(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車種、経過年を含む履歴情報、価格を少なくともパラメータとして含む、t台(tは1以上の整数値)の車両の購入額、及び所定の期間経過後の販売額を演算する購入販売額演算部と、
前記t台の車両の夫々を購入した者を貸主として、当該t台の車両の夫々を、所定の借主に対して賃貸借契約で賃貸する場合の賃貸費を演算する賃貸費演算部と、
前記賃貸費と、前記購入額と、前記販売額とに基づいて、前記貸主の損益額と、前記t台の車両の組合せからなるファンドの商品を購入する投資家の損益額と、の夫々を演算する損益演算部と、
前記パラメータ及び前記t台、前記購入額、前記販売額、前記賃貸費、前記貸主の損益、並びに前記投資家の損益の組合せを変化させて、前記購入販売額演算部、前記賃貸費演算部、及び前記損益演算部の各処理を繰り返し実行させ、その実行結果に基づいて、前記貸主の損益額が、前記投資家の所望する金額となるように、前記ファンドの商品の内容を決定する商品最適化部と、
を備える情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置を含む情報処理システムの構成の概要を示す図である。
【0017】
図1に示す情報処理システムは、ファンドマネージャFMが操作するサービス提供サーバ1と、投資家I−1乃至I−n(nは1以上の任意の整数値)の夫々が操作する投資家端末2−1乃至2−nの夫々と、売主S−1乃至S−m(mは1以上の任意の整数値)の夫々が操作する売主端末3−1乃至3−mの夫々と、借主R−1乃至R−p(pは1以上の任意の整数値)の夫々が操作する借主端末4−1乃至4−pの夫々とが、インターネット等の所定のネットワークNを介して相互に接続されることで構成される。
【0018】
ここで、ファンドマネージャFMとは、業務用貨物運搬用車両を対象とするファンドの運営主体として、投資家I−1乃至I−nから預かった資産を運用し増やすことを目的とする個人又は団体をいう。
本発明が適用されるファンドの対象は、車両であり、特に本実施形態では業務用貨物運搬用車両の中古車が採用されている。なお、本発明における車両は特に限定されない。例えばトラックやトレーラー等の貨物運搬用車両、バス等の乗客を乗せるための車両等、あらゆる車両を含めることができる。
また、本明細書において特に断りの無い限り、単に中古車と呼ぶ場合には、業務用貨物運搬用車両の中古車を意味するものとする。
【0019】
投資家I−1乃至I−nは、資産を将来的に増加させることを主目的として、現在の資産をファンドに投じる活動を行う個人又は法人であって、例えば、個人投資家、機関投資家等が含まれる。なお、投資家I−1乃至I−nがファンドに出資する目的には、自身の出資額に対するトラックファンドの損益額が、投資家I−1乃至I−nの所望する金額になることが含まれる。
売主S−1乃至S−mは、ファンドマネージャFMとの業務用貨物運搬用車両の売買契約に基づいて業務用貨物運搬用車両を販売し対価を得る者であって、例えば業務上使用しなくなった業務用貨物運搬用車両を中古車として販売する運送会社等が含まれる。
借主R−1乃至R−pは、ファンドマネージャFMとの賃貸借契約に基づいて、ファンドの対象となる業務用貨物運搬用車両を1台以上賃借する者であって、例えば中古車を用いて運送業を営む運送会社等が含まれる。
【0020】
なお、ファンドの対象となる業務用貨物運搬用車両の中には、トラクターとトレーラー(荷台や客車)とに分割可能な牽引自動車を含めることができる。ここで、トラクターとトレーラーとは、移動時には結合されるが、保管時には分割が可能であるため、借主R−1にとっては、トラクターが1台以上あれば、それより多くのトレーラーを保管しておくことも可能である。そこで、本実施形態は、トラクターとトレーラーを別々に取扱い、夫々単体でファンドの対象にすることができる。つまり、牽引自動車について「業務用貨物運搬用車両1台」と記述する場合には、「牽引自動車(トラクターとトレーラーがセット)で1台」という意の他、「トラクター1台」又は「トレーラー1台」の意も含んでいる。
【0021】
なお、以下、投資家I−1乃至I−n、投資家端末2−1乃至2−n、売主S−1乃至S−m、売主端末3−1乃至3−m、借主R−1乃至R−p、借主端末4−1乃至4−pの夫々を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて、「投資家I」、「投資家端末2」、「売主S」、「売主端末3」、「借主R」、「借主端末4」の夫々と呼ぶ。
【0022】
サービス提供サーバ1は、投資家端末2、売主端末3、及び借主端末4の各動作を管理すべく、各種処理を実行する。
投資家端末2は、投資家Iが夫々操作する情報処理端末であって、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン等で構成される。
売主端末3は、売主Sが夫々操作する情報処理端末であって、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン等で構成される。
借主端末4は、借主Rが夫々操作する情報処理端末であって、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン等で構成される。
【0023】
具体的には本実施形態では、サービス提供サーバ1は、次のようにして、投資家端末2、売主端末3、及び借主端末4の各動作を管理する。
【0024】
即ち、本実施形態では、ファンドマネージャFMは、売主Sからt台(tは1以上の整数値)の業務用貨物運搬用車両を購入し、ファンドとの間で車両売買契約、車両賃貸借契約、及びアセット・マネジメント契約を締結する。
