特許第6554384号(P6554384)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6554384炭素含有供給材料をガス化ガスに処理するための方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6554384
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】炭素含有供給材料をガス化ガスに処理するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   C10J 3/26 20060101AFI20190722BHJP
【FI】
   C10J3/26
【請求項の数】14
【外国語出願】
【全頁数】40
(21)【出願番号】特願2015-204565(P2015-204565)
(22)【出願日】2015年10月16日
(62)【分割の表示】特願2013-500073(P2013-500073)の分割
【原出願日】2011年3月7日
(65)【公開番号】特開2016-40377(P2016-40377A)
(43)【公開日】2016年3月24日
【審査請求日】2015年11月13日
【審判番号】不服2017-13387(P2017-13387/J1)
【審判請求日】2017年9月8日
(31)【優先権主張番号】61/314,002
(32)【優先日】2010年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515122985
【氏名又は名称】レイン・ウォーター,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100129311
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 規之
(72)【発明者】
【氏名】ストライジャク,セルギー・ワイ
【合議体】
【審判長】 冨士 良宏
【審判官】 日比野 隆治
【審判官】 天野 宏樹
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第0837120(EP,A1)
【文献】 特開2004−149556(JP,A)
【文献】 特開2009−226237(JP,A)
【文献】 特開昭63−151601(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10J3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部に向かって幅広くなる切頭円錐の形状を有するガス化器トランクを与え;
当該ガス化器トランクの頂部に配置された装填機構トランクを与え;
当該ガス化器トランクの底部に燃焼室を、当該燃焼室の底部にスラグ排出機構を与え;
当該ガス化器トランク内に以下の(a)〜(c)区域をこの順に与え
当該燃焼室内に(d)〜(f)区域をこの順に与え、
当該スラグ排出機構内に(g)区域を与え
(a)乾燥区域、
(b)可塑化区域、
(c)低温熱分解区域、
(d)高温熱分解区域、
(e)燃焼区域、
(f)改質区域;及び
(g)スラグ排出区域;
供給材料を供給し;
装填機構トランク及び供給材料供給装置を有する装填機構によって、供給材料を、装填機構トランクを通して、且つ乾燥区域、可塑化区域、低温及び高温熱分解区域、燃焼区域、改質区域、及びスラグ排出区域のそれぞれを通して送り;
装填機構トランクを通して送られる供給材料によって、乾燥区域、可塑化区域、低温及び高温熱分解区域、燃焼区域、改質区域、及びスラグ排出区域を大気から密閉分離する栓を前記装填機構トランク内に形成し;
乾燥区域内において供給材料から水蒸気を形成及び分離し;
熱分解区域において熱分解ガスを形成させ;
熱分解区域内において熱分解ガスの全部を供給材料から分離して、それによって炭素チャー残渣を分離し;そして
燃焼室内においてガス化ガスを形成する;
工程を含む下降流ガス化方法。
【請求項2】
分離された熱分解ガス及び水蒸気によって混合物を形成し;
混合物を燃焼区域に移動させ;
混合物を燃焼区域内で燃焼し;
燃焼区域内で炭素チャー残渣の一部を燃焼し;そして
炭素チャー残渣の残りの部分を改質区域における改質反応のために用いる;
工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
空気を燃焼室に供給する工程を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
酸素と水蒸気の混合物を燃焼区域に供給する工程を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
熱分解ガス中に含まれる炭化水素を、燃焼区域及び改質区域を通して移動させながら水素及び一酸化炭素に転化させる工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
供給材料が無機成分を含み、そのためにガス化ガスを燃焼区域及び改質区域を通して移動させる際に精製にかける、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
供給材料に少なくとも1種類の吸着剤を加える工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1種類の吸着剤が、金属、酸化物、塩、又は酸化物水和物である、請求項に記載の方法。
【請求項9】
供給材料に少なくとも1種類のフラックスを加える工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1種類のフラックスが、金属、酸化物、塩、酸化物水和物、硫化物、又は塩化物である、請求項に記載の方法。
【請求項11】
供給材料に二酸化ケイ素を加える工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
燃焼区域中に水蒸気を供給する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
燃焼区域中に二酸化炭素を供給する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
ガス化ガスを、改質区域、燃焼区域、低温及び高温熱分解区域、可塑化区域、及び乾燥区域の少なくとも1つの中で移動させて、それによってガス化ガスの温度を低下させる工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、化学技術及び装置、特に、熱分解及び下降流ガス化プロセスを用いることによって、固体家庭廃棄物及び産業廃棄物、化石燃料、並びに他の炭素含有供給材料をガス化ガスに処理するための方法及び装置に関する。
【0002】
[0002]本出願は、2010年3月15日出願の米国仮特許出願61/314,002(その全部を参照として本明細書中に包含する)の優先権を主張する。
【背景技術】
【0003】
[0003]下降流ガス化プロセスは、炭素含有供給材料を処理するための現代の技術において通常的に用いられているプロセスである上昇流ガス化プロセスと比べて多数の有利性を有している。下降流ガス化プロセスの1つのかかる有利性は、低温熱分解区域において形成されるプロセスタール、酸、及び水蒸気を燃焼及び改質区域に通して、そこで高温への曝露下においてガス化ガスへのほぼ完全な転化に到達することである。これによって、かかるガスを、例えばガスの冷却及び精製のためのコストを最小にして、ガス−ディーゼルエンジン、ガス駆動エンジン、又はガスタービンにおいて電気エネルギーを生成させるために用いることが可能になる。
【0004】
[0004]同時に、伝統的な下降流ガス化プロセスは幾つかの欠点を有することを特徴としており、これによってこのプロセスのより幅広い使用が阻まれていた。技術科学文献において記載されている伝統的な下降流ガス化プロセスの幾つかの欠点は、(1)乾燥及び低温熱分解のための貯留槽内に供給材料がぎっしりと装填され、これによって不安定なガス化プロセスが起こり、それに続いて完全な停止が起こるために、揮発性成分の高い含量を有する供給材料を可塑化及びコークス化する方法のために下降流プロセスを使用することが不可能であること;(2)微細又は大きなフラクションを有する供給材料、凝集圧縮体を示す供給材料、又は低い灰分溶融温度を有する高い灰分含量を有する供給材料を用いて運転することが不可能なこと;(3)供給材料の周期的な装填又は追加の装填、その手動での粉砕及び差し込み(「ポーキング」と呼ばれている)のためにプロセスを停止する必要性があること;(4)残灰及び/又はスラグ残渣を周期的に除去する必要があること;(5)供給材料を装填するための停止のために生成ガスのv及び組成が不均一になり、これによってかかるガスを使用することがより困難になること;(6)激しいスラグ形成プロセスを開始することができないパラメーターを有する空気流の供給によって引き起こされるガス化器の低い相対的生産性;(7)毒性の無機残灰が生成すること;(8)生成ガスの熱を、ガス化器効率を向上させるために効率的に使用できないこと;及び(9)大きな熱損失;である。
【発明の概要】
【0005】
[0005]下記は本発明の代表的な態様の概要の記載である。これは、当業者が後述の詳細な議論をより速やかに理解することを助けるための序論として与えるものであり、本発明を具体的に示すために添付されている特許請求の範囲をいかなるようにも限定することは意図していない。
【0006】
[0006]本発明の装置の一態様は、外部容器及び内部容器を有し、内部容器は外部容器の内部に配置されており、それによって内部及び外部容器の間に空隙が形成されている。この装置はまた、細長い装填機構トランク、及び細長い装填機構トランクに沿って供給材料を移動させるための供給材料供給装置を有する装填機構も有する。この装置は更に、ガス化器トランク、燃焼室、ガス出口、及びスラグ排出機構を有する。
【0007】
[0007]上記に記載の装置の運転は、供給材料をガス化器トランク中に連続的に供給し、そこで供給材料を装填機構によって生起する圧力下で供給して、これによって供給材料を装填機構トランク及びガス化器トランクに沿って移動させ、形成されるガス及び残留炭素を全ての処理区域を通って妨げられずに通過させて、その後に冷却、機械的破砕、及びスラグの除去を行うことを含む。
【0008】
