(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6554110
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】予備充電スイッチ構成、電力供給構成、および直流高電圧源に負荷を接続するための方法
(51)【国際特許分類】
H02J 1/00 20060101AFI20190722BHJP
H02H 9/02 20060101ALI20190722BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20190722BHJP
【FI】
H02J1/00 309R
H02H9/02 D
H02J7/00 P
【請求項の数】12
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-553641(P2016-553641)
(86)(22)【出願日】2015年2月26日
(65)【公表番号】特表2017-513444(P2017-513444A)
(43)【公表日】2017年5月25日
(86)【国際出願番号】EP2015054039
(87)【国際公開番号】WO2015128423
(87)【国際公開日】20150903
【審査請求日】2017年11月24日
(31)【優先権主張番号】102014203779.4
(32)【優先日】2014年2月28日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102014206694.8
(32)【優先日】2014年4月7日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100189360
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 昭典
(72)【発明者】
【氏名】アインホルン,ヨルク
【審査官】
辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−102471(JP,A)
【文献】
特開平03−098422(JP,A)
【文献】
特開平04−084774(JP,A)
【文献】
特開2008−193846(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 1/00−1/16
7/00−7/12
7/34−7/36
H02H 9/00−9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予備充電抵抗器(RV)と予備充電スイッチ(SV)とを有する、直流回路(7)のコンデンサ(C)を充電するための予備充電スイッチ構成(1)であって、
前記予備充電抵抗器(RV)が、前記予備充電抵抗器(RV)の両端間の電圧(UV)を検出するためのデバイス(3)に少なくとも間接的に接続され、
前記予備充電抵抗器(RV)の両端間の前記電圧(UV)を検出するための前記デバイス(3)が、前記予備充電抵抗器(RV)においてタップされた前記電圧(UV)を直流電圧源(15)からの基準電圧(UR)と比較するための比較要素(13)を有し、
前記基準電圧(UR)を生成するための前記直流電圧源(15)が、直流電圧コンバータ(21)であり、
前記予備充電スイッチ(SV)の制御入力部(29)が、前記予備充電スイッチ(Sv)がオン状態に切り替えられたときに前記直流電圧コンバータ(21)が作動状態になるように、前記直流電圧コンバータ(21)の入力部(26)に接続されることを特徴とする、
予備充電スイッチ構成(1)。
【請求項2】
前記予備充電抵抗器(RV)の両端間の前記電圧(UV)を検出するための前記デバイス(3)が、前記予備充電抵抗器(RV)に入力側で接続される第1の分圧器(11)を有することを特徴とする、
請求項1に記載の予備充電スイッチ構成(1)。
【請求項3】
前記直流電圧源(15)が、第2の分圧器(23)によって前記比較要素(13)に接続されることを特徴とする、
請求項1に記載の予備充電スイッチ構成(1)。
