特許第6554482号(P6554482)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サフラン・エアクラフト・エンジンズの特許一覧

特許6554482タービンエンジンロータ用の回転対称部品、ならびに関連するタービンエンジンロータ、タービンエンジンモジュール、およびタービンエンジン
<>
  • 特許6554482-タービンエンジンロータ用の回転対称部品、ならびに関連するタービンエンジンロータ、タービンエンジンモジュール、およびタービンエンジン 図000002
  • 特許6554482-タービンエンジンロータ用の回転対称部品、ならびに関連するタービンエンジンロータ、タービンエンジンモジュール、およびタービンエンジン 図000003
  • 特許6554482-タービンエンジンロータ用の回転対称部品、ならびに関連するタービンエンジンロータ、タービンエンジンモジュール、およびタービンエンジン 図000004
  • 特許6554482-タービンエンジンロータ用の回転対称部品、ならびに関連するタービンエンジンロータ、タービンエンジンモジュール、およびタービンエンジン 図000005
  • 特許6554482-タービンエンジンロータ用の回転対称部品、ならびに関連するタービンエンジンロータ、タービンエンジンモジュール、およびタービンエンジン 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6554482
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】タービンエンジンロータ用の回転対称部品、ならびに関連するタービンエンジンロータ、タービンエンジンモジュール、およびタービンエンジン
(51)【国際特許分類】
   F01D 5/02 20060101AFI20190722BHJP
   F01D 5/30 20060101ALI20190722BHJP
【FI】
   F01D5/02
   F01D5/30
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-558366(P2016-558366)
(86)(22)【出願日】2015年3月11日
(65)【公表番号】特表2017-519143(P2017-519143A)
(43)【公表日】2017年7月13日
(86)【国際出願番号】FR2015050601
(87)【国際公開番号】WO2015145016
(87)【国際公開日】20151001
【審査請求日】2018年2月22日
(31)【優先権主張番号】1452474
(32)【優先日】2014年3月24日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】516227272
【氏名又は名称】サフラン・エアクラフト・エンジンズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トラピエ,ニコラ
【審査官】 齊藤 彬
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2009/0257877(US,A1)
【文献】 特開平04−224202(JP,A)
【文献】 実開昭61−025506(JP,U)
【文献】 米国特許第05474421(US,A)
【文献】 特表2009−503330(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0022469(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 5/02
F01D 5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸(A)を有し、外周に歯(22’)の環状列を備え、歯がその間に、モミの木状のロータブレードルート(10’、10’’)を保持するための溝(34’、34’’)を画定する、タービンエンジンロータ用の、ディスク(24’)などの回転対称部品であって、各歯は、ブレードルートを保持することが意図され、凹部によって相互に分割された少なくとも2つの凸部を備えた第1のサイド歯面(40’’)と、隣接するブレードルートを保持することが意図され、凹部によって相互に分割された少なくとも2つの凸部(42)を備えた第2のサイド歯面(40’)とを備え、第1の歯面の前記少なくとも2つの凸部は、回転対称部品の回転軸に中心付けられた外周(C3、C7)上に位置し、第2の歯面の前記少なくとも2つの凸部は、前記回転軸に中心付けられた外周(C4、C8)上に位置し、各歯が、その長手方向の寸法のほぼ全体にわたって、実質的に径方向の長手方向二等分面(P2)に対して非対称であり、各歯の第2の歯面における凸部が位置する前記外周の少なくとも1つ(C4)は、第1の歯面における凸部が位置する外周(C3、C7)間に位置し、前記外周から径方向に変移しており、各溝(34’、34’’)が、その長手方向の寸法のほぼ全体にわたって、実質的に径方向の長手方向二等分面(P1)に対して対称であることを特徴とする、回転対称部品。
