(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6554578
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】サイクロ減速機
(51)【国際特許分類】
F16H 1/32 20060101AFI20190722BHJP
【FI】
F16H1/32 A
【請求項の数】15
【外国語出願】
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2018-86582(P2018-86582)
(22)【出願日】2018年4月27日
(65)【公開番号】特開2018-189237(P2018-189237A)
(43)【公開日】2018年11月29日
【審査請求日】2018年5月31日
(31)【優先権主張番号】62/500,641
(32)【優先日】2017年5月3日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】107112454
(32)【優先日】2018年4月11日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】505326623
【氏名又は名称】台達電子工業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】蔡清雄
(72)【発明者】
【氏名】呉家明
(72)【発明者】
【氏名】黄育賢
【審査官】
前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】
特公昭49−24260(JP,B1)
【文献】
特開平7−71540(JP,A)
【文献】
特開平2−138538(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイクロ減速機であって、
偏心機構と、第1ローラアセンブリと、第2ローラアセンブリと、第1回転ディスクアセンブリと、第2回転ディスクアセンブリとを備え、
前記偏心機構は、回転シャフト及び偏心アセンブリを備え、前記偏心アセンブリは、前記回転シャフトに偏心して固定されるとともに前記回転シャフトが回転すると当該回転シャフトの軸心に対し偏心して回転し、
前記第1ローラアセンブリは、第1ホイールディスクと複数の第1ローラを備え、前記複数の第1ローラは前記第1ホイールディスクに配置され、
前記第2ローラアセンブリは第2ホイールディスクと複数の第2ローラを備え、前記複数の第2ローラは前記第2ホイールディスクに配置され、
前記第1回転ディスクアセンブリは、前記偏心アセンブリに取り付けられ当該偏心アセンブリとともに回転するものであって第1サイクロイドディスク及び第2サイクロイドディスクを備えており、
前記第1サイクロイドディスクは、前記第1ホイールディスクの側方に配置されるとともに少なくとも1つの第1外歯を備え、前記少なくとも1つの第1外歯は前記複数の第1ローラの対応する少なくとも1つと当接し、
前記第2サイクロイドディスクは、前記第1サイクロイドディスクの側方に配置され、前記第2サイクロイドディスク及び前記第1ホイールディスクが前記第1サイクロイドディスクの一方側及び他方側に位置するようにされ、前記第2サイクロイドディスクは、少なくとも1つの第2外歯を備え、前記少なくとも1つの第2外歯は前記複数の第2ローラの対応する少なくとも1つと当接し、
第2回転ディスクアセンブリは、偏心アセンブリに取り付けられ当該偏心アセンブリとともに回転するものであって第3サイクロイドディスク及び第4サイクロイドディスクを備えており、
前記第3サイクロイドディスクは前記第2サイクロイドディスクと前記第2ホイールディスクの間に配置されるとともに少なくとも1つの第3外歯を備え、前記少なくとも1つの第3外歯は前記複数の第2ローラの対応する少なくとも1つと当接し、
前記第4サイクロイドディスクは前記第3サイクロイドディスクと前記第2ホイールディスクの間に配置されるとともに少なくとも1つの第4外歯を備え、前記少なくとも1つの第4外歯は前記複数の第2ローラの対応する少なくとも1つと当接する、サイクロ減速機。
【請求項2】
請求項1に記載のサイクロ減速機であって、
前記回転シャフトは入力動力を受け取り、当該入力動力に対して前記回転シャフト及び前記偏心アセンブリが同期して回転し、
前記第1ローラアセンブリは前記回転シャフトの軸心を中心には回転せず、
前記少なくとも1つの第3外歯及び前記少なくとも1つの第4外歯は、前記第2ローラアセンブリが回転するよう当該第2ローラに押し付けられ、前記第2ローラアセンブリの前記第2ホイールディスクは回転して出力を生じさせる、サイクロ減速機。
【請求項3】
請求項1に記載のサイクロ減速機であって、
前記第1ローラアセンブリはケーシングをさらに備え、前記ケーシングは前記第1ホイールディスクに組み付けられ、中空構造を有し、
前記偏心機構の一部、前記第2ローラアセンブリ及び前記第2回転ディスクアセンブリは前記ケーシングの中空構造内に収容され、前記第1回転ディスクアセンブリは前記第1ホイールディスク又は前記ケーシングの中空構造内に収容される、サイクロ減速機。
【請求項4】
請求項1に記載のサイクロ減速機であって、
前記第1サイクロイドディスクは複数の第1連結部をさらに備え、
前記第2サイクロイドディスクは複数の第2連結部及び複数の第1貫通孔をさらに備え、
前記第3サイクロイドディスクは複数の第2貫通孔をさらに備え、
前記第1連結部は、対応する前記第1連結部を貫通して前記第1サイクロイドディスクと前記第3サイクロイドディスクとを連結し、
前記第2連結部は、対応する前記第2連結部を貫通して前記第2サイクロイドディスクと前記第4サイクロイドディスクとを連結する、サイクロ減速機。
【請求項5】
請求項4に記載のサイクロ減速機であって、
前記第2連結部は、前記対応する第2貫通孔の周縁から離間しており、
前記第1連結部は、前記対応する第1貫通孔の周縁から離間しており、
前記第1連結部及び前記第2連結部が台形状の角柱であり且つ前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔が台形形状の輪郭を有するか、又は、前記第1連結部及び前記第2連結部が円筒状であり且つ前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔が円形の輪郭を有する、サイクロ減速機。
【請求項6】
請求項4に記載のサイクロ減速機であって、
前記偏心アセンブリは、前記回転シャフトに偏心して固定されるとともに互いに隣接して配置される第1偏心シリンダ、第2偏心シリンダ、第3偏心シリンダ及び第4偏心シリンダを備え、
前記第1サイクロイドディスクは、前記第1偏心シリンダの周囲に外装され、
前記第2サイクロイドディスクは、前記第2偏心シリンダの周囲に外装され、
前記第3サイクロイドディスクは、前記第3偏心シリンダの周囲に外装され、
前記第4サイクロイドディスクは、前記第4偏心シリンダの周囲に外装され、
前記第1偏心シリンダの偏心方向と前記第3の偏心シリンダの偏心方向は同一であり、
前記第2偏心シリンダの偏心方向と前記第4の偏心シリンダの偏心方向は同一であり、
前記第1偏心シリンダ及び前記第3偏心シリンダの偏心方向は、前記第2偏心シリンダ及び前記第4偏心シリンダの偏心方向とは反対の方向である、サイクロ減速機。
