特許第6554731号(P6554731)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6554731
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】フレーム組立体
(51)【国際特許分類】
   B64C 39/02 20060101AFI20190729BHJP
   B64C 1/08 20060101ALI20190729BHJP
   B64C 27/08 20060101ALI20190729BHJP
   B64D 27/24 20060101ALI20190729BHJP
【FI】
   B64C39/02
   B64C1/08
   B64C27/08
   B64D27/24
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-97633(P2018-97633)
(22)【出願日】2018年5月22日
【審査請求日】2019年1月11日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成29年11月30日に下記の展示会 「ドローン・ソリューション・マッチング」にて展示。平成30年2月6日に下記ウェブサイト http://liberaware.co.jp/news_release/20180206.html http://www.mec.co.jp/j/news/archives/mec180206_droneexperiment.pdf http://www.marunetu.co.jp/pdf/180206_.pdf http://blue−i.co.jp/release/post_66.html にて掲載。 平成30年3月28日に下記ウェブサイト http://liberaware.co.jp/1250712525125211250820849215163828330330.htmlにて掲載。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】717007295
【氏名又は名称】株式会社Liberaware
(74)【代理人】
【識別番号】100179822
【弁理士】
【氏名又は名称】中畑 稔
(72)【発明者】
【氏名】野平 幸佑
【審査官】 志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】 韓国登録特許第10−1816285(KR,B1)
【文献】 韓国登録特許第10−1668639(KR,B1)
【文献】 韓国登録特許第10−1858125(KR,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0283050(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0231582(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0349264(US,A1)
【文献】 韓国登録特許第10−1795677(KR,B1)
【文献】 中国特許出願公開第107628247(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第106985997(CN,A)
【文献】 特開2012−051545(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 39/02
B64C 27/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転翼機用のフレーム組立体であって、
第一平面と平行なトッププレートおよびボトムプレートと、
前記トッププレートおよび前記ボトムプレートを所定距離だけ離間して接続する、前記トッププレートと別体のサイドプレートと、
前記トッププレートおよび前記ボトムプレートを前記所定距離だけ離間して接続する、前記フレーム組立体の角部に配置されるスペーサと、
前記ボトムプレートと一体形成された2本のアームにより支持され、当接されるモータを搭載可能なモータマウントと、
を備え
前記2本のアームは前記モータマウントから互いに逆方向に延在することを特徴とするフレーム組立体。
【請求項2】
請求項1に記載のフレーム組立体であって、
前記ボトムプレートは強化繊維を含む層を備えるプリント基板であり
前記2本のアームの少なくとも1つは前記強化繊維に平行する方向に延在すること、
を特徴とするフレーム組立体。
【請求項3】
請求項1に記載のフレーム組立体であって、
前記2本のアームの少なくとも1つが外側に向けて湾曲すること、
を特徴とするフレーム組立体。
【請求項4】
請求項1に記載のフレーム組立体であって、
前記モータマウントの面積は、当該モータマウントに搭載されるモータの底面の面積よりも広いこと、
