特許第6554669号(P6554669)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6554669
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 17/12 20060101AFI20190729BHJP
   F21K 9/20 20160101ALI20190729BHJP
   F21V 17/00 20060101ALI20190729BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20190729BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20190729BHJP
【FI】
   F21V17/12
   F21K9/20
   F21V17/00 155
   F21Y115:10
   F21Y115:15
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-153511(P2016-153511)
(22)【出願日】2016年8月4日
(65)【公開番号】特開2018-22625(P2018-22625A)
(43)【公開日】2018年2月8日
【審査請求日】2018年9月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001074
【氏名又は名称】クロイ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【弁理士】
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【弁理士】
【氏名又は名称】榊原 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100145229
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 雅則
(72)【発明者】
【氏名】西影 陽介
【審査官】 田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭53−62175(JP,U)
【文献】 特開2009−59625(JP,A)
【文献】 特開2012−74213(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 17/12
F21K 9/20
F21V 17/00
F21Y 115/10
F21Y 115/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の側壁を有し前記側壁に前記側壁の周方向に沿って第1螺子部が形成された筐体と、
前記筐体の内側に配置された光源と、
少なくとも一部に円筒状の枠部を有し前記枠部の周方向に沿って形成された第2螺子部を前記第1螺子部に螺合させることにより前記筐体に取り付けられるカバーと、
細長であり長手方向の一端部が前記筐体に固定された連結部材と、を備え、
前記カバーは、前記連結部材の他端部に保持される位置が前記枠部の周方向に沿って移動自在である被保持部を有し、
前記被保持部は、前記カバーが前記連結部材の他端部から離脱するのを防止する離脱防止部を有する、
照明装置。
【請求項2】
前記連結部材は、前記筐体に固定される固定部と、一端部が前記固定部に接続されたワイヤ部と、前記ワイヤ部の他端部に設けられた留め具部と、を有し、
前記被保持部は、前記枠部の筒軸方向における前記筐体側とは反対側の端部から内側に突出する円環状であり前記筐体側に前記枠部の前記端部に沿って形成され内部を前記留め具部が移動可能となっている円環状の軌道部が形成された内鍔部から構成され、
前記離脱防止部は、前記留め具部が前記軌道部内を移動可能な状態で前記留め具部が前記軌道部から離脱するのを防止する、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記軌道部は、円環状の溝から構成されている、
請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記離脱防止部は、円環状であり、前記ワイヤ部の断面の直径よりも大きく且つ前記留め具部の外形寸法よりも小さい隙間が前記軌道部の全周に亘って形成されるように、前記軌道部の一部を覆う、
請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
端子台と、
前記端子台を前記筐体に固定するための固定部材と、を更に備え、
前記筐体は、有底円筒状であり、
前記固定部材は、前記筐体の底壁に固定される固定片と、前記固定片の端縁から前記固定片に交差する方向へ延出し一面に前記端子台が固定される延出片と、を有し、