【請求項7】
請求項6に記載のサイクロ減速機であって、
前記第1偏心シリンダ、前記第2偏心シリンダ、前記第3偏心シリンダ及び前記第4偏心シリンダは、前記回転シャフトと一体的に形成され、
前記第2偏心シリンダの半径は前記第1偏心シリンダの半径よりも大きく、
前記第3偏心シリンダの半径は前記第4偏心シリンダの半径よりも大きい、サイクロ減速機。
【請求項8】
請求項6に記載のサイクロ減速機であって、
前記第1偏心シリンダ、前記第2偏心シリンダ、前記第3偏心シリンダ及び前記第4偏心シリンダの少なくとも2つの偏心シリンダが回転シャフトに組み付けられ、他の偏心シリンダは回転シャフトと一体的に形成されている、サイクロ減速機。
【請求項9】
請求項8に記載のサイクロ減速機であって、
前記少なくとも2つの偏心シリンダは、対応する結合ピンを介して回転シャフトに固定される、サイクロ減速機。
【請求項10】
請求項1に記載のサイクロ減速機であって、
前記第2サイクロイドディスクと前記第3サイクロイドディスクは互いに固定されており、
前記第1サイクロイドディスクは複数の連結部をさらに備え、
前記第2サイクロイドディスクは複数の第1貫通孔をさらに備え、
前記第3サイクロイドディスクは複数の第2貫通孔をさらに備え、
前記連結部が対応する前記第1貫通孔及び対応する前記第2貫通孔を貫通することで、前記第1サイクロイドディスクと前記第4サイクロイドディスクが連結される、サイクロ減速機。
【請求項11】
請求項10に記載のサイクロ減速機であって、
前記連結部は、前記対応する第1及び第2貫通孔の周縁から離間しており、
前記連結部が台形状の角柱であり且つ前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔が台形形状の輪郭を有するか、又は、前記連結部が円筒状であり且つ前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔が円形の輪郭を有する、サイクロ減速機。
【請求項12】
請求項10に記載のサイクロ減速機であって、
前記偏心アセンブリは、前記回転シャフトに偏心して固定されるとともに互いに隣接して配置される第1偏心シリンダ、第2偏心シリンダ、第3偏心シリンダ及び第4偏心シリンダを備え、
前記第1サイクロイドディスクは、前記第1偏心シリンダの周囲に外装され、
前記第2サイクロイドディスクは、前記第2偏心シリンダの周囲に外装され、
前記第3サイクロイドディスクは、前記第3偏心シリンダの周囲に外装され、
前記第4サイクロイドディスクは、前記第4偏心シリンダの周囲に外装され、
前記第2偏心シリンダの偏心方向と前記第3の偏心シリンダの偏心方向は同一であり、
前記第1偏心シリンダの偏心方向と前記第4の偏心シリンダの偏心方向は同一であり、
前記第2偏心シリンダ及び前記第3偏心シリンダの偏心方向は、前記第1偏心シリンダ及び前記第4偏心シリンダの偏心方向とは反対の方向である、サイクロ減速機。
【請求項13】
請求項12に記載のサイクロ減速機であって、
前記第1偏心シリンダ、前記第2偏心シリンダ、前記第3偏心シリンダ及び前記第4偏心シリンダは、前記回転シャフトと一体的に形成され、
前記第2偏心シリンダの半径は前記第1偏心シリンダの半径よりも大きく、
前記第3偏心シリンダの半径は前記第4偏心シリンダの半径よりも大きい、サイクロ減速機。
【請求項14】
請求項4又は請求項10に記載のサイクロ減速機であって、
前記少なくとも1つの第1外歯の歯数は、前記少なくとも1つの第2外歯の歯数に等しく、
前記少なくとも1つの第3外歯の歯数は、前記少なくとも1つの第4外歯の歯数に等しく、
前記少なくとも1つの第1外歯の歯の形状は、前記少なくとも1つの第2外歯の歯の形状と一致し、
前記少なくとも1つの第3外歯の歯の形状は、前記少なくとも1つの第4外歯の歯の形状と一致する、サイクロ減速機。
【請求項15】
請求項6又は請求項12に記載のサイクロ減速機であって、
前記第1偏心シリンダ、第2偏心シリンダ、第3偏心シリンダ及び第4偏心シリンダのうちの2つの偏心シリンダの偏心方向は、他の2つの偏心シリンダの偏心方向と反対の方向である、サイクロ減速機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年5月3日に出願された「減速機」という名称の米国特許出願第62/500641号の利益を主張し、その全体を参照により本明細書に組み込まむ。本出願はまた、2018年4月11日に出願された「サイクロ減速機」という名称の台湾特許出願第107112454号の優先権を主張し、その全体を参照により本明細書に組み込む。
【0002】
本発明は、減速機に関し、より詳細には、剛性が高く、動力学的平衡を達成することができるサイクロ減速機に関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、モータは高速かつ低トルクで作動する。すなわち、大きな負荷を掛けることは困難である。したがって、モータが重い物体を駆動できるようにするため、減速機を使用して減速機をモータの回転速度を低下させ、トルクを増加させる。
【0004】
従来より、減速機は、RV減速機、ハーモニックドライブ減速機及びサイクロ減速機を含むいくつかのタイプに分類されている。例えば、RV−Eシリーズ減速機はナブテスコ社製の2段減速機である。RV−Eシリーズ減速機は、平歯車を有する第1減速段と、遊星歯車を有する第2減速段とを備える。第1減速段及び第2減速段の歯車は、金属材料で作られる。RV−Eシリーズ減速機は、2段階減速設計であり、減速比を確保しつつ振動とイナーシャ(慣性)を低減する。RV−Eシリーズ減速機は、高剛性・高減速比の構成により高い性能を発揮し、RV−Eシリーズ減速機の転がり接触要素は、高効率で長寿命である。しかしながら、RV−Eシリーズ減速機は、体積及び重量が大きく、部品数が多いため、コストが高い。
【0005】
ハーモニックドライブ減速機は、ウェーブジェネレータ、フレックスギア及び剛性ギアを備える。可撓性ギアの弾性変形は、機械的伝達の運動及び動力を伝達する押し動作を生じさせるよう制御される。ハーモニックドライブ減速機は、RV減速機と比較して、小型化、軽量化され、高精度を有する。しかしながら、ハーモニックドライブ減速機は、フレックスギアの剛性が低いため、高衝撃に耐えられず、また、歯数差による摩擦を引き起こすという問題もある。言い換えると、ハーモニックドライブ減速機は使用寿命が短い。また、ハーモニックドライブ減速機は入力速度が高速でないため、その減速比は小さい。
【0006】
従来、サイクロ減速機は、偏心シャフトと2つのサイクロイドディスクとを備える。2つのサイクロイドディスクの各々は、少なくとも1つの歯を含む。また、2つのサイクロイドディスクは、動力入力シャフト及び動力出力シャフトにそれぞれ連結される。サイクロ減速機の作動中、一方のサイクロイドディスクは、偏心シャフトを介して動力入力シャフトとともに回転し、動力出力シャフトは他方のサイクロイドディスクとともに回転する。対応する歯構造を介して、2つのサイクロイドディスクは対応して回転する。従来のサイクロ減速機は、高い伝達比、コンパクトな構造、高い伝達効率など多くの利点を有する。しかしながら、従来のサイクロ減速機を高負荷環境に適用する場合、2つのサイクロイドディスクは高負荷に耐えなければならない。サイクロイドディスクの構造強度が不十分であると、サイクロイドディスクが損傷してサイクロ減速機に異常が生じるおそれがある。さらに、偏心シャフトにより、従来のサイクロ減速機の回転は特定の方向に偏向される。また、動力学的平衡を補償するため、従来のサイクロ減速機には、重量補償装置が追加で設けられている。動力学的平衡が効果的に補償されない場合、サイクロ減速機は明らかな振動を発生させる。
