特許第6554559号(P6554559)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6554559-靴、特に運動靴 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6554559
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】靴、特に運動靴
(51)【国際特許分類】
   A43C 15/14 20060101AFI20190722BHJP
   A43B 5/00 20060101ALI20190722BHJP
   A43B 13/22 20060101ALI20190722BHJP
【FI】
   A43C15/14
   A43B5/00 303
   A43B13/22 A
【請求項の数】14
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-562586(P2017-562586)
(86)(22)【出願日】2016年5月11日
(65)【公表番号】特表2018-519037(P2018-519037A)
(43)【公表日】2018年7月19日
(86)【国際出願番号】EP2016000770
(87)【国際公開番号】WO2017194070
(87)【国際公開日】20171116
【審査請求日】2017年12月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】511264353
【氏名又は名称】プーマ エス イー
【氏名又は名称原語表記】PUMA SE
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】ススマン、ラインホルト
【審査官】 石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−512985(JP,A)
【文献】 特表2005−532845(JP,A)
【文献】 特開平01−285202(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 5/00−5/02
A43B 13/18
A43B 13/22
A43B 13/26
A43B 13/36
A43C 13/04
A43C 15/00
A43C 15/14
A43C 15/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴(1)、特に、ソール(2)がアッパー(3)に連結されている運動靴であって、
前記ソール(2)は、
底板(5)を有する第1のソール部分(4)であって、荷重方向(R)に伸張するいくつかの第1の緩衝要素(6)が前記底板(5)上に配置される第1のソール部分(4)と、
カバー板(8)を有する第2のソール部分(7)であって、荷重方向(R)に伸張するいくつかの第2の緩衝要素(9)が前記カバー板(8)上に配置される、第2のソール部分(7)と、
互いに連結されるいくつかの差し込み連結部(11)を備える連結部分(10)であって、それぞれの差し込み連結部(11)は、前記荷重方向(R)の下方に伸張する第1の差し込み部(12)、および前記荷重方向(R)の上方に伸張する第2の差し込み部(13)を備え、前記第1の差し込み部(12)は前記第1の緩衝要素(6)のある区分で係合するように設計され、前記第2の差し込み部(13)は前記第2の緩衝要素(9)のある区分で係合するように設計される、連結部分(10)と、を備え、
少なくともいくつかの下方に向けられた前記第1の差し込み部(12)は、前記第1の差し込み部(12)が、着用者の自重(F)による荷重方向(R)における前記ソール(2)の変形時に、前記着用者の前記自重が加えられない状態よりもさらに先に前記ソール(2)の下面(15)から突出するように、前記底板(5)における開口部(14)を通して伸張する構成において、
前記アッパー(3)は少なくとも前記第1のソール部分(4)と連結されることを特徴とする、靴。
【請求項2】
前記第1の緩衝要素(6)は前記底板(5)に一体的に形成される、および/または、前記第2の緩衝要素(9)は前記カバー板(8)に一体的に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の靴。
【請求項3】