前記連結部材の一端部は、前記延出片の端部に固定されている、
請求項1から4のいずれか1項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光源と、光源が内蔵される器具本体と、器具本体に取り付けられるカバーと、を備える照明器具が提案されている(例えば特許文献1参照)。この照明器具では、器具本体が円環状の壁を有する。一方、カバーが器具本体に取り付けられた状態において器具本体の壁の外壁に対向する対向部を有している。そして、器具本体の壁の一部に雌螺子が形成されカバーの対向部に雌螺子に螺合する雄螺子が形成されている。カバーは、その雄螺子を器具本体の雌螺子に螺着させることにより、器具本体に取り付けることができる。この種の照明装置が天井や壁に固定された後の照明装置のメンテナンスでは、カバーを器具本体に対して回転させてカバーを器具本体から外して内部部品の交換を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−108587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の照明装置では、メンテナンスを行う際の作業性を考慮して、器具本体から取り外したカバーを何らかの方法で器具本体に連結しておくことが要求されている。カバーを器具本体に連結する方法の一つとして、ワイヤの一端部を器具本体に固定し他端部をカバーに固定する方法がある。
【0005】
しかしながら、この種の照明装置においてこの方法を採用する場合、カバーを器具本体に取り付ける際、ワイヤが器具本体の一部とカバーの一部とに固定されているためワイヤをカバーの回転方向に巻き回すことになる。従って、カバーを数回回転させることを考慮してワイヤの長さを決める必要がある。そうすると、ワイヤの長さが極端に長くなってしまい、ワイヤが絡まったりすることにより、返ってメンテナンスの作業性が低下してしまう虞がある。
【0006】
本発明は上記事由に鑑みてなされたものであり、メンテナンスにおける作業性を向上しうる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る照明装置は、
円筒状の側壁を有し前記側壁に前記側壁の周方向に沿って第1螺子部が形成された筐体と、
前記筐体の内側に配置された光源と、
少なくとも一部に円筒状の枠部を有し前記枠部の周方向に沿って形成された第2螺子部を前記第1螺子部に螺合させることにより前記筐体に取り付けられるカバーと、
細長であり長手方向の一端部が前記筐体に固定された連結部材と、を備え、
前記カバーは、前記連結部材の他端部に保持される位置が前記枠部の周方向に沿って移動自在である被保持部を有し、
前記被保持部は、前記カバーが前記連結部材の他端部から離脱するのを防止する離脱防止部を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、カバーが、連結部材の他端部に保持される位置が枠部の周方向に沿って移動自在である被保持部を有する。これにより、カバーの枠部を筐体に対して筐体の側壁の筒軸周りに回転させることにより、第2螺子部を第1螺子部に螺合させてカバーを筐体に取り付ける際、連結部材の他端部が枠部の周方向に沿って移動する。即ち、カバーの枠部を筐体に対して回転させた場合に、連結部材の他端部はカバーの枠部に追従しない。従って、カバーを筐体に対して数回回転させることを考慮することなく、連結部材の長さを決めることができるので、連結部材の長さを必要最小限にすることができ、連結部材が絡まることを抑制できる。また、被保持部は、カバーが連結部材の他端部から離脱するのを防止する離脱防止部を有する。これにより、カバーを連結部材により筐体に吊り下げた状態でカバーに外力が加わってもカバーが筐体から離脱しないので、例えば照明装置のメンテナンスを行う作業者は、メンテナンス中のカバーへの接触を気にせずに作業を行うことができる。このように、本発明によれば、連結部材の絡まりが抑制され且つカバーの筐体からの離脱が防止されている分、メンテナンスにおける作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態に係る照明装置の分解斜視図である。
図2】実施の形態に係る照明装置の断面図である。
図3】(A)は実施の形態に係る照明装置の斜視図であり、(B)は実施の形態に係る照明装置の下面図である。
図4】実施の形態に係る照明装置の断面図である。
図5】比較例1に係る照明装置を示し、(A)は筐体にグローブが取り付けられた状態を示す断面図であり、(B)は筐体からグローブが取り外された状態を示す断面図である。
図6】実施の形態に係る固定部材および連結部材を示す側面図である。
図7】変形例に係る照明装置の断面図である。