【0007】
したがって、RV減速機及びハーモニックドライブ減速機の特性を備え、高減速比、高剛性及び動力学的平衡を達成し、上記欠点を解消したサイクロ減速機を提供する必要がある。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、サイクロ減速機を提供することである。本発明のサイクロ減速機によれば、従来のRV減速機の問題(例えば、大きさ、重量及びコスト)及び従来のハーモニックドライブ減速機の問題(例えば、フレックススプラインの変形及び歯差摩擦)が克服される。加えて、本発明のサイクロ減速機は、高い剛性と動力学的平衡を達成することができる。
【0009】
本発明の一態様によれば、サイクロ減速機が提供される。サイクロ減速機は、偏心機構と、第1ローラアセンブリと、第2ローラアセンブリと、第1回転ディスクアセンブリと、第2回転ディスクアセンブリとを備える。偏心機構は、回転シャフトと偏心アセンブリとを備える。偏心アセンブリは、回転シャフトに偏心して固定され、回転シャフトの第1端部と第2端部の間に配置される。回転シャフトが回転すると、偏心アセンブリは回転シャフトの軸心に対して偏心して回転する。第1ローラアセンブリは、第1ホイールディスクと、複数の第1ローラとを含む。複数の第1ローラは、第1ホイールディスクに配置される。第2ローラアセンブリは、第2ホイールディスクと複数の第2ローラとを含む。複数の第2ローラは、第2ホイールディスクに配置される。第1回転ディスクアセンブリは偏心アセンブリに取り付けられ、偏心アセンブリとともに回転する。第1回転ディスクアセンブリは、第1サイクロイドディスク及び第2サイクロイドディスクを含む。第1サイクロイドディスクは、第1のホイールディスクの側方に配置される。第1サイクロイドディスクは、少なくとも1つの第1外歯を含む。少なくとも1つの第1外歯は、少なくとも1つの対応する第1ローラと当接する。第2のサイクロイドディスクは、第1サイクロイドディスクの側方に配置される。第のサイクロイドディスク及び第1ホイールディスクは、第1サイクロイドディスクの一方側及び他方側に位置する。第2サイクロイドディスクは、少なくとも1つの第2外歯を含む。少なくとも1つの第2外歯は、少なくとも1つの対応する第1ローラと当接する。第2回転ディスクアセンブリは偏心アセンブリに取り付けられ、偏心アセンブリとともに回転する。第2回転ディスクアセンブリは、第3サイクロイドディスク及び第4のサイクロイドディスクを含む。第3サイクロイドディスクは、第2サイクロイドディスクと第2ホイールディスクとの間に配置される。第3サイクロイドディスクは、少なくとも1つの第3外歯を含む。少なくとも1つの第3外歯は、少なくとも1つの対応する第2ローラと当接する。第4サイクロイドディスクは、第3サイクロイドディスクと第2ホイールディスクとの間に配置される。第4サイクロイドディスクは、少なくとも1つの第4外歯を含む。少なくとも1つの第4外歯は、少なくとも1つの対応する第2ローラと接触する。
【0010】
本発明についての上記内容は、以下の詳細な説明及び添付図面を参照すれば、当業者にとってより容易に明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1は、本発明の第1実施形態に係るサイクロ減速機の概略構成図である。
【0012】
図2は、
図1のサイクロ減速機をある視点から見た概略分解図である。
【0013】
図3は、
図1のサイクロ減速機を示す他の視点から見た概略分解図である。
【0014】
図4は、
図1のサイクロ減速機を示す概略断面図である。
【0015】
図5は、
図1のサイクロ減速機における偏心アセンブリとベアリングセットの関係を示す概略分解図である。
【0016】
図6は、
図4に示す偏心シリンダを回転シャフトに組み付ける方法を示す概略断面図である。
【0017】
図7は、本発明の第1実施形態に係るサイクロ減速機の逐次動作を模式的に示す図である。
【0018】
図8は、本発明の第2実施形態に係るサイクロ減速機をある視点から見た概略的に示す分解図である。
【0019】
図9は、
図8のサイクロ減速機を他の視点から見た概略分解図である。
【0020】
図10は、
図8のサイクロ減速機を示す概略断面図である。
【0021】
図11は、
図8のサイクロ減速機における偏心アセンブリとベアリングセットの関係を示す概略分解図である。
【0022】
以下、実施形態を参照して、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明の好ましい実施形態である以下の説明は、例示及び説明のみを目的として本明細書に提示される。包括的であること、又は開示された正確な形態に限定されることを意図するものではない。
【0023】
図1、
図2、
図3及び
図4を参照されたい。
図1は、本発明の第1実施形態に係るサイクロ減速機の概略構成図である。
図2は、
図1のサイクロ減速機をある視点から見た概略分解図である。
図3は、
図1のサイクロ減速機を示す他の視点から見た概略分解図である。
図4は、
図1のサイクロ減速機を示す概略断面図である。サイクロ減速機1は、減速機能を提供するため、モータ、工作機械、ロボットアーム、自動車、バイクなどの動力機械に適用することができる。
【0024】
本実施形態では、サイクロ減速機1は2段サイクロ減速機である。サイクロ減速機1は、偏心機構2と、第1ローラアセンブリ3と、第2ローラアセンブリ4と、第1回転ディスクアセンブリ5と、第2回転ディスクアセンブリ6とを備える。
【0025】
偏心機構2は、モータ(図示せず)からの入力動力を受け取る。入力動力に応じて、偏心機構2は回転駆動する。一実施形態では、偏心機構2は、回転シャフト20と偏心アセンブリ21とを備える。モータからの入力動力に応答して回転シャフト20が回転する。回転シャフト20は、互いに対向する第1端部200と第2端部201とを備える。偏心アセンブリ21は、回転シャフト20に対し偏心して固定される。すなわち、偏心アセンブリ21の回転中心は、回転シャフト20の軸心ではない。偏心アセンブリ21は、回転シャフト20の第1端部200と第2端部201の間に配置される。回転シャフト20が回転すると、偏心アセンブリ21は回転シャフト20の軸心に対して偏心回転する。
【0026】
第1ローラアセンブリ3は、第1ホイールディスク30と、複数の第1ローラ31とを備える。第1ホイールディスク30は、円盤構造又は中空円筒構造であり、金属材料又は合金製である。また、第1ホイールディスク30の中心孔300には、第1ベアリング90(