【請求項2】
各歯の第2の歯面(40’)の少なくとも1つの前記凸部が位置する外周(C8)が、前記歯の第1の歯面(40’’)の凹部を実質的に通過することを特徴とする、請求項1に記載の回転対称部品。
【請求項3】
各歯の第2の歯面の2つの隣接する凸部が位置する外周が、前記歯の第1の歯面の2つのそれぞれの凹部を実質的に通過することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の回転対称部品。
【請求項4】
溝(34’、34’’)が様々な径方向寸法(D1、D2)を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の回転対称部品。
【請求項5】
溝(34’、34’’)が、部品の回転軸周りに均等に配置された同一の第1の組の溝(34’)と、第1の組の溝とは径方向寸法が異なる溝(34’’)であって、部品の回転軸周りに均等に配置された同一の第2の組の溝(34’’)とを備え、第1の組の各溝が第2の組の2つの溝の間に位置し、第2の組の各溝が第1の組の2つの溝の間に位置することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の回転対称部品。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の回転対称部品と、部品の溝にしっかりと装入されたモミの木状のルートに接続されたベーンを各々が備えたブレード(10’、10’’)の環状列であって、各ルートが径方向外側スティルト(38’、38’’)および径方向内側バルブを備えた、ブレード(10’、10’’)の環状列とを備え、ブレードの列が、径方向寸法D5のスティルトを有するブレードの第1の組と、D5より大である径方向寸法D6のスティルトを有するブレードの第2の組とを備え、第1の組の各ブレードが第2の組の2つのブレードの間に位置し、第2の組の各ブレードが第1の組の2つのブレードの間に位置することを特徴とする、タービンエンジンロータ。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか一項に記載の回転対称部品の少なくとも1つ、または請求項6に記載のロータの少なくとも1つを備えた、コンプレッサまたはタービンなどのタービンエンジンモジュール。
【請求項8】
請求項1から5のいずれか一項に記載の回転対称部品の少なくとも1つ、または請求項6に記載のロータの少なくとも1つを備えたタービンエンジン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タービンエンジンロータ用の回転対称部品に関し、より詳細には、外周に歯の環状列を備えた部品であって、前記歯がその間にロータブレードルートを保持するための溝を形成する、部品に関する。このタイプの部品は、たとえばロータディスクである。
【背景技術】
【0002】
従来技術には、欧州特許出願公開第2549061号明細書、仏国特許出願公開第485943号明細書、米国特許第4093399号明細書、米国特許第2920864号明細書、米国特許出願公開第2007/020102号明細書、および米国特許第5474421号明細書の文献が含まれる。
【0003】
タービンエンジンロータディスクは、その外周に、内部にロータブレードルートがしっかりと装入されるブローチ加工された溝の列を備えている。各ブレードは通常、プラットフォームによってルートに接続されたベーンを備えている。前記ルートは、バルブとして知られる径方向内側の部分と、スティルトとして知られる径方向外側の部分との2つの部分を備えている。ルートのバルブは、そのスティルトによってブレードのプラットフォームに接続されている。
【0004】
ブレードのルートはモミの木または蟻継状に形成することができる。蟻継状のブレードルートの場合、ブレードルートのバルブは1つのローブを備え、モミの木状のブレードルートの場合、ブレードルートのバルブは2つまたは3つのローブを備える。各ローブは、ネック、換言すると、断面または厚みが小さい部分によって、別のローブまたは、ルートのスティルトに接続される。
