【実施例】
【0069】
以下、本発明の理解のために好ましい実施例を提示する。しかし、下記の実施例は本発明をより容易に理解するために提供されるものに過ぎず、下記の実施例によって本発明の内容が限定されるのではない。
【0070】
製造例1:1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン(free base)の製造
段階1−1)2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(3−メトキシ−2−(メトキシカルボニル)−3−オキソプロプ−1−エン−1−イル)アミノ)酢酸の製造
2,4−ジフルオロフェニルグリシン(150.0g、801.5mmol)、ジメチル2−(メトキシメチレン)マロネート(126.9g、728.6mmol)、および酢酸ナトリウム(65.8g、801.5mmol)をメタノール(800.0ml)に加えた後、60℃で4時間還流させた。反応混合物を室温に冷却した後、減圧濃縮してメタノールを約70%除去した後、ろ過した。得られた固体を減圧乾燥して表題化合物190.0gを製造した。(収率:79.2%)
1H−NMR(500MHz、CDCl
3):8.02−7.99(m、1H)、7.45−7.40(m、1H)、7.00−6.95(m、2H)、5.16(s、1H)、3.74(s、3H)、3.76(s、3H)
【0071】
段階1−2)メチル5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−1H−ピロール−3−カルボキシレートの製造
前記段階1−1で製造された2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−((3−メトキシ−2−(メトキシカルボニル)−3−オキソプロプ−1−エン−1−イル)アミノ)酢酸(190.0g、577.1mmol)に酢酸無水物(1731.2ml)およびトリエチルアミン(577.1ml)を加えた。反応混合物を140℃で30分間還流させた後、0℃に冷却した。反応混合物に0℃で氷水(577.1ml)を加えた後、室温で1時間攪拌した後、エチルアセテートで抽出した。得られた抽出液を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、減圧濃縮した。得られた化合物をシリカゲルを用いてフィルターして固体を除去した後、減圧濃縮した。
【0072】
得られた残渣にテトラヒドロフラン(140.0ml)および水(120.0ml)を加え、0℃に冷却した後、水酸化ナトリウム(46.17g、1154.2mmol)を添加した。反応混合物を0℃で30分間攪拌した後、1N塩酸水溶液を用いて中和させた後、エチルアセテートで抽出した。得られた抽出物を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:n−ヘキサン=1:4(v/v))で精製して表題化合物22.0gを製造した。(収率:15.1%)
1H−NMR(500MHz、CDCl
3):8.80(s、1H)、8.17−8.12(m、2H)、7.13(d、1H)、6.95(t、1H)、6.86−6.83(m、1H)、3.88(s、3H)
【0073】
段階1−3)メチル5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−カルボキシレートの製造
前記段階1−2で製造されたメチル5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−1H−ピロール−3−カルボキシレート(22.0g、86.9mmol)をテトラヒドロフラン(434.5ml)およびメタノール(173.9ml)に溶解させた。応混合物に(トリメチルシリル)ジアゾメタン(2.0Mジエチルエーテル溶液、173.8ml)を加え、室温で48時間攪拌した。反応混合物に水を添加し、エチルアセテートで抽出した。得られた抽出液を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:n−ヘキサン=1:4(v/v))で精製して表題化合物18.1gを製造した。(収率:75.3%)
1H−NMR(500MHz、CDCl
3):8.78(s、1H)、8.12(m、1H)、7.30(d、1H)、6.95(t、1H)、6.88(t、1H)、3.87(s、3H)、3.85(s、3H)
【0074】
段階1−4)メチル5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−カルボキシレートの製造
前記段階1−3で製造されたメチル5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−カルボキシレート(18.0g、67.4mmol)をジメチルホルムアミド(335.0ml)に溶解させた。得られた溶液に室温で水素化ナトリウム(60%、流動パラフィン中の分散液)(4.0g、101.0mmol)を加え、室温で10分間攪拌した。反応混合物に3−フルオロベンゼンスルホニルクロリド(13.37ml、101.0mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応混合物に水を添加し、エチルアセテートで抽出した。得られた抽出液を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:n−ヘキサン=1:4(v/v))で精製して表題化合物26.1gを製造した。(収率:91.1%)
1H−NMR(500MHz、CDCl
3):7.98(s、1H)、7.43−7.39(m、1H)、7.30(t、1H)、7.23(d、1H)、7.15(q、1H)、7.67(q、1H)、6.91(t、1H)、6.77(t、1H)、3.87(s、3H)、3.61(s、3H)
【0075】
段階1−5)5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−カルバルデヒドの製造