図8】(A)変形例に係るカバーの一部を示す断面図であり、(B)は他の変形例に係るカバーの一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態に係る照明装置について図面を参照しながら説明する。本実施の形態に係る照明装置は、建物の天井や壁等に取り付けられて使用され、メンテナンスの際、カバーが筐体に吊り下げられた状態にすることができるものである。
【0011】
図1および図2に示すように、照明装置1は、有底円筒状の筐体11と、光源ユニット12と、電池14と、点灯回路ユニット13と、端子台15と、固定部材16と、カバー20と、連結部材17と、を備える。
【0012】
筐体11は、円筒状の側壁112と、側壁112の筒軸方向における一端側を閉塞する底壁111と、を有する。筐体11は、例えばアルミニウムのような金属から形成されている。底壁111には、筐体11を天井や壁等の造営材に取り付けるための取付孔111aが形成されている。側壁112の筒軸方向における他端部の内周面には、側壁112の周方向に沿って雌螺子部(第1螺子部)112aが形成されている。筐体11は、図2に示すように、パッキン18を介して造営材C1に取り付けられる。
【0013】
光源ユニット12は、筐体11の底壁111の中央部に配置されている。光源ユニット12は、図2に示すように、LED(Light Emitting Diode)の発光素子を有する発光部121を有する。
【0014】
電池14は、点灯回路ユニット13とワイヤハーネス(図示せず)を介して電気的に接続され、点灯回路ユニット13へ直流を供給する。電池14は、例えば二次電池から構成されている。電池14は、筐体11の底壁111に固定された電池支持部材19により支持されている。
【0015】
点灯回路ユニット13は、通常時において、AC・DCコンバータにより、外部の交流電源から供給される交流を直流に変換して発光部121へ供給する。一方、点灯回路ユニット13は、非常時において、電池14から供給される直流を発光部121へ供給する。
【0016】
端子台15は、点灯回路ユニット13にワイヤハーネス(図示せず)を介して電気的に接続されている。端子台15は、固定部材16により筐体11の底壁111に固定されている。
【0017】
固定部材16は、筐体11の底壁111に固定される固定片161と、固定片161の端縁から固定片161に交差する方向へ延出する延出片162と、から構成される。端子台15は、延出片162の一面に固定されている。
【0018】
カバー20は、枠部211と、内鍔部212と、透光部材22と、パッキン23と、押圧部材(離脱防止部材)24と、を有する。枠部211は、円筒状に形成されている。枠部211の筒軸方向における一端部の外周面には、枠部211の周方向に沿って雄螺子部(第2螺子部)211aが形成されている。そして、この雄螺子部211aを筐体11の雌螺子部112aに螺合させることにより、カバー20が筐体11に取り付けられる。
【0019】
内鍔部212は、平面視円環状であり、枠部211の筒軸方向における筐体11側とは反対側の他端部から内側に突出している。内鍔部212の筐体11側には、枠部211の他端部に沿って形成された幅W0の円環状の溝(軌道部)212aが形成されている。溝212aは、断面矩形状の溝の底部を外側に凸となる形で湾曲させた形状を有する。
【0020】
透光部材22は、ドーム状に形成された透光部材本体221と、透光部材本体221の周縁から外側に張り出した外鍔部222と、から構成される。透光部材22は、透光性材料から形成されている。この透光性材料としては、例えば透明なガラスやポリカーボネート等の合成樹脂が挙げられる。
【0021】
パッキン23は、円環状であり、内側に向かって開放された断面コ字状である。パッキン23はゴムのような弾性材料から形成されている。このパッキン23は、透光部材22の外鍔部222の周縁部に嵌め込まれている。
【0022】
連結部材17は、略紐状であり長手方向の一端部が固定部材16を介して筐体11の底壁111に固定されている。連結部材17は、筐体11の底壁111に固定部材16を介して固定される板状の固定部171と、一端部が固定部171に接続されたワイヤ部172と、ワイヤ部172の他端部に設けられた玉状の留め具部173と、を有する。連結部材17は、ステンレスやアルミニウム等の金属から形成されている。留め具部173は、例えばスリットを有する玉状部材のスリット内にワイヤ部172の他端部を挟んでかしめることにより形成される。留め具部173の直径は、例えば3mmに設定される。固定部171は、固定部材16の延出片162の端部に螺子163により固定されている。また、連結部材17は、図2に示すように、光源ユニット12から透光部材22を透過して外方へ放射される光の配光領域AR0の外側に位置している。これにより、連結部材17に起因した影の発生が防止されている。
【0023】
