(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6554552
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】ベンチュリ効果を使用して真空を生じさせるための装置
(51)【国際特許分類】
F04F 5/20 20060101AFI20190722BHJP
【FI】
F04F5/20 C
F04F5/20 A
【請求項の数】20
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-553341(P2017-553341)
(86)(22)【出願日】2016年4月13日
(65)【公表番号】特表2018-511733(P2018-511733A)
(43)【公表日】2018年4月26日
(86)【国際出願番号】US2016027229
(87)【国際公開番号】WO2016168261
(87)【国際公開日】20161020
【審査請求日】2019年3月20日
(31)【優先権主張番号】62/146,444
(32)【優先日】2015年4月13日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512309299
【氏名又は名称】デイコ アイピー ホールディングス,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】DAYCO IP HOLDINGS,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・イー・フレッチャー
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・エム・グレイチェン
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・エイチ・ミラー
(72)【発明者】
【氏名】キース・ハンプトン
【審査官】
田谷 宗隆
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭56−124299(JP,U)
【文献】
実公昭10−3437(JP,Y1)
【文献】
実開昭60−155800(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3122329(JP,U)
【文献】
特開2005−264758(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04F 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベンチュリ効果を使用して真空を生じさせるための装置であって、
吸引チャンバ、該吸引チャンバに向かって収束し且つ前記吸引チャンバと流体連通した起動管路、前記吸引チャンバから離れる方向において拡張し且つ前記吸引チャンバと流体連通した排出管路、および前記吸引チャンバと流体連通した吸引管路を形成したハウジングと、
前記吸引チャンバ内への流体流れを制御するための、前記吸引管路内の電磁弁であって、コイル内に受容された細長いシール部材と;自身を通じた第1ボアを備え、前記電磁弁の閉位置を形成した第1シールシートと;前記第1ボアに整列された第2ボアを形成し、該第2ボアを通じて、前記細長いシール部材が前記第1シールシートと係合するように移動可能であり、且つ該第2ボアから径方向外向きに放射状に広がった複数の流れチャネルを形成した第1コア部材と;前記第1シールシートから、前記第1シールシートに対して前記コイルの反対側の端部に開位置を形成した第2シートと;を備え、前記細長いシール部材は、前記第1シールシートと前記第2シートとの間を、前記コイル内において移動可能とされた、電磁弁と、を具備し、
前記細長いシール部材および前記第1コア部材の両方は、磁束を誘導する材料を備え、
前記開位置において、流体流れは前記第1ボア、および前記第1コア部材の複数の流れチャネルを通じて、前記細長いシール部材の外表面の周囲を流れ、
前記吸引チャンバ内では、前記起動管路の起動出口は、前記排出管路の排出入口と整列され且つ前記排出入口から所定の直線距離(VD)だけ離間されて、ベンチュリギャップを形成していることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記起動管路および前記排出管路の両方は、双曲線関数または放物線関数にしたがって、前記吸引チャンバから離れる方向に断面積を拡張していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記起動出口は、前記起動管路の内側に第1コーナー半径を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記排出入口は、前記吸引チャンバの壁と同一平面にあり、且つ第2コーナー半径を伴って前記壁に遷移しており、前記第2コーナー半径は前記第1コーナー半径よりも大きいことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記起動出口の断面積は、前記排出入口の断面積よりも小さいことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記起動管路は、前記吸引チャンバ内に突出し且つ前記吸引チャンバの1つ以上の側壁のすべてから離間されて配置された噴出口において終端となっており、それにより前記噴出口の外側面の全体の周りの吸引流れを提供していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記噴出口の外側面は、長手方向断面において見た場合、1つ以上の収束角度を伴って前記起動管路の流出端部に向かって収束していることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記ベンチュリギャップ(VD)の直線距離に対して垂直な断面で見て、前記吸引チャンバは、前記噴出口の下に丸まった内側底部を備えていることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記吸引チャンバは、10mm〜25mmの範囲内の内側幅を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記電磁弁は、通常は閉位置にあることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記吸引管路は、前記排出管路に平行に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
ベンチュリ効果を使用して真空を生じさせるための請求項1に記載の装置と、
前記起動管路に流体接続された増強圧力源と、
前記吸引管路に流体接続された、真空を必要とする装置と、
前記排出管路に流体接続された、前記増強圧力源よりも低い圧力の圧力源と、を備えていることを特徴とするシステム。
【請求項13】
コイルが巻き付けられ、且つ前記シール部材が内部に配置されたコアを形成したボビンをさらに備え、該ボビンは、前記シール部材の長手軸に平行に配向された流れチャネルを形成し、且つ前記細長いシール部材の外表面の周囲を流れる流体のための第1コア内の複数の流体チャネルの1つずつに整列された、離間されたガイド部材を備えていることを特徴とする、請求項1に記載のベンチュリ効果を使用して真空を生じさせるための装置。
【請求項14】
前記吸引チャンバの内壁に接して載置され、前記細長いシール部材と係合するように作用しているバネをさらに備えていることを特徴とする、請求項1に記載のベンチュリ効果を使用して真空を生じさせるための装置。
【請求項15】
前記吸引管路は、該吸引管路から前記排出管路へと吸引流れの方向に約180°の変化を生じた位置において、前記吸引チャンバに進入していることを特徴とする、請求項11に記載のベンチュリ効果を使用して真空を生じさせるための装置。
【請求項16】
ベンチュリ効果を使用して真空を生じさせるための装置であって、
吸引チャンバ、該吸引チャンバに向かって収束し且つ前記吸引チャンバと流体連通した起動管路、前記吸引チャンバの位置において排出入口を形成し、前記排出入口を起点として前記吸引チャンバから離れる方向において拡張し、且つ前記吸引チャンバと流体連通した排出管路、および前記吸引チャンバと流体連通した吸引管路を形成したハウジングと;
前記吸引チャンバ内への流体流れを制御するための、前記吸引管路内の電磁弁であって、
コイルが巻き付けられたボビンの内側に受容された細長いシール部材であって、前記ボビンおよび前記コイルは、コアの内側に載置され、該コアおよび前記ボビンは、前記細長いシール部材の外表面の周囲に複数の流体チャネルを集合的に形成した、細長いシール部材と;
前記吸引チャンバの内壁に接して載置され、前記細長いシール部材と係合するように作用しているバネと;
閉位置を形成したシールシート、および開位置を形成した反対側のシートと;を備え
前記細長いシール部材は、前記開位置と前記閉位置との間を、前記コイル内において移動可能とされた、電磁弁と;を備え、
前記吸引チャンバ内では、前記起動管路の起動出口は、前記排出管路の排出入口と整列され且つ前記排出入口から所定の直線距離(VD)だけ離間されて、ベンチュリギャップを形成していることを特徴とする装置。
【請求項17】
前記起動管路および前記排出管路の両方は、双曲線関数または放物線関数にしたがって、前記吸引チャンバから離れる方向に断面積を拡張していることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記ボビンは、前記シール部材の長手軸に平行に配向された流れチャネルを形成した、離間されたガイド部材を備えていることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記電磁弁は、通常は閉位置にあることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項20】
