(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係るガスタービン設備の一実施形態及び各種変形例について、図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
「実施形態」
本発明に係るガスタービン設備の一実施形態について、
図1〜
図7を参照して説明する。
【0024】
本実施形態のガスタービン設備は、
図1に示すように、ガスタービン1と、冷却空気を生成する冷却系統200と、を備える。
【0025】
ガスタービン1は、外気Aを圧縮して圧縮空気Acomを生成する圧縮機10と、燃料供給源からの燃料Fを圧縮空気Acom中で燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼器80と、燃焼ガスにより駆動するタービン110と、を備える。
【0026】
圧縮機10は、軸線Arを中心として回転する圧縮機ロータ20と、この圧縮機ロータ20を覆う筒状の圧縮機車室11とを有する。なお、以下では、軸線Arが延びている方向を軸方向Daとする。また、軸方向Daの一方側を軸方向上流側Dau、この軸方向Daの他方側を軸方向下流側Dadとする。軸線Arを基準にした径方向を単に径方向Drとする。また、この径方向Drで軸線Arから遠ざかる側を径方向外側Droとし、この径方向Drで軸線Arに近づく側を径方向内側Driとする。
【0027】
圧縮機10は、軸流圧縮機である。このため、圧縮機ロータ20は、軸線Arを中心として軸方向Daに延びている圧縮機ロータ軸21と、この圧縮機ロータ軸21の外周に固定され軸方向Daに並んでいる複数の動翼列51と、を有する。圧縮機車室11の軸方向上流側Dauの端は、開口しており、この開口が空気取入口12を成す。圧縮機車室11の内周側には、各動翼列51の軸方向下流側Dadの位置に静翼列61が固定されている。一つの静翼列61は、複数の静翼62を有する。これら複数の静翼62は、軸線Arを中心として周方向Dcに並んで、一つの静翼列61を構成する。また、一つの動翼列51は、複数の動翼52を有する。これら複数の動翼52は、軸線Arを中心として周方向Dcに並んで、一つの動翼列51を構成する。
【0028】
タービン110は、圧縮機10の軸方向下流側Dadに配置されている。このタービン110は、軸線Arを中心として回転するタービンロータ120と、このタービンロータ120を覆う筒状のタービン車室111とを有する。タービンロータ120は、軸線Arを中心として軸方向Daに延びているタービンロータ軸121と、このタービンロータ軸121の外周に固定され軸方向Daに並んでいる複数の動翼列151と、を有する。タービン車室111の内周側には、各動翼列151の上流側の位置に静翼列161が固定されている。一つの静翼列161は、複数の静翼162を有する。これら複数の静翼162は、軸線Arを中心として周方向Dcに並んで、一つの静翼列161を構成する。また、一つの動翼列151は、複数の動翼152を有する。これら複数の動翼152は、軸線Arを中心として周方向Dcに並んで、一つの動翼列151を構成する。
【0029】
本実施形態のガスタービン1は、さらに、中間ロータ軸171と、中間ロータ軸カバー181と、冷却空気管189と、中間車室191と、を備える。中間ロータ軸171は、圧縮機ロータ20とタービンロータ120とを接続する。よって、中間ロータ軸171は、軸方向Daで、圧縮機ロータ20とタービンロータ120との間に位置する。圧縮機ロータ20、中間ロータ軸171、及びタービンロータ120は、同一軸線Ar上に位置して、軸線Arを中心として一体回転する。これらは、ガスタービンロータ2を構成する。このガスタービンロータ2には、例えば、発電機9のロータが接続される。中間車室191は、中間ロータ軸171の外周側を覆う。よって、この中間車室191は、軸方向Daで、圧縮機車室11とタービン車室111との間に位置する。圧縮機車室11、中間車室191、及びタービン車室111は、相互に接続されて、ガスタービン車室3を構成する。燃焼器80は、この中間車室191に取り付けられている。中間車室191には、圧縮機10からの圧縮空気Acomが流入する。この圧縮空気Acomは、中間車室191から燃焼器80内に流入する。中間ロータ軸カバー181は、ガスタービン車室3の径方向内側Driに配置され、中間ロータ軸171の径方向外側Droを覆う。この中間ロータ軸カバー181は、ガスタービン車室3に固定されている。冷却空気管189の第一端は、中間車室191に固定され、この冷却空気管189の第二端は、中間ロータ軸カバー181に固定されている。