ここで、アセット・マネジメント契約とは、ファンドマネージャFMが、業務用貨物運搬用車両の管理を、業務用貨物運搬用車両の所有者であるファンドに代行して行うことを定めた契約をいう。
また、ファンドマネージャFMは、t台の業務用貨物運搬用車両をファンドから賃借し、当該t台の業務用貨物運搬用車両を借主Rに賃貸する。
したがって、ファンドマネージャFMは、ファンドとの車両売買契約及びアセット・マネジメント契約と、借主Rとの賃貸契約とに基づいて収益を得ることができる。
また、ファンドは、ファンドマネージャFMとの車両賃貸借契約と、所定年数経過後の当該t台の業務用貨物運搬用車両の売却とに基づいて収益を得ることができる。また、これを源泉として、投資家Iに安定的な配当を行うことができる。
なお、以下このような収益構造とするファンドを「トラックファンド」と呼ぶ。
【0025】
ここで、トラックファンドの対象となる業務用貨物運搬用車両として、新車を採用してもよいが、本実施形態では中古車を採用している。これは、次のような理由による。
先ず、前提として少なくとも日本国では、税務上、新車と中古車とに関わらず、車両を購入した場合の経理処理において、車両の取得のために要した金額の全てを直ちに費用化することは認められていない。これは、車両は数年にわたって使用するものであり、車両の使用期間に応じて減価償却費として費用化する必要があるからである。なお、当該使用期間を「耐用年数」という。
この場合、投資家Iは、トラックファンドの対象となる業務用貨物運搬用車両の購入費のうち自身が投資した分については、耐用年数が経過するまでの期間中、その減価償却費を自己の会計に費用計上することができる。即ち。投資家Iは、トラックファンドの商品を購入することにより、税制面におけるメリットを享受することができる。
このような税制面等における減価償却のメリットは、新車と比べて中古車の方が特に大きい。これは、一般的に中古車は、新車に比べて長く使用することができないと考えられているため、中古車の耐用年数は新車よりも短い。即ち、中古車は、経理処理上新車よりも短い期間で費用化(減価償却)できるというメリットを有する。このため、中古車は、投資家Iにとって運用利回りに優れ、かつ需給バランス及び取引相場が安定した投資対象であるといえる。
【0026】
また、耐用年数が新車よりもさらに長い住宅や建物等の不動産を投資対象とする不動産を対象とするファンドと比較したとしても、中古車は不動産と比べて耐用年数がはるかに短いため、投資家Iは短期間で減価償却のメリットを享受することができる。
さらに、海外で運用されることが多い飛行機ファンド、船舶ファンド等と比較しても、投資家Iは、為替変動のリスクが低いというメリットを享受することができる。
即ち、トラックファンドは、投資家Iにとって安定した配当を得ることができると共に、短期間で減価償却費を計上することができる優れたファンド商品となる。
【0027】
この点、ファンドマネージャFMは、このような優れたファンド商品(トラックファンド)を投資家Iに安心して提供することができる。また、ファンドマネージャFMは、投資家Iに配当が支払われたとしても十分に利益を回収することができる。
【0028】
また、トラックファンドにおいて、運送会社を営む借主Rは、ファンドマネージャFMから中古車を業務用貨物運搬用車両として賃借するという、業務用貨物運搬用車両の新しい調達手段を獲得することができる。
即ち、従来からある一般的な業務用貨物運搬用車両の調達手段は、運送会社自身が業務用貨物運搬用車両を購入するというものである。この場合、業務用貨物運搬用車両の購入費、自動車税等の税金等が運送会社の自己負担となるにも関わらず、財務上の資産価値としては高い評価を得ることはできない。また、車両故障のリスクも付きまとうこととなる。つまり、一般的な業務用貨物運搬用車両の調達手段では、以上のようなデメリットが生じてしまう。
しかしながら、トラックファンドにおいて、運送会社を営む借主Rが使用する業務用貨物運搬用車両の所有権はトラックファンドに帰属することになるため、運送会社が直接業務用貨物運搬用車両を購入するときのようなデメリットが生じない。
即ち、借主Rは、業務用貨物運搬用車両を所有することなく、ファンドマネージャFMとの間で締結された車両賃貸借契約の内容に基づいて、毎月賃貸費をファンドマネージャFMに支払うだけでよい。
また、例えば自動車税等の財務上の負担や、車両故障等のリスクについても、賃貸借契約の内容によっては、借主Rではなくトラックファンドが負担する場合もある。
従って、金融機関等を含む第三者によって借主Rの経営体質(バランスシート等)が評価される場合、業務用貨物運搬用車両を購入によって調達する場合よりも、賃貸によって調達する場合の方が、借主Rは高く評価されることとなる。
【0029】
このように、トラックファンドの商品は、投資家I、ファンドマネージャFM、及び借主Rのいずれに対してもメリットを享受させ得る魅力的なファンドである。
このため、トラックファンドの商品の内容は、投資家I、ファンドマネージャFM、トラックファンド、及び借主Rを含む4者の損益が最適化されることが望ましい。
即ち、このような最適化が行われるためには、ファンドマネージャFMは、t台の業務用貨物運搬用車両の夫々に関する下記(1)乃至(5)夫々の項目の組合せとして、最適な組合せを検討する必要がある。
(1)車種、新車として販売された時からの経過年数を含む履歴情報、及び車両価格を少なくともパラメータ(以下「パラメータ情報」と呼ぶ)として含む購入額
(2)売主Sからの購入後、所定の期間経過後の販売額(下取価格)
(3)減価償却費
(4)所定の借主Rに対し賃貸する場合の賃貸費
(5)投資家I、ファンドマネージャFM、トラックファンド、及び借主Rの損益
【0030】