を特徴とするフレーム組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレーム組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のプロペラを有する無人飛行体が各種の分野で使われている。プロペラを回転させるモータはアームの先に取り付けられる。特許文献1に開示されているマルチコプターでは機体の中心から放射状に伸びるアームの先端にローターユニットを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−227016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、アームの先端にモータを設けると、モータの回転やプロペラによる気流などによりアームには応力が大きくかかる。これに対してアームの剛性を高めようとすると、アームが太くなってしまい、プロペラによる気流を遮ってしまう。
【0005】
本発明は、このような背景を鑑みてなされたものであり、モータを支えるアームの剛性を確保しつつプロペラによる気流を遮るアームの面積を減らすことのできる、フレーム組立体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、回転翼機用のフレーム組立体であって、第一平面と平行なトッププレートおよびボトムプレートと、前記トッププレートおよび前記ボトムプレートを所定距離だけ離間して接続するサイドプレートと、前記ボトムプレートと一体形成された2本のアームにより支持されるモータマウントと、を備えることとする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、モータを支えるアームの剛性を確保しつつプロペラによる気流を遮るアームの面積を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係るフレーム組立体1の下面図である。
図2】本発明の一実施形態に係るフレーム組立体1の上面図である。
図3】本発明の一実施形態に係るフレーム組立体1の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の実施の形態による飛行体は、以下のような構成を備える。
【0011】
[項目1]
回転翼機用のフレーム組立体であって、
第一平面と平行なトッププレートおよびボトムプレートと、
前記トッププレートおよび前記ボトムプレートを所定距離だけ離間して接続するサイドプレートと、
前記ボトムプレートと一体形成された2本のアームにより支持されるモータマウントと、
を備えることを特徴とするフレーム組立体。
【0012】
[項目2]
請求項1に記載のフレーム組立体であって、
前記2本のアームは前記モータマウントから互いに逆方向に延在すること、
を特徴とするフレーム組立体。
【0013】
[項目3]
請求項1に記載のフレーム組立体であって、
前記ボトムプレートは強化繊維を含む層を備え、
前記2本のアームの少なくとも1つは前記強化繊維に平行する方向に延在すること、
を特徴とするフレーム組立体。
【0014】
[項目4]
請求項1に記載のフレーム組立体であって、
前記2本のアームの少なくとも1つが外側に向けて湾曲すること、
を特徴とするフレーム組立体。
【0015】
[項目5]
請求項1に記載のフレーム組立体であって、
前記モータマウントの面積は、当該モータマウントに搭載されるモータの底面の面積よりも広いこと、
を特徴とするフレーム組立体。
【0016】
<実施の形態の詳細>
以下、本発明の一実施形態に係るフレーム組立体1について、図面を参照しながら説明する。本実施形態のフレーム組立体1は、飛行体のフレームを構成する。図1は本実施形態に係るフレーム組立体1の下面図であり、図2は本実施形態に係るフレーム組立体1の上面図である。図3は本実施形態に係るフレーム組立体1の斜視図である。図1および図2の紙面における上下方向が、飛行体の前後方向である。
【0017】
フレーム組立体1は、ボトムプレート11と、ボトムプレート11に略平行なトッププレート12とを備える。ボトムプレート11は、回路が形成されるプリント基板である。ボトムプレート11には、例えばモータ20の制御を行うフライトコントローラなどの電子部品が実装される。本実施形態では、ボトムプレート11の中央部115の前後中央部分にフライトコントローラを含む制御回路19が実装される。図1の例では、制御回路19が実装される部分の下部には、制御回路19を保護するカバー18が配される。ボトムプレート11は、繊維強化された基板の上に銅箔および回路パターンが形成され、表層に絶縁層(レジスト)が形成される。基板は、例えばガラスエポキシ基板(FR4;Flame Retardant Type 4)である。本実施の形態においては、ボトムプレート11上で電子部品が配置されて半田付けが行われる部分には絶縁層が設けられず、銅箔にメッキが施される。