【請求項4】
前記比較要素(13)が、出力側で送信ユニット(U)の入力部(UE)に接続されることを特徴とする、
請求項1から3のいずれか一項に記載の予備充電スイッチ構成(1)。
【請求項5】
前記送信ユニット(U)が、その前記入力部(UE)から電流に関して分離される出力部(UA)を有することを特徴とする、
請求項4に記載の予備充電スイッチ構成(1)。
【請求項6】
前記送信ユニット(U)の前記出力部(UA)の供給線が、前記直流電圧コンバータ(21)の前記入力部(26)に接続されることを特徴とする、
請求項5に記載の予備充電スイッチ構成(1)。
【請求項7】
請求項1に記載の予備充電スイッチ構成(1)であって、
前記比較要素(13)の供給線、前記直流電圧コンバータ(21)の前記出力部(15)、請求項1を引用する請求項4に記載の送信ユニット(U)の入力部(UE)、請求項2に記載の第1の分圧器(11)、および請求項3に記載の第2の分圧器(23)に関する共通の基準電位(M)であって、前記予備充電抵抗器(RV)を前記予備充電スイッチ(SV)に接続する線(9)に接続される共通の基準電位(M)によって特徴付けられる、
予備充電スイッチ構成(1)。
【請求項8】
請求項1または7に記載の予備充電スイッチ構成(1)であって、
少なくとも、請求項2に記載の第1の分圧器、請求項3に記載の第2の分圧器、前記予備充電抵抗器(RV)、前記予備充電スイッチ(SV)、前記比較要素(13)、請求項1を引用する請求項4に記載の送信ユニット(U)、および前記直流電圧コンバータ(21)が、共通のハウジング内に配置される構成要素の組(31)を形成することを特徴とする、
予備充電スイッチ構成(1)。
【請求項9】
電気的負荷のための電力供給構成(5)であって、
前記負荷が入力側のコンデンサ(C)であり、高電流電圧源(B)を前記コンデンサ(C)に接続する直流回路(7)を有しかつ前記高電流電圧源(B)と前記コンデンサ(C)の両極との間に各々配置される2つの制御可能な切り替え要素(S1、S2)を有する、電力供給構成(5)において、
請求項1から8のいずれか一項に記載の予備充電スイッチ構成(1)が、制御可能な切り替え要素(S2)と並列に接続されることを特徴とする、
電力供給構成(5)。
【請求項10】
前記予備充電スイッチ構成(1)が、前記制御可能な切り替え要素(S2)の上流および下流で、2つの高電圧接続部(17、19)のみによって前記直流回路(7)に接続されることを特徴とする、
請求項9に記載の電気的負荷のための電力供給構成(5)。
【請求項11】
直流高電圧源(B)に負荷を接続するための方法であって、
請求項1から8のいずれか一項に記載の予備充電スイッチ構成(1)、または請求項9から10のいずれか一項に記載の電力供給構成(5)を使用して、前記負荷が、前記直流高電圧源(B)と前記負荷との間に配置される予備充電抵抗器(RV)の両端間の電圧(UV)に応じて、前記直流高電圧源(B)に接続される、ことを特徴とする、方法。
【請求項12】
所望の充電状態に達するとき、前記予備充電スイッチ(SV)が開かれ、このことにより前記予備充電スイッチ構成(1)が無電力状態へと切り替えられることを特徴とする、
請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予備充電抵抗器および予備充電スイッチを有する、直流回路のコンデンサを充電するための予備充電スイッチ構成に関する。本発明は、電気的負荷のための電力供給構成であって、この負荷が入力側のコンデンサであり、高電圧源をこのコンデンサに接続する供給電流回路を有しかつこの高電圧源とコンデンサの両極との間に各々配置される2つの制御可能な切り替え要素を有する、電力供給構成にさらに関する。本発明は、直流高電圧源(high direct-current voltage source)に負荷を接続するための方法にさらに関する。
【背景技術】
【0002】
