特許第6554089号(P6554089)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6554089組織酸素化の測定用の器具、システムおよびメソッド
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6554089
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】組織酸素化の測定用の器具、システムおよびメソッド
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20190722BHJP
   A61B 1/31 20060101ALI20190722BHJP
   G01N 21/64 20060101ALI20190722BHJP
【FI】
   A61B1/00 511
   A61B1/31
   A61B1/00 620
   A61B1/00 682
   G01N21/64
【請求項の数】17
【全頁数】36
(21)【出願番号】特願2016-505500(P2016-505500)
(86)(22)【出願日】2014年3月19日
(65)【公表番号】特表2016-523576(P2016-523576A)
(43)【公表日】2016年8月12日
(86)【国際出願番号】US2014031267
(87)【国際公開番号】WO2014153428
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2017年3月17日
(31)【優先権主張番号】61/803,451
(32)【優先日】2013年3月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515265628
【氏名又は名称】サージセンス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ザンド, ジェイソン マシュー
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー, グレゴリー スコット
【審査官】 永田 浩司
(56)【参考文献】
【文献】 特表平06−503487(JP,A)
【文献】 特開昭63−011135(JP,A)
【文献】 特表平09−512446(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0054908(US,A1)
【文献】 特開2007−097649(JP,A)
【文献】 米国特許第04895156(US,A)
【文献】 特開2011−107129(JP,A)
【文献】 特表昭59−500896(JP,A)
【文献】 米国特許第04476870(US,A)
【文献】 衣笠 静一郎、他,蛍光温度センサの開発,azbil Technical Review,日本,株式会社 山武,2012年 1月,p.62-67
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 − 1/32
G01N 21/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織の組織酸素化を解明するために、光を再放射する注入可能なプローブ(118,153)を検知するように構成された監視装置(101,155,201,301,401,450,501,605,701,1001,1101,1201,1331,1351)であって、前記注入可能なプローブは、温度に関して変動する消光定数を有し、前記監視装置は、
前記注入可能なプローブを励起させるように構成されている少なくとも1つの光学エミッタ(173,1127)と、
前記注入可能なプローブから再放射された光を受信するように構成された少なくとも1つの光学ディテクタ(185,1129)と、
前記受信された光(181)分析することによって前記組織の少なくとも1つのポイントの前記組織酸素化の解を得るように構成されている信号プロセッサ(189,430,470)と、
前記組織の温度を検出するように構成されているセンサー(445)と
を備え、
前記信号プロセッサ(189,470)は、前記組織酸素化を校正するために前記組織の前記検出された温度を利用するように構成されており、
前記信号プロセッサ(189,470)は、前記受信された光(181)の測定信号に基づいて組織酸素化のスペクトルを生成するように構成されている、監視装置。
【請求項2】
組織の組織酸素化を解明するために、光を再放射する注入可能なプローブ(118,153)を検知するように構成された監視装置(101,155,201,301,401,450,501,605,701,1001,1101,1201,1331,1351)であって、前記監視装置は、
前記注入可能なプローブを励起させるように構成されている少なくとも1つの光学エミッタ(173,1127)と、
前記注入可能なプローブから再放射された光を受信するように構成された少なくとも1つの光学ディテクタ(185,1129)と、
前記受信された光(181)の時間応答を分析することによって前記組織の少なくとも1つのポイントの前記組織酸素化の解を得るように構成されている信号プロセッサ(189,430,470)と、
前記組織の温度を検出するように構成されているセンサー(445)と
を備え、
前記信号プロセッサ(189,470)は、前記組織酸素化を校正するために前記組織の前記検出された温度を利用するように構成されており、
前記監視装置は、標的組織(954)に媒体(165,950)を提供するように構成されたアプリケータ(157,956)をさらに備え、前記媒体は、前記注入可能なプローブを含む、監視装置。
【請求項3】
前記信号プロセッサ(189,430,470,705)は、前記再放射された光の寿命に基づいて前記組織酸素化を解明するように構成されている、請求項1および2のうちのいずれかに記載の監視装置。
【請求項4】
組織の組織酸素化を解明するために、光を再放射する注入可能なプローブ(118,153)を検知するように構成された監視装置(101,155,201,301,401,450,501,605,701,1001,1101,1201,1331,1351)であって、前記監視装置は、
前記注入可能なプローブを励起させるように構成されている少なくとも1つの光学エミッタ(173,1127)と、
前記注入可能なプローブから再放射された光を受信するように構成された少なくとも1つの光学ディテクタ(185,1129)と、
前記受信された光(181)の時間応答を分析することによって前記組織の少なくとも1つのポイントの前記組織酸素化の解を得るように構成されている信号プロセッサ(189,430,470)と、
前記組織の温度を検出するように構成されているセンサー(445)と
を備え、
前記信号プロセッサ(189,470)は、前記組織酸素化を校正するために前記組織の前記検出された温度を利用するように構成されており、
前記アプリケータ(474)は、媒体(165)を標的組織(151)中に注入するように構成されている少なくとも1つのインジェクタ(167,478,511,809,1149)である、監視装置。
【請求項5】
組織の組織酸素化を解明するために、光を再放射する注入可能なプローブ(118,153)を検知するように構成された監視装置(101,155,201,301,401,450,501,605,701,1001,1101,1201,1331,1351)であって、前記監視装置は、
前記注入可能なプローブを励起させるように構成されている少なくとも1つの光学エミッタ(173,1127)と、
前記注入可能なプローブから再放射された光を受信するように構成された少なくとも1つの光学ディテクタ(185,1129)と、
前記受信された光(181)の時間応答を分析することによって前記組織の少なくとも1つのポイントの前記組織酸素化の解を得るように構成されている信号プロセッサ(189,430,470)と、
前記組織の温度を検出するように構成されているセンサー(445)と
を備え、
前記信号プロセッサ(189,470)は、前記組織酸素化を校正するために前記組織の前記検出された温度を利用するように構成されており、
前記監視装置は、前記組織(203,1007,1315)を調査するように構成されているインテロゲータ装置(201,301,1001,1101,1331)をさらに備える、監視装置。
【請求項6】
組織の組織酸素化を解明するために、光を再放射する注入可能なプローブ(118,153)を検知するように構成された監視装置(101,155,201,301,401,450,501,605,701,1001,1101,1201,1331,1351)であって、前記監視装置は、
前記注入可能なプローブを励起させるように構成されている少なくとも1つの光学エミッタ(173,1127)と、
前記注入可能なプローブから再放射された光を受信するように構成された少なくとも1つの光学ディテクタ(185,1129)と、
前記受信された光(181)の時間応答を分析することによって前記組織の少なくとも1つのポイントの前記組織酸素化の解を得るように構成されている信号プロセッサ(189,430,470)と、
前記組織の温度を検出するように構成されているセンサー(445)と
を備え、
前記信号プロセッサ(189,470)は、前記組織酸素化を校正するために前記組織の前記検出された温度を利用するように構成されており、
前記信号プロセッサ(189,430,470)は、前記組織酸素化の解明に基づいて動作成功の決定を行う、監視装置。
【請求項7】
組織の組織酸素化を解明するために、光を再放射する注入可能なプローブ(118,153)を検知するように構成された監視装置(101,155,201,301,401,450,501,605,701,1001,1101,1201,1331,1351)であって、前記監視装置は、
前記注入可能なプローブを励起させるように構成されている少なくとも1つの光学エミッタ(173,1127)と、
前記注入可能なプローブから再放射された光を受信するように構成された少なくとも1つの光学ディテクタ(185,1129)と、
前記受信された光(181)の時間応答を分析することによって前記組織の少なくとも1つのポイントの前記組織酸素化の解を得るように構成されている信号プロセッサ(189,430,470)と、
前記組織の温度を検出するように構成されているセンサー(445)と
を備え、
前記信号プロセッサ(189,470)は、前記組織酸素化を校正するために前記組織の前記検出された温度を利用するように構成されており、
前記監視装置は、前記組織の圧縮圧力および組織張力のうちの少なくとも1つの相互作用力を監視するように構成された少なくとも1つのセンサー(113,444,464,1117)をさらに備える、監視装置。
【請求項8】
組織の組織酸素化を解明するために、光を再放射する注入可能なプローブ(118,153)を検知するように構成された監視装置(101,155,201,301,401,450,501,605,701,1001,1101,1201,1331,1351)であって、前記監視装置は、
前記注入可能なプローブを励起させるように構成されている少なくとも1つの光学エミッタ(173,1127)と、
前記注入可能なプローブから再放射された光を受信するように構成された少なくとも1つの光学ディテクタ(185,1129)と、
前記受信された光(181)の時間応答を分析することによって前記組織の少なくとも1つのポイントの前記組織酸素化の解を得るように構成されている信号プロセッサ(189,430,470)と、
前記組織の温度を検出するように構成されているセンサー(445)と
を備え、
前記信号プロセッサ(189,470)は、前記組織酸素化を校正するために前記組織の前記検出された温度を利用するように構成されており、
前記監視装置は、組織インターフェースする表面を有するフレキシブルなサブストレート(605,701)をさらに備え、前記組織インターフェースする表面は、前記少なくとも1つの光学エミッタと、前記少なくとも1つの光学ディテクタ(705)とを含む、監視装置。
【請求項9】
前記信号プロセッサは、複数のポイント(110,112,405,513,705,1127,1129,1331,1351)における前記再放射された光の前記分析基づいて前記組織酸素化を解明して、酸素マップを生成するように構成されている、請求項1〜8のうちのいずれかに記載の監視装置。
【請求項10】
前記監視装置は、内視鏡装置(501,1331)である、請求項1〜9のうちのいずれかに記載の監視装置。
【請求項11】
組織の組織酸素化を解明するために、光を再放射する注入可能なプローブ(118,153)を検知するように構成された監視装置(101,155,201,301,401,450,501,605,701,1001,1101,1201,1331,1351)であって、前記監視装置は、
前記注入可能なプローブを励起させるように構成されている少なくとも1つの光学エミッタ(173,1127)と、
前記注入可能なプローブから再放射された光を受信するように構成された少なくとも1つの光学ディテクタ(185,1129)と、
前記受信された光(181)の時間応答を分析することによって前記組織の少なくとも1つのポイントの前記組織酸素化の解を得るように構成されている信号プロセッサ(189,430,470)と、
前記組織の温度を検出するように構成されているセンサー(445)と
を備え、
前記信号プロセッサ(189,470)は、前記組織酸素化を校正するために前記組織の前記検出された温度を利用するように構成されており、
前記監視装置は、摂取可能である、監視装置。
【請求項12】
前記監視装置は、外科用装置(101,155,201,301,401,450,501,605,1001,1101,1201,1331)である、請求項1〜9のうちのいずれかに記載の監視装置。
【請求項13】
組織の組織酸素化を解明するために、光を再放射する注入可能なプローブ(118,153)を検知するように構成された監視装置(101,155,201,301,401,450,501,605,701,1001,1101,1201,1331,1351)であって、前記監視装置は、
