特許第6554134号(P6554134)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6554134
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】栓
(51)【国際特許分類】
   B65D 41/34 20060101AFI20190722BHJP
【FI】
   B65D41/34 116
【請求項の数】23
【外国語出願】
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-80003(P2017-80003)
(22)【出願日】2017年4月13日
(65)【公開番号】特開2018-177302(P2018-177302A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2017年6月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】595155303
【氏名又は名称】ハスキー インジェクション モールディング システムズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HUSKY INJECTION MOLDING SYSTEMS LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100154162
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 浩輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【弁理士】
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【弁理士】
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】ステファン シェーラー
(72)【発明者】
【氏名】パトリック ゴットシャルド
【審査官】 矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭64−070364(JP,A)
【文献】 特開2016−155589(JP,A)
【文献】 特表2013−542895(JP,A)
【文献】 特開2013−129430(JP,A)
【文献】 特開2011−136726(JP,A)
【文献】 特開2007−176553(JP,A)
【文献】 米国特許第6913158(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 35/44−35/54
B65D 39/00−55/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の頚部の開口部を密封するための栓であって、
頂壁と、該頂壁から下垂する環状側壁とを有し、
上記頂壁は、そこから下垂する当接部を備え、上記当接部は、上記頂壁の周囲に間隔を置いて設けられていて上記容器の頚部の頂面に当接する複合当接面を備えた複数の突出部を有することを特徴とする栓
【請求項2】
上記頂壁及び上記側壁は上記栓の閉口端及び開口端をそれぞれ画成し、
上記の開口端に破断可能に接続された環状のタンパーエビデンスバンドを備え、
上記タンパーエビデンスバンドは複数の留め用カムを備え、上記複数の留め用カムはそれぞれその内面から突起し、使用時に容器頚部が上記の開口端に挿入されると上記頚部のフランジに係合する引き込みランプと、上記栓が上記容器から取り外される時に上記フランジに係合して上記から上記タンパーエビデンスバンドを分離させる止部とを有し、上記複数の留め用カムの内の少なくとも1つの上記引き込みランプは凹部を有することを特徴とする、請求項1に記載の栓。
【請求項3】
上記凹部は上記引き込みランプの中央部にあり、上記容器頚部のフランジと当接する、間隔を置いて設けられた2つ以上のランプ部を画定することを特徴とする、請求項2に記載の栓。
【請求項4】
上記ランプ部の間の凹部の少なくとも1部が、上記タンパーエビデンスバンドの内面と連続または同一平面上にあることを特徴とする、請求項3に記載の栓。
【請求項5】
上記止部は上記閉口端の方向に配向されており、上記間隔を置いて設けられたランプ部を架して設けられていることを特徴とする、請求項3または4に記載の栓。
【請求項6】
上記少なくとも1つのカムは、略U字型であり、各ランプ部は、上記タンパーエビデンスバンドの開口端に向かって傾斜し、上記容器頚部のフランジと当接するランプ面を有し、上記止部は上記フランジと係合する、間隔を置いて設けられたランプ部を架する略半径方向の面を有することを特徴とする、請求項5に記載の栓。
【請求項7】
各ランプ部は、上記止部から上記タンパーエビデンスバンドの開口端に向かって先細りになる側面を有することを特徴とする、請求項3ないし6の何れか1項に記載の栓。
【請求項8】
上記凹部は、上記カムから成形材料を取り除いて形成された扇状部分を有することを特徴とする、請求項3ないし7の何れか1項に記載の栓。
【請求項9】
上記頂壁及び上記側壁は上記栓の閉口端及び開口端をそれぞれ画成し、上記側壁は、2周以上の巻きを有するネジ山を備え、上記巻きの各周は軸方向の通気路を形成する複数の不連続部を有しており、巻きの一つは、他の巻きの不連続部と軸方向に整合する連続部を有することを特徴とする、請求項1ないし8の何れか1項に記載の栓。
【請求項10】
上記側壁と上記頂壁の周囲の間に中間壁を有し、上記頂壁は第1直径を有し、上記環状側壁は該第1直径より大きい第2直径を有し、上記中間壁は上記頂壁の周囲から下垂する第1軸方向部と、上記環状側壁に上記第1軸方向部の下端を繋げる第2半径方向部を有する環状段部を有し、上記半径方向部は上記当接部または上記当接面を含み、上記突出部は上記半径方向部から下垂し、上記半径方向部の周囲方向に間隔を置いて設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の栓。
【請求項11】
