特許第6554611号(P6554611)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ビーワイディー カンパニー リミテッドの特許一覧

<>
  • 特許6554611-リレー 図000002
  • 特許6554611-リレー 図000003
  • 特許6554611-リレー 図000004
  • 特許6554611-リレー 図000005
  • 特許6554611-リレー 図000006
  • 特許6554611-リレー 図000007
  • 特許6554611-リレー 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6554611
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】リレー
(51)【国際特許分類】
   H01H 50/54 20060101AFI20190722BHJP
   H01H 50/38 20060101ALI20190722BHJP
   H01H 50/04 20060101ALI20190722BHJP
   H01H 85/02 20060101ALN20190722BHJP
【FI】
   H01H50/54 C
   H01H50/38 A
   H01H50/04 C
   !H01H85/02 S
【請求項の数】11
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-528375(P2018-528375)
(86)(22)【出願日】2016年8月30日
(65)【公表番号】特表2018-523909(P2018-523909A)
(43)【公表日】2018年8月23日
(86)【国際出願番号】CN2016097353
(87)【国際公開番号】WO2017036380
(87)【国際公開日】20170309
【審査請求日】2018年2月21日
(31)【優先権主張番号】201510546556.5
(32)【優先日】2015年8月31日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201520671874.X
(32)【優先日】2015年8月31日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】505327398
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BYD COMPANY LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100107733
【弁理士】
【氏名又は名称】流 良広
(74)【代理人】
【識別番号】100115347
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 奈緒子
(72)【発明者】
【氏名】バオトン・ヤオ
(72)【発明者】
【氏名】ヂーチャオ・リ
【審査官】 澤崎 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−287524(JP,A)
【文献】 特開2005−005243(JP,A)
【文献】 特開平07−057613(JP,A)
【文献】 特開2016−134383(JP,A)
【文献】 特開2010−277802(JP,A)
【文献】 特開2002−324478(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 50/02 , 50/04 ,
H01H 50/20 , 50/38 ,
H01H 50/54 , 50/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁ハウジングと、2つのバインディングポストと、絶縁板と、ヒューズと、取り付け台と、プッシュロッドと、を含むリレーであって、
前記絶縁ハウジングが、その中に収容キャビティを画定し、前記収容キャビティが、その1つの端部で開放しており、
前記2つのバインディングポストが、互いに間隔を空けて離れており、前記絶縁ハウジングに配置され、前記2つのバインディングポストのそれぞれの端部が、前記収容キャビティに延び;
前記絶縁板が、前記収容キャビティ内に配置され、第1の位置と第2の位置との間で可動であり、互いに間隔を空けて離れている2つの接続接点を有し、前記バインディングポストに対向する前記絶縁板の第1の側に配置され、前記2つの接続接点が、それぞれ、位置において、前記2つのバインディングポストに対応し、
前記ヒューズが、前記2つの接続接点の間に配置され、前記ヒューズの2つの端部が、それぞれ、前記2つの接続接点に電気的に接続され;
前記取り付け台が、前記絶縁ハウジングに接続され;