本実施形態におけるサービス提供サーバ1は、上記(1)乃至(5)の各種各様な組み合わせについてシミュレーションを行う。これにより、複数の業務用貨物運搬用車両の最適な組合せに基づいたトラックファンドの商品を提供することが可能となる。
このような商品は、投資家Iの損益、ファンドマネージャFM、トラックファンド、及び借主Rの損益(賃貸費や財務上のメリットやデメリット)が総合的に考慮された最適な商品となる。
【0031】
なお、サービス提供サーバ1が実行するこれらの処理の詳細については、
図3及び4を参照して後述する。
【0032】
図2は、
図1のサービス提供サーバ1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0033】
サービス提供サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0034】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0035】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0036】
出力部16は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
入力部17は、キーボードやマウス等で構成され、各種情報を入力する。
【0037】
記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(
図1の例では投資家端末2−1乃至2−n、売主端末3−1乃至3−m、及び借主端末4−1乃至4−p)との間で通信を行う。
【0038】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア30が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア30から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア30は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0039】
なお、図示はしないが、
図1の情報処理システムのうち、本発明の一実施形態としての投資家端末2、売主端末3、及び借主端末4も、
図2に示すハードウェア構成を有している。
【0040】
図3は、
図1の情報処理システムのうちサービス提供サーバ1の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0041】
サービス提供サーバ1のCPU11(
図2)においては、
図3に示すように、シミュレーション部201と、商品最適化部202とが機能する。
記憶部18(
図2)の一領域には、車両DB401と、演算結果DB402とが設けられている。
【0042】
シミュレーション部201は、購入販売額演算部301と、減価償却演算部302と、賃貸費演算部303と、損益演算部304とを備える。
【0043】
シミュレーション部201では、例えば複数の業務用貨物運搬用車両の中から任意に選択されたt台(tは1以上の整数値)の業務用貨物運搬用車両の組合せについて、各演算部において次のような演算が実行される。なお、任意に選択されたt台の業務用貨物運搬用車両の夫々については、少なくとも、車種と、経過年を含む履歴情報と、価格とがパラメータとして対応付けられ、車両DB401に記憶され管理されている。
ここで、t台の業務用貨物運搬用車両の組合せには、トラックファンドが現在所有しているものの他、トラックファンドが今後購入可能な業務用貨物運搬用車両も含めることができる。
【0044】
購入販売額演算部301は、t台の業務用貨物運搬用車両の夫々について、購入額、及び所定の期間経過後の販売額(下取価格)を演算する。
トラックファンドが現在所有している業務用貨物運搬用車両については、当該業務用貨物運搬用車両を実際に購入した際に支払われた金額が購入金額として演算される。また、トラックファンドが今後購入可能な業務用貨物運搬用車両については、売主端末3から得られる情報に基づいて演算される予測購入額が購入金額となる。なお、投資家Iの投資額の具体的な金額は、このt台の業務用貨物運搬用車両の購入額に基づいて決定される。
所定の期間経過後の販売額(下取価格)は、上述のパラメータ及び業務用貨物運搬用車両の購入額に基づいて演算された予測販売額となる。
なお、購入販売額演算部301によって演算された業務用貨物運搬用車両の購入額等の具体例については、
図5Aを参照して後述する。
【0045】
減価償却演算部302は、購入販売額演算部301による購入額等の演算結果に基づいて、t台の業務用貨物運搬用車両の夫々の減価償却費を演算する。
なお、減価償却演算部302によって演算された業務用貨物運搬用車両の減価償却費の具体例については、
図5Bを参照して後述する。
【0046】
賃貸費演算部303は、トラックファンドからt台の業務用貨物運搬用車両の夫々を賃借したファンドマネージャFMを貸主として、t台の業務用貨物運搬用車両の夫々を、借主Rに賃貸借契約に基づいて賃貸する場合の賃貸費を演算する。この賃貸費は、変動要素であり、所定のアルゴリズムによって演算される。
また、借主Rが業務用貨物運搬用車両を用いて所定の役務の提供を行った場合に得られる対価の額に基づいて、当該業務用貨物運搬用車両の賃貸費を演算することもできる。
これにより、ファンドマネージャFMは、業務用貨物運搬用車両を賃貸すると共に、当該業務用貨物運搬用車両を用いた具体的な貨物の運搬業務自体を借主Rに提供(仲介)することができる。
なお、賃貸費演算部303によって演算された業務用貨物運搬用車両の賃貸費の具体例については、
図5Cを参照して後述する。
【0047】