前記第1の緩衝要素(6)は、中空体として設計され、その上端領域において中空円筒区分(16)を備える、および/または、前記第2の緩衝要素(9)は、中空体として設計され、その低端領域において中空円筒区分(17)を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の靴。
【請求項4】
前記第1の差し込み部(12)は、前記第1の緩衝要素(6)の前記中空円筒区分(16)に摩擦によって係合するように設計される、および/または、前記第2の差し込み部(13)は、前記第2の緩衝要素(9)の前記中空円筒区分(17)に摩擦によって係合するように設計されることを特徴とする、請求項3に記載の靴。
【請求項5】
前記第1の差し込み部(12)、および、前記第1の緩衝要素(6)の前記中空円筒区分(16)の内径は、取り付けられた状態で、前記第1の差し込み部(12)および前記中空円筒区分(16)がプレスばめによって互いに対して配置されるように、および/または、前記第2の差し込み部(13)、および、前記第2の緩衝要素(9)の前記中空円筒区分(17)の内径は、取り付けられた状態で、前記第2の差し込み部(13)および前記中空円筒区分(17)がプレスばめによって互いに対して配置されるように、互いに対して耐性があることを特徴とする、請求項3または4に記載の靴。
【請求項6】
前記第1のソール部(4)は、横方向上方に伸張する縁部(18)によって取り囲まれることを特徴とする、請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の靴。
【請求項7】
前記第1の緩衝要素(6)は、前記荷重方向(R)に実質的に垂直に伸張する連結区分(22)によって互いに連結される2つの部分中空体から成り、前記部分中空体のうちの1つは、前記緩衝要素(6)の上領域において前記中空円筒区分によって形成され、とりわけ、上側の前記部分中空体(16)の外側寸法は、底部の前記部分中空体の外側寸法より小さいことを特徴とする、請求項3〜のうちいずれか一項に記載の靴。
【請求項8】
前記第2の緩衝要素(9)は、前記荷重方向(R)に実質的に垂直に伸張する連結区分(23)によって互いに連結される2つの部分中空体から成り、前記部分中空体のうちの1つは、前記緩衝要素(9)の下領域において前記中空円筒区分(17)によって形成され、とりわけ、下側の前記部分中空体(17)の外側寸法は、前記上側の部分中空体の前記外側寸法より小さいことを特徴とする、請求項3〜のうちいずれか一項に記載の靴。
【請求項9】
前記連結部分(10)の前記差し込み連結部(11)は、複数の棒状のまたはロッド状の連結ロッド(24)によって互いに連結され、とりわけ、前記連結部分(10)の2つの隣接する差し込み連結部(11)はそれぞれ1つの連結ロッド(24)と連結されることを特徴とする、請求項1〜のうちいずれか一項に記載の靴。
【請求項10】
前記緩衝要素(6)全てを含む前記第1のソール部分(4)、前記緩衝要素(9)全てを含む前記第2のソール部分(7)、および前記差し込み連結部(11)全てを含む前記連結部分(10)はそれぞれ、一体成形部品として設計されることを特徴とする、請求項1〜のうちいずれか一項に記載の靴。
【請求項11】
前記アッパー(3)は嵌合連結によって前記ソール(2)と連結されることを特徴とする、請求項1〜10のうちいずれか一項に記載の靴。
【請求項12】
靴(1)、特に、ソール(2)がアッパー(3)に連結されている運動靴であって、
前記ソール(2)は、
底板(5)を有する第1のソール部分(4)であって、荷重方向(R)に伸張するいくつかの第1の緩衝要素(6)が前記底板(5)上に配置される第1のソール部分(4)と、
カバー板(8)を有する第2のソール部分(7)であって、荷重方向(R)に伸張するいくつかの第2の緩衝要素(9)が前記カバー板(8)上に配置される、第2のソール部分(7)と、
互いに連結されるいくつかの差し込み連結部(11)を備える連結部分(10)であって、それぞれの差し込み連結部(11)は、前記荷重方向(R)の下方に伸張する第1の差し込み部(12)、および前記荷重方向(R)の上方に伸張する第2の差し込み部(13)を備え、前記第1の差し込み部(12)は前記第1の緩衝要素(6)のある区分で係合するように設計され、前記第2の差し込み部(13)は前記第2の緩衝要素(9)のある区分で係合するように設計される、連結部分(10)と、を備え、
少なくともいくつかの下方に向けられた前記第1の差し込み部(12)は、前記第1の差し込み部(12)が、着用者の自重(F)による荷重方向(R)における前記ソール(2)の変形時に、前記着用者の前記自重が加えられない状態よりもさらに先に前記ソール(2)の下面(15)から突出するように、前記底板(5)における開口部(14)を通して伸張する構成において、
