特許第6554118号(P6554118)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6554118
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】強膜を処置するための装置
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/007 20060101AFI20190722BHJP
【FI】
   A61F9/007 180
【請求項の数】19
【全頁数】41
(21)【出願番号】特願2016-561715(P2016-561715)
(86)(22)【出願日】2015年4月2日
(65)【公表番号】特表2017-514564(P2017-514564A)
(43)【公表日】2017年6月8日
(86)【国際出願番号】EP2015057319
(87)【国際公開番号】WO2015155117
(87)【国際公開日】20151015
【審査請求日】2018年3月27日
(31)【優先権主張番号】14164091.2
(32)【優先日】2014年4月9日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】514106373
【氏名又は名称】ウニヴェルジテート ライプチッヒ
(73)【特許権者】
【識別番号】515094877
【氏名又は名称】イゼリ,ハンス ピーター
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100141025
【弁理士】
【氏名又は名称】阿久津 勝久
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】イゼリ,ハンス ピーター
(72)【発明者】
【氏名】フランク,マイク
(72)【発明者】
【氏名】ウィーデマン,ピーター
【審査官】 石田 智樹
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0209051(US,A1)
【文献】 特開2011−212115(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 9/007
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトに接続された単一のアプリケータを備えた、強膜を処置するための装置であって、
前記アプリケータはテノン嚢内に配置されるように構成され、
前記アプリケータは第1の表面を有し、前記アプリケータの前記第1の表面は、表面的に前記強膜の領域を覆うように前記領域の表面に表面的に接触可能であり、
前記アプリケータは、単一の導光素子に接続された単一の光出口を備え、前記単一の導光素子は、前記シャフトの近位端部から前記アプリケータの前記第1の表面にある遠位の前記単一の光出口まで延び、前記導光素子は電磁波を前記光出口の方へと導くように構成され、前記導光素子は、タンパク質凝固による前記強膜の熱処置に適した波長の電磁波を導くように構成される、装置。
【請求項2】
シャフトに接続された単一のアプリケータを備えた、強膜を処置するための装置であって、
前記アプリケータはテノン嚢内に配置されるように構成され、
前記アプリケータは第1の表面を有し、前記アプリケータの前記第1の表面は、表面的に前記強膜の領域を覆うように前記領域の表面に表面的に接触可能であり、
前記アプリケータは、単一の導光素子に接続された複数の個別の光出口を備え、前記単一の導光素子は、前記シャフトの近位端部から前記アプリケータの前記第1の表面にある遠位の前記複数の個別の光出口まで延び、前記導光素子は電磁波を前記複数の個別の光出口の方へと導くように構成され、前記導光素子は、タンパク質凝固による前記強膜の熱処置に適した波長の電磁波を導くように構成される、装置。
【請求項3】
前記アプリケータは、前記シャフトの近位端部から前記アプリケータの前記表面にある少なくとも1つの遠位チャネル開口部まで延びる単一の作用物質チャネルを備え、前記作用物質チャネルの近位端部は作用物質供給部に接続可能である、請求項1〜2のいずれか一項に記載の装置。
【請求項4】
前記アプリケータは、前記シャフトの近位端部から前記アプリケータの前記表面にある少なくとも1つの遠位チャネル開口部まで延びる複数の作用物質チャネルを備え、前記作用物質チャネルの近位端部は作用物質供給部に接続可能である、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項5】
前記アプリケータは、単一の導体素子に接続された、単一の、単極または双極の電極をさらに備え、前記導体素子は、前記シャフトの近位端部から前記アプリケータの前記第1の表面にある前記電極まで延びるか、または
前記アプリケータは、並列の複数の導体素子に接続された、並列の、単極または双極の複数の電極をさらに備え、前記複数の導体素子は、前記シャフトの近位端部から前記アプリケータの前記第1の表面にある前記複数の電極まで延びる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記電極は、1つの場所においてタンパク質電気凝固を提供する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
対応するシャフトにそれぞれ接続された2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のアプリケータを備えた、強膜を処置するための装置であって、
各アプリケータはテノン嚢内に配置されるように構成され、
各アプリケータは第1の表面を有し、前記アプリケータの前記第1の表面は、表面的に強膜の領域を覆うように前記領域の表面に表面的に接触可能であり、
各アプリケータは、単一の導光素子に接続された単一の光出口を備え、前記導光素子は、各シャフトの近位端部から前記アプリケータの前記第1の表面にある遠位の前記単一の光出口まで延び、前記導光素子は電磁波を前記光出口の方へと導くように構成され、前記導光素子は、タンパク質凝固による強膜の熱処置に適した波長の電磁波を導くように構成され、
前記アプリケータの前記シャフトは近位において単一の近位シャフトに接続される、装置。
【請求項8】
前記光出口の遠位表面は、発熱に適するように少なくとも部分的に着色される、請求項1又は7に記載の装置。
【請求項9】
対応するシャフトにそれぞれ接続された2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のアプリケータを備えた、強膜を処置するための装置であって、
各アプリケータはテノン嚢内に配置されるように構成され、
各アプリケータは第1の表面を有し、前記アプリケータの前記第1の表面は、表面的に前記強膜の領域を覆うように前記領域の表面に表面的に接触可能であり、
各アプリケータは、単一の導光素子に接続された複数の個別の光出口を備え、前記導光素子は、各シャフトの近位端部から前記アプリケータの前記第1の表面にある遠位の前記複数の個別の光出口まで延び、前記導光素子は電磁波を前記複数の個別の光出口の方へと導くように構成され、前記導光素子は、タンパク質凝固による強膜の熱処置に適した波長の電磁波を導くように構成され、
前記アプリケータの前記シャフトは近位において単一の近位シャフトに接続される、装置。
【請求項10】
前記光出口のうちの少なくとも1つの前記遠位表面は、発熱に適するように着色される、請求項2又は9に記載の装置。
【請求項11】
各アプリケータは、前記シャフトの近位端部から前記アプリケータの前記表面にある遠位チャネル開口部まで延びる単一の作用物質チャネルを備え、前記作用物質チャネルの近位端部は作用物質供給部に接続可能であり、前記単一の作用物質チャネルは、前記シャフトの近位端部から前記アプリケータの前記第1の表面にある少なくとも2つの遠位チャネル開口部まで延びる、請求項7〜10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
各アプリケータは、前記シャフトの近位端部から前記アプリケータの前記表面にある少なくとも2つの遠位チャネル開口部まで延びる複数の作用物質チャネルを備え、前記作用物質チャネルの近位端部は作用物質供給部に接続可能であり、各作用物質チャネルは、前記シャフトの近位端部から前記アプリケータの前記第1の表面にある前記少なくとも2つの遠位チャネル開口部まで延びる、請求項7〜10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
記導光素子は、強膜組織を架橋させるように構成された電磁波を前記単一の光出口又は前記複数の個別の光出口の方へと導くように構成される、請求項1〜12に記載の装置。
【請求項14】
前記アプリケータまたは各アプリケータは、前記導光素子に接続された複数の個別の光学表面領域を備える、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
シャフトに接続された単一のアプリケータを備えた、強膜を処置するための装置であって、
前記アプリケータはテノン嚢内に配置されるように構成され、
前記アプリケータは第1の表面および反対側の第2の表面を有し、前記アプリケータの前記第1の表面は、表面的に前記強膜の領域を覆うように前記領域の表面に表面的に接触可能であり、
前記アプリケータは、第1の導光素子に接続された複数の個別の第1の光学表面領域と、第2の導光素子に接続された複数の個別の第2の光表面領域とを備え、前記第1の導光素子および前記第2の導光素子は、前記シャフトの近位端部から前記アプリケータの前記第1の表面にある、遠位の各光学表面領域まで延び、前記第1の導光素子は電磁波を前記第1の光学表面領域の方へと導くように構成され、前記第2の導光素子は光増感剤と関連する、装置。
【請求項16】
対応するシャフトにそれぞれ接続された2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のアプリケータを備えた、強膜を処置するための装置であって、
各アプリケータはテノン嚢内に配置されるように構成され、
各アプリケータは第1の表面及び反対側の第2の表面を有し、前記アプリケータの前記第1の表面は、表面的に前記強膜の領域を覆うように前記領域の表面に表面的に接触可能であり、
各アプリケータは、第1の導光素子に接続された複数の個別の第1の光学表面領域と、第2の導光素子に接続された複数の個別の第2の光表面領域とを備え、前記第1の導光素子および前記第2の導光素子は、前記シャフトの近位端部から前記アプリケータの前記第1の表面にある、遠位の各光学表面領域まで延び、前記第1の導光素子は電磁波を前記第1の光学表面領域の方へと導くように構成され、前記第2の導光素子は光増感剤と関連する、装置。
【請求項17】
各アプリケータは、単一の導体素子に接続された単一の単極または双極の電極をさらに備え、前記導体素子は、前記シャフトの近位端部から前記アプリケータの前記第1の表面にある前記電極まで延びるか、または
各アプリケータは、複数の導体素子に接続された、並列の、単極または双極の電極をさらに備え、前記複数の導体素子は、前記シャフトの近位端部から前記アプリケータの前記第1の表面にある前記電極まで延びる、請求項7〜16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記電極は、ある場所においてタンパク質電気凝固を提供する、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記装置の使用中、少なくとも部分的に角膜を覆うようにサイズ決めおよび成形されるシールド要素をさらに備える、請求項1〜18のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、眼の強膜組織の場所を限定した厳密な処置(punctual treatment)のための物質適用および照射システム(SAIS−Spot)に関する。例えば、本発明は、患者への眼科外科手術中の物質適用(および/または放射)のための医療装置に関する。特に、本発明は、強膜処置装置に関する。
【背景技術】
【0002】
(リボフラビン適用およびUV−A光放射による)コラーゲン架橋が、眼科学において角膜(眼の正面部分における外膜の透明部分)の浸潤性疾患を患う患者の処置に過去数年間利用されてきた(Wollensak et al., American Journal of Ophthalmology 2003, 135:620-627)。眼の正面部分は手術をせずとも直接到達可能なため物質および光の適用は眼の正面部分にはかなり容易である。
【0003】
進行性近視の処置のための強膜のコラーゲン架橋(強膜架橋)は新しいものであり、これまで動物実験でのみ試験されている(Iseli et al., Journal of Refractive Surgery 2008, 24:752-755; Wollensak et al., Acta Ophthalmologica Scandinavica 2005, 83: 477-482)。
【0004】
現時点では、強膜の病理学的変形処置のための、眼の外側部(特に、強膜の後部および赤道部位)を広範囲に処置するための物質適用または放射用システムはない。一方で、進行性近視の処置(リボフラビンおよび青色光療法による強膜架橋)のためのこの処置方法はまったく新しいものであるが、他方では、眼科学においては物質適用/放射システムを必要とするような他の疾患のための処置アプローチはない。
【0005】
本発明者の実験的研究では、感光性物質(リボフラビン)をテノン嚢へ滴下し、続いて、歯科での使用のため設計された光適用システム(Bluephase 16i、イボクラールビバデント社、エルヴァンゲン−ヤークスト、ドイツ)による放射を行った。本技術分野で使用するために、本発明者らはいくつかの変更を行った(光エネルギー量を調整するための特定のアタッチメント等)。特に強膜後部への広範囲かつ均一な放射はこの補助的システムでは不可能である。物質は別個に適用されるかまたは放射と交互に適用されなければならず、テノン嚢全体に不均一に広がる。このシステムは、解剖学的構造(ヒトの眼のサイズおよび形状、筋肉および神経終末、血管の解剖学的構造等)を考慮できないため、ヒトの眼の手術に使用するには完全に不適である。
【0006】
物質適用用の公知の器具は強膜直上の線維性結合組織(上強膜、テノン嚢下)に局所的に適用するように設計される。公知の特許では、上強膜/テノン嚢下への物質適用(国際公開第01/28473号パンフレット、米国特許出願公開第2010/0114039号明細書、国際公開第03/009784号パンフレット)について記述しているか、またはこれらは結膜への局所的適用を意図している(国際公開第2010/105130号パンフレット)。これらの適用は、小規模で、どちらかといえば網膜、すなわち、眼の最内部の強膜下組織(図1も参照)の選択的処置を目的としている。したがって、物質は、目的箇所である網膜に到達するには、まず眼の強膜および脈絡膜等の外側組織を透過しなければならない。公知のシステムは、網膜の表面上における眼内部の外科手術を回避するために強膜への外からの適用のみを利用する。これらの方法はなおも手術後の眼の外膜の炎症および傷害の危険性があり、さらに強膜組織の処置用には設計されていない。よって、これらの処置方法の処置目的はまったく異なるものである。本発明による物質適用および放射システム(SAIS−Spot)は、テノン嚢(眼と眼窩の間の空間、図1参照)内の処置対象である強膜の部位に直接適用される。ここで特許請求されるシステムはちょうど処置部位の場所、すなわち、外側強膜組織に配置される。本出願人らのアプローチには、確立された手術方法に関連する手術中および手術後の合併症の危険性の増加を伴わない。