図4参照)が配置される。中心孔300は、第1ホイールディスク30の幾何中心に位置している。第1ベアリング90の例としては、ボールベアリング、ニードルベアリング又は含油軸受けが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。第1ベアリング90を介して、回転シャフト20は第1ホイールディスク30の中心孔300内に部分的に収容される。したがって、回転シャフト20の第1端部200と第2端部201は、第1ホイールディスク30の一方側及び他方側に位置することになる。好ましくは、複数の第1ローラ31は金属材料又は合金製の円柱であるが、これに限られない。また、複数の第1ローラ31は第1ホイールディスク30に周方向に離散的かつ等間隔に配置される。本実施形態において、第1ローラアセンブリ3は、回転シャフト20の軸心を中心に回転することはない。つまり、第1ホイールディスク30及び複数の第1ローラ31は、回転シャフト20の軸心を中心としては回転しない、ただし、複数の第1ローラ31は自軸回りに回転(すなわち、自転)する。
【0027】
いくつかの実施形態では、第1ローラアセンブリ3は、ケーシング32をさらに備える。ケーシング32は、第1ホイールディスク30に組み付けられ、中空構造を有する。偏心機構2、第1ローラアセンブリ3、第2ローラアセンブリ4、第1回転ディスクアセンブリ5及び第2回転ディスクアセンブリ6を組み合わせてサイクロ減速機1(
図1参照)とした後、偏心機構2の一部と、第2ローラアセンブリ4と、第1回転ディスクアセンブリ5と、第2回転ディスクアセンブリ6とがケーシング32の中空構造内に収容される。あるいは、偏心機構2の一部と、第2ローラアセンブリ4と、第2回転ディスクアセンブリ6とがケーシング32の中空構造内に収容され、第1回転ディスクアセンブリ5が第1ホイールディスク30(
図4参照)内に収容される。
【0028】
第2ローラアセンブリ4は、第2ホイールディスク40と、複数の第2ローラ41とを備える。第2ホイールディスク40は、円板構造又は中空円筒構造であり、金属材料又は合金製である。また、第2ホイールディスク40の中心孔400内には、第2ベアリング91(
図4参照)が配置される。中心孔400は、第2ホイールディスク40の幾何中心に位置している。第2ベアリング91の一例には、玉軸受、ニードル軸受又は油保持軸受が含まれるが、これらに限定されるものではない。第2ベアリング91を介して回転シャフト20が第2ホイールディスク40の中心孔400内に部分的に収容される。したがって、回転シャフト20の第1端部200と第2端部201は、第2ホイールディスク40の一方側及び他方側に位置することになる。好ましくは、複数の第2ローラ41は金属材料又は合金製の円柱であるが、これに限られない。複数の第2ローラ41は、第2ホイールディスク40に周方向に離散的かつ等間隔に配置される。本実施形態では、第2ローラアセンブリ4は、回転シャフト20の軸心を中心に回転する。つまり、第2ホイールディスク40及び複数の第2ローラ41は、回転シャフト20の軸心を中心に回転する。加えて、第2ホイールディスク40は、出力を生じさせるサイクロ減速機の出力部材である。いくつかの実施形態では、複数の第2ローラ41は、それら自軸を中心に回転する。
【0029】
一実施形態では、サイクロ減速機1は、第3ベアリング93(
図4参照)をさらに備える。第3ベアリング93は、ケーシング32の中空構造内に配置され、ケーシング32と第2ホイールディスク40との間に配置される。その結果、第2ローラアセンブリ4はケーシング32内で回転可能である。
【0030】
第1回転ディスクアセンブリ5は、偏心アセンブリ21に取り付けられ、偏心アセンブリ21とともに回転する。第1回転ディスクアセンブリ5は、第1サイクロイドディスク50及び第2サイクロイドディスク51を備える。第1サイクロイドディスク50は、第1ホイールディスク30の側方に配置される。また、第1サイクロイドディスク50は、複数の第1連結部52と少なくとも1つの第1外歯54とを備える。少なくとも1つの第1外歯54は、第1サイクロイドディスク50の外周から突出する。また、少なくとも1つの第1外歯54は、少なくとも1つの第1ローラ31と当接する。第2サイクロイドディスク51は、第1サイクロイドディスク50の側方に配置される。加えて、第2サイクロイドディスク51及び第1ホイールディスク30は、第1サイクロイドディスク50の一方側及び他方側に位置する。第2サイクロイドディスク51は、少なくとも1つの第2外歯55と、複数の第2連結部53と、複数の第1貫通孔56とを備える。少なくとも1つの第2外歯55は、第2サイクロイドディスク51の外周から突出する。また、少なくとも1つの第2外歯55は、少なくとも1つの第1ローラ31と接触する。
【0031】
第2回転ディスクアセンブリ6は、偏心アセンブリ21に取り付けられ、偏心アセンブリ21とともに回転する。第2回転ディスクアセンブリ6は、第3サイクロイドディスク60及び第4サイクロイドディスク61を備える。第3サイクロイドディスク60は、第2サイクロイドディスク51と第2ホイールディスク40との間に配置される。第3サイクロイドディスク60は、複数の第2貫通孔62と、少なくとも1つの第3外歯63とを備える。少なくとも1つの第3外歯63は、第3サイクロイドディスク60の外周から突出する。また、少なくとも1つの第3外歯63は、少なくとも1つの第2ローラ41に接触する。第4サイクロイドディスク61は、第3サイクロイドディスク60と第2ホイールディスク40の間に配置される。第4サイクロイドディスク61は、少なくとも1つの第4外歯64を備える。少なくとも1つの第4外歯64は、第4サイクロイドディスク61の外周から突出する。さらに、少なくとも1つの第4外歯64は、少なくとも1つの第2ローラ41と接触する。
【0032】
第1連結部52は、第1サイクロイドディスク50と第3サイクロイドディスク60との間に配置され、対応する第1貫通孔56を貫通する。第1連結部52の一端は、第1サイクロイドディスク50に固定される。第1連結部52の他端は、第3サイクロイドディスク60に組み付けられる。これにより、第1サイクロイドディスク50と第3サイクロイドディスク60とは、第1連結部52を介して連結される。第2連結部53は、第2サイクロディスディスク51と第4サイクロイドディスク61との間に配置され、対応する第2貫通孔62を貫通する。第2連結部53の一端は、第2サイクロイドディスク51に固定される。第2連結部53の他端は、第4サイクロイドディスク61に組み付けられる。これにより、第2サイクロイドディスク51と第4サイクロイドディスク61とは、第2連結部53を介して連結される。
【0033】
また、第1サイクロイドディスク50は第1軸孔57を備え、第2サイクロイドディスク51は第2軸孔58を備える。第1軸孔57は第1サイクロイドディスク50の幾何中心に位置する。第2軸孔58は、第2サイクロイドディスク51の幾何中心に位置する。偏心アセンブリ21の一部は、第1軸孔57及び第2軸孔58内に回転可能に配置される。偏心機構2が回転すると、第1サイクロイドディスク50及び第2サイクロイドディスク51は対応して偏心機構2の偏心アセンブリ21とともに回転する。第1サイクロイドディスク50と第3サイクロイドディスク60とは第1連結部52を介して連結されているので、第1サイクロイドディスク50と第3サイクロイドディスク60とは同方向に同期して回転する。
【0034】