前記吸引管路は、前記排出管路に平行に配置されていることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2015年4月13日に出願された米国仮出願第62/146,444号明細書の利得を主張しており、それらは参照により本願に統合されている。
【0002】
本願は、ベンチュリ効果を使用して真空を生じさせるための装置、より具体的には、緩やかな起動流速により生じた、増大した吸引流れを有するそのような装置に関する。
【背景技術】
【0003】
エンジン、例えば自動車用エンジンは、小型化され且つ増強されており、そのことはエンジンから得られる真空を減少させている。この真空は、自動車ブレーキブースタによる使用を含んだ、潜在的な多くの用途を有する。
【0004】
この真空の不足への1つの解決策は、真空ポンプを装備することである。しかしながら、エンジンに対して真空ポンプはコストおよび重量面で顕著な不利益を有し、その電力消費は追加の発電機容量を必要とし、その効率の悪さは燃料節約の改善作用に悪影響を与える。
【0005】
別の解決策は、流入リークとして参照される、スロットルに並列なエンジン空気流れ経路を形成することにより真空を生じさせる吸引器である。このリーク流れは、真空を生じさせるベンチュリを通過する。現在入手可能な吸引器の問題は、それらが生じさせることが可能な真空質量流量の量により、およびそれらが消費するエンジン空気の量により制限されていることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特に起動流れが増強された起動流れである場合に、増大された吸引質量流量を生じさせる、改良されたデザインが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
特に起動流れが増強された起動流れである場合に、例えばターボチャージャまたはスーパーチャージャからの流れである場合に、増大された吸引質量流量を生じさせる装置が本願に開示されている。ベンチュリ効果を使用して真空を生じさせるための装置は、吸引チャンバ、吸引チャンバに向かって収束し且つ吸引チャンバと流体連通した起動管路、吸引チャンバから離れる方向において拡張し且つ吸引チャンバと流体連通した排出管路、および吸引チャンバと流体連通した吸引管路を形成したハウジングを備えている。吸引チャンバ内では、起動管路の起動出口は、排出管路の排出入口と全体的に整列され且つ排出入口から離間されて、ベンチュリギャップを形成し、吸引管路は、吸引管路から排出管路へと吸引流れの方向に約180°の変化を生じた位置において、吸引チャンバに進入している。
【0008】
起動管路および排出管路の両方は、双曲線関数または放物線関数にしたがって、吸引チャンバから離れる方向に断面積を拡張している。起動管路の起動出口は、起動管路内側に第1コーナー半径を有し、排出入口は、吸引チャンバの壁と全体的に同一平面にあり、且つ第2コーナー半径を伴ってその壁に遷移している。第2コーナー半径は、第1コーナー半径よりも好適に大きく、起動出口の断面積は、排出入口の断面積よりも小さい。
【0009】
ここに開示された装置の任意のバリエーションにおける起動管路は、吸引チャンバ内に突出した噴出口において終端となっており、吸引チャンバの1つ以上の側壁のすべてから離間されて配置され、それにより噴出口の外側面の全体の周りの吸引流れを提供している。噴出口の外側面は、長手方向断面において見た場合、1つ以上の収束角度を伴って起動管路の流出端部に向かって収束しており、吸引チャンバは、噴出口の下に全体的に丸まった内側底部を備えている。
【0010】
装置の多様な実施形態のすべてにおいて、吸引チャンバは、約10mm〜約25mmの内側幅を有し、吸引管路内に電気機械弁を具備して、吸引チャンバ内に流れる流体を制御している。電気機械弁は、好適に通常は閉位置にある電磁弁である。
【0011】
ベンチュリ効果を使用して真空を生じさせるための装置は、吸引チャンバ、吸引チャンバに向かって収束し且つ吸引チャンバと流体連通した起動管路、吸引チャンバから離れる方向において拡張し且つ吸引チャンバと流体連通した排出管路、および吸引チャンバと流体連通した吸引管路を形成したハウジングを備えている。吸引チャンバ内では、起動管路の起動出口は、排出管路の排出入口と全体的に整列され且つ排出入口から離間されて、ベンチュリギャップを形成し、起動管路は吸引チャンバ内に突出した噴出口において終端となっており、吸引チャンバの1つ以上の側壁から離間されて配置され、それにより噴出口の外側面の全体の周りの吸引流れを提供している。
【0012】