[0008]本発明の新規な方法の一態様は、装填機構トランクを与え;乾燥区域を与え;可塑化区域を与え;熱分解区域を与え;燃焼区域を与え;改質区域を与え;スラグ排出区域を与え;供給材料を供給し;細長い装填機構トランク及び供給材料供給装置を有する装填機構によって、供給材料を、装填機構トランクを通して、且つ乾燥区域、熱分解区域、燃焼区域、改質区域、及びスラグ排出区域のそれぞれを通して送る;工程を含む。かかる方法は、供給材料によって、乾燥区域、可塑化区域、熱分解区域、燃焼区域、改質区域、及びスラグ排出区域を大気から実質的に密閉分離する栓を形成し;そして乾燥区域内において供給材料から水蒸気を形成及び分離し;熱分解区域において熱分解ガスを形成させ;熱分解区域内において熱分解ガスの実質的に全部を供給材料から分離して、それによって炭素チャー残渣を分離し;そしてガス化ガスを形成する;工程を更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】[0009]図1は、本発明の一態様にしたがう装置の概要図を示す。
図2】[0010]図2は、本発明方法の一態様を実施する装置における作用区域の分布の概念図である。
図3】[0011]図3は、本発明方法の一態様のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0012]本発明は、炭素含有供給材料をガス化ガスに処理するための方法及び装置に関する。以下の記載は当業者が本発明を構成及び使用することができるように示すものであり、本記載及びその要件との関連で与えるものである。家庭廃棄物及び産業廃棄物を処理するための方法及び装置に関連して本発明を記載しているが、好ましい態様に対する種々の修正は当業者に容易に明らかであり、ここに記載する原理は、他の炭素含有供給材料、装置の幾つかの態様、及び方法の修正に適用することができる。
【0011】
[0013]本発明によって、従来公知の方法による下降流プロセスにおいて確実に且つ効率的に処理することが不可能であった種々の形態構造、分割された組成、及び増加した湿分含量を有する供給材料を処理することが可能である。
【0012】
[0014]図1を参照すると、本発明の装置の一態様は、外部容器1、内部容器2、燃焼室3、装填機構トランク35、及びスラグ排出機構5を有する。
[0015]外部容器1は、好ましくは円筒の形態のシート状耐熱鋼から構成するが、他の耐熱材料から構成することができ、非円筒形状を有していてもよい。好ましくは環状の空冷流路11を有する冷却フランジ10が、外部容器1の下端に取り付けられている。外部容器1の上端にフランジ12が取り付けられている。好ましくは長方形又は円形の断面を有することを特徴とするガス出口13が、外部容器1に対して接線方向に配置されている。ガス出口13は、生成したガス化ガスを本発明の装置から排出するためのものである。
【0013】
[0016]好ましくは外部容器1の外表面上に熱ジャケット14が配置されている。熱ジャケット14内に空気流路15が形成されている。熱分離ジャケット14には、好ましくは外部ケーシング16及び載置パッド17が備えられている。別の態様においては、外部ケーシング16は、剛性の同心橋架具によって一緒に結合されており、下部フランジ10に取り付けられている異なる直径の2つの円筒形シェルとして形成することができる。カバ
ー18が上部フランジ12に取り付けられている。フランジ19がカバー18の下部部分の上に配置されている。空気分散ボックス20がフランジ19の上表面に取り付けられている。フランジ19はフランジ12と結合されている。フランジ19はまた、内部容器2の上部に接続されている。
【0014】
[0017]スラグ排出機構5の本体9が下部フランジ10に取り付けられている。空冷流路24を有するフランジ23がスラグ排出機構5の上方に配置されている。空気流路48がフランジ10及び23を貫通しており、空冷流路11及び24を接続している。
【0015】
[0018]この態様においては、内部容器2は、円筒形状を有することを特徴としており、シート状の耐熱鋼から構成されている。内部容器2は外部容器1の内部に配置されている。内部容器1及び外部容器2はフランジ19を介して接続されている。ガス流路26が外部容器1と内部容器2との間に配置されている。
【0016】
[0019]空気分散シェル20を有するフランジを介して、カバー21が内部容器2の上部部分に接続されている。燃焼室3が内部容器2の下部部分内に配置されている。ガス化器トランク8が内部容器2の内部に配置されている。内部容器2の内部に配置されている空気供給流路25が、空気分散シェル20を燃焼室3と接続している。パイプを用いて空気供給流路25を形成することができる。撹拌装置27のブレードが内部容器2の外表面上に形成されている。
【0017】
[0020]好ましい態様においては、燃焼室3は耐熱鋼で成形する。或いは、燃焼室3は溶接構造を有していてよく、又は他の好適な様式であってよい。燃焼室3は、内壁28及び外壁29を有することを特徴とする。更に、好ましい態様においては、燃焼室3は、内部容積−空気供給流路25によって空気分散シェル20と接続されている羽口下屈曲部30−を形成する同心の挿入物によって一緒に固定されている円筒形のシェルから構成されている。
【0018】
[0021]燃焼室3の内壁28は、その底部においてより広い直径を有する切頭円錐の形状を有していてよい。燃焼室3の外表面に耐熱被覆を施すことができる。外部羽口31は、内壁28の周縁の周りのノズルとして構成することができる。
【0019】
[0022]内部羽口32は、燃焼室3の中央部分に、内部容器2の壁に対して所定の角度を有して配置する。内部羽口32は、空気供給流路25によって空気分散シェル20に接続されている。
【0020】
[0023]装填機構7は、受容バンカー33、供給材料供給流路34、及び装填機構トランク35を有する。装填機構には、ピストン36、又は他のデザインの好適な機械的駆動装置を装備することができる。好ましい態様においては、ガス化器トランク8は、内部容器2の内部に、ガス化器トランク8の軸が装填機構トランク35の軸と実質的に一致し、装填機構トランク35の下側の開放端4がガス化器トランク8の上端のレベルか又はそれよりも僅かに低く配置されるように配置する。装填機構トランク35の直径は、ガス化器トランク8の直径よりも小さい。
【0021】
[0024]別の態様においては、カバー21の上部に配置されている装填機構トランク35の一部にクーラーを装備することができる。ガス化器トランク8は、底部に向かって幅広くなる切頭円錐として形成されている。好ましくは、ガス化器トランク8の壁内に脱気スリットが形成されている。脱気スリットは、好ましくはガス化器トランク8の壁の全長にわたって切られているが、好ましくはガス化器トランク8の中央部の付近に切られていない部分が残っていてよい。好ましい態様においては、脱気スリットは、ガス化器トランク
8の下端に向かってより幅広くなっている。ガス化器トランク8の底部部分の直径は、内部容器2の直径よりも小さい。
【0022】
[0025]好ましい態様においては、ガス化器トランク8は、ガス化器トランク8の外表面に取り付けられている種々の直径の鋼環によってその長さに沿って強化されている。かかる鋼環は剛性構造体として機能する。ガス化器トランクの形状が異なる場合には、剛性構造体をガス化器トランクの形状に合致させる。例えば、ガス化器トランクが八角形である場合には、剛性構造体も八角形にする。更に、好ましい態様においては、ガス化器トランク8に、脱気スリットによって分離されている壁部分上に配置されている剛性リブを装備する。
【0023】
[0026]内部容器2とガス化器トランク8との間に給湿室37が形成されている。
[0027]スラグ排出機構5は円筒形の本体9を有する。円筒形の本体9の上部部分にフランジ23が取り付けられている。フランジ23には空気流路48が備えられている。スラグ排出機構5の底部40の内表面に空気分散ボックス39が取り付けられている。空気分散ボックス39は、好ましくはその上部部分内に孔を有する円筒形状のものである。空気供給流路38の分岐管が、スラグ排出機構5の側壁を通して挿入されて、空気分散ボックス39に対して接線方向に取り付けられている。
【0024】
[0028]また、スラグ排出機構5にはテーブル41が装備されている。テーブル41の上に回転スラグスクレーパー42が配置されている。回転スラグスクレーパー42は、内部に空冷又は水冷システムを有する中空構造体として構成されている。スラグスクレーパー42には、冷却剤注入分岐管45及び冷却剤排出分岐管46が装備されている。スラグスクレーパー42にはまた、ベアリングユニット及び機械的駆動装置43も装備されている。テーブル41はスラグ排出機構5の本体9に取り付けられている。
【0025】
[0029]フランジ23はテーブル41の延長部分である。フランジ23と10との間に空気流路48が配置されており、空気流路48によって、空冷流路11がスラグ排出機構5のトレー24と接続されている。1以上のスラグ回収バンカー47がテーブル41の下表面に取り付けられている。スラグ回収バンカー47はスラグ排出ロック流路6に接続されている。
【0026】
好ましい態様の運転:
[0030]供給材料を、装填機構33の受容バンカー中に装填する。次に、供給材料のバッチを供給材料供給流路34中に導入する。供給材料は、駆動装置が装備されたピストンによって移動させることができる。而して、供給材料のバッチを、好ましくは傾斜した供給材料供給流路34中に導入し、次に装填機構トランク35中に導入する。供給材料のバッチが装填機構トランク35中に移動したら、ピストン36をその上部位置に配置する。供給材料のバッチを装填機構トランク35中に導入した後、その駆動装置によって駆動されるピストン36をその下部位置に下げ、それによって供給材料が装填機構トランク35を下方に移動する。ピストン36によって加えられる圧力下において、且つ圧縮された供給材料と装填機構トランク35の内壁との間の摩擦力が合わさって、供給材料から気密の栓が形成される。
【0027】
[0031]供給材料供給流路34の駆動装置及びピストンと、装填機構トランク35の運転とを同期させる。これによって、気密の移動可能な栓の形態の圧縮された供給材料をガス化器トランク8中にバッチ供給することが可能である。次の装填サイクルの間に、装填機構トランク35内で形成される新しい栓が、先のものをガス化器トランク8中に押し下げる。ガス化器トランク8の直径は装填機構トランク35の直径よりも大きいので、圧縮された気密の栓の形態の供給材料はより小さい部分に崩壊して、ガス化器トランク8の上部
部分の全表面にわたって散乱する。
【0028】
[0032]装填機構トランク35には、運転中、特にガス化器の停止中に気密の栓が乾固又は焼尽する(これによって栓の機密性が失われる可能性がある)ことがないようにする外部冷却器を装備することができる。ガス化器トランク8は、その底部に向かって幅広くなっている切頭円錐として構成する。これも底部に向かって幅広くなっている脱気スリットによって、(供給材料がガス化器トランク8を下方に移動する際の)供給材料とガス化器トランク8の内壁との間の摩擦を減少させることを可能にして、そして供給材料がガス化器トランク8を通って燃焼室5中に移動することを促進する。
【0029】
