特許第6554407号(P6554407)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6554407
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】携帯情報機器
(51)【国際特許分類】
   G04G 21/00 20100101AFI20190722BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20190722BHJP
   G04R 20/26 20130101ALI20190722BHJP
   G04C 3/00 20060101ALI20190722BHJP
【FI】
   G04G21/00 D
   H04M1/00 L
   G04R20/26
   G04C3/00 B
【請求項の数】11
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-230903(P2015-230903)
(22)【出願日】2015年11月26日
(65)【公開番号】特開2016-145805(P2016-145805A)
(43)【公開日】2016年8月12日
【審査請求日】2018年9月11日
(31)【優先権主張番号】特願2015-18600(P2015-18600)
(32)【優先日】2015年2月2日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002325
【氏名又は名称】セイコーインスツル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142837
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 則彰
(74)【代理人】
【識別番号】100166305
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 徹
(72)【発明者】
【氏名】小山 和宏
【審査官】 深田 高義
(56)【参考文献】
【文献】 特開平5−268408(JP,A)
【文献】 特開2003−139876(JP,A)
【文献】 特開2005−260765(JP,A)
【文献】 特表2003−532353(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04G 21/00
G04C 3/00
G04R 20/26
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子時計の電子時計基板と、多機能部の多機能部基板と、が積層され、
前記電子時計基板は、
前記多機能部と通信を行う第1通信部と、計時を行う時計制御部と、を備え、
前記多機能部基板は、
前記電子時計と通信を行う第2通信部と、前記第2通信部を介して前記電子時計を制御する情報制御部と、を備える携帯情報機器。
【請求項2】
前記多機能部基板は、
携帯端末と通信を行う第3通信部を備え、
前記第3通信部を介して受信したアプリケーションをインストールし、インストールした前記アプリケーションに応じて、前記第2通信部を介して前記電子時計を制御する請求項1に記載の携帯情報機器。
【請求項3】
前記多機能部基板は、
携帯端末と通信を行う第3通信部を介して受信した指示に応じて、前記第2通信部を介して前記電子時計を制御する請求項1または請求項2に記載の携帯情報機器。
【請求項4】
前記電子時計は、
前記多機能部からの切替信号に応じて、計時を行う時計動作モードと、前記多機能部からの指示に応じて表示を行う外部指示動作モードと、に切り替える請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の携帯情報機器。
【請求項5】
前記多機能部は、
二次電池を備え、
前記電子時計は、
前記多機能部が備える前記二次電池とは別に、一次電池または二次電池を備える請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の携帯情報機器。
【請求項6】
前記電子時計は、
前記多機能部基板に取り付けられている前記二次電池の残容量が所定の容量より小さい場合に、前記多機能部基板との通信を行わない請求項5に記載の携帯情報機器。
【請求項7】
表示部がさらに積層され、
前記表示部は、
前記多機能部と通信を行う第4通信部を備え、前記第4通信部が前記多機能部から受信した情報を表示し、
前記多機能部基板は、
前記表示部と通信を行う第5通信部、を備える請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の携帯情報機器。
【請求項8】
前記表示部は、
タッチパネルセンサをさらに備え、
前記多機能部は、
前記タッチパネルセンサが利用者によって操作された結果に応じて、前記電子時計を制御する請求項7に記載の携帯情報機器。
【請求項9】
前記表示部は、
前記電子時計基板と前記多機能部基板とが向き合っている面と反対側の面に積層されている請求項7または請求項8に記載の携帯情報機器。
【請求項10】
前記電子時計基板は、
指針の運針を行うモータと、
前記モータに対して運針駆動パルスを与えることにより、前記モータを駆動させて指針の運針を行うモータ駆動部と、
前記モータ駆動部の動作を制御する時計動作制御部と、
をさらに備え、
前記時計動作制御部は、
前記第1通信部が受信した動作指示に応じて、前記指針を駆動する請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の携帯情報機器。
【請求項11】
前記電子時計基板は、前記情報制御部の制御電圧を前記時計制御部の制御電圧に変換する電圧変換部を備える請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の携帯情報機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯情報機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、腕時計の方式で手首に装着できるウェアラブルデバイスであるスマートウォッチが開発、発売されている。なお、スマートウォッチとは、時計の機能の他に、演算処理やスマートフォンやタブレット端末等との通信機能等の多機能端末の機能を兼ねた端末である。このようなスマートウォッチでは、多機能端末の機能の処理部の消費電力が大きいため、一般的に充電電池が使用されている。
【0003】