前記注入可能なプローブを励起させるように構成されている少なくとも1つの光学エミッタ(173,1127)と、
前記注入可能なプローブから再放射された光を受信するように構成された少なくとも1つの光学ディテクタ(185,1129)と、
前記受信された光(181)の時間応答を分析することによって前記組織の少なくとも1つのポイントの前記組織酸素化の解を得るように構成されている信号プロセッサ(189,430,470)と、
前記組織の温度を検出するように構成されているセンサー(445)と
を備え、
前記信号プロセッサ(189,470)は、前記組織酸素化を校正するために前記組織の前記検出された温度を利用するように構成されており、
前記監視装置は、外科用ステイプラーアンビル(401,450)である、監視装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの光学エミッタ(173)は、前記注入可能なプローブの吸収帯内において前記注入可能なプローブを励起させるように構成されている、請求項1〜13のうちのいずれかに記載の監視装置。
【請求項15】
前記信号プロセッサ(189,470)は、前記受信された光の酸素依存性光学応答に基づいて前記組織酸素化を解明するように構成されている、請求項1〜14のうちのいずれかに記載の監視装置。
【請求項16】
前記監視装置は、解明された組織データを外部に通信するように構成され、前記監視装置は、
ディスプレイ(127)および感覚代行のうちの少なくとも1つと、
前記ディスプレイ(127)および感覚代行のうちの前記少なくとも1つと通信するように構成された外部インターフェース(125)と
をさらに備え、
前記信号プロセッサ(189,470)は、前記ディスプレイおよび感覚代行のうちの前記少なくとも1つに、解明され校正された酸素測定を通信するようにさらに構成されている、請求項1〜15のうちのいずれかに記載の監視装置。
【請求項17】
前記信号プロセッサ(189,430,470)は、前記受信された光(181)の時間応答および前記受信された光(181)の周波数応答のうちの少なくとも1つを分析することによって前記組織の少なくとも1つのポイントの前記組織酸素化の解を得るように構成されている、請求項1に記載の監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願はその特許の全体を本明細書に参考として組み込まれる2013年3月19日に出願された米国仮特許出願第61/803,451号に対する優先権を主張する。
【0002】
(政府の利益)
本発明はアメリカ国立衛生研究所グラント番号CA153571の下政府サポートに基づいて行われた。政府は本発明に対して一部の権利を有する。
【0003】
現発明は組織酸素化を測定するために分子プローブとともに用いるためのシステム、メソッドおよび医用装置に関係する。より詳しくは、本発明はセンサーによって収集された情報を解明するために生物学的組織およびシステムの特性を検出するために使用するセンサーを備えたシステム、メソッドおよび医用装置に向けられる。
【背景技術】
【0004】
生体組織は複数の細胞で構成される。細胞は生命の維持および再生ができる最小の構造である。細胞は様々なタスクを実行するために様々な構造を持つ。組織は様々な量および種類の非生物の細胞間物質が細胞間にある多数の同様の細胞からなる組織体である。臓器はいくつかの異なった種類の組織を合わせて特定の機能を実行するように配列された組織である。
【0005】
手術は手術処置を要する疾病に関する医療の1つの分野と定義される。
【0006】
多くの外科的処置は成功するが、必ず失敗する場合がある。処置の種類に応じて、これらの失敗は、痛み、再手術の必要、重病、または死という結果になる可能性がある。現在、失敗がいつ生じるかを予測する信頼できるメソッドはない。多くの場合、失敗は外科的処置が完了した後に生じる。外科的処置の失敗は多くの形態を取る。予測および避けることが最も困難な失敗は、生物学的組織が含まれる場合である。この困難は次の3つの明確な理由によって生じる。1つ目は、生物学的組織の連続した機能を働かせる特性は非常に複雑であることである。2つ目は、これらの特性が必然的に外科的処置によって妨げられることである。最後に、生物学的組織の特性は患者間で変わることである。
【0007】
外科手術中、様々な外科用装置が生物学的組織を操作するために使用される。しかし、従来の外科用装置は生物学的組織からの情報を得る能力を持たない。外科用装置が操作する生物学的組織からの情報を得ることによって、現在収集されていない価値があるデータセットを提供できる。例えば、このデータセットによって、特定の患者特性に適用する場合に、成功または失敗の結果になる組織の特性を定量的に判別することができる。
【0008】
必要なのは外科的処置の失敗を避けるために重要な患者固有の特性に適応できる医用装置、システムおよびメソッドである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
(本発明の要約)
【0010】
従って、1つの実施態様は、リン光性酸素検知プローブの酸素依存性消光に基づいて組織の酸素を検知するための外科用装置を含む。
【0011】
別の実施態様は、組織の酸素化を検知するように構成された低侵襲外科用装置を含み、この検知はリン光性酸素検知プローブの酸素依存性消光に基づいており、外科用装置は組織へ一貫性のある圧縮圧力を確保するためのメカニズムを含む。
【0012】
別の実施態様は、生物学的組織を操作するための外科用装置を含んでおり、この装置は組織への酸素検知プローブの一部を構成する媒体を送達するように構成された注入装置を組み入れ、この装置はさらに組織内の酸素検知プローブの光学応答を検知するように構成された検知システムを組み入れる。
【0013】
別の実施態様は、生物学的組織を操作するための外科用装置を含み、その装置は組織内に媒体を注入するように構成されたマイクロニードルアレイを組み入れる。
【0014】
別の実施態様は、生物学的組織を操作するための外科用装置を含み、その装置は装置本体にマイクロインジェクションシステムを組み入れ、その装置は1つまたは複数のニードルから構成され、1つまたは複数のニードルを介してマイクロインジェクションシステムが組織内への媒体の注入を制御する。
【0015】
別の実施態様は、生物学的組織を操作するための外科用装置を含み、その装置は装置の表面に対し組織の一定の圧縮圧力を生成するための手段から構成される。
【0016】
別の実施態様は、注入可能なプローブの操作方法を含み、プローブは、強磁性材料を組み込み、生物学的組織を操作するための外科用装置を含み、外科用装置は微粒子を引き付け保持するために磁石を内蔵している。
【0017】
別の実施態様は、組織への媒体の注入手段を組み入れた外科用装置を含み、さらに注入後、組織に媒体の位置を操作するための手段を組み入れる。
【0018】
別の実施態様は、ある時間にわたり組織の注射部位に局所的に注入されたプローブの位置を維持するための方法を含み、生体吸収性の実体物は、プローブの構造に組み込まれ、生体吸収性実物は、プローブから切り離され、ボディからクリアランスを持つ。
【0019】
別の実施態様は、高速イメージングシステムを構成する外科用装置を含む。イメージングシステムは注入可能な酸素検知プローブのリン光性光学応答に基づいて酸素検知組織酸素化のマップを生成するためのデータを提供するように構成される。
【0020】
別の実施態様は、イメージングシステムを構成する眼科手術用外科用装置を含む。イメージングシステムは酸素検知プローブのリン光消光時間に基づいて組織酸素化マップを生成するためのデータを提供するように構成される。
【0021】
別の実施態様は、組織の2つ以上の層で酸素化の検知と判別方法を含み、酸素はリン光性酸素検知プローブのリン光消光時間に基づいて検知され、プローブは、異なる組織の吸収特性を有する複数の吸収波長を有し、複数の発光波長に起因したリン光性応答に基づいて酸素が判別される。
【0022】
別の実施態様は、組織の酸素化を評価するように構成された外科用装置から構成され、さらに組織の酸素化を評価するように構成された手術用ステイプラーに連結された検知装置から構成される手術システムを含み、両方の装置は注入可能なリン光性酸素検知プローブを使用して組織の酸素化を評価するように構成され、システムは外科処置を誘導するための情報を提供するように構成される。
【0023】
別の実施態様は、複数の検知素子から構成される外科用装置を含み、少なくとも装置は、注入可能なリン光性プローブの消光時間に基づいて、組織の酸素化を評価するように構成され、装置はさらに、組織の酸素化、血液の酸素化、脈拍数、パルスの存在、パルスリズム、組織灌流、ステイプルギャップ、圧縮力、組織の相互作用力、蛍光、組織の電気インピーダンス、組織の電気的活動、pH、細胞呼吸代謝の濃度、筋電、温度、流体流速、流体流量、組織圧、血圧、バイオマーカー、放射性トレーサー、免疫学的特性、生化学的特徴、神経活動、誘発電位、酸素送達、酸素利用、組織特性、組織の一般的な健康、組織の流体力学、組織化学組成、組織免疫学的活性、組織の病原体の濃度、組織の含水量、血中ヘモグロビン量、組織発色団含有量、組織の新生物細胞含量および組織の異形成細胞含量のうち少なくとも1つを検知するように構成される
【0024】
別の実施態様は、注入可能なリン光性プローブの消光時間に基づいて組織の酸素化を評価するように構成された外科用装置を含み、装置は基地局に無線接続を介して通信接続される。
【0025】
別の実施態様は、検知外科手術用ステイプラーのアンビルを含み、検知アンビルは吻合部における組織の酸素化を評価するように構成され、酸素化の評価は、注入可能なリン光性プローブの酸素化の評価は消光時間に基づく。
【0026】
別の実施態様は、注入可能なリン光性プローブの消光時間に基づいて、組織の酸素化を評価するために構成された少なくとも1つのセンサーを組み込んだ外科用ステイプラーの付属物を含み、付属物はステイプラーとは独立して動作し、付属物は必要に応じてステイプラーと連結される。
【0027】
別の実施態様は、組織酸素化を検知するための医用装置を含み、装置は少なくとも1つのセンサーから構成され、装置の少なくとも1つのセンサーが酸素検知プローブの光学的応答を検知する。
【0028】
酸素検知プローブは、リン光性光学応答を有し、光学応答のリン光寿命は酸素依存性消光に応答する。
【0029】
医用装置は、生物学的組織を操作するための外科用装置であってもよい。
【0030】
医用装置は、低侵襲外科用装置であってもよい。
【0031】
外科用装置はさらに組織に一定の圧縮圧力を確保するメカニズムから構成される。
【0032】
外科用装置はさらに組織に媒体を送達するように構成された注入システムから構成され、媒体は酸素検知プローブを含む。
【0033】
注入システムは多数のマイクロニードルを含んでもよい。
【0034】
外科用装置は、外科用ステイプラーまたはコンポーネントであってもよい。
【0035】
外科用装置は統合された酸素検知機能を備えた外科用ステイプラーのアンビルであってもよい。
【0036】
医用装置は統合された酸素検知機能を備えたパッチであってもよい。
【0037】
パッチは全部または一部が生体吸収性であってもよい。
【0038】
医用装置は、基地局に無線接続を介して通信接続することができる。
【0039】
外科用ステイプラーのアンビルは、吻合部位における生物学的組織の酸素化を評価するように構成することができ、酸素化の評価は注入可能なリン光性プローブの酸素依存性消光時間に基づく。
【0040】
少なくとも一つのセンサーを組み込んだ外科用ステイプラーの付属物は、生物学的組織の酸素化を評価するように構成することができ、酸素化の評価は注入可能なリン光性プローブの酸素依存性消光時間に基づき、付属物はステイプラーとは独立して動作し、付属物は必要に応じてステイプラーに接続される。
【0041】
手術システムは、生物学的組織の酸素化を評価するように構成された外科用装置を含むことができ、検知装置は、外科用ステイプラーに結合する組織の酸素化を評価するように構成される。装置は、注入可能なリン光性酸素検知プローブを使用して、生物学的組織の酸素化を評価するように構成される。
【0042】
外科手術システムは、さらに、外科的処置を導くための情報を提供するように構成することができる。
【0043】
イメージングシステムは、組織の酸素化の2次元マップを提供するように構成することができ、イメージングシステムは、酸素感受性分子のリン光性応答の酸素依存性消光に応答するマップを生成する。
【0044】
イメージングシステムは外科用装置に組み入れることができる。
【0045】
外科用装置は眼科手術用に構成することができ、装置は網膜の酸素化マップを提供する。
【0046】
外科用装置は胃腸組織の酸素マップを提供するように構成することができる。
【0047】
外科用装置は、対象組織の分析に役立つように構成でき、分析は吻合の生成前、最中、後の少なくともそのいずれかで実施される。
【0048】
外科用装置は、生物学的組織を操作することができ、装置は、装置本体にマイクロインジェクションシステムを組み入れ、装置はさらに1つまたは複数のニードルから構成され、マイクロインジェクションシステムは1つまたは複数のニードルを介した媒体の組織への注入を制御する。
【0049】
外科用装置は生物学的組織を操作できる。その装置は装置の表面に対して一定の圧縮圧力を生む手段で構成される。
【0050】
メソッドは注入プローブを操作できる。そのプローブ強磁性体材料を取り込み、外科用装置は磁石を取り込み微粒子を引きつけ保持する。
【0051】
外科用装置は媒体の組織への注入手段を取り込むことができ、さらに注入後組織における媒体の場所の操作手段を取り込む。
【0052】
メソッドは一定期間組織の注入部位で局部的に注入されたプローブの位置を維持でき、そこで生体吸収性実体がプローブ構造に取り込まれ、生体吸収性実体がプローブから取り外されボディクリアランスを有効にする。
【0053】
