(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6554487
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】カテーテルコネクタインサート
(51)【国際特許分類】
A61M 39/10 20060101AFI20190722BHJP
【FI】
A61M39/10
【請求項の数】20
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-566807(P2016-566807)
(86)(22)【出願日】2015年5月13日
(65)【公表番号】特表2017-515569(P2017-515569A)
(43)【公表日】2017年6月15日
(86)【国際出願番号】US2015030510
(87)【国際公開番号】WO2015175624
(87)【国際公開日】20151119
【審査請求日】2018年4月16日
(31)【優先権主張番号】14/279,969
(32)【優先日】2014年5月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514300557
【氏名又は名称】アヴェント インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハラジュ、スティーヴ・サイード
【審査官】
杉▲崎▼ 覚
(56)【参考文献】
【文献】
特表2008−532652(JP,A)
【文献】
特開2005−211637(JP,A)
【文献】
特表平11−501894(JP,A)
【文献】
特開平07−198083(JP,A)
【文献】
米国特許第04354490(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/82− 2/97
A61M 3/00− 9/00
A61M 25/00−36/08
A61M 37/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルコネクタの梱包、発送、及び取扱いの間に使用するためのカテーテルコネクタアセンブリであって、
本体部を有するカテーテルコネクタであって、前記本体部は、第2半体と軸線方向に整列した第1半体を有し、前記第1半体は、前記第2半体に対して開位置と閉位置との間で回転可能であり、前記第1半体は前記本体部の遠位端を画定し、前記第2半体は前記本体部の近位端を画定する、該カテーテルコネクタと、
流体供給デバイスにそれと連通するように嵌合接続するために、前記第2半体の前記近位端を用いて構成された近位端ポートと、
前記カテーテルコネクタの梱包、発送、及び取扱いの間に前記カテーテルコネクタを前記開位置に維持するように前記本体部が前記開位置にあるとき前記本体部を用いて構成されるインサートとを備えることを特徴とするカテーテルコネクタアセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載のカテーテルコネクタアセンブリであって、
前記インサートは、前記インサートが前記カテーテルコネクタを前記開位置に維持するように前記第1半体が前記開位置にあるとき前記第1半体及び前記第2半体内にぴったりと適合するように構成されることを特徴とするカテーテルコネクタアセンブリ。
【請求項3】
請求項2に記載のカテーテルコネクタアセンブリであって、
前記インサートは、前記インサートが前記カテーテルコネクタを前記開位置に維持するように前記第1半体が前記開位置にあるとき前記第1半体及び前記第2半体内にぴったりと適合するように構成された棒状部材を含むことを特徴とするカテーテルコネクタアセンブリ。
【請求項4】
請求項3に記載のカテーテルコネクタアセンブリであって、
前記インサートは、前記棒状部材を用いて構成されるタブ部材を更に有し、前記タブ部材は、前記棒状部材が前記本体部の前記第1半体及び前記第2半体内に挿入されているとき前記カテーテルコネクタの外部に延び、前記タブ部材は前記カテーテルコネクタから前記インサートを取り外す場合にユーザがつまむことが可能な形状に構成されることを特徴とするカテーテルコネクタアセンブリ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のカテーテルコネクタアセンブリであって、
前記開位置は、前記第1半体が前記第2半体に対して45度回転された状態であることを含むことを特徴とするカテーテルコネクタアセンブリ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のカテーテルコネクタアセンブリであって、
前記インサートは、前記インサートが前記カテーテルコネクタを前記開位置に維持するように前記カテーテルコネクタが前記開位置にあるとき前記本体部の外部表面の周囲に少なくとも部分的にぴったりと適合するように構成されることを特徴とするカテーテルコネクタアセンブリ。