[0033]ガス化器トランク8内においてその全長に沿って圧縮された供給材料は、燃焼室3の区域内で生成し、内部容器2と外部容器1との間の間隙を通してガス出口13に向けられる高温のガスによって外側から加熱されている内部容器2の壁からの外部熱に曝露される。ガス化器トランク8に沿った温度は、その下部部分においては約700℃、その上部部分においては約300〜400℃に達する。
【0030】
[0034]内部容器2の外表面に螺旋パターンで取り付けられている複数の金属ブレードから構成される撹拌装置27によって、高温のガス化ガスの上昇流からの内部容器2の壁への熱伝達が増大する。
【0031】
[0035]ピストン36の連続的な動きによって、ガス化器トランク8の内部の供給材料が燃焼室3に向かって下方に移動する。それがガス化器トランク8の下方に移動するにつれて、供給材料は熱に対する曝露によって引き起こされる変化を受ける。かかる供給材料の低温処理は、おおまかには3つの段階:乾燥、可塑化、及び低温熱分解に分けることができる。而して、ガス化器トランク8は低温処理の区域−区域1を示す。図2は、本発明による装置内の種々の区域を図示する。
【0032】
区域1は、おおまかには3つの領域:
−領域1.1 供給材料乾燥区域;
−領域1.2 可塑化区域;及び
−領域1.3 低温熱分解;
に分けることができる。
【0033】
[0036]区域1における供給材料の低温処理によって、プロセス蒸気、並びに軽質タール及び炭素を含む熱分解ガスが形成される。かかる蒸気及びガスは、ガス化器トランク8の脱気スリットを通して給湿室37中に導入される。給湿室37は、ガス化器トランク8と内部容器2との間に配置されている。プロセス蒸気及び熱分解ガスは、次に、ガス化器トランク8の下部部分と内部容器2の直径の差によって形成される間隙を通して燃焼室3の区域中に導入される。装填機構トランク35内において供給材料から形成される気密の栓によって、区域1において形成される水蒸気−ガス混合物は大気中に放出されない。同じ栓によって、外部からの空気が侵入することが妨げられる。軽質タール及び炭素は、低温熱分解の区域(領域1.3)において形成されてガス化器トランク8の脱気スリットを通過する熱分解ガスと一緒に、給湿室37の下部部分を閉塞する可能性がある。しかしながら、約1300°F(約704.4℃)の高い温度、及び乾燥区域(領域1.1)から導入される水蒸気によって、給湿室37の下部部分が脱タール化され、それによって給湿室37から燃焼室3中への水蒸気−ガス混合物の妨げられない通過が可能になる。
【0034】
[0037]可塑化区域(領域1.2)においては、脱気スリットは存在しない。これは、ピストン36の圧力下でその集合状態が固体から粘稠状態に変化した供給材料が、この領域において脱気スリットを通して給湿室37中に押出される(これは、水蒸気−ガス混合物
の自由な通過に対する障害物を形成する可能性がある)ことがないようにするために必要である。
【0035】
[0038]給湿室37中の、ガス化器トランク8の脱気スリットの反対側に、空気供給流路25が配置されている。スラグ排出機構5の壁から加熱された空気が、空気分散シェル20から空気供給流路25を通って内部羽口32に供給され、また、羽口下屈曲部30を通して外部羽口31に供給される。
【0036】
[0039]水蒸気及び/又は二酸化炭素を、給湿室37の上部部分内に配置されている水蒸気入口49を通して、更なる酸化剤としてガス化器中に導入することができる。
[0040]内部羽口32は、ガス化器トランク8の下端のレベルに配置されている。内部羽口32は、内部容器2の壁に対して約45°の角度で設置されている。内部羽口にはプレートホルダーが取り付けられており、これはまた、供給材料が燃焼室3の区域中に突然落下することを阻止するためのガス化器トランク8内の供給材料のための支持体も与える。プレートホルダーはまた、供給材料が断片に分離することを助ける。これによって、外部羽口31からの空気が給湿室37からのガスと一緒に圧縮された供給材料中に自由に浸透することが可能になるので、燃焼室3の区域内における残留炭素のガス化プロセスが促進される。
【0037】
[0041]低温処理の区域(区域1)を通過した後、水蒸気−ガス混合物、及び断片に分割され、部分的に粉砕された残留炭素は、ピストン36の作用下で、その中に高温処理の区域(区域2)が配置されている燃焼室3中に導入される。区域2は、約1300°F(約704.4℃)〜約2400°F(約1315.6℃)の範囲の温度を有することを特徴としており、図2に示すように、ここで水蒸気−ガス混合物及び残留炭素が高温にかけられる。
【0038】
−領域2.1 高温熱分解、及び引き続くガス化区域;
−領域2.2 燃焼区域;
−領域2.3 改質区域。
【0039】
[0042]燃焼室3は、内部容器2の下部部分内に配置され、燃焼室3の外壁29及び燃焼室3の内壁28を有する中空の羽口下屈曲部30から構成される。内壁28の上部部分に空気供給流路25が取り付けられている。外部羽口31が、内壁28の中央部分にその全周囲に沿って配置されている。
【0040】
[0043]内部羽口32は燃焼室3の内部に配置されている。外部羽口31及び内部羽口32によって羽口屈曲部が形成されている。残留炭素及び水蒸気−ガス混合物は、ピストン36の作用下で給湿室37から羽口屈曲部に沿って移動する。スラグ排出機構5の壁から加熱された空気が、空気供給流路25を通して羽口下屈曲部30中に導入され、ここで羽口下屈曲部30の金属構造体を冷却しながら更に加熱される。
【0041】
[0044]加熱された空気が、外部羽口31を通して、約30〜50m/秒の速度で燃焼室3の燃焼区域(領域2.2)に導入される。加熱された空気はまた、内部羽口32を通してほぼ同じ速度で燃焼区域中に供給される。初めは、燃焼区域内の空気酸素の影響下で、低温処理(区域1)において形成された高エネルギーのガス及びタールの実質的に完全な燃焼、並びに残留炭素の部分的な燃焼が起こる。燃焼区域(領域2.2)における酸化反応の大きな発熱効果のために、温度は約2700〜3100°F(約1482.2〜1704.4℃)に急速に上昇し、これによって、高い湿分含量を有する供給材料を使用すること、並びに水素添加ガス化生成物によって生成するガス化ガスの量を更に増加させることが可能になる。
【0042】
[0045]次に、供給材料の湿分含量を増加させることによって、この区域内の温度を1600〜2400°F(871.1〜1315.6℃)に低下させることができる。羽口からの空気の高い速度によって、羽口のすぐ正面における残留炭素の燃焼が燃焼室3内の全燃焼速度と比べて大きく(200%まで)増大する。これによって、羽口屈曲部の区域内に存在する残留炭素塊を緩くし、同じ区域内においてガス化の結果として形成されるガスにおける強い炭素沸騰効果を生起させ、この区域内における燃焼反応及び一次改質反応の効果を増大させ、それによって生成したガス化ガスの組成を大きく向上させることが可能になる。
【0043】
[0046]燃焼区域(領域2.2)においてガス化されなかった残留炭素は、改質区域(領域2.3)中に下降し、そこで二次改質反応に関与して完全なガス化が行われる。この改質区域(領域2.3)においては、燃焼区域(領域2.2)において空気酸素と反応しなかった低温処理のガス及びタールが最終的に転化して、高温の残留炭素及びスラグからの高い温度の影響下で単純な燃焼性ガスのレベルに還元される。改質区域(領域2.3)内で起こる改質反応は、非常に顕著な吸熱性を有する。これによって、この区域内の温度が低下し、且つ処理されたガス化ガスの温度が約1300〜1450°F(約704.4〜787.8℃)に低下する。
【0044】
[0047]燃焼区域(領域2.2)及び改質区域(領域2.3)内における残留炭素の無機成分は吸着剤として作用し、生成するガス化ガスからの重金属、イオウ、及び塩素化合物の有害な混入物の除去に活発に関与して、それらを水中に不溶の不活性の形態、即ち主として複合シリケートスラグに転化させる。
【0045】
[0048]これらの区域におけるガス精製の程度及びスラグ形成温度は、残留炭素中の無機成分の構成要素に直接左右される。したがって、ガス生成の度合い及びスラグ形成の温度は、金属酸化物、塩及びこれらの酸化物水和物、二酸化ケイ素などのような供給材料中の無機添加剤を用いて調節することができる。
【0046】
[0049]燃焼区域(領域2.2)において形成されるスラグは、改質区域(領域2.3)を通してスラグ区域(区域3)中に、これらの区域内の温度、供給材料の形態構造及び湿分含量、並びにガス化器中への無機供給材料添加剤及び場合によってはプロセス流の更なる供給に応じて、液体状態、粘稠状態、又は固体状態で移す。スラグ区域(区域3)内において、スラグを冷却し、機械的に粉砕し、その後、スラグ排出ロック流路6を通して取り出す。
【0047】
[0050]フランジ23は、外部容器1の下部フランジ10を通してスラグ排出機構5をガス化器の容器と接続する。貫通空気流路48がフランジ23と10との間に配置され、それによって空冷流路11とスラグ排出機構5のトレー24が接続されている。空気流路のシステムによって、ガス化器に供給される低温空気の助けを借りて、フランジ23及び10、スラグ排出機構5の本体及び他の部材、並びに外部容器1の下部部分(これらは全て高温区域内に配置されている)に作用する温度が低下する。
【0048】
[0051]スラグ排出機構5のトレー24内で加熱された空気は、垂直の空気流路15を通して、カバー12上に配置されている空気分散ボックス20に供給し、それから空気を燃焼室3の内部及び外部羽口に送る。スラグ排出機構5の本体9は、フランジ23へのその転移点においてテーブル41に取り付けられている。本体9は底部40を有する。空気分散ボックス39が底部40の内部部分上に配置されている。空気分散ボックス39は、好ましくはそのカバー内に同心の孔を有する円筒の形状で構成される。
【0049】
[0052]空気供給流路38は、スラグ排出機構5の本体9の側壁を通して導入される。空気供給流路38を通して、低温の周囲空気がガス化器中に供給される。空気供給流路38は、好ましく、空気分散ボックス39の内部の空気分配を向上させる角度で空気分散ボックス39に接続されている。回転スラグスクレーパー42がテーブル41上に配置されて
いる。スラグスクレーパーは、空気流によって空気分散ボックス39から冷却される。スラグスクレーパー42には、それ自体の空冷又は水冷システム、冷却剤入口45、冷却剤出口46、ベアリングブロック44、及び機械的駆動装置43を装備することができる。
【0050】
