特許第6554561号(P6554561)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6554561
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】セル選択
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/16 20090101AFI20190722BHJP
   H04W 48/10 20090101ALI20190722BHJP
【FI】
   H04W48/16 131
   H04W48/10
【請求項の数】4
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-564792(P2017-564792)
(86)(22)【出願日】2015年3月6日
(65)【公表番号】特表2018-507668(P2018-507668A)
(43)【公表日】2018年3月15日
(86)【国際出願番号】EP2015054733
(87)【国際公開番号】WO2016141955
(87)【国際公開日】20160915
【審査請求日】2017年11月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】513311642
【氏名又は名称】ノキア ソリューションズ アンド ネットワークス オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100158469
【弁理士】
【氏名又は名称】大浦 博司
(72)【発明者】
【氏名】ヘンットネン テロ
(72)【発明者】
【氏名】ファン ウンヒ
【審査官】 松本 光平
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/085324(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0291927(US,A1)
【文献】 特開2002−112302(JP,A)
【文献】 特表2013−516930(JP,A)
【文献】 特表2012−501119(JP,A)
【文献】 特開2000−278735(JP,A)
【文献】 特開2010−074699(JP,A)
【文献】 Telefon AB LM Ericsson, ST-Ericsson,Enhanced Fast Acquisition of System Information procedure,3GPP TSG GERAN #51 GP-111231,3GPP,2011年 8月29日,p.1-5,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_geran/tsg_geran/GERAN_51_Gothenburg/Docs/GP-111231.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線アクセスネットワークの複数の無線リソースについてのそれぞれの対の主優先度インジケータ値と補助優先度インジケータ値を、前記無線アクセスネットワークによる1つまたは複数の送信において検出するステップと、
サービングセルとして採用するセルを、前記主インジケータ値と前記補助インジケータ値との両方に少なくとも部分的に基づいて選択するステップと、
複数のセルのそれぞれについての前記無線リソースについての第3の優先度インジケータ値を、前記無線リソースについての前記それぞれの対の主優先度インジケータ値と補助優先度インジケータ値から計算するステップと、
前記複数のセルのいずれをサービングセルとして採用するかを、前記第3の優先度インジケータ値の比較に少なくとも部分的に基づいて決定するステップと、
を含
前記複数の無線リソースについての前記主優先度インジケータ値が、前記複数の無線リソースについての優先順位のインジケーションを第1の分解度に提供し、前記複数の無線リソースについての主優先度インジケータ値と補助優先度インジケータ値との組み合わせが、前記複数の無線リソースについての優先順位のインジケーションを前記第1の分解度より高い第2の分解度に提供
前記主優先度インジケータ値が、ある範囲の整数値を示し、前記補助優先度インジケータ値が前記整数値の分数を示す、
方法。
【請求項2】
複数のセルからサービングセルとして採用するセルを、前記複数のセルについての前記無線リソースについての前記主優先度インジケータ値の比較に少なくとも部分的に基づいて選択し、前記複数のセルのうちの1つまたは複数が、同じ主優先度インジケータ値をもつ無線リソースを有する場合には、前記1つまたは複数のセルについての前記無線リソースについての前記補助優先度インジケータ値の比較にさらに基づいて選択するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
プロセッサと、コンピュータプログラムコードを含むメモリとを備える装置であって、前記メモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記プロセッサによって、前記装置に、
無線アクセスネットワークの複数の無線リソースについてのそれぞれの対の主優先度インジケータ値と補助優先度インジケータ値を、前記無線アクセスネットワークによる1つまたは複数の送信において検出させ、
サービングセルとして採用するセルを、前記主インジケータ値と前記補助インジケータ値との両方に少なくとも部分的に基づいて選択させ