【0005】
ブローチ加工された締結具を有するこのタイプのディスクは、タービンエンジンのコンプレッサまたはタービンに使用することが可能である。
【0006】
慣習的には、ブローチ加工されたモミの木状の締結具は、比較的高負荷のタービンに使用される。換言すると、高速のタービン、または、大きい遠心力に起因して応力が大きくなることからダクト断面積が大であるタービンに使用される。
【0007】
前記締結具において、いくつかの機械的基準を考慮しなければならない。これら機械的基準は、
絶対的基準、換言すると、すべての通常の飛行条件下での、弾性限界を超えない範囲、ならびに、振動による疲労、小数輪生疲労(oligocyclic fatigue)、およびクリープに対する耐性のある範囲における、ディスクのブレードおよび歯の強度と、
ロータ全体にわたる破損ヒエラルキに対応する相対的基準と、である。この理由は、ブレードおよびディスクにおいて、応力の階層化を考慮しなければならないためである。エンジンが故障した場合、最大引っ張り応力を有する断面が、最も破損のもとになりやすい断面となる。タービンを囲むハウジングは、タービンから発出し得るあらゆるデブリを保持しなければならず、このため、ブレードのデブリの量が大きいほど、前記デブリを含むことを可能にするために、ハウジングがより大きいものとなる。さらに、ハウジング内にはディスクの歯の破損は発生してはならず、この理由は、前記破損が、大部分ののブレードが外れることにつながる連鎖反応を生じ得るためである。まとめると、図3を参照すると、応力が最大の断面は、ブレード10のベーンに位置するものとし、バルブ16の下側ネック12および上側ネック14の断面は、ベーンの断面の応力よりも小である応力を有する(σbi<σbs<σbp(低ベーン応力))ものとし、歯22の下側ネック18および上側ネック20の断面は、ブレード10の応力よりも比較的小さい応力を有するものとし、前記断面は、締結具の温度におけるディスク24の材料の弾性限界に低減される(ディスクのσdi,s/σe(ディスクの材料の弾性限界)<ブレードのσbp/σe(ブレードの材料の弾性限界))。
【0008】
いくつかのタービンエンジンでは、絶対的基準が考慮されるが、破損のヒエラルキは考慮されず、この理由は、断面がバルブ16には十分であるが歯22には不十分であるか、断面が歯22には十分であるがバルブ16には不十分であるかのいずれかであるためである。
【0009】
この問題に対する解決策は、歯22のネックのサイズを増大しつつ、バルブ16のネック12、14の断面のサイズを増大させることにある。しかしながら、締結具(歯+バルブ)の幅または外周全体の寸法が、ダクトの形状およびブレード10の数によって直接規定される。ダクトを変更することにより、タービン性能の低下を生じ、エンジン性能の低下につながる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2549061号明細書
【特許文献2】仏国特許出願公開第485943号明細書
【特許文献3】米国特許第4093399号明細書
【特許文献4】米国特許第2920864号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2007/020102号明細書
【特許文献6】米国特許第5474421号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、この問題に対するシンプルで、効果的で、経済的な解決策を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、回転軸を有し、外周に歯の環状列を備え、前記歯がその間に、モミの木状のロータブレードルートを保持するための溝を形成するタービンエンジンロータ用の、ディスクなどの回転対称部品に関する。各歯は、ブレードルートを保持することが意図され、凹部によって相互に分割された少なくとも2つの凸部を備えた第1のサイド歯面と、隣接するブレードルートを保持することが意図され、凹部によって相互に分割された少なくとも2つの凸部を備えた第2のサイド歯面とを備えている。第1の歯面の前記少なくとも2つの凸部は、回転対称部品の回転軸に中心付けられた外周上に位置し、第2の歯面の前記少なくとも2つの凸部は、前記回転軸に中心付けられた外周上に位置する。前記部品は、各歯が、その長手方向の寸法のほぼ全体にわたって、実質的に径方向の長手方向二等分面に対して非対称であることを特徴とする。各歯の第2の歯面の凸部の前記外周の少なくとも1つは、第1の歯面の凸部の外周間に位置し、前記外周から径方向に変移している。