なお、必要に応じて、半田メッキや金メッキを行うこととしてもよいし、メッキを施さないこととしてもよい。本実施形態では、トッププレート12もボトムプレート11と同じプリント基板であるものとする。本実施形態のフレーム組立体1では、ボトムプレート11およびトッププレート12は、全体にわたって(ただし回路が形成される部分を除く)銅箔が配される。銅箔の張力を利用してボトムプレー11およびトッププレート12の曲げ強度を高めることができる。さらに、伝熱性の銅箔を回路と連通させることで、回路の熱を拡散させることもできる。すなわち、一般的にプリント基板の銅箔部分は回路やノイズシールドを構成するために使用されるところ、本実施形態のフレーム組立体1では、フレームの補強と放熱とにも利用している。なお、ボトムプレート11は、銅などの金属をコアとするメタルコア基板またはメタルベース基板であってもよい。
【0018】
ボトムプレート11は、モータ20を実装可能である4つのモータマウント111を備える。図1ないし図3では、モータマウント111にはモータ20が搭載された状態が示されている。モータマウント111はアーム112および113により支持される。アーム112および113は、ボトムプレート11と一体的に形成される。アーム112および113は、ボトムプレート11の外側に湾曲している。これにより、側面方向での衝突時に側面からの力に耐えることができる。
【0019】
複数のモータマウント111を備えるボトムプレート11は点対称になっている。これにより、飛行体の操作時には、操縦者に重心のブレを感じにくくさせることができる。さらに、フレーム組立体1は前後対称でありかつ左右対称である。これにより、飛行体の制御特性の対称性が確保され、操作の違和感を低減することが可能となり、さらには、飛行体の落下時においても、水平を保ちやすくすることができる。したがって、飛行体の落下時には空気抵抗で減速することが期待され、破損被害を少なくすることができる。
【0020】
モータマウント111はモータ20の底面と同一または底面よりも大きく形成される。これにより、衝突時にモータ20を保護することができる。
【0021】
ボトムプレート11の前後方向端部にはプロペラガード114が設けられ、トッププレート12の前後方向端部にはプロペラガード121が設けられる。プロペラガード114および121は、飛行体の衝突時に、モータ20に取り付けられる回転翼(プロペラ)21とモータ20とを保護する。
【0022】
アーム112およびアーム113は、略直線上に配置され、モータマウント111から略逆方向に延在する。すなわち、アーム112およびアーム113は、モータマウント111を略対向する位置で支持する。アーム112およびアーム113がモータマウント111を略対向する位置で支持することにより、モータマウント111を安定的に支持することが可能となる。したがって、モータ20が回転した場合にも、プロペラ21による推力に反発する応力に耐え得る。また、モータ20の動作に起因する振動を抑制し得る。よって、フレーム組立体1の強度を向上するとともに、モータ20を安定させて、ひいては飛行体の飛行を安定させることができる。また、プロペラの後流を遮るアームの面積を減らしエネルギ効率を向上することができる。なお、アーム112およびアーム113は、直線上になくてもよいが、幾何的に、2つある支持点の中点と作用点(モータ20の中心)を結ぶ線が片持ちアームと等価となり、2つのアーム112および113が直線に近づくほど、片持ちアームの場合で言うアームの長さが短くなり撓みにくくなる。計算上、アーム112およびアーム113により形成される鋭角は20度以下であることが好適である。
【0023】
アーム112および113は、ボトムプレート11の絶縁層に含まれる強化繊維の長手方向に延在する。これにより、ボトムプレート11の絶縁層の強度を効果的に活かすことができる。
【0024】
ボトムプレート11の左右それぞれにおいて、前後のアーム113の間にはブリッジ119が設けられる。これによりフレーム組立体1のねじれ剛性が向上される。
【0025】
アーム112、モータマウント111、アーム113、中央部115およびプロペラガード114により開口部120が形成される。開口部120を設けることにより、プロペラ21が回転された場合に発生する気流を遮らないようにすることができ、またフレーム組立体1を軽量化することができる。
【0026】
ボトムプレート11のプロペラガード114は、カメラガード117の張力とアーム112の支持とにより、フレーム組立体1が前方または前方斜め方向からの力を受けた場合にその応力に耐える剛性を確保する。また、トッププレート12のプロペラガード121は、カメラガード123の張力により、フレーム組立体1が前方または前方斜め方向からの力を受けた場合にその応力に耐える剛性を確保する。プロペラガード121の剛性は、プロペラガード114の剛性よりも低いため、ボトムプレート11のプロペラガード114の外側端部118は、トッププレート12のプロペラガード121の端部124よりも外側に突出している。