[0053]機械的駆動装置43の作用下における回転運動中に、スラグスクレーパー42は、その歯を有する縁で上方の固体スラグの一部を掻き落とし、一方でこれはまた、その正面の鋭利な縁で、溶融形態で導入されるがその後にトレー24中に連続的に供給される空気による冷却の結果としてテーブル41の表面上で固化するスラグをテーブル41の表面から掻き落とす。スラグを粉砕し、スラグスクレーパー42の遠心回転力の作用下において、1以上のスラグ集積バンカー47が配置されているテーブル41の周縁に押出す。スラグ集積バンカーは、スラグ排出ロック流路6と接続している。而して、スラグ集積バンカー47に粉砕されたスラグが充填される。その後、ロック装置の上部スライドゲート(図1には示していない)を開放し、スラグをロック装置中に排出し、それによってスラグ集積バンカー47が空になる。次に、上部スライドゲートを閉止し、下部スライドゲート(図には示していない)を開放して、それによってロック装置からスラグを排出する。次に、移送装置によってスラグをスラグ集積バンカー中に送る(図には示していない)。このプロセスによって、実質的に周囲空気がガス化器に入ることなくスラグを排出することが可能になる。
【0051】
[0054]高温処理区域を通過した後、ガス化ガスを、外部容器1と内部容器2との間の領域に配置されているガス区域−区域4の中に導入する。内部容器2と外部容器1との間の空隙を通って燃焼室3の下部部分からガス出口13に底部から上向きに上昇しながら、ガス流は、内部容器2を通る低温処理の区域(区域1)内での対流伝熱のために約300〜400℃の温度に冷却される。熱交換を促進するために、ガス区域(区域4)内に撹拌装置27を設置する。
【0052】
[0055]底部から上向きに上昇するガス流は、撹拌装置27中に導入され、ここで内部容器2の周りを螺旋軌道で移動しながら動きながらその運動方向を変化させる。これによって、ガス流の線速度及び乱流度の両方が増大する。これらの2つのファクターによって、(撹拌装置27のブレードの表面による)増加した熱交換表面と相まって、ガスと内部容器2との間の伝熱速度が大きく向上し、それによって低温処理区域(区域1)において最大量の熱がガス化ガスから供給材料に伝達される。
【0053】
[0056]撹拌装置27から排出されるガス流に対する更なる抵抗を回避するために、ガス化ガス出口13は、好ましくは、外部容器1に下向きの傾斜を有して接線方向に取り付ける。これによって、ガス出口13を通るガス流の高い速度と相まって、ガス化ガス中に存在する可能性がある炭素及びスラグダストのその下部の壁上への堆積が最小になる。
【0054】
[0057]ガス出口13は外部断熱材を有しており、フランジジョイントを介して、断熱ケーシング(これによってサイクロン分離器容器の壁を通るガス化ガスの熱損失を最小にすることができる)を有する高温のサイクロン分離器と接続されている。高温のサイクロン分離器は、ガス化器から排出されるガス化ガスから、微細分散している炭素及びスラグダストを清浄除去するのに用いられ、これは受容ビン内に回収してロック装置を通して取り出すことができる。
【0055】
[0058]ガス化ガスは更に冷却及び最終精製のためのシステムに送ることができ、ここで冷却を行ってプロセス流又は熱水を生成させることができ、一方で、その更なる工業的利用のためには有害な混入物の最終除去が必要である可能性がある。
【0056】
[0059]本発明のより良好な理解のために、但しその範囲を限定することなく、温度区域
の記載を以下に与える。
温度区域:
[0060]本発明の装置においては、供給材料の加熱、乾燥、低温及び高温熱分解の処理を同時に行う。更に、酸化性ガスと分解生成物及び供給材料の残留炭素との相互作用が装置内で起こる。
【0057】
[0061]ガス化器装置のための供給材料としての固体の家庭廃棄物(SHW)は、有機及び無機成分の非常に多様で多成分の組成物である。表1は、以下の議論がそれに基づくデータを含む。
【0058】
[0062]供給材料の有機及び無機成分は供給材料の処理のために必須である。これらは、生成するガス化ガスの組成及び残留スラグの形成の両方に大きな影響を与える。無機成分の組成及びタイプは両方とも、供給材料の処理に影響を与える。無機成分の2つの主要なタイプが、機械的混入物、及び供給材料内容物と化学的に結合している成分として区別される。
【0059】
[0063]第1の主要なタイプは、供給材料の全重量の約6%〜約25%の範囲の量の無機成分を含む。このタイプの成分は、供給材料中において、非鉄及び鉄類金属、セラミクス、建設廃棄物、ゴミ、ガラスなどのような機械的混入物として見られ、その無機部分を形成し、CaCO、MgCO、FeCO、CaSO、NaSO、FeSO、FeS、SiO、シリケートのような主成分を、種々の含量の主酸化物:Al、SiO、CaO、NaO、KO、及び小さい含量の他の金属の酸化物と共に含んでいる。
【0060】
[0064]これらの成分は、次の順番で供給材料中のそれらの含量を減少させて記号で配列することができる。
−SiO−数十パーセント;
−Al、Al、MgO、Fe、F、CaSiO、CaCO−数パーセント、数十パーセント;
−Cu、Zn、S、TiO、FeO、Ni、Pb、NaSiO、Sn、CaSO、MgSO、Cl、S2−、NaCO−数パーセント、数十分の一パーセント;
−BaO、ZnO、Cd、NaCl、NaPO、MgCO、MgSO、MgSiO、KPO、CaCl、MgCl、KCO、Cr、Sb、SbO−数十分の一及び数百分の一パーセント;
−NaOH、LiOH、W、V、Cr、Ni、PbO、ZnSiO、F、SO2−、Mn、V、Mo、As、Co、Hg、As、BeO−数百分の一パーセント未満。
【0061】
[0065]第2のタイプの無機成分は、供給材料と化学的に結合している成分を含み、化合物のより少ない量を構成する。このタイプの無機成分は、通常は供給材料の全重量の0.47%〜2.81%を構成する。かかる成分の幾つかは、例えば、紙、ボール紙、木材中に含まれる金属及びそれらの酸化物並びに塩、並びに繊維廃棄物及びポリマー材料中に含まれる染料である。
【0062】
[0066]区域1 20700℃の範囲の温度を有する低温処理区域。この区域は、ガス化器中に導入される供給材料の乾燥、破壊、及び低温熱分解を与える。この区域は温度範囲によって大まかに3つの領域に分けることができる。
【0063】
領域1.1 乾燥区域。温度範囲は20150℃である。
領域1.2 可塑化区域。温度範囲は150350℃である。
領域1.3 低温熱分解の区域。温度範囲は350700℃である。
【0064】
[0067]領域1.1 20150℃の範囲の温度を有し、装填流路の下部部分内に配置されている乾燥区域。ここでは、次のプロセスが行われる。
−装填機構トランクの冷却部分内:装填される供給材料を圧縮し、気密の栓を形成する。これは実質的に供給材料を固めるプロセスである。
【0065】
−ガス化器トランクの上部部分内のガス化ガスの熱によって加温される区域内:供給材料を始めに加温して自由湿分を蒸発させる。
−激しい水蒸気の形成;供給材料の乾燥(この中では水蒸気の部分過熱が行われる);供給材料の可融性成分の集合状態を変化させるプロセスを開始し、供給材料塊における局所区域を軟化する。
【0066】
[0068]乾燥プロセスとの関連においては、自由湿分、燃料と混合している湿分(即ち水との直接接触において得られる湿分)、及び水蒸気吸着によって引き起こされる供給材料の構造体中に含まれる湿分(吸湿分)が区別される。
【0067】
[0069]加熱プロセス中においては、乾燥速度は一定値に速やかに上昇し、次に一定の乾燥速度の期間が始まり、吸湿分状態に達した後に、乾燥速度が減少する段階が始まる。蒸発区域は圧縮された供給材料の塊中深くになる。水熱伝導の曝露下における表面からの湿分の蒸発及び塊中へのその移動によって、表面床の激しい加熱及び内部床の湿分富化が起こる。
【0068】
[0070]乾燥プロセス中においては、熱伝導係数は一定して低下する。熱伝導係数はまた、臨界点から出発して、蒸発領域が深くなり、供給材料の乾燥した外側床の熱抵抗が増加することによって引き起こされる湿分含量の減少に伴って劇的に減少する。
【0069】
[0071]これらのプロセスは、供給材料の内部床の加温の悪化を導き、これによって供給材料の内部床を完全に乾燥させるための時間が増加する。したがって、ガス化器トランク内の全供給材料の乾燥領域の下端は、図2に示すように底部にその頂点を有する切頭円錐に多少類似する形状をとる。
【0070】
[0072]供給材料の乾燥の結果として形成される水蒸気は、ガス化器トランクの脱気スリットを通して給湿室に導入され、そこでガス化器の内部容器の壁と接触して、部分的に過熱されるようになる。
【0071】
[0073]全乾燥プロセス中において、供給材料は収縮する;言い換えれば体積が減少し、それを更に加温することによってより大きな構造変化が導かれる。
[0074]領域1.2 300675°F(148.9〜357.2℃)の範囲の温度変化を有する可塑化区域は、ガス化器トランクの中央の加温されている領域内に配置され、その中で次のプロセスが行われる。
【0072】
−供給材料の完全な乾燥;
−有機ポリマーの分解及び破壊プロセスの開始;
−有機及び無機起源の可融性材料の集合状態を変化させて、塑性又は液体状態に変換する;
−供給材料全体を可塑性の移動可能な材料に変換する;及び
−タール並びに飽和及び不飽和炭化水素の初期形成。
【0073】
[0075]而して、約120℃の温度においてポリエチレンが溶融し始める。温度が上昇するにつれて、供給材料の可融性部分を示す他のポリマーが溶融し始める。温度が約200〜250℃に達すると、全てのポリマーが液体物質に変化して、供給材料塊中の全ての空隙を満たす。同時に、供給材料全体が塑性の気密物質に変化し、装填機構のピストンによって加えられる圧力下においてガス化器トランクの内部空間を下方にゆっくりと移動する。
【0074】
[0076]約390°F(約198.9℃)の温度においては、無機コロイドが水蒸気相に転移する。得られる
水蒸気は、供給材料の粘稠な塊を突き破って乾燥区域中に進み、次に乾燥区域内で形成される水蒸気と一緒に給湿室中に導入される。
【0075】
[0077]乾燥区域内で行われる構造変化プロセスにおいては、供給材料全体が大きく収縮し、その熱伝導性が増加し、それによってその内部部分を含む供給材料の塊全体のより速い加温が促進される。しかしながら、供給材料の内部部分は、未だ外部部分よりもゆっくりと加温される。したがって、可塑化区域の下部境界及びその上部境界は、図2に示すように底部に頂点を有する不規則形状の円錐の形状をとる。
【0076】
[0078]約480°F(約248.9℃)の温度においては、一酸化炭素及び二酸化炭素のようなガス、並びにタールが、供給材料床から放出し始める。加熱が進行するにつれて、メタン、重質炭化水素ガス、及び水素が放出し始める。かかるガスは、供給材料の粘稠な塊を突き破って、低温熱分解の区域中に進む。次に、かかるガスは、ガス化器トランクの脱気スリットを通して給湿室中に流入する。
【0077】
[0079]ガス化器の運転中に可塑化区域が配置されるガス化器トランクの領域内には、脱気スリットは存在させない。これは、供給材料が給湿室中に搾出されるのを回避するために行われる。しかしながら、可塑化区域の上部部分において形成される水蒸気は、乾燥区域の脱気スリットを通して給湿室中に導入され、一方、可塑化区域の下部部分からのタール及びガスは、低温熱分解区域内の脱気スリットを通して給湿室中に導入される。