前記段階1−4で製造されたメチル5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−カルボキシレート(26.0g、61.1mmol)をテトラヒドロフラン(300.0ml)に溶解させた。得られた溶液に0℃でジイソブチルアルミニウムヒドリド(1.0Mテトラヒドロフラン溶液)(183.4ml、183.4mmol)を添加し、室温で1時間攪拌した後、1N塩酸溶液を用いて中和させ、エチルアセテートで抽出した。得られた抽出物を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、減圧濃縮した。
【0076】
得られた残渣をジクロロメタン(300.0ml)に溶解させた後、セライト(26.0g)およびピリジニウムクロロクロメート(39.5g、183.4mmol)を添加した。反応混合物を室温で1時間攪拌した後、ろ過して固体を除去し、得られた濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:n−ヘキサン=1:2(v/v))で精製して表題化合物17.2gを製造した。(収率:70.9%)
1H−NMR(500MHz、CDCl
3):9.89(s、1H)、7.99(s、1H)、7.45−7.41(m、1H)、7.33(s、1H)、7.25(d、1H)、7.18(q、1H)、7.05(s、1H)、6.92(t、1H)、6.77(t、1H)、3.63(s、3H)
【0077】
段階1−6)1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンの製造
前記段階1−5で製造された5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−カルバルデヒド(17.0g、43.0mmol)をメタノール(430.0ml)に溶解させた。得られた溶液にメチルアミン(9.8Mメタノール溶液)(87.8ml、860.0mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。反応混合物に水素化ホウ素ナトリウム(16.3g、430.0mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。反応混合物に水を加えた後、エチルアセテートで抽出した。得られた抽出液を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:n−ヘキサン=1:2(v/v))で精製して表題化合物15.2gを製造した。(収率:86.1%)
1H−NMR(500MHz、CDCl
3):7.39−7.35(m、1H)、7.26−7.20(m、2H)、7.15(q、1H)、7.06(d、1H)、6.87(t、1H)、6.78(t、1H)、3.60(d、2H)、3.44(s、3H)、2.45(s、3H)
【0078】
製造例2:1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
前記製造例1で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン(15.0g、36.6mmol)をエチルアセテート(36.6ml)に溶解した後に塩酸溶液(2.0Mジエチルエーテル溶液)(36.6ml、73.1mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間攪拌した後、ろ過し、得られた固体を減圧乾燥して表題化合物15.1gを製造した。(収率:92.5%)
分子量446.87
1H−NMR(500MHz、MeOD):7.69(s、1H)、7.58−7.53(m、1H)、7.45(t、1H)、7.30(d、1H)、7.20−7.15(m、2H)、7.02−6.94(m、2H)、4.07(d、2H)、3.46(s、3H)、2.71(s、3H)
【0079】
以下、実施例では前記製造例1で製造した1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン(free base)および前記製造例2で製造した1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩を使用した。
【0080】
実施例1−1:蒸発結晶化方法による塩酸塩の結晶形I製造
300mgの1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩を5mlのエタノールに溶解させて溶液を製造した。その後、製造された溶液からエタノールを常温で1日間蒸発させた。結晶生成後、減圧ろ過を通じて結晶を分離して、1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の結晶形I250mgを得た。
【0081】
実施例1−2:ドラウニングアウト結晶化方法による塩酸塩の結晶形I製造
300mgの1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩を5mlのエタノールに溶解させて溶液を製造した。その後、製造された溶液に5mlのn−ヘキサンを投入して常温で50rpmで1日間攪拌した。結晶生成後、減圧ろ過を通じて結晶を分離して、1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の結晶形I235mgを得た。
【0082】
実施例2:蒸発結晶化方法による塩酸塩の結晶形II製造
20mgの1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩を1mlのメタノールに溶解させて溶液を製造した。その後、製造された溶液からメタノールを常温で1日間蒸発させた。結晶生成後、減圧ろ過を通じて結晶を分離して、1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の結晶形II15mgを得た。