【0007】
これまでに説明されたアプリケータは薬物のデポー剤を形成するまたは放出するために使用され(国際公開第01/28473号パンフレット、米国特許出願公開第2010/0114039号明細書)、外科処置中に薬物/作用物質を放出してから手術後に外されるようには設計されていない。
【0008】
国際公開第03/009784号パンフレットは、薬物のデポー剤をテノン嚢下に永久的に植え込むことを提案しており、したがって手術の最後に除去されない。既に述べた通り、これらのアプリケータはすべて網膜を主な標的組織としている。本出願は強膜の処置に関する。当該アプリケータはいずれも処置で十分に強膜を対象にはできない。既存のアプリケータはすべて、局所的小規模アプリケータとして理解されなければならず、完全に異なる標的組織に影響を及ぼし、異なる疾患のためには異なる処置方法を有する。また、アプリケータはいずれも物質適用/送達の調整を実際にはできない。さらに、これらのアプリケータはどれも物質の望ましくない拡散および隣接する組織が処置により影響を受けないことを保証できない。
【0009】
国際公開第2012/058382号パンフレットは、標的組織の体液を含む部位に活性薬剤を送達するための装置について記載している。この装置は、活性薬剤を保持するための本体内に形成される、局所的な別々の窪んだ領域を有する第1のセクションを含む第1の外面を有する本体を含む。本体は、本体内に形成され、外面から窪んでいる管の形態の表面流れ特徴を含む。表面流れ特徴は第1のセクションおよび局所的な窪んだ領域と連動し、体液と局所的な窪んだ領域との間に流体連通がもたらされるように、本体に対する体液の流れを誘導または変更するように構成される。局所的な窪んだ領域は管の少なくとも一部に対して窪んでいる。本装置は、所定の時間をかけて活性薬剤を放出する浸食性部材を有する装置の形態でもあり得る。
【0010】
国際公開第2006/058189号パンフレットは、温度測定用のサーミスタと、流体交換および処置方法の適用のための洗浄/吸引ポートと、圧力測定用の圧力マノメータと、温度、圧力および流量の制御用の外部システムとを有する医療装置を提供する。眼および眼窩に適用されると、この装置は低体温症または高体温症用途、眼圧(IOP:Interocular Pressure)の制御、および処置方法の適用に用いることができる。網膜中心動脈閉塞症、前視神経疾患、黄斑を含む脈絡膜および網膜の病理、硝子体および前区を含む眼の炎症、緑内障、眼の前区および/または後区の炎症および/または感染症を患う患者の処置の際、眼の手術前/中/後の処置、ならびに半透過膜による処置方法の適用の際に装置を使用する方法が記載されている。
【0011】
国際公開第2008/011125号パンフレットでは、薬物を眼組織に送達するための装置、システムおよび技術が記載されている。少なくともいくつかの実施形態においては、末端構成要素(例えば、針またはカテーテルの開端部)を、眼組織に移植し、1つまたは複数の薬物を送達するために使用する。送達される薬物は、同様に移植される供給源に由来してもよく、または外部供給源から(例えば、ポートを介して)導入してもよい。固体および液体薬物製剤の両方を使用してもよい。あるいは、眼インプラントは、眼組織内へ薬物を放出する薄膜コーティングを含むことができる。
【0012】
米国特許第5725493号明細書は、装置を移植するための単独の初期手術のみによって、薬物またはその他の薬剤を含む多種多様な有益な医薬品を長時間かけて、インプラント装置を通して硝子体腔内に導入できるインプラント装置を含む、硝子体内医薬品送達装置および方法を開示する。この装置および方法により移植のために必要な外科的切開を最小限にし、将来的なまたは繰り返される侵襲的手術または処置を回避する。必要に応じて、さらなる量の初期医薬品が容易に導入できるかまたは、投薬を様々に、もしくは変更することができる。さらに、装置および方法により硝子体腔に供給される用量を制御でき、装置は、硝子体腔に送達される医薬品を濾過し、さらに移植中または使用中の眼の他の部分への損傷または他の部分との干渉を避けるように構築される。
【0013】
国際公開第02/074196A1号パンフレットは、制御されかつ持続させながら処置薬を眼に送達するための眼インプラント装置について記載する。デュアルモードおよび単一モードの薬物送達装置が示され、記載されている。結膜下配置に好適なインプラントが記載されている。硝子体内配置に好適なインプラントもまた記載される。本発明は、ここで提示される独自の眼インプラント装置に関連する製造および実施技術をさらに含む。
【0014】
米国特許出願公開第2012/0209051号明細書は、リボフラビン(R/F)およびUVA照射を強膜に送達する送達システムおよび方法について記載する。R/Fが送達され、次にLEDまたは光ファイバおよびLED用の別個の冷却物質チャネルの使用によってUVA照射して活性化させることにより、コラーゲン組織の架橋を引き起こす。送達システムは、強膜に適合する表面を提供する埋め込み可能な構造を含む。送達システムとしては、R/Fを強膜表面に送達するための様々な種類の構造が挙げられる。加えて、送達システムとしては、強膜コラーゲン組織にR/F照射を行うUVA源が挙げられる。
【0015】
既存の先行技術では、コラーゲン架橋の方法には必須となり得る同適用システムへの別個のシステムの導入(例えば、作用物質/物質および電磁波、または異なる別個の作用物質の適用)について記載しているものはない。どの先行技術でも細かく調整され局所的な薬物放出または放射線の同時投与の制御は行えない。余分な物質/作用物質の吸引システムもまたこれらのアプリケータには提供されない。
【0016】
これまで、本発明に係る新規の処置アプローチを用いた強膜での使用に好適な適用システムはなかった。既存の物質アプリケータは、処置の標的とされる組織が強膜ではなく下部組織(ほとんどの場合は眼の内部の網膜)である場合の物質の局所的適用のために設計されている。ここで特許請求されるアプリケータは、広範にかつ制御された方法で強膜のあらゆる部分へ物質、電磁波、例えば、光、または熱を適用することができるが、これは従来不可能であった。
【0017】
動物実験においてこれまで使用されてきたシステムにおける欠点は、制限された空間内での放射ユニットのサイズであり、これは眼の重篤または危険な操作につながる。この補助的システムでは強膜後部にも広範かつ均一な放射が不可能である。また、放射システムは、特定の所定時間間隔でのみ放射する。放射線エネルギーレベルを自由に制御するのは不可能である。本出願人らが用いた放射器の光パワー設定は50%または100%のみであったため、補助的なプラスチックアタッチメントが開発されなければならず、これにより段階的な光出力レベルの使用が可能になった。物質は物質を組織に滴下することによってしか適用できず、これは不均一な物質の分配をもたらした。したがって、物質は処置するはずではない組織領域にも到達する。さらに、物質アプリケータおよび並列システム(例えば、光)は同時に使用できない。特別に製造される吸引システムはない。従来、広範に眼/強膜の中間部および後部を処置することもできなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は動物実験の補助システムおよび他のシステム、ならびに処置アプローチそれぞれの不利点を解決する。かかる不利点というのは、以下である。
− 処置される眼の解剖学的構造の観点から強膜の広範囲/包括的な処置には解剖学的に不適である
− 異なる物質の場所または時間が並列した適用が不可能である
− 物質適用ならびに電磁放射(例えば、光)および/または電気(単極凝固および対極凝固)の時間的および場所的な組み合わせは不可能であり、物質および光の適用を交互にすることが必要になると、手術/処置の時間のかなりの増大につながる
− タンパク質凝固または加熱が不可能である
− 物質および光アプリケータは定期的に交互に取り付けたり取り外したりせねばならず、外科医は絶えずすべて準備し直さなければならないので処置は均質でなくなり、さらに、取り付けおよび取り外しは、周囲組織の損傷の危険性が高まる
− 余分な物質のリターン/吸引システムがなく、処置対象でない組織が、常に影響を受ける/一緒に処置される
− 適用/処置部位に放射線が到達するまでの放射線感受性物質に対する放射線からの保護がない(物質供給の遮蔽物が存在しない)
− 公知の適用システムは視覚制御(ビデオシステム)下で導入できない
− 公知のシステムは大量の光を強膜に供給できない
− 公知のシステムはアプリケータと強膜との接触を検出できない
【0019】
従来、強膜での使用または本発明に係る処置アプローチに好適な適用システムはなかった。進行性近視または強膜浸潤による病理学的変化の処置のための処置アプローチはまったく新しいものである。したがって、この処置方法またはこの外科手術の要件を満たす手術用器具はない。領域/組織の物質適用または放射のための個々の技術的方法は、その特定の使用のために常に能率化され、本出願人らの処置アプローチの要件を満たさない。正確な眼の解剖学的構造を考慮し、処置または外科手術の技術的要件をすべて満たす、均一な物質適用および/または放射のための大規模なシステムが必要とされている。
【0020】
動物実験にて使用される物質適用および放射ユニットの不利点および欠点も、新規の適用システム(SAIS−Spot)によってなくなるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0021】
一態様において、本発明は、シャフトに接続された単一のアプリケータを備えた、強膜を処置するための装置を提供し、
アプリケータはテノン嚢内に配置されるように構成され、
アプリケータは第1の表面を有し、アプリケータの第1の表面は、表面的に強膜の領域を覆うように当該領域の表面に表面的に接触可能であり、
アプリケータは、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある単一の遠位光出口まで延びる単一の導光素子に接続された単一の光出口を備え、導光素子は電磁波を光出口の方へと誘導するように構成され、導光素子は、タンパク質凝固による強膜の熱処置に適した波長の電磁波を誘導するように構成される。
【0022】
装置の一実施形態において、光出口の遠位表面は、発熱に適するように少なくとも部分的に着色される。
【0023】
装置の一実施形態では、アプリケータは、単一の導光素子に接続された複数の個別の光出口を備える。光出口のうちの少なくとも1つの遠位表面は、発熱に適するように着色されてよい。
【0024】
装置の一実施形態では、光出口はアプリケータの第1の表面に対して、規則的に、不規則に、または異なるように配置され、アプリケータの第1の表面は好ましくは、異なる光出口の分布を有する異なる領域に実質的に細分化される。光出口の密度は、アプリケータの第1の表面で変化してよい。
【0025】
装置の一実施形態では、アプリケータは対称形状を有し、光出口は、アプリケータの対称性に従って対称に配置される。
【0026】
装置の一実施形態では、アプリケータは、シャフトの近位端部からアプリケータの表面にある遠位チャネル開口部まで延びる単一の作用物質チャネルを備え、作用物質チャネルの近位端部は作用物質供給部に接続可能である。単一の作用物質チャネルは、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある少なくとも2つの遠位チャネル開口部まで延びてよい。アプリケータは、余分な作用物質を吸引するチャネルをさらに備えてよい。
【0027】
装置の一実施形態では、アプリケータは複数の作用物質チャネルを備える。各作用物質チャネルは、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある少なくとも2つの遠位チャネル開口部まで延びてよい。一実施形態において、1つまたは複数の作用物質チャネルはリボフラビン等の作用物質の適用のためのものであるのに対し、残りのチャネルの1つまたは複数は余分な作用物質を吸引するためのものである。
【0028】
装置の一実施形態では、作用物質チャネルは、電磁放射線から少なくとも部分的に分離され、好ましくは、100nm〜2000nmの範囲の波長の電磁放射線から分離され、最も好ましくは300nm〜800nmの範囲の波長の電磁放射線から分離される。
【0029】
装置の一実施形態では、アプリケータの表面は、作用物質が作用物質チャネルを通って導かれるときに作用物質の改善された分配を可能とするように構成された構造を有する。表面構造は好ましくは、面取り部を含むか、または、半球、角錐、もしくは円錐等の要素を含んでよい。
【0030】
装置の一実施形態では、アプリケータは、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある単一の遠位光出口まで延びる単一の導光素子に接続された単一の光出口をさらに備え、導光素子は、強膜組織を架橋させるように構成された電磁波を光出口の方へと誘導するように構成される。アプリケータは、導光素子に接続された複数の個別の光学表面領域を備えてよい。
【0031】
装置の一実施形態では、アプリケータは、第1の導光素子に接続された複数の個別の第1の光学表面領域と、第2の導光素子に接続された複数の個別の第2の光学表面領域とを備え、第1の導光素子および第2の導光素子は、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある対応する遠位光学表面領域まで延び、第1の導光素子は電磁波を光学的に第1の光学表面領域の方へと誘導するように構成され、第2の誘導(導光)素子は光増感剤と関連する。
【0032】
装置の一実施形態では、アプリケータは、単一の導体素子に接続された単一の単極または双極の電極をさらに備え、導体素子は、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある電極まで延びる。
【0033】
装置の一実施形態では、アプリケータは、複数の導体素子に接続された、並列の単極または双極の複数の電極をさらに備え、複数の導体素子は、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある電極まで延びる。電極は、ある場所においてタンパク質電気凝固を提供してよい。
【0034】
一態様において、本発明は、対応するシャフトにそれぞれ接続された2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のアプリケータを備えた、強膜を処置するための装置を提供し、
各アプリケータはテノン嚢内に配置されるように構成され、
各アプリケータは第1の表面を有し、アプリケータの第1の表面は、表面的に強膜の領域を覆うように当該領域の表面に表面的に接触可能であり、
各アプリケータは、各シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある単一の遠位光出口まで延びる単一の導光素子に接続された単一の光出口を備え、導光素子は電磁波を光出口の方へと誘導するように構成され、導光素子は、タンパク質凝固による強膜の熱処置に適した波長の電磁波を誘導するように構成され、
アプリケータのシャフトは近位において単一の近位シャフトに接続される。
【0035】
装置の一実施形態において、光出口の遠位表面は、発熱に適するように少なくとも部分的に着色される。
【0036】
