特許第6554481号(P6554481)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6554481オートタキシン(ATX)及びリゾホスファチジン酸(LPA)産生の阻害剤としての縮合[1,4]ジアゼピン化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6554481
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】オートタキシン(ATX)及びリゾホスファチジン酸(LPA)産生の阻害剤としての縮合[1,4]ジアゼピン化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 519/00 20060101AFI20190722BHJP
   A61K 31/551 20060101ALI20190722BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20190722BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20190722BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20190722BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20190722BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20190722BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20190722BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20190722BHJP
【FI】
   C07D519/00 311
   C07D519/00CSP
   A61K31/551
   A61P13/12
   A61P1/16
   A61P29/00
   A61P25/00
   A61P37/06
   A61P43/00 111
   C07D519/00 301
   !C07B61/00 300
【請求項の数】29
【全頁数】77
(21)【出願番号】特願2016-558222(P2016-558222)
(86)(22)【出願日】2015年3月23日
(65)【公表番号】特表2017-510576(P2017-510576A)
(43)【公表日】2017年4月13日
(86)【国際出願番号】EP2015056041
(87)【国際公開番号】WO2015144609
(87)【国際公開日】20151001
【審査請求日】2018年3月19日
(31)【優先権主張番号】14161756.3
(32)【優先日】2014年3月26日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】フンツィカー,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ヘルト,イェロム
(72)【発明者】
【氏名】キューネ,ホルガー
(72)【発明者】
【氏名】マタイ,パトリツィオ
(72)【発明者】
【氏名】ルドルフ,マルクス
【審査官】 三上 晶子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−532901(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/151461(WO,A2)
【文献】 国際公開第2014/152725(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D201/00−519/00
A61K 31/33− 33/44
A61P 1/00− 43/00
C07B 61/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化67】

[式中、
は、アルキル、ハロアルキル、置換シクロアルキル、置換シクロアルキルアルキル、置換フェニル、置換フェニルアルキル、置換フェノキシアルキル、置換フェニルアルコキシ、置換フェニルシクロアルキル、置換フェニルアルケニル、置換フェニルアルキニル、置換ピリジニル、置換ピリジニルアルキル、置換ピリジニルアルケニル、置換ピリジニルアルキニル、置換チオフェニル、置換チオフェニルアルキル、置換チオフェニルアルケニル、置換チオフェニルアルキニル、置換2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル、置換1H−インドール−2−イル又は置換ベンゾフラン−2−イルであり、ここで、置換シクロアルキル、置換シクロアルキルアルキル、置換フェニル、置換フェニルアルキル、置換フェノキシアルキル、置換フェニルアルコキシ、置換フェニルシクロアルキル、置換フェニルアルケニル、置換フェニルアルキニル、置換ピリジニル、置換ピリジニルアルキル、置換ピリジニルアルケニル、置換ピリジニルアルキニル、置換チオフェニル、置換チオフェニルアルキル、置換チオフェニルアルケニル、置換チオフェニルアルキニル、置換2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル、置換1H−インドール−2−イル及び置換ベンゾフラン−2−イルは、R、R及びRで置換されており;
は、−N−又は−CR−であり;
は、−N−又は−CR−であり、そしてA及びAの少なくとも1つは、−N−であり;
は、環系A、B、C、D、E、F、G、H、I、K及びL:
【化68】

より選択され;
、R及びRは、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルコキシアルキル、シクロアルキルアルコキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシハロアルキル、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロシクロアルキルアルコキシ、フェニル、置換フェニル、ピリジニル、置換ピリジニル、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アルキルスルファニル、ハロアルキルスルファニル、シクロアルキルスルファニル、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、シクロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、シクロアルキルスルホニル、アルキルカルボニルアミノ、置換アミノスルホニル、置換アミノ及び置換アミノアルキルより独立に選択され、ここで、置換アミノスルホニル、置換アミノ及び置換アミノアルキルは、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルキルカルボニル及びシクロアルキルカルボニルより独立に選択される1〜2個の置換基で窒素原子上で置換されており、そしてここで、置換フェニル及び置換ピリジニルは、アルキル、ハロゲン、ハロアルキル、アルコキシ及びハロアルコキシより独立に選択される1〜3個の置換基で場合により置換されており;
は、H、アルキル、ハロアルキル又はシクロアルキルであり;
及びRは、H、アルキル、ハロアルキル又はシクロアルキルより独立に選択される]で示される化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項2】
が、アルキル、ハロアルキル、置換シクロアルキル、置換シクロアルキルアルキル、置換フェニル、置換フェニルアルキル、置換フェノキシアルキル、置換フェニルアルコキシ、置換フェニルシクロアルキル、置換フェニルアルケニル、置換フェニルアルキニル、置換ピリジニル、置換ピリジニルアルキル、置換ピリジニルアルケニル、置換ピリジニルアルキニル、置換チオフェニル、置換チオフェニルアルキル、置換チオフェニルアルケニル、置換チオフェニルアルキニル、置換2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル、置換1H−インドール−2−イル又は置換ベンゾフラン−2−イルであり、ここで、置換シクロアルキル、置換シクロアルキルアルキル、置換フェニル、置換フェニルアルキル、置換フェノキシアルキル、置換フェニルアルコキシ、置換フェニルシクロアルキル、置換フェニルアルケニル、置換フェニルアルキニル、置換ピリジニル、置換ピリジニルアルキル、置換ピリジニルアルケニル、置換ピリジニルアルキニル、置換チオフェニル、置換チオフェニルアルキル、置換チオフェニルアルケニル、置換チオフェニルアルキニル、置換2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル、置換1H−インドール−2−イル及び置換ベンゾフラン−2−イルが、R、R及びRで置換されており;
が、−N−又は−CR−であり;
が、−N−又は−CR−であり、そしてA及びAの少なくとも1つが、−N−であり;
が、環系A、B、C、D、E、F、G、H、I、K及びLより選択され;
、R及びRが、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルコキシアルキル、シクロアルキルアルコキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシハロアルキル、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルコキシアルキル、フェニル、置換フェニル、ピリジニル、置換ピリジニル、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アルキルスルファニル、ハロアルキルスルファニル、シクロアルキルスルファニル、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、シクロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、シクロアルキルスルホニル、アルキルカルボニルアミノ、置換アミノスルホニル、置換アミノ及び置換アミノアルキルより独立に選択され、ここで、置換アミノスルホニル、置換アミノ及び置換アミノアルキルが、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルキルカルボニル及びシクロアルキルカルボニルより独立に選択される1〜2個の置換基で窒素原子上で置換されており、そしてここで、置換フェニル及び置換ピリジニルが、アルキル、ハロゲン、ハロアルキル、アルコキシ及びハロアルコキシより独立に選択される1〜3個の置換基で場合により置換されており;
が、H、アルキル、ハロアルキル又はシクロアルキルであり;
及びRが、H、アルキル、ハロアルキル又はシクロアルキルより独立に選択される、
請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項3】
が、置換フェニルアルキル、置換フェノキシアルキル又は置換フェニルアルコキシ(ここで、置換フェニルアルキル、置換フェノキシアルキル及び置換フェニルアルコキシは、R、R及びRで置換されている)である、請求項1又は2に記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩
【請求項4】
が、置換フェノキシアルキル又は置換フェニルアルコキシ(ここで、置換フェノキシアルキル及び置換フェニルアルコキシは、R、R及びRで置換されている)である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩
【請求項5】
が、R、R及びRで置換されているフェニルアルコキシである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩
【請求項6】
が、環系A及びより選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩
【請求項7】
が環系Aである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩
【請求項8】
が、−N−であり、そしてAが、−N−又は−CR−である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩
【請求項9】
、R及びRが、H、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルコキシ、ハロアルコキシ、ハロゲン、シアノ及びアルキルカルボニルアミノより独立に選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩
【請求項10】
、R及びRが、H、アルキル、シクロアルキル、ハロアルコキシ、ハロゲン、シアノ及びアルキルカルボニルアミノより独立に選択される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩
【請求項11】
が、ヘテロシクロアルキルアルコキシ、ハロアルコキシ又はシアノである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩
【請求項12】
が、ハロアルコキシ又はシアノである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩
【請求項13】
が、H、アルキル、シクロアルキル又はハロゲンである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩
【請求項14】
が、H、アルキル又はハロゲンである、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩
【請求項15】
が、Hである、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩
【請求項16】
が、Hである、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩
【請求項17】
が、Hである、請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩
【請求項18】
が、R、R及びRで置換されている置換フェニルアルコキシであり;
が、−N−であり;
が、−N−又は−CR−であり;
が、環系Aであり、
が、ハロアルコキシ又はシアノであり;
が、H又はハロゲンであり;
が、Hであり;
が、Hである、
請求項1〜17のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項19】
下記:
ベンジル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−カルボキシラート;
ベンジル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,2−d][1,4]ジアゼピン−7−カルボキシラート;
[3−フルオロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−カルボキシラート;
2−フルオロ−4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−カルボキシラート;
4−シアノベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
4−シアノ−3−フルオロベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
4−シアノ−2−フルオロベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
(4−シアノ−2−プロパン−2−イルフェニル)メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−カルボキシラート;
[4−シアノ−2−(2,2−ジメチルプロパノイルアミノ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−カルボキシラート;
[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−7−カルボキシラート;
[4−シアノ−2−(2,2−ジメチルプロパノイルアミノ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−7−カルボキシラート;
[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,2−d][1,4]ジアゼピン−7−カルボキシラート;
1−[2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−イル]−3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]プロパン−1−オン;
3−シクロプロピル−4−(2−オキソ−2−(2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−イル)エトキシ)ベンゾニトリル;
3−エチル−4−(2−オキソ−2−(2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−イル)エトキシ)ベンゾニトリル;
3−tert−ブチル−4−[2−オキソ−2−[2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−イル]エトキシ]ベンゾニトリル
3−[3−フルオロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1−[2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−イル]プロパン−1−オン;
3−(4−メトキシフェニル)−1−[2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−イル]プロパン−1−オン;
1−[2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−7−イル]−3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]プロパン−1−オン;
3−[3−フルオロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1−[2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−7−イル]プロパン−1−オン;
3−[3−クロロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1−[2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−イル]プロパン−1−オン;
3−[3−クロロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1−[2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−7−イル]プロパン−1−オン;
(6−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)(6,7−ジヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5(4H)−イル)メタノン;
(E)−3−[4−(ジフルオロメトキシ)−3−フルオロフェニル]−1−[2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−イル]プロパ−2−エン−1−オン;
3−[4−(ジフルオロメトキシ)−3−フルオロフェニル]−1−[2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−イル]プロパン−1−オン;
4−メトキシベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
4−フルオロベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
3−フルオロベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
(3,4−ジフルオロフェニル)メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−カルボキシラート;
4−(ジフルオロメトキシ)−3−フルオロベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
3−フルオロ−4−メトキシベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
4−メトキシ−2−メチルベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
4−シクロプロピルベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
[2−フルオロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−7−カルボキシラート;
[3−フルオロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−7−カルボキシラート;
3−クロロ−4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
2−メトキシ−4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
2−メチル−4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
[3−クロロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−7−カルボキシラート;
[3−クロロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,2−d][1,4]ジアゼピン−7−カルボキシラート;
3−フルオロ−4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル 2−((3aR,7aR)−2−オキソオクタヒドロオキサゾロ[5,4−c]ピリジン−5−カルボニル)−8,9−ジヒドロ−5H−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−7(6H)−カルボキシラート
より選択される、請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項20】
下記:
ベンジル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−カルボキシラート;
ベンジル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,2−d][1,4]ジアゼピン−7−カルボキシラート;
[3−フルオロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−カルボキシラート;
2−フルオロ−4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−カルボキシラート;
4−シアノベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
4−シアノ−3−フルオロベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
4−シアノ−2−フルオロベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
(4−シアノ−2−プロパン−2−イルフェニル)メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−カルボキシラート;
[4−シアノ−2−(2,2−ジメチルプロパノイルアミノ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−カルボキシラート;
[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−7−カルボキシラート;
[4−シアノ−2−(2,2−ジメチルプロパノイルアミノ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−7−カルボキシラート;
[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,2−d][1,4]ジアゼピン−7−カルボキシラート;
1−[2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−イル]−3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]プロパン−1−オン;
3−シクロプロピル−4−(2−オキソ−2−(2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−イル)エトキシ)ベンゾニトリル;
3−エチル−4−(2−オキソ−2−(2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−イル)エトキシ)ベンゾニトリル;
3−tert−ブチル−4−[2−オキソ−2−[2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−イル]エトキシ]ベンゾニトリル
より選択される、請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項21】
下記:
(6−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)(6,7−ジヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5(4H)−イル)メタノン;
(E)−3−[4−(ジフルオロメトキシ)−3−フルオロフェニル]−1−[2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−イル]プロパ−2−エン−1−オン;
4−(ジフルオロメトキシ)−3−フルオロベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
[3−フルオロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−7−カルボキシラート;
3−クロロ−4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
2−メチル−4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
[3−クロロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−7−カルボキシラート;
[3−クロロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,2−d][1,4]ジアゼピン−7−カルボキシラート
より選択される、請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項22】
下記:
3−フルオロ−4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−カルボキシラート;
[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−7−カルボキシラート;
[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,2−d][1,4]ジアゼピン−7−カルボキシラート;
3−tert−ブチル−4−[2−オキソ−2−[2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−イル]エトキシ]ベンゾニトリル
より選択される、請求項1〜20のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項23】
式(III)で示される化合物の存在下、式(II)で示される化合物の反応を含む、請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩の調製方法:
【化69】

[式中、Rは、R、R及びRで置換されているフェニルアルコキシであり、Rは、R、R及びRで置換されているフェニルアルキルであり、そしてR、R、R、R、A及びAは、請求項1〜18のいずれか一項に定義されるとおりである]。
【請求項24】
式(IV)で示される化合物の存在下、式(II)で示される化合物の反応を含む、請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩の調製方法:
【化70】

[式中、Rは、アルキル、ハロアルキル、置換シクロアルキル、置換シクロアルキルアルキル、置換フェニル、置換フェニルアルキル、置換フェノキシアルキル、置換フェニルシクロアルキル、置換フェニルアルケニル、置換フェニルアルキニル、置換ピリジニル、置換ピリジニルアルキル、置換ピリジニルアルケニル、置換ピリジニルアルキニル、置換チオフェニル、置換チオフェニルアルキル、置換チオフェニルアルケニル、置換チオフェニルアルキニル、置換2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル、置換1H−インドール−2−イル又は置換ベンゾフラン−2−イルであり、ここで、置換シクロアルキル、置換シクロアルキルアルキル、置換フェニル、置換フェニルアルキル、置換フェノキシアルキル、置換フェニルシクロアルキル、置換フェニルアルケニル、置換フェニルアルキニル、置換ピリジニル、置換ピリジニルアルキル、置換ピリジニルアルケニル、置換ピリジニルアルキニル、置換チオフェニル、置換チオフェニルアルキル、置換チオフェニルアルケニル、置換チオフェニルアルキニル、置換2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル、置換1H−インドール−2−イル及び置換ベンゾフラン−2−イルは、R、R及びRで置換されており、そしてR、R,R、R、A及びAは、請求項1〜18のいずれか一項に定義されるとおりである]。
【請求項25】
治療活性物質としての使用のための、請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩
【請求項26】
請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩及び治療上不活性な担体を含む、医薬組成物。
【請求項27】
腎疾患、肝疾患、炎症性疾患、神経系の疾患、線維性疾患、ならびに急性及び慢性の臓器移植拒絶の治療又は予防のための、請求項26に記載の医薬組成物
【請求項28】
腎疾患、肝疾患、炎症性疾患、神経系の疾患、線維性疾患、ならびに急性及び慢性の臓器移植拒絶の治療又は予防のための、請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩
【請求項29】
腎疾患、肝疾患、炎症性疾患、神経系の疾患、線維性疾患、ならびに急性及び慢性の臓器移植拒絶の治療又は予防用の医薬の調製のための、請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、哺乳類における治療又は予防に有用な有機化合物、具体的には、腎疾患、肝疾患、炎症性疾患、神経系の疾患、呼吸器系の疾患、血管及び心血管の疾患、線維性疾患、癌、眼疾患、代謝性疾患、胆汁うっ滞性及び他の形態の慢性掻痒症、ならびに急性及び慢性の臓器移植拒絶の治療又は予防のための、リゾホスファチジン酸(LPA)産生の阻害剤、ひいてはLPAレベル及び関連するシグナル伝達の調節剤である、オータキシン(ATX)阻害剤に関する。
【0002】
本発明は、式(I):
【化1】