加えて、第3サイクロイドディスク60は、第3軸孔65を有し、第4サイクロイドディスク61は、第4軸孔66を有する。第3軸孔65は、第3サイクロイドディスク60の幾何中心に位置する。第4軸孔66は、第4サイクロイドディスク61の幾何中心に位置する。偏心アセンブリ21の一部は、第3軸孔65及び第4軸孔66内に回転可能に配置される。偏心アセンブリ21が回転すると、第3サイクロイドディスク60及び第4サイクロイドディスク61は対応して偏心機構2の偏心アセンブリ21とともに回転する。第2サイクロイドディスク51と第4サイクロイドディスク61とは第2連結部53を介して連結されているので、第2サイクロイドディスク51と第4サイクロイドディスク61とは同方向に同期して回転する。
【0035】
以上の説明のように、サイクロ減速機1は、第1回転ディスクアセンブリ5と第2回転ディスクアセンブリ6の2つのサイクロイドディスクアセンブリからなる。第1回転ディスクアセンブリ5は、2つのサイクロイドディスク、すなわち第1サイクロイドディスク50及び第2サイクロイドディスク51を備える。第2回転ディスクアセンブリ6は、2つのサイクロイドディスク、すなわち第3サイクロイドディスク60及び第4サイクロイドディスク61を備える。すなわち、第1ローラアセンブリ3の第1ローラ31と第2ローラアセンブリ4の第2ローラ41とに接触する4つのサイクロイドディスクを有する。ローラと接触する2つのサイクロイドディスクを使用する従来のサイクロ減速機と比較して、サイクロ減速機1の各サイクロイドディスクが受ける荷重は低減される。サイクロ減速機1は構造強度が強く剛性が高いため、高負荷環境にも適用することができる。
【0036】
図5は、
図1のサイクロ減速機における偏心アセンブリとベアリングセットの関係を示す概略分解図である。
図2、
図4及び
図5を参照されたい。偏心アセンブリ21は、ベアリングセット8を介して、第1軸孔57、第2軸孔58、第3軸孔65及び第4軸孔66内に回転可能に配置される。好ましくは、ベアリングセット8は、4つの独立した第4ベアリング80を備えているが、この構成に限られない。偏心アセンブリ21は、回転シャフト20に偏心して固定された第1偏心シリンダ22、第2偏心シリンダ23、第3偏心シリンダ24及び第4偏心シリンダ25を備える。これらは、回転シャフト20に偏心して固定されるとともに並んで配置される。各第4ベアリング80は、第1偏心シリンダ22、第2偏心シリンダ23、第3偏心シリンダ24および第4偏心シリンダ25の周囲に外装される。これにより、第1偏心シリンダ22は、第4ベアリング80を介して第1サイクロイドディスク50の第1軸孔57内に設置される。同様に、第2偏心シリンダ23は、対応する第4ベアリング80を介して第2サイクロイドディスク51の第2軸孔58内に設置される。同様に、第3偏心シリンダ24は、対応する第4ベアリング80を介して第3サイクロイドディスク60の第3軸孔65内に設置される。同様に、第4偏心シリンダ25は、第4ベアリング80を介して第4サイクロイドディスク61の第4軸孔66内に設置される。すなわち、第1サイクロイドディスク50、第2サイクロイドディスク51、第3サイクロイドディスク60及び第4サイクロイドディスク61は、第1偏心シリンダ22、第2偏心シリンダ23、第3偏心シリンダ24及び第4偏心シリンダ25の周囲にそれぞれ外装される。第1偏心シリンダ22の偏心方向と第3偏心シリンダ24の偏心方向は同一である。第2偏心シリンダ23の偏心方向と第4偏心シリンダ25の偏心方向は同一である。第1偏心シリンダ22及び第3偏心シリンダ24の偏心方向は、第2偏心シリンダ23及び第4偏心シリンダ25の偏心方向とは反対の方向である。すなわち、第1サイクロイドディスク50及び第3サイクロイドディスク60の偏心方向は、第2サイクロイドディスク51及び第4サイクロイドディスク61の偏心方向と反対の方向である。したがって、動力学的平衡を補償するためサイクロ減速機1に追加の重量補償装置を設置する必要はない。
【0037】
前述したように、第1サイクロイドディスク50の第1外歯54と第2サイクロイドディスク51の第2外歯55は、第1ローラ31に接触し、第3サイクロイドディスク60の第3外歯63と第4サイクロイドディスク61の第4外歯64は、第2ローラ41に接触している。したがって、第1サイクロイドディスク50の第1外歯54の歯数は、第2サイクロイドディスク51の第2外歯55の歯数に等しく、第3サイクロイドディスク60の第3外歯63の歯数は、第4サイクロイドディスク61の第4外歯64の歯数に等しい。第1サイクロイドディスク50の第1外歯54の歯の形状は第2サイクロイドディスク51の第2外歯55の歯の形状と一致し、第3サイクロイドディスク60の第3外歯63の歯の形状は、第4サイクロイドディスク61の第4外歯64の歯の形状と一致する。また、第1ローラ31の数は、第1外歯54の歯数よりも少なくとも1以上多く且つ第2外歯55の歯数よりも少なくとも1以上多く、第2ローラ41の数は、第3外歯63の歯数よりも少なくとも1以上多く且つ第4外歯64の歯数の少なくとも1以上多い。
【0038】
好ましくは、第2連結部53は、対応する第2貫通孔62を貫通し、対応する第2貫通孔62の周縁から離間している。したがって、第1サイクロイドディスク50と第3サイクロイドディスク60とが同期して回転している間、第1サイクロイドディスク50及び第3サイクロイドディスク60の動作が第2連結部53によって妨げられることはない。同様に、第1連結部52は、対応する第1貫通孔56を貫通し、対応する第1貫通孔56の周縁から離間している。したがって、第2サイクロイドディスク51と第4サイクロイドディスク61とが同期して回転している間、第1サイクロイドディスク50及び第4サイクロイドディスク61の動作が第1連結部52によって妨げられることはない。
【0039】
図2に示す実施形態において、第1連結部52と第2連結部53は台形状の角柱である。これに対応して、第1貫通孔56及び第2貫通孔62は台形形状の輪郭を有する。なお、第1連結部52、第2連結部53、第1貫通孔56及び第2貫通孔62の形状は特に限定されず、実用上の要件に応じて適宜変更可能である。例えば、他の実施形態では、第1連結部52及び第2連結部53は、円柱状であり、これに対応して、第1貫通孔56及び第2貫通孔62は円形の輪郭を有する。
【0040】
一実施形態では、偏心アセンブリ21の第1偏心シリンダ22、第2偏心シリンダ23、第3偏心シリンダ24及び第4偏心シリンダ25は、回転シャフト20と一体的に形成される。第1偏心シリンダ22、第2偏心シリンダ23、第3偏心シリンダ24及び第4偏心シリンダ25の周囲に対応する4つのベアリング80を外装するため、第1偏心シリンダ22、第2偏心シリンダ23、第3偏心シリンダ24及び第4偏心シリンダ25の半径は特別に設計される。例えば、第2偏心シリンダ23の半径R2は、第1偏心シリンダ22の半径R1よりも大きく、第3偏心シリンダ24の半径R3は、第4偏心シリンダ25の半径R4よりも大きい。
【0041】
他のいくつかの実施形態では、偏心アセンブリ21の偏心シリンダは、回転シャフト20と一体的に形成されていない。ベアリング80を対応する偏心シリンダの周囲に外装するため、第1偏心シリンダ22、第2偏心シリンダ23、第3偏心シリンダ24及び第4偏心シリンダ25のうちの少なくとも2つの偏心シリンダは回転シャフト20に組み付けられ、他の偏心シリンダは回転シャフト20と一体的に形成される。