上記半径方向部の内側から下垂した内側環状密封部と、上記半径方向部の外側または中間部から下垂した外側環状密封部とを有し、上記突出部は上記内側および外側密封部の間に、上記内側および外側密封部のそれぞれから間隔を置いて設けられていることを特徴とする、請求項10に記載の栓。
【請求項12】
各突出部は上記半径方向部からその当接面に向かって先細りになっていることを特徴とする、請求項10または11に記載の栓。
【請求項13】
第1および第2リブを含む複数の軸方向外部リブを備え、上記第1リブは上記第2リブより長いことを特徴とする、請求項10ないし12の何れか1項に記載の栓。
【請求項14】
上記第1リブは上記頂壁から上記側壁の基部に向けて延在しており、上記第2リブは上記中間壁から上記側壁の基部に向けて延在していることを特徴とする、請求項13に記載の栓。
【請求項15】
各第2リブは、対になった上記第1リブの間に設けられていることを特徴とする、請求項13または14に記載の栓。
【請求項16】
上記当接面から上記頂壁の頂部までの延長部と、上記側壁の基部から上記頂壁の頂部までの有効栓高さを有し、上記延長部は、上記有効栓高さの少なくとも10%であることを特徴とする、請求項10ないし15の何れか1項に記載の栓。
【請求項17】
上記延長部は上記有効栓高さの少なくとも25%であることを特徴とする、請求項16に記載の栓。
【請求項18】
上記栓の開口端に破断可能に接続されたタンパーエビデンスバンドの基部から上記頂壁の頂部までの栓全体の高さを有し、上記延長部は上記栓全体の高さの少なくとも10%であることを特徴とする、請求項16または17に記載の栓。
【請求項19】
上記延長部は上記栓全体の高さの少なくとも20%であることを特徴とする、請求項18に記載の栓。
【請求項20】
上記側壁と上記頂壁の周囲の間にある中間壁と、複数の軸方向外部リブとを有し、上記頂壁は第1直径を有し、上記環状側壁は該第1直径より大きい第2直径を有し、上記中間壁は上記頂壁の周囲から下垂する第1軸方向部と、上記環状側壁に上記第1軸方向部の下端を繋げる第2半径方向部とを有する環状段部を有し、上記第2半径方向部は、そこから下垂し、その周縁に間隔を置いて設けられていて上記容器頚部の頂面に当接する上記当接面を備えた複数の上記突出部を有し、上記側壁は、2周以上の巻きを有するネジ山を備え、上記巻きの各周は軸方向の通気路を形成する複数の不連続部を有しており、巻きの一つは、他の巻きの不連続部と軸方向に整合している連続部を有し、上記複数のリブは、上記頂壁から上記側壁の基部に向けて延在する第1リブと、該第1リブの各対の間に設けられた第2リブを含み、上記第2リブは上記第1リブより短く、かつ上記中間壁から上記側壁の基部に向けて延在していることを特徴とする、請求項1に記載の栓。
【請求項21】
成形配置時に、請求項1ないし2の何れか1項に記載の栓を成形する成形用キャビティを共に形成する複数の成形インサートを備える金型スタック。
【請求項22】
請求項21に記載の成形スタックを備える金型。
【請求項23】
請求項22に記載の金型を備える成形システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して栓に関し、特に容器の頚部に係合する栓に関する。より具体的には、本発明は、ガラスやプラスチック瓶などの飲料容器の密封用の成形されたプラスチック材から製造された栓に関するが、これらに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
プラスチック瓶と栓はよく知られている。製造コストを下げ、無駄を省き、法制度上の要求を満たすため、そのような瓶や栓の設計に使用される材料を減らすことが要求されている。しかし、材料を減らすことは、一般に性能上に悪影響を及ぼし、これら相反する点のバランスを取るため、通常、設計パラメータが設けられている。
【0003】
飲料用プラスチック栓は、通常、筒状の本体またはシェル、固定機構、密封機構、およびタンパーエビデンス(開封明示)機構という4つの機能要素を有する。本体、またはシェルは、典型的には、通常円形の頂壁と、頂壁から垂直に延びる環状の側壁を有する。側壁は典型的には頂壁の周辺端部から垂直に延びる筒状のスカートの形状を有している。固定機構は、通常ネジ山を有するが、場合により、留め金を備えるものであってもよく、両構造とも公知のものである。固定機構は通常側壁の内面に側壁に一体化して形成されており、例えば瓶の頚部である容器口部に隣接する。この分野ではそれぞれ単独または組み合わせて使用されうるいくつかの異なる密封機構が知られており、またいくつかのタンパーエビデンス機構も開発されている。
【0004】
最近プラスチック瓶の設計における重量を減らす努力がなされ、頚部の設計の高さが大幅に低くなっている。その結果、そのような容器の頚部に使用される栓が必要とする高さも低くなった。この高さが低くなったことは、栓の重量の削減にプラスの影響を及ぼしたが、ユーザが容器の頚部から栓を外すことにおいて悪影響を及ぼした。より具体的には、栓の側壁の高さが低くなったため、ユーザが容器の頚部から栓を外すために開封トルクを印加するのに栓を握る表面積が狭くなった。
その結果、必要とされる開封トルクが大きくなり、その影響は、そのような使用例における栓において重大である。これは、大きい開封トルクを効率的に印加することが必要な密封および/またはタンパーエビデンス機構のいくつかの設計において特に問題になりうる。
【0005】
栓の筒状の本体の開口端に、一連のブリッジ部で破断可能に接続されたバンドを備えたタンパーエビデンス機構の一例が知られている。該バンドは、バンドの下部にフレキシブルなヒンジにより接続され、その上内方向に延びる一連のタブを有している。該タブは、栓を閉める時に容器の頚部の外部フランジ(または開栓防止ビーズ)のアンダーカット面に係合する。この構成により、容器から栓を回して最初に開封するという動作を行うと、タブがフランジに接触しタブがそれ以上移動することを妨げる。その地点を越えてさらに栓を回すと、破断可能な接続部に徐々にテンションが掛かり、ブリッジ部を切断し、上記タンパーエビデンスバンドを栓の本体から分離する。
【0006】