装置の一実施形態では、各アプリケータは、単一の導光素子に接続された複数の個別の光出口を備える。光出口のうちの少なくとも1つの遠位表面は、発熱に適するように着色されてよい。光出口は、アプリケータの第1の表面に対して、規則的に、不規則に、または異なるように配置されてよく、アプリケータの第1の表面は好ましくは、異なる光出口の分布を有する異なる領域に実質的に細分化される。光出口の密度は、アプリケータの第1の表面で変化してよい。アプリケータは対称形状を有してよく、光出口は、アプリケータの対称性に従って対称に配置される。
【0037】
装置の一実施形態では、各アプリケータは、シャフトの近位端部からアプリケータの表面にある遠位チャネル開口部まで延びる単一の作用物質チャネルを備え、作用物質チャネルの近位端部は作用物質供給部に接続可能である。単一の作用物質チャネルは、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある少なくとも2つの遠位チャネル開口部まで延びてよい。各アプリケータは、余分な作用物質を吸引するチャネルをさらに備えてよい。各アプリケータは複数の作用物質チャネルを備えてよい。各作用物質チャネルは、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある少なくとも2つの遠位チャネル開口部まで延びてよい。
【0038】
装置の一実施形態では、1つまたは複数の作用物質チャネルはリボフラビン等の作用物質の適用のためのものであるのに対し、残りのチャネルの1つまたは複数は余分な作用物質を吸引するためのものである。
【0039】
装置の一実施形態では、作用物質チャネルは、電磁放射線から少なくとも部分的に分離され、好ましくは、100nm〜2000nmの範囲の波長の電磁放射線から分離され、最も好ましくは300nm〜800nmの範囲の波長の電磁放射線から分離される。
【0040】
装置の一実施形態では、各アプリケータの表面は、作用物質が作用物質チャネルを通って導かれるときに作用物質の改善された分配を可能とするように構成された構造を有する。表面構造は、面取り部を含むか、または、半球、角錐、もしくは円錐等の要素を含んでよい。
【0041】
各アプリケータは、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある単一の遠位光出口まで延びる単一の導光素子に接続された単一の光出口を備えてよく、導光素子は、強膜組織を架橋させるように構成された電磁波を光出口の方へと誘導するように構成される。各アプリケータは、導光素子に接続された複数の個別の光学表面領域を備えてよい。
【0042】
装置の一実施形態では、各アプリケータは、第1の導光素子に接続された複数の個別の第1の光学表面領域と、第2の導光素子に接続された複数の個別の第2の光学表面領域とを備え、第1の導光素子および第2の導光素子は、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある対応する遠位光学表面領域まで延び、第1の導光素子は電磁波を光学上の第1の光学表面領域の方へと誘導するように構成され、第2の誘導素子は光増感剤と関連する。
【0043】
装置の一実施形態では、各アプリケータは、単一の導体素子に接続された単一の単極または双極の電極をさらに備え、導体素子は、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある電極まで延びる。
【0044】
装置の一実施形態では、各アプリケータは、複数の導体素子に接続された並列の単極または双極の複数の電極をさらに備え、複数の導体素子は、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある電極まで延びる。
【0045】
装置の一実施形態では、電極は、ある場所においてタンパク質電気凝固を提供する。
【0046】
装置の一実施形態では、装置は、装置の使用中、少なくとも部分的に角膜を覆うようにサイズ決めおよび成形されるシールド要素をさらに備える。
【0047】
装置の一実施形態では、装置は、アプリケータの縁部に形成された1つまたは複数の凹部を備える。1つまたは複数の凹部は、アプリケータが強膜の当該領域に配置されたときに凹部が眼筋、血管、および/または神経のための自由空間を残すように配置され形成されてよい。
【0048】
装置の一実施形態では、アプリケータは、好ましくは滅菌可能かつ耐熱性の、例えば医療用鋼またはプラスチックのうちの少なくとも1つである材料から製造されるベース層を含み、好ましくは光不透過性である。
【0049】
装置の一実施形態では、アプリケータは、1つまたは複数の追加の層を含み、ベース層および1つまたは複数の追加の層は、追加の層を支持するためにベース層をアプリケータの外側にして積み重ねられる層として配置され、1つまたは複数の追加の層はそれぞれ、好ましくはプラスチック材料または金属材料、より好ましくは光拡散性、遮光性かつ/またはスポンジ様の材料から製造される。追加の層のうちの少なくとも1つは電磁波を拡散させるのに適した散光器であってよく、遠位開口部の少なくとも一部は、散光器である追加の層の内側または外側に配置される。
【0050】
一態様において、本発明は、
(i)アプリケータの第1の表面が表面的に強膜領域の表面と接触するように、対象の眼のテノン嚢へと前述の請求項のいずれか一項に記載の装置のアプリケータを配置するステップと、
(ii)タンパク質凝固によって強膜を熱処置するのに適した波長の電磁放射線を対象の強膜に適用するステップと
を含む、対象の強膜を処置する方法を提供する。
【0051】
本方法は、架橋させるためにリボフラビンを強膜に適用するステップを含んでよい。
【0052】
本方法は、ある場所においてタンパク質電気凝固を適用することを含んでよい。
【0053】
本発明の一態様は、シャフトに接続された単一のアプリケータを備えた、強膜を処置するための装置に関し、
アプリケータはテノン嚢内に配置されるように構成され、
アプリケータは表面を有し、アプリケータの表面は、表面的に強膜の領域を覆うように当該領域の表面に表面的に接触可能であり、
アプリケータおよびシャフトは、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある単一の遠位開口部まで延びる単一の作用物質チャネルを備え、作用物質チャネルの近位端部は作用物質供給部に接続可能である。
【0054】
装置の一実施形態では、作用物質チャネルの単一の開口部は、強膜を処置するための局所的スポットを提供する。
【0055】
装置の一実施形態では、作用物質チャネルは、電磁放射線から少なくとも部分的に分離され、好ましくは、100nm〜2000nmの範囲の波長の電磁放射線から分離され、最も好ましくは300nm〜800nmの範囲の波長の電磁放射線から分離される。
【0056】
装置の一実施形態では、アプリケータの表面は、作用物質が作用物質チャネルを通って導かれるときに作用物質の改善された分配を可能とするように構成された構造を有し、表面構造は、面取り部を含むか、または、半球、角錐もしくは円錐等の要素を含むことができる。
【0057】
アプリケータは、余分な作用物質を吸引するために使用されてよいチャネルをさらに備えてよい。
【0058】
別の態様において、本発明は、シャフトに接続された単一のアプリケータを備えた、強膜を処置するための装置を提供し、
アプリケータはテノン嚢内に配置されるように構成され、
アプリケータは表面を有し、アプリケータの表面は、表面的に強膜の領域を覆うように当該領域の表面に表面的に接触可能であり、
アプリケータは、シャフトの近位端部からアプリケータの表面にある単一の遠位光学表面領域まで延びる2つの誘導素子に接続された単一の光学表面領域を備え、一方の導光素子は電磁波を光学表面要素の方へと誘導するように構成され、他方の誘導素子は光増感剤と関連する。
【0059】
単一の遠位光学表面領域は発熱に適するように少なくとも部分的に着色されてよい。部分的な着色または半透過性着色により、着色部には吸収されずに通過する光を架橋のために使用可能である。
【0060】
アプリケータは、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある遠位電極まで延びる導体素子に接続された単一の単極電極またはシャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある遠位電極まで延びる導体素子に接続された双極電極をさらに備えてよい。このことによって、ある場所においてタンパク質電気凝固を提供してよい。
【0061】
アプリケータは、余分な作用物質を吸引するために使用されてよいチャネルをさらに備えてよい。
【0062】
装置の一実施形態では、アプリケータの表面は、作用物質が作用物質チャネルを通って導かれるときに作用物質の改善された分配を可能とするように構成された構造を有し、表面構造は、面取り部を含むか、または、半球、角錐もしくは円錐等の要素を含むことができる。
【0063】
別の態様において、本発明は、シャフトに接続された単一のアプリケータを備えた、強膜を処置するための装置を提供し、
アプリケータはテノン嚢内に配置されるように構成され、
アプリケータは第1の表面を有し、アプリケータの第1の表面は、表面的に強膜の領域を覆うように当該領域の表面に表面的に接触可能であり、
アプリケータは、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある単一の遠位光出口まで延びる単一の導光素子に接続された単一の光出口を備え、導光素子は電磁波を光出口の方へと誘導するように構成される。
【0064】
導光素子は、好ましくは、強膜の熱処置に適した波長の電磁波を誘導するように構成される。
【0065】
光出口の遠位表面は、発熱に適するように、すなわち、熱が着色部に吸収される波長(colour absorbed wavelengths)で生じ、光を伝達させて架橋が可能であるように、少なくとも部分的に着色されてよい。
【0066】
本実施形態のアプリケータは、シャフトの近位端部からアプリケータの表面にある遠位チャネル開口部まで延びる単一の作用物質チャネルを備え、作用物質チャネルの近位端部は作用物質供給部に接続可能である。
【0067】
アプリケータは、余分な作用物質を吸引するために使用されてよいチャネルをさらに備えてよい。
【0068】
装置の一実施形態では、アプリケータの表面は、作用物質が作用物質チャネルを通って導かれるときに作用物質の改善された分配を可能とするように構成された構造を有し、表面構造は、面取り部を含むか、または、半球、角錐もしくは円錐等の要素を含むことができる。
【0069】
別の態様において、本発明は、シャフトに接続された単一のアプリケータを備えた、強膜を処置するための装置を提供し、
アプリケータはテノン嚢内に配置されるように構成され、
アプリケータは表面を有し、アプリケータの表面は、表面的に強膜の領域を覆うように当該領域の表面に表面的に接触可能であり、
アプリケータは、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある単一の遠位電極まで延びる導体素子に接続された単一の単極電極またはシャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある遠位電極まで延びる導体素子に接続された双極電極を備える。
【0070】
別の態様によると、本発明は、シャフトに接続された単一の偏平形アプリケータを備えた、強膜を処置するための装置を提供し、
アプリケータはテノン嚢内に配置されるように構成され、
アプリケータは表面を有し、アプリケータの表面は、表面的に強膜の領域を覆うように当該領域の表面に表面的に接触可能であり、
アプリケータは、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある少なくとも2つの遠位チャネル開口部まで延びる単一の作用物質チャネルを備え、作用物質チャネルの近位端部は作用物質供給部に接続可能である。
【0071】
作用物質チャネルは、電磁放射線から少なくとも部分的に分離されてよく、好ましくは、100nm〜2000nmの範囲の波長の電磁放射線から分離され、最も好ましくは300nm〜800nmの範囲の波長の電磁放射線から分離される。
【0072】
アプリケータの表面は、作用物質が作用物質チャネルを通って導かれるときに作用物質の改善された分配を可能とするように構成された構造を有してよく、表面構造は、面取り部を含むか、または、半球、角錐もしくは円錐等の要素を含むことができる。
【0073】
アプリケータは、余分な作用物質を吸引するために使用されてよいチャネルをさらに備えてよい。
【0074】
別の態様において、本発明は、シャフトに接続された単一のアプリケータを備えた、強膜を処置するための装置を提供し、
アプリケータはテノン嚢内に配置されるように構成され、
アプリケータは第1の表面を有し、アプリケータの第1の表面は、表面的に強膜の領域を覆うように当該領域の表面に表面的に接触可能であり、
アプリケータは、第1の導光素子に接続された第1の光学表面領域と、第2の誘導素子に接続された第2の光学表面領域とを備え、第1の誘導素子および第2の誘導素子は、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある対応する遠位光学表面領域まで延び、第1の導光素子は電磁波を光学表面領域の方へと誘導するように構成され、第2の誘導素子は光増感剤と関連する。
【0075】
第1の光学表面領域は発熱に適するように少なくとも部分的に着色されてよい。部分的な着色により、着色部には吸収されずに通過する光を架橋のために使用可能である。
【0076】
アプリケータは、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある遠位電極まで延びる導体素子に接続された単一の単極電極またはシャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある遠位電極まで延びる導体素子に接続された双極電極をさらに備えてよい。このことによって、スポットにおける架橋によるタンパク質電気凝固を提供してよい。
【0077】
アプリケータは、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある単一の遠位開口部まで延びる単一の作用物質チャネルをさらに備えてよく、作用物質チャネルの近位端部は作用物質供給部に接続可能である。
【0078】
加えて、複数の作用物質チャネルが設けられてもよい。1つまたは複数の作用物質チャネルは、この好ましい実施形態においてリボフラビン等の作用物質の適用のために使用されてもよいのに対し、残りのチャネルの1つまたは複数は余分な作用物質を吸引するために使用されてよい。
【0079】
別の態様において、本発明は、シャフトに接続された単一のアプリケータを備えた、強膜を処置するための装置を提供し、
アプリケータはテノン嚢内に配置されるように構成され、
アプリケータは第1の表面および反対側の第2の表面を有し、アプリケータの第1の表面は、表面的に強膜の領域を覆うように当該領域の表面に表面的に接触可能であり、
アプリケータは、第1の導光素子に接続された複数の個別の第1の光学表面領域と、第2の誘導素子に接続された複数の個別の第2の光学表面領域とを備え、第1の導光素子および第2の導光素子は、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある対応する遠位光学表面領域まで延び、第1の導光素子は電磁波を光学上の第1の光学表面領域の方へと誘導するように構成され、第2の誘導素子は光増感剤と関連する。
【0080】