【0030】
冷却系統200は、冷却空気ライン201と、冷却器205と、を備える。冷却空気ライン201は、ガスタービン車室3の外部に配置されている。この冷却空気ライン201の第一端は、中間車室191に接続され、冷却空気ライン201の第二端は、ガスタービン1の冷却空気管189に接続されている。中間車室191内の圧縮空気Acomは、冷却空気ライン201の第一端から冷却空気ライン201中に流入する。冷却器205は、冷却空気ライン201に設けられている。冷却器205は、冷却空気ライン201中に流入した圧縮空気Acomを冷却して、この圧縮空気Acomを冷却空気Acにする。冷却器205は、例えば、冷却空気ライン201中の圧縮空気Acomと冷却媒体とを熱交換させて、この圧縮空気Acomを冷却する熱交換器である。なお、冷却器205は、内部を圧縮空気Acomが流れるラジエターと、このラジエターの外部に空気を吹き付けるファンと、を有して構成してもよい。冷却器205で生成された冷却空気Acは、冷却空気ライン201を経て、冷却空気管189内に流入する。
【0031】
圧縮機車室11は、
図2に示すように、圧縮機車室本体13と、この圧縮機車室本体13内に配置されている静翼保持環14と、を有する。静翼保持環14は、軸線Arを中心として環状を成している。この静翼保持環14は、圧縮機車室本体13に固定されている。この静翼保持環14には、複数の静翼62が固定されている。
【0032】
静翼62は、
図4に示すように、径方向Drに延びる翼体63と、翼体63の径方向外側Droに設けられている外側シュラウド64と、翼体63の径方向内側Driに設けられている内側シュラウド65と、を有する。外側シュラウド64は、静翼保持環14の径方向内側Driに取り付けられている。内側シュラウド65には、その径方向内側Driにシールリング66が設けられている。動翼52は、径方向Drに延びる翼体53と、翼体53の径方向内側Driに設けられているプラットフォーム54と、プラットフォーム54の径方向内側Driに設けられている翼根55と、を有する。翼根55は、圧縮機ロータ軸21に埋め込まれている。
【0033】
図2に示すように、この圧縮機10で圧縮過程の空気が通る空気圧縮流路15は、軸線Arを中心として環状を成している。この空気圧縮流路15の外周側は、圧縮機車室11及び静翼62の外側シュラウド64により画定されている。また、この空気圧縮流路15の内周側は、動翼52のプラットフォーム54及び静翼62の内側シュラウド65により画定されている。
【0034】
複数の静翼列61のうち、最も軸方向下流側Dadの静翼列61の軸方向下流側Dadには、ディフューザ16が設けられている。ディフューザ16は、環状の外側ディフューザ16oと、この外側ディフューザ16oの径方向内側Driに配置されている環状の内側ディフューザ16iと、を有する。外側ディフューザ16oは、最も軸方向下流側Dadの静翼列61を構成する複数の静翼62の外側シュラウド64からの軸方向下流側Dadに延び、内径が次第に大きくなる。一方、内側ディフューザ16iは、最も軸方向下流側Dadの静翼列61を構成する複数の静翼62の内側シュラウド65からの軸方向下流側Dadに延び、外径が次第に小さくなる。環状の外側ディフューザ16oと環状の内側ディフューザ16iと間の環状の空間は、環状の空気圧縮流路15と連通する空気吐出流路17を形成する。この空気吐出流路17の軸方向下流側Dadの端は、中間車室191内で開口している。この開口は、圧縮機10の空気吐出口18を成す。
【0035】
外気Aは、圧縮機ロータ20の回転により、空気取入口12(
図1参照)から空気圧縮流路15内に流入し、この空気圧縮流路15内で圧縮されつつ軸方向上流側Dauから軸方向下流側Dadに流れていく。空気圧縮流路15内で圧縮された空気である圧縮空気Acomは、空気吐出流路17内に流入する。この圧縮空気Acomは、空気吐出口18から中間車室191内に流入する。
【0036】