組織の2つ以上の層で酸素化を検知および区別するメソッドが提供され、そこで酸素化がリン光性酸素検知プローブのリン光消光時間に基づき検知され、プローブが異なる組織吸収特性を有する多重吸収波長を有し、酸素が多重放射波長によるリン光性応答に基づき区別される。
【0054】
外科用装置は検知素子の過半数で構成され、そこで少なくとも装置は注入可能なリン光性プローブの消光時間に基づき組織の酸素化を評価するために構成され、装置は組織の酸素化、血液の酸素化、脈拍数、脈拍の有無、脈のリズム、組織かん流、ステイプルギャップ、圧縮力、組織の相互作用力、蛍光、組織の電気インピーダンス、組織の電気活動、pH、細胞呼吸代謝物濃度、筋電図検査、温度、液体流速、液体流量、組織圧、血圧、バイオマーカー、ラジオトレーサー、免疫学的特性、生化学特性、神経活性、誘発電位、酸素運搬、酸素利用、組織特性、組織の全般的健康、組織の流動力学、組織の化学組成、組織の免疫学的活性、組織の病原菌濃度、組織の含水量、血液中のヘモグロビン含有量、組織の発色団含有量および組織の異形成細胞含有量の最低1つを検知するようにさらに構成される。
【0055】
本発明の追加機能、長所、および実施態様は以下の詳細説明、図面および請求項を考慮すれば明記されており、明らかである。さらに、本発明に関する前述の要約および以下の詳細説明は例示であり、請求項に記載の発明の範囲を制限することなく詳細な説明を提供するように意図されていることの理解が必要である。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
組織酸素化の測定のために再発光プローブを検知するように構成された外科用装置は、
再発光プローブの吸収帯内で再発光プローブを励起するように構成された最低1つの光エミッタ、
プローブから再発光される光を受信するように構成された最低1つの光ディテクタ、および
受信した光に基づいて組織酸素化の測定ために構成された信号プロセッサで構成される。
(項目2)
項目1に記載の外科用装置は、更に再発光プローブを含む媒体を標的組織に提供するように構成されたアプリケータで構成される。
(項目3)
項目1に記載の外科用装置では、信号プロセッサが再発光プローブの寿命に基づいて組織酸素化の測定のために構成される。
(項目4)
項目1に記載の外科用装置は、外科用ステイプラーのアンビルである。
(項目5)
項目2に記載の外科用装置では、アプリケータは媒体を標的組織に注入するように構成された最低1つのインジェクタである。
(項目6)
項目1に記載の外科用装置は、更に組織を測定するように構成されたインテロゲータで構成される。
(項目7)
項目1に記載の外科用装置は、表面とインターフェースする組織を有するフレキシブルなサブストレートである。
(項目8)
項目1に記載の外科用装置では、信号プロセッサが組織酸素化の測定に基づいて運用の成否を決定する。
(項目9)
項目1に記載の外科用装置は、更に組織の温度を検出するように構成された温度センサーで構成される。
(項目10)
項目1に記載の外科用装置は、更に圧縮圧および組織間緊張組織の最低1つの相互作用力を監視するように構成された最低1つのセンサーで構成される。
(項目11)
項目1に記載の外科用装置では、プローブは多重吸収波長を有するリン光性プローブである。
(項目12)
項目1に記載の外科用装置は、基地局に通信可能に接続される。
(項目13)
組織酸素化の測定のために再発光プローブを検知するように構成された外科用ステイプラーのアンビル構成は、
再発光プローブを励起するように構成された最低1つの光エミッタ、
プローブから再発光される光を受信するように構成された最低1つの光ディテクタ、および
受信した光に基づいて組織酸素化の測定ために構成された信号プロセッサで構成される。
(項目14)
項目13に記載の外科用ステイプラーのアンビルは、基地局に通信可能に接続される。
(項目15)
項目13に記載の外科用ステイプラーのアンビルでは、信号プロセッサが組織酸素化の測定に基づいて運用の成否を決定する。
(項目16)
項目13に記載の外科用ステイプラーのアンビルは、更に組織の温度を検出するように構成された温度センサーで構成される。
(項目17)
項目13に記載の外科用ステイプラーのアンビルは、更に圧縮圧および組織間緊張組織の最低1つの相互作用力を監視するように構成された最低1つのセンサーで構成される。
(項目18)
組織酸素化の測定のために再発光プローブを検知するように構成された監視装置は、
表面とインターフェースする組織を有するフレキシブルなサブストレート、表面とインターフェースする組織((1)再発光プローブを励起するように構成された最低1つの光エミッタ、および(2)プローブから再発光される光を受信するように構成された最低1つの光ディテクタ、および
受信した光に基づいて組織酸素化の測定ために構成された信号プロセッサを含む)で構成される。
(項目19)
項目18に記載の監視装置は媒体を標的組織に注入するように構成された最低1つのインジェクタ、再発光プローブを含む媒体で構成される。
(項目20)
項目18に記載の監視装置は、基地局に通信可能に接続される。
(項目21)
項目18に記載の監視装置では、信号プロセッサが組織酸素化の測定に基づいて運用の成否を決定する。
(項目22)
項目18に記載の監視装置は、更に組織の温度を検出するように構成された温度センサーで構成される。
(項目23)
項目18に記載の監視装置では、フレキシブルなサブストレートが(1)皮膚に貼り付け(2)内部組織に貼り付けの1つ以上で構成される。
(項目24)
項目18に記載の監視装置は、少なくとも部分的に生体吸収性がある。
(項目25)
再発光プローブを含む組織酸素化をマッピングするように構成された監視装置は、
再発光プローブを励起するように構成された最低1つの光エミッタ、
プローブから再発光される光を受信するように構成された最低1つの光ディテクタ、および
酸素マップを生成するために多点で組織酸素化の測定ために構成された信号プロセッサで構成される。
(項目26)
項目25に記載の監視装置は媒体を標的組織に注入するように構成された最低1つのインジェクタ、再発光プローブを含む媒体で構成される。
(項目27)
項目25に記載の監視装置は、更に組織の温度を検出するように構成された温度センサーで構成される。
(項目28)
項目25に記載の監視装置では、光ディテクタはCCDアレイの最低1つ、CMOS画像センサーおよび1台のカメラで構成される。
(項目29)
項目25に記載の監視装置は、内視鏡装置である。
(項目30)
項目25に記載の監視装置は、摂取可能である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1a図1aは検知機能を備えた外科用装置の代表的な実施態様を示す。
図1b図1bは複数の機能を持つ医用装置の一般的な実施態様である。
図2図2は検知機能を備えたインテロゲータの形態を取る外科用装置の代表的実施態様である。
図3図3は検知機能を備えたインテロゲータの形態を取る低侵襲外科用装置の代表的実施態様である。
図4a図4aは検知機能を備えた外科用ステイプラーアンビルの形態を取る外科用装置の代表的実施態様である。
図4b図4bおよび4cはステイプラー形態に組み込まれたセンサー機能を備えた外科用ステイプラーアンビルの形態を取る外科用装置の別の代表的実施態様を示す。
図4c図4bおよび4cはステイプラー形態に組み込まれたセンサー機能を備えた外科用ステイプラーアンビルの形態を取る外科用装置の別の代表的実施態様を示す。
図4d図4dは検知機能を備えた外科用ステイプラーアンビルの形態を取る外科用装置の一般的な実施態様である。
図5図5は内蔵アプリケータを備えた低侵襲装置の形態を取る酸素マッピングシステムの代表的実施態様を示す。
図6図6aと6bは埋め込み可能検知装置の代表的実施態様を示す。
図7図7は1つ以上のポイントに内蔵検知機能を持つフレキシブルなメッシュまたはパッチの代表的な実施態様を示す。
図8図8はアプリケータがマイクロニードルアレイである外科用装置に組み込まれたアプリケータの代表的な実施態様を示す。
図9a図9aは媒体がリムーバブル容器内にあるアプリケータ送達システムの代表的実施態様を示す。
図9b図9bはインジェクタの3つの状態を示す:初期の密閉された状態、穴のあいた状態、および使い果たされた状態。
図10図10は注入されたプローブを操作する能力を備えたインテロゲータの代表的実施態様を示す。
図11図11は低侵襲ワンドインテロゲータ外科用装置の例示的表現を示す。
図12図12は現発明の検知能力を組み込んだ医用装置の例示的実施態様を示す。
図13a図13aは内蔵アプリケータによる眼科手術のための低侵襲酸素マッピングシステムの代表的実施態様を示す。
図13b図13bは網膜画像処理に適用した酸素マッピングシステムの代表的実施態様を示す。
【発明を実施するための形態】
【0057】
(本発明の詳細な説明)
各外科的処置は失敗する可能性がある。胃腸の手術における一般的な処置は腸切除である − 腸の患部を切除し、残りのセグメントの両端を機械的に接合し、腸の連続性を再確立する。腸の自由端の機械的接続はいわゆる外科的吻合を形成する。外科的吻合は縫合材を使用する従来の技術または外科用ステイプラーまたはその他の外科用固定装置の利用を含む現代の技術のいずれかによって形成される。外科用ステイプラーはカートリッジまたはハウジングから、反対側の固定クリンプを最終的に形成するアンビルに対して腸の2つの自由端を通してステイプラーのパターンを発射して腸を機械的に接合する。多くの外科用ステイプラーの実施態様がある。線形ステイプラーパターンや環状パターンである。いくつかのステイプラーは組織を切断する機能を持つ。多くのステイプラーはステイプラーのベースと形成されたクリンプの間のギャップを変えることができる。
【0058】
吻合の失敗は結果として生じる病的状態または死亡による腸の外科手術の最も恐れられる複合事態である。吻合、または腸の接合の失敗は局部的腫瘍の形成を含む様々な患者の病的態様の原因となるー排膿手順の必要性、腫瘍の再発、消耗性の痛み、排便機能障害、死に至る重篤な細菌性敗血症。外科手術の技術の向上にもかかわらず、吻合部分を評価し結果を予測する能力が限られているために、吻合の失敗は許容できない高いレベルで生じ、重大な結果になる。例えば、直腸ガン切除における低位前方切除術(LAR)の実施では、吻合の失敗は事例の最高30%で生じたと報告されている。ある大規模なマルチセンターでは、2729人の患者の観察研究では14.3%の漏出率が報告されている。これらの吻合の失敗は保健システムに重大で不可避の経済的負担、および失敗した患者に計り知れない痛み、苦痛、および困難を与える。吻合の失敗の重篤な結果は過酷であり、多くの場合、低位前方切除を行う多くの外科医は吻合の失敗のリスクを軽減するために切除の際に排出用オストミーを作成することを選択する。同じ研究において、881人の患者が仮の排出用オストミーを与えられ、128人の患者が漏出を起こした。これらの患者の最大85%が追加の外科的処置を受けて効果に疑問がある利点となるオストミーを無効にした。排出用オストミーは吻合の失敗の悲惨な結果を回避できるが、失敗を防止せず、さらに合併症の危険を伴う。仮のオストミーの罹患率は20〜30%である。合併症には、腸閉塞、捻転、脱水、電解質不均衡、吻合部後退、および重篤な皮膚の損傷が含まれる。さらにオストミー閉鎖の合併症が患者の3分の1に生じる。さらにオストミーは回復した患者のライフスタイルを大きく悪化させる。
【0059】
吻合の中間手術を定量的に評価して失敗の起こりやすさを決定する臨床的に実用になる器具も、外科医が排出用オストミーから便益を受ける患者を選択できる基準の客観的セットも存在しない。また吻合の最適な位置を決定するために役立つ機器もない。
【0060】
吻合の生成の前、中、および後での標的組織の解析により吻合の失敗を低減するための装置、システムおよびメソッドの必要性が存在する。外科手術の際に排出用オストミー処置が有効であると考えられる患者を客観的に決定する必要性が存在する。さらに、結果を最適化するために吻合の部位に補助療法を提供する必要性がある。
【0061】
この目的を達成するために、現発明の1つの実施態様は吻合の作成の前に組織を調べて、手術チームが定量的な基準に基づいて適切な場所を特定することを可能にする。別の実施態様は、従来の市販の廃棄可能外科用ステイプラーなどの所望のステイプラーのプラットフォームに結合させて、多重モードのセンサーアレイを使用して吻合の作成中に組織の生存能力を測定する。組織パラメーターが吻合に適さない場合、手術チームは是正措置を取り、吻合の失敗を軽減する。吻合形成の最後に手術チームは組織が許容範囲内にあることを測定できる。測定が異常であった場合、手術チームは再び是正措置を取り結果を改善できる。測定は組織の内部および外表面から実施できる。
【0062】
現発明の1つの代表的な適用は大腸がんの治療の場合である。大腸がん(CRC)は先進国では男性および女性の三番目に多いがんの原因である。推定では2007年に大腸がんは世界中で120万弱の新しい事例診断されたと推測される。直腸がんはすべての大腸がんの内の27%であり、許容できる機能を維持しつつ治療的切除を保証する恐るべき難題を提示する。直腸がんの治療の主流は外科的切除である − 腸の感染した部位を削除し、残りの部分の両端で吻合を実施し腸の連続性を再確立する。両端の吻合(EEA)は通常環状EEAステイプラーを使用して実施される。すべての外科的処置と同様に、直腸がんの切除には合併症を伴う可能性がある。可能なすべての合併症の内で3つの最も多い患者への衝撃は不健全性および死亡性でいうと、腫瘍の再発、吻合漏出および吻合狭窄である。腫瘍の再発は以下で軽減できる:切除の腫瘍原理に従うこと、適切な補助化学療法、光線力学療法、および放射線療法を提供すること、および吻合破綻による残余内腔細胞の内腔からの溢出を防止すること。吻合の失敗は不十分な組織のかん流および吻合部の過度の張力によるとされてきた。
【0063】
直腸がんの位置を決定する場合、外科医は肛門縁からの腫瘍の距離に注目する。肛門管は0〜4cmの肛門縁を通り、直腸まで4から19cmの長さである。外科的には、直腸は肛門括約筋から仙骨岬角まで延びている。がんの位置によって実施する外科的処置のタイプが決定される。