押圧部材24は、円環板状であり、内側に透光部材22の外鍔部222が嵌め込まれたパッキン23を内鍔部212の内周縁部に向かって押圧してパッキン23を押し潰すように、内鍔部212に固定されている。また、押圧部材24は、連結部材17の留め具部173が内鍔部212の溝212a内を移動可能な状態で、留め具部173が溝212aから離脱するのを防止する機能も有する。押圧部材24は、図2に示すように、隙間212bが溝212aの全周に亘って形成されるように、溝212aの一部を覆っている。留め具部173の直径φ2は、カバー20の溝212aの幅W0および溝の深さD0よりも小さい。これにより、カバー20を筐体11に対して回転させると、留め具部173はカバー20の溝212a内を移動する。また、隙間212bの幅W1は、連結部材17のワイヤ部172の断面の直径φ1よりも大きく、留め具部173の直径φ2よりも小さくなっている。これにより、連結部材17をカバー20から離脱させようとしたときに、留め具部173が溝212aと押圧部材24とで形成された隙間212bに引っ掛かる。この押圧部材24と内鍔部212とから、連結部材17の留め具部173に保持される位置が枠部211の周方向に沿って移動自在である被保持部が構成される。
【0024】
次に、本実施の形態に係る照明装置1について、カバー20を筐体11から取り外す方法について図3および図4を参照しながら説明する。まず、図3(A)に示すように、カバー20を筐体11に対して回転させる(矢印A1参照)。このとき、図3(B)に示すように、連結部材17の留め具部173は、カバー20側から見て内鍔部212の溝212a内を移動し、カバー20の回転に追従しない。そして、カバー20の雄螺子部211aが筐体11の雌螺子部112aから外れると、図4に示すように、カバー20の連結部材17側とは反対側を開くことが可能となる(矢印A2参照)。このとき、カバー20は、連結部材17の留め具部173が溝212aと押圧部材24とで形成された隙間212bに引っ掛かった状態で、筐体11に吊り下げられた状態となる。
【0025】
次に、本実施の形態に係る照明装置1について、図5に示す比較例に係る照明装置901と対比しながら説明する。図5(A)および(B)に示すように、比較例に係る照明装置901は、器具本体911と、光源ユニット812と、カバー920と、を備える。器具本体911の略中央部には、窪み部911aが設けられており、窪み部911aの底部には、光源ユニット812を支持する支持部材9113が固定されている。窪み部911aの内周面には、螺子部9112aが形成されている。カバー920は、円環状の枠部9211と、枠部9211と連続一体に形成された有底円筒状のカバー本体922と、枠部9211に嵌め込まれた円環状のパッキン923と、を有する。枠部9221の外周面には、器具本体911の螺子部9112aに螺合する螺子部9211aが形成されている。また、窪み部911aの底部には、カバー920を掛止するための掛止部917が固定されている。支持部材9113の高さH2は、光源ユニット812から放射される光の配光領域AR1内に掛止部917が入らないように設定されている。これにより、掛止部917に起因した影の発生が防止されている。
【0026】
図5(A)に示すように、カバー920の螺子部9211aを器具本体911の螺子部9112aに螺合させることにより、カバー920を器具本体911に取り付けることができる。また、図5(B)に示すように、カバー920の枠部9211を掛止部917に掛止することができる。これにより、例えば光源ユニット812の修理や交換等のメンテナンスを、カバー920の枠部9211を掛止部917に掛止した状態で行うことができるので、メンテナンスの作業性を向上させることができる。
【0027】
ところで、例えばメンテナンスの際、カバー920の枠部9211が図5(B)に示すように掛止部917に掛止されている状態で、作業者の手がカバー920に接触してしまうことがある。この場合、カバー920にカバー920を掛止部917から離脱させる方向に外力が加わり、カバー920が器具本体911から脱落してしまう虞がある。
【0028】
これに対して、本実施の形態に係る照明装置1では、図2に示すように、溝212aにおける押圧部材24で覆われない部分の隙間212bの幅W1は、連結部材17のワイヤ部172の断面の直径φ1よりも大きく、留め具部173の直径φ2よりも小さくなっている。これにより、図4に示すように、カバー20が筐体11に吊り下げられた状態で、連結部材17の留め具部173が溝212aから離脱しないようになっている。従って、例えばメンテナンスの際、カバー20が筐体11に吊り下げられている状態で、作業者の手がカバー20に接触しても、カバー20が筐体11から脱落することがないので、作業者に安心感を与えることができるという利点がある。
【0029】