圧縮機ロータ軸21には、複数の動翼列51の相互間の軸方向Daにおける各位置に、言い換えると、複数の静翼列61の軸方向Daにおける各位置に、軸線Arを中心として環状を成し、径方向Drで互いに離間している複数のキャビティ33が形成されている。軸方向Daで隣接する二つの動翼列51の相互間の軸方向Daにおける位置に形成されている複数のキャビティ33は、一つのキャビティ群32を構成する。よって、圧縮機ロータ軸21には、複数のキャビティ群32が軸方向Daに並んで形成されている。
【0037】
一つのキャビティ群32は、圧縮機ロータ軸21内で最も径方向外側Droに形成されている外側キャビティ33oと、この外側キャビティ33oよりも径方向内側Driに形成されている中間キャビティ33mと、圧縮機ロータ軸21内で最も径方向内側Driに形成されている内側キャビティ33iとの三つのキャビティ33で構成されている。
【0038】
圧縮機ロータ軸21には、さらに、外側キャビティ33oと空気圧縮流路15とを連通させる径方向外側流路31が形成されている。
【0039】
圧縮機ロータ軸21は、軸方向Daに積層される複数のロータディスク41と、複数のロータディスク41及び複数の中間キャビティ33mを軸方向Daに貫通するスピンドルボルト29と、隣り合うロータディスク41相互の相対回転を規制する円柱状のトルクピン39と、を有する。
【0040】
一つのロータディスク41には、一つの動翼列51が取り付けられる。よって、ロータディスク41は、複数の動翼列51毎に存在する。
【0041】
図3に示すように、一つのキャビティ群32を構成する複数のキャビティ33、及び、径方向外側流路31は、いずれも、軸方向Daで隣接する二つのロータディスク41間に形成されている。なお、同図の(A)は、ロータディスク41の断面図であり、同図の(B)は、同図の(A)におけるB矢視図である。
【0042】
各ロータディスク41の径方向外側Droには、一の動翼列51を構成する複数の動翼52の翼根55が取り付けられる翼取付部49が形成されている。
【0043】
各ロータディスク41には、上流側第一凹部43uと、上流側第二凹部45uと、上流側第三凹部47uと、が形成されている。上流側第一凹部43uは、このロータディスク41の軸方向上流側Dauに外側キャビティ33oを形成するために、ロータディスク41中の軸方向上流側Dauの部分から軸方向下流側Dadに向かって凹む。上流側第二凹部45uは、このロータディスク41の軸方向上流側Dauに中間キャビティ33mを形成するために、上流側第一凹部43uより径方向内側Driの位置で、このロータディスク41中の軸方向上流側Dauの部分から軸方向下流側Dadに向かって凹む。上流側第三凹部47uは、このロータディスク41の軸方向上流側Dauに内側キャビティ33iを形成するために、上流側第二凹部45uより径方向内側Driの位置で、このロータディスク41中の軸方向上流側Dauの部分から軸方向下流側Dadに向かって凹む。よって、上流側第一凹部43uの径方向外側Droには、上流側第一凹部43uの底面に対して、相対的に軸方向上流側Dauに向かって突出する環状の上流側第一アーム部42uが形成されている。また、上流側第一凹部43uと上流側第二凹部45uとの間には、上流側第一凹部43uの底面及び上流側第二凹部45uの底面に対して、相対的に軸方向上流側Dauに向かって突出する環状の上流側第二アーム部44uが形成されている。また、上流側第二凹部45uと上流側第三凹部47uとの間には、上流側第二凹部45uの底面及び上流側第三凹部47uの底面に対して、相対的に軸方向上流側Dauに向かって突出する環状の上流側第三アーム部46uが形成されている。また、上流側第三凹部47uの径方向内側Driには、上流側第三凹部47uの底面に対して、相対的に軸方向上流側Dauに向かって突出する環状の上流側突出部48uが形成されている。
【0044】
環状の上流側第二アーム部44uには、軸方向下流側Dadに向かって凹んで、上流側第一凹部43uと上流側第二凹部45uとを連通させる複数の上流側ピン溝44upが形成されている。複数の上流側ピン溝44upは、周方向Dcに並んでいる。
【0045】
