(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6554314
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】処理材料の脱揮装置及び方法
(51)【国際特許分類】
B29B 7/84 20060101AFI20190722BHJP
B29B 7/42 20060101ALI20190722BHJP
B29B 7/48 20060101ALI20190722BHJP
B29C 45/63 20060101ALI20190722BHJP
B29C 45/47 20060101ALI20190722BHJP
B29C 48/76 20190101ALI20190722BHJP
B29C 48/405 20190101ALI20190722BHJP
【FI】
B29B7/84
B29B7/42
B29B7/48
B29C45/63
B29C45/47
B29C48/76
B29C48/405
【請求項の数】14
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-96483(P2015-96483)
(22)【出願日】2015年5月11日
(65)【公開番号】特開2015-221565(P2015-221565A)
(43)【公開日】2015年12月10日
【審査請求日】2018年1月11日
(31)【優先権主張番号】14169506.4
(32)【優先日】2014年5月22日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501164665
【氏名又は名称】コペリオン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 秀樹
(74)【代理人】
【識別番号】100091867
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 アキラ
(74)【代理人】
【識別番号】100077584
【弁理士】
【氏名又は名称】守谷 一雄
(74)【代理人】
【識別番号】100106699
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 弘道
(72)【発明者】
【氏名】マルクス シュムデ
【審査官】
▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−254444(JP,A)
【文献】
特表2006−524592(JP,A)
【文献】
特開平11−034043(JP,A)
【文献】
実開昭56−079313(JP,U)
【文献】
特開2001−121592(JP,A)
【文献】
特開昭60−092824(JP,A)
【文献】
特開昭58−132533(JP,A)
【文献】
実公昭49−026846(JP,Y1)
【文献】
特表2008−516811(JP,A)
【文献】
米国特許第03811658(US,A)
【文献】
特開平07−052221(JP,A)
【文献】
実開平05−041752(JP,U)
【文献】
特表2012−516793(JP,A)
【文献】
特開昭53−019375(JP,A)
【文献】
特開昭50−078661(JP,A)
【文献】
特開2010−131673(JP,A)
【文献】
特開2007−230087(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29B 7/00− 7/94
B29C 48/00−48/96
B29C 45/00−45/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理される材料を脱揮するための装置にして、
スクリューマシン(3)、当該スクリューマシン(3)を回転可能に駆動するための駆動モータ(4)、及びギア(5)、を備える脱揮装置であって、
スクリューマシン(3)は、
マシンハウジング(6)と、
マシンハウジング(6)内に形成された少なくとも1つのハウジングボア(11、12)と、
少なくとも1つのスクリューシャフト(13、14)を備えており、
スクリューシャフト(13、14)は、関連する回転軸線(15、16)の周りで回転駆動可能であるように、関連する前記ハウジングボア(11、12)内に配置されており、
ギア(5)は、
駆動端において駆動モータ(4)に連結されており、出力端において少なくとも1つの出力シャフト(25、26)を有し、