典型的には、このタンパーエビデンス設計を組み込んだ栓は、使用形態では上側に折り曲げられるタブが下内方向に配向された状態で成形されている。この余分な動作が製造プロセスをコスト高にし、複雑化している。特許文献1は、バンドに、使用位置にタブを形成する凹部または開口部を形成して、使用状態でタブを成形する栓を記載している。
【0007】
一般的なその他のタンパーエビデンス機構は、タブに代えてバンドの内面から突き出た一連のカムを備えている。カムは傾斜しており、栓の本体に挿入された時に容器の頚部のフランジと当接する一連の引き込みランプを提供する。引き込みランプとフランジとの係合は、カムがフランジを越え、フランジと係合するようになるまでタンパーエビデンスバンドを引き延ばす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願No.2001/0015341A
【特許文献2】米国特許No. 6,705,479
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
栓をバンドや破断可能なブリッジ部を壊すことなく栓を外すことができうるという安全上の問題がこのような既知のタンパーエビデンス機構設計にはある。そのように不正に開封されると、タンパーエビデンス機構を回避することにより、不正開封の証拠を残すことなく、容器の内容物の汚染または置き換え、その後の栓の再適用を行うことができるので、重大な安全上の危険を呈することになる。例えば、バンドと容器の頚部の間にブレードを挿入し、バンドをてこ状に外側に持ち上げて拡げ、容器のフランジを越すようにすることで、栓をそのように外すことが可能になる。
【0010】
特許文献2は、厚さを局部的に厚くした領域を設けてバンドの長手方向の強度を強化し、上記のようにブレードが挿入できないようにして、この問題の解決を図っている。上記の安全上の問題を軽減する上で効果的であるものの、これらの厚い領域は、必要とされる印加トルクと、栓の重量に関しては悪影響を及ぼす。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、具体的かつ非限定的に、容器の頚部開口部を密封する栓に関する。また、本発明は、そのような栓を成形するための金型スタック、金型、および金型システムにも関するものである。本発明の態様は、閉口端と開口端とを有していてもよい筒状の本体を有する栓を提供する。上記栓または本体は、頂壁および、側壁またはスカートを有していてもよい。上記側壁またはスカートは、環状および/または上記頂壁から下垂した構成であっよい。上記本体は、例えば、側壁またはスカートは、その内面に形成されるネジ山などの固定機構を備え、ネジ山は1つ以上の巻きを有し、巻きの各周は複数の不連続部を有して軸方向の通気路を形成するようにしてもよい。上記栓は、例えば、側壁またはスカート等の上記本体の開口端に破断可能に接続されるタンパーエビデンスバンドを有していてもよい。上記タンパーエビデンスバンドはその内面から突出する留め用カムを有し、該留め用カムは、使用の際に容器頚部のフランジがそこに挿入され、次いで、栓が容器から取り外される際に上記フランジと係合して上記タンパーエビデンスバンドを上記本体から分離することが出来るように構成することが出来る。また、公知の栓に関して記載された上記機構のいずれも、本願開示と矛盾しない限り、本発明の栓に組み込まれてもよい。
【0012】
本発明の第1の広い態様によれば、容器の頚部開口部を密封するための栓を提供するものであり、該栓は、閉口端と開口端を有する筒状の本体と、上記本体の開口端に破断可能に接続されたタンパーエビデンスバンドと、上記タンパーエビデンスバンドは複数の留め用カムを備え、上記複数の留め用カムの各々は、その内面から突出し使用の際に容器頚部が上記本体の開口端に挿入されると上記頚部のフランジに係合する引き込みランプと、その後、上記栓が上記容器から取り外される際に上記フランジに係合して上記本体から上記タンパーエビデンスバンドを分離させる止部とを有し、上記複数の留め用カムの内の少なくとも1つの上記引き込み用ランプは凹部を有するように構成されている。
【0013】
引き込みランプに凹部を設けることで、カムがその要求される機能を実行可能にする必要な機能面を確保しつつ、カムを形成するのに必要な材料の量を減らすことができる。このように材料を減らすと、引けマークのリスクを低減し、従来のカム設計により一般に実用的とされるものよりさらに上記タンパーエビデンスバンドの厚さを薄くする事を可能にする。
【0014】
本願の出願人は、上記カム形状と共にバンドの厚さを薄くすることにより、装着後にバンドの取り外し操作をすると、より容易に可塑的に変形し易くなることを見出した。これにより、不正開封の視覚的明示を強化し、開封明示(タンパーエビデンス)機能の効果を高めることができる。上記カムと上記フランジとの係合により上記バンドを周囲に対して略均一に引き延ばすので、上記栓を上記容器頚部に適用している際にはそのような塑性変形は防止されることを当業者は理解するであろう。
【0015】
凹部は、上記または各留め用カムの中間部または中央部、例えばその上記引き込みランプに配置されていてもよい。上記凹部は、扇状部分を有していてもよい。上記凹部または扇状部分は、上記カムから成形材料を取り除くことで形成されてもよい。上記凹部は、間隔を置いて設けられた2つ以上のランプ部を形成、または画定していてもよい。上記離間されて設けられたランプ部は、上記容器頚部のフランジと当接するものであってもよい。上記凹部の少なくとも一部は、上記タンパーエビデンスバンドの内面と連続または同一平面上にあるように構成されていてもよい。
【0016】
上記引き込みランプは、上記タンパーエビデンスバンドの開口端または下端に配向されていてもよい。上記タンパーエビデンスバンドの開口端または下端は、例えば、上記本体の開口端とは異なるものおよび/または間隔を置いて設けられている、上記栓の開口端を画成するものであってもよい。上記キャッチまたは止部は、上記本体の閉口端を向いた構成であってもよい。上記キャッチまたは止部は上記間隔を置いて設けられているランプ部を架して設けられたものであってもよい。上記少なくとも1のカムは略U字型であってもよく、例えば、上記キャッチまたは止部が該U字の基部を形成および/またはランプ部が該U字の腕部を形成する構成であってもよい。