【請求項7】
請求項6に記載のカテーテルコネクタアセンブリであって、
前記インサートは、中空の内部を有するハウジングを更に備え、前記中空の内部は、前記開位置にある前記カテーテルコネクタの外部形状に対応する形状を有し、前記カテーテルコネクタの少なくとも一部分が、前記インサートが前記カテーテルコネクタを前記開位置に維持するように前記ハウジング内にぴったりと適合するように構成されることを特徴とするカテーテルコネクタアセンブリ。
【請求項8】
請求項6に記載のカテーテルコネクタアセンブリであって、
前記インサートは、前記インサートを前記第1半体の前記外部表面の周囲に少なくとも部分的に固定するように構成された1以上のロック構造を更に含むことを特徴とするカテーテルコネクタアセンブリ。
【請求項9】
請求項8に記載のカテーテルコネクタアセンブリであって、
前記ロック構造は、成形スナップ部、アドオングリップ突条部、突出部、及び接着剤のなかの1つまたは2以上の任意の組み合わせを含むことを特徴とするカテーテルコネクタアセンブリ。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載のカテーテルコネクタアセンブリであって、
前記インサートが、金属材料および/またはプラスチック材料から作製されることを特徴とするカテーテルコネクタアセンブリ。
【請求項11】
請求項10に記載のカテーテルコネクタアセンブリであって、
前記インサートが、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)、及び金属のなかの1つまたは2以上の任意の組み合わせを含む材料から作製されることを特徴とするカテーテルコネクタアセンブリ。
【請求項12】
カテーテルコネクタの梱包、発送、及び取扱いの間に使用するためのカテーテルコネクタのためのインサートであって、
前記カテーテルコネクタ内にぴったりと適合するように構成された棒状部材を備え、
前記カテーテルコネクタは本体部を有し、前記本体部は、第2半体と軸線方向に整列した第1半体を有し、前記第1半体は、前記第2半体に対して開位置と閉位置との間で回転可能であり、前記棒状部材は、前記カテーテルコネクタの梱包、発送、及び取扱いの間に前記カテーテルコネクタを前記開位置に維持するように前記カテーテルコネクタが前記開位置にあるとき前記第1半体及び前記第2半体内にぴったりと適合するように構成されることを特徴とするインサート。
【請求項13】
請求項12に記載のインサートであって、
前記棒状部材を用いて構成されるタブ部材を更に有し、前記タブ部材は、前記棒状部材が前記カテーテルコネクタの前記第1半体及び前記第2半体内に挿入されているとき前記カテーテルコネクタの外部に延び、前記タブ部材は前記カテーテルコネクタから前記インサートを取り外す場合にユーザがつまむことが可能な形状に構成されることを特徴とするカテーテルコネクタアセンブリ。
【請求項14】
請求項12または13に記載のインサートであって、
前記開位置は、前記第1半体が前記第2半体に対して45度回転された状態であることを含むことを特徴とするインサート。
【請求項15】
請求項12〜14のいずれか一項に記載のインサートであって、
前記インサートが、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)、及び金属のなかの1つまたは2以上の任意の組み合わせを含む材料から作製されることを特徴とするインサート。
【請求項16】
カテーテルコネクタの梱包、発送、及び取扱いの間に使用するためのカテーテルコネクタのためのインサートであって、
前記カテーテルコネクタの外部表面の周囲に少なくとも部分的にぴったりと適合するように構成されたハウジングを有し、
前記カテーテルコネクタは本体部を有し、前記本体部は、第2半体と軸線方向に整列した第1半体を有し、前記第1半体は、前記第2半体に対して開位置と閉位置との間で回転可能であり、前記ハウジングは中空の内部を有し、前記中空の内部は、前記開位置にある前記カテーテルコネクタの外部形状に対応する形状を有し、前記カテーテルコネクタの少なくとも一部分は、前記カテーテルコネクタの梱包、発送、及び取扱いの間に前記カテーテルコネクタを前記開位置に維持するように前記カテーテルコネクタが前記開位置にあるとき前記ハウジング内にぴったりと適合するように構成されることを特徴とするインサート。
【請求項17】
請求項16に記載のインサートであって、
前記開位置は、前記第1半体が前記第2半体に対して45度回転された状態であることを含むことを特徴とするインサート。
【請求項18】
請求項16または17に記載のインサートであって、
前記インサートを前記第1半体の前記外部表面の周囲に少なくとも部分的に固定するように構成された1以上のロック構造を更に含むことを特徴とするインサート。