内部空間(27)を含むハウジング(24)を有し、
少なくとも1つのガス抜きチャンネル(44、45)が、少なくとも1つのハウジングボア(11、12)及び内部空間(27)の間に形成されており、また、
内部空間(27)に接続された少なくとも1つのガス抜き開口部(46)がハウジング(24)内に形成されている、
脱揮装置において、
ハウジング(24)は取付けハウジング(24)として構成されること、
取付けハウジング(24)はギア(5)のメインハウジング(23)及びマシンハウジング(6)に接続されること、
取付けハウジング(24)は内部空間(27)を画定し、少なくとも1つのガス抜き開口部(46)は取付けハウジング(24)内に形成されること、
取付けハウジング(24)の中に少なくとも1つの出力シャフト(25、26)及び少なくとも1つのスクリューシャフト(13、14)の少なくとも1つのシャフト接続部(28、29)が配置されていること、及び
取付けハウジング(24)は少なくとも部分的に傾斜方向に延在するハウジング底部(49)を有すること、
を特徴とする装置。
【請求項2】
少なくとも1つのスクリューシャフト(13、14)はコア径(Di)を有し、
少なくとも1つのガス抜きチャンネル(44、45)は少なくとも部分的にコア径(Di)の外側で少なくとも1つのハウジングボア(11、12)内に連通することを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
少なくとも1つのスクリューシャフト(13、14)はコア径(Di)及び外径(Da)を有し、
少なくとも1つのガス抜きチャンネル(44、45)は、少なくとも部分的にコア径(Di)及び外径(Da)の間で少なくとも1つのハウジングボア(11、12)内に連通することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の装置。
【請求項4】
吸引装置(48)が少なくとも1つのガス抜き開口部(46)に接続されることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか1項記載の装置。
【請求項5】
少なくとも1つのガス抜き開口部(46)は内部空間(27)内で取付け領域(M1)を画定し、少なくとも1つのシャフト接続部(28、29)は取付け領域(M1)に少なくとも部分的に配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項4いずれか1項記載の装置。
【請求項6】
ハウジング底部(49)は密閉可能な凝縮液排出部(50)の方向に延在することを特徴とする請求項1乃至請求項5いずれか1項記載の装置。
【請求項7】
凝縮液排出部(50)は取付けハウジング(24)内に形成され、
凝縮液排出部(50)は内部空間(27)内で取付け領域(M2)を画定し、また、少なくとも1つのシャフト接続部(28、29)は少なくとも部分的に取付け領域(M2)に配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項6いずれか1項記載の装置。
【請求項8】
スクリューマシン(3)は、多軸スクリューマシンとして又は同一方向に回転するよう駆動可能な二軸スクリューマシンとして、構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項7いずれか1項記載の装置。
【請求項9】
駆動モータ(4)及びギア(5)は互いに対しL字状構成で配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項8いずれか1項記載の装置。
【請求項10】
メインスクリューマシン(54)が材料(2)を処理するために設けられ、
スクリューマシン(3)はメインスクリューマシン(54)内に配置された材料(2)の脱揮のためにメインスクリューマシン(54)に接続されることを特徴とする請求項1乃至請求項9いずれか1項記載の装置。
【請求項11】
処理される材料(2)のための供給開口部(17)及び処理された材料(2)のための排出開口部(20)がマシンハウジング(6)内に形成され、排出開口部(20)は材料(2)の搬送方向(18)において供給開口部(17)の下流に配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項9いずれか1項記載の装置。
【請求項12】
処理される材料を脱揮するための方法にして、
以下の工程を有する方法、すなわち、
材料(2)を脱揮するための装置(1)であって、