[式中、
は、アルキル、ハロアルキル、置換シクロアルキル、置換シクロアルキルアルキル、置換フェニル、置換フェニルアルキル、置換フェノキシアルキル、置換フェニルアルコキシ、置換フェニルシクロアルキル、置換フェニルアルケニル、置換フェニルアルキニル、置換ピリジニル、置換ピリジニルアルキル、置換ピリジニルアルケニル、置換ピリジニルアルキニル、置換チオフェニル、置換チオフェニルアルキル、置換チオフェニルアルケニル、置換チオフェニルアルキニル、置換2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル、置換1H−インドール−2−イル又は置換ベンゾフラン−2−イルであり、ここで、置換シクロアルキル、置換シクロアルキルアルキル、置換フェニル、置換フェニルアルキル、置換フェノキシアルキル、置換フェニルアルコキシ、置換フェニルシクロアルキル、置換フェニルアルケニル、置換フェニルアルキニル、置換ピリジニル、置換ピリジニルアルキル、置換ピリジニルアルケニル、置換ピリジニルアルキニル、置換チオフェニル、置換チオフェニルアルキル、置換チオフェニルアルケニル、置換チオフェニルアルキニル、置換2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル、置換1H−インドール−2−イル及び置換ベンゾフラン−2−イルは、R、R及びRで置換されており;
は、−N−又は−CR−であり;
は、−N−又は−CR−であり、そしてA及びAの少なくとも1つは、−N−であり;
は、環系A、B、C、D、E、F、G、H、I、K及びL:
【化2】