【0064】
治療切除の第一の目標はがん性細胞を含むすべての潜在的な組織を削除することである。この目標を達成するために、外科チームは、がんのない断端および腫瘍の血液供給および排出リンパ組織を切除することを目的とする。肛門縁から12cm以上離れた上部直腸にある腫瘍は通常前方切除(AR)に従う。6〜12cmの中位直腸の場合は、直腸間膜全切除(TME)のあり、またはなしでLARの対象となり、4から6cmの下部直腸の腫瘍では、TMEおよび結腸直腸または結腸直腸吻合を採用して、通常超低位前方切除(ULAR)の治療を行う。直腸間膜全切除は直腸およびすべてのそれを取り巻く軟組織全体を切除する技術である。この技術は文献では局部の腫瘍再発を最小化するという点で優れた結果が得られると言われてきたが、吻合部分への供給血管系を切除するため、漏出率に悪影響を与える。便意の抑制を保持するあらゆる試みがなされるが、肛門括約筋の0〜4cmを含むこれらの腫瘍は腹会陰式切除(APR)を犠牲にして括約筋を通して切除される。現発明はセンサー測定に基づき、外科的切除断端および吻合位置を決定するために使用できる。これらの測定は組織の内部および/または外部で実施でき、シングルポイントまたは多重ポイントで調査できる。
【0065】
2番目の目標として外科手術チームは腸の連続性を回復し、便の流れを保証することに努める。この目標を達成するために、吻合が形成される。単純には、吻合は管状構造の2つの自由端の外科的接続である。腸の連続性が回復できない場合、便の流れは前腹壁にあるストーマ、または開口部に向かい患者がそこからオストミーバッグに排泄する。ストーマの形成には主として2つの理由がある:肛門括約筋複合体の切除、および便の流れの迂回である。APRなどの括約筋を犠牲にする手術では、患者は永久にオストミーに依存する。LARなどの括約筋を無くす施術では、便の流れを仮のオストミーに向かうようにして、吻合部分に漏出があった場合に腹腔内部に便の成分入り込むことによる重篤な敗血症の危険を軽減する。大抵の場合、仮のストーマは最初の手術の後に別の手術によって数ヶ月以内に置き換えることができる。現発明はセンサーの測定に基づき、吻合および/またはストーマの生存性を評価するために使用できる。
【0066】
科学文献は吻合の失敗の原因は不十分な組織内かん流であり、それは吻合部分に送達される酸素の減少をもたらす、血管系の再定義、組織の相互作用力、浮腫、およびの張力の結果によることを示唆している。十分な酸素送達がなければ、効率的な有酸素細胞呼吸が体内細胞に生じることができず組織の劣化に導かれ、コラーゲンのマトリクス構造が強力なコラーゲン小繊維に成熟できず、白血球はバクテリアの侵入に対して効率的に戦えない。
【0067】
腸の吻合の通常の療法は順序だった回復プロセスに従う。炎症フェーズは組織の切断直後に生じ、2〜3日続く。このフェーズは創傷部への炎症細胞の流出が特徴である。創傷部に隣接する血管の浸透性が増加して標的細胞の送達を容易にする。止血は血小板が介在する繊維素ベースの凝塊によって達成される。好中球が侵入する病原菌を殺す目的で初期にこのフェーズを支配する。マクロファージが次に出現し、進行性の修復に卓越した組織の成長因子を分泌する。増殖フェーズが繊維芽細胞の到達で開始される。繊維芽細胞が暫定の凝塊マトリックスを緩く組織化したコラーゲンのフレームワークと交換する。このフェーズでは、吻合は最初は弱まるが、これはコラーゲンの溶解が最初に合成に勝るからである。結腸洗浄吻合はその初期強度の最大で70%を失う。コラーゲンの合成にはリジンおよびプロリンの残渣の水酸化を要する。このプロセスに必須の補因子は、酸素、第一鉄、ビタミンC、およびαケトグルタンである。この段階で血管形成が始まり、酸素および栄養素の送達を増加し、創傷部を治療する代謝要求の増加に応える。最終の改築フェーズは前のフェーズの相対的に弱いコラーゲンから厚く強いコラーゲン束への変換によって特徴付けられる。
【0068】
酸素の十分な供給は創傷部の治癒の各フェーズで最も重要である。炎症フェーズでは酸素は重要な能力を持つ好中球を供給して活性酸素の生成によって細菌を殺傷する。増殖および再生フェーズでは酸素はコラーゲン形成の重要な要素である。同様に酸素は傷ついた組織の通常の好気的代謝のために供給される。
【0069】
食道および下部直腸を例外として、消化管は次の4つ層で構成される:外しょう膜、筋固有層、粘膜下層、および粘膜である。筋固有層は血球および神経を含む弾性繊維マトリックスの層で構成される。Halstedは腸の強度は粘膜下層に由来することを決定した最初の人である。吻合の完全性に主として貢献するのは粘膜下層内のコラーゲン繊維である。低いコラーゲン量は減少した吻合のバースト強度に関係する。
【0070】
吻合の失敗の原因は様々な局所およびシステム因子が原因である。局部因子には組織の低循環、創傷エッジの弱い付加、放射線障害、および遠心性閉塞が含まれる。失敗に貢献する最初の3つの局部因子は組織の外科的処置の影響を受ける。組織への酸素送達は組織体内の血液の流量により処理される血液の酸素成分の関数である。全血の血液酸素量(BOC)は以下の式で与えられる:
BOC = ヘモグロビンに結合した酸素 + 溶解酸素
BOC = 1.34 * Hb * SO2 + 0.003 * PO2
【0071】
ここで、1.34(ml/g)は循環しているヘモグロビンの1グラムによって機能的に運ばれる酸素量、Hb(g/dl)はヘモグロビン、SO2はヘモグロビン酸素飽和パーセント、0.003(ml/100ml/mmHg)は37℃における血漿内のO2の溶解度、およびPO2(mmHg)は血液内の酸素の部分圧力である。通常の生理的条件下(Hb=15g/dl、SO2=0.98、およびPaO2=100mmHg)ではBOCは20ml O2/100mlの動脈血である。
【0072】
腸の毛細血管床を流れる動脈血流として、血液細胞のヘモグロビンは酸素が供給される組織に向かって拡散するため、非飽和になる。組織の酸素抽出による非飽和の程度は組織を流れる酸素化血流および標的組織の代謝要求に基づき変化する。腸内の微小循環における自動調整によって需要に応答して限度内で流量調整が可能になる。30〜140ml/min/100gの組織のイヌの回腸の通常の流れ条件では、酸素の抽出は流量非依存である。組織は酸素の十分な量を抽出して有酸素細胞代謝をサポートする。30ml/min/100gの酸素抽出を下回る流量は流量依存であり組織は有酸素代謝をサポートできない。ヒトの小腸は流量依存の酸素に対する同様なしきい値を有する。血液量減少およびショックは吻合の失敗に寄与する因子であり、定容量性の貧血はかん流が十分である場合、許容される。
【0073】
腸切除および外科手術吻合の作成中の人体の外科的処置は組織の還流において摂動を起こす。イヌのモデルによって、採用した技術に関わらず端と端の結腸吻合における粘膜血流の減少が示された。しかし、絶対的減少は技術に依存する。環状ステイプラーを使用して、測定された厚さの中間腸壁と等しいギャップのステイプラーで形成された吻合によって血流が43%減少したが、測定した厚さの半分のステイプラーギャップの場合は71%の血流減少であった。単層縫合吻合は27%の血流減少を示し、2層の縫合吻合の場合は59%の血流減少であった。Perianastomotic漿膜測定は接合線の1cm以内での吻合の近位および末梢アスペクトの両方で手術中に行われた。直腸断端での変更したかん流は後続の吻合漏出と相関が取られた。端と端間の大腸吻合の近位側でのレーザードップラーにより測定された血流によって必要な切除後の血流の大きい減少が明らかになった。要約すると、吻合の失敗はかん流が組織の治癒に必要な入力の供給に失敗する場合に生じる。
【0074】
現発明の1つの代表的な適用は腸閉塞に続く腸の切除の実行にある。多くの場合、機械的な腸閉塞は腸の捩れを起こす癒着、または腸を閉じさせるか、または縛るヘルニアが原因である。腸への血液の供給が悪化し、局所貧血または梗塞に至ることが起こる。手術中、外科医は腸がねじれを元に戻すか、または解放された後で腸が生きているかを定性的に決定する。腸が生きているように見えない場合は腸が切除される。多くの場合、定性的メソッドは腸の生存性を決定するために正確ではない。腸がピンク色になったら、救済可能である。腸の疑わしい部位が最初の外科的処置中に切除されるか、または数時間「そのまま」に放置された後、腸の生存性を決定するための「セカンドルック」手術の実行という結果になる。現発明の利点は外科手術時に腸の酸素供給を評価して生存性を確認することができる点である。部位が生存していなくて切除する必要がある場合、現発明は外科医が生きている切除断端の選択をガイドできる。正常なかん流が確認されたら吻合は組織で実行される。
【0075】
現発明の1つの代表的な適用は組織片の作成と監視の場合である。乳がんや皮膚がんなどの様々なタイプのがんは多くの場合、治療切除の試行中に相当量の組織を除去することになる。外傷性のけがは切断された手足または組織の剥離部位が生じることになる。その結果の組織の喪失は多くの場合、患者の体の他の部位から移植する自身の組織で置き換えられる。自由組織片はその元の位置から供給する血管茎とともに完全に除去される組織片である。自由片の血管茎はその場合組織空隙の近い血管に再接続される。血管の吻合は漏洩、狭窄、または不適切な凝塊の形成による閉塞により失敗することになる。現発明は手術中の組織のかん流、および手術後の監視の両方でポイントまたはエリアの方法で組織片の酸素供給の解明が可能である。現在の技術は血流の定性的対策に限定される。現発明は組織への酸素供給のリアルタイムの定性的評価を提供する。
【0076】
現発明の代表的な出願内容の1つは、患者の酸素化の監視にある。患者の酸素化を継続的かつ非侵襲的に監視する現在のメソッドは、パルスオキシメトリの使用を通じたものである。パルスオキシメトリにおいては、血液の酸素飽和度を決定するために光を使用して患者の血液を測定する。残念ながら、この技術は、技術的および生理学的要因により制限されている。周囲光と動きが、パルスオキシメーターが適切な信号を表示するための能力に影響を及ぼす。脈動信号を測定できないため、重傷患者の不十分な血流ではパルスオキシメトリが役に立たない可能性があることがよくある。現発明は、血流とは無関係に着実な方法で正確な組織酸素化の測定を可能にする。
【0077】
現発明の代表的な出願内容の1つは、脳の病態の監視にある。血管閉塞または大出血などの基本的な手段を通じたものであれ、頭蓋内圧の変化による二次的な手段を通じたものであれ、脳のかん流および酸素化に影響を及ぼす可能があるさまざまな状況(外傷、脳卒中、外科手術、ガン、感染症、炎症等)が存在する。現在の技術では、脳の酸素化およびかん流を直接、即時に計測できない。現発明では、経頭蓋、頭蓋内または頭蓋外の手段を通じて、脳のかん流および酸素化を即時に測定できる。本装置は、下層にある脳組織を測定するために、幼児の泉門上に配置可能である。また、本装置は、長期間に渡る継続的な監視を可能とするために、経頭蓋移植を通じて頭蓋内に配置可能、または脳組織内に埋め込み可能である。本装置は、視神経または網膜などの内部構造を測定するために目に配置できる。
【0078】
現発明の代表的な出願内容の1つは、臓器の監視にある。本出願において、本装置は、一時的または恒久的に臓器内または臓器の表面上に埋め込み可能である。また、本装置は消化管を監視するために体内に摂取可能である。摂取可能な装置は、消化管の酸素化および/または他の生理的パラメーターを調査することができる。
【0079】
現発明には、外科用装置、プローブ、および注入プローブまたは自然自動蛍光発光のリン光または蛍光の寿命の評価メソッドが含まれる。1つの構成においては、注入プローブのリン光の酸素依存性消光の技術を活用して生物学的組織の酸素化を得るために少なくとも1つのセンサーが構成される。別の実施様態では、現発明は、ボディ内またはボディ上のマーカーまたは他のプローブの寿命を測定する。更に好適な実施態様では、自然の生物組織から発せられたリン光および蛍光の寿命が評価される。
【0080】
他の可能性のある出願内容には、移植器官または付属器官、頭蓋内、髄腔内、眼球内、耳内部、鼻腔内、類洞内、咽頭内、喉頭内、食道内、気管内、胸郭内、気管支内、心膜内、心臓内、血管内、腹部内、胃内、胆嚢内、腸内、結腸内、直腸内、膀胱内、尿管内、子宮内、膣内、陰嚢内、脳内、肺内、肝臓内、膵臓内、腎臓内、副腎内、脾臓内、卵巣内、精巣内、筋肉内、骨内、および皮膚内の生理的および生体力学的パラメーターの監視および記録が含まれるがこれに限定されない。
【0081】
現発明は、組織の生理的および機械的特性を測定する能力を有する医用装置に関連している。現発明の実施態様の1つは、光を再発光する媒体からの光学的な時間応答を測定することにより、外科手術中の組織の生存可能性を決定するために検知素子を外科用装置と結合させることに関連している。特定の実施態様では、酸素検知リン光性酸素検知プローブが組織内に注入され、腹腔鏡のインテロゲータが光検知素子を使用して、リン光性プローブにより発せられる光の光学反応(すなわち寿命)に基づき、組織の酸素化を決定する。
【0082】
現発明に関連する検知素子は、機械的または生物学的特性を検知できる。本検知装置には、1つまたは複数の検知モダリティを含めることができる。本検知モダリティには、対象組織の特性の信号標示の生成のための機械的、光学的、化学的、電気的またはその他の手段を含めることができる。1つの実施態様では、検知素子は、リン光性プローブまたは組織内に送りこまれるリン光体を含む媒体の使用を通じて酸素化を測定する。他の実施態様では、オキシメトリベースの技術を通じて酸素化を測定する。更に好適な実施態様では、組織内に注入された蛍光性またはリン光性媒体の時間応答を通じて、かん流または流量を測定する。
【0083】