【0042】
図6は、
図4に示す偏心シリンダを回転シャフトに組み付ける方法を示す概略断面図である。
図6に示す実施形態において、偏心シリンダ(例えば、第1偏心シリンダ22)は、回転シャフト20に組み付けられている。回転シャフト20の回転力を回転シャフト20上の各偏心シリンダに円滑に伝達するため、返信装置は結合ピン26をさらに備えている。偏心シリンダは、結合ピン26を介して回転シャフト20に固定されており、これにより偏心シリンダを回転シャフト20にきつく嵌めることができる。
【0043】
以下、サイクロ減速機1を用いて所望の減速比を達成する原理について説明する。再び
図1〜
図5を参照されたい。例えば、第1ローラアセンブリ3の第1ローラ31の数をN、第2ローラアセンブリ4の第2ローラ41の数をMとする。また、第1ローラ31の数は、第1外歯54の歯数よりも1多く、且つ第2外歯55の歯数よりも1多いものとする。同様に、第1ローラ31の数は第3外歯63の歯数よりも1多く、且つ第4外歯64の歯数よりも1多いものとする。すなわち、第1外歯54の歯数は(N−1)、第2外歯55の歯数は(N−1)、第3外歯63の歯数は(M−1)、第4外歯64の歯数は(M−1)である。従って、サイクロ減速機1の減速比Rは(N−1)×M/(N−M)となる。減速の目的を達成するため、NとMは等しくないものとする。動力学的平衡の有効性を高めるため、NとMは偶数とされ、また、N≧2、M≧2である。N>Mであり減速比Rが正の場合、第2ホイールディスク40の回転方向(すなわち、動力出力成分)と回転シャフト20の回転方向は一致する。N<Mであり減速比Rが負の場合、第2ホイールディスク40の回転方向(動力出力成分)と回転シャフト20の回転方向は逆となる。
【0044】
以下、サイクロ減速機1の動作を
図7を参照して説明する。
図7は、本発明の第1実施形態に係るサイクロ減速機の逐次動作を模式的に示す図である。例えば、第1ローラ31の数Nは4であり、第2ローラ41の数Mは2とする。この場合、サイクロ減速機1の減速比Rは、(4−1)×2/(4−2)=3に等しい。
図7に示す隣接する2つの動作の間の時間間隔は、回転シャフト20を1回転させる時間に等しい。
図7及び
図1〜5を参照されたい。回転シャフト20は、モータ(図示せず)から入力された動力を受け、反時計方向に回転する。回転シャフト20が回転すると、第1偏心シリンダ22、第2偏心シリンダ23、第3偏心シリンダ24及び第4偏心シリンダ25が偏心回転する。第1偏心シリンダ22、第2偏心シリンダ23、第3偏心シリンダ24及び第4偏心シリンダ25が偏心回転する間、第1サイクロイドディスク50、第2サイクロイドディスク51、第3サイクロイドディスク60及び第4サイクロイドディスク61が時計回り方向にゆっくりと回転する。また、第1ローラ31は回転シャフト20軸心周りに回転しないため、第3サイクロイドディスク60の第3外歯63と第4サイクロイドディスク61の第4外歯64とは第2ローラアセンブリの第2ローラ41に押し付けられる。このとき、第2ローラ41は回転シャフト20の軸心を中心として反時計方向に回転する。これにより、第2ローラ41の動きが第2ホイールディスク40の反時計回りの回転を生じさせる。すなわち、第2ローラアセンブリ4も反時計方向に回転する。本実施形態では、第2ローラアセンブリ4の第2ホイールディスク40は、出力を生じさせるサイクロ減速機1の出力部材である。
【0045】
図8,
図9及び
図10を参照されたい。
図8は、本発明の第2実施形態に係るサイクロ減速機をある視点から見た概略的に示す分解図である。
図9は、
図8のサイクロ減速機を他の視点から見た概略分解図である。
図10は、
図8のサイクロ減速機を示す概略断面図である。サイクロ減速機1'は、減速機能を提供するため、モータ、工作機械、ロボットアーム、自動車、バイクなどの動力機械に適用することができる。
【0046】
本実施形態では、サイクロ減速機1'は2段サイクロ減速機である。サイクロ減速機1'は、偏心機構2'と、第1ローラアセンブリ3'と、第2ローラアセンブリ4'と、第1回転ディスクアセンブリ5'と、第2回転ディスクアセンブリ6'とを備える。
【0047】
偏心機構2'は、モータ(図示せず)からの入力動力を受け取る。入力動力に応じて、偏心機構2'は回転駆動する。一実施形態では、偏心機構2'は、回転シャフト20'と偏心アセンブリ21'とを備える。モータからの入力動力に応答して回転シャフト20'が回転する。回転シャフト20'は、互いに対向する第1端部200'と第2端部201'とを備える。偏心アセンブリ21'は、回転シャフト20'に対し偏心して固定される。すなわち、偏心アセンブリ21'は、回転シャフト20'の第1端部200'と第2端部201'の間に配置される。回転シャフト20'が回転すると、偏心アセンブリ21'は回転シャフト20'の軸心に対して偏心回転する。
【0048】
第1ローラアセンブリ3'は、第1ホイールディスク30'と、複数の第1ローラ31'とを備える。第1ホイールディスク30'は、円盤構造又は中空円筒構造であり、金属材料又は合金製である。また、第1ホイールディスク30'の中心孔300'には、第1ベアリング90'が配置される。中心孔300'は、第1ホイールディスク30'の幾何中心に位置している。第1ベアリング90'の例としては、ボールベアリング、ニードルベアリング又は含油軸受けが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。第1ベアリング90'を介して、回転シャフト20'は第1ホイールディスク30'の中心孔300'内に部分的に収容される。したがって、回転シャフト20'の第1端部200'と第2端部201'は、第1ホイールディスク30'の一方側及び他方側に位置することになる。好ましくは、複数の第1ローラ31'は金属材料又は合金製の円柱であるが、これに限られない。また、複数の第1ローラ31'は第1ホイールディスク30'に周方向に離散的かつ等間隔に配置される。
【0049】
いくつかの実施形態では、第1ローラアセンブリ3'は、ケーシング32'をさらに備える。ケーシング32'は、第1ホイールディスク30'に組み付けられ、中空構造を有する。偏心機構2'、第1ローラアセンブリ3'、第2ローラアセンブリ4'、第1回転ディスクアセンブリ5及び第2回転ディスクアセンブリ6'を組み合わせてサイクロ減速機1'とした後、偏心機構2'の一部と、第2ローラアセンブリ4'と、第1回転ディスクアセンブリ5'と、第2回転ディスクアセンブリ6'とがケーシング32'の中空構造内に収容される。本実施形態において、第1ローラアセンブリ3'は、回転シャフト20'の軸心を中心に回転することはない。つまり、第1ホイールディスク30'、複数の第1ローラ31'及びケーシング32'は、回転シャフト20の軸心を中心としては回転しない。ただし、複数の第1ローラ31'は、自軸回りに回転(すなわち、自転)する。
【0050】
第2ローラアセンブリ4'は、第2ホイールディスク40'と、複数の第2ローラ41'とを備える。第2ホイールディスク40'は、円板構造又は中空円筒構造であり、金属材料又は合金製である。また、第2ホイールディスク40の中心孔400'内には、第2ベアリング91'が配置される。中心孔400'は、第2ホイールディスク40'の幾何中心に位置している。
