置20は、シート状をなす段ボール箱(製函用シート材)Bを積重するホッパ部21と、段ボール箱Bをホッパ部21に送り出す送り出しロール(送り出し部)22と、送り出しロール22とホッパ部21の間に配置されるガイド装置23とを備えている。
【0040】
カウンタエゼクタ16は、入口部の機械幅方向における両側にフレーム31がそれぞれ立設されており、このフレーム31は、フォルダグルア部15の出口部(最後部)コンベア用ローラ32と、上下一対の送り出しロール22とが取付けられている。送り出しロール22は、上部送り出しロール22Aと下部送り出しロール22Bを有し、段ボール箱Bを上下から挟んで水平方向に沿う搬送経路に送り出す。
【0041】
各送り出しロール22は、下部にスタック(段ボール箱Bが複数枚積み重なったもの)Tの後端部を押圧するスパンカ33が設けられている。このスパンカ33は、段ボール箱Bの後端部が当接する当接面33aが設けられ、この当接面33aは、中間部より下部が鉛直方向に沿って設けられているが、当接面33aの上部の上端が段ボール箱Bの搬送方向の上流側へシフトするように傾斜している。
【0042】
送り出しロール22は、出口側の
下方に段ボール箱Bを積み重ねていくことによりスタックTを形成する空間が設けられ、この空間がホッパ部21となっている。送り出しロール22は、このホッパ部21の上方空間に向けて段ボール箱Bを送り出す。
【0043】
また、送り出しロール22は、段ボール箱Bの搬送方向の下流側に対向して、フォルダグルア部15から排出された段ボール箱Bを減速させながら停止させる可撓性のフロントストップ34が前後方向に移動可能に支持されている。即ち、このフロントストップ34は、レッジ支持体35の支持部35aに対して、図示しないモータ等によって前後方向に移動可能に設けられている。フロントストップ34は、可撓性の材料で形成された可撓性ストッププレート34aを有しており、段ボール箱Bの前端部が当接すると、自ら弾性変形しつつ段ボール箱Bを減速させながら搬送方向の動きを停止させることができる。但し、可撓性ストッププレート34aは、下部に、例えば、金属等の剛性の高い材料で形成された高剛性ストッププレート34bが設けられており、スパンカ33によりスタックTの後端部が押圧される際に、このスタックTの前縁部でスタックTの動きを規制することができる。
【0044】
ホッパ部21は、下方にエレベータ36が設けられており、レッジ37から途中まで集積されたスタックTが受け渡され、このスタックT上にフロントストップ34に当たって落ちた段ボール箱Bを受け、これを集積して所定枚数のスタックTを形成することができる。このエレベータ36は、送り出しロール22より少し前方側の下方に水平をなして配置されており、ラック38aの設けられた支持軸39に支持され、ラック38aと、ラック38aに噛合するピニオン38bと、ピニオン38bに結合されたサーボモータ40とからなる駆動機構により上下方向に往復動可能に構成されている。
【0045】
カウンタエゼクタ16は、ホッパ部21より段ボール箱Bの搬送方向の下流側の機械幅方向の両側にサイドフレーム41がそれぞれ設けられており、このサイドフレーム41に水平をなすレール42が設けられ、両側のレール42にレッジ支持体35が走行可能に支持されている。つまり、レッジ支持体35は、レール42上を走行するローラ43と、レール42に沿って設けられた図示しないラックと噛合する図示しないピニオンと、このピニオンを回転駆動するレッジ前後サーボモータ44とが設けられている。そのため、レッジ前後サーボモータ44を駆動して正逆回転することによりレッジ支持体35を前後方向に移動することができる。
【0046】
このレッジ支持体35は、昇降機構45を介して水平に延びるレッジ37が設けられている。昇降機構45は、図示しないが、ラック・ピニオン機構と、このピニオンを回転
駆動するレッジ昇降サーボモータ等から構成され、サーボモータの正逆回転により、レッジ支持体35を昇降することができる。
【0047】
このレッジ37は、フロントストップ34に当接して落下した段ボール箱Bを受けてこの段ボール箱Bを集積してスタックTを形成する。そしてこのスタックTを形成する途中で、これをエレベータ36に受け渡し、その後、エレベータ36上でさらに段ボール箱Bが集積されてスタックTが設定枚数に達したら、再び作動して次のスタックTを形成するためにエレベータ36に替わって段ボール箱Bを受け取る。