1つの実施態様では、検知素子は、生物学的組織を操作中の外科用装置の作業表面(すなわち、組織を含む表面)に取り込まれているまたは結合されている。装置には、専用の組織インテロゲータなどの従来型の観血的、腹腔鏡的、内視鏡的、気管支鏡的、耳鏡的、検眼鏡的、喉頭鏡的、膀胱鏡的、膣鏡的、血管内の、管腔内の、ロボットの、もしくはその低侵襲器具、または捕捉器具、持針器、ステイプラー、クリップアプライヤ、カテーテル、はさみ、焼灼、もしくは開創器などの計装標準装置を含むことができる。また、装置には、低侵襲にできるまたはできない、および組織の内部および/外表面を測定できるインテロゲータまたはその他装置を含むことができる。
【0084】
検知素子には機械的および光学的検知モダリティを含むことができる。機械的検知には、圧縮圧力および組織間緊張を含む組織の相互作用力を監視する圧力センサーが含まれるがこれに限定されない。光学的検知は、発光ダイオード(LED)、広帯域光源、およびレーザーダイオード(LD)などの発光体、ならびに光ダイオード(PD)、シリコン光電子増倍管(SiPM)、CCDアレイ、CMOS画像センサー、カメラおよび分光計などが光検出器を含むがこれに限定されない。センサーは、単一の個別の場所または多くの場所で測定を行うことができる。光学検知素子は、オキシメトリ、リン光性技術または分光技術を用いて、組織の酸素化、酸素運搬、酸素利用、組織特性の測定、および組織の全般的健康のうちの少なくともの1つ、ならびに蛍光性またはリン光性ベースの技術を用いて組織かん流、組織の流動力学、組織の酸素含有量、組織の化学組成、組織の免疫学的活性、組織の病原菌濃度または組織の含水量のうち少なくとも1つを測定するように構成されている。蛍光性またはリン光性ベースの技術には、以下が含まれるがこれに限定されない。蛍光性またはリン光性媒体(例、フルオレセインまたはインドシアニングリーン注入)の注入または活性化に対する蛍光性またはリン光性応答の強度および経時変化の監視および分析、強度および時間分解手法の両方による感光性材料(例、ルテニウム)を使用した蛍光またはリン光放射の酸素依存性消光の測定による酸素量の決定、注入可能な酸素感受性のリン光性プローブ(例、酸素依存性消光リン光性ナノセンサー)の消光時間応答(寿命)に基づく酸素濃度の決定、および定量蛍光性またはリン光性メソッド(量子ドットまたは光再放射特性を組み入れた他のバイオマーカーの使用を含む)による標的組織の特性の決定。1つの構成において、本装置は、フルオレセインもしくはICグリーンまたは他の造影剤を使用してかん流を検知する。他の1つの構成では、本装置は自然な酸素消光またはリン光を検知する。
【0085】
組織酸素化または他の組織特性の測定は、測定を標準化するためおよび比較を可能にするためにゲート方式で測定可能である。当該ゲート方式測定の代表的な例の1つは、圧縮圧力などの既知の相互作用力での組織酸素化の測定である。また、測定は、呼吸および心拍出量などの生理的パラメーターへとゲートできる。
【0086】
PCT特許出願番号PCT/US2006/013985は、その特許の全体を本明細書に参考として組み込むが、適応可能な、患者固有の方法でセンサーを有する外科用装置により収集された情報を使用するためのシステムおよび技法を論証する。現発明は、結果、成功または失敗の可能性の予測、または外科手術のガイドに使用可能であり、またPCT/US2006/013985、その特許の全体を本明細書に参考として組み込む米国特許出願公開番号2012/0116185およびその特許の全体を本明細書に参考として組み込む米国特許番号8,118,206に記載のとおりである。さらに、現発明は、補助の検知システムとして構成可能であり、米国特許出願公開番号2012/0116185および米国特許番号8,118,206に記載のとおりである。さらに、現発明は、高周波技術で駆動可能であり、その特許の全体を本明細書に参考として組み込む米国特許出願公開番号2010/0081895に記載のとおりである。
【0087】
組織パラメーターは、さまざまなメソッドで測定可能である。現発明が活用する技術の1つは、酸素測定のために全身にまたは局所的に注入されたリン光性酸素検知分子プローブを介したリン光の酸素依存性消光の活用を介して組織酸素化のレベルを測定する。例えば、その特許の全体を本明細書に参考として組み込む米国特許番号4,947,850、その特許の全体を本明細書に参考として組み込む米国特許番号5,837,865、その特許の全体を本明細書に参考として組み込む米国特許番号6,362,175、その特許の全体を本明細書に参考として組み込む、米国特許番号6,165,741、その特許の全体を本明細書に参考として組み込む米国特許番号6,274,086、その特許の全体を本明細書に参考として組み込む米国特許番号7,575,890、およびその特許の全体を本明細書に参考として組み込む米国特許出願公開番号2013/0224874を参照すること。リン光性酸素検知プローブには、直接環境に触れないように発色団を隔離し、酸素の拡散を制御し、およびプローブのダイナミックレンジおよび感度の制御を可能にする保護シェルを形成する疎水性のデンドリマー内のカプセルに入れられた金属ポルフィリンコアを含めることが可能である。金属ポルフィリンコアは異なる素子で構築可能である。パラジウム(Pd)およびプラチナ(Pt)は活用可能な2つの素子である。パラジウムベースコアの上にプラチナベースのコアを載せる利点はその量子効率である。リン光体の量子効率が向上すれば、Pdベースの微粒子と比較した場合に光の出力を大幅の増量できるようになり、微粒子ごとにより多くの光が戻ることにより、より少ない微粒子の使用で同じ信号が装置に戻ることが可能となる。また、同じ量の微粒子を注入すると、感度がより低い(低価格の)光ディテクタを使用できるようになる。樹木状の枝の周辺のPEG化により、生体高分子との相互作用を防ぎながらプローブの高水溶解度を確保する。分子プローブの全体的なサイズは、腎臓により除去されるプローブの能力に影響を及ぼす。除去の速度を上げることにより、溶剤の患者への暴露が限定される。このサイズは、デンドリマーの長さ、デントリマーの数およびPEG化の範囲により異なる可能性がある。
【0088】
プローブの1つの実施態様では、コアである、Pd−メソテトラ(3、5−ジカルボキシフェニル)テトラベンゾポルフィリンは、8世代2ポリアリルグリシン(AG2)デンドロンによりカプセルに包まれ、これらはそれぞれ、モノメトキシポリエチレングリコールアミン(PEG−NH2)基でPEG化され、平均で21〜22単量体(CH2CH2O)単位を有する。プローブのデンドリマーの分子量は、MALDI質量分析により決定されたとおり最大35,354ダルトンで26,000〜44,000ダルトンの範囲内にあることが判明している。リン光消光メソッドは、環境において励起三重項状態分子のリン光を消光させる分子状酸素(O2)の能力に依存している。O2が十分な高濃度で存在する唯一の小分子動的消光剤であるので、生体系において、酸素によるリン光の消光は、拡散律速の方法で発生し、O2に極めて特異的である。生物濃縮の範囲での酸素の分圧(pO2)へのリン光の寿命(τ)の依存性は、以下のシュテルン−フォルマーの式で十分に論証される。1/τ=1/τ0+kq×pO2、ここでτは特定の酸素圧pO2におけるリン光の寿命であり、τ0は無酸素状態(pO2=0)のリン光の寿命であり、また、kqは消光定数である。1つの分子状酸素プローブには約326mmHg−s−の1つの消光定数、kq、6.2〜7.8の生理学的pHの範囲を超えた210μsのτ0および36.5℃の一定温度がある。当該プローブ、kqおよびτ0の較正は、温度に関して直線的に変化する。消光定数、kqは、7.8mmHg−の温度係数s−/℃に対応している温度の22℃から38℃までの上昇に伴い、211mmHg−s−から338mmHg−s−まで増加する。当該プローブの吸収スペクトルには、最大813nmのリン光発光を伴う約448nmおよび637nmの最大値がある。多重波長(個別または同時のいずれか)での励起は、異なる侵入度または層での組織の特性を測定および識別可能であるという特定用途向けの利点を持つ。1つの視野における複数のpO2の値の組み合わせ(例、異なる組織層が別に酸素化される場合)は、寿命の組み合わせ(指数関数型減衰の和)として表出し、複数のpO2の値および対応している濃度は、本書に記載の手段を通じて決定可能である。
【0089】
図1aには、現発明の実施態様に従った検知能力を有する代表的なシステムを示す。本実施態様では、特に、生物学的組織を操作するための低侵襲性の装置がある外科用装置101を示す。本装置は、前述のとおり観血的、腹腔鏡的、内視鏡的、またはその他の外科的アプローチのために設計できる。本装置は体組織103と相互作用する。1つの実施態様で、当該組織は、腸組織107である。装置101の1つの構成は、組織107と相互作用するためにジョー109および111を組み込む。1つの実施態様で、1つまたは複数のジョー109および111は、組織107の生物学的または機械的特性を測定するためにセンサーまたは検知素子110および112を備えている。更に好適な実施態様では、ジョーはジョー109および/または111の検知素子に対して組織107への一定の圧縮圧力を確保するように構成されている。1つまたは複数の検知素子に対して組織を圧迫するために、1つまたは複数のジョーに空気注入式の空洞、空気袋、風船、カテーテル、圧迫プレート、または圧力センサー113を搭載できる。ジョー109および111は、制御電子装置および検知素子を合体できる。ジョー109および111は装置101と結合され、一定の距離を離すことができる、平行に移動できる、またはヒンジ運動で動くことができる。1つの実施態様では、装置101の終端部と接している末梢部分の組織は1度以上の自由度でジョイント114で連結される。
【0090】
1つの実施態様では、ジョー109および/または111は、媒体を組織107に送り込むことができるアプリケータを備えている。当該媒体は蛍光性またはリン光性の酸素検知分子プローブを組み込める。1つの実施態様では、アプリケータはジョー109および111の1つに組み込まれる1つまたは複数の極微ニードルで構成される。当該極微ニードルは、インサート成型されたニードル状体の形態を取ることができる。別の実施態様では、媒体を組織107に送り込むために1つまたは複数のジョー109および111がニードルを多孔質表面と組み合わせる。現発明の1つの実施態様では、統合された注入システムを組み込んでいる。本注入システムには、媒体118を搭載する容器117が含まれる。組織107に導入された媒体118は119として識別される。1つの実施態様では、容器117にはリン光性酸素検知分子プローブを構成している定量媒体118が多数含まれている。容器117は、ジョー109および/または111に関連した1つまたは複数のニードルと一体となっている。
【0091】
1つの実施態様では、装置101は1つまたは複数の制御電子装置、バッテリー電池、ユーザーインターフェース、ディスプレイ、および有線または無線通信インターフェースを格納するハンドルまたはその他のコンポーネント121を含む。装置101またはコンポーネント121は、ジョー109と111間の圧縮力を調整する制御部、関節ジョイント113、容器117からの薬剤注入部、およびジョー109および/または111に位置する動作検知素子を含むことができる。コンポーネント121は、装置101から選択的に取り外すこともでき、101の部分的に使い捨て可能な構成が許容され、よって121は再利用可能である。121の制御電子装置または装置101のその他の位置は、無線または有線接続123を介して外部インターフェース125と通信でき、外部インターフェースは独立した基地局、コンピュータ、タブレット型計算装置またはその他ディスプレイを搭載した携帯型電子装置、またはその他の装置の形態を取ることができる。外部インターフェース125はさらに外部ネットワークに接続することもできる。装置125はディスプレイ127に臨床医に対しての情報を表示する。本情報には、組織酸素化、血流、組織酸素化図、圧縮圧力、警告情報、治療の成功可能性に関する予測、またはその他の生理的、機械的、患者の状態について、または状況的情報を含むことができる。装置101または外部装置125により、音声、視覚、振動、またはその他の技法を含む感覚代行を提供することもできる。
【0092】
図1bは、現発明の実施態様による検知機能を搭載した代表的な医用装置をさらに詳しく示す。生物学的組織151は媒体153を含む。本発明の1つの実施態様では、媒体153は組織151に注入されるリン光性酸素検知分子プローブを含む。媒体は全体的に導入することも、局所的に注入することもできる。1つの実施態様では、媒体153に局所的に注入するため、少なくとも1つのオリフィス159を含む1つまたは複数のニードルまたは供給カニューレ157を使用する。医用装置155は組織151を測定するように構成されている。装置155は媒体を送り込むアプリケータを含むこともできる。一構成において、ニードル157は極微ニードルでオリフィス159は前述のニードルの側面にある1つまたは複数の穴である。容器またはシリンジ163は媒体165を含み、媒体165は組織151への注入前の媒体153と同じ素材である。インジェクタ167は、組織内の媒体153で表されるように、媒体165を組織151に注入するのに使用することができる。インジェクタ167は手動で制御するか、または電動式あるいは駆動式にすることができる。インジェクタ167は媒体165の測定用量を提供するように構成できる。管163およびインジェクタ167は医用装置155の主要部分、医用装置155の付属部品、または独立した注入システムとして構成することができる。医用装置155は少なくとも1つのセンサー171を含み、センサー171は検知素子173および185をさらに含む。1つの実施態様では、検知素子173は光175を発光する発光源であり、光学フィルター177を介して組織151の媒体153まで選択的に通過することもできる。入射光175により、媒体153は光学反応光181を再発光する。光学反応181は光学フィルター183を介して光学ディテクタ185まで選択的に通過することもできる。さらにセンサー187は接点または装置155の表面と組織151間の圧力の測定も提供できる。センサー171のコンポーネントは、光源173を制御し、ディテクタ185からの信号を取得するプロセッサ189と結合されている。プロセッサ189は173からの発光を制御し、185からの信号を処理して検知動作を実行する。1つの実施態様では、通信インターフェース191は外部基地局またはその他の装置195と回線197を通して通信する。回線197は装置155および基地局またはディスプレイ195との無線通信の場合がある。