複数のセルのそれぞれについての前記無線リソースについての第3の優先度インジケータ値を、前記無線リソースについての前記それぞれの対の主優先度インジケータ値と補助優先度インジケータ値から計算させ、
前記複数のセルのいずれをサービングセルとして採用するかを、前記第3の優先度インジケータ値の比較に少なくとも部分的に基づいて決定させるように構成されており、
前記複数の無線リソースについての前記主優先度インジケータ値が、前記複数の無線リソースについての優先順位のインジケーションを第1の分解度に提供し、前記複数の無線リソースについての主優先度インジケータ値と補助優先度インジケータ値との組み合わせが、前記複数の無線リソースについての優先順位のインジケーションを前記第1の分解度より高い第2の分解度に提供
前記主優先度インジケータ値が、ある範囲の整数値を示し、前記補助優先度インジケータ値が前記整数値の分数を示す、
装置。
【請求項4】
コンピュータにロードされると、前記コンピュータを制御して、
無線アクセスネットワークの複数の無線リソースについてのそれぞれの対の主優先度インジケータ値と補助優先度インジケータ値を、前記無線アクセスネットワークによる1つまたは複数の送信において検出し、
サービングセルとして採用するセルを、前記主インジケータ値と前記補助インジケータ値との両方に少なくとも部分的に基づいて選択し、
複数のセルのそれぞれについての前記無線リソースについての第3の優先度インジケータ値を、前記無線リソースについての前記それぞれの対の主優先度インジケータ値と補助優先度インジケータ値から計算し、
前記複数のセルのいずれをサービングセルとして採用するかを、前記第3の優先度インジケータ値の比較に少なくとも部分的に基づいて決定する
プログラムコード手段を含むコンピュータプログラムであって、
前記複数の無線リソースについての前記主優先度インジケータ値が、前記複数の無線リソースについての優先順位のインジケーションを第1の分解度に提供し、前記複数の無線リソースについての主優先度インジケータ値と補助優先度インジケータ値との組み合わせが、前記複数の無線リソースについての優先順位のインジケーションを前記第1の分解度より高い第2の分解度に提供
前記主優先度インジケータ値が、ある範囲の整数値を示し、前記補助優先度インジケータ値が前記整数値の分数を示す、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
セルラー無線アクセスネットワークにおけるセル選択(セル再選択を含む)は、通信デバイスが、アクセスネットワークとの接続を開始するためのセルを決定すること、またはアイドルモードにおいて、たとえばブロードキャスト情報およびページングを受信するためにキャンプ(camp)オンするセルを決定することを伴う。
【0002】
たとえば、無線アクセスネットワークのリソースにわたる負荷のバランスを保つことを容易にするために、ある既存の技法は、無線アクセスネットワークが、セル選択についてのネットワークの優先に関する情報を、無線アクセスネットワークの複数の無線リソースについての優先度レベルインジケータ(indicator)値の形でブロードキャストすることによって、接続されていない/アイドル状態の通信デバイスによるサービングセルの選択を案内することを伴う。たとえば、通信デバイスが、無線アクセスネットワークによる送信(transmissions)中の情報から、この通信デバイスがキャンプオンしている現在のサービングセルの優先度レベルより高いネットワーク優先度レベルを有する1つまたは複数の無線リソースを特定した場合、通信デバイスは、新たなサービングセルを選択する処理の一部として、それらの無線リソースを特徴とする1つまたは複数のセルについての基準信号の測定を行う。
【0003】
より詳細に述べると、通信デバイスは、無線アクセスネットワークが8つの所定の優先度レベル(0〜7)のうちの1つを各無線リソースに割り当て、通信デバイスが、無線リソースに割り当てられた優先度レベルの3ビットのインジケータを探し、これらの8つのレベルのうちの最も高いレベルを有する無線リソースを特徴とする1つまたは複数のセルについて基準信号測定を行うであろうことに基づいて、構成され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願の発明者らは、この技法のいくつかの欠点を明らかにし、向上した技法を提供するという目的を明確にした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
無線アクセスネットワークの複数の無線リソースについてのそれぞれの対の主優先度インジケータ値と補助優先度インジケータ値を、前記無線アクセスネットワークによる1つまたは複数の送信において検出するステップと、サービングセルとして採用するセルを、前記主インジケータ値と前記補助インジケータ値との両方に少なくとも部分的に基づいて選択するステップと、を含む方法であって、前記複数の無線リソースについての主優先度インジケータ値が、前記複数の無線リソースについての優先順位のインジケーション(indication)を第1の分解度(degree of resolution)に提供し、前記複数の無線リソースについての主優先度インジケータ値と補助優先度インジケータ値との組み合わせが、前記複数の無線リソースについての優先順位のインジケーションを前記第1の分解度より高い第2の分解度に提供する方法が、本明細書において提供される。
【0006】