スクリューマシン(3)、スクリューマシン(3)を回転可能に駆動するための駆動モータ(4)、及び、ギア(5)を備える装置(1)にして、
スクリューマシン(3)は、
マシンハウジング(6)と、
マシンハウジング(6)内に形成された少なくとも1つのハウジングボア(11、12)と、
少なくとも1つのスクリューシャフト(13、14)を備えており、
スクリューシャフト(13、14)は、関連する回転軸線(15、16)の周りで回転駆動可能であるように、関連する前記ハウジングボア(11、12)内に配置されており、
ギア(5)は、
駆動端において駆動モータ(4)に連結されており、出力端において少なくとも1つの出力シャフト(25、26)を有し、
内部空間(27)を含むハウジング(24)を有し、
少なくとも1つのガス抜きチャンネル(44、45)が、少なくとも1つのハウジングボア(11、12)及び内部空間(27)の間に形成されており、また、
内部空間(27)に接続された少なくとも1つのガス抜き開口部(46)がハウジング(24)内に形成されており、
ハウジング(24)は取付けハウジング(24)として構成されており、
取付けハウジング(24)はギア(5)のメインハウジング(23)及びマシンハウジング(6)に接続されており、
取付けハウジング(24)は内部空間(27)を画定し、また、少なくとも1つのガス抜き開口部(46)は取付けハウジング(24)内に形成されており、
取付けハウジング(24)の中に少なくとも1つの出力シャフト(25、26)及び少なくとも1つのスクリューシャフト(13、14)の少なくとも1つのシャフト接続部(28、29)が配置されており、また
取付けハウジング(24)は少なくとも部分的に傾斜方向に延在するハウジング底部(49)を有している、
装置を設ける工程、及び
少なくとも1つのハウジングボア(11、12)から少なくとも1つのガス抜きチャンネル(44、45)及び少なくとも1つのガス抜き開口部(46)を介して材料(2)の揮発性成分を排出することによって材料(2)を脱揮する工程、
を有することを特徴とする方法。
【請求項13】
処理される材料がプラスチック材料であることを特徴とする請求項1乃至請求項11いずれか1項記載の装置。
【請求項14】
処理される材料がプラスチック材料であることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提事項(プリアンブル)前文にしたがう、処理される材料、特にプラスチック材料を脱揮するための装置に関する。さらに、本発明は、処理される材料を脱揮するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
材料を処理し、脱揮するための装置は特許文献1で知られている。この装置は、ギアを介して、回転用スクリューマシンを駆動する駆動モータを備えている。ギアの出力軸とスクリューマシンのスクリューシャフトは、クラッチスリーブを使用して相互接続される。クラッチスリーブは、ギアのランタンとも称される取付けハウジング内に配置される。スクリューマシンは、取付けハウジングに接続され、マシンハウジングは、スクリューマシン内に配置された材料の後方排気のためのガス抜き開口部又はガス抜きチャンネルを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】EP2193907A1(=US2010/0143518A1 =JP2010−131673A)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、処理される材料の簡素で効率的な脱揮を確実にする、簡素で小型の装置を提供するという目的に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1の特徴を有する装置によって達成される。スクリューマシンの少なくとも1つのハウジングボア及びハウジングの内部空間の間に形成された少なくとも1つのガス抜きチャンネルに因り、材料の脱揮はギアのハウジングを介して行うことができる。この目的のために、少なくとも1つのガス抜き開口部がハウジングに形成され、ガス抜き開口部は内部空間に連通している。処理中の材料から逃がす揮発性成分は、少なくとも1つのハウジングボアから少なくとも1つのガス抜きチャンネル、内部空間及び少なくとも1つのガス抜き開口部を介して容易かつ効率的に排出することができる。材料の揮発性成分は、好ましくは、ランタンによって排気される。本発明にしたがう装置は軸線方向により短いデザインを有する。何故なら、既知の装置と比較して、マシンハウジング内のガス抜き開口部及びガス抜きチャンネルが省略されているからである。したがって、本発明にしたがう装置はより簡素で小型のデザインを有する。