より選択され;
、R及びRは、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルコキシアルキル、シクロアルキルアルコキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシハロアルキル、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロシクロアルキルアルコキシ、フェニル、置換フェニル、ピリジニル、置換ピリジニル、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アルキルスルファニル、ハロアルキルスルファニル、シクロアルキルスルファニル、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、シクロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、シクロアルキルスルホニル、アルキルカルボニルアミノ、置換アミノスルホニル、置換アミノ及び置換アミノアルキルより独立に選択され、ここで、置換アミノスルホニル、置換アミノ及び置換アミノアルキルは、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルキルカルボニル及びシクロアルキルカルボニルより独立に選択される1〜2個の置換基で窒素原子上で置換されており、そしてここで、置換フェニル及び置換ピリジニルは、アルキル、ハロゲン、ハロアルキル、アルコキシ及びハロアルコキシより独立に選択される1〜3個の置換基で場合により置換されており;
は、H、アルキル、ハロアルキル又はシクロアルキルであり;
及びRは、H、アルキル、ハロアルキル又はシクロアルキルより独立に選択される]で示される新規な化合物又は薬学的に許容し得る塩を提供する。
【0003】
オータキシン(ATX)は、リゾホスファチジルコリン(LPC)を生物活性シグナル伝達分子リゾホスファチジン酸(LPA)に変換するために重要な、エクトヌクレオチドピロホスファターゼ/ホスホジエステラーゼ2又はリゾホスホリパーゼDとも呼ばれる分泌酵素である。血漿LPAレベルは、ATX活性とよく相関することが示されているので、ATXは、細胞外LPAの重要な源であると考えられる。プロトタイプATX阻害剤を用いた初期実験では、かかる化合物がマウス血漿においてLPA合成活性を阻害できることが示された。1970年代及び1980年代初頭に行われた研究では、LPAが、平滑筋細胞の収縮、血小板の活性化、細胞の増殖、走化性、及び他を含む広範な細胞応答を誘発できることを実証した。LPAは、幾つかのGタンパク質共役型受容体(GPCR)に対するシグナル伝達を介してその作用を媒介し;最初のメンバーは、以前はEdg(内皮細胞分化遺伝子)受容体又は脳室帯遺伝子−1(vzg−1)という名称であったが、現在は、LPA受容体と呼ばれている。プロトタイプ群は、現在、LPA1/Edg−2/VZG−1、LPA2/Edg−4、及びLPA3/Edg−7からなっている。近年、プロトタイプのLPA1〜3受容体よりもヌクレオチド選択性プリン受容体により近縁である3つのさらなるLPA受容体LPA4/p2y9/GPR23、LPA5/GPR92、及びLPA6/p2Y5が、報告された。ATX−LPAシグナル伝達軸は、例えば、神経系の機能、血管発生、心血管生理機能、生殖、免疫系の機能、慢性炎症、腫瘍の転移及び進行、臓器線維症、ならびに肥満症及び/又は他の代謝性疾患(例えば、真性糖尿病)を含む、広範囲にわたる生理学的及び病態生理学的な機能に関与している。したがって、ATXの活性増大及び/又はLPAのレベル増大、LPA受容体の発現の変化及びLPAに対する応答の変化は、ATX/LPA軸に関する多くの異なる病態生理学的疾患の発症、進行、及び/又は転帰に寄与し得る。
【0004】
本発明によれば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩及びエステルは、オータキシンの活性及び/又はリゾホスファチジン酸(LPA)の生物活性に関連する疾患、障害又は病状の治療又は予防のために用いることができる。
【0005】
本明細書における式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩及びエステルは、オータキシン活性を阻害し、ひいてはLPA産生を阻害し、そしてLPAレベル及び関係するシグナル伝達を調節する。本明細書に記載するオータキシン阻害剤は、ATX活性及び/又はLPAシグナル伝達が関与するか、疾患の病因又は病理に関与しているか、あるいは他の点で疾患の少なくとも一つの症状に関係している、疾患又は病状の治療又は予防のための薬剤として有用である。ATX−LPA軸は、例えば、血管形成、慢性炎症、自己免疫疾患、線維性疾患、癌及び腫瘍の転移及び進行、眼疾患、肥満症及び/又は真性糖尿病のような代謝性疾患、胆汁うっ滞性又は他の形態の慢性掻痒症のような疾患、ならびに急性及び慢性の臓器移植拒絶に関係づけられてきた。
【0006】
本発明の目的は、式(I)の化合物ならびにその前述の塩及びエステルと、治療活性物質としてのその使用と、該化合物、中間体、医薬組成物、該化合物を含有する医薬、その薬学的に許容し得る塩もしくはエステルの製造方法と、ATXの活性及び/又はリゾホスファチジン酸(LPA)の生物活性に関連する障害又は病状の治療又は予防のための、具体的には、腎疾患、肝疾患、炎症性疾患、神経系の疾患、呼吸器系の疾患、血管及び心血管の疾患、線維性疾患、癌、眼疾患、代謝性疾患、胆汁うっ滞性及び他の形態の慢性掻痒症、ならびに急性及び慢性の臓器移植拒絶の治療又は予防における、該化合物、塩又はエステルの使用と、腎疾患、肝疾患、炎症性疾患、神経系の疾患、呼吸器系の疾患、血管及び心血管の疾患、線維性疾患、癌、眼疾患、代謝性疾患、胆汁うっ滞性及び他の形態の慢性掻痒症、ならびに急性及び慢性の臓器移植拒絶の治療又は予防用の医薬の製造のための該化合物、塩又はエステルの使用とである。
【0007】
用語「アルケニル」は、少なくとも1個の二重結合を有する、2〜7個の炭素原子の一価の直鎖又は分岐鎖炭化水素基を示す。特定の実施態様において、アルケニルは、少なくとも1個の二重結合を有する2〜4個の炭素原子を有する。アルケニルの例は、エテニル、プロペニル、プロパ−2−エニル、イソプロペニル、n−ブテニル及びイソ−ブテニルを含む。特定のアルケニル基は、エテニルである。
【0008】
用語「アルコキシ」は、式−O−R’(式中、R’は、アルキル基である)の基を示す。アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ及びtert−ブトキシを含む。特定のアルコキシ基は、イソプロポキシを含む。
【0009】
用語「アルコキシアルコキシ」は、アルコキシ基の水素原子の少なくとも1個が別のアルコキシ基によって置き換えられている、アルコキシ基を示す。アルコキシアルコキシ基の例は、メトキシメトキシ、エトキシメトキシ、メトキシエトキシ、エトキシエトキシ、メトキシプロポキシ及びエトキシプロポキシを含む。特定のアルコキシアルコキシ基は、メトキシメトキシ及びメトキシエトキシを含む。
【0010】
用語「アルコキシアルコキシアルキル」は、アルキル基の水素原子の少なくとも1個がアルコキシアルコキシ基によって置き換えられている、アルキル基を示す。アルコキシアルコキシアルキル基の例は、メトキシメトキシメチル、エトキシメトキシメチル、メトキシエトキシメチル、エトキシエトキシメチル、メトキシプロポキシメチル、エトキシプロポキシメチル、メトキシメトキシエチル、エトキシメトキシエチル、メトキシエトキシエチル、エトキシエトキシエチル、メトキシプロポキシエチル及びエトキシプロポキシエチルを含む。
【0011】
用語「アルコキシアルキル」は、アルキル基の水素原子の少なくとも1個がアルコキシ基によって置き換えられている、アルキル基を示す。例示的なアルコキシアルキル基は、メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチル、メトキシプロピル、エトキシプロピル及びイソプロポキシメチルを含む。特定のアルコキシアルキル基は、メトキシメチル、メトキシエチル及びイソプロポキシメチルを含む。
【0012】
用語「アルコキシカルボニル」は、式−C(O)−R’(式中、R’は、アルコキシ基である)の基を示す。アルコキシカルボニル基の例は、式−C(O)−R’(式中、R’は、メトキシ又はエトキシである)の基を含む。特定のアルコキシカルボニル基は、式−C(O)−R’(式中、R’は、メトキシである)の基を含む。
【0013】
用語「アルコキシハロアルキル」は、ハロアルキル基の水素原子の少なくとも1個がアルコキシ基によって置き換えられている、ハロアルキル基を示す。例示的なアルコキシアルキル基は、メトキシトリフルオロエチル、エトキシトリフルオロエチル、メトキシトリフルオロプロピル、及びエトキシトリフルオロプロピルを含む。
【0014】
用語「アルキル」は、1〜12個の炭素原子の一価の直鎖又は分岐鎖飽和炭化水素基を示す。特定の実施態様において、アルキルは、1〜7個の炭素原子、そしてより特定の実施態様では1〜4個の炭素原子を有する。アルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル及びペンチルを含む。特定のアルキル基は、メチル、エチル、プロピル及びイソプロピルを含む。より特定のアルキル基は、エチル及びイソプロピル(isoropyl)である。
【0015】
用語「アルキルカルボニル」は、式−C(O)−R’(式中、R’は、アルキル基である)の基を示す。アルキルカルボニル基の例は、式−C(O)−R’(式中、R’は、メチル又はエチルである)の基を含む。特定のアルキルカルボニル基は、式−C(O)−R’(式中、R’は、メチルである)の基を含む。
【0016】
用語「アルキルカルボニルアミノ」は、式−NH−C(O)−R’(式中、R’は、アルキル基である)の基を示す。アルキルカルボニルアミノ基の例は、式−NH−C(O)−R’(式中、R’は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル又はペンチルである)の基を含む。特定のアルキルカルボニルアミノ基は、式−NH−C(O)−R’(式中、R’は、tert−ブチルである)の基を含む。
【0017】
用語「アルキルスルファニル」は、式−S−R’(式中、R’は、アルキル基である)の基を示す。アルキルスルファニル基の例は、式−S−R’(式中、R’は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル又はtert−ブチルである)の基を含む。特定のアルキルスルファニル基は、式−S−R’(式中、R’は、メチルである)の基を含む。
【0018】
用語「アルキルスルフィニル」は、式−S(O)−R’(式中、R’は、アルキル基である)の基を示す。アルキルスルフィニル基の例は、式−S(O)−R’(式中、R’は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル又はtert−ブチルである)の基を含む。特定のアルキルスルフィニル基は、式−S(O)−R’(式中、R’は、メチルである)の基を含む。
【0019】
用語「アルキルスルホニル」は、式−S(O)−R’(式中、R’は、アルキル基である)の基を示す。アルキルスルホニル基の例は、式−S(O)−R’(式中、R’は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル又はtert−ブチルである)の基を含む。特定のアルキルスルホニル基は、式−S(O)−R’(式中、R’は、メチルである)の基を含む。
【0020】
用語「アルキルスルホニルアミノ」は、式−NH−S(O)−R’(式中、R’は、アルキル基である)の基を示す。アルキルスルホニルアミノ基の例は、式−NH−S(O)−R’(式中、R’は、メチル又はエチルである)の基を含む。特定のアルキルスルホニルアミノ基は、式−NH−S(O)−R’(式中、R’は、メチルである)の基を含む。
【0021】
用語「アミノ」は、−NH基を示す。
【0022】
用語「アミノアルキル」は、アルキル基の水素原子の少なくとも1個がアミノ基によって置き換えられている、アルキル基を示す。アミノアルキルの例は、アミノメチル、アミノエチル、アミノ−1−メチル−エチル、アミノプロピル、アミノメチルプロピル及びアミノプロピルを含む。特定の例は、アミノメチル及びアミノエチル(haminoethyl)である。
【0023】
用語「アミノスルホニル」は、−S(O)−NH基を示す。
【0024】
用語「カルボニル」は、−C(O)−基を示す。
【0025】
用語「カルボキシ」は、−COOH基を示す。
【0026】
用語「シアノ」は、−C≡N基を示す。
【0027】
用語「シクロアルコキシ」は、式−O−R’(式中、R’は、シクロアルキル基である)の基を示す。シクロアルコキシ基の例は、シクロプロポキシ、シクロブトキシ、シクロペンチルオキシ、シクロへキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ及びシクロオクチルオキシを含む。特定のシクロアルコキシ基は、シクロプロポキシである。
【0028】
用語「シクロアルコキシアルキル」は、アルキル基の水素原子の少なくとも1個がシクロアルコキシ基によって置き換えられている、アルキル基を示す。シクロアルコキシアルキル基の例は、シクロプロポキシメチル、シクロプロポキシエチル、シクロブトキシメチル、シクロブトキシエチル、シクロペンチルオキシメチル、シクロペンチルオキシエチル、シクロヘキシルオキシメチル、シクロヘキシルオキシエチル、シクロヘプチルオキシメチル、シクロヘプチルオキシエチル、シクロオクチルオキシメチル及びシクロオクチルオキシエチルを含む。
【0029】
用語「シクロアルキル」は、3〜10個の環炭素原子の一価の飽和単環式又は二環式炭化水素基を示す。特定の実施態様において、シクロアルキルは、3〜8個の環炭素原子の一価の飽和単環式炭化水素基を示す。二環式は、2個の炭素原子を共有する2個の飽和炭素環からなる環系を意味する。単環式シクロアルキルに関する例は、シクロプロピル、シクロブタニル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチルである。二環式シクロアルキルに関する例は、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル又はビシクロ[2.2.2]オクタニルである。特定の単環式シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブタニル、シクロペンチル及びシクロヘキシルである。より特定の単環式シクロアルキル基は、シクロプロピルである。
【0030】
用語「シクロアルキルアルコキシ」は、アルコキシ基の水素原子の少なくとも1個がシクロアルキル基によって置き換えられている、アルコキシ基を示す。シクロアルキルアルコキシの例は、シクロプロピルメトキシ、シクロブチルメトキシ、シクロペンチルメトキシ、シクロヘキシルメトキシ、シクロヘプチルメトキシ及びシクロオクチルメトキシを含む。
【0031】
用語「シクロアルキルアルコキシアルキル」は、アルキル基の水素原子の少なくとも1個がシクロアルキルアルコキシ基によって置き換えられている、アルキル基を示す。シクロアルキルアルコキシアルキルの例は、シクロプロピルメトキシメチル、シクロプロピルメトキシエチル、シクロブチルメトキシメチル、シクロブチルメトキシエチル、シクロペンチルメトキシエチル、シクロペンチルメトキシエチル、シクロヘキシルメトキシメチル、シクロヘキシルメトキシエチル、シクロヘプチルメトキシメチル、シクロヘプチルメトキシエチル、シクロオクチルメトキシメチル及びシクロオクチルメトキシエチルを含む。
【0032】
用語「シクロアルキルアルキル」は、アルキル基の水素原子の少なくとも1個がシクロアルキル基によって置き換えられている、アルキル基を示す。シクロアルキルアルキルの例は、シクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロプロピルブチル、シクロブチルプロピル、2−シクロプロピルブチル、シクロペンチルブチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、ビシクロ[4.1.0]ヘプタニルメチル、ビシクロ[4.1.0]ヘプタニルエチル、ビシクロ[2.2.2]オクタニルメチル、ビシクロ[2.2.2]オクタニルエチル、アダマンタニルメチル(adamentanylmethyl)及びアダマンタニルエチルを含む。シクロアルキルアルキルの特定の例は、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、ビシクロ[4.1.0]ヘプタニルメチル、ビシクロ[4.1.0]ヘプタニルエチル、ビシクロ[2.2.2]オクタニルメチル、ビシクロ[2.2.2]オクタニルエチル、アダマンタニルメチル(adamentanylmethyl)及びアダマンタニルエチルである。さらに特定の例において、シクロアルキルアルキルは、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、ビシクロ[4.1.0]ヘプタニルメチル、ビシクロ[2.2.2]オクタニルメチル、アダマンタニルメチル(adamentanylmethyl)及びアダマンタニルエチルである。
【0033】
用語「シクロアルキルカルボニル」は、式−C(O)−R’(式中、R’は、シクロアルキル基である)の基を示す。シクロアルキルカルボニル基の例は、式−C(O)−R’(式中、R’は、シクロプロピルである)の基を含む。
【0034】
用語「シクロアルキルスルファニル」は、式−S−R’(式中、R’は、シクロアルキル基である)の基を示す。シクロアルキルスルファニル基の例は、式−S−R’(式中、R’は、シクロプロピルである)の基を含む。
【0035】
用語「シクロアルキルスルフィニル」は、式−S(O)−R’(式中、R’は、シクロアルキル基である)の基を示す。シクロアルキルスルフィニル基の例は、式−S(O)−R’(式中、R’は、シクロプロピルである)の基を含む。
【0036】
用語「シクロアルキルスルホニル」は、式−S(O)−R’(式中、R’は、シクロアルキル基である)の基を示す。シクロアルキルスルホニル基の例は、式−S(O)−R’(式中、R’は、シクロプロピルである)の基を含む。
【0037】