損益演算部304は、購入販売額演算部301による演算結果と、減価償却演算部302による演算結果と、賃貸費演算部303による演算結果とに基づいて、トラックファンドの損益額と、投資家Iの損益額と、借主Rの損益額との夫々を演算する。
ここで、トラックファンドの損益とは、主に、業務用貨物運搬用車両の賃貸収入及び販売額(下取価格)との合計額から業務用貨物運搬用車両についての減価償却費及び諸費用を減じた額である。
また、投資家Iの損益とは、主に、トラックファンドの配当額から自身の費用として計上することができる業務用貨物運搬用車両の減価償却費を減じた額である。
借主Rの損益とは、主に、業務用貨物運搬用車両を自費購入した場合要する費用と、賃貸した場合に要する費用との差額と、自社購入から賃貸に変更したことにより発生し得る自社の資産価値の向上等が含まれる。
なお、損益演算部304によって演算された各種損益額の具体例については、
図6を参照して後述する。
【0048】
このようなt台の業務用貨物運搬用車両の所定の1の組合せに対する1つのシミュレーション結果は、演算結果DB402に記憶される。
【0049】
商品最適化部202は、t台の業務用貨物運搬用車両の夫々に関する、パラメータと、購入額と、販売額と、減価償却費と、賃貸費と、トラックファンドの損益と、投資家Iの損益と、借主Rの損益との組合せを変化させながら、購入販売額演算部301、減価償却演算部302、賃貸費演算部303、及び損益演算部304における各処理を繰り返し実行させる。そして、商品最適化部202は、各処理の実行結果に基づいて、トラックファンドの損益額が、投資家Iの所望する金額となるようにトラックファンドの商品の内容を決定する。
即ち、商品最適化部202は、t台の業務用貨物運搬用車両の夫々に関する、パラメータと、購入額と、販売額と、減価償却費と、賃貸費と、トラックファンドの損益と、投資家Iの損益と、借主Rの損益との組合せを変化させながら、シミュレーション部201によるシミュレーションを繰り返し実行させる。
そして、商品最適化部202は、シミュレーション部201による多数のシミュレーション結果に基づいて、トラックファンドの商品内容を決定する。
このようにして、トラックファンドの商品の内容は、ファンドマネージャFM、投資家I、及び借主Rにとって最適なものとなる。
なお、商品最適化部202によって最適化されたトラックファンドの商品の具体例については、
図7及び
図8を参照して後述する。
【0050】
以上、トラックファンドの運営主体が、ファンドマネージャFMである場合について説明した。
なお、本発明の一実施形態に係る情報処理装置が適用できるケースは、トラックファンドの運営主体がファンドマネージャFMである場合に限られない。例えば、ファンドの形態はとらずに、1つの企業が単独で運営主体となるケースにおいても適用することができる。
このように、ファンドの形態をとることなく運営主体が1つの企業単独となるケースについて
図4を参照して説明する。
図4は、
図1のサービス提供サーバ1と、売主端末3と、借主端末4との機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
なお、
図4の例では、運営主体たる1つの企業は、「マネージャM」と記述されている。
【0051】
図3と
図4とを比較すると容易にわかるように、サービス提供サーバ1の機能的構成は運営主体によらず同様である。
つまり、運営主体がファンドマネージャFMである場合と、運営主体がマネージャM(1つの企業単独)である場合との相違点は2つある。即ち、1つ目は、t台の業務用貨物運搬用車両の購入額の原資の違いである。即ち、t台の業務用貨物運搬用車両の購入額の原資は、前者は、投資家Iの投資額であるのに対して、後者は、マネージャM(1つの企業単体)が別途用意する額となる。また、相違点の2つ目は、後者の場合、投資家Iが存在しないため、配当自体が存在せず、トラックファンドにより生み出される収益は、全てマネージャMの収益になる。
上述の2つの相違点以外、両者は基本的に同様である。このため、運営主体がマネージャM(1つの企業単独)である場合であっても、運営主体がファンドマネージャFMである場合と同様のシミュレーションが行われることにより、トラックファンドの商品の内容として最適なものが決定される。
【0052】
以上、
図3及び
図4を用いて説明したように、サービス提供サーバ1は、ファンドマネージャFM、マネージャM、投資家I、及び借主Rにとって最適な内容のトラックファンドの商品となるように各種処理を実行する。
【0053】
以下、
図5乃至
図8を参照して、投資家Iが出資しようとする額が30,000,000円であり、投資家Iが初年度に損益計上したい額が出資額の60%の18,000,000円である場合を想定した例を説明する。具体的には、サービス提供サーバ1において各処理が実行された結果、業務用貨物運搬用車両の台数「8台」、投資家Iの出資額「30,000,000(円)」、初年度の損益額「−17,293,333(円)」とするトラックファンドの商品が投資家Iに対し提案された場合を想定して説明する。
図5乃至
図8は、シミュレーション部201において行われた各種演算の結果と、商品最適化部202において行われた最適化の処理の結果の具体例を示す図である。
【0054】
図5Aは、シミュレーション部201の購入販売額演算部301による演算結果として、演算結果DB402に記憶されている情報の具体例を示す図である。
図5Aに示す例では、8台の貨物運搬用車両の夫々についての車種名、型式、及び年式をパラメータとして、組入価格(購入額)、残価率、及び2年の償却期間経過後の売却価格(販売額)が演算されている。