前記第2のソール部分(7)は、後部ソール領域(19)を覆うような拡張部を有し、前部ソール領域(20)を覆わないままにすることを特徴とする、靴
【請求項13】
前記連結部分(10)は、前記第2のソール部分(7)によって覆われる領域だけにおいて差し込み連結部(11)を備えることを特徴とする、請求項12に記載の靴。
【請求項14】
前記連結部分(10)は、前記第2のソール部分(7)によって覆われない領域に少なくとも1つの平坦な足載せ部(21)を備えることを特徴とする、請求項13に記載の靴。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴、特に、ソールがアッパーに連結されている運動靴に関する。
【背景技術】
【0002】
現状技術の一般的な種類の靴が周知である。ここで、運動靴を、とりわけ、運動靴として使用される場合に個々のニーズにできるだけ良好に適応させることができるようにしたいという要求があり、この要求は、とりわけ、靴の弾力および緩衝挙動に関することに当てはまる。
【0003】
さらに、靴は、その使用中、できるだけ経時的に不変で性質の変化がないようにすべきである。
【0004】
重要性が高まってきているさらなる一面としてリサイクル面がある。ここで、一般的な靴を設計し、それによって、正確に分類することで汚染を少なくすることができるようにすることが望まれる。
【0005】
また、具体的な応用として、例えば、ゴルフ靴としての使用が述べられるべきであり、この場合、該靴は、特殊な荷重条件でとりわけ芝生を正しくしっかり踏みしめるようにすることが必要とされ、その限りにおいて、とりわけ、靴の使用者の自重力および質量力それぞれによるパルス荷重が靴にかけられる時に、クリート効果が望まれる。しかしながら、かかる強力なパルス荷重が起こらない時、クリート効果は望まれないことが多い。それに従って、述べられたクリート効果を与える、ひいては、必要に応じて靴が地面をしっかり踏みしめる状態を改善する解決策が追求されるが、この場合、靴が(クリート効果がない)通常の性質を有することは除く。その限りにおいて、特殊な荷重条件(「要求に応じた把持力」)下にある、クリート機能を有する靴が望まれる。上述された要求の検討対象である、靴のこの機能性は、すぐにでも与えられることが最重要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第03/092423号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上述された種類の靴が、個々の要求に容易に適応可能となるように、ひいては、費用効率が高くなるように、該靴をさらに進展させることである。また、靴の廃棄物処理が容易に行われることを可能とする。本発明のさらなる重要な面は、靴で地面をしっかり踏みしめる状態を改善できるようにするのものとし、その限りにおいて、靴に強力な荷重がかけられる時に、靴のソールの地面に対する把持力が改善されるものとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるこの目的の解決策は、靴のソールが、
−底板を有する第1のソール部分であって、荷重方向に伸張するいくつかの第1の緩衝要素が底板上に配置される、第1のソール部分と、
−カバー板を有する第2のソール部分であって、荷重方向に伸張するいくつかの第2の緩衝要素がカバー板上に配置される、第2のソール部分と、
−互いに連結されるいくつかの差し込み連結部を備える連結部分であって、それぞれの差し込み連結部は、荷重方向の下方に伸張する第1の差し込み部、および荷重方向の上方に伸張する第2の差し込み部を備え、第1の差し込み部は第1の緩衝要素のある区分で係合するように設計され、第2の差し込み部は第2の緩衝要素のある区分で係合するように設計される、連結部分と、を備え、
少なくともいくつかの下方に向けられた第1の差し込み部は、第1の差し込み部が、着用者の自重による荷重方向におけるソールの変形時に、着用者の自重が加えられない状態よりもさらに先にソールの下面から突出するように、底板における開口部を通して伸張することを特徴とする。
【0009】
すなわち、このことは、第1の差し込み部が、着用者の自重力および質量力それぞれが対応して靴に強力にかけられる際にソールの底部側の外皮(ソールの表面)をある一定の量で対応して突出しかつ離れるため、クリートまたはスタッド機能を満たすように理解されるべきである。