用語「ハロアルコキシ」は、アルコキシ基の水素原子の少なくとも1個が同じか又は異なるハロゲン原子によって置き換えられている、アルコキシ基を示す。用語「ペルハロアルコキシ」は、アルコキシ基の全ての水素原子が同じか又は異なるハロゲン原子によって置き換えられている、アルコキシ基を示す。ハロアルコキシの例は、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、トリフルオロメチルエトキシ、トリフルオロジメチルエトキシ及びペンタフルオロエトキシを含む。特定のハロアルコキシ基は、トリフルオロメトキシである。
【0038】
用語「ハロアルキル」は、アルキル基の水素原子の少なくとも1個が同じか又は異なるハロゲン原子により置き換えられている、アルキル基を示す。用語「ペルハロアルキル」は、アルキル基の全ての水素原子が同じか又は異なるハロゲン原子によって置き換えられている、アルキル基を示す。ハロアルキルの例は、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、トリフルオロメチルエチル及びペンタフルオロエチルを含む。特定のハロアルキル基は、トリフルオロメチルである。
【0039】
用語「ハロアルキルスルファニル」は、式−S−R’(式中、R’は、ハロアルキル基である)の基を示す。ハロアルキルスルファニル基の例は、式−S−R’(式中、R’は、トリフルオロメチルである)の基を含む。
【0040】
用語「ハロアルキルスルフィニル」は、式−S(O)−R’(式中、R’は、ハロアルキル基である)の基を示す。ハロアルキルスルフィニル基の例は、式−S(O)−R’(式中、R’は、トリフルオロメチルである)の基を含む。
【0041】
用語「ハロアルキルスルホニル」は、式−S(O)−R’(式中、R’は、ハロアルキル基である)の基を示す。ハロアルキルスルホニル基の例は、式−S(O)−R’(式中、R’は、トリフルオロメチルである)の基を含む。
【0042】
用語「ハロゲン」及び「ハロ」は、本明細書において互換可能に使用され、そしてフルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを示す。特定のハロゲンは、フルオロである。
【0043】
用語「ヘテロシクロアルキル」は、N、O及びSから選択される1、2又は3個の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素である、4〜9個の環原子の一価の飽和又は部分不飽和の単環式又は二環式環系を示す。二環式は、2個の環原子を共有する2個の環からなるもの(すなわち、2個の環を分離する橋が、単結合又は1もしくは2個の環原子の鎖であるのいずれかである)を意味する。単環式の飽和ヘテロシクロアルキルに関する例は、4,5−ジヒドロ−オキサゾリル、オキセタニル、アゼチジニル、ピロリジニル、2−オキソ−ピロリジン−3−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロ−チエニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1,1−ジオキソ−チオモルホリン−4−イル、アゼパニル、ジアゼパニル、ホモピペラジニル又はオキサゼパニルである。二環式飽和ヘテロシクロアルキルの例は、8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクチル、キヌクリジニル、8−オキサ−3−アザ―ビシクロ[3.2.1]オクチル、9−アザ―ビシクロ[3.3.1]ノニル、3―オキサ−9−アザ―ビシクロ[3.3.1]ノニル、又は3−チア−9−アザ―ビシクロ[3.3.1]ノニルである。部分不飽和ヘテロシクロアルキルの例は、ジヒドロフリル、イミダゾリニル、ジヒドロ−オキサゾリル、テトラヒドロ−ピリジニル又はジヒドロピラニルである。ヘテロシクロアルキル基の特定の例は、テトラヒドロピラニルである。
【0044】
用語「ヘテロシクロアルキルアルコキシ」は、アルコキシ基の水素原子の少なくとも1個がヘテロシクロアルキル基によって置き換えられている、アルコキシ基を示す。ヘテロシクロアルキルアルコキシの例は、テトラヒドロピラニルメトキシ、テトラヒドロフラニルメトキシ、オキセタニルメトキシ、テトラヒドロピラニルエトキシ、テトラヒドロフラニルエトキシ及びオキセタニルエトキシを含む。特定のヘテロシクロアルキルアルコキシは、テトラヒドロピラニルメトキシである。
【0045】
用語「ヒドロキシ」は、−OH基を示す。
【0046】
用語「ヒドロキシアルキル」は、アルキル基の水素原子の少なくとも1個がヒドロキシ基によって置き換えられている、アルキル基を示す。ヒドロキシアルキルの例は、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシ−1−メチル−エチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシメチルプロピル及びジヒドロキシプロピルを含む。特定の例は、ヒドロキシメチル及びヒドロキシエチルである。
【0047】
用語「ヒドロキシハロアルキル」は、ハロアルキル基の水素原子の少なくとも1個がヒドロキシ基によって置き換えられている、ハロアルキル基を示す。例示的ヒドロキシハロアルキル基は、ヒドロキシトリフルオロエチル及びヒドロキシトリフルオロプロピルを含む。特定のヒドロキシハロアルキル基は、ヒドロキシトリフルオロエチルを含む。
【0048】
用語「ナフチルアルケニル」は、アルケニル基の水素原子の少なくとも1個がナフチナフチル(naphthynaphthyl)と置き換えられている、アルケニル基を示す。特定のナフチルアルケニル基は、ナフチルエテニルである。
【0049】
用語「ナフチルアルキル」は、アルキル基の水素原子の少なくとも1個がナフチルと置き換えられている、アルキル基を示す。特定のナフチルアルキル基は、ナフチルメチル、ナフチルエチル、及びナフチルプロピルである。
【0050】
用語「ナフチルオキシアルキル」は、アルキル基の水素原子の少なくとも1個がナフチルオキシ基によって置き換えられている、アルキル基を示す。例示的なナフチルオキシアルキル基は、ナフチルオキシメチル、ナフチルオキシエチル、及びナフチルオキシプロピルを含む。
【0051】
用語「フェノキシ」は、式−O−R’(式中、R’は、フェニルである)の基を示す。
【0052】
用語「フェノキシアルキル」は、アルキル基の水素原子の少なくとも1個がフェノキシ基によって置き換えられている、アルキル基を示す。例示的フェノキシアルキル基は、フェノキシメチル、フェノキシエチル及びフェノキシプロピルを含む。特定のアルコキシアルキル基は、フェノキシメチルである。
【0053】
用語「フェニルアルケニル」は、アルケニル基の水素原子の少なくとも1個がフェニルと置き換えられている、アルケニル基を示す。特定のフェニルアルケニル基は、フェニルエテニルである。
【0054】
用語「フェニルアルコキシ」は、アルコキシ基の水素原子の少なくとも1個がフェニル基によって置き換えられている、アルコキシ基を示す。フェニルアルコキシの例は、フェニルメトキシ、フェニルエトキシ及びフェニルプロポキシを含む。特定のフェニルアルコキシは、フェニルメトキシである。
【0055】
用語「フェニルアルキル」は、アルキル基の水素原子の少なくとも1個がフェニルと置き換えられている、アルキル基を示す。特定のフェニルアルキル基は、ベンジル、フェネチル及びフェニルプロピルである。より特定のフェニルアルキル基は、ベンジル及びフェネチルである。さらに特定のフェニルアルキル基は、フェネチルである。
【0056】
用語「フェニルアルキニル」は、アルキニル基の水素原子の少なくとも1個がフェニルと置き換えられている、アルキニル基を示す。特定のフェニルアルキニル基は、フェニルエチニルである。
【0057】
用語「フェニルシクロアルキル(phenylcyloalkyl)」は、シクロアルキル基の水素原子の少なくとも1個がフェニルと置き換えられている、シクロアルキル基を示す。特定のフェニルシクロアルキル基は、フェニルシクロプロピルである。
【0058】
用語「ピリジニルアルケニル」は、アルケニル基の水素原子の少なくとも1個がピリジニルと置き換えられている、アルケニル基を示す。特定のピリジニルアルケニル基は、ピリジニルエテニルである。
【0059】
用語「ピリジニルアルキル」は、アルキル基の水素原子の少なくとも1個がピリジニルと置き換えられている、アルキル基を示す。特定のピリジニルアルキル基は、ピリジニルメチル、ピリジニルエチル及びピリジニルプロピルである。より特定のピリジニルアルキル基は、ピリジニルエチルである。
【0060】
用語「ピリジニルアルキニル」は、アルキニル基の水素原子の少なくとも1個がピリジニルと置き換えられている、アルキニル基を示す。特定のピリジニルアルキニル基は、ピリジニルエチニルである。
【0061】
用語「チオフェニルアルケニル」は、アルケニル基の水素原子の少なくとも1個がチオフェニルと置き換えられている、アルケニル基を示す。特定のチオフェニルアルケニル基は、チオフェニルエテニルである。
【0062】
用語「チオフェニルアルキル」は、アルキル基の水素原子の少なくとも1個がチオフェニルと置き換えられている、アルキル基を示す。特定のチオフェニルアルキル基は、チオフェニルメチル、チオフェニルエチル及びチオフェニルプロピルである。より特定のチオフェニルアルキル基は、チオフェニルメチルである。
【0063】
用語「チオフェニルアルキニル」は、アルキニル基の水素原子の少なくとも1個がチオフェニルと置き換えられている、アルキニル基を示す。特定のチオフェニルアルキニル基は、チオフェニルエチニルである。
【0064】
用語「薬学的に許容し得る塩」は、遊離塩基又は遊離酸の生物学的有効性及び特性を保持し、生物学的にも又は他の点でも望ましくないものではない塩を指す。塩は、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸(特に、塩酸)と、及び例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、N−アセチルシステインなどの有機酸と、形成される。加えて、これらの塩は、遊離酸に無機塩基又は有機塩基を付加させることにより調製され得る。無機塩基から誘導される塩は、非限定的に、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム塩などを含む。有機塩基から誘導される塩は、非限定的に、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、リシン、アルギニン、N−エチルピペリジン、ピペリジン、ポリイミン樹脂などのような、第一級、第二級及び第三級アミン、天然置換アミンを含む置換アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂の塩を含む。式(I)の化合物の特定の薬学的に許容し得る塩は、塩酸塩、メタンスルホン酸塩及びクエン酸塩である。
【0065】
「薬学的に許容し得るエステル」は、一般式(I)の化合物が、官能基で誘導体化されて、インビボで親化合物に変換して戻ることができる誘導体を提供し得ることを意味する。そのような化合物の例は、生理学的に許容し得る、かつ代謝的に不安定なエステル誘導体、例えば、メトキシメチルエステル、メチルチオメチルエステル及びピバロイルオキシメチルエステルを含む。加えて、インビボで一般式(I)の親化合物を生成することができる代謝的に不安定なエステルと類似する、一般式(I)の化合物の任意の生理学的に許容し得る等価体も本発明の範囲内である。
【0066】
用語「保護基」(PG)は、合成化学において従来それと関連する意味で、化学反応を別の保護されていない反応部位で選択的に行うことができるように、多官能性化合物中の反応部位を選択的にブロックする基を示す。保護基は、適切な時点で除去することができる。例示的な保護基は、アミノ保護基、カルボキシ保護基又はヒドロキシ保護基である。特定の保護基は、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz又はZ)、フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)及びベンジル(Bn)基である。さらに特定の保護基は、tert−ブトキシカルボニル(Boc)及びフルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基である。より特定の保護基は、tert−ブトキシカルボニル(Boc)基である。
【0067】
略語uMは、マイクロモルを意味し、そして記号μMに相当する。
【0068】
略語uLは、マイクロリットルを意味し、そして記号μLに相当する。
【0069】
略語ugは、マイクログラムを意味し、そして記号μgに相当する。
【0070】
式(I)の化合物は、幾つかの不斉中心を含有することができ、そして光学的に純粋なエナンチオマー、例えばラセミ体のようなエナンチオマーの混合物、光学的に純粋なジアステレオ異性体、ジアステレオ異性体の混合物、ジアステレオ異性体ラセミ体又はジアステレオ異性体ラセミ体の混合物の形態で存在することができる。
【0071】
Cahn-Ingold-Prelog 順位則に従って、不斉炭素原子は、「R」又は「S」立体配置をとることができる。
【0072】
また本発明の一実施態様は、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物及びその薬学的に許容し得る塩又はエステル、特に、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物及びその薬学的に許容し得る塩、より特には、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物である。
【0073】
本発明の別の実施態様は、
が、アルキル、ハロアルキル、置換シクロアルキル、置換シクロアルキルアルキル、置換フェニル、置換フェニルアルキル、置換フェノキシアルキル、置換フェニルアルコキシ、置換フェニルシクロアルキル、置換フェニルアルケニル、置換フェニルアルキニル、置換ピリジニル、置換ピリジニルアルキル、置換ピリジニルアルケニル、置換ピリジニルアルキニル、置換チオフェニル、置換チオフェニルアルキル、置換チオフェニルアルケニル、置換チオフェニルアルキニル、置換2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル、置換1H−インドール−2−イル又は置換ベンゾフラン−2−イルであり、ここで、置換シクロアルキル、置換シクロアルキルアルキル、置換フェニル、置換フェニルアルキル、置換フェノキシアルキル、置換フェニルアルコキシ、置換フェニルシクロアルキル、置換フェニルアルケニル、置換フェニルアルキニル、置換ピリジニル、置換ピリジニルアルキル、置換ピリジニルアルケニル、置換ピリジニルアルキニル、置換チオフェニル、置換チオフェニルアルキル、置換チオフェニルアルケニル、置換チオフェニルアルキニル、置換2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル、置換1H−インドール−2−イル及び置換ベンゾフラン−2−イルが、R、R及びRで置換されており;
が、−N−又は−CR−であり;
が、−N−又は−CR−であり、そしてA及びAの少なくとも1つが、−N−であり;
が、環系A、B、C、D、E、F、G、H、I、K及びLより選択され;
、R及びRが、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルコキシアルキル、シクロアルキルアルコキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシハロアルキル、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルコキシアルキル、フェニル、置換フェニル、ピリジニル、置換ピリジニル、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アルキルスルファニル、ハロアルキルスルファニル、シクロアルキルスルファニル、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、シクロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、シクロアルキルスルホニル、アルキルカルボニルアミノ、置換アミノスルホニル、置換アミノ及び置換アミノアルキルより独立に選択され、ここで、置換アミノスルホニル、置換アミノ及び置換アミノアルキルが、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルキルカルボニル及びシクロアルキルカルボニルより独立に選択される1〜2個の置換基で窒素原子上で置換されており、そしてここで、置換フェニル及び置換ピリジニルが、アルキル、ハロゲン、ハロアルキル、アルコキシ及びハロアルコキシより独立に選択される1〜3個の置換基で場合により置換されており;
が、H、アルキル、ハロアルキル又はシクロアルキルであり;
及びRが、H、アルキル、ハロアルキル又はシクロアルキルより独立に選択される、
本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物又は薬学的に許容し得る塩である。
【0074】
本発明の別の実施態様は、Rが、置換フェニルアルキル、置換フェノキシアルキル又は置換フェニルアルコキシ(ここで、置換フェニルアルキル、置換フェノキシアルキル及び置換フェニルアルコキシは、R、R及びRで置換されている)である、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物である。
【0075】
本発明の特定の実施態様は、Rが、置換フェノキシアルキル又は置換フェニルアルコキシ(ここで、置換フェノキシアルキル及び置換フェニルアルコキシは、R、R及びRで置換されている)である、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物である。
【0076】
本発明のさらなる特定の実施態様は、Rが、R、R及びRで置換されているフェニルアルコキシである、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物である。
【0077】
本発明はまた、Rが、環系A及びOより選択される、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物に関する。
【0078】
本発明の特定の実施態様は、Rが環系Aであり、そして式(Ia):
【化3】