具体的には、トラックファンドの商品を構成する8台の業務用貨物運搬用車両のうち1台目として、車種名が「大型バン(ウィング)」、型式が「FS64JZ−550」、年式が「(平成)19(年)」とする業務用貨物運搬用車両のパラメータに基づいて、組入価格が「2,500,000(円)」、残価率が「40.00%」、売却価格が「1,000,000(円)」という演算結果が示されている。
また、トラックファンドの商品を構成する8台の業務用貨物運搬用車両のうち2台目として、車種名が「2tバン」、型式が「XZU548−000」、年式が「(平成)21(年)」とする業務用貨物運搬用車両のパラメータに基づいて、組入価格が「1,000,000(円)」、残価率が「30.00%」、売却価格が「300,000(円)」という演算結果が示されている。
なお、購入販売額演算部301による演算結果として、演算結果DB402に記憶されている情報の他の具体例については、
図5Aに示すとおりであり、組入価格の合計は「27,200,000(円)」、売却価格の合計は「15,500,000(円)」となっている。
【0055】
図5Bは、シミュレーション部201の減価償却演算部302による演算結果として、演算結果DB402に記憶されている情報の具体例を示す図である。
図5Bに示す例では、償却方法(
図5Bの例では定率法)及び各年の償却率と共に、8台の貨物運搬用車両の夫々についての償却年数判定(結果)、償却率判定(結果)、初年度決算までの月数、及び各年毎の償却額等についての演算結果が示されている。
具体的には、トラックファンドの商品を構成する8台の業務用貨物運搬用車両のうち1台目として、償却年数判定(結果)が「2年」、償却率判定(結果)が「100.00%」、償却額の1年目が「1,666,667(円)」、償却額の2年目が「833,333(円)」という演算結果が示されている。
また、トラックファンドの商品を構成する8台の業務用貨物運搬用車両のうち2台目として、償却年数判定(結果)が「2年」、償却率判定(結果)が「100.00%」、償却額の1年目が「666,667(円)」、償却額の2年目が「333,333(円)」という演算結果が示されている。
なお、減価償却演算部302による演算結果として、演算結果DB402に記憶されている情報の他の具体例については、
図5Bに示すとおりであるが、1年目の償却額の合計は「18,133,333(円)」、全期間を通じての償却額の合計は「27,200,000(円)」となっている。
【0056】
図5Cは、シミュレーション部201の賃貸費演算部303による演算結果として、演算結果DB402に記憶されている情報の具体例を示す図である。
図5Cに示す例では、8台の貨物運搬用車両の夫々についての借主(借主Rの名称)、月額リース料(グロス)、AM(アセット・マネジメント)報酬、年額支出(車検・整備)、月額賃貸収入(ネット)等、についての演算結果が示されている。
具体的には、トラックファンドの商品を構成する8台の業務用貨物運搬用車両のうち1台目として、借主Rの名称が「有限会社○○運送」、月額リース料(グロス)が「100,000(円)、AM報酬が「5,000(円)」、年額支出(車検・整備)が「477,700(円)」、月額支出(車検・整備)が「39,808(円)」、月額賃貸収入(ネット)が「50,192(円)」という演算結果が示されている。
また、トラックファンドの商品を構成する8台の業務用貨物運搬用車両のうち2台目として、借主Rの名称が「有限会社××運送」、月額リース料(グロス)が「50,000(円)、AM報酬が「2,500(円)」、年額支出(車検・整備)が「252,000(円)」、月額支出(車検・整備)が「21,000(円)」、月額賃貸収入(ネット)が「24,000(円)」という演算結果が示されている。
なお、賃貸費演算部303による演算結果として、演算結果DB402に記憶されている情報の他の具体例については、
図5Cに示すとおりであるが、月額リース料(グロス)の合計は「671,000(円)」となっている。
【0057】
図6は、シミュレーション部201の損益演算部304による演算結果として、演算結果DB402に記憶されている情報の具体例を示す図である。
図6に示す例では、損益演算部304による演算結果として、投資条件と、キャッシュフローと、損益計算書(トラックファンドの損益額)が示されている。
投資条件しては、出資金額と、初年度損金と、2年目損金と、出資期間と、最終損益(投資家の損益)とが示されている。具体的には、最終損益(投資家の損益)が「103.87%」であることが示されている。即ち、
図6に示す例では、投資家Iは、トラックファンドの商品を購入(即ち投資)することにより、最終的に投資額の3.83%の配当を得ることができることになる。なお、
図5乃至
図8の例における第1期(初年度)は、
図5Bの「初年度決算までの月数」に示されているように、「8(ケ月間)」となっている。
【0058】
図6に示すキャッシュフローとしては、TK(匿名組合)出資額、融資、リース料(賃貸費)、仮受消費税額、消費税還付額、車両売却額(販売額)、車両購入額、費用、仮払消費税額、消費税納付額、融資返済額、TK(匿名組合)元本償還額、収支、CF(キャッシュフロー)累積額についての演算結果が示されている。なお、「TK(匿名組合)出資額」とは、投資家Iによる出資額のことをいう。また、「融資」とは、金融機関からのローンによる借入金のことをいう。即ち、業務用貨物運搬用車両の調達資金として、投資家Iからの出資金に限らず、金融機関からのローンによる借入金を利用することもできる。これにより、ファンドマネージャFMは、ファンドとローンとのバランスが考慮されたトラックファンドの商品を投資家Iに提供することができる。なお、ファンドとローンとのバランスが考慮された演算結果については、
図7を参照して後述する。
【0059】