【0093】
現発明の1つの実施態様では、媒体153と165は蛍光性またはリン光性酸素検知分子プローブを含む。光源173はLEDやレーザーなどの狭帯域光源、または白色光源などの広帯域光源が可能である。狭帯域源のピーク発光波長は媒体153におけるプローブの吸収ピーク(プローブの励起波長)またはその近似値を選択する。フィルター177を使って、プローブの吸収波長領域またはその周辺の波長に入射光175をさらに制限することができる。プローブは光181を再発光し、その後フィルター183を選択的に通過して入射光175から発光181を分離する。光ディテクタ185は受信した光181の強度を検知する。一構成では、光ディテクタ185はPD、APD、SiPMまたは同様の装置など、一点ディテクタである。別の構成では、ディテクタ185はカメラや一連の一点ディテクタなど、複数点ディテクタである。カメラはCCD、CMOS、またはその他の技術が可能であり、装置155の表面に接触している組織に直接か、リモート位置に光学的に連結することができる。一連の一点ディテクタはPDアレイ、SiPMアレイ、リニアCCDまたはその他の技術が可能である。一構成では、プロセッサ189は光源173からの光パルスを統制し、時間領域信号処理法を使用してディテクタ185が受信した信号の時間反応を分析する。別の構成では、プロセッサ189は光源173からの正弦波強度プロファイルなどの調光を統制し、ディテクタ185からの測定信号を分析して、周波数領域信号処理法により位相遅れを決定する。一構成では、媒体153のプローブは、プローブ周辺の酸素に反応し、リン光再発光の寿命を低下させる。酸素化とリン光寿命のこの関係はシュルテン−フォルマーの関係に従うことができる。信号プロセッサ189は時間領域法または周波数領域法を使って、組織151の位置において対応する酸素含有量または濃度を定量的に解明できる。解明とは、標的組織の酸素含有量または濃度を計算、算定、決定、評価または解を取得することを意味する。前述の時間領域法または周波数領域法の実施形態は、米国特許6,707,168−B1号にて示されている。酸素含有量は数値で表すか、または装置155あるいは外部ディスプレイユニット195のいずれかに酸素図として表示することができる。酸素含有量は外科処置の成否の予測、または外科処置の指針として使用することができる。予測的または指針的手法の実施形態は、米国特許 2009/0054908 A1号に示されており、その特許の全体を本明細書に参考として組み込む。1つの実施態様では、装置155は最小限の侵襲的外科用装置である。別の実施態様では、装置155は外科用ステイプラーのアンビルである。別の実施態様では、装置155は外科用ステイプラーのアンビルのアクセサリーなど、外科用装置の付属物である。別の実施態様では、装置155は体内に埋め込み可能なセンサーである。また別の実施態様では、装置155はパッチまたは埋め込み可能なセンサーなど、外部の着用可能な装置である。
【0094】
現発明の1つの構成では、医用装置(外科用装置など)101または155または他の実施態様は、多層組織における酸素化を検知するように、または様々な深さの組織における酸素化を区別するように構成される。組織内の浸透深度は波長に依存するため、媒体119または153、装置101または155に多重の吸収波長を持つリン光性酸素検知プローブの使用は、装置101または155から発光される励起波長に基づいて、組織107または151に注入されるプローブのサブセットを照射しかつ刺激することができる。プローブの吸収ピークにおける、またはその付近での多重刺激波長を用いて組織を連続的に励起し、かつ対応する消光応答を判定することによって、酸素化は2つ以上の深さまたは層において区別できる。より深い値を検知することは多重層の合計になり、より深い層での酸素化はより浅い層で検知された酸素の理由を説明することによって判定できる。代替アプローチで、異種ルミネセンスシステム(すなわち、組織サンプル内の混合酸素化)の様々な酸素化レベルのリン光性衰退は酸素化のスペクトルを生成するデコンボルーションメソッドによって判定できる。
【0095】
検知医用装置の1つの実施態様では、正弦的に調整された過度の励起光出力が(同時に、別々に、またはチャープのような時間変化する周波数信号への結合のいずれかで)生成され、周波数領域技術が、注入されたリン光性媒体から受信された信号の位相遅延スペクトルを判定するのに利用される。各位相遅延の相対寄与を判定することによって、組織酸素化の定量的スペクトルが生成できる。別の実施態様では、時間領域技術が媒体の光パルスに対する時間応答を判定するのに利用される。衰退の多重指数フィッティングは組織酸素化の定量的スペクトルを生成するのに使用できる。
【0096】
図2は組織インテロゲータを示す。インテロゲータ201は組織203の特性を評価する。1つの実施態様で、ジョー205が組織203を把握する。ジョー205に取り付けられたネジ207または圧縮装置(例、バルーンまたは圧縮プレート)のような圧縮制御装置が組織203上の圧力を調整する。検知素子211は1つ以上の組織接触表面に統合される。1つの実施態様では、1つの注入システムが装置の1つの空洞213に取り込まれる。空洞213のニードルは媒体205を組織203に送達するのに使用される。1つの実施態様で、リン光性酸素検知プローブ205が組織203に注入される。検知素子211は、光源で組織を照射し、再発光された光の時間応答(すなわち、リン光性消光時間応答)を評価することによって組織酸素化を測定するデータを取得する。制御電子装置215は、検知素子211を操作し、221を経由して通信インターフェース223に通信的に連結される。インターフェース223は225を経由して外部コントローラーまたはユーザーインターフェース227に連結される。
【0097】
図3に、低侵襲外科インターベンションを最小にするよう設計されたワンド型組織インテロゲータの1つの実施態様を示す。ワンド301は、生物学的組織と相互作用する(すなわち、取り囲む)下ジョー303と上ジョー305を含む。下ジョー303は、組織の一貫した圧縮圧力を標準化し維持する圧縮装置309を含む。上ジョー305は、制御電子装置311および表面に接触する組織上の検知素子を含む。1つの実施態様では、ジョー303および/または305は媒体を組織に導入する注入システムを含む。この媒体は、リン光性酸素検知プローブまたはイメージング、診断、または治療の目的が可能な別の薬剤を含むことができる。アプリケータ注入システム317は装置301のハンドルまたはボディに取り込みができる。これは1つ以上の媒体の投与量を含む容器を含むことができる。ユーザーは装置301からジョー303および/または305内のニードルまで投与量を正確に管理できる。ニードルはさらにミクロモデルのニードルアレイの形を取ることもある。また、それらは、装置ジョーと接触する組織への媒体の微量注入用領域にある組織を飽和させる浸透性ニードルの形を取ることもできる。ジョー305と303はお互いに固定でき、または開閉できる。装置の遠心端はジョイント319において関節でつながれる。1つの実施態様では、装置301は、標準腹腔鏡外科用装置ポートによってぴたりとはまり、組織の周囲のジョー303と305を配置するためにジョイント319で関節をつなぐ。1つの構成では、チューブ321は膨張させるのに使用され、または別な方法で圧縮装置309を制御するのに使用される。それ以上の構成においては、圧縮装置309はバルーンカテーテルである。別の実施態様で、チューブ321は組織へ注入用媒体を送達するのに使用される。更に好適な実施態様では、検知装置は外部インターフェースへの有線または無線接続経由で接続される。1つの構成では、装置は腸または大腸の組織と相互作用し、外科吻合の場所においてまたはその付近における組織酸素化を測定する。吻合が作成される前、間、および後において、装置は測定を行える。これはスタンドアロン装置として使用でき、または外科用ステイプラーの検知アンビルのような追加検知装置と組み合わせて使用できる。この構成またはインテロゲータの他の実施態様は、組織の内部表面および/または外部表面について測定を行うのに使用できる。これは単一の位置または過度の位置で測定を行える。
【0098】
図4aは、検知機能のある外科ステイプラー装置用のアンビル401の代表的な実施態様を示す。作業表面403は生物学的組織と接触する。検知素子405は作業表面403で組織と接触する。検知素子はアンビル401の不可欠な部分またはアクセサリーであることができる。1つの構成では、検知素子はアンビルに連結するアクセサリー409に統合される。現発明は外科用装置(すなわちアクセサリーまたは補助装置)に直接に統合されるか、そうでなければ関連付けられる検知素子を含む。
図4bは、修正済み外科用ステイプラーのアンビル420の作業表面に面する切り抜き422に組み入れられた検知素子を使用した現発明の1つの代表的な構成である。1つの実施態様では、アンビル420は、制御回路430へのフレキシブルケーブル経由でセンサー素子インターフェース回路426に連結する。制御回路430はセンサー素子の制御と解釈用のプロセッサを含むことができる。制御回路は無線トランシーバ432経由で通信できる。装置はバッテリー436で電源を得る。すべてのコンポーネントがシェル、キャップまたはカバー438内に含まれる。
図4cはさらに光学446および機械的検知素子がステイプルフォーム442間のアンビルの面441内の空洞に統合されている1つの実施態様を詳述している。444はアンビルの表面442上の圧縮圧力を測定する圧力変換器のような機械的センサーを表す。445は統合された温度センサーを表す。446と447は光学センサー素子を表すが、446は1つ以上の光エミッタであり、447は1つの光ディテクタである。1つの実施態様では、光学センサー素子は深さ分解検知を有効にするように複数のピーク波長での多重光エミッタを含む。センサー素子444−447は表面441中でともに結合されたまたは分布されたものを含むさまざまな構成における空洞内に見つかる。カバーリップ448はセンサー素子のエッジを取り囲む。1つの実施態様では、検知コンポーネントは、外科用ステイプラーのアンビル、またはその代わりにステイプラーボディまたは他のコンポーネントに連結するシェルに取り込まれる。別の実施態様では、検知コンポーネントは、外科用ステイプラーのアンビルに直接取り込まれ、従来の非検知アンビルに置き換わる。いずれの場合も、検知シェルまたは交換アンビルは、外科用ステイプラーへのアクセサリーまたは付属物として役立ち、オプションとしてステイプラーに連結できる。検知アンビルはスタンドアロン装置として使用することもできるし、またはインテロゲータのような追加装置と結合して使用できる。
【0099】
図4dは、現発明に従った検知機能のある外科用ステイプラーのアンビル450の代表的な実施態様を示す。アンビル450は組織452と接触し、外科ステイプラーハウジング454に対して組織452を圧縮する。アンビル450はストーク456経由でハウジング454に連結される。外科ステイプルフォームは外科用ステイプラーのアンビル468の作業表面460に統合される。本発明の1つの実施態様では、1つ以上のセンサーまたはセンサー素子464がステイプルフォーム間の作業表面460に形成された空洞に取り込まれる。1つの実施態様では、センサーまたはセンサー素子464は、前述の組織に注入されている媒体468内のプローブを調べることによって、組織452の酸素化を測定するよう構成される。1つの実施態様では、媒体468は、寿命が酸素含有量を示すリン光性プローブを含み、センサー素子464は光エミッタとディテクタを構成する。センサーまたはセンサー素子464は組織452上の接触または圧縮圧力を検出する圧力センサーも構成できる。センサーまたはセンサー素子464は温度センサーおよび/またはpHセンサーも構成できる。センサーまたはセンサー素子464はプロセッサまたは信号プロセッサ470に連結される。1つの実施態様では、プロセッサ470は1つ以上の光エミッタを制御し、1つ以上の光ディテクタから信号を受信し、そして前述の信号に応答する酸素化を判定する。プロセッサ470は、一貫した読み取りを確実にするために、事前定義圧力に読み取りをゲートする圧力センサーデータも利用できる。プロセッサ470は酸素化測定を校正するために温度および/またはpHセンサーデータも利用できる。1つの実施態様では、アプリケータ474はアンビル450と連結される。アプリケータ450は、媒体476を含むことができ、またはシリンジまたは媒体を含む他の容器に連結できる。アプリケータ474は、468によって表される組織452に媒体を注入するために、1つ以上のニードルまたはマイクロニードルアレイ478を含むことができる。アプリケータ474はスタンドアロン装置、またはアンビル450に不可欠である。アプリケータ474は、センサー素子464の位置での微量注入を送達するようにアンビル450に連動できる。
【0100】
現発明の1つの実施態様では、外科用装置は、前述の表面と接触する組織内に送達されたリン光性または蛍光性の媒体に励起光を導入する外科用装置の作業表面上に、LED、レーザー、または他の光源を含む。再発光された光(すなわち、リン光性または蛍光性の発光)は、PD、アバランシェフォトダイオード(APD)、光電子倍増管チューブ(PMT)、SiPM、または他の光ディテクタによって検知される。制御電子装置はリン光性応答の酸素依存消光の時間応答を測定し、そして前述の情報は組織酸素化を判定するのに使用される。時間領域または周波数領域ベースの技術は組織酸素化を判定するのに使用できる。1つの実施態様では、リン光性酸素検知プローブを取り込む媒体は外科用装置に不可欠なインジェクタを使用して導入できる。マイクロニードル、ニードルアレイ、表面吸着、または他のアプローチを使用して媒体を導入できる。注入システムは外科用装置に取り込める。別の構成では、従来の方法(すなわち、ニードルとシリンジ)または装置で動作するよう特に設計されたスタンドアロンのインジェクタによる別の注入システムが利用される。1つの構成では、スタンドアロンのインジェクタは、注入位置をセンサー位置に整列させる検知アンビルに連動している。これらの技術は、腹腔鏡インテロゲータ、ステイプラー、腹腔鏡または他の低侵襲装置、ロボット装置、または観血的手術用装置に適用できる。
