特許第6554244号(P6554244)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6554244プール形水槽に併設した水素ガス投入装置、水素ガス投入装置を備えたプール形水槽及びプール形水槽への水素ガス投入方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6554244
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】プール形水槽に併設した水素ガス投入装置、水素ガス投入装置を備えたプール形水槽及びプール形水槽への水素ガス投入方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/68 20060101AFI20190722BHJP
   B01F 1/00 20060101ALI20190722BHJP
   B01F 3/04 20060101ALI20190722BHJP
   B01F 5/02 20060101ALI20190722BHJP
【FI】
   C02F1/68 530A
   C02F1/68 510H
   C02F1/68 510J
   C02F1/68 520B
   C02F1/68 540Z
   C02F1/68 540G
   B01F1/00 A
   B01F3/04 Z
   B01F5/02 A
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-8244(P2019-8244)
(22)【出願日】2019年1月22日
【審査請求日】2019年1月22日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517264339
【氏名又は名称】株式会社エヌティシィー
(74)【代理人】
【識別番号】110001922
【氏名又は名称】特許業務法人 日峯国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】皆川 浩章
(72)【発明者】
【氏名】高石 悟
【審査官】 佐々木 典子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2018−134579(JP,A)
【文献】 特開2001−095702(JP,A)
【文献】 特許第6216968(JP,B2)
【文献】 特開平07−163981(JP,A)
【文献】 特開2002−276886(JP,A)
【文献】 特開2018−099424(JP,A)
【文献】 特開2001−065009(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/68
B01F 1/00− 5/26
A61H 33/02
A47K 3/00
A01K 63/04
E04H 4/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プール形水槽の壁に沿ってプール水導入口及びプール水導出口を備えて、清浄装置で清浄化させたプール形水槽内のプール水を循環させるプール水循環系統を備えたプール形水槽に併設した水素ガス投入装置において、
水素ガス供給源を備え、プール水循環系統に並列して設けられて循環径路が形成され、循環径路を流動するプール水を流動駆動させる駆動手段を備えた水素マイクロバブル包含混合水投入系統を有して、プール水循環系統及び水素マイクロバブル包含混合水投入系統の2系統が設けられ、
前記水素マイクロバブル包含混合水投入系統に、水素ガスバブルを含む水に含まれた水素ガスバブルを微細化する水素ガスバブル微細化手段と、微細化された水素ガスバブルを含む水を、当該循環径路を流動するプール水に混合させて水素マイクロバブル包含混合水を形成する水素マイクロバブル包含混合水形成手段と、が設けられ、
前記プール水循環系統が、プール水導入口及びプール水導出口の間にプール形水槽内にプール水流れが形成されるような位置に当該プール水導入口とプール水導出口とを備え、
水素マイクロバブル包含混合水の噴出口がプール水導入口近辺であってその下側あるいは横側に設けられ、プール水を導出させる他のプール水導出口が設けられ、
プール形水槽に導入されたプール水循環系統からのプール水によってプール水導入口及びプール水導出口の間にプール形水槽内にプール水流れが形成され、
前記プール水循環系統が稼働されて、プール水循環がなされる間、前記水素マイクロバブル包含混合水形成手段に、前記水素ガス供給源から継続して水素ガスが供給され、水素マイクロバブル包含混合水を形成することが可能とされ、
水素マイクロバブル包含混合水が、前記噴出口からプール形水槽内に噴出され、水素マイクロバブル包含混合水の流れが、前記プール水流れに誘引させて誘引流れとなってプール形水槽内に形成されてプール形水槽内を流動され、プール形水槽内のプール水が持続して水素マイクロバブルを包含することが可能とされること
を特徴とするプール形水槽に併設した水素ガス投入装置。
【請求項2】
請求項1に記載されたプール形水槽に併設した水素ガス投入装置において、
前記水素マイクロバブル包含混合水投入系統が、水素マイクロバブル包含混合水の噴出口を備えた配管を有し、当該配管がプール形水槽の側面壁に沿って設置されて、当該配管の先端に前記噴出口が設けられることを特徴とするプール形水槽に併設した水素ガス投入装置。
【請求項3】
請求項1に記載されたプール形水槽に併設した水素ガス投入装置において、