前記プッシュロッドが、前記取り付け台に、可動的に配置され、前記絶縁板に接続し前記絶縁板を押し、前記第1の位置と前記第2の位置との間を動き;
前記絶縁板が前記第1の位置に位置する場合、前記2つの接続接点が、それぞれ、前記2つのバインディングポストに当接し、前記絶縁板が前記第2の位置に位置する場合、前記2つの接続接点が、それぞれ、前記2つのバインディングポストから離れ
複数の消弧グリッドが、前記2つのバインディングポストに対向する前記絶縁板の第1の側に設けられ、前記絶縁板の長さ方向に沿って延びている取り付け溝が、前記複数の消弧グリッドによって画定され、前記ヒューズが、前記取り付け溝内に配置されていることを特徴とするリレー。
【請求項2】
前記取り付け台が、前記絶縁ハウジングに接続し、前記収容キャビティを封止し、前記収容キャビティが、消弧ガスで充填されている請求項1に記載のリレー。
【請求項3】
前記取り付け溝が、前記複数の消弧グリッドを貫通する通し溝として構成される請求項1に記載のリレー。
【請求項4】
前記絶縁板に、複数のスルーホールが設けられ、前記複数のスルーホールが前記絶縁板の厚み方向に沿って前記絶縁板を貫通し、前記取り付け溝と連通される請求項1に記載のリレー。
【請求項5】
前記ヒューズが、前記絶縁板の長さ方向に沿って延びているシートとして構成され、前記ヒューズが、その長さ方向に、互いに間隔を空けて離れている又は隣接している複数の曲げ部を含み、各曲げ部が、長方形の形状、三角形の形状、又は台形の形状を有するように構成される請求項1に記載のリレー。
【請求項6】
前記収容キャビティに連通している装着キャビティが、前記取り付け台の下部端部で画定され、前記プッシュロッドが、前記装着キャビティ内に配置され、前記プッシュロッドの第1の端部が、前記収容キャビティに延び、前記絶縁板と接続される請求項1に記載のリレー。
【請求項7】
コア及びコイルを更に含み、前記コアが、前記装着キャビティ内で可動的に配置され、前記プッシュロッドの第2の端部に接続され、前記コイルが、前記コアの周囲に配置され、電源に接続されている請求項6に記載のリレー。
【請求項8】
制限ポストが、前記装着キャビティ内に配置され、前記制限ポストが、前記コアと前記取り付け台の上壁との間に位置され、前記取り付け台の前記上壁に当接し、リセットばねが、前記制限ポストと前記コアとの間に配置され、前記リセットばねの2つの端部が、それぞれ、前記コア及び前記制限ポストに当接する請求項7に記載のリレー。
【請求項9】
取り付け枠が、前記バインディングポストから離れて対向する前記絶縁板の第2の側で設けられ、前記プッシュロッドの第1の端部が、前記取り付け枠に接続されている請求項1に記載のリレー。
【請求項10】
緩衝部材が、前記取り付け枠と前記プッシュロッドとの間に配置され、前記緩衝部材の2つの端部が、それぞれ、前記取り付け枠及び前記プッシュロッドに当接する請求項9に記載のリレー。
【請求項11】
前記絶縁ハウジング及び前記絶縁板がセラミックからなる請求項1に記載のリレー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リレーの技術分野、より詳細には、リレーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術におけるリレーの2つの接続接点間の電気的接続は、特定の厚みを有する銅板を用いることで、行われ、外部回路の電流が過剰に高いと、リレーは過負荷保護機能を持たないので、負荷回路の部品は、損傷しやすく、安全性が非常に低い。更に、従来技術におけるリレーは、消弧機能を持たず、内部絶縁性に乏しく、リレーの低電圧におけるエレメントで、損傷又は故障減少が、容易に起こることがあり、それによってデバイスのサービス寿命が大きく短縮する。
【0003】
更に、従来技術におけるリレーの使用プロセスにおいて、リレーが位置する周辺回路に、保護装置、例えば、個々のヒューズ装置を追加に適用することが必要であり、個々に組み立てられたヒューズ装置は、同時に、回路における電気部品の使用量を増加させるだけでなく、大きな設置スペースを必要とする。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、従来技術における技術的問題の1つをある程度にまで解決することを図る。したがって、本開示は、シンプルな構造、並びに高い信頼性及び安全性を有するリレーを提供する。
【0005】