【請求項19】
請求項18に記載のインサートであって、
前記ロック構造は、成形スナップ部、アドオングリップ突条部、突出部、及び接着剤のなかの1つまたは2以上の任意の組み合わせを含むことを特徴とするインサート。
【請求項20】
請求項16〜19のいずれか一項に記載のインサートであって、
前記インサートが、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)、及び金属のなかの1つまたは2以上の任意の組み合わせを含む材料から作製されることを特徴とするインサート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2014年5月16日を出願日とする米国特許出願第14/279,969号を基礎とする優先権を主張するものであり、これらの出願の内容は、引用により本明細書の一部とする。
本発明は、概して医療用カテーテルの分野に関し、特にカテーテルコネクタの梱包、発送、及び取扱いの間に使用するためのカテーテルコネクタのためのインサートに関する。
【背景技術】
【0002】
種々の医療処置のために患者に液体を供給または患者から液体を吸引するためのカテーテルを用いることがよく知られている。例えば、米国特許出願第7959623号明細書(特許文献1)には、液体医薬をポンプからチューブを介して創傷部位に供給するための注入カテーテルの種々の実施形態を用いる疼痛管理システムが記載されている。そのような構成では、カテーテルコネクタは、一般的には、カテーテルを、チューブ、液体リザーバ、または他の流体供給デバイス等の種々のデバイスに接続するために用いられる。特許文献1のシステムでは、従来型のツオヒ・ボースト(Tuohy Borst)コネクタを用いて、医療用チューブの遠位端をカテーテルの近位端に接続している。
【0003】
ツオヒ・ボーストコネクタに加えて、他の種々の形態のカテーテルコネクタが利用可能である。例えば、米国テキサス州ファーマーズ・ブランチのEpimed International社は、Stingray(商標)コネクタとして知られる低プロフィールのねじロック式カテーテルコネクタを製造している。このデバイスは軸線方向に整列した2つの半体を有し、2つの半体をねじってカテーテルの第1の半体への挿入を可能にする開位置にし、その後にねじってカテーテルとの完全な係合を示す可聴クリック音または触覚で認識可能なクリック感とともに閉位置にする。第2の半体は、液体を、コネクタを介してカテーテルに供給するためのチューブまたは他の流体供給デバイスに接続される。更に2つの半体の間には、コネクタが閉位置にあるときカテーテルを圧縮し、把持する内側エラストマーチューブを備える成形ブッシュが存在する。
【0004】
Stingray(商標)コネクタ、並びに類似の構成を有する他のコネクタの梱包、発送、及び取扱いの間には、コネクタが開位置のままであることが重要である。コネクタが閉じると、ロック顎部が閉位置に残り、それを通してカテーテルを挿入することが不可能になるからである。より詳細には、コネクタが閉位置にあるとき、2つの半体はカテーテルの上の内側エラストマーチューブを内向きに押してつぶす。コネクタは一般的には柔軟なプラスチック製なので、成形ブッシュ及び内側エラストマーチューブは、閉位置ではそれらの強度を失うことがある。従って、負荷が取り除かれたときであっても、エラストマーチューブの内径はより小さくなることがあり、これがカテーテルをそのチューブを通して挿入するのを妨げることがある。
【0005】
従って、Stingray(商標)コネクタカテーテルコネクタ等のカテーテルコネクタを、その梱包、発送、及び取扱いの間に開位置に維持するように設計されたインサートが、当分野で必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願第7959623号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的及び効果は、一部は後述の説明に記載され、或いはその説明から自明であるか、本発明の実施を通して明らかとなるものであり得る。
【0008】
ある一定の態様では、本発明は、カテーテルコネクタの梱包、発送、及び取扱いの間に使用するためのインサートを有するカテーテルコネクタアセンブリに関する。このアセンブリは本体部を有し、前記本体部は第2半体と軸線方向に整列した第1半体を有する。前記第1半体は、前記第2半体に対して開位置と閉位置との間で回転可能である。前記第1半体は前記本体部の遠位端を画定し、前記第2半体は前記本体部の近位端を画定する。近位端ポートは、流体供給デバイスにそれと連通するように嵌合接続するために、前記第2半体の近位端とともに構成される。インサートは、前記カテーテルコネクタの梱包、発送、及び取扱いの間に前記カテーテルコネクタを開位置に維持するように前記本体部が前記開位置にあるとき前記本体部を用いて構成される。