前記水素マイクロバブル包含混合水投入系統が、水素マイクロバブル包含混合水の噴出口を備えた配管を有し、当該配管がプール形水槽の底面に沿って設置されて、当該配管の先端に前記噴出口が設けられることを特徴とするプール形水槽に併設した水素ガス投入装置。
【請求項4】
請求項1に記載されたプール形水槽に併設した水素ガス投入装置において、
前記水素マイクロバブル包含混合水投入系統が、水素マイクロバブル包含混合水の噴出口を備えた配管を有し、当該配管がプール形水槽の側面壁中に設置されて、当該水素マイクロバブル包含混合水がプール形水槽に噴出されること、又は水素マイクロバブル包含混合水の噴出口を備えた配管を有し、当該配管がプール形水槽の側面壁中に及びプール形水槽の底面中に設置されて、当該水素マイクロバブル包含混合水がプール形水槽に噴出されることを特徴とするプール形水槽に併設した水素ガス投入装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載されたプール形水槽に併設した水素ガス投入装置において、
前記水素ガス供給源が、第1電極、電解液と前記第1電極を収容する第1室を形成する第1室形成部、第2電極、電解液と前記第2電極を収納する第2室を形成する第2形成部、第1室と第2室との間を仕切り、酸素ガスから水素ガスを分離する分離膜及び第1の電極と第2の電極を結ぶ直流電源を有して構成された水素ガス生成装置、及び生成された水素ガスを貯蔵する水素ガスタンクを有して構成された第1の水素ガス供給装置と水素ガスを貯蔵する水素ガスボンベから水素ガスを供給する第2の水素ガス供給装置とからなり、
第1の水素ガス供給装置からの供給水素ガスをメイン供給水素ガスとし、第2の水素ガス供給装置からの供給水素ガスを補助供給水素ガスとした水素ガスを、水素マイクロバブル包含混合水形成手段に供給すること
を特徴とするプール形水槽に併設した水素ガス投入装置。
【請求項6】
プール形水槽の壁に沿ってプール水導入口及びプール水導出口を備えて、清浄装置で清浄化させたプール形水槽内のプール水を循環させるプール水循環系統を備え、
水素ガス供給源を備え、プール水循環系統に並列して設けられて循環径路が形成され、循環径路を流動するプール水を流動駆動させる駆動手段を備えた水素マイクロバブル包含混合水投入系統を有して、プール水循環系統及び水素マイクロバブル包含混合水投入系統の2系統が設けられ、
前記水素マイクロバブル包含混合水投入系統に、水素ガスバブルを含む水に含まれた水素ガスバブルを微細化する水素ガスバブル微細化手段と、微細化された水素ガスバブルを含む水を、当該循環径路を流動するプール水に混合させて水素マイクロバブル包含混合水を形成する水素マイクロバブル包含混合水形成手段と、が設けられ、
前記プール水循環系統が、プール水導入口及びプール水導出口の間にプール形水槽内にプール水流れが形成されるような位置に当該プール水導入口とプール水導出口とを備え、
水素マイクロバブル包含混合水の噴出口がプール水導入口近辺であってその下側あるいは横側に設けられ、プール水を導出させる他のプール水導出口が設けられた前記プール形水槽に併設した水素ガス投入装置によるプール形水槽への水素ガス投入方法において、
前記プール水循環系統によって、前記プール形水槽に導入された循環プール水でプール形水槽内にプール水流れを形成させ、
前記プール水循環系統のプール水導入口の下側領域に水素マイクロバブル包含混合水を噴出させ、
前記プール水循環系統が稼働されて、プール水循環がなされる間、前記水素マイクロバブル包含混合水形成手段に、前記水素ガス供給源から継続して水素ガスを供給して、水素マイクロバブル包含混合水を形成し、
水素マイクロバブル包含混合水を、前記噴出口から前記プール形水槽内に噴出させ、水素マイクロバブル包含混合水の流れを、前記プール水流れに誘引させて誘引流れをプール形水槽内に形成させてプール形水槽内を流動させ、プール形水槽内のプール水に持続して水素マイクロバブルを包含させること
を特徴とするプール形水槽に併設した水素ガス投入装置によるプール形水槽への水素ガス投入方法。
【請求項7】
請求項6に記載されたプール形水槽に併設した水素ガス投入装置によるプール形水槽への水素ガス投入方法において、
前記水素ガス供給源が、第1電極、電解液と前記第1電極を収容する第1室を形成する第1室形成部、第2電極、電解液と前記第2電極を収納する第2室を形成する第2形成部、第1室と第2室との間を仕切り、酸素ガスから水素ガスを分離する分離膜及び第1の電極と第2の電極を結ぶ直流電源を有して構成された水素ガス生成装置、及び生成された水素ガスを貯蔵する水素ガスタンクを有して構成された第1の水素ガス供給装置と水素ガスを貯蔵する水素ガスボンベから水素ガスを供給する第2の水素ガス供給装置とを有し、
第1の水素ガス供給装置からの供給水素ガスをメイン供給水素ガスとし、第2の水素ガス供給装置からの供給水素ガスを補助供給水素ガスとした水素ガスを、水素マイクロバブル包含混合水形成手段に供給すること
を特徴とするプール形水槽に併設した水素ガス投入装置によるプール形水槽への水素ガス投入方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プール形水槽に併設した水素ガス投入装置、水素ガス投入装置を備えたプール形水槽及びプール形水槽への水素ガス投入方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プール形水槽の壁にプール水導入口及びプール水導出口を備えて、清浄装置で清浄化させたプール形水槽内のプール水を循環させるプール水循環系統を備えたプール形水槽がいろんな目的のために用いられる。このようなプール形水槽利用の典型的な例として、学校あるいは各種施設に設けられるスイミング用のプール、あるいは魚の生簀、養殖用の水槽がある。