【0010】
第1の緩衝要素は底板に一体的に形成されるのが好ましい、および/または、第2の緩衝要素はカバー板に一体的に形成されるのが好ましい。
【0011】
第1の緩衝要素は、好ましくは、中空体として設計され、その上端領域において中空円筒区分を備え、それに応じて、第2の緩衝要素は、好ましくは、中空体として設計され、その低端領域において中空円筒区分を備える。
【0012】
それによって、第1の差し込み部は、好ましくは、第1の緩衝要素の中空円筒区分に摩擦によって係合するように設計され、それに対応して、第2の差し込み部は、好ましくは、第2の緩衝要素の中空円筒区分に摩擦によって係合するように設計される。
【0013】
第1の差し込み部、および、第1の緩衝要素の中空円筒区分の内径は、好ましくは、取り付けられた状態で、第1の差し込み部および中空円筒区分がプレスばめによって互いに対して配置されるように、互いに対して耐性があり、それに対応して、第2の差し込み部、および、第2の緩衝要素の中空円筒区分の内径は、取り付けられた状態で、第2の差し込み部および中空円筒区分がプレスばめによって互いに対して配置されるように、互いに対して耐性があるようにすることができる。この場合、場合によってはソール部分の摩擦連結のみが考慮可能であるため、有益には、ソール部分を連結させる(とりわけ接着させる)別の措置を取らないようにすることができるけれども、このような措置は除外されない。
【0014】
第1のソール部分を、横方向上方に伸張する縁部によって取り囲むことができる。そうすることによって、第1のソール部分は、シェル形構造を得る。
【0015】
それによって、第2のソール部分は、後部ソール領域を覆うような拡張部を有することができ、前部ソール領域を覆わないままにする。この場合、さらには、連結部分が、第2のソール部分によって覆われる領域だけにおいて差し込み連結部を備えるようにすることができる。連結部分は、第2のソール部分によって覆われない領域に少なくとも1つの平坦な足載せ部を備えることができる。
【0016】
第1の緩衝要素は、好ましくは、荷重方向に実質的に垂直に伸張する連結区分によって互いに連結される2つの部分中空体から成る。この部分中空体のうちの1つは、緩衝要素の上領域において中空円筒区分によって形成される。それによって、とりわけ、上側の部分中空体の外側寸法は、底部の部分中空体の外側寸法より小さい。
【0017】
それに応じて、第2の緩衝要素は、荷重方向に実質的に垂直に伸張する連結区分によって互いに連結される2つの部分中空体から成るようにすることができる。この部分中空体のうちの1つは、緩衝要素の下領域において中空円筒区分によって形成される。とりわけ、下側の部分中空体の外側寸法は、上側の部分中空体の外側寸法より小さい。
【0018】
連結部分の差し込み連結部は、複数の棒状のまたはロッド状の連結ロッドによって互いに連結可能である。それによって、具体的には、連結部分の2つの隣接する差し込み連結部はそれぞれ1つの連結ロッドと連結されるようにする。
【0019】
緩衝要素全てを含む第1のソール部分、緩衝要素全てを含む第2のソール部分、および差し込み連結部全てを含む連結部分はそれぞれ、一体成形部品として設計可能である。材料の大部分はプラスチックである。
【0020】
それによって、アッパーは、第1のソール部分と連結されるのが好ましい。これによって、靴の着用者の自重力に起因する靴の弾力における改善された運動学がもたらされる。
【0021】
アッパーは、嵌合連結によって、本発明の好ましい実施形態によるソールと連結可能である。
【0022】
本発明の別の実施形態によると、靴の胴部、すなわちアッパー、およびそのソールは、合わせて縫製される。
【0023】
提案された解決策の可能な設計は、ソール、すなわち、少なくともかかと領域、すなわち後部ソール領域において、特許文献1に記載されかつこの文献が明示的に参照されるような緩衝要素の2つの特有の層から成るこのソールの緩衝層の構成である。それによって、上記の緩衝要素が重なり合って配置される2つの層は、差し込み式連結によって、格子状構造の連結部分によって互いに連結される。ソールの単一の部分を合わせて付着させることは、好ましくは、摩擦ロック連結によって排他的に行われ、そのために接着剤は使用されないのが好ましい。
【0024】