このように、時計の機能の他に、演算処理や多機能端末の機能を兼ねた端末として、携帯電話にアナログ・クオーツ時計を設けた携帯情報機器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の携帯情報機器では、表示部と時計とを有している。また、特許文献1に記載の携帯情報機器の時計は、当該携帯情報機器の機能情報を針式又は機械的に表示する。ここで、機能情報とは、電子メールを着信したことを示す情報、電子メールの着信数の情報、留守電が入ったことを示す情報、留守電数の情報、充電電池の残量を示す情報等である。例えば、携帯情報機器は、携帯情報機器が電子メールを着信したことを分針で表示させ、着信したメールの数を時針で表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−69560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の携帯情報機器は、身につけることができず、腕時計として使い勝手が悪かった。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、使い勝手のよい携帯情報機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る携帯情報機器は、電子時計の電子時計基板と、多機能部の多機能部基板と、が積層され、前記電子時計基板は、前記多機能部と通信を行う第1通信部と、計時を行う時計制御部と、を備え、前記多機能部基板は、前記電子時計と通信を行う第2通信部と、前記第2通信部を介して前記電子時計を制御する情報制御部と、を備える。
【0008】
また、本発明の一態様に係る携帯情報機器において、前記多機能部基板は、携帯端末と通信を行う第3通信部を備え、前記第3通信部を介して受信したアプリケーションをインストールし、インストールした前記アプリケーションに応じて、前記第2通信部を介して前記電子時計を制御するようにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様に係る携帯情報機器において、前記多機能部基板は、携帯端末と通信を行う第3通信部を介して受信した指示に応じて、前記第2通信部を介して前記電子時計を制御するようにしてもよい。
【0010】
また、本発明の一態様に係る携帯情報機器において、前記電子時計は、前記多機能部からの切替信号に応じて、計時を行う時計動作モードと、前記多機能部からの指示に応じて表示を行う外部指示動作モードと、に切り替えるようにしてもよい。
【0011】
また、本発明の一態様に係る携帯情報機器において、前記多機能部は、二次電池を備え、前記電子時計は、前記多機能部が備える前記二次電池とは別に、一次電池または二次電池を備えるようにしてもよい。
【0012】
また、本発明の一態様に係る携帯情報機器において、前記電子時計は、前記多機能部基板に取り付けられている前記二次電池の残容量が所定の容量より小さい場合に、前記多機能部基板との通信を行わないようにしてもよい。
【0013】
また、本発明の一態様に係る携帯情報機器において、表示部がさらに積層され、前記表示部は、前記多機能部と通信を行う第4通信部を備え、前記第4通信部が前記多機能部から受信した情報を表示し、前記多機能部基板は、前記表示部と通信を行う第5通信部、を備えるようにしてもよい。
【0014】
また、本発明の一態様に係る携帯情報機器において、前記表示部は、タッチパネルセンサをさらに備え、前記多機能部は、前記タッチパネルセンサが利用者によって操作された結果に応じて、前記電子時計を制御するようにしてもよい。
【0015】
また、本発明の一態様に係る携帯情報機器において、前記表示部は、前記電子時計基板と前記多機能部基板とが向き合っている面と反対側の面に積層されているようにしてもよい。
【0016】
また、本発明の一態様に係る携帯情報機器において、前記電子時計基板は、指針の運針を行うモータと、前記モータに対して運針駆動パルスを与えることにより、前記モータを駆動させて指針の運針を行うモータ駆動部と、前記モータ駆動部の動作を制御する時計動作制御部と、をさらに備え、前記時計動作制御部は、前記第1通信部が受信した動作指示に応じて、前記指針を駆動するようにしてもよい。
また、本発明の一態様に係る携帯情報機器において、前記電子時計基板は、前記情報制御部の制御電圧を前記時計制御部の制御電圧に変換する電圧変換部を備えてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、使い勝手のよい携帯情報機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1実施形態に係るシステムの概略を説明する図である。
図2】第1実施形態に係るスマートウォッチの斜視図である。
図3図2に示したスマートウォッチの断面構成図である。
図4】第1実施形態に係るスマートウォッチとスマートフォンの構成を示すブロック図である。
図5】第1実施形態に係るシステムの動作例を示すシーケンス図である。
図6】第1実施形態に係る報知部の報知例を説明する図である。
図7】第2実施形態に係る本実施形態に係るスマートウォッチの斜視図である。
図8図7に示したスマートウォッチの断面構成図である。
図9】第2実施形態に係るスマートウォッチとスマートフォンの構成を示すブロック図である。
図10】第2本実施形態に係る表示部に表示される情報の一例を説明する図である。
図11】第2実施形態に係る表示部にスマートフォンが受信したメールを表示させた場合の例を説明する図である。
図12】第2実施形態に係る表示部の他の積層位置を説明する図である。
図13】第2実施形態に係る表示部の他の積層位置を説明する図である。
図14】第3実施形態に係るスマートウォッチとスマートフォンの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係るシステムの概略を説明する図である。図1に示すように、本実施形態のシステムは、スマートウォッチ1とスマートフォン90とで構成される。また、スマートウォッチ1は、スマートウォッチユニット10と電子時計ユニット30とで構成される。なお、本実施形態では、携帯情報機器の例としてスマートウォッチ1を用いて説明する。また、携帯端末の例として、スマートフォン90を例に説明するが、携帯端末は、タブレット端末、携帯ゲーム機器、ノートパソコン等であってもよい。
【0020】
スマートフォン90は、スマートウォッチ1のOS(Operating System、オペレーティングシステム)、スマートウォッチ1で動作するアプリケーション、指示、または情報をスマートウォッチ1に送信する。また、スマートフォン90は、スマートウォッチ1から情報を受信する。なお、送信する指示および情報、受信する情報については後述する。スマートウォッチ1は、スマートフォン90から送信されたOS、アプリケーション、指示、および情報を受信する。
【0021】
スマートウォッチユニット10は、受信したアプリケーションに応じて、スマートウォッチユニット10および電子時計ユニット30を制御する。電子時計ユニット30が時刻等を表示する針を備えている場合、スマートウォッチユニット10は、例えば電子時計ユニット30の針をクロノグラフの計時を行うように制御する。
【0022】
次に、スマートウォッチ1の構造について説明する。
図2は、本実施形態に係るスマートウォッチ1の斜視図である。また、図3は、図2に示したスマートウォッチ1の断面構成図である。図3に示すように、スマートウォッチユニット10のスマートウォッチユニット基板11と電子時計ユニット30の電子時計ユニット基板31とは積層され、通信部18と通信部48とを介して接続されている。
【0023】
以上のように、本実施形態によれば、スマートウォッチユニット基板11と電子時計ユニット基板31とを積層したため、スマートウォッチ1をコンパクトにすることができる。この結果、本実施形態のスマートウォッチ1は、利用者が身につけて使用することができるので、使い勝手を向上させることができる。
【0024】