【0003】
特許文献1には、水槽に貯留された被処理水を滅菌処理する水処理装置が記載される。
【0004】
一方、水素ガスが備える発汗促進、血流促進、肌の保温促進、リフレッシュあるいはリラックス促進に着目して、水素ガス発生装置を備えて、水素ガス発生装置で発生した水素を内包させたバブルを噴出させて供給するバブルサウナ装置が提案される。特許文献2には、このようなバブルサウナ装置が記載される。
【0005】
特許文献3には、水棲生物を養殖するための養殖用水を貯える装置と、この養殖用水に水素ガスを供給する水素ガス供給装置と、この水素ガスを養殖用水に吹き込むための吹き込み装置とを備えた水棲生物養殖装置が記載される。
【0006】
特許文献4には、水素ガスと酸素ガスを発生させる電界槽と、発生した水素ガスと酸素ガスの混合ガスを循環流路に供給する供給流路と、混合ガスをターボ形ポンプにより循環径路内に引き込む手段とを有し、微細な気泡を形成して循環流路内の飲料水に供給する水素溶解水生製造装置が記載される。
【0007】
特許文献5には、空気溶解液体を浴槽に噴出して微細気泡を発生する微細気泡ノズル及び高圧液体を浴槽に噴出するジェットノズルが記載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−170640号公報
【特許文献2】特許第6200109号公報
【特許文献3】特開2014−212723号公報
【特許文献4】特許第5710206号公報
【特許文献5】特許第5611289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、プール形水槽の壁中にプール水導入口及びプール水導出口を備えて、清浄装置で清浄化させたプール形水槽内のプール水を循環させるプール水循環系統を備えたプール形水槽がある。
【0010】
このようなプール形水槽において、清浄装置で清浄化させたプール形水槽内のプール水を循環させるだけでなく、プール形水槽内のプール水に水素ガスを投入して水素ガスの持つ機能性効能を、プールを利用する利用者、プール形水槽に養殖しあるいは生存させる魚などの水棲生物に直接的に活用し、リフレッシュあるいはリラックス促進させ、健康保持あるいは活動保持に役立せることのニーズが生じてきた。
【0011】
上述した特許文献では、清浄装置で清浄化させたプール形水槽内のプール水を循環させるプール水循環系統を備えたプール形水槽に水素ガスを効果的に投入し、プール形水槽内のプール水が持続して水素ガスを包含することを可能とした装置を提案していない。これは、プール形水槽が横25−50×縦12.5−25×深さ1−2mというように大型形状をなし、水素ガスを直接にプール形水槽に吹き込んでも直ちに大気中に逸散してプール形水槽内のプール水が持続して水素ガスを包含させることができなかったことが原因であると思われる。特許文献1に記載された装置では、上述したニーズに対応することができない。また、特許文献2−5に示される装置は、小型の装置を対象とするものであり、プール形水槽に適用しても、プール形水槽内のプール水が持続して水素ガスを包含させることができず、水素ガスの持つ機能性効能を十分に発揮させることができない。
【0012】
本発明は、かかる点に鑑み清浄装置で清浄化させたプール形水槽内のプール水を循環させるプール水循環系統を備えたプール形水槽に水素ガスを効果的に投入し、プール形水槽内のプール水が持続して水素ガスを包含することを可能とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
図1は、本発明の基本概念であるプール形水槽に併設した水素ガス投入装置の構成を示す図である。
【0014】
図1において、水素ガス投入装置100は、プール形水槽1に併設され、プール形水槽1は、プール形水槽の壁に沿ってプール水導入口4及びプール水導出口5を備えて、清浄装置3で清浄化させたプール形水槽内のプール水6を循環させるプール水循環系統2を備える。
【0015】
プール水循環系統2は、プール形水槽の壁に沿って設けられたプール水導入口4及びプール水導出口5の間を結んで循環径路7をなし、加圧手段によって加圧された循環プール水8をプール水導入口4からプール形水槽内に噴出9させる。
【0016】
このようにして形成されたプール水循環系統2を、ここでは第1の系統と呼ぶ。
【0017】
水素ガス投入装置100は、第1の系統であるプール水循環系統2に、第2の系統である水素マイクロバブル包含混合水投入系統10が並行して併設される。
【0018】
水素マイクロバブル包含混合水投入系統10に、水素ガス供給源11から水素ガスが供給される。
【0019】
水素マイクロバブル包含混合水投入系統10は、水素マイクロバブル包含混合水形成手段12及び駆動手段13を備える。
【0020】
プール形水槽の壁に沿って複数個の水素マイクロバブル包含混合水の噴出口14が設けられ、プール形水槽の壁に沿ってプール水を導出させる他のプール水導出口15が設けられる。
【0021】
水素マイクロバブル包含混合水投入系統10は、循環径路17をなし、水素マイクロバブル包含混合水形成装置12で形成され、駆動手段13によって加圧された水素マイクロバブル包含混合水18を噴出口14からプール形水槽内に噴出19させる。
【0022】