一実施形態によれば、本方法は、複数のセルからサービングセルとして採用するセルを、前記複数のセルについての無線リソースについての前記主優先度インジケータ値の比較に少なくとも部分的に基づいて選択し、前記複数のセルのうちの1つまたは複数が、同じ主優先度インジケータ値をもつ無線リソースを有する場合には、前記1つまたは複数のセルについての無線リソースについての前記補助優先度インジケータ値の比較にさらに基づいて選択するステップさらに含む。
【0007】
一実施形態によれば、本方法は、複数のセルのそれぞれについての無線リソースについての第3の優先度値を、無線リソースについてのそれぞれの対の主優先度値と補助優先度値から計算するステップと、前記複数のセルのいずれをサービングセルとして採用するかを、前記第3の優先度インジケータ値の比較に少なくとも部分的に基づいて決定するステップとをさらに含む。
【0008】
一実施形態によれば、前記主インジケータ値は単位値(unit value)の倍数を示し、前記第2の主インジケータ値は前記単位値の単位分数(unit fraction)の倍数を示す。
【0009】
主優先度インジケータ値および補助優先度インジケータ値を無線アクセスネットワークの複数の無線リソースに、前記無線アクセスネットワークによる送信および1つまたは複数の通信デバイスによる検出のために割り当てるステップを含む方法であって、前記複数のセルについての主優先度インジケータ値が、前記複数の無線リソースについての優先順位のインジケーションを第1の分解度に提供し、前記複数の無線リソースについての主優先度インジケータ値と補助優先度インジケータ値との組み合わせが、前記複数の無線リソースについての優先順位のインジケーションを前記第1の分解度より高い第2の分解度に提供する方法も提供される。
【0010】
一実施形態によれば、サービングセルとして採用するセルを選択する場合に、前記無線リソースの1つまたは複数が同じ主優先度インジケータ値を有するとき、補助優先度インジケータ値は、少なくともいくつかの通信デバイスによって、比較すべき値として認識可能である。
【0011】
一実施形態によれば、無線リソースについての第3の優先度値は、少なくともいくつかの通信デバイスに既知の1つまたは複数の所定の規則に従って、無線リソースについてのそれぞれの対の主優先度値と補助優先度値から計算可能である。
【0012】
一実施形態によれば、前記主インジケータ値は単位値の倍数を示し、前記第2の主インジケータ値は前記単位値の単位分数の倍数を示す。
【0013】
本明細書では、無線アクセスネットワークの1つまたは複数の無線リソースについての主優先度インジケータ値と補助優先度インジケータ値を、1つまたは複数の通信デバイスによる検出のために送信するステップを含む方法であって、無線リソースについての補助優先度インジケータ値が、前記無線リソースと同じ主優先度インジケータ値を有する1つまたは複数の他の無線リソースに対する前記無線リソースについての優先度のインジケーションとして、少なくともいくつかの通信デバイスに認識可能である方法も提供される。
【0014】
一実施形態によれば、サービングセルとして採用するセルを選択する場合、無線リソースについての補助優先度インジケータ値は、前記無線リソースと同じ主優先度インジケータ値を有する1つまたは複数の他の無線リソースについての補助優先度インジケータ値と比較すべき値として、少なくともいくつかの通信デバイスによって認識可能である。
【0015】
一実施形態によれば、無線リソースについての第3の優先度値は、少なくともいくつかの通信デバイスに既知の1つまたは複数の所定の規則に従って、前記無線リソースについての主優先度値と補助優先度値から計算可能である。
【0016】
一実施形態によれば、前記主インジケータ値は単位値の倍数を示し、前記第2の主インジケータ値は前記単位値の単位分数の倍数を示す。
【0017】
一実施形態によれば、前記複数の無線リソースは、1つまたは複数の無線アクセス技術のための複数の搬送周波数を含む。
【0018】
本明細書では、プロセッサと、コンピュータプログラムコードを含むメモリとを備える装置であって、メモリおよびコンピュータプログラムコードが、プロセッサによって、装置に、無線アクセスネットワークの複数の無線リソースについてのそれぞれの対の主優先度インジケータ値と補助優先度インジケータ値を、前記無線アクセスネットワークによる1つまたは複数の送信において検出させ、サービングセルとして採用するセルを、前記主インジケータ値と前記補助インジケータ値との両方に少なくとも部分的に基づいて選択させるように構成されており、前記複数の無線リソースについての主優先度インジケータ値が、前記複数の無線リソースについての優先順位のインジケーションを第1の分解度に提供し、前記複数の無線リソースについての主優先度インジケータ値と補助優先度インジケータ値との組み合わせが、前記複数の無線リソースについての優先順位のインジケーションを前記第1の分解度より高い第2の分解度に提供する装置も提供される。
【0019】
一実施形態によれば、メモリおよびコンピュータプログラムコードは、プロセッサによって、装置に、複数のセルからサービングセルとして採用するセルを、前記複数のセルについての無線リソースについての前記主優先度インジケータ値の比較に少なくとも部分的に基づいて選択させ、前記複数のセルのうちの1つまたは複数が、同じ主優先度インジケータ値をもつ無線リソースを有する場合には、前記1つまたは複数のセルについての無線リソースについての前記補助優先度インジケータ値の比較にさらに基づいて選択させるようにさらに構成されている。
【0020】