【0013】
本出願では、回転対称部品の要素(歯または溝など)の「実質的に径方向の長手方向二等分面」は、要素の長手軸に沿って延び、前記要素の中間点を実質的に通過する面であると理解される。前記平面は、部品の長手軸または回転軸に対して実質的に径方向の向きである。要素の長手軸は、部品の長手軸または回転軸に対してほぼ平行であり得る。この場合、上述の平面は、部品の長手軸に沿って延びる。
【0014】
従来技術では、ディスクなどの回転対称ロータ部品の歯は、各々が実質的に径方向の長手方向二等分面に対して対称である。対照的に、本発明によれば、ロータ部品の各歯は、実質的に径方向の長手方向二等分面に対して対称ではない。このことにより、部品の歯における応力集中のよりよい分布を促すことで、上述の問題を解決することが可能になる。このことにより、たとえば、ディスクの歯のネックにおいて幅を広くするか、外周の寸法を大きくすることが可能になる。ディスクの断面積は、ブレードルートのバルブの断面積を低減することなく、増大させることが可能になる。
【0015】
本発明により、具体的には、従来技術よりもかなり高負荷のタービンを設計することが可能になる。さらに、同様であるが、装入され、保持される寸法上の差異があるルート(モミの木状)を有することが可能になる。
【0016】
径方向寸法が大であるスティルトを有するブレードおよび、同じロータディスクについてより小さい径方向寸法のスティルトを有するブレードが設けられる従来技術とは異なり、この場合、スティルトは同様の径方向寸法を有し得る。異なる高さに締結することは、最も大きいスティルトには不利であるが、この理由は、最も大きいスティルトはさらなる質量を構成し、したがってこのことが、より大きい締結具によって相殺される必要があるためである。このため、最も大きいスティルトを有するブレードの重量増大による不利益を過度に負うことなく、ディスクの歯の大型化をより大幅に達成するために、変移を制限することが特に有利である。主クレームに記載のように歯を配置することにより、本発明の目的が達成される。
【0017】
部品の各溝は、その長手方向の寸法のほぼ全体にわたって、実質的に径方向の長手方向二等分面に対して対称である。
【0018】
本発明の特定の実施形態では、第2の歯面の少なくとも1つの前記凸部の外周は、第1の歯面の凹部を実質的に通過する。各歯の第2の歯面の2つの隣接する凸部の外周は、前記歯の第1の歯面の2つのそれぞれの凹部を実質的に通過し得る。
【0019】
溝は様々な深さまたは径方向寸法を有し得る。
【0020】
好ましくは、溝は、部品の回転軸周りに均等に配置された同一の溝の第1の組と、第1の組の溝とは異なり、部品の回転軸周りに均等に配置された、これら第1の組の溝の間の同一の溝の第2の組とを備え、第1の組の各溝が第2の組の2つの溝の間に位置し、第2の組の各溝が第1の組の2つの溝の間に位置する。
【0021】
本発明は、上述の環状部品と、部品の溝にしっかりと装入されたモミの木状のルートに接続されたベーンを各々が備えたブレードの環状列であって、各ルートが径方向外側スティルトおよび径方向内側バルブを備えた、ブレードの環状列とを備え、ブレードの列が、径方向寸法D5のスティルトを有するブレードの第1の組と、D5より大である径方向寸法D6のスティルトを有するブレードの第2の組とを備え、第1の組の各ブレードが第2の組の2つのブレードの間に位置し、第2の組の各ブレードが第1の組の2つのブレードの間に位置することを特徴とする、タービンエンジンロータにも関する。
【0022】
本発明は、上述の環状部品の少なくとも1つまたはロータの少なくとも1つを備えた、コンプレッサまたはタービンなどのタービンエンジンモジュールにも関する。
【0023】
最後に、上述の環状部品の少なくとも1つまたはロータの少なくとも1つを備えたタービンエンジンに関する。
【0024】
添付図面を参照して、非限定的な例として与えられる以下の詳細な説明を読むことで、本発明がよりよく理解され、本発明の他の詳細、特徴、および利点がより明確に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、従来技術に係るタービンエンジンロータ、より詳細にはロータホイールの概略斜視図である。
図2図2は、図1のロータホイールのディスクの拡大した部分概略斜視図である。