【0078】
[0080]領域1.3 約350℃〜約700℃の範囲の温度を有する低温熱分解区域が、ガス化器トランクの下部加温部分の中に配置される。領域1.3においては次のプロセスが行われる。
【0079】
−耐熱材料の集合状態を変化させて、それらを塑性状態に転移させる;
−有機化合物を分解及び破砕して、ポリマー中の共有結合及び有機化合物の格子を破壊する;
−激しいガスの放出;
−軽質のタール状物質を放出し、外部層から開始して塑性材料を固化し且つそれを炭化する;
−供給材料塊全体を残留炭素に転移させる;及び
−特定の有機塩を分解する。
【0080】
[0081]供給材料の初期分解温度は、主として供給材料の個々の特性によって決定されるが、これは多少は加熱条件によって定まる。供給材料中に含まれる結合酸素の含量がより高いと、その初期分解温度はより低い。
【0081】
[0082]供給材料の初期加熱段階においては、それから最初に酸素含有成分が排出され、最後に酸化度が最も少ないタール状物質が排出される。その加熱中において供給材料中の多量の酸素が利用可能であるので、発生する酸化反応による発熱効果が導かれる。これによって、供給材料の更なる加熱が導かれ、これによってその破壊が加速される。かかるプ
ロセスは、一部の無機塩の分解によって更に支援され、これによって、装填された供給材料の加温によって対応する酸化物、幾つかの場合には酸素及び他の塩が形成される。
【0082】
【化1】
【0083】
[0083]酸化反応によってこの区域内の供給材料の温度の上昇が促進され、これにより、供給材料の形態構造に依存して、主として水蒸気、二酸化炭素、酸化炭素、酢酸、メチルアルコール、ホルムアルデヒド、タール、メタン、エタン、プロピレン、及び水素のような種々の分解生成物、及びまた幾つかの他の分解生成物が排出される。
【0084】
[0084]供給材料中のポリマー材料の利用可能性によって、エチレン及びポリプロピレンの収率が対応して増加する。同時に、ポリマーは残留炭素を形成することなく実質的に完全に分解する。
【0085】
[0085]供給材料を分解し且つガスを形成する上記記載のプロセスによって、供給材料の量が大きく減少し、その構造が密な多孔質の炭素形態に転移する。加熱プロセスを継続すると、冷却すると凝縮させることができるタール状物質及び他の生成物の排出が実質的に完了する。ガスの形成が継続するが、これはより少ない強度で継続する。低温熱分解の結果として形成される供給材料の分解の生成物は、ガス化器トランクの脱気スリットを通して給湿室に導入する。給湿室内においては、かかる生成物を乾燥区域からの水蒸気と混合して、ガス化器の内部容器の壁から、又はそれとの直接接触からの熱放射の作用下で更なる加温にかける。給湿室の壁上に堆積するタール及び残留炭素の粒子は、上方の乾燥区域からの高い外部温度及び水蒸気によって取り出される。
【0086】
[0086]トランクの中央への液体フラクションの流入、及び固体炭素残渣上に位置する区域の下方境界の円錐形状によって、供給材料の塑性物質が押出されるか、或いは液体フラクションがトランクの脱気スリットを通して給湿室中に流入する可能性が減少する。
【0087】
[0087]区域2−高温処理区域;約700℃〜約1300℃の範囲の温度を有し、供給材料の高温熱分解、並びに空気酸素及び他の酸化剤の曝露下におけるガス化ガスへのその更なるガス化を行うことを特徴とする。
【0088】
[0088]この区域は温度範囲によっておおまかに3つの領域に分けられる。
−領域2.1 高温熱分解区域。おおよその温度範囲は700〜900℃である。
−領域2.2 燃焼区域。おおよその温度範囲は900〜1300℃である。
【0089】
−領域2.3 改質区域。おおよその温度範囲は800〜1100℃である。
[0089]領域2.1 約700℃〜約900℃の範囲の温度を有する高温熱分解区域。この区域においては次のプロセスが行われる。
【0090】
−最終ガス発生プロセス;
−残留供給材料を固体の多孔質炭素塊に変化させる;
−無機塩を分解及び溶融し、それを供給材料の炭素及び無機成分と相互作用させる。
【0091】
[0090]燃料有機物質の破壊が、少量のメタン、水素、及び微量の他の炭化水素ガスの形成と共に起こる。
[0091]900〜1100℃の温度が最も高い温度であり、この温度において固体残留炭素からの揮発性物質の発生が完了する。
【0092】
[0092]この区域において、幾つかの炭酸塩:NaCO851℃;KCO 891℃;LiCO 618℃が溶融し、供給材料の炭素及び無機成分と化学的に相互作用する。
【0093】
【化2】
【0094】
[0093]とりわけ、生成するガス中のCO及びCOの濃度が増加する。更に、幾つかの塩化物が溶融する。例えば、CaCl 787℃;NaCl 801℃。溶融した塩化物及び炭酸塩はより耐熱性の塩と共融混合物を形成することができ、これにより後者の溶融温度が低下する。この現象は、その後の低下した溶融温度を有する液体スラグの形成に大きな影響を与える。
【0095】
[0094]領域2.2 約900℃〜約1300℃の範囲の温度を有する燃焼区域。この区域においては次のプロセスが行われる。
−供給材料の低温処理と共に熱分解ガスの燃焼及び熱破壊を行う;
−供給材料の残留炭素の一部の燃焼;
−ガス動的処理:残留炭素の「沸騰」床状態への変換による残留炭素塊の粉砕;
−残留炭素の分離;
−残留炭素の酸化による燃焼ガスの改質;
−残留炭素成分の酸化処理及び改質反応;並びに
−残留スラグ形成プロセスの開始。
【0096】
[0095]燃焼領域は一次ガス化区域であり、ここで気体状熱分解生成物の分解及び酸化、並びにガス化器トランクの下部部分に配置されている分割プレートの作用下で断片に分割され且つ部分的に破砕される残留炭素と、空気酸素及び他の酸化性ガスとの激しい相互作用が行われる。始めに、気体状生成物のみが空気酸素によって酸化され、及びそれほどの程度ではないが、供給材料の低温処理中に生成するか又はガス化器に供給される二酸化炭素及び水蒸気との相互作用が行われる。
【0097】
[0096]特定の温度下におけるガス燃焼プロセスの制限因子は、拡散速度、及び残留炭素に関しては、不均一相の表面積、酸素吸着速度、及び反応生成物脱着速度である。
[0097]燃焼区域は、ガス化区域において領域2.2として記号で示され、その下部部分は改質区域−領域2.3を含む。これらの区域内におけるガス形成プロセスは、ちょうど
液体スラグ形成のプロセスのように複雑で且つ相互に関連しているので、これらを一緒に考察することが必要である。
【0098】
[0098]ガス化は、燃焼区域内において起こる複雑なプロセスを反映する単純な化学反応(1)〜(11)で記載することができる。
【0099】
【化3】
【0100】
[0099]燃焼プロセスは、燃焼室の上部部分内で、その中に燃焼区域が配置されている羽口プレートを形成する外部及び内部羽口を通して供給される空気酸素への曝露下において行われる。
【0101】
[00100]ガス化プロセスを増大するために、ガス化器の部材の冷却の結果として空気を
加温する。更に、水蒸気及び/又は二酸化炭素を高速で燃焼区域中に注入することができる。羽口を通る高い速度(50m/秒まで)で羽口を通して注入される空気によって、供給材料の残留炭素の燃焼プロセスが増大する。これにより、空気羽口の領域内に配置されている燃焼室の部分内におけるジェット燃焼の初期段階の温度を、水蒸気及び二酸化炭素の量によって、高い発熱反応効果(1)〜(3)と、供給材料の低温処理の区域内及び高温熱分解の領域内において形成される高熱量ガス及びタールの焼尽(6)、(7)、(8)とによって、約1500℃まで上昇させることができる。
【0102】
[00101]空気酸素は熱分解ガスと残留炭素との酸化反応において実質的に完全に消費さ
れ、主として二酸化炭素及び水蒸気が形成され、後者はガス化プロセスにおける主要な役割を果たす。酸化性ガスも形成される。残留炭素と相互作用して、これらのガスは反応(9)〜(11)によって主として単純な燃焼性ガスに還元される。
【0103】
[00102]燃焼区域における温度の上昇によって、残留炭素及び水蒸気(いずれも酸化プ
ロセスの結果として生成する)の更なる加温のために水素添加ガス化反応(9)、(10)を増大することができる。燃焼区域内の上昇した温度によって、水素添加ガス化反応速度(9)、(10)の増加が引き起こされ、増加した湿分含量を有する供給材料を初めに
予備乾燥する必要なしに使用するか、或いは外側から水蒸気を更に供給することが可能である。
【0104】
[00103]同様に、初めの高い温度に曝露することによって、ジェット(11)において
残留炭素の二酸化炭素ガス化反応が起こり、これによって外側から供給される二酸化炭素を更なる酸化剤として用いることが可能になる。
【0105】
[00104]反応(9)、(10)、(11)は、主として燃焼区域内のジェット燃焼プロ
セスの第2段階において行われる。これらは一次吸熱改質反応である。これらの反応のために、燃焼区域の下部部分内の全体の温度は900〜1100℃に低下する。次に、二次改質反応(9)、(10)、(11)の作用がガス化器の改質区域内で開始し、残留二酸化炭素及び水蒸気への曝露下で燃焼区域内の未反応の残留炭素のガス化が導かれて、燃焼性ガス化ガスに変化する。
【0106】
[00105]複数の羽口を通して注入される高温空気の50,000kg/m・時までの
高い速度によって、羽口の真正面に配置されている燃焼室の領域内での供給材料のガス化が増大する。これにより、燃焼区域中に導入される加熱空気の増加した量と相まって、
−残留炭素を、切断し、粉々にし、且つ緩めて、これをガス化器トランクから大きな焼結多孔質片として燃焼区域に送ること;
−ガス化の結果であるガス中の残留炭素の強い沸騰効果によって、燃焼区域内におけるガスの動的特性を向上し、これによってこの区域内における局所停滞領域の形成を回避することを可能にすること;
−残留炭素の片を分離して、残留炭素の粉砕塊のより大きくより重質の部分をガス化区域中に下降させ、より小さい部分を燃焼区域内でガス化すること;
−羽口が配置されている領域内だけでなく、燃焼区域全体における温度も上昇させて、これによってガス化プロセスを最大に増大させ、この区域内におけるタール、酸、及び複雑な炭化水素の転化の度合いを増加させることを可能にすること;
−供給材料のガス化の全強度を二倍又は三倍にし、例えば燃焼室の全断面積を横切る処理量を500から1500kg/m・時に増加させ;CO及びHのような単純な燃焼性ガスによるそれらの飽和によって向上した組成を有するガスを生成させ、それによって高いレベルの水素添加ガス化反応(9)、(10)、及び通過する二酸化炭素のガス化(11)を導くこと;そして
−空気のガス化の結果として、生成ガスの全体積中のバラスト含量(バラストはCO、HO、O、及びNの形態である)を減少させ、それによって生成するガス化ガスを電気生成及び他の目的のためにより効率的に使用することを可能にすること;
が可能になる。