装置の多様な実施形態のすべてにおいて、吸引管路は、好適に排出管路に平行に配置され、噴出口の外側面は、起動管路の流出端部に向かって収束している。また、起動出口は、起動管路の内側に第1コーナー半径を有し、排出入口は、吸引チャンバ端壁と全体的に同一平面であり、第2コーナー半径を伴ってその壁へと遷移している。第2コーナー半径は前記第1コーナー半径よりも大きく、起動管路および排出管路の両方は、双曲線関数または放物線関数にしたがって、吸引チャンバから離れる方向に断面積を拡張している。起動出口の断面積は排出入口の断面積よりも小さく、吸引チャンバは、噴出口の下に全体的に丸まった内側底部を備えている。
【0013】
装置の多様な実施形態のすべてにおいて、電気機械弁が吸引管路内に配置され、吸引チャンバ内に流れる流体を制御している。電気機械弁は好適に、通常は閉位置にある電磁弁である。
【0014】
これまでにおよび以下に開示された装置のいずれか1つのような、ベンチュリ効果を使用して真空を生じさせるための装置を含んだシステムも、ここに開示されている。また、そのシステム内に含まれているのは、起動管路に流体連結された増強圧力源と、吸引管路に流体連結された、真空を必要とする装置と、排出管路に流体連結され大気圧と、である。大気圧は増強圧力よりも低い。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1A】ベンチュリ効果を使用して真空を生じさせる装置の側面を示した斜視図である。
【
図1B】
図1Aの装置の代替的な実施形態の、起動ポートの流入端部の側面を示した斜視図である。
【
図2】線A−Aに沿った、
図1の装置の側面の縦方向分解断面を示した図である。
【
図3】全体的に
図1の装置の起動ポート部の起動出口端部から見た側面を示した斜視図である。
【
図4】
図2の装置の破線の楕円C内部の部分の、側面の拡大断面を示した斜視図である。
【
図5】電磁弁を含んだ、ベンチュリ効果を使用して真空を生じさせる装置の側面を示した斜視図である。
【
図6】
図5の装置の側面の長手方向断面を示した図である。
【
図7】
図6の装置内に見られている電磁弁の分解断面を示した図である。
【
図8】
図5および
図6の装置内に見られている電磁弁を示した平面図である。
【
図9】
図5および
図6の装置内に見られている電磁弁を示した底面図である。
【
図10】
図5の装置の電磁弁の部分の代替的な実施形態の側面の一部を示した長手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の詳細な記載は、本発明の一般的な原理を記載しており、それらの例は添付図に追加的に示されている。図において、類似した参照符号は同一または機能的に類似した要素を示しており、例えば参照符号100および参照符号200のように最初の桁が異なっている場合、第1実施形態を第2実施形態から区別している。
【0017】
本願で使用された「流体」は、液体、懸濁液、コロイド、気体、プラズマ、またはそれらの組み合わせの任意のものを意味している。
【0018】
図1A〜
図4は、ベンチュリ効果を使用して真空を生じさせるための装置100を多様な視点から示している。装置100は、例えば自動車のエンジン(内燃機関)のようなエンジンに使用されて、自動車のブレーキ増強装置、ポジティブクランクケースベンチレーションシステム(positive crankcase ventilation system)、燃料蒸気キャニスタパージ装置、油圧弁および/または空気圧弁のような、真空を必要とする装置に真空を提供し得る。装置100は、管路104と流体連通した吸引チャンバ107を形成したハウジング106を含み(
図2)、装置は起動ポート108の起動入口132から排出ポート112の排出出口156へと延びている。装置100は、エンジンにまたはエンジンに接続された部品に接続可能な、少なくとも3つのポートを備えている。ポートは、(1)起動ポート108、(2)随意的な逆止弁(図示略)を通じて真空を必要とする装置180に接続可能な吸引ポート110、および(3)排出ポート112を含んでいる。これらのポート108、110、および112の各々は、個々のポートをホースまたはエンジンの他の部品に接続するために、その外表面にコネクタ機構117を含んでいてもよく、それは起動ポート108に関して
図1Bに示されている。
【0019】
ここで
図1Aおよび
図2を参照すると、吸引チャンバ107を形成したハウジング106は、起動ポート108近傍の第1端壁120、排出ポート112近傍の第2端壁122、および第1端壁120と第2端壁122との間に延びた少なくとも1つの側壁124を含んでいる。吸引チャンバは、横断面において見た場合に、全体的に洋ナシ形状であってよく、すなわち丸まった上部148および丸まった底部149を備え、丸まった上部は丸まった底部よりも狭い。
