特許第6554194号(P6554194)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6554194
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】アタッチメントおよび照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/19 20180101AFI20190722BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20190722BHJP
   F21S 43/19 20180101ALI20190722BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20190722BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20190722BHJP
   F21V 23/06 20060101ALI20190722BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20190722BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20190722BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20190722BHJP
【FI】
   F21S41/19
   F21S2/00 312
   F21S43/19
   F21V19/00 213
   F21V19/00 211
   F21V23/00 160
   F21V23/06
   F21Y115:10
   F21Y115:15
   F21Y115:30
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-20125(P2018-20125)
(22)【出願日】2018年2月7日
(62)【分割の表示】特願2013-168706(P2013-168706)の分割
【原出願日】2013年8月14日
(65)【公開番号】特開2018-81935(P2018-81935A)
(43)【公開日】2018年5月24日
【審査請求日】2018年3月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松永 崇
【審査官】 下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−194173(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0023323(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/19
F21S 2/00
F21S 43/19
F21V 19/00
F21V 23/00
F21V 23/06
F21Y 115/10
F21Y 115/15
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体光源を支持体に固定するアタッチメントであって、
前記支持体に固定された前記半導体光源から出射された光が通過可能な開口が形成された枠体と、
第1導電端子と、
第2導電端子と、
を備えており、
前記開口は、第1方向について対向する第1縁部と第2縁部を有しており、
前記第1導電端子と前記第2導電端子は、前記第1方向と直交する第2方向から見て前記第1縁部から前記第2縁部に向かって延びる部分を有しており、
前記第1導電端子は、前記第1縁部に配置されている第1基端部、前記第2縁部に近づくにつれて前記支持体に固定された前記半導体光源から離れる方向へ当該第1基端部から延びる第1傾斜部、および前記第2縁部に近づくにつれて前記支持体に固定された前記半導体光源に近づく方向へ延びる部分を含むように当該第1傾斜部から延びている一対の第1腕部を有しており、
前記第2導電端子は、前記第1縁部に配置されている第2基端部、前記第2縁部に近づくにつれて前記支持体に固定された前記半導体光源から離れる方向へ当該第2基端部から延びる第2傾斜部、および前記第2縁部に近づくにつれて前記支持体に固定された前記半導体光源に近づく方向へ延びる部分を含むように当該第2傾斜部から延びている一対の第2腕部を有しており、
前記一対の第1腕部の各々は、前記第1方向と前記第2方向に直交する第3方向に沿う幅寸法が同方向に沿う前記第1傾斜部の幅よりも狭く、かつ前記支持体に固定された前記半導体光源が備える第1給電部に接触する第1接点部を有しており、