一実施形態によれば、メモリおよびコンピュータプログラムコードは、プロセッサによって、装置に、複数のセルのそれぞれについての無線リソースについての第3の優先度値を、無線リソースについてのそれぞれの対の主優先度値と補助優先度値から計算させ、前記複数のセルのいずれをサービングセルとして採用するかを、前記第3の優先度インジケータ値の比較に少なくとも部分的に基づいて決定させるようにさらに構成されている。
【0021】
一実施形態によれば、前記主インジケータ値は単位値の倍数を示し、前記第2の主インジケータ値は前記単位値の単位分数の倍数を示す。
【0022】
プロセッサと、コンピュータプログラムコードを含むメモリとを備える装置であって、メモリおよびコンピュータプログラムコードが、プロセッサによって、装置に、主優先度インジケータ値および補助優先度インジケータ値を無線アクセスネットワークの複数の無線リソースに、前記無線アクセスネットワークによる送信および1つまたは複数の通信デバイスによる検出のために割り当てさせるように構成されており、前記複数のセルについての主優先度インジケータ値が、前記複数の無線リソースについての優先順位のインジケーションを第1の分解度に提供し、前記複数の無線リソースについての主優先度インジケータ値と補助優先度インジケータ値との組み合わせが、前記複数の無線リソースについての優先順位のインジケーションを前記第1の分解度より高い第2の分解度に提供する装置も提供される。
【0023】
一実施形態によれば、サービングセルとして採用するセルを選択する場合に、前記無線リソースの1つまたは複数が同じ主優先度インジケータ値を有するとき、補助優先度インジケータ値は、少なくともいくつかの通信デバイスによって、比較すべき値として認識可能である。
【0024】
一実施形態によれば、無線リソースについての第3の優先度値は、少なくともいくつかの通信デバイスに既知の1つまたは複数の所定の規則に従って、無線リソースについてのそれぞれの対の主優先度値と補助優先度値から計算可能である。
【0025】
一実施形態によれば、前記主インジケータ値は単位値の倍数を示し、前記第2の主インジケータ値は前記単位値の単位分数の倍数を示す。
【0026】
本明細書では、プロセッサと、コンピュータプログラムコードを含むメモリとを備える装置であって、メモリおよびコンピュータプログラムコードが、プロセッサによって、装置に、無線アクセスネットワークの1つまたは複数の無線リソースについての主優先度インジケータ値と補助優先度インジケータ値を、1つまたは複数の通信デバイスによる検出のために送信させるように構成されており、無線リソースについての補助優先度インジケータ値が、前記無線リソースと同じ主優先度インジケータ値を有する1つまたは複数の他の無線リソースに対する前記無線リソースについての優先度のインジケーションとして、少なくともいくつかの通信デバイスに認識可能である装置も提供される。
【0027】
一実施形態によれば、サービングセルとして採用するセルを選択する場合、無線リソースについての補助優先度インジケータ値は、前記無線リソースと同じ主優先度インジケータ値を有する1つまたは複数の他の無線リソースについての補助優先度インジケータ値と比較すべき値として、少なくともいくつかの通信デバイスによって認識可能である。
【0028】
一実施形態によれば、無線リソースについての第3の優先度値は、少なくともいくつかの通信デバイスに既知の1つまたは複数の所定の規則に従って、前記無線リソースについての主優先度値と補助優先度値から計算可能である。
【0029】
一実施形態によれば、前記主インジケータ値は単位値の倍数を示し、前記第2の主インジケータ値は前記単位値の単位分数の倍数を示す。
【0030】
一実施形態によれば、前記複数の無線リソースは、1つまたは複数の無線アクセス技術のための複数の搬送周波数を含む。
【0031】
本明細書では、コンピュータにロードされると、コンピュータを制御して、無線アクセスネットワークの複数の無線リソースについてのそれぞれの対の主優先度インジケータ値と補助優先度インジケータ値を、前記無線アクセスネットワークによる1つまたは複数の送信において検出し、サービングセルとして採用するセルを、前記主インジケータ値と前記補助インジケータ値との両方に少なくとも部分的に基づいて選択するプログラムコード手段を含むコンピュータプログラム製品であって、前記複数の無線リソースについての主優先度インジケータ値が、前記複数の無線リソースについての優先順位のインジケーションを第1の分解度に提供し、前記複数の無線リソースについての主優先度インジケータ値と補助優先度インジケータ値との組み合わせが、前記複数の無線リソースについての優先順位のインジケーションを前記第1の分解度より高い第2の分解度に提供するコンピュータプログラム製品も提供される。
【0032】
本明細書では、コンピュータにロードされると、コンピュータを制御して、主優先度インジケータ値および補助優先度インジケータ値を無線アクセスネットワークの複数の無線リソースに、前記無線アクセスネットワークによる送信および1つまたは複数の通信デバイスによる検出のために割り当てるプログラムコード手段を含むコンピュータプログラム製品であって、前記複数のセルについての主優先度インジケータ値が、前記複数の無線リソースについての優先順位のインジケーションを第1の分解度に提供し、前記複数の無線リソースについての主優先度インジケータ値と補助優先度インジケータ値との組み合わせが、前記複数の無線リソースについての優先順位のインジケーションを前記第1の分解度より高い第2の分解度に提供するコンピュータプログラム製品も提供される。
【0033】