【0017】
上記ランプは、例えば少なくとも1つまたは各ランプ部が、例えば上記容器頚部のフランジに当接するランプ表面を有していてもよい。上記ランプ表面は、例えば、上記タンパーエビデンスバンドまたは栓の開口端または下端に向かって傾斜していてもよい。少なくとも1または各ランプ部は、例えば、上記キャッチまたは止部から、上記タンパーエビデンスバンドまたは栓の開口端または下端に向かって互いの方に傾斜または先細りになっている側面を有していてもよい。
【0018】
上記キャッチまたは止部は、例えば係合面である、フランジと係合する表面を有していてもよい。上記フランジと係合する表面は半径方向のものおよび/または、上記タンパーエビデンスバンドまたはその内面から半径方向にまたは略垂直方向に延在するものであってもよい。上記フランジと係合する表面は、上記間隔を置いて設けられているランプ部および/または上記凹部を架して設けられていてもよく、上記本体の閉口端を向いた構成であってもよい。
【0019】
上記栓は、上記閉口端を形成または画定する頂壁を有した構成であってもよい。上記栓は、例えば環状側壁などの、上記頂壁から下垂および/または上記本体の開口端を形成する側壁を有した構成であってもよい。
【0020】
上記本体、例えば上記側壁は、1周以上、例えば2周以上の巻きを有するネジ山を備える構成であってもよい。巻きの各周は、1つ以上の、例えば、複数の不連続部を有していてもよい。上記不連続部は、軸方向の通気路を形成する構成であってもよい。上記不連続部は、単独または共同で軸方向の通気路を形成してもよい。少なくとも1周の巻きは、1周以上の他の巻きの不連続部と軸方向に並んだ連続部を有していてもよい。
【0021】
本発明の他の広い態様によれば、容器の頚部開口部を密封するための栓が提供され、該栓は、頂壁と、該頂壁から下垂する環状の側壁を有し、上記側壁は、2周以上の巻きを有するネジ山を備え、上記巻きの各周は軸方向の通気路を形成する複数の不連続部を有しており、1周の巻きは、他の巻きの不連続部と軸方向に整合する連続部を有するように構成されている。
【0022】
本願の出願人は、上記巻きの1周において不連続部を省略することにより、驚くことに、上記容器の圧力が掛かった内容物を排気させる能力を損なうことなく、印加時に栓に印加される過度のトルクによりネジ山に対するダメージを軽減する効果があることを見出した。
【0023】
上記頂壁は、そこから下垂される当接部を有していてもよい。上記当接部は、例えば上記容器頚部の頂面に当接する、当接面を有していてもよい。
【0024】
上記当接部は、1つ以上の突出部を、例えば複数の突出部を有していてもよい。上記当接部は、少なくとも3つの突出部を、例えば、4つ、5つ、6つ、7つ、またはそれ以上の突出部を有する構成であってもよい。上記突出部は、上記頂壁から下垂および/またはその周囲方向に間隔を置いて設けられていてもよい。少なくとも一つの突出部又は各突出部は、上記当接面の部分を構成するようにしてもよい。上記突出部は、上記容器頚部の頂面に当接する複合当接面を共に形成するものであってもよい。
【0025】
上記当接表面の一部をそれぞれが構成する複数の突出部を設けることにより、上記容器から上記栓を取り外すのに必要な開封トルクを低減させることができる。
【0026】
上記栓は、例えば上記側壁と上記頂壁との間に、例えば側壁と頂壁の周囲との間に中間壁を有していてもよい。上記頂壁は、第1直径および/または上記側壁は第2直径を有していてもよい。上記第2直径は、上記第1直径より大きなものであってもよい。上記中間壁は段部、例えば環状段部を有していてもよい。
【0027】
上記段部は、上記頂壁から、例えばその周囲から下垂した、軸方向に延在する第一の部分を有していてもよい。上記段部は、半径方向に延在して、第一の部分を例えば、その下端を上記環状側壁に接続する第二の部分を有するものであってもよい。
【0028】
上記当接部は、上記段部を含むものでも、上記段部により形成されるものであってもよい。ある実施形態では、上記当接表面は、上記半径方向部により形成されたものであり、例えば、上記半径方向部の下面により形成されたもの、または該下面に連続または同一平面上にあるものであってもよい。上記当接部が複数の突出部を有する実施形態では、上記突出部が上記段部または上記半径方向部、例えば、上記半径方向部の下面に下垂したものであってもよい。上記突出部は、上記頂壁および/または上記半径方向部、例えば、上記半径方向部の下面の周囲方向に間隔を置いて設けられていてもよい。
【0029】
上記突出部の少なくとも1つ、または各突出部は、例えば上記頂壁または半径方向部からその当接面まで先細りしたもの、または傾斜したものであってもよい。
【0030】
上記栓は、上記当接面から頂壁、例えば、頂壁の頂部までの延長部を有していてもよい。上記栓は、上記側壁の基部または下端から上記頂壁、例えば、上記頂壁の頂部までの有効栓高さを有する。上記延長部は、上記有効栓高さの少なくとも5%であってもよい。好ましくは、上記延長部は、上記有効栓高さの少なくとも10%である。ある実施形態では、上記延長部は、上記有効栓高さの少なくとも15%、例えば、少なくとも20%である。ある応用例では、上記延長部は上記有効高さの少なくとも25%である。
【0031】
上記栓は、上記側壁の基部から下垂したタンパーエビデンスバンドを備えていてもよい。上記タンパーエビデンスバンドは、環状のであって、および/または上記側壁の基部または下縁、または上記本体の開口端に破断可能に接続されるようにしてもよい。上記タンパーエビデンスバンドは、その内面から突出した複数の留め用カムを有していてもよい。少なくとも1つの留め用カムは、例えば、使用の際に、容器頚部が上記本体の開口端または上記側壁に導入される時に上記容器頚部のフランジと係合する引き込みランプを有する構成であってもよい。少なくとも1の留め用カムは、例えば、上記栓がのちに上記容器から取り外される際に上記フランジと係合し上記タンパーエビデンスバンドを上記本体から分離するキャッチまたは止部を有する構成であってもよい。上記留め用カムの内の少なくとも1つの引き込みランプは凹部を有していてもよい。
【0032】