前記一対の第2腕部の各々は、前記第3方向に沿う幅寸法が同方向に沿う前記第2傾斜部の幅よりも狭く、かつ前記支持体に固定された前記半導体光源が備える第2給電部に接触する第2接点部を有している、アタッチメント。
【請求項2】
前記枠体は、前記支持体に固定された前記半導体光源の上面に当接する保持部を有しており、当該保持部は絶縁性材料からなる、請求項1に記載のアタッチメント。
【請求項3】
前記保持部は、前記開口の周縁部より内側に向かって延びており、先端側の幅が基端側よりも狭くなっている、請求項2に記載のアタッチメント。
【請求項4】
前記枠体は、それぞれ前記第1方向に平行な向きに延びる第1固定部と第2固定部を備え、
前記第1固定部には、前記枠体を前記支持体に締結する第1締結部材が挿通される第1貫通孔が形成されており、
前記第2固定部には、前記枠体を前記支持体に締結する第2締結部材が挿通される第2貫通孔が形成されており、
前記第1貫通孔と前記第2貫通孔の中心同士を結ぶ直線は、前記第1導電端子と前記第2導電端子の間を延びている、請求項1から3のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項5】
前記第1基端部は、前記第3方向に沿って前記第2導電端子から離れる方向にのみ幅が広げられた部分を有しており、
前記第2基端部は、前記第3方向に沿って前記第1導電端子から離れる方向にのみ幅が広げられた部分を有している、
請求項1から4のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項6】
支持体と、
前記支持体上に配置され、第1給電部と第2給電部を備える半導体光源と、
前記半導体光源を前記支持体に固定するアタッチメントと、
を備えており、
前記アタッチメントは、
前記半導体光源から出射された光が通過可能な開口が形成された枠体と、
第1導電端子と、
第2導電端子と、
を備えており、
前記開口は、第1方向について対向する第1縁部と第2縁部を有しており、
前記第1導電端子と前記第2導電端子は、前記第1方向と直交する第2方向から見て前記第1縁部から前記第2縁部に向かって延びる部分を有しており、
前記第1導電端子は、前記第1縁部に配置されている第1基端部、前記第2縁部に近づくにつれて前記支持体に固定された前記半導体光源から離れる方向へ当該第1基端部から延びる第1傾斜部、および前記第2縁部に近づくにつれて前記支持体に固定された前記半導体光源に近づく方向へ延びる部分を含むように当該第1傾斜部から延びている一対の第1腕部を有しており、
前記第2導電端子は、前記第2縁部に近づくにつれて前記支持体に固定された前記半導体光源から離れる方向へ当該第2基端部から延びる第2傾斜部、前記第1縁部に配置されている第2基端部、および前記第2縁部に近づくにつれて前記支持体に固定された前記半導体光源に近づく方向へ延びる部分を含むように当該第2傾斜部から延びている一対の第2腕部を有しており、
前記一対の第1腕部の各々は、前記第1方向と前記第2方向に直交する第3方向に沿う幅寸法が同方向に沿う前記第1傾斜部の幅よりも狭く、かつ前記第1給電部に接触する第1接点部を有しており、
前記一対の第2腕部の各々は、前記第3方向に沿う幅寸法が同方向に沿う前記第2傾斜部の幅よりも狭く、かつ前記第2給電部に接触する第2接点部を有している、照明装置。
【請求項7】
前記半導体光源から出射された光を、前記半導体光源の前方を含む方向に反射するリフレクタを備え、
前記第1方向は、前記半導体光源の前後方向に対応する、請求項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体光源を支持体に固定するアタッチメントに関する。また本発明は、当該半導体光源と当該アタッチメントを備える照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
照明装置の一例としての車両用灯具の光源として、発光ダイオード(LED)などの半導体発光素子を含む半導体光源が知られている。半導体光源は、発光に伴い発生する熱を放散するヒートシンクなどの支持体上に固定される。固定の際には、アタッチメントと呼ばれる部材が用いられる。アタッチメントは、導電端子を備えている。導電端子の一端は、半導体光源が備える給電部と接触する。導電端子と給電部を通じて、外部より半導体光源へ電力が供給される(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−192139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