図2に示されたように、吸引チャンバ107は、容器118aおよび蓋118bを備えた二部品構成であってよく、蓋118bは流体密シールと共に容器118aのリム119内に、またはリム119に接触して位置している。ここで、容器118aは吸引ポート110および排出ポート112を含み、蓋118bは起動ポート108を含んでいるが、それに限定されるものではない。別の実施形態においては、容器は起動ポートを含み、蓋は吸引ポートおよび排出ポートを含み得る。
【0020】
さらに
図2を参照すると、起動ポート108は、吸引チャンバ107に向かって収束し且つ流体連通とされた起動管路109を形成し、排出ポート112は、吸引チャンバ107から離れる方向に向かって拡張し且つ流体連通とされた排出管路113を形成し、吸引ポート110は、吸引チャンバ107と流体連通した吸引管路111を形成している。これらの収束および拡張セクションは、内側管路109、111、または113の少なくとも一部の長さに沿って徐々に、連続的にテーパとなっている。起動ポート108は、起動入口132を備えた流入端部130および起動出口136を備えた流出端部134を含んでいる。同様に、吸引ポート110は、吸引入口142を備えた流入端部140および吸引出口146を備えた流出端部144を含み、起動出口136および吸引出口146の両方は、吸引チャンバ107内に抜けている。排出ポート112は、吸引チャンバ107近傍に、排出入口152を備えた流入端部150、および吸引チャンバ107から離れた位置に、排出出口156を備えた流出端部154を含んでいる。
図2に示されたように、吸引管路111は、吸引管路111から排出管路113への吸引流れの方向に約180°の変化を生じた位置において、吸引チャンバ107に進入している。したがって、吸引ポート110は、排出ポート112に全体的に平行である。
【0021】
組み立てられた装置100において、
図4に示されたように、特に吸引チャンバ107内では、起動管路109流出端部134、より詳細には起動出口136が、排出管路113の流入端部150において排出入口152と全体的に整列されて、且つ排出入口152から離間されており、ベンチュリギャップ160を形成している。ベンチュリギャップ160は、ここで使用されているように、起動出口136と排出入口152との間の直線距離VDを意味している。起動出口136は起動管路109の内側の第1コーナー半径162を有し、排出入口152は吸引チャンバ107の第2端壁122と全体的に同一平面上にあり、第1コーナー半径162よりも大きい第2コーナー半径164とともに第2端壁に遷移している。これらのコーナー半径162、164は、流れの方向に影響する曲率であるだけでなく、入口および出口全体の寸法を最大化させることを補助しているために、有利である。
【0022】
図2〜
図4を参照すると、起動管路109は吸引チャンバ107内に突出した噴出口170によって終端となり、この噴出口は、
図4に示されたように、約10mm〜約25mm、より好適に約15mm〜約20mmの内幅W1を有する。噴出口170は、吸引チャンバ107の1つ以上の側壁124のすべてから離間して配置され、それにより噴出口170の外表面172全体の周囲の吸引流れを提供する。外表面172は全体的に円錐台形状であり、起動管路109の流出端部134に向かって(
図3に示された)第1収束角度θ1とともに収束している。外表面172は、第1端壁120よりも流出端部134のより近傍へと、面取り174に遷移し得る。面取り174は、第1収束角度θ1よりも大きい第2収束角度θ2を有する。
図3に示されたように、面取り174は、全体的に円錐形外表面172から、全体的により丸められた角錐または楕円錐形へと変化している。噴出口170の下の吸引チャンバ107の底部は、全体的に丸められた内側底部を備え得る。外表面172および/または面取り174、ならびに吸引チャンバ107の内側底部は、排出入口152に向かった吸引流れに有利に案内されており、流れに対して最小の乱流/影響となる。
【0023】
噴出口170は壁厚さTを有し、それは装置100の構成のために選択された材料に依存して、約0.5mm〜約5mm、または約0.5mm〜約3mm、もしくは約1.0mm〜約2.0mmである。
【0024】
また、
図4に最もよく見られているように、起動出口136の断面積は排出入口152の断面積よりも小さく、この差はオフセットと称されている。断面積のオフセットは、装置100が統合されるシステムのパラメータによって変化し得る。一実施形態においては、オフセットは約0.1mm〜約2.0mmの範囲、またはより好適に約0.3mm〜約1.5mmの範囲とし得る。別の実施形態においては、オフセットは約0.5mm〜約1.2mmの範囲、またはより好適に約0.7mm〜約1.0mmの範囲とし得る。
【0025】
