(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明は、車両特に、自動車のステアリング車軸用の架台1の組立方法に関する。
【0031】
架台1は、車両のシャーシ44(
図1において、破線により模試的に図示)に固定されるように構成されており、特に、一側は左サイドレール42に固定される一方、他側は右サイドレール43に固定されるように構成されている。
【0032】
図1に示すように、シャーシを成す前記サイドレール42,43は、車両のホワイトボディ45(本実施形態では、
図1において、下側クロスメンバとして破線で図示)から突出しており、架台1は、前記サイドレール42,43間に一種のブリッジを形成している
前記架台1は、パワートレインの下方において、該パワートレインに対して略垂直方向に並んで収容されている、とすれば好ましい。
【0033】
慣例により、また、記載を簡便にするべく、以下では、実質的に水平な、車両の前後縦軸に対応する走行方向を《X》と称し、垂直方向を《Z》と称し、そして、実質的に水平な、車両の左右を横断する横方向を《Y》と称することに留意されたい。
【0034】
記載を簡便にするべく、以下では、車両の左半分、特に、走行方向前方に対して架台1の左半分に対応する側に配置された要素を《左》と称し、車両及び架台の矢状面(縦の中間面)に対して反対側に配置された要素、つまり、前記車両の右半分、特に、前記架台1の右半分に対応する側に配置された要素を《右》と称する。
【0035】
架台1は、検討対象の走行装置、好ましくは、前輪側の走行装置を構成する少なくとも1つの左ステアードホイールと、少なくとも1つの右ステアードホイールとをそれぞれ持ち上げて保持する車軸を積載するように構成されている。
【0036】
走行装置を構成するステアードホイールが駆動輪も構成している、とすれば好ましい。
【0037】
架台1、及び/又は、好ましくはサイドレール42,43は、さらに、前記ホイールのサスペンションアーム(又は、トライアングル)に対する支持部として使用される、としてもよい。
【0038】
架台1はまた、ステアリングラック(以下、単に「ラック」と称する場合がある)のようなステアリングアクチュエータ(不図示)のステアリング軸(YY’)に沿った平行移動を案内するように構成されたステアリングハウジング2に対する支持部を提供するように構成されている。
【0039】
ステアリング軸(YY’)は、好ましくは、ラック、より一般的にはステアリングハウジング2の長さ方向(つまり、その最も大きな寸法に沿う方向)に延びる軸に対応している。
【0040】
さらに、記載を簡便にするべく、前記ステアリング軸(YY’)は、有利とするために、車両を横断する横方向Yに一致している、とすれば好ましい。
【0041】
慣例により、記載を簡潔にするべく、以下の記載においてラックと同質化され得るステアリングアクチュエータは、ステアリングコネクティングロッドを変位させることができるように、ステアリングハウジング2内を動作可能に取り付けられ且つ、ステアリングハウジング2内の平行移動が案内されている。ここで、ステアリングコネクティングロッドは、ステアリングラックの各端部に固定されていると共に、対応する(左方、又は、右方の)ステアードホイールを積載する、スタブ車軸のようなヨー角方向に方向付けられる支持部にそれぞれ接続されている。このように、ドライバは、前記ステアードホイールのステアリングアングルを意のままに変更することができる。
【0042】
前記ラックは、有利とするために、ステアリングホイールによって制御されるステアリングコラムにより変位が駆動される。ステアリングコラムの端部には、前記ラックに係合するピニオンが設けられている。
【0043】
ステアリング装置は、手動で操作されるか、又は、好ましくは、ステアリング装置の操作時にドライバをアシストするアシストトルクを所定のアシスト規則にしたがって供給するべく、ステアリングコラムに係合しているか、若しくは、ラックに直接係合しているかしているアシストモータ、例えば、油圧式、若しくは、電気式のアシストモータによって補われる、としてもよい。
【0044】
勿論、架台1は、他の部材たとえば、微粒子捕集フィルタといった排気系の要素に対する支持部として使用される、としてもよい。
【0045】
したがって、架台1は、有利とするために、多用途であり且つ、標準的には、必要に応じて、自動車の製造者が、対応する部材を装着するか否かを自由に選択可能な各種の固定用インターフェースを含んでいる、としてもよい。
【0046】
それゆえ、例えば、架台1には、微粒子捕集フィルタ用の固定用インターフェースが設けられる、としてもよい。そのインターフェースは、架台1がディーゼル車に装着される場合には、微粒子捕集フィルタを支持する一方、これと同一の架台1がガソリン車に装着される場合には、そのようなフィルタを支持しないように構成されることになる。
【0047】
本発明によれば、架台1の組立方法は、最初に行うプレアセンブリステップ(a)を含んでいる。このプレアセンブリステップ(a)は、ベース3と、第1モジュール10と、第2モジュール20とを個別に実現する工程である。
【0048】
ここで、ベース3は、
図1及び
図2に示すように、車両の左シャーシ要素(前述の左サイドレール42のような部材)に固定されるよう構成された左組付領域4と、車両の右シャーシ要素(右サイドレール43のような部材)に固定されるよう構成された右組付領域5と、左組付領域4を右組付領域5へ結合するクロスメンバ6と、ステアリングラックの収容、及び、該ステアリングラックの平行移動の案内を行うように構成されたステアリングハウジング2に対する支持部を提供するように各々設けられ且つ、互いに離隔している左受入領域7及び右受入領域8とを備えている。
【0049】
第1モジュール10は、ステアリングラックに対する第1の案内面を提供するように設けられた第1のステアリングハウジング構成部2Aと、スタビライザーバー13を収容及び支持するように配設された第1窪み部12を有し、第1のステアリングハウジング構成部2Aに固定された(スタビライザーバー用の)第1支持部11とを備え、ベース3とは別体である。
【0050】
第2モジュール20は、ステアリングラックに対する第2の案内面を提供するように設けられた第2のステアリングハウジング構成部2Bと、スタビライザーバー13を収容及び支持するように配設された第2窪み部22を有し、第2のステアリングハウジング構成部2Bに固定された(スタビライザーバー用の)第2支持部21とを備え、ベース3及び第1モジュール10とは別体である。
【0051】
本発明によれば、前記組立方法は、プレアセンブリステップ(a)の後に行う組立ステップ(b)を含んでいる。この組立ステップ(b)は、第1モジュール10(本実施形態では左方のモジュール)をベース3の左受入領域7に取り付けて固定する一方、第2モジュール20(本実施形態では右方のモジュール)を前記ベース3の右受入領域8に取り付けて固定する工程である。
【0052】
架台1特に、ステアリングハウジング2を、比較的軽量な複数の主要部品(この場合、ベース3、並びに、各々がステアリングハウジング2の一部分を提供すると共に、スタビライザーバー13用の支持部11,21も提供し且つ、互いに相補的な少なくとも1つの第1モジュール10及び1つの第2モジュール20)に分割することによって、マッシブで特に重い部品を一体的に形成する必要が無くなるから、架台1の製造及び組立において、架台1の種々の構成要素の供給及び取扱を容易にすることが可能になる、という点で有利である。