このように、水素ガス投入装置100が、水素ガス供給源11を備え、プール水循環系統2の循環径路7に並列して循環径路17が形成され、循環径路17を流動するプール水6を流動駆動させる駆動手段13を備えた水素マイクロバブル包含混合水投入系統10を有する。
【0023】
水素マイクロバブル包含混合水投入系統10に、水素ガスを微細化する水素ガス微細化手段と、微細化された水素ガスを、当該循環径路を流動するプール水に混合させて水素マイクロバブル包含混合水を形成する水素マイクロバブル包含混合水形成手段と、を有する水素マイクロバブル包含混合水形成装置12が設けられる。
【0024】
プール水循環系統2のプール水導入口4(以下、プール水導入口4という。)の近辺であってその下側あるいは横側に複数個の水素マイクロバブル包含混合水の噴出口14(以下、噴出口14という。)が設けられ、プール水導出口5に対応してプール水を導出させる他のプール水導出口15が設けられる。
【0025】
噴出口14が、プール水導入口4に近辺であってその下側あるいは横側に設定されることで、プール水導入口4の下側領域に、すなわち循環プール水噴出口4の下側領域に、すなわち噴出9の下側領域に加圧された水素マイクロバブル包含混合水が噴出19される。
【0026】
プール水循環系統2によって、プール形水槽に噴出、導入されたプール水によってプール水導入口4及びプール水導出口5の間にプール形水槽内にプール水流れ21が形成される。
【0027】
このような構成に基づいて、プール水循環系統2が稼働されて、プール水循環がなされる間、水素マイクロバブル包含混合水形成装置12に、水素ガス供給源11から継続して水素ガスが供給され、水素マイクロバブル包含混合水を形成することが可能とされ、
水素マイクロバブル包含混合水を、複数個の噴出口14からプール形水槽内に噴出19することが可能とされる。
【0028】
複数個の噴出口14からプール形水槽内への水素マイクロバブル包含混合水の噴出でプール水槽内に水素マイクロバブル包含混合水の流れが形成される。水素マイクロバブル包含混合水の噴出によって噴出で水素マイクロバブル包含混合水は、プール形水槽内部へと押し出され、流速を持った流れを形成するが、プール水流れ21の持つ流速に比べて遅い。このために、噴出19で形成された水素マイクロバブル包含混合水の流れは、単独では、横25−50×縦12.5−25×深さ1−2mというように大型形状をなすプール形水槽の内部まで到達せず、水素ガスが大気中に逸散する恐れがある。
【0029】
噴出19で形成された水素マイクロバブル包含混合水の流れは、プール水流れ21に誘引22させて誘引流れ23となってプール形水槽内に形成されてプール形水槽内を流動される。プール水流れ21誘引に起因して、水素マイクロバブル包含混合水の流れは、周りのプール水と混合しながらプール形水槽の内部まで到達し、プール形水槽内全般に亘ってプール形水槽内のプール水が持続して水素マイクロバブルを包含することが可能とされる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、形成された2系統によって、プール水導入口4の下側領域に、すなわち循環プール水の噴出9の下側領域に、加圧された水素マイクロバブル包含混合水が噴出され、水素マイクロバブル包含混合水の流れが、プール水流れに誘引させて誘引流れを形成し、プール形水槽内を流動され、プール形水槽内のプール水が持続して水素マイクロバブルを包含することが可能とされる。
【0031】
これによれば、清浄装置で清浄化させたプール形水槽内のプール水を循環させるプール水循環系統を備えたプール形水槽に、水素マイクロバブル包含混合水投入系統で水素ガスを効果的に投入し、プール形水槽内のプール水が持続して水素ガスを包含することが可能とされる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の概要を示すプール形水槽に併設した水素ガス投入装置の構成を示す図
図2】本発明の第1の実施例の構成を示す図
図3】本発明の第2の実施例の構成を示す図
図4】本発明の第3の実施例の構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0033】
まず、本発明の説明で用いられる用語について説明する。
<プール形水槽> プール形状の大型水槽。このようなプール形状の大型水槽では、水素をガス投入の形態で投入しても、水槽の中央内部まで水素ガスが到達しない。学校あるいはその他の施設に設置された、ろ過装置を備えたスイミング用のプール、あるいは魚の生簀、養殖用のプール形状の大型水槽が発明適用の対象となる。
<プール水循環系統> プール形水槽に付随されて、プール水の殺菌、ごみ物の取り除き、塩素投入などのためにプール水を循環させる系統。第1の系統をなす。
<水素マイクロバブル包含混合水投入系統> 第1の系統のプール水循環系統に並列して設けられて別系統をなし、水素マイクロバブル包含混合水をプール形水槽に導入、投入する系統。第2の系統をなす。
<水素ガス供給源> 水素ガスを第2の系統に供給するための装置であり、例えば水素ボンベ、水素発生剤を用いた水素発生装置、水素を発生させる電解装置、太陽光を利用した水素発生装置などが該当する。
<水素ガスを微細化>水素ガスを水素ガス微細化装置で微細化すること。水素ガス微細化装置としては、マイクロバブル発生ノズル、ウオーム形状の回転羽根を用いたナノバブル装置などの公知の装置が用いられる。
<水素マイクロバブル> 水素ガス微細化装置で水素ガスがマイクロバブル以下の粒径までの微細化された水素気泡。