本開示の実施形態に係るリレーは、絶縁ハウジングと、2つのバインディングポストと、絶縁板と、ヒューズと、取り付け台と、プッシュロッドと、を含む。前記絶縁ハウジングは、その中に収容キャビティを画定し、前記収容キャビティは、その1つの端部で開放しており、前記2つのバインディングポストは、互いに間隔を空けて離れており、前記絶縁ハウジングに配置され、前記2つのバインディングポストのそれぞれの端部は、前記収容キャビティに延びている。前記絶縁板は、前記収容キャビティ内に配置され、第1の位置と第2の位置との間で可動であり、互いに間隔を空けて離れている2つの接続接点を有し、前記バインディングポストに対向する前記絶縁板の第1の側に配置され、前記2つの接続接点は、それぞれ、位置において、前記2つのバインディングポストに対応する。前記ヒューズは、前記2つの接続接点の間に配置され、前記ヒューズの2つの端部は、それぞれ、前記2つの接続接点に電気的に接続されている。前記取り付け台は、前記絶縁ハウジングに接続され、前記プッシュロッドは、前記取り付け台に、可動的に配置され、前記絶縁板に接続し前記絶縁板を押し、前記第1の位置と前記第2の位置との間を動く。前記絶縁板が前記第1の位置に位置する場合、前記2つの接続接点は、それぞれ、前記2つのバインディングポストに当接し、前記絶縁板が前記第2の位置に位置する場合、前記2つの接続接点は、それぞれ、前記2つのバインディングポストから離れる。
【0006】
本開示の実施形態に係る前記リレーにおいて、前記ヒューズは、前記絶縁板の2つの接続接点の間に配置され、前記接続接点が前記バインディングポストに接続されているときに、外部回路が前記電気的接続を行う(即ち、前記外部回路がオンにスイッチする)ことを保証するように、前記2つの接続接点の間の電気的接続が行われることができるだけではなく、電流が非常に高い又は前記外部回路がショートする場合、前記外部回路の電気デバイスが焦げたり、損傷されることから防ぐことができるように、前記外部回路における過負荷保護機能を実現することができる。それによって、システムの信頼性及び安全性が改善し、前記電気デバイスのサービス寿命が効果的に長くなる。更に、本開示の前記リレーにおいては、前記ヒューズは、前記リレーと合わせられ、回路内の電子素子の数を減らすだけではなく、設置スペースを削減する。
【0007】
本開示の追加の態様及び利点の幾つかは、下記記載に提供され、幾つかは、下記の記載によって明らかになる又は本開示のプラクティスによって理解される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、リレーが引き離された状態である、本開示の実施形態に係るリレーの概略図である。
図2図2は、リレーがピックアップ状態である、本開示の実施形態に係るリレーの概略図である。
図3図3は、図2における部品Aの拡大図である。
図4図4は、本開示の実施形態に係るリレーの部分構造の分解図である。
図5図5は、本開示の実施形態に係るリレーの絶縁板の概略図である。
図6図6は、本開示の実施形態に係るリレーのヒューズの複数種類の構造を示す概略図である。
図7図7は、本開示の実施形態に係るリレーの外観を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態は、下記に詳細に記載され、実施形態の例は、添付している図面に示される。添付している図面を参照して記載される下記実施形態は、図解的であり、本開示を説明することを目的とし、本開示を限定するものとして解釈されないものとする。
【0010】
本開示の実施形態に係るリレー100は、図1図7を参照して下記に詳細に記載される。
【0011】
本開示の実施形態に係る前記リレー100は、絶縁ハウジング10と、絶縁板20と、ヒューズ30と、取り付け台40と、を含む。具体的には、前記絶縁ハウジング10は、その中に収容キャビティ11を画定し、前記収容キャビティ11は、その1つの端部で開放しており、前記絶縁ハウジング10に、互いに間隔を空けて離れている2つのバインディングポスト12が設けられ、前記2つのバインディングポスト12のそれぞれの端部は、前記収容キャビティ11に延びている。前記絶縁板20は、前記収容キャビティ11内に配置され、第1の位置(図2に示される位置状態)と第2の位置(図1に示される位置状態)との間で可動であり、2つの接続接点21を有する。前記2つの接続接点21は、互いに間隔を空けて離れており、前記2つのバインディングポスト12に対向する前記絶縁板20の第1の側に配置されている。前記2つの接続接点21は、位置において、前記2つのバインディングポスト12に対応する。即ち、前記2つの接続接点21の位置は、それぞれ、前記2つのバインディングポスト12の位置に対応する。
【0012】
前記絶縁板20が前記第1の位置に位置する場合、前記2つの接続接点21は、それぞれ、前記2つのバインディングポスト12に当接し、前記絶縁板20が前記第2の位置に位置する場合、前記2つの接続接点21は、前記2つのバインディングポスト12から離れる。前記ヒューズ30は、前記2つの接続接点21の間に配置され、前記ヒューズ30の2つの端部は、それぞれ、前記2つの接続接点21に電気的に接続されている。前記取り付け台40は、前記絶縁ハウジング10に接続され、プッシュロッド41は、前記取り付け台40に、可動的に配置され、前記絶縁板20に接続され、前記絶縁板20を押して、前記第1の位置と前記第2の位置との間を動く。