また、比較例に係る照明装置901の場合、光源ユニット812を支持する支持部材9113の高さH2は、掛止部917が光源ユニット812の配光領域AR1内に入らないように設定する必要がある。このため、照明装置901の厚さは、掛止部917の寸法および形状により制限されてしまう。従って、照明装置901の薄型化には限界があった。
【0030】
これに対して、本実施の形態に係る照明装置1では、図2に示すように、透光部材22の外周部に位置する内鍔部212に溝212aを設け、溝212a内に配置された留め具部173を有する連結部材17により筐体11とカバー20とを連結する構造となっている。これにより、照明装置1の厚さは、連結部材17の寸法および形状に制限されることがないので、照明装置1の薄型化を図り易いという利点がある。また、本実施の形態に係る連結部材17は、比較例に係る掛止部917に比べて形状がシンプルである。これにより、比較例に係る掛止部917に比べて容易に製造することができるので、製造コストの低減が図れるという利点もある。更に、連結部材17の寸法は、比較例に係る掛止部917の寸法に比べて小さいので、照明装置1の小型化を図ることができる。
【0031】
以上説明したように、本実施の形態に係る照明装置1によれば、カバー20が、連結部材17の他端部に設けられた留め具部173に保持される位置が枠部211の周方向に沿って移動自在である被保持部を構成する内鍔部212および押圧部材24を有する。これにより、カバー20の枠部211を筐体11に対して筐体11の側壁112の筒軸周りに回転させることにより、雄螺子部211aを雌螺子部112aに螺合させてカバー20を筐体11に取り付ける際、連結部材17の留め具部173が枠部211の周方向に沿って移動する。即ち、カバー20の枠部211を筐体11に対して回転させた場合に、連結部材17の留め具部173はカバー20の枠部211に追従しない。従って、カバー20を筐体11に対して数回回転させることを考慮することなく、連結部材17の長さを決めることができるので、連結部材17の長さを必要最小限にすることができ、連結部材17が絡まることを抑制できる。また、押圧部材24は、カバー20が連結部材17の他端部から離脱するのを防止する。これにより、カバー20を連結部材17により筐体11に吊り下げた状態でカバー20に外力が加わってもカバー20が筐体11から離脱しない。従って、例えば照明装置1のメンテナンスを行う作業者は、メンテナンス中のカバー20への接触を気にせずに作業を行うことができる。このように、本実施の形態に係る照明装置1によれば、連結部材17の絡まりが抑制され且つカバー20の筐体11からの離脱が防止されている分、メンテナンスにおける作業性を向上させることができる。
【0032】
また、本実施の形態に係る照明装置1では、連結部材17の固定部171が、固定部材16を介して筐体11の内側に固定され、留め具部173がカバー20の内側で保持された構造を有する。これにより、筐体11とカバー20とで囲まれた領域を略密封することが可能となる。また、連結部材17が、筐体11とカバー20とで囲まれた領域内に配置されるので、照明装置1の外観を損ねることがないという利点もある。
【0033】
更に、本実施の形態に係る照明装置1では、連結部材17の固定部171が筐体11の周縁近傍に位置している。これにより、例えばメンテナンスを行う作業者が筐体11の中央部近傍に配置された光源ユニット12の部品の交換を行う際、連結部材17が作業の邪魔にならないという利点がある。
【0034】
また、本実施の形態の形態に係る照明装置1では、図6に示すように、連結部材17の固定部171が、固定部材16の固定片161と交差する延出片162に固定されている。これにより、筐体11にカバー20が吊り下げられた状態において、接続部分P1に加わる重力F1は、固定部171の厚さ方向への成分F11と延出片162に沿った方向への成分F12とを有することになる。この場合、固定部171の厚さ方向への成分F11の大きさは、重力F1の大きさよりも小さくなる。これにより、筐体11にカバー20が吊り下げられた場合に接続部分P1が折れ曲がってしまうことを抑制できる。また、固定部171の厚さを薄くすることができるので、連結部材17の軽量化が図られるという利点もある。また、連結部材17と固定部材16との固定部分を筐体11の開口部に近づけることができるので、その分、連結部材17を短くすることが可能となる。
【0035】
(変形例)
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明は前述の各実施の形態の構成に限定されるものではない。例えば、連結部材が、細長の板状の可撓部材から形成されていてもよい。この場合、連結部材はステンレスやアルミニウム等の金属や樹脂材料から形成される。また、連結部材は、固定部と留め具部とがチェーンで連結されているものであってもよい。