照明装置に搭載される半導体光源には小型化が求められている。本発明は、そのような半導体光源を用いることが可能なアタッチメントを提供し、ひいては照明装置の小型化を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明がとりうる第1の態様は、半導体光源を支持体に固定するアタッチメントであって、
前記支持体に固定された前記半導体光源から出射された光が通過可能な開口が形成された枠体と、
前記開口の縁部から第1方向に延びる第1導電端子と、
前記縁部から前記第1方向に延びる第2導電端子とを備え、
前記第1導電端子と前記第2導電端子は、前記支持体に固定された前記半導体光源が備える第1給電部と第2給電部にそれぞれ接触する形状とされている。
【0006】
このような構成によれば、第1導電端子と第2導電端子が同一方向に延びていることにより、複数の給電部が一端縁側に配列された半導体光源を用いることができる。光源の小型化を志向した場合には、このような給電部のレイアウトが採用される傾向にある。すなわち、小型化の要求に基づいた半導体光源を用いることが可能となり、ひいては当該半導体光源を備える照明装置を小型化できる。
【0007】
したがって、上記の目的を達成するために本発明がとりうる第2の態様は、照明装置であって、
支持体と、
前記支持体上に配置され、第1給電部と第2給電部を備える半導体光源と、
前記半導体光源を前記支持体に固定するアタッチメントとを備え、
前記アタッチメントは、
前記半導体発光素子から出射された光が通過可能な開口が形成された枠体と、
前記開口の縁部から第1方向に延び、前記第1給電部に接触する第1導電端子と、
前記縁部から前記第1方向に延び、前記第2給電部に接触する第2導電端子とを備える。
【0008】
上記のアタッチメントにおいて、前記枠体は、前記支持体に固定された前記半導体光源の上面に当接する保持部を有している構成としてもよい。
【0009】
このような構成によれば、半導体光源を支持体に対して堅固に保持できるだけでなく、保持部が当接する半導体光源の上面に絶縁処理を施す必要がない。光源の低コスト化を志向した場合には、上面に絶縁処理が施されていない構成が採用される傾向にある。すなわち、低コスト化の要求に基づいた半導体光源を用いることが可能となり、ひいては当該半導体光源を備える照明装置のコストを抑制できる。
【0010】
ここで前記保持部は、前記開口の周縁部より内側に向かって延びており、先端側の幅が基端側よりも狭くなっている構成としてもよい。
【0011】
このような構成によれば、保持部が撓みやすくなる。これにより保持部が適度の押圧力とともに半導体光源に対して圧接されうる。したがって、半導体光源を支持体に対して安定的に保持できる。
【0012】
上記のアタッチメントにおいて、前記枠体は、それぞれ前記第1方向に平行な向きに延びる第1固定部と第2固定部を備える構成としてもよい。この場合、前記第1固定部には、前記枠体を前記支持体に締結する第1締結部材が挿通される第1貫通孔が形成され、前記第2固定部には、前記枠体を前記支持体に締結する第2締結部材が挿通される第2貫通孔が形成される。さらに前記第1貫通孔と前記第2貫通孔の中心同士を結ぶ直線が、前記第1導電端子と前記第2導電端子の間を延びている構成とされる。
【0013】
このような構成によれば、第1締結部材と第2締結部材による締結力を、第1導電端子と第2導電端子に等しく作用させることができる。これにより、第1導電端子と第2導電端子の第1給電部と第2給電部に対する接触力を、偏りなく安定に保つことができる。これにより半導体光源の動作状態が安定する。
【0014】
上記の照明装置は、前記半導体光源から出射された光を、前記半導体光源の前方を含む方向に反射するリフレクタを備えている。この場合、前記第1方向は、前記半導体光源の前後方向に対応する構成としてもよい。
【0015】
一般に、出射光を光源の前方に照射する光学系においては、光源の前後方向に構造物を配置しない方がよいとされている。しかしながら、リフレクタの反射面を経由させることにより、出射光の進行方向を容易に制御することが可能となる。したがって、スペースに比較的余裕のある半導体光源の前方または後方に第1導電端子と第2導電端子を配置して、照明装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る灯具ユニットが備える支持体を示す斜視図である。
図2】上記の支持体に半導体光源が載置された状態を示す斜視図である。
図3】上記の支持体にアタッチメントが装着された状態を示す斜視図である。
図4】上記の支持体にリフレクタが装着された状態を示す斜視図である。
図5】上記のアタッチメントの構成を示す斜視図である。
図6】上記のアタッチメントの構成を示す平面図および背面図である。
図7】上記アタッチメントと半導体光源の位置関係を示す平面図である。