底部緩衝要素は、ケージ状に設計され、すなわち、シェル形設計であるのが好ましい。上側緩衝要素は、好ましくは、楔形であり、底部緩衝要素上に置かれる。両方の緩衝要素、要するに、上層および下層は、両側に配置される複数の軸方向に整合したピン(第1の差し込み連結部および第2の差し込み連結部)によって、格子状構造の連結部分によって互いに連結される。
【0025】
それによって、連結部分、すなわち、格子層は大部分が、中間ソールの全体の領域に沿って伸張し、上方に向けられたピン(着用者の足に向けられた)は、後部(および中央)ソール領域におけるかかとの楔形の領域においてのみ存在する。前部ソール領域(前足領域)において、連結部分は、第2の緩衝要素のピストン/シリンダ形構造を地上へ近づけ、これは、例えば、下の第1の緩衝要素のそれぞれの上の格子基部の椀形拡大部によって生じるのが好ましい。それによって、足、および追加で設けられた対応するインソール用の載置領域は増加するため、圧力の分布が改善される。
【0026】
ソール構造の緩衝性質は、例えば、単一構成部品の種々の材料および硬度それぞれによって調節できる。60〜95のショアーA硬度の範囲のプラスチック材料が好ましい。
【0027】
最初に、提案されたソール構造の利点は、上側の第2のソール部分が交換可能であることで、上記の部分を個々に適応させることが可能であることである。
【0028】
さらに、使用されるソール部分は、非常に良好な耐久性を有するため、永久変形が生じる傾向が少ないことは、有益である。
【0029】
また、構成部品を接着させる必要がないことは、非常に有益である。
【0030】
さらにまた、リサイクルに関して、(少なくとも部分的に)単一構成部品を正しく分類して分けることができることは、有益である。
【0031】
提案された靴およびその対応するソールのさらなるおよび中心的で有益な性質は、第1の差し込み部の設計、すなわち、同差し込み部の長さを正しく選定することによって、第1の差し込み部の軸方向下端は、着用者の自重力または質量力による靴および対応するソールの十分な荷重で、底板、または底板の下に配置されるアウターソールとすることができる、ソールの底部側の外皮から突出することで、クリートまたはスタッド機能を満たすようにすることである。それに従って、靴はとりわけ芝生上での踏みしめがより良好になるが、これはそれぞれの力が生じる時だけに存在する。具体的に強力なパルス荷重ピークが起こらない、正規の使用時に、第1の差し込み部の軸端は、外皮、すなわち、底板の下面およびアウターソールそれぞれから突出しないため、上記のクリート効果は生じず、靴は通例の標準的な着用時の快適さを有する。
【0032】
ストローベルソールがあってもなくても、アッパー部分の使用は可能である。
【0033】
ストローベルソールを有するアッパー部分において、胴部(アッパー)とソールとの間の差し込み部による連結が行われる、すなわち、ソールは胴部と接着も縫製もされず、いつでも胴部から分離可能である。その根拠は、第1のソール部分および第2のソール部分が差し込み式連結によって連結部分によって互いに連結されるという上述された原理である。
【0034】
それによって、第1の緩衝要素を有する第1のソール部分は、作動面、および述べられた第1の緩衝要素の一体層から成るのが好ましく、この一体層は、ソールに沿って部分的にまたは全面的に伸張する。
【0035】
胴部(すなわちアッパー)は、それによって、分布および位置に関して、連結部分の差し込み式連結による差し込み連結部(ピン)に対応する、インナーソールの領域において凹部(穴)を備えるのが好ましい。連結部分は、上側から胴部に挿入され、差し込み連結部(ピン)が凹部と一致するようにこの胴部に位置付けられる。緩衝要素の対応する層は、凹部を通して、底部側から(胴部の下)差し込み連結部と連結される、すなわち圧入される。その胴部は、次いで、連結部分と第1のソール部分との間で留められる。第2のソール部分は、次いで、上側から胴部に挿入され、連結部分上で差し込み接続される。
【0036】
連結部分を、ストローベルソールの代用として設けることも可能である。この実施形態は、上で説明されたものと同様であり、相違点は、胴部が凹部(穴)のあるストローベルソールを有さないが、ストローベルソールが連結部分(格子)によって置き換えられることである。この場合、対応する差し込み連結部を有する連結部分は、(好ましくは、65〜90のショアーA硬度の軟性プラスチック材料、皮革、合成皮革、または織物材料から作られた)追加の基部を有し、この基部は格子の空いている間隔を充填し、かつ胴部の縫製用の下張りを形成する。
【0037】