また、本実施形態によれば、例えば、n(nは2以上の整数)種類のスマートウォッチユニット10−1〜10−nが有り、m(mは2以上の整数)種類の電子時計ユニット30−1〜30−mが有る場合、それぞれのユニットを積層することで、n×m種類のスマートウォッチ1を容易に実現することができる。n種類のスマートウォッチユニット10とは、例えば、予めアプリケーションがインストールされているもの、アプリケーションの入れ替えや追加が可能なもの、アプリケーションによらずスマートフォン90から受信した指示に応じて電子時計ユニット30の動作モードを切り換えるもの等である。また、m種類の電子時計ユニット30とは、例えばアナログ針によって時刻を表示するもの、デジタル表示によって時刻を表示するもの、文字板のデザインが異なるもの等である。
【0025】
また、本実施形態によれば、例えば、スマートウォッチユニット10の製造会社と、電子時計ユニット30の製造会社とが異なっていても、通信部18と通信部48との通信規格が一致していれば積層させることができる。また、電子時計ユニット基板31を積層させる基板は、スマートウォッチユニット基板11に限られない。電子時計ユニット基板31は、例えば、スマートフォン90やタブレット端末(不図示)、携帯ゲーム機器(不図示)等の基板に積層させるようにしてもよい。
【0026】
また、図2に示すように、スマートウォッチユニット10は、電源12、通信部18、および情報制御部25を備える。通信部18および情報制御部25は、スマートウォッチユニット基板11に取り付けられ、電源12は、スマートウォッチユニット基板11上に取り付けられ、またはスマートウォッチユニット基板11に接続されている。スマートウォッチユニット10は、電源12の電力によって、例えば1日〜数日の動作を行うことができる。
【0027】
電子時計ユニット30は、時針34、分針36、秒針38、電源40、通信部48、および時計制御部50を備える。通信部48および時計制御部50は、電子時計ユニット基板31に取り付けられ、電源40は、電子時計ユニット基板31上に取り付けられ、または電子時計ユニット基板31に接続されている。電子時計ユニット30は、電源40の電力によって、例えば2年間の動作を行うことができる。
【0028】
スマートウォッチユニット10と電子時計ユニット30とは、通信部18と通信部48とを介して基板間で指示または情報の通信を行う。
なお、スマートウォッチユニット10と電子時計ユニット30とは、共通の筐体内(不図示)に収められる。
【0029】
電子時計ユニット30は、後述するように、一般的な電子時計と同様に、発振回路、モータ駆動回路、モータ等を備えている。すなわち、電子時計ユニット30は、通信部48を備えている電子時計のユニットである。そして、電子時計ユニット30は、上述したように、電源40および時計制御部50を備えているので、スマートウォッチユニット10の電源12の電圧が所定値以下になっても単体で動作することができ、さらにスマートウォッチユニット10から通信部48を介して受信した指示に応じて、時針34、分針36、および秒針38を動作させることができる。なお、指示または情報については、後述する。
【0030】
なお、図3に示した断面図では、通信部18がスマートウォッチユニット基板11の端に取り付けられ、通信部48が電子時計ユニット基板31の端に取り付けられている例を示したが、これに限られない。通信部18はスマートウォッチユニット基板11上に取り付けまたは形成されていてもよく、同様に通信部48は電子時計ユニット基板31上に取り付けまたは形成されていてもよい。
【0031】
[スマートウォッチ1の構成]
次に、スマートウォッチ1の構成について説明する。
図4は、本実施形態に係るスマートウォッチ1とスマートフォン90の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、スマートウォッチ1は、スマートウォッチユニット10および電子時計ユニット30を備える。
【0032】
[スマートウォッチユニット10の説明]
まず、スマートウォッチユニット10について説明する。
スマートウォッチユニット10は、電源12、発振回路14、記憶部16、通信部18、外部通信部22、および情報制御部25を備える。
【0033】
電源12は、二次電池であり、例えばリチウムイオンポリマー電池である。
発振回路14は、水晶振動子を備え、水晶振動子の振動に基づいた所定周波数の発振信号を発生させる。発振回路14は、発生させた発振信号を情報制御部25に出力する。
【0034】
記憶部16には、スマートウォッチユニット10の各種動作を制御するOS、スマートウォッチユニット10および電子時計ユニット30を制御するアプリケーション等が記憶されている。なお、スマートフォン90が、例えば利用者によってスマートフォン90が操作されたことを検出して、OSおよびアプリケーションをスマートウォッチユニット10にインストールする。
【0035】
通信部18は、情報制御部25の制御によって、OS、アプリケーション、指示、および情報を電子時計ユニット30に送信し、電子時計ユニット30から情報を受信する。情報制御部25が送信する指示または情報は、例えば、現在時刻を示す情報、第2時刻を表示させる指示、クロノグラフの計時を行わせる指示、メールを受信したことを示す情報、着信があったことを示す情報等である。また、情報制御部25が受信する情報は、例えば、現在時刻を示す情報、クロノグラフによって計時している経過時刻を示す情報等である。
【0036】
通信部18と電子時計ユニット30の通信部48との通信は、例えばシリアルインタフェース、I2C(Inter−Integrated Circuit、アイ・スクエア・シー)、SPI(シリアル・ペリフェラル・インタフェース)等の通信規格で通信を行う。なお、通信部18と通信部48との指示または情報の通信は、無線による通信でもよい。
【0037】
外部通信部22は、情報制御部25の制御によって、スマートフォン90からOS、アプリケーション、指示、または情報を受信し、スマートフォン90に情報を送信する。外部通信部22が受信する指示または情報は、例えば、OS、アプリケーション、現在時刻を示す情報、第2時刻を表示させる指示、クロノグラフの計時を行わせる指示、メールを受信したことを示す情報、着信があったことを示す情報等である。また、外部通信部22が送信する情報は、例えば、現在時刻を示す情報、クロノグラフによって計時している経過時刻を示す情報等である。
【0038】
情報制御部25は、電源12の充放電制御を行う。情報制御部25は、発振回路14から入力された発振信号に基づくタイミングで、スマートウォッチユニット10の各構成要素の機能を制御する。情報制御部25は、スマートフォン90から外部通信部22を介して受信した情報を記憶部16に記憶させる。情報制御部25は、スマートフォン90から外部通信部22を介して受信した情報に応じて、通信部18を介して指示または情報を電子時計ユニット30に送信する。情報制御部25は、電子時計ユニット30から通信部18を介して受信した情報に応じて、外部通信部22を介して情報をスマートフォン90に送信する。
【0039】
なお、外部通信部22は、例えばUSB(Universal Serial Bus、ユニバーサル・シリアル・バス)端子であってもよい。この場合、電源12への充電は、このUSB端子を介して有線で行う。また、充電は、例えば無接点電力伝送方式による充電であってもよい。