図8】上記アタッチメントと半導体光源の位置関係を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
添付の図面を参照しつつ本発明に係る実施形態の例について以下詳細に説明する。なお以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。また以降の説明に用いる「右」および「左」は、運転席から見た左右の方向を示している。
【0018】
図1は、照明装置の一例としての灯具ユニット1(図4参照)が備える支持体10を示す。灯具ユニット1は、例えば車両に搭載される前照灯装置に装備される。支持体10は、左側支持領域11と右側支持領域12を含んでいる。左側支持領域11の上面には、前側位置決めピン13aと後側位置決めピン13bが設けられ、上方に延びている。右側支持領域12の上面には、前側位置決めピン14aと後側位置決めピン14bが設けられ、上方に延びている。
【0019】
左側支持領域11における前側位置決めピン13aと後側位置決めピン13bの間には、左側光源搭載部15が設けられている。左側光源搭載部15の上面からは、左側位置決めピン15aと右側位置決めピン15bが上方に延びている。右側支持領域12における前側位置決めピン14aと後側位置決めピン14bの間には、右側光源搭載部16が設けられている。右側光源搭載部16の上面からは、左側位置決めピン16aと右側位置決めピン16bが上方に延びている。
【0020】
左側支持領域11における前側位置決めピン13aの前方には、前側ねじ孔17aが形成されている。左側支持領域11における後側位置決めピン13bの後方には、後側ねじ孔17bが形成されている。右側支持領域12における前側位置決めピン14aの前方には、前側ねじ孔18aが形成されている。右側支持領域12における後側位置決めピン14bの後方には、後側ねじ孔18bが形成されている。
【0021】
図2に示すように、左側支持領域11における左側光源搭載部15と右側支持領域12における右側光源搭載部16に、同一の構成を有する半導体光源20がそれぞれ搭載される。半導体光源20の構成および左側光源搭載部15と右側光源搭載部16への搭載法の詳細については後述する。
【0022】
図3に示すように、左側支持領域11に左側アタッチメント30が装着されることにより、半導体光源20が左側光源搭載部15に固定される。また右側支持領域12に右側アタッチメント40が装着されることにより、半導体光源20が右側光源搭載部16に固定される。左側アタッチメント30と右側アタッチメント40の構成、および左側支持領域11と右側支持領域12への装着法の詳細については後述する。
【0023】
図4に示すように、左側支持領域11に左側リフレクタ50が装着され、右側支持領域12に右側リフレクタ60が装着されることにより、灯具ユニット1が構成される。
【0024】
左側リフレクタ50の内面は、反射面51とされている。左側リフレクタ50は、左側アタッチメント30により固定された半導体光源20に反射面51が対向するように配置される。当該半導体光源20から出射された光は、反射面51により反射されて当該半導体光源20の前方を含む方向へ照射される。右側リフレクタ60の内面は、反射面61とされている。右側リフレクタ60は、右側アタッチメント40により固定された半導体光源20に反射面61が対向するように配置される。当該半導体光源20から出射された光は、反射面61により反射されて当該半導体光源20の前方を含む方向へ照射される。
【0025】
左側リフレクタ50と右側リフレクタ60の前方には、それぞれ必要に応じて図示しないレンズが配置されうる。レンズを通過する反射光は、所定の配向制御を受ける。灯具ユニット1は、車両における適宜の位置に搭載される。各半導体光源20から出射された光は、灯具ユニット1の前方における所定の領域を照明する。
【0026】
図5の(a)は、左側アタッチメント30を右斜め後方から見た外観を示す斜視図である。左側アタッチメント30は、樹脂などの絶縁性材料からなる枠体31を備えている。枠体31には、開口31a、前側位置決め孔31b、および後側位置決め孔31cが形成されている。開口31a、前側位置決め孔31b、および後側位置決め孔31cは、それぞれ枠体31を上下方向に貫通している。
【0027】
左側アタッチメント30は、前側固定片32と後側固定片33をさらに備えている。前側固定片32は、枠体31の前端部より前方に延びている。前側固定片32には前側固定孔32aが形成されている。前側固定孔32aは、前側固定片32を上下方向に貫通している。後側固定片33は、枠体31の後端部より後方に延びている。後側固定片33には後側固定孔33aが形成されている。後側固定孔33aは、後側固定片33を上下方向に貫通している。
【0028】
