(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記キー情報処理部は、前記第2キー情報が無効化された後に前記生体情報読取装置により読み取られた再読取生体情報が前記生体情報に一致するときに前記第2キー情報を有効化する
請求項5または請求項6に記載のサービス連携システム用端末。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願が開示する実施形態にかかるサービス連携システムについて、図面を参照して説明する。なお、以下の記載により本発明が限定されるものではない。また、以下の記載においては、同一の構成要素に同一の符号を付与し、重複する説明を省略する。
【0011】
[実施形態]
<サービス連携システム>
図1は、実施形態のサービス連携システムを示すブロック図である。実施形態にかかるサービス連携システム10は、
図1に示されているように、複数の機器がインターネット1を介して情報伝達可能に接続されている。その複数の機器は、サービス連携システム用サーバ2とサービス連携システム用端末3とを含んでいる。
図1にはサービス連携システム用端末3が1つだけ記載されているが、サービス連携システム10には、サービス連携システム用端末3として複数の端末が設けられている。サービス連携システム用端末3は、キー情報と生体情報とをサービス連携システム用サーバ2に送信する。サービス連携システム用サーバ2は、そのキー情報に対応する生体情報を検索し、受信した生体情報と照合する。サービス連携システム用サーバ2は、その生体情報が認証されたときに、事前に登録されているキー情報をサービス連携システム用端末3に返信する。サービス連携システム用端末3のユーザは、受信したキー情報を用いて、送信したキー情報を用いるサービス以外のサービスを利用することができる。
【0012】
<サービス連携システム用端末>
サービス連携システム用端末3は、端末本体4とカード装置5と生体情報読取装置6とウェアラブルデバイス7とを備えている。端末本体4は、たとえば、自動車8に車載されるカーナビゲーションシステムである。カード装置5は、いわゆるETC車載器である。すなわち、カード装置5は、ETCカード9が挿入されることにより、ETCカード9に埋め込まれたICチップに書き込まれているキー情報(固有情報)を読み取る。カード装置5は、さらに、自動車8が通行する道路に配置される路上アンテナと無線通信する。カード装置5は、いわゆるカードリーダでもあり、ETCカード9と異なる他のカードが挿入されたときに、そのカードに記載されているキー情報を読み取る。そのカードへのキー情報の記載方法としては、磁気的に記載する方法、バーコードを印刷する方法が例示される。生体情報読取装置6は、サービス連携システム用端末3のユーザの手のひらに近赤外線光を照射し、手のひらの皮下組織にある静脈の模様(静脈パターン)を写し出すパターン画像を生成する。ウェアラブルデバイス7は、腕時計状に形成され、サービス連携システム用端末3のユーザが身に着けて携帯することができるコンピュータである。ウェアラブルデバイス7は、近距離無線通信を介して端末本体4と情報伝達可能に接続されている。
【0013】
図2は、サービス連携システム用端末3の端末本体4を示すブロック図である。端末本体4は、いわゆるコンピュータであり、図示されていないCPU(Central Processing Unit)と記憶装置と通信装置と入出力装置とを備えている。そのCPUは、端末本体4にインストールされるコンピュータプログラムを実行して、その記憶装置と通信装置と入出力装置とを制御し、カード装置5と生体情報読取装置6とウェアラブルデバイス7とを制御する。その記憶装置は、そのコンピュータプログラムを記録する。その記憶装置は、さらに、そのCPUにより利用される情報を記録する。その通信装置は、無線通信回線網を介してインターネット1に接続され、インターネット1に接続される他のコンピュータから情報を端末本体4にダウンロードし、端末本体4から情報を他のコンピュータに送信するときに利用される。その入出力装置は、たとえば、タッチパネルであり、ユーザに操作されることにより生成される情報をそのCPUに出力し、そのCPUにより生成された情報をユーザに認識されることができるように出力する。
【0014】