【0107】
[00106]残留炭素の無機部分はまた、ガス化区域内において化学的及び構造的の両方で
基本的な変化を起こす。
[00107]高い温度のために、低温熱分解区域において開始される残留炭素の無機部分の
塩の分解プロセスは、燃焼区域において大きく増大する。供給される酸素の作用のために、羽口の正面に配置されている燃焼室の部分において、幾つかの金属の完全又は部分酸化が可能である。
【0108】
【化4】
【0109】
[00108]同じ区域内において、窒素:N及びイオウ:Sが酸化物:SO及びNO
酸化される。これらの量は、装填される供給材料中のかかる元素の出発含量、及び燃焼室内の遊離空気酸素の量によって定まる。
【0110】
[00109]燃焼区域においては、生成したガスからの除去にかけられる有害な気体成分で
あるNH、HS、及びHCl、並びに他のガスの形成反応が起こる。
[00110]次に、燃焼の第2段階において、一次改質反応のプロセス中に酸素が酸化のた
めに完全に消費される場合には、酸化物の一部は燃焼する高温炭素の作用下において金属及び非金属に還元される。
【0111】
【化5】
【0112】
[00111]とりわけ、SO及びNOは、単純な元素−S及びNに還元され、これは
酸化物及び金属と更に結合して、対応する硫化物及び窒化物が形成される。
[00112]また、二酸化イオウ−SOの反応が起こって硫化水素−HSが形成され、
後者は金属酸化物との相互作用によって対応する硫化物を形成する。
【0113】
【化6】
【0114】
[00113]同様に、ハロゲンが結合して種々の金属の塩化物及びフッ化物が形成される。
【0115】
【化7】
【0116】
[00114]NHはまた、幾つかの酸化物及び純金属と反応して、窒素に酸化されるか或
いは窒化物が形成される可能性がある。
【0117】
【化8】
【0118】
[00115]ガス化区域内での若干の未反応の水蒸気の存在下においては、下降流プロセス
、即ち塩の加水分解も可能であるが、これは水素添加ガス化プロセスの活性化及びこの区域内に大量の自由湿分が存在するために最小である。
【0119】
[00116]領域2.3内の改質区域においては全プロセスが継続する。
[00117]領域2.3 約800℃〜約1100℃の範囲の温度を有する改質区域。この
区域は、
−二次改質反応のプロセス;
−生成したガスからの有害な成分の除去;
−液体スラグ形成プロセスの完了;
−生成したガス化ガス組成物の最終形成プロセス;
が行われることを特徴とする。
【0120】
[00118]燃焼及び改質区域において行われるプロセスの結果として、炭素混入物を含む
種々の金属の酸化物、及び少量の分解されていない塩、並びに供給材料の無機部分の還元された純金属が形成される。供給材料の出発組成によって、鉄、銅、及びケイ素をベースとする若干量の金属合金が形成される可能性がある。
【0121】
[00119]高い温度に曝露することによって、酸化物及び純金属並びにその塩としての金
属の部分は気体状態に変化する可能性がある。しかしながら、殆どの揮発性金属及びその化合物は、固体又は液体状態を維持する。これは、それらが高温区域内に存在する不十分な時間、或いは他のより揮発性の低い化合物、例えば幾つかの硫化物、ケイ酸塩、及び塩化物の形成のいずれかによって説明することができる。
【0122】
[00120]かかる反応の結果として形成される硫化物、ケイ酸塩、及び種々の塩化物は、
液体残留スラグの形成に積極的に関与する。
[00121]ケイ酸塩スラグを形成するための基本的な材料は、二酸化ケイ素:SiO
ある。供給材料の無機成分中にこれが欠落している場合には、供給材料の調製中に加えることが必要である。
【0123】
[00122]形成されるスラグの床を通過しながら、燃焼及び改質区域において生成するガ
スは、有害なガス成分、それと一緒に排出される無機ダスト、固体金属粒子、及び気体状金属の一部がそれから部分的に除去される。したがって、ガスは、無機ダスト、種々の重金属、及び他の有害な成分のような少量の機械的混入物と共に燃焼室に導入される。
【0124】
[00123]更に、改質反応の吸熱効果のために、燃焼室の出口におけるガス化ガスはおよ
そ700〜800℃の範囲の温度を有する。
[00124]ガス化器プロセスの完了時における、スラグ中、生成ガス中に運ばれるダスト
中、及び生成ガス中の重金属の可能な分布比を表1に示す。
【0125】
【表1】
【0126】
[00125]しかしながら、表1において与えられている比は、金属活性度のレベル、残留
炭素中のそれらの濃度、並びに例えば石灰石、ドロマイト、及び/又は低純度鉄鉱石の形態の供給材料中の無機添加剤の存在によって定まる。
【0127】
[00126]通常は、固体家庭廃棄物は相当な量の無機成分を含む。これらの濃度は、供給
材料が燃焼区域に導入されるにつれて増加する。これは、低温処理区域内においてそれから湿分、気体生成物、及びタールを除去することによって供給材料の体積が徐々に減少することによって説明される。したがって、無機添加剤の量を減少させることができ、或いは全く必要ない可能性がある。
【0128】
[00127]供給材料が液体スラグのためのフラックス添加剤を含むことが重要である。生
成するスラグは、ガス化器の途切れない運転を確保するのに十分に移動可能で可融性でなければならない。形成されるスラグは、残留炭素塊中に形成される流路を下方にスラグ区域中に流れることができることが必要であり、そこで引き続く機械的粉砕及び除去によってスラグが冷却される。過度に濃く及び/又は粘稠のスラグは、燃焼及びガス化区域の貫通性をより低くする可能性があり、その結果、ガス化プロセスを遅延させるか又は完全に停止させる可能性がある。また、ガス化器からのその除去が実質的に複雑になる可能性がある。
【0129】
[00128]スラグの通過及び除去を促進させるために、フラックスのような特別な添加剤
を用いることができる。供給材料として固体の家庭廃棄物を用いる場合には、これらの添加剤は最小であるか又は全く必要ない可能性がある。これは、供給材料の無機成分が、有機成分(第2の群)と化学的に結合して、及び機械的混入物(第1の群)としての両方で、残留スラグ形成のプロセスに関与するためである。
【0130】
[00129]熱分解区域の後に供給材料の有機部分中に均一に分配されている第1の群の小
さな機械的含有物は、炭素によって高い温度への曝露から僅かに保護されており、而してこれらはスラグ形成の主たる源である。
【0131】
[00130]熱分解区域の後の第1の群の大きな機械的無機含有物もまた、炭素によって高
い温度への曝露から僅かに遮蔽されている。しかしながら、これにもかかわらず、これらの大きな寸法及び重量のために、これらは燃焼区域を速やかに通過し、改質区域の下部部分に導入される。これらは、より可融性の微細な機械的含有物によって接合されるか、又はゆっくりと溶融して、灰及びスラグ粒子を捕捉する。
【0132】
[00131]熱分解プロセスにおいては、揮発性成分を除去した後に、第2の群の無機化合
物が残留炭素の構造体中に残留し、炭素が無機成分を遮蔽してそれらの加熱及び更なる溶融を妨げるので、高い温度によるこれらの溶融は炭素の除去後にしか起こらない。これらの無機含有物は、基本的なスラグ形成プロセスの理由ではなく、通常は固体形態で残留する。
【0133】
[00132]燃焼及び改質区域内の温度の増加、及び改質反応の結果として形成される大量
の無機低融点成分の利用可能性によって、低い融点を有する共融合金及び耐熱性成分を形成することができる。得られるスラグは、液体状態及び大きな粒子には変化せず、溶融又は化学的に反応しなかった、炭素、耐熱性合金、及び無機性の粒子の固体含有物を有する自由流動性の灰状物質である。
【0134】
[00133]改質区域内に固体スラグ(その形成は供給材料中の過度の湿分含量、供給材料
中の多量の耐熱性無機成分、又はフラックスの不十分な添加に関係する可能性がある)が蓄積される場合には、この区域が固体スラグで完全か又は部分的に閉塞される可能性がある。
【0135】
[00134]これが起こる場合には、装填機構の作用下でガス化器トランクから燃焼室中に
供給される残留炭素がスラグ塊上に圧力を与える。これによって、スラグが燃焼室区域からスラグ区域の空間中に押出され、ここでスラグが冷却され、粉砕され、ガス化器から取り出される。
【0136】
[00135]区域3 この区域内においては、温度は約300℃〜約800℃の範囲であり
、次のプロセスが行われる。
−スラグの冷却;
−スラグの機械的粉砕;
−スラグの取り出し。
【0137】
[00136]燃焼及び改質区域内での供給材料の処理の結果としてスラグが形成される。ス
ラグの主成分は、金属及び非金属酸化物:SiO、Al、Fe、FeO、CaO、MgO、NaO、KO、並びに硫化物、塩化物、フッ化物、金属合金及び未反応の炭素の含有物である。而して、スラグは、少量の機械的混入物を有する可変構造のケイ酸塩の複雑なアモルファス及び結晶形態である。
【0138】
[00137]スラグは、液体として、個々の固体物質の形態で、或いはより稀にはスラグ塊
の形態でスラグ排出区域に導入される。ここで、ガス化器中に導入される低温の周囲空気の間接作用下でゆっくりと冷却される。スラグが金属プレートのテーブルに達すると、空気流によって底部から冷却される。スラグの液体フラクションは速やかに凝固し、その後、回転するスラグスクレーパーによって切断される。
【0139】
[00138]機械的駆動装置によって回転して、スラグスクレーパーの上部のノッチ付きの
縁によって、固体スラグの部分が切断される。スラグを粉砕し、破壊し、1つ又は幾つかのロック流路が配置されているテーブルの周縁領域から取り出す。次に、ガス化器から排出するためのスラグ流路を通して、スラグを移送装置に取り出す。ロック流路によって、周囲空気がガス化器中に侵入するのを有効に阻止しながらスラグの排出を行うことができ
る。
【0140】
[00139]区域4 約300℃〜約800℃の範囲の温度を有するガス区域。この区域においては、ガスを700800℃から300400℃に冷却する。
[00140]改質区域の後、生成したガス化ガスは、ガス化器の外部容器と内部容器との間の空間中に配置されているガス区域中に導入する。底部から、ガス化器の外部容器と内部容器との間の空間を通して上向きに通過して、ガス流は、低温処理の区域内での熱の放出のために約300400℃に冷却される。この段階中においては、ガスの「テンパリング」(これは、本出願との関連においてはガス組成物の最終処理を意味する)が行われる。
【0141】
[00141]熱交換を加速するために、ガス区域内に撹拌装置を設置する。撹拌装置は、螺旋流路を位置づける多流路トンネル装置である。底部から上向きに通過するガス流がトンネル装置中に導入され、そこでガス化器の内部容器の周りを螺旋軌道で動きながらその方向を変化させる。ガス流は線形速度で増加して乱流になり、これによって熱交換が向上して、低温処理区域内におけるガス化ガスから供給材料への最大の熱伝達が可能になる。ガス中にタールが0.30.5g/nmの量で含まれているが、タールの凝結温度は300℃未満であるので、撹拌装置の壁上又はブレード上にタールは堆積しない。