【0053】
その上、こうした分割によって、異なる主要部品3,10,20の寸法及び構成材料を、それぞれの役割に応じて、特に、車両の使用中にそれらの部品に作用する応力に応じて適合させることが可能になり、そのことで、材料の使用量を可能な限り正確に制限し、ひいては架台1の質量及び製造コストを低減することが可能になる。
【0054】
ベース3は、架台1における堅固な受台としての構造体を形成するように構成されており、好ましくは、その上に特に、その上面に、特に第1及び第2モジュール10,20が載設される下皿形状を有している、とすれば有利である。
【0055】
前記ベース3のクロスメンバ6は、好ましくは、左組付領域4から右組付領域5にかけて、ステアリング軸(YY’)に対して略平行に延びている。このクロスメンバ6は、有利とするために、(特にステアリングハウジング2と比較して)実質的な非圧縮性及び非伸長性を有するスペーサタイプの構造体を形成しており、前記ステアリング軸(YY’)に沿った架台1の圧縮縮み、又は、引張伸びに対して効果的に抗するようになっている。
【0056】
その上、クロスメンバ6、さらに一般的にベース3は、有利とするために、架台1の屈曲性、さらに一般的に車両のシャーシの屈曲性を制限するべく、(垂直方向の)曲げや、ステアリング軸(YY’)まわりの捻れに対し、効果的に抗するように構成されている。
【0057】
このため、ベース3は、好ましくは、密で堅く且つ、好ましくは略水平面に沿って延びるコアプレート25上に載設される補強用リブ23及び/又、突縁部24を有することになる。
【0058】
シャーシに対して良好で安定的で頑丈な固定用の土台を提供しつつ軽さを維持するために、ベース3は略《蝶羽》形状を有しており、このために、クロスメンバ6は、特に
図1及び
図2に明示されるように、各組付領域4,5においてフレア形状を有している一方で、中央部分において締付部6Aを有している(つまり、走行方向Xに沿う方向の寸法が、中央部から左右両端部にかけて次第に増大している)、とすれば好ましい。
【0059】
ベース3は、アルミニウム合金又はマグネシウム合金のような軽合金から作製される一枚板のプレートより形成される、とすれば好ましい。
【0060】
したがって、ベース3は、良好な機能上の剛性と、比較的軽い重量とを兼ね備えることができる。
【0061】
《軽合金》とは、慣習的には、鋼鉄よりも低密度(軽量)な合金を意味しており、好ましくは、その密度は4よりも低いか、或いは、3さえよりも低い。
【0062】
そのようなベース3は、比較的簡素に形成され得るものであり、前述の如く、好ましくは、圧力ダイカストタイプ、又は、重力ダイカストタイプの鋳造方法によって、比較的低コストで作製されることになる。
【0063】
前記ベース3の各組付領域4,5は、勿論シャーシ44に固定することができるように、好ましくは、例えばネジやスタッドのような固定具29を用いた締結によって、可逆的に固定することができるように構成されている。
【0064】
したがって、左組付領域4は、少なくとも1つ(好ましくは複数、例えば2つ)の固定部材26A,26Bを含んでおり、右組付領域5は、少なくとも1つ(好ましくは複数、例えば2つ)の固定部材27A,27Bを含んでいる。固定部材26A,26B、及び、固定部材27A,27Bは、(本実施形態では略垂直方向に延びる)ネジ穴(バレル)状であって、それぞれ、架台1をシャーシに固定するための少なくとも1つ(好ましくは複数)の固定点を提供する。その固定点は、特に
図1に明示されるように、有利とするために、走行方向Xに沿って、特に各サイドレール42,43に沿って、縦方向にステップ状になっている。
【0065】
一方では架台1、特にベース3を前記サイドレール42,43に固定しつつ、他方ではそのサイドレール42,43をホワイトボディ45のボディ要素、例えば下側クロスメンバに接続するために、スタッド状の同じ固定具29を使用することができる、という点で有利である。
【0066】
例えば
図1を参照すると、左組付領域4と、左サイドレール42と、ホワイトボディの左側部分とを同時に且つ、一体的に固定するために、バレル26Aに挿通される同じスタッド29を使用することができる。
【0067】
右側において、バレル27Aに係合されて、ひいては右組付領域5と、右サイドレール43と、ホワイトボディ45の右側部分とによって共有されるスタッド29に関しても、同様に準用されることになる。
【0068】
前記のように固定具29を共有することによって、架台1の組立を簡素にしつつ、架台1の体積及び重量を制限するようなコンパクトな構成を得ることができる、という点で有利になる。
【0069】
加えて、左受入領域7及び右受入領域8は、架台1の体積を制限するように、左組付領域4と右組付領域5との間の領域に、好ましくは、ステアリング軸(YY’)に沿って横方向に並んで含まれることになる。
【0070】
図1から見て取れるように、左受入領域7には、(製造及び組立を簡素にするために)好ましくは略平坦な、1つ以上のボス部7A,7Bが好ましくは形成されることになり、及び/又は、右受入領域8には、(製造及び組立を簡素にするために)好ましくは略平坦な、1つ以上のボス部8A,8Bが好ましくは形成されることになる。ボス部7A,7B、及び、ボス部8A,8Bは、コアプレート25上に突設される。そして、
図2に示すように、ボス部7A,7B、及び、ボス部8A,8B上には、好ましくは直接的に、対応するモジュール10,20が取り付けられることになる。
【0071】
一方、第1モジュール10及び第2モジュール20それぞれの支持部11,21は、ステアリング軸(YY’)に沿って間隔を空けて配置された少なくとも2つの支持部、すなわち左表面部及び右表面部によってスタビライザーバー13が備え付けられるように構成されている、とすれば有利である。左表面部及び右表面部において、スタビライザーバー13は、シャーシのローリングに抗するときに、その弾性的な捻れを受容するべく、旋回(本実施形態ではピッチ旋回)することができる。
【0072】
このため、図に示すように、第1及び/又は第2窪み部12,22は、好ましくは、スタビライザーバー13を、直接的な接触により支持するか、又は、ピボット回転の少なくとも一自由度を許容するソケットを介して支持することができるように、より好ましくは上端が開放された、U字状の凹部として形成されている。
【0073】
そのようなソケットを、軸受(玉軸受、針軸受、又は、ころ軸受)として形成したり、或いは、好ましくは、スライドを促す軸受ブシュ、特に、スタビライザーバー13の案内と、(衝突時に透過した)衝撃の緩和とを確保するエラストメリックベアリングとして形成したりしてもよい。
【0074】
必要に応じて、前述のソケットを必要に応じて積載可能なフランジ14,15(
図4及び
図8において、破線により模式的に図示)は、スタビライザーバー13の脱落を防止するべく、(本実施形態では窪み部12,22を上方から覆うことにより、)支持部11,21を閉じることになる。
【0075】
前記フランジ14,15は、例えば平坦であったり、窪み部12,22に対して反対側に膨出する、例えば半円形状の半カラーを形成していたりしてもよい。
【0076】