で示される、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物である。
【0079】
本発明のさらなる実施態様は、Aが、−N−であり、そしてAが、−N−又は−CR−である、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物である。
【0080】
本発明の別のさらなる実施態様は、R、R及びRが、H、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルコキシ、ハロアルコキシ、ハロゲン、シアノ及びアルキルカルボニルアミノより独立に選択される、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物である。
【0081】
本発明の特定の実施態様は、R、R及びRが、H、アルキル、シクロアルキル、ハロアルコキシ、ハロゲン、シアノ及びアルキルカルボニルアミノより独立に選択される、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物である。
【0082】
本発明の別の特定の実施態様は、Rが、ヘテロシクロアルキルアルコキシ、ハロアルコキシ又はシアノである、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物である。
【0083】
本発明のさらなる特定の実施態様は、Rが、ハロアルコキシ又はシアノである、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物である。
【0084】
本発明の別の特定の実施態様は、Rが、H、アルキル、シクロアルキル又はハロゲンである、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物である。
【0085】
本発明のさらなる特定の実施態様は、Rが、H、アルキル又はハロゲンである、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物である。
【0086】
また本発明の実施態様は、Rが、Hである、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物である。
【0087】
本発明の別の実施態様は、Rが、Hである、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物である。
【0088】
本発明の別の実施態様は、Rが、Hである、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物である。
【0089】
本発明のさらに特定の実施態様は、
が、R、R及びRで置換されている置換フェニルアルコキシであり;
が、−N−であり;
が、−N−又は−CR−であり;
が、環系Aであり、
が、ハロアルコキシ又はシアノであり;
が、H又はハロゲンであり;
が、Hであり;
が、Hである、
本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物又は薬学的に許容し得る塩である。
【0090】
本明細書において記載されるとおりの式(I)の化合物の特定の例は、下記:
ベンジル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−カルボキシラート;
ベンジル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,2−d][1,4]ジアゼピン−7−カルボキシラート;
[3−フルオロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−カルボキシラート;
2−フルオロ−4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−カルボキシラート;
4−シアノベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
4−シアノ−3−フルオロベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
4−シアノ−2−フルオロベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
(4−シアノ−2−プロパン−2−イルフェニル)メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−カルボキシラート;
[4−シアノ−2−(2,2−ジメチルプロパノイルアミノ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−カルボキシラート;
[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−7−カルボキシラート;
[4−シアノ−2−(2,2−ジメチルプロパノイルアミノ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−7−カルボキシラート;
[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,2−d][1,4]ジアゼピン−7−カルボキシラート;
1−[2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−イル]−3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]プロパン−1−オン;
3−シクロプロピル−4−(2−オキソ−2−(2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−イル)エトキシ)ベンゾニトリル;
3−エチル−4−(2−オキソ−2−(2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−イル)エトキシ)ベンゾニトリル;
3−tert−ブチル−4−[2−オキソ−2−[2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−イル]エトキシ]ベンゾニトリル
、及びその薬学的に許容し得る塩より選択される。
【0091】
また本明細書において記載されるとおりの式(I)の化合物の特定の例は、下記:
3−[3−フルオロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1−[2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−イル]プロパン−1−オン;
3−(4−メトキシフェニル)−1−[2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−イル]プロパン−1−オン;
1−[2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−7−イル]−3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]プロパン−1−オン;
3−[3−フルオロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1−[2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−7−イル]プロパン−1−オン;
3−[3−クロロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1−[2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−イル]プロパン−1−オン;
3−[3−クロロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1−[2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−7−イル]プロパン−1−オン;
(6−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)(6,7−ジヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5(4H)−イル)メタノン;
(E)−3−[4−(ジフルオロメトキシ)−3−フルオロフェニル]−1−[2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−イル]プロパ−2−エン−1−オン;
3−[4−(ジフルオロメトキシ)−3−フルオロフェニル]−1−[2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−イル]プロパン−1−オン;
4−メトキシベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
4−フルオロベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
3−フルオロベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
(3,4−ジフルオロフェニル)メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−カルボキシラート;
4−(ジフルオロメトキシ)−3−フルオロベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
3−フルオロ−4−メトキシベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
4−メトキシ−2−メチルベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
4−シクロプロピルベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
[2−フルオロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−7−カルボキシラート;
[3−フルオロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−7−カルボキシラート;
3−クロロ−4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
2−メトキシ−4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
2−メチル−4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
[3−クロロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−7−カルボキシラート;
[3−クロロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,2−d][1,4]ジアゼピン−7−カルボキシラート;
3−フルオロ−4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル 2−((3aR,7aR)−2−オキソオクタヒドロオキサゾロ[5,4−c]ピリジン−5−カルボニル)−8,9−ジヒドロ−5H−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−7(6H)−カルボキシラート
、及びその薬学的に許容し得る塩より選択される。
【0092】
さらに、
3−フルオロ−4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−カルボキシラート;
[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−7−カルボキシラート;
[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,2−d][1,4]ジアゼピン−7−カルボキシラート;
3−tert−ブチル−4−[2−オキソ−2−[2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−イル]エトキシ]ベンゾニトリル
及びその薬学的に許容し得る塩。
【0093】
また本明細書において記載されるとおりの式(I)の化合物のさらなる特定の例は、下記:
(6−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)(6,7−ジヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5(4H)−イル)メタノン;
(E)−3−[4−(ジフルオロメトキシ)−3−フルオロフェニル]−1−[2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−イル]プロパ−2−エン−1−オン;
4−(ジフルオロメトキシ)−3−フルオロベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
[3−フルオロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−7−カルボキシラート;
3−クロロ−4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
2−メチル−4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート;
[3−クロロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−7−カルボキシラート;
[3−クロロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,2−d][1,4]ジアゼピン−7−カルボキシラート
より選択される。
【0094】
本明細書において記載されるとおりの式(I)の化合物の製造方法は、本発明の目的である。
【0095】
本発明の式(I)の化合物の調製は、逐次又は収束合成経路で実施され得る。本発明の合成は、以下の一般スキームに示される。本反応及び得られた生成物の精製を実施するために必要な技能は、当業者には公知である。エナンチオマー又はジアステレオ異性体の混合物が反応の間に生成される場合、これらのエナンチオマー又はジアステレオ異性体は、本明細書において記載される方法又は当業者に公知の方法、例えば(キラル)クロマトグラフィー又は結晶化によって分離されることができる。方法の以下の記載に使用される置換基及び指数は、本明細書において示される意味を有する。
【0096】
本発明の一般的記載が以下の節に記載され、図1〜4に概説される。式(I)の化合物を得るために、適切に保護された二環式カルボン酸1Aは、適切なカップリング試薬(例えば、EDC HCl、CDI、HATU又は任意の他のペプチドカップリング試薬)の存在下、適切な溶媒(例えば、DMF、THF、CHCNなど)中、−20℃〜100℃の間の温度で、適切な環状第二級アミン1Bで処理されて、保護アミド1Cを与える。続く工程において、保護基PGの性質に依存して、PG(保護基)が除去された状態の中間体1Dを与えるために、当業者に公知の様々な脱保護方法を適用することができる。例えば、BOC保護基は、有機酸もしくは水性酸での処理又は他の公知の方法により除去されることができ、一方で、Z基は、多くの場合、水素化により除去される。
【0097】
【化4】
【0098】
ここで、中間体1Dは、アルコール1E(式中、Rは、置換フェニルアルキルである)で処理されて、(そのために1Eは、先だって、塩基(例えば、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、Huenig 塩基など)の存在下、例えば、CDIで又は任意の他のタイプの活性化カルボン酸誘導体1F(例えば、N,N’−ジスクシンイミジルカルボナート又はホスゲンなど)で適切に活性化されている)一般構造1Hを有する本発明の例の第1のタイプを与えることができる。本発明において概説されている例の第2のタイプは、一般構造1Iで表され、かつ、活性化剤(例えば、CDI、EDC HCl又は任意のタイプのペプチドカップリング試薬)の存在下、適切な塩基(例えば、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、Huenig 塩基、NaOH、NaCOなど)の存在下、適切な溶媒系(例えば、DMF、CHCN、THF、THF/水又は同様の物)中、中間体1Dを、任意のタイプの遊離カルボン酸1G(式中、Rは、アルキル、ハロアルキル、置換シクロアルキル、置換シクロアルキルアルキル、置換フェニル、置換フェニルアルキル、置換フェノキシアルキル、置換フェニルシクロアルキル、置換フェニルアルケニル、置換フェニルアルキニル、置換ピリジニル、置換ピリジニルアルキル、置換ピリジニルアルケニル、置換ピリジニルアルキニル、置換チオフェニル、置換チオフェニルアルキル、置換チオフェニルアルケニル、置換チオフェニルアルキニル、置換2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル、置換1H−インドール−2−イル又は置換ベンゾフラン−2−イルである)で処理することにより作製することができる。代替的に、任意の適切に活性化されたカルボン酸誘導体、例えば、酸クロリド又は酸ブロミド、混合無水物、又はp−ニトロフェノラートもまたかかる反応に使用してもよい。
【0099】
構造1Aの縮合二環を有する中間体又はその直前の前駆体はいずれも、文献に記載されているか、又は文献に記載されている方法と同様にして作製することができるか、又は当業者が考案することができる合成によって入手可能である。かかる縮合二環系の合成の例として、6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−2−カルボン酸誘導体1A(式中、A及びA=N(式2Iの構造に等しい)の合成が、図2に概説されている。かかる材料を入手するために、チオアミド2A(式中、Rは、例えば、(分子量の)小さいアルキル基を表す)を、溶媒(例えば、エタノール又はメタノール)中、−20℃〜溶媒の沸点の範囲の温度で、例えば、構造2Bの置換ヒドラジンで処理して、中間体2Cを与えることができる。引き続き、中間体2Cは、アミン塩基(例えば、トリエチルアミン、Huenig 塩基、DMAPなど)の存在下、溶媒(例えば、THF、DCM、ジエチルエーテル又は同等物)中、適切に保護された活性化β−アミノ−カルボン酸誘導体2D(式中、Xは、ハロゲン又は混合無水物又は同等物を表し、そしてPGは、保護基を表す)で修飾されることにより、2Eを与えることができる。ヒドラジン誘導体2Eは、適切な溶媒(例えば、tert−BuOH、n−BuOH又は同等物)中、溶媒の沸点までの範囲の温度で加熱することによるか、又はマイクロ波装置の使用により、トリアゾール2Fへ縮合されることができる。かかる変換のための反応時間は、標準的な反応フラスコ中で数分間(すなわち、高温及び高圧でのマイクロ波中)〜数日間までの範囲であることができる。
【0100】
中間体2Fの引き続く合成は、塩基(例えば、ピリジン、Huenig 塩基、DMAP又はトリエチルアミン又は同等物)の存在下、適切な溶媒(例えば、THF、DCM又は同等物(仮りに必要であれば)中、−20℃〜溶媒の沸点の範囲の温度で、適切な試薬での処理により、より優れた脱離基(例えば、トシラート又はメシラートなど)への2Fの第一級ヒドロキシ基の修飾を含む。トリアゾール2Gを与えるための保護基PGの除去は、PGの性質に依存する。PGが例えばBOC基の場合、PGは、有機酸もしくは水性酸での処理又は他の公知の方法により除去することができ;PGがZ−基の場合、PGは通常、水素化により除去することができる。PGがさらに別のN−保護基の場合、適用する必要がある当業者に公知の他の適切な脱保護条件がある。
【0101】
中間体2Gから出発し、ジアゼピン2Hを与えるための閉環は、適切な溶媒(例えば、DMF、CHCN、THF又は同等物)中、室温〜溶媒の沸点の温度範囲で、塩基(例えば、トリエチルアミン、DMAP、KCO又は同等物)での処理により達成することができる。必要であれば、適切なN−保護基PG(例えば、BOC基、Z−基又は任意の他の適切な保護基)を、ここで、再導入することができる。導入及び除去のための適合性のある基及び条件が、例えば、Green & Wuts., Protective Groups in Organic Synthesis”, John Wiley & Sons に記載されている。最後に、Rが小さいアルキル基である場合、構造2Iの所望の構成要素を与えるために、例えば、塩基(例えば、NaOH、KOH又はLiOH)の存在下、溶媒(例えば、水、MeOH、EtOH、THF/水など)中、0℃〜溶媒の沸点の範囲の温度で、加水分解により、遊離カルボン酸2Iは、エステル前駆体2Hから得られる。保護基PGの性質に依存して、当業者に公知の他の加水分解の条件も適用可能であり得る。
【0102】
【化5】
【0103】
式1Aの中心コアの後続の合成のために使用される、アルコール1Eのサブセットとして、適切に置換されたベンジルアルコール3B(式中、Rは、R3、R4及びR5である)は、市販されているか、又は例えば、場合により添加剤(例えば、CeCl、CaCl又は同等物)の存在下、適切な溶媒(例えば、メタノール、エタノール、THF)中、−20〜100℃の範囲の温度で、対応するカルボン酸、カルボン酸エステル又はアルデヒド3A(それぞれ、X=OH、OR又はH)から、適切な還元剤(例えば、LAH、NaBH、LiBHなど)による還元により、作製されることができる(図3)。
【0104】
【化6】
【0105】
カルボン酸1Gのサブセットとして、構造4D(式中、Rは、R3、R4及びR5である)の適切に置換されたカルボン酸の入手は、図4に示すように幾つかの方法で実施することができる。フェノキシ酢酸4D(式中、Y=O)は、例えば、対応するフェノール4A(図4、図上端)から、適切な酢酸誘導体4B(Rが小さいアルキル基の場合、例えばエステル)(式中、Xは、適切な脱離基(例えば、ハロゲン又はp−トルエンスルホナート又は同等物))でのアルキル化により、中間体4Cを与えて、入手可能である。かかる変換は、通常は、塩基(例えば、炭酸カリウム又は炭酸セシウムなど)の存在下、適切な溶媒(例えば、DMF、アセトン又はCHCN)中、室温〜溶媒の沸点の範囲の温度で、実施される。2Iへの2Hの変換と同様に、エステル4Cは、例えば、塩基(例えば、NaOH、KOH又はLiOHなど)の存在下、加水分解されて、構造4D(式中、Y=O)の所望の構成要素を与えることができる。
【0106】
構造4D(式中、Y=C)の適切に置換された3−フェニルプロピオン酸は、市販されているか、又は図4(下寄り端)に概説されているように作製することができるのいずれかである。構造4Dを調製する必要ある場合、それらは、例えば、対応するアルデヒド4E及びウィティッヒ(Wittig)試薬4F(様々な置換基R、R、R及びRを有することができるリンイリド)から、当業者に周知の条件を使用し、ケイ皮酸誘導体4Gを生成して、入手可能である。ケイ皮酸誘導体4Gから、対応する3−フェニルプロピオン酸誘導体4Hは、触媒(例えば、パラジウム担持炭素)の存在下(そのために、様々な溶媒又は多くの他の触媒を使用することができる)、例えば水素化による二重結合の還元により作製される。引き続き、構造4D(式中、Y=C)の遊離カルボン酸は、4Dへの4Cの変換について、上記したような加水分解条件下で作製される。
【0107】
【化7】
【0108】
本出願において例として示されるオートタキシン阻害剤の幾つかを調製するために中間体として必要とされる他のカルボン酸は、別様に作製される。図5は、適切に置換されたオキソ−ピリジン−4−カルボン酸5Aの合成のための一般経路を示す:
【0109】
【化8】
【0110】
例えば、メチル6−シクロプロピル−2−オキソ−1H−ピリジン−4−カルボキシラート(5B)(これは、市販されているか、又は、当業者に公知の条件下で対応するカルボン酸からエステル化合成により作製することができる)は、適切な塩基(例えば、水素化ナトリウム、リチウムジイソプロピルアミド、炭酸カリウム又は炭酸セシウムなど)の存在下、適切な溶媒(例えば、DMF、THF又は同等物)中、適切なアルキルハライド5C(式中、Xは、クロロ、ブロモ又はヨード原子である)でのアルキル化により、置換ピリドン中間体5Dを与えることができる。この材料は、例えば、4Dへの4Cの変換について上記したような、加水分解条件下で遊離カルボン酸5Aに容易に変換される。
【0111】
また本発明の実施態様は、式(III)で示される化合物の存在下、式(II)で示される化合物の反応を含む、上記に定義されるとおりの式(I)で示される化合物を調製する方法である:
【化9】