【0048】
レッジ37は、スタックTを押圧するプレスバー46が昇降機構(図示略)により昇降可能に支持されている。この昇降機構も、図示しないラック・ピニオン機構と、このピニオンを回転駆動する図示しないプレスバー昇降サーボモータとから構成され、サーボモータの正逆回転により、プレスバー46を昇降することができる。
【0049】
下部コンベア47は、エレベータ36が最下降したときのエレベータ36の上面と同じ高さレベルに設けられ、更にその下流側には排出コンベア48が下部コンベア47と同レベルの高さ位置に設けられている。これら下部コンベア47及び排出コンベア48は、それぞれ下部コンベア用サーボモータ47a及び排出コンベア用サーボモータ48aにより駆動される。下部コンベア47は、入口先端位置が最小長さ(搬送方向長さが最小)の段ボール箱Bであっても受けることが可能なようにプッシャ49の十分近くに位置すべく、エレベータ36の奥まで入り込んで設置されている。
【0050】
下部コンベア47及び排出コンベア48は、上方に下部コンベア47及び排出コンベア48と相まってスタックTを挟持する上部コンベア51が移動機構51aを介して高さ方向位置調整可能に支持されている。また、上部コンベア51は、前後方向にも移動可能であり、段ボール箱Bに合わせフロントストップ34と連動してこのフロントストップ34から一定の距離まで移動すべく構成されている。
【0051】
そして、
エレベータ36は、上方(即ち、ホッパ部21の上方)に送り出しロール22から送り出される段ボール箱Bの上面に対して、上方から下向きにエアAFを吹き付けるファン(送風装置)52,53が設けられている。ファン52は、両サイドフレーム41に支持された梁41aに固定された固定ファン(固定送風装置)であり、ファン53は、フロントストップ34を支持する支持部35aに固定され、フロントストップ34と共に前後方向に移動する可動ファン(可動送風装置)である。
【0052】
本実施形態では、固定ファン52は何れも両サイドフレーム41の上端付近の送り出しロール22の出口の高さレベルに対して上方に大きく離隔した位置に配置され、一方、可動ファン53は何れもフロントストップ34の上端付近の送り出しロール22の出口の高さレベルに対して上方に位置するが比較的近い位置に配置されている。これにより、搬送方向の上流側の固定ファン52は、段ボール箱Bから離隔することにより、風速は低下するが送風範囲が広がるので、可動ファン53を作動させなくても、段ボール箱Bの搬送方向のサイズが大きくない限り、段ボール箱Bの全面に対して風を当てることができる。
【0053】
一方、搬送方向の下流側の可動ファン53は、段ボール箱Bに接近しているため、段ボール箱Bの前端部に対して部分的に強い風を送ることができ、固定ファン52のみでは全風量が不足する場合に用いれば、効果的に使用することができる。更に、可動ファン53は、フロントストップ34側に固定されるため、シート長に応じて自動で段ボール箱Bの前端部に風が吹くよう調整される。
【0054】
何れのファン52,53も、送風方向を鉛直下方、つまり、送り出しロール22から送り出される段ボール箱Bの面の適正な方向であるほぼ水平方向に対して、直交する方向に向けており、何れのファン52,53も、周囲をダクト52a,53aで覆われており、ダクト52a,53aにより整流されながら送風方向が鉛直下方を向くようになっている。
【0055】
ここで、ガイド装置23について詳細に説明する。
図3は、本実施形態のシート積重装置におけるガイド装置を表す正面図、
図4は、ガイド装置を表す平面図、
図5は、ガイド装置における前後調整装置を表す縦断面図、
図6は、ガイド装置における上下調整装置を表す縦断面図、
図7は、
ガイド板とガイドロールの関係を表す概略図である。
【0056】
ガイド装置23は、
図2から
図6に示すように、ホッパ部21と送り出しロール22との間に配置され、第1ガイド部61と、第2ガイド部62とを有している。第1ガイド部61は、シート状の段ボール箱Bの下面をガイドするものであり、水平方向に沿って配置されている。第2ガイド部62は、シート状の段ボール箱Bの後端部をガイドするものであり、鉛直方向に沿って配置されている。
【0057】