【0036】
実施の形態では、透光部材22が、ドーム状の透光部材本体221と外鍔部222とを有する構成である例について説明したが、透光部材の形状はこれに限定されない。例えば図7に示すようカバー3020のように、透光部材3022が平板状であってもよい。なお、図7において実施の形態1と同様の構成については図4と同一の符号を付している。本構成によれば、照明装置301の更なる薄型化を図ることができる。
【0037】
実施の形態では、押圧部材24が、連結部材17の留め具部173を枠部211の周方向に沿って移動可能に保持する被保持部として機能と、パッキン23を内鍔部212に向けて押圧する機能とを兼ね備える例について説明した。但し、これに限らず、例えば図8(A)に示すように、パッキン23を内鍔部212に向けて押圧する押圧部材2024と、連結部材17の留め具部173の溝212aからの離脱を防止する円環状の離脱防止部材2212bと、の2つの部材を備える構成であってもよい。なお、図8において、実施の形態と同様の構成については図2と同一の符号を付している。
【0038】
また、実施の形態に係る照明装置1について、押圧部材24の代わりに、図8(B)に示すような、端部に折曲部4024aが形成された押圧部材4024が用いられてもよい。この場合、押圧部材4024の端縁と、連結部材17のワイヤ部172と、の接触が抑制される。従って、ワイヤ部172と押圧部材の端縁とが擦れることに起因したワイヤ部172の断線が抑制される。
【0039】
実施の形態では、連結部材17の固定部171が、固定部材16の延出片162における固定片161側とは反対側の端部に螺子163により固定されている例について説明したが、連結部材17の固定部材16への固定方向はこれに限定されない。例えば、固定部171が、延出部162にかしめまたは溶接により固定されていてもよい。或いは、固定部171が、接着材により延出部162に接着されていてもよい。
【0040】
実施の形態では、連結部材17の留め具部173が玉状である例について説明したが、留め具部の形状は玉状に限定されるものではない。例えば、立方体状やその他の形状であってもよい。この場合、留め具部の寸法は、留め具部がカバー20の内鍔部212に形成された溝212aに嵌まった状態で溝212a内を移動可能な寸法に設定される。
【0041】
実施の形態で説明したカバー20の内鍔部212に形成される溝212aの形状は、留め具部173が溝212a内に嵌まった状態で溝212a内を移動自在である限り、特に限定されない。
【0042】
実施の形態では、カバー20の内鍔部212に、軌道部としての溝212aが形成されている例について説明したが、軌道部は溝212aに限定されるものではない。内鍔部212に、溝212aの代わりに、内部を留め具部173が移動するレールが設けられた構成であってもよい。
【0043】
実施の形態では、光源ユニット12の発光部121が、LEDを備える例について説明したが、これに限定されず、例えば発光部121が有機EL(Electro Luminescence)素子のような他の種類の発光素子を備えるものであってもよい。
【0044】
実施の形態では、連結部材17の固定部171が、固定部材16を介して筐体11の底壁111に固定されている例について説明したが、これに限らず、例えば連結部材17の固定部171が筐体11の底壁111に螺子止め固定されている構成であってもよい。
【0045】
以上、本発明の各実施の形態および変形例(なお書きに記載したものを含む。以下、同
様。)について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明は、実施
の形態及び変形例が適宜組み合わされたもの、それに適宜変更が加えられたものを含む。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、天井や壁等に取り付けられる照明装置に好適である。
【符号の説明】
【0047】
1,301:照明装置、11:筐体、12:光源ユニット、13:点灯回路ユニット、14:電池、15:端子台、16:固定部材、17:連結部材、18,23:パッキン、19:電池支持部材、20,3020:カバー、22,3022:透光部材、24,2024、4024:押圧部材、111:底壁、111a:取付孔、112:側壁、112a:雌螺子部、163:螺子、121:発光部、161:固定片、162:延出片、171:固定部、172:ワイヤ部、173:留め具部、211:枠部、211a:雄螺子部、212:内鍔部、212a:溝、212b:隙間、221:レンズ本体、222:外鍔部、2212b:離脱防止部材、4024a:折曲部、AR0,AR1:配光領域、C1:造営材、P1:接続部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8