有利とするために、スタビライザーバー13から径方向に突出した止カラー28を設けることによって、(左右の横方向に沿った)平行移動に関し、スタビライザーバー13を軸方向に保持することができるようになる。
【0077】
このため、前記止カラー28は、
図2に明示するように、好ましくは、左支持部11及び右支持部21に対してそれぞれ反対側(左右方向の外側)に配置されており、一方のカラーが(本実施形態では右支持部21に寄りかかることにより)左方への変位を阻止する一方、他方のカラーが(本実施形態では左支持部11に寄りかかることにより)右方への変位を阻止することになる。
【0078】
勿論、前記組立方法は、好ましくは、前述の組立ステップ(b)を行った後に、スタビライザーバー13を組み付けるステップ(c)を含むことになる。そのステップ(c)は、必要に応じてソケットに嵌合されるスタビライザーバー13を、第1支持部11及び第2支持部21に配置又は挿入して、前記スタビライザーバー13の母線まわりの回転に係る一自由度を保持させつつ、スタビライザーバー13を前記第1支持部11及び第2支持部21に挟持させる工程である。
【0079】
これに関し、好ましくは上方に開放された窪み部12、22が存在することによって、自身で芯出ししながら、スタビライザーバー13をベース3の頂部から迅速に且つ簡単に導入することができるようになる、ということに留意されたい。
【0080】
第1モジュール10及び第2モジュール20のベース3に対する固定は、それぞれ、ネジ止めやボルト締めといった可逆的な方法によって行われる、とすれば好ましい。
【0081】
このため、好ましくは、1つ以上の固定用ホール30を設けてもよい。固定用ホール30は、支持部11,21それぞれの縁部(本実施形態ではU字の枝)を、好ましくは窪み部12,22の両側部に沿って貫通しており、固定用ホール30には、ベース3、特に、対応する受入領域7,8のボス部7A,8Aに係合するネジ又はスタッドを挿通させることができる。
【0082】
固定用ホール30、特に、窪み部12,22の直近に配置され且つ、窪み部12、22の両側部に配設された2つの固定用ホール30は、スタビライザーバー13の脱落を防止するべく、支持部11,21に取り付けられるフランジ14,15を固定するためにも使用される、とすれば有利となる。
【0083】
それゆえ、経済的であり且つ軽量であるという理由のため、フランジ14,15の支持部11,21への固定と、支持部11,21(より一般的には、対応するモジュール10,20)のベース3への固定との両方を確保するために、共有化された固定用ネジ(又はスタッド)を使用してもよい。
【0084】
その上、各モジュール10,20には、
図3、
図4、
図6及び
図8に示すように、ステアリングハウジング構成部2A,2Bを挟んで支持部11,21の反対側(又は、同じことであるが、ステアリング軸(YY’)を挟んで支持部11,21の実質的な反対側)に、(第3の)固定用ホール30’を配設してもよい。この固定用ホール30’は、支持部11,21の固定用ホール30と併用することで、前記モジュール10,20のベース3に対する位置決めの正確さと、モジュール10,20のベース3に対する組み付けの頑丈さとを一層、向上させることになる。
【0085】
この第3の固定用ホール30’は、例えば延伸脚部33,34によって得られる、としてもよい。また、第3の固定用ホール30’は、
図1に示すように、必要に応じて、支持部11,21の固定用ホール30を受け入れる受入領域と同じ受入領域7,8において、支持部11,21の固定用ホール30に挿通される固定用ネジを受け入れるボス部7A,8Aとは異なるボス部7B,8Bに係合してもよい。
【0086】
同一のモジュール10,20において、支持部11,21と、対応するステアリングハウジング構成部2A,2Bとは、堅固であり且つ、好ましくは持続的な結合部によって連結される、とすれば好ましい。その連結部を、好ましくは実質的に、横方向、特にステアリング軸(YY’)に対し垂直な方向に沿って延設されたコネクティングブリッジ31,32として形成してもよい。
【0087】
勿論、第1及び第2モジュール10,20、特に固定用ホール30,30’は、対応する受入領域7,8と同様に、前記ステアリングハウジング構成部2A,2Bの両方が、同一の直線状のラックの(共有化された)案内に寄与することを目的として、同一のステアリング軸(YY’)に沿って一方と他方とが一直線に並ぶように、第1のステアリングハウジング構成部2A及び第2のステアリングハウジング構成部2Bを、正確性と再現性とを確保しながら同軸に位置決めすることを許容するよう配設されることになる。
【0088】
特に好ましい方法では、第1モジュール10において、第1のステアリングハウジング構成部2Aと第1支持部11とを一体的に製造する。
【0089】
より一般的には、第1(左)モジュール10を、ベース3及び第2モジュール20とは別体の一枚岩的で堅固な一部品として、好ましくは一体的に実現することになる。
【0090】
そのような、一枚岩的で特に頑丈な部品は、低コストで生産することができるという点で有利であり且つ、例えば打抜によって、又は、好ましくは鋳造によって大量生産することができる。
【0091】
さらに、好ましい構成によれば、
図3〜
図5において特に明示されているように、第1モジュール10の第1のステアリングハウジング構成部2Aは、ステアリング軸(YY’)に沿った前記ステアリングラックの平行移動を案内するように、ステアリングラックが挿通するよう構成された第1ガイドスリーブ35を備えている。
【0092】
ガイドスリーブ35は、好ましくは、ステアリング軸(YY’)と同心の筒部として形成されており、好ましくは、略円形の断面を有している。
【0093】
ガイドスリーブ35の内部には、好ましくは、ガイドスリーブ35上で支持すると共に、ラックを受け入れて且つ、その平行移動を案内するように構成された、ラジアル軸受や、直動玉軸受のようなラックガイドベアリング(不図示)が収容されている。
【0094】
第1モジュール10の第1のステアリングハウジング構成部2Aは、ステアリング軸(YY’)に交差し且つ、ドライブピニオンを有するステアリングコラムがステアリングラックに係合可能に配設されたアクセススリーブ36も備えている、とすれば好ましい。
【0095】
第1ガイドスリーブ35とアクセススリーブ36とを、互いに一体的に形成する、とすれば好ましい。
【0096】
アクセススリーブ36は、好ましくは、円形状の基部を備えた円筒形状を有している。アクセススリーブ36は、ピニオンがステアリングラックにアクセスすることができるように、その基部を横切る第1ガイドスリーブ35に接近していて且つ、第1ガイドスリーブ35の内部に連通している、とすれば有利である。
【0097】
その上、第1のステアリングハウジング構成部2Aは、好ましくは、ステアリング軸(YY’)に交差しているヨークスリーブ38も含む。ヨークスリーブ38は、好ましくは、アクセススリーブ36に対して略垂直に延びていると共に、ピニオンに対するラックのバックラッシを補償するようになっているヨーク(不図示)を収容するよう構成されている。
【0098】
このため、前記ヨークは、ヨークスリーブ38により形成されたジャケット内にスライド可能に取り付けられるピストンを含んでいてもよい。このピストンは、バネ類から成る付勢部材によって、ラックの背部と、間接的に、ピニオンとに対して弾性的に付勢される。
【0099】