第1ガイド部61と第2ガイド部62は、L字断面形状をなすガイド板63により構成されている。ガイド板63は、所定厚さ、所定幅、所定長さを有し、第1ガイド部61を構成する水平部64と、第2ガイド部62を構成する鉛直部65と、水平部64と鉛直部65を接続する屈曲部66とから構成されている。水平部64は、水平方向に沿って配置されているものの、段ボール箱Bの搬送方向に対しては、ホッパ部21側から送り出しロール22側に向けてやや下方に傾斜したものとなっている。但し、水平部64は、この配置に限らず、水平としたり、ホッパ部21側から送り出しロール22側に向けてやや上方に傾斜したものとしたりしてもよい。また、水平部64は、ホッパ部21側を水平として途中から屈曲または湾曲して送り出しロール22側に向けてやや下方または上方に傾斜したものとしてもよい。
【0058】
鉛直部65は、鉛直方向に沿って配置されている。但し、鉛直部65は、この配置に限らず、下端部をホッパ部21側または送り出しロール22側に向けて傾斜したものとしたりしてもよい。屈曲部66は、約90度に湾曲しており、水平部64におけるホッパ部21側の端部と、鉛直部65における上端部とを接続する。そして、水平部64は、上面部に第1ガイド面61aが形成され、鉛直部65は、ホッパ部21側に第2ガイド面62aが形成されている。
【0059】
また、ガイド装置23は、段ボール箱Bの下面をガイドすると共に、段ボール箱Bの後端をガイドするガイドロール67が設けられている。このガイドロール67は、第1ガイド部61の第1ガイド面61aから鉛直方向の上方に突出すると共に、第2ガイド部62の第2ガイド面62aからホッパ部21側に突出している。
【0060】
送り出しロール22(上部送り出しロール22A、下部送り出しロール22B)は、回転中心が機械幅方向に沿って配置されており、各端部が両側のフレーム31に駆動回転自在に支持されている。
下部送り出しロール22Bに、ホッパ部21側の外周面を覆うカバー70が配置されている。このカバー70は、下部送り出しロール22Bの外周面に沿った湾曲形状をなし、この下部送り出しロール22Bの外周面から所定隙間を空けて配置されている。このカバー70は、
下部送り出しロール22Bの上方を搬送される段ボール箱Bの搬送経路を除く下部送り出しロール22Bにおけるホッパ部21側の下方側だけを覆うことで、段ボール箱Bの搬送経路を確保している。そして、カバー70は、幅方向の各端部が両側のフレーム31に固定されている。ガイド装置23は、このカバー70に装着されている。
【0061】
取付ブラケット71は、カバー70の外側で、機械幅方向に沿って配置されており、上端部が複数のボルト72によりカバー70に締結されている。取付ブラケット71は、機械幅方向に長くて鉛直方向の下方に延出する取付部71aが設けられ、平面部にシム73を介して基板74が固定されている。この基板74は、機械幅方向に沿って配置されており、機械幅方向の各端部に鉛直方向に沿う取付部74aが設けられ、この取付部74aが複数のボルト75により取付ブラケット71の取付部71aに締結されている。
【0062】
一方、ガイド板63は、長手方向(機械幅方向)に沿って複数(本実施形態では、1個だけ記載)の切欠部76が所定間隔で形成されている。この切欠部76は、屈曲部66から水平部64側に延出すると共に、鉛直部65側に延出してL字形状となっている。即ち、第1ガイド部61は、鉛直方向に貫通する第1切欠部77が設けられ、第2ガイド部62は、水平方向に貫通する第2切欠部78が設けられており、この第1切欠部77と第2切欠部78は、ガイド板63の屈曲部66を含む領域に貫通する1個の切欠部76として構成される。また、切欠部76は、ロール用切欠部76aと、機械幅方向の両側に連続して一対の軸受用切欠部76bが形成されることとなる。
【0063】
上述した基板74は、このガイド板63を支持している。即ち、基板74は、各取付部74aの間で上方に延出する複数の支持部74bが機械幅方向に所定間隔で設けられている。各支持部74bは、上端部がガイド板63における切欠部76の両側に連結されている。そして、各支持部74bは、対向する側の平面部にそれぞれ軸受79が固定されており、前述したガイドロール67の各支持軸67aが回転自在に支持されている。即ち、ガイド板63は、長手方向(機械幅方向)に所定間隔で複数のガイドロール67が配置されることとなり、各ガイドロール67は、機械幅方向に回転中心をもって外部から作用する力により回転することができるものである。
【0064】