装置100が自動車用エンジンに使用される場合、自動車生産者は、一般的に吸引器のエンジンへのまたはその部品への接続のために得られる管/ホースのサイズに基づいて、起動ポート108および排出ポート112の両方のサイズを選択する。加えて、自動車生産者は、一般的にシステムにおいて使用するために得られる最大起動流速を選択し、それは起動流出端部134、すなわち起動出口136に形成された内側開口の面積を決定する。これらの制約内での作業により、開示された装置100は、エンジンの増強された状態の下に提供された緩やかな起動流速において、高い流速を生じさせることの所望の間の妥協を、顕著に減少する。妥協のこの減少は、吸引ポート110の向き、その内部幅および形状を含んだ吸引チャンバ107、起動ポート108の噴出口の構成、起動出口と排出入口とのオフセットを変更することにより、起動出口および/または排出入口にコーナー半径を加えることにより、ならびにベンチュリギャップVDを変化させることにより、達成されている。
【0026】
動作において、装置100、特に吸引ポート110は真空を必要とする装置(
図1参照)に接続されており、装置100は管路104を通じた流体、一般的に空気の流れによりその装置のために真空を生じさせる。管路104は概して装置の長さ方向に延びており、ベンチュリギャップ
160(
図4において付されている)はそれにより吸引チャンバ107内に形成されている。一実施形態においては、起動ポート108は、その起動管路の流体連通のために、増強圧力源と接続され、排出管路は、その排出管路の流体連通のために、増強圧力よりも低い大気圧と接続されている。そのような実施形態においては、装置100は排出装置として参照され得る。別の実施形態においては、起動ポート108は大気圧に接続されてよく、且つ排出ポートは、大気圧よりも低い圧力源に接続されてよい。そのような実施形態においては、装置100は吸引器として参照され得る。起動ポートから排出ポートへの流体(例えば空気)の流れは、起動管路へと流体を引きおろし、管路は、ここに記載されたように、まっすぐな円錐、放物線プロファイル、または双曲線プロファイルとし得る。面積の減少は、空気の速度の増大を引き起こす。これは密閉空間であるために、流体機械の法則は、流速が増大した場合、静圧が減少しなければならないことを述べている。収束した起動管路の最小断面領域は、ベンチュリギャップに突き当たる。空気が排出ポートへと移動し続けた場合、空気は排出入口および拡張排出管路を通る。拡張排出管路は真っすぐな円錐形、放物線プロファイル、または双曲線プロファイルのいずれかの形状を有する。随意的に、排出管路は、排出出口に結合するまで、直線、放物線プロファイル、または双曲線プロファイルの錐形として続くことが可能であり、または排出出口に到達する前に単純な円筒形もしくはテーパ管路に遷移することが可能である。
【0027】
吸引ポート110からベンチュリギャップ160内への空気の流速の増大の要求において、ベンチュリギャップの面積は、第1起動管路109の内側寸法全体を増大することなく(好適に質量流量を増大することなく)、排出入口152の周長を増大することにより増大されている。特に、起動出口136および排出入口152は、2014年6月3日に出願された同一出願人による米国特許出願第14/294,727号明細書において説明されたように非円形であり、それは円形断面を有する管路と同じ面積を有する非円形形状が、面積に対する周長の比を増大させるためである。無限数の非円形の形状の可能性が存在し、各々は周長および断面積を有する。これらは多角形、または互いに接続された直線セグメント、非円形曲線、およびフラクタル曲線を含んでいる。曲線のコストを最小化することは、製造および検査簡素にかつ容易にし、ならびに所望の周長を所有する。特に、起動および排出管路の内側断面に関する楕円形または多角形の実施形態は、先に参照された本願出願人の出願において論じられている。このことは周長を増大させ、周長は、ここに開示された起動出口の第1コーナー半径および排出入口の第2コーナー半径によりさらに増大され、ベンチュリギャップと吸引ポートとの間の交差面積を増大させる利点を再度提供し、吸引流れの増大に帰結している。
【0028】
そして、
図2に示されたように、起動管路109および排出管路113の両方は、吸引チャンバ107に向かって双曲線関数または放物線関数にしたがって断面を収束させている。起動入口132および排出出口156は同じ形状または異なった形状であってよく、全体的に長方形、楕円形、または円形であってよい。
図1Aおよび
図2において、起動入口132および排出出口156は円形として示されているが、起動出口136および排出入口152、すなわち各開口部の内部形状は長方形形状、または楕円形状である。他の多角形形状も可能であり、長方形または楕円形内部形状に限定されると、装置が解釈されるべきではない。
【0029】
起動管路109および/または排出管路の内側は、同じ一般的な形状を有するように構成され得る。例えば、先に特定された同時継続出願の
図7に示された形状は、起動流入端部130を起点とした面積A1を有する円形開口部であり、起動出口136においてA1よりも小さい面積A2を有する楕円形開口部へと、双曲線関数にしたがって徐々に連続的に遷移している。起動流入端部130の円形開口部は、双曲線により楕円形起動出口136に接続され、これは互いに平行な起動出口136における流線の利点を提供している。