【0040】
[電子時計ユニット30の説明]
次に、電子時計ユニット30について説明する。
図4に示すように電子時計ユニット30は、時針34、分針36、秒針38、電源40、発振回路42、記憶部44、報知部45、操作部47、通信部48、時計制御部50、針駆動部52A、針駆動部52B、および針駆動部52Cを備える。
【0041】
秒針38は、針駆動部52Cが制御することによって60秒間で1回転し、分針36は、針駆動部52Bが制御することによって60分間で1回転し、時針34は、針駆動部52Aが制御することによって12時間で1回転する。
電源40は、一次電池であり、例えば3[V]のコインリチウム電池である。なお、電源40は、ソーラーパネルと二次電池を備えていてもよい。
【0042】
発振回路42は、水晶振動子を備え、水晶振動子の振動に基づいた所定周波数(例えば32[kHz])の発振信号を発生させる。発振回路42は、発生させた発振信号を分周して計時に用いられる基準信号を生成する。基準信号の駆動周波数は、例えば1[Hz]である。発振回路42は、生成した基準信号を時計制御部50に出力する。
【0043】
記憶部44には、動作モードを示す情報、時計制御部50が通信部48を介してスマートウォッチユニット10から受信した指示または情報等が記憶される。なお、動作モードとは、時刻を計時して表示する時計動作モード、クロノグラフにより時刻を計時して表示するクロノグラフ動作モード、情報表示モード等である。また、情報表示モードとは、スマートウォッチユニット10が、スマートフォン90から受信した情報を、例えば時針34、分針36、および秒針38のうち少なくとも1つの針を用いて報知するモードである。
【0044】
報知部45は、時計制御部50から入力された報知情報を報知する。なお、報知情報とは、例えばスマートフォン90がメールを受信したことを示す情報、またはスマートフォン90が着信したことを示す情報である。
【0045】
操作部47は、利用者によって操作された操作結果を時計制御部50に出力する。操作部47は、竜頭47A(リューズ)およびモード切替ボタン47Bを備えている(図6参照)。モード切替ボタン47Bは、インストールされるアプリケーションに応じて動作が異なる。インストールされたアプリケーションが、例えば時計動作モードとクロノグラフ動作モードとを切り替えて電子時計ユニット30を制御する場合、モード切替ボタン47Bを所定の時間内に1回押したときに時計動作モードに切り替わり、所定の時間内に2回押した場合にクロノグラフ動作モードに切り替わる。
通信部48は、時計制御部50の制御によって、スマートウォッチユニット10からの情報を受信し、またはスマートウォッチユニット10に情報を送信する。
【0046】
時計制御部50は、発振回路42から入力された基準信号を用いて現在時刻の計時を行う。時計制御部50は、計時した結果に基づいて駆動パルスを生成する駆動パルス生成指示を生成し、生成した駆動パルス生成指示を針駆動部52A、針駆動部52B、および針駆動部52Cに出力する。時計制御部50は、通信部48を介してスマートウォッチユニット10から受信した情報を報知部45に報知させる報知情報を生成し、生成した報知情報を報知部45に出力する。時計制御部50は、操作部47から入力された操作結果に応じて、動作モードを切り替える。時計制御部50は、通信部48を介してスマートウォッチユニット10から受信した情報に応じて、現在時刻を示す情報、またはクロノグラフによって計時された時刻を示す情報等を、通信部48を介してスマートウォッチユニット10に送信する。なお、時計制御部50は、スマートウォッチユニット10から受信した切替指示に応じて、時計動作モードから外部指示動作モードへ切り替え、または外部指示動作モードから時計動作モードへ切り替える。なお、外部指示動作モードとは、スマートウォッチユニット10からの指示に応じて表示を行う動作モードであり、例えばクロノグラフ動作モード、アラーム動作モード、スマートフォン90がメールを受信したことを報知する動作モード、スマートフォン90に着信があったことを報知する動作モード等である。また、切替指示は、動作モードを切り替える指示であってもよく、例えば時計動作モードからクロノグラフ動作モードに切り替える指示、クロノグラフ動作モードから時計動作モードに切り替える指示等であってもよい。
【0047】
針駆動部52Aは、モータ駆動回路54Aおよびモータ56Aを備える。針駆動部52Bは、モータ駆動回路54Bおよびモータ56Bを備える。針駆動部52Cは、モータ駆動回路54Cおよびモータ56Cを備える。以下、針駆動部52A、針駆動部52B、および針駆動部52Cのうち1つを特定しない場合は、針駆動部52という。また、モータ駆動回路54A、モータ駆動回路54B、およびモータ駆動回路54Cのうち1つを特定しない場合は、モータ駆動回路54という。さらに、モータ56A、モータ56B、およびモータ56Cのうち1つを特定しない場合は、モータ56という。
【0048】
モータ駆動回路54は、時計制御部50から入力された駆動パルス生成指示に応じて運針駆動パルスを生成し、生成した運針駆動パルス信号をモータ56に出力する。
モータ56は、ステッピングモータである。モータ56Aは、モータ駆動回路54Aから入力された運針駆動パルス信号に応じて、時針34の運針を行う。
モータ56Bは、モータ駆動回路54Bから入力された運針駆動パルス信号に応じて、分針36の運針を行う。
モータ56Cは、モータ駆動回路54Bから入力された運針駆動パルス信号に応じて、秒針38の運針を行う。
【0049】
[スマートフォン90の構成]
次に、スマートフォン90の構成について説明する。
図4に示すように、スマートフォン90は、電源91、発振回路92、記憶部93、表示部94、操作部95、外部通信部96、公衆無線通信部97、および端末制御部98を備える。なお、スマートフォン90は、例えば、不図示のマイクロフォン、スピーカー、電源のオン・オフ切り替えスイッチ、音量調整用ボタン、マナーモードボタン等を有していてもよい。
【0050】
電源91は、二次電池であり、例えばリチウムイオンポリマー電池である。
発振回路92は、水晶振動子を備え、水晶振動子の振動に基づいた所定周波数の発振信号を発生させる。発振回路92は、発生させた発振信号を端末制御部98に出力する。
記憶部93には、スマートフォン90の各種動作を制御するOS、電子時計を制御するアプリケーション等が記憶されている。
【0051】
表示部94には、端末制御部98の制御に応じて文字情報や画像情報が表示される。表示部94は、例えば、液晶(LCD、Liquid Crystal Display)パネル、有機EL(エレクトロルミネセンスパネル)パネル等である。
【0052】
操作部95は、タッチパネルセンサであり、利用者による操作の入力を受け付ける。操作部95は、例えば表示部94上に取り付けられている。操作部95は、操作によって入力されたことを示す情報や入力された情報を、端末制御部98に出力する。
【0053】
外部通信部96は、端末制御部98の制御によって、スマートウォッチ1から情報を受信し、受信した情報を端末制御部98に出力する。また、外部通信部96は、端末制御部98の制御によって、スマートウォッチ1にOS、アプリケーション、および情報を送信する。外部通信部96とスマートウォッチユニット10の外部通信部22とは、例えば2.4[GHz]帯を用いるBluetooth(登録商標) LE(Low Energy)規格の通信方式を用いて通信を行う。