この場合、ガイドロール67は、ガイド板63におけるロール用切欠部76aに配置され、各軸受79は、各軸受用切欠部76bに配置される。そのため、ガイドロール67は、外周部の一部がガイド板63から外方に突出している。即ち、
図7に詳細に示すように、ガイドロール67は、外周面の一部がガイド板63の第1切欠部77を通して第1ガイド面61aから鉛直方向の上方に突出量D1だけ突出する。また、ガイドロール67は、外周面の一部がガイド板63の第2切欠部78を通して第2ガイド面62aからホッパ部21側に突出量D2だけ突出する。この各突出量D1,D2は、例えば、1mm〜5mm程度が望ましい。そして、第1ガイド面61aから上方に突出したガイドロール67の一部が搬送される段ボール箱Bの下面をガイドし、第2ガイド面62aからホッパ部21側に突出したガイドロール67の一部がホッパ部21に落下する段ボール箱Bの後端部をガイドする。
【0065】
また、
図5及び
図6に示すように、ガイド装置23は、第1ガイド部61における鉛直方向の位置を調整する第1調整装置81と、第2ガイド部62における水平方向の位置を調整する第2調整装置82を有している。
【0066】
第2調整装置82にて、取付ブラケット71と基板74との間にシム73が介装されている。即ち、基板74は、取付部74aがシム73を介して取付ブラケット71の取付部71aに配置され、複数のボルト75により取付ブラケット71に締結されている。また、第1調整ボルト83は、基板74を水平方向に貫通してシム73に螺合し、ロックナット84によりゆるみ止めがなされている。そのため、各ボルト75を弛緩した後、ロックナット84を弛緩して第1調整ボルト83を回転し、シム73との螺合を解除してシム73を厚さの異なる別のシム73に交換する。そして、第1調整ボルト83を回転して交換後のシム73に螺合してロックナット84によりゆるみ止めをなし、ボルト75を締結する。すると、交換前のシム73の厚さと交換後のシム73の厚さとの差だけ、第1ガイド部61(第2ガイド部62)及びガイドロール67における水平方向の位置が変更される。
【0067】
第1調整装置81にて、基板74は、鉛直方向に沿う取付部74aに水平方向に貫通する複数の調整孔74cが形成されている。この各調整孔74cは、鉛直方向に長い長孔であって、ボルト75が貫通している。また、基板74は、水平をなす支持片74dが設けられている。一方、取付ブラケット71は、取付部71aに支持板85がボルト86により固定されており、支持板85は、支持部85aを有している。第2調整ボルト87は、支持部85aを鉛直方向の上方に向けて螺合し、先端部が支持片74dに当接した状態で、ロックナット88によりゆるみ止めがなされている。そのため、各ボルト75を弛緩した後、ロックナット88を弛緩して第2調整ボルト87を正回転または逆回転すると、第2調整ボルト87が支持部85aを介して基板74を押し上げ、または、自重により基板74が下降する。基板74が昇降すると、第1ガイド部61(第2ガイド部62)及びガイドロール67も昇降する。そして、所定の昇降位置で、ロックナット88によりゆるみ止めをなし、ボルト75を締結する。すると、第2調整ボルト87の移動量だけ、第1ガイド部61(第2ガイド部62)及びガイドロール67における鉛直方向の位置が変更される。
【0068】
ガイド装置23は、
図3から
図6に示すように、
下部送り出しロール22Bと第1ガイド部61(ガイド板63の水平部64)を接続する第3ガイド部91が複数設けられている。この第3ガイド部91は、所定幅と所定長さを有する板材であり、基端部がガイド板63における水平部64の先端部に載置されて固定されている。一方、下部送り出しロール22Bは、周方向に沿って円周溝22bが軸方向に所定間隔で複数形成されており、第3ガイド部91は、先端部がこの円周溝22b内に配置されている。この第3ガイド部91は、段ボール箱Bの搬送方向に沿って配置されると共に、機械幅方向に所定間隔で複数設けられている。
【0069】
また、ガイド装置23は、第2ガイド部62(ガイド板63の鉛直部65)から下方に垂下するカバー部材95が設けられている。このカバー部材95は、ゴムなどの弾性部材からなり、段ボール箱Bの後端部が第1調整装置81や第2調整装置82を含む取付部に干渉することを防止するものである。
【0070】
なお、本実施形態にて、ガイド板63に第1ガイド部61と第2ガイド部62を設けたが、