左側アタッチメント30は、コネクタ部34をさらに備えている。コネクタ部34は、枠体31の右端部と一体に成形されている。コネクタ部34には、後方に開口する接続孔34aが形成されている。図6の(b)に示すように、接続孔34aの内部には、接続端子34b、34cが配置されている。
【0029】
図5の(a)に示すように、左側アタッチメント30は、左側導電端子35と右側導電端子36をさらに備えている。左側導電端子35と右側導電端子36は、銅などの導電性材料からなり、例えばインサート成型により、枠体31およびコネクタ部34と一体成型されている。左側導電端子35と右側導電端子36の一部は、枠体31に形成された開口31a内に露出している。左側導電端子35と右側導電端子36の残りの部分は、枠体31内部を延び、それぞれコネクタ部34に設けられた接続端子34b、34cと物理的および電気的に接続されている。
【0030】
図5の(b)は、右側導電端子36における開口31a内に露出している部分を拡大して示す斜視図である。当該部分は、基端部36a、傾斜部36b、一対の腕部36cを有している。
【0031】
基端部36aは、上述のインサート成型が行なわれる過程で金型に挟まれる部位である。基端部36aは平坦面とされているため、金型に挟まれる際の支持状態が安定する。これにより安定した成形品質を維持できる。基端部36aの幅は、その前端部において右側のみに広げられて拡幅部36a1を形成している。
【0032】
傾斜部36bは、基端部36aの後端より連続して後方かつ斜め上方に延びる部位である。一対の腕部36cは、傾斜部36bの後端より連続して後方に延びる部位である。一対の腕部36cは、それぞれ、平坦部36c1、傾斜部36c2、および接点部36c3を有している。平坦部36c1は、傾斜部36bの後端より連続して後方に延びる部位である。傾斜部36c2は、平坦部36c1の後端より連続して後方かつ斜め下方に延びる部位である。接点部36c3は、傾斜部36c2の後端に連続して形成されている部位である。このような形状を有することにより、一対の腕部36cは、上下方向にある程度の変位が可能な程度の弾性を有している。
【0033】
図6の(a)に示すように、左側導電端子35は、平面視で右側導電端子36と左右対称の形状を有している。すなわち、左側導電端子35の基端部(基端部36aに対応する部分)は、その前端部において左側のみに拡幅されて拡幅部(拡幅部36a1に対応)を形成している。左側導電端子35に係るそれ以外の構成は、右側導電端子36と実質的に同一であるため、詳細な説明は割愛する。
【0034】
左側導電端子35と右側導電端子36の各基端部は、開口31aの前端縁31a1に配置されている。すなわち、左側導電端子35と右側導電端子36は、ともに前端縁31a1より後方に延びている。各基端部は、それぞれ一方向のみに拡幅されているため、左右対称の形状を有する左側導電端子35と右側導電端子36を、可及的に接近させて配置できる。すなわち、小型化の要請により左側給電部24と右側給電部25の間隔が狭められた半導体光源20を用いることが可能となる。
【0035】
前側固定片32と後側固定片33は、左側導電端子35と右側導電端子36が延びる向きと平行に延びている。前側固定片32の前側固定孔32aは、左側導電端子35と右側導電端子36の前方に配置されている。後側固定片33の後側固定孔33aは、左側導電端子35と右側導電端子36の後方に配置されている。前側固定孔32aと後側固定孔33aは、それらの中心同士を結ぶ直線L1が左側導電端子35と右側導電端子36の間を延びるように配置されている。
【0036】
前側位置決め孔31bは、開口31aの左斜め前方に配置されている。後側位置決め孔31cは、開口31aの右斜め後方に配置されている。すなわち、前側位置決め孔31bと後側位置決め孔31cは、それらの中心同士を結ぶ直線L2が開口31aを斜めに横切るように配置されている。なお前側位置決め孔31bは、当該直線L2に沿う向きを長手方向とする長孔として形成されている。後側位置決め孔31cは、普通の丸孔として形成されている。
【0037】
図3に示すように、右側アタッチメント40は、左側アタッチメント30と左右対称の形状を有している。右側アタッチメント40に係るそれ以外の構成は、左側アタッチメント30と実質的に同一であるため、詳細な説明は割愛する。
【0038】
次に図7を参照しつつ、左側アタッチメント30を用いて半導体光源20を左側光源搭載部15に固定する方法について詳細に説明する。
【0039】
半導体光源20は、支持部21、左側発光素子22、右側発光素子23、左側給電部24、および右側給電部25を備えている。左側発光素子22と右側発光素子23は、例えば、それぞれ半導体光源20の上面に平面発光部を有する白色発光ダイオード(LED)である。左側給電部24と右側給電部25は、それぞれ導電性材料からなる接点である。