上記栓は、上記タンパーエビデンスバンドの基部または下端から上記頂壁、例えば上記頂壁の頂部までのものであってもよい栓全体の高さを有する構成であってもよい。延長部は上記栓全体の高さの少なくとも5%であってもよい。好ましくは、上記延長部は、上記栓全体の高さの少なくとも10%であってもよい。ある実施形態では、上記延長部は、上記栓全体の高さの少なくとも15%である。ある応用例では、上記延長部は、上記栓全体の高さの少なくとも20%である。
【0033】
上記栓は、上記半径方向部から、例えばその内側から下垂し、環状である内側密封部を備えていてもよい。上記栓は、上記半径方向部から、例えば、その外側または中間部から下垂し、環状である外側密封部を備えていてもよい。上記突出部は、上記内側および外側密封部の間および/または上記内側および外側密封部のそれぞれから間隔を置いて設けられているものであってもよい。
【0034】
上記栓は、1つ以上の、例えば複数のリブを備えていてもよい。上記リブは、軸状であったりおよび/または外側方向のものであってもよい。上記リブは第1および第2リブを含んでいてもよい。上記第1リブは上記第2リブより長いものであってもよい。上記第1リブは、上記頂壁から上記側壁の基部または下端に向けて、または上記側壁の基部または下端まで延在するようにしてもよい。上記第2リブは、上記中間壁から上記側壁の基部または下端に向かって延びるものであってもよい。少なくとも1つまたは各第2リブは、対になった第1リブの間に設けられていてもよい。上記第1リブは、上記段部からおよび/または上記中間壁と上記頂壁の間から延在する四分円または四分の一の円部分を有していてもよい。
【0035】
本発明の他の広い態様によれば、容器の頚部開口部を密封するための栓が提供されており、該栓は、頂壁と、該頂壁から下垂する環状側壁と、該側壁と上記頂壁の周囲との間にある中間壁と、複数の軸方向外部リブとを有し、上記頂壁は第1直径を有し、上記環状側壁は該第1直径より大きい第2直径を有し、上記中間壁は、上記頂壁の周囲から下垂する第1軸方向部と、上記第1軸方向部の下端を上記環状側壁に繋げる第2半径方向部を有する環状段部を有し、上記複数のリブは、上記頂壁から上記側壁の基部に向けて延在する第1リブと、該第1リブの各対の間に設けられた第2リブを含み、上記第2リブは上記第1リブより短く、上記中間壁から上記側壁の基部に向けて延在している。
【0036】
上記栓は、射出成形、圧縮成形、または他の任意の好適なプロセスで形成されたものであってもよい。上記栓は、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、または他のどのような好適な材料などのプラスチック材で形成されてもよいが、必須ではない。上記栓は、例えば、炭酸飲料などが充填された瓶や容器などに使用されてもよい。また、上記栓は、非炭酸系の飲料や他の液体が充填された瓶や容器に使用されてもよいが、その場合、上記ネジ山の不連続部を省略したり、上記ネジ山を他の係合構造で置き換えてもよい。
【0037】
本発明の他の態様は、成形配置時に、上記のような栓を成形する成形用キャビティ(空間)を共に形成する複数の成形インサートを備える金型のスタックを提供する。
【0038】
本発明の他の態様は、上記のような栓を成形する金型を提供する。上記金型は、上記のような金型スタックを有していてもよい。上記金型は、圧縮成形用または射出成型用金型を備えていてもよい。
【0039】
本発明の他の態様は、上記のような栓を成形する成形システムを提供する。上記成型システムは、上記のような金型を備えていてもよい。上記成形システムは、圧縮成形用または射出成型用システムを備えていてもよい。
【0040】
本発明の他の態様は、シミュレーション手段または、例えば3DプリンターやCNC機械などの、3D積層または減法製造手段または装置に使用される3Dデザインであって、上記栓の一実施形態と3Dデザインを含む、および/または表現する、および/または定義するコンピュータプログラム要素を提供する。
【0041】
疑義をさけるために明記すると、本明細書に記載のすべての構造は、本発明のどの態様にも同様に適用されるものである。本願の範囲内において、上記段落、特許請求の範囲、および/または以下の説明および図面にて示された様々な態様、実施形態、実施例、および変形例は、単独で採用されても如何なる組み合わせで採用されてもよい。つまり、すべての実施形態、および/またはどの実施形態の構造も、そのような構成が矛盾しない限り、どのように組み合わせても、どのような組み合わせにて組み合わせてもよい。疑義を避けるため明らかにすると、本明細書にて使用される「であってもよい」「および/または」「例えば」等の表現は、非限定的に解釈されるべきものであり、記載された如何なる構造もその存在は必須ではない。また、請求項に明記されているかどうかにかかわらず、本発明の範囲から逸脱せずに、選択的な構造の如何なる組み合わせも明らかに想到できるものである。本願の出願人は、出願時の当初の特許請求の範囲を補正して他の任意の請求項に従属させたり、当初の特許請求の範囲に記載していない任意の構成を組み込んだりする事を含む、出願時の当初の特許請求の範囲を変更する権利や新たな請求項を提出する権利を留保する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本発明の一実施形態による栓の斜視図である。
図2図1の栓の底面図である。
図3図2のA−Aにおける図1および2の栓の斜視断面図である。
図4】軸方向外部リブ間の側壁の一部における図1ないし3の栓の部分断面図である。
図5】飲料用瓶の頚部に装着された栓を示す、図3と同様の斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1ないし5において、容器頚部11を密封する栓1を示す。上記栓1は、閉口端20と開口端21を有する筒状本体2と、上記筒状本体2の開口端21に複数の破断可能ブリッジ部22により接続されたタンパーエビデンスバンド(タンパーエビデンスバンド)3を有する。上記本体2は、頂壁4、上記頂壁4から下垂した側壁5、上記側壁5を上記頂壁4に繋げる中間壁6と、上記中間壁6から下垂した密封システム7、および軸リブ8の形態である一連の外部刻み目を有する。上記頂壁4は、上記本体2の閉口端20を形成し、上記側壁5は、上記タンパーエビデンス3が破断可能に接続されている上記本体2の開口端21を形成する。上記タンパーエビデンス3は、その下端において、上記栓1の開口部10を画定する。
