特許第6554464号(P6554464)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6554464距離測定装置およびその距離測定開始点探索方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6554464
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】距離測定装置およびその距離測定開始点探索方法
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/347 20060101AFI20190722BHJP
【FI】
   G01D5/347 110B
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-532048(P2016-532048)
(86)(22)【出願日】2014年11月21日
(65)【公表番号】特表2016-537632(P2016-537632A)
(43)【公表日】2016年12月1日
(86)【国際出願番号】CN2014091851
(87)【国際公開番号】WO2015074595
(87)【国際公開日】20150528
【審査請求日】2017年11月17日
(31)【優先権主張番号】201310593673.8
(32)【優先日】2013年11月21日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512266028
【氏名又は名称】エコバクス ロボティクス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ECOVACS ROBOTICS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】タン,ジンジュ
【審査官】 吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−242189(JP,A)
【文献】 特開2012−73216(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3178159(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/26−5/38
G01C 3/00−3/32
G01S 17/00−17/95、
7/48−7/51
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
距離測定装置が、モーター(120)、制御ボックス(130)、およびコード化ディスク(150)を備え、
前記制御ボックス(130)と前記コード化ディスク(150)とが、前記モーター(120)駆動を受けて相対的に回転し、点位置歯(151A)が前記コード化ディスク(150)に設けられており、
前記制御ボックスは、距離測定ユニット(142)、検知部(144)、および制御ユニット(140)を備え、
前記検知部(144)は、互いに対応して配設されている光送信器(1440)と光受信器(1441)とを備え、
前記制御ボックス(130)と前記コード化ディスク(150)とは、前記点位置歯(151A)が前記光送信器と前記光受信器との間の対応位置を通過するように、相対的に回転し、
前記制御ユニットは、前記光受信器から信号出力を受信し、前記対応位置での前記点位置歯(151A)の配列に関するステータス情報を識別し、前記ステータス情報に基づいて前記距離測定ユニット(142)に開始または停止操作指示を送信することを特徴とする、距離測定装置。
【請求項2】
前記コード化ディスク(150)が固定されているベース(110)を更に備えることを特徴とする、請求項1に記載の距離測定装置。
【請求項3】
モータープーリー(121)が前記モーター(120)の出力端部に設けられており、
Oリング(122)が前記モータープーリー(121)と前記制御ボックス(130)の外周に設けられており、
ベアリング(160)が前記ベース(110)の中央部分に接続され、
前記ベアリング(160)の外側案内溝が前記ベース(110)に固定され、前記ベアリング(160)の内側案内溝が前記制御ボックス(130)に固定されていることを特徴とする、請求項2に記載の距離測定装置。
【請求項4】