直流回路のための予備充電スイッチ構成が知られている。これらは特に、負荷が電源に接続されることが意図された高電圧直流回路において使用される。特に、負荷が入力側のコンデンサである直流回路において。多く見られる出願には、たとえば、車両の電気またはハイブリッド駆動装置内の「バッテリ遮断ユニット(BDU)」が含まれる。そのような駆動装置は一般に車載ネットワークに、特に、必要とされる交流電圧または駆動ユニット用の三相電流電圧を提供するためのインバータに接続される、高電圧バッテリを有する。安全上の理由から、そのようなデバイスは、各極に1つずつの2つの制御可能な切り替え要素を有する。これらの切り替え要素はたとえば、接触器またはリレーとすることができる。
【0003】
そのような直流回路において、充電されていないコンデンサに直流電源が直接接続される場合、短絡電流が短時間だけ流れる場合があり、この短絡電流は構成要素の損傷につながる可能性がある。この目的のために、コンデンサは、直流電圧源に完全に接続される前に、予備充電される。この目的のために、予備充電スイッチ構成が、2つの制御可能な切り替え要素のうちの一方と並列に接続される。コンデンサを予備充電するために、その場合、他方の制御可能な切り替え要素および予備充電スイッチが閉じられる。コンデンサはこのことにより、予備充電抵抗器によって充電される。コンデンサが所望の充電状態に達した場合、予備充電スイッチ構成と並列に接続される制御可能な切り替え要素も閉じられ、負荷が直流電圧源に接続される。次いで予備充電スイッチを、再び開くことができる。
【0004】
コンデンサの充電状態をモニタするために、開かれた制御可能な切り替え要素の両端間でコンデンサの電圧をタップし、評価することが慣例である。この電圧は、コンデンサの充電状態に関連する情報を提供できる。この種類の電圧測定は、存在する場合がありかつ電圧を評価し制御可能な切り替え要素を切り替えるための制御信号を生成する、電子制御システムからの、高圧線の複雑な切り離しを必要とする。加えて、制御可能な切り替え要素の2つの側の間のガルバニック分離が結果として、高い信頼性では保証されない。知られている先行技術では、ガルバニック分離のために、補助リレーが多くの場合使用される。この解決法では、予備充電スイッチ構成が、複雑で費用の高いものとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的はしたがって、コンデンサの充電状態を高い信頼性で検出し、高いレベルの信頼性を保証し、少なくとも予備充電スイッチ構成に関してコンパクトな構造をさらに実現することが可能な、予備充電スイッチ構成、電力供給構成、および直流高電圧源に負荷を接続するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、予備充電スイッチ構成に関する目的は、予備充電抵抗器が、予備充電抵抗器の両端間の電圧を検出するためのデバイスに、少なくとも間接的に接続される、という形で達成される。電力供給構成に関して、本発明による目的は、本発明による予備充電スイッチ構成が、2つの制御可能な切り替え要素のうちの一方と並列に接続されるという形で達成される。導入部で述べられた、直流高電圧源に負荷を接続するための方法に関して、本発明による目的は、直流高電圧源と負荷との間に配置される予備充電抵抗器の両端間の電圧に応じて、直流高電圧源に負荷が接続される、という形で達成される。
【0007】
本発明は、検出されるべき電圧を、制御可能な切り替え要素の一方においてではなく、予備充電抵抗器においてタップできる、という利点をもたらす。少なくとも、電圧を検出するための接続部は、予備充電工程を終えた後で予備充電スイッチが開いているときに、高電圧源と車載電力供給ネットワークとの間にある電流搬送回路中のコンデンサと、もはや統合されていない。測定されるべき電圧は、制御可能な切り替え要素の一方の両側でタップされないので、制御可能な切り替え要素のこれら2つの側は、この切り替え要素が開かれたとき、電流に関して各々完全に分離される。補助リレーの使用を、したがって省略することができる。別の利点は、同じ電圧を、並列に接続される制御可能な切り替え要素におけるように、予備充電抵抗器においてタップできることである。本発明はしたがって、コンデンサの充電、およびコンデンサの充電状態を判定するための電圧の検出を、より高い信頼性をもって実行することを可能にし、同時に、電子制御システムに関して、高電圧回路からの複雑な切り離しに関する要件が緩和される。