本明細書では、コンピュータにロードされると、コンピュータを制御して、無線アクセスネットワークの1つまたは複数の無線リソースについての主優先度インジケータ値と補助優先度インジケータ値を、1つまたは複数の通信デバイスによる検出のために送信するプログラムコード手段を含むコンピュータプログラム製品であって、無線リソースについての補助優先度インジケータ値が、前記無線リソースと同じ主優先度インジケータ値を有する1つまたは複数の他の無線リソースに対する前記無線リソースについての優先度のインジケーションとして、少なくともいくつかの通信デバイスに認識可能であるコンピュータプログラム製品も提供される。
【0034】
本発明の実施形態は、添付の図面を参照しながら、あくまで例として、以下で詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】共通のモバイル管理エンティティによって制御される複数のアクセスノードによって運用される複数のセルのカバレッジエリア内に位置する通信デバイスの例を示す図である。
図2図1の通信デバイスにおいて使用する装置の例を概略的に示す図である。
図3図1のアクセスノードにおいて使用する装置の例を概略的に示す図である。
図4】1つの実施形態によるモバイル管理エンティティにおける動作の例を示す図である。
図5】1つの実施形態によるアクセスノードにおける動作の例を示す図である。
図6】1つの実施形態によるあるタイプの通信デバイスにおける動作の例を示す図である。
図7】1つの実施形態による別のタイプの通信デバイスにおける動作の例を示す図である。
図8】1つの実施形態による、主優先度インジケータと補助優先度インジケータとの組み合わせから優先度を決定する例を示す図である。
図9図1の制御ネットワークエンティティにおいて使用する装置の例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
1つの実施形態が、LTE(Long Term Evolution)ネットワークの例について以下に記載されるが、同種の技法は、他のタイプのネットワークにも適用可能である。
【0037】
図1は、セルラーネットワークの一部を概略的に示す。図1は、3つのアクセスノード(eNodeB)2a、2bおよび2cのみを示しているが、典型的なセルラー無線アクセスネットワークは、数千個のアクセスノードを含み、そのそれぞれが個々のセルまたはセル群を運用し、共同して広く連続的なカバレッジエリアを提供する。
【0038】
この例では、他のセルと少なくとも部分的にカバレッジエリアを共有する各セルは、無線アクセス技術(たとえばGSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)、WCDMA(登録商標)広帯域符号分割多元接続、LTE(Long Term Evolution))、搬送周波数および搬送周波数を中心とするセル帯域幅を特徴とする。セルは、異なる搬送周波数および/またはセル帯域幅を有していてもよい。1つまたは複数のセルは、同じ搬送周波数および/またはセル帯域幅を有していてもよい。異なる搬送周波数が異なる無線アクセス技術に関連づけられてもよく、たとえば、ある搬送周波数は、E−UTRAN(拡張ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク)搬送周波数であってもよく、他の搬送周波数は、GERAN(GSM(登録商標) EDGE無線アクセスネットワーク)搬送周波数であってもよい。異なる搬送周波数は周波数層と呼ばれることもあり、各周波数層は、個々の搬送周波数に物理的なカバレッジパターンを表している。UE8にとって利用可能な搬送周波数の選択は、UE8の現在の位置と一致する物理的なカバレッジパターンをもつそれらの層によって示される。
【0039】
図2は、ワイヤレスインターフェースを介して図1の少なくともeNB2a、2bと通信するために使用できるユーザ機器8の例の概略図を示す。ユーザ機器(UE)8は、通話の発信および受信などのさまざまなタスク、データネットワークとの間でのデータ送受信、ならびに、たとえばマルチメディアまたは他のコンテンツ(content)を受けるために使用されてもよい。
【0040】
UE8は、少なくとも図1のeNB2との間で無線信号を少なくとも送信または受信することが可能であればいずれのデバイスであってもよい。非限定的な例として、移動局(MS)、ワイヤレスインターフェースカードもしくは他のワイヤレスインターフェース機能を備えたポータブルコンピュータ、ワイヤレス通信能力を備えた個人情報端末(PDA)、またはこれらもしくはその他の任意の組み合わせが挙げられる。UE8は、UE8の適切な無線インターフェース構成を介して通信することができる。インターフェース構成は、たとえば無線部品および関連するアンテナ構成205によって実現できる。アンテナ構成はUE8の内部または外部に配置することができ、マルチレイヤ送信方式で動作することが可能な複数のアンテナを含むことができる。
【0041】
UE8は、設計上実施することになっているタスクで使用するために、少なくとも1つのデータ処理エンティティ203および少なくとも1つのメモリまたはデータ格納エンティティ217を備えていてもよい。データプロセッサ213およびメモリ217は、適切な回路基板219および/またはチップセットに設けることができる。
【0042】
ユーザは、キーパッド201、音声コマンド、タッチスクリーンもしくはタッチパッド、またはそれらの組み合わせなどの適切なユーザインターフェースによって、UE8の動作を制御することができる。また、ディスプレイ215、スピーカおよびマイクロホンが備わっていてもよい。さらに、UE8は、他のデバイスに接続するための、かつ/または外部アクセサリ、たとえばハンズフリー機器を接続するための適切なコネクタ(有線または無線のいずれか)を備えていてもよい。