【0013】
言い換えれば、前記リレー100は、主に、前記絶縁ハウジング10、前記絶縁板20、前記ヒューズ30、及び前記取り付け台40によって構成される。具体的には、図1図3に示されるように、前記絶縁ハウジング10、前記絶縁板20、及び前記取り付け台40は、それぞれ、水平方向(例えば、図1に示される左右方向)に沿って延び、前記収容キャビティ11は、前記絶縁ハウジング10内で画定され、その下部端部で開放しており、前記絶縁ハウジング10は、前記取り付け台40に配置され、前記取り付け台40に接続されて、前記収容キャビティ11を封止する。前記絶縁ハウジング10の上壁に、互いに間隔を空けて離れている2つのバインディングポスト12が設けられ、前記2つのバインディングポスト12の上部端部は、前記絶縁ハウジング10の上部表面を越え、その下部端部は、前記絶縁ハウジング10の前記上壁を通って貫通し、前記収容キャビティ11に延びている。前記絶縁板20は、前記収容キャビティ11内で、可動的に配置され、前記絶縁板20の上部端部に、互いに間隔を空けて離れている2つの接続接点21が設けられ、前記2つの接続接点21の位置は、前記2つのバインディングポスト12の位置に対して、1対1の対応を有する。前記絶縁板20に、前記ヒューズ30が更に設けられ、前記ヒューズ30の2つの端部は、それぞれ、前記2つの接続接点21に接続され、前記2つの接続接点21の間の電気的接続を行う。
【0014】
幾つかの実施形態においては、前記取り付け台40は、接続プラットフォーム401と、スリーブ402と、支持板403と、を含む。前記支持板403は、前記水平方向に沿って延びている板ボディとして構成され、前記接続プラットフォーム401は、前記支持板403に配置され、前記支持板403の上部表面に接続される。前記スリーブ402は、前記支持板403の下に配置され、前記スリーブ402の上部端部は、前記支持板403の下部表面に接続される。垂直方向(図1に示される上下方向)に沿って延びているロッドボディ(即ち、前記プッシュロッド41)は、前記スリーブ402内で、可動的に配置され、前記プッシュロッド41の上部端部は、前記支持板403を通って貫通し、前記絶縁板20に接続され、前記絶縁板20を押して、前記収容キャビティ11内で動き、それによって前記2つのバインディングポスト12及び前記絶縁板20の前記2つの接続接点21が、それぞれ、ピックアップ状態(前記バインディングポスト12及び前記接続接点21が互いに当接し、接続されている)と引き離された状態(前記バインディングポスト12及び前記接続接点21が互いに引き離されている)との間でスイッチすることができることを保証する。
【0015】
前記リレー100が、通常の作動プロセスにある場合、前記リレー100の前記2つのバインディングポスト12は、それぞれ、外部回路の2つの端部に接続され、前記絶縁ハウジング10における前記2つのバインディングポスト12と前記絶縁板20の前記2つの接続接点21が、それぞれ、前記ピックアップ状態と前記引き離された状態との間でスイッチし、それによって前記外部回路をオン又はオフにスイッチする。具体的には、図2に示されるように、前記絶縁板20が、前記第1の位置に位置する場合、前記絶縁板20の前記2つの接続接点21は、それぞれ、前記2つのバインディングポスト12に当接し、接続され、更に前記ヒューズ30は、前記2つの接続接点21の間に配置されている。それによって、前記外部回路の電気的接続が行われ(即ち、前記外部回路がオンにスイッチする)、前記外部回路の電流が過剰に高い場合、前記ヒューズ30は、溶断し、回路を切断し、前記外部回路の過負荷保護機能を行う。更に、前記絶縁板20が前記第2の位置に位置する場合、前記絶縁板20の前記2つの接続接点21は、それぞれ、前記2つのバインディングポスト12から離され、この場合、前記外部回路は、オフにスイッチする。
【0016】
したがって、本開示の実施形態に係る前記リレー100において、前記ヒューズ30は、前記絶縁板20の前記2つの接続接点21の間に配置され、前記2つの接続接点21が前記2つのバインディングポスト12に接続されているときに、前記外部回路の前記電気的接続が行われる(即ち、前記外部回路がオンにスイッチする)ことを保証するように、前記2つの接続接点21の間の前記電気的接続が行われることができるだけではなく、電流が非常に高い又は前記外部回路がショートする場合、前記外部回路の電気デバイスが焦げたり、損傷されることから防ぐことができるように、前記外部回路における過負荷保護機能を実現することができる。それによって、システムの信頼性及び安全性が改善し、前記電気デバイスのサービス寿命が効果的に長くなる。更に、本開示の前記リレー100においては、前記ヒューズ30は、前記リレー100と合わせられ、回路内の電子素子の数を減らすだけではなく、設置スペースを削減する。
【0017】