【0044】
上記タンパーエビデンスバンド3は略筒状の形状を有し、周囲内面30と該内面30から突出した複数の留め用カム31を備えている。各留め用カム31は、上記栓1の開口端10の方向を向いた引き込みランプ32と、上記本体2の閉口端20の方向に向いたキャッチまたは止部33を備える。各引き込みランプ32には、中央部に凹部34が形成され、該凹部34の両側には、一対の間隔を置いて設けられたランプ部35が形成されている。各凹部34は、該凹部34の基部が上記バンド3の内面30と略連続または同一平面上になるように上記カム31から成形材料を取り除いて形成された扇状部分にて提供される。
【0045】
各カム31の上記止部33は、上記バンド31の周囲に延びるリブの形状を有し、ランプ部35に架して、ランプ部35に略U字型のカム31を形成する。止部33は、該U字の基部を形成し、ランプ部35が該U字の腕部を形成する。本実施形態において、止部33は、容器頚部11のフランジ12と係合する上記バンド3の内面30に対して略垂直に延びる半径方向の係合面33aを有する。係合面33aは、例えば金型からパーツの取り出しを容易にする狭い傾斜を有している。
【0046】
各ランプ部35は、容器頚部11のフランジ12と接するための、上記栓1の開口部10に向かって傾斜したランプ面35aを備える。また、各ランプ部35は、フランジ12がランプ部35の上に乗りあがるにつれ、それによりフランジ12により印加される圧力の増加を吸収するようにランプ部35の幅が広くなるように上記栓1の開口部10に向かって止部33から先細りになっている側面35bを有している。
【0047】
上記留め用カム31の上記形状の結果、上記構造によれば、従来の設計と比較して、上記カム31が機能するのに必要な材料が少なくてすむ。また、上記留め用カム31の形状により、壁の厚さがより一定になる。これにより、引けマーク(シンクマーク)のリスクを低減し、従来のカム設計により一般に実用的とされるものよりさらに上記タンパーエビデンスバンドの厚さを薄くする事を可能にする。本願出願人は、バンドの厚さが薄くなると、上記カム形状と共に、装着後バンド3を取り外す作業をすると塑性的により変形し易くなるような厚さに上記タンパーエビデンスバンド3をすることができることを見出した。これにより、不正開封の視覚的明示を強化し、開封明示機能の効果を高めることができる。
【0048】
上記頂壁4は、略ディスク状の形状をしており、第1直径D1を有する。上記側壁5は、環状であり、第1直径D1より大きい第2直径D2を有する。上記側壁5は、軸方向の通気路を形成する不連続部56によりそれぞれ分離されているセグメント54および55により形成された複数の巻き51、52、53を有するネジ山50を有する。しかし、本発明によれば、セグメント55の一部は、巻き51、52、53中の他の巻きにおいて不連続部56と軸方向に並んでいる領域において不連続になっていない。
【0049】
本願出願人は、巻き51、52、53の1つにおいて不連続部56を省略することにより、驚くことに、容器頚部11への装着時に栓1に印加される過度のトルクに耐えるのに効果があることを見出した。より具体的には、連続セグメント55は、容器の圧力がかかった内容物を排気する栓1の能力を損ねることなく、ネジ山50に対するダメージを軽減する。
【0050】
中間壁6は、第1軸方向壁部61と第2半径方向壁部62から形成される環状段部60を備えている。上記軸方向壁部61は、頂壁4の周囲から下垂しており、第1肩部63によりそこに接続されて、頂壁4の周りに曲面を描いて略垂直に移行する部分を形成する。半径方向壁部62は、軸方向壁部61の下端を第2肩部64により環状側壁5の頂部に接続し、同様に半径方向壁部62の内周の周りに曲面を描いて略垂直に移行する部分を形成する。また、半径方向壁部62は、そこから下垂し、同間隔で周囲に設けられた7つの突起部またはパッド65を備える。各パッド65は、栓1が容器頚部11に装着された時、容器頚部11の頂面13が当接する当接面66を有する。各パッド65は、当接面66がパッド65の頂点を形成するように半径方向壁部62に当接面66から傾斜する側面を有する。よって、パッド65は、上記容器頚部11の頂面13と係合する複合当接面66を共同で形成する。
【0051】
よって、プリフォームの拡張部は、上記当接面から上記頂壁の頂部までとなる。栓の効果的な高さは、上記側壁の基部から上記頂壁の頂部までとなり、栓全体の高さは、上記テンパーエビデンスバンドの基部から上記頂壁の頂部までとなる。この実施形態では、上記拡張部は、上記栓の効果的な高さの約35%であり、全体の栓の高さの約30%である。
【0052】
密封システム7は、中間壁6の上記軸方向壁部61と上記半径方向壁部62の連結部から下垂する内部オリーブ密封部70を有し、拡張部を提供するように軸方向壁部61と略整合している。オリーブ密封部70は、略筒状の形状を有し、軸方向壁部61の内面と連続し、略平行である内面71と、その下端の自由端部に隣接する外側に突出したビーズ72を有している。また、オリーブ密封部70は、その下端の自由端部からビーズ72に延びる先細りの外側引き込み部73を有し、上記容器頚部11の頂面13の内側縁部との係合を行う。また、上記密封システムは、外側の環状密封部74を有し、上記容器頚部11の外面14との係合を行う。外側密封部74は、半径方向壁部62と側壁5とを繋ぐ第2肩部64に、間隔を設けながら隣接している。
【0053】
上記栓1が上記容器頚部11に装着されると、図5に示すように、上記容器頚部11の頂面13の中央部が、上記パッド65により形成された複合当接面66と当接し、上記密封システム7が上記容器頚部11の内側と外側の両方を密封する。より具体的には、上記オリーブ密封部70のビーズ72が上記容器頚部11の内面15に対して密封し、上記外側密封部74が上記容器頚部11の外面14に対して密封を行う。
【0054】