【0142】
[00142]次に、ガス流はガス出口を通って高温サイクロン分離器中に送られ、ここで通常はガス中に約310g/nmの量で含まれている微細炭素及びスラグダストが清浄除去される。次に、かくして除去された微細炭素及びスラグダストを、受容バンカーロックを通して装置から取り出し、ガス化器から排出するための移送装置に送る。
【0143】
[00143]次に、ガス化ガスを冷却及び最終精製システムに送り、ここでその冷却及び有
害な含有物の残留残渣の除去(これは、ガス化ガスを電力生成又は他の目的のために好適にするために通常必要である)が行われる。
【0144】
[00144]定義されていない限りにおいて、本明細書において用いる技術用語及び科学用
語は、当業者に容易に理解される意味を有する。
[00145]上記の記載及び当業者に明らかな可能な修正に限定されないが、以下は本明細
書に記載する方法及び装置に関連する可能性がある幾つかの有利性である。
【0145】
[00146]外部及び内部羽口のシステムを通して導入される高速の高温空気、及びそれに
よって引き起こされるガス形成反応の増大によって、燃焼室の全面積を横切る処理量を、約1,000〜1,500kg/m・時に増加させることができる。実際の処理量は、幾つかのファクターの中で特に、供給材料の形態構造及び湿分含量によって定まる。
【0146】
[00147]生成したガス化ガスは、比較的低い温度(およそ300〜400℃の範囲)を
有し、実質的に酸を含まず、タールの量は0.3〜0.5g/nmの範囲であり、微細分散炭素及びスラグダストの量は3〜10g/nmの範囲である。
【0147】
[00148]重金属は他の有害な成分と一緒に不活性で水中に不溶のケイ酸塩の形態に変化
して、次にスラグと共にガス化器から取り出されるので、生成ガス中の重金属酸化物の含量は比較的低い。
【0148】
[00149]NO、NH、SO、HS、及びHClのような有害なガス成分の含量
は最小である。同時に、ダイオキシン及びフランなどの複雑な飽和及び不飽和の気体状炭化水素は、生成ガス中には実質的に存在しない。
【0149】
[00150]冷却及び清浄化した後は、生成したガス化ガスは、主としてCO、H、CH
、CO、及びNから構成され、COの割合は実質的に0に減少しており、Nの含量は、標準ガス−ディーゼル、ガス駆動及びガスタービン電力生成装置においてかかるガスを工業的に用いるレベルに最小化されており、その効率係数は、上昇流ガス化プロセスをベースとする現代の熱分解及びガス化技術において用いられている水蒸気装置のものよりも2倍高い。
【0150】
[00151]本発明の普遍性を限定するものではないが、本発明による装置を実施すること
によって以下の利益を得ることができる。
−固体の家庭廃棄物及び産業廃棄物、並びに他のタイプの炭素含有供給材料を使用することができる;
−供給材料の調製のための要件及びその費用が減少する;
−供給材料の予備乾燥を行う必要がない;
−供給材料の処理の全体(熱分解及びガス化)を同じ装置内で行うことができる;
−供給材料の変化及びスラグの排出が自動的に行われる;
−酸素−水蒸気混合物を、高温空気又は空気−水蒸気混合物と一緒に装置中に供給することが可能であり、このために種々の用途のための種々の品質のガスを製造することが可能である;
−生成ガス中に見られる混入物質の低いレベルのために、冷却及び精製/清浄化システムにおいて簡単な技術が用いられ、これによって運転コストが低下し、装置の価格が改正される。
【実施例】
【0151】
[00152]以下の実施例は本発明を例示するためだけに与えるものであり、その範囲を限
定するものとして解釈すべきではない。
実施例1:加圧下での床ガス化のための装置の技術スキーム:
[00153]ガス化器中に導入する前に、供給材料(例えば固体の家庭廃棄物)を調製し、
過剰量の無機成分、特に大きなフラクションを供給材料から抽出し、次に供給材料を粉砕及び破壊する。供給材料の形態構造によって、石灰石、ドロマイト、低純度鉄鉱石、並びに例えばNaS、NaCl、NaOH、FeO、Feなどのようなガス化ガスの最終化学精製の生成物のような特別な添加剤を、バッチ供給器を用いて加えることができる。次に、供給材料を移送装置上で装填機構のバンカー中に送り、処理装置中に移送する。
【0152】
[00154]供給材料の処理の結果として生成し、装置からの出口において約300400℃の範囲の温度を有するガス化ガスは、断熱されている出口を通して、熱分離ケーシングが取り付けられている高温サイクロン分離器へ送られる。この分離器内において、ガス化ガスは、スラグ及び若干量の炭素ダストのような機械的混入物がそれから前もって清浄除去される。
【0153】
[00155]供給材料の処理の結果としてガス化器内で形成され、約200℃の温度を有す
るスラグは、ロック流路を通して移送排出装置に供給され、貯蔵バンカー中に送られ、ここで更に冷却される。高温分離器からのスラグダストは、貯蔵バンカー及びロック排出流路を通して移送排出装置に取り出され、ここでガス化器からのスラグと混合されて、貯蔵バンカー中に更に移送される。
【0154】
[00156]分離器内における機械的混入物の予備除去の後、ガス化ガスは、第1の熱交換器に送られ、冷水によって冷却され、ここでガスは約40℃に冷却される。同時に、水処理システムを通過する冷水は約6080℃の温度に加熱されて第2の熱交換器に送られる。
【0155】
[00157]第1の熱交換器には凝縮物受容器が取り付けられており、ここで水凝縮水蒸気
、ガス化器内で反応していない残留タール、微細分散されているスラグ及び炭素ダストが他のガス成分と一緒に蓄積される。全ての凝縮された液体成分、粘稠成分、及び固体成分は、凝縮水と一緒に凝縮物受容器からバッチ供給器を通して供給材料中に送られ、これをガス化器中に供給するか又はフィルターを通過させて、ここでそれから過剰の水を除去して、水精製システムに送る。部分的に脱水された残渣は供給材料中に送る。
【0156】
[00158]第1の熱交換器の後、部分的に精製され、40℃の温度に冷却されたガス化ガ
スは、精密フィルター中に供給して、ここでガスを更に精製する。ガスをより十分に清浄化するための濾過エレメントとして、木質チップ及び/又はおがくずを用いることができる。フィルター中で用いた後、かかる濾過エレメントは供給材料に加えることができる。清浄化及び精製されたガス化ガスは化学精製フィルターに送って、ここでHCl、HS、SOなどのような有害な気体成分の残渣を除去する。
【0157】
[00159]フィルターの濾過エレメントは、それを通過するガスを精製する鉄酸化物:F
及びFeOから構成される多孔質の固体構造を示すことができる。イオウ含有及び塩素含有成分を濾過エレメントの表面上に結合させる。濾過エレメントの清浄化及び再生は、周期的にそれにNaOH溶液を通すことによって行われる。アルカリ溶液は、ナトリウムの硫化物及び塩化物:NaS、NaCl、並びにNa[Fe(OH)]、NaFeO等のような種々の組成の錯体化合物としての幾つかの溶解鉄酸化物を含む。
【0158】
[00160]NaOH水溶液中におけるこれらの物質の必要な濃度が達成されたら、溶液を
新しいものに交換する。使用した溶液は、Fe及び他の化合物のようなその中に溶解している濾過エレメントの粒子と一緒に、バッチ供給器を通して供給材料中に送って添加剤として用いる。化学精製フィルターの後、ガス化ガスはガスホルダー中に送って、ここでその組成を平均化する。次に、ガス化ガスは、電力生成のためのガス−ディーゼル、ガス駆動、又はガスタービン集合装置において用いることができる。
【0159】
[00161]ガス化ガスの燃焼の結果として生成する約900950℃の温度を有する高温燃焼排ガスは、第2の熱交換器中に供給して、ここで約200250℃に冷却する。同時に、冷却のために用いる水は、第1の熱交換器内で約6080℃に加熱される。第2の熱交換器の必要性及び構造によって、熱交換器に関する出口において種々のパラメーターのプロセス流及び熱水を得ることができる。水蒸気部分は、分離流路を通して更なる酸化剤としてガス化器に送ることができる。
【0160】
[00162]上記の例の変更及び修正並びに代替は、図3から誘導することができる。図3
においては、加圧床ガス化プロセスの技術スキームが示されている。
実施例2:固体家庭廃棄物の主要な利用技術の比較特性:
[00163]従来技術に関する加圧床ガス化プロセスの効率を確認するために、単純化した
近似モデルを用いて計算を行った。而して、結果は実際のプロセスを正確に反映しているとみなすことはできない。この計算の主目的は、それに基づいて固体家庭廃棄物の利用の技術スキームの効率の比較分析を行うことができるデータを得ることであった。
【0161】
[00164]下記に示すアルゴリズムは、加圧下での床ガス化の技術をモデリングするため
の一連の段階である。全ての他の技術を計算するためには、プロセス技術スキームの間の相違を考慮して同じ原理を用いることができる。全ての技術に関する初期条件は同一であり、供給材料の組成、その乾燥及び分級である(全ての技術に関して、10%の湿分含量及び10%の無機成分を有する供給材料を装填する)。
【0162】
[00165]1.ガス化器中に供給する供給材料:
1.1.計算は、下表に示す固体家庭廃棄物の平均的な形態構造に基づく。
【0163】
【表2】
【0164】
1.2.それぞれの形態群の元素組成に関する参照データは以下のように推定される。
【0165】
【表3】
【0166】
1.3.それぞれの形態群の形態構造及び元素組成に関するデータに基づいて、固体家庭廃棄物全体の元素組成を計算する。続く計算においては、単純化のために供給材料中の塩素含量は考慮しない。
【0167】
【表4】
【0168】
1.4.分級及び乾燥した後に、供給材料の組成の計算を行う。全ての比較計算に関して、分級の後に残留無機物が10%を構成し、乾燥の後に湿分含量が10%であるという仮定を行った。
【0169】
【表5】
【0170】
[00166]2.固体家庭廃棄物の計算された元素に基づいて、装填供給材料の処方に関す
る組成係数を求める。
【0171】
【表6】
【0172】
[00167]3.全ての更なる計算は、分級し乾燥した供給材料1,000gあたり、即ち
この場合においては10%の湿分含量及び10%の無機成分を有する固体家庭廃棄物1,000gあたりで行う。
【0173】
[00168]4.得られた総処方−燃料中の元素重量、分子量、物質の量、及び燃焼熱に基
づいて燃料の定量的特性を計算する。
【0174】
【表7】
【0175】
[00169]5.供給材料の発熱量の計算
5.1.無機成分及び湿分含量を有しない燃焼室組成の計算:
【0176】
【表8】
【0177】