第1の光学表面領域のうちの少なくとも1つの遠位表面は、発熱に適するように少なくとも部分的に着色される。部分的な着色または半透過性着色により、着色部には吸収されずに通過する光を架橋のために使用可能である。
【0081】
アプリケータは、単一(または複数)の導体素子に接続された単一または並列の、単極または双極の一つの電極(または複数の電極)をさらに備えてよく、導体素子は、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある電極電極まで延びる。このことによって、ある場所においてタンパク質電気凝固を提供してよい。
【0082】
アプリケータは、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある単一の遠位開口部まで延びる単一の作用物質チャネルをさらに備えてよく、作用物質チャネルの近位端部は作用物質供給部に接続可能である。
【0083】
加えて、複数の作用物質チャネルが設けられてもよい。1つまたは複数の作用物質チャネルは、この好ましい実施形態においてリボフラビン等の作用物質の適用のために使用されてもよいのに対し、残りのチャネルの1つまたは複数は余分な作用物質を吸引するために使用されてよい。
【0084】
装置の一実施形態では、作用物質チャネルは、電磁放射線から少なくとも部分的に分離され、好ましくは、100nm〜2000nmの範囲の波長の電磁放射線から分離され、最も好ましくは300nm〜800nmの範囲の波長の電磁放射線から分離される。
【0085】
装置の一実施形態では、アプリケータの第1の表面は、作用物質が作用物質チャネルを通って導かれるときに作用物質の改善された分配を可能とするように構成された構造を有し、表面構造は、面取り部を含むか、または、半球、角錐もしくは円錐等の要素を含むことができる。
【0086】
別の態様によると、本発明は、シャフトに接続された単一のアプリケータを備えた、強膜を処置するための装置を提供し、
アプリケータはテノン嚢内に配置されるように構成され、
アプリケータは第1の表面および反対側の第2の表面を有し、アプリケータの第1の表面は、表面的に強膜の領域を覆うように当該領域の表面に表面的に接触可能であり、
アプリケータは、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある遠位光出口まで延びる単一の導光素子に接続された複数の個別の光出口を備え、導光素子は電磁波を光出口の方へと誘導するように構成され、導光素子は、強膜の熱処置に適した波長の電磁波を誘導するように構成される。
【0087】
光出口は、アプリケータの第1の表面に対して、規則的に、不規則に、または異なるように配置されてよく、アプリケータの第1の表面は、異なる光出口の分布を有する異なる領域に実質的に細分化され得る。
【0088】
光出口の密度は、アプリケータの第1の表面で変化してよい。
【0089】
アプリケータは対称形状を有してよく、光出口は、好ましくは、アプリケータの対称性に従って対称に配置される。
【0090】
アプリケータは、単一(または複数)の導体素子に接続された単一または並列の、単極または双極の一つの電極(または複数の電極)をさらに備えてよく、導体素子は、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある電極まで延びる。このことによって、ある場所においてタンパク質電気凝固を提供してよい。
【0091】
アプリケータは、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある単一の遠位開口部まで延びる単一の作用物質チャネルをさらに備えてよく、作用物質チャネルの近位端部は作用物質供給部に接続可能である。
【0092】
加えて、複数の作用物質チャネルが設けられてもよい。1つまたは複数の作用物質チャネルは、この好ましい実施形態においてリボフラビン等の作用物質の適用のために使用されてもよいのに対し、残りのチャネルの1つまたは複数は余分な作用物質を吸引するために使用されてよい。
【0093】
装置の一実施形態では、作用物質チャネルは、電磁放射線から少なくとも部分的に分離され、好ましくは、100nm〜2000nmの範囲の波長の電磁放射線から分離され、最も好ましくは300nm〜800nmの範囲の波長の電磁放射線から分離される。
【0094】
装置の一実施形態では、アプリケータの第1の表面は、作用物質が作用物質チャネルを通って導かれるときに作用物質の改善された分配を可能とするように構成された構造を有し、表面構造は、面取り部を含むか、または、半球、角錐もしくは円錐等の要素を含むことができる。
【0095】
別の態様によると、本発明は、シャフトに接続された単一のアプリケータを備えた、強膜を処置するための装置を提供し、
アプリケータはテノン嚢内に配置されるように構成され、
アプリケータは第1の表面および反対側の第2の表面を有し、アプリケータの第1の表面は、表面的に強膜の領域を覆うように当該領域の表面に表面的に接触可能であり、
アプリケータは、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある遠位光出口まで延びる単一の導光素子に接続された複数の個別の光出口を備え、導光素子は電磁波を光出口の方へと誘導するように構成され、光出口のうちの少なくとも1つの遠位表面は、発熱に適するように着色される。
【0096】
光出口は、アプリケータの第1の表面に対して、規則的に、不規則に、または異なるように配置されてよく、アプリケータの第1の表面は、異なる光出口の分布を有する異なる領域に実質的に細分化され得る。
【0097】
光出口の密度は、アプリケータの第1の表面で変化してよい。
【0098】
アプリケータは対称形状を有してよく、光出口は、好ましくは、アプリケータの対称性に従って対称に配置される。
【0099】
アプリケータは、単一(または複数)の導体素子に接続された単一または並列の単極電極または双極の複数の電極をさらに備えてよく、導体素子は、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある電極まで延びる。このことにより、ある場所においてタンパク質電気凝固を提供してよい。
【0100】
アプリケータは、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある単一の遠位開口部まで延びる単一の作用物質チャネルをさらに備えてよく、作用物質チャネルの近位端部は作用物質供給部に接続可能である。
【0101】
加えて、複数の作用物質チャネルが設けられてもよい。1つまたは複数の作用物質チャネルは、この好ましい実施形態においてリボフラビン等の作用物質の適用のために使用されてもよいのに対し、残りのチャネルの1つまたは複数は余分な作用物質を吸引するために使用されてよい。
【0102】
装置の一実施形態では、作用物質チャネルは、電磁放射線から少なくとも部分的に分離され、好ましくは、100nm〜2000nmの範囲の波長の電磁放射線から分離され、最も好ましくは300nm〜800nmの範囲の波長の電磁放射線から分離される。
【0103】
装置の一実施形態では、アプリケータの第1の表面は、作用物質が作用物質チャネルを通って導かれるときに作用物質の改善された分配を可能とするように構成された構造を有し、表面構造は、面取り部を含むか、または、半球、角錐もしくは円錐等の要素を含むことができる。
【0104】
別の態様によると、本発明は、シャフトに接続された単一のアプリケータを備えた、強膜を処置するための装置を提供し、
アプリケータはテノン嚢内に配置されるように構成され、
アプリケータは第1の表面および反対側の第2の表面を有し、アプリケータの第1の表面は、表面的に強膜の領域を覆うように当該領域の表面に表面的に接触可能であり、
アプリケータは、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある少なくとも2つの遠位電極まで延びる単一の導体素子に接続された少なくとも2つの電極を備える。
【0105】
電極は、ある場所においてタンパク質電気凝固を提供してよい。電極は単極の電極または双極の電極であってよい。
【0106】
アプリケータは、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある単一の遠位開口部まで延びる単一の作用物質チャネルをさらに備えてよく、作用物質チャネルの近位端部は作用物質供給部に接続可能である。
【0107】
加えて、複数の作用物質チャネルが設けられてもよい。1つまたは複数の作用物質チャネルは、この好ましい実施形態においてリボフラビン等の作用物質の適用のために使用されてもよいのに対し、残りのチャネルの1つまたは複数は余分な作用物質を吸引するために使用されてよい。
【0108】
別の態様によると、本発明は、対応するシャフトにそれぞれ接続された2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のアプリケータを備えた、強膜を処置するための装置を提供し、
各アプリケータはテノン嚢内に配置されるように構成され、
各アプリケータは第1の表面を有し、各アプリケータの第1の表面は、表面的に強膜の領域を覆うように当該領域の表面に表面的に接触可能であり、
各アプリケータおよびシャフトは、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある単一の遠位開口部まで延びる単一の作用物質チャネルを備え、作用物質チャネルの近位端部は作用物質供給部に接続可能であり、
アプリケータのシャフトは近位において単一の近位供給シャフトに接続される。
【0109】
装置の一実施形態では、作用物質チャネルの単一の開口部は、強膜を処置するための局所的スポットを提供する。
【0110】
装置の一実施形態では、作用物質チャネルは、電磁放射線から少なくとも部分的に分離され、好ましくは、100nm〜2000nmの範囲の波長の電磁放射線から分離され、最も好ましくは300nm〜800nmの範囲の波長の電磁放射線から分離される。
【0111】
装置の一実施形態では、アプリケータの表面は、作用物質が作用物質チャネルを通って導かれるときに作用物質の改善された分配を可能とするように構成された構造を有し、表面構造は、面取り部を含むか、または、半球、角錐もしくは円錐等の要素を含むことができる。
【0112】
アプリケータは、余分な作用物質を吸引するために使用されてよいチャネルをさらに備えてよい。
【0113】
別の態様によると、本発明は、対応するシャフトにそれぞれ接続された2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のアプリケータを備えた、強膜を処置するための装置を提供し、
各アプリケータはテノン嚢内に配置されるように構成され、
各アプリケータは第1の表面を有し、各アプリケータの第1の表面は、表面的に強膜の領域を覆うように当該領域の表面に表面的に接触可能であり、
各アプリケータは、対応するシャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある単一の遠位光学表面領域まで延びる2つの誘導素子に接続された単一の光学表面領域を備え、一方の導光素子は電磁波を光学表面要素の方へと誘導するように構成され、他方の誘導素子は光増感剤と関連し、
アプリケータのシャフトは近位において単一の近位シャフトに接続される。
【0114】
単一の遠位光学表面領域は発熱に適するように少なくとも部分的に着色されてよい。部分的な着色により、着色部には吸収されずに通過する光を架橋のために使用可能である。
【0115】
アプリケータは、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある単一の遠位電極まで延びる単一の導体素子に接続された単一の単極電極またはシャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある遠位電極まで延びる導体素子に接続された双極電極をさらに備えてよい。このことにより、ある場所においてタンパク質電気凝固を提供してよい。
【0116】
アプリケータは、余分な作用物質を吸引するために使用されてよいチャネルをさらに備えてよい。
【0117】
装置の一実施形態では、アプリケータの表面は、作用物質が作用物質チャネルを通って導かれるときに作用物質の改善された分配を可能とするように構成された構造を有し、表面構造は、面取り部を含むか、または、半球、角錐もしくは円錐等の要素を含むことができる。
【0118】
別の態様によると、本発明は、対応するシャフトにそれぞれ接続された2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のアプリケータを備えた、強膜を処置するための装置を提供し、
各アプリケータはテノン嚢内に配置されるように構成され、
各アプリケータは第1の表面を有し、各アプリケータの第1の表面は、表面的に強膜の領域を覆うように当該領域の表面に表面的に接触可能であり、
各アプリケータは、各シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある単一の遠位光出口まで延びる単一の導光素子に接続された単一の光出口を備え、導光素子は電磁波を光出口の方へと誘導するように構成され、
アプリケータのシャフトは近位において単一の近位シャフトに接続される。
【0119】
導光素子は、強膜の熱処置に適した波長の電磁波を誘導するように構成されてよい。
【0120】
光出口の遠位表面は、発熱に適するように、すなわち、熱が着色部に吸収される波長で生じ、光を伝達させて架橋が可能であるように、少なくとも部分的に着色されてよい。
【0121】
本実施形態のアプリケータは、シャフトの近位端部からアプリケータの表面にある遠位チャネル開口部まで延びる単一の作用物質チャネルを備えてよく、作用物質チャネルの近位端部は作用物質供給部に接続可能である。
【0122】
アプリケータは、余分な作用物質を吸引するために使用されてよいチャネルをさらに備えてよい。
【0123】
装置の一実施形態では、アプリケータの表面は、作用物質が作用物質チャネルを通って導かれるときに作用物質の改善された分配を可能とするように構成された構造を有し、表面構造は、面取り部を含むか、または、半球、角錐もしくは円錐等の要素を含むことができる。
【0124】
別の態様によると、本発明は、対応するシャフトにそれぞれ接続された2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のアプリケータを備えた、強膜を処置するための装置を提供し、
各アプリケータはテノン嚢内に配置されるように構成され、
各アプリケータは第1の表面を有し、各アプリケータの第1の表面は、表面的に強膜の領域を覆うように当該領域の表面に表面的に接触可能であり、
各アプリケータは、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある単一の遠位電極まで延びる導体素子に接続された単一の単極電極またはシャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある遠位電極まで延びる導体素子に接続された双極電極を備え、
アプリケータのシャフトは近位において単一の近位シャフトに接続される。
【0125】
電極は、ある場所においてタンパク質電気凝固を提供してよい。電極は単極の電極または双極の電極であってよい。
【0126】
別の態様によると、本発明は、対応するシャフトにそれぞれ接続された2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のアプリケータを備えた、強膜を処置するための装置を提供し、