【0008】
本発明による解決法を、各々それ自体有利でありかつ互いと自由に組み合わせ可能な様々な実施形態により、さらに改善することができる。これらの実施形態およびこれらと結び付けられる利点について、以下で検討する。
【0009】
予備充電スイッチは特に、接触器またはリレーとすることができる。これらの構成要素は既知であり、高電圧または高電流の切り替えに関して、高いレベルの信頼性をもって使用され得る。
【0010】
予備充電抵抗器においてタップされる電圧を低減するために、予備充電抵抗器の両端間の電圧を検出するためのデバイスは、予備充電抵抗器に入力側で接続される、第1の分圧器を有し得る。次いでこの分圧器は、予備充電抵抗器の両端間の電圧に比例する電圧を提供することができる。このことは特に、検出用デバイスを過度な高電圧から保護するために有利であり得る。第1の分圧器は、予備充電抵抗器の両端部において接続される、2つの入力部を有し得る。
【0011】
予備充電スイッチ構成は、ちょうど2つの高電圧接続部を有することができ、第1の分圧器の入力部、予備充電抵抗器、および予備充電スイッチの両方の接続部は、共通の線区域上で、これらの高電圧接続部間に配置される。したがって、既存の高直流回路内に特に簡単に追加的に組み込み可能な、特にコンパクトな予備充電スイッチ構成を実現することが可能である。
【0012】
予備充電抵抗器の両端間の電圧を検出するためのデバイスは、予備充電抵抗器においてタップされた電圧を直流電圧源からの基準電圧と比較するための、比較要素を有し得る。この電圧は、以下では予備充電電圧と呼ばれる。このようにして、予備充電抵抗器における電圧、および結果としてコンデンサの充電状態が所望の値に対応するかどうかを、簡単に確定することができる。比較要素は特に、比較器とすることができる。分圧器が使用されるとき、第1の分圧器の出力部を、比較器の反転入力部に接続することができる。適正でない切り替えを防止するためにおよび切り替えヒステリシスを導入するために、比較器を、シュミットトリガによって形成することができる。
【0013】
基準電圧用の直流電圧源は、直流電圧コンバータとすることができる。直流電圧変換器は入力側で、予備充電スイッチ構成の外側から低電圧源によって、供給を受けることができる。直流コンバータを使用して、十分に高い直流電圧を提供することができ、この直流電圧を用いて、予備充電抵抗器においてタップされたまたは第1の分圧器によって提供される電圧を、比較することができる。予備充電スイッチ構成の外側からの供給は、直流電圧コンバータがその場合、高電圧側から電流に関して分離された電圧を提供できるので、特に有利である。
【0014】
比較要素に関する基準電圧を規定するために、直流電圧源を、第2の分圧器によって比較要素に接続することができる。比較器が使用されるとき、第2の分圧器の出力部を、比較器の非反転入力部に接続することができる。
【0015】
特に簡単な構造を実現するため、予備充電スイッチの制御入力部を、直流電圧コンバータの入力部に接続することができる。予備充電スイッチの制御入力部は特に、リレーまたは接触器のコイルに供給を行うことができる。そのような構成により、予備充電スイッチ構成に設けられる低電圧接続部を、可能な最低の個数とすることができる。予備充電スイッチの制御入力部に関しておよび直流電圧コンバータに関して、共通の入力部を使用することにより、直流電圧コンバータは、ちょうど予備充電スイッチがオンに切り替えられたときに、作動状態になる。
【0016】
比較要素を、出力側で、送信ユニットの入力部に接続することができる。このことにより、比較要素の信号を送信することが可能であり、この信号を使用して、直流回路の制御可能な切り替え要素を制御することができる。
【0017】