【0009】
一実施形態では、前記インサートは、前記インサートが前記カテーテルコネクタを前記開位置に維持するように前記第1半体が前記開位置にあるとき前記第1半体及び前記第2半体内にぴったりと適合するように構成される。より具体的には、特定の実施形態において、前記インサートは、前記インサートが前記カテーテルコネクタを前記開位置に維持するように前記第1半体が前記開位置にあるとき前記第1半体及び前記第2半体内にぴったりと適合するように構成された棒状部材を含み得る。加えて、前記インサートは、前記棒状部材を用いて構成されるタブ部材を更に有し得る。前記タブ部材は、前記棒状部材が前記本体部の前記第1半体及び前記第2半体内に挿入されているとき前記カテーテルコネクタの外部に延びる。従って、前記タブ部材は前記カテーテルコネクタから前記インサートを取り外す場合にユーザを補助するように構成される。更に別の実施形態では、前記開位置は、前記第1半体が前記第2半体に対して約45度回転された状態であることを含む。
【0010】
別の実施形態では、前記インサートは、前記インサートが前記カテーテルコネクタを前記開位置に維持するように前記本体部が前記開位置にあるとき前記本体部の外部表面の周囲に少なくとも部分的にぴったりと適合するように構成される。より具体的には、特定の実施形態において、前記インサートは、中空の内部を有するハウジングを更に備える。前記中空の内部は、前記開位置にある前記カテーテルコネクタの外部形状に対応する形状を有する。従って、前記カテーテルコネクタの少なくとも一部分が、前記インサートが前記カテーテルコネクタを前記開位置に維持するように前記ハウジング内にぴったりと適合するように構成される。
【0011】
そのような実施形態の1つでは、前記インサートは、前記インサートを前記第1半体の前記外部表面の周囲に少なくとも部分的に固定するように構成された1以上のロック構造を更に含むことができる。例えば、種々の実施形態において、前記ロック構造は、成形スナップ部、アドオングリップ突条部、突出部、及び接着剤のなかの1つまたは2以上の任意の組み合わせを含み得る。
【0012】
更に別の実施形態では、前記インサートが、高剛性の材料から作られたものであり得る。種々の実施形態では、前記高剛性の材料が、プラスチック材料、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)、金属、及び他の剛性または半剛性材料のなかの1つまたは2以上の任意の組み合わせを含む。
【0013】
更なる態様では、本発明は、カテーテルコネクタの梱包、発送、及び取扱いの間に使用するためのカテーテルコネクタのためのインサートに関する。前記インサートは、前記カテーテルコネクタ内にぴったりと適合するように構成された棒状部材を備える。前記カテーテルコネクタは本体部を有し、前記本体部は、第2半体と軸線方向に整列した第1半体を有する。前記第1半体は、前記第2半体に対して開位置と閉位置との間で回転可能である。従って、前記棒状部材は、前記カテーテルコネクタの梱包、発送、及び取扱いの間に前記カテーテルコネクタを前記開位置に維持するように前記カテーテルコネクタが前記開位置にあるとき前記第1半体及び前記第2半体内にぴったりと適合するように構成される。本明細書に記載された前記インサートは、他のあらゆる特徴も含み得ることを理解されたい。
【0014】
更に別の態様では、本発明は、カテーテルコネクタの梱包、発送、及び取扱いの間に使用するためのカテーテルコネクタのためのインサートに関する。前記インサートは、前記カテーテルコネクタの外部表面の周囲に少なくとも部分的にぴったりと適合するように構成されたハウジングを有する。更に、前記カテーテルコネクタは本体部を有し、前記本体部は、第2半体と軸線方向に整列した第1半体を有する。前記第1半体は、前記第2半体に対して開位置と閉位置との間で回転可能である。前記ハウジングは中空の内部を有し、前記中空の内部は、前記開位置にある前記カテーテルコネクタの外部形状に対応する形状を有する。従って、前記カテーテルコネクタの少なくとも一部分は、前記カテーテルコネクタの梱包、発送、及び取扱いの間に前記カテーテルコネクタを前記開位置に維持するように前記カテーテルコネクタが前記開位置にあるとき前記ハウジング内にぴったりと適合するように構成される。本明細書に記載された前記インサートは、他のあらゆる特徴も含み得ることを理解されたい。
【0015】
本発明のこれらの及び特徴、態様、及び有利な効果は、以下の詳細な説明及び特許請求の範囲の記載を参照することにより、より良く理解されよう。本出願の一部である添付の図面は、発明の詳細の説明と併せて本発明の原理の説明のために、本発明のいくつかの実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】閉位置にある従来型の構造のカテーテルコネクタの実施形態の斜視図である。