5.2.メンデレーエフ式(339C%+1256H%−109.8(O%−S%)=Q)及び元素組成に基づいて、燃料の発熱量を計算する。計算は、燃料の有機成分、分級された燃料、及び分級されていない燃料に関してはkJ/kg、分級された燃料に関してはkJ/モルで行う(後者は反応の熱的効果の更なる計算のために必要である)。
【0178】
【表9】
【0179】
5.3.熱的効果の更なる計算のために、基ガス(CO、CH、H)及び炭素(C)の燃焼熱の参照データを用いる。
【0180】
【表10】
【0181】
[00170]6.計算においては、装填供給材料の熱分解及びそれに続く酸素ガス化(酸化
)、熱分解中に形成される炭素の水素添加ガス化及び二酸化炭素ガス化のプロセスが反応器内で連続して起こるという仮定を行う。
【0182】
[00171]7.熱分解プロセスをモデル反応として考察する。
CHONS=C+CO+CH+HO+HS+N+H
この等式に関する係数は、用いる供給材料の組成によって変化させることができる。熱分解プロセスの計算のために、以下の条件の仮定も用いる。
【0183】
−熱分解段階においては、COは形成されないか、或いは他の反応において完全に消費される。
−NO、NO、及び他の窒素酸化物は形成されないか、或いは他の反応において消費される。
【0184】
−イオウは硫化水素のみを形成する;しかしながら、実際の条件下においては、イオウの約50%は残留スラグ中に硫化物として残留し、イオウの一部は硫黄酸化物として反応器から通過する可能性がある。
【0185】
7.2.形成されるCO及びHOの比は、供給材料の組成に基づいて正確に求めることはできない。これらのデータは実用的な方法でしか得ることができない。而して、かかる値は、供給材料からCO及びHOに変わる酸素の割合(%)として、計算条件において始めに設定する。
【0186】
7.3.同様に、CHとHの比を正確に設定することはできない。かかるパラメーターを求めるためには、初期供給材料からCH、HO、HS、及びHのような生成物中に移動する水素の割合(%)を設定する。
【0187】
【表11】
【0188】
7.4.供給材料中の元素重量、並びに水素、炭素、及び酸素の分布についての設定条件に基づいて、熱分解反応式における係数を計算する。
【0189】
【表12】
【0190】
7.5.計算された反応係数に基づいて、熱分解プロセス中に得られるガス及び炭素の重量及び量の計算を行う。
【0191】
【表13】
【0192】
[00172]8.酸素による酸化:
8.1.一定量の空気を反応器中に供給する。この計算によって、ガス化器の熱収支を維持するために必要な、供給材料の部分の燃焼プロセスにおける熱エネルギーを除去するためにガス化器中に供給する必要がある空気の量が決定される。
【0193】
8.2.計算を簡単にするために、炭素のみが酸素と反応するという仮定を行う。実際のプロセスにおいては、まず熱分解プロセス中に形成される燃焼性ガスが燃焼し、これと並行して炭素部分が燃焼する。また、燃焼プロセスは完了し、不完全燃焼の生成物は形成されないとも仮定する。
【0194】
C+O=CO
8.3.計算においては、過剰の添加空気を用いることができ、或いは用いないこともできる。
【0195】
下表において反映される場合においては過剰の空気は存在しない。
【0196】
【表14】
【0197】
8.4.まず、それにしたがって空気窒素を加える消費酸素の重量及び量の随意値を計算に導入する。
【0198】
【表15】
【0199】
8.5.供給材料の部分(この場合には炭素)の燃焼において形成されるガス化生成物の重量及び量、並びにこの時点で消費される炭素の重量を求める。
8.6.炭素燃焼反応の熱的効果に基づいて、全ての必要な空気酸素の相互作用において生成する熱エネルギーの全量を求める。
【0200】
【表16】
【0201】
[00173]9.CO転化−二酸化炭素ガス化:
9.1.形成されるCOの一部は種々の固体又は気体成分と相互作用する。計算の便宜のために、COの転化は次の反応にしたがうとみなす。
【0202】
CO+C=2CO
実験データのみに基づいて求めることができる伝統的なパラメータ−CO転化係数を導入する。
【0203】
【表17】
【0204】
9.2.計算において転化係数を用いて、反応するCO及び炭素の量、並びに形成されるCOの量を計算する。
【0205】
[00174]10.水素添加ガス化:
10.1.水蒸気の相互作用は、仮定的にはCOの燃焼及び転化の後に残留する炭素と行われる。
【0206】
C+HO=CO+2H
これは主反応である。実際の反応においては、水素添加ガス化の後に多くの他の生成物が形成されるが、それらの量及び効果は無視できるものである。
【0207】
10.2.以下のタイプの水を考察する。第1は供給材料中に含まれる湿分であり;第2は加える水蒸気又は水であり;第3は熱分解プロセスにおいて形成される水である。幾つかの場合においては、供給材料中の初期湿分含量は十分であるか、或いは必要量を超える可能性がある。
【0208】
【表18】
【0209】
この場合においては、加えることが必要な水の量の計算を行う。
【0210】
【表19】
【0211】
[00175]11.ガス化器の出口において生成するガス:
11.1.ガス化器の出口において生成するガスの組成、重量、量、熱量含量、及びそのメタン当量を計算する。計算は、生成する熱分解ガスの組成に基づく。これらのデータを要約し、反応器の出口におけるガス化ガスを計算する。
【0212】
【表20】
【0213】
[00176]12.エネルギー損失:
この場合には、以下のエネルギー損失:(1)吸熱反応効果;(2)スラグ除去に関連する熱損失;(3)ガス化器のデザインによる損失;(4)ガス化器によって生成する高温ガスに関連する損失;(5)未反応の水からの水蒸気生成に関連する損失;を考察する。
【0214】
12.1.個々の物質の燃焼熱についての熱的反応効果の参照データを用い、熱的反応効果の計算を部分的に行う。
−供給材料の熱分解の反応熱エネルギー;(2)C+HO=CO+H;(3)C+CO=2CO;
【0215】
【表21】
【0216】
12.2.計算される熱的反応効果及び反応物質の既知の量に基づいて、これらの反応中に吸収されるか又は放出される熱エネルギーの量を計算する。その後、全ての反応に関する熱エネルギーの概略(全)量を計算する。この場合には、大量の熱エネルギーの吸収が観察される。
【0217】
【表22】
【0218】
12.3.スラグ除去に関連する熱損失:
計算される熱容量、スラグの平均形態構造、並びにその既知の量及び温度に基づいて、ガス化器からのスラグ除去に関連する熱損失の計算を行う。
【0219】
【表23】
【0220】
12.4.ガス化器のデザインに関連する損失:
ガス化器の容器構造体を通る熱損失は、多くのファクターによって定まり、詳細で正確な計算のためには非常に複雑である。この場合には、これらの損失は反応器中へ導入される全エネルギー量に対して5%を構成すると仮定する。
【0221】
【表24】
【0222】
12.5.ガス化ガスと一緒に反応器から取り出される熱エネルギー:
それぞれのガス組成に関し、既知の参照係数に基づいて熱容量を計算する。計算されたガス量及びガス化器からの出口におけるその温度を用いて、25℃へのそれらの冷却において取り出される熱エネルギーの量を求める。
【0223】
【表25】
【0224】
12.6.過剰の湿分をガス化器中に導入する場合には、かかる湿分からの水蒸気形成のためのエネルギー消費を考慮する必要もある。
この例においては水の過剰は存在しない。
【0225】
【表26】
【0226】
12.7.ガス化器の全熱損失を要約する。
【0227】
【表27】
【0228】
[00177]13.エネルギー損失の補償:
炭素燃焼中に放出される熱エネルギー(8.6.を参照)のために補償を行う。而して、所定量の空気(これに関して放出されるエネルギーの量はエネルギー損失の量に相当する)を反応器中に供給することが必要である。始めに、随意量の空気供給を仮定する(8.4.を参照)。全エネルギー損失を計算した後、供給空気の量を変化させるトライアンドエラー法によって、燃焼後の放出エネルギーと全エネルギー損失とが等しいことを求めることができる。而して、添加空気の必要量を計算することができる。
【0229】
[00178]14.回復後に、ガスは40℃に冷却され、伝熱による損失は10%であるこ
とを考慮して、ガス化ガスの回復熱エネルギーの量の計算を行う。
【0230】
【表28】
【0231】
[00179]15.電気エネルギーの生成:
ガス化ガスからの電気生成のための2つのオプションを比較計算において考察する。
(1)38.7%の効率因子を有するガス駆動装置の使用;
(2)20%の効率因子を有する蒸気タービンの使用。
【0232】
生成するガスのパラメーターによって、ガス駆動装置を用いて電気エネルギーを生成させる可能性を考察することができる。
【0233】
【表29】
【0234】
[00180]16.ガス駆動装置の後の燃焼排ガスの熱エネルギーの回復:
この計算においては、ガス化ガスの全エネルギーから、
38.7%が電気エネルギーに変換され;
41.3%が出口熱水又はプロセス流として回復される熱エネルギーに変換され;
20%が反応器デザインに関連する損失、及び大気中への燃焼排ガスの排出と関連する損失である(この計算においては、熱交換器から排出されるガスの温度は250℃である);
と仮定する。
【0235】
【表30】
【0236】
[00181]17.重量収支の計算:
投入重量は、(a)装填される供給材料、(b)供給される空気、及び(c)追加で供給される水又は水蒸気の重量の合計である。産出重量は、生成するガス化ガスの重量及びスラグ重量から構成される。
【0237】
【表31】
【0238】
[00182]18.エネルギー収支:
投入エネルギーは、ガス化器中に装填される供給材料の燃焼熱である。産出エネルギーは、全ての生成するガス化ガスの燃焼熱と、反応器の全ての熱損失(即ち、ガス化ガスの熱、装置損失、スラグと一緒に取り出される熱エネルギー等)の合計である。
【0239】
【表32】
【0240】
下表は、従来公知の使用されている技術と比べた本発明の技術の幾つかの有利性を示す。
【0241】
【表33】
【0242】
[00183]上記の開示は例示のみのために与える実施例によって本発明の原理を示してい
るが、本発明の使用は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内の全ての通常の変更、適合、及び/又は修正を包含すると認識すべきである。
【0243】
[00184]当業者であれば、上記から、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、ち
ょうど記載されている態様の種々の適合及び修正を構成することができることを認識するであろう。したがって、特許請求の範囲内において、本発明を本明細書に具体的に記載したもの以外のように実施することができると理解すべきである。
図1
図2
図3