<水素マイクロバブル包含混合水> 淡水あるいは海水などの水が、水素ガスの微細化で形成された水素マイクロバブルを包含することで形成されたもの。水素ガスが当該水中に溶解され、あるいは未溶解の状態で包含される。
<プール水循環系統が稼働されて、プール水循環がなされる間> プール水循環系統が稼働されている稼動中継続して連続して、あるいは稼動中に断続的に連続している間
<プール水流れ> 第1の系統のプール水循環系統が用いられ、プール形水槽に噴出された加圧された循環プール水によってプール形水槽内に形成されてプール水の流れ
<誘引> 噴出された水素マイクロバブル包含混合水の持つ流速よりも速い流速を持つプール水流れに水素マイクロバブル包含混合水が吸引されて流れる現象
<誘引流れ> 噴出された水素マイクロバブル包含混合水がプール水流れに誘引されることで形成され、水素マイクロバブル包含混合水の噴出流れを継続した流れ
<プール水が持続して水素マイクロバブルを包含> 誘引流れが形成されることでプール形水槽内の中央内部に至るまで誘引流れが水素マイクロバブルを包含することで、プール水が持続して水素マイクロバブルを包含すること。誘引流れが形成されない場合、噴出付近の一部のプール水が水素マイクロバブルを包含持続するが、この一部で水素ガスは逸散し、中央内部に至るまでプール水が水素マイクロバブルを包含しているとはいえず、水素マイクロバブルの包含を持続した状態にあるとはいえない。
<プール形水槽の側面壁上とプール形水槽の側面壁中> プール形水槽の側面壁上:プール形水槽の側面壁表面に沿って接触あるいは離間して設けられること。プール形水槽の側面壁中:プール形水槽の側面壁内部を貫通して設けられること
<圧力調節装置> 水素ガス圧を昇圧あるいは減圧することで、所定の圧力に調節すること。公知の圧力調節装置が使用される。
【0034】
以下、図1に示される本発明の基本概念を第1の実施例とする構成を説明する。
【0035】
図2は、本発明の第1の実施例の構成を示す図である。
【0036】
図2において、水素ガス投入装置100は、プール形水槽1に併設され、プール形水槽1は、プール形水槽の壁に沿ってプール水導入口4及びプール水導出口5を備えて、清浄装置3で清浄化させたプール形水槽内のプール水6を循環させるプール水循環系統2を備える。この例の場合、清浄装置3は、ろ過装置23、塩素滅菌装置25、中和装置26、異物除去装置27からなる。プール水循環系統2は、循環ポンプ28を備え、プール水導入口4から導入されたプール水を加圧して、プール水導出口5から噴出させ、プール形水槽内にプール水流れ21を形成させる。ろ過装置24は、ドレン手段29を持つ。この例では、プール水導入口4が左右対称に2セット記載される。
【0037】
プール水循環系統2は、プール形水槽の壁に沿って設けられたプール水導入口4及びプール水導出口5の間を結んで循環径路7をなし、加圧手段である循環ポンプ28によって加圧された循環プール水8をプール水導入口4からプール形水槽内に噴出9させる。循環径路7は、循環プール水導入側の先端にプール水導入口4を持つ導入配管7Aを備え、循環プール水導出側の先端にプール水導出口5を持つ導出配管7Bを備える。
【0038】
このようにして第1の系統が形成される。
【0039】
水素ガス投入装置100は、第1の系統であるプール水循環系統2に、第2の系統である水素マイクロバブル包含混合水投入系統10が並行して併設されることで、プール水循環系統及び水素マイクロバブル包含混合水投入系統の2系統が設けられる。
【0040】
水素マイクロバブル包含混合水投入系統10に、水素ガス供給源11から水素ガスが供給される。
この例の場合、水素ガス供給源11が、例えば第1電極、電解液と前記第1電極を収容する第1室を形成する第1室形成部、第2電極、電解液と前記第2電極を収納する第2室を形成する第2形成部、第1室と第2室との間を仕切り、酸素ガスから水素ガスを分離する分離膜及び第1の電極と第2の電極を結ぶ直流電源を有して構成された水素ガス生成装置、及び生成された水素ガスを貯蔵する水素ガスタンクを有して構成された第1の水素ガス供給装置と水素ガスを貯蔵する水素ガスボンベから水素ガスを供給する第2の水素ガス供給装置とからなる。
【0041】
水を含む電解液から光触媒を用いて生成された水素ガスと酸素ガスから水素ガスを分離する第1の水素ガス生成装置101が用いられる。第1の水素ガス生成装置101は市販のものが用いられる。第1の水素ガス生成装置101は、太陽光が用いられ、太陽光が光触媒に照射される。第1の水素ガス生成装置101は、
第1電極31と、
電解液と第1電極31を収容する第1室33を形成する第1室形成部と、
第2電極と、
電解液と第2電極32を収納する第2室34を形成する第2形成部と、
第1室33と第2室34の間を仕切り、酸素ガスから水素ガスを分離する分離膜35と、
第1の電極31と第2の電極32を結ぶ直流電源36と、
から構成される。
【0042】
直流電源36は、2つの電極31、32の間にバイアス電圧を印加する。第1電極31には、直流電源36の負極が接続され、第2電極32には、直流電源36の正極が接続される。
【0043】
電解液供給装置40は、第1室33及び第2室34の2つの室に、水を含む電解液を供給する。電解液供給装置40は、第1供給路41を介して第1室33に接続され、第2供給路42を介して第2室34に接続される。
【0044】
水を含む電解液としては、プロトン(H)の伝導を許容するNaSOの水溶液が用いられる。他の水溶液が用いられてもよい。
【0045】