【0083】
実施例3−1:蒸発結晶化方法によるコハク酸塩の結晶形製造
300mgの1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン遊離塩基(free base)および86.3mgのコハク酸を5mlのメタノールに溶解させて溶液を製造した。その後、製造された溶液からメタノールを常温で2日間蒸発させた。結晶生成後、減圧ろ過を通じて結晶を分離して、1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンコハク酸塩の結晶形340mgを得た。
【0084】
実施例3−2:ドラウニングアウト結晶化方法によるコハク酸塩の結晶形製造
300mgの1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン遊離塩基(free base)および86.3mgのコハク酸を5mlのメタノールに溶解させて溶液を製造した。その後、製造された溶液に5mlのn−ヘキサンを投入して常温で50rpmで4時間攪拌した。結晶生成後、減圧ろ過を通じて結晶を分離して、1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンコハク酸塩の結晶形300mgを得た。
【0085】
実施例4−1:蒸発結晶化方法による酒石酸塩の結晶形製造
300mgの1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン遊離塩基(free base)および109.7mgの酒石酸を5mlのメタノールに溶解させて溶液を製造した。その後、製造された溶液からメタノールを常温で2日間蒸発させた。結晶生成後、減圧ろ過を通じて結晶を分離して、1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン酒石酸塩の結晶形385mgを得た。
【0086】
実施例4−2:ドラウニングアウト結晶化方法による酒石酸塩の結晶形製造
300mgの1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン遊離塩基(free base)および109.7mgの酒石酸を5mlのエタノールに溶解させて溶液を製造した。その後、製造された溶液に5mlのn−ヘキサンを投入して常温で50rpmで4時間攪拌した。結晶生成後、減圧ろ過を通じて結晶を分離して、1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン酒石酸塩の結晶形340mgを得た。
【0087】
実施例5−1:蒸発結晶化方法によるフマル酸の結晶形I製造
300mgの1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン遊離塩基(free base)および84.8mgのフマル酸を5mlのエタノールに溶解させて溶液を製造した。その後、製造された溶液からエタノールを常温で2日間蒸発させた。結晶生成後、減圧ろ過を通じて結晶を分離して、1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形I340mgを得た。
【0088】
実施例5−2:反応結晶化方法によるフマル酸の結晶形I製造
300mgの1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン遊離塩基(free base)を5mlのエタノールに溶解させ、109.7mgのフマル酸を3mlのエタノールに溶解させてそれぞれの溶液を製造した。その後、製造された二つの溶液を混合し、常温で50rpmで2時間攪拌した。結晶生成後、減圧ろ過を通じて結晶を分離して、1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形I314mgを得た。
【0089】
実施例6−1:溶媒媒介多形転移方法によるフマル酸の結晶形II製造
300mgの1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸の結晶形Iを5mlのエタノールに溶解させて溶液を製造した。その後、製造された溶液を常温で50rpmで16時間攪拌した。結晶生成後、減圧ろ過を通じて結晶を分離して、1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形II250mgを得た。
【0090】
実施例6−2:固体状態多形転移方法によるフマル酸の結晶形II製造
300mgの1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸の結晶形Iを50℃の温度で24時間真空乾燥した。結晶生成後、減圧ろ過を通じて結晶を分離して、1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形II300mgを得た。
【0091】
比較例1:冷却結晶化方法による遊離塩基(free base)の結晶形製造
100mgの1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン遊離塩基(free base)を4℃の温度で2週間低温冷却した。結晶生成後、減圧ろ過を通じて結晶を分離して、1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン遊離塩基(free base)の結晶形II100mgを得た。
【0092】
試験例1:プロトンポンプ(H+/K+−ATPase)活性に対する抑制活性
前記製造例2で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩のプロトンポンプ(H+/K+−ATPase)活性に対する抑制活性を以下のように測定した。
【0093】