【0030】
吸引ポート110により形成された吸引管路111は、
図1に示されたように、一定寸法の略円筒形管路であってよく、または円錐としてもしくは双曲線関数もしくは放物線関数として、吸引チャンバ107に向かってその長さに沿って収束した漸次的且つ連続的なテーパであってよい。
【0031】
図5〜
図9を参照すると、ベンチュリ効果を使用して真空を生じさせるための第2装置は、全体的に符号200として示されており、
図1A〜
図4に開示された実施形態に関して先に開示されたものと同一または類似の特徴を備えている。装置200は、吸引ポート210を通じた流体の流れを制御するための電磁弁260を含んでいる点において、装置100とは異なっている。
図5〜
図9に繰り返された前述の特徴は、「2」と共に開始すること以外は同じ符号を有し、これらの特徴の説明は以下に重複して行われていない。
【0032】
電磁弁260は吸引管路211内に載置されて、そこを流れる流体の流れを制御している。電磁弁260は蓋218b内に、容器218a内に、またはそれらの両方の部分内に形成された受容部258内に載置されてもよく、チャンバ207内に、特に第2端壁222の内側面に接触して載置され且つ電磁弁260のシール部材266に連結されたバネ259を含んでいる。
図6においては、電磁弁260は蓋218b内に形成された受容部258内に載置されている。受容部258は一体化されたシールシート、またはその内部に装着されたシールシート262を備え、流体密係合として電磁弁260のシール部材266と一体に結合している。シールシート262はボア274を形成し(
図7参照)、そこを通じて吸引管路211と流体的に整列している。ボア274は、電磁弁260の第1コア264内のボア278よりも小さく、電磁弁が閉位置にある場合、吸引管路211をシールしている。シールシート262は、シール部材266が接触して載置される曲面または傾斜面276を含んでいてもよい。
【0033】
電磁弁260は、
図7の左から右へと、第1コア264、シール部材266、ボビン268に巻き付けられたコイル270、および第2コア272を含んでいる。第1コア264、第2コア272、およびシール部材266はすべて、敏速に磁束を誘導する材料から形成されている。第1コア264は底部277を備えた概略カップ形状であり、自身を通じたボア278を形成している。ボア278は、シール部材266の外側寸法または外径よりも大きい直径を有するシール部材受容部278を含み、これによりシール部材266はそこを通じてシールシート262と係合状態へと、および係合解除状態へと少なくとも部分的に移動され、且つ複数の流れチャネル280が、シール部材受容部278から径方向外向きに放射状に形成されており、それは
図8において最もよく見えている。流れチャネル280は、シール部材266の周りのおよびハウジング206により形成されたチャンバ207内への流体流れを可能にしている。第2コア272は第1コア264に結合可能な概略平坦な円盤であり、シール部材266およびボビン268に巻き付けられたコイル270のためのハウジングを形成している。別の実施形態においては、第1コアは全体的に平坦な円盤であってよく、第2コアは全体的にカップ形状であってよい。別の実施形態においては、第1および第2コアは、各々が全体的にカップ形状であってよく、一体に結合してハウジングを形成してよい。別の実施形態においては、2つの全体的に平坦なコアが存在し、一方が272として形成され、他方が264の底部として形成されて、第3部材が264の軸部分のように全体的に円筒部形状とされ得る。
【0034】
第2コア272は、自身を通じたボア295を形成している。ボア295は、シール部材266の外側寸法に類似し且つバネ259の外径よりも大きい直径を有するシール部材シート部296、およびシール部材シート部296から径方向外向きに放射状に延びた複数の流れチャネル298を含んでおり、それらは
図9に最もよく見えている。シール部材シート部296は曲線状または傾斜されていてよく、そこに接触してシール部材266の結合部を受容している。一実施形態においては、シール部材シート部296は全体的に円錐受容部を形成している。バネ259はシール部材266に連結されて、閉位置とするためにシール部材266をシールシート262と係合するように付勢している。
図6に示したように、シール部材266はソリッド体であり、バネ259の第1端部がシール部材266の端部に接触して載置されている。しかしながら
図10の代替的な実施形態に示したように、シール部材266´は中空内側(すなわち中空コア267を形成している)であり、中空コア267内にバネ259の第1端部を受容している。両方の実施形態において、流れチャネル298は、シール部材266、266´の周りを、ハウジング206により形成されたチャンバ207へと流体が流れることを可能にしている。電磁弁260を通じた最大流体流れに関して、第1コア264の流れチャネル280および第2コア272の流れチャネル298は、互いに整列されている。