【0006】
少なくとも1つのガス抜きチャンネルの最小自由断面積は、好ましくは、少なくとも1つのハウジングボア内、言い換えれば、少なくとも1つのスクリューシャフト及びマシンハウジングの間の自由断面積と等しい。これは、揮発性成分の流速が、少なくとも1つのガス抜きチャンネル内で行われる脱揮工程において、少なくとも顕著でないとしても、増加しないことを確実にする。
【0007】
請求項2にしたがう装置は簡易で効果的な脱揮を確実にする。少なくとも1つのガス抜きチャンネルが、少なくとも部分的にコア径の外側で少なくとも1つのハウジングボアに連通していることに因り、少なくとも1つのガス抜きチャンネルは自由流れ断面の結果として低い粘性を有する。コア径の外側に位置する少なくとも1つのガス抜きチャンネルの自由流れ断面が大きくなるにつれて、粘性は低くなる。コア径の外側に位置する少なくとも1つのガス抜きチャンネルの流れ断面はスクリューシャフトによって恒久的に覆塞されることはなく、したがって簡易かつ効果的な脱揮を確実にする。
【0008】
請求項3にしたがう装置は簡易なデザインを確実にする。少なくとも1つのハウジングボアの駆動端において、少なくとも1つのスクリューシャフトシャフトのコア径及び外径は共に開口部を形成し、この開口部において少なくとも1つのガス抜きチャンネルは、少なくとも部分的に少なくとも1つのハウジングボア内に開口して、内部空間を少なくとも1つのハウジングボアに接続する。その結果、少なくとも1つのガス抜きチャンネルは、軸線方向に短い長さを有する。開口部内に位置された少なくとも1つのガス抜きチャンネルの流れ断面に因り、少なくとも1つのガス抜きチャンネルが少なくとも1つのスクリューシャフトによって恒久的に覆塞されることはなく、その結果、少なくとも1つのガス抜きチャンネルは低い粘性を有する。例えば、組み合わされたスクリューシャフトのための少なくとも1つの流路が少なくとも1つのハウジングボア及び内部空間の間に形成され、少なくとも1つの流路はコア径及び外径の間に亘る直径を有する。その結果、少なくとも1つの流路は、環状ガス抜きチャンネルを形成する。さらに、少なくとも1つのガス抜きチャンネルは実質的に開口部内に配置されたL字状断面を有する。一般的に、少なくとも1つのガス抜きチャンネルは、任意の所望の断面形状を有する。
【0009】
請求項4にしたがう装置は脱揮を簡易かつ効率的に確実にする。
【0010】
請求項5にしたがう装置は簡易で小型なデザインを確実にする。少なくとも1つのガス抜き開口部は内部空間に取付け領域を形成し、取付け領域はハウジングの外部からアクセス可能である。取付け領域は内部空間内に突出する少なくとも1つのガス抜き開口部の突出部に実質的に対応する。少なくとも1つのシャフト接続部がアッセンブリ領域内に配置されていることに因り、他のアッセンブリ開口部は少なくとも1つのシャフト接続部を組立て及び/又は取外しする必要はない。何故なら、少なくとも1つのガス抜き開口部は少なくとも1つのシャフト接続部を組立て及び/又は取外しできるからである。
【0011】
請求項
1にしたがう装置は簡易なデザインを確実にする。少なくとも1つのシャフト接続部は、スクリューマシンに、必要に応じてギアのメインハウジングに接続された取付けハウジング内に配置される。少なくとも1つのガス抜きチャンネルは、少なくとも1つのハウジングボア及び取付けハウジングの内部空間の間に形成される。少なくとも1つのガス抜き開口部は少なくとも1つの取付けハウジングを介して内部空間に延在し、材料の揮発性成分を、少なくとも1つのハウジングボアから少なくとも1つのガス抜きチャンネル、内部空間及び少なくとも1つのガス抜き開口部を介して排出することができる。取付けハウジングはメインハウジングに直接固定されてもよく、又はスクリューマシンに、必要に応じて、フレーム及び/又はベースに接続された独立したハウジングを形成してもよい。脱揮はその後ランタンを介して行われる。
【0012】
請求項
1にしたがう装置は簡易で小型なデザインを確実にする。取付けハウジングがメインハウジング及びマシンハウジングに接続されていることに因り、装置は軸線方向に短い長さを有する。
【0013】
請求項