この構成に限定されるものではない。例えば、第1ガイド部61用の第1ガイド板と、第2ガイド部62用の第2ガイド板とを別々に設けてもよい。また、ガイド板63に第1切欠部77と第2切欠部78を構成する1個の切欠部76を設けたが、第1切欠部77と第2切欠部78を独立して設けてもよい。
【0071】
更に、本実施形態にて、ガイド板63を1枚の板材として構成したが、この構成に限定されるものではない。例えば、ガイド板63を機械幅方向に分割される複数の分割ガイド板から構成し、ボルトなどにより連結してもよい。この場合、1個の分割ガイド板に1個のガイドロール67を支持するようにしてもよい。この構成によりガイド板が小型となり、加工精度を向上することができると共に、加工コストを抑制することができる。
【0072】
ここで、本実施形態のシート積重装置20の作用について説明する。
図8−1から
図8−5は、シート積重装置の作用を表す概略図である。
【0073】
図8−1に示すように、段ボール箱Bは、
下部送り出しロール22により搬送され、ホッパ部21内に積重されていく。このとき、段ボール箱Bは、白抜き矢印AFで表すように、送風装置52,53により下方へ向けて空気が吹き付けられるため、段ボール箱Bの下降が加勢される。即ち、
図8−2に示すように、段ボール箱Bは、送り出しロール22によりホッパ部21の上方空間に水平方向に沿って送り出される。このとき、段ボール箱Bは、まず、先端部の下面がガイド装置23に支持され、段ボール箱Bが送り出しロール22により送り出される間、ガイド装置23は、段ボール箱Bの下面を支持し続ける。
【0074】
詳細に説明すると、
図7に示すように、
下部送り出しロール22により送り込まれた段ボール箱Bは、下面が複数の第3ガイド部91に支持されてガイド板63に搬送され、下面が第1ガイド部61及び複数のガイドロール67に継続されてホッパ部21の上方に送り出される。そのため、段ボール箱Bは、ほぼ水平状態の搬送姿勢が保持され、また、段ボール箱Bの移動により接触する
ガイドロール67が連れ回りすることから、段ボール箱Bの下面に擦り傷が入ることはない。ここで、第3ガイド部91がないと、
下部送り出しロール22により送り込まれた段ボール箱Bは、
図7に二点鎖線で示すように、先端部がガイド板63(第1ガイド部61)の端部に衝突しやすくなり、ホッパ部21の上方に適正に送り出すことが困難となる。また、
下部送り出しロール22により送り込まれた段ボール箱Bは、先端部がガイド板63(第1ガイド部61)の上面に到達したとしても、後端部が
下部送り出しロール22に接触して巻き込まれるおそれがある。
【0075】
そして、
図8−3に示すように、段ボール箱Bが送り出しロール22による挟持から解除されると、段ボール箱Bは、自由状態になるが、後端部の下面がガイド装置23により支持されており、ホッパ部21の上方で略水平に保持される。そして、
図8−4に示すように、段ボール箱Bの後端がガイド装置23を通過すると、段ボール箱Bは、先端部がフロントストップ34の可撓性ストッププレート34aに当接する。
【0076】
このとき、段ボール箱Bがホッパ部21の上方を移動するとき、ガイド装置23により支持されていないと、
図8−4に二点鎖線で表すように、段ボール箱B1は、先端部側が下降して前傾姿勢となり、この姿勢のままでホッパ部21内を落下するため、先端部がフロントストップ34の可撓性ストッププレート34aではなく、高剛性ストッププレート34bに当接する。すると、段ボール箱B1は、先端部が折れ曲がってホッパ部21へ適正に積重できなくなる。
【0077】
ガイド装置23により下面が支持された段ボール箱Bは、前傾斜が回避され、ほぼ水平な姿勢で前進し、フロントストップ34の可撓性ストッププレート34aに当接する。すると、可撓性ストッププレート34aは、撓みながら段ボール箱Bの運動エネルギを吸収してその動きを減速させる。しかし、可撓性ストッププレート34aは、段ボール箱Bの全ての運動エネルギは吸収できないため、段ボール箱Bは、
図8−5に示すように、先端部がフロントストップ34に当接した後、その反動で後退しながら下降する。
【0078】
このとき、
図7に示すように、ガイド装置23にて、ガイドロール67は、段ボール箱Bの移動により段ボール箱Bの下面が接触して連れ回りしている。そのため、後退しながら下降する段ボール箱Bは、後端部が回転するガイドロール67に当接したとき、下向きに力が作用することとなり、第2ガイド部62の第2ガイド面62aにガイドされながら適正にホッパ部21に下降する。このように段ボール箱Bは、ほぼ水平の姿勢を保持しながら適正に積重され、適正なスタックTが所定枚数積み重ねられ