図3図3は、従来技術に係るロータディスクの歯の概略図である。
図4図4は、本発明に係るロータディスクの歯の概略図である。
図5図5は、図4と同様であり、本発明の変形形態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
最初に、タービンエンジンのロータホイール26を示す図1および図2を参照すると、前記ホイールが、外周にブレード10の環状列を保持するディスク24を備えている。
【0027】
各ブレード10は、プラットフォーム30によってルート32に接続されたベーン28を備えている。ルート32は、ディスク24の外周で溝34にしっかりと装入されている。
【0028】
ディスク24はその外周に、ブレード10のルート32を受領するための溝34を間に形成する歯22の環状列を備えている。したがって、ディスク24の溝34または歯22の数は、ディスク24が保持することができるブレード10の数と等しい。
【0029】
溝34はディスク24の外周にブローチ加工することによって得られ、この場合、溝34はディスク24の長手軸または回転軸Aとほぼ並行な向きである。
【0030】
図3により明確に見ることができるように、ブレードルート32はこの場合、モミの木状であり、2つのローブ36を有する。ブレードルート32は、径方向外側スティルト38と、スティルト38によってブレード10のプラットフォームに接続された径方向内側バルブ16とを備えている。
【0031】
各ブレードルート32は、2つのネック12、14(または厚みもしくは断面積の小さい部分)、すなわち、バルブ16の2つのローブ36間の下側ネック12と、上側ローブとスティルト38との間の上側ネック14とを備えている。各ルート32は、実質的に径方向の長手方向二等分面P1に対して対称である。
【0032】
ディスク24の各歯22は、2つのサイド歯面40を備えている。サイド歯面40は、隣接するブレード10のルート32と協同し、ルート32を溝34内に径方向に保持するような形状になっている。
【0033】
歯22の各歯面40は、この場合、2つの表面42、それぞれ上側表面と下側表面とを備えている。上側表面42は、ブレードルートの上側ローブの側面のための支持面を形成し、下側表面42は前記ブレードルートの下側ローブの側面のための支持面を形成する。
【0034】
歯面40の表面42は、図1に見ることができるように、歯22の長手方向の寸法のほぼ全体にわたって延びる凸部によって形成される。歯面40の表面42は、やはり歯22の長手方向の寸法のほぼ全体にわたって延びる凹部によって相互に分割されている。
【0035】
従来技術では、図3に見られるように、各歯22は実質的に径方向の長手方向二等分面P2に対して対称である。前記対称のために、1つの歯22の歯面40の凹部は、軸A上に中心付けられた同じ外周C1上に実質的に位置している。前記凹部は、歯22の上側ネック20を形成する。歯22は、歯22の下側表面42と溝34の底部との間に下側ネック18を備えている。
【0036】
歯22のネック18、20のサイズを増大させつつ、バルブ16のネック12、14の断面のサイズを増大させることは不可能であることを理解されたい。歯の凹部(外周C1)の領域における歯の幅が小さく、これにより、凹部の歯がもろくなる傾向にあることをも理解されたい。
【0037】
図4に見ることができるように、本発明により、ディスク24’の各歯22’が、その長手方向の寸法のほぼ全体にわたって、実質的に径方向の長手方向二等分面P2に対して非対称であるという事実により、この問題を克服することが可能である。
【0038】
前述のように、各歯22’は、隣接するブレード10’、10’’のルート32と協同し、前記ルートを溝34’、34’’内に径方向に保持するような形状にされている2つのサイド歯面40’、40’’を備えている。
【0039】
歯22’の各歯面40’、40’’は、2つの表面42、それぞれ上側表面と下側表面とを備えている。上側表面42は、ブレードルートの上側ローブの側面のための支持面を形成し、下側表面42は前記ブレードルートの下側ローブの側面のための支持面を形成する。
【0040】
歯面40’、40’’の表面42は、図1に見ることができるように、歯の長手方向のほぼ全体にわたって延びる凸部によって形成されている。歯面40’、40’’の表面42は、やはり歯の長手方向の寸法のほぼ全体にわたって延びる凹部によって相互に分割されている。歯面40’、40’’の下側表面42は、やはり歯の長手方向の寸法のほぼ全体にわたって延びる別の凹部によって対応する溝34’、34’’の底部から分割されている。