更に、前記取り付け台40は、前記絶縁ハウジング10に接続され、前記収容キャビティ11を封止し、前記収容キャビティ11は、消弧ガス(不図示)で充填される。前記収容キャビティ11内で、前記バインディングポスト12、前記接続接点21、及び前記ヒューズ30などの部品を覆う消弧ガスで、前記収容キャビティ11は充填され、それによって消弧機能を行い、前記外部回路の前記電気デバイスが、焦げたり、損傷されることから防止することが理解されるべきである。
【0018】
図4に示されるように、本開示の実施形態においては、複数の消弧グリッド22は、前記2つのバインディングポスト12に対向する前記絶縁板12の前記第1の側に設けられ、前記絶縁板20の長さ方向に沿って延びている取り付け溝221は、前記複数の消弧グリッド22によって画定され、前記ヒューズ40は、前記取り付け溝221内に配置されている。
【0019】
即ち、前記絶縁板20の上側に、前記絶縁板20の前記長さ方向(図3に示される左右方向)に沿って互いに間隔を空けて離れている複数の取り付け溝221が設けられ、それによって、前記絶縁板20の前記上側に前記消弧グリッド22を形成し、前記2つの接続接点21は、それぞれ、前記消弧グリッド22の2つの側(即ち、左右それぞれの側)に配置されている。前記ヒューズ30は、前記絶縁板20の上に配置され、少なくとも前記ヒューズ30の一部は、前記取り付け溝221内に位置される。したがって、前記絶縁板20内に前記複数の取り付け溝221を設けることで、前記ヒューズ30を取り付け、締めることを便利にし、それによってヒューズが前記絶縁板20から離れて落下することを防止する。
【0020】
任意に、図1に示されるように、幾つかの実施形態においては、前記取り付け溝221は、前記複数の消弧グリッド22を貫通する通し溝として構成される。前記バインディングポスト12に対向する前記絶縁板20の側にある前記消弧グリッド22を貫通する前記通し溝を設けることで、前記収容キャビティ11内の前記消弧ガスは、全面的に循環することができ、前記消弧グリッド22及び前記通し溝は、電気的アークを複数のセグメントに分割し、それによって前記電気的アークを素早く消弧する目的を達成し、前記リレー100のサービス寿命を効果的に長くする。
【0021】
更に、前記絶縁板20に、前記絶縁板20の厚み方向(図4に示される上下方向)に沿って前記絶縁板20を貫通し、前記取り付け溝221と連通する複数のスルーホール23が設けられている。前記バインディングポスト12から離れて対向する、前記絶縁板20の第2の側に、取り付け枠24が設けられ、前記プッシュロッド41の第1の端部は、前記取り付け枠24が接続されている。具体的には、図5に示されるように、前記絶縁板20は、水平方向(図4に示される左右方向)に沿って延びている板ボディとして構成され、前記取り付け枠24は、前記絶縁板20の下に配置され、前記取り付け枠24の2つの端部(具体的には、左右端部)は、それぞれ、前記絶縁板20の下部表面に接続され、前記取り付け枠24の中心部分に、取り付け穴241が設けられ、前記プッシュロッド41の上部端部は、前記取り付け穴241内に取り付けられ、前記絶縁板20に対して固定接続を行い;前記絶縁板20には、互いに間隔を空けて離れている複数のスルーホール23が更に設けられ、各スルーホール23は、前記絶縁板20を通って貫通し、前記取り付け溝221と連通している。
【0022】
前記リレー100が作動している場合、前記ヒューズ30は、通常の作動プロセスにおいて、電気的アークを生成し、この場合、前記バインディングポスト12に対向している、前記絶縁板20の前記第1の側に前記消弧グリッド22を設けることで、前記消弧グリッド22及び前記スルーホール23は、前記電気的アークを複数のセグメントに分割し、一方、周囲にある前記消弧ガスの効果の下で、前記電気的アークを素早く消弧し、それによって前記リレー100のサービス寿命を効果的に長くすることができる。
【0023】
本開示の幾つかの実施形態においては、前記ヒューズ30は、前記絶縁板20の前記長さ方向に沿って延びているシートとして構成され、前記ヒューズ30は、その長さ方向に、互いに間隔を空けて離れている又は隣接している複数の曲げ部32を含み、各曲げ部32は、長方形の形状、三角形の形状、又は台形の形状を有するように構成される。
【0024】
