【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の集合住宅用インターホンシステムは、
集合玄関機と、集合住宅の各部屋に設置される居室親機と、インターホン回線を介して前記各部屋の居室親機と前記集合玄関機とを通信可能に接続する制御装置と、を備える集合住宅用インターホンシステムであって、
前記集合玄関機は、
訪問先の居室親機を呼び出す呼出操作が可能な呼出部と、
訪問者を撮像可能なカメラと、
を有し、
前記居室親機は、
前記制御装置を介して受信した前記呼出部からの呼出信号に対して応答するための応答部と、
前記制御装置を介して受信した前記カメラからの映像信号に基づいて、訪問者を含む映像を表示するための親機表示部と、
前記親機表示部に表示されている前記映像から前記制御装置に登録するための登録画像を選択する操作が可能な登録操作部と、
を有し、
前記制御装置は、
前記登録画像が記録される記録部と、
前記集合玄関機から送信された映像信号と前記登録画像とを用いて、当該映像信号に含まれる訪問者と前記登録画像に含まれる訪問者とが一致しているか否かを照合する照合部と、
前記照合部が一致していると判断した場合、訪問先を呼び出す前記呼出操作に起因する呼出処理に対して制限を加える呼出制限部と、
を有する。
【0007】
この構成によれば、居住者は、親機表示部に表示される訪問者を見て悪意のある訪問者であると判断した場合、登録操作部を操作することで、その悪意のある訪問者を制御装置の記録部に登録画像として記録することができる。そして、その悪意のある訪問者が、連続して例えば営業目的で他の住戸を呼び出そうとして集合玄関機に対して呼出操作を行った場合は、制御装置による照合が行われて、登録画像に含まれる訪問者と一致していると判断されることとなる。一致していると判断されると、その悪意のある訪問者の呼出操作に起因する他の住戸への呼出処理に対しては制限が加えられ、その悪意のある訪問者は他の住戸を通常通りには呼びだすことはできなくなる。また、登録操作を行った居室親機がある住戸に対しても同様に、通常通りには呼び出すことはできなくなる。
このように、上記構成によれば、悪意のある訪問者による呼出を制限することが可能な集合住宅用インターホンシステムを提供することができる。
【0008】
また、本発明の集合住宅用インターホンシステムにおいて、
前記制限は、前記呼出部からの呼出信号を、訪問先の前記居室親機に対して転送しない処理であっても良い。
【0009】
この構成によれば、呼出信号が訪問先の居室親機に転送されないため、悪意のある訪問者の呼出を防ぐことができる。
【0010】
また、本発明の集合住宅用インターホンシステムは、
インターホン回線を介して通信可能に接続された管理室親機を備え、
前記制限は、前記呼出部からの呼出信号を前記管理室親機に転送する処理であっても良い。
【0011】
この構成によれば、呼出信号が管理室親機に転送されるため、管理室にいる管理人による対応が可能となる。
【0012】
また、本発明の集合住宅用インターホンシステムにおいて、
前記呼出信号が前記管理室親機に転送される際に、前記制御装置は、前記集合玄関機から送信された映像信号を前記管理室親機に転送しても良い。
【0013】
この構成によれば、悪意のある訪問者を管理人が映像で確認できることができる。
【0014】
また、本発明の集合住宅用インターホンシステムにおいて、
前記登録操作が所定回数以上実行された場合、前記制限を行うようにしても良い。
【0015】
この構成によれば、悪意のある訪問者であるか否かの判断の客観性が高まる。
【0016】
また、本発明の集合住宅用インターホンシステムにおいて、
前記制御装置は、所定期間経過後に、前記記録部に記録された前記登録画像を削除しても良い。
【0017】
この構成によれば、前記記録部を有効に活用することができ、継続的に新たな登録画像を記録することができる。
【0018】
また、本発明の集合住宅用インターホンシステムにおいて、
前記呼出制限部が前記呼出処理に前記制限を加える場合、前記集合玄関機は、前記制限を行っている旨を訪問者に対して報知しても良い。
【0019】
この構成によれば、悪意のある訪問者に対して、訪問先の居室親機を呼び出すことができていない状況を知らせることができる。
【0020】
また、本発明の集合住宅用インターホンシステムにおいて、
前記呼出制限部が前記呼出処理に前記制限を加える場合、前記制御装置は、前記制限を行っている旨を居住者が認識することが可能な態様の呼出信号を前記居室親機に送信しても良い。
【0021】
この構成によれば、居住者は、自分または他の居住者が登録の操作を行った訪問者が、自分の居室を訪問してきたことを、呼出信号の態様によって把握することができる。