図6に示すように、第1期は、TK(匿名組合)出資額が「30,000,000(円)」、融資額が「0(円)」、リース料(賃貸費)が「5,368,000(円)」、仮受消費税額が「429,440(円)」、消費税還付額が「0(円)」、車両売却額(販売額)が「0(円)」、車両購入額が「27,200,000(円)」、費用が「4,528,000(円)」、仮払消費税額が「2,538,240(円)」、消費税納付額が「0(円)」、融資返済額が「0(円)」、TK(匿名組合)元本償還額が「0(円)」、収支が「1,531,200(円)」、CF(キャッシュフロー)累積額が「1,531,200(円)」という演算結果が示されている。
【0060】
ここで、
図6に示すキャッシュフローのうち、第1期のリース料(賃貸費)「5,368,000(円)」は、
図5Cに示す月額リース料(グロス)の合計「671,000(円)」の8か月分の額と一致する。また、
図6に示すキャッシュフローのうち、第4期の車両売却額「15,500,000(円)」は、
図5Aに示す売却価格の合計(即ち8台分の売却価格)と一致する。また、
図6に示すキャッシュフローのうち、第1期の車両購入額「27,200,000(円)」は、
図5Aに示す組入価格の合計(即ち8台分の組入価格)と一致する。
【0061】
図6に示す損益計算書(トラックファンドの損益額)としては、リース料(賃貸費)、及び車両売却額(販売額)を売上とし、諸費用、借入金利、及び減価償却費を費用として、利益額及び累積利益額が演算されている。
具体的には、第1期は、リース料(賃貸費)が「5,368,000(円)」、車両売却額が「0(円)」となっているため、売上合計額は「5,368,000(円)」となっている。また、諸費用が「4,528,000(円)」、借入金利が「0(円)」、減価償却費が「18,133,333(円)」となっているため、費用合計額は「22,661,333(円)」となっている。これにより、利益額が「−17,293,333(円)」、累積利益額が「−17,293,333(円)」という演算結果が示されている。
【0062】
ここで、
図6に示す損益計算書のうち、第1期のリース料(賃貸費)「5,368,000(円)」は、
図5Cに示す月額リース料(グロス)の合計「671,000(円)」の8か月分の額と一致する。また、
図6に示す損益計算書のうち、第1期の減価償却費「18,133,333(円)」は、
図5Bに示す1年目の償却額の合計(即ち1年目の8台分の償却額)と一致する。
なお、損益演算部304による演算結果として、演算結果DB402に記憶されている情報の他の具体例については、
図6に示すとおりである。
【0063】
ここで、
図6の損益計算書における各期の利益額の推移を見ると、上述のように第1期は、利益額が「−17,293,333(円)」である。また、第2期は、利益額が「−3,581,667(円)」であり、累積利益額が「−20,875,000(円)」である。しかし、第3期になると、利益額がプラスに転じ、「7,563,000(円)」となり、累積利益額が「−13,312,000(円)」となる。さらに、第4期になると、利益額のプラス幅が大きくなり、「14,425,000(円)」となり、累積利益額もプラスに転じ「1,113,000(円)」となる。
このように、トラックファンドの商品は、耐用年数の短いトラック等の業務用貨物運搬用車両を投資の対象としているため、全期間を通して見ると損益はプラスとなるが、第1期や第2期といった初期の会計年度において減価償却費を大きく計上することができる。このため、投資家Iのニーズに合わせて、投資対象とする複数の業務用貨物運搬用車両の組合せを決定することができる。
【0064】
シミュレーション部201において演算された結果の組合せは、商品最適化部202によって最適化されることとなる。これにより、トラックファンドの損益額が投資家Iの所望する金額となるようなトラックファンドの商品が出来上がる。
具体的には、商品最適化部202は、上述のパラメータ、並びにトラックファンドの商品の対象となる業務用貨物運搬用車両についての台数、購入額、販売額、減価償却費、賃貸費、トラックファンドの損益、及び投資家Iの損益の組合せを変化させながら、購入販売額演算部301、減価償却演算部302、賃貸費演算部303、及び前記損益演算部304の各処理を繰り返し実行させる。そして、その実行結果に基づいて、トラックファンドの損益額が、投資家Iの所望する金額となるように、トラックファンドの商品の内容が決定される。
【0065】
図7は、このように商品最適化部202によって最適化がなされた結果の例を示す図である。
【0066】
図7Aには、商品最適化部202により最適化されたトラックファンドの商品に関する情報として、トラックファンドの対象となる業務用貨物運搬用車両の台数、車両購入費、車両売却額、初年度減価償却費、及び初年度賃貸費が示されている。具体的には、トラックファンドの対象となる業務用貨物運搬用車両の台数は「8(台)」が最適であり、その場合の車両購入費は「27,200,000(円)」、車両売却額は「15,500,000(円)」、初年度減価償却費は「18,133,333(円)」、初年度賃貸費は「5,368,000(円)」となることが示されている。
【0067】
ここで、
図7Aに示す車両購入費「27,200,000(円)」は、
図6に示すキャッシュフローのうち、第1期の車両購入額と一致する。また、
図7Aに示す車両売却額「15,500,000(円)」は、
図6に示すキャッシュフロー及び損益計算書のうち、第4期の車両売却額と一致する。また、
図7Aに示す初年度減価償却費「18,133,333(円)」は、
図6に示す損益計算書のうち、第1期の減価償却費と一致する。
【0068】