[式中、Rは、R、R及びRで置換されているフェニルアルコキシであり、Rは、R、R及びRで置換されているフェニルアルキルであり、そしてR、R、R、R、A及びAは、上記に定義のとおりである]。
【0112】
具体的には、活性化剤(例えば、CDI、N,N’−ジスクシンイミジルカルボナート又はホスゲン、好ましくはN,N’−ジスクシンイミジル)の存在下、溶媒(例えば、アセトニトリル(acetionitrile))中、塩基(例えば、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン又はHuenig 塩基)の存在下、−10℃〜室温の間からなる温度で。
【0113】
本発明の別の実施態様は、式(IV)で示される化合物の存在下、式(II)で示される化合物の反応を含む、上記に定義されるとおりの式(I)で示される化合物を調製する方法である:
【化10】

[式中、Rは、アルキル、ハロアルキル、置換シクロアルキル、置換シクロアルキルアルキル、置換フェニル、置換フェニルアルキル、置換フェノキシアルキル、置換フェニルシクロアルキル、置換フェニルアルケニル、置換フェニルアルキニル、置換ピリジニル、置換ピリジニルアルキル、置換ピリジニルアルケニル、置換ピリジニルアルキニル、置換チオフェニル、置換チオフェニルアルキル、置換チオフェニルアルケニル、置換チオフェニルアルキニル、置換2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル、置換1H−インドール−2−イル又は置換ベンゾフラン−2−イルであり、ここで、置換シクロアルキル、置換シクロアルキルアルキル、置換フェニル、置換フェニルアルキル、置換フェノキシアルキル、置換フェニルシクロアルキル、置換フェニルアルケニル、置換フェニルアルキニル、置換ピリジニル、置換ピリジニルアルキル、置換ピリジニルアルケニル、置換ピリジニルアルキニル、置換チオフェニル、置換チオフェニルアルキル、置換チオフェニルアルケニル、置換チオフェニルアルキニル、置換2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル、置換1H−インドール−2−イル及び置換ベンゾフラン−2−イルは、R、R及びRで置換されており、そしてR、R,R、R、A及びAは、上記に定義されるとおりである]。
【0114】
具体的には、活性化剤(例えば、CDI、EDC HCl)の存在下、溶媒(例えば、DMF、CHCN、THF、THF/水)中、塩基(例えば、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、Huenig 塩基、NaOH、NaCO)の存在下。
【0115】
また本発明の目的は、治療活性物質としての使用のための、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物である。
【0116】
同様に、本発明の目的は、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物及び治療上不活性な担体を含む、医薬組成物である。
【0117】
本発明の目的は、腎疾患、肝疾患、炎症性疾患、神経系の疾患、呼吸器系の疾患、血管及び心血管の疾患、線維性疾患、癌、眼疾患、代謝性疾患、胆汁うっ滞性及び他の形態の慢性掻痒症、ならびに急性及び慢性の臓器移植拒絶の治療又は予防のための、本明細書において記載されるとおりの式(I)に係る化合物の使用である。
【0118】
腎疾患は、急性腎傷害、ならびに末期腎臓病(ESRD)を含むタンパク尿を伴う及び伴わない慢性腎臓病を含むが、これらに限定されない。より詳細には、これは、クレアチニンクリアランスの低下及び糸球体濾過率の低下、微量アルブミン尿、アルブミン尿及びタンパク尿、著しい細胞過形成を伴う又は伴わない網状メサンギウム基質の拡大を伴う糸球体硬化症(特に、糖尿病性腎症及びアミロイドーシス)、糸球体毛細血管の巣状血栓症(特に、血栓性微小血管症)、全身性線維素様壊死、虚血性病変、悪性腎硬化症(例えば、虚血性収縮、腎血流の減少、及び腎動脈症)、糸球体腎炎実体におけるような毛細血管内(内皮及びメサンギウム)及び/又は毛細血管外細胞(半月形)の膨潤及び増殖、巣状分節性糸球体硬化症、IgA腎症、血管炎/全身性疾患、ならびに急性及び慢性の腎移植拒絶を含む。
【0119】
肝疾患は、肝硬変、肝うっ血、掻痒症を含む胆汁うっ滞性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎、ならびに急性及び慢性の肝移植拒絶を含むが、これらに限定されない。
【0120】
炎症性疾患は、関節炎、変形性関節炎、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、炎症性腸疾患、異常排泄疾病などに加えて、炎症性気道疾患(例えば、特発性肺線維症(IPF)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、又は慢性気管支喘息)を含むが、これらに限定されない。
【0121】
呼吸器系のさらなる疾患は、医原性薬物誘発性線維症、職業及び/又は環境誘発性線維症、全身性疾患及び血管炎、肉芽腫症(サルコイドーシス、過敏性肺炎)、膠原血管病、肺胞タンパク症、ランゲルハンス細胞肉芽腫症、リンパ管平滑筋腫症、遺伝病(ヘルマンスキー−パドラック症候群、結節性硬化症、神経線維腫症、代謝性蓄積症、家族性間質性肺疾患)、放射線誘発性線維症、珪肺症、アスベスト誘発性肺線維症、又は急性呼吸促迫症候群(ARDS)を含む様々な病因の他のびまん性実質性肺疾患を含むが、これらに限定されない。
【0122】
神経系の疾患は、神経因性疼痛、統合失調症、神経炎症(例えば、アストログリオーシス)、末梢及び/又は自律性(糖尿病性)ニューロパシーなどを含むが、これらに限定されない。
【0123】
血管疾患は、アテローム性動脈硬化症、血栓性血管病に加えて、血栓性微小血管症、増殖性動脈症(例えば、粘液性細胞外マトリクスによって取り囲まれている膨潤した筋内膜細胞及び結節性肥厚)、アテローム性動脈硬化症、血管コンプライアンスの低下(例えば、硬直、心室コンプライアンスの低下、及び血管コンプライアンスの低下)、内皮機能不全などを含むが、これらに限定されない。
【0124】
心血管疾患は、急性冠症候群、冠状動脈性心疾患、心筋梗塞、動脈性及び肺高血圧症、心不整脈(例えば、心房細動、発作、及び他の血管損傷)を含むが、これらに限定されない。
【0125】
線維性疾患は、心筋及び血管線維症、腎線維症、肝線維症、肺線維症、皮膚線維症、強皮症、及び被包性腹膜炎を含むが、これらに限定されない。
【0126】
特定の実施態様において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩及びエステルは、臓器又は皮膚の線維症の治療又は予防のために用いることができる。
【0127】
別の実施態様において、線維性疾患は、腎尿細管間質性線維症又は糸球体硬化症である。
【0128】
別の実施態様において、線維性疾患は、非アルコール性脂肪肝、肝線維症、又は肝硬変である。
【0129】
別の実施態様において、線維性疾患は、特発性肺線維症である。
【0130】
癌及び癌転移は、乳癌、卵巣癌、肺癌、前立腺癌、中皮腫、神経膠腫、肝細胞癌、消化器癌、ならびにこれらの進行及び転移攻撃を含むが、これらに限定されない。
【0131】
眼疾患は、増殖性及び非増殖性(糖尿病性)の網膜症、萎縮型(ドライ型)及び滲出型(ウエット型)の加齢性黄斑変性症(AMD)、黄斑浮腫、中枢動脈/静脈閉塞、外傷、緑内障などを含むが、これらに限定されない。
【0132】
代謝性疾患は、肥満症及び糖尿病を含むが、これらに限定されない。
【0133】
別の実施態様において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩及びエステルは、胆汁うっ滞性又は非胆汁うっ滞性の慢性掻痒症の治療又は予防のために用いることができる。
【0134】
本発明はまた、腎疾患、肝疾患、炎症性疾患、神経系の疾患、線維性疾患、ならびに急性及び慢性の臓器移植拒絶の治療又は予防のための、本明細書に記載するとおりの式(I)に係る化合物の使用に関する。
【0135】
本発明はまた、腎疾患、肝疾患、及び線維性疾患の治療又は予防のための、本明細書に記載するとおりの式(I)に係る化合物の使用に関する。
【0136】
本発明の特定の実施態様は、腎疾患、肝疾患、炎症性疾患、神経系の疾患、線維性疾患、ならびに急性及び慢性の臓器移植拒絶の治療又は予防のための、本明細書に記載のするとおりの式(I)に係る化合物である。
【0137】
本発明の特定の実施態様は、腎疾患、肝疾患、及び線維性疾患の治療又は予防のための、本明細書に記載するとおりの式(I)に係る化合物である。
【0138】
本発明はまた、腎疾患、肝疾患、炎症性疾患、神経系の疾患、線維性疾患、ならびに急性及び慢性の臓器移植拒絶の治療又は予防用の医薬の調製のための、本明細書に記載するとおりの式(I)に係る化合物の使用に関する。
【0139】
本発明はまた、腎疾患、肝疾患、及び線維性疾患の治療又は予防用の医薬の調製のための、本明細書に記載するとおりの式(I)に係る化合物の使用に関する。
【0140】
また、本発明の目的は、腎疾患、肝疾患、炎症性疾患、神経系の疾患、線維性疾患、ならびに急性及び慢性の臓器移植拒絶の治療又は予防のための方法であって、有効量の本明細書に記載するとおりの式(I)に係る化合物を投与することを含む、方法である。
【0141】
また、本発明の目的は、腎疾患、肝疾患、及び線維性疾患の治療又は予防のための方法であって、有効量の本明細書に記載するとおりの式(I)に係る化合物を投与することを含む、方法である。
【0142】
特定の実施態様において、腎疾患は、急性腎傷害、慢性腎臓病、糖尿病性腎症、急性腎移植拒絶、及び慢性移植腎症からなる群より選択される。
【0143】
別の特定の実施態様において、腎疾患は、急性腎傷害である。
【0144】
別の特定の実施態様において、腎疾患は、慢性腎臓病である。
【0145】
さらなる特定の実施態様において、腎疾患は、糖尿病性腎症である。
【0146】
別の特定の実施態様において、腎疾患は、急性腎移植拒絶である。
【0147】
別の特定の実施態様において、腎疾患は、慢性移植腎症である。
【0148】
特定の実施態様において、肝疾患は、急性及び慢性の肝移植拒絶である。
【0149】
特定の実施態様において、炎症性疾患は、関節炎である。
【0150】
特定の実施態様において、神経系の疾患は、神経因性疼痛である。
【0151】
別の実施態様において、線維性疾患は、被包性腹膜炎である。
【0152】
別の実施態様において、線維性疾患は、特発性肺線維症である。
【0153】
別の実施態様において、線維性疾患は、非アルコール性脂肪肝、肝線維症、又は肝硬変である。
【0154】
また、本発明の実施態様は、記載する方法のうちのいずれか1つに従って製造する、本明細書に記載するとおりの式(I)の化合物である。
【0155】
アッセイ手順
Hisタグを有する及び有しないヒト完全長オートタキシン(ATX)の生成
オータキシン(ATX−ENPP2)のクローニング: cDNAを市販のヒト造血細胞全RNAから調製し、そしてオーバーラップPCRにおいてテンプレートとして用いて、3’−6×Hisタグを有するか又は有しない完全長ヒトENPP2 ORFを生成した。これら完全長インサートを、pcDNA3.1V5-His TOPO(Invitrogen)ベクターにクローニングした。幾つかの単一クローンのDNA配列を実証した。正確な完全長クローンのDNAを用いて、タンパク質の発現を実証するためにHek293細胞にトランスフェクトした。コード化ENPP2の配列は、追加のC末端に6×Hisタグを有するか又は有しないSwissprot entry Q13822に一致する。
【0156】
ATXの発酵: 20Lの制御型撹拌タンクバイオリアクター(Sartorius)における大規模一過性トランスフェクションによって、組み換えタンパク質を生成した。細胞の成長及びトランスフェクション中、それぞれ、温度:37℃、撹拌機速度:120rpm、pH:7.1、及び溶解酸素濃度:30%DOに維持した。FreeStyle 293-F細胞(Invitrogen)を、FreeStyle 293培地(Invitrogen)の懸濁液中で培養し、そして、錯化剤としてX-tremeGENE Ro-1539(市販品、Roche Diagnostics)を用いて、上記プラスミドDNAで約1〜1.5×10E6細胞/mLにてトランスフェクトした。細胞に濃縮栄養素溶液(J Immunol Methods 194 (1996), 19, 1-199 (page 193))を供給し、そして、細胞をトランスフェクションの72時間後に酪酸ナトリウム(2mM)によって誘導し、そして、トランスフェクションの96時間後に収集した。ウエスタンブロット、酵素アッセイ、及び/又は分析IMACクロマトグラフィーによって、発現を分析した。フロースルー(flow-through)熱交換器内で細胞懸濁液を4℃に冷却した後、Zeta Plus 60M02 E16 (Cuno)及びSartopore 2 XLG(Sartorius)フィルタユニットで濾過することによって、細胞分離及び上澄みの除菌濾過を実施した。上澄みを、精製の前に4℃で保管した。
【0157】
ATXの精製: 最終濃度0.02%になるように、Brij 35を添加し、かつ1M HClを用いてpHを7.0に調整することによって、20リットルの培養上澄みを限外濾過用にコンディショニングした。次いで、まず上澄みを0.2μmのUltran-Pilot Open Channel PESフィルタ(Whatman)でマイクロ濾過し、その後、30kDa MWCOのUltran-Pilot Screen Channel PESフィルタ(Whatman)を通して1リットルに濃縮した。IMACクロマトグラフィーの前に、最終濃度が1mM になるようにNiSOを添加した。次いで、透明処理された上澄みを、50mM NaHPO(pH7.0)、0.5M NaCl、10%グリセロール、0.3%CHAPS、0.02%NaNであらかじめ平衡化しておいたHisTrapカラム(GE Healthcare)に適用した。該カラムを、それぞれ、20mM、40mM、及び50mM イミダゾールを含有する同じバッファで段階的に洗浄した。次いで、15カラム体積中0.5M イミダゾールの直線勾配を用いて、タンパク質を溶出した。ATXを含有する画分をプールし、そして、30kDaのPESフィルタ膜を備えるAmicon セルを用いて濃縮した。20mM BICINE(pH8.5)、0.15M NaCl、10%グリセロール、0.3%CHAPS、0.02%NaN中でSuperdex S-200 prep grade (XK 26/100)(GE Healthcare)にてサイズ排除クロマトグラフィーによって該タンパク質をさらに精製した。精製後のタンパク質の最終収量は、培養上澄み1リットルあたりATX 5〜10mgであった。タンパク質を−80℃で保管した。
【0158】
ヒトATX酵素阻害アッセイ
特異的に標識した基質アナログ(MR121基質)を用いて蛍光消光アッセイにより、ATX阻害を測定した。このMR121基質を得るために、BOC及びTBSで保護された6−アミノヘキサン酸(R)−3−({2−[3−(2−{2−[2−(2−アミノ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−プロピオニルアミノ]−エトキシ}−ヒドロキシ−ホスホリルオキシ)−2−ヒドロキシ−プロピルエステル(Ferguson et al., Org Lett 2006, 8 (10), 2023)のエタノールアミン側の遊離アミンを、MR121フルオロフォア(CAS 185308-24-1、1−(3−カルボキシプロピル)−11−エチル−1,2,3,4,8,9,10,11−オクタヒドロ−ジピリド[3,2−b:2’,3’−i]フェノキサジン−13−イウム)で標識し、次いで、脱保護の後、アミノヘキサン酸側をトリプトファンで引き続き標識した。
【0159】
アッセイ使用液を以下の通り作製した:
アッセイバッファ(50mM Tris−HCl、140mM NaCl、5mM KCl、1mM CaCl、1mM MgCl、0.01%Triton-X-100、pH8.0;
ATX溶液: ATX(ヒトHisタグ付)原液(20mM ビシン(pH8.5)、0.15M NaCl、10%グリセロール、0.3%CHAPS、0.02%NaN中1.08mg/mL)、アッセイバッファ中1.4〜2.5×最終濃度に希釈;
MR121基質溶液: MR121基質原液(DMSO中800μM MR121基質)、アッセイバッファ中2〜5×最終濃度に希釈。
【0160】
試験化合物(DMSO中10mM 原液、8μL)を384ウェルサンプルプレート(Corning Costar #3655)中に得、そして、DMSO 8μLで希釈した。cpd溶液 8μLをO列まで次の列に移すことによって列方向段階希釈を行った。化合物及び対照溶液を5回混合し、そして、2μLを384ウェルアッセイプレート(Corning Costar #3702)に移した。次いで、41.7nM ATX溶液 15μLを添加(最終濃度30nM)し、5回混合し、次いで、30℃で15分間インキュベートした。MR121基質溶液 10μLを添加(最終濃度1μM)し、30回混合し、次いで、30℃で15分間インキュベートした。次いで、蛍光を、2分毎に1時間測定し(Perkin Elmerプレート:ビジョンマルチモードリーダー);光強度:2.5%;実験時間:1.4秒、フィルタ:Fluo_630/690nm)、そして、これら読み出し値からIC50値を計算した。
【0161】
ATXに対する本発明の実施例についての阻害活性(IC50)を以下に記載する。
【0162】
【表1】
【0163】
本明細書に記載するとおりの式(I)の化合物及びその薬学的に許容し得る塩又はエステルは、0.00001μM〜1000μMのIC50値を有し、特定の化合物は、0.0005μM〜500μMのIC50値を有し、さらなる特定の化合物は、0.0005μM〜50μMのIC50値を有し、より特定の化合物は、0.0005μM〜5μMのIC50値を有する。これら結果は、上記酵素アッセイを用いることによって得られた。
【0164】
式(I)の化合物及びその薬学的に許容し得る塩は、医薬(例えば、医薬製剤の剤形で)として用いることができる。医薬製剤は、例えば、経口的に(例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬及び軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤、又は懸濁剤の剤形で)、経鼻的に(例えば、スプレー式点鼻薬の剤形で)、経直腸的に(例えば、坐剤の剤形で)、又は眼に局所的に(液剤、軟膏、ゲル又は水溶性高分子挿入物の剤形で)、体内投与されることができる。しかし、投与はまた、例えば、筋肉内、静脈内、又は眼内(例えば、滅菌注射液剤の剤形で)、非経口的に行うこともできる。
【0165】
式(I)の化合物及びその薬学的に許容し得る塩は、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬ゼラチンカプセル剤、注射液剤又は局所製剤を生産するために、薬学的に不活性な無機又は有機補助剤を用いて加工することができる。ラクトース、コーンスターチ又はそれらの誘導体、タルク、ステアリン酸又はそれらの塩などを、例えば、錠剤、糖衣錠、及び硬ゼラチンカプセル剤用の補助剤として用いることができる。
【0166】
軟ゼラチンカプセル剤用の適切な補助剤は、例えば、植物油、ワックス、脂肪、半固体物質、及び液体ポリオールなどである。
【0167】
液剤及びシロップ剤を製造するための適切な補助剤は、例えば、水、ポリオール、ショ糖、転化糖、グルコースなどである。
【0168】
注射液剤の適切な補助剤は、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油などである。
【0169】
坐剤用の好適な補助剤は、例えば、天然油又は硬化油、ワックス、脂肪、半固体又は液体のポリオールである。
【0170】
局所的眼製剤用に好適な補助剤は、例えば、シクロデキストリン、マンニトール、又は、当技術分野において公知の多くの他の担体及び賦形剤である。
【0171】
さらに、医薬製剤は、保存剤、可溶化剤、増粘物質、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、風味剤、浸透圧を変化させるための塩、バッファ、マスキング剤、又は酸化防止剤を含有することができる。医薬製剤はまた、治療的に有用なさらに他の物質を含有することができる。
【0172】
用量は、広い限度範囲で変動することができ、そして、当然、各具体的な症例における個々の要件に適合する。一般に、経口投与の場合、好ましくは1〜3回の個別用量(例えば、同量からなることができる)に分割された、体重1kg当たり約0.1mg〜20mg、好ましくは体重1kg当たり約0.5mg〜4mg(例えば、約300mg/人)の日用量が適切であるはずである。局所投与の場合には、製剤は、医薬の0.001重量%〜15重量%を含有することができ、必要用量(これは0.1〜25mgの間であることができる)は、一日当たりもしくは一週当たりの単回投与、又は一日当たり複数回(2〜4回)投与、又は一週当たり複数回投与のいずれかにより投与することができる。しかし、これが適応であることが示されているとき、本明細書で与えられる上限又は下限を超えることができることは明らかである。
【0173】
本発明を実施例により本明細書の以下に例証するが、これらは限定性を持たない。
【0174】
調製例がエナンチオマーの混合物として得られる場合、純粋なエナンチオマーは、本明細書に記載されている方法によるか又は当業者に公知の方法(例えば、キラルクロマトグラフィー又は結晶化)によって得ることができる。
【0175】
中間体
略語
aq.=水性; CAS=Chemical Abstracts Service登録番号; e.r.=エナンチオマー比; HPLC=高速液体クロマトグラフィー; MS=質量スペクトル;NMR=核磁気共鳴スペクトル; sat.=飽和; rt=室温。化学試薬又は溶媒を表す略語のような他の略語は、当業者において公知である。
【0176】
中間体1:
6−フェニルメトキシカルボニル−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−2−カルボン酸
【化11】

6−O−ベンジル 2−O−エチル 4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−2,6−ジカルボキシラート(CAS: 1080027-19-5;以下に記載の工程1〜7で合成された)は、Gerlach et al., PCT Int. Appl. (2008), WO 2008135526 A1において記述されており、そしてVenkatesan M. A. et al., J. Med. Chem. 2006, 49, 4623と同様にして合成した。
【0177】
工程1: tert−ブチル 1,4−ジベンジル−1,4−ジアゼパン−5−カルボキシラート
【化12】

20mLの丸底フラスコ中、tert−ブチル−2,4−ジブロモブタノアート(500mg,[CAS: 77629-96-0])、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン(372mg、[CAS:. 140-28-3])及びトリエチルアミン(460mg)を、ジクロロメタン(20mL)に溶解し、無色の溶液を与えた。混合物を40℃に15時間加熱した。反応混合物を氷/水に注ぎ、飽和NaHCO溶液で塩基性化した。次に水相をジクロロメタンで2回抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発乾固した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン中の酢酸エチルの勾配)により精製して、標記化合物を明褐色の油状物(232mg、35%)として与えた。MS(EI):380.0[M]。
【0178】
工程2: tert−ブチル 1,4−ジアゼパン−5−カルボキシラート
【化13】

tert−ブチル 1,4−ジベンジル−1,4−ジアゼパン−5−カルボキシラート(3.40g)を、エタノール(50mL)に溶解して、明褐色の溶液を与えた。パラジウム担持活性炭(800mg、10%Pd)を加え、水素雰囲気を室温で導入した。混合物を水素下、5barで9時間撹拌した。反応混合物をDicalite Speed Plus(Acros Organics)により濾過し、溶媒を蒸発乾固して、標記化合物を明褐色の油状物(1.40g、77%)として与えた。MS(m/e):201.7[M+H]
【0179】
工程3: 1−O−ベンジル 5−O−tert−ブチル 1,4−ジアゼパン−1,5−ジカルボキシラート
【化14】

tert−ブチル 1,4−ジアゼパン−5−カルボキシラート(1.055g)を、室温で、アルゴン雰囲気下、ジクロロメタン(20mL)に溶解して明褐色の溶液を与えた。混合物を0℃に冷却し、ジクロロメタン(10mL)中のジベンジルジカルボナート(1.51g)の溶液を10分間かけて滴下した。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、次に室温に1.5時間温めた。混合物を直接、蒸発乾固し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン中のメタノールの勾配)により精製して、標記化合物を明褐色の油状物(960mg、52%)として与えた。MS(m/e):335.6[M+H]
【0180】
工程4: 1−フェニルメトキシカルボニル−1,4−ジアゼパン−5−カルボン酸 2,2,2−トリフルオロアセタート
【化15】

1−O−ベンジル 5−O−tert−ブチル 1,4−ジアゼパン−1,5−ジカルボキシラート(9.0g)を、ジクロロメタン(90mL)に室温でアルゴン雰囲気下、溶解した。次に、2,2,2−トリフルオロ酢酸(30.7g、20.70mL)を15分間かけて滴下した。混合物を室温で8時間撹拌した。溶媒を直接、蒸発させて、残留物を高真空下で乾燥させて、標記化合物を粗の明褐色の油状物(11g、100%、純度95%)として与えた。MS(m/e):279.6[M−TFA+H]
【0181】
工程5: 4−ニトロソ−1−フェニルメトキシカルボニル−1,4−ジアゼパン−5−カルボン酸
【化16】

1−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4−ジアゼパン−5−カルボン酸 2,2,2−トリフルオロ酢酸(1.448g)を、水(11.0mL)及びテトラヒドロフラン(4.0mL)に室温で溶解した。次に、塩酸(37%、337μL)を5分間かけて滴下した。明褐色の溶液を0℃に冷却し、亜硝酸ナトリウム(251mg)を加えた。混合物を室温に温め、撹拌を1時間続けた。反応混合物を氷/水に注いだ。次に水相を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物を高真空下で乾燥させて、標記化合物を粗の明褐色の油状物(966mg、97%、純度80%)として与えた。MS(m/e):308.5[M+H]
【0182】
工程6: 6−フェニルメトキシカルボニル−4,5,7,8−テトラヒドロオキサジアゾロ[3,4−d][1,4]ジアゼピン−9−イウム−3−オラート
【化17】

