(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6554503
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】サンシェード付き自立式ハンモック
(51)【国際特許分類】
A45F 3/22 20060101AFI20190722BHJP
A45F 3/24 20060101ALI20190722BHJP
【FI】
A45F3/22
A45F3/24
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-61531(P2017-61531)
(22)【出願日】2017年3月27日
(65)【公開番号】特開2018-161403(P2018-161403A)
(43)【公開日】2018年10月18日
【審査請求日】2018年5月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】500010967
【氏名又は名称】株式会社ニューテックジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100067644
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 裕
(74)【代理人】
【識別番号】100125313
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】白石 徳宏
【審査官】
土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第05240021(US,A)
【文献】
特開昭49−095768(JP,A)
【文献】
特開平11−244047(JP,A)
【文献】
特開平06−299735(JP,A)
【文献】
実開昭49−012711(JP,U)
【文献】
実公昭45−007876(JP,Y1)
【文献】
実開昭50−051954(JP,U)
【文献】
特開平07−194431(JP,A)
【文献】
実開昭49−069520(JP,U)
【文献】
実開昭54−178621(JP,U)
【文献】
米国特許第04757563(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45F 3/22,3/24
E04H 15/00,15/36
F16B 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンモック布と、該ハンモック布の両端を吊持するための立ち上がり部を備えたハンモック用フレームと、吊持された前記ハンモック布の上方を覆うように弾性フレームで張設されたサンシェードと、を備えたサンシェード付き自立式ハンモックであって、前記サンシェードは、前記ハンモック用フレームの2本の立ち上がり部に渡し掛けて取り付けた連結部材の差し込み孔に弾性フレームの端部を挿入することにより設置することを特徴とするサンシェード付き自立式ハンモック。
【請求項2】
前記連結部材は、差し込み孔を設けた略水平方向に延びる棒状の基軸部材と、該基軸部材の両端にハンモック用フレームに連結するためのフック部材と、を備えることを特徴とする請求項1記載のサンシェード付き自立式ハンモック。
【請求項3】
前記フック部材は、前記ハンモック用フレームの立ち上がり部の側面に合わさる内壁を有し、ハンモック布とは反対側の側面を切り欠いた平面略Cの字状の胴体を備えることを特徴とする請求項2記載のサンシェード付き自立式ハンモック。
【請求項4】
ハンモック布と、該ハンモック布の両端を吊持するための立ち上がり部を備えたハンモック用フレームと、を備えた自立式ハンモックに、吊持された前記ハンモック布の上方を覆うように弾性フレームで張設されたサンシェードを取り付けるための連結部材であって、前記弾性フレームの端部を挿入して前記サンシェードを設置するための差し込み孔を設けた基軸部材と、該基軸部材の両端に前記立ち上がり部に連結するためのフック部材と、を備えたことを特徴とする連結部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンモック布の上方を覆うように配置されるサンシェードを備えた自立式ハンモックに関する。
【背景技術】
【0002】
野外でのレジャーにおいて、人が気軽に休息するため、樹木がなくてもハンモックを設置できるようハンモック布を吊持するためのハンモック用フレームを備えた自立式のハンモックが知られている。
【0003】
しかしながら、このような自立式のハンモックは、日光を遮るような樹木がまったく無い場所で設置されることが多く、ハンモックで休息する人は直射日光を受け、必ずしも快適とはいえるものではなかった。また、野外においては雨除けが必要な場合もある。
【0004】
一方、人を直射日光等から保護するため、ハンモック布の上方にサンシェードを設ける場合には、横風等の力が加えられても、自立式ハンモックが転倒しないような構造にする必要がある。また、レジャーを楽しむためには野外に容易に持ち出し、簡単に組み立てることができるような構造とする必要がある。
【0005】