【0054】
公衆無線通信部97は、例えば第3世代移動通信システムや第4世代移動通信システム等を用いて通信を行い、端末制御部98の制御によって、不図示のネットワークから情報を受信し、ネットワークに情報を送信する。
【0055】
端末制御部98は、スマートフォン90が備える各構成要素の制御を行う。端末制御部98は、例えば操作部95が利用者によって操作された結果に応じて、アプリケーションを起動し、アプリケーションの操作画面を表示部94に表示させる。また、端末制御部98は、アプリケーションの指示に応じて、外部通信部96を介して、スマートウォッチ1にOS、アプリケーション、指示、または情報を送信し、スマートウォッチ1から情報を受信する。
【0056】
[システムの動作例]
次に、システムの動作例を説明する。図5は、本実施形態に係るシステムの動作例を示すシーケンス図である。
(ステップS1)スマートフォン90の端末制御部98は、外部通信部96を介してOSを、スマートウォッチユニット10に送信する。
(ステップS2)スマートウォッチユニット10の情報制御部25は、外部通信部22を介してOSを受信し、受信したOSを記憶部16にインストールする。続けて、情報制御部25は、OSのインストールが完了した後、インストールが完了したことを示す情報を、外部通信部22を介してスマートフォン90に送信する。
【0057】
(ステップS3)端末制御部98は、外部通信部96を介してアプリケーションを、スマートウォッチユニット10に送信する。
(ステップS4)情報制御部25は、外部通信部22を介してアプリケーションを受信し、受信したアプリケーションを記憶部16にインストールする。続けて、情報制御部25は、アプリケーションのインストールが完了した後、インストールが完了したことを示す情報を、外部通信部22を介してスマートフォン90に送信する。
【0058】
(ステップS5)端末制御部98は、外部通信部96を介して切替指示を、スマートウォッチユニット10に送信する。なお、図5に示す例において、切替指示は、時計動作モードからクロノグラフ動作モードに切り替える指示である。
(ステップS6)情報制御部25は、外部通信部22を介して切替指示を受信する。続けて、端末制御部98は、受信した切替指示に基づいてクロノグラフ動作モードに切り替える切替指示を、通信部18を介して、電子時計ユニット30に送信する。
【0059】
(ステップS7)電子時計ユニット30の時計制御部50は、通信部48を介して切替指示を受信する。続けて、時計制御部50は、インストールされているアプリケーションの制御によって、受信した切替指示に応じて、動作モードを時計動作モードからクロノグラフ動作モードに切り替える。
(ステップS8)時計制御部50は、クロノグラフ動作モードで動作するように、秒針38、分針36、および時針34を制御する。
【0060】
(ステップS9)端末制御部98は、外部通信部96を介して切替指示を、スマートウォッチユニット10に送信する。なお、図5に示す例において、切替指示は、クロノグラフ動作モードから時計動作モードに切り替える指示である。
(ステップS10)情報制御部25は、外部通信部22を介して切替指示を受信し、受信した切替指示を、通信部18を介して、電子時計ユニット30に送信する。
【0061】
(ステップS11)電子時計ユニット30の時計制御部50は、通信部48を介して切替指示を受信する。続けて、時計制御部50は、インストールされているアプリケーションの制御によって、受信した切替指示に応じて、動作モードをクロノグラフ動作モードから時計動作モードに切り替える。
(ステップS12)時計制御部50は、時計動作モードで動作するように、秒針38、分針36、および時針34を制御する。
【0062】
なお、図5に示した例では、端末制御部98が切替指示を送信する例を説明したが、端末制御部98は、この切替指示を、例えば以下のように生成する。
端末制御部98は、利用者によってスマートウォッチ1の動作モードを切り替えるアプリケーションのアイコン(不図示)がタッチされたことを検出したとき、アイコンに対応するアプリケーションを起動する。そして、端末制御部98は、インストールされているアプリケーションの指示に応じて、スマートウォッチ1に切替指示を送信する。
【0063】
また、図5に示した例では、端末制御部98が切替指示を送信する例を説明したが、これに限られない。例えばステップS7において、情報制御部25は、スマートウォッチ1のモード切替ボタン47Bが利用者によって操作され、クロノグラフ動作モードに切り替える指示が選択されたことを検出したとき動作モードの切り替えを行うようにしてもよい。この場合、情報制御部25は、インストールされたアプリケーションによって、電子時計ユニット30を制御する。
【0064】
以上のように本実施形態の携帯情報機器(スマートウォッチ1)は、電子時計(電子時計ユニット30)の電子時計基板(電子時計ユニット基板31)と、多機能部(スマートウォッチユニット10)の多機能部基板(スマートウォッチユニット基板11)と、が積層され、電子時計基板は、多機能部と通信を行う第1通信部(通信部48)と、計時を行う時計制御部50と、を備え、多機能部基板は、電子時計と通信を行う第2通信部(通信部18)と、第2通信部を介して電子時計を制御する情報制御部25と、を備える。
【0065】
この構成によって、本実施形態のスマートウォッチ1は、スマートウォッチユニット基板11と電子時計ユニット基板31とを積層したため、スマートウォッチ1をコンパクトにすることができる。この結果、本実施形態のスマートウォッチ1は、利用者が身につけて使用することができるので、使い勝手を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、例えば、n種類のスマートウォッチユニット10−1〜10−nが有り、m種類の電子時計ユニット30−1〜30−mが有る場合、それぞれのユニットを積層することで、n×m種類のスマートウォッチ1を容易に実現することができる。換言すれば、電子時計ユニットを、複数種類の様々なスマートウォッチユニットに取付ける際に、その利便性が向上する。
また、本実施形態によれば、例えば、スマートウォッチユニット10の製造会社と、電子時計ユニット30の製造会社とが異なっていても、通信部18と通信部48との通信規格が一致していれば積層させることができる。
【0066】
また、本実施形態の携帯情報機器(スマートウォッチ1)において、多機能部基板(スマートウォッチユニット基板11)は、携帯端末(スマートフォン90)と通信を行う第3通信部(外部通信部22)を備え、第3通信部を介して受信したアプリケーションをインストールし、インストールしたアプリケーションに応じて、第2通信部を介して前記電子時計を制御する。
【0067】
この構成によって、本実施形態のスマートウォッチ1は、スマートウォッチユニット10に機能を付加した電子時計ユニット30を用いて、時計をスマートウォッチユニット10のアプリケーションに連動させることができる。また、本実施形態によれば、時計をスマートウォッチユニット10のアプリケーションに連動させていない場合も、単独の時計として使用することができる。