【
図2】開位置にある
図1のカテーテルコネクタの斜視図である。
【
図3】
図1のカテーテルコネクタの斜視図であり、カテーテルコネクタは2つの半体に分離されてコネクタ内部の種々の構成部品を示している。
【
図4】本発明の態様によるカテーテルコネクタのためのインサートの一実施形態の斜視図である。
【
図5】本発明の態様によるカテーテルコネクタを用いて構成される
図4のインサートの一実施形態の斜視図である。
【
図6】本発明の態様によるカテーテルコネクタのためのインサートの別の実施形態の斜視図である。
【
図7】本発明の態様によるカテーテルコネクタを用いて構成される
図6のインサートの一実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の1以上の実施形態、本発明の実施例、図面に示された実施例について以下に詳述する。各実施例及び実施形態は、本発明の説明のために提示されたものであり、本発明の限定を意味しない。例えば、1つの実施形態の一部として図示または記載された特徴を、他の実施形態と組み合わせて用いることにより、更に別の実施形態を構成することができる。本発明は、本発明の範囲及び精神の範囲内でこれらの及び他の改変形態及び変更形態を含むことが想定されている。
【0018】
位置に関する用語「近位」及び「遠位」は、本明細書において、種々の構成部品の相互間のまたは患者に対する方向を指す。「遠位」は、創傷部位に最も近い方向を指し(例えば、コネクタの遠位端は、コネクタ挿入部位に向けて方向付けられた端部である)、「近位」は、その半体の方向を指す(例えば、カテーテルの近位端は、コネクタの遠位端に挿入される)。
【0019】
一般的に、本開示は、カテーテルコネクタの梱包、発送、及び取扱いの間にカテーテルコネクタを維持するインサートを有するカテーテルコネクタアセンブリに関する。より具体的には、前記アセンブリが、第2半体と軸線方向に整列した第1半体を有する本体部を有する、例えばStingray(商標)コネクタのようなカテーテルコネクタを含む。前記第1半体は、前記第2半体に対して開位置と閉位置との間で回転可能である。前記第1半体は前記本体部の遠位端を画定し、前記第2半体は前記本体部の近位端を画定する。近位端ポートは、流体供給デバイスにそれと連通するように嵌合接続するために、前記第2半体の前記近位端を用いて構成される。前記インサートは、前記カテーテルコネクタの梱包、発送、及び取扱いの間に前記カテーテルコネクタを前記開位置に維持するように前記本体部が前記開位置にあるとき前記本体部を用いて構成される。
【0020】
本発明は、従来技術において存在しなかった多くの利点を有する。例えば、前記インサートは、カテーテルコネクタの梱包、発送、及び取扱いの間に前記カテーテルコネクタを維持する単純で使用が容易な構成部品となる。従って、前記カテーテルコネクタの内部要素は、患者のために使用される前に損なわれない加えて、前記インサートは、製造コストが比較的低く、多くのカテーテルコネクタ(例えば、本明細書に記載されたStingray(商標)コネクタ)とともに用いることができる。
【0021】
ここで図面を参照すると、
図1〜
図3には、本発明のインサートとともに使用可能なカテーテルコネクタ10の一実施形態のいくつかの図面を示す。図示するように、カテーテルコネクタ10は、近位端18及び遠位端20を有する。本体部16は、第2半体24と軸線方向に整列した第1半体22を有する。第1半体22は本体部16の遠位端20を画定し、第2半体24は本体部16の近位端18を画定する。近位端ポート14は、流体供給デバイス(図示せず)にそれと連通するように嵌合接続するために、第2半体24の近位端18を用いて構成される。上述のように、流体供給デバイスは、ポンプ、リザーバ、注射器等の従来より公知のあらゆる適切なデバイスであり得る。更に、近位端ポート14は、ルアーロック継手等のあらゆる従来型の形態を有したものであり得る。
【0022】
第1半体22は、第2半体24に対して開位置(
図2)と閉位置(
図1)との間で回転可能である。より詳細には、
図3に示すように、第1半体22は、その内部表面23から延出するブッシュ25を含み得る。ある一定の実施形態では、エラストマーチューブ27が、ブッシュ内に構成され得る。更に、第2半体24は、その内部にブッシュ25を受容するように構成された対応するキャビティ29を含み得る。従って、カテーテルコネクタ10の軸線方向に整列した第1半体22及び第2半体24は、ねじって第1半体におけるカテーテル挿入孔15を通してのカテーテルの挿入を可能にする開位置(
図2)にし、その後にねじってカテーテルとの完全な係合を示す可聴クリック音または触覚で認識可能なクリック感とともに閉位置(
