【0007】
必要に応じて、その他の典型的なガス発生成分を、限定されないが、たとえば以下に、上述の新規な組成物と組み合わせても良いことが考えられる。これらの成分は、テトラゾール、トリアゾール、カルボン酸、ヒドラジド、トリアジン、尿素誘導体、グアニジン、及び燃料の各タイプの塩類及び誘導体、及びそれらの混合物から選択された二次燃料と、非金属または金属(アルカリ金属、アルカリ土類、及び/または遷移金属)、硝酸塩、亜硝酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、及び酸化物、及びこれらの混合物から選択される酸化剤と、ブースター組成物に有用なその他の周知の添加剤とを含んでも良い。ビステトラゾール アミン、5−アミノテトラゾール、硝酸グアニジン、D、L−酒石酸、ニトログアニジンのモノアンモニウム塩、5’5ビス−1H−テトラゾール、アンモニウムジニトロサリチル酸のジアンモニウム塩、及びそれらの混合物などの燃料は、典型的な燃料を例示するものである。過塩素酸カリウム、過塩素酸アンモニウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、相安定化硝酸アンモニウム、及びそれらの混合物など過塩素酸塩及び硝酸塩は、典型的な酸化剤を例示するものである。一次燃料、たとえば、B
4Cは、組成物合計の約5〜30重量%で提供されても良い。上記に例示したような酸化剤は、KClO
4が好ましいが、組成物合計の約40〜95重量%で提供されても良い。次いで、好ましい実施形態では、炭化ホウ素、B
4Cなどのホウ素含有化合物、及び過塩素酸カリウム、KClO
4などの酸化剤が、単独の成分である場合、酸化剤は、組成物合計の70〜90重量%で提供されても良く、ホウ素含有化合物は、組成物合計の10〜30重量%で提供されても良い。必要に応じて、任意の二次燃料は、組成物合計の0.1〜30重量%で提供される場合、約0〜30重量%で提供されても良い。必要に応じて、二次酸化剤は、本明細書に記載されるように、組成物合計の0.1〜30重量%で提供される場合、0〜30重量%で任意に提供されても良い。本明細書に記載の置換反応物及び様々な典型的なブースターまたはガス発生成分は、たとえば、アルドリッチ・ケミカル・カンパニーまたはフィッシャーなどの企業によって提供されても良い。本発明の組成物の成分は、たとえば、実質的に一様で均質な組成物を形成する成分を、粉砕及び乾燥混合することにより、周知の方法で製造しても良い。
【実施例】
【0010】
実施例3
(組成物合計の重量から得られる割合)20重量%の炭化ホウ素及び80重量%の硝酸カリウムを含む組成物を粉砕及び乾式混合し、実質的に一様に分布した固体混合物または均質な固体混合物を形成した。組成物を、実施例1と同一の点火装置(130mg)を有する実施例1と同一のインフレータに配置し、点火した。85℃での第1のガスまでの時間は、7.6ミリ秒であった。−40℃での第1のガスまでの時間は、17.4ミリ秒であった。230mgを有する点火器を有する実施例1のインフレータには、同一の組成物を装填し、点火した。−40℃での第1のガスまでの時間は、7.1ミリ秒であった。310mgを有する点火器を有する実施例1のインフレータには、同一の組成物を装填し、点火した。−40℃での第1のガスまでの時間は、3.7ミリ秒であった。この組成物のBruceton衝撃感度は、15インチ超であった。BAM摩擦試験により測定された(当技術分野で周知の試験が行われ、このデータを含む実施例で同様に測定された)摩擦感度は、360N超であった。
【0011】
実施例4
