特許第6554024号(P6554024)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6554024
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】監視装置
(51)【国際特許分類】
   G08C 15/00 20060101AFI20190722BHJP
   G05B 23/02 20060101ALI20190722BHJP
   G08C 25/00 20060101ALI20190722BHJP
【FI】
   G08C15/00 D
   G05B23/02 301P
   G08C25/00 Z
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-226787(P2015-226787)
(22)【出願日】2015年11月19日
(65)【公開番号】特開2017-97490(P2017-97490A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2018年2月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】502129933
【氏名又は名称】株式会社日立産機システム
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 幸司
【審査官】 吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−312409(JP,A)
【文献】 特開2014−222372(JP,A)
【文献】 特開2002−199579(JP,A)
【文献】 特開平8−129038(JP,A)
【文献】 特開2012−98146(JP,A)
【文献】 特開2010−197135(JP,A)
【文献】 特開2003−98860(JP,A)
【文献】 特開平9−127164(JP,A)
【文献】 特開2012−145428(JP,A)
【文献】 特開平11−55164(JP,A)
【文献】 特開2014−165629(JP,A)
【文献】 特開2015−7875(JP,A)
【文献】 特開2002−197582(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0036478(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0078180(US,A1)
【文献】 特開2014−85609(JP,A)
【文献】 特開2015−170988(JP,A)
【文献】 特開2014−123011(JP,A)
【文献】 特開2001−345741(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 13/00−25/04
H02J 13/00
G01R 23/20、29/26、
19/00−19/32
G05B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークにて接続され、それぞれの機器から上位ソフトウェアでデータを収集する監視システムに用いる監視装置であって、
通信電文に影響を与えないノイズを検出する第1のノイズ検出手段を備え
前記第1のノイズ検出手段は、伝送信号をフーリエ展開し、フーリエ展開の基本波成分により伝送信号を検出し、伝送信号を検出した場合に、通信電文の範囲においてフーリエ展開の各高調波成分が閾値を超えているか判定することでノイズを検出することを特徴とする監視装置。
【請求項2】
請求項に記載の監視装置において、
前記第1のノイズ検出手段は、
伝送信号をサンプリングするサンプリング部と、
サンプリングされた信号をフーリエ展開するフーリエ展開部と、
フーリエ展開された各成分の実効値を計算する実効値計算部と、
基本波成分の実効値から伝送信号を検出する伝送信号検出部と、
伝送信号を検出した場合に、高調波成分の実効値が閾値を超えているか判定することでノイズを検出するノイズ検出部と、
を有する監視装置。
【請求項3】
請求項に記載の監視装置において、
前記第1のノイズ検出手段で検出したノイズ状態を表示することを特徴とする監視装置。
【請求項4】
請求項1に記載の監視装置において、更に、
通信電文が書き換わるノイズを検出する第2のノイズ検出手段を備え
前記第2のノイズ検出手段は、
伝送信号の交流成分のみを通過する直流除去フィルタと、