ヨークスリーブ38は、好ましくは、第1ガイドスリーブ35、及び/又は、アクセススリーブ36と一体的に形成されている。
【0100】
図3及び
図5に示すように、ガイドスリーブ35は、有利とするために、アクセススリーブ36及び/又はヨークスリーブ38の両側部から(アクセススリーブ36及びヨークスリーブ38の各々と共に略T字を形成するように)延びている、としてもよい。そのように構成した場合、ガイドスリーブ35は、第2のステアリングハウジング構成部2Bに向かって開口する(好ましくは該第2のステアリングハウジング構成部2Bに接続される)内側開口部35Iと、その反対側(架台1から外方(本実施形態では左方)へ向かう側)において、コネクティングロッド及びステアードホイールに向かって開口する外側開口部35Eとを有するようになる。
【0101】
外側開口部35Eの外周縁部35Jは、必要に応じて環状の溝部が設けられた、リムを形成する、とすれば好ましい。そのリムによって、弾力性及び伸張性を有し且つ、ラックの端部、及び、該ラックとコネクティングロッドとの間の接続部(例えばボールジョイントタイプの接続部)を保護するベローを受容して固定することが可能になる。
【0102】
それら各種部分(支持部11、第1のステアリングハウジング構成部2A、及び、スリーブ35,36,38)の数、及び構成に拘わらず、第1モジュール10を、アルミニウム合金又はマグネシウム合金のような(前述の意味に係る)軽合金から作製する、とすれば好ましい。
【0103】
したがって、第1モジュール10は、ある程度の軽さと、(そうした軽さにも拘わらず、)十分な剛性とを兼ね備えることになり、そのことで、ガイドスリーブ35に挿通されたラックの精密で安定した案内と、該ラックのステアリングコラムに対する効果的な噛み合わせとを確保することが可能になる。
【0104】
或いは、第1モジュール10を、十分に頑丈な複合材料、例えば、強化繊維により強化されたポリマーマトリクスを有する複合材料で作製することもできる。
【0105】
いずれにせよ、その構成材料に拘わらず、第1支持部11と、第1のステアリングハウジング構成部2Aのスリーブ35,36,38とを一体化することによって、第1モジュール10を完全な一部品として作製する、としてもよい。
【0106】
特に、そのような構成は、第1モジュール10の頑丈さと、その構成要素の位置決めの正確さと、ひいては、第1モジュール10の組立及び一体化の容易さ、及び、ラックの案内の質とを保証することになる。
【0107】
勿論、第2モジュール20に対し、第1モジュール10に関して記載された特徴の全て又は一部を準用してもよい。
【0108】
特に、(本実施形態では右側に配置された)第2モジュール20の第2のステアリングハウジング構成部2Bは、ステアリング軸(YY’)に沿った前記ステアリングラックの平行移動を案内するべく、ステアリングラックが挿通するよう構成された第2ガイドスリーブ50を備えている、とすれば好ましい。
【0109】
換言すれば、第1モジュール10の第1のステアリングハウジング構成部2Aと、第2モジュール20の第2のステアリングハウジング構成部2Bとの一方又は両方が、ガイドスリーブ35,50を備えている、としてもよい。
【0110】
第2ガイドスリーブ50は、有利とするために、ラックの平行移動の案内を確保するための、ラジアル軸受や、直動玉軸受のような第2のラックガイドベアリング(不図示)を収容するように構成されている。
【0111】
勿論、第1モジュール10の第1ガイドスリーブ35に関して記載された構成と同様に、第2モジュール20の第2ガイドスリーブ50は、好ましくは、内側開口部50I(本実施形態では左端部)と、ラックの右端部、及び対応するコネクティングロッドが突出し得る外側開口部50E(本実施形態では右端部)とを有している。
【0112】
ここでまた、第2ガイドスリーブ50の外側開口部50Eの外周縁部50Jは、必要に応じて溝が設けられた、リムを形成し得る。そのリムは、コネクティングロッド(本実施形態では右側のコネクティングロッド)に係合可能な端部を有する保護ベローを受容して保持するように構成される。
【0113】
第2モジュール20において、第2のステアリングハウジング構成部2B(、及び、特に第2ガイドスリーブ50)と、第2支持部21とを一体的に製造する、とすれば好ましい。
【0114】
ここでまた、そのような構成は、第2モジュール20の頑丈さと、その構成要素の位置決めの正確さと、ひいては、第2モジュール20の組立及び一体化の容易さ、及び、ラックの案内の質とを保証することになる。
【0115】
究極的には、各モジュール10,20において、第1のステアリングハウジング構成部2Aと第1支持部11とを一体的に製造するように、及び/又は、第2のステアリングハウジング構成部2Bと第2支持部21とを一体的に製造するように、第1及び第2モジュール10,20の構成を自由に選択することができる。
【0116】
前記組立ステップ(b)は、ステアリングハウジング再構成ステップ(b1)を含んでいる、とすれば好ましい。このステアリングハウジング再構成ステップ(b1)は、第1モジュール10から第2モジュール20にかけて連続的なステアリングハウジング2を再構成するように、第1モジュール10の第1のステアリングハウジング構成部2Aを、ベース3とは別体であって且つ、ラックがその内部をスライドするようになっている保護チューブ40を用いて、第2モジュール20の第2のステアリングハウジング構成部2Bに接続する工程である。
【0117】
特に、前記保護チューブ40は、符号41Gで示す第1接合部において、保護チューブ40の第1端部40G(本実施形態では左端部)が第1のステアリングハウジング構成部2A、特に第1ガイドスリーブ35に接続されると共に、符号41Dで示す第2接合部において、保護チューブ40の反対側の第2端部40D(本実施形態では右端部)が第2のステアリングハウジング構成部2B、特に第2ガイドスリーブ50に接続されることになる。そのような接続によって、ガイドスリーブ35,50を互いに連通させ且つ、ステアリングラックがスライド可能に挿入された導管部が形成されることになる。
【0118】
ここではクロスメンバ6よりも上方位置において、第1モジュール10から第2モジュール20にかけて、途切れのないブリッジとして、架台1の幅方向に延びる連続的なシェルを形成する完全なステアリングハウジング2をこのように再構成することによって、ダストと、跳ね水と、塩水飛沫と、前記ステアリングハウジング2内において前記ラックの平行移動を促す潤滑油とに関してシールされたシェル内にステアリングラック(及びピニオン)を保持することにより、ラック、より一般的にはステアリング機構を効果的に案内すると共に保護することが可能になる、という点で有利である。
【0119】
その上、第1及び第2モジュール10,20との間の接合は、ステアリングハウジング構成部2A,2Bのステアリング軸(YY’)に沿った正確な配列を容易にし且つ、その正確性を向上させると共に、必要に応じて、ステアリングハウジング2の全体的な剛性を、特に垂直方向の曲げについて高めることができる。
【0120】
保護チューブ40、特に第1ガイドスリーブ35の内側開口部35Iから第2ガイドスリーブ50Iの内側開口部50Iにかけて延びる保護チューブ40の外見上の区分は、好ましくは、ベース3の全幅L3(左右に延びるステアリング軸(YY’)に沿って測定)の半分以上に対応する範囲に亘っている。