バッチが形成されて排出される。
【0079】
一方、先端部が高剛性ストッププレート34bに当接した段ボール箱B1は、
図8−5に二点鎖線で表すように、先端部が折れ曲がったままでホッパ部21に積重されることとなる。特に、軽量で大サイズの段ボール箱B1は、十分な剛性がないことから、送り出しロール22によりホッパ部21の上方に送り出されたときから前傾する。すると、段ボール箱B1は、先端部が曲がった状態で積み重ねられることから、レッジ37がホッパ部21内に進入して段ボール箱Bを集積してスタックTを形成するとき、レッジ37の先端部と段ボール箱B1の先端部が接触し、段ボール箱B1が折れてしまう。
【0080】
このように本実施形態のシート積重装置にあっては、シート状の段ボール箱Bを積重するホッパ部21と、段ボール箱Bをホッパ部21に送り出す送り出しロール22と、送り出しロール22とホッパ部21との間に配置されて段ボール箱Bの下面をガイドする水平方向に沿う第1ガイド部61と段ボール箱Bの後端部をガイドする鉛直方向に沿う第2ガイド部62とを有するガイド装置23とを設けている。
【0081】
従って、送り出しロール22により段ボール箱Bが送り出されると、この段ボール箱Bは、下面が第1ガイド部61に支持されることで、先端部の下方への前傾が抑制され、ホッパ部21に積み重ねられた段ボール箱Bへの衝突が回避されて先端部の損傷を抑制することができる。また、段ボール箱Bは、送り出しロール22から抜けると、自由状態になるが、後端部が第2ガイド部62に支持されることで、水平状態が保持されながら適正に重ねることができる。その結果、段ボール箱Bの高速搬送に対して段ボール箱Bの損傷発生を抑制することができると共に、段ボール箱Bを所定の姿勢で適正に積み重ねることができる。
【0082】
本実施形態のシート積重装置では、ガイド装置23は、第1ガイド部61の第1ガイド面61aから鉛直方向の上方に突出して段ボール箱Bの下面をガイドするガイドロール67を有している。従って、ガイドロール67が第1ガイド面61aから上方に突出していることから、送り出しロール22により送り出された段ボール箱Bは、下面が回転するガイドロール67に支持されることとなり、段ボール箱Bにおける下面の擦り傷の発生を抑制することができる。
【0083】
本実施形態のシート積重装置では、第1ガイド部61に鉛直方向に貫通する第1切欠部77を設け、ガイドロール67の外周面の一部が第1切欠部77を通して第1ガイド面61aから上方に突出している。従って、段ボール箱Bは、下面が第1ガイド面61aとガイドロール67に支持されることとなり、段ボール箱Bを適正にガイドすることができる。
【0084】
本実施形態のシート積重装置では、第2ガイド部62に水平方向に貫通する第2切欠部78を設け、ガイドロール67の外周面の一部が第2切欠部78を通して第2ガイド面62aからホッパ部21側に突出している。従って、送り出される段ボール箱Bが接触することでガイドロール67が回転することから、段ボール箱Bは、ホッパ部21に積み重ねられるとき、後端部が回転するガイドロール67に接触して下方に押し下げられることとなり、段ボール箱Bの挙動を安定させてホッパ部21に適正に重ねることができる。
【0085】
本実施形態のシート積重装置では、第1ガイド部61と第2ガイド部62をL字断面形状のガイド板63により構成し、第1切欠部77と第2切欠部78をこのガイド板63の屈曲部66を含む領域に貫通する1個の
切欠部76として構成している。従って、第1ガイド部61及び第2ガイド部62の構造を簡素化することができると共に、加工コストを抑制することができる。
【0086】
本実施形態のシート積重装置では、送り出しロール22におけるホッパ部21側を覆うカバー70を配置し、ガイド装置23をこのカバー70に装着している。従って、既設の部材としてのカバー70にガイド装置23を支持することができ、取付部材の増加を抑制してコストの増加を抑制することができると共に、組付けの容易性を向上することができる。
【0087】