1−(ベンジルオキシカルボニル)−4−ニトロソ−1,4−ジアゼパン−5−カルボン酸(936mg)を、アセトニトリル(15mL)に室温でアルゴン雰囲気下、溶解した。混合物を0℃に冷却し、トリフルオロ無水酢酸(768mg)を10分間かけて滴下した。混合物を室温に温め、撹拌を3時間続けた。次に炭酸カリウム(505mg)を加え、混合物を30分間撹拌した。反応混合物を氷/水に注いだ。次に水相を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン中の酢酸エチルの勾配)により精製して、標記化合物を明黄色のガム状物(300mg、39%)として与えた。MS(m/e):290.5[M+H]
【0183】
工程7: 6−O−ベンジル 2−O−エチル 4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−2,6−ジカルボキシラート
【化18】

プロピオル酸エチル(284mg)を、クロロベンゼン(4.0mL)中の6−(ベンジルオキシカルボニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−[1,2,3]オキサジアゾロ[3,4−d][1,4]ジアゼピン−9−イウム−3−オラート(186mg)の溶液に、室温でアルゴン雰囲気下、加えた。混合物をマイクロ波中、150℃で2時間加熱した。反応混合物を直接、蒸発乾固した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン中の酢酸エチルの勾配)により精製して、標記化合物を明黄色のガム状物(131mg、53%)として与えた。MS(m/e):344.5[M+H]
【0184】
位置異性体 6−O−ベンジル 3−O−エチル 4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−3,6−ジカルボキシラートもまた、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン中の酢酸エチルの勾配)により、明黄色のガム状物(36mg、16%)として単離した。MS(m/e):344.5[M+H]
【0185】
工程8: 6−フェニルメトキシカルボニル−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−2−カルボン酸
【化19】

1M 水酸化リチウム溶液(9.33mL)を、テトラヒドロフラン(20mL)中の6−ベンジル 2−エチル 7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−2,6(5H)−ジカルボキシラート(1.78g)の溶液に、室温で10分間かけて滴下した。混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を氷/水に注ぎ、HCl(2M )溶液を用いてpH=1に酸性化した。次に水相を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させた。残留物を高真空下で乾燥させて、標記化合物を黄色の固体(1.64g、95%)として与えた。MS(m/e):316.5[M+H]
【0186】
中間体2:
4,5,7,8−テトラヒドロ−1,3,3a,6−テトラアザ−アズレン−2,6−ジカルボン酸6−tert−ブチルエステル
【化20】
【0187】
工程1: エチル(2Z)−2−アミノ−2−(2−ヒドロキシエチルヒドラゾノ)アセタート
【化21】

エタノール(160mL)中のアミノ−チオキソ−酢酸エチルエステル(5.0g)の溶液に、0℃で、2−ヒドラジノ−エタノールを加え、反応混合物を25℃で2時間撹拌した。次に揮発性成分を減圧下で除去し、標記化合物(6.58g)を黄色の粘着性固体として得て、これをさらなる精製をせずに次の工程で使用した。LC−MS:175.8[M+H]
【0188】
工程2: エチル(2Z)−2−[3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロパノイルアミノ]−2−(2−ヒドロキシエチルヒドラゾノ)アセタート
【化22】

THF(100mL)中の3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピオン酸(7.73g)の溶液に、−10℃で、トリエチルアミン(6.78mL)及びクロロギ酸エチル(4.64mL)を窒素雰囲気下で加え、反応混合物を、−10℃で0.5時間撹拌した。反応混合物を濾過し、次に濾液を、エチル(2Z)−2−アミノ−2−(2−ヒドロキシエチルヒドラゾノ)アセタート(6.57g)の溶液に加え、混合物を25℃で16時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物を酢酸エチル(150mL)と水(100mL)とに分配した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×100mL)で再抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗物質を標準のシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20〜40%EtOAc/ヘキサン)により精製して、(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピオニルアミノ)−[(2−ヒドロキシ−エチル)−ヒドラゾノ]−酢酸エチルエステル(5.81g)を黄色の粘着性固体として得た。C−MS:346.9[M+H]
【0189】
工程3: エチル 5−[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチル]−1−(2−ヒドロキシエチル)−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキシラート
【化23】

n−BuOH(400mL)中のエチル(2Z)−2−[3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロパノイルアミノ]−2−(2−ヒドロキシエチルヒドラゾノ)アセタート(5.8g)の溶液を、18時間還流した。溶媒を減圧下で除去し、残留物を、標準のシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤として0〜4%MeOH/DCMを使用する)により精製して、5−(2−tert−ブトキシカルボニル−アミノ−エチル)−1−(2−ヒドロキシ−エチル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボン酸エチルエステルと、対応するn−ブチルエステル(4.22g、不純)との混合物を黄色の粘着性固体として与えた。LC−MS:329.2及び356.9[M+H]
【0190】
工程4: エチル 5−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エチル)−1−[2−(トルエン−4−スルホニルオキシ)−エチル]−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボキシラート
【化24】

DCM(100mL)中の5−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エチル)−1−(2−ヒドロキシ−エチル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボン酸エチルエステル(4.2g)の溶液に、0℃で、トリエチルアミン(2.70mL)及びp−トルエンスルホニルクロリド(2.92g)を加え、反応混合物を25℃で16時間撹拌した。反応混合物をDCM(50mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を標準のシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤として10〜30%EtOAc/ヘキサン)により精製して、標記化合物を、エチルエステルと対応するブチルエステルとの混合物(1.98g)として、かつ黄色の粘着性固体として与えた。LC−MS:482.9及び511.1[M+H]
【0191】
工程5: エチル 5−(2−アミノ−エチル)−1−(2−ヒドロキシ−エチル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボキシラート
【化25】

DCM(100mL)中のエチル 5−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エチル)−1−[2−(トルエン−4−スルホニルオキシ)−エチル]−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボキシラート(5.17g)の溶液に、ジオキサン中の4N HCl(40mL)を加え、反応混合物を25℃で2時間撹拌した。次に揮発性成分を減圧下で除去して、標記化合物を、エチルエステルと対応するブチルエステル塩酸塩との混合物(4.42g、粗)として、かつ褐色の粘着性固体として与えた。LC−MS:383.1及び410.8[M+H]
【0192】
工程6: エチル 5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−1,3,3a,6−テトラアザ−アズレン−2−カルボキシラート
【化26】

THF(200mL)中のエチル 5−(2−アミノ−エチル)−1−(2−ヒドロキシ−エチル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボキシラート(4.4g、粗)の懸濁液に、トリエチルアミン(4.44mL)を0℃で滴下し、反応混合物を60℃で18時間撹拌した。揮発物を減圧下で除去して、標記化合物を、他の不純物と共にエチルエステルと対応するブチルエステルとの混合物(2.23g、粗)として、かつ褐色の粘着性固体として得て、これをさらなる精製をせずに次の工程で使用した。LC−MS:211.3及び239.0[M+H]
【0193】
工程7: 4,5,7,8−テトラヒドロ−1,3,3a,6−テトラアザ−アズレン−2,6−ジカルボン酸 6−tert−ブチルエステル 2−エチルエステル
【化27】

THF(100mL)中のエチル 5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−1,3,3a,6−テトラアザ−アズレン−2−カルボキシラート(2.2g)の懸濁液に、トリエチルアミン(2.21mL)及びジ−tert−ブチルカルボナート(3.6mL)を加え、反応混合物を25℃で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物を標準のシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤として0〜5%MaOH/DCM)により精製して、標記化合物を、エチルエステルと対応するブチルエステルとの混合物(1.2g、53.3%、工程4で得たエチル 5−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エチル)−1−[2−(トルエン−4−スルホニルオキシ)−エチル]−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボキシラートから)として、かつ黄色の粘着性固体として得た。LC−MS:311.2及び339.1[M+H]
【0194】
工程8: 4,5,7,8−テトラヒドロ−1,3,3a,6−テトラアザ−アズレン−2,6−ジカルボン酸 6−tert−ブチルエステル
【化28】

THF(16mL)中の4,5,7,8−テトラヒドロ−1,3,3a,6−テトラアザ−アズレン−2,6−ジカルボン酸 6−tert−ブチルエステル2−エチルエステル(1.2g)の溶液に、25℃で、水(4mL)中のLiOH HO(324mg)の溶液を加え、反応混合物を25℃で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物を水(30mL)に溶解し、酢酸エチルで洗浄した。水層を飽和クエン酸水溶液で酸性化し、DCM(3×75mL)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLCにより精製して、標記化合物(228mg、21%)をオフホワイトの固体として与えた。LC−MS:283.3[M+H]
【0195】
中間体3:
5,6,8,9−テトラヒドロ−イミダゾ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−2,7−ジカルボン酸7−ベンジルエステル:
【化29】

2−ホルミル−5,6,8,9−テトラヒドロ−イミダゾ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−7−カルボン酸ベンジルエステル(500mg)(Gerlach et alによりPCT Int. Appl. (2008), WO 2008135526 A1中に記載されている手順に従って作製した)を、アセトン(15mL)及び水(15mL)に溶解した。次に、スルファミン酸(292mg)及びNaClO(211mg)を加え、反応混合物を25℃で3時間撹拌した。アセトンを減圧下で除去し、水層をDCM(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗物質をEtOでトリチュレートし、オフホワイトの固体を与え、これを乾燥させて、5,6,8,9−テトラヒドロ−イミダゾ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−2,7−ジカルボン酸 7−ベンジルエステル(6)(425mg、81%)を生成した。LC−MS:316.0[M+H]
【0196】
中間体4:
4−(ヒドロキシメチル)−3−イソプロピル−ベンゾニトリル
【化30】
【0197】
工程1: 4−シアノ−2−イソプロピルフェニルトリフルオロメタンスルホナート
【化31】

ジクロロメタン(70mL)中のピリジン(915μL)の溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.75mL)を0℃で加えた。白色の懸濁液を0℃で10間撹拌した。ジクロロメタン(40mL)中の4−ヒドロキシ−3−イソプロピルベンゾニトリル(CAS:1.52g)の溶液を、滴下した。氷浴を取り外し、暗褐色の清澄な溶液を室温で撹拌した。t=75分でTLCは、反応が完了したことを示した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、水及びブラインで洗浄した。水層をジクロロメタンで逆抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(100g、SiO; 勾配 ヘプタン/ジクロロメタン 9:1〜ヘプタン/ジクロロメタン 4:6)により精製して、標記化合物(2.63g、95%)を与えた。黄色の液体;MS:292.1[M−H]
【0198】
工程2: メチル 4−シアノ−2−イソプロピルベンゾアート
【化32】

4−シアノ−2−イソプロピルフェニルトリフルオロメタンスルホナート(2.30g)をオートクレーブに加え、メタノール(46mL)を加えた。オートクレーブをアルゴン下にセットし、次にトリエチルアミン(2.73mL)及び1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(320mg)を加えた。繰り返し(3回)の排気及びCO 10barの導入により、CO雰囲気を導入した。次に圧力を50barに上昇させ、オートクレーブを110℃で20時間保持した。反応混合物を室温に冷やし、赤色の溶液を減圧下で蒸発させた。SiO100gのカラム(溶媒 ジクロロメタン/ヘプタン 1:1)による残留物の濾過により、標記化合物(1.23g、77%)を与えた。明黄色の油状物、MS:218.5[M+H]
【0199】
工程3: 4−(ヒドロキシメチル)−3−イソプロピル−ベンゾニトリル
【化33】

テトラヒドロフラン(15mL)中のメチル 4−シアノ−2−イソプロピルベンゾアート(1.227g)の清澄な明黄色の溶液に、水素化ホウ素リチウム(THF中2M、9.06mL)を加えた。反応混合物を加熱還流した。t=1時間でTLC(ジクロロメタン/ヘプタン 4:1)は、反応が完了したことを示した。反応物を室温に冷やし、MeOH 5mLを加えた。30分後、反応物を酢酸エチルで希釈し、水及びブラインで抽出した。水層を酢酸エチルで逆抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。クロマトグラフィー(100g、SiO;勾配 ジクロロメタン〜ジクロロメタン/メタノール+0.25%NHOH水溶液 19:1)により、標記化合物(802mg、76%)を与えた。明黄色の油状物、MS:176.2[M+H]
【0200】
中間体5:
N−[5−シアノ−2−(ヒドロキシメチル)フェニル]−2,2−ジメチル−プロパンアミド
【化34】
【0201】
工程1: メチル 4−シアノ−2−ピバルアミドベンゾアート
【化35】

ピリジン(6mL)中のメチル 2−アミノ−4−シアノベンゾアート(CAS: 159847-83-3;776mg)の清澄な赤色溶液に、塩化ピバロイル(650μL)を0℃で滴下した。固体が沈殿した。t=2時間でMSは、反応が完了したことを示した。反応混合物を1M HCl水溶液で希釈し、酢酸エチル/2−メチルテトラヒドロフランで2回抽出した。合わせた有機層を水、50%NaCO溶液及びブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物を酢酸エチルに懸濁して、標記化合物(819mg、白色の固体)を与えた。母液を蒸発させて、残留物をtBMEで処理して、標記化合物のもう一つのクロップ(148mg、白色の固体)を与えた。生成物を合わせて、標記化合物(967mg、84%)を与えた。白色の固体。MS:261.1[M−H]
【0202】
工程2: N−[5−シアノ−2−(ヒドロキシメチル)フェニル]−2,2−ジメチル−プロパンアミド
【化36】

テトラヒドロフラン(6.0mL)中のメチル 4−シアノ−2−ピバルアミドベンゾアート(335mg)の白色の懸濁液に、エタノール(6.0mL)中の塩化カルシウム(286mg)の溶液をアルゴン下、加えた。水素化ホウ素ナトリウム(195mg)を3回に分けて20分間かけて加えた。t=4時間でTLCは、反応が完了したことを示した。反応混合物を氷/水及び飽和NHCl溶液に注いだ。水層を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。クロマトグラフィー(50g、SiO2、勾配 ジクロロメタン〜ジクロロメタン/メタノール9:1)により、標記化合物(257mg、86%)を与えた。白色の固体、MS:233.2[M+H]
【0203】
中間体6:
2−(4−シアノ−2−シクロプロピルフェノキシ)酢酸
【化37】
【0204】
工程1: エチル 2−(4−シアノ−2−シクロプロピルフェノキシ)アセタート
【化38】

3−シクロプロピル−4−ヒドロキシベンゾニトリル(140mg)を、アセトン(5mL)に室温でアルゴン雰囲気下、溶解した。炭酸カリウム(122mg)及びエチル 2−ブロモアセタート(97μL)を混合物に連続して加えた。反応混合物を3時間加熱還流し、次に室温に冷やした。溶媒を蒸発させて、残留物をブライン及び酢酸エチルに注ぎ、層を分離した。水層を追加の酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合わせ、ブラインで1回洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、高真空下で乾燥させて、粗生成物を黄色の粘性油状物として与え、それをさらなる精製をせずに使用した(210mg、88%)。
【0205】
工程2: 2−(4−シアノ−2−シクロプロピルフェノキシ)酢酸
【化39】