【0035】
ボビン268はコア271を形成し、その内部にはシール部材266が配置され且つ移動可能とされている。コア271は、ボビンのコアを形成した離間されたガイド部材294の間に流れチャネル293を形成し得る。ガイド部材294はシール部材266の長手軸に平行に向けられ、シール部材が開位置と閉位置との間を移動する場合に、シール部材266をガイドしている。ここで、電磁弁260を通じた最大流体流れに関して、流れチャネル293は、第1コア264の流れチャネル280および第2コア272の流れチャネル298と整列されている。ボビン268に巻き付けられたコイル270は、電磁弁260を励起するための電流源に接続可能な電気コネクタ(図示略)に接続されている。電気コネクタは、装置200により生じる吸引流れ(真空)の制御のための大量の選択肢を、エンジン設計者に提供している。
【0036】
図6〜
図9のシール部材266を参照すると、シール部材は、曲面の第1端部290および曲面の第2端部292を備えた、全体的に細長い本体289を備えている。細長い本体289は円筒形であり、第1端部290は全体的に円錐形の外側面を有し、シールシート262の曲面または傾斜面276と接触して載置されている。第2端部292も全体的に円錐形の外側面である。第2端部292は、第2コア272のシール部材シート部296に接触して載置されている。一実施形態においては、シール部材266はピントル(pintle)として参照され得る。シール部材266は、シール部材に磁気特性を与える1つ以上の材料から成り、これによりシール部材は、第1および第2コア264、272により生じた磁束に反応して、開位置へと移動することが可能である。
【0037】
図6の電磁弁260は、バネ259の位置に基づいて通常は閉じている。電流がコイル270に流された場合、磁束が第1および第2コア264、272を通じて生じる状態が励起され、シール部材266を第2コア272に向かって第2コア272と係合するように、特にそのシール部材シート部296と係合するように移動させて、これにより開位置となる。
【0038】
装置200への電磁弁260の追加は、簡素、安価、小型の電気的に励起される弁が、自動車のエンジンコンピュータのようなコントローラの使用を通じて、選択されたエンジン状態に基づいて吸引流れを制御するといった利点を提供する。これは、単にシステム内の圧力の変化に応じて開閉する逆止弁よりも有利である。
【0039】
図6に示されたように、電磁弁260は通常は閉じた弁であり、その一方でバネの位置が変更されて、これを通常は開いており、コントローラからの電気信号に応じて閉じる弁とし得ることが理解される。
【0040】
ここに開示された装置は、前述の電磁弁の構成部品を除いてプラスチック材料から形成され得るか、または自動車のエンジン内に使用することに適した他の材料から形成され、それは温度、湿度、圧力、振動、汚れ、および埃を含んだエンジンおよび路面状態に対抗し得る材料であり、射出成型または鋳造もしくは成型工程により製造され得る。
【0041】
本発明は特定の実施形態に関して示され且つ記載されたが、本明細書を読み且つ理解したうえで、変更が当業者によって生じさせられることは明らかであり、本発明はすべてのそのような変更を含んでいる。
【符号の説明】
【0042】
100、200 ・・・装置
104 ・・・管路
106 ・・・ハウジング
107、207 ・・・吸引チャンバ
108 ・・・起動ポート
109 ・・・起動管路
110、210 ・・・吸引ポート
111 ・・・吸引管路
112 ・・・排出ポート
113 ・・・排出管路
117 ・・・コネクタ機構
118a、218a ・・・容器
118b、218b ・・・蓋
119 ・・・リム
120 ・・・第1端壁
122、222 ・・・第2端壁
124 ・・・側壁
130、140、150 ・・・流入端部
132 ・・・起動入口
134、144、154 ・・・流出端部
136 ・・・起動出口
142 ・・・吸引入口
146 ・・・吸引出口
152 ・・・排出入口
156 ・・・排出出口
160 ・・・ベンチュリギャップ
162 ・・・第1コーナー半径
164 ・・・第2コーナー半径
170 ・・・噴出口
172 ・・・外表面
174 ・・・面取り
180 ・・・真空を必要とする装置
258 ・・・受容部
259 ・・・バネ
260 ・・・電磁弁
262 ・・・シールシート
264 ・・・第1コア
266、266´ ・・・シール部材
267 ・・・中空コア
268 ・・・ボビン
270 ・・・コイル
272 ・・・第2コア
274 ・・・ボア
278 ・・・ボア
280 ・・・流れチャネル
294 ・・・ガイド部材
295 ・・・ボア
296 ・・・シール部材シート部
298 ・・・流れチャネル