【0043】
図2は、ユーザインターフェースを含むUEの例を示すが、UEは、マシン型通信(MTC)用に設計されたデバイスなど、ユーザインターフェースをもたない通信デバイスであってもよい。
【0044】
図3は、図1のeNB2a、2b、2cに使用する装置の例を示す。装置は、無線周波数信号を送受信するように構成された無線周波数アンテナアレイ301、アンテナアレイ301およびデータプロセッサ306によって送受信される無線周波数信号をインターフェースするように構成された無線周波数インターフェース回路303を備える。無線周波数インターフェース回路303は送受信機としても知られている可能性がある。装置はまた、MME10および他のeNB2などの1つまたは複数の他のネットワークノードとの間で装置が情報を送受信できるようにするインターフェース309を備える。データプロセッサ306は、無線周波数インターフェース回路303からの信号を処理し、無線周波数インターフェース回路303を制御して適切なRF信号を生成し、ワイヤレス通信リンクを介して情報をUE8に通信し、インターフェース309を介して他のネットワークノードと情報を交換するように構成されている。メモリ307は、データプロセッサ306によって使用するためのデータ、パラメータおよび命令を格納するために使用される。
【0045】
図9は、図1の制御O&Mエンティティ10に使用される装置の例を示す。データプロセッサ902は、セル負荷情報などをeNB2からインターフェース906を介して受信し、受信したセル負荷情報などに基づいて優先度インジケータ値を搬送周波数に割り当て、インターフェース906を介した優先度インジケータ値のeNB2への送信を制御するように構成されている。メモリ902は、データプロセッサ904によって使用するためのデータ、パラメータおよび命令を格納するために使用される。
【0046】
上記の図2図3および図9のそれぞれに示した装置は、後述する本発明の実施形態とは直接的に関係しないさらに別の要素を含んでいてもよいことが理解されるはずである。
【0047】
図1に示された3つのeNB2a、2b、2cは、動作および管理(O&M)エンティティ10などの共通の制御エンティティによって制御される。
ある地理的領域におけるセルの現在および/または将来の負荷ならびにそれらの搬送周波数についてのO&M10における情報に基づいて、O&M10は、8つのレガシー(legacy)優先度値のうちの1つをその地理的領域において使用される各搬送周波数に割り当て、同時に、所定の数のサブ優先度(sub−priority)インジケータ値の1つをそれらの搬送周波数のそれぞれにさらに割り当てる(図4のステップ400)。O&M10はまた、たとえば、ある地理的領域におけるセルの現在および/または将来の負荷ならびにそれらの搬送周波数についてのO&M10の推定に基づいて、割り当てられた値を周期的に更新することができる。搬送周波数についての優先度インジケータ値の対は、O&M10から、その地理的領域のセルを運用しているeNB2に通信され(図4のステップ402および図5のステップ500))、eNB2は、ネットワークに接続されていないUE8を含むセルのカバレッジエリア内のUE8による検出のために、セルを介してブロードキャストされるシステム情報(たとえばシステム情報ブロックSIB3、SIB5、SIB6、SIB7、SIB8)に優先度インジケータ値の対を含める(図5のステップ502)。eNBはまた、ネットワークとそのUE8の間の無線リソース制御(RRC)接続が解放されたときに特定のUEに送信されるメッセージなどのUE固有のメッセージに優先度インジケータ値を含めてもよい。
【0048】
レガシー優先度インジケータ値およびサブ優先度インジケータ値をシステム情報ブロック(たとえばSIB3)に含める1つの例を以下に示す。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0049】
既に述べたように、図4および図5の戻りループによって示されるように、O&M10は、ある地理的領域で使用される搬送周波数に割り当てられた優先度レベルを周期的に更新して、その地理的領域における搬送周波数およびセルなどに対するそれぞれの負荷についての任意の変更を考慮することができ、eNB2は同様に、O&M10から受信した優先度インジケータ値の任意の変更に従って、それらのシステム情報ブロードキャストなどを更新する。
【0050】
アイドルモードにおいてネットワークのセルに既にキャンプオンしているUE8は、サービングセルの地理的領域において使用されるすべての搬送周波数についての優先度インジケータ値を、サービングセルを介してブロードキャストされるシステム情報から取得することができる(図6のステップ600および図7のステップ700)。
【0051】