この「格子ストローベルソール」は、底部側で開いている胴部に縫製される。第1の緩衝要素および第2の緩衝要素は、底部側からおよび内側からそれぞれ差し込み接続される。
【0038】
一般に、第1の緩衝要素の底部側に、すなわち、その底板の底部側に、アウターソールが配置可能である。対応する荷重条件でアウターソールの底部側から第1の差し込み部を通すために、当然ながら、アウターソールに開口部が底板の開口部に対応するように、好ましくは同一平面上にあるように設けられる。
【0039】
図面において、本発明の一実施形態が示される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】運動靴の側面図である。
図2図1による運動靴のソールの分解組立図である。
図3】(3a)は、荷重のない状態が示されている、ソールの側面視の一部分の断面図、(3b)は靴の着用者の自重力および/または質量力がソールに作用していることを示す、図3aによる側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1では、運動靴であり、アッパー3およびソール2を備える靴1が示される。靴1は、目的とする使用中に地上に立ち、着用者の足が載せられる。この荷重は、一般に、靴の着用者の自重のみならず質量力であり、これらの力は、例えば、ゴルフスポーツで起こるような靴の着用者の対応する迅速な動きから生じる。それによって、荷重方向Rは、大部分が鉛直方向に対応することになる。そして、荷重方向Rにおいて、対応する力Fが作用する(図3bを参照)。
【0042】
図1において、それぞれが靴1の全長の約3分の1伸張する後部ソール領域19および前部ソール領域20が示され、これら領域間に、具体的には示されない中央ソール領域が配置される。
【0043】
図2および図3から、本発明によるソール2の設計を詳細に見ることができる。
【0044】
ソールは、第1の底部ソール部分4、および第2の上部ソール部分7を有する。両方のソール部分4、7は、連結部分10(これに関する詳細は以下を参照)によって、すなわち、差し込み式連結として接着剤を使用せずに互いに連結されるが、オプションとして接着剤も利用可能である。図2で見ることができるように、第1のソール部分4は、この部分がシェル形になるように、周方向にわたる縁部18を有する。
【0045】
第1のソール部分4の底部側に、アウターソール25が配置される。
【0046】
第1のソール部分4および第2のソール部分7は、対応する、第1の緩衝要素6および第2の緩衝要素9をそれぞれ備える。第1のソール部分4の第1の緩衝要素6は第1のソール部分4の底板5から上方に伸張し、第2のソール部分7の第2の緩衝要素9はカバー板8から下方に伸張する。
【0047】
アウターソール25は、とりわけ接着させるように、底板5と連結される。
【0048】
第1の緩衝要素6および第2の緩衝要素9は、一種のピストン/シリンダ緩衝システムとして設計される。それに従って、外側寸法がより小さい緩衝要素(「ピストン」)の中空区分は、外側寸法がより大きい中空体(「シリンダ」)として設計されている領域に進入することで、緩衝効果を進展させるようにする。
【0049】
それらの緩衝要素の設計に関して、特許文献1を明示的に参照する。
【0050】
その限りにおいて、第1の緩衝要素6および第2緩衝要素9が一種のピストン/シリンダユニットで設計されると述べられるものとし、連結区分22および23はそれぞれ、「ピストン」と「シリンダ」との間の連結をもたらす。
【0051】
それに従って、第1の緩衝要素6は、その上領域に中空円筒区分16を備え、第2の緩衝要素9は、その下領域に中空円筒区分17を備える。
【0052】
下側の第1の緩衝要素6は、連結部分10によって実現される差し込み連結部11を介して上側の第2の緩衝要素9と連結される。このために、連結部分10は、荷重方向Rに整合する第1の差し込み部12および第2の差し込み部13を備える複数の差し込み連結部11を備える。
【0053】
第2のソール部分7は実質的に後部ソール領域19のみ、また場合によって中央ソール領域も覆う拡張部を備えるが、前部ソール領域は第2のソール部分7がないままである。
【0054】
その限りにおいて、第2のソール部分7が楔形状に設計され、かつ、同ソールの下に置かれる連結部分10を完全に覆わないことは、図2から分かる。
【0055】
しかしながら、足の載置について、良好な圧力分布によって、連結部分10は結果的に、前部ソール領域20に配置される領域において、拡大した椀形足載せ部21を確実に有するようにする。
【0056】