送信ユニットが、その入力部から電流に関して分離される出力部を有するとき、特に有利である。送信ユニットの出力部を、たとえば、電子制御システムに接続することができる。ガルバニック分離により、電子制御システムを、高直流回路から分離して動作させることができる。このことにより、たとえばそのような予備充電スイッチ構成が使用される車両に関して、信頼性を大きく高めることができる。
【0018】
送信ユニットが光カプラであることによって、特に良好なガルバニック分離が実現される。
【0019】
送信ユニットの出力部の供給線が、直流電圧コンバータの入力部に接続されるという形で、特にコンパクトな構造を実現することができる。送信ユニットがたとえば光カプラである場合、たとえば、この光カプラ内のフォトトランジスタのコレクタを、直流電圧コンバータにも入力側で接続される同じ正の供給線に接続することが可能である。光カプラ内のフォトトランジスタのエミッタはその場合、送信ユニットの信号を提供することができる。そのような構造により、予備充電スイッチ構成が、全部でただ3つの低電圧接続部、1つの正の接続部、1つの負の接続部、および1つの信号線を有することが可能になる。
【0020】
予備充電スイッチ構成は、比較要素の供給線、直流電圧コンバータの出力部、送信ユニットの入力部、第1の分圧器および第2の分圧器に関する共通の基準電位を有することができ、この電位は、予備充電抵抗器を予備充電スイッチに接続する線に接続される。そのような構成により、予備充電スイッチ構成を、負の高電圧電位を搬送する高直流回路の線から、分離して動作させることが可能となる。このことにより、使用されていないときに、予備充電スイッチ構成のクリープ電流および電力消費が発生しないようにすることができる。
【0021】
予備充電スイッチ構成を、2つの高電圧接続部のみを介して高直流回路に接続することは、特に有利である。予備充電スイッチ構成を、これら2つの接続部を介して、直流回路の並列接続された制御可能な切り替え要素の上流および下流で接続することができる。このようにして、予備充電スイッチが開いているとき、予備充電スイッチ構成は、直流回路の高電圧源の1つの極にのみ接続される。予備充電スイッチが開いているとき、予備充電スイッチ構成は、高電圧源によって供給される電流を受けない。このことにより、特に信頼性の高い構造および動作が可能となる。さらに、予備充電スイッチが開いているときは、バッテリから静的電流が流れない。
【0022】
少なくとも、2つの分圧器、予備充電抵抗器、予備充電スイッチ、比較要素、送信ユニット、および直流電圧コンバータは、共通のハウジング内に配置される構成要素の組を形成し得る。予備充電スイッチ構成の特にコンパクトな構造が、このことにより可能となる。ハウジングが、直流電圧コンバータおよび送信ユニットの出力部を動作させるための3つの低電圧接続部、ならびに、電気回路の制御可能な切り替え要素と並列に接続される2つの高電圧接続部を、まさにこの数で有することは、特に有利である。
【0023】
導入部で述べられた、直流高電圧源に負荷を接続するための方法を、上記の実施形態のうちの1つによる予備充電スイッチ構成を使用するという形で、改善することができる。
【0024】
この方法を実行するときの信頼性を高めるために、および、たとえばこの方法が使用される車両の、コンデンサの所望の充電状態に達するときの動作上の安全性を保証するために、予備充電スイッチを開くことができ、このことにより予備充電スイッチ構成を、無電力状態へと切り替えることができる。
【0025】
本発明について、実施形態および図面を参照して例示により以下でより詳細に説明する。実施形態において例示により示される特徴の組み合わせを、上記の説明に従って、本発明による予備充電スイッチ構成および本発明による電力供給構成の特性に従う追加の特徴により、特定の用途の要求に応じて補完することができる。同様に上記の説明に従って、記載した実施形態において、個々の特徴の作用が特定の用途において重要でない場合、その特徴を省略することも可能である。
【0026】
図面においては、同じ機能および/または同じ構造を有する要素に対して、常に同じ参照符号が使用される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明による電力供給構成における、本発明による予備充電スイッチ構成の概略回路図である。