通過した交流成分を閾値と比較することによりノイズを検出するノイズ検出部と、
を有することを特徴とする監視装置。
【請求項5】
請求項に記載の監視装置において、
前記第2のノイズ検出手段で検出したノイズ状態を表示することを特徴とする監視装置。
【請求項6】
請求項に記載の監視装置において、更に、
瞬間的なピークノイズを検出する第3のノイズ検出手段を備え
前記第3のノイズ検出手段は、
保護回路に流れる電流を検出する電流検出部と、
電流検出部の検出したノイズ信号を保持する信号保持部と、
を有することを特徴とする監視装置。
【請求項7】
請求項に記載の監視装置において、
前記第3のノイズ検出手段で検出したノイズ状態を表示することを特徴とする監視装置。
【請求項8】
請求項1〜の何れか1項に記載の監視装置において、
ノイズ状態を上位ソフトウェアへ通知することを特徴とする監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力監視システムに使用する監視装置(電源監視ユニット)のノイズ検出技術に関する。
【背景技術】
【0002】
工場内、ビル内などにおいて、電力メータや漏電の監視などを行う電力監視システムを構築する際、ネットワーク配線が必要となる。ネットワークには様々な規格があり、監視装置が対応しているネットワーク配線を行う必要がある。ネットワーク配線後、監視システムを稼働させるとノイズにより通信が出来なくなることがある。ノイズは使用する環境によって、発生タイミングや発生間隔またノイズレベルが異なるため、通信できなくなる事象がノイズが原因であると特定するには、時間と費用がかかってしまう。
【0003】
ノイズの検出方法の技術として、特開2009−260450号公報(特許文献1)がある。特許文献1には、「伝送路から伝送される通信電文と波形信号は一端記憶手段に記憶され、同期判定手段108によって取得時刻で同期をとられる。解析波形情報生成手段109は通信電文と同期された波形信号の理想波形情報記憶手段112に記憶された理想波形信号に対応する部分を解析対象である解析波形信号として抽出し、通信状態判定手段113は解析波形情報生成手段110によって抽出された解析波形信号と前記記憶手段に記憶された理想波形信号とを比較した結果に基づいて前記伝送路の通信状態を推定する。推定した結果は、解析結果表示手段114によって表示される。(要約参照)」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−260450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ノイズが発生すると監視システムの通信が停止してしまう。ノイズはいつ発生するか不明であり、気がついた時にはすでにノイズが消えていることもある。また、ノイズがある環境に設置しても通信が可能なレベルである場合は、ノイズの有無に気づくことが出来ないという問題があった。特許文献1記載の発明は、通信電文と波形信号を関連付けて解析するものである。関連付けする処理部は比較処理となり、処理時間と電文比較処理が必要であり処理速度に時間がかかるという問題がある。ノイズは高速であり、高速な波形を計測するには、処理を出来るだけ少なくしなければならない。また、ノイズのレベルにかかわらず同じ処理を行ってしまい、ノイズレベルが小さい場合、例えば通信への影響がないレベルのノイズであっても処理を行ってしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、監視システム導入時にノイズがあるかどうかを判断でき、高速なノイズを短時間に精度良く検出することができる監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、ノイズ検知を、フーリエ展開によって導いた値のみで判定することで、高速処理し、また、ノイズレベルによりノイズ検出処理を分散させることを特徴とする。
【0008】
本発明の「監視装置」の代表的な一例を挙げるならば、
ネットワークにて接続され、それぞれの機器から上位ソフトウェアでデータを収集する監視システムに用いる監視装置であって、通信電文に影響を与えないノイズを検出する第1のノイズ検出手段を備え、前記第1のノイズ検出手段は、伝送信号をフーリエ展開し、フーリエ展開の基本波成分により伝送信号を検出し、伝送信号を検出した場合に、通信電文の範囲においてフーリエ展開の各高調波成分が閾値を超えているか判定することでノイズを検出するものである。
【0010】
また、本発明の監視装置において、更に、通信電文が書き換わるノイズを検出する第2のノイズ検出手段を備えるのが好ましい。
【0011】
また、本発明の監視装置において、更に、瞬間的なピークノイズを検出する第3のノイズ検出手段を備えるのが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、監視システム導入時にノイズがあるかどうかが判断でき、高速なノイズを短時間に精度よく検出することができる。また、ノイズ発生により監視システムの通信が停止したことを通知することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】ノイズの種類を示した図である。
図2】本発明の実施例1の、電文へ影響を与えないノイズを検出する構成を示した図である。
図3】電文のサンプリングを示した図である。
図4】ノイズを含む伝送信号をフーリエ展開した図である。
図5】歪み波形を示した図である。
図6】電文コードを示した図である。
図7】実施例1の、電文へ影響を与えないノイズを検出するフローを示した図である。
図8】実施例1の、電文へ影響を与えないノイズ検出手段のブロック構成図である。
図9】本発明の実施例2の、電文へ影響を与えるノイズを検出する構成を示した図である。
図10】本発明の実施例3の、異常なピークノイズを検出する構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。なお、実施例を説明するための各図において、同一の構成要素には同一の名称、符号を付して、その繰り返しの説明を省略する。
【実施例1】
【0015】
図1に、ネットワークで発生するノイズの一例を示す。図において、符号100はノイズのない定常電文波形を示す。ノイズレベルには3つの種類がある。1つ目は、符号101で示す、通信電文に影響を与えないレベルであり、通信停止は発生しない。よって、使用者はノイズに気づくことが出来ない。しかし、設置環境は明らかに悪く、いつ通信停止が発生してもおかしくない。
2つ目は、符号102で示す、通信電文に影響を与えるノイズレベルであり、通信が停止してしまう。通信停止により使用者は異常に気づくことが出来る。符号104は、電文が書き換わる閾値を示し、閾値を超えるノイズである。
3つ目は、符号103で示す、瞬間的な大きなピークが来るノイズである。設備の動作開始や停止時にのみ発生するノイズであり、一瞬で消えてしまうため、使用者もシステム提供者もノイズの有無を確認することが出来ない。
本発明では、ノイズをこれら3つの種類に分解し、ノイズを検出する。
【0016】
図2は、通信電文に影響を与えないノイズを検出するための監視装置の構成を示している。監視装置は、RS−485ネットワークにて上位ソフトウェアに接続されている。RS−485ネットワークからの伝送信号は通信回路部201でデータ信号に変換され中央演算部203へ送られる。また、中央演算部203からのデータは、通信回路部201を介して、RS−485ネットワークから上位ソフトウェア(図示せず)へ送られる。RS−485の通信回路部201の通信線に並列に差動増幅器等の増幅回路200を設ける。増幅回路の出力はA/D変換部202でデジタル信号に変換され、中央演算部(CPU)203へ入力される。通信電文を伝送する通信回路部201と並列に増幅回路200を設けたことで、通信電文信号とは別にノイズ信号を中央演算部203へ伝送することが出来る。図において、FGは接地線を示す。
【0017】
図3に、通信電文のサンプリングを示す。サンプリングは、図2のA/D変換部202で行われる。通信電文の速度は製品上9,600bps、19,200bps、38,400bpsであり、この速度よりも早い周期でサンプリングを行う。サンプリングは、各伝送速度において1周期300を32分割301とし、監視機器の通信電文が11ビットであるため、11回分302を連続して取得する。
【0018】
図4に、伝送信号とノイズの関係を示す。1次数の波形(基本波)は、伝送波形400である。この伝送波形にノイズが重畳する。ノイズは高調波であり、1次波形に対して2次、3次・・・という周波数帯401で重畳する。フーリエ展開を行うことで各次数の実効値を求めることが出来る。
【0019】
図5に示すように、初めに32分割したサンプリングを行う。サンプリングした値を以下の式にてフーリエ展開を行う。
図5の歪み波形をy(t)500とすると三角関数で補間することができ、sin波とcos波で表される。
【0020】
【数1】
【0021】
更に、一周期を32分割しその時の各サンプリング値をyとすると、(式1)の各フーリエ係数は以下の通り表される。
【0022】
【数2】
【0023】
【数3】
【0024】
上述の式から基本波だけを取り出すと以下の通りとなる。
【0025】
【数4】
【0026】
【数5】
【0027】
【数6】
【0028】
(式5)よりa、(式6)よりbを求めることにより、下式によって32個の基本波信号のサンプリングデータvを算出する。
【0029】
【数7】
【0030】
【数8】
【0031】
【数9】
【0032】
以上の式から求めた各次数の値を以下の式にて計算し、実効値を求める。
【0033】
【数10】
【0034】
ここで基本波(1次数)の通信電文は装置固有であり、図6に示すデータが必ず存在する。この電文について上記フーリエ展開を行うと、値はVrms=5Vとなる。つまり電文の範囲かどうかは、1次数電圧=5Vで判断が可能となる。1次数電圧=5Vの箇所のみのノイズを検出する。1次数電圧=5V以外の箇所は、通信電文とは関係が無いため、この箇所はノイズ検出を行わない。こうすることで、分析処理を軽減することが出来る。
【0035】
電文信号において、2次数以降の実効値が全てノイズによる実効値である。電文信号は、0.4Vの閾値でデータが書き換わる。各次数のノイズ波形は、正弦波に近似できるので、ピーク値が0.4V以下つまり実効値が0.282V以下であれば、正常動作として認識することが出来る。この値を用いて定常的なノイズ検出を行う。他次数の閾値は余裕度を持たせるため、0.2Vを閾値とする。この閾値とすることで、電文との比較処理が不要となるため、検出処理を少なくすることが出来る。
【0036】
閾値を超えたノイズが印加された場合、監視機器のLED等の表示装置を点灯させる。このLEDはノイズが定常的に印加されていることを通知するLEDであり、通信が正常であっても、ノイズが重畳していることを使用者へ通知することが出来る。また、設置者は設置段階でノイズの重畳を認識することが出来る。
【0037】
図7に、フーリエ展開によるノイズ検出のフロー図を示す。
先ず、伝送信号のサンプリング(通信1ビット分を32分割)を行う(S701)。次に、サンプリングした値をフーリエ展開し、基本波(1次)成分および高調波(高次)成分を求める(S702)。そして、基本波成分および高調波成分の実効値を計算する(S703)。
S704で、基本波(1次)成分の実効値が5Vであるかどうかを判定し、実効値が5Vでない場合は、「通信波形なし」と判断する(S710)。
実効値が5Vの場合は、次のS705で、2次成分の実効値が0.2V以上かを判定し、0.2V以上であれば「ノイズ有り」と判定し、LEDを点灯させる。0.2Vより小さければ、次のS706で、3次成分の実効値が0.2V以上かを判定し、0.2V以上であれば「ノイズ有り」と判定する。0.2Vより小さければ、同様に、15次成分までノイズの有無を判定する(S707)。
S705〜S707の何れの場合も、ノイズ有りと判定されなかった場合は、「ノイズ無し」と判定する(S709)。
【0038】
図8に、電文へ影響を与えないノイズ検出手段のブロック構成図を示す。
通信電文に影響を与えないノイズ検出手段800は、サンプリング部801、フーリエ展開部802、実効値計算部803、伝送信号検出部804、ノイズ検出部805を備えている。
サンプリング部801は、図3に示される伝送信号のサンプリングを行う。フーリエ展開部802は、サンプリングした値をフーリエ展開し、図4に示される基本波(1次)成分および高調波(高次)成分を求める。実効値計算部803は、基本波(1次)成分および高調波(高次)成分のそれぞれの実効値を計算する。伝送信号検出部804は、基本波(1次)成分の実効値が5Vであるかどうかを判定し、実効値が5Vの場合は、伝送信号有りと判定して、伝送信号を検出する。ノイズ検出部805は、伝送信号検出部804が伝送信号を検出した場合、各高調波(高次)成分の実効値が閾値以上かを判定し、実効値が閾値以上の場合に、ノイズ有りと判定する。
電文へ影響を与えないノイズ検出手段800は、中央演算部(CPU)203が所定のプログラムをメモリ上にロードし、実行することにより、ソフトウェアで構成できる。また、それぞれをハードウェアで構成することもできる。
【0039】
本実施例によれば、通信電文に影響を与えないノイズを検出する構成を備えているので、通信への影響がない小さいレベルのノイズがあるかどうかを判断でき、監視システム導入時の通信停止などの原因を調べることができる。また、フーリエ展開を用い、高調波成分が閾値以上かを判断することにより、ノイズを検出するので、高速なノイズを短時間に精度良く検出することができる
【実施例2】
【0040】