胃腸管小胞(gastric vesicles)は、豚の胃(hog stomach)から公知の方法(Edd C.Rabon et al., Preparation of Gastric H
+, K
+−ATPase., Methods in enzymology, vol.157 Academic Press Inc.,(1988), pp.649−654)によって製造した。製造した胃腸管小胞の蛋白質内容物は、ビシンコニン酸(BCA)キット(Thermo社)で定量した。96ウェルプレートの各ウェルに(所定濃度の試験化合物、0.5%DMSO、2.5mM MgCl
2、12.5mM KCl、1.25mM EDTA、60mM Tris−HCl、pH7.4)80μlを入れた。それぞれのウェルに胃腸管小胞を含有する反応液(60mmol/l、Tris−HCl緩衝溶液、pH7.4)10μl、アデノシン三リン酸を含有するトリス緩衝溶液(10mM ATP、Tris−HCl緩衝溶液、pH7.4)10μlを添加した後、37℃で40分間酵素反応させた。50μlのマラカイトグリーン溶液(6.2N硫酸中の0.12%マラカイトグリーン溶液、5.8%モリブデン酸アンモニウムおよび11%ツイン20を100:67:2の比率で混合)を添加して酵素反応を停止させ、15.1%クエン酸ナトリウム50μlを添加した。反応液中のモノホスフェート(Pi)量はマイクロプレートリーダー(micro plate reader、FLUOstar Omega、BMG社)を用いて570nmで測定した。抑制率(%)を対照群の活性値および多様な濃度の試験化合物の活性値から測定し、H
+/K
+−ATPase活性を50%抑制する濃度(IC
50)をSigmaplot8.0プログラムのLogistic 4−parameter関数を用いて化合物の各%抑制値から計算した。その結果、製造例2で製造した1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩は0.024μMのIC
50値を示した。これにより、本発明の一実施形態による1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンの塩は、優れたプロトンポンプ抑制活性を有し、胃腸管潰瘍、胃炎、逆流性食道炎、またはヘリコバクターピロリ(H.pylori)による胃腸管損傷の予防または治療用薬学組成物に使用可能であるのが分かる。
【0094】
試験例2:X線粉末回折分析
前記実施例および比較例で製造した結晶形に対してX線粉末回折分析を実施し、その結果を
図1〜
図7に示した。この時、X線粉末回折分析はX線粉末回折分光器(D8 Advance、Bruker社製造)を用いて45kVの電圧、40mAの電流量、1゜の発散および散乱スリット、0.2mmの受光スリットおよび走査速度3゜/分(0.4秒/0.02゜間隔)の条件下でCuKαターゲットを用いて5°〜35°の回折角(2θ)の範囲で行われた。
【0095】
図1を参照すれば、前記実施例1−1で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の結晶形Iは、X線粉末回折パターンにおいて5.8°、9.7°、10.0°、12.8°、13.2°、17.4°、18.5°、19.5°、19.8°、20.1°、21.8°、25.9°、26.5°および28.2°の回折角(2θ)でピークを有するのを確認することができる。
【0096】
図2を参照すれば、前記実施例2で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の結晶形IIは、X線粉末回折パターンにおいて9.2°、9.8°、10.0°、12.9°、13.2°、13.4°、13.8°、15.0°、18.4°、19.6°および20.2°の回折角(2θ)でピークを有するのを確認することができる。
【0097】
図3を参照すれば、前記実施例3−1で製造された前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンコハク酸塩の結晶形は、X線粉末回折パターンにおいて8.0°、11.2°、12.0°、14.9°、20.0°、22.1°および24.1°の回折角(2θ)でピークを有するのを確認することができる。
【0098】
図4を参照すれば、前記実施例4−1で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン酒石酸塩の結晶形は、X線粉末回折パターンにおいて11.7°、13.0°、13.5°、14.5°、18.3°、19.5°、20.3°、21.5°および23.5°の回折角(2θ)でピークを有するのを確認することができる。
【0099】
図5を参照すれば、前記実施例5−1で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形Iは、X線粉末回折パターンにおいて7.9°、11.9°、20.0°および24.0°の回折角(2θ)でピークを有するのを確認することができる。
【0100】
図6を参照すれば、前記実施例6−1で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形IIは、X線粉末回折パターンにおいて8.4°、10.5°、18.3°および19.02°の回折角(2θ)でピークを有するのを確認することができる。
【0101】
図7を参照すれば、前記比較例1で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン遊離塩基の結晶形は、X線粉末回折パターンにおいて8.7°、10.4°、12.4°、17.08°、17.48°、21.6°、25.06°、26.03°、28.7°および29.6°の回折角(2θ)でピークを有するのを確認することができる。
【0102】
試験例3:示差走査熱量分析
前記実施例および比較例で製造した結晶形に対して示差走査熱量分析を実施し、その結果を
図8〜