連結部分10は、対応する下側の第1の差し込み部12および上側の第2の差し込み部13を有する単一の差し込み連結部11から成る。単一の差し込み連結部11は、連結ロッド24を介して互いに連結される。そのため、格子形構造によって全体として組み立て可能である連結部分10が生じる。
【0057】
そのため、提案された概念は、1つの態様に従って、重なり合って、すなわち直列に配置されるピストン/シリンダ状緩衝要素の2つの層に基づいている。この場合、重なり合って配置されるそれらの緩衝要素の連結は連結部分10によって達成される。
【0058】
ここで、摩擦係合による接着剤なしの連結のみが行われる。もっと正確に言えば、第1のソール部分および第2のソール部分を貼り合わせるのは、連結部分によって行われる。
【0059】
提案された概念のさらなる実質的な態様はとりわけ、図3aおよび図3bから生じる。図3aは、ソールに実質的な荷重がない状態を示す。ここでは、また、普通の通常の荷重で生じるが具体的な荷重のピークがなく起こるような力が含められ得る。しかしながら、図3bでは、力Fがソール2に作用し、示された変形につながる場合の状態が示されている。この力Fは、例えば、ゴルフクラブで打っている間に靴の着用者の迅速な動きで起こる、靴の着用者の自重力、また質量力外である場合を含む。
【0060】
下方に向けられた第1の差し込み部12が、比較的長いものであり、底板5における開口部14を通して、さらには、アウターソール25における対応する開口部26を通して、伸張可能であることで、第1の差し込み部12が、(図3aおよび図3bの図示を比較して)図3bによる力Fによってソール2の示された変形でソール2の底面15から突出することを見ることができる。結果として生じる張り出しはaで示されている。
【0061】
そのため、力Fが対応して加えられる靴およびそれに対応するソールは、クリートまたはスタッドソール性質をもたらす、すなわち、張り出しaを有する外皮(下面15)から突出する第1の差し込み部12の軸端によって、差し込み部の貫通を可能とする限り、地上での形態が限定された踏みしめ(form−closed hold)が見出されるという結果が生じる。
【0062】
これは、例えば、ゴルフクラブで打つ際に使用可能である、すなわち、該靴によって、述べられた性質、および、その瞬間の地上での改善された踏みしめがもたらされるが、それ以外ではこの効果は生じない。
【0063】
靴に荷重がかからない時に、差し込み部12の軸端が底面15と同一平面上にある(図3aを参照)ようにすることは、必須ではないが好ましい。しかしながら、差し込み部12の軸端は、外力なしで底面15に対して陥凹し、対応する力Fのみで表面15を超えて突出するようにすることができる。
【0064】
ソール2の弾性変形において、ピンの端部(第1の差し込み部12の端部)は、ソールの表面15から地上への方向に突出し、地表を貫通することができる。このような解決策は、とりわけ、ゴルフスポーツにとって興味深いものとなる。また、このような解決策は、例えば、サッカー、とりわけ、人工芝上での使用を対象とする。
【0065】
実施形態は、力Fを加えずに、最初に、ソールの表面15の底部側と、第1の差し込み部12の軸端との間に同一面が与えられた後、ソール荷重時に、第1の差し込み部12の軸端がソールの表面15から地上への方向に突出する場合を示す。
【0066】
しかしながら、さらにもたらすことができることだが、これは、明示的に、本発明による本概念の適用範囲に入れられ、既に、靴およびそれに対応するソールの非荷重状態において、第1の差し込み部12の軸端は表面15からある一定の量で突出するため、ある一定の(依然小さいが)クリート効果をもたらす。そして、靴およびそれに対応するソールに力Fがかけられる際に、第1の差し込み部12の軸端は、ソールの表面15からさらに突出し、目的とするクリートまたはスタッド効果を増大させる。よって、地上でのソールの把持力は、力Fをかけると対応して増大する。
【0067】
アッパーが第1のソール部分に直接配置される場合、靴の跳ね返る動きが、アッパー部分と足との間の相対的な動きを減少させることは、有益である。
【0068】
一般に、アッパー3とソール2との連結は種々のやり方で行うことができる。
【0069】