具体的には、図6に示されるように、前記ヒューズ30は、前記水平方向(図6に示される左右方向)に沿って延びているシートとして構成され、前記ヒューズ30は、主にボディ部31及び曲げ部32を含む。図6(a)に示されるように、本実施形態においては、前記ヒューズ30の複数の曲げ部32は、互いに間隔を空けて離れている長方形の形状の構造として構成され、各曲げ部32は、前記ヒューズ30の前記ボディ部31を越えて突出し、2つの曲げ部の間の前記ボディ部31に、互いに間隔を空けて離れている複数のエアベント33が設けられている。図6(b)に示されるように、本実施形態においては、前記ヒューズ30の前記複数の曲げ部32は、互いに隣接している三角形の形状の構造として構成され、各曲げ部32の少なくとも1つの側壁に、互いに間隔を空けて離れている複数のエアベント33が設けられている。更に、図6(c)に示されるように、本実施形態においては、前記ヒューズ30の前記複数の曲げ部32は、互いに間隔を空けて離れている台形形状の構造として構成され、各曲げ部32は、前記ヒューズ30の前記ボディ部31を越えて突き出て、2つの曲げ部32の間の前記ボディ部31に、互いに間隔を空けて離れている複数のエアベント33が設けられている。
【0025】
しかしながら、技術分野においては、2つの接続接点は、特定の厚みを有する銅板によって、互いに電気的に接続され、安全性は低い。本開示の実施形態に係る前記リレー100においては、前記ヒューズ30は、前記絶縁板20の前記2つの接続接点21の間に配置され、前記2つの接続接点21が前記2つのバインディングポスト12に接続されると、前記外部回路の前記電気的接続を行う(即ち、前記外部回路がオンにスイッチする)ことを保証するように、前記2つの接続接点21の間の電気的接続が行われることができるだけではなく、電流が非常に高い又は前記外部回路がショートする場合、前記外部回路の電気デバイスが焦げたり、損傷されることから防ぐことができるように、前記外部回路における過負荷保護機能を実現することができる。それによって、システムの信頼性及び安全性が改善し、前記電気デバイスのサービス寿命が効果的に長くなる。
【0026】
図1及び図2に示されるように、前記収容キャビティ11に連通している装着キャビティ42は、前記取り付け台40の下部端部で画定され、前記プッシュロッド41は、前記装着キャビティ42内に配置され、前記プッシュロッド41の前記第1の端部は、前記収容キャビティ11に延び、前記絶縁板20と接続される。即ち、前記装着キャビティ42は、前記スリーブ402内で画定され、前記スリーブ402の長さ方向(図2に示される上下方向)に沿って延び、前記プッシュロッド41は、前記装着キャビティ42内に配置され、前記装着キャビティ42の長さ方向に沿って可動し、それによって前記2つのバインディングポスト12と前記絶縁板20の前記2つの接続接点21は、それぞれ、ピックアップ状態(前記バインディングポスト12及び前記接続接点21が互いに当接し、接続されている)と引き離された状態(前記バインディングポスト12及び前記接続接点21が互いに引き離されている)との間でスイッチすることができることを保証する。
【0027】
具体的には、図1及び図2に示されるように、前記リレー100は、コア50及びコイル(不図示)を更に含み、前記コア50は、前記装着キャビティ42内で可動的に配置され、前記プッシュロッド41の第2の端部に接続され、前記コイルは、前記コア50の周囲に配置され、電源(不図示)に接続されている。即ち、前記コア50は、前記装着キャビティ42内に配置され、前記装着キャビティ42の前記長さ方向に沿って動くことができ、前記プッシュロッド41の前記上部端部は、前記絶縁板に接続され、前記プッシュロッド41の下部端部は、前記コア50に接続される。任意に、前記コア50及び前記プッシュロッド41は、互いにレーザ溶接又はねじ接続を介して、固定して接続されることができる。コイルに動力が供給されると、前記コア50は、前記装着キャビティ42の前記長さ方向に沿って、上へ動き(即ち、前記コア50は、図1の位置状態から図2の位置状態へ動く)、このプロセスの間、前記コア50は、前記プッシュロッド41を上へ動くよう作動させ、前記絶縁板20を上に押す。それによって、最終的に前記絶縁板20の前記2つの接続接点21は、前記絶縁ハウジング10の前記2つのバインディングポスト12に当接して接続され、外部回路をスイッチオンする。
【0028】
制限ポスト421は、前記装着キャビティ42内に配置され、前記制限ポスト421は、前記コア50と前記取り付け台40の上壁との間に位置され、前記取り付け台40の前記上壁に当接する。具体的には、前記制限ポスト421は、前記コア50と前記取り付け台40の前記支持板403との間に位置され、前記取り付け台40の前記支持板403に当接する。リセットばね422は、前記制限ポスト421と前記コア50との間に配置され、前記リセットばね422の2つの端部は、それぞれ、前記コア50及び前記制限ポスト421に当接する。
【0029】
言い換えれば、前記制限ポスト421は、前記支持板403に隣接し、前記装着キャビティ42の側で設けられ、前記制限ポスト421は、前記支持板403に固定して接続され、前記コア50はまた、前記装着キャビティ42内に配置され、前記制限ポスト421の下に位置する。具体的には、前記リセットばね422は、前記制限ポスト421と前記コア50との間に配置されている。前記コイルを動力オフにすると、前記コア50は、前記リセットばね422の効果において、下へ移動する(即ち、前記コア50は、図2の位置状態から図1の位置状態へ動く)。同時に、前記コア50は、前記プッシュロッド41を下に動かすように作動し、前記絶縁板20を下に引き、最終的に前記絶縁板20の前記2つの接続接点21が前記絶縁ハウジング10の前記2つのバインディングポスト12から離され、それによって前記外部回路をスイッチオフする。