1にしたがう装置は簡易なデザインを確実にする。少なくとも部分的に傾斜方向に延在して、ハウジング底部は脱揮中に取付けハウジング内に生成された凝縮液をハウジング底部の最低点に収集する。好ましくは、凝縮液排出部がハウジング底部の最低点の領域に形成され、凝縮液を取付けハウジングの内部空間から排出する。凝縮液排出部は例えば、取付けハウジングに、特にハウジング底部に着脱自在取付けられた収集容器によって密閉可能である。凝縮液排出部は、好ましくは密閉可能で、特に真空気密とされている。このプロセスで生成された凝縮液は傾斜ハウジング底部に沿って凝縮液排出部に案内され、凝縮液排出部を介して収集容器に流入する。収集容器を空にするために、収集容器は取付けハウジングから取出され、空にした後に再び取付けられる。
【0014】
請求項
7にしたがう装置は簡易なデザインを確実にする。取付けハウジングに形成された凝縮液排出部は内部空間に取付け領域を形成し、取付け領域は、凝縮液排出部を介して取付けハウジングの外部からアクセス可能である。取付け領域は、内部空間内への凝縮液排出部の突出部によって実質的に形成される。少なくとも1つのシャフト接続部がアッセンブリ領域内に配置されていることに因り、追加のアッセンブリ開口部は少なくとも1つのシャフト接続部を組立て及び/又は取外す必要はない。何故なら、凝縮液排出部は少なくとも1つのシャフト接続部を組立て及び/又は取外すためにアッセンブリ開口部を既に設けているからである。好ましくは、少なくとも1つのガス抜き開口部及び凝縮液排出部は共に異なる側部から、言い換えれば少なくとも1つのガス抜き開口部及び凝縮液排出部を介してアクセス可能な共用の取付け領域を形成して、シャフト接続部を組立て及び/又は取外すことができる。
【0015】
請求項
8にしたがう装置は簡易で効率的な脱揮を確実にする。多軸スクリュー装置は、相互に連通するようマシンハウジングに形成された複数のハウジングボアを有し、ハウジングボアの各々は、その中に回転可能で駆動可能のように配置された組み合わされたスクリューシャフトを備えている。スクリューシャフトは、特に同一方向に回転するように駆動可能である。好ましくは、スクリューマシンは、二軸スクリューマシンとして構成されて、同一方向に回転するよう駆動可能で密接して噛合するスクリューシャフトを有する。
【0016】
請求項
9にしたがう装置は小型なデザインを確実にする。駆動モータ及びギアが互いに対しL字状構成で配置されていることに因り、装置は比較的短い軸線方向長さを有する。ギアは、特に、角度ギアとして構成されて、駆動モータが第1の軸線方向に配置され、ギア及びスクリューマシンが第2の軸線方向に配置され、両軸線方向は互いに直交して走行する。好ましくは、駆動モータは懸架して配置されている。
【0017】
請求項
10にしたがう装置は簡易かつ効率的な脱揮を確実にする。スクリューマシンは、メインスクリューマシン内に配置された材料の脱揮のための側部脱揮マシンとして構成される。メインスクリューマシンは材料を処理するために使用され、慣用のメインマシンハウジングを有し、その中に形成されたメインハウジングボアを備え、メインハウジングボアにはその中に配置された処理要素シャフトが設けられて、同一方向に回転するように駆動可能にされている。メインマシンハウジングはメインハウジングボアに連通する少なくとも1つの流路を有して、メインハウジングボアを側部脱揮マシンとして構成されたスクリューマシンの少なくとも1つのハウジングボアに接続する。材料から処理中に逃がす揮発性成分は、メインハウジングボアから少なくとも1つの流路を介して少なくとも1つのハウジングボアに排出される。ハウジングボアから、揮発性成分は、本発明にしたがって、ハウジングから少なくとも1つのガス抜きチャンネル、内部空間及び少なくとも1つのガス抜き開口部を介して排出される。
【0018】
請求項
11にしたがう装置は簡易で小型なデザインを確実にする。スクリューマシンは材料を処理し、脱揮するために使用される。この目的のために、マシンハウジングには処理される材料のための供給開口部及び処理された材料を排出するための排出開口部が設けられる。
【0019】
さらに、本発明は、簡易かつ小型なデザインを有する装置を用いて簡易かつ効率的な態様で材料を処理する方法を提供するという目的に基づいている。
【0020】
この目的は請求項
12の特徴を有する方法によって達成される。本発明にしたがう方法の利点は、既に上述した本発明にしたがう装置の利点に対応する。本発明にしたがう方法は、特に、請求項1〜請求項
11の特徴を有するようにさらに展開することができる。
【0021】
本発明の他の特徴、利点及び詳細は、幾つかの実施例について図面を参照して以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】第1の実施例にしたがう処理される材料を脱揮するための装置の側面図を示す。