分離膜35は、ガスの通過を制限する膜であり、第1電極31で生成された水素ガスが第2電極32に移動することと、第2電極32で生成された酸素ガスが第1電極31に移動することを制限する。
【0046】
これにより生成された水素ガスと酸素ガスとが分離される。
【0047】
第2電極32に生じた電子は、直流電源36に移動し、直流電源36から第1電極31へ電子が供給される。プロトンは、分離膜35を通り抜けて、第1電極31に移動する。
【0048】
第1電極31に移動したプロトンは、第1電極31で電子と結合して水素ガスを生成する。生成された水素ガスは、第1ガス流路43から排出され、配管55から水素タンク52に導かれて貯蔵される。
【0049】
酸素ガスは、第2室34に接続された第2ガス流路44から排出され、図示しない酸素タンクに貯蔵される。
【0050】
水素タンク52には、水素ガス供給するための配管56が接続される。配管55及び配管56にはそれぞれコントロール弁57,58が設置される。
【0051】
第2の水素ガス生成装置102は、水素ガスボンベ60によって形成される。水素ガスボンベ60は市販のものが用いられる。
【0052】
水素ガスボンベ60に水素ガス供給のための配管61が連結され、配管61にコントロール弁62が設置される。
【0053】
配管56及び配管61は、圧力調節装置63に接続される。圧力調節装置63は、供給された水素ガスの圧力を昇圧あるいは減圧することで、所定の圧力に調節する。
【0054】
水素マイクロバブル包含混合水投入系統10は、水素マイクロバブル包含混合水形成装置12及び駆動手段13を備える。この例の場合、駆動手段13として循環ポンプが用いられる。以後、循環ポンプ13として記載する。図1においても同様である。
【0055】
水素マイクロバブル包含混合水形成装置12は、水素ガスを微細化する水素ガス微細化手段71と、微細化された水素ガスを、当該循環径路を流動するプール水に混合させて水素マイクロバブル包含混合水を形成する水素マイクロバブル包含混合水形成手段72とを備える。この水素マイクロバブル包含混合水形成は、プール水循環系統が稼働されて、プール水循環がなされる間、連続的にあるいは断続的になされる。プール水循環系統が稼働されている稼動中継続して連続して、あるいは稼動中に断続的に連続している間、水素マイクロバブル包含混合水形成がなされる。
【0056】
第1の系統と第2の系統との連動は、コンピュータ制御手段、稼働時間関係を記録する記録媒体を持つ制御装置を敷設することで容易になし得る。
【0057】
水素マイクロバブル包含混合水形成装置12は、配管64によって圧力調節装置63に接続される。圧力調節装置63から圧力が調整された水素ガスが水素マイクロバブル包含混合水形成装置12の水素ガス微細化手段71に供給され、水素マイクロバブルに微細化され、水素マイクロバブル包含混合水形成手段72によって水素マイクロバブル包含混合水18が形成される。
【0058】
プール形水槽1の壁の側面74に沿って複数個の水素マイクロバブル包含混合水の噴出口14が設けられ、プール形水槽1の壁の側面74に沿ってプール水を導出させる他のプール水導出口15が設けられる。この例では、2セットが設けられており、各セットに4つの噴出口14が記載され、プール底面75に沿って設置された3つの他のプール水導出口15が記載される。セット数は任意に定め得る。
【0059】
3つの他のプール水導出口15は、循環径路17の一部を介して循環ポンプ13に接続される。
【0060】
水素マイクロバブル包含混合水投入系統10は、循環径路17を有し、水素マイクロバブル包含混合水形成装置12で形成され、循環ポンプ13によって加圧された水素マイクロバブル包含混合水18を噴出口14からプール形水槽内に噴出19させる。
【0061】
循環径路17は、水素マイクロバブル包含混合水導入側の先端にプール水導入口14を持つ導入配管17Aを備え、プール水導出側の先端に他のプール水導出口15を持つ導出配管17Bを備える。
【0062】
このように、水素ガス投入装置100が、水素ガス供給源11を備え、プール水循環系統2に並列して設けられて循環径路17が形成され、循環径路を流動するプール水6を流動駆動させる循環ポンプ13を備えた水素マイクロバブル包含混合水投入系統10を有する。このようにして第2の系統が形成される。
【0063】
水素マイクロバブル包含混合水投入系統10に、水素ガスを微細化する水素ガス微細化手段と、微細化された水素ガスを、当該循環径路を流動するプール水に混合させて水素マイクロバブル包含混合水を形成する水素マイクロバブル包含混合水形成装置12と、が設けられ、前記プール水循環系統のプール水導入口の近辺であってその下側あるいは横側に複数個の水素マイクロバブル包含混合水の噴出口14が設けられ、プール水6を導出させる他のプール水導出口15が設けられて、構成される。
【0064】
循環径路17を構成する配管が多岐に分岐され、プール形水槽1の上部に分岐管が配置され、プール形水槽1の壁の側面74に沿って下方に並行状態を維持して配置され、先端部が噴出口14になる。このようにすることで、プール形水槽1の形状に沿って直角状の多岐分岐構成が形成される。多岐分岐構成は、プール形水槽1の上部で形成せず、プール形水槽1の壁の側面74に沿ってのみ形成するようにしてもよい。
【0065】
既存のプール形水槽1に新規の水素ガス投入装置100を容易に追加設置することができる。他のプール水導出口15も同様にして分岐管を形成してプール底面75に沿って這わせて設置し、プール形水槽1の上部に分岐管を配置し、循環径路17を構成する配管に接続する。