たとえばシステム情報から3ビットのレガシー優先度インジケータ値しか認識できない、性能が劣る(less−advanced)UE8は、最も高いレガシー優先度インジケータ値を有する搬送周波数を、ネットワークにとって最も好ましい搬送周波数として特定する。これらの性能が劣るUEは、現在のサービングセルの搬送周波数についてのレガシー優先度値と他の搬送周波数についてのレガシー優先度値を比較することによって、現在のサービングセルのものより高いネットワーク優先度を有する搬送周波数の有無を調べる(図6のステップ602)。UE8が、現在のサービングセルのものより高いレガシー優先度インジケータ値を有する1つまたは複数の搬送周波数を特定した場合、UE8は、前記1つまたは複数の搬送周波数を特徴とする1つまたは複数のセルについてセル基準信号の測定を行い、UE8は、新たなサービングセルとして、基準信号が所定の受信電力/品質条件を満たすセルを選択し(図6のステップ604)、アイドルモードにおいて新たなサービングセルにキャンプオンする。2つ以上の搬送周波数が最も高い同じレガシー優先度インジケータ値を有する場合、UEは、それらの2つ以上の搬送周波数をネットワークにとって等しく最も好ましいものとして扱い、その2つ以上の搬送周波数を特徴とするセルから、たとえば所定の受信電力/品質条件を満たす最も良好な基準信号測定値を有するセルのうちの1つを選択することによって、新たなサービングセルを選択する。
【0052】
たとえば3ビットのレガシー優先度インジケータ値とサブ優先度インジケータ値との両方を認識できるより高性能の(more−advanced)UE8は、レガシー優先度インジケータ値とサブ優先度インジケータ値との両方に基づいて、現在のセルのものより高いネットワーク優先度を有する搬送周波数の有無を調べる(図7のステップ702)。UE8がそのような判定をどのように行うかについての例を以下に述べる。レガシー優先度インジケータ値とサブ優先度インジケータ値に基づいて最も高い優先度を有すると判定された搬送周波数が、現在のサービングセルの搬送周波数でない場合、UE8は、その搬送周波数を特徴とするセルについて基準信号の測定を行い、基準信号測定値が所定の受信電力/品質条件を満たす場合に、そのセルを新たなサービングセルとして選択し(図7のステップ704)、アイドルモードにおいて新たなサービングセルにキャンプオンする。
【0053】
第1の例によれば、高性能UE8はまず、最も高いレガシー優先度インジケータ値を有する1つまたは複数の搬送周波数があるかどうかを確認する。2つ以上の搬送周波数が同じレガシー優先度インジケータ値を有する場合、UEは、それらの搬送周波数についてのサブ優先度インジケータ値を比較する。同じレガシー優先度インジケータをもつ2つ以上の搬送周波数の場合、最も高いサブ優先度インジケータ値をもつ搬送周波数が、ネットワークにとって最も好ましいものとしてUEによって特定される。
【0054】
第2の例によれば、高性能UEは、サブ優先度インジケータを、レガシー優先度インジケータ値によって倍数が示される単位値の所定の単位分数の倍数のインジケータとして認識する。たとえば、所定の単位分数(step_size)が0.2であれば、レガシー優先度インジケータ値「001」(2進)とサブ優先度値「10」(2進)との組み合わせは、全体の優先度値1.6(10進(decimal))を示すはずである。高性能UE8は、以下の式に従って、全体の(実際の)優先度値を計算することができる:
全体の優先度値(10進)=レガシー優先度値(10進)+(step_size×(サブ優先度値(10進)+1))
【0055】
より詳細に述べると、xビットがサブ優先度インジケータ値に使用される場合、高性能UE8は、以下の式に従って、全体の優先度値を計算することができる:
全体の優先度値(10進)=レガシー優先度値(10進)+(1/(2x+1)×(サブ優先度値(10進)+1)
【0056】
たとえば、サブ優先度インジケータが2ビットのインジケータであるとき、サブ優先度値インジケータは、2つの連続するレガシー優先度レベルの間にある4つの異なる下位レベルのうちの1つを示し得る。
【0057】
図8は、3ビットのレガシー優先度インジケータ値および2ビットのサブ優先度インジケータ値の例についての全体の優先度値を示す。
【0058】
図8の例では、高性能UEは、サブ優先度インジケータ値が提供されていない搬送周波数がいずれも(システム情報は、レガシーインジケータ値が提供されている搬送周波数ごとにサブ優先度インジケータが提供されているかどうかの明示的なインジケーション(たとえば1ビットのブーリアン(BOOLEAN)インジケータ)をさらに含んでいてもよい)、同じレガシー優先度インジケータ値を有し、いずれかのサブ優先度インジケータ値が提供されている他の搬送周波数より低い優先度レベルを有するものとして特定する。したがって、この例では、40の異なる優先度レベルのうちの1つを搬送周波数に割り当て、かつ高性能(advanced)UE8に通信することができる。
【0059】
UE8が、現在のサービングセルのものより高い優先度をもつ搬送周波数を特定しない場合、高性能UE8は、アイドルモードにおいて現在のサービングセルにキャンプオンしたままとなるが、図6および図7の戻りループに示されるように、現在のサービングセルを介してブロードキャストされるシステム情報に基づいて、キャンプオンする新たなセルまたは搬送周波数の選択を周期的に検討する。既に述べたように、システム情報に含まれる優先度インジケータ値は、異なる搬送周波数への負荷などの変化に基づいて、O&Mによって変化させることができる。同様に、キャンプオンすることになる新たなサービングセルを選択した後、UE8は、新たな現在のサービングセルを介してブロードキャストされるシステム情報に含まれる優先度インジケータ値に基づいて、キャンプオンする新たなセルまたは搬送周波数の選択を周期的に検討する。
【0060】