【
図2】抵抗器の両端間の電圧を検出するための、本発明によるデバイスの構造の概略図である。
【
図3】本発明による予備充電スイッチ構成および本発明による電力供給構成の実施形態の、回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
たとえば予備充電スイッチ構成および第2の制御可能な切り替え要素が、高電流回路の正の側にある、本発明によるデバイスおよび方法について、以下に記載する。ただし、負の側でのデバイスの構成、および本発明によるデバイスが負の側にある状態での方法の実施も、可能である。その場合は、第2の制御可能な切り替え要素も、負の側に位置し、一方、第1の制御可能な切り替え要素は、正の側に配置される。
【0029】
図1は、本発明による電力供給構成5における、予備充電抵抗器R
Vの両端間の電圧を検出するためのデバイス3を有する、本発明による予備充電スイッチ構成1を示す。電力供給構成5は、以下で電力供給回路7と呼ばれる、直流回路7を有する。電力供給回路7は、直流高電圧源Bに負荷を接続することができ、
図1ではこの負荷に関して、コンデンサCのみが示されている。直流高電圧源Bは特に、高電圧バッテリとすることができる。電力供給回路7を、あらゆる極で切り替えることができる。すなわち、制御可能な切り替え要素S
1およびS
2が、直流高電圧源Bの両側に設けられる。
【0030】
両方の制御可能な切り替え要素S
1およびS
2が閉じられている場合、コンデンサCは、直流高電圧源Bに接続される。予備充電スイッチ構成1は、制御可能な切り替え要素S
2と並列に接続される。予備充電スイッチ構成1は、予備充電抵抗器R
Vおよび予備充電スイッチS
Vを有する。予備充電抵抗器R
Vおよび予備充電スイッチS
Vは、線区域9上で直列につながるように配置される。
【0031】
予備充電抵抗器R
Vの両端間の電圧U
Vを検出するために、デバイス3は、予備充電抵抗器R
Vの上流および下流で、線区域9に接続される。デバイス3を、予備充電抵抗器R
Vと予備充電スイッチS
Vとの間の線区域9の追加の場所における基準電位Mとしての線Mに、追加的に接続することができる。このことについて、
図3を参照して記載する。予備充電抵抗器R
Vの両端間で検出される電圧U
Vを使用して、コンデンサCの充電状態を評価することができる。
【0032】
図2は、デバイス3の構造の概略図である。予備充電抵抗器R
Vにおいてタップされた予備充電電圧U
Vが、第1の分圧器11に供給され、そこから、予備充電電圧U
Vから変換される測定電圧U
Mが、比較要素13に供給される。比較要素13において、測定電圧U
Mが、直流電圧源15によって生成される基準電圧U
Rと比較される。直流電圧源15を特に、直流電圧コンバータとすることができる。
【0033】
比較要素13は、出力側で、送信ユニットUの入力部U
Eに接続される。切り替え信号S
Sは、比較要素13から送信ユニットUの入力部U
Eへと導かれる。送信ユニットUは、入力部U
Eから電流に関して分離される、出力部U
Aを有する。送信ユニットUの出力部U
Aは、切り替え信号S’
Sを、デバイス3の外部側に送信する。切り替え信号S’
Sを使用して、制御可能な切り替え要素S
2を切り替えることができる。切り替え信号S’
Sを、好適な評価システムまたは電子制御システムを介して、制御可能な切り替え要素S
2の制御入力部に直接導くことができる。この制御入力部は、たとえば、接触器またはリレーとして構築される切り替え要素S
2のコイルと、当接していてよい。
【0034】
負荷またはそのコンデンサCを、直流高電圧源Bに、たとえば、電力供給回路7の正の側で予備充電スイッチ構成1および第2の制御可能な切り替え要素S
2に、接続するための、本発明による方法について、
図1および
図2を参照して以下に記載する。
【0035】
最初は、全ての切り替え要素S
1、S
2、およびS
Vが開いている。コンデンサCにおいて、電圧は存在しない。第1のステップで、制御可能な切り替え要素S
1が閉じられる。すると、コンデンサCの、切り替え要素S