【0066】
プール形水槽1の壁の側面74に沿って噴出口側配管を設置すること、及びプール形水槽1の底面75に沿ってプール水導出口側配管を設置することで安全性、見映えに問題があるとされる場合には、化粧板を噴出口側配管及びプール水導出口側配管の外側に設け、当該化粧板に噴出口14プール、水導出口15を設けることで問題を解決する。プール形水槽1が魚の生簀、養殖用の水槽の場合には、このような問題はなく、化粧板の設置も不要である。
【0067】
噴出口14が、プール水導入口4に近辺であってその下側あるいは横側に設定されることで、プール水導入口4の下側領域に、すなわち加圧された循環プール水の噴出4の下側領域に、水素マイクロバブル包含混合水が噴出19される。
【0068】
プール水循環系統2によって、プール形水槽に噴出、導入されたプール水によってプール水導入口4及びプール水導出口5の間にプール形水槽内にプール水流れ21が形成される。
【0069】
このような構成に基づいて、プール水循環系統2が稼働されて、プール水循環がなされる間、水素マイクロバブル包含混合水形成手段12に、水素ガス供給源11から継続して水素ガスが供給され、水素マイクロバブル包含混合水を形成することが可能とされ、
水素マイクロバブル包含混合水を、複数個の噴出口14からプール形水槽内に噴出19することが可能とされる。
【0070】
噴出で水素マイクロバブル包含混合水の流れが形成される。水素マイクロバブル包含混合水の噴出によって噴出で水素マイクロバブル包含混合水は、プール形水槽内部へと押し出され、流速を持った流れを形成するが、プール水流れ21の持つ流速に比べて遅い。このために、噴出19で形成された水素マイクロバブル包含混合水の流れは、単独では、横25−50×縦12.5−25×深さ1−2mというように大型形状をなすプール形水槽の内部まで到達せず、水素ガスが大気中に逸散する恐れがある。
【0071】
噴出19で形成された水素マイクロバブル包含混合水の流れは、プール水流れ21に誘引22させて誘引流れ23となってプール形水槽内に形成されてプール形水槽内を流動される。プール水流れ21による誘引に起因して、水素マイクロバブル包含混合水の流れは、周りのプール水と混合しながらプール形水槽の内部まで到達し、全般に亘ってプール形水槽内のプール水が持続して水素マイクロバブルを包含することが可能とされる。噴出口14が、プール水導入口4に近辺であってその下側あるいは横側に設定されることで、プール水導入口4の下側領域に、すなわち循環プール水の噴出9の下側領域に、加圧された水素マイクロバブル包含混合水が噴出19されることで、水素マイクロバブルのプール水への包含が効率よくなされる。噴出19を噴出9の下側領域に形成することが推奨される。
【0072】
このように、水素マイクロバブル包含混合水投入系統が、水素マイクロバブル包含混合水の噴出口を備えた配管を有し、当該配管がプール形水槽の側面壁上に設置されることを特徴とするプール形水槽に併設した水素ガス投入装置が形成される。
【0073】
図3は、本発明の第2の実施例の構成を示す図である。
【0074】
本発明の第2の実施例の構成は、図2に示される第1の実施例の構成と同様であり、機能、作用効果についても同様である。第2の実施例の構成が第1の実施例の構成と異なっているところを主として説明する。同一の番号の付された構成については、第1の実施例の構成についての説明が援用されるものとする。
【0075】
第2の実施例の構成は、第1の実施例の構成に対して、水素マイクロバブル包含混合水の噴出口14の設置方法が異なっている。第1の実施例の構成では、循環径路17を構成する配管が多岐に分岐され、プール形水槽1の上部に分岐管が配置され、プール形水槽1の壁の側面74に沿って下方に並行状態を維持して配置され、先端部が噴出口14になった。これに対して第1の実施例の構成では、プール底面75にまで到達するように多岐管を設け、当該多岐管を2回直角に曲げ、多岐分岐構成連続してプール水導出口5方向に向けてプール底面状を這わせて配設する。曲げ部分に接続部材を設けるようにして底面配管を設けるようにすると工事が簡便化される。これらの底面配管には図に示されように、上向きに噴出口14が多数設けられる。噴出口14に噴出角度を下流方向に付けておくことが推奨される。
【0076】
このように、水素マイクロバブル包含混合水投入系統が、水素マイクロバブル包含混合水の噴出口を備えた配管を有し、当該配管がプール形水槽の側面壁上に及びプール形水槽の底面上に設置されることを特徴とするプール形水槽に併設した水素ガス投入装置が形成される。
【0077】
第1の実施例の構成のプール形水槽1が、25×12×1m程度の小型水槽に設置されるのに適しているのに対して、第2の実施例の構成のプール形水槽1は、50×25×1.5m程度の大型水槽に設置されるのに適している。
【0078】
図4は、本発明の第3の実施例の構成を示す図である。
【0079】
本発明の第3の実施例の構成は、図2に示される第1の実施例の構成と同様であり、機能、作用効果についても同様である。第2の実施例の構成が第1の実施例の構成と異なっているところを主として説明する。同一の番号の付された構成については、第1の実施例の構成についての説明が援用されるものとする。
【0080】
第1の実施例の構成では、循環径路17を構成する配管が多岐に分岐され、既存のプール形水槽1の上部に分岐管が配置され、プール形水槽1の壁の側面74に沿って下方に並行状態を維持して配置され、先端部が噴出口14になった。これに対して第3の実施例の構成では、水素ガス投入装置100は、プール形水槽1の新設時に同時に設けられる。