このように、自立式のハンモックにおいては、人を直射日光等から保護し、しかも強度や持ち運びにすぐれる、サンシェードを備えた自立式ハンモックの開発が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−194431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、人を直射日光等から保護し、しかも強度や持ち運びにすぐれる、サンシェードを備えた自立式ハンモックを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために本発明者が検討を行った結果、サンシェードを張設する弾性フレームの両端を、吊持されたハンモック布の両端付近に取り付けた連結部材に設けた差し込み孔に挿入することにより、サンシェード付きの自立式ハンモックが容易に組み立てられ、しかも強度にもすぐれることを見出し本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、ハンモック布と、該ハンモック布の両端を吊持するための立ち上がり部を備えたハンモック用フレームと、吊持された前記ハンモック布の上方を覆うように弾性フレームで張設されたサンシェードと、を備えたサンシェード付き自立式ハンモックであって、前記サンシェードは、前記ハンモック用フレームの
2本の立ち上がり部に
渡し掛けて取り付けた連結部材の差し込み孔に弾性フレームの端部を挿入することにより設置することを特徴とするサンシェード付き自立式ハンモックである。
【0011】
さらに本発明は、前記連結部材が、差し込み孔を設けた略水平方向に延びる棒状の基軸部材と、該基軸部材の両端にハンモック用フレームに連結するためのフック部材と、を備えることを特徴とするサンシェード付き自立式ハンモックである。
【0012】
さらに本発明は、前記フック部材が、前記ハンモック用フレームの立ち上がり部の側面に合わさる内壁を有し、ハンモック布とは反対側の側面を切り欠いた平面略Cの字状の胴体を備えることを特徴とするサンシェード付き自立式ハンモックである。
【0013】
また本発明は、ハンモック布と、該ハンモック布の両端を吊持するための立ち上がり部を備えたハンモック用フレームと、を備えた自立式ハンモックに、吊持された前記ハンモック布の上方を覆うように弾性フレームで張設されたサンシェードを取り付けるための連結部材であって、前記弾性フレームの端部を挿入して前記サンシェードを設置するための差し込み孔を設けた基軸部材と、該基軸部材の両端に前記立ち上がり部に連結するためのフック部材と、を備えたことを特徴とする連結部材である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、組み立てが容易でありながら、野外での使用において十分な強度を有するサンシェード付き自立式ハンモックを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図4】フック部材の構造を示す図((a)正面図、(b)平面図、(c)背面図)
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の組み立て式テントについて、図を参照しながら以下に説明する。但し、本発明は、実施するための形態として例示したものに限定されるものではない。また、本発明における構成部材の連結あるいは取り付けは、直接的な連結等だけでなく、他の部材を介した間接的な連結等も含むもので、対象となる2つの部材の取り付け部位の相対的な位置関係を略一定に保持するものであれば、特に断りがない限り、全てがこれに含まれる。
【0017】
サンシェード付き自立式ハンモック(1)は、ハンモック布(2)と、ハンモック布の両端を吊持するための立ち上がり部(10)を備えたハンモック用フレーム(3)と、吊持されたハンモック布(2)の上方を覆うように弾性フレーム(4)で張設されたサンシェード(6)と、サンシェードをハンモック用フレームに取り付けるための連結部材(7)と、を備えており、サンシェードは、立ち上がり部に取り付けた連結部材(7)の差し込み孔(8)に弾性フレームの端部を挿入することにより設置される(
図1、
図2)。
【0018】
連結部材の立ち上がり部への取り付け位置は、特に限定されるべきものではないが、吊持されたハンモック布の両端付近で取り付ければ、吊持されたハンモック布の上方を確実に覆うことができるとともに、サンシェードの高さが必要以上に高くならず、横風等を受けてサンシェードが歪んだり、壊れることを防止することができる。
【0019】
ハンモック布は、織布、不織布、網、あるいは人の体型に沿うように成型した成型物など、人の体を支えるものであれば、材質、形状を特に限定するものではなく、全てがこれに含まれる。また、ハンモック布の大きさは、人が寝転ぶことができる程度の大きさに限られず、腰掛けることができる程度の比較的小さいものも含まれる。
【0020】
ハンモック用フレーム(3)は、水平方向に延びる底部(11)と、斜め上方に延びる立ち上がり部(10)を備える。通常、底部は2本のパイプからなり、立ち上がり部は4本のパイプで構成されるが、これに限定されるものではない。ハンモック用フレーム(3)は、複数のパイプを連結することにより構成され、組立て分解を自在としている。ハンモック用フレーム(3)は、通常、金属製の丸パイプで構成されるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0021】
立ち上がり部(10)は、ハンモック布(2)とは反対側に斜めに立ち上がらせており、人の体重を支えるための強度を確保している。ただし、立ち上がり部の傾斜は、立ち上がり部の材質や補強の構造によっては、必ずしも必要ではなく、また傾斜角度も材質に応じて適宜設定すべきである。
【0022】
サンシェード(6)は、弾性フレーム(4)がサンシェード布(5)を張設することにより形成される。弾性フレームの数や材質は特に限定されるものではないが、