【0030】
任意には、前記リセットばね422の上部端部及び下部端部は、それぞれ、前記制限ポスト421及び前記コア50に接続される。図2に示されるように、本実施形態においては、前記制限ポスト421に、レリーフ溝4211が設けられ、前記制限ポスト421は、前記コア50に隣接している前記制限ポスト421の側に設けられ、前記リセットばね422は、前記レリーフ溝4211内に配置され、前記リセットばね422の1つの端部(即ち、前記上部端部)は、前記レリーフスロット4211の上壁に当接し、その他方の端部(即ち、前記下部端部)は、前記コア50の上部端部表面に当接する。したがって、前記制限ポスト421と前記コア50との間に前記リセットばね422を配置することで、前記コア50は、前記リセットばね422の弾性力下において、図2の位置状態から図1の位置状態へ動くことができ、それによって前記リレー100が正常に動くことができることを保証する。
【0031】
本開示の実施形態においては、有利なことに、緩衝部材25は、前記取り付け枠24と前記プッシュロッド41との間に配置され、前記緩衝部材25の2つの端部は、それぞれ、前記取り付け枠24及び前記プッシュロッド41に当接する。
【0032】
具体的には、図4に示されるように、前記プッシュロッド41に、前記プッシュロッド41の周方向に沿って延びている当接部411が設けられ、前記プッシュロッド41の前記上部端部に、前記プッシュロッド41の前記周方向に沿って内部へ凹所が設けられているクランプスロット412が設けられている。前記プッシュロッド41が前記装着キャビティ42内に配置されていると、前記プッシュロッド41の前記上部端部は、前記取り付け枠24の前記取り付け穴241に延び、サークリップ414は、前記プッシュロッド41の前記クランプスロット412内に配置され、前記プッシュロッド41が前記取り付け枠24から離れて外れることから防ぐ。更に、座金413は、前記絶縁板20に対向する、前記取り付け枠24の側と前記サークリップ414との間に配置され、前記サークリップ414にかかる力を低減し、それによって前記サークリップ414が落下することから防ぐ。更に、前記緩衝部材25は、前記支持板403に対向する、前記取り付け枠24の側と当接部411との間に配置され、前記リレー100の作動プロセスにおいて、緩衝機能を実施する。前記コイルを動力オフにすると、前記コア50は、前記リセットばね422及び弾性部材の効果の下で、下へ動き(即ち、前記コア50は、図2の位置状態から図1の位置状態へ動く)、前記外部回路をスイッチオフする。
【0033】
前記リレー100の組み立て工程において、最初に前記2つの接続接点21が前記絶縁板20の前記上部表面に溶接され、その後前記ヒューズ30の2つの端部は、それぞれ、前記2つの接続接点21に溶接されて接続され、その後前記緩衝部材25は、前記プッシュロッド41の前記当接部411に装着され、前記プッシュロッド41の前記上部端部は、前記取り付け枠24の前記取り付け穴241を通って貫通することができる。その後、順に、前記座金413及び前記サークリップ414を前記プッシュロッド41に組み立て、前記プッシュロッド41の前記上部端部において、前記クランプスロット412内で前記サークリップ414は、鎹状に配置されている。最終的には、前記支持板403、前記リセットばね422、及び前記コア50は、順に取り付けられ、前記リレー100の組み立てが完了する。最終的に、前記リレー100は、シンプルな構造を有し、容易に解体したり組み立てることができる。
【0034】
任意には、本開示の実施形態によれば、前記絶縁ハウジング10及び前記絶縁板20は、セラミックからなる。即ち、前記絶縁ハウジング10及び前記絶縁板20は、いずれもセラミック部材である。前記2つのバインディングポスト12、前記接続接点21、及び前記プッシュロッド41は、それぞれ、セラミック材料からなる前記絶縁板20の上部及び下部の側に配置されている。即ち、前記2つのバインディングポスト12及び前記接続接点21は、セラミック材料からなる前記絶縁板20の前記上部の側に配置され、前記プッシュロッド41は、セラミック材料からなる記絶縁板20の前記下部の側に配置し、前記プッシュロッド41を高電圧負荷から分離し、高電圧を遮断する機能を実施し、低電圧端部におけるエレメントが損傷したり破壊することから防ぎ、それによって前記リレー100の信頼性及び安全性を改善する。
【0035】
更に、前記リレー100は、外側アーク消弧カバー60と磁石70とを更に含む。前記外側アーク消弧カバー60は、前記絶縁ハウジング10の外周壁に配置され、前記磁石70は、前記外側アーク消弧カバー60と前記絶縁ハウジング10との間に配置されている。前記リレー100が作動すると、前記ヒューズ30は、通常の作動プロセスにおいて電気的アークを生成し、前記磁石70の磁場下において、前記電気的アークは、長くなることがある。この場合、前記バインディングポスト12に対向する、前記絶縁板20の側に前記消弧グリッド22を配置することで、前記電気的アークは、前記消弧グリッド22によって、複数のセグメントに分割されることができる。一方、周りの消弧ガス及び前記外側アーク消弧カバー60の包括的な効果の下で、前記電気的アークは、即座に消弧され、それによって前記リレー100のサービス寿命を効果的に長くし、前記リレー100の安全性及び信頼性を大きく改善することができる。
【0036】
本開示の実施形態に係る前記リレー100における他の部品及び操作は、当業者には明白であり、その詳細な説明は本明細書中では省略する。
【0037】
本開示の記載においては、「中心」、「長手」、「横手」、「長さ」、「幅」、「厚み」、「上」、「下」、「前」、「後ろ」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「下部」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸」、「放射状」、及び「周囲」などの用語によって示される場所又は位置関係は、添付される図面の図示に基づく場所又は位置関係であり、単に本開示を記載し、説明を容易にするために用いられ、示された装置又はエレメントが特定の位置を有するべきである、又は特定の場所に応じて構成され、操作されるべきであることを示唆又は暗示するのではなく、本開示を限定するものとして理解されるべきではない。
【0038】
更に、「第1」及び「第2」などの用語は、単に説明の目的で使用されるものであり、相対的な重要性を示す又は示唆するものでも、示された技術的構造の数を暗に示すように解釈されないものとする。したがって、「第1」及び「第2」によって規定される構造は、明白に又は暗に、少なくとも1つの構造を含むものことができる。本開示の説明において、明白且つ具体的に規定されない限り、「複数の」とは、少なくとも2つ、例えば2つ又は3つを意味する。
【0039】
本開示においては、明白に指定又は定義されない限り、「装着された」、「接続する」、「接続」、及び「固定」などの用語は、広義で解釈されるべきである。明白に規定がされていない限り、例えば接続は、固定された接続、若しくは取り外し可能な接続又は一体的な接続であることができ;接続は、機械的接続又は電気的接続であることができ;接続は、機械的接続又は電気的接続であることができる、若しくは相互の連通に用いられることができ;接続は、直接接続又は中間媒体を介した間接接続であることができる、若しくは2つのエレメントの内部間の連通又は2つのエレメント間の相互作用関係であることができる。当業者であれば、特定の状況に応じて、本発明における上記用語の特定の意味を理解するであろう。
【0040】
本開示においては、明白に指定又は規定がされていない限り、第1の部分が第2の部分の「上」又は「下」であることは、第2の部分が、第1の部分及び第2の部分が直接接続されている、又は前記第1の部分及び第2の部分が、中間媒体によって間接接続にあることを意味する。更に、第1の部分が第2の部分「上」、「より上」、又は「の頂部」であることは、第1の部分が第2の部分の上あることができ、単に第1の部分の水平高さが第2の部分の水平高さよりも高いことを意味する。第1の部分が第2の部分「下」、「より下」、又は「の下部」であることは、第1の部分が第2の部分より下又はそれより下であることができ、単に第1の部分の水平高さが第2の部分の水平高さよりも低いことを意味する。
【0041】
本明細書中の記載において、「実施形態」、「幾つかの実施形態」、「例」、「具体的な例」、又は「幾つかの例」などの参照の記載は、実施形態又は例に関連して記載される特定の部分、構造、材料、又は特徴が、本開示の少なくとも1つの実施形態又は例に含まれることを意味する。本明細書では、前述の用語の例示的記載は、同じ実施形態又は例を意味する必要はない。更に、記載された特定の部分、構造、材料、又は特徴は、1つ以上の実施形態又は例において適切な方法で組合せてもよい。更に、矛盾がなければ、当業者は、説明に記載される異なる実施形態又は例と異なる実施形態又は例の部分とを合わせ、組み合わせることができる。
【0042】
本開示の実施形態を示し、記載してきたが、当業者であれば、本開示の原理及び目的を逸脱すること無く、複数の変更、改変、代替、及びバリエーションがこれらの実施形態に対してなされることを理解するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7