【0121】
それゆえ、モジュール10,20、特に、ラックを積載しているガイドスリーブ35,50を、ステアリングハウジング2の保護効果を失うこと無く、互いに十分な間隔を空けて離隔可能にすることによって、保護チューブ40は、ラックの案内面を最大化することになり、そのことで、ステアリングハウジング2の軽量性を保持しつつ、ラックの案内の安定性及び正確性を向上させている。
【0122】
ステアリングハウジング再構成ステップ(b1)は、保護チューブ40と第1モジュール10に属する第1ガイドスリーブ35との連結及び接合、並びに/又は、保護チューブ40と第2モジュール20に属する第2ガイドスリーブ50との連結及び接合を、それぞれ、前記保護チューブ40と、前記ガイドスリーブ35,50とを、ステアリング軸(YY’)に沿った各々の延長線上において、互いに嵌合させることによって確保する工程である、とすれば好ましい。
【0123】
したがって、保護チューブ40及び/又は検討対象のガイドスリーブ35,50には、これらの要素の相互の重なりを可能にする余長部が設けられる、としてもよい。
【0124】
検討対象の各接合部において、ステアリング軸(YY’)に沿って測定される、前述のように重なる部分の長さは、実質的に20mmと40mmとの間、特に、30mm程度になる、としてもよい。
【0125】
嵌合による組立のシール性を確保するために、1つ以上のワイパーシール、例えば、環状溝に収容されるOリングを、保護チューブ40と検討対象のガイドスリーブ35,50との間において、周方向に沿って挿入してもよい。
【0126】
嵌合による組立は、簡素に且つ迅速に実現することが可能であり、さらに、以下で詳細に説明するように、保護チューブ40とモジュール10,20との間に可動性が残存することを許容し得る、という点で有利である。その可動性は、ステアリングハウジング2の空間的な配位の調整に利用することができる。
【0127】
実際、歴とした発明を構成し得る好ましい特徴によると、ステアリングハウジング再構成ステップ(b1)は、保護チューブ40と、第1モジュール10の第1のステアリングハウジング構成部2Aとの間の接合部41G、及び、第2モジュール20の第2のステアリングハウジング構成部2Bとの間の接合部41Dのうちの少なくとも一方、好ましくは保護チューブ40と第1モジュール10の第1のステアリングハウジング構成部2Aとの間の接合部(本実施形態では41G)を、ステアリングハウジング2の連続性を損なうことなく検討対象のモジュール10,20に対する保護チューブ40の相対的な可動性を許容するように、前記保護チューブ40とモジュール10,20との間で少なくとも1つの自由度、好ましくは、ステアリング軸(YY’)に沿った平行移動に係る1自由度、及び/又は、そのステアリング軸(YY’)まわりの回転に係る1自由度を保持しつつ、実現する工程である。
【0128】
ステアリングハウジング再構成ステップ(b1)は、特に、前記ステアリング軸(YY’)に沿ったスライド接合部(スライド移動を許容する接合)41G,41D、又は、スライド−ピボット接合部(平行移動、及び、回転を許容する接合)が構成されるように、保護チューブ40を、ステアリング軸(YY’)に沿って、検討対象のモジュール10,20のガイドスリーブ35,50に嵌合させる工程である、とすれば好ましい。
【0129】
換言すれば、ステアリングハウジング2の連続性又はシール性を損なうことなく、検討対象のガイドスリーブ35,50に対する保護チューブ40の自由度、特にステアリング軸(YY’)に沿ったスライド(及び/又は回転)に係る自由度を保持するように、遊嵌を実現することが可能であり、そのことで、変形、特に前記ステアリング軸(YY’)に沿った軸方向の伸張を許容することが可能になる、という点で有利になる。
【0130】
特に、前記のような構成によって、第1及び第2モジュール10,20を各受入領域7,8上に位置決めして固定するときに、中心間の距離の(平行移動としてのスライドによる)調整、及び/又は、傾斜の向き(ピッチ回転)の調整が可能になるから、架台1の組立が容易になる。
【0131】
その構成要素間の変形及び相対運動に対するステアリングハウジング2の順応性を保持するために、モジュール10,20をベース3上に固定した後であっても、保護チューブ40と検討対象のモジュール10,20との間の自由度は、検討対象の接合部41Gにおいて、持続的に保持されることになる、とすれば好ましい。
【0132】
特に、前記のようなスライド嵌合によって、ステアリングハウジング2は、応力(特に、ステアリング軸(YY’)に沿った引張/圧縮応力、及び/又は、ステアリング軸(YY’)まわりの捻れ応力)を受けることなく、モジュール10,20、保護チューブ40、及び/又は、前記モジュール10,20が取り付けられたベース3に影響を及ぼし得る熱膨張に係る寸法の変化を許容することができるようになる。
【0133】
このことは、特に、ベース3及びステアリングハウジング2を製造するために異なる材料を使用した結果、又は、第1モジュール10及び第2モジュール20をそれぞれ製造するために異なる材料を使用した結果、要素同士の間で異なる熱膨張が生じる虞がある場合に真価を発揮することになる。
【0134】
勿論、左側のステアリングハウジング構成部2A及び右側のステアリングハウジング構成部2Bを結合するために、他の代替となる選択肢を考えてもよい。例えば、接着や、周方向に沿ったクランプ留めによって結合してもよいし、ガイドスリーブ35,50の各端部に形成される鍔部と、保護チューブに形成される鍔部とを隣接させた上でボルト締めを行うことにより結合してもよい。
【0135】
前記組立ステップ(b)は、モジュール10,20と保護チューブ40との間の接合部の形状に拘わらずステアリングハウジング再構成ステップ(b1)の後に行うセットアップステップ(b2)を含んでいる、とすれば好ましい。このセットアップステップ(b2)は、保護チューブ40によって予め互いに連結された第1モジュール10及び第2モジュール20を、左受入領域7及び右受入領域8にそれぞれ取り付けて固定する工程である。
【0136】
換言すれば、第1モジュール10及び第2モジュール20を、各々、部分組立体としてベース3上に運搬して固定する前に、好ましくは、ステアリングハウジング2を、第1モジュール10と第2モジュール20との(好ましくはスライド嵌合による)連結によって予め構成することになる。
【0137】
それゆえ、一般的には、ステアリングハウジング2のラインへの供給と、そのベース3への積載作業とが容易になる。
【0138】
ステアリングハウジング2を予め組み立てておくことは、前述の如くスライド嵌合タイプの1つ又は2つの接合部41G,41Dを用いることに関連して、前記ステアリングハウジング2の構成要素のベース3への導入及び位置調整を大いに容易にし、ひいては、セットアップステップ(b2)の期間を短くすることができる、という点で有利である。
【0139】
第1及び第2モジュール10,20の、ベース3の受入領域7,8での固定は、固定用ホール30,30’を介したネジ止め又はボルト締めによって行われる、とすれば好ましい。
【0140】