【
図2】スクリューマシンからギアへの移行領域において
図1にしたがう装置の垂直部分縦断面図を示す。
【
図3】
図2における断面線III-IIIに沿った装置の断面図を示す。
【
図4】第2の実施例にしたがう処理される材料を脱揮するための装置の
図3における断面に対応する断面図を示す。
【
図5】第3の実施例にしたがう処理される材料を脱揮するための装置の一部切欠平面図を示す。
【
図6】
図5における切断線VI-VIにしたがう装置の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の記載欄において、本発明の第1の実施例について
図1〜
図3を参照して説明する。装置1は材料2、特にプラスチック材料を処理し、脱揮するためのもので、駆動モータ4によってギア5を介して回転駆動可能な多軸スクリューマシン3を有する。
【0024】
スクリューマシン3はマシンハウジング6を有し、マシンハウジング6は複数のハウジング部7からなる。複数のハウジング部7はフランジ8を用いて相互接続される。マシンハウジング6は、ベースフレーム10に対して支持体9によって支持される。
【0025】
スクリューマシン3は、二軸スクリューマシン、言い換えれば、二軸押出機として構成される。マシンハウジング6は、互いに連通している2つのハウジングボア11、12を有し、ハウジングボアは横8の字状の断面を有する。ハウジングボア11、12において、2つのスクリューシャフト13、14が配置され、2つのスクリューシャフト13、14は互いに密接に噛合するように構成され、組み合わされた回転軸線15、16の周りに回転するように駆動可能である。スクリューシャフト13、14は、コア径D
i及び外径D
aを有する。最初のハウジング部7は、スクリューシャフト13、14によって搬送方向18に搬送されて処理される材料2の供給開口部17を備えている。このように処理された材料2はノズルプレート19において形成された排出開口部20を介して排出される。ノズルプレート19は最終ハウジング部7の端部に固定される。
【0026】
ギア5は、減速及び分配ギアとして構成される。駆動端において、ギア5は駆動モータ4に連結され、クラッチ21は駆動モータ4及びギア5の間に配置される。ギア5はメインハウジング23及び取付けハウジング24によって形成されたハウジング22を有する。取付けハウジング24はランタンとも称される。取付けハウジング24はメインハウジング23に固定され、内部空間27を形成する。内部空間27において、シャフト接続部28、29は、ギア5の2つの出力シャフト25、26及びスクリューシャフト13、14の間に配置される。この目的のために、ギア5の出力シャフト25、26はメインハウジング23の外にかつ内部空間27内に案内されて、それらはカップリングスリーブ30、31を介してスクリューシャフト13、14の駆動ピン32、33に接続される。
【0027】
取付けハウジング24の内部空間27は、駆動端における前壁34、出力端における前壁35、側壁36、37、上壁38及び下壁39によって形成される。前壁35において、取付け凹部40が形成され、その中でマシンハウジング6はアダプタ41を介して取付けられる。アダプタ41は、マシンハウジング6の一部であり、最初のハウジング部7に固定される。アダプタ41は、スクリューシャフト13、14のためのボア42、43を備え、ボア42、43はハウジングボア11、12と直列の断面を有する。ボア42、43は軸線方向にアダプタ41を貫通する。言い換えれば、ボア42、43はガス抜きチャンネル44、45をそれぞれ形成する流路として構成される。ガス抜きチャンネル44、45は、横8の字状の共用断面を形成するように互いに重なり合っている。ガス抜きチャンネル44、45は、ハウジングボア11、12から内部空間27に延在している。上壁38において、ガス抜き開口部46が形成され、ガス抜き開口部46は吸引ライン47を介して吸引装置48に接続される。言い換えれば、ガス抜きチャンネル44、45は、実質的にそれぞれのコア径D
i及びそれぞれの外径D
aの間のハウジングボア11、12に連通している。
【0028】