アッパー3は、着用者の足のソール周りにわたる閉(ソックス状)構造として設計可能である。この場合、例えば、下側の終止は、アッパー部分が縫製されるストローベルソールによって実現される。ストローベルソールにおいて、連結部分10の差し込み連結部(すなわち穴パターン)の位置に対応する開口部(切り込み部)が機械加工可能である。そして、ソール2の組み立て時に、そのように準備されたアッパーは、単一のソール部分間に設置されることで、ストローベルソール、要するにアッパー3は、ソール2と嵌合連結される。
【0070】
ソール部分のうちの1つの射出成形プロセスにおいて、射出成形ツールに織物材料区分が設置される。この場合、上記の材料区分は、ストローベルソール、および、アッパー3の一部分それぞれを形成する。そのため、ソール部分のうちの1つと織物材料区分との間に、射出成形プロセスによって生じる確固な連結、ひいては、ソール2の組み立て後のソール2とアッパー3との間の連結が存在する。述べたソール部分は、それによって、とりわけ、連結部分10または第2のソール部分7とすることができる。
【0071】
述べられたやり方でのソール部分の射出時に、織物材料は、以前に、ピンの穴パターンによる対応する穿孔が設けられることで、射出成形ツールに挿入されるようにすることもできる。
【0072】
さらに、この概念の変種として、キャリア材料と類似のストローベルソール機能を形成する述べられた織物材料区分は、射出成形ツールに挿入され、次いでこの織物材料区分上に、射出成形プロセスによって、説明された差し込み式連結を生じさせるために必要とされる格子構造のみが施される。従って、とりわけ、第2のソール部分7が考慮可能である。
【0073】
説明されたやり方によって、第2のソール部分7が織物材料区分を備える場合、有益には、この機能がそのやり方でもたらされるストローベルソールによって実現されることに起因する場合があるため、挿入されたソールを使用せずに行われ得る。そのため、かかるやり方でもたらされる部分は、ストローベルソールとして使用され、説明されたソール用の差し込み式連結を含む。
【0074】
有益には、非常に可撓性があり軽量な複合材料によって、容易に縫製可能になる。
【0075】
有益には、また、第1のソール部分4における周縁部18なしで行うことができる。
【0076】
それによって、締め紐用バンデージは、射出成形ツールに挿入される織物材料区分の一部分であるようにすることもできる。
【0077】
対応する設計によって、有益には、再び、容易なやり方で生じさせることができる可撓性があり軽量な構成をもたらすことが実現可能である。ソールのプラスチック製格子の基部はここで、明確に画定され、正しく設計され、良好に密閉される。さらに、補強材(例えばヒールキャップ)を容易に一体化させることができる。
【0078】
上述された変種が、それぞれソールの画定された領域において(すなわち、例えば、前足領域、中足領域、またはかかと領域において)のみ使用される限りにおいて、組み合わせて使用されるようにすることもできる。例えば、差し込み式連結に必要とされる格子は、ストローベルソールにおける前足領域においてのみ直接射出されるが、これは、接合(すなわち中足)領域には該当しないため、アッパーとソールとの連結は、ここでは、(ストローベルソールにおける述べられた穴パターンによって)差し込み連結としてのみ行われることになる。
【0079】
この変種のメリットは、靴に存在するプラスチック領域がなく、靴において緩衝させる動きが起こらないことである。さらに、靴およびそれに対応するソールの組み立ては非常に容易である。
【0080】
説明された概念のさらなる変種として、はっきり言えば、実質的に、第1のソール部分4においてまたはその内部で縁部18なしで行われるが、ある種の縁部18における縁部領域は、ソールのつま先の領域およびソールのヒールの領域において(のみ)設けられるようにすることができる。
【0081】
好ましくは、ソールの単一部分は、ポリオレフィンエラストマー(例えば、TPE−S、TPU、またはPA)から作られる。
【0082】
また、アッパー部分として、編物材料を設けることができる。
【符号の説明】
【0083】
1 靴
2 ソール
3 アッパー
4 第1のソール部分
5 底板
6 第1の緩衝要素
7 第2のソール部分
8 カバー板
9 第2の緩衝要素
10 連結部分
11 差し込み連結部
12 第1の差し込み部
13 第2の差し込み部
14 底板における開口部
15 表面(外皮)
16 中空円筒区分
17 中空円筒区分
18 縁部
19 後部ソール領域
20 前部ソール領域
21 足載せ部
22 連結区分
23 連結区分
24 連結ロッド
25 アウターソール
26 アウターソールにおける開口部
R 荷重方向
F 力(自重)
a 張り出し
図1
図2
図3