1M 水酸化リチウム溶液(1.47mL)を、THF(4.0mL)中のエチル 2−(4−シアノ−2−シクロプロピルフェノキシ)アセタート(200mg)の溶液に、室温で5分間かけて滴下した。混合物を室温で5時間撹拌した。反応混合物を氷/水に注ぎ、2M HCl溶液を用いてpH=1に酸性化した。次に水相を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させた。残留物を高真空下で乾燥させて、標記化合物を黄色の固体(170mg、96%)として与えた。MS(m/e):216.1[M−H]
【0206】
中間体7:
2−(4−シアノ−2−エチルフェノキシ)酢酸
【化40】

この物質を、中間体6と同様にして、3−エチル−4−ヒドロキシベンゾニトリル(CAS:4997-55-1)から作製した。
【0207】
中間体8:
2−(2−tert−ブチル−4−シアノフェノキシ)酢酸
【化41】

この物質を、中間体7と同様にして、3−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾニトリル(CAS: 4910-04-7)から作製した。
【0208】
中間体9:
5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−2−イル(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−イル)メタノン
【化42】
【0209】
中間体9の合成は、実施例3、工程1に記載されている。
【0210】
中間体10:
1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−イル(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)メタノン塩酸塩
【化43】
【0211】
工程1: Tert−ブチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−7−カルボキシラート
【化44】

20mLの丸底フラスコ中、7−(tert−ブトキシカルボニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−2−カルボン酸(中間体9、450mg)及び4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン(207mg)を、DMF(12.9mL)と合わせて、白色の懸濁液を与えた。N−エチルジイソプロピルアミン(587mg)を室温で2分間かけて滴下した。次に、HATU(638mg)を加え、反応混合物を室温で15時間撹拌した。混合物を氷/水に注ぎ、水相を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物をトルエンと共にもう一度蒸発させた。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、20g、CHCl中の0%〜10%MeOH)により精製して、白色の泡状物(310mg)を与えた。MS:389.3[M+H]
【0212】
工程2:1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−イル(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)メタノン塩酸塩
【化45】

20mLの丸底フラスコ中、tert−ブチル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−8,9−ジヒドロ−5H−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−7(6H)−カルボキシラート(230mg)と2−プロパノール中の5N HCl(5mL)とを合わせて、白色の懸濁液を与えた。反応混合物を撹拌しながら50℃に2時間加熱した。次に反応混合物を冷やし、減圧下で濃縮して、粗の塩(190mg)を与え、これをさらなる精製をせずに使用した。MS:289.1[M+H]
【0213】
中間体11:
3−[3−クロロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]プロパン酸
【化46】
【0214】
工程1: (E)−3−[3−クロロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]プロパ−2−エン酸
【化47】

20mLの丸底フラスコ中、3−クロロ−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアルデヒド(CAS: 83279-39-4、500mg)、マロン酸(510mg)及びピペリジン(22.0μL)を、ピリジン(3.0mL)と合わせて、無色の溶液を与えた。次に混合物を5時間加熱還流した。反応混合物を冷やし、氷/水に注ぎ、2N HClを用いて酸性化した。水相を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、20g、CHCl中の0%〜10%MeOH)により精製して、標記化合物を白色の固体(400mg)として与えた。MS:265.1[M−H]
【0215】
工程2: 3−[3−クロロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]プロパン酸
【化48】

50mLの3口フラスコ中、(E)−3−[3−クロロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]プロパ−2−エン酸(300mg)を酢酸エチル(10mL)と合わせて、無色の溶液を与えた。パラジウム担持炭(10%Pd、40mg)を加え、次に混合物を30分間水素化し、ここで、TLC分析は、残留出発物質を示さなかった。反応混合物を、Celiteを通して濾過し、次に減圧下で濃縮して、明黄色の固体(300mg)を与え、これをさらなる精製をせずに使用した。MS:267.3[M−H]
【0216】
中間体12:
2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−カルボン酸
【化49】
【0217】
工程1: メチル 6−シクロプロピル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボキシラート
【化50】

メタノール(4mL)及び硫酸(12μL)中の6−シクロプロピル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボン酸(CAS: 150190-28-6; 400mg)の懸濁液を、70℃で48時間加熱した。次に混合物を減圧下で濃縮した。残留物をジクロロメタン(10mL)に懸濁し、次に不溶性物質を濾過により除去し、濾液を蒸発させて、標記化合物(427mg)を明褐色の半固体として生成した。MS:194.1[M+H]
【0218】
工程2: メチル 2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−カルボキシラート
【化51】

アセトニトリル(5mL)中のメチル 6−シクロプロピル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボキシラート(212mg)の懸濁液に、炭酸カリウム(455mg)及び4−(ヨードメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン(CAS:101691-94-5; 744mg)を撹拌しながら加えた。反応混合物を80℃で16時間加熱し、次に減圧下で蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル; ヘプタン−酢酸エチルの勾配)により精製して、標記化合物を無色の油状物(188mg)として生成した。MS:292.2[M+H]
【0219】
工程3: 2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−カルボン酸
【化52】

テトラヒドロフラン(2mL)及び水(2mL)中のメチル 2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−カルボキシラート(184mg)の溶液に、水酸化リチウム一水和物(53.0mg、1.26mmol)を加え、得られた混合物を室温で16時間撹拌した。テトラヒドロフランを除去するために、混合物を一部蒸発させた。水相を1M 塩酸水溶液と酢酸エチルとに分配した。層を分離し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、標記化合物を無色の油状物(218mg)として与えた。MS:276.1[M-H]-
【0220】
中間体13:
(E)−3−[4−(ジフルオロメトキシ)−3−フルオロ−フェニル]プロパ−2−エン酸
【化53】

この物質を、中間体11、工程1と同様にして、4−(ジフルオロメトキシ)−3−フルオロベンズアルデヒド(CAS: 1214379-56-2、1.54g)から作製した。MS:233.1[M+H]
【0221】
中間体14:
6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−イミダゾ[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−イル)メタノン
【化54】

この物質を、実施例3、工程1と同様にして、ベンジル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,2−d][1,4]ジアゼピン−7−カルボキシラート(実施例2で得た)の水素化により作製して、標記化合物の6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−イミダゾ[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−イル)メタノンを無色の粉末として与えた。MS:288.2[M+H]
【0222】
中間体15:
(3aR,7aR)−5−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−2−カルボニル)ヘキサヒドロ−[1,3]オキサゾロ[5,4−c]ピリジン−2(1H)−オン 2,2,2−トリフルオロアセタート
【化55】
【0223】
工程1: tert−ブチル(3aR,7aR)−2−オキソ−1,3a,4,6,7,7a−ヘキサヒドロ−[1,3]オキサゾロ[5,4−c]ピリジン−5−カルボキシラート
【化56】

DMF(8.0mL)中の(3R,4R)−tert−ブチル 4−アミノ−3−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシラート(CAS: 1007596-95-3、510mg)の溶液に、イミダゾール(161mg)を、次に1,1'−カルボニルジイミダゾール(382mg)を室温でアルゴン雰囲気下、加えた。混合物を室温で18時間撹拌した。次に反応混合物を氷/水に注ぎ、水層を酢酸エチルで2回抽出した。有機層をブラインで1回洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物をトルエンと共にもう1回蒸発させた。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、20gカートリッジ、ジクロロメタン中の0%〜5%メタノール)により精製して、標記化合物を白色の固体(460mg)として与えた。MS:187.0[M−56(イソブチレン)+H]
【0224】
工程2: (3aR,7aR)−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−[1,3]オキサゾロ[5,4−c]ピリジン−2−オン塩酸塩
【化57】

tert−ブチル(3aR,7aR)−2−オキソ−1,3a,4,6,7,7a−ヘキサヒドロ−[1,3]オキサゾロ[5,4−c]ピリジン−5−カルボキシラート(458mg)を、塩酸(イソプロパノール中の約5M〜6M、6.87mL)と合わせ、混合物を室温で19時間撹拌した。次に反応混合物を直接、蒸発乾固した。白色の残留物を酢酸エチル(8mL)と合わせ、懸濁液を室温で1時間撹拌した。無色の固体を濾過により単離し、酢酸エチルで洗浄し、高真空下で乾燥させて、標記化合物(279mg)を与えた。MS:143.0[M+H](遊離塩基)。
【0225】
工程3: tert−ブチル 2−[(3aR,7aR)−2−オキソ−1,3a,4,6,7,7a−ヘキサヒドロ−[1,3]オキサゾロ[5,4−c]ピリジン−5−カルボニル]−5,6,8,9−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−7−カルボキシラート
【化58】

50mLの丸底フラスコ中、(3aR,7aR)−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−[1,3]オキサゾロ[5,4−c]ピリジン−2−オン塩酸塩(225mg)、4−メチルモルホリン(382mg)及び4,5,7,8−テトラヒドロ−1,3,3a,6−テトラアザ−アズレン−2,6−ジカルボン酸 6−tert−ブチルエステル(中間体2、391mg)を、DMF(10.0mL)と合わせて、明黄色の溶液を与えた。1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(483mg)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(340mg)を加え、反応混合物を室温で16時間撹拌した。混合物を氷/水に注ぎ、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物をトルエンと共にもう一度蒸発させた。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、50gカートリッジ、ジクロロメタン中の0%〜10%メタノール)により精製して、標記化合物を無色の固体(491mg)として与えた。MS:351.2[M−56(イソブチレン)+H]
【0226】
工程4: (3aR,7aR)−5−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−2−カルボニル)ヘキサヒドロ−[1,3]オキサゾロ[5,4−c]ピリジン−2(1H)−オン 2,2,2−トリフルオロアセタート
【化59】

tert−ブチル 2−[(3aR,7aR)−2−オキソ−1,3a,4,6,7,7a−ヘキサヒドロ−[1,3]オキサゾロ[5,4−c]ピリジン−5−カルボニル]−5,6,8,9−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−7−カルボキシラート(50mg)を、ジクロロメタン(5.0mL)に室温でアルゴン雰囲気下、溶解した。次に、2,2,2−トリフルオロ酢酸(140mg)を5分間かけて滴下し、混合物を室温で3時間撹拌した。さらなる2,2,2−トリフルオロ酢酸(42.1mg)をゆっくりと加え、撹拌を室温でさらに17時間続けた。次に、溶媒を蒸発により除去し、残留TFAをトルエンの添加そして蒸発により除去した。蒸発に続いて、残留物を高真空下で乾燥させて、明黄色のガム状物(68mg)を与え、これをさらなる精製をせずに使用した。MS:307.2[M+H](遊離塩基)。
【0227】
実施例
実施例1
ベンジル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−カルボキシラート
【化60】

4−メチルモルホリン(1.56g)を、ジメチルホルムアミド(20mL)中の6−(ベンジルオキシカルボニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−2−カルボン酸(中間体1、1.62g)及び4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン(702mg,[CAS: 706757-05-3])の懸濁液に、室温でアルゴン雰囲気下、5分間かけて滴下した。次に、HATU(2.17g)を4回に分けて加えた。混合物を室温で17時間撹拌した。反応混合物を氷/水に注いだ。次に水相を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物をトルエンと共にもう一度蒸発させた。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン中の0%〜100%酢酸エチル、次にCHCl/MeOH=96/4)により精製して、標記化合物をオフホワイトの泡状物(1.40g、62%)として与えた。MS(m/e):422.6[M+H]。
【0228】
以下の実施例2は、実施例1と同様にして、適切な構成要素/中間体から合成した:
【0229】
【表2】
【0230】
実施例3
[3−フルオロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−カルボキシラート
【化61】
【0231】
工程1: 5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−2−イル(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−イル)メタノン
【化62】

ベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート(1.40g、実施例1で得た)を、メタノール(10mL)に溶解して、無色の溶液を与えた。パラジウム担持活性炭(140mg、10%Pd)を加え、室温で水素雰囲気を導入した。混合物を水素下、16時間撹拌した。反応混合物をDicalite Speed Plus (Acros Organics)により濾過し、溶媒を蒸発乾固して、標記化合物を無色の油状物(910mg、94%)として与えた。MS(m/e):288.2[M+H]。
【0232】
工程2: [3−フルオロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル 2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−カルボキシラート
【化63】

トリエチルアミン(31.7mg)を、アセトニトリル(8.0mL)中の(3−フルオロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)メタノール(CAS:886498-99-3、98.7mg)の溶液に室温でアルゴン雰囲気下、加えた。次に、N,N’−ジスクシンイミジルカルボナート(120mg)を加え、無色の溶液を室温で3間撹拌して、活性化アルコールを与えた。(6,7−ジヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5(4H)−イル)(5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)メタノン(90mg)及びトリエチルアミン(95.1mg)を、無色の溶液に加え、混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を氷/水に注ぎ、水相を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。トルエンを加え、溶媒をもう一度蒸発させた。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン中の酢酸エチルの勾配)により精製して、標記化合物を白色の固体(53mg、32%)として与えた。MS(m/e):524.6[M+H]
【0233】
以下の実施例4〜13は、実施例2、工程2と同様にして、適切な構成要素及び対応する置換ベンジルアルコールから合成した:
【0234】
【表3】
【0235】
実施例14
1−[2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−イル]−3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]プロパン−1−オン
【化64】

4−メチルモルホリン(84.5mg)を、ジメチルホルムアミド(4.0mL)中の(6,7−ジヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5(4H)−イル)(5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)メタノン(中間体9、80mg)及び3−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)プロパン酸(CAS: 886499-74-7; 71.7mg)の懸濁液に室温でアルゴン雰囲気下、5分間かけて滴下した。混合物を0℃に冷却し、HATU(117mg)を加えた。混合物を室温に17時間温めた。反応混合物を氷/水に注ぎ、次に水相を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。トルエンを加え、混合物をもう一度蒸発させた。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン中の酢酸エチルの勾配)により精製して、標記化合物を白色の固体(13mg、10%)として与えた。MS(m/e):504.6[M+H]
【0236】
以下の実施例15〜17は、実施例10と同様にして、中間体9及び対応する置換カルボン酸から合成した:
【表4】
【0237】
実施例26
3−[4−(ジフルオロメトキシ)−3−フルオロフェニル]−1−[2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−イル]プロパン−1−オン
【化65】

25mLの3口フラスコ中、(E)−3−[4−(ジフルオロメトキシ)−3−フルオロフェニル]−1−[2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−4,5,7,8−テトラヒドロピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6−イル]プロパ−2−エン−1−オン(実施例25、35mg)を、EtOH(5mL)と合わせて無色の溶液を与えた。混合物を脱気し、Pd/C(10%Pd、20mg)を窒素下、加え、続いて水素雰囲気を導入した。次に、混合物を室温で一晩撹拌した。次に水素を除去し、反応混合物を、Celiteを通して濾過した。濾液を蒸発させて、粗物質を白色の泡状物として与えた。この残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、10g、DCM中の0%〜50%MeOH)により精製して、標記化合物を白色の泡状物(20mg)として与えた。MS:504.2[M+H]
【0238】
実施例27
4−メトキシベンジル 2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−6(5H)−カルボキシラート
【化66】

この物質を、実施例3、工程2と同様にして、5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−d][1,4]ジアゼピン−2−イル(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−イル)メタノン(中間体9)及び(4−メトキシフェニル)メタノール(CAS:105-13-5)から作製した。MS:452.3[M+H]
【0239】
以下の実施例28〜43は、適切な構成要素及び対応する置換ベンジルアルコールから、実施例27と同様にして合成した:
【0240】
【表5】