【0040】
支持部21は、左側発光素子22、右側発光素子23、左側給電部24、および右側給電部25を支持している。支持部21上には、図示しない回路パターンが形成されており、左側給電部24と右側給電部25を、それぞれ左側発光素子22と右側発光素子23に電気的に接続している。
【0041】
支持部21の左端部には、切欠き21aが形成されている。支持部21の右端部には、貫通孔21bが形成されている。切欠き21aと貫通孔21bは、支持部21を上下方向に貫通している。
【0042】
図2および図7に示すように、半導体光源20は、左側発光素子22、右側発光素子23、左側給電部24、および右側給電部25が上方を向くように、左側光源搭載部15上に載置される。このとき、図1に示した左側位置決めピン15aと右側位置決めピン15bが、それぞれ切欠き21aと貫通孔21bに挿入され、半導体光源20の左側光源搭載部15に対する位置決めがなされる。
【0043】
この状態から図3に示すように、左側光源搭載部15上に載置された半導体光源20の上方から、左側アタッチメント30が装着される。このとき、図1の示した前側位置決めピン13aと後側位置決めピン13bが、それぞれ前側位置決め孔31bと後側位置決め孔31cに挿入され、左側アタッチメント30の、支持体10(左側支持領域11)に対する位置決めがなされる。
【0044】
さらに図3に示すように、前側固定ねじ37が、前側固定片32の前側固定孔32aを挿通して図1に示した前側ねじ孔17aにねじ込まれ、後側固定ねじ38が、後側固定片33の後側固定孔33aを挿通して図1に示した後側ねじ孔17bにねじ込まれる。これにより、左側アタッチメント30は、支持体10(左側支持領域11)に対して固定される。
【0045】
支持体10には、図示しない光源制御部からの信号を伝達する信号線に接続された左側コネクタ70が装着されている。左側コネクタ70は、左側アタッチメント30が備えるコネクタ部34の接続孔34aに嵌入される。これにより当該信号線と、接続端子34b、34cが電気的に接続される。
【0046】
この状態において、図7に示すように、半導体光源20の左側発光素子22と右側発光素子23が、左側アタッチメント30の枠体31に形成された開口31aを通じて上方に露出する。すなわち、枠体31は、半導体光源20から出射された光が開口31aを通過可能な形状とされている。
【0047】
このとき右側導電端子36が備える一対の腕部36cの先端(接点部36c3)は、右側給電部25の上面に接触する。同様に、左側導電端子35の先端(接点部36c3に対応する部分)は、左側給電部24の上面に接触する。左側コネクタ70を介して入力された信号は、左側導電端子35と左側給電部24を経由して左側発光素子22に入力される。同様に、右側導電端子36と右側給電部25を経由して右側発光素子23に入力される。これにより、光源制御部による左側発光素子22と右側発光素子23の点消灯制御が可能とされる。
【0048】
また図7に示すように、枠体31に形成された保持部31a2〜31a5が、半導体光源20の支持部21の一部を覆うとともに、当該部分に上方から当接する。各保持部31a2〜31a5は、開口31aの周縁部から内側に向かって延びており、基端側よりも先端側の幅が狭くなっている。半導体光源20は、保持部31a2〜31a5により、左側光源搭載部15上に保持される。
【0049】
図3に示すように、右側光源搭載部16についても同様に、左側位置決めピン16aと右側位置決めピン16bを用いて、半導体光源20の右側光源搭載部16に対する位置決めがなされる。また前側位置決めピン14aと後側位置決めピン14bを用いて、右側アタッチメント40の支持体10(右側支持領域12)に対する位置決めがなされる。さらに、前側固定ねじ47と後側固定ねじ48を、それぞれ前側ねじ孔18aと後側ねじ孔18bにねじ込むことにより、右側アタッチメント40が、支持体10(右側支持領域12)に対して固定される。
【0050】
また右側コネクタ80が、右側アタッチメント40のコネクタ部(コネクタ部34の対応部分)に接続される。右側アタッチメント40と右側光源搭載部16に搭載された半導体光源20との関係に係るその他の構成は、左側アタッチメント30と左側光源搭載部15に搭載された半導体光源20との関係と実質的に同一であるため、詳細な説明は割愛する。
【0051】
図8は、図4に示すように支持体10に装着された左側リフレクタ50と、左側アタッチメント30によって左側光源搭載部15上に固定された半導体光源20との位置関係を模式的に示す縦断面図である。
【0052】