ステアリングハウジング2の第1及び第2モジュール10,20を、ベース3上で効果的に位置決めすることのみによって、ステアリングハウジング2を、その最終的な機能上の形状に維持することができるようになる、とすれば好ましい。それは、第1及び第2モジュール10,20は、実際、それらがベース3上に固定(特に、第1及び第2モジュール10,20の軸方向の間隔をベース上で設定する固定)されるまで、それらの相対変位の自由度、特に、それらの軸方向の相互の間隔の自由度が保持されるからである。
【0141】
実際には、形態の選択に拘わらず、保護チューブ40は、最初に、つまり、ステアリングハウジング再構成ステップ(b1)よりも前に、第1及び第2モジュール10,20のうちの少なくとも1つとは別体になる、とすれば好ましい。
【0142】
さらに、第1モジュール10と第2モジュール20との間の接合、特に保護チューブ40とガイドスリーブ35,50のうちの少なくとも1つとの間の接合(、又は、保護チューブ40とガイドスリーブ35,50の双方との接合)は、好ましくは、可逆的となる。
【0143】
それゆえ、ステアリングハウジング2のモジュラー特性に起因して、欠陥のあるモジュール10,20、又は、保護チューブ40単体でさえも、必要に応じて、容易に交換することが可能となり、ステアリングハウジング2全体の処分は勿論のこと、架台1全体の処分は尚更不要となる。
【0144】
本発明によって提供される構成が、スタビライザーバー13又はステアリングハウジング2に介在すること、特に、これらをベース3に配置したり、ベース3から取り除いたりすることが、架台1がサイドレール42,43に固定されているか否かに拘わらず、特に架台1をサイドレール42,43上に運搬して取り付ける前に可能になる、ということにも留意されたい。
【0145】
サイドレール42,43に対する組付領域4,5の固定に支障を来すことなく、ステアリングハウジング2の外形を容易に調整すること、特にモジュール10,20のベース3上における配置若しくは向きを再調整すること、又は、主要部品の1つの交換を行うことさえも可能になる、ということにも留意されたい。
【0146】
本発明に特有のモジュール構成、特に、ベース3、第1モジュール10、第2モジュール20、及び、サイドレール42,43の(構造上の且つ機能上の)独立性によって、これら構成要素を実現する上での多大な自由度、及び、組立工程を構成するステップを実行する順番の多大な自由度、ひいては、供給(運搬)及び製造サイクルの組織化が許容される。
【0147】
その上、保護チューブ40の製造、及び、モジュール10,20のうちの少なくとも1つの製造を分離すること、又は、前記保護チューブ40の製造、及び、2つのモジュール10、20の各々の製造さえも分離することによって、保護チューブ40を、検討対象のモジュール10,20の材料とは異なる材料、特に、ガイドスリーブ35,50の構成材料よりも力学的に弱い材料(且つ、ガイドスリーブ35,50の構成材料よりも安価で軽い材料)で作製することが可能になる、という点で有利になる。
【0148】
さらに一般的には、実際、本発明に特有の構成によって、保護チューブ40を、あらゆる著しい力学的な応力から開放することが可能になる、ということに留意されたい。つまり、保護チューブ40は、ステアリングラックをその外部環境からシールするための保護スクリーン(特に、液密状のスクリーン)としての単純な役割のみを引き受ければよい。
【0149】
実際、ラックを案内する応力、特にステアリング軸(YY’)を横切る径方向の応力に関しては、ガイドスリーブ35,50によって支えられることになる。
【0150】
シャーシ44に加わる構造的な応力、特に横断方向の縮み応力、捻れ応力、又は垂直方向の曲げ応力のような運転に起因する衝撃や変形に関しては、ベース3、特にクロスメンバ6によって支えられることになる。
【0151】
したがって、本発明によれば、架台1の剛性を確保するために余分な構造体を設けたり、ステアリングハウジング2、特に保護チューブ40を大きなサイズにしたりする必要が無い。
【0152】
結果として、最初に、保護チューブ40と、第1及び第2モジュール10,20のうちの少なくとも1つ、例えば第1モジュール10とを個別に形成するときに、前記保護チューブ40の構成材料は、前記第1及び第2モジュール10,20の構成材料とは異なっている、とすれば好ましく、保護チューブ40の構成材料は、第1及び第2モジュール10,20の構成材料よりも低密度である、とすればさらに好ましい。
【0153】
とにかく、保護チューブ40を、好ましくは、繊維強化ポリマーマトリクス材料を有する複合材料で実現する、としてもよい。
【0154】
特に、前記マトリクスを、脂肪族ポリアミド(例えば、PA6又はPA66)、芳香属ポリアミド(例えばPA6T6I)、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリフェニルスルホン(PPS)、ポリエステル(PE)又はエポキシから作製する、としてもよい。
【0155】
ガラス繊維、アラミド繊維又はカーボン強化繊維を使用する、としてもよい。
【0156】
前記の繊維を、短繊維としてポリマーマトリクス中に各々ランダムに配合したり、それとは反対に、高荷重領域においてモジュール20を補強するために、連続繊維として配向させたりする、としてもよい。
【0157】
ガラス繊維、アラミド繊維又はカーボン繊維は、単体で用いてもよいし、混合配合(ガラス繊維とカーボン繊維、又は、カーボン繊維とアラミド繊維、又は、これら3つの繊維の混合物)で用いてもよい。
【0158】
必要に応じて、ステアリングハウジング2は、前述の軽合金から作製された少なくとも1つのモジュール10、又は、2つのモジュール10,20と、複合材料から作製された保護チューブ40との組立から得られる。
【0159】
第1の態様によると、保護チューブ40は、第1及び第2モジュール10,20の各々とは個別に製造される、としてもよい。
【0160】
組立の選択肢によると、保護チューブ40の2つのモジュール10,20との取付は、前述の如く、有利とするためには可逆的な、スライド嵌合タイプの2つの接合部41G,41Dによって実現される、としてもよい。
【0161】
それゆえ、各モジュール10,20と、前記保護チューブ40における対応する端部との間で、動作の自由度が保持されることになる。
【0162】
それでも尚、他の好ましい組立の選択肢によると、保護チューブ40は、第1及び第2モジュール10,20の各々とは個別に製造された後に、前記モジュール10,20の一方、例えば(、記載を簡便にするため、)第2モジュール20に取り付けられて固定される、としてもよい。
【0163】
このため、保護チューブ40を、好ましくは、第2のステアリングハウジング構成部2B、特に第2ガイドスリーブ50に対して、第2のステアリングハウジング構成部2Bの軸方向に沿った延長線上において(前記第2ガイドスリーブの軸方向に沿った延長線上において)、潤滑油に対して油密状に且つ、好ましくは液密状に、固定、特に嵌合したり、接着したり、及び/又は、溶接、特に摩擦圧接により溶接したり、してもよい。
【0164】
さらに一般的には、好ましい構成によれば、ステアリングハウジング再構成ステップ(b1)は、保護チューブ40を第1及び第2モジュール10,20のうちの一方、好ましくは第2モジュール20に対し固定された位置に保持する固定接合部(本実施形態では第2接合部41D)によって、保護チューブ40の一端部40Dを前記一方のモジュール10,20に予め固定した後に、相対的な可動性を許容する接合部(本実施形態では第1接合部41G)によって、保護チューブ40の他端部40Gを第1及び第2モジュール10,20のうちの他方、好ましくは第1モジュール10に係合する工程である、ことに留意されたい。