実施例3の第1の組成物の72重量%及び第2の自己着火ブースター(AIB)組成物の28重量%を含むイグニッション及び/またはブースター組成物。AIB組成物は、たとえば、本明細書にその全体が参考として援用される、米国特許第8,273,199号に記載のように形成しても良い。第2の自己点火ブースター組成物は、5−アミノテトラゾールの30重量%、カリウム5−アミノテトラゾールの10重量%、硝酸カリウムの55重量%、及び三酸化モリブデンの5重量%を含み、第2の自己着火ブースター組成物の前記重量%は、第2の自己着火ブースター組成物の総重量から得た。実施例3の第1の組成物及び第2のAIB組成物の割合は、イグニッション及び/またはブースター組成物の総重量から得た。イグニッション及び/またはブースター組成物を粉砕及び乾式混合し、実質的に一様に分布した固体混合物または均質な固体混合物を形成した。組成物を、実施例1と同一の点火装置を有する実施例1と同一のインフレータに配置し、点火した。85℃での第1のガスまでの時間は、3.5ミリ秒であった。−40℃での第1のガスまでの時間は、4.5ミリ秒であった。
【0012】
実施例5
(組成物合計の重量から得られる割合)17.5重量%の炭化ホウ素、及び17.5重量%の硝酸グアニジン及び65.00重量%の硝酸カリウムを含む組成物を粉砕及び乾式混合し、実質的に一様に分布した固体混合物または均質な固体混合物を形成した。炭化ホウ素の平均粒度は、5.8マイクロメートルであった。組成物を、実施例1と同一の点火装置を有する実施例1と同一のインフレータに配置し、点火した。85℃での第1のガスまでの時間は、3.9ミリ秒であった。−40℃での第1のガスまでの時間は、6.0ミリ秒であった。この組成物のBruceton衝撃感度は、15インチ超であった。摩擦感度は、360N超であった。
【0013】
実施例6
(組成物合計の重量から得られる割合)17.5重量%の炭化ホウ素、及び17.5重量%の硝酸グアニジン及び65.00重量%の硝酸カリウムを含む組成物を粉砕及び乾式混合し、実質的に一様に分布した固体混合物または均質な固体混合物を形成した。炭化ホウ素の平均粒度は、5.8マイクロメートルであった。組成物を、実施例1と同一の点火装置を有する実施例1と同一のインフレータに配置し、点火した。85℃での第1のガスまでの時間は、5.2ミリ秒であった。23℃での第1のガスまでの時間は、8.1ミリ秒であった。−40℃での第1のガスまでの時間は、11.9ミリ秒であった。
【0014】
実施例7
(組成物合計の重量から得られる割合)17.5重量%の炭化ホウ素、及び17.5重量%の硝酸グアニジン及び65.00重量%の硝酸カリウムを含む組成物を粉砕及び乾式混合し、実質的に一様に分布した固体混合物または均質な固体混合物を形成した。炭化ホウ素の平均粒度は、10.6マイクロメートルであった。組成物を、実施例1と同一の点火装置を有する実施例1と同一のインフレータに配置し、点火した。85℃での第1のガスまでの時間は、6.8ミリ秒であった。23℃での第1のガスまでの時間は、14.5ミリ秒であった。−40℃での第1のガスまでの時間は、22.0ミリ秒であった。
【0015】
実施例8
(組成物合計の重量から得られる割合)20.0重量%の炭化ホウ素、及び5.0重量%のポリビニルアルコール及び75.00重量%の過塩素酸カリウムを含む組成物を粉砕及び乾式混合し、実質的に一様に分布した固体混合物または均質な固体混合物を形成した。組成物を、実施例1と同一の点火装置を有する実施例1と同一のインフレータに配置し、点火した。85℃での第1のガスまでの時間は、4.0ミリ秒であった。−40℃での第1のガスまでの時間は、10.4ミリ秒であった。
【0016】
実施例9
(組成物合計の重量から得られる割合)17.10重量%の炭化ホウ素、12.50重量%の硝酸グアニジン、45.40重量%の過塩素酸カリウム及び25.00重量%の硝酸カリウムを含む組成物を粉砕及び乾式混合し、実質的に一様に分布した固体混合物または均質な固体混合物が形成した。組成物を、実施例1と同一の点火装置を有する実施例1と同一のインフレータに配置し、点火した。85℃での第1のガスまでの時間は、6.0ミリ秒であった。23℃での第1のガスまでの時間は、11.0ミリ秒であった。−40℃での第1のガスまでの時間は、24.4ミリ秒であった。この組成物のBruceton衝撃感度は、15インチ超であった。摩擦感度は、360N超であった。