右側発光素子23から出射された光は開口31aを通過し、左側リフレクタ50の反射面51により、半導体光源20の前方を含む方向に反射される。右側導電端子36は、半導体光源20の前方に配置されている。右側導電端子36は、半導体光源20の前後方向に延び、その先端が右側給電部25に接触している。図に表れない左側発光素子22、左側給電部24、および左側導電端子35についても同様の関係が成立している。
【0053】
左側リフレクタ50の反射面51の形状は、反射光が左側導電端子35と右側導電端子36を避けるように調整されている。右側リフレクタ60の反射面61の形状についても同様である。
【0054】
なお支持体10は、アルミニウムなどの熱伝導性が高い材料により形成されている。これにより支持体10はヒートシンクとして機能し、半導体光源20の発光に伴って発生する熱を効率よく放散しうる。
【0055】
以上説明したように、本実施形態に係る左側アタッチメント30(アタッチメントの一例)は、車両に搭載される半導体光源20を支持体10に固定する。半導体光源20は、左側給電部24(第1給電部の一例)と右側給電部25(第2給電部の一例)を備えている。左側アタッチメント30は、枠体31、左側導電端子35(第1導電端子の一例)、および右側導電端子36(第2導電端子の一例)を備えている。枠体31には開口31aが形成されている。左側導電端子35と右側導電端子36は、開口31aの前端縁31a1(縁部の一例)から後方(第1方向の一例)に延びており、左側給電部24と右側給電部25にそれぞれ接触する形状とされている。
【0056】
上記のような構成によれば、左側導電端子35と右側導電端子36が同一方向に延びていることにより、図7に示すように複数の給電部が支持部21の一端縁側に配列された半導体光源20を用いることができる。光源の小型化を志向した場合には、このような給電部のレイアウトが採用される傾向にある。すなわち、小型化の要求に基づいた半導体光源20を用いることが可能となり、ひいては当該半導体光源20を備える灯具ユニット1を小型化できる。
【0057】
図7に示すように、左側導電端子35と右側導電端子36の基端部は、それぞれ外方に位置する側へのみ拡幅された形状を有している。したがって、各基端部の内方に位置する側同士を可及的に接近させることができる。光源のさらなる小型化を志向した場合には、複数の給電部同士は接近する傾向にある。すなわち、さらなる小型化の要求に基づいた半導体光源20を用いることが可能となり、ひいては当該半導体光源20を備える灯具ユニット1をさらに小型化できる。
【0058】
本実施形態に係る左側アタッチメント30においては、枠体31は絶縁性材料からなる。枠体31は保持部31a2〜31a5を有している。各保持部31a2〜31a5は、支持体10に固定された半導体光源20の上面に当接する。
【0059】
このような構成によれば、半導体光源20を支持体10に対して堅固に保持できるだけでなく、保持部31a2〜31a5が当接する半導体光源20の上面に絶縁処理を施す必要がない。光源の低コスト化を志向した場合には、上面に絶縁処理が施されていない構成が採用される傾向にある。すなわち、低コスト化の要求に基づいた半導体光源20を用いることが可能となり、ひいては当該半導体光源20を備える灯具ユニット1のコストを抑制できる。
【0060】
各保持部31a2〜31a5は、枠体31に形成された開口31aの周縁部より内側に向かって延びており、先端側の幅が基端側よりも狭くなっている。
【0061】
このような構成によれば、各保持部31a2〜31a5が撓みやすくなる。これにより各保持部31a2〜31a5が、適度の押圧力とともに半導体光源20に対して圧接されうる。したがって、半導体光源20を支持体10に対して安定的に保持できる。
【0062】
また隣接する保持部同士の間に区画される空間を有効活用できる。例えば本実施形態の場合、保持部31a3と31a5の間に区画される空間に位置決めピン15aが配置され、保持部31a2と31a4の間に区画される空間に位置決めピン15bが配置されている。
【0063】
枠体31は、左側導電端子35と右側導電端子36と平行な向きに延びる前側固定片32(第1固定部の一例)と後側固定片33(第2固定部の一例)を備えている。前側固定片32には、枠体31を支持体10に締結する前側固定ねじ37(第1締結部材の一例)が挿通される前側固定孔32a(第1貫通孔の一例)が形成されている。後側固定片33には、枠体31を支持体10に締結する後側固定ねじ38(第2締結部材の一例)が挿通される後側固定孔33a(第2貫通孔の一例)が形成されている。図6の(a)に示すように、前側固定孔32aと後側固定孔33aの中心同士を結ぶ直線L1は、左側導電端子35と右側導電端子36の間を延びている。
【0064】