【0101】
図5は低侵襲手術用の酸素イメージングシステムを示す。装置501は、腹腔鏡または内視鏡手術の標準ポートまたはボディの既存内腔からボディ503に入る。装置は組織505を調べる。組織505は、リン光性または蛍光性の酸素検知プローブを含む媒体が導入されている領域509を有する。1つの実施態様では、インジェクタ511は装置501に取り込まれているかまたは連結されている。代わりの実施態様では、局所的注入または全身的ボーラス注入が使用できる。装置501は遠心端でイメージングシステム513を取り込む。イメージングシステム513は領域509内のプロ−ブを照射し、そしてリン光性応答の酸素依存消光を検出する。1つの実施態様では、イメージングシステム513はカメラを取り込み、そしてシステムは組織酸素化の2Dマップを提供する。イメージングシステム513は、標準カメラ(CCDまたはCMOSなど)、強化カメラシステム、リニアアレイ、または走査センサーを構成できる多重実施態様を持てる。イメージングシステム先端513はカメラを直接に含むことができ、または光ファイバーで遠隔カメラシステムに連結できる。マップは、組織酸素化の量的イメージのように見える可能性があり、さらに従来の内視鏡ビデオイメージと組み合わせて可視化できる。更に好適な実施態様では、組織形状に適合した3Dマップが生成される。3Dマップは、単一カメラ(運動技術からの形状を使用することなど)から、または多重カメラ(ステレオカメラなど)からの多重イメージを登録することによって生成できる。発明の1つの実施態様は、眼球内部の酸素化の評価用の小型検知装置501である。装置は、単一の位置での酸素化を測定するか、または酸素化の2Dまたは3D定量マップを生成して酸素化を測定できる。小型検知装置の先端を最小化するには、光ファイバーまたは他の光ガイドがイメージングシステム先端513を遠隔ディテクタに連結する。システムは高酸素および/または低酸素、または血流の領域を検出しマップできる。
【0102】
図6は円形外科用ステイプラーが作業表面607上に検知装置605を送達する構成を示す。検知装置は吻合609の周囲に過度の光ファイバーを配置する。ファイバーバンドル611は肛門615を通ってインテロゲータ617へと通過する。1つの実施態様では、インテロゲータは注入可能な酸素検知プローブの酸素依存消光のリン光性寿命を評価するように構成される。更に好適な実施態様では、検知装置605は生体吸収性であり、光ファイバーは外科処置後、いつでもただちに取り外しできる。
【0103】
図7は、検知素子がフレキシブルサブストレート701に取り込まれている本発明の構成を示す。1つ以上の検知素子705が組織703と接触している。リン光性酸素検知プローブを含む媒体が組織703に導入されており、検知素子705が組織を照明し、リン光性応答の酸素依存消光を監視する。装置は傷当ての外観を取ることがある。内部的にまたは外部的に適用できる。傷当ては少なくとも部分的に生体吸収性であることができる。本発明は統合された注入システムまたは検知媒体用の経皮送達システムを含むことができる。傷当ての1つの構成は皮膚フラップ監視または臓器移植評価用である。それ以上の構成は、広範囲の酸素化において正確であり、運動アーチファクト、および脈拍酸素飽和度測定または他の従来使用された技術に存在するエラーの他の源に堅牢な臨床環境における組織酸素化を信頼可能な方法で提供する外部的にウェアラブルな傷当てである。
【0104】
本発明の1つの実施態様では、リン光性酸素検知分子プローブは強磁性材料に連結され、サブストレート701はプローブ位置またはクリアランスレートを操作するための器具を含む。1つの構成では、永久磁石、交換型永久磁石、または電磁石を含む磁石はサブストレート701に統合され、さもなければ連結される。磁石は媒体の中のプローブを引きつけ、それらが検知素子705の範囲内で組織703に留まることを確実にする。さらに好適な実施態様では、プローブはある時間、組織内の位置を維持するのに適切なサイズで構成される。プローブのサイズは、定期的に移動せずにプローブが組織703内部に留まる、検知が複数または連続的な注入の必要なしに行えるように構成される。プローブは、定期的に移動しない、遅延の後は自然にクリアする、または迅速にクリアするようなサイズにできる。更に好適な実施態様では、生体吸収性コンポーネントが決まった正しい場所にある一方で、プローブの移動が最小であるように、生体吸収性コンポーネントはプローブと連結される。しばらくすると、生体吸収性材料はプローブの移動またはクリアを妨げなくなり、組織703とボディからクリアできる。上述の技術は、図7に示された傷当ての実施例での使用に制限されず、他の実施例に適用できる。
【0105】
図8は、外科用装置801に統合された微量注入システムを示す。ニードル803は表面805から組織に突き出している。1つの実施態様では、ニードル803は、特定の組織圧縮圧力に到達すると、表面805を通り越すだけに制御される。ニードル803はマイクロニードルアレイにできる。アレイは微視的モデルにできる。別の構成では、ニードル803は、長さに沿って組織にメディアを送達する浸透性のニードルである。1つの実施態様では、注入システムと容器809は装置801のボディに含まれ、チューブ811を経由してニードル803に接続される。別の実施態様では、膀胱または空洞はニードルまたはニードルアレイとともに配置され、媒体を送達するのに使用される。1つの構成では、ニードル803は線(直線または曲線)に沿って配列され、検知素子はニードルの1つの側または両方の側に沿って配置される。
【0106】
図9aは、器具からの媒体を標的の生物学的組織に送達するよう構成された注入/塗布器サブシステムの1つの実施態様の詳細を示している。光を再反射する分子プローブ903のある溶媒を含む密閉容器901は外科用装置905のボディに取り込まれる。容器は外部シェル909、およびプランジャー911を含む。プランジャー911はニードルキャリア915と対になるように構成される。外科用装置は、ボディ919、およびニードルサブユニット921を構成する容器レシーバを持つ。容器レシーバ921のボディ919は、容器901の外部シェル909を受ける。ニードルサブユニット921はボディ925、中空ニードル927、および壊れやすい止め金具929で構成される。ニードルボディ925はプランジャー911を受ける。ニードル装置ボディ925内のプランジャー911の初期位置931は、壊れやすい止め金具929に対して隣接する。ニードル927は、壊れやすい止め金具に対するプランジャーの初期位置決めの間ニードルが媒体と接触するのではなく、プランジャーに埋め込まれるように構成される。ニードル927の他の端は、媒体903をニードル956に伝達する配管または多岐管949に連結される。ユーザーは、ノブ935を操作することによって、表面958に接触する装置組織で、媒体905の離散的な量をニードル956を通じて組織954に注入できる。ノブ935はラチェットメカニズム937で構成されるので、離散増分で一方向に回転ができる。ノブは作動装置ロッド939に固定される。ロッド939は、ノブから外科用装置ボディ905に広がる。ロッドの遠心端はピン941を保持する。ピン941はプッシャー装置945内の一定または可変のピッチスレッド943とつがいになる。プッシャー装置945は容器シェル901に対して隣接する。媒体903を組織954内に注入するために、ノブ935は回転させられ、これはロッド939を回転させる。ピン941の後続の回転はプッシャー装置945を進め、容器901を容器レシーバ921に進める。ノブ935の初期回転はプランジャーを壊れやすい止め金具929を越えて最終位置933に進め、その結果がニードル927と媒体903の通信、ニードル956の媒体との始動になる。ノブ935をさらに回転すると、容器901の離散的な進行となり、容器901から1つ以上の制御された投与量での媒体903の排出は組織954内に950として表れる。オプションのインジケータ947は外科用装置905に取り込むことができ、作動の状態と投与量番号を示す。注入システムの作動は、手動または電子的のどちらかで作動できる。媒体903は、事前充填のバイアル901に溶液の形で収容されることができ、または凍結乾燥の形でパッケージ化され、使用時に再溶解できる。図9bはインジェクタの3つの状態を示す。初期の密閉された状態、穴のあいた状態、および使い果たされた状態。
【0107】
図10は、ボディ1003内部の装置1001、調べている組織1007を示す。検知素子はジョー1009に取り込まれる。媒体は組織1007に注入される。媒体は強磁性である。1つの構成では、磁気コンポーネントはジョー1009に沿って装置1001の先端に配置され、媒体のフローを制御する。1つの構成では、媒体は全身的にまたは局部的に注入され、磁石1013は媒体またはそこのコンポーネントを検知素子に引きつけ、または検知素子から離れてフローを遅くする。別の構成では、磁気コンポーネントは制御可能で、媒体、または粒子を操作できる。磁場は、永久磁石を動かし、電気永久磁石を切り替え、電気磁石への電力を調整し、または組織および/または組織内の媒体に向けてジョーの相対的位置を制御することによって操作できる。磁気的に制御可能な粒子または媒体は検知アプリケーションで使用できるか、または治療を送達するのに使用できる。
【0108】
本発明の1つの構成では、磁力で送達を制御できるように、プローブは強磁性材料と連結される。別の構成では、プローブは表面から突き出る生体吸収性実体と連結される。前述の実体は、局部的に注入されたプローブがある時間注入部位に、またはその付近に留まれるようにする。その時間の後、生体吸収性実体は溶解し、プローブはボディを自由にクリアできるようになる。
【0109】
図11は、低侵襲ワンドインテロゲータ装置の例示的表現を示す。装置1101には遠心端1103に接触する組織がある。1つの構成では、遠心端1103はジョイント1107において装置1101の主要ボディに対して関節でつながれる。ジョイント1107は1つ以上の度数または関節接合の自由を持つことができる。関節接合は装置のボディ上の作動装置1109から制御される。作動装置1109はスライダー、ノブ、モーター付きのまたはロボットの動き、またはジョイント1107の作動装置を制御する代替方法にできる。ジョイント1107は固定式のちょうつがいまたはちょうつがい式の一連のピボットの形を取れる。代わりに、ジョイント1107は1つ以上の自由度に対応できる。1つの構成では、ジョイント1107は、形状記憶合金(SMA)または他のフレキシブルケーブルまたはハンドル1109を移動することによって制御されるロッドを使用して作動させられるフレキシブルジョイントである。
【0110】
遠心端1103は2つの組織接触コンポーネント、上ジョー1113と下ジョー1115を含む。装置はジョー1113と1115の間に生物学的(例、大腸組織)を配置するために操作される。組織圧縮装置1117はジョー1113の表面1119に対して組織を圧縮するのに使用される。圧縮装置1117は表面1119に沿って一貫した標準化された圧力を確実にできる。1つの実施態様では、圧縮装置1117は空気または水圧の手段によってチューブ1121によって膨張されるバルーンまたは気胞である。装置1117は1つ以上の圧力センサーを取り入れ、適切な圧力が達成されていることを確実にする。圧力は自動的に、または作動装置または注入口1123によって手動で制御できる。
【0111】
1つ以上の検知素子1127と1129は面1119に統合されるか、または連結される。検知素子は生理的または機械的な特性を測定するために前述したセンサータイプのいずれかを含むことができる。1つの構成では、検知素子はLED 1127とPD 1129を含むが、前述の発光体とディテクタの形を取ることもある。更に好適な実施態様では、LEDとPDは2つの各行に渡っておよび2つの各行に沿って交替する。1つの実施態様では、光学センサーは酸素測定法技術を使用するが、この技術では1つ以上の波調の光が組織に発光され、PDによって検出された吸収プロパティが組織酸素化を評価するのに使用される。1つの実施態様では、LEDは、組織に注入されたリン光性プローブを光学的に励起するよう構成され、PDは酸素依存消光時間を評価するためにリン光性応答を検出する。制御電子装置1133は装置に統合され、先端1103の上ジョー1113に配置できる。追加電子装置1135は装置の主要近位ボディに配置できる。1つの構成では、ジョー1113の制御電子装置1133が検知素子を制御し、主要ボディ内の制御電子装置1135の追加セットは電源、有線または無線通信、およびユーザーインターフェースを含む。ユーザーインターフェースは1つ以上のボタン、ディスプレイ、またはオーディオ装置を含むことができる。1つの構成では、制御電子装置1133が、検知素子1127と1129の制御を管理し、表面1119に沿った1つ以上の点において組織酸素化を評価するのに使用される酸素依存消光時間に関する情報を判定する。
【0112】
ニードル1137はリザーバ1143にチューブ1141を介して接続される。1つの実施態様では、ニードル1137はリン光性酸素検知分子プローブを含む媒体を局所的に注入するために使用される。ニードル1137は組織に媒体を送達するための小さな標準ニードル、マイクロ成型ニードルアレイ、側方および閉塞した先端に個別または数多くの孔を有する多孔質ニードル、またはその他の変形型であってもよい。1つの構成では、複数のニードル1137と複数の検知素子1127および1129は顔面1119に沿って組織の酸素化の分布を提供する。ニードル1137は様々な量を組織の様々な深さに注入するよう構成することができる。1つの構成では、検知装置は層状または管状組織の両側に沿って組織の酸素化の分布を評価するように構成される。発光ダイオード1127は、順次二つの波長を放射し、各波長の時間応答は、前述のように組織内の異なる深さでの酸素依存性消光についての情報を提供する。1つの構成では、1つまたは複数のニードル1137は、組織内をジョーの長さに沿って横方向に挿入される。