各アプリケータはテノン嚢内に配置されるように構成され、
各アプリケータは第1の表面を有し、アプリケータの第1の表面は、表面的に強膜の領域を覆うように当該領域の表面に表面的に接触可能であり、
各アプリケータは、対応するシャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある少なくとも2つの遠位チャネル開口部まで延びる単一の作用物質チャネルを備え、作用物質チャネルの近位端部は作用物質供給部に接続可能であり、
アプリケータのシャフトは近位において単一の近位作用物質供給シャフトに接続される。
【0127】
作用物質チャネルは、電磁放射線から少なくとも部分的に分離されてよく、好ましくは、100nm〜2000nmの範囲の波長の電磁放射線から分離され、最も好ましくは300nm〜800nmの範囲の波長の電磁放射線から分離される。
【0128】
アプリケータの第1の表面は、作用物質が作用物質チャネルを通って導かれるときに作用物質の改善された分配を可能とするように構成された構造を有してよく、表面構造は、面取り部を含むか、または、半球、角錐もしくは円錐等の要素を含むことができる。
【0129】
遠位チャネル開口部は、アプリケータの第1の表面に対して、規則的に、不規則に、または異なるように配置されてよく、アプリケータの第1の表面は実質的に、異なる開口部の分布を有する異なる領域に細分化され得る。
【0130】
遠位チャネル開口部の密度は、アプリケータの第1の表面で変化してよい。
【0131】
アプリケータは対称形状を有してよく、遠位チャネル開口部は、好ましくは、アプリケータの対称性に従って対称に配置される。
【0132】
作用物質チャネルは、電磁放射線から少なくとも部分的に分離されてよく、好ましくは、100nm〜2000nmの範囲の波長の電磁放射線から分離され、最も好ましくは300nm〜800nmの範囲の波長の電磁放射線から分離される。
【0133】
アプリケータの第1の表面は、作用物質が作用物質チャネルを通って導かれるときに作用物質の改善された分配を可能とするように構成された構造を有してよく、表面構造は、面取り部を含むか、または、半球、角錐もしくは円錐等の要素を含むことができる。
【0134】
アプリケータは、余分な作用物質を吸引するために使用されてよいチャネルをさらに備えてよい。
【0135】
別の態様によると、本発明は、対応するシャフトにそれぞれ接続された2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のアプリケータを備えた、強膜を処置するための装置を提供し、
各アプリケータはテノン嚢内に配置されるように構成され、
各アプリケータは第1の表面を有し、アプリケータの第1の表面は、表面的に強膜の領域を覆うように当該領域の表面に表面的に接触可能であり、
各アプリケータは、第1の導光素子に接続された第1の光学表面領域と、第2の誘導素子に接続された第2の光学表面領域とを備え、第1の導光素子および第2の導光素子は、対応するシャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある対応する遠位光学表面領域まで延び、第1の導光素子は電磁波を光学表面領域の方へと誘導するように構成され、第2の誘導素子は光増感剤と関連し、
アプリケータのシャフトは近位において単一の近位シャフトに接続される。
【0136】
第1の遠位光学表面領域は発熱に適するように少なくとも部分的に着色されてよい。部分的な着色により、着色部には吸収されずに通過する光を架橋のために使用可能である。
【0137】
アプリケータは、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある単一の遠位電極まで延びる単一の導体素子に接続された単一の単極電極またはシャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある遠位電極まで延びる導体素子に接続された双極電極をさらに備えてよい。このことによって、スポットにおける架橋によるタンパク質電気凝固を提供してよい。
【0138】
アプリケータは、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある単一の遠位開口部まで延びる単一の作用物質チャネルをさらに備えてよく、作用物質チャネルの近位端部は作用物質供給部に接続可能である。
【0139】
加えて、複数の作用物質チャネルが設けられてもよい。1つまたは複数の作用物質チャネルは、この好ましい実施形態においてリボフラビン等の作用物質の適用のために使用されてもよいのに対し、残りのチャネルの1つまたは複数は余分な作用物質を吸引するために使用されてよい。
【0140】
別の態様によると、本発明は、対応するシャフトにそれぞれ接続された2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のアプリケータを備えた、強膜を処置するための装置を提供し、
各アプリケータはテノン嚢内に配置されるように構成され、
各アプリケータは第1の表面を有し、アプリケータの第1の表面は、表面的に強膜の領域を覆うように当該領域の表面に表面的に接触可能であり、
各アプリケータは、第1の導光素子に接続された複数の個別の第1の光学表面領域と、第2の誘導素子に接続された複数の個別の第2の光学表面領域とを備え、第1の導光素子および第2の導光素子は、対応するシャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある対応する遠位光学表面領域まで延び、第1の導光素子は電磁波を光学上の第1の光学表面領域の方へと誘導するように構成され、第2の誘導素子は光増感剤と関連し、
アプリケータのシャフトは近位において単一の近位シャフトに接続される。
【0141】
第1の光学表面領域のうちの少なくとも1つの遠位表面は、発熱に適するように少なくとも部分的に着色される。部分的な着色または半透過性着色により、着色部には吸収されずに通過する光を架橋のために使用可能である。
【0142】
アプリケータは、単一(または複数)の導体素子に接続された単一または並列の、単極または双極の一つの電極(または複数の電極)をさらに備えてよく、導体素子は、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある電極まで延びる。このことによって、スポットにおける架橋によるタンパク質電気凝固を提供してよい。
【0143】
アプリケータは、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある単一の遠位開口部まで延びる単一の作用物質チャネルをさらに備えてよく、作用物質チャネルの近位端部は作用物質供給部に接続可能である。
【0144】
加えて、複数の作用物質チャネルが設けられてもよい。1つまたは複数の作用物質チャネルは、この好ましい実施形態においてリボフラビン等の作用物質の適用のために使用されてもよいのに対し、残りのチャネルの1つまたは複数は余分な作用物質を吸引するために使用されてよい。
【0145】
装置の一実施形態では、作用物質チャネルは、電磁放射線から少なくとも部分的に分離され、好ましくは、100nm〜2000nmの範囲の波長の電磁放射線から分離され、最も好ましくは300nm〜800nmの範囲の波長の電磁放射線から分離される。
【0146】
装置の一実施形態では、アプリケータの第1の表面は、作用物質が作用物質チャネルを通って導かれるときに作用物質の改善された分配を可能とするように構成された構造を有し、表面構造は、面取り部を含むか、または、半球、角錐もしくは円錐等の要素を含むことができる。
【0147】
別の態様によると、本発明は、対応するシャフトにそれぞれ接続された2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のアプリケータを備えた、強膜を処置するための装置を提供し、
各アプリケータはテノン嚢内に配置されるように構成され、
各アプリケータは第1の表面を有し、アプリケータの第1の表面は、表面的に強膜の領域を覆うように当該領域の表面に表面的に接触可能であり、
各アプリケータは、対応するシャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある遠位光出口まで延びる単一の導光素子に接続された複数の個別の光出口を備え、導光素子は電磁波を光出口の方へと誘導するように構成され、導光素子は、強膜の熱処置に適した波長の電磁波を誘導するように構成され、
アプリケータのシャフトは近位において単一の近位シャフトに接続される。
【0148】
光出口は、アプリケータの第1の表面に対して、規則的に、不規則に、または異なるように配置されてよく、アプリケータの第1の表面は、異なる光出口の分布を有する異なる領域に実質的に細分化され得る。
【0149】
光出口の密度は、アプリケータの第1の表面で変化してよい。
【0150】
アプリケータは対称形状を有してよく、光出口は、好ましくは、アプリケータの対称性に従って対称に配置される。
【0151】
アプリケータは、単一(または複数)の導体素子に接続された単一または並列の、単極または双極の一つの電極(または複数の電極)をさらに備えてよく、導体素子は、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある電極まで延びる。このことによって、スポットにおける架橋によるタンパク質電気凝固を提供してよい。
【0152】
アプリケータは、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある単一の遠位開口部まで延びる単一の作用物質チャネルをさらに備えてよく、作用物質チャネルの近位端部は作用物質供給部に接続可能である。
【0153】
加えて、複数の作用物質チャネルが設けられてもよい。1つまたは複数の作用物質チャネルは、この好ましい実施形態においてリボフラビン等の作用物質の適用のために使用されてもよいのに対し、残りのチャネルの1つまたは複数は余分な作用物質を吸引するために使用されてよい。
【0154】
装置の一実施形態では、作用物質チャネルは、電磁放射線から少なくとも部分的に分離され、好ましくは、100nm〜2000nmの範囲の波長の電磁放射線から分離され、最も好ましくは300nm〜800nmの範囲の波長の電磁放射線から分離される。
【0155】
装置の一実施形態では、アプリケータの第1の表面は、作用物質が作用物質チャネルを通って導かれるときに作用物質の改善された分配を可能とするように構成された構造を有し、表面構造は、面取り部を含むか、または、半球、角錐もしくは円錐等の要素を含むことができる。
【0156】
別の態様によると、本発明は、対応するシャフトにそれぞれ接続された2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のアプリケータを備えた、強膜を処置するための装置を提供し、
各アプリケータはテノン嚢内に配置されるように構成され、
各アプリケータは第1の表面および反対側の第2の表面を有し、アプリケータの第1の表面は、表面的に強膜の領域を覆うように当該領域の表面に表面的に接触可能であり、
各アプリケータは、対応するシャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある遠位光出口まで延びる単一の導光素子に接続された複数の個別の光出口を備え、導光素子は電磁波を光出口の方へと誘導するように構成され、光出口のうちの少なくとも1つの遠位表面は、発熱に適するように着色され、
アプリケータのシャフトは近位において単一の近位シャフトに接続される。
【0157】
光出口は、アプリケータの第1の表面に対して、規則的に、不規則に、または異なるように配置されてよく、アプリケータの第1の表面は、異なる光出口の分布を有する異なる領域に実質的に細分化され得る。
【0158】
光出口の密度は、アプリケータの第1の表面で変化してよい。
【0159】
アプリケータは対称形状を有してよく、光出口は、好ましくは、アプリケータの対称性に従って対称に配置される。
【0160】
アプリケータは、単一(または複数)の導体素子に接続された単一または並列の、単極または双極の一つの電極(または複数の電極)をさらに備えてよく、導体素子は、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある電極まで延びる。このことにより、ある場所においてタンパク質電気凝固を提供してよい。
【0161】
アプリケータは、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある単一の遠位開口部まで延びる単一の作用物質チャネルをさらに備えてよく、作用物質チャネルの近位端部は作用物質供給部に接続可能である。
【0162】
加えて、複数の作用物質チャネルが設けられてもよい。1つまたは複数の作用物質チャネルは、この好ましい実施形態においてリボフラビン等の作用物質の適用のために使用されてもよいのに対し、残りのチャネルの1つまたは複数は余分な作用物質を吸引するために使用されてよい。
【0163】
装置の一実施形態では、作用物質チャネルは、電磁放射線から少なくとも部分的に分離され、好ましくは、100nm〜2000nmの範囲の波長の電磁放射線から分離され、最も好ましくは300nm〜800nmの範囲の波長の電磁放射線から分離される。
【0164】
装置の一実施形態では、アプリケータの第1の表面は、作用物質が作用物質チャネルを通って導かれるときに作用物質の改善された分配を可能とするように構成された構造を有し、表面構造は、面取り部を含むか、または、半球、角錐もしくは円錐等の要素を含むことができる。
【0165】
別の態様によると、本発明は、対応するシャフトにそれぞれ接続された2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のアプリケータを備えた、強膜を処置するための装置を提供し、
各アプリケータはテノン嚢内に配置されるように構成され、
各アプリケータは第1の表面および反対側の第2の表面を有し、アプリケータの第1の表面は、表面的に強膜の領域を覆うように当該領域の表面に表面的に接触可能であり、
各アプリケータは、対応するシャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある少なくとも2つの遠位電極まで延びる単一の導体素子に接続された少なくとも2つの電極を備え、
アプリケータのシャフトは近位において単一の近位シャフトに接続される。
【0166】
電極は、ある場所においてタンパク質電気凝固を提供してよい。電極は単極の電極または双極の電極であってよい。
【0167】
任意の実施形態による本発明の装置は、装置の使用中、少なくとも部分的に角膜を覆うようにサイズ決めおよび成形されるシールド要素をさらに備えてよい。
【0168】
任意の実施形態によるアプリケータは、2mm〜30mmの長さ、好ましくは5mm〜25mmの長さ、またはより好ましくは15mmの長さを有してよい。
【0169】
任意の実施形態によるアプリケータは、2mm〜25mm、好ましくは5mm〜20mm、またはより好ましくは10mm〜15mmの幅を有してよい。
【0170】
任意の実施形態によるアプリケータの厚さは、5mm以下、または好ましくは3mm以下であってよく、最小で2mmを有することが好ましい。
【0171】
任意の実施形態によると、1つまたは複数の凹部がアプリケータの縁部に形成される。1つまたは複数の凹部は、アプリケータが強膜の当該領域に配置されたときに凹部が眼筋、血管、および/または神経のための自由空間を残すように配置され形成されてよい。