第2ベアリング91'の一例には、玉軸受、ニードル軸受又は油保持軸受が含まれるが、これらに限定されるものではない。第2ベアリング91'を介して回転シャフト20'が第2ホイールディスク40'の中心孔400'内に部分的に収容される。したがって、回転シャフト20'の第1端部200'と第2端部201'は、第2ホイールディスク40'の一方側及び他方側に位置することになる。好ましくは、複数の第2ローラ41'は金属材料又は合金製の円柱であるが、これに限られない。複数の第2ローラ41'は、第2ホイールディスク40'に周方向に離散的かつ等間隔に配置される。本実施形態では、第2ローラアセンブリ4'は、回転シャフト20'の軸心を中心に回転する。つまり、第2ホイールディスク40'及び複数の第2ローラ41'は、回転シャフト20'の軸心を中心に回転する。加えて、第2ホイールディスク40'は、出力を生じさせるサイクロ減速機の出力部材である。いくつかの実施形態では、複数の第2ローラ41'は、それら自軸を中心に回転する。
【0051】
一実施形態では、サイクロ減速機1'は、第3ベアリング93'をさらに備える。第3ベアリング93'は、ケーシング32'の中空構造内に配置され、ケーシング32'と第2ホイールディスク40'との間に配置される。その結果、第2ローラアセンブリ4'はケーシング32'内で回転可能である。
【0052】
第1回転ディスクアセンブリ5'は、偏心アセンブリ21'に取り付けられ、偏心アセンブリ21'とともに回転する。第1回転ディスクアセンブリ5'は、第1サイクロイドディスク50'及び第2サイクロイドディスク51'を備える。
第1サイクロイドディスク50'は、第1ホイールディスク30'の側方に配置される。また、第1サイクロイドディスク50'は、複数の連結部52'と少なくとも1つの第1外歯53'とを備える。少なくとも1つの第1外歯53'は、第1サイクロイドディスク50'の外周から突出する。また、少なくとも1つの第1外歯53'は、少なくとも1つの第1ローラ31'と当接する。
第2サイクロイドディスク51'は、第1サイクロイドディスク50'の側方に配置される。加えて、第2サイクロイドディスク51'及び第1ホイールディスク30'は、第1サイクロイドディスク50'の一方側及び他方側に位置する。第2サイクロイドディスク51'は、少なくとも1つの第2外歯54'と、複数の第1貫通孔55'とを備える。少なくとも1つの第2外歯54'は、第2サイクロイドディスク51'の外周から突出する。また、少なくとも1つの第2外歯54'は、少なくとも1つの第1ローラ31'と接触する。
【0053】
第2回転ディスクアセンブリ6'は、偏心アセンブリ21'に取り付けられ、偏心アセンブリ21'とともに回転する。第2回転ディスクアセンブリ6'は、第3サイクロイドディスク60'及び第4サイクロイドディスク61'を備える。第3サイクロイドディスク60'は、第2サイクロイドディスク51'と第2ホイールディスク40'の間に配置され、第2サイクロイドディスク51'に固定される。第3サイクロイドディスク60は、複数の第2貫通孔62'および少なくとも1つの第3外歯63'を備える。少なくとも1つの第3外歯63'は、第3サイクロイドディスク60'の外周から突出する。また、少なくとも1つの第3外歯63'は、少なくとも1つの第2ローラ41'と接触する。第4サイクロイドディスク61'は、第3サイクロイドディスク60'と第2ホイールディスク40'の間に配置される。第4サイクロイドディスク61'は、少なくとも1つの第4外歯64'を備える。少なくとも1つの第4外歯64'は、第4サイクロイドディスク61'の外周から突出する。また、少なくとも1つの第4外歯64'は少なくとも1つの第2ローラ41'と接触する。複数の第2貫通孔62'は、対応する第1貫通孔55'と位置が揃っている。
【0054】
連結部52'は、対応する第1貫通孔55'及び対応する第2貫通孔62'を貫通する。また、連結部52'は、第1サイクロイドディスク50'と第4サイクロイドディスク61'の間に配置される。連結部52'の第1端部は、第1サイクロイドディスク50'に固定される。連結部52'の第2端部は、第4サイクロイドディスク61'に組み付けられる。これにより、第1サイクロイドディスク50'と第4サイクロイドディスク61'とは、連結部52'を介して連結される。また、第1サイクロイドディスク50'は第1軸孔56'を備え、第2サイクロイドディスク51'は第2軸孔57'を備える。第1軸孔56'は第1サイクロイドディスク50'の幾何中心に位置する。第2軸孔57'は、第2サイクロイドディスク51'の幾何中心に位置する。偏心アセンブリ21の一部は、第1軸孔56'及び第2軸孔57'内に回転可能に配置される。偏心機構2'が回転すると、第1サイクロイドディスク50'及び第2サイクロイドディスク51'は対応して偏心機構2'の偏心アセンブリ21'とともに回転する。
【0055】
加えて、第3サイクロイドディスク60'は、第3軸孔65'を有し、第4サイクロイドディスク61'は、第4軸孔66'を有する。第3軸孔65は'、第3サイクロイドディスク60の幾何中心に位置する。第4軸孔66'は、第4サイクロイドディスク61'の幾何中心に位置する。偏心アセンブリ21'の一部は、第3軸孔65'及び第4軸孔66'内に回転可能に配置される。偏心アセンブリ21'が回転すると、第3サイクロイドディスク60'及び第4サイクロイドディスク61'は対応して偏心アセンブリ21'とともに回転する。
【0056】
第1サイクロイドディスク50'と第4サイクロイドディスク61'は連結部52'を介して連結されているので、第1サイクロイドディスク50'と第4サイクロイドディスク61'は同方向に同期して回転する。また、第2サイクロイドディスク51'と第3サイクロイドディスク60'は互いに固定されているので、第2サイクロイドディスク51'と第3サイクロイドディスク60'は同方向に同期して回転する。
【0057】
以上の説明のように、サイクロ減速機1'は、第1回転ディスクアセンブリ5'と第2回転ディスクアセンブリ6'の2つのサイクロイドディスクアセンブリからなる。第1回転ディスクアセンブリ5'は、2つのサイクロイドディスク、すなわち第1サイクロイドディスク50'及び第2サイクロイドディスク51'を備える。第2回転ディスクアセンブリ6'は、2つのサイクロイドディスク、すなわち第3サイクロイドディスク60'及び第4サイクロイドディスク61'を備える。すなわち、第1ローラアセンブリ3'の第1ローラ31'と第2ローラアセンブリ4'の第2ローラ41'とに接触する4つのサイクロイドディスクを有する。ローラと接触する2つのサイクロイドディスクを使用する従来のサイクロ減速機と比較して、サイクロ減速機1'の各サイクロイドディスクが受ける荷重は低減される。サイクロ減速機1'は構造強度が強く剛性が高いため、高負荷環境にも適用することができる。
【0058】
図11は、
図8のサイクロ減速機における偏心アセンブリとベアリングセットの関係を示す概略分解図である。偏心アセンブリ21'は、回転シャフト20'に偏心して固定された第1偏心シリンダ22'、第2偏心シリンダ23'、第3偏心シリンダ24'及び第4偏心シリンダ25'を備える。これらは、回転シャフト20'に偏心して固定されるとともに並んで配置される。第2偏心シリンダ23'の偏心方向と第3偏心シリンダ24'の偏心方向は同一である。第1偏心シリンダ22'及び第4偏心シリンダ25'の偏心方向は、第2偏心シリンダ23'及び第3偏心シリンダ24'の偏心方向とは反対の方向である。