上記パッド65は、上記オリーブ密封部70と外側密封部74の間の中間の位置にあり、その側面は上記密封部70、74に傾斜しているが、密封部70、74がパッド65から間隔を置いて設けられている連続した環状ヒンジ部の周りで変形するように上記密封部70、74から間隔を開けた位置において半径方向壁部62に繋がっている。これにより、密封部70、74の基部にパッドが繋がっている場合にパッド65の領域に局地的に厚い部分ができることを回避して、密封部70、74がその全周において均一に変形することを確実にする。
【0055】
上記外側の刻み目、または軸リブ8は、第1リブ群80と第2リブ群81を交互になった状態で有し、各第2リブ81は、第1リブ80の各対間に配置されている。上記第1および第2リブ80、81の幅は、略同じであるが、上記第1リブ80の方が上記第2リブ81より長い。上記第1リブ80は、上記頂壁4から上記側壁5の上記下端におけるリング82にまで延びている。
上記第2リブ81は、上記中間壁6から上記側壁5の上記下端におけるリング82まで延びている。上記第1リブ80は、上記中間壁6により形成された環状段部60の外面から延びる四分円部83を有している。これにより、第1リブ80は、上記栓の本体2の全長に亘り延びる握り機構を提供し、段部60を覆って、従来の栓1と同様の全体プロフィールを呈する。
【0056】
しかし、上記第1リブ80を成形するには、金型(図示せず)の成形表面の対応する突起が必要とされる。上記第1リブ80の深さは、適切な冷却および上記金型表面の突起へのダメージからの影響緩和のため上記金型に要求される間隔についていくらか制限を加える。上記リブ8の密度を上げるため、上記環状段部60に終端を有し、上記四半円部83を有さない上記第2リブ81が、上記第1リブ80の間に設けられている。結果、上記側壁5の上記リブ8の密度は、上記環状段部60の周りの密度より2倍になり、上記側壁5のグリップ性を向上させる。
【0057】
または、本技術の実施形態は、以下の番号を付した各項のように要約されうる。
【0058】
(第1項)
容器の頚部開口部を密封するための栓(1)であって、
閉口端(20)と開口端(21)を有する筒状の本体(2)と、
上記本体(2)の開口端(20)に破断可能に接続された環状のタンパーエビデンスバンド(3)と、
上記タンパーエビデンスバンド(3)は複数の留め用カム(31)を備え、上記複数の留め用カム(31)はそれぞれその内面(30)から突出し、使用時に容器頚部(11)が上記本体の開口端(21)に挿入されると上記頚部(11)のフランジ(12)が係合する引き込みランプ(32)と、上記栓(1)が上記容器から取り外される時に上記フランジ(12)に係合して上記本体(2)から上記タンパーエビデンスバンド(3)を分離させる止部(33)とを有し、上記複数の留め用カム(31)内の少なくとも1つの上記引き込み用ランプ(32)は凹部(34)を有するように構成された栓(1)。
【0059】
(第2項)
第1項に記載の栓であって、上記凹部(34)は上記引き込みランプ(32)の中央部にあり、上記容器頚部(11)のフランジ(12)と当接する、間隔を置いて設けられた2つ以上のランプ部(35)を画定するように構成された栓(1)。
【0060】
(第3項)
第2項に記載の栓であって、上記ランプ部(35)の間の凹部(34)の少なくとも一部が、上記タンパーエビデンスバンド(3)の内面(30)と連続または同一平面上にあるように構成された栓。
【0061】
(第4項)
第2項または第3項に記載の栓であって、上記止部(33)は上記閉口端(20)の方向に配向されており、上記間隔を置いて設けられたランプ部(35)を架して設けられているように構成された栓。
【0062】
(第5項)
第4項に記載の栓であって、上記少なくとも1つのカム(31)は、略U字型であり、各ランプ部(35)は、上記タンパーエビデンスバンド(3)の開口端(10)に向かって傾斜し、上記容器頚部(11)のフランジ(12)と当接するランプ面(35a)を有し、上記止部(33)は上記フランジと係合する、間隔を置いて設けられたランプ部を架する略半径方向の面(33a)を有するように構成された栓。
【0063】
(第6項)
第2項ないし第5項の何れか1項に記載の栓であって、各ランプ部(35)は、上記止部(33)から上記タンパーエビデンスバンド(3)の開口端(10)に向かって先細りになる側面(35b)を有するように構成された栓。
【0064】
(第7項)
第2項ないし第6項の何れか1項に記載の栓であって、上記凹部(34)は、上記カム(31)から成形材料を取り除いて形成された扇状部分を有するように構成された栓。
【0065】
(第8項)
第1項ないし第7項の何れか1項に記載の栓であって、上記閉口端(20)を画成する頂壁(4)と、上記頂壁(4)から下垂し上記本体(2)の開口端(21)を画成する環状側壁(5)を有し、上記側壁(5)は、2周以上の巻き(51、52、53)を有するネジ山(50)を備え、上記巻きの各周は軸方向の通気路を形成する複数の不連続部(56)を有しており、巻き(51、52、53)の一つは、他の巻き(51、52、53)の不連続部(56)と軸方向に整合している連続部(55)を有するように構成された栓。
【0066】
(第9項)
第8項に記載の栓であって、上記頂壁(4)は、そこから下垂し、上記容器頚部(11)の頂面(13)と当接する当接面(66)を有する当接部(6、65)を有するように構成された栓。
【0067】
(第10項)
第9項に記載の栓であって、上記当接部(6、65)は、上記頂壁(4)から下垂し上記頂壁の周囲方向に間隔を置いて設けられた複数の突出部(65)を有し、各突出部(65)は上記当接面(66)の一部(66)をなしているように構成された栓。
【0068】
(第11項)
第9項または第10項に記載の栓であって、上記側壁(5)と上記頂壁(4)の周囲との間に中間壁(6)を有し、上記頂壁(4)は第1直径(D1)を有し、上記環状側壁(5)は該第1直径(D1)より大きい第2直径(D2)を有し、上記中間壁(6)は上記頂壁(4)の周囲から下垂する第1軸方向部(61)と、上記環状側壁(5)に上記第1軸方向部(61)の下端を繋げる第2半径方向部(62)とを有する環状段部を有し、上記半径方向部(62)は上記当接部または上記当接面(66)を含むように構成された栓。