【0172】
任意の実施形態によるアプリケータは、好ましくは滅菌可能かつ耐熱性の、例えば医療用鋼またはプラスチックのうちの少なくとも1つである材料から製造されるベース層を含んでよく、好ましくは光不透過性である。
【0173】
一実施形態において、アプリケータの外側表面およびアプリケータの縁部のうちの少なくとも1つは光不透過性である。
【0174】
一実施形態において、アプリケータは、1つまたは複数の追加の層を含み、ベース層および1つまたは複数の追加の層は、追加の層を支持するためにベース層をアプリケータの外側にして積み重ねられる層として配置され、1つまたは複数の追加の層はそれぞれ、好ましくはプラスチック材料または金属材料、より好ましくは光拡散性、遮光性かつ/またはスポンジ様の材料から製造される。
【0175】
一実施形態において、追加の層のうちの少なくとも1つは、電磁波を拡散させるのに適した散光器であり、遠位開口部の少なくとも一部は、散光器である追加の層の内側または外側に配置される。
【0176】
一実施形態において、ハンドルはアプリケータの縁部に配置される。ハンドルは単一の近位シャフトに接続されてよく、チューブとして構成され、チャネルシステムのそれぞれの第1のチャネルはハンドルを通って延びる。
【0177】
一実施形態において、ハンドルはディスクの縁部と接続可能であり、ハンドルは、好ましくはチューブとして構成され、作用物質チャネルはハンドルを通って導かれ得る。
【0178】
別の態様によると、本発明は、シャフトに接続された少なくとも1つのアプリケータを備えた、強膜を処置するための装置を提供し、
各アプリケータはテノン嚢内に配置されるように構成され、
各アプリケータは第1の表面および反対側の第2の表面を有し、アプリケータの第1の表面は、表面的に強膜の領域を覆うように当該領域の表面に表面的に接触可能であり、
各アプリケータおよびシャフトは、
シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある単一の遠位開口部まで延び、その近位端部は作用物質供給部に接続可能である、作用物質チャネルと、
シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある遠位光学表面領域まで延び、電磁波を光学表面要素の方へと誘導するように構成された導光素子に接続された光学表面領域と、シャフトの近位端部からアプリケータの第1の表面にある遠位電極まで延びる導体素子に接続された双極電極と
を備える。
【0179】
すべての実施形態において、本装置は、1つもしくは複数のセンサもしくは測定システム、例えば、温度センサ(特に、光凝固および電気凝固が使用される実施形態の場合)、および/またはカメラシステム(例えば、内視鏡によるアプリケータの最小侵襲移動の場合)、および/または生体力学センサ(例えば、アプリケータは強膜に接触しているかどうかを検出する場合)、好ましくは圧力センサ、および/またはpHメータをさらに備えてよい。
【0180】
記載されたすべての実施形態において、本装置は、突出部または周辺部をアプリケータの周縁に備えてよい。
【0181】
別の態様によると、本発明は、
(i)アプリケータの第1の表面が表面的に強膜領域の表面と接触するように、対象の眼のテノン嚢へと実施形態のいずれかの装置のアプリケータを配置するステップと、
(ii)作用物質を対象の強膜に適用するステップと
を含む、対象の強膜を処置する方法を提供する。
【0182】
別の態様によると、本発明は、
(i)アプリケータの第1の表面が表面的に強膜領域の表面と接触するように、対象の眼のテノン嚢へと実施形態のいずれかの装置のアプリケータを配置するステップと、
(ii)電磁放射線を対象の強膜に適用するステップと
を含む、対象の強膜を処置する方法を提供する。
【0183】
一実施形態において、本方法は、眼の病理学的変化または疾患を処置するためのものである。
【0184】
本発明による装置は、
− 眼の解剖学的構造およびサイズに適合可能である、
− 強膜組織の広範な処置(さらに後部強膜も)を可能にする
− 異なるシステム(例えば、物質適用および吸引、放射、視覚制御)の時間的かつ場所的に制御した使用を可能にする
− システム内外の表面変形のため物質の均一で広範な分配が可能である(カニューレを使用する場合、不可能である)
− 様々な処置(例えば、相互接続、凝固、および架橋)を組み合わせることができる。
【0185】
物質適用および放射システムは、強膜のコラーゲン架橋および/またはコラーゲン凝固のために外側強膜(眼の白色組織)の広範かつ/または場所を限定した処置を可能にする。特別な化学物質および/または異なる波長の光を強膜に適用することにより、コラーゲン分子を架橋させ、したがって組織の生体力学的特性を変えることが可能である。したがって、眼の特定の病理学的変化および疾患(例えば、進行性近視、強膜炎、組織浸潤性炎症、緑内障、屈折異常、老視)を処置できる。これらの病理学的変化により強膜の生体力学的安定性が最小化されてしまい、眼球の異常な膨張、ひいては重篤な視野狭窄または失明をもたらす。他方では、単独での照射または別の個々の処置は、様々な眼疾患を処置するために強膜組織の生体力学的特性に影響を与え得る、例えば、進行性近視の予防のために強膜の剛性を補うように増大させることが実行可能であると思われ、緑内障の処置および/または緑内障の進行予防のために、青色光の単独適用によって強膜組織の剛性を減少させることも実行可能であろう。
【0186】
さらに、本発明による物質適用および放射システム(SAIS−Spot)により、進行性近視、強膜の病理学的変化または様々な原因によって引き起こされ得る他の生体力学的浸潤症状(例えば、炎症、局所感染、強膜炎)を処置すべく強膜架橋するための外側強膜(眼の白色組織)の広範な処置を可能にする。これらの眼の特別な疾患に対する処置アプローチは新規のものであり、眼の複雑な解剖学的構造により、適合された形状および特定の技術特徴を有する外科的応用システムを必要とする。
【0187】
他方では、単独での照射または別の個々の処置は、様々な眼疾患を処置するために強膜組織の生体力学的特性に影響を与え得る、例えば、進行性近視の予防のために強膜の剛性を補うように増大させることが実行可能であると思われ、緑内障の処置および/または緑内障の進行予防のために、青色光の単独適用によって強膜組織の剛性を減少させることも実行可能であろう。
【0188】
本発明をここで、以下の図面に関連して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0189】
図1】眼の解剖学的構造およびその付属器の詳細図を示す図である。
図2】A〜Dは本発明の第1の好ましい実施形態による装置を示す図である。
図3】A〜Fは本発明の第2の好ましい実施形態による装置を示す図である。
図4】A〜Eは本発明の第3の好ましい実施形態による装置を示す図である。
図5】A〜Dは本発明の第4の好ましい実施形態による装置を示す図である。
図6】A〜Eは本発明の第5の好ましい実施形態による装置を示す図である。
図7A】本発明の第6の好ましい実施形態による装置を示す図である。
図7B】本発明の第7の好ましい実施形態による装置を示す図である。
図7C】本発明の第8の好ましい実施形態による装置を示す図である。
図8】A〜Dは本発明の第9の好ましい実施形態による装置を示す図である。
図9】A〜Cは本発明による装置のさらなる実施例を示す図である。
図10】本発明による装置の別の実施例を示す図である。
図11】様々な種の強膜パッチへのリボフラビンの全組織透過平均時間を示す図である。
図12-1】図12a〜bは様々な種のリボフラビンを適用した場合(点線)およびリボフラビンを適用しない場合(実線)の強膜組織の波長別光伝達率特性を示す図である。
図12-2】図12c〜dは様々な種のリボフラビンを適用した場合(点線)およびリボフラビンを適用しない場合(実線)の強膜組織の波長別光伝達率特性を示す図である。
図12-3】図12e〜fは様々な種のリボフラビンを適用した場合(点線)およびリボフラビンを適用しない場合(実線)の強膜組織の波長別光伝達率特性を示す図である。
図13】様々な種の、リボフラビンを適用した場合およびリボフラビンを適用しない場合の450nmの波長で分離したばかりの強膜組織の光伝達率特性を示す図である。
図14A-1】様々な種の強膜組織の寸法および構造を比較するための組織学的半薄(semi−thin)切片(0.5μm厚、トルイジンブルー染色)の光学顕微鏡画像を示す図である。
図14A-2】様々な種の強膜組織の寸法および構造を比較するための組織学的半薄(semi−thin)切片(0.5μm厚、トルイジンブルー染色)の光学顕微鏡画像を示す図である。
図14B】様々な種の強膜組織の寸法および構造を比較するための組織学的半薄切片(0.5μm厚、トルイジンブルー染色)の光学顕微鏡画像を示す図である。
図15】架橋処置をしている場合(C;左下およびD;右下)および架橋処置をしていない場合(AおよびB)の鋭的切開した(A;左上)強膜組織および冷凍/解凍された(B〜D)強膜組織の形態的性質の比較を示す顕微鏡写真を示す図である。
図16】架橋処置をしている場合(CおよびD)および架橋処置をしていない場合(AおよびB)の鋭的切開した(A)強膜組織および冷凍/解凍された(B〜D)強膜組織の電子顕微鏡写真を示す図である。
図17】A〜Gは本発明による装置を使用して行うことができる様々な処置パターンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0190】
タンパク質(例えば、コラーゲン)架橋はバイオテクノロジーにおいて確立された方法である。タンパク質架橋は、化学的架橋剤類/作用物質によって、または感光性物質とそれに続く放射(例えば、リボフラビン適用およびUV−A光または青色光放射)を通して行うことができる。さらなる機構は、例えば加熱によるタンパク質凝固である。
【0191】
したがって、コラーゲン架橋は、生体力学的特性を変える(剛化)分子の結合を生じさせると考えられる。リボフラビン適用およびUV−A光放射によるコラーゲン架橋が、角膜(眼の正面部分における外膜の透明部分)の浸潤性疾患を患う患者の処置に眼科学において数年間利用されてきた(Wollensak et al., American Journal of Ophthalmology 2003, 135:620-627)。眼の正面部分は手術をせずとも直接到達可能なため、物質および光の適用は眼のこの部分でははるかに容易である。しかし、ここでも不均一な放射および物質分配の問題は完全になくなっていない。
【0192】
進行性近視および他の浸潤性疾患の処置のための強膜のコラーゲン架橋(強膜架橋)は新しいものであり、これまで動物実験でのみ試験されている(Iseli et al., Journal of Refractive Surgery 2008, 24:752-755;Wollensak et al., Acta Ophthalmologica Scandinavica 2005, 83: 477-482)。動物実験における技術的手段はいずれも様々な不都合があり、患者に使用するには適していない。
【0193】
加えて、タンパク質およびコラーゲンは後に放射せずとも化学的架橋物質のみを加えることにより架橋され得る(“Chemical crosslinking and the stabilization of proteins and enzymes” by Wong SS, Wong LJ. Enzyme Microb Technol. 1992 Nov;14(11):866-74参照)。
【0194】
本発明による装置を用いて、外部から作用物質を場所を限定し時間通りに、強膜の後部および赤道部へと広範に供給することが初めて可能になる。同時にその他のシステムが使用可能である。余分な作用物質は取り除かれる。表面のさらなる変形によって、作用物質のより良い分配および処置しない領域における作用物質のより良い除去が可能である。本発明による装置は、患者および動物実験における新規の処置アプローチの時間節約(短い手術時間)用途には必要条件である。本発明による装置はヒトの眼の解剖学的構造に人間工学的に適合される。その材料は滅菌可能かつ再利用可能であるか、または使い捨て装置として製造されてもよい。
【0195】
本発明は、作用物質(例えば、物質、薬物)の場所および時間が制御された放出および逆流を可能にし、強膜の既定部位で他の物理的適用(電磁放射線)と組み合わせることができる。さらに、コラーゲン凝固と架橋との組み合わせも可能になる。加えて、本発明は場所および時間が制御された放射および既定の力レベル(すなわち、時間および部位あたりのエネルギー量)の電磁放射線の適用を可能にする。
【0196】
眼の外側の周囲のコラーゲン層は強膜(白い部分)および角膜(透明部分;図1)である。いくつかの疾患では、眼のこの組織の部分が弱る。これは、生体力学的安定性、消化に対する酵素耐性、またはその膨張挙動に関して当てはめられる。この眼(角膜および強膜)の衰弱は架橋またはコラーゲン凝固を通じてプラスの影響を受け得る。このため、化学的または物理的反応を開始するために、追加の添加剤、例えば、電磁放射線、第2の作用物質と共にまたはそれなしで作用物質(流体)が眼の対応する組織層中に導入されなければならない。これらの反応は生体力学的特性の変化および上記の衰弱に関する眼の処置層の改善をもたらす。この処置を「架橋」と呼ぶ。
【0197】
図1は眼の解剖学的構造およびその付属器の詳細図を示す。左の図は眼窩(骨2)における眼1とその筋連結3を示す。眼1は、角膜縁4と眼瞼(ここでは図示してない)の間の前側に通常近い、強膜周囲のリンパ腔であるテノン嚢内の眼窩にある。強膜5は外側の眼の白色の部分であり、角膜6は眼1の透明な部分である。両方の組織はコラーゲン組織から形成されている。右側の図は、眼1の内部組織の解剖学的層の詳細なラベリングを示す。右側の図では、強膜5/脈絡膜7/網膜8の組織構造が強調されている。
【0198】
強膜部分は、眼球は、強膜5に結合された、非常に薄い粘膜下組織である上強膜(別個に図示していない)により取り囲まれている。
【0199】
本発明による装置により、強膜のコラーゲン架橋および/またはコラーゲン凝固のための外側強膜の広範囲な処置を可能とする。一実施形態による装置(SAIS−Spot)は好ましくは、強膜またはその一部に物質/作用物質を定量放出するために可変の面形状を有する、平坦で大型のスプーン状に湾曲した眼科手術器具である。
【0200】
SAIS−Spotの正確な面形状および大きさは、眼、または個々の患者もしくは個々の患者の臨床的および処置的ニーズの正確な解剖学的特徴に由来するものである。さらに、SAIS−Spotの正確な面形状および大きさは、成長阻害のために処置の必要がある求められた最小面積に由来する。したがって、SAIS−Spotは、単純もしくは複雑な形態であるか、またはニンジン様でありかつ眼の強膜部分全体を覆ってよい、可変の形状、好ましくは面形状を有し得る。小さなスポットもまた、本発明に包含される。
【0201】
図2Aは、本発明の装置の第1の例示的実施形態を示す。図2Aに示す装置は、シャフト22を有する単一のアプリケータ21を有する。装置を使用するとき、アプリケータ21は2つの隣接する筋連結3の間に配置される。
【0202】
図2Bは、本発明の装置の改変された第1の例示的実施形態を示す。図2Bに示す装置は、シャフト22をそれぞれ有する2つのアプリケータ21を有する。2つのシャフト22は近位シャフト23に統合される。装置を使用するとき、各アプリケータ21は2つの隣接する筋連結3の間に配置される。