【0027】
ボトムプレート11の中央部115上の前方端部近傍には、カメラ30が搭載可能である。ボトムプレート11の前方端部には凹部116が形成され、トッププレート12の前方端部にも同様の凹部122が形成される。カメラ30が搭載された場合にそのカメラ30がフレーム組立体1から突出しないように、ボトムプレート11およびトッププレート12にはそれぞれカメラガード117および123が設けられる。これにより、衝突時にカメラ30を保護することができる。なお、凹部116および122は、ボトムプレート11がカメラ30の画角に入らないように、左右端部がテーパー形状となっている。
【0028】
カメラ30が中央部115に搭載されることから、ロール操作時におけるカメラ30による重心のズレが抑制される。したがって、飛行体に安定的な飛行をもたらすことが可能となる。また、本実施形態では、カメラ30を搭載した飛行体の重心はカメラ30の重心と略一致するものとする。これにより、飛行体の飛行時において、カメラ30により撮影された一人称視点(First Person View;FPV)での映像の違和感を低減することができる。
【0029】
ボトムプレート11とトッププレート12との間には、ボトムプレート11およびトッププレート12に略垂直な2つの垂直プレート13と複数のスペーサ14とが配され、ボトムプレート11とトッププレート12とが離間される。垂直プレート13もボトムプレート11およびトッププレート12と同一のプリント基板とすることができる。2つの垂直プレート13の間にもスペーサ16が配される。ボトムプレート11とトッププレート12とが離間する距離は、モータ20にプロペラ21を搭載した高さ以上であるものとする。垂直プレート13は板状であり、飛行体の上下移動時における空気抵抗を減らすことができる。
【0030】
スペーサ14は、ねじ15と螺合し、ねじ15によりボトムプレート11およびトッププレート12のそれぞれに係合される。スペーサ16は、ねじ17と螺合し、ねじ17により垂直プレート13に係合される。ボトムプレート11、トッププレート12および垂直プレート13に設けられるねじ穴の直径は、ねじ15および17の直径よりも大きくする。これにより、フレーム組立体1に衝撃が与えられた場合にも、ねじ15および17にほとんど負荷がかからないようにすることができる。よって、剛性の高いねじ15および17からの応力がボトムプレート11、トッププレート12および垂直プレート13のねじ穴部分に集中することを回避し、破損を防止することができる。
【0031】
ボトムプレート11には前側嵌合部131および後ろ側嵌合部132の場所にそれぞれスリットが設けられ、垂直プレート13の突出部と嵌合する。トッププレート12にも前側嵌合部133および後ろ側嵌合部134の場所にそれぞれスリットが設けられ、垂直プレート13の突出部と嵌合する。これにより、ボトムプレート11と、垂直プレート13と、トッププレート12とが箱型構造を構成することになる。したがって、フレーム組立体1全体としての強度を確保することができる。その一方で、ボトムプレート11およびトッププレート12と垂直プレート13とは嵌合により箱型構造を構成し、ねじなどを用いた螺合や接着剤による接着等の処理を施す必要がなく、ねじ等の余計な部材を追加する必要がないので、フレーム組立体1を軽量に保つことができる。また、各嵌合部131、132、133および134の近傍にはスペーサ14が設けられる。フレーム組立体1が衝撃を受け、ボトムプレート11やトッププレート12に撓みが発生すると、嵌合部131、132、133および134における嵌合が外れることがあるが、スペーサ14を各嵌合部131、132、133および134の近傍に設けることで、嵌合部の変形量が小さくなることが期待され、嵌合を強化することができる。
【0032】
垂直プレート13とボトムプレート11とは応力受容部135において当接する。開口部120の外縁は2つの円弧部分136および137を含み、応力受容部135は円弧部分136および137の接続部分に設けられる。応力受容部135は、垂直プレート13からの応力を受容するように構成される。円弧部分136および137の半径は異なり、ボトムプレート11の中心に近い円弧部分137の半径が円弧部分136の半径よりも短い。これにより当接部136において、垂直プレート13から応力を受ける面積を広げることが可能となり、フレーム組立体1の強度を向上することができる。
【0033】
以上説明したように、本実施形態のフレーム組立体1によれば、制御回路を構成する半導体等を実装するためのプリント基板そのものがフレームを構成する。したがって、プリント基板以外の素材を用いてフレームを構成する必要がなく、フレーム組立体1の重量を極めて軽量にすることができる。よって、フレーム組立体1を採用した飛行体は、プロペラ21による推力を有効に活用することができ、飛行体の運動性能を高めることができる。また、フレーム組立体1が軽量であることから、飛行体の消費電力を抑制することが可能となる。さらには、部品点数を減らすことで、信頼性や保守性が向上し、製造・組み立てコストを押さえることができる。