複数の等間隔歯(151)が前記コード化ディスク(150)の周囲に均一に更に設けられており、前記点位置歯(151A)の歯幅は、前記等間隔歯(151)の歯幅よりも小さいか大きく、前記制御ボックス(130)と前記コード化ディスク(150)とは、前記点位置歯(151A)と前記等間隔歯(151)とが前記光送信器と前記光受信器との間の前記対応位置を通過するように、相対的に回転することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の距離測定装置。
【請求項5】
前記光受信器は、前記制御ユニット(140)に方形波形を有する波を出力し、
前記制御ユニットは、波形に基づいて前記対応位置での前記点位置歯(151A)の配列に関するステータス情報を識別し、前記ステータス情報に基づいて前記距離測定ユニット(142)に開始または停止操作指示を送信することを特徴とする、請求項4に記載の距離測定装置。
【請求項6】
前記コード化ディスク(150)の周囲に設けられている前記点位置歯(151A)と前記等間隔歯(151)との総数が5〜15個であることを特徴とする、請求項5に記載の距離測定装置。
【請求項7】
前記コード化ディスク(150)は、1個の前記点位置歯(151A)と14個の前記等間隔歯(151)とを備え、
時計回りの方向において、隣接する2個の等間隔歯(151)の左縁間の角度が24度であり、
前記点位置歯(151A)の左右縁間の角度が6度であり、
前記点位置歯(151A)の右縁と、前記点位置歯の右側にある隣接等間隔歯(151)の左縁の間の角度が18度であり、
各々の前記等間隔歯(151)の左右縁間の角度が12度であることを特徴とする、請求項6に記載の距離測定装置。
【請求項8】
請求項1から3のいずれか1項に記載の距離測定装置による距離測定開始点探索方法であり、
前記モーターの回転と共に、前記距離測定装置における前記制御ボックスは、前記点位置歯(151A)が前記光送信器と前記光受信器との間の前記対応位置を通過するように、前記コード化ディスクに対して回転し、前記点位置歯が前記対応位置と一直線になるときに、前記光受信器は高レベルを出力し、そうでない場合には、前記光受信器は低レベルを出力し、前記制御ボックスが前記コード化ディスクに対して1周回転しているときに、前記光受信器は前記制御ユニットに信号を出力するステップ100と、
前記制御ユニット(140)が信号を検知、認識し、前記対応位置での点位置歯(151A)の配列に関するステータス情報を識別し、前記ステータス情報が1回目に検知されると、前記制御ユニットが前記距離測定ユニット(142)に開始操作指示を送信し、前記ステータス情報が2回目に検知されると、前記制御ユニットが前記距離測定ユニットに停止操作指示を送信するステップ200と、
備えることを特徴とする、距離測定開始点探索方法。
【請求項9】
請求項4から7のいずれか1項に記載の距離測定装置による距離測定開始点探索方法であり、
前記モーターの回転と共に、前記距離測定装置における前記制御ボックスは、前記点位置歯(151A)と前記等間隔歯(151)とが前記光送信器と前記光受信器との間の前記対応位置を通過するように、前記コード化ディスクに対して回転し、前記点位置歯または前記等間隔歯がちょうど前記対応位置にあるとき、前記光受信器は高レベルを出力し、そうでない場合には、前記光受信器は低レベルを出力し、前記制御ボックスが前記コード化ディスクに対して1周回転しているときに、前記光受信器は、前記制御ユニットにいくつかの等ピッチ方形波と1個の狭ピッチ方形波または広ピッチ方形波とを含む方形波形を有する波を出力するステップ100’と、
前記制御ユニット(140)が波形を検知、認識し、前記狭ピッチ方形波または前記広ピッチ方形波が1回目に検知されると、前記制御ユニットが前記距離測定ユニット(142)に開始操作指示を送信し、前記狭ピッチ方形波または前記広ピッチ方形波が2回目に検知されると、前記制御ユニットが前記距離測定ユニットに停止操作指示を送信するステップ200’と、
を備えることを特徴とする、距離測定開始点探索方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザー測定器の技術分野に属する距離測定装置、およびそれによる距離測定開始点探索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術において、特許文献1には、異なる回転周期を有する2個の回転子を使用する回転位置検知装置が開示されている。各々の回転子には、1個またはそれ以上の爪と、回転角度と回転数とを検知するためのそれに対応する爪センサーが設けられている。その結果、検知装置の製造コストは、複数の回転子を備えたことにより増加し、その調整・維持管理コストは、部品数の増加により増加している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国公開特許第101885110号