この例では、オーバーヘッドをわずか2ビット増加させることにより、ネットワークは、高い分解度の優先度情報(40の異なる優先度レベルのうちの1つ)を高性能UEに効果的に提供することができ、一方で、より低い分解度(8つの異なるレベルのうちの1つ)に対する異なる搬送周波数の相対的な優先度を、性能が劣るUEに依然として通信することができる。各搬送周波数は、1つだけの優先度レベル(たとえば、図8の例では40の異なる優先度レベルのうちの1つ)が割り当てられ、この技法は、2つの優先度インジケータ値の組み合わせによって優先度レベルを通信することにより、UEの異なる能力に対処する。この技法は、ネットワーク動作を複雑にし、望ましくない複雑性およびオーバーヘッドをSIBブロードキャストに加える、2つの異なる優先度レベルを単一の搬送周波数に同時に割り当て、異なる優先度レベル両方のインジケータをブロードキャストすることの必要性を回避する。
【0061】
ある代替実施形態では、サブ優先度インジケータ値は、単一ビットのブーリアンインジケータの形をとり、高性能UEは、このブーリアンインジケータ値および1つまたは複数の所定の規則に基づいて、搬送周波数の群についての全体の優先度値を決定する。セル再選択の例では、1つまたは複数の所定の規則は、現在のサービングセルと同じ搬送周波数を有するセル(現在のサービングセルを含む)(周波数内(intra−frequency)セル再選択)に、サービングセルのものとは異なる搬送周波数を有するセルより高い優先度が与えられ、現在のサービングセルのものと同じ無線アクセス技術(RAT)に従って機能するセル(RAT内(intra−RAT)セル再選択)に、現在のサービングセルのものとは異なるRATに従って機能するセルより高い優先度が与えられる規則を含み得る。
【0062】
たとえば、アイドルモードのUE8に利用可能な搬送周波数は、合計4つの搬送周波数F1〜F4(1つの周波数内、2つの周波数間(inter−frequency)および1つのRAT間)があり得る。
【0063】
以下は、これらの搬送周波数についてのブーリアンサブ優先度インジケータ値をどのようにブロードキャストシステム情報に含められるかの例である。
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【0064】
優先度値インジケータがUE8によってブロードキャストシステム情報内で検出される搬送周波数の総数は4なので、UEはstep_size(異なる実施形態について上述したようなもの)を1/4=0.25に決定する。
【0065】
たとえば、4つの搬送周波数についてのレガシー優先度インジケータ値およびブーリアンサブ優先度値が、
・ F1:LTE周波数内キャリア:レガシー優先度=1、サブ優先度=TRUE
・ F2:LTE周波数間キャリア:レガシー優先度=1、サブ優先度=TRUE
・ F3:LTE周波数間キャリア:レガシー優先度=1、サブ優先度=FALSE
・ F4:LTE RAT間キャリア:レガシー優先度=1、サブ優先度=TRUE
である場合、UEは、(i)ブーリアンサブ優先度インジケータおよび上述の規則に基づいて、サブ優先度値をF1:1、F2:2、F3:4、F4:3のように4つの搬送周波数キャリアに割り当て、(ii)全体の(実際の)優先度値を、
・ F1:1+(4−1)×0.25=1.75(最優先キャリア)
・ F2:1+(4−2)×0.25=1.5
・ F3:1+(4−4)×0.25=1.0(サブ優先度=FALSE、したがって可算なし)
・ F4:1+(4−3)×0.25=1.25
のように決定することになろう。
【0066】
上記の動作は、さまざまなエンティティでのデータ処理を必要とすることがある。データ処理は、1つまたは複数のデータプロセッサによって行うことができる。上記の実施形態で説明した同様にさまざまなエンティティが、単一または複数のデータ処理エンティティおよび/またはデータプロセッサに実装され得る。適切に適応させたコンピュータプログラムコード製品が、コンピュータにロードされたときに実施形態を実装するために使用され得る。動作を実現するためのプログラムコード製品は、搬送ディスク、カードまたはテープなどの搬送媒体に格納され、それによって提供され得る。プログラムコード製品はデータネットワークを介してダウンロードすることが可能である。実装はサーバの適切なソフトウェアによって行われてもよい。
【0067】
たとえば、本発明の実施形態は、チップセット、言い換えれば、互いの間で通信する一連の集積回路として実装されてもよい。チップセットは、上記の動作を実施するために、コードを実行するように構成されたマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはプログラム可能なデジタル信号プロセッサを含んでいてもよい。
【0068】
本発明の実施形態は、集積回路モジュールなどのさまざまな構成要素で実施されてもよい。集積回路の設計は、概して極めて自動化されたプロセスである。複雑かつ強力なソフトウェアツールが、論理レベル設計を半導体基板にエッチングおよび形成できるようになった半導体回路設計に変換するために利用可能である。
【0069】
プログラムは、カリフォルニア州マウンテンビューのSynopsys,Inc.、およびカリフォルニア州サンノゼのCadence Designによって提供されたプログラムなどがあり、十分に確立された設計規則のほか、事前に格納された設計モジュールのライブラリを使用して、自動的に導体を配線し、部品を半導体チップに配置する。半導体回路の設計が完了すると、得られた設計は、標準の電子フォーマット(たとえば、Opus、GDSIIなど)で、製造のために半導体製造施設または「工場(fab)」へ送信することができる。
【0070】
明示的に上述した修正に加えて、上記の実施形態に対するさまざまな他の修正が本発明の範囲で可能であることが当業者には明らかとなろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9