出力シャフト25、26は、前壁34を介して内部空間27に連通する。前壁34は、例えばシール(より詳細に図示せず)によって出力シャフト25、26に対してシールされる。前壁34、35、側壁36、37、壁38、39は、取付けハウジング24が脱揮の目的のため内部空間27を緊密にシールするように相互接続されている。下壁39は傾斜ハウジング底部49を形成する。傾斜ハウジング底部49は内部空間27で生成された凝縮液をそのハウジング底部49に沿って、下壁39内に形成された凝縮液排出部50に流し込むようにする。収集容器51が凝縮液排出部50に接続され、この収集容器51は着脱可能で緊密に下壁39に固定されている。凝縮液排出部50は収集容器51によって密閉可能である。
【0029】
ガス抜き開口部46を介して、内部空間27は取付けハウジング24の外部からアクセス可能であり、そのため第1の取付け領域M
1がガス抜き開口部46によって内部空間27に形成される。第1の取付け領域M
1は、ガス抜き開口部46の突出部が内部空間27に至ることによって実質的に形成される。これに対応して、内部空間27は取付けハウジング24の外部から凝縮液排出部50を介してアクセス可能であり、そのため凝縮液排出部50は第2の取付け領域M
2を形成する。第2の取付け領域M
2は、凝縮液排出部50の突出部が内部空間27に至ることによって実質的に形成される。シャフト接続部28、29は、アッセンブリ取付け領域M
1及び/又はM
2の何れかに少なくとも部分的に配置される。
【0030】
装置1の機能、動作は次のとおりである。
【0031】
ギア5を介して、駆動モータ4はスクリューシャフト13、14を同一方向、言い換えれば、同一回転方向に駆動する。処理される材料2、例えばプラスチック材料は、ハウジングボア11、12内に供給開口部17を介して供給される。材料2はスクリューシャフト13、14によって搬送方向18に搬送され、処理され、材料2から揮発性成分を逃がす。このように処理された材料2は排出開口部20を介して通常の態様で排出される。
【0032】
揮発性成分がハウジングボア11、12から後方で、言い換えれば、搬送方向18とは反対方向で後方排気される。この目的のために、吸引装置48が使用されて内部空間27内に大気圧より低い圧力を生成し、揮発性成分をガス抜きチャンネル44、45を介して、内部空間27内に引き出した後に、ガス抜き開口部46及び吸引ライン47を介して吸引装置48に到達させる。これは、
図2において矢印で図示されている。言い換えれば、揮発性成分は、ランタンを介して後方排気される。内部空間27において抽出時に生成された凝縮液は、凝縮液排出部50の方向にハウジング底部49を横切って流れて収集容器51に収集される。必要なら、収集容器51は下壁39から取り出されて空にされる。
【0033】
ガス抜きチャンネル44、45がコア径D
i及び外径D
aの間の領域におけるハウジングボア11、12に連通することに因り、ガス抜きチャンネル44、45は、短い軸線方向長さ及び比較的大きな流れ断面積を有する。流れ断面は、スクリューシャフト13、14によって恒久的に覆塞されることがなく、実質的に自由となっている。脱揮は取付けハウジング24を介して起こることに因り、スクリューマシン3は、より短い軸線方向長さを有するように構成される。特に、マシンハウジング6内にガス抜き開口部を設けることはもはや必要がなくなる。シャフト接続28、29がアッセンブリ取付け領域M
1及び/又はM
2内に配置されることに因り、シャフト接続28、29は、ガス抜き開口部46及び/又は凝縮液排出部50を介して取付け及び/又は取外しができる。取付けハウジング24に形成されたガス抜きチャンネル44、45及びガス抜き開口部46は、簡易、効率的、小型の後方排気装置を形成することになる。
【0034】
以下の記載欄において、本発明の第2の実施例を
図4に基づいて説明する。前述の実施例とは対照的に、アダプタ41は連続ボア42、43を有していない。ボア42、43は、止まり穴のように構成される。ボア42、43から出発し、2つの貫通孔52、53が内部空間27に延在しており、貫通孔52、53はL字状の断面を有する。言い換えれば、ボア42、43及び隣接する貫通孔52、53はガス抜きチャンネル44、45を形成する。ボア42、43の上流で、スクリューシャフト13、14はアダプタ41内において通常の態様でシール(より詳細に図示せず)によって、特に、パッキン押さえによって密閉される。L字状の貫通孔52、53は各々下部水平区分を有し、凝縮液をハウジングボア13、14から取付けハウジング24の方向に流出させる。この目的のために、L字状の貫通孔52、53は、好ましくは、取付けハウジング24の方向に下降傾斜するように構成される。貫通孔52、53の垂直区分は、ガス抜きチャンネル44、45の流れ断面を増加する。そのデザインと動作に関するさらなる詳細は、前述の実施例の説明で見出すことができる。