【0165】
保護チューブ40と、前記一方のモジュール20とを固定して、容易に取扱可能な、同一で単一の部分組立体にすることによって、他方のモジュール10の係合及び調整に関する操作が容易になる、という点で有利である。
【0166】
必要に応じて、2つのモジュール10,20は、同じ構成材料、例えば軽合金から作製されていて、複合材料から作製された保護チューブ40と共に2種材料によるステアリングハウジングを構成する、としてもよい。
【0167】
或いは、3種材料によるステアリングハウジング2を構成するように、2つのモジュール10,20のうちの一方は、他方のモジュールの材料、及び、保護チューブ40の構成材料とは異なる材料から作製される、としてもよい。
【0168】
さらに、第1モジュール10及び/又は第2モジュール20を、それら自身、前述のポリマーマトリクスを有する複合材料から作製することは排除されない。
【0169】
もしあるなら、検討対象のモジュール10,20を構成する複合材料としては、保護チューブ40を構成する複合材料よりも力学的に強いものが選ばれる、としてもよい。
【0170】
第2の態様によると、特に
図6〜
図8に示すように、保護チューブ40は、第2ガイドスリーブ50のステアリング軸(YY’)に沿う延長線上において、前記ガイドスリーブ50(、及び、必要に応じて、スタビライザーバー13の第2支持部21)と一体的に形成されることにより、第2モジュール20と一体化された一部品になる、としてもよい。
【0171】
換言すれば、前記プレアセンブリステップ(a)は、保護チューブ40を、第1及び第2モジュール10,20の一方、より好ましくは第2モジュール20と一体的に製造する工程である、とすれば好ましい。
【0172】
この第2の態様によると、その後、
図2から見て取れるように、第1(左)モジュール10及び第2(右)モジュール20は、互いに直接的に補い合うように、つまり、ステアリングハウジング構成部2A,2Bが、互いに直接的に接触してステアリングハウジング2を再構成するように連結することができるよう、構成されることになる。
【0173】
保護チューブ40の第2モジュール20との一体化に関連して、前記のような左右非対称な配分によれば、保護チューブ40の第1モジュール10との接合部は、
図2に示すように、架台1の左側半分において実現される。
【0174】
それゆえ、第2の態様によると、2つのモジュール10,20におけるシールされた接合部を許容しつつも、第1モジュール10を、第2モジュール20よりもコンパクトにし且つ、特に第2モジュール20よりもステアリング軸(YY’)に沿う方向に断然短くすることができる。
【0175】
したがって、保護チューブ40ばかりでなく、より一般的には第2モジュール20全体を、第1ガイドスリーブ35、より一般的には第1モジュール10を構成する材料よりも軽い(より低密度の)材料で実現することで、ステアリングハウジング2を概ね軽くすることが可能になる、という点で有利である。
【0176】
その上、ここでまた、保護チューブ40を、該保護チューブ40に関連する一方のモジュール20と共に、ユニークな部分組立体として取り扱うことが可能になる。そのような部分組立体によって、他方のモジュール10との係合及び調整に関する操作が容易になる。
【0177】
第2モジュール20を、特に、繊維強化ポリマーマトリクス材料を有する複合材料、特に、保護チューブ40に関連して説明された前述の複合材料から作製する、とすれば好ましい。
【0178】
そして、第2モジュール20を、射出成形によって、比較的低コストで作製する、とすれば好ましい。
【0179】
ここでまた、特に、ポリマー系の複合材料から作製された第2モジュール20を、軽合金から作製された第1モジュール10と結合することにより、混合された2種材料によるステアリングハウジング2の構造体を想到することもできる。
【0180】
いずれにせよ、第2モジュール20の構成材料、及び/又は、保護チューブ40の構成材料は、ベース3の構成材料とは異なり且つ、ベース3の構成材料よりも低密度となり、それにより、架台1の強度や剛性を損なうことなく、前記架台1の軽量化に寄与することができる。
【0181】
第3の態様(不図示)によると、第1モジュール10及び第2モジュール20は、(本実施形態では、走行方向Xに対して平行であり且つ、クロスメンバ6の中央部を通過する平面に対応する)車両の矢状面に関して実質的に対称的なステアリングハウジング構成部2A,2Bを有している、と想到することができる。
【0182】
そのような態様によると、第1モジュール10のガイドスリーブ35と、第2モジュール20のガイドスリーブ50とは、各々の保護チューブ40を構成する部分の分だけ、ステアリング軸(YY’)に沿って(それぞれ一方が他方に向かうように)延びている、としてもよい。
【0183】
特に、前記第1及び第2モジュール10,20の各々の長さ、特に、各々の保護チューブ40を構成する部分の長さは、前記モジュール10,20が、例えば架台1の略中央部、つまり、前記架台1を左半分と右半分とに二分する矢状面付近での嵌合によって直接的な接合部を実現するように、前記モジュールの各固定部間の間隔の略半分に及んでいる、としてもよい。
【0184】
尚、究極的には、ステアリングハウジング2を、軸方向に(前述の第2及び第3の態様に従って)2つの要素に細分するか、又は、(前述の第1の態様に従って)3つの要素に細分するか、すれば有利である。その場合、各要素は、互いに別体ではあるが連続する。
【0185】
したがって、特に、3つの部品(第1モジュール10、第2モジュール20及び保護チューブ40)、又は、2つの部品(第1モジュール10、及び、保護チューブ40と一体化している第2モジュール20)があれば、中間(特に第1のステアリングハウジング構成部2Aと第2のステアリングハウジング構成部2Bとの間)に位置するようなステアリングハウジング構成部の新設を要求することなく、ラックの案内及び保護を確保するステアリングハウジング2の管状部分全体を、架台1の幅方向に亘って共同で且つ相補的に再構成するには十分になる。
【0186】
したがって、ステアリングハウジング2、ひいては架台1の製造及び組立が簡素化されることになる。
【0187】
その上、態様の選択に拘わらず、保護チューブ40は、好ましくは断面円形状を有し、直線状のステアリング軸(YY’)に沿って軸心が延びる円筒状に形成される、とすれば好ましい。また、好ましくは、その円筒の中心は、ステアリング軸(YY’)上に位置する。
【0188】
前記保護チューブ40の壁部の厚みが略一定である、とすれば好ましい。
【0189】
前記厚みの大きさは、ステアリング軸(YY’)に垂直な径方向に沿って測定したときに、例えば2.5mmと4mmとの間になる、としてもよい。
【0190】
一変形例によると、保護チューブ40は、第1モジュール10から第2モジュール20にかけての範囲、特に、第1ガイドスリーブ35から第2ガイドスリーブ50にかけての範囲において、略一定の径を有している、としてもよい。
【0191】