本実施形態のシート積重装置では、ガイド装置23の第1ガイド部61における鉛直方向の位置を調整する第1調整装置81を設けている。従って、ガイド装置23の組立時に、第1調整装置81により第1ガイド部61における鉛直方向の位置を調整することで、第1ガイド部61を最適位置に配置することができる。また、段ボール箱Bの
大きさや硬さなどの種類に応じて第1ガイド部61の位置を調整することで、段ボール箱Bの種類に拘わらず、この段ボール箱Bを適正に積み重ねることができる。
【0088】
本実施形態のシート積重装置では、ガイド装置23の第2ガイド部62における水平方向の位置を調整する第2調整装置82を設けている。従って、ガイド装置23の組立時に、第2調整装置82により第2ガイド部62における水平方向の位置を調整することで、第2ガイド部62を最適位置に配置することができる。また、段ボール箱Bの大きさが硬さなどの種類に応じて第2ガイド部62の位置を調整することで、段ボール箱Bの種類に拘わらず、この段ボール箱Bを適正に積み重ねることができる。
【0089】
本実施形態のシート積重装置では、ガイド装置23は、基端部が第1ガイド部61に連結される第3ガイド部91を有し、第3ガイド部91の先端部を下部送り出しロール22Bの円周溝22b内に配置している。従って、第1ガイド部61と下部送り出しロール22Bとの間に第3ガイド部91を配置することで、送り出しロール22により送り出された段ボール箱Bを第3ガイド部91により適正に第1ガイド部61に搬送することができる。
【0090】
また、本実施形態のカウンタエゼクタにあっては、シート積重装置20を設けている。従って、第1ガイド部61により段ボール箱Bの下面が支持することで、段ボール箱Bにおける先端部の下方への前傾が抑制され、また、第2ガイド部62により段ボール箱Bの後端部が支持されることで、段ボール箱Bのばたつきが抑制され、段ボール箱Bの高速搬送に対して段ボール箱Bの損傷発生を抑制することができると共に、段ボール箱Bを所定の姿勢で適正に積み重ねることができる。
【0091】
また、本実施形態の製函機にあっては、給紙部11と印刷部12と排紙部13とダイカット部14とフォルダグルア部15とカウンタエゼクタ部16とを設け、カウンタエゼクタ部16にシート積重装置20を設けている。従って、給紙部11からの段ボールシートSに対して印刷部12で印刷が行われ、排紙部13で罫線加工と溝切り加工が行われ、フォルダグルア部15で折り畳んで端部が接合されて段ボール箱Bが形成され、カウンタエゼクタ部16で段ボール箱Bが計数されながら積み上げられる。このとき、カウンタエゼクタ部16にて、第1ガイド部61により段ボール箱Bの下面が支持されることで、段ボール箱Bにおける先端部の下方への前傾が抑制され、また、第2ガイド部62により段ボール箱Bの後端部が支持されることで、段ボール箱Bのばたつきが抑制され、段ボール箱Bの高速搬送に対して段ボール箱Bの損傷発生を抑制することができると共に、段ボール箱Bを所定の姿勢で適正に積み重ねることができる。
【0092】
なお、上述した実施形態では、第1ガイド部61及び第2ガイド部62とガイドロール67を設けてガイド装置23を構成したが、この構成に限定されるものではなく、製函用シート材によっては、ガイドロール67をなくしてもよい。また、第1ガイド部61及び第2ガイド部62を設けることなく、1個のガイドロール67だけを設けたり、または、複数のガイドロール67を段ボール箱Bの搬送方向に並設したりしてガイド部及びガイド装置を構成してもよい。
【0093】
また、上述した実施形態では、ガイド板63に切欠部76を形成し、ガイドロール67を上方と前方に突出させたが、この構成に限定されるものではなく、ガイドロール67を上方にだけ突出させたり、ガイドロール67を前方にだけ突出させたりしてもよい。また、ガイドロール67を長手方向に所定間隔で複数配置したが、長手方向に長い1個のガイドローラを配置してもよい。
【0094】
また、上述した実施形態では、送り出しロール22(上部送り出しロール22A、下部送り出しロール22B)により本発明の送り出し部を構成したが、この構成に限定されるものではない。例えば、搬送コンベアであってもよく、その他の送り出し装置であってもよい。
【0095】
また、上述した実施形態では、給紙部11、印刷部12、排紙部13、ダイカット部14、フォルダグルア部15と、カウンタエゼクタ部16により製函機10を構成したが、段ボールシートSに手穴が不要な場合には、ダイカット部14をなくして構成してもよい。