【0041】
図面に見ることができるように、1つの歯22’の歯面40’、40’’の上側凸部は、同じ外周上には位置していない。このことは、歯22’の歯面40’、40’’の下側凸部について、歯22’の歯面40’、40’’の上側凹部について、および歯22’の歯面40’、40’’の下側凹部についても同様である。対照的に、図示の例では、第1の歯面40’’の上側凸部(この場合、歯22’の左側歯面)は、第2の歯面40’’(歯22’の右側歯面)の上側凸部を通る外周C4よりも直径が大である外周C3上に位置している。前記外周C4は、第1の歯面40’’の上側凹部を通る外周C5の直径より大である直径を有し、外周C5自体は、第2の歯面40’の上側凹部を通る外周C6の直径よりも大である直径を有する。前記外周C6は第1の歯面40’’の下側凸部を通る外周C7の直径よりも大である直径を有し、外周C7自体は、第2の歯面40’の下側凸部を通る外周C8の直径よりも大である直径を有する。前記外周C8は、第1の歯面40’’の下側凹部を実質的に通り、第2の歯面40’の下側凹部を通る外周C9の直径よりも大である直径を有する。
【0042】
各歯の歯面の凹部間の径方向の変移により、前記凹部の領域での歯幅を増大させることが可能になり、したがって、歯の機械的強度が向上される。
【0043】
さらに、図面に見ることができるように、ディスク24’の溝34’、34’’は、すべて同じではない。ディスク24は、深さまたは径方向寸法D1を有する溝34’’、および、D1より大である深さまたは径方向寸法D2を有する溝34’を備えている。
【0044】
溝34’は、ディスク24’の長手軸周りに均等に配置され、各溝34’は、2つの溝34’’間に位置している。同様に、溝34’’は、ディスク24’の長手軸周りに均等に配置され、各溝34’’は、2つの溝34’間に位置している。
【0045】
従来技術のように、ディスク24’の各溝34’、34’’は、その長手方向の寸法のほぼ全体にわたって、ディスクの実質的に径方向の長手方向二等分面P1に対して対称である。
【0046】
ディスク24’とともにロータホイールを形成するブレード10’、10’’はすべて同じではない。ホイールは、ルートの各々が径方向寸法D3を有するブレード10’と、ルートの各々が、D3より大である径方向寸法D4を有するブレード10’’とを備えている。
【0047】
ブレード10’はディスク24’の長手軸周りに均等に配置され、各ブレード10’は2つのブレード10’’間に位置している。同様に、ブレード10’’はディスク24’の長手軸周りに均等に配置され、各ブレード10’’は2つのブレード10’間に位置している。
【0048】
ブレード10’のバルブ16’は、ブレード10’’のバルブとほぼ同じである。したがって、ブレード10’のルートは、そのスティルト38’、38’’、具体的には、そのスティルト38’、38’’の径方向寸法により、ブレード10’’のルートとは異なる。ブレード10’のスティルト38’は、ブレード10’’のスティルト38’’の径方向寸法D6よりも小である径方向寸法D5を有する。
【0049】
ブレード10’、10’’は、ルートが最大径方向寸法D4を有するブレード10’’が、最大径方向寸法D2を有する溝34’に装入するような方式でディスク22’の溝34’、34’’にブレードのルートをしっかりと装入させることにより、従来技術のようにディスク24’に取り付けられている。したがって、それにより、ブレード10’のルートが、最小径方向寸法D3を有し、最小径方向寸法D1を有する溝34’’に装入されるようになっている。
【0050】
図5は、図4の実施形態と同様の、本発明の変形形態を示している。図4に関する前述の記載は、以下により矛盾していなければ、図5に適用される。
【0051】
図示の例では、各歯の歯面40’、40’’の内の1つの凸部が、ほぼ周方向に、前記歯の他の歯面の凹部と整列されており、この各歯の歯面40’、40’’の内の1つの凹部も、他の歯面の凸部とほぼ周方向に整列されている。
【0052】
第2の歯面40’の上側凸部は、第1の歯面40’’の上側凹部を通る外周に位置している。第1の歯面40’’の下側凸部は、第2の歯面40’の凹部を通る外周上に位置している。第2の歯面40’の下側凸部は、第1の歯面40’’の下側凹部を通る外周上に位置している。
【0053】
この構成により、各歯が、歯の径方向の範囲全体にわたって比較的一定の幅または周方向の寸法を有することが可能になり、このことは、歯の機械的強度に関して有利である。
図1
図2
図3
図4
図5