1に面する側が、直流高電圧源Bの極に接続される。
【0036】
コンデンサCを予備充電するために、ここで予備充電スイッチS
Vが閉じられる。同時に、デバイス3に電圧を提供することができる。予備充電スイッチS
Vを閉じることによって、コンデンサCは、予備充電抵抗器R
Vを介して、直流高電圧源Bに接続される。ここで、予備充電抵抗器R
Vを介して、コンデンサCを通って充電電流が流れ、このことによりコンデンサCが充電される。充電工程中、予備充電抵抗器R
Vの両端間の電圧U
Vは、デバイス3からタップされる。電圧U
Vは、コンデンサCの充電状態を確定する役割を果たす。
【0037】
充電工程の始まりにおいて、直流高電圧源Bの全電圧が、予備充電抵抗器R
Vの両端間で印加され、予備充電電圧U
Vおよび測定電圧U
Mは、基準電圧U
Rよりも大きい。基準電圧U
Rは、コンデンサCの所望の充電状態に応じて調整される。抵抗器R
Vの両端間の電圧U
Vは、コンデンサCの充電状態が高まるにつれて低くなる。比較要素13における電圧U
Mが基準電圧U
Rを下回るとすぐに、比較要素は、切り替え信号S
Sを送信ユニットUに送信する。
【0038】
送信ユニットUは、切り替え信号S
Sを、間接的にまたは直接的に、制御可能な切り替え要素S
2の制御入力部に導く。このことにより制御可能な切り替え要素S
2が閉じられ、この結果、電力供給回路7が閉じられる。すると、負荷またはそのコンデンサCは、直流高電圧源Bに全ての極において接続される。制御可能な切り替え要素S
2が閉じられると、予備充電スイッチS
Vを開くことができる。すると、回路が線区域9にわたって切断されるので、電流はもはや予備充電スイッチ構成1を通って流れることができない。
【0039】
図3は、本発明による電力供給構成5における、本発明による予備充電スイッチ構成1の実施形態の回路図を示す。この回路図は、本発明による構成1、デバイス3、および構成5の構造に従う。この構造について、
図1および
図2を参照して記載する。
【0040】
予備充電スイッチ構成1は、2つの高電圧接続部17および19のみによって、電力供給回路7の高電圧電位に接続される。既に上記したように、予備充電スイッチ構成1は、予備充電スイッチS
Vを開くことにより、無電力状態へと切り替えられる。
【0041】
本発明による予備充電スイッチ構成1の構造について、予備充電抵抗器R
Vに基づいて、以下に記載する。予備充電抵抗器R
Vにわたり、予備充電電圧U
Vが、第1の分圧器11を使用してタップされる。第1の分圧器11は、抵抗器R1およびR2から形成される。予備充電電圧U
Vは、コンデンサCにおける充電電圧と同一ではない。しかしながら、予備充電電圧U
Vを使用して、コンデンサCの充電状態を判定することができる。第1の分圧器11は、測定電圧U
Mを提供し、これは比較器13の反転入力部に供給される。
【0042】
比較器13は、比較要素13として働き、供給接続部V+、V−を有する。負の供給接続部V−は、デバイス3の線Mと当接している。線Mは、分圧器11と予備充電スイッチSVとの間の線区域9に接続される。比較器13の反転入力部と線Mとの間に、ツェナーダイオードZD1およびこれと並列にコンデンサC2が接続され、このツェナーダイオードZD1は、電圧を好適なレベルに限定する。電圧は、この構成要素に特有の形で使用される比較器13によって決まる。比較器13の機能を損なわないために、ツェナー電圧の値は、非反転入力部における基準電圧を上回らなければならない。ツェナーダイオードZD1は、比較器の反転入力部を保護する役割を果たす。コンデンサ2は、反転入力部を安定させる役割を果たす。
【0043】
追加の抵抗器R3を、分圧器11と比較器13の反転入力部との間に接続することができる。
【0044】
基準電圧U
Rが、比較器13の非反転入力部において印加される。基準電圧U
Rは、直流電圧源15によって提供される。直流電圧源15は、直流電圧コンバータ21の出力部15とすることができる。直流電圧コンバータ21の負の出力部15は、線Mに接続される。
【0045】