【0081】
新設時に、水素マイクロバブル包含混合水投入系統が、プール形水槽1の新設時に、水素マイクロバブル包含混合水の噴出口を備えた配管を有し、当該配管がプール形水槽の側面壁中に設置されること、又は水素マイクロバブル包含混合水の噴出口を備えた配管を有し、当該配管で循環系を形成し、プール形水槽の側面壁中に及びプール形水槽の底面中に設置されることを特徴とするプール形水槽に併設した水素ガス投入装置が形成される。
【0082】
新設に際しては、水素マイクロバブル包含混合水の噴出口15を複数のセット(本実施例では、並行配列の3セット)で設けること、及びプール水導出のための分岐管を循環プール水の導出配管7B(循環プール水の排出管)に並行してプール形水槽1の下方部に設置することが容易にできる。
【0083】
構成されたプール形水槽に併設した水素ガス投入装置によるプール形水槽への水素ガス投入方法において、
プール水循環系統によって、プール形水槽に導入された循環プール水でプール形水槽内にプール水流れを形成され、
プール水循環系統のプール水導入口の下側領域に複数個の水素マイクロバブル包含混合水を噴出させ、
プール水循環系統が稼働されて、プール水循環がなされる間、水素マイクロバブル包含混合水形成手段に、水素ガス供給源から継続して水素ガスを供給して、水素マイクロバブル包含混合水を形成し、
水素マイクロバブル包含混合水を、複数個の噴出口からプール形水槽内に噴出し、水素マイクロバブル包含混合水の流れを、プール水流れに誘引させて誘引流れをプール形水槽内に形成させてプール形水槽内を流動させ、プール形水槽内のプール水に持続して水素マイクロバブルを包含させること
を特徴とするプール形水槽に併設した水素ガス投入装置によるプール形水槽への水素ガス投入方法が提案される。
【0084】
また、水素ガス供給源が、第1電極、電解液と前記第1電極を収容する第1室を形成する第1室形成部、第2電極、電解液と前記第2電極を収納する第2室を形成する第2形成部、第1室と第2室との間を仕切り、酸素ガスから水素ガスを分離する分離膜及び第1の電極と第2の電極を結ぶ直流電源を有して構成された水素ガス生成装置、及び生成された水素ガスを貯蔵する水素ガスタンクを有して構成された第1の水素ガス供給装置と水素ガスを貯蔵する水素ガスボンベから水素ガスを供給する第2の水素ガス供給装置とを有し、
第1の水素ガス供給装置からの供給水素ガスをメイン供給水素ガスとし、第2の水素ガス供給装置からの供給水素ガスを補助供給水素ガスとした水素ガスを、水素マイクロバブル包含混合水形成手段に供給すること
を特徴とするプール形水槽に併設した水素ガス投入装置によるプール形水槽への水素ガス投入方法が提案される。
【0085】
本実施例によれば、形成された2系統によって、プール水導入口4の下側領域に、すなわち循環プール水の噴出9の下側領域に、加圧された水素マイクロバブル包含混合水が噴出され、水素マイクロバブル包含混合水の流れが、プール水流れに誘引させて誘引流れを形成し、プール形水槽内を流動され、プール形水槽内のプール水が持続して水素マイクロバブルを包含することが可能とされる。
【0086】
さらに、実施例2あるいは実施例3を採用することで、既存のプール形水槽1に新規の水素ガス投入装置100を追加設置することで、清浄装置で清浄化させたプール形水槽内のプール水を循環させるプール水循環系統を備えたプール形水槽に、水素マイクロバブル包含混合水投入系統で水素ガスを効果的に投入し、プール形水槽内のプール水が持続して水素ガスを包含することが容易に可能とされる。
【符号の説明】
【0087】
100…水素ガス投入装置、1…プール形水槽、2…プール水循環系統(第1の系統)、3…清浄装置、4…プール水導入口、5…プール水導出口、6…プール水、7…循環径路、8…加圧された循環プール水、9…加圧された循環プール水の噴出、10…水素マイクロバブル包含混合水投入系統(第2の系統)、11…水素ガス供給源、12…水素マイクロバブル包含混合水形成装置、13…駆動手段(典型的には、循環ポンプ)、14…水素マイクロバブル包含混合水の噴出口、15…他のプール水導出口、17…循環径路、18…水素マイクロバブル包含混合水、19…水素マイクロバブル包含混合水の噴出、24…ろ過装置、71…水素ガス微細化手段、72…水素マイクロバブル包含混合水形成手段、73…水素マイクロバブル包含混合水形成手段、74…プール壁側面、75…プール底面、101…第1の水素ガス供給装置、102…第2の水素ガス供給装置。
【要約】
【課題】プール水循環系統を備えたプール形水槽に水素ガスを効果的に投入し、プール形水槽内のプール水が持続して水素ガスを包含することを可能とする。
【解決手段】プール水循環系統によって、プール形水槽に導入されたプール水によってプール水導入口及びプール水導出口の間にプール形水槽内にプール水流れが形成され、
プール水循環系統が稼働されて、プール水循環がなされる間、水素マイクロバブル包含混合水形成手段に、水素ガス供給源から継続して水素ガスが供給され、水素マイクロバブル包含混合水を形成することが可能とされ、水素マイクロバブル包含混合水が、複数個の噴出口からプール形水槽内に噴出され、水素マイクロバブル包含混合水の流れが、前記プール水流れに誘引させて誘引流れとなってプール形水槽内に形成されてプール形水槽内を流動され、プール形水槽内のプール水が持続して水素マイクロバブルを包含することが可能とされる。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4