図1)とすることができるように構成される。より詳細には、コネクタが閉位置(
図1)にあるとき、ブッシュ25内のエラストマーチューブ27が、カテーテルを圧縮し、把持する。ある一定の実施形態では、開位置は、第1半体が第2半体に対して約45度回転された状態であることによって定められる。別の実施形態では、第1半体22が第2半体24に対して任意の適切な角度だけ回転され得る。
【0023】
図4を参照すると、
図1〜
図3のカテーテルコネクタ10を、カテーテルコネクタの梱包、発送、及び取扱いの間に開位置に維持するように構成されたインサート26の一実施形態が示されている。図示するように、インサート26は、棒状部材28およびタブ部材30を有する。棒状部材28は、近位端31と遠位端33を有する。更に、棒状部材28は、カテーテルコネクタ10が開位置にあるときその近位端31をカテーテルコネクタ10に挿入可能となるような形状とされる。例えば、一実施形態では、棒状部材28はカテーテルの断面形状に一致するような実質的に円形の断面形状を有し得る。従って、
図5に示すように、棒状部材28の一部分は、カテーテルコネクタ10をその開位置に維持するようにカテーテル挿入孔15を通してカテーテルコネクタ10の第1半体22及び第2半体24に挿入することができる。加えて、図示するように、タブ部材30は、棒状部材28がカテーテルコネクタ10の第1半体22及び第2半体24内に挿入されているときカテーテルコネクタの遠位端20の外部に延びるように、棒状部材28の遠位端33を用いて構成される。従って、タブ部材30は、カテーテルコネクタ10内からインサート26を取り外す場合(例えば、カテーテルコネクタ10が発送された後で、患者に挿入されるカテーテルとともに使用される準備ができた後)に、ユーザを補助するように構成される。
【0024】
ここで
図6を参照すると、インサート46の別の実施形態が、カテーテルコネクタの梱包、発送、及び取扱いの間に
図1〜
図3のカテーテルコネクタ10を開位置に維持するように構成されている。図示するように、インサート46は、そのインサート46がカテーテルコネクタ10を開位置に維持するようにカテーテルコネクタ10の本体部16が開位置にあるときその本体部16の外部表面の周囲に少なくとも部分的にぴったりと適合するように構成される。例えば、例示された実施形態に示すように、インサート46は、中空の内部34を有するハウジング32を更に備え、中空の内部は、カテーテルコネクタ10が開位置にあるときカテーテルコネクタ10の外部形状に対応するような形状にされる。より具体的には、ある一定の実施形態では、ハウジング32が、開位置にある回転された第1半体22及び第2半体24に対応する複数の区画38を有する。従って、
図7に示すように、カテーテルコネクタ10の少なくとも一部分は、カテーテルコネクタの梱包、発送、及び取扱いの間にインサート46がカテーテルコネクタ10を開位置に維持するようにカテーテルコネクタ10が開位置にあるときハウジング32内にぴったりと適合するように構成されている。
【0025】
更に
図6及び
図7を参照すると、インサート46は、そのインサート46をカテーテルコネクタ10の本体部16の外部表面の周囲に少なくとも部分的に固定するように構成された、1つ以上のロック構造36も備え得る。例えば、ある一定の実施形態では、ロック構造36が、成形スナップ部、アドオングリップ突条部、突出部、及び接着剤のなかの1つまたは2以上の任意の組み合わせを含み得る。
【0026】
本明細書に記載のインサート26、46は、任意の適切な材料で作成することができることを理解されたい。例えば、インサート26、46は、金属や硬質プラスチック等の剛性または半剛性材料から作製することができる。より具体的には、インサート26、46は、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)、または他の任意の適切なポリマー材料から作製され得る。加えて、インサート26、46は、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、または他の任意の適切な金属から作製され得る。一部の実施形態では、インサート26、46は、ゴム材料、ポリマー材料、シリコーン材料、エラストマー材料等の可撓性または半可撓性材料からも作製され得る。より具体的には、種々の実施形態において、ポリイソプレン、ポリウレタン、スチレンブタジエン、及び/または他の任意の適切な可撓性材料から作製され得る。
【0027】
本発明を、いくつかの一定の好ましい実施形態に関連付けて説明してきたが、本発明によって包含される発明主題は、これらの特定の実施形態に限定されないことは理解されよう。むしろ、本発明の発明主題は、特許請求の範囲の請求項の範囲及び精神の含まれ得る全ての代替形態、改変形態、及び均等物を含むことが想定されている。