【発明の概要】
【0004】
従来の技術における上記技術課題に鑑みて、本発明の目的は、距離測定装置、およびコード化ディスクの同期走査モードを利用して走査データを取得し、コード化ディスクの出力波形に基づいて開始点を求める、距離測定装置による距離測定開始点探索方法を提供することである。この装置全体は、コンパクトな構造のものであり、設計が巧妙で、高感度である。
【0005】
本発明の技術課題は、以下の技術的解決策により解決される。距離測定装置は、モーター、制御ボックス、およびコード化ディスクを備え、相対回転が、前記モーターの駆動を受けて前記制御ボックスと前記コード化ディスクとの間で起こり、点位置歯が前記コード化ディスクに設けられており、前記制御ボックスは、距離測定ユニット、検知部、および制御ユニットを備え、前記検知部は、互いに対応して配設されている光送信器と光受信器とを備え、前記制御ボックスと前記コード化ディスクとは、前記点位置歯が前記光送信器と前記光受信器との間の対応位置を通過するように、相対的に回転し、前記制御ユニットは、前記光受信器から信号出力を受信し、前記対応位置での前記点位置歯の配列に関するステータス情報を識別し、前記ステータス情報に基づいて前記距離測定ユニットに開始または停止操作指示を送信する。
【0006】
前記コード化ディスクの固定を容易にするために、前記距離測定装置は、前記コード化ディスクが固定されるベースを更に備える。
【0007】
前記制御ボックスと前記コード化ディスクとを相対的に回転させるために、モータープーリーが前記モーターの出力端部に設けられており、Oリングが前記モータープーリーと前記制御ボックスの外周に設けられており、ベアリングが前記ベースの中央部分に接続され、前記ベアリングの外側案内溝が前記ベースに固定され、前記ベアリングの内側案内溝が前記制御ボックスに固定される。
【0008】
本発明は、上記距離測定装置による距離測定開始点探索方法を更に提供し、その方法は、
前記モーターの回転と共に、前記距離測定装置における前記制御ボックスは、前記点位置歯が前記光送信器と前記光受信器との間の対応位置を通過するように、前記コード化ディスクに対して回転し、前記点位置歯が前記対応位置と一直線になるときに、前記光受信器は高レベルを出力し、そうでない場合には、前記光受信器は低レベルを出力し、前記制御ボックスが前記コード化ディスクに対して1周回転しているときに、前記光受信器が前記制御ユニットに信号を出力するステップ100と、
前記制御ユニットが信号を検知、認識し、前記対応位置での前記点位置歯の配列に関するステータス情報を識別し、前記ステータス情報が1回目に検知されると、前記制御ユニットが前記距離測定ユニットに開始操作指示を送信し、前記ステータス情報が2回目に検知されると、前記制御ユニットが前記距離測定ユニットに停止操作指示を送信するステップ200と、を備える。
【0009】
更に正確に信号の認識を行うために、複数の等間隔歯が前記コード化ディスクの周囲に均一に設けられており、前記点位置歯の歯幅が前記等間隔歯の歯幅よりも小さいか大きく、前記制御ボックスと前記コード化ディスクとは、前記点位置歯と前記等間隔歯とが光送信器と光受信器との間の前記対応位置を通過するように、相対的に回転する。
【0010】
前記光受信器は、前記制御ユニットに方形波形の波を出力し、前記制御ユニットは、波形に基づいて前記対応位置での点位置歯の配列に関するステータス情報を識別し、前記ステータス情報に基づいて前記距離測定ユニットに開始または停止操作指示を送信する。
【0011】
精度を保証しつつ構造を単純化するために、前記コード化ディスクの周囲に設けられている前記点位置歯と前記等間隔歯との総数は5〜15個である。具体的には、前記コード化ディスクは、1個の点位置歯と14個の等間隔歯とを備え、時計回りの方向において、隣接する2個の等間隔歯の左縁間の角度が24度であり、前記点位置歯の左右縁間の角度が6度であり、前記点位置歯の右縁と、その右側にある隣接等間隔歯の左縁の間の角度が18度であり、各々の等間隔歯の左右縁間の角度が12度である。
【0012】
本発明は、上記距離測定装置による距離測定開始点探索方法を更に提供し、その方法は、