【0059】
偏心アセンブリ21'は、ベアリングセット8'を介して第1軸孔56'、第2軸孔57'、第3軸孔65'及び第4軸孔66'内に回転可能に設置される。好ましくは、ベアリングセット8'は、少なくとも3つの独立した第4ベアリング80'を備えているが、この構成に限られない。第1偏心シリンダ22'は、対応する第4ベアリング80'を介して第1サイクロイドディスク50'の第1軸孔56'内に設置される。第2偏心シリンダ23'と第3偏心シリンダ24'とは互いに並んで配置され偏心方向が同一であるので、第2サイクロイドディスク51'の第2軸孔57'及び第3サイクロイドディスク60'の第3軸孔65'内には単一の第4ベアリング80'が収容される。すなわち、同一の第4ベアリング80'を介して、第2偏心シリンダ23'が第2サイクロイドディスク51'の第2軸孔57'内に配置され、第3偏心シリンダ24'が第3サイクロイドディスク60'の第3軸孔65'内に配置される。第4偏心シリンダ25'は、第4ベアリング80'を介して第4サイクロイドディスク61'の第4軸孔66'に設置される。すなわち、第1サイクロイドディスク50'及び第4サイクロイドディスク61'の偏心方向は、第2サイクロイドディスク51'及び第3サイクロイドディスク60'の偏心方向と反対の方向である。したがって、動力学的平衡を補償するためサイクロ減速機1'に追加の重量補償装置を設置する必要はない。あるいは、他の実施形態では、第2サイクロイドディスク51'の第2軸孔57'及び第3サイクロイドディスク60'の第3軸孔65'内に2つの第4ベアリング80'がそれぞれ収容される。すなわち、第2偏心シリンダ23'及び第3偏心シリンダ24'は、ベアリング80'を介して第2サイクロイドディスク51'の第2軸孔57'と第3サイクロイドディスク60'の第3軸孔65'に配置される。この場合、ベアリングセット8'は4つの独立した第4ベアリング80'を備える。
【0060】
前述したように、第1サイクロイドディスク50'の第1外歯53'及び第2サイクロイドディスク51'の第2外歯54'は第1ローラ31'に接触し、第3サイクロイドディスク60'の第3外歯63'及び第4サイクロイドディスク61'の第4外歯64'は第2ローラ41'に接触する。したがって、第1サイクロイドディスク50'の第1外歯53'の歯数は、第2サイクロイドディスク51'の第2外歯54'の歯数と等しく、第のサイクロイドディスク60'の第3外歯63'の歯数は、第4サイクロイドディスク61'の第4外歯64'の歯数に等しい。第1サイクロイドディスク50'の第1外歯53'の歯の形状は第2サイクロイドディスク51'の第2外歯54'の形状と一致し、第3サイクロイドディスク60'の第3外歯63'の歯形は、サイクロイドディスク60'は、第4サイクロイドディスク61'の第4外歯64'の歯形と一致する。また、第1ローラ31'の数は、第1外歯53'の歯数よりも少なくとも1以上多く且つ第2外歯54'の歯数よりも少なくとも1以上多く、第2ローラ41'の数は、第3外歯63'の歯数よりも少なくとも1以上多く且つ第4外歯64'の歯数よりも少なくとも1以上多い。好ましくは、連結部52'は、対応する第1貫通孔55'及び対応する第2貫通孔62'を貫通し、対応する第1貫通孔55'の周縁及び対応する第2貫通孔62'の周縁から離間している。したがって、第2サイクロイドディスク51'と第3サイクロイドディスク60'とが同期して回転している間、第2サイクロイドディスク51'と第3サイクロイドディスク60'の動作が連結部52'によって妨げられることはない。
【0061】
図8に示す実施形態において、連結部52'は円柱状である。これに対応して、第1貫通孔55'および第2貫通孔62'は円形の輪郭を有する。なお、連結部52'、第1貫通孔55'及び第2貫通孔62'の形状は特に限定されず、実用上の要件に応じて適宜変更可能である。例えば、他の実施形態では、連結部52'は台形状の角柱であり、これに対応して、第1貫通孔55'及び第2貫通孔62'は台形形状の輪郭を有する。
【0062】
一実施形態では、偏心アセンブリ21'の第1偏心シリンダ22'、第2偏心シリンダ23'、第3偏心シリンダ24'及び第4偏心シリンダ25'は、回転シャフト20'と一体的に形成される。第1偏心シリンダ22'、第2偏心シリンダ23'、第3偏心シリンダ24'及び第4偏心シリンダ25'の周囲に対応するベアリング80'を外装するため、第1偏心シリンダ22'、第2偏心シリンダ23'、第3偏心シリンダ24'及び第4偏心シリンダ25'の半径は特別に設計される。例えば、第2偏心シリンダ23'の半径R2'は、第1偏心シリンダ22'の半径R1'よりも大きく、第3偏心シリンダ24'の半径R3'は、第4偏心シリンダ25'の半径R4'よりも大きい。
【0063】
他のいくつかの実施形態では、偏心アセンブリ21'の偏心シリンダは、回転シャフト20'と一体的に形成されていない。ベアリング80'を対応する偏心シリンダの周囲に外装するため、第1偏心シリンダ22'、第2偏心シリンダ23'、第3偏心シリンダ24'及び第4偏心シリンダ25'のうちの少なくとも2つの偏心シリンダは回転シャフト20'に組み付けられ、他の偏心シリンダは回転シャフト20'と一体的に形成される。回転シャフト20'の回転力を回転シャフト20'上の各偏心シリンダに円滑に伝達するため、返信装置は結合ピン(
図6も参照)をさらに備えている。偏心シリンダは、結合ピンを介して回転シャフト20'に固定されており、これにより偏心シリンダを回転シャフト20'にきつく嵌めることができる。
【0064】
図8のサイクロ減速機1'の減速比及び動作原理は、
図1のサイクロ減速機1のものと同様であるため、ここでは重複して説明しない。
【0065】
以上の説明のように、本発明はサイクロ減速機を提供するものである。サイクロ減速機は、2つのサイクロイドディスクアセンブリを備える。各回転ディスクアセンブリは、2つのサイクロイドディスクを備える。言い換えると、サイクロ減速機は、対応するローラと接触する4つのサイクロイドディスクを備える。2つのサイクロイドディスクを用いた従来のサイクロ減速機と比較して、本発明のサイクロ減速機では、各サイクロイドディスクが受ける負荷が軽減される。このサイクロ減速機は、構造強度が強く剛性が高いため、高負荷環境にも適用することができる。さらに、偏心機構の偏心アセンブリは、複数の偏心シリンダを備える。複数の偏心シリンダは、対応するサイクロイドディスクの軸孔内に配置される。複数の偏心シリンダにより、2つのサイクロイドディスクの偏心方向は、他の2つのサイクロイドディスクの偏心方向と反対の方向になる。従って、動力学的平衡を補償するためにサイクロ減速機に追加の重量補償装置を設置する必要がない。
【0066】
本発明は、最も実用的で好ましい実施形態であると現在考えられるものに関して説明されているが、本発明は開示された実施形態に限定される必要はないことを理解されたい。逆に、最も広い解釈に従う添付の特許請求の範囲の精神および範囲内に含まれる様々な改変及び類似の構成を包含し、そのような改変及び類似の構造すべてを包含することが意図される。