【0068】
また、本実施形態の携帯情報機器(スマートウォッチ1)において、電子時計(電子時計ユニット30)は、多機能部(スマートウォッチユニット10)からの切替信号に応じて、計時を行う時計動作モードと、多機能部からの指示に応じて表示を行う外部指示動作モードと、に切り替える。
【0069】
この構成によって、本実施形態のスマートウォッチ1は、スマートフォン90等の外部機器からの指示に応じて、動作モードを切り替えることができる。
【0070】
また、本実施形態の携帯情報機器(スマートウォッチ1)において、多機能部(スマートウォッチユニット10)は、二次電池(電源12)を備え、電子時計(電子時計ユニット30)は、多機能部が備える二次電池とは別に、一次電池(電源40の一例)または二次電池(電源40の一例)を備える。
【0071】
この構成によって、本実施形態のスマートウォッチ1は、電子時計ユニット30も電源40を備えているので、スマートウォッチユニット10の電源12の容量が所定の容量以下になった場合であっても、計時を行うことができるので、単独の時計として使用することができる。
【0072】
[システムの他の動作例]
なお、図4および図5を用いて説明した例では、インストールされたアプリケーションに応じて、スマートウォッチユニット10が電子時計ユニット30の動作モードを切り替える例を説明したが、これに限られない。スマートウォッチユニット10は、自ら動作モードを切り替えるのではなく、スマートフォン90からの指示に応じて、電子時計ユニット30を制御するようにしてもよい。
【0073】
スマートフォン90からの指示に応じて、電子時計ユニット30を制御する場合の動作例を、図5を参照して説明する。
例えば、利用者がスマートウォッチ1の動作モードを時計モードからクロノグラフ動作モードに切り替える例を説明する。
【0074】
利用者は、スマートフォン90の操作部95を操作して、動作モードを切り替えるアプリケーションを選択する。端末制御部98は、操作部95が検出した結果に応じて、アプリケーションを起動する。利用者は、起動されたアプリケーションの操作画面において、クロノグラフ動作モードを選択する。続けて、端末制御部98は、スマートウォッチユニット10に切替指示を、外部通信部96を介して送信する(ステップS5)。なお、切替指示には、時計動作モードからクロノグラフ動作モードに切り替える指示が含まれている。
【0075】
情報制御部25は、外部通信部22を介して切替指示を受信し、受信した切替指示を、通信部18を介して、電子時計ユニット30に送信する(ステップS6)。
時計制御部50は、通信部48を介して切替指示を受信し、受信した切替指示に応じて、動作モードを時計動作モードからクロノグラフ動作モードに切り替える(ステップS7)。すなわち、情報制御部25は、アプリケーションによって切替指示を生成するのではなく、スマートフォン90から受信した切替指示を電子時計ユニット30に送信している。これにより、電子時計ユニット30の動作モードは、スマートフォン90から情報制御部25が受信した指示によって切り替えられる。
【0076】
なお、上述した例では、スマートフォン90から受信した指示に応じて、電子時計ユニット30の動作モードを情報制御部25が切り替える例を説明したが、これに限られない。例えば、スマートフォン90が送信する指示は、スマートフォン90がメールを受信したことを報知する指示、着信があったことを報知する指示等であってもよい。このような場合であっても、時計制御部50は、スマートウォッチユニット10から受信した指示に応じて、例えば図6に示したように指針45A、指針45B、および文字板45Cを用いて指示に応じた報知を行うようにしてもよい。
【0077】
図6は、本実施形態に係る報知部45の報知例を説明する図である。
図6に示す例では、時計制御部50は、メールを受信したことを指針45Aによって報知させ、着信があったことを指針45Bによって報知させる。
なお、図6に示した例では、指針が2本の例を示したが、これに限られない。指針の数は、1本以上であればよい。また、時計制御部50は、指針45Aでメールを受信したことを報知させ、指針45Bで受信したメール数を報知させるようにしてもよい。同様に、時計制御部50は、指針45Aで着信したことを報知させ、指針45Bで着信数を報知させるようにしてもよい。
【0078】
以上のように本実施形態の携帯情報機器(スマートウォッチ1)において、多機能部基板(スマートウォッチユニット基板11)は、携帯端末(スマートフォン90)と通信を行う第3通信部(外部通信部22)を介して受信した指示に応じて、第2通信部(通信部18)を介して電子時計(電子時計ユニット30)を制御する。
【0079】
この構成によって、本実施形態のスマートウォッチ1は、スマートフォン90等の外部機器からの指示に応じて、電子時計ユニット30の動作を制御することができる。
【0080】
なお、本実施形態では、電子時計ユニット30が文字板32、時針34、分針36、および秒針38によって時刻を表示する例を説明したが、これに限られない。電子時計ユニット30は、液晶パネル等の表示部によって時刻等を表示させるようにしてもよい。または、針と液晶パネル等の表示部の両方を有していてもよい。このような場合であっても、時計制御部50は、スマートウォッチユニット10から受信した指示に応じて、液晶パネルに指示に応じた報知を行うようにしてもよい。
また、報知部45は、針、液晶等のパネルに限られず、例えばLED(発光ダイオード)、スピーカー等であってもよい。時計制御部50は、例えば、スマートフォン90がメールを受信したことを、LEDを点灯または点滅させることで報知するようにしてもよい。
【0081】
また、本実施形態において、スマートウォッチユニット10と電子時計ユニット30とは、例えば所定の間隔毎、またはスマートウォッチユニット10からの割り込み信号に応じて通信を行う。
なお、スマートウォッチユニット10の電源12の電圧値が所定の電圧値より低くなった場合、情報制御部25は、電子時計ユニット30との通信を停止して、スマートウォッチユニット10を省電力で動作するように制御するようにしてもよい。この場合であって、電子時計ユニット30は、スマートウォッチユニット10とは別の電源40と時計制御部50とを備えているため、時計としての動作を継続することができる。これにより、利用者は、スマートウォッチ1を電子時計として継続して利用することができる。
【0082】
<第2実施形態>
第1実施形態では、スマートウォッチ1がスマートウォッチユニット10と電子時計ユニット30とで構成されている例を説明したが、本実施形態では、スマートウォッチ1が、さらに表示部80を備えている例を説明する。なお、第1実施形態と同じ機能を有する機能部については、同じ符号を用いて、説明を省略する。
【0083】
図7は、本実施形態に係るスマートウォッチ1Aの斜視図である。また、図8は、図7に示したスマートウォッチ1Aの断面構成図である。図8に示すように、スマートウォッチ1Aは、スマートウォッチユニット基板11Aの上に電子時計ユニット基板31が積層され、さらに、電子時計ユニット基板31の上に表示部80が積層されている。スマートウォッチ1Aは、スマートウォッチユニット基板11Aと表示部80とが、通信部27と通信部87とを介して接続されている。
【0084】