前記モーターの回転と共に、前記距離測定装置における前記制御ボックスは、前記点位置歯と前記等間隔歯とが前記光送信器と前記光受信器との間の前記対応位置を通過するように、前記コード化ディスクに対して回転し、前記点位置歯または前記等間隔歯がちょうど前記対応位置にあるとき、前記光受信器は高レベルを出力し、そうでない場合には、前記光受信器は低レベルを出力し、前記制御ボックスが前記コード化ディスクに対して1周回転しているときに、前記光受信器は、前記制御ユニットにいくつかの等ピッチの方形波と1個の狭ピッチ方形波または広ピッチ方形波を含む方形波形とを有する波を出力するステップ100‘と、
前記制御ユニットが波形を検知、認識し、前記狭ピッチ方形波または前記広ピッチ方形波が1回目に検知されると、前記制御ユニットが前記距離測定ユニットに開始操作指示を送信し、前記狭ピッチ方形波または前記広ピッチ方形波が2回目に検知されると、前記制御ユニットが前記距離測定ユニットに停止操作指示を送信するステップ200‘と、を備える。
【0013】
以上より、本発明は、コード化ディスクの同期走査モードを利用して走査データを取得し、コード化ディスクの出力波形に基づいて開始点を識別する。この装置全体は、コンパクトな構造のものであり、設計が巧妙で、高感度である。
【0014】
以下、添付図面およびいくつかの具体的な実施形態と共に、本発明の技術的解決策を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明に係るレーザー距離測定センサーの外観の全体構造の模式図である。
図2図2は、本発明の第一の実施形態に係るコード化ディスクの構造の模式図である。
図3図3は、本発明に係るレーザー距離測定センサーの内部構造図である。
図4図4は、本発明に係るレーザー距離測定センサーの上面図である。
図5図5は、本発明に係るレーザー距離測定センサーの側面断面図である。
図6図6は、本発明の第一の実施形態に係る波形図である。
図7図7は、本発明の第二の実施形態に係るコード化ディスクの構造の模式図である。
図8図8は、本発明の第二の実施形態に係る波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第一の実施形態]
図1は本発明に係るレーザー距離測定センサーの外観の全体構造の模式図であり、図2は本発明の第一の実施形態に係るコード化ディスクの構造の模式図であり、図3は本発明に係るレーザー距離測定センサーの内部構造図である。図1〜3に示すように、本発明は、ベース110を備える距離測定装置100を提供する。モーター120が、ベース110上に設けられており、ベース110に回転可能に接続されている制御ボックス130を駆動する。コード化ディスク150は、ベース110上に一体的に設けられている。制御ボックス130とコード化ディスク150とは、モーター120の駆動を受けて相対的に回転することができる。点位置歯151Aは、コード化ディスク150上に設けられている。制御ボックス130は、距離測定ユニット142、検知部144、および制御ユニット140を備える。検知部144は、対応して配設されている光送信器1440と光受信器1441とを備える。制御ボックス130とコード化ディスク150とは、点位置歯151Aが光送信器と光受信器との間の対応位置を通過するように、相対的に回転する。制御ユニット140は、光受信器から信号出力を受信し、対応位置での点位置歯151Aの配列に関するステータス情報を識別し、ステータス情報に基づいて距離測定ユニット142に開始または停止の操作指示を送信する。距離測定ユニットは、周囲環境の空間画像をとらえるカメラであってもよい。図3に示すように、制御ユニット140は、水平回路基板と垂直回路基板とが含まれる回路基板部品143を更に備える。
【0017】
図4は本発明に係るレーザー距離測定センサーの上面図であり、図5は本発明に係るレーザー距離測定センサーの側面断面図である。図3と共に図4および図5に示すように、本実施形態において、制御ボックス130とコード化ディスク150とを相対的に回転させるために、モータープーリー121がモーター120の出力端部に設けられており、Oリング122が、モータープーリー121と制御ボックス130の外周に設けられている。ベース110の中央部分は、ベアリング160に接続されており、その外側案内溝がベース110に固定され、その内側案内溝が制御ボックス130に固定される。本実施形態において、モーター120は、モータープーリー121とOリング122とを介して制御ボックス130を駆動し、ベース110上のコード化ディスク150に対して回転させる。対応する構造は、必要に応じて制御ボックスが固定されている状態で、コード化ディスクが回転できるように構成されてもよいことは明らかである。