さらに、各ロータディスク41には、下流側第一凹部43dと、下流側第二凹部45dと、下流側第三凹部47dと、が形成されている。下流側第一凹部43dは、このロータディスク41の軸方向下流側Dadに外側キャビティ33oを形成するために、ロータディスク41中の軸方向下流側Dadの部分から軸方向上流側Dauに向かって凹む。下流側第二凹部45dは、このロータディスク41の軸方向下流側Dadに中間キャビティ33mを形成するために、下流側第一凹部43dより径方向内側Driの位置で、ロータディスク41中の軸方向下流側Dadの部分から軸方向上流側Dauに向かって凹む。下流側第三凹部47dは、このロータディスク41の軸方向下流側Dadに内側キャビティ33iを形成するために、下流側第二凹部45dより径方向内側Driの位置で、ロータディスク41中の軸方向下流側Dadの部分から軸方向上流側Dauに向かって凹む。よって、下流側第一凹部43dの径方向外側Droには、下流側第一凹部43dの底面に対して、相対的に軸方向下流側Dadに向かって突出する環状の下流側第一アーム部42dが形成されている。また、下流側第一凹部43dと下流側第二凹部45dとの間には、下流側第一凹部43dの底面及び下流側第二凹部45dの底面に対して、相対的に軸方向下流側Dadに向かって突出する環状の下流側第二アーム部44dが形成されている。また、下流側第二凹部45dと下流側第三凹部47dとの間には、下流側第二凹部45dの底面及び下流側第三凹部47dの底面に対して、相対的に軸方向下流側Dadに向かって突出する環状の下流側第三アーム部46dが形成されている。また、下流側第三凹部47dの径方向内側Driには、下流側第三凹部47dの底面に対して、相対的に軸方向下流Dadに向かって突出する環状の下流側突出部48dが形成されている。
【0046】
環状の下流側第二アーム部44dには、軸方向上流側Dauに向かって凹んで、下流側第一凹部43dと下流側第二凹部45dとを連通させる複数の下流側ピン溝44dpが形成されている。複数の下流側ピン溝44dpは、周方向Dcに並んでいる。
【0047】
外側キャビティ33oは、軸方向Daで隣接する二つのロータディスク41のうちの軸方向上流側Dauのロータディスク41における下流側第一凹部43dと、軸方向下流側Dadのロータディスク41における上流側第一凹部43uとにより画定される。中間キャビティ33mは、軸方向Daで隣接する二つのロータディスク41のうちの軸方向上流側Dauのロータディスク41における下流側第二凹部45dと、軸方向下流側Dadのロータディスク41における上流側第二凹部45uとにより画定される。内側キャビティ33iは、軸方向Daで隣接する二つのロータディスク41のうちの軸方向上流側Dauのロータディスク41における下流側第三凹部47dと、軸方向下流側Dadのロータディスク41における上流側第三凹部47uとにより画定される。
【0048】
軸方向Daで隣接する二つのロータディスク41のうちの軸方向上流側Dauのロータディスク41における下流側第一アーム部42dと、軸方向下流側Dadのロータディスク41における上流側第一アーム部42uとは、互いに軸方向Daで対向し且つ離間している。径方向外側流路31は、軸方向Daで隣接する二つのロータディスク41のうちの軸方向上流側Dauのロータディスク41における下流側第一アーム部42dと、軸方向下流側Dadのロータディスク41における上流側第一アーム部42uとにより画定される。
【0049】
軸方向Daで隣接する二つのロータディスク41のうちの軸方向上流側Dauのロータディスク41における複数の下流側ピン溝44dpと、軸方向下流側Dadのロータディスク41における複数の上流側ピン溝44upとは、軸方向Daで互いに対向している。トルクピン39が装着されるピン孔は、下流側ピン溝44dpと上流側ピン溝44upとにより画定される。トルクピン39が装着されるピン孔は、円柱状のトルクピン39の形状に対応して円柱状を成す。
【0050】
ロータディスク41には、上流側第二凹部45uの底面から下流側第二凹部45dの底面に貫通して、スピンドルボルト29が挿通されるボルト貫通孔38が形成されている。
【0051】
圧縮機ロータ軸21には、さらに、
図1及び
図2に示すように、複数の動翼列51のうち、軸方向Daで隣り合う二つの動翼列51の間を流れる空気を自身の内部に導くベンチレーション流路22が形成されている。ここで、軸方向Daで隣り合う二つの動翼列51は、複数の動翼列51のうち、最も軸方向下流側Dadの動翼列51と最も軸方向上流側Dauの動翼列51との間にある二つの動翼列51である。そこで、以下では、これら二つの動翼列51を中間動翼列51aと呼ぶ。また、中間動翼列51aが取り付けられているロータディスク41を中間ロータディスク41aと呼ぶ。なお、