図1のように、2本の弾性フレーム(4a,4b)を使用すれば、強度にもすぐれ、ハンモック布全体を確実に覆うようにサンシェードを設置することができる。また、弾性フレームの材質を、繊維強化プラスチック(FRP)とすれば、腐食することがなく、耐久性にすぐれるため好ましい。
【0023】
弾性フレーム(4)は、
図1に示すように、サンシェード布(5)の表面に設けたスリーブの中を通すことにより、サンシェード布に取り付けることができるが、サンシェード布の表面にフックを取り付けておき、これを弾性フレームに係合するなどして取り付けることもできる。
【0024】
また、
図1に示すように、サンシェード布(5)の四隅に引張ゴム(18)を取り付け、引張ゴムの先端をハンモック用フレームの立ち上がり部(10)に設けたフックに係止すれば、サンシェード布のたるみをなくすことができ、また横風を受けた場合にもサンシェードがハンモック用フレームから外れることを防止できる。ただし、このような引張ゴムは、サンシェード布の形状や大きさによっては必ずしも必要ではない。
【0025】
弾性フレームを2本使用する場合には、
図2に示すように、2本の弾性フレーム(4a,4b)の端部を交差させながら、連結部材(7)の差し込み孔(8a,8b)に挿入することが好ましい。このように2本の弾性フレームを交差することにより、サンシェードの頂点付近における2本の弾性フレームの間隔を大きくすることができ、サンシェードの幅を大きく広げてハンモック布を確実に覆うことが可能となる。
【0026】
連結部材(7)は、
図2に示すように、ハンモック布(2)を吊持するよう斜め上方に延びる2本の立ち上がり部(10a,10b)に渡し掛けるようにハンモック用フレーム(3)に取り付ける。2本の立ち上がり部(10a,10b)は、下方向がやや広がるような略ハの字状となっており、連結部材が下方向にずり落ちることを防止している。また2本の立ち上がり部(10a,10b)は上部が円弧状に湾曲し互いに連結しており、その頂点付近には、吊持フック(9)が設けられている。吊持フック(9)は、ハンモック布の端部を吊持するためのものであり、ハンモック布の端部や端部に縫い付けた紐が取り付けられる。吊持フックの近傍に連結部材を配置すれば、ハンモック布全体をサンシェードで覆うことができる。
【0027】
連結部材(7)は、
図3に示すように、差し込み孔(8)を設けた略水平方向に延びる棒状の基軸部材(12)と、かかる基軸部材の両端にハンモック用フレームに連結するためのフック部材(13)と、を備える。
【0028】
基軸部材(12)は、円筒形状の金属製パイプからなり、金属製パイプの側面の長手方向に2つの差し込み孔(8a,8b)が設けられている。また、基軸部材(12)は、両端に備えたフック部材(13a,13b)が、下方向が広がるような略ハの字状の立ち上がり部(10a,10b)に対して垂直に連結するよう中央部で若干湾曲した形状としている。
【0029】
フック部材(13)は、基軸部材(12)の端部を差し込み連結するためのソケット部(15)と、ハンモック用フレームの2本の立ち上がり部に横方向(あるいは斜め上方向)から嵌合させて取り付けるため、立ち上がり部の側面に合わさる内壁を有するとともに、ハンモック布とは反対側の側面を切り欠いた略Cの字状の平面外形のフック部(14)を備えている(
図4)。
【0030】
フック部材(13)は、樹脂を金型により一体成型した成形品であり、切り欠いた開口部分(17)をハンモック用フレームの立ち上がり部に押し当てると、樹脂が備える弾性力にともない、開口部分が押し開かれるが、フック部(14)内に立ち上がり部が入り込むと開口部分が狭くなり、フック部材をハンモック用フレームに嵌合することができる。フック部材を取り付ける2本の立ち上がり部(10a,10b)は、下方向がやや広がるような略ハの字状となっており、2本の立ち上がり部の間隔は下方に向けて徐々に大きくなっている。このため、2つのフック部材(13a,13b)を取り付ける位置は、2本の立ち上がり部(10a,10b)の間隔が2つのフック部材の開口部分の間隔と等しくなる、所定の高さに限定されるとともに、一旦、フック部材を立ち上がり部に嵌合すれば、フック部材は上下方向に移動することもない(
図3)。
【0031】
フック部(14)は、サンシェード(6)を張設する2本の弾性フレーム(4a,4b)の弾性力により、ハンモック用フレームから外れることがないよう、ハンモック布とは反対側の側面を切り欠いて開口部分(17)としている。また、フック部の略Cの字状の平面外形は、特に、これに限定されるべきものではなく、円筒体あるいは多角筒体の側面を一部切り欠いて形成されるような形状であってもよい。
【0032】
ソケット部(15)には、ピン孔(16)を設けており、基軸部材を挿入した後、ピン孔にピンを差し込むことにより、基軸部材の回転や抜け落ちを防止することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 サンシェード付き自立式ハンモック
2 ハンモック布
3 ハンモック用フレーム
4 弾性フレーム
4a 弾性フレーム
4b 弾性フレーム
5 サンシェード布
6 サンシェード
7 連結部材
8 差し込み孔
8a 差し込み孔
8b 差し込み孔
9 吊持フック
10 立ち上がり部
10a 立ち上がり部
10b 立ち上がり部
11 底部
12 基軸部材
13 フック部材
13a フック部材
13b フック部材
14 フック部
15 ソケット部
16 ピン孔
17 開口部分
18 引張ゴム