そのような、最初は、第1及び第2モジュール10,20とは個別であって且つ、その後に、第1及び第2モジュール10,20に取り付けられる保護チューブ40を実現するのに特に適した変形例によると、前記保護チューブ40は、例えば、押出成形又は引抜成型によって得られる単一の金属又は複合プロファイルを、所望の長さに切断することによって得られる、としてもよい。
【0192】
歴とした本発明を構成し得る他の変形例によると、保護チューブ40は、
図2、
図6及び
図7に示すように、前記の構成にかえて、実質的な2重円すい形状を取るように、括れ部40Rを有している、としてもよい。
【0193】
前記括れ部40Rは、前記チューブ40の実質的な中央部、つまり、架台1の矢状面が実質的に交わる長さ方向中央部に配設されている、とすれば好ましい。
【0194】
前記のような括れ部40Rにより、2つ(左側と右側)のコアピンを用いた鋳造によって、保護チューブ40を、必要に応じて第2ガイドスリーブ50と一体的に、容易に実現することが可能になる、という点で有利である。それらのコアピンは、円すい台形状を有する鋳造コアを構成するものであり且つ、括れ部40Rに位置していてステアリング軸(YY’)に対して略垂直な接合面において(それらの小さな基部により互いに反対側から)接合されるものである。
【0195】
そのような2重円すいに係る形態、特に、中央部に括れ部40Rが設けられた形態は、2つの抜き勾配(一方は左方への抜き勾配であって、他方は右方への抜き勾配)を有することになる、という点で有利である。つまり、1つの抜き勾配を有することになる1つの円すい台形状を有する保護チューブと比較すると、保護チューブ40の両端部40G,40Dにおける径を制限することが可能になる。そのことで、適切な抜き勾配を維持しつつ、保護チューブ40の多大な長さにも拘わらず、鋳型の抜き取りの容易さを保証することが可能になる。
【0196】
それゆえ、鋳型のサイズ、保護チューブ40の全体的な体積、該保護チューブ40の重量、及び、保護チューブ40の製造に必要な材料の量を低減することが可能になる。
【0197】
その上、保護チューブ40の形状(直線形状、凸形状、凹形状、及び、2重円すい形状等)に拘わらず、前記保護チューブ40は、好ましくは、その両端部40G,40Dが実質的に同径(且つ、実質的に同断面積)となっている。
【0198】
一方で、特に好ましい方法では、サイドレール42,43は、鋼鉄から作製される。
【0199】
実際、そのような材料によって、特に打抜き加工によって、取り分け頑丈に且つ容易に形成されるサイドレールを得ることが可能になる。
【0200】
その上、鋼鉄の展性によって、衝突の場合、特に正面衝突の場合において、その衝突のエネルギの一部を吸収及び拡散しつつ、所定の方法に従って塑性変形する能力がサイドレール42,43に付与されることになり、そのことで、サイドレール42,43は、車両の操縦席における受動的な保護機能を確保することが可能になる。
【0201】
ここでまた、架台1のモジュラー特性によって、特に、ベース3(及びモジュール10,20)の構成材料とは異なり且つ、この場合、ベース3の構成材料よりも高密度な、鋼鉄のような適切な材料でサイドレール42,43を実現することにより、この受動的な保護機能をサイドレール42,43に付与することが可能になる。
【0202】
好ましくは、左サイドレール42の前端は、さらに、《クラッシュフレーム》(不図示)と呼ばれていてベース3から離隔している弓状部を介して右サイドレール43の前端に連結されている、としてもよい。その弓状部は、エンジンよりも下方において、シャーシ44の前方への延伸部を構成している。
【0203】
そのような構成は、シャーシ44に対し、頑丈でありながらも、衝突のエネルギを拡散するために必要に応じて変形可能な、(サイドレール42,43とホワイトボディ45のクロスメンバとが連結した)閉輪郭を与えることができる、という点で有利である。
【0204】
勿論、本発明は、ステアリングラックのようなステアリングアクチュエータを収容すると共に、該ステアリングアクチュエータのステアリング軸(YY’)に沿った平行移動を案内するように構成されたステアリングハウジング2にも関する。このステアリングハウジング2は、にステアリング軸(YY’)の軸方向に沿って、第1モジュール10と、第2モジュール20と分割されている。
【0205】
ここで、第1モジュール10は、ステアリングアクチュエータの第1の案内面を形成するように構成され且つ、ステアリング軸(YY’)に沿って第1長さ部分に亘って延びている第1のステアリングハウジング構成部2Aと、スタビライザーバー13を収容及び支持することができるように配設された第1窪み部12を形成している第1支持部11と、が第1材料により一部品として構成されたものである。
【0206】
また、第2モジュール20は、ステアリングアクチュエータの第2の案内面を形成するように構成され且つ、第1のステアリングハウジング構成部2Aにより形成される第1の案内面から軸方向に離隔し且つ、第1のステアリングハウジング構成部2Aが及んでいる第1長さ部分を補完するようにステアリング軸(YY’)に沿って第2長さ部分に亘って延びるよう、好ましくは保護チューブ40により延長されている第2のステアリングハウジング構成部2Bと、第1支持部11から離れた箇所において前記スタビライザーバー13を収容及び支持するように配設された第2窪み部22を形成している第2支持部21とが、第1材料とは異なる第2材料により一部品として構成されたものである。
【0207】
好ましくは、前記第1及び第2のステアリングハウジング構成部2A,2Bは、ステアリング軸(YY’)に沿って並置され、特に好ましくは、その全長に亘って完全なステアリングハウジング2を構成するように且つ、前記ステアリングハウジング構成部内をスライドするラックに対して精密な案内と、効果的な潤滑と、信頼高き保護とを確保するように嵌合される。
【0208】
勿論、本発明は、前記のような第1モジュール10又は第2モジュール20、及び、特に、前述の変形例のいずれかに係る、一組の左/右モジュール10,20に関する。各モジュールは、一方では、ラックを案内可能なステアリングハウジング構成部2A,2Bを構成する(、各々、一体化された保護チューブ40により必要に応じて延長している、第1ガイドスリーブ35及び第2ガイドスリーブ50として形成された)少なくとも1つの第1の分岐部と、他方では、スタビライザーバー13を収容するようになっている支持部11,21、及び、最終的には固定用部材、例えば固定用ホール30,30’を運搬し且つ、好ましくは延長交差部を形成し且つ、第1の分岐部に対して略垂直に延びる少なくとも1つの第2の分岐部とが一体的に構成されている。固定用ホール30,30’は、架台1のベース3上で、検討対象のモジュール10,20の個々の取付及び固定を、前記検討対象のモジュール10,20の着脱性を保持するような可逆的な方法で許容する。
【0209】
最後に、本発明は、本発明に係る組立方法に基づいて得られた架台1、及び、そのような架台1を備えた、駆動及びステアードホイールを有する種別の、車両、特に、人々及び/又は物品の搬送を用途とする自動車に関する。
【0210】
勿論、本発明は、前述の変形例に制限されるものでは全くなく、当業者であれば特に、前述の特徴のうちのいずれかを単独で又は組み合わせて用いたり、等価なものと置換したりすることができる。
【0211】
特に、左側部分と右側部分との呼称を入れ替えることによって、前述の組立方法及び架台を準用した構成が、申し分なく想到されることになる。