【0113】
ニードル1137はリザーバ1143にチューブ1141を介して接続される。チューブ1141は関節ジョイント1107の中心軸を通過してもよい。リザーバ1143は媒体1145を含む。媒体は、リン光性酸素検知分子プローブを含んでもよい。1つの実施態様では、プランジャー11149は、密閉容器1143から媒体1145の計量用量を注入するために使用される。容器1143は、媒体1143の特定の数または事前定義された用量を含んでもよい。1つの実施態様では、作動装置1153は、ピストン1149の動きを制御する。作動装置1153は使用者によって制御されるネジまたはラチェット装置であってもよい。これは電動式またはロボット操作の形態をとってもよい。検知装置は、局所的に注入される媒体、または全身的に注入される媒体のいずれかと共に使用してもよい。局所的に注入される媒体は前述の検知装置に関連付けられた装置を用いて送達しても、またはスタンドアロンの装置を用いて注入してもよい。1つの構成では、スタンドアロンの装置はジョー1113と1115間に配置され、媒体は組織内に排出されてもよい。ジョー1113と1115は、固定しても、平行移動しても、またはヒンジ式の動きで閉じてもよい。
【0114】
検知装置1101は、スタンドアロンの装置として使用することができる。代替構成では、有線または無線接続1157は、基地局および/または1つまたは複数の検知装置に接続してもよい。装置は、低侵襲外科用装置であってもよく、従来の観血的手術処置に使用してもよく、または外部使用として構成することができる。
図11に示す技術は、他の外科用装置に直接適用される。1つの実施態様では、装置1101は外科用ステイプラーのアンビルである。アンビルはステイプルフォームを組み込んだ顔面1119を持つ。検知素子1127および1129は、表面1119の組織接触面にあるように構成される。ニードル1137はアンビル表面1119、対向面、または内部の空洞に統合してもよい。1つの構成では、リザーバ1143はアンビルの空洞内部に収容され、プランジャー1149はアンビルが対向面に対して組織を圧縮するように作動される。このようにしてステイプラーが閉じると、媒体1143を組織に注入し、アンビルはステイプラー本体の対向面に対して組織を圧縮する。1つの構成では、媒体1143は、アンビルと対向面との間に配置された別の装置のリザーバに含まれる。この構成では、リザーバは圧縮され、アンビルが組織を圧縮すると組織に媒体を排出する。本発明は、注入装置が検知装置内に含まれた上述の実施態様の構成、およびインジェクタが検知装置の外部にあり、独立して操作されていてもよい構成を含む
【0115】
図12は、センサーが咬合阻止器または患者の顔1203に装着した医療機器1201の他の部分に連結される本発明の一実施態様を示す。1つの構成では、咬合阻止器1201は患者1203の口の上に配置される。咬合阻止器1201にはガイド1205およびクランプ装置1207が備わっている。1つの構成では、咬合阻止器1201は、気管内(ET)チューブ1217を保持するように構成されている。1つの構成では、ETチューブ1217は先端部のセンサー1219を内蔵するか、連結する。センサー1219は一点センサー、複数点センサー、または撮像アレイであってもよい。別の構成では、センサーまたはセンサー1221は、ETチューブ1217の表面に沿って配置される。1つまたは複数のセンサーはチューブに沿って円周方向と縦方向に配置することができる。チューブ1217は、例としてETチューブを示しているが、現発明は、口または体の他の開口部に挿入するためのチューブ、カテーテル、カニューレ、スコープ、ニードル、および同様の剛性と柔軟性を持つ装置などをすべて含むことに留意すべきである。このような検知装置は、ブロック1201と併用、または併用しなくてもよい。1つの実施態様では、センサー1225は、患者の口の中で操作することができる。センサー1225は舌1227と接触することができる。センサー1225は、舌1227の表面上においても、舌に挟んで装着しても、または舌下で検知してもよい。センサー1225は、舌、頬、唇、または歯肉など口周辺の他の位置で検知するために使用してもよい。更に好適な実施態様では、センサー1231は患者1203に直接接触してブロック1201に連結される。センサー1231は、患者の顔、頬、唇、歯肉、または他の外部組織と接触してもよい。
【0116】
また、これらの検知技術は患者1203に取り付けた他の医用装置1201に適用することができることに留意すべきである。1つの典型的な構成では、マスク1201が患者の上に配置される。1つまたは複数のセンサー1231をマスク自体に連結するか、1つまたは複数のセンサー1215をストラップ1213と連結させてもよい。同様に、センサー1215は他の医用装置を含めても含めなくてもよく、バンドまたはストラップ内に常駐させ、また頭部や体の他の部分に固定できる。1つの構成では、センサーは皮膚表面での組織酸素化または他の特性や表面下の深さを決定するために使用できる。このような検知は、評価組織の酸素化や頭蓋骨内組織の他の特性を含めることができる。別の典型的な構成は、連結された1つまたは複数のセンサー1215の付いたウェアラブルストラップやバンド1213である。1つの実施態様では、1つまたは複数のセンサー1215、1219、1221、および1231は、本明細書に記載されるようにリン光性酸素検知プローブを使用することによって酸素化を検知するように構成される。別の構成では、プローブを含む媒体を導入するための注入装置がセンサーと結合させてもよい。代替構成では、プローブは他の手段によって局所的に、あるいは全身に注入される。プローブの位置やフローを操作する前述した技術は本発明で提示された他の装置と共に、この装置に適用できる。センサー1215、1219、1221、および1231はリン光性プローブの酸素依存性消光、組織分光法、パルス酸素濃度計、または他の手段による酸素化を検知するように構成でき、および/または血流または灌流を検知するように構成でき、および/または組織または組織センサー相互作用の機械的特性を検知するように構成できる。1つの実施態様では、装置は頭蓋内、気管内、経口胃/経鼻胃チューブ、静脈カテーテル、動脈カテーテル、胸腔チューブ、栄養管、尿道カテーテル、または直腸チューブなど咬合阻止器または留置カテーテルライン/チューブの形をとる。センサー素子は、生物学的組織に接触するように、前記チューブ上に配置する。リン光性媒体は全身的または局所的に対象組織内に注入される。本明細書に記載の構成でセンサーの近くに媒体の位置づけを維持することと、前述の注入技術を利用することができる。
【0117】
図13aは、網膜手術などの眼科用途のために構成された現発明の実施態様を示す。図は、角膜1309、レンズ1311、虹彩1313および患者1303の眼1301を示す。1つの実施態様では、網膜1315または視神経1319における酸素化や灌流を評価するために外科用装置またはイメージング装置1331が使用される。1つの構成では、装置は、強膜1327を介して眼の硝子体1323に入る。現発明は、強膜1327または別の挿入点を介して眼内に挿入することができる検知装置を説明し、眼1301内の酸素化、灌流、または他の生理学的または機械的特性を検知することが可能である。1つの構成では、装置1331は装置の遠位端にセンサーまたは検知素子1335を含む。センサー1335は、網膜1315(または他の機能)と直接接触ができるか、あるいは表面から距離をおいて使用ができる。センサー1335は一点センサー、カメラシステムなどのイメージングシステム、または外部イメージングシステムと接続した光ファイバーまたは他の光透過のバンドルであってもよい。前述のマッピングおよびイメージング技術を使用することができる。1つの構成では、マイクロカメラシステムが装置の先端1335で利用される。別の構成では、例えば、GRINレンズなどの光透過性光ファイバーバンドルまたは他の手段のような光ガイドは、カメラなどの装置1331を遠隔検知器の先端と先端1335に連結するために利用される。センサー1335は、単一箇所で組織酸素化を評価したり、組織酸素化のマップを生成するために掃引したり、直接二次元マップを生成できる。
【0118】
1つの構成では、インジェクタまたは注入システム1339は網膜1315または他の組織に酸素検知分子プローブを含む媒体を注入するために使用される。他の構成では、外部インジェクタは、プローブの局所注入を提供し、酸素検知プローブと共に組織に注入するために全身注入が行われる。装置1331は、手動で操作するか、またはロボットまたは他の外部制御手段を使用して移動させることができる。1つの実施態様では、装置1331は、複数の点で酸素化および/または他の特性を決定するために組織表面全体にセンサー1335をスキャンする目的で操作される。更に好適な構成では、ツールを操作することによって、網膜1315の2Dまたは3D酸素化マップが生成される。マップは、酸素化、ビデオストリーム、またはキャプチャされた静止画像に酸素化または流量のオーバレイを生成するために、カメラベースのイメージングと融合できる。1つの構成では、従来の内視鏡検査の画像が定量的酸素マップに沿って収集され、共に可視化される。別の実施態様では、イメージング装置は硝子体1323に入らず、レンズ1311を介して、眼の酸素化を撮像する。検知装置は内視鏡などのイメージング機器や手術用機器と連動して使用、統合または連結されるスタンドアロンの装置となり得る。更に好適な実施態様では、装置1331のセンサー1335は、脳を含めた頭蓋骨内の一点に網膜を超えて撮影するために設定される。前述のセンサー1335は本明細書に記載したように分子プローブの酸素依存性消光に基づいて、組織の酸素化を評価するように構成できる。本発明の開示の他の箇所に記載されたとおり、他の光学的または機械的な検知技術をさらに組み込むことができる。
【0119】
図13bは、検知装置1351、またはその成分が、眼1301の外部にある本発明の実施態様を示す。検知装置1351は、眼内酸素化の非侵襲的検知を目的として角膜1309上または外部に配置する。1つの構成では、検知装置1351は、実質的にヒドロゲルまたは類似の材料で作られたコンタクトレンズまたは他の同様の物質の形式をとり、角膜1309に配置される。別の構成では、検知装置1351は眼1301を覆うパッチであり、顔1303上に置くことができる。代替構成では、検知装置1351は外部に取り付けられる。外部に取り付けられた装置1351の一例は手術用顕微鏡に連結または組み込まれる。別の実施態様では、検知装置1351は眼鏡、ゴーグル、アイウェアに取り付けられるか、組み込まれる。別の実施態様では、センサー1351は、網膜1315を測定するバイオメトリック装置、または個人の識別を支援する視神経1319として動作するように構成される。
【0120】
検知装置は1つまたは複数の検知素子1355を含む。検知素子は、検知装置1351の不可欠な部分になり、または光ファイバー、ワイヤー、無線、または他の手段を介して接続することができる。1つの実施態様では、検知装置は酸素依存性リン光消光特性を有する注入された分子リン光性プローブを監視する光学的手段を介して酸素化を評価するように構成される。1つの構成では、検知素子1355は視神経1319の中心窩など、点1359に焦点を合わせるために眼のレンズ1311を通過する光1357の1つまたは複数の波長を放射する。本発明の一適用例は、脳の酸素化のためのプロキシとして、視神経の酸素化を評価することである。別の適用では、本発明は、視神経1319および/または網膜1315上およびその近くにおける酸素化マップを決定するために使用される。
図3に示す酸素イメージングシステムの例示的な実施態様(すなわち、酸素のマッピングシステム)は構成例であり、このアプローチは、他の器官系に対する他の構成で利用できる。更に好適な実施態様では、このアプローチは胃腸組織の酸素化を評価するために利用される。これはCRC手術の前、最中、後の酸素化を測定するために、前述のアプローチで利用できる。
【0121】
上述の実施態様は酸素検知プローブがセンサーを取り込む外科用装置と共に活用される方法を論証する。これらの実施態様は図示目的である。記述する検知装置およびアプローチは他の外科用装置または医用装置に関する機能説明にも適用できる。更に、記述の技術はリン光性酸素検知プローブとの使用に限定されると解釈してはならない。また更に、リン光または蛍光に関する参考文献はすべての発光現象に更に広く適用できる。
【0122】
現発明は従来の材料、方法および機器を使用して実施できる。従って、そのような材料、機器および方法の詳細はここでは明記しない。前述の説明で、多数の特定の詳細が現発明を十分理解するために特定の材料、構造、薬品、プロセスなどとして明記されている。しかし、現発明は特別に詳細説明しなくとも実施できる。他の場合、よく知られている処理構造は現発明を不必要に曖昧にしないために、詳細に説明されていない。
【0123】
多様性の幾つかの例ではなく現発明の実施形態のみが示され現在の開示で説明されている。現発明は様々な組み合わせおよび環境で使用できここに表記されているように発明概念の範囲内で変更または修正できることを理解することを理解する必要がある。
【0124】
前述の説明は発明の好適態様に向けられるが、他の変化および修正は当業者にとって明白であり、本発明の精神または範囲から逸脱しないで行える。更に、本発明の1つの実施態様に関連して説明される機能はたとえ明白に上述されていなくとも、他の実施態様に関連して使用できる。
図1a
図1b
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図4d
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b
図10
図11
図12
図13a
図13b