【0018】
図1〜5に示すように、本発明の第一の実施形態は、上記距離測定装置を利用して距離測定開始点を探索する方法を更に提供し、本方法は、ステップ100とステップ200とを備える。ステップ100では、距離測定装置における制御ボックス130は、点位置歯151Aが光送信器1440と光受信器1441との間の対応位置を通過するように、モーター120によりコード化ディスク150に対して回転させられ、点位置歯151Aが対応位置と一直線になるときに、光送信器1440から発信される光は点位置歯151Aにより遮られるので光受信器1441では受信できず、この場合には、光受信器1441は高レベルを出力し、点位置歯151Aが対応位置にない場合には、光送信器1440から発信される光は点位置歯151Aにより遮られず光受信器1441は光を受信し、この場合には、光受信器1441は低レベルを出力する。制御ボックス130がコード化ディスク150に対して1周回転しているときに、光受信器1441は制御ユニット140に信号を出力する。ステップ200では、制御ユニット140は、信号を検知、認識し、対応位置での点位置歯151Aの配列に関するステータス情報を識別し、ステータス情報が1回目に検知されると、制御ユニット140が距離測定ユニット142に開始操作指示を送信し、ステータス情報が2回目に検知されると、制御ユニット140が距離測定ユニット142に停止操作指示を送信する。これにより、周囲環境をすべて走査でき、走査開始点を求めることができる。
【0019】
図6は、本発明の第一の実施形態に係る波形図である。図6は、上記のように走査中に出力される方形波の波形グラフであり、ここで、M点が走査開始点であり、M’点が走査停止点である。
【0020】
[第二の実施形態]
図7は、本発明の第2の実施形態に係るコード化ディスクの構造の模式図である。図7に示すように、更に高精度で信号認識を行うために、複数の等間隔歯151がコード化ディスク150の周囲に均一に設けられており、点位置歯151Aの歯幅は、等間隔歯151の歯幅よりも小さいか大きい。制御ボックス130とコード化ディスク150とは、点位置歯151Aと等間隔歯151とが光送信器1440と光受信器1441との間の対応位置を通過するように、相対的に回転する。光受信器1441は、制御ユニット140に方形波形を有する波を出力し、制御ユニット140は、このような波形に基づいて対応位置での点位置歯151Aの配列に関するステータス情報を識別し、ステータス情報に従って、距離測定ユニット142に開始または停止操作指示を送信する。感度と作業効率との両方を考慮すると、コード化ディスク150の周囲に設けられる点位置歯151Aと等間隔歯151との総数は5〜15個でよい。
【0021】
図7に示すように、本実施形態において、コード化ディスク150の周囲に設けられている点位置歯151Aと等間隔歯151との総数は15個である。具体的には、コード化ディスク150には、1個の点位置歯151Aと14個の等間隔歯151とが設けられている。時計回りの方向において、隣接する2個の等間隔歯の左縁間の角度が24度であり、点位置歯の左右縁間の角度が6度であり、点位置歯の右縁と、その右側にある隣接等間隔歯の左縁の間の角度が18度であり、各々の等間隔歯の左右縁間の角度が12度である。図7に示すように、本実施形態において、15個の歯がコード化ディスク150の周囲に均一に設けられており、隣接する2個の歯の左縁間の角度間隔が24度であり、15個のうちの1個の歯が、左右縁間が6度の角度間隔を有する点位置歯151Aであり、点位置歯の歯幅は、その他の歯の歯幅よりもわずかに小さい(距離測定歯とも呼ばれる)。点位置歯の右縁と、その右側にある隣接歯の左縁の間の角度間隔は18度である。
【0022】
図7に示すように、コード化ディスク150の中心がO点であるとすると、角度∠AOBが6度であり、角度∠AOCが18度であり、その他の歯間の角度間隔が各々12度である。B点を開始点0度とすると、コード化ディスク150は、走査中、反時計回りに回転することができ、1度が555.5マイクロ秒ごとに走査され、すなわち、1周が0.2秒毎に走査され、1秒当たり5周が走査される。
【0023】