図7Bには、商品最適化部202によって最適化されたトラックファンドの商品として、ファンドとローン(金融機関からの借入金)との組合せが最適化された例が示されている。具体的には、投資家Iからの出資額に対するローンの割合(以下、単に「ローン割合」と呼ぶ)毎の、初年度損金額、金利負担額、元金返済額、投資家出資額、ローン金額、及び初年度損金率が示されている。例えば、ローン割合が「0.00%」である場合には、初年度損金額は「−17,293,333(円)」、金利負担は「0(円)」、元金返済額は「0(円)」、投資家出資額は「30,000,000(円)」、ローン金額は「0(円)」、投資家出資額に対する初年度損金額の割合である初年度損金率は「−57.64%」となることが示されている。
また、ローン割合が「10.00%」である場合には、投資家出資額は「30,000,000(円)」、ローン金額は「3,000,000(円)」となることが示されている。
【0069】
ここで、
図7Bに示す初年度損金額「−17,293,333(円)」は、
図6に示す損益計算書のうち、第1期の利益額と一致する。また、
図7Bに示す投資家出資額「30,000,000(円)」は、
図6に示すキャッシュフローのうち、第1期のTK(匿名組合)出資額と一致する。また、
図7Aに示す初年度減価償却費「18,133,333(円)」は、
図6に示す損益計算書のうち、第1期の減価償却費と一致する。
このように、シミュレーション部201において演算された結果の組合せが、商品最適化部202によって最適化されることにより、トラックファンドの損益額が投資家Iの所望する金額となるようなトラックファンドの商品が出来上がる。即ち、
図5乃至
図8に示す例では、業務用貨物運搬用車両の台数が「8台」、投資家Iの出資額が「30,000,000(円)」、初年度の損金額が「−17,293,333(円)」となるトラックファンドの商品が投資家Iに対し提案されることとなる。
【0070】
図8には、上述のように最適化されたトラックファンドの商品を構成する8台の業務用貨物運搬用車両についての車両情報の例が示されている。
図8に示すように、8台の業務用貨物運搬用車両についての車両情報として、車両管理番号、車両写真、車両名称、年式、メーカー、車両の使用者所在地が示される。
図8に示す車両情報は、投資家端末2や借主端末4を用いて投資家Iや借主Rが閲覧できるようにすることができる。
【0071】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0072】
例えば、
図2に示すハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0073】
また、
図3及び4に示す機能ブロック図は、例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理装置に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは、特に
図3及び4の例に限定されない。
【0074】
また、機能ブロックの存在場所も、
図3及び4に限定されず、任意でよい。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0075】
各機能ブロックの処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0076】
このようなプログラムを含む記録媒体は、各ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される、リムーバブルメディアにより構成されるだけではなく、装置本体に予め組み込まれた状態で各ユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0077】
また、賃貸費演算部303による業務用貨物運搬用車両を対象とした賃貸費の演算における条件は1つに限られない。賃貸費演算部303は、業務用貨物運搬用車両の賃貸費の演算において設定された夫々の条件毎に演算することができる。
例えば、借主Rが業務用貨物運搬用車両を用いて所定の役務の提供を行った場合に得られる対価の額に基づいて、前記車両の賃貸費を演算することができる。
これにより、ファンドマネージャFMは、業務用貨物運搬用車両を賃貸すると共に、当該業務用貨物運搬用車両を用いた具体的な貨物の運搬業務自体を借主Rに提供(仲介)することができる。
【0078】
また、トラックファンドにおいて賃貸借の対象となるt台の業務用貨物運搬用車両には、トラクター(運転席を含む牽引車)とトレーラー(荷台、客車等の被牽引車)とに分離可能な牽引自動車を含めることができる。
ここで、トレーラーは、トラックやトラクター等の駆動車と同様に減価償却することが可能であるため、投資家Iは、上述した減価償却のメリットを享受することができる。
なお、トレーラーは、駆動車に比べて故障が少ないという特徴を有するため、駆動車に比べてランニングコストが安いというメリットを有する。さらに、駆動車に比べて売却時の値下りが小さいというメリットを有する。このため、例えばトラクター1台あたりのトレーラーの台数を増やす等、トラックファンドにおける投資対象にトレーラーを積極的に含めるという手法を活用することもできる。
これにより、投資家I、ファンドマネージャFM、トラックファンド、及び借主Rの夫々の損益をさらに最適化させるファンド商品を容易かつ簡単に作成することができる。
【0079】
また、上述の実施形態において、トラックファンドの商品の対象となる車両は中古車とされているが、中古車に限定されない。新車をトラックファンドの商品の対象とすることもできる。この場合であっても、車両は不動産に比べて耐用年数が短いため、減価償却による一定のメリットを享受することができる。
なお、トラックファンドの商品の対象となる車両が新車の場合、投資家Iは、ファンドによる資金の調達と、ローンによる資金の調達とを組み合せることによって、中古車と同等のメリットを享受することができる。