端末本体4にインストールされるコンピュータプログラムは、端末本体4に複数の機能をそれぞれ実現させるための複数のコンピュータプログラムから形成されている。その複数の機能は、認証依頼部51と照合結果受信部52とキー情報処理部53とを含んでいる。認証依頼部51は、端末本体4がユーザに操作されることにより、カード装置5に挿入されたETCカード9のキー情報を読み取るように、カード装置5を制御する。認証依頼部51は、さらに、生体情報読取装置6にかざされたユーザの手のひらの静脈パターン画像が撮影されるように、生体情報読取装置6を制御する。認証依頼部51は、さらに、インターネット1を介して、認証依頼をサービス連携システム用サーバ2に送信する。認証依頼は、そのキー情報と静脈パターン画像と端末種類情報とを示している。端末種類情報は、端末本体4の種類を示し、たとえば、端末本体4に搭載されるオペレーティングシステムを示している。照合結果受信部52は、インターネット1を介してサービス連携システム用サーバ2から配信されたキー情報とアプリケーションとを記憶装置に記録する。照合結果受信部52は、さらに、アプリケーションをインストールする。キー情報処理部53は、ウェアラブルデバイス7と間欠的に近距離無線通信するように、ウェアラブルデバイス7を制御する。端末本体4は、さらに、ウェアラブルデバイス7と間欠的に近距離無線通信することにより、端末本体4とウェアラブルデバイス7との距離が所定の距離以上に離れたかどうかを判別する。キー情報処理部53は、端末本体4の電源が切られたときに、または、端末本体4とウェアラブルデバイス7との距離が所定の距離以上に離れたときに、キー情報を無効化する。キー情報処理部53は、さらに、生体情報読取装置6により撮影された静脈パターン画像が認証されたときに、無効化されたキー情報を再度有効化する。
【0015】
<サービス連携システム用サーバ>
図3は、サービス連携システム用サーバ2を示すブロック図である。サービス連携システム用サーバ2は、いわゆるコンピュータであり、図示されていないCPUと記憶装置と通信装置とを備えている。そのCPUは、サービス連携システム用サーバ2にインストールされるコンピュータプログラムを実行して、その記憶装置と通信装置とを制御する。その記憶装置は、そのコンピュータプログラムを記録する。その記憶装置は、さらに、そのCPUにより利用される情報を記録する。その通信装置は、インターネット1に接続され、インターネット1に接続される他のコンピュータから情報をサービス連携システム用サーバ2に収集し、サービス連携システム用サーバ2から他のコンピュータに情報を配信する。
【0016】
サービス連携システム用サーバ2にインストールされるコンピュータプログラムは、サービス連携システム用サーバ2に複数の機能をそれぞれ実現させるための複数のコンピュータプログラムから形成されている。その複数の機能は、キー情報管理データベース11と収集部12と検索部13と認証部14と配信部15とを含んでいる。
【0017】
キー情報管理データベース11は、複数のユーザに対応する複数の生体情報と複数のキー情報リストと複数のアプリケーションとを記録している。収集部12は、インターネット1を介してサービス連携システム用端末3から認証依頼を収集する。認証依頼は、キー情報と生体情報と端末種類情報とを示している。検索部13は、キー情報管理データベース11を参照して、複数のキー情報リストから、収集部12により収集されたキー情報を含む1つのキー情報リストを検索する。検索部13は、さらに、複数の生体情報から、その検索された1つのキー情報リストに対応する1つの生体情報を検索する。認証部14は、収集部12により収集された生体情報と、検索部13により検索された1つの生体情報とを比較し照合する。認証部14は、その2つの生体情報が一致しているときに、サービス連携システム用端末3のユーザが、検索部13により検索された1つのキー情報リストの正規のユーザであると認証する。配信部15は、認証部14によりサービス連携システム用端末3のユーザが認証されたかどうかを示す照合結果をサービス連携システム用端末3に配信する。配信部15は、認証部14によりサービス連携システム用端末3のユーザが認証されたときに、さらに、検索部13により検索された1つのキー情報リストに含まれる適切なキー情報とアプリケーションとをサービス連携システム用端末3に配信する。
【0018】
<キー情報管理データベース>
図4は、キー情報管理データベース11を示す図である。キー情報管理データベース11は、複数のユーザ情報21と複数の生体情報22と複数のキー情報リスト23と複数の共有情報テーブル24と複数の共有アプリ情報テーブル25とを互いに対応付けている。複数のユーザ情報21は、それぞれ、サービス連携システム10のサービス連携システム用端末3を利用する複数のユーザを互いに識別している。複数の生体情報22のうちのあるユーザ情報に対応する生体情報は、そのユーザ情報が識別するユーザの手のひらの静脈パターンを示している。複数のキー情報リスト23のうちのあるユーザ情報に対応するキー情報リストは、そのユーザ情報が識別するユーザにより予め登録された複数のキー情報を示している。複数の共有情報テーブル24のうちのあるユーザ情報に対応する共有情報テーブルは、そのユーザ情報が識別するユーザにより予め登録された共有情報テーブルを示している。複数の共有アプリ情報テーブル25のうちのあるユーザ情報に対応する共有アプリ情報テーブルは、そのユーザ情報が識別するユーザにより予め登録された共有アプリ情報を示している。
【0019】
図5は、キー情報リスト31を示す図である。キー情報リスト31は、キー情報管理データベース11の複数のキー情報リスト23のうちの1つのキー情報リストを示している。キー情報リスト31は、複数の項番32を複数のキー情報33に対応付けている。複数の項番32は、通し番号を示し、すなわち、互いに異なる番号を示している。複数のキー情報33のうちのある項番に対応するキー情報は、1つのサービスで利用される情報を示している。キー情報としては、車番、ETC番号、銀行のユーザID、銀行の口座番号、ある飲食店のお客様番号、あるサービスを利用するときに用いるユーザID、マイナンバーが例示される。
【0020】
図6は、共有情報テーブル34を示す図である。共有情報テーブル34は、キー情報管理データベース11の複数の共有情報テーブル24のうちの1つの共有情報テーブルを示している。共有情報テーブル34は、複数の項番32を複数の共有情報35に対応付けている。複数の共有情報35のうちのある項番に対応する共有情報は、オンまたはオフのいずれかを示している。複数の共有情報35のうちのある項番に対応する共有情報がオンを示しているときに、キー情報リスト31のうちのその項番に対応するキー情報をサービス連携システム用端末3に配信することを示している。複数の共有情報35のうちのある項番に対応する共有情報がオフを示しているときに、キー情報リスト31のうちのその項番に対応するキー情報をサービス連携システム用端末3に配信しないことを示している。複数の共有情報35は、少なくとも1つの共有情報がオンを示すように設定されている。
【0021】
図7は、共有アプリ情報テーブル36を示す図である。共有アプリ情報テーブル36は、キー情報管理データベース11の複数の共有アプリ情報テーブル25のうちの1つの共有アプリ情報テーブルを示している。共有アプリ情報テーブル36は、複数の項番32と複数の端末種類情報37との組み合わせを複数の共有アプリ情報38に対応付けている。複数の端末種類情報37は、互いに異なる端末の種類を示している。端末の種類としては、カーナビゲーションシステム、スマートフォン、パーソナルコンピュータが例示される。複数の共有アプリ情報38のうちのある項番とある端末種類情報とに対応する共有アプリ情報は、その端末種類情報が示す種類のサービス連携システム用端末3で適切に実行され、かつ、その項番に対応するキー情報を利用するアプリケーションを示している。
【0022】
<サービス連携システムの動作>
図8は、サービス連携システム10の動作を示すフローチャートである。サービス連携システム用端末3のユーザは、サービス連携システム10を利用するときに、まず、あるサービスで用いられるカードをカード装置5に挿入する。サービス連携システム用端末3の端末本体4は、カード装置5にカードが挿入されると、カード装置5を制御することにより、カードに記載されるキー情報を読み取る(ステップS1)。ユーザは、サービス連携システム用端末3がカードのキー情報を読み取った後に、生体情報読取装置6に手のひらをかざす。端末本体4は、生体情報読取装置6に手のひらがかざされると、生体情報読取装置6を制御することにより、ユーザの手のひらの静脈パターンを示す静脈パターン画像を生成する(ステップS2)。端末本体4は、カードのキー情報と静脈パターン画像とを取得すると、インターネット1を介して認証依頼をサービス連携システム用サーバ2に送信する(ステップS3)。その認証依頼は、カードのキー情報と静脈パターン画像と端末本体4の端末種類情報とを示している。
【0023】
サービス連携システム用サーバ2は、サービス連携システム用端末3から認証依頼を受信すると、キー情報管理データベース11の複数のキー情報リスト23から、認証依頼が示すカードのキー情報を含む1つのキー情報リストを検索する(ステップS4)。サービス連携システム用サーバ2は、1つのキー情報リストを検索すると、キー情報管理データベース11の複数の生体情報22から、その検索された1つのキー情報リストに対応する1つの生体情報を導出する。サービス連携システム用サーバ2は、さらに、その導出された1つの生体情報が示す静脈パターン画像と認証依頼が示す静脈パターン画像とを比較し、その2つの静脈パターン画像が一致するかどうかを照合する(ステップS5)。
【0024】
サービス連携システム用サーバ2は、その2つの静脈パターン画像が一致するときに(ステップS6、OK)、キー情報管理データベース11の複数の共有情報テーブル24から、その検索された1つのキー情報リストに対応する1つの共有情報テーブルを導出する。サービス連携システム用サーバ2は、その導出された共有情報テーブル34の複数の項番32から共有情報がオンを示す項番を検索する。サービス連携システム用サーバ2は、さらに、ステップS4で検索されたキー情報リスト31の複数のキー情報33から、その検索された項番に対応するキー情報を導出する。サービス連携システム用サーバ2は、さらに、共有アプリ情報テーブル36の複数の共有アプリ情報38から、認証依頼が示す端末種類情報とその検索された項番との組み合わせに対応する共有アプリ情報を導出する(ステップS7)。サービス連携システム用サーバ2は、共有アプリ情報を導出した後に、または、その2つの静脈パターン画像が一致していないときに(ステップS6、NG)、インターネット1を介して、照合結果をサービス連携システム用端末3に返信する(ステップS8)。その照合結果は、ステップS5で2つの静脈パターン画像を照合した結果を示している。その照合結果は、2つの静脈パターン画像が一致するときに、さらに、ステップS7で導出されたキー情報のうちの認証依頼が示すカードのキー情報を除くキー情報と、導出された共有アプリ情報が示すアプリケーションとを示している。
【0025】
サービス連携システム用サーバ2は、サービス連携システム用端末3から収集したキー情報を用いることにより、サービス連携システム用端末3のユーザを高速に特定することができる。サービス連携システム用サーバ2は、サービス連携システム用端末3のユーザを特定することにより、複数の生体情報22から照合すべき1つの生体情報を高速に特定することができる。ここで、複数の生体情報22からある生体情報に一致する1つの生体情報を検索することは、複数のキー情報リスト23からあるキー情報を含む1つのキー情報リストを検索することに比較して、処理される情報量が大きく、処理時間が長い。サービス連携システム用サーバ2は、照合すべき1つの生体情報を特定することにより、複数の生体情報22からある生体情報に一致する1つの生体情報を検索する必要がなく、生体情報を用いた認証を高速に実行することができる。
【0026】
サービス連携システム用端末3の端末本体4は、照合結果をサービス連携システム用サーバ2から受信すると(ステップS41)、2つの静脈パターン画像を照合した結果を入出力装置に表示する。端末本体4は、さらに、2つの静脈パターン画像が一致するときに(ステップS42、Yes)、照合結果が示すキー情報とアプリケーションとを記憶装置に記録し(ステップS43)、そのアプリケーションをインストールする。端末本体4は、2つの静脈パターン画像が一致していないときに(ステップS42、No)、カード装置5に挿入されているカードをカード装置5から排出することにより、カードをユーザに返却し(ステップS44)、ステップS1からの動作を再度実行する。
【0027】
<サービス連携システム用端末の動作>
図9は、サービスを利用するときの端末の動作を示すフローチャートである。ユーザは、既述の
図8の動作が終了した後に、端末本体4を携帯してサービスが提供されるエリアに赴く。ユーザは、そのサービスが非接触カードを用いて提供されるサービスであるときに、端末本体4を非接触カードリーダにかざす。端末本体4は、非接触カードリーダにかざされると、記憶装置に記録されている認証済みサービスのキー情報に、利用しようとしているサービスに対応する適切なキー情報が含まれているかどうかを判別する(ステップS11)。端末本体4は、適切なキー情報が記憶装置に記録されているときに(ステップS11、Yes)、非接触カードリーダにそのキー情報を出力する(ステップS12)。端末本体4は、適切なキー情報が記憶装置に記録されていないときに(ステップS11、No)、非接触カードリーダにそのキー情報を出力しないで、入出力装置にその旨を表示する(ステップS13)。
【0028】
ユーザは、そのサービスがバーコードの提示により提供されるサービスであるときに、そのバーコードが入出力装置に表示されるように、端末本体4を操作する。端末本体4は、所定のバーコードを示すキー情報が記憶装置に記録されているかどうかを判別する(ステップS11)。端末本体4は、所定のキー情報が記憶装置に記録されているときに(ステップS11、Yes)、そのキー情報に基づいて算出されたバーコードを入出力装置に表示する(ステップS12)。端末本体4は、適切なキー情報が記憶装置に記録されていないときに(ステップS11、No)、そのバーコードを表示しないで、適切なキー情報が記憶装置に記録されていない旨を入出力装置に表示する(ステップS13)。
【0029】
ユーザは、そのサービスが所定の機器とサービス連携システム用端末3との通信を用いて提供されるサービスであるときに、サービス連携システム用サーバ2から配信されたアプリケーションが起動されるように、サービス連携システム用端末3を操作する。このようなサービスとしては、ドライブスルーによる銀行ATM(Automatic Teller Machine:現金自動預け払い機)の利用が例示される。
【0030】
<ドライブスルーによる銀行ATMの利用例>
図10は、ドライブスルーによる現金自動預け払い機の利用を示すブロック図である。このようなドライブスルーには、近距離通信ゲート41と現金自動預け払い機42とが設けられている。近距離通信ゲート41は、現金自動預け払い機42が配置される施設と道路との間に配置されている。近距離通信ゲート41は、インターネット1を介してサービス連携システム用サーバ2に情報伝達可能に接続され、近距離通信を介してカード装置5に情報伝達可能に接続されている。現金自動預け払い機42は、生体情報読取装置43を備えている。現金自動預け払い機42は、インターネット1を介してサービス連携システム用サーバ2に情報伝達可能に接続され、無線通信を介して端末本体4に情報伝達可能に接続されている。
【0031】
ユーザは、ドライブスルーによる銀行ATMを利用するときに、自動車8を運転して、近距離通信ゲート41を通過する。カード装置5は、自動車8が近距離通信ゲート41を通過すると、近距離通信を介して車番を近距離通信ゲート41に送信する。近距離通信ゲート41は、車番を受信すると、インターネット1を介してサービス連携システム用サーバ2にその車番を送信する。サービス連携システム用サーバ2は、車番を受信すると、キー情報管理データベース11の複数のキー情報リスト23から、その車番を含む1つのキー情報リストを検索する。サービス連携システム用サーバ2は、1つのキー情報リストを検索すると、キー情報管理データベース11の複数の生体情報22から、その検索された1つのキー情報リストに対応する1つの生体情報を導出する。サービス連携システム用サーバ2は、さらに、インターネット1を介して、その導出された1つの生体情報を現金自動預け払い機42に送信する。
【0032】
端末本体4は、
図8の動作によりキー情報として銀行口座の口座番号を記憶装置に記録し、銀行ATMを利用するためのアプリケーションがインストールされている。ユーザは、サービス連携システム用サーバ2から配信されたアプリケーションが起動されるように、端末本体4を操作する。端末本体4は、そのアプリケーションを実行することにより、所定の情報の入力を促す画面を入出力装置に表示する。ユーザは、入出力装置に表示される画面に基づいて、入出力装置を介して所定の情報を端末本体4に入力する。端末本体4は、所定の情報が入力されると、無線通信を介してその情報と口座番号とを現金自動預け払い機42に送信する。現金自動預け払い機42は、自動車8に乗ったユーザに生体情報読取装置43に手のひらをかざすように促す。現金自動預け払い機42は、生体情報読取装置43により読み取られた静脈パターン画像とサービス連携システム用サーバ2から配信された静脈パターン画像とを比較して照合する。現金自動預け払い機42は、その2つの静脈パターン画像が一致しているときに、ユーザの所望の取引(たとえば、銀行口座からの出金、振込)を実行する。なお、現金自動預け払い機42は、ユーザの所望の取引が銀行口座への入金であるときに、生体情報の照合なしで、その取引を実行することもできる。ユーザは、サービス連携システム10を利用することにより、現金自動預け払い機42にキャッシュカードを挿入することなく、すなわち、キャッシュカードを携帯することなく、現金自動預け払い機42を介して銀行を介した様々な決済・取引を行うことができる。
【0033】
<キー情報を無効化する動作>
図11は、サービス連携システム用端末3の端末本体4の電源が切れたとき、または、端末本体4からユーザが離れたときの動作を示すフローチャートである。端末本体4は、事前にユーザにより操作されることにより、サービス連携システム用サーバ2から取得したキー情報をどのように処理するかを設定されている。その処理としては、キー情報を記憶装置から削除すること、キー情報を無効化することが例示される。端末本体4は、
図8の動作が終了すると、ウェアラブルデバイス7と間欠的に無線通信し、無線通信が確立しているかどうかに基づいて端末本体4とウェアラブルデバイス7との距離が所定の距離以上に離れたかどうかを判別する。端末本体4は、端末本体4とウェアラブルデバイス7との距離が所定の距離以上に離れたと判別されたときに、または、電源がオフにされたときに、この動作が開始される。
【0034】
端末本体4は、まず、事前にユーザにより設定されている処理を確認する(ステップS21)。端末本体4は、キー情報を記憶装置から削除することが設定されているときに(ステップS21、Yes)、サービス連携システム用サーバ2から取得したキー情報を記憶装置から削除する(ステップS22)。端末本体4は、キー情報を無効化することが設定されているときに(ステップS21、No)、サービス連携システム用サーバ2から取得したキー情報を無効化する(ステップS23)。キー情報は、無効化されることにより、端末本体4へのユーザの通常の操作により入出力装置に表示されないようになり、アプリケーションにより使用されることができなくなる。
【0035】
<サービスの再設定の動作>
図12は、サービスの再設定の動作を示すフローチャートである。この動作は、サービス連携システム用端末3の端末本体4の電源が切られたときに、または、ユーザが端末本体4から離れたときに、キー情報を無効化することが端末本体4に設定されているときに実行される。端末本体4は、キー情報を無効化することが設定されているときに、
図8の動作のステップS2で読み取られた静脈パターン画像を記憶装置に記録する。端末本体4は、ユーザにより所定の操作が行われたときに、まず、無効化されたキー情報が記憶装置に記録されているかどうかを判別する(ステップS31)。
【0036】
端末本体4は、無効化されたキー情報が記憶装置に記録されているときに(ステップS31、Yes)、生体情報読取装置6を制御することにより、ユーザの手のひらの静脈パターンを示す静脈パターン画像を生成する。端末本体4は、さらに、生体情報読取装置6に読み取られた静脈パターン画像と、記憶装置に記録されている静脈パターン画像とを比較して2つの静脈パターン画像を照合する(ステップS32)。端末本体4は、2つの静脈パターン画像が照合されたときに(ステップS33、Yes)、無効化されたキー情報を再び有効化する(ステップS34)。
【0037】
<サービス連携システムの効果>
実施形態のサービス連携システム10は、サービス連携システム用サーバ2と、ネットワークを介してサービス連携システム用サーバ2に接続されるサービス連携システム用端末3とを備えている。サービス連携システム用端末3は、第1キー情報と第1生体情報とをサービス連携システム用サーバ2に送信する。サービス連携システム用サーバ2は、キー情報管理データベース11と収集部12と検索部13と認証部14と配信部15とを有している。キー情報管理データベース11は、複数のキー情報リストを複数の生体情報に対応付ける。収集部12は、第1キー情報と第1生体情報とをサービス連携システム用端末3から収集する。検索部13は、複数のキー情報リストから第1キー情報を含む1つのキー情報リストを検索する。認証部14は、複数の生体情報のうちの1つのキー情報リストに対応する第2生体情報が第1生体情報に一致するかどうか照合する。配信部15は、第2生体情報が第1生体情報に一致するときに、1つのキー情報リストのうちの第1キー情報と異なる第2キー情報をサービス連携システム用端末3に配信する。このようなサービス連携システム10によれば、サービス連携システム用端末3のユーザは、キー情報リストのうちの1つのキー情報を携帯しているときに、生体情報を用いて、キー情報リストのうちの他のキー情報を取得することができる。このため、ユーザは、キー情報リストを示す複数のカードの全部を携帯する必要がなく、複数のカードに対応する複数のサービスを容易に利用することができる。
【0038】
また、配信部15は、第2キー情報が使用されるときにサービス連携システム用端末3により実行されるアプリケーションをさらにサービス連携システム用端末3に配信する。サービス連携システム用端末3は、サービス連携システム用サーバ2から配信されるアプリケーションを実行することにより第2キー情報を利用する。このようなサービス連携システム用サーバ2によれば、ユーザは、カードに記載されるキー情報の提示により利用することができるサービスのみならず、サービス連携システム用端末3を用いて提供される様々なサービスを利用することができる。
【0039】
また、収集部12は、サービス連携システム用端末3から第1端末種類情報をさらに収集する。キー情報管理データベース11は、複数の端末種類情報を複数のアプリケーションにさらに対応付ける共有アプリ情報テーブル36をさらに有している。このとき、配信部15は、複数のアプリケーションのうちの第1端末種類情報に対応するアプリケーションをサービス連携システム用端末3にさらに配信する。このようなサービス連携システム用サーバ2は、サービス連携システム用端末3の種類に応じた適切なアプリケーションをサービス連携システム用端末3に配信することができる。サービス連携システム用端末3は、不適切なアプリケーションを取得することがなく、適切なアプリケーションを実行することができる。その結果、ユーザは、サービス連携システム用端末3により実行されるアプリケーションを用いて提供されるサービスを適切に利用することができる。
【0040】
また、サービス連携システム用端末3は、端末本体4と、カードから第1キー情報を読み取るカード装置5と、生体情報を読み取る生体情報読取装置6とを備えている。端末本体4は、第1キー情報と生体情報とをサービス連携システム用サーバ2に送信する認証依頼部51と、サービス連携システム用サーバ2から配信される第2キー情報を記憶装置に記録する照合結果受信部52とを有している。ユーザは、第1キー情報と生体情報を用いてサービス連携システム用サーバ2から第2キー情報を取得し、第1キー情報と異なる第2キー情報を用いたサービスを利用することができる。ユーザは、サービス連携システム用端末3が第2キー情報を記録することにより、サービス連携システム用端末3が通信することができなくなった場合でも、以前に記録された第2キー情報を用いてサービスを利用することができる。
【0041】
また、サービス連携システム用端末3は、端末本体4と通信可能であるウェアラブルデバイス7をさらに備えている。端末本体4は、サービス連携システム用端末3とウェアラブルデバイス7とが通信することができなくなったときに第2キー情報を無効化するキー情報処理部53をさらに有している。サービス連携システム用端末3は、端末本体4がウェアラブルデバイス7と通信することができなくなったときに、第2キー情報を無効化することにより、サービス連携システム用端末3のユーザ以外の第3者による第2キー情報の不正使用を防止することができる。
【0042】
また、キー情報処理部53は、第2キー情報が無効化された後に生体情報読取装置6により読み取られた再読取生体情報が生体情報に一致するときに第2キー情報を有効化する。サービス連携システム用端末3は、無効化された第2キー情報が再び有効化されることにより、サービス連携システム用サーバ2と通信することができない場合でも、ユーザは、第2キー情報を用いるサービスを利用することができる。
【0043】
また、キー情報処理部53は、第2キー情報が無効化されたときに第2キー情報を記憶装置から削除する。サービス連携システム用端末3は、第2キー情報を記憶装置から削除することにより、サービス連携システム用端末3のユーザ以外の第3者に第2キー情報を利用させることをより確実に防止することができる。
【0044】
ところで、実施形態のサービス連携システム用サーバ2は、手のひらの静脈パターンを用いて照合しているが、静脈パターン以外の生体情報を用いて認証してもよい。その生体情報としては、指紋、虹彩、声紋が例示される。サービス連携システム10は、このような生体情報が利用された場合でも、複数のカードに対応する複数のサービスの利用を容易化することができる。
【0045】
ところで、実施形態のサービス連携システム用サーバ2は、アプリケーションをサービス連携システム用端末3に配信することを省略してもよい。サービス連携システム用端末3は、アプリケーションの配信が省略された場合でも、サービス連携システム用サーバ2からキー情報を取得することにより、複数のカードに対応する複数のサービスの利用を容易化することができる。
【0046】
ところで、実施形態のサービス連携システム用端末3は、カーナビゲーションシステムが適用されているが、カーナビゲーションシステムと異なる他のコンピュータから形成されてもよい。そのコンピュータとしては、自由にアプリケーションをインストールすることができるオペレーティングシステムを搭載したスマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)が例示される。サービス連携システム10は、サービス連携システム用端末3としてこのようなコンピュータが適用された場合でも、複数のカードに対応する複数のサービスの利用を容易化することができる。
【0047】
ところで、実施形態のウェアラブルデバイス7は、腕時計状のものが利用されているが、腕時計状と異なる他の形状に形成されている通信媒体に置換されてもよい。その形状としては、眼鏡型、指輪型、衣服型、靴型、懐中型、ペンダント型、鍵型などが例示される。また実施形態のウェアラブルデバイス7は、常用して着用するデバイスのみならず、持ち歩きに適した小型デバイスから形成される通信媒体であっても良い。サービス連携システム10は、ウェアラブルデバイス7としてこのような通信媒体が適用された場合でも、複数のカードに対応する複数のサービスの利用を容易化することができる。
【0048】
ところで、実施形態のサービス連携システム用端末3は、ウェアラブルデバイス7を省略してもよい。このとき、サービス連携システム用端末3は、サービス連携システム用端末3とユーザとの距離が所定の距離より離れているかどうかを判別することができなくなる。しかしながら、サービス連携システム用端末3は、サービス連携システム用端末3の電源オフでキー情報を無効化または削除することにより、キー情報の不正使用を防止することができる。
【0049】
ところで、実施形態のサービス連携システム用端末3は、
図11の動作の実行と
図12の動作の実行とを省略してもよい。サービス連携システム用端末3は、これらの動作を省略した場合でも、サービス連携システム用サーバ2からキー情報を取得することにより、複数のカードに対応する複数のサービスの利用を容易化することができる。
【0050】
なお、キー情報管理データベース11は、複数のキー情報リスト23に複数の暗証情報を対応付けてもよい。このとき、ユーザは、
図8のステップS2で暗証情報をさらにサービス連携システム用端末3に入力し、サービス連携システム用端末3は、その暗証情報をさらに示す認証依頼をサービス連携システム用サーバ2に送信する。サービス連携システム用サーバ2は、その複数の暗証情報から、ステップS4で検索された1つのキー情報リストに対応する1つの暗証情報を導出する。サービス連携システム用サーバ2は、さらに、その導出された1つの暗証情報と認証依頼が示す暗証情報とが一致するかどうかを照合する。サービス連携システム用サーバ2は、2つの暗証情報が一致し、かつ、2つの生体情報が一致したときに、所定のキー情報をサービス連携システム用端末3に配信する。
【0051】
すなわち、キー情報管理データベース11は、複数のキー情報リストを複数の暗証情報にさらに対応付けている。収集部12は、第1暗証情報をサービス連携システム用端末3からさらに収集する。このとき、配信部15は、第1暗証情報が1つのキー情報リストに対応しないときに第2キー情報をサービス連携システム用端末3に配信しない。このようなサービス連携システム用サーバ2は、暗証情報と生体情報との両方が一致するときのみに、キー情報をサービス連携システム用端末3に配信することにより、キー情報の不正使用をより防止することができる。