【0017】
実施例10
(組成物合計の重量から得られる割合)16.00重量%の炭化ホウ素、及び12.50重量%のアンモニウムジニトロサリチル酸及び71.50重量%の硝酸カリウムを含む組成物を粉砕及び乾式混合し、実質的に一様に分布した固体混合物または均質な固体混合物を形成した。組成物を、実施例1と同一の点火装置を有する実施例1と同一のインフレータに配置し、点火した。−40℃での第1のガスまでの時間は、8.5ミリ秒であった。この組成物のBruceton衝撃感度は、15インチ超であった。摩擦感度は、360N超であった。
【0018】
実施例11
(組成物合計の重量から得られる割合)16.00重量%の炭化ホウ素、及び12.50重量%のアンモニウムジニトロサリチル酸及び71.50重量%の硝酸カリウムを含む組成物を粉砕及び乾式混合し、実質的に一様に分布した固体混合物または均質な固体混合物を形成した。組成物を、実施例1と同一の点火装置を有する実施例1と同一のインフレータに配置し、点火した。−40℃での第1のガスまでの時間は、9.9ミリ秒であった。この組成物のBruceton衝撃感度は、15インチ超であった。摩擦感度は、360N超であった。
【0019】
実施例12
(組成物合計の重量から得られる割合)16.00重量%の炭化ホウ素、及び12.50重量%のビステトラゾールアミン(BTA)のモノアンモニウム塩及び71.50重量%の硝酸カリウムを含む組成物を粉砕及び乾式混合し、実質的に一様に分布した固体混合物または均質な固体混合物を形成した。組成物を、実施例1と同一の点火装置を有する実施例1と同一のインフレータに配置し、点火した。−40℃での第1のガスまでの時間は、9.6ミリ秒であった。この組成物のBruceton衝撃感度は、15インチ超であった。摩擦感度は、360N超であった。
【0020】
実施例13
(組成物合計の重量から得られる割合)15.00重量%の炭化ホウ素、10.00重量%の5―アミノテトラゾール、5.00重量%のカリウム5―アミノテトラゾール、65.00の重量%の硝酸カリウム及び5.00重量%の三酸化モリブデンを含む組成物を粉砕及び乾式混合し、実質的に一様に分布した固体混合物または均質な固体混合物を形成した。組成物を、実施例1と同一の点火装置を有する実施例1と同一のインフレータに配置し、点火した。85℃での第1のガスまでの時間は、3.3ミリ秒であった。23℃での第1のガスまでの時間は、4.8ミリ秒であった。−40℃での第1のガスまでの時間は、6.5ミリ秒であった。この組成物のBruceton衝撃感度は、15インチ超であった。摩擦感度は、約80Nであった。
【0021】
実施例14
(組成物合計の重量から得られる割合)77.50重量%の過塩素酸カリウム及び22.50重量%の炭化ホウ素を含む第1の組成物の75重量%、及び、実施例4に記載されるように、AIB組成物を含む第2の組成物の25重量%を含む組成物を粉砕及び乾式混合し、実質的に一様に分布した固体混合物または均質な固体混合物を形成した。組成物を、実施例1と同一の点火装置を有する実施例1と同一のインフレータに配置し、点火した。85℃での第1のガスまでの時間は、3.1ミリ秒であった。23℃での第1のガスまでの時間は、3.6ミリ秒であった。−40℃での第1のガスまでの時間は、4.0ミリ秒であった。
【0022】
実施例15
(組成物合計の重量から得られる割合)17.00重量%の炭化ホウ素、13.00重量%の硝酸グアニジン、67.00重量%の過塩素酸カリウム及び5.00重量%の酸化鉄を含む組成物を粉砕及び乾式混合し、実質的に一様に分布した固体混合物または均質な固体混合物を形成した。組成物を、実施例1と同一の点火装置を有する実施例1と同一のインフレータに配置し、点火した。85℃での第1のガスまでの時間は、10.4ミリ秒であった。23℃での第1のガスまでの時間は、26.3ミリ秒であった。−40℃での第1のガスまでの時間は、53.3ミリ秒であった。この組成物のBruceton衝撃感度は、15インチ超であった。摩擦感度は、360N超であった。