【0035】
以下の記載欄において、本発明の第3の実施例について
図5及び
図6を参照して説明する。前述の実施例とは対照的に、スクリューマシン3は側部脱揮装置として構成される。装置1は材料2を処理するためのメインスクリューマシン54を有し、メインスクリューマシン54は、メイン駆動モータ55、クラッチ56及びギア57によって同一方向に回転するように駆動可能である。メインスクリューマシン54はメインマシンハウジング58を有し、この中で2つの相互連通するメインハウジングボア59、60並びに供給開口部17及び排出開口部20が形成される。メインハウジングボア59、60において、スクリューシャフト又は処理エレメントシャフト61、62が、メイン駆動モータ55によって、組み合わされた回転軸線63、64の周りで同一方向、言い換えれば同一回転方向に回転駆動可能に配置される。スクリューマシン3のマシンハウジング6は、メインマシンハウジング58の側部に固定され、ハウジングボア11、12は流路65、66を介してメインハウジングボア59、60に連通している。スクリューシャフト13、14は流路65、66内に延在している。マシンハウジング6は取付けハウジング24に直接接続されたハウジング部7を有する。アダプタは設けられていない。ガス抜きチャンネル44、45はハウジングボア11、12及び内部空間27間に延在している。ガス抜きチャンネル44、45のデザインに関するさらなる詳細は前述の実施例の説明に見出すことができる。駆動モータ4及びギア5はL字状構成に配置されて、より小型のデザインを達成する。この目的のために、ギア5は角度ギアとして構成され、駆動モータ4はそこから懸架される。材料2はメインスクリューマシン54を使用して通常の方法で処理される。スクリュー装置3は材料2の脱揮のために使用される。この目的のために、材料2から処理中に逃がされている揮発性成分は、メインハウジングボア59、60から流路65、66、ハウジングボア11、12、ガス抜きチャンネル44、45、内部空間27及びガス抜き開口部46を介して排出される。駆動モータ4によって、材料2が流路65、66及びハウジングボア11、12に入るのを防止するような態様でスクリューシャフト13、14は同一方向に回転駆動される。デザイン及び動作に関するさらなる詳細は、前述の実施例の説明に見出すことができる。
【0036】
ガス抜き開口部46及び組み合わされた吸引ライン47は、一般に、取付けハウジング24の何れかの壁に配置される。さらに、少なくとも1つのガス抜きチャンネル44、45は、ハウジングボア11、12及び内部空間27間で、一般に何れかの所望の経路を辿ることができ、かつ/又は何れかの所望の断面形状を有してもよい。少なくとも1つのガス抜きチャンネル44、45の最小自由断面積は、好ましくは、少なくとも1つのハウジングボア11、12内、言い換えれば少なくとも1つのスクリューシャフト13、14及びマシンハウジング6間の自由断面積と少なくとも等しい。
【符号の説明】
【0037】
1・・・装置
2・・・処理される材料、特にプラスチック材料
3・・・スクリューマシン
4・・・駆動モータ
5・・・ギア
6・・・マシンハウジング
7・・・ハウジング部
8・・・フランジ
9・・・支持体
10・・・ベースレーム
11、12・・・ハウジングボア
13、14・・・スクリューシャフト
15、16・・・回転軸線
17・・・供給開口部
18・・・搬送方向
19・・・ノズルプレート
20・・・排出開口部
21・・・クラッチ
22・・・ハウジング
23・・・メインハウジング
24・・・取付けハウジング
25、26・・・出力シャフト
27・・・内部空間
28、29・・・シャフト接続部
30、31・・・カップリングスリーブ
32、33・・・駆動ピン
34・・・前壁
35・・・前壁
36、37・・・側壁
38・・・上壁
39・・・下壁
40・・・取付け凹部
41・・・アダプタ
42、43・・・ボア
44、45・・・ガス抜きチャンネル
46・・・ガス抜き開口部
47・・・吸引ライン
48・・・吸引装置
49・・・ハウジング底部
50・・・凝縮液排出部
51・・・収集容器
52、53・・・貫通孔
54・・・メインスクリューマシン
55・・・メイン駆動モータ
56・・・クラッチ
57・・・ギア
58・・・メインマシンハウジング
59、60・・・メインハウジングボア
61、62・・・処理エレメントシャフト
63、64・・・回転軸線
65、66・・・流路
D
i・・・コア径
D
a・・・外径
M
1・・・第1の取付け領域
M
2・・・第2の取付け領域