図8は、本発明の第2の実施形態に係る波形図である。図7と共に図8に示すように、本実施形態において、上記距離測定装置を利用して距離測定開始点を探索する方法は、距離測定装置における制御ボックス130が、点位置歯151Aと等間隔歯151とが光送信器1440と光受信器1441との間の対応位置を通過するように、コード化ディスク150に対してモーター120により回転されるステップ100‘を備える。同様に、点位置歯151Aまたは等間隔歯151が対応位置と一直線になるときに、光送信器1440から発信される光が点位置歯151Aまたは等間隔歯151により遮られ、光受信器1441で受信できない。この例では、光受信器1441が高レベルを出力する。点位置歯151Aまたは等間隔歯151が対応位置にない場合には、光送信器1440から発信される光は点位置歯151Aまたは等間隔歯151により遮られず、光受信器1441で受信できる。この例では、光受信器1441が低レベルを出力する。制御ボックス130がコード化ディスク150に対して1周回転しているときに、光受信器1441は方形波形を有する波を出力し、点位置歯151Aと等間隔歯151とは制御ユニット140に対して幅が異なるため、この波にはいくつかの等ピッチ方形波と1つの狭ピッチ方形波または広ピッチ方形波とが含まれている。制御ユニットが波形を検知、認識し、狭ピッチ方形波が1回目に検知されると、制御ユニットが距離測定ユニットに開始操作指示を送信し、狭ピッチ方形波が2回目に検知されると、制御ユニットが距離測定ユニットに停止操作指示を送信するステップ200‘を備える。
【0024】
図8に示すように、コード化ディスク150には合計15個の歯が設けられており、そのうち、点位置歯の長さは、等間隔歯の長さとは異なる。走査データ情報は、ドットレーザーによりこれらの歯を走査することにより得られる。走査の各1周後に開始点0度を探索する必要がある。コード化ディスクは反時計回りに走査を行い、この間、コード化ディスクが各一歯の位置と長さとによって1個の方形波パルスを出力する。本実施形態において、その他の広い歯の出力波形とは異なる出力波形を有する特定の狭い歯の存在の結果、距離測定ユニット142は、図8のN点位置(すなわち、この点は開始点0度に設定されている)で作動し、レーザー距離測定センサーは、1周360度を走査することにより、二次元部分に関する距離情報を得て、停止点であるN‘点にて走査を停止する。これにより、開始点0度が探索され、走査各1周後に同期を行うようにする。
【0025】
[第三の実施形態]
しかしながら、第二の実施形態において、コード化ディスク150の周囲に均一に設けられている歯の数は、15個には限定されない(このような場合、360度の15分の1が測定単位として利用される)。第の実施形態において、5個の歯がコード化ディスク150の周囲に均一に設けられており、従って本実施形態においては、各々の測定単位は角度72度に相当し、これに対応して初期回転速度N1は15rpsに設定される。本実施形態と第一の実施形態との違いは、設けられている歯の数が異なるので、測定単位が異なるという点のみである。本実施形態のその他の技術的な特徴は上記第一の実施形態と実質的に同じであり、該当内容を参照されたく、ここでは繰り返さない。
【0026】
上記二つの実施形態において説明した歯を提供するモード以外に、36個の歯を提供してもよい、すなわち、コード化ディスク150の1周360度は、36個またはそれ以上の測定単位に更に分割してもよいことは明らかである。理論的に、更に多くの歯があるほど、調整頻度が高く、それに応じて測定精度と精密度とも高いが、装置の全体構造が複雑になる。これに対して、更に少ない歯があるほど、調整頻度が低く、それに応じて測定精度と精密度とも低いが、装置の全体構造は比較的単純であり、コストを低減する。製造コストと精密度とのバランスを保つために、第一の実施形態において均一に設けられている15個の歯を有する構造は、実際に精度と精密度との両方を保証し、装置の全体構造を更に複雑ではないものにする。
【0027】
結論として、本発明は、距離測定装置およびそれによる距離測定開始点探索方法を提供し、ここで、距離測定装置は単一のコード化ディスク構造を採用し、コード化ディスクの同期走査モードを利用して走査データを取得し、コード化ディスクの出力波形の情報に基づいて開始点を識別し、走査構成要素は、1周360度を走査することにより二次元部分に関する距離情報を得て、開始点0度を自動的に探索して走査の各1周後に同期を行うようにする。この装置全体は、コンパクトな構造のものであり、設計が巧妙で、高感度である。
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