【0023】
図1に示すように、本発明のガス発生器またはインフレータ10の第1の実施形態では、本発明の組成物または化合物を利用する典型的なインフレータは、単一のチャンバ設計を組み込んでも良い。一般に、本明細書で提供するように形成した、本発明によるイグニッション及び/またはブースター組成物12を含むインフレータを、提供しても良いし、当該技術分野で周知のように製造しても良い。
図1に示すように、本明細書に記載される一次ガス発生化合物または組成物14も提供される。米国特許第6,422,601号、6,805,377号、6,659,500号、6,749,219号、及び6,752,421号は、典型的なエアバッグインフレータ設計を例示し、その全体が参照により本明細書にそれぞれ援用される。
【0024】
ここで
図2を参照すると、上述の例示的なインフレータ10は、エアバッグシステム200に組み込んでも良い。エアバッグシステム200は、少なくとも1つのエアバッグ202及びエアバッグの内部との流体連通を可能にするためにエアバッグ202に結合された、本発明によるイグニッション及び/またはブースター組成物12を含むインフレータ10を含む。エアバッグシステム200は、衝突事象センサ210を含んでも良い(または通信しても良い)。衝突事象センサ210は、たとえば、衝突の際にエアバッグインフレータ10の起動を介して、エアバッグシステム200の作動の信号を送る周知の衝突センサアルゴリズムを含む。
【0025】
図2を再び参照すると、エアバッグシステム200は、安全ベルトアセンブリ150などの追加の要素を含む、より広範でより包括的な乗物乗員拘束システム180に組み込んでも良い。
図2は、そのような拘束システムの1つの例示的な実施形態の概略図を示す。安全ベルトアセンブリ150は、安全ベルトハウジング152及びハウジング152から伸びる安全ベルト100を含む。安全ベルトリトラクタメカニズム154(たとえば、ばね式のメカニズム)は、ベルトの端部に結合されても良い。さらに、イグニッション及び/またはブースター組成物12を含む安全ベルトプリテンショナ156は、衝突の際にリトラクタメカニズムを作動させるためにベルトリトラクタメカニズム154に結合されても良い。本発明の安全ベルト実施形態と共に使用することができる典型的なシートベルトリトラクタメカニズムは、米国特許第5,743,480号、5,553,803号、5,667,161号、5,451,008号、4,558,832号及び4,597,546号に記載されており、それぞれが参照により本明細書に援用される。本発明の安全ベルトの実施形態が組み合わされても良い典型的なプリテンショナを説明するための実施例は、米国特許第6,505,790号及び6,419,177号に記載されており、参照により本明細書に援用される。
【0026】
安全ベルトアセンブリ150は、たとえば、プリテンショナに組み込まれる火工品点火装置(図示せず)の起動を介してベルトプリテンショナ156の作動の信号を送る周知の衝突センサアルゴリズムを含む衝突事象センサ158(たとえば、慣性センサまたは加速度計)を含んでも良い(または該衝突事象センサ158と通信しても良い)。以前に参照により本明細書に援用された米国特許第6,505,790号及び6,419,177号は、このような方法で起動するプリテンショナの実施例を提供する。
【0027】
安全ベルトアセンブリ150、エアバッグシステム200、及びより広範な乗物乗員保護システム180は、本発明により予想されるガス生成システムを例示するが、限定するものではないことが理解されるべきである。
本発明の説明は例示の目的のためであり、決して本発明の範囲を制限するように解釈されるべきではない。したがって、当業者は様々な改変が、添付の特許請求の範囲に記載の本発明の範囲から逸脱することなく、本開示の実施形態に対してなされ得ることを理解するであろう。