【0203】
図2Cの断面図は、シース26に取り囲まれた中央導光素子25を有する円筒形アプリケータ21aを示す。導光素子25は光、例えば、UV光または青色光の適用に適している。これは黒い矢印で示される。加えて、作用物質チャネル27、28が設けられる。一方の作用物質チャネル、すなわち、作用物質チャネル27は本実施例ではリボフラビン等の作用物質の適用(アプリケータの遠位端部を指す灰色矢印も参照)のために使用されるのに対し、他方のチャネル28は、余分な作用物質を吸引する(近位方向への灰色矢印参照)ために使用される。
【0204】
図2Dの断面図は、シース26に取り囲まれた導光素子25を有する偏平形アプリケータ21bを示す。導光素子25は光、例えば、UV光または青色光の適用に適している。これは黒い矢印で示される。加えて、作用物質チャネル27、28は導光チャネル25と横並びに設けられる。一方の作用物質チャネル27は本実施例ではリボフラビン等の作用物質の適用(遠位方向を指す灰色矢印参照)のために使用されるのに対し、他方のチャネル28は、余分な作用物質を吸引する(近位方向への灰色矢印参照)ために使用される。
【0205】
図3A図3Fは、本発明の装置の第2の例示的実施形態を示す。図示する装置は、シャフト22をそれぞれ有する2つの小さな湾曲形または平面形のアプリケータ10を有する。2つのシャフト22は近位シャフト23に統合される。装置を使用するとき、各アプリケータ10は2つの隣接する筋連結3の間に配置される。図3Bおよび図3Cもまた、アプリケータ10の2つの例示的な概略断面図(図3Bはわずかに湾曲した形状を示し、図3Cは平面形状を示す)、およびアプリケータ10の3つの代替的な表面構造を示す。図3Dでは、アプリケータは、光、熱の時間通りの適用を可能にする2つのスポット25および/または作用物質を強膜に適用するための2つのスポット27、28を備える。あるいは、図3Eに示すように、4つのスポット25が略正方形の角に配置されるように設けられる。作用物質を強膜に適用するための2つのスポット27、28もまた図示されている。図3Fに示されるようにさらなる代替策として、「スポット」25はアプリケータ10のかなりの領域を覆う。3つの実施例におけるアプリケータの基本的な外形は正方形である。
【0206】
図4Aは、本発明の装置の第3の例示的実施形態を示す。図示される装置は、シャフト22をそれぞれ有する2つの湾曲したアプリケータ20を有する。2つのシャフト22は近位シャフト23に統合される。装置を使用するとき、各アプリケータ20は2つの隣接する筋連結3の間に配置される。図4Bはアプリケータ20の断面概略図を示す(わずかに湾曲した形状を示す)。アプリケータ20の3つの代替構造を図4C図4Eに示す。図4Cでは、アプリケータ20は、光、熱および/または作用物質を強膜に時間通りに適用することを可能にする、仮想線に沿って配置された4つのスポット25を備える。あるいは、図4Dに示すように、8つのスポット25のパターンは2本の平行な仮想線に沿って配置されるように設けられる。図4Eに示されるようにさらなる代替策として、「スポット」25はアプリケータ20のかなりの領域を覆う。これらの実施例におけるアプリケータ20の基本的な外形は、湾曲した角を有する細長い楕円形または矩形である。
【0207】
図5Aは、本発明の装置の第4の例示的実施形態を示す。図示される装置は、シャフト22をそれぞれ有する2つの湾曲したアプリケータ30を有する。2つのシャフト22は近位シャフト23に統合される。装置を使用するとき、各アプリケータ30は2つの隣接する筋連結3の間に配置される。図5Bはアプリケータ30の断面概略図をさらに示す(わずかに湾曲した形状を示す)。図5Cおよび図5Dは、アプリケータ30の2つの代替的構造を示す。図5Cでは、アプリケータ30は、光、熱および/または作用物質を強膜に時間通りに適用することを可能にする、仮想線に沿って配置された4つのスポット25を備える。さらなる代替策として、図5Dの「スポット」25は(図示される代替物では矩形の形態の)アプリケータ30のかなりの領域を覆う。これらの実施例におけるアプリケータ30の基本的な外形は矩形である。ここで、アプリケータ30はさらに細長い幅狭の形状である。
【0208】
図6は、本発明の装置の第5の例示的実施形態を示す。本実施形態では、アプリケータは大きな処置領域に適している。図示される装置は、シャフト22をそれぞれ有する2つの湾曲したアプリケータ40を有する。2つのシャフト22は近位シャフト23に統合される。装置を使用するとき、各アプリケータ30は2つの隣接する筋連結3の間に配置される。図6Bはアプリケータ40の断面概略図を示す(わずかに湾曲した形状を示す)。図6C図6Eは、アプリケータ40の3つの代替構造を示す。図6Cでは、アプリケータ40は、光、熱および/または作用物質を強膜に時間通りに適用することを可能にする3つのスポット25を備える。あるいは、図6Dに示すように、6つのスポット25は2本の平行な仮想線に沿って配置されるように設けられる。図6Eにおけるさらなる代替策として、「スポット」25はアプリケータ40のかなりの領域を覆う。3つの実施例におけるアプリケータの基本的な外形は正方形である。
【0209】
図7Aは、本発明による装置の第6の例示的実施形態を示す。本実施形態は、図4の実施形態に類似しているが、4つのアプリケータ20を有する。装置を使用するとき、各アプリケータ20は2つの隣接する筋連結3の間に配置される。このことによりすべての領域を同時に処置できる。しかしながら、本実施形態では、各アプリケータ20を個々で別個に制御できる。正面図(図7Aの右)は、筋連結3の間にある4つのアプリケータ20の配置を示す。
【0210】
さらなる改変された実施形態を図7Bに示す。ここで、装置は角膜シールド29を追加で備える。角膜シールドは、眼を保護することとアプリケータ20を固定することという少なくとも2つの目的にかなう。
【0211】
図7Cに示す代替物においては、図2Aに示すアプリケータのように単一のアプリケータ21だけが存在する。さらに本実施形態では、角膜シールド29が存在する。ここで、シールドは、アプリケータ21の適切な位置決めを補助するのにも役立ち得る。
【0212】
一般に、角膜シールドは、単なる部分的な角膜シールドであってよい。
【0213】
図8は、別の実施形態を示す。本実施形態は図2に示す実施形態に類似している。中央に、光を適用するための光チャネル出力部83が示される。加えて、2つの温度測定センサ85に加えて任意のカメラ84が設けられる。さらに、2つの作用物質チャネル81はリボフラビンの適用および吸引のために設けられる。さらに、2つのスポット82はタンパク質凝固のために設けられる。図8Bに示されるように、凝固のために使用される光ファイバ82は、発熱に適するように少なくとも部分的に着色される。部分的なコーティングにより、コーティングには吸収されずに通過する光を架橋のために追加で使用可能である。チャネルまたはスポットのいくつかは対で示されているが、本発明は各チャネルまたはスポットのうちの単一の1つだけが存在するものも包含する。あるいは、1つまたは2つのチャネルおよびスポットの任意の組み合わせが包含される。
【0214】
図8Cはアプリケータ21の概略的側面図を示すのに対し、図8Dは、シャフト22を有するアプリケータ21の底面図を示す。
【0215】
図9は、本発明によるアプリケータの第1の表面の様々な構造を示す。図9Aによれば、第1の表面91は平面である。図9Aの底面図、すなわち、アプリケータ90aの第1の表面91の図は、第1の表面91全体に配置された図8の4つの要素80を示す。
【0216】
図9Bの代替物において、アプリケータ90bは突出部を有する平面である。図9Bの底面図、すなわち、アプリケータ90bの第1の表面91の図は、第1の表面91全体に配置された図8の5つの要素80を示す。
【0217】
図9Cの第3の代替物において、アプリケータ90cは、図8の7つの突出要素80と、周縁部92とを有する平面である。
【0218】
図10は、リボフラビン作用物質供給部102、発光および/または発熱素子80を備えた別の実施形態を示す。本実施形態では、散光器101は空中(aerial)架橋のために設けられる。加熱(タンパク質凝固)用の素子は、アプリケータの位置決めを改善し、かつ/または傷誘導(scar inducing)処置(組織へのより深い貫入)を向上させるために鋭利先端で終端し得る。
【0219】
図17は、本発明による装置/アプリケータを用いて得ることが可能な様々な処置パターンを示す。図17A図17Cによると、処置は所望のパターンにおける個々のスポットの「連続的」適用によるものである。図2Aまたは図7Cに示すアプリケータを使用してこのようなパターンを適用できる。図17D図17Fにおいて、少なくとも2つのスポットは、一度に、すなわち、例えば図3D図3E図4C図4D、または図5Cに示す多スポットアプリケータを用いて適用される。図6Cまたは図6Dによるアプリケータを用いて得られるパターンを図17Fに示す。これは熱凝固のためのスポットの対毎の配置を示す。スポット間の領域(明るい灰色で示す)において、規則的な空気架橋が適用される。
【0220】
光ファイバ(光導波路またはガラスファイバとも呼ばれる)は様々な実現例が選択でき、様々な波長の電磁放射線(UV光から約300nm〜1100nmの赤外線まで)を伝導できなければならない。次いで、SAIS−Spotのいくつかの構造的実現は電磁放射線の特定の波長および特定の光エネルギーレベルのために最適化され得る。したがって、特定の光ファイバ材料(例えば、極端紫外光伝導性)および特定の光ファイバ直径(例えば、高エネルギーレベルのためのより大きなケーブルの直径)をSAIS−Spotのために使用できる。装置の光ファイバは、装置の内側表面に1〜300mW/cmの放射線エネルギーを投射できるべきである。SAIS−Spot内の光ファイバのための光は、外部から制御可能かつ調整可能な放射線源(例えば、1つのLEDユニット内の様々なLED、様々なレーザ、または様々なランプの種類)により提供される。外部放射線源は(i)放射波長、(ii)放射線エネルギーレベル、および(iii)適用時間(放射インパルス(radiation impulse)の長さおよび順序)が制御可能である。したがって、装置の光量(時間単位当りの放射エネルギー)の制御は、光ファイバを制御する外部放射線源により保証される。加えて、この外部光源により、個別に特定の群の光ファイバを制御し、よって個別にSAIS−Spot内側表面の特定の領域を照明できる。したがって、SAIS−Spot内部の異なる領域に異なる波長および異なる放射線エネルギーレベルを同時に提供できる。
【0221】
光ファイバおよび/またはその端部は、SAIS−Spot内部(散光器内)に様々な方法で配置され得る。
【0222】
装置内は、物質および放射線の供給は完全に別個であるため(チャネルには光学的に不伝導性の材料、場合により加えて、鏡面仕上げ光ファイバまたは全反射する通常の光ファイバ)、SAIS−Spot内部では感光性物質が放射線により影響を受けず変化しない。物質供給および放射ユニットはさらに、外部連結装置によって個別に時間的に制御可能である。
【0223】
眼窩と眼球との間の組織結合を開いた後、本発明の装置をテノン嚢に導入する。本装置は筋肉を通過して、強膜の赤道部および外側部に配置される。ここで、手術中に、処置部位から装置を取り外す必要なしに物質または放射線を適用することが可能である(利点(i)手術中の時間を節減する、(ii)物質適用および放射の均一または特別に選択された分配、(iii)繰り返される手術器具の挿入および取り外しによる周囲組織の損傷リスクの低減)。
【0224】
本発明による装置はさらに、散光器内(SAIS−Spotの内部)に温度プローブを装備できる。続いて、記録ユニットへの給電または接続が散光器内への光ファイバの組込みと同様に行われる。さらなる器具を使用して、アプリケータが強膜に接触しているかどうかを判断してよい。
【0225】
SAIS−Spotはビデオ監視システムと組み合わせることもでき、内視鏡可視化システムがSAIS−Spotに取り付けられる/組み込まれる。
【0226】
本文脈中、作用物質は好ましくは化学的架橋剤または感光性物質である。感光性物質は例えばリボフラビンである。リボフラビンは例えば、光放射またはタンパク質凝固剤の適用の前に適用できる。
【0227】
本発明の装置および方法との関係における光放射は、特にリボフラビンが感光性物質として使用される場合に、好ましくはUV−A光放射(約315〜約380nm、例えば、約370nm)、または「青色光」適用(「青色光」とは、好ましくは約420〜約480nm、好ましくは約425〜約475nm、より好ましくは約450〜約465nmの波長を有することを意味し、好ましい波長は約450nmおよび約465nmである)である。光放射がUV−A光放射の場合、光強度は例えば、強膜表面にて1〜200mW/cm、好ましくは2〜4mW/cmの範囲である。光放射が「青色光」放射である場合、光強度はUV−A放射よりも概して高くてもよく、例えば、強膜表面にて1〜350mW/cmの範囲内であることができ、好ましくは10〜200mW/cm、より好ましくは20〜100mW/cm、さらにより好ましくは25〜100mW/cmである。一般に、パルス光が使用される場合、連続的放射の適用よりも高い光強度を使用してもよい。ある種の実施形態にて、帯域フィルタを使用して、例えば、320〜400nmまたは420〜480nmまたは425〜475nmまたは450〜465nmの特定の光特性を生み出してもよい。
【0228】
眼の病理学的変化または疾患は、例えば本発明の文脈においては、上述された疾患および症状から選択されてもよく、特に、進行性近視、強膜炎、および組織浸潤性炎症等の強膜の病理学的変化から選択される。
【0229】
本発明はさらに、眼の病理学的変化または疾患の処置に使用するための上述の装置に関する。
【0230】
SAIS−Spot装置を使用した強膜架橋の例示的手順
外科手術の目的は、患者の眼の強膜組織におけるコラーゲン分子を、光増感剤であるリボフラビンの適用および青色光による放射の組み合わせにより架橋させることである。リボフラビンおよび/または光照射(好ましくは両方)が、SAIS−Spot装置を使用して適用される。その他の光増感剤および別の波長の電磁照射もさらに用いることができる。
【0231】
ヒトの眼の強膜架橋(SXL)の本手順では、0.01〜20%、好ましくは0.5%リボフラビンの等張性NaCl溶液を、照射開始前に1秒間〜40分間、好ましくは60秒間〜30分間、強膜全体の表面(または処置すべき領域のみ)に適用する。リボフラビン溶液は適用前に、例えば装置内の熱せられたリザーバまたは加熱システムを使用して、予め温められてよい(例えば、約35℃まで)。リボフラビン溶液はさらに、デキストランまたは別の補助剤を添加することによって例えばその粘度またはその組織透過性挙動に関して変性されてもよい。リボフラビンの適用は、照射手順中に連続して/交互に繰り返されてもよく、または最初にだけ適用されてもよい。
【0232】
青色光の照射出力は約1〜2000mW/cmであってよく、ヒトの強膜組織に対して好ましくは10〜200mW/cm、より好ましくは20〜1000mW/cm、さらにより好ましくは25〜100mW/cmの青色光出力である。他の電磁波長、例えば、UV−A等のUV光または、処置中交互もしくは同時の2つ以上の異なる波長の組み合わせを適用することも可能である。さらに、特定の帯域幅の電磁波長の光(420〜480nmの帯域幅の青色光、上記参照)を適用することが可能である。
【0233】