図7に示すように、スマートウォッチユニット10Aは、さらに通信部27を備える。通信部27は、スマートウォッチユニット基板11Aに取り付けられている。
表示部80は、通信部87を備える。通信部87は、表示部80に取り付けられている。
スマートウォッチユニット10と表示部80とは、通信部27と通信部87とを介して表示データまたは検出情報の通信を行う。
なお、スマートウォッチユニット10Aと電子時計ユニット30と表示部80とは、不図示の共通の筐体内に収められる。
【0085】
なお、図8に示した断面図では、通信部27がスマートウォッチユニット基板11Aの端に取り付けられ、通信部87が表示部80の端に取り付けられている例を示したが、これに限られない。通信部27はスマートウォッチユニット基板11A上に取り付けまたは形成されていてもよく、同様に通信部87は表示部80上に取り付けまたは形成されていてもよい。
【0086】
[スマートウォッチ1Aの構成]
次に、スマートウォッチ1Aの構成について説明する。
図9は、本実施形態に係るスマートウォッチ1Aとスマートフォン90の構成を示すブロック図である。
図9に示すように、スマートウォッチ1Aは、スマートウォッチユニット10A、電子時計ユニット30、および表示部80を備える。
【0087】
[表示部80の説明]
まず、表示部80について説明する。
表示部80は、表示パネル82、タッチパネルセンサ84、および通信部87を備える。
表示パネル82には、スマートウォッチユニット10Aから受信した文字情報や画像情報の表示データが表示される。表示パネル82は、例えば、液晶パネル、有機EL(エレクトロルミネセンスパネル)パネル等である。
【0088】
タッチパネルセンサ84は、利用者の操作を検出し、検出した操作結果を、通信部87を介してスマートウォッチユニット10Aに送信する。
通信部87は、例えばコネクタを含む。通信部87は、スマートウォッチユニット10Aから受信した表示データを表示パネル82に出力する。また、通信部87は、タッチパネルセンサ84から入力された操作結果を、スマートウォッチユニット10Aに送信する。
【0089】
[スマートウォッチユニット10Aの説明]
次に、スマートウォッチユニット10Aについて説明する。
スマートウォッチユニット10Aは、さらに表示制御部20、駆動部21、および通信部27を備える。
【0090】
情報制御部25Aは、インストールされているアプリケーションに応じて、表示部80に表示させる表示データを生成し、生成した表示データを表示制御部20に出力する。情報制御部25Aは、通信部27から入力された操作結果に基づいて、表示データの生成を行う。または、情報制御部25Aは、電子時計ユニット30を制御する指示を生成し、生成した指示を、通信部18を介して電子時計ユニット30に送信する。
【0091】
表示制御部20は、情報制御部25Aから入力された表示データに基づいて、駆動部21と通信部27とを介して表示パネル82に表示データを表示させる。
駆動部21は、表示制御部20の制御によって表示駆動信号を生成し、生成した表示駆動信号を通信部27に出力する。
通信部27は、例えばコネクタを含む。通信部27は、駆動部21から入力された表示駆動信号を通信部87に送信する。また、通信部27は、通信部87から受信した操作結果を情報制御部25Aに出力する。
【0092】
[スマートウォッチ1Aの表示部80に表示される情報の一例]
次に、スマートウォッチ1Aの表示部80に表示される情報の一例を説明する。
図10は、本実施形態に係る表示部80に表示される情報の一例を説明する図である。図10において、破線の四角g101で囲んだ領域の画像は、表示部80に表示される画像の一例である。図10に示した例では、スマートウォッチユニット10にインストールされているアプリケーションが、4つの動作モードを切り替えて電子時計ユニット30を制御する。アイコンg111は、電子時計ユニット30を時計として動作させる動作モードに対応し、アイコンg112は、電子時計ユニット30をクロノグラフとして動作させる動作モードに対応する。また、アイコンg113は、電話動作モードに対応する。なお、電話動作モードとは、スマートフォン90に着信があったとき、スマートウォッチ1Aから応答、拒否、または応答できないため予め設定されているメーセージを、電子時計ユニット30に送信する操作を選択し、着信があったことを電子時計ユニット30に報知させる動作モードである。また、アイコンg114は、スマートフォン90がメールを受信したことを報知し、受信したメール数を報知し、受信したメールを表示部80に表示させるメール動作モードに対応する。
【0093】
例えば、利用者によってアイコンg112がタッチされて選択された場合、情報制御部25Aは、電子時計ユニット30にクロノグラフ動作モードに切り替える切替指示を送信する。これにより、電子時計ユニット30は、クロノグラフとして動作する。
また、利用者によってアイコンg114がタッチされて選択された場合、情報制御部25Aは、電子時計ユニット30にメール動作モードに切り替える切替指示を送信する。これにより、電子時計ユニット30は、例えば図6に示したように指針45Aによってメールを受信したことを報知する。
【0094】
なお、図10に示した例では、表示部80は、針(時針34、分針36、および秒針38)が見えないように表示パネル82(図9)を不透明になるように制御する例であるが、これに限られない。情報制御部25Aは、表示パネル82を半透明になるように制御してもよい。これにより、利用者は針(時針34、分針36、および秒針38)の表示によって現在時刻も確認することができる。
【0095】
また、アイコンg114が選択された後、情報制御部25Aは、スマートフォン90に受信したメールの情報を送信する指示を送信するようにしてもよい。スマートフォン90の端末制御部98は、スマートウォッチ1Aから受信したメールの情報を送信する指示に応じて、受信したメールの情報をスマートウォッチ1Aに送信する。
図11は、本実施形態に係る表示部80にスマートフォン90が受信したメールを表示させた場合の例を説明する図である。
【0096】
図11に示すように、情報制御部25Aは、スマートフォン90から受信したメールの情報を、表示部80に表示させる。鎖線の四角で囲んだg121の領域の画像は、受信したメールをテキストとして表示部80に表示させた例である。図11に示した例は、表示部80の表示パネル82が半透明の場合の例である。このため、表示部80に受信したメールのテキストが表示された場合であっても、表示部80の下に積層されている電子時計ユニット30の針(時針34、分針36、および秒針38)によって、現在時刻を利用者が確認することができる。
【0097】
なお、図11に示した表示例は一例であり、これに限られない。情報制御部25Aは、受信したメールのテキストを、針(時針34、分針36、および秒針38)と重ならない領域に表示させるようにしてもよい。または、情報制御部25Aは、針(時針34、分針36、および秒針38)の位置を例えば12時の位置等に一時的に退避させ、受信したメールのテキストを、3時のインデックスバーと9時のインデックスバーとを結ぶ領域より下の領域に表示させるようにしてもよい。
【0098】
[表示部80の他の配置の説明]
次に、表示部80の配置について説明する。
図7および図8に示した例では、表示部80が電子時計ユニット基板31の針(時針34、分針36、および秒針38)の上に積層されている例を説明したが、これに限られない。