このような構成によれば、前側固定ねじ37と後側固定ねじ38による締結力を、左側導電端子35と右側導電端子36に等しく作用させることができる。これにより、左側導電端子35と右側導電端子36の左側給電部24と右側給電部25に対する接触力を、偏りなく安定に保つことができる。これにより半導体光源20の動作状態が安定する。
【0065】
本実施形態に係る灯具ユニット1において、左側リフレクタ50(リフレクタの一例)は、半導体光源20から出射された光を、当該半導体光源20の前方を含む方向に反射する。前述のように、左側導電端子35と右側導電端子36の延びる向きは、半導体光源20の前後方向に対応している。
【0066】
一般に、出射光を光源の前方に照射する光学系においては、光源の前後方向に構造物を配置しない方がよいとされている。しかしながら、左側リフレクタ50の反射面51を経由させることにより、出射光の進行方向を容易に制御することが可能となる。したがって、スペースに比較的余裕のある半導体光源20の前方に左側導電端子35と右側導電端子36を配置して、灯具ユニット1の小型化を図ることができる。
【0067】
上記の実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであって、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく変更・改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは明らかである。
【0068】
半導体光源20は、白色発光ダイオードに限られるものではない。所定の色の光を出射する発光ダイオードを用いてもよく、レーザダイオードや有機EL素子のような半導体発光素子を備える光源を用いてもよい。
【0069】
枠体31に形成される開口31aの形状は、半導体光源20から出射された光が通過可能である限りにおいて任意に定めることができる。開口31aの周縁部31a2〜31a5の少なくとも1つは、半導体光源20の上面に当接しない構成としてもよい。
【0070】
上記の実施形態において、左側導電端子35と右側導電端子36の各基端部は、開口31aにおける同一の前端縁31a1に配置されている。しかしながら、左側給電部24と右側給電部25にそれぞれ接触する部分を含む、左側導電端子35と右側導電端子36の実体的な部分が同一の方向に延びている限りにおいて、すなわち複数の給電部が一端縁側に配列された半導体光源を用いることができる限りにおいて、左側導電端子35と右側導電端子36の各基端部の開口31aにおける位置は任意である。
【0071】
上記の実施形態において、左側導電端子35と右側導電端子36は、半導体光源20の前方に配置されている。しかしながら、左側導電端子35と右側導電端子36が半導体光源20の前後方向に対応する向きに延びている限りにおいて、半導体光源20の後方に配置されてもよい。あるいは、左側導電端子35と右側導電端子36が同一の方向に延びている限りにおいて、半導体光源20の右側または左側に配置されていてもよい。
【0072】
半導体光源20が備える発光素子の数は、3つ以上でもよい。その場合、発光素子の数に応じて半導体光源20が備える給電部の数が増加し、アタッチメントが備える導電端子の数もこれに応じて増加する。但し、各導電端子の延びる方向は同一であることを要件とする。
【0073】
左側アタッチメント30と右側アタッチメント40は、必ずしも左右対称の形状を有していることを要しない。灯具ユニット1の仕様に応じて、同一形状のアタッチメントを用いて左右の半導体光源20を支持体10に固定する構成としてもよい。
【0074】
左側アタッチメント30と右側アタッチメント40は、必ずしも前側固定ねじ37、47および後側固定ねじ38、48を用いて支持体に締結されることを要しない。支持体10への締結が可能な限りにおいて、適宜の部材を用いることができる。
【0075】
灯具ユニット1が備える半導体光源20の数は、2つに限られない。単一、あるいは3つ以上の半導体光源20を備える構成としてもよい。
【0076】
灯具ユニット1は、必ずしも車両に搭載される照明装置に装備されることを要しない。大型の懐中電灯などの照明装置にも装備されうる。
【符号の説明】
【0077】
1:灯具ユニット、10:支持体、20:半導体光源、24:左側給電部、25:右側給電部、30:左側アタッチメント、31:枠体、31a:開口、31a1:開口の前端縁、31a2〜31a5:保持部、32:前側固定片、32a:後側固定孔、33:後側固定片、33a:後側固定孔、35:左側導電端子、36:右側導電端子、37:前側固定ねじ、38:後側固定ねじ、50:左側リフレクタ、L1:前側固定孔と後側固定孔の中心同士を結ぶ直線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8