直流電圧コンバータ21の正の出力部と線Mとの間に、コンデンサC3を接続することができる。コンデンサC3は、直流電圧コンバータ21の出力電圧を安定させる役割を果たすことができる。直流電圧コンバータ21の正の出力部は、比較器13の正の供給接続部V+に接続される。
【0046】
基準電圧U
Rは、抵抗器R4およびR5によって形成されかつ直流電圧コンバータ21の正の出力部と線Mとの間に接続される、第2の分圧器23によって提供される。第2の分圧器23の出力部は、抵抗器R6を介して、比較器13の非反転入力部に接続される。コンデンサC1は、抵抗器R6と比較器13の非反転入力部と線Mとの間に接続され、比較器13の非反転入力部を安定させる役割を果たすことができる。
【0047】
比較器の出力部を、抵抗器R7を介して、非反転入力部に接続することができる。このことにより切り替えヒステリシスを生成することができ、この結果、適正でない切り替えの発生を防止することができる。比較器13は、抵抗器R7およびR6とともに、シュミットトリガ(Schmitt trigger)を構成することができる。
【0048】
比較器13の出力部を、抵抗器R8を介して、送信ユニットUの入力部U
Eに接続することができる。示される実施形態では、送信ユニットUは光カプラUであり、入力部U
Eは光ダイオードU
Eである。光ダイオードU
Eによって生成された光信号を、送信ユニットUの出力部U
Aを構成するフォトトランジスタU
Aによって受信し、電気信号S’
Sへと変換することができる。この信号S’
Sを使用して、制御可能な切り替え要素S
2を制御することができる。
【0049】
フォトトランジスタU
Aを、低電圧デバイス25に接続することができる。低電圧デバイス25は、電子制御システム(図示せず)に属することができる。低電圧デバイス25は、正の接続部、負の接続部、および信号線を有し得る。フォトトランジスタU
Aを、低電圧デバイス25の正の線におよび信号線に、接続することができる。入力側で、直流電圧コンバータ21を、低電圧デバイス25に接続することもできる。直流電圧コンバータ21を、低電圧デバイス25の正の接続部および負の接続部に接続し、このことによりその動作電圧を得ることができる。
【0050】
特に有利な実施形態では、直流電圧コンバータ21の入力部26を、予備充電スイッチS
Vの制御入力部29に接続することができる。その場合、低電圧デバイス25の同じ動作電圧を使用して、直流電圧コンバータ21および制御入力部29、たとえば予備充電スイッチS
Vのコイルの、両方を動作させることができる。
【0051】
本発明による予備充電スイッチ構成1の特にコンパクトな実施形態は、2つの高電圧接続部17、19、および低電圧デバイス25への3つ接続部のみを有する。低電圧デバイス25は好ましくは、予備充電スイッチ構成1の外側にある。予備充電スイッチ構成1は、いずれの場所においても、電力供給回路7の負の分岐27に導電可能に接続されない。
【0052】
予備充電スイッチ構成1の要素は好ましくは、共通のハウジング(図示せず)内に収容される構成要素の組31を形成する。
【符号の説明】
【0053】
1 予備充電スイッチ構成
3 デバイス
5 電圧供給構成
7 直流回路
9 線区域
11 第1の電圧導体
13 比較要素/比較器
15 直流電圧源
17 高電圧接続部
19 高電圧接続部
21 直流電圧コンバータ
23 第2の分圧器
25 低電圧デバイス
26 直流電圧コンバータの入力部
27 電力供給回路の負の分岐
29 制御入力部
31 構成要素の組
B 直流高電圧源
C コンデンサ
C1 コンデンサ
C2 コンデンサ
C3 コンデンサ
M 基準電位
R
V 予備充電抵抗器
R1 抵抗器
R2 抵抗器
R3 抵抗器
R4 抵抗器
R5 抵抗器
R6 抵抗器
R7 抵抗器
R8 抵抗器
S
1、S
2 切り替え要素
S
S スイッチ信号
S
V 予備充電スイッチ
U
M 測定電圧
U
R 基準電圧
U
V 予備充電電圧
U 送信ユニット/光カプラ
U
A 送信ユニットの出力部
U
E 送信ユニットの入力部/光ダイオード
V+、V− 供給接続部
ZD1 ツェナーダイオード