図12および図13は、本実施形態に係る表示部80の他の積層位置を説明する図である。
図12に示すように、表示部80は、電子時計ユニット30の文字板32の上に積層されていてもよい。または、表示部80は、スマートウォッチユニット基板11Aの面のうち、電子時計ユニット基板31と向き合ってる面と反対側の面側(図12においてスマートウォッチユニット基板11Aの底面側)に積層されていてもよい。
図13に示すように、表示部80は、電子時計ユニット基板31と文字板32の間に積層されていてもよい。この場合、文字板32は透明または半透明である。
【0099】
以上のように、本実施形態の携帯情報機器(スマートウォッチ1A)は、表示部80がさらに積層され、表示部は、多機能部(スマートウォッチユニット10A)と通信を行う第4通信部(通信部87)を備え、第4通信部が多機能部から受信した情報を表示し、多機能部基板(スマートウォッチユニット基板11A)は、表示部と通信を行う第5通信部(通信部27)、を備える。
【0100】
また、本実施形態の携帯情報機器(スマートウォッチ1A)において、表示部80は、電子時計基板(電子時計ユニット基板31)と多機能部基板(スマートウォッチユニット基板11A)とが向き合っている面と反対側の面に積層されている。
【0101】
この構成によって、本実施形態のスマートウォッチ1Aは、スマートウォッチ1Aにインストールされているアプリケーションに応じた画像を表示部80上に表示させることができる。
【0102】
また、本実施形態の携帯情報機器(スマートウォッチ1A)において、表示部80は、タッチパネルセンサ84をさらに備え、多機能部(スマートウォッチユニット10A)は、タッチパネルセンサが利用者によって操作された結果に応じて、電子時計(電子時計ユニット30)を制御する。
【0103】
この構成によって、本実施形態のスマートウォッチ1Aは、スマートウォッチ1Aにインストールされているアプリケーションに応じて、電子時計ユニット30を制御することができる。これにより、利用者は、1つの時計を、例えば時刻を表示する時計としてのみではなく、クロノグラフとしても利用することができる。
【0104】
<第3実施形態>
本実施形態では、電子時計ユニット30は、さらに入力側に電圧変換部110を備えている例を説明する。なお、第1実施形態または第2実施形態と同じ機能を有する部分については、同じ符号を用いて、説明を省略する。システムの動作についても、上述の実施形態と同様である。
【0105】
図14は、本実施形態のブロック構成を示している。第1実施形態のブロック構成において、電圧変換部110を、通信部48の後段で、時計制御部50の入力部分に配置した構成となっている。
具体的には、電圧変換部110は、スマートウォッチユニット10のシステム電圧を、電子時計ユニット30を駆動する低いシステム電圧に変換している。たとえば、基板に実装されたレギュレータにより、情報制御部25の駆動電圧(例えば、3V)を、時計制御部50の駆動電圧(例えば、1.5V)に落とす。なお、このレギュレータの機能は、時計制御部50の内部に組み込まれていてもよい。また、レギュレータには放熱機能が付加されていてもよい。また、電圧変換部110は昇圧回路を含むことにより、電子時計ユニット30のシステム電圧に応じた任意の電圧を作り出すこともできる。
【0106】
このような電圧変換部110により、スマートウォッチユニット10の制御電圧より低い電圧で電子時計ユニットを制御できるため、電子時計ユニットとして低消費電力化を図ることができる。よって、電子時計ユニットが複数種類の様々なスマートウォッチユニットに取付けられたとしても、電子時計ユニットの機能を長期に亘り保証することが可能となる。
電子時計ユニット30は、その大きさの制約からシステム電圧も低く設定しておき、指針34等を駆動するモータ56A等の制御電圧も低く設定しておくことが可能であるが、一方でスマートウォッチユニット10は複数の多くの機能を実行しなければならないため高めのシステム電圧に設定されている。本実施形態においては、このような事情においても、電子時計ユニット30の機能を確保することができ、スマートウォッチ1全体として時計機能の長期確保を可能とする。
【0107】
なお、第1実施形態および第2実施形態では、スマートウォッチ1または1Aの指示によって、電子時計ユニット30にメールの受信の報知、電話の着信の報知、時計動作、クロノグラフ動作を行わせる例を説明したが、これに限られない。
例えば、スマートフォン90が温度センサを有している場合、スマートウォッチ1または1Aは、スマートフォン90から受信した温度を示す情報を電子時計ユニット30に報知させる指示を送信するようにしてもよい。スマートウォッチ1または1Aから電子時計ユニット30に送信する指示は、気圧を報知する指示、設定された時刻になったことを報知する指示等であってもよい。また、温度センサ等の各種センサを、スマートウォッチユニット10または10Aが有していてもよい。
【0108】
また、第1実施形態および第2実施形態において、スマートウォッチ1または1Aが、スマートフォン90から受信したOS、アプリケーションをインストールする例を説明したがこれに限られない。例えば外部通信部22がUSB端子の場合、スマートウォッチ1または1Aを不図示のUSBケーブルで不図示のパソコンと接続し、パソコンからOSおよびアプリケーションをスマートウォッチ1または1Aに送信するようにしてもよい。または、外部通信部22が無線通信部の場合、情報制御部25または25Aは、ネットワークを介してOSおよびアプリケーションを取得して、取得したOSおよびアプリケーションをインストールするようにしてもよい。
また、上述のように、第3実施形態における電圧変換部110は、第1実施形態に付加した機能であるが、第2実施形態についても付加することができる。
【0109】
なお、上述した実施形態におけるスマートウォッチ1または1Aが備える構成要素のそれぞれの機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0110】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【符号の説明】
【0111】
1、1A…スマートウォッチ、10、10A…スマートウォッチユニット、11、11A…スマートウォッチユニット基板、12…電源、14…発振回路、16…記憶部、18…通信部、22…外部通信部、24…操作部、25…情報制御部、27、82…接続部、30、30A…電子時計ユニット、31、31A…電子時計ユニット基板、32、45C…文字板、34…時針、36…分針、38…秒針、40…電源、42…発振回路、44…記憶部、45…報知部、45A、45B…指針、47…操作部、48…通信部、50…時計制御部、52A、52B、52C…針駆動部、54A、54B、54C…モータ駆動部、56A、56B、56C…モータ、80…表示部、82…表示パネル、84…タッチパネルセンサ、87…通信部、90…スマートフォン、91…電源、92…発振回路、93…記憶部、94…表示部、95…操作部、96…外部通信部、97…公衆無線通信部、98…端末制御部、110…電圧変換部
図1
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