【0034】
また、本実施形態のフレーム組立体1では、プロペラガード114もプリント基板の一部として一体的に設けられている。したがって、フレームとプリント基板とを別体とする場合に比べて軽量化を図ることができる。一方で、モータマウント111は2本のアーム112および113により支持され、このアーム112および113はプリント基板と一体形成される。これにより、モータマウント111にかかる応力に耐える剛性を確保することが可能となり、プロペラの後流を遮るアーム112および113の面積を減らすことができる。
【0035】
また、本実施形態のフレーム組立体1では、ボトムプレート11には制御回路(不図示)が実装され、またカメラ30もボトムプレート11に搭載される。したがって、多くの部品がプロペラ21の回転面よりも下部に配置されることとなる。すなわち、飛行体の重心が低くなるように設計されている。重心が下がることにより飛行体の安定性が向上することが知られており、飛行体の飛行時におけるブレを低減することができる。また、飛行体の安定性が向上することにより飛行体の消費電力を抑制することができる。
【0036】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0037】
例えば、本実施形態では、ボトムプレート11とトッププレート12とは略平行であるものとしたが、不等間隔に離間して配されてもよい。また、ボトムプレート11およびトッププレート12は、平面状でなく湾曲していてもよい。
【0038】
また、本実施形態では、ボトムプレート11とトッププレート12と垂直プレート13とがプリント基板であるものとしたが、トッププレート12および垂直プレート13の少なくともいずれかは別の素材としてもよい。例えば、トッププレート12および垂直プレート13の少なくともいずれかは、銅箔を設けないガラス繊維を含めたエポキシ樹脂の板とすることができる。
【0039】
また、本実施形態では、ボトムプレート11、トッププレート12および垂直プレート13は、回路が形成される部分を除き、全体にわたって銅箔が配されるものとしたが、これに限らず、アーム112および113に必要な応力耐性を与えるだけの銅箔が設けられればよく、銅箔が設けられない部分があってもよい。
【0040】
また、本実施形態では、モータマウント111はボトムプレート11に4つ設けられるものしたが、これに限らず、任意の数の複数のモータマウント111を設けるようにしてもよい。
【0041】
また、本実施形態では、プロペラガード114は前後方向に対してプロペラ21を保護するが、側面(左右方向)に対しては、別体のプロペラガードを装着することでプロペラ21を保護することが可能である。プロペラガード114はボトムプレート11と一体的に形成されてアーム113に対する応力を分散することができる一方で、側面のプロペラガードについては、一体的に形成せずに着脱可能部品とすることで、飛行体としての軽量化を図ることができる。また衝突時に損傷の可能性が高いプロペラガードを容易に交換することができる。
【0042】
また、本実施形態では、アーム112および113はいずれも強化繊維の長手方向に延在するものとしたが、一方のみが強化繊維の長手方向に延在し、他方は異なる方向に延在するようにしてもよい。
【0043】
また、本実施形態では、カメラ30を搭載した飛行体の重心はカメラ30の重心と略一致するものとしたが、カメラ30の重心は、ボトムプレート11の前後方向の中心線上にあればよい。この場合、少なくとも飛行体のロール操作時におけるFPVの違和感を軽減することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 フレーム組立体
11 ボトムプレート
12 トッププレート
13 垂直プレート
14 スペーサ
20 モータ
21 プロペラ
30 カメラ
111 モータマウント
112 アーム
113 アーム
114 プロペラガード
115 中央部
116 凹部
117 カメラガード
118 外側端部
119 ブリッジ
120 開口部
121 プロペラガード
122 凹部
123 カメラガード
124 端部
131 前側嵌合部
132 後ろ側嵌合部
133 前側嵌合部
134 後ろ側嵌合部
135 応力受容部
【要約】      (修正有)
【課題】モータを支えるアームの剛性を確保しつつプロペラによる気流を遮るアームの面積を減らすことができるようにする。
【解決手段】本発明による回転翼機用のフレーム組立体1は、第一平面と平行なトッププレート12およびボトムプレート11と、トッププレートおよびボトムプレートを所定距離だけ離間して接続するサイドプレートと、ボトムプレートと一体形成された2本のアームにより支持されるモータマウントと、を備えることとした。
【選択図】図3
図1
図2
図3