図14に示した。この時、示差走査熱量分析は、示差走査熱量計(DSC Q20、TA Instruments社製造)を用いて密閉されたパン内で窒素浄化下で10℃/minのスキャン速度で200℃から300℃に昇温しながら行われた。
【0103】
図8を参照すれば、前記実施例1−1で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の結晶形Iは、示差走査熱量分析で吸熱開始温度が215.02℃であり、吸熱温度217.11℃で最大吸熱ピークを示すのを確認することができる。
【0104】
図9を参照すれば、前記実施例2で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の結晶形IIは、示差走査熱量分析で吸熱開始温度が213.14℃であり、吸熱温度215.7℃で最大吸熱ピークを示すのを確認することができる。
【0105】
図10を参照すれば、前記実施例3−1で製造された前記1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンコハク酸塩の結晶形は、示差走査熱量分析で吸熱開始温度が132.3℃であり、吸熱温度133.9℃で最大吸熱ピークを示すのを確認することができる。
【0106】
図11を参照すれば、前記実施例4−1で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン酒石酸塩の結晶形は、示差走査熱量分析で吸熱開始温度が146.34℃であり、吸熱温度148.27℃で最大吸熱ピークを示すのを確認することができる。
【0107】
図12を参照すれば、前記実施例5−1で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形Iは、示差走査熱量分析で吸熱開始温度が164.97℃であり、吸熱温度167.46℃で最大吸熱ピークを示すのを確認することができる。
【0108】
図13を参照すれば、前記実施例6−1で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の結晶形IIは、示差走査熱量分析で吸熱開始温度が179.47℃であり、吸熱温度189.05℃で最大吸熱ピークを示すのを確認することができる。
【0109】
図14を参照すれば、前記比較例1で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン遊離塩基の結晶形は、示差走査熱量分析で吸熱開始温度が79.76℃であり、吸熱温度83.45℃で最大吸熱ピークを示すのを確認することができる。
【0110】
前記
図8〜14から分かるように、比較例1で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン遊離塩基の結晶形は、実施例で製造された塩の結晶形に比べて吸熱開始温度が低く、最大吸熱ピークを有する吸熱温度も低いのが分かる。これにより、1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン遊離塩基の結晶形は低い溶融点によって医薬品の製造に適しない反面、実施例による塩の結晶形は薬学的に応用可能であるのを確認した。
【0111】
試験例4:吸湿性試験
前記実施例で製造した結晶形に対して吸湿性試験を実施した。まず、前記実施例の結晶形40mgを下記表1のように一定の相対湿度の条件下で様々な塩の飽和水溶液が入っているそれぞれのガラスデシケーターに2日以上密閉保管した。その後、これらそれぞれに対して重量変化を測定した結果、水分による重量変化が示されなかった。これにより、前記実施例で製造した結晶形は吸湿性を有しないのが分かる。
【表1】
【0112】
試験例5:安定性確認試験
前記実施例で製造した結晶形に対して苛酷条件(防湿条件および高湿度露出条件)下で保管する間の不純物の生成程度を評価するための安定性試験を実施し、防湿条件下での安定性試験結果を下記表2に、高湿度露出条件下での安定性試験結果を下記表3にそれぞれ示した。
【0113】
安定性試験のために、まず、各試料10mgを精密に取って入れたバイアルを計画された数量だけ用意し、これらを防湿条件(60℃および10%未満の相対湿度)および高湿度露出条件(60℃および95%の相対湿度)に分けて保管した。但し、高湿度露出条件では試料と空気中の水分が十分に接触できるように保管するバイアルの蓋を使用しなかった。試験開始後、定められた時点に、それぞれの時点当り2つのバイアルを取り出して(試験当り検体数n=2)、各バイアル内に10mlのメタノールを加えて試料を溶解させた後、これを遠心分離して得られた上澄みを液体クロマトグラフィーを用いて分析した。検出された全てのピークに対して積分を通じてピーク面積を求めた後、主成分と総不純物に対する相対ピーク面積を計算して平均値として示した。
【表2】
【表3】
【0114】
上記表2および3に示されているように、実施例で製造された結晶形は防湿条件および高湿度露出条件下で意味ある主成分のピーク面積減少および総不純物のピーク面積増加を示さないのが分かる。したがって、実施例で製造された結晶形は苛酷条件下で湿度の影響とは関係なく不純物の増加を抑制して、優れた化学的安定性を示すのを確認した。
【0115】
試験例6:水溶解度試験
前記実施例で製造した結晶形に対して水に対する溶解度試験を実施し、その結果を下記表4に示した。水溶解度試験のために、まず、バイアルに10mg未満の試料を精密に取って入れ、ここに50μlの脱イオン水を加えて30秒間の振とうおよび1分間の超音波振とうを実施し、このような過程を数回繰り返し、前記試料全部を溶解させるために使用された水の量を測定して水溶解度を計算した。
【表4】
【0116】
上記表4に示されているように、実施例で製造した結晶形は比較例1で製造した遊離塩基結晶形に比べて10倍以上増加された水溶解度を有するのが分かる。また、前記実施例で製造した結晶形は塩酸塩の結晶形I、コハク酸塩の結晶形、酒石酸塩の結晶形およびフマル酸塩の結晶形Iの順に高い溶解度を示した。