【0069】
(第12項)
第11項に記載の栓であって、第10項を引用する場合、上記突出部(65)は上記半径方向部(62)から下垂し、上記半径方向部の周囲方向に間隔を置いて設けられているように構成された栓。
【0070】
(第13項)
第12項に記載の栓であって、上記半径方向部(62)の内側から下垂した内側環状密封部(70)と、上記半径方向部(62)の外側または中間部から下垂した外側環状密封部(74)とを有し、上記突出部(65)は上記内側および外側密封部(70、74)の間に、上記内側および外側密封部それぞれから間隔を置いて設けられているように構成された栓。
【0071】
(第14項)
第12項または第13項に記載の栓であって、各突出部(65)は上記半径方向部(62)からその当接面(66)に向かって先細りになっているように構成された栓。
【0072】
(第15項)
第11項ないし第14項の何れか1項に記載の栓であって、第1および第2リブ(80、81)を含む複数の軸方向外部リブ(8)を備え、上記第1リブ(80)は上記第2リブ(81)より長いように構成された栓。
【0073】
(第16項)
第15項に記載の栓であって、上記第1リブ(80)は上記頂壁(4)から上記側壁(5)の基部に向けて延在しており、上記第2リブ(81)は上記中間壁(6)から上記側壁(5)の基部に向けて延在するように構成された栓。
【0074】
(第17項)
第15項または第16項に記載の栓であって、各第2リブ(81)は、対になった上記第1リブ(80)の間に設けられているように構成された栓。
【0075】
(第18項)
第9項ないし第17項の何れか1項に記載の栓であって、上記当接面(66)から上記頂壁(4)の頂部までの延長部と、上記側壁(5)の基部から上記頂壁(4)の頂部までの有効栓高さを有し、上記延長部は、上記有効栓高さの少なくとも10%であるように構成された栓。
【0076】
(第19項)
第18項に記載の栓であって、上記延長部は上記有効栓高さの少なくとも25%であるように構成された栓。
【0077】
(第20項)
第18項ないし第19項に記載の栓であって、上記タンパーエビデンスバンド(3)の基部から上記頂壁(4)の頂部までの栓全体の高さを有し、上記延長部は上記栓全体の高さの少なくとも10%であるように構成された栓。
【0078】
(第21項)
請求項20に記載の栓であって、上記延長部は上記栓全体の高さの少なくとも20%であるように構成された栓。
【0079】
(第22項)
第1項に記載の栓であって、上記閉口端(20)を画成する頂壁(4)と、上記頂壁(4)から下垂し上記本体(2)の開口端(21)を画成する環状側壁(5)と、上記側壁(5)と上記頂壁(4)の周囲の間にある中間壁(6)と、複数の軸方向外部リブ(8)とを有し、上記頂壁(4)は第1直径(D1)を有し、上記環状側壁(5)は該第1直径(D1)より大きい第2直径(D2)を有し、上記中間壁(6)は上記頂壁(4)の周囲から下垂する第1軸方向部(61)と、上記環状側壁(5)に上記第1部(61)の下端を繋げる第2半径方向部(62)と、を有する環状段部(60)を有し、上記第2半径方向部はそこから下垂する複数の突出部(65)を有し、上記複数の突出部は上記第2半径方向部の周囲に間隔を置いて設けられていて上記容器頚部(11)の頂面(13)に当接する当接面(66)が設けられており、上記側壁(5)は、2周以上の巻き(51、52、53)を有するネジ山(50)を備え、上記巻き(51、52、53)の各周は軸方向の通気路を形成する複数の不連続部(56)を有しており、上記巻きの一つは、他の巻き(51、52、53)の不連続部(56)に軸方向に整合する連続部(55)を有し、上記複数のリブ(8)は、上記頂壁(40)から上記側壁(5)の基部に向けて延在する第1リブ(80)と、該第1リブ(80)の各対の間に設けられた第2リブ(81)を含み、上記第2リブ(81)は上記第1リブ(80)より短く、かつ上記中間壁(6)から上記側壁(5)の基部に向けて延在するように構成された栓。
【0080】
(第23項)
容器の頚部開口部を密封するための栓(1)であって、
頂壁(4)と、該頂壁(4)から下垂する環状側壁(5)を有し、
上記頂壁(4)は、そこから下垂する当接部(6、65)を有し、上記頂壁(4)の周囲に間隔を置いて設けられ、上記容器頚部(11)の頂面(13)に当接する複合当接面(66)を形成する複数の突出部(65)を該当接部が有していることを特徴とする栓(1)。
【0081】
(第24項)
容器の頚部開口部を密封するための栓(1)であって、
頂壁(4)と、該頂壁(4)から下垂する環状側壁(5)と、該側壁(5)と上記頂壁(4)の周囲との間にある中間壁(6)と、複数の軸方向外部リブ(8)とを有し、上記頂壁(4)は第1直径(D1)を有し、上記環状側壁(5)は該第1直径(D1)より大きい第2直径(D2)を有し、上記中間壁(6)は、上記頂壁(4)の周囲から下垂する第1軸方向部(61)と、上記環状側壁(5)に上記第1部(61)の下端を繋げる第2半径方向部(62)とを有する環状段部(60)を有し、上記複数のリブ(8)は、上記頂壁(4)から上記側壁(5)の基部に向けて延在する第1リブ(80)と、該第1リブ(80)の各対の間に設けられた第2リブ(81)を含み、上記第2リブ(81)は上記第1リブ(80)より短く、かつ上記中間壁(6)から上記側壁(5)の基部に向けて延在していることを特徴とする栓(1)。
【0082】
(第25項)
成形配置時に、第1項ないし第24項の何れか1項に記載の栓(1)を成形する成形用キャビティを共に形成する複数の成形インサートを備える金型スタック。
【0083】
(第26項)
第25項に記載の成形スタックを備える金型。
【0084】
(第27項)
第26項に記載の金型を備える成形システム。
【0085】
当業者は、本発明の範囲を逸脱することなく上記実施形態に対するいつくかの変形例に送達できることを理解するであろう。当業者は、上記構成および/または添付の図面に示した構成の多数の組み合わせが従来技術に対して効果を奏し、よって、ここに記載された本発明の範囲内であることを理解するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5