これは、一般的に新車の耐用年数は中古車よりも長いために中古車よりも減価償却によるメリットを享受し難いが、ローンによる資金の調達を組み合わせることによって、投資家Iの投資額に対する減価償却費の割合を大きくすることができるからである。
【0080】
また、上述の実施形態では、ファンドマネージャFMが、業務用貨物運搬用車両を購入し、トラックファンドとの間で車両売買契約、車両賃貸借契約、及びアセット・マネジメント契約を締結したうえで、業務用貨物運搬用車両を賃借して借主Rに賃貸している。
ただし、上述の実施形態に限定されず、直接トラックファンドが業務用貨物運搬用車両を購入し、借主Rに賃貸してもよい。
【0081】
以上まとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置は、
車種、経過年を含む履歴情報、価格を少なくともパラメータとして含む、t台(tは1以上の整数値)の車両(例えば業務用貨物運搬用車両)の購入額、及び所定の期間経過後の販売額を演算する購入販売額演算部(例えば
図3及び
図4の購入販売額演算部301)と、
前記t台の車両の夫々を購入した者(例えば
図1及び
図3のファンドマネージャFM)を貸主として、当該t台の車両の夫々を、所定の借主(例えば
図1及び
図3の借主R)に対して賃貸借契約で賃貸する場合の賃貸費を演算する賃貸費演算部(例えば
図3及び
図4の賃貸費演算部303)と、
前記賃貸費と、前記購入額と、前記販売額とに基づいて、前記貸主の損益額と、前記t台の車両の組合せからなるファンド(例えばトラックファンド)の商品を購入する投資家(例えば
図1及び
図3の投資家I)の損益額と、の夫々を演算する損益演算部(例えば
図3及び
図4の損益演算部304)と、
前記パラメータ及び前記t台、前記購入額、前記販売額、前記賃貸費、前記貸主の損益、並びに前記投資家の損益の組合せを変化させて、前記購入販売額演算部、前記賃貸費演算部、及び前記損益演算部の各処理を繰り返し実行させ、その実行結果に基づいて、前記貸主の損益額が、前記投資家の所望する金額となるように、前記ファンドの商品の内容を決定する商品最適化部(例えば
図3及び
図4の商品最適化部202)と、
を備える。
これにより、貸主、投資家、及び借主の夫々の損益を最適化させたファンド商品を容易かつ簡単に作成することができる。即ち、投資対象が、運用利回り、需給バランス、及び取引相場の安定性に優れたファンドの商品を投資家に提供することができる。
【0082】
また、前記t台の車両の夫々の減価償却費を演算する減価償却演算部(例えば
図3及び
図4の減価償却演算部302)をさらに備え、
前記損益演算部はさらに、
前記賃貸費と、前記減価償却費と、前記購入額と、前記販売額とに基づいて、前記貸主の損益額と、前記ファンドの商品を購入する投資家の損益額と、の夫々を演算し、
商品最適化部はさらに、
前記パラメータ及び前記t台、前記購入額、前記販売額、前記減価償却費、前記賃貸費、前記貸主の損益、並びに前記投資家の損益の組合せを変化させて、前記購入販売額演算部、前記減価償却演算部、前記賃貸費演算部、及び前記損益演算部の各処理を繰り返し実行させ、その実行結果に基づいて、前記貸主の損益額が、前記投資家の所望する金額となるように、前記ファンドの商品の内容を決定することができる。
これにより、貸主、投資家、及び借主の夫々の損益を最適化させたファンド商品を容易かつ簡単に作成することができる。即ち、投資対象が、運用利回り、需給バランス、及び取引相場の安定性に優れ、かつ、投資家の所望する損益を計上することができるファンドの商品を投資家に提供することができる。
【0083】
前記商品最適化部はさらに、
前記貸主がローンにより調達する資金の額と、前記ファンドの商品を販売することにより調達する資金の額とに基づいて、前記貸主の損益額が、前記投資家の所望する金額になるように、前記ローンと前記ファンドとの組合せを最適化することができる。
これにより、ファンドとローンとのバランスが考慮されたファンドの商品を投資家に提供することができる。
【0084】
また、前記t台の車両のうち少なくとも一部には、トラクターとトレーラーとに分離可能な牽引自動車を含めることができる。
即ち、トレーラー(荷台や客車)は、トラックやトラクターの駆動車と同様に、減価償却が取扱い可能であり、駆動車に比べて故障が少ないためランニングコスト(費用)も安く、かつ、売却時の値下りが小さい。このため、トレーラーを投資対象としてうまく活用することで、貸主、投資家、及び借主の損益をさらに最適化させるファンド商品を容易かつ簡単に作成することができる。
【0085】
また、前記賃貸費演算部はさらに、
前記借主が前記車両を用いて所定の役務の提供を行った場合に得られる対価の額に基づいて、前記車両の賃貸費を演算することができる。
これにより、ファンドマネージャFM(及びトラックファンド)は、業務用貨物運搬用車両の賃貸と共に、当該業務用貨物運搬用車両を用いた具体的な貨物の運搬業務自体を借主Rに提供(仲介)することができる。
【0086】
また、前記車両は、乗客を乗せるための車両とすることができる。
これにより、上述の実施形態のような貨物を運搬するための車両に限らず、バス等の乗客を乗せるための車両を対象としたファンドの商品を提供することができる。
【0087】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に添って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
【0088】
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものである。