特許第6554617号(P6554617)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許65546171−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩の新規な結晶形
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6554617
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩の新規な結晶形
(51)【国際特許分類】
   C07D 207/48 20060101AFI20190722BHJP
【FI】
   C07D207/48
【請求項の数】12
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2018-549562(P2018-549562)
(86)(22)【出願日】2017年3月17日
(65)【公表番号】特表2019-509308(P2019-509308A)
(43)【公表日】2019年4月4日
(86)【国際出願番号】KR2017002914
(87)【国際公開番号】WO2017164576
(87)【国際公開日】20170928
【審査請求日】2018年9月20日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0036080
(32)【優先日】2016年3月25日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】508131716
【氏名又は名称】デウン ファーマシューティカル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100077012
【弁理士】
【氏名又は名称】岩谷 龍
(72)【発明者】
【氏名】キム,エリ
(72)【発明者】
【氏名】チョ,クァンヒョン
【審査官】 早乙女 智美
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2006/036024(WO,A1)
【文献】 国際公開第2007/114338(WO,A1)
【文献】 中国特許出願公開第104447490(CN,A)
【文献】 特表2015−537011(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/036211(WO,A1)
【文献】 特表2008−522952(JP,A)
【文献】 BLANGETTI, M. et al.,Organic Letters,2009年,Vol. 11, No. 17,pp. 3914-3917
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線粉末回折パターン(X−ray powder diffraction pattern)において5.8°、9.7°、10.0°、12.8°、13.2°、17.4°および18.5°の回折角(2θ±0.2°)でピークを有する、
1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の結晶形I。
【請求項2】
示差走査熱量(Differential scanning calorimeter)分析で、吸熱開始温度が215.02±3℃であり、吸熱温度217.11±3℃で最大吸熱ピークを示すことを特徴とする、請求項1に記載の1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の結晶形I。
【請求項3】
X線粉末回折パターンにおいて9.2°、10.0°、12.9°および20.2°の回折角(2θ±0.2°)でピークを有する、
1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の結晶形II。
【請求項4】
示差走査熱量分析で、吸熱開始温度が213.14±3℃であり、吸熱温度215.7±3℃で最大吸熱ピークを示すことを特徴とする、請求項3に記載の1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の結晶形II。
【請求項5】
X線粉末回折パターンにおいて8.0°、11.2°、12.0°、14.9°、22.1°および24.1°の回折角(2θ±0.2°)でピークを有する、
1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンコハク酸塩の結晶形。
【請求項6】
示差走査熱量分析で、吸熱開始温度が132.3±3℃であり、吸熱温度133.9±3℃で最大吸熱ピークを示すことを特徴とする、請求項5に記載の1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンコハク酸塩の結晶形。
【請求項7】
X線粉末回折パターンにおいて11.7°、21.5°および23.5°の回折角(2θ±0.2°)でピークを有する、
1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン酒石酸塩の結晶形。
【請求項8】
示差走査熱量分析で、吸熱開始温度が146.34±3℃であり、吸熱温度148.27±3℃で最大吸熱ピークを示すことを特徴とする、請求項7に記載の1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン酒石酸塩の結晶形。
【請求項9】
X線粉末回折パターンにおいて7.9°、11.9°および24.0°の回折角(2θ±0.2°)でピークを有する、
1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形I。
【請求項10】
示差走査熱量分析で、吸熱開始温度が164.97±3℃であり、吸熱温度167.46±3℃で最大吸熱ピークを示すことを特徴とする、請求項9に記載の1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形I。
【請求項11】
X線粉末回折パターンにおいて8.4°、10.5°および19.02°の回折角(2θ±0.2°)でピークを有する、
1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形II。
【請求項12】
示差走査熱量分析で、吸熱開始温度が179.47±3℃であり、吸熱温度189.05±3℃で最大吸熱ピークを示すことを特徴とする、請求項11に記載の1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形II。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンの薬学的に許容可能な塩の新規な結晶形に関するものである。
【背景技術】
【0002】
薬学的に許容可能な塩およびこれに対する結晶多形の選定は、新薬研究開発過程で非常に重要な段階である。これは特定薬物の塩または結晶多形が時々原料医薬品製造の容易性、溶解度、流通および保管期間の間の安定性、剤形化の容易性および薬物動態学的特性の重要な決定要因になり得るためである。同一な該当組成物が、特異的な異なる熱力学的特性および安定性をもたらす異なる格子配列に結晶化される場合、結晶多形が発生する。2種類以上の結晶多形物質が生成され得る場合、薬学的に優れた結晶多形を純粋な形態にする方法を有することが好ましい。
【0003】
好ましい結晶多形を選定することにおいて、数多い結晶多形の特性が比較されなければならず、多くの物性の多様性に基づいて好ましい結晶多形が選択される。一つの結晶多形形態が製造の容易性、安定性などのような特定観点が重要に見なされる一部環境で好ましいこともあり、他の状況ではこれとは異なる結晶多形がより大きな溶解度および/またはより優勢な薬物動態学的側面から好ましいこともある。
【0004】
特に、さらに良好な生体利用率またはさらに良好な安定性を示す薬物製剤に対する持続的な要求が存在し、存在する薬物分子の新規な許容可能な塩またはさらに純粋な塩およびこれらの結晶形に関する持続的な研究が行われている。
【0005】
よって、本発明者らは新規な活性医薬物質の1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンの塩およびこれに対する新規な結晶形の製造が可能であるのを発見し、これらの物理化学的性質および安定性からこれらが薬学的に使用可能であるのを確認して本発明を完成した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、水に対する溶解度が高く安定性に優れた1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンの薬学的に許容可能な塩の新規な結晶形を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明は、
1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の結晶形I、
1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の結晶形II、
1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンコハク酸塩の結晶形、
1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン酒石酸塩の結晶形、
1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形I、および
1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形IIを提供する。
【0008】
以下、本発明を詳しく説明する。
新規な活性医薬物質の1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンは下記化学式1で表される化合物であって、4−メトキシピロール誘導体に該当する:
[化学式1]
【0009】
前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンおよびその薬学的に許容可能な塩は、プロトンポンプ抑制活性、胃損傷抑制活性および防御因子増強効果を有するだけでなく、優れたヘリコバクターピロリ(H.pylori)除菌活性を有し得る。したがって、前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンおよびその薬学的に許容可能な塩は、胃腸管潰瘍、胃炎、逆流性食道炎、またはヘリコバクターピロリ(H.pylori)による胃腸管損傷の予防および治療に有用に適用できる。
【0010】
このような前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンの薬学的に許容可能な塩の結晶形は、塩の熱力学的特性および動的特性によって選択された、蒸発結晶化法、ドラウニングアウト結晶化法、反応結晶化法、溶媒媒介多形転移法、固体状態多形転移法などの多様な結晶化方法によって製造できる。
【0011】
また、製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンの薬学的に許容可能な塩の結晶形は、X線粉末回折(X−ray powder diffraction)分析および示差走査熱量(Differential scanning calorimeter)分析を通じて確認可能である。
【0012】
具体的に、前記結晶形は、X線粉末回折パターン(X−ray powder diffraction pattern)において特徴的なピークを示す回折角(2θ)およびそれぞれの回折角(2θ)によるピークの強度を通じて区分できる。ここで、回折角(2θ)は、測定用サンプルの製造技術、測定用サンプルの固定手続、測定機器などの様々な因子によって±0.2°、または好ましくは±0.1°に変動され得る。
【0013】
追加的に、前記結晶形は、示差走査熱量分析での吸熱開始温度および最大吸熱ピークを示す吸熱温度を通じて区分できる。ここで、温度は測定用サンプルの製造技術、測定機器、温度変化の速度などの様々な因子によって±3℃、好ましくは±2℃、またはさらに好ましくは±1℃に変動され得る。
【0014】
1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の結晶形I
前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の結晶形IはX線粉末回折パターンにおいて5.8°、9.7°、10.0°、12.8°、13.2°、17.4°および18.5°の回折角(2θ±0.2°)でピークを有し得る。
【0015】
具体的に、前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の結晶形Iは、X線粉末回折パターンにおいて5.8°、9.7°、10.0°、12.8°、13.2°、17.4°、18.5°、19.5°、19.8°、20.1°、25.9°および28.2°の回折角(2θ±0.2°)でピークを有し得る。
【0016】
さらに具体的に、前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の結晶形Iは、X線粉末回折パターンにおいて5.8°、9.7°、10.0°、12.8°、13.2°、17.4°、18.5°、19.5°、19.8°、20.1°、21.8°、25.9°、26.5°および28.2°の回折角(2θ±0.2°)でピークを有し得る。
【0017】
また、前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の結晶形Iは、示差走査熱量分析で、吸熱開始温度が215.02±3℃であり、吸熱温度217.11±3℃で最大吸熱ピークを示すことができる。
【0018】
前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の結晶形Iは、下記段階を含む蒸発結晶化方法によって製造できる:
1)1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンの塩酸塩をC1−8脂肪族アルコール、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、メチルアセテート、エチルアセテート、メチレンクロリド、クロロホルム、エーテル、石油エーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、アセトニトリルおよびアセトンからなる群より選択された1種以上の溶媒に溶解させて溶液を製造する段階;および
2)前記溶液で前記溶媒を蒸発させて前記塩酸塩を結晶化する段階。
【0019】
前記段階1)は、前記塩酸塩を完全に溶解させることができる良溶媒(good solvent)を用いて塩酸塩を溶解する段階であって、室温で行われ得る。それとは異なり、前記段階1)で前記塩酸塩の代わりに1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンの遊離塩基(free base)と塩酸を使用することもできる。
【0020】
この時、前記C1−8脂肪族アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、またはn−オクタノールを使用することができる。
【0021】
例えば、前記溶媒はメタノール、エタノール、エチルアセテート、メチレンクロリドまたはアセトンであり得、前記塩酸塩重量に対して1〜20倍の体積の量(ml/g)、または好ましくは5〜20倍の体積の量(ml/g)で使用され得る。
【0022】
前記段階2)は前記段階1)で製造された溶液から溶媒を蒸発させることによって溶液を過飽和状態にして塩酸塩を結晶化する段階であって、23℃〜28℃の温度で1〜4日間行われ得る。
【0023】
それとは異なり、前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の結晶形Iは、下記段階を含むドラウニングアウト結晶化方法によって製造できる:
1)1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンの塩酸塩をC1−8脂肪族アルコール、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、メチルアセテート、エチルアセテート、メチレンクロリド、クロロホルム、エーテル、石油エーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、アセトニトリルおよびアセトンからなる群より選択された1種以上の溶媒に溶解させて溶液を製造する段階;および
2)前記溶液にC1−8脂肪族アルコール、水および有機溶媒からなる群より選択された1種以上の結晶化溶媒を投入および攪拌して前記塩酸塩を結晶化する段階。
【0024】
前記段階1)は、前述の蒸発結晶化方法の段階1)と同様に行われ得る。
【0025】
前記段階2)は前記段階1)で製造された溶液に貧溶媒(anti−solvent)を投入して溶解度を変化させて塩酸塩を結晶化する段階であって、前記段階で攪拌は23℃〜28℃の温度で50〜300rpmの速度で1時間〜1日間行われ得る。
【0026】
この時、前記C1−8脂肪族アルコールとしてはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、またはn−オクタノールを使用することができ、前記有機溶媒としてはn−ヘキサン、エチルアセテート、ブチルアセテート、アセトニトリル、クロロホルム、ジエチルエーテル、またはアセトンを使用することができる。
【0027】
また、前記結晶化溶媒は前記塩酸塩重量に対して1〜20倍の体積の量(ml/g)、または好ましくは5〜20倍の体積の量(ml/g)で使用することができ、前記段階2)の結晶化溶媒と前記段階1)の溶媒の体積比は1:1〜1:2であり得る。前記範囲で、結晶生成時間の増加および溶媒の過量使用による経済的損失なく高収率、高純度の結晶が生成され得る。
【0028】
前記蒸発結晶化方法またはドラウニングアウト結晶化方法によって生成された結晶は、減圧ろ過工程によって溶液から回収され得る。必要によって、回収された結晶を洗浄および真空乾燥して純度の高い塩酸塩の結晶形を得ることができる。また、前記製造方法に記載された溶媒の比率、温度範囲、工程時間などの反応条件は、選択される溶媒によって調節され得る。
【0029】
1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の結晶形II
前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の結晶形IIは、X線粉末回折パターンにおいて9.2°、10.0°、12.9°および20.2°の回折角(2θ±0.2°)でピークを有し得る。
【0030】
具体的に、前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の結晶形IIは、X線粉末回折パターンにおいて9.2°、9.8°、10.0°、12.9°、13.2°、13.4°、13.8°、15.0°、18.4°、19.6°および20.2°の回折角(2θ±0.2°)でピークを有し得る。
【0031】
また、前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の結晶形IIは、示差走査熱量分析で吸熱開始温度が213.14±3℃であり、吸熱温度215.7±3℃で最大吸熱ピークを示すことができる。
【0032】
前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の結晶形IIは、段階1)の溶媒を前記塩酸塩重量に対して5〜50倍の体積の量(ml/g)、または好ましくは30〜50倍の体積の量(ml/g)で使用した蒸発結晶化方法によって製造できる。
【0033】
1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンコハク酸塩の結晶形
前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンコハク酸塩の結晶形は、X線粉末回折パターンにおいて8.0°、11.2°、12.0°、14.9°、22.1°および24.1°の回折角(2θ±0.2°)でピークを有し得る。
【0034】
具体的に、前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンコハク酸塩の結晶形は、X線粉末回折パターンにおいて8.0°、11.2°、12.0°、14.9°、20.0°、22.1°および24.1°の回折角(2θ±0.2°)でピークを有し得る。
【0035】
また、前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンコハク酸塩の結晶形は、示差走査熱量分析で吸熱開始温度が132.3±3℃であり、吸熱温度133.9±3℃で最大吸熱ピークを示すことができる。
【0036】
前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンコハク酸塩の結晶形は、塩酸塩の代わりにコハク酸塩を使用したことを除いては前記塩酸塩の結晶形Iと同様に蒸発結晶化方法あるいはドラウニングアウト結晶化方法を用いて製造できる。
【0037】
1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン酒石酸塩の結晶形
前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン酒石酸塩の結晶形は、X線粉末回折パターンにおいて11.7°、21.5°および23.5°の回折角(2θ±0.2°)でピークを有し得る。
【0038】
具体的に、前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン酒石酸塩の結晶形は、X線粉末回折パターンにおいて11.7°、13.0°、13.5°、14.5°、18.3°、19.5°、20.3°、21.5°および23.5°の回折角(2θ±0.2°)でピークを有し得る。
【0039】
また、前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン酒石酸塩の結晶形は、示差走査熱量分析で吸熱開始温度が146.34±3℃であり、吸熱温度148.27±3℃で最大吸熱ピークを示すことができる。
【0040】
前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン酒石酸塩の結晶形は、塩酸塩の代わりに酒石酸塩を使用したことを除いては前記塩酸塩の結晶形Iと同様に蒸発結晶化方法あるいはドラウニングアウト結晶化方法を用いて製造できる。
【0041】
1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形I
前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形Iは、X線粉末回折パターンにおいて7.9°、11.9°および24.0°の回折角(2θ±0.2°)でピークを有し得る。
【0042】
具体的に、前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形Iは、X線粉末回折パターンにおいて7.9°、11.9°、20.0°および24.0°の回折角(2θ±0.2°)でピークを有し得る。
【0043】
また、前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形Iは、示差走査熱量分析で吸熱開始温度が164.97±3℃であり、吸熱温度167.46±3℃で最大吸熱ピークを示すことができる。
【0044】
前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形Iは、塩酸塩の代わりにフマル酸塩を使用したことを除いては前記塩酸塩の結晶形Iと同様に蒸発結晶化方法を用いて製造できる。
【0045】
それとは異なり、前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形Iは、下記段階を含む反応結晶化方法によって製造できる:
1)1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンの遊離塩基(free base)およびフマル酸をそれぞれC1−8脂肪族アルコールに溶解させて1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンの遊離塩基(free base)溶液およびフマル酸溶液を製造する段階;および
2)前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンの遊離塩基(free base)溶液および前記フマル酸溶液を混合および攪拌してフマル酸塩を結晶化する段階。
【0046】
前記段階1)は、前記遊離塩基およびフマル酸を完全に溶解させることができる良溶媒を用いて溶液を製造する段階であって、室温で行われ得る。
【0047】
この時、前記C1−8脂肪族アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、またはn−オクタノールを使用することができる。好ましくは、前記C1−8脂肪族アルコールとしてエタノールを使用することができる。
【0048】
また、前記C1−8脂肪族アルコールは前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンの遊離塩基(free base)重量に対して5〜20倍の体積の量(ml/g)で使用され、前記フマル酸重量に対して5〜30倍の体積の量(ml/g)で使用され得る。
【0049】
前記段階2)は前記段階1)で製造された溶液を混合した後に攪拌して化学反応で結晶を生成させる段階であって、この時、攪拌は24℃〜28℃の温度で50〜300rpmの速度で2〜4時間行われ得る。前記範囲で、フマル酸塩が形成されながら効果的に結晶が生成され得る。
【0050】
前記反応結晶化方法によって生成された結晶は、減圧ろ過工程によって溶液から回収することができる。必要によって、回収された結晶を洗浄および真空乾燥して純度の高い結晶形を得ることができる。また、前記製造方法に記載された溶媒の比率、温度範囲、工程時間などの反応条件は、選択される溶媒によって調節することができる。
【0051】
1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸の結晶形II
前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形IIは、X線粉末回折パターンにおいて8.4°、10.5°、18.3°および19.02°の回折角(2θ±0.2°)でピークを有し得る。
【0052】
また、前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形IIは、示差走査熱量分析で吸熱開始温度が179.47±3℃であり、吸熱温度189.05±3℃で最大吸熱ピークを示すことができる。
【0053】
前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形IIは、フマル酸塩の結晶形Iで結晶形IIへの相転移を通じた多形転移方法によって製造可能である。
【0054】
例えば、前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形IIは、下記段階を含む溶媒媒介多形転移方法によって製造することができる:
1)1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形IをC1−8脂肪族アルコールに溶解させて溶液を製造する段階;および
2)前記溶液を攪拌して1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形Iを多形転移させる段階。
【0055】
前記段階1)は、前記結晶形Iを完全に溶解させることができる良溶媒を用いて溶液を製造する段階であって、室温で行われ得る。
【0056】
この時、前記C1−8脂肪族アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、またはn−オクタノールを使用することができる。好ましくは、前記C1−8脂肪族アルコールとしてエタノールを使用することができる。
【0057】
また、前記溶媒は、前記結晶形Iの重量に対して1〜20倍の体積の量(ml/g)、または好ましくは5〜20倍の体積の量(ml/g)で使用され得る。
【0058】
前記段階2)は、前記段階1)で製造された溶液を攪拌して、溶液中の結晶形Iの結晶構造を変化させることによって結晶形IIに転移させる段階である。この時、攪拌は24℃〜28℃の温度で50〜300rpmの速度で12時間〜16時間行われ得る。
【0059】
それとは異なり、前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形IIは、下記段階を含む固体状態多形転移方法によって製造することができる:
1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形Iを40℃〜50℃で真空乾燥して多形転移させる段階。
【0060】
前記段階で真空乾燥は12時間〜24時間行われ、前記真空乾燥によって結晶形Iの結晶構造が変化されて結晶形IIが生成され得る。
【0061】
前記多形転移方法によって生成された結晶は、減圧ろ過工程によって溶液から回収することができる。必要によって、回収された結晶を洗浄および真空乾燥して純度の高い結晶形を得ることができる。また、前記製造方法に記載された溶媒の比率、温度範囲、工程時間などの反応条件は、選択される溶媒によって調節され得る。
【0062】
一方、本発明は、前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンの塩酸塩の結晶形I、塩酸塩の結晶形II、コハク酸塩の結晶形、酒石酸塩の結晶形、フマル酸塩の結晶形Iおよびフマル酸塩の結晶形IIからなる群より選択された1種以上の結晶形を含む、薬学組成物を提供する。
【0063】
このような薬学組成物は、通常使用される薬学的に許容可能な担体を含むことができる。前記担体は通常製剤時に使用されるものであって、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギネート、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微細結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、メチルセルロース、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、滑石、ステアリン酸マグネシウムおよびミネラルオイルなどを含むが、これに限定されるのではない。前記薬学組成物は、前記成分以外に潤滑剤、湿潤剤、甘味剤、香味剤、乳化剤、懸濁剤、保存剤などを追加的に含むことができる。
【0064】
前記薬学組成物は、経口投与するか、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下および経皮投与を含む非経口で投与することができる。
【0065】
この時、薬学組成物は、治療学的有効量、例えば約0.001mg/kg〜約100mg/kg per dayの有効量で投与することができる。前記容量は、製剤化方法、投与方式、患者の年齢、体重、性病的状態、飲食、投与時間、投与経路、排泄速度または反応感応性によって変更され得る。
【0066】
前記薬学組成物は、当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できる方法によって、薬学的に許容される担体および/または賦形剤を用いて製剤化することによって単位容量形態に製造されるか、または多用量容器内に入れて製造され得る。この時、剤形は、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、懸濁液、エマルジョン、シロップ、エアロゾルなどの経口型剤形、軟膏、クリームなどの外用剤、座剤および滅菌注射用水などをはじめとして薬学的製剤に適した形態であれば制限なく使用可能であり、分散剤または安定化剤を追加的に含むことができる。
【発明の効果】
【0067】
本発明による1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩の新規な結晶形は、水に対する溶解度が高く防湿条件および高湿度露出条件で安定性に優れ、薬学的に使用可能であるという特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【0068】
図1】実施例1−1で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の結晶形Iに対するX線粉末回折パターンを示したものである。
図2】実施例2で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の結晶形IIに対するX線粉末回折パターンを示したものである。
図3】実施例3−1で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンコハク酸塩の結晶形に対するX線粉末回折パターンを示したものである。
図4】実施例4−1で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン酒石酸塩の結晶形に対するX線粉末回折パターンを示したものである。
図5】実施例5−1で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形Iに対するX線粉末回折パターンを示したものである。
図6】実施例6−1で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形IIに対するX線粉末回折パターンを示したものである。
図7】比較例1で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン遊離塩基の結晶形に対するX線粉末回折パターンを示したものである。
図8】実施例1−1で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の結晶形Iに対する示差走査熱量分析結果を示したものである。
図9】実施例2で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の結晶形IIに対する示差走査熱量分析結果を示したものである。
図10】実施例3−1で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンコハク酸塩の結晶形に対する示差走査熱量分析結果を示したものである。
図11】実施例4−1で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン酒石酸塩の結晶形に対する示差走査熱量分析結果を示したものである。
図12】実施例5−1で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形Iに対する示差走査熱量分析結果を示したものである。
図13】実施例6−1で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形IIに対する示差走査熱量分析結果を示したものである。
図14】比較例1で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン遊離塩基の結晶形に対する示差走査熱量分析結果および熱重量分析結果を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0069】
以下、本発明の理解のために好ましい実施例を提示する。しかし、下記の実施例は本発明をより容易に理解するために提供されるものに過ぎず、下記の実施例によって本発明の内容が限定されるのではない。
【0070】
製造例1:1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン(free base)の製造
段階1−1)2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(3−メトキシ−2−(メトキシカルボニル)−3−オキソプロプ−1−エン−1−イル)アミノ)酢酸の製造
2,4−ジフルオロフェニルグリシン(150.0g、801.5mmol)、ジメチル2−(メトキシメチレン)マロネート(126.9g、728.6mmol)、および酢酸ナトリウム(65.8g、801.5mmol)をメタノール(800.0ml)に加えた後、60℃で4時間還流させた。反応混合物を室温に冷却した後、減圧濃縮してメタノールを約70%除去した後、ろ過した。得られた固体を減圧乾燥して表題化合物190.0gを製造した。(収率:79.2%)
H−NMR(500MHz、CDCl):8.02−7.99(m、1H)、7.45−7.40(m、1H)、7.00−6.95(m、2H)、5.16(s、1H)、3.74(s、3H)、3.76(s、3H)
【0071】
段階1−2)メチル5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−1H−ピロール−3−カルボキシレートの製造
前記段階1−1で製造された2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−((3−メトキシ−2−(メトキシカルボニル)−3−オキソプロプ−1−エン−1−イル)アミノ)酢酸(190.0g、577.1mmol)に酢酸無水物(1731.2ml)およびトリエチルアミン(577.1ml)を加えた。反応混合物を140℃で30分間還流させた後、0℃に冷却した。反応混合物に0℃で氷水(577.1ml)を加えた後、室温で1時間攪拌した後、エチルアセテートで抽出した。得られた抽出液を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、減圧濃縮した。得られた化合物をシリカゲルを用いてフィルターして固体を除去した後、減圧濃縮した。
【0072】
得られた残渣にテトラヒドロフラン(140.0ml)および水(120.0ml)を加え、0℃に冷却した後、水酸化ナトリウム(46.17g、1154.2mmol)を添加した。反応混合物を0℃で30分間攪拌した後、1N塩酸水溶液を用いて中和させた後、エチルアセテートで抽出した。得られた抽出物を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:n−ヘキサン=1:4(v/v))で精製して表題化合物22.0gを製造した。(収率:15.1%)
H−NMR(500MHz、CDCl):8.80(s、1H)、8.17−8.12(m、2H)、7.13(d、1H)、6.95(t、1H)、6.86−6.83(m、1H)、3.88(s、3H)
【0073】
段階1−3)メチル5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−カルボキシレートの製造
前記段階1−2で製造されたメチル5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−1H−ピロール−3−カルボキシレート(22.0g、86.9mmol)をテトラヒドロフラン(434.5ml)およびメタノール(173.9ml)に溶解させた。応混合物に(トリメチルシリル)ジアゾメタン(2.0Mジエチルエーテル溶液、173.8ml)を加え、室温で48時間攪拌した。反応混合物に水を添加し、エチルアセテートで抽出した。得られた抽出液を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:n−ヘキサン=1:4(v/v))で精製して表題化合物18.1gを製造した。(収率:75.3%)
H−NMR(500MHz、CDCl):8.78(s、1H)、8.12(m、1H)、7.30(d、1H)、6.95(t、1H)、6.88(t、1H)、3.87(s、3H)、3.85(s、3H)
【0074】
段階1−4)メチル5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−カルボキシレートの製造
前記段階1−3で製造されたメチル5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−カルボキシレート(18.0g、67.4mmol)をジメチルホルムアミド(335.0ml)に溶解させた。得られた溶液に室温で水素化ナトリウム(60%、流動パラフィン中の分散液)(4.0g、101.0mmol)を加え、室温で10分間攪拌した。反応混合物に3−フルオロベンゼンスルホニルクロリド(13.37ml、101.0mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応混合物に水を添加し、エチルアセテートで抽出した。得られた抽出液を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:n−ヘキサン=1:4(v/v))で精製して表題化合物26.1gを製造した。(収率:91.1%)
H−NMR(500MHz、CDCl):7.98(s、1H)、7.43−7.39(m、1H)、7.30(t、1H)、7.23(d、1H)、7.15(q、1H)、7.67(q、1H)、6.91(t、1H)、6.77(t、1H)、3.87(s、3H)、3.61(s、3H)
【0075】
段階1−5)5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−カルバルデヒドの製造
前記段階1−4で製造されたメチル5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−カルボキシレート(26.0g、61.1mmol)をテトラヒドロフラン(300.0ml)に溶解させた。得られた溶液に0℃でジイソブチルアルミニウムヒドリド(1.0Mテトラヒドロフラン溶液)(183.4ml、183.4mmol)を添加し、室温で1時間攪拌した後、1N塩酸溶液を用いて中和させ、エチルアセテートで抽出した。得られた抽出物を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、減圧濃縮した。
【0076】
得られた残渣をジクロロメタン(300.0ml)に溶解させた後、セライト(26.0g)およびピリジニウムクロロクロメート(39.5g、183.4mmol)を添加した。反応混合物を室温で1時間攪拌した後、ろ過して固体を除去し、得られた濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:n−ヘキサン=1:2(v/v))で精製して表題化合物17.2gを製造した。(収率:70.9%)
H−NMR(500MHz、CDCl):9.89(s、1H)、7.99(s、1H)、7.45−7.41(m、1H)、7.33(s、1H)、7.25(d、1H)、7.18(q、1H)、7.05(s、1H)、6.92(t、1H)、6.77(t、1H)、3.63(s、3H)
【0077】
段階1−6)1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンの製造
前記段階1−5で製造された5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−カルバルデヒド(17.0g、43.0mmol)をメタノール(430.0ml)に溶解させた。得られた溶液にメチルアミン(9.8Mメタノール溶液)(87.8ml、860.0mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。反応混合物に水素化ホウ素ナトリウム(16.3g、430.0mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。反応混合物に水を加えた後、エチルアセテートで抽出した。得られた抽出液を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:n−ヘキサン=1:2(v/v))で精製して表題化合物15.2gを製造した。(収率:86.1%)
H−NMR(500MHz、CDCl):7.39−7.35(m、1H)、7.26−7.20(m、2H)、7.15(q、1H)、7.06(d、1H)、6.87(t、1H)、6.78(t、1H)、3.60(d、2H)、3.44(s、3H)、2.45(s、3H)
【0078】
製造例2:1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
前記製造例1で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン(15.0g、36.6mmol)をエチルアセテート(36.6ml)に溶解した後に塩酸溶液(2.0Mジエチルエーテル溶液)(36.6ml、73.1mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間攪拌した後、ろ過し、得られた固体を減圧乾燥して表題化合物15.1gを製造した。(収率:92.5%)
分子量446.87
H−NMR(500MHz、MeOD):7.69(s、1H)、7.58−7.53(m、1H)、7.45(t、1H)、7.30(d、1H)、7.20−7.15(m、2H)、7.02−6.94(m、2H)、4.07(d、2H)、3.46(s、3H)、2.71(s、3H)
【0079】
以下、実施例では前記製造例1で製造した1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン(free base)および前記製造例2で製造した1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩を使用した。
【0080】
実施例1−1:蒸発結晶化方法による塩酸塩の結晶形I製造
300mgの1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩を5mlのエタノールに溶解させて溶液を製造した。その後、製造された溶液からエタノールを常温で1日間蒸発させた。結晶生成後、減圧ろ過を通じて結晶を分離して、1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の結晶形I250mgを得た。
【0081】
実施例1−2:ドラウニングアウト結晶化方法による塩酸塩の結晶形I製造
300mgの1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩を5mlのエタノールに溶解させて溶液を製造した。その後、製造された溶液に5mlのn−ヘキサンを投入して常温で50rpmで1日間攪拌した。結晶生成後、減圧ろ過を通じて結晶を分離して、1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の結晶形I235mgを得た。
【0082】
実施例2:蒸発結晶化方法による塩酸塩の結晶形II製造
20mgの1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩を1mlのメタノールに溶解させて溶液を製造した。その後、製造された溶液からメタノールを常温で1日間蒸発させた。結晶生成後、減圧ろ過を通じて結晶を分離して、1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の結晶形II15mgを得た。
【0083】
実施例3−1:蒸発結晶化方法によるコハク酸塩の結晶形製造
300mgの1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン遊離塩基(free base)および86.3mgのコハク酸を5mlのメタノールに溶解させて溶液を製造した。その後、製造された溶液からメタノールを常温で2日間蒸発させた。結晶生成後、減圧ろ過を通じて結晶を分離して、1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンコハク酸塩の結晶形340mgを得た。
【0084】
実施例3−2:ドラウニングアウト結晶化方法によるコハク酸塩の結晶形製造
300mgの1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン遊離塩基(free base)および86.3mgのコハク酸を5mlのメタノールに溶解させて溶液を製造した。その後、製造された溶液に5mlのn−ヘキサンを投入して常温で50rpmで4時間攪拌した。結晶生成後、減圧ろ過を通じて結晶を分離して、1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンコハク酸塩の結晶形300mgを得た。
【0085】
実施例4−1:蒸発結晶化方法による酒石酸塩の結晶形製造
300mgの1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン遊離塩基(free base)および109.7mgの酒石酸を5mlのメタノールに溶解させて溶液を製造した。その後、製造された溶液からメタノールを常温で2日間蒸発させた。結晶生成後、減圧ろ過を通じて結晶を分離して、1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン酒石酸塩の結晶形385mgを得た。
【0086】
実施例4−2:ドラウニングアウト結晶化方法による酒石酸塩の結晶形製造
300mgの1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン遊離塩基(free base)および109.7mgの酒石酸を5mlのエタノールに溶解させて溶液を製造した。その後、製造された溶液に5mlのn−ヘキサンを投入して常温で50rpmで4時間攪拌した。結晶生成後、減圧ろ過を通じて結晶を分離して、1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン酒石酸塩の結晶形340mgを得た。
【0087】
実施例5−1:蒸発結晶化方法によるフマル酸の結晶形I製造
300mgの1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン遊離塩基(free base)および84.8mgのフマル酸を5mlのエタノールに溶解させて溶液を製造した。その後、製造された溶液からエタノールを常温で2日間蒸発させた。結晶生成後、減圧ろ過を通じて結晶を分離して、1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形I340mgを得た。
【0088】
実施例5−2:反応結晶化方法によるフマル酸の結晶形I製造
300mgの1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン遊離塩基(free base)を5mlのエタノールに溶解させ、109.7mgのフマル酸を3mlのエタノールに溶解させてそれぞれの溶液を製造した。その後、製造された二つの溶液を混合し、常温で50rpmで2時間攪拌した。結晶生成後、減圧ろ過を通じて結晶を分離して、1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形I314mgを得た。
【0089】
実施例6−1:溶媒媒介多形転移方法によるフマル酸の結晶形II製造
300mgの1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸の結晶形Iを5mlのエタノールに溶解させて溶液を製造した。その後、製造された溶液を常温で50rpmで16時間攪拌した。結晶生成後、減圧ろ過を通じて結晶を分離して、1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形II250mgを得た。
【0090】
実施例6−2:固体状態多形転移方法によるフマル酸の結晶形II製造
300mgの1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸の結晶形Iを50℃の温度で24時間真空乾燥した。結晶生成後、減圧ろ過を通じて結晶を分離して、1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形II300mgを得た。
【0091】
比較例1:冷却結晶化方法による遊離塩基(free base)の結晶形製造
100mgの1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン遊離塩基(free base)を4℃の温度で2週間低温冷却した。結晶生成後、減圧ろ過を通じて結晶を分離して、1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン遊離塩基(free base)の結晶形II100mgを得た。
【0092】
試験例1:プロトンポンプ(H+/K+−ATPase)活性に対する抑制活性
前記製造例2で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩のプロトンポンプ(H+/K+−ATPase)活性に対する抑制活性を以下のように測定した。
【0093】
胃腸管小胞(gastric vesicles)は、豚の胃(hog stomach)から公知の方法(Edd C.Rabon et al., Preparation of Gastric H, K−ATPase., Methods in enzymology, vol.157 Academic Press Inc.,(1988), pp.649−654)によって製造した。製造した胃腸管小胞の蛋白質内容物は、ビシンコニン酸(BCA)キット(Thermo社)で定量した。96ウェルプレートの各ウェルに(所定濃度の試験化合物、0.5%DMSO、2.5mM MgCl、12.5mM KCl、1.25mM EDTA、60mM Tris−HCl、pH7.4)80μlを入れた。それぞれのウェルに胃腸管小胞を含有する反応液(60mmol/l、Tris−HCl緩衝溶液、pH7.4)10μl、アデノシン三リン酸を含有するトリス緩衝溶液(10mM ATP、Tris−HCl緩衝溶液、pH7.4)10μlを添加した後、37℃で40分間酵素反応させた。50μlのマラカイトグリーン溶液(6.2N硫酸中の0.12%マラカイトグリーン溶液、5.8%モリブデン酸アンモニウムおよび11%ツイン20を100:67:2の比率で混合)を添加して酵素反応を停止させ、15.1%クエン酸ナトリウム50μlを添加した。反応液中のモノホスフェート(Pi)量はマイクロプレートリーダー(micro plate reader、FLUOstar Omega、BMG社)を用いて570nmで測定した。抑制率(%)を対照群の活性値および多様な濃度の試験化合物の活性値から測定し、H/K−ATPase活性を50%抑制する濃度(IC50)をSigmaplot8.0プログラムのLogistic 4−parameter関数を用いて化合物の各%抑制値から計算した。その結果、製造例2で製造した1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩は0.024μMのIC50値を示した。これにより、本発明の一実施形態による1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンの塩は、優れたプロトンポンプ抑制活性を有し、胃腸管潰瘍、胃炎、逆流性食道炎、またはヘリコバクターピロリ(H.pylori)による胃腸管損傷の予防または治療用薬学組成物に使用可能であるのが分かる。
【0094】
試験例2:X線粉末回折分析
前記実施例および比較例で製造した結晶形に対してX線粉末回折分析を実施し、その結果を図1図7に示した。この時、X線粉末回折分析はX線粉末回折分光器(D8 Advance、Bruker社製造)を用いて45kVの電圧、40mAの電流量、1゜の発散および散乱スリット、0.2mmの受光スリットおよび走査速度3゜/分(0.4秒/0.02゜間隔)の条件下でCuKαターゲットを用いて5°〜35°の回折角(2θ)の範囲で行われた。
【0095】
図1を参照すれば、前記実施例1−1で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の結晶形Iは、X線粉末回折パターンにおいて5.8°、9.7°、10.0°、12.8°、13.2°、17.4°、18.5°、19.5°、19.8°、20.1°、21.8°、25.9°、26.5°および28.2°の回折角(2θ)でピークを有するのを確認することができる。
【0096】
図2を参照すれば、前記実施例2で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の結晶形IIは、X線粉末回折パターンにおいて9.2°、9.8°、10.0°、12.9°、13.2°、13.4°、13.8°、15.0°、18.4°、19.6°および20.2°の回折角(2θ)でピークを有するのを確認することができる。
【0097】
図3を参照すれば、前記実施例3−1で製造された前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンコハク酸塩の結晶形は、X線粉末回折パターンにおいて8.0°、11.2°、12.0°、14.9°、20.0°、22.1°および24.1°の回折角(2θ)でピークを有するのを確認することができる。
【0098】
図4を参照すれば、前記実施例4−1で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン酒石酸塩の結晶形は、X線粉末回折パターンにおいて11.7°、13.0°、13.5°、14.5°、18.3°、19.5°、20.3°、21.5°および23.5°の回折角(2θ)でピークを有するのを確認することができる。
【0099】
図5を参照すれば、前記実施例5−1で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形Iは、X線粉末回折パターンにおいて7.9°、11.9°、20.0°および24.0°の回折角(2θ)でピークを有するのを確認することができる。
【0100】
図6を参照すれば、前記実施例6−1で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形IIは、X線粉末回折パターンにおいて8.4°、10.5°、18.3°および19.02°の回折角(2θ)でピークを有するのを確認することができる。
【0101】
図7を参照すれば、前記比較例1で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン遊離塩基の結晶形は、X線粉末回折パターンにおいて8.7°、10.4°、12.4°、17.08°、17.48°、21.6°、25.06°、26.03°、28.7°および29.6°の回折角(2θ)でピークを有するのを確認することができる。
【0102】
試験例3:示差走査熱量分析
前記実施例および比較例で製造した結晶形に対して示差走査熱量分析を実施し、その結果を図8図14に示した。この時、示差走査熱量分析は、示差走査熱量計(DSC Q20、TA Instruments社製造)を用いて密閉されたパン内で窒素浄化下で10℃/minのスキャン速度で200℃から300℃に昇温しながら行われた。
【0103】
図8を参照すれば、前記実施例1−1で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の結晶形Iは、示差走査熱量分析で吸熱開始温度が215.02℃であり、吸熱温度217.11℃で最大吸熱ピークを示すのを確認することができる。
【0104】
図9を参照すれば、前記実施例2で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の結晶形IIは、示差走査熱量分析で吸熱開始温度が213.14℃であり、吸熱温度215.7℃で最大吸熱ピークを示すのを確認することができる。
【0105】
図10を参照すれば、前記実施例3−1で製造された前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンコハク酸塩の結晶形は、示差走査熱量分析で吸熱開始温度が132.3℃であり、吸熱温度133.9℃で最大吸熱ピークを示すのを確認することができる。
【0106】
図11を参照すれば、前記実施例4−1で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン酒石酸塩の結晶形は、示差走査熱量分析で吸熱開始温度が146.34℃であり、吸熱温度148.27℃で最大吸熱ピークを示すのを確認することができる。
【0107】
図12を参照すれば、前記実施例5−1で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形Iは、示差走査熱量分析で吸熱開始温度が164.97℃であり、吸熱温度167.46℃で最大吸熱ピークを示すのを確認することができる。
【0108】
図13を参照すれば、前記実施例6−1で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形IIは、示差走査熱量分析で吸熱開始温度が179.47℃であり、吸熱温度189.05℃で最大吸熱ピークを示すのを確認することができる。
【0109】
図14を参照すれば、前記比較例1で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン遊離塩基の結晶形は、示差走査熱量分析で吸熱開始温度が79.76℃であり、吸熱温度83.45℃で最大吸熱ピークを示すのを確認することができる。
【0110】
前記図8〜14から分かるように、比較例1で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン遊離塩基の結晶形は、実施例で製造された塩の結晶形に比べて吸熱開始温度が低く、最大吸熱ピークを有する吸熱温度も低いのが分かる。これにより、1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン遊離塩基の結晶形は低い溶融点によって医薬品の製造に適しない反面、実施例による塩の結晶形は薬学的に応用可能であるのを確認した。
【0111】
試験例4:吸湿性試験
前記実施例で製造した結晶形に対して吸湿性試験を実施した。まず、前記実施例の結晶形40mgを下記表1のように一定の相対湿度の条件下で様々な塩の飽和水溶液が入っているそれぞれのガラスデシケーターに2日以上密閉保管した。その後、これらそれぞれに対して重量変化を測定した結果、水分による重量変化が示されなかった。これにより、前記実施例で製造した結晶形は吸湿性を有しないのが分かる。
【表1】
【0112】
試験例5:安定性確認試験
前記実施例で製造した結晶形に対して苛酷条件(防湿条件および高湿度露出条件)下で保管する間の不純物の生成程度を評価するための安定性試験を実施し、防湿条件下での安定性試験結果を下記表2に、高湿度露出条件下での安定性試験結果を下記表3にそれぞれ示した。
【0113】
安定性試験のために、まず、各試料10mgを精密に取って入れたバイアルを計画された数量だけ用意し、これらを防湿条件(60℃および10%未満の相対湿度)および高湿度露出条件(60℃および95%の相対湿度)に分けて保管した。但し、高湿度露出条件では試料と空気中の水分が十分に接触できるように保管するバイアルの蓋を使用しなかった。試験開始後、定められた時点に、それぞれの時点当り2つのバイアルを取り出して(試験当り検体数n=2)、各バイアル内に10mlのメタノールを加えて試料を溶解させた後、これを遠心分離して得られた上澄みを液体クロマトグラフィーを用いて分析した。検出された全てのピークに対して積分を通じてピーク面積を求めた後、主成分と総不純物に対する相対ピーク面積を計算して平均値として示した。
【表2】
【表3】
【0114】
上記表2および3に示されているように、実施例で製造された結晶形は防湿条件および高湿度露出条件下で意味ある主成分のピーク面積減少および総不純物のピーク面積増加を示さないのが分かる。したがって、実施例で製造された結晶形は苛酷条件下で湿度の影響とは関係なく不純物の増加を抑制して、優れた化学的安定性を示すのを確認した。
【0115】
試験例6:水溶解度試験
前記実施例で製造した結晶形に対して水に対する溶解度試験を実施し、その結果を下記表4に示した。水溶解度試験のために、まず、バイアルに10mg未満の試料を精密に取って入れ、ここに50μlの脱イオン水を加えて30秒間の振とうおよび1分間の超音波振とうを実施し、このような過程を数回繰り返し、前記試料全部を溶解させるために使用された水の量を測定して水溶解度を計算した。
【表4】
【0116】
上記表4に示されているように、実施例で製造した結晶形は比較例1で製造した遊離塩基結晶形に比べて10倍以上増加された水溶解度を有するのが分かる。また、前記実施例で製造した結晶形は塩酸塩の結晶形I、コハク酸塩の結晶形、酒石酸塩の結晶形およびフマル酸塩の結晶形Iの順に高い溶解度を示した。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14