【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための本開示の第一態様は、車両に搭載されるセンサシステムであって、
前記車両の左ランプに搭載されて少なくとも前記車両の前後方向における外部情報を取得する第一センサと、
前記車両の右ランプに搭載されて少なくとも前記車両の前後方向における外部情報を取得する第二センサと、を備えており、
前記第一センサの種別と前記第二センサの種別は相違している。
【0007】
車両の少なくとも前後方向の情報を取得しようとする場合、左ランプに搭載されるセンサの検出範囲と右ランプに搭載されるセンサの検出範囲の少なくとも一部が重なる場合がありうる。この場合、検出範囲が重なる領域からは、同じ情報が重複して得られることになる。
【0008】
上記の構成においては、左ランプに搭載されて車両の少なくとも前後の外部情報を取得する第一センサと、右ランプに搭載されて車両の少なくとも前後方向の外部情報を取得する第二センサの種別を敢えて異ならせることにより、同じ情報が重複して得られるという意味においての冗長性を排している。他方、種別が異なる複数のセンサを用いることにより、少なくとも車両の前後方向から取得される外部情報に多様性を持たせている。したがって、コストの増加を抑制しつつ、多様な車両の外部情報を効率的に取得できる。
【0009】
第一態様に係るセンサシステムは、以下のように構成されうる。
前記第一センサは、複数種のセンサからなる第一の組合せを含んでおり、
前記第二センサは、複数種のセンサからなる第二の組合せを含んでおり、
前記第一の組合せと前記第二の組合せは相違している。
【0010】
各ランプに搭載されるセンサの種別を増やすことによって、より多様な外部情報を取得できる。他方、左ランプに搭載される複数種のセンサの組合せと右ランプに搭載される複数種のセンサの組合せを相違させることにより、同じ情報が重複して得られるという意味においての冗長性を排している。したがって、コストの増加を抑制しつつ、さらに多様な車両の外部情報を効率的に取得できる。
【0011】
また、種別の異なる複数のセンサを通じて多様な外部情報を取得することにより、異なる外部情報同士を相補的に利用できるようにしている。
【0012】
例えば、第一態様に係るセンサシステムは、以下のように構成されうる。
前記第一センサと前記第二センサの一方は、カメラを含んでおり、
前記第一センサと前記第二センサの他方は、LiDARセンサを含んでいる。
【0013】
このような構成によれば、カメラにより撮像された物体までの距離を、LiDARセンサにより取得された情報を用いて正確に特定できる。逆に、LiDARセンサによって存在を検出された物体の種別(前方車両、歩行者など)を、カメラにより取得された情報を用いて正確に特定できる。
【0014】
あるいは、第一態様に係るセンサシステムは、以下のように構成されうる。
前記第一センサと前記第二センサの一方は、ミリ波レーダを含んでおり、
前記第一センサと前記第二センサの他方は、LiDARセンサを含んでいる。
【0015】
ミリ波レーダは、検出距離が長いことと検出速度が速いことを特徴としている。したがって、まずミリ波レーダによって車両の少なくとも前後方向に位置する物体の存在を検出し、次いでLiDARセンサによって取得された情報を用いて当該物体の属性を正確に特定するという検出手法が可能とされる。
【0016】
あるいは、第一態様に係るセンサシステムは、以下のように構成されうる。
前記第一センサと前記第二センサの一方は、ミリ波レーダを含んでおり、
前記第一センサと前記第二センサの他方は、超音波センサを含んでいる。
【0017】
超音波センサは、検出距離が短いものの、部品コストが低いことを特徴としている。他方、ミリ波レーダは、検出距離が長いことと検出速度が速いことを特徴としている。したがって、車両に対して近距離に位置する物体と遠距離に位置する物体の双方を検出可能な構成を、コストを抑制しつつ得ることができる。
【0018】
あるいは、第一態様に係るセンサシステムは、以下のように構成されうる。
前記第一センサと前記第二センサの一方は、ミリ波レーダを含んでおり、
前記第一センサと前記第二センサの他方は、カメラを含んでいる。
【0019】
ミリ波レーダは、検出距離が長いことと検出速度が速いことを特徴としている。したがって、まずミリ波レーダによって車両の少なくとも前後方向に位置する物体の存在を検出し、次いでカメラによって取得された情報を用いて当該物体の属性を正確に特定するという検出手法が可能とされる。
【0020】
上記の目的を達成するための第二態様は、車両に搭載されるセンサシステムであって、
前記車両の左ランプに搭載されて少なくとも前記車両の前後方向における外部情報を取得する第一センサと、
前記車両の右ランプに搭載されて少なくとも前記車両の前後方向における外部情報を取得する第二センサと、を備えており、
前記第一センサの第一検出範囲と前記第二センサの第二検出範囲は相違している。
【0021】
車両の少なくとも前後方向の情報を取得しようとする場合、左ランプに搭載されるセンサの検出範囲と右ランプに搭載されるセンサの検出範囲の少なくとも一部が重なる場合がありうる。この場合、検出範囲が重なる領域からは、同じ情報が重複して得られることになる。
【0022】
上記の構成においては、左ランプに搭載されて車両の少なくとも前後方向の外部情報を取得する第一センサの検出範囲と、右ランプに搭載されて車両の少なくとも前後方向の外部情報を取得する第二センサの検出範囲を敢えて異ならせることにより、同じ情報が重複して得られるという意味においての冗長性を排している。他方、検出範囲を異ならせることにより、少なくとも車両の前後方向から取得される外部情報に多様性を持たせている。したがって、コストの増加を抑制しつつ、多様な車両の外部情報を効率的に取得できる。
【0023】
本開示の第二態様に係るセンサシステムは、以下のように構成されうる。
前記第一センサの種別と前記第二センサの種別は同じである。
【0024】
このような構成によれば、左ランプに搭載されるセンサの種別と右ランプに搭載されるセンサの種別を異ならせる場合と比較して、部品コストをより抑制できる。
【0025】
第二態様に係るセンサシステムは、以下のように構成されうる。
前記第一検出範囲と前記第二検出範囲の一方は、他方よりも前記車両の前後方向における検出距離が長く、
前記第一検出範囲と前記第二検出範囲の他方は、一方よりも前記車両の左右方向における検出範囲が広い。
【0026】
このような構成によれば、第一センサと第二センサの一方の検出範囲の死角を、他方が効率よく補うことができる。
【0027】
第二態様に係るセンサシステムは、以下のように構成されうる。
前記第一センサと前記第二センサは、カメラ、LiDARセンサ、ミリ波レーダ、および超音波センサの少なくとも一つを含んでいる。
【0028】
第一態様に係るセンサシステムと第二態様に係るセンサシステムは、以下のように構成されうる。
前記左ランプに搭載されて少なくとも前記車両の左方の外部情報を取得する第三センサと、
前記右ランプに搭載されて少なくとも前記車両の右方の外部情報を取得する第四センサと、を備えており、
前記第三センサの種別と前記第四センサの種別は同じである。
【0029】
車両の少なくとも左方から取得しようとする情報の種別と車両の少なくとも右方から取得しようとする情報の種別は同じである一方、車両の少なくとも左方から情報を取得しようとするセンサの検出範囲と車両の少なくとも右方から情報を取得しようとするセンサの検出範囲は重複させにくい。したがって、両センサの種別を一致させることによって、車両の外部情報をより広範囲から正確に取得できる。