強膜組織は例えば、SXL手術中に、(上述のような)最適な青色光出力を1秒間〜40分間、好ましくは約20分間照射され得る。例えば強膜組織へのいかなる種類の局所的に広がる熱ストレスをも避けるために、照射間隔は、例えば10秒間中断しながら、例えば1〜30秒、好ましくは10〜30秒であってよく、または連続しているか、もしくは任意の方法で変化させることが可能である。新鮮なリボフラビン溶液を、使用済みリボフラビンを新しくするために、青色光照射中に例えば5分毎に交互に適用し、さらに照射された強膜組織を冷却してもよい。リボフラビン溶液はまた連続的に適用されてもよい。他の照射間隔および頻度ならびに延長または短縮照射手順が、光出力によって実行可能である。リボフラビン適用が同時に可能なため、照射手順中ずっとSAIS−Spotの位置を変更するかまたは戻す必要も、また再配置する必要もないということは、別の光源と比較したSAIS−Spot装置の重大な利点である。SXL処置後、SAIS−Spot装置の物質適用および吸引チャネル部分を使用して、余分なリボフラビンを取り除き、眼窩を滅菌等張性NaCl溶液にて洗浄できる。
【0234】
さらに、このSAIS−Spot装置の物質適用および吸引チャネル部を使用して、種々の洗浄溶液でテノン嚢を洗浄することができる。これらの溶液は、薬理学的活性物質または分子を含有し、SXL処置結果を支持または安定させる。例えば、線維芽細胞は架橋処置に反応して活性化され得る。線維芽細胞は例えば、その形態、細胞内の超微細構造および/または代謝を変えることができ、また数が増え得る。コラーゲン線維束および細線維構造の変化(小さなサイズのコラーゲン細線維の数の増加)が、コラーゲン線維束構造の再構成の兆候として観察され得る。これらの再構成プロセスは、増殖活性または線維芽細胞の移動ならびに、遺伝子およびタンパク質の発現特性の変化により支持され得る。したがって、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)がコラーゲンおよび細胞外マトリックス成分の再構成プロセスのために産生される。TIMPはMMP活性の阻害のための調節タンパク質である。したがって、薬理学的活性物質がSXL処置後に適用されて、MMPおよび/またはTIMPの活性を調節することが実現可能である。SAIS−Spot装置により適用される薬理学的活性物質はさらに、コラーゲン産生遺伝子もしくは天然コラーゲン架橋酵素(例えば、リシルオキシダーゼ)の活性を調節することができるか、またはこれらの物質は線維芽細胞および他の血液由来の細胞の増殖および移動を調整できる。
【0235】
ヒトの患者におけるSXLの例示的外科手術
強膜架橋(SXL)手術を行うには、麻酔が必須である。麻酔は、麻酔剤の球後もしくは経眼球(parabulbar)注射による任意の種類の局所麻酔、または全身麻酔であってよい。点眼薬の局所適用による局所麻酔または麻酔剤の全省略は推奨されておらず、非常に好ましくない。好ましくは、全身麻酔は、筋弛緩薬の適用と組み合わせて行われる。球後ブロックを追加で注射し、かつ/または眼に局所麻酔剤を滴下する必要があり得る。手術手順全体(麻酔、術前処置、術後処置、およびSXL)は10分間〜3時間かかり得る。
【0236】
SXL処置は水平に安定させた患者に行われる。消毒は例えば、毛様体および結膜への高度ケアをしつつポビドンヨードまたは任意の他の消毒溶液を適用することにより行ってよい。一般的な手術用覆布を使用して患者を覆うが、眼は手術のためのアクセス可能なままにする。
【0237】
手術を行っている間は、間接検眼鏡検査法、黄色帯域フィルタ、および/または手術用顕微鏡を使用することが可能である。
【0238】
消毒後、好ましくは開瞼器を眼瞼の下に挿入して、眼瞼を大きく開かせておく。開瞼器を使用しない手術は実現可能であるが好ましくない。以下のステップの間、人工涙液を眼の露出部分(角膜、強膜および/または結膜)に滴下する。検鏡により眼瞼を大きく開かせて維持した後、結膜をメスまたは小型剪刀により切開し、結膜(conjuctiva)を角膜輪部から分離させる。小血管から出血した場合、出血を止め(例えば、熱処置−焼灼)、血液を取り除く。眼全体周りの結膜(眼瞼/眼の上部および下部)の部分または全切開および角膜輪部からの結膜の完全分離が推奨される。切開寸法を小さくすることも可能であり、または場合によって、結膜の一部(上部または下部)のみを開放させることが必要な場合がある。これはSAIS−Spot装置および処置される強膜領域の形状および構造に依存する。結膜の完全切開により、眼窩内のテノン嚢へのアクセスが可能になる。ここで、筋肉の後ろに糸を挿入することによって4つの眼直筋に輪をつけ、これにより眼の操作および配向を可能にする。場合によっては、眼筋または眼全体を操作する必要がない場合もある。これは、挿入されるSAIS−Spot装置の形状、構造およびサイズに依存する。SAIS−Spotは、単純な形状の1つのみの比較的小さなスプーン状のアプリケータから、または眼の解剖学的構造および/もしくは患者の要件および/もしくは処置されなければならない病理に適合された、複雑な形状の2つ、3つ、もしくは4つのアプリケータ部分からなることができる。形状はさらに、処置される最小必要領域に適合されてもよい。アプリケータの種々の部分は、眼球周りのテノン嚢内に同時に導入可能であり、または逐次処置が行われ得る。これは処置されなければならない強膜領域に依存する。SAIS−Spotアプリケータのいくつかの部分の同時挿入により手術時間を減少させる。SAIS−Spot装置の特定的に適合された形状により、望ましくない筋肉、大きな血管、周囲組織、および視神経の架橋を回避する。処置される患者それぞれに対してアプリケータの形状をカスタマイズできる。
【0239】
SAIS−Spot装置の挿入およびその眼球への正確な配置後、物質適用を開始し、強膜は、例えば少なくとも1秒間リボフラビンでインキュベートする(上述の通り。種々のインキュベーション期間および異なる濃度ならびにリボフラビンと他の処置物質との混合物が可能である)。その他の処置物質を添加することによってインキュベーション時間を減少させることが可能である。
【0240】
このプレインキュベーション後、光照射を開始する(上記参照)。照射期間中、特定の処置法(regime)ではリボフラビン物質を交互に適用して使用済み/漂白されたリボフラビンを新しくする。使用済みまたは余分なリボフラビンはSAIS−Spot吸引チャネルにより吸引され得る。さらに、このSAIS−Spot装置の物質適用および吸引部を使用して、種々の洗浄溶液でテノン嚢を洗浄することができる(上記参照)。SXL処置および種々の物質による任意の洗浄期間の後、SAIS−Spotアプリケータを眼窩から抜き出すことができる。すると、眼筋周りの糸も取り除かれるべきであり、結膜は縫合により外科的に閉鎖せねばならない。処置される患者の眼は局所的抗生物質、抗真菌剤および/またはステロイド軟膏または点眼薬を投薬してもよい。場合によって、この処置は必須ではない。眼にテープをして、眼帯、眼軟膏包帯、および/またはタンポナーデにより保護してもよい。手術後、患者は麻酔医の監督下におかれるべきであり、眼科医に監視されるべきである。
【0241】
その他の態様、特徴、および利点は、図面および特許請求の範囲を含む記述により明らかとなるであろう。
【0242】
本発明は図面および前述の説明にて例示され、詳細に記述されているが、かかる例示および記述は例示的または代表的なものとみなされるべきであり、制限するものではない。変化および変更は、以下の特許請求の範囲の範囲内で当業者によってなされ得ることが理解されるであろう。特に、本発明は、上記および以下に記述される様々な実施形態の特徴を任意に組み合わせたさらなる実施形態を包含する。
【0243】
また、特許請求の範囲において、用語「含む」とは、他の要素およびステップを排除するものではなく、不定冠詞「1つの(aまたはan)」は複数を排除するものではない。単一のユニットは特許請求の範囲に挙げられるいくつかの特徴の機能を実現してもよい。属性または値に関連する用語「本質的に」、「約」、「およそ」等も特に、厳密にまさにその属性またはまさにその値をそれぞれ定義するものである。特許請求の範囲中の任意の参照符号は、範囲を制限するものとしてみなすべできはない。
【実施例】
【0244】
〔実施例1〕
(ウサギ実験における外科手術)
リボフラビン/青色光コラーゲン架橋を行うために、動物を、塩酸ケタミン(50mg/kg体重、ケタミン5%、Ratiopharm社、ウルム、ドイツ)および塩酸キシラジン(10mg/kg体重、Rompun、Bayer Vital GmbH社、レーヴァークーゼン、ドイツ)の筋肉注射により麻酔した。麻酔管理のために、塩酸ケタミン(25mg/kg体重)および塩酸キシラジン(5mg/kg体重)を筋肉注射した。右眼のみ処置したが、反対の未処置の眼は個体の対照としての役割を果たす。手術中の角膜損傷を回避するために、左眼はFloxal(登録商標)眼軟膏(Dr.Gerhard Mann GmbH社、ベルリン、ドイツ)で処置された。Conjuncainがさらに右眼の局所麻酔のために使用された。外眼角切開後、結膜を角膜輪部にて切開してテノン嚢を開放した。次に、テノン嚢の上側頭の4分の1を鈍的切開した。上直筋および側直筋を広げ、5/0 Prolene縫合糸(Ethicon社、ノルシュテット、ドイツ)により固定することで、強膜処置中に、強膜をより良く露出させ、眼の位置をより容易に操作できる。その後、リボフラビン−5’−ホスフェート(いかなるデキストラン混合物も含まない0.5%ビタミンB2/PBS、Streuli Pharma社、ウツナッハ、スイス)を露出された強膜に5分毎に滴下し、確実に強膜間質にリボフラビンを完全に透過させた。20分間の浸漬後、側頭側の強膜に青色光(450±25nm)の異なる強度(10、25、50、100、200、400、および650mW/cm)のうち1つを、市販の歯科用光源(Bluephase 16i、Ivocar Vivadent GmbH社、エルヴァンゲン−ヤークスト、ドイツ)を使用して20分間照射し、リボフラビンの吸収極大(450nm)と合致させる。ここで、角膜および網膜の照射は、角膜および網膜組織に対する青色光の破壊特性のため避けなければならなかった。フルオロフォアの過剰な光退色を回避するために、リボフラビン滴を照射期間中ずっと5分毎に適用した。適用される光強度の調整(10mW/cm〜400mW/cm)は特注のポリプロピレンスペーシングチューブにより行われ、可視光センサ(LaserMate Q、Coherent Inc.社、サンタクララ、カリフォルニア州、米国)と組み合わせて電力計で測定した。650mW/cmの光強度が、追加のスペーシングチューブなしで光源により実現された。照射後縫合糸が取り除かれ、結合組織を手術用吸収性縫合糸を使用して強膜に付着させた。最後に、手術用吸収性縫合糸で眼角切開を再適合させた。両眼の結膜円蓋および角膜にFloxal(登録商標)眼軟膏(Dr.Gerhard Mann GmbH、ベルリン、ドイツ)を入れて処置し、感染および乾燥を防いだ。動物は目覚めるまで監視され、3週間ライプツィヒ大学のMedizinisch−Experimentelles Zentrum(医療研究センター)にて保管された。
【0245】
〔実施例2〕
(強膜組織におけるリボフラビン透過率の測定)
図11は様々な種の強膜パッチへのリボフラビンの全組織透過平均時間を示す。強膜組織パッチの片側へリボフラビンを適用し、蛍光顕微鏡によりモニタして反対側へすべて出てきたらこれを蛍光の極大として、透過時間を計算した。ウサギの強膜では10〜20分間だったのに対し、ヒトの強膜ではリボフラビンが透過するのにおよそ30〜40分かかる。冷凍/解凍された強膜組織をこの実験に使用したが、結果は分離したばかりの(すなわち、冷凍していない)組織とほぼ同等であった。
【0246】
図12は様々な種の強膜組織の波長別光伝達率特性を示す。光(最大500nm波長)のおよそ0.5〜1%のみが全種の強膜組織を透過する。リボフラビンの適用によって、最大530nmまでの波長ではリボフラビンの強い光吸収のためその波長での伝達率をさらに低減させる。
【0247】
図13は、様々な種の、波長450nmでの分離したての強膜組織の光伝達率特性を示す。光のおよそ0.5%のみが全種の強膜組織を透過する。リボフラビン(「Ribo」)の適用により、450nmではリボフラビンの強い光吸収のためその波長での伝達率をさらに低減させる。
【0248】
〔実施例3〕
(様々な種における強膜架橋の結果)
図14:様々な種の強膜組織の寸法および構造を比較するための組織学的半薄切片(0.5μm厚、トルイジンブルー染色)の光学顕微鏡画像。A(マカク)の強膜のスケールバーは、Aにおいてすべての強膜切片に対して有効であり、強膜後部の厚さの差を示す。Bはさらに高い倍率での組織切片を示し、構造的な差を明らかにする。組織検査により、ウサギとヒトの強膜との大きな構造的類似点および他の種と比較した際の差が明らかになった。B(マカク)の強膜のスケールバーはBにおいてすべての強膜切片に対して有効である。
【0249】
図15:架橋処置をしている場合(CおよびD)および架橋処置をしていない場合(AおよびB)の鋭的切開した(A)強膜組織および冷凍された/解凍された(B〜D)強膜組織の形態的性質の比較を示す顕微鏡写真。顕微鏡写真は、光学顕微鏡(トルイジンブルー染色)により視覚化された強膜組織の組織学的半薄切片を示す。A:鋭的切開された未処置強膜組織は、非常に密集したコラーゲン線維束配置およびコラーゲン線維束間の線維芽細胞(矢印)の紡錘形楕円細胞体を特徴とする。B:解凍された(保管のため冷凍されていた)強膜組織は、鋭的切開された強膜組織に比べ緩い線維束構造および回旋状線維束(アスタリスク)を示す。C:Bの未処置の解凍された組織と比べ、リボフラビンでおよび25mW/cmで架橋処置した後、(解凍された)強膜組織の構造全体に劇的な変化は見られなかった。線維芽細胞の細胞体は腫脹して見え(矢印)、線維束構造は回旋している(アスタリスク)。D:リボフラビンおよび200mW/cmの青色光で架橋処置した後、線維束構造がさらに緩み、コラーゲン線維束は強く回旋している。線維束間および細線維間の空間が増大し(矢先)、多くのコラーゲン細線維が分離して見える。DのスケールバーはA〜Dに有効である。
【0250】
図16:架橋処置をしている場合(CおよびD)および架橋処置をしていない場合(AおよびB)の鋭的切開した(A)強膜組織および冷凍/解凍された(B〜D)強膜組織の電子顕微鏡写真。A:鋭的切開された未処置強膜組織は、様々な配向の非常に密集したコラーゲン線維束配置(線維束の横断面が見える)を特徴とする。小さな細胞突起を有する線維芽細胞の紡錘形高電子密度細胞体(アスタリスク)はコラーゲン線維束間に位置し、細胞下構造は明瞭で無傷である。B:−20℃での保管および解凍の結果、強膜組織の線維芽細胞(アスタリスク)は膨張し、破壊された細胞構造および細胞膜を示す。コラーゲン細線維は無傷のようであるが、多くは線維束内で密集してまとまっている。C:Bの未処置の解凍された組織のように、リボフラビンおよび25mW/cmで架橋処置した後、強膜の線維芽細胞は同様に破壊された外観を示す。コラーゲン線維構造それ自体は無傷に見える。D:リボフラビンおよび200mW/cmの青色光で架橋処置した後、コラーゲン線維束構造はやや緩んで見え、いくつかのコラーゲン細線維配置が破壊されて見える(矢先)。場合により、細線維間の空間は増大し(黒アスタリスク)、細胞構造(白アスタリスク)は破壊されて見える。DのスケールバーはA〜Dに有効である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
図11
図12-1】
図12-2】
図12-3】
図13
図14A-1】
図14A-2】
図14B
図15
図16
図17