実施例2は、通信電文に影響を与えないノイズを検出するための構成に加えて、通信電文の電文が書き換わるノイズ検出の構成を備える監視装置である。
【0041】
図9に、通信電文の電文が書き換わるノイズ検出の構成を示す。ノイズは交流であるため、交流値のみを通過する直流除去フィルタ900を設ける。フィルタ900を通ることで、電文の切り換わり部とノイズ信号のみが通過する。書き換わる値104は0.4Vであるためこの値を閾値とする。通過した信号は、正常値であれば、電文速度の周期毎に閾値を超える。電文速度は機器自身が認識している。ノイズがある場合は電文速度以外の箇所で閾値を超えるため、閾値を超える周期のみで、電文を書き換えるノイズがあるか検出することが出来る。ノイズ検出部901で、このノイズ検出を行う。ノイズを検出した場合は、割り込み回路902を介して中央演算部203へ入力する。本検出はフーリエ展開が不要であり、検出処理が少ない。データが書き換わるノイズが重畳した場合、電文書き換えの異常があったことを知らせるLEDを点灯させる。このLEDの点灯は、機器に対し特定の操作をしない限り、消灯しない。こうすることで、現在異常が発生していなくても、過去に異常なノイズが重畳したことを通知することが出来る。また、このLEDの点灯状態をネットワークを介して上位ソフトウェアに通知する。こうすることで、機器だけでなく上位ソフトウェアで全ての機器のノイズ重畳状態を把握することが出来る。また、上位ソフトウェアでは、ノイズ発生時刻を記憶することが出来る。ノイズ発生時刻と、使用者の設備稼働時間を照らし合わせることで、ノイズ発生箇所を容易に特定することが出来る。
【0042】
本実施例によれば、通信電文に影響を与えないノイズを検出するための構成に加えて、通信電文の電文が書き換わるノイズ検出の構成を備えるので、ノイズレベルにより処理を分散させることができ、ノイズを精度良く検出することができる。
【実施例3】
【0043】
実施例3は、通信電文に影響を与えないノイズを検出するための構成に加えて、異常なピーク値のノイズが重畳した場合のノイズ検出の構成を備える監視装置である。
【0044】
図10に、異常なピーク値のノイズが重畳した場合のノイズ検出の構成を示す。機器が異常なピーク値で故障しないように、保護回路204が設けてある。この保護回路204が動作すると、保護部品に電流が流れる。流れた電流値は全て接地へ逃がすことで保護しているが、接地へ流れた電流値をトリガに、電流検出部1001で信号を検出する。検出した信号はレベルに関係なく全て異常な信号である。この信号を検出した場合、信号保持部1002で保持し、機器のLEDを点灯させる。このLEDの点灯は、機器に対し特定の操作をしない限り、消灯しない。こうすることで、現在異常が発生していなくても、過去に異常なノイズが重畳したことを通知することが出来る。また、このLEDの点灯状態をネットワークを介して上位ソフトウェアに通知する。こうすることで、機器だけでなく上位ソフトウェアで全ての機器のノイズ重畳状態を把握することが出来る。また、上位ソフトウェアでは、ノイズ発生時刻を記憶することが出来る。ノイズ発生時刻と、使用者の設備稼働時間を照らし合わせることで、ノイズ発生箇所を容易に特定することが出来る。
【0045】
本実施例によれば、通信電文に影響を与えないノイズを検出するための構成に加えて、異常なピーク値のノイズが重畳した場合のノイズ検出の構成を備えるので、ノイズレベルにより処理を分散させることができ、ノイズを精度良く検出することができる。
【0046】
なお、図10には記載していないが、図9に記載した、通信電文の電文が書き換わるノイズ検出の構成を合わせて備えるのが好ましい。
【符号の説明】
【0047】
100 定常電文波形
101 通信電文に影響を与えないノイズレベル
102 通信電文に影響を与えるノイズレベル
103 異常なピークノイズレベル
104 閾値
200 増幅回路
201 通信回路部
202 A/D変換部
203 中央演算部
204 保護回路
300 電文速度(1周期)
301 サンプリング分割数
302 サンプリング取得回数
400 基本波(1次数)波形
401 高調波(2次数以降)波形
500 歪み波形
800 通信電文に影響を与えないノイズ検出手段
801 サンプリング部
802 フーリエ展開部
803 実効値計算部
804 伝送信号検出部
805 ノイズ検出部
900 直流除去フィルタ
901 ノイズ検出部
902 割り込み回路
1001 電流検出部
1002 信号保持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10