図3の(A)に描かれている軸方向上流側Dau(図中左側)のロータディスク41は、二つの中間ロータディスク41aのうちの軸方向下流側Dadの中間ロータディスク41aである。また、
図3の(A)に描かれている軸方向下流側Dad(図中右側)のロータディスク41は、軸方向下流側Dadの中間ロータディスク41aの軸方向下流側Dadに隣接するロータディスク41である。
【0052】
ベンチレーション流路22は、導入部23と、複数の分岐部27と、集合部28と、を有する。導入部23は、流入部24と、分配部26とを有する。流入部24には、二つの中間動翼列51aの間を流れる圧縮空気Acomが圧縮機抽気Bcomとして流入する流入口25が形成されている。この流入部24は、流入口25から径方向内側Driに延びる。分配部26は、流入部24から軸方向上流側Dau及び軸方向下流側Dadに延びる。複数の分岐部27は、導入部23の分配部26から分岐して、軸方向Daで互いに異なる位置に形成されている。複数の分岐部27の流路は、径方向Drに延びている。集合部28は、複数の分岐部27の径方向内側Driにおける端のそれぞれと接続されている。この集合部28は、軸方向Daに延びる。集合部28には、複数の分岐部27を通った空気が流れ込み、流れ込んだ空気を外部に流出させる。
【0053】
流入部24の流入口25は、
図2及び
図3に示すように、二つの中間ロータディスク41a間に形成されている径方向外側流路31における径方向外側Droの開口で形成される。二つの中間ロータディスク41aには、軸方向Daに貫通する貫通孔37が形成されている。二つの中間ロータディスク41aのうち、軸方向上流側Dauの中間ロータディスク41aよりも軸方向上流側Dauの一又は複数のロータディスク41にも、中間ロータディスク41aの貫通孔37に連通する貫通孔37が形成さている。また、二つの中間ロータディスク41aのうち、軸方向下流側Dadの中間ロータディスク41aよりも軸方向下流側Dadの一又は複数のロータディスク41にも、中間ロータディスク41aの貫通孔37に連通する貫通孔37が形成さている。これら貫通孔37は、いずれも、ロータディスクの上流側ピン溝44upの溝底から下流側ピン溝44dpの溝底に貫通している。
【0054】
二つの中間ロータディスク41aのうちの軸方向上流側Dauの中間ロータディスク41aにおける複数の下流側ピン溝44dpと、軸方向下流側Dadの中間ロータディスク41aにおける複数の上流側ピン溝44upとで形成される複数のピン孔のうち、いずれか1以上のピン孔には、トルクピン39が設けられていない。このため、このピン孔は、二つの中間ロータディスク41aの間に形成されている外側キャビティ33oと中間キャビティ33mとを連通させる第一中間流路34を形成する。二つの中間ロータディスク41aに形成されている貫通孔37は、この第一中間流路34に連通している。なお、ここでは、ピン孔を第一中間流路34として利用しているが、ピン孔の他に別途孔を形成し、これを第一中間流路34としてもよい。
【0055】
軸方向上流側Dauの中間ロータディスク41a、及びこの中間ロータディスク41aよりも軸方向上流側Dauの一又は複数のロータディスク41の相互間に形成されている複数のピン孔のうち、いずれか一以上のピン孔には、このピン孔の径方向Drにおける中間位置から径方向外側Droに延びるトルクピン39aが設けられている。よって、このピン孔の径方向外側Droの開口は、このトルクピン39aにより塞がれている一方で、このピン孔の径方向内側Driの開口は、このトルクピン39aによって塞がれていない。このピン孔中で径方向外側Droの部分は、中間キャビティ33mに連通する第二中間流路34aを成す。
【0056】
また、軸方向下流側Dadの中間ロータディスク41a、及びこの中間ロータディスク41aよりも軸方向下流側Dadの一又は複数のロータディスク41の相互間に形成されている複数のピン孔のうち、いずれか一以上のピン孔には、このピン孔の径方向Drにおける中間位置から径方向外側Droに延びるトルクピン39aが設けられている。よって、このピン孔の径方向外側Droの開口は、このトルクピン39aにより塞がれている一方で、このピン孔の径方向内側Driの開口は、このトルクピン39aによって塞がれていない。このピン孔中で径方向外側Droの部分も、中間キャビティ33mに連通する第二中間流路34aを成す。なお、ここでは、ピン孔の一部を第二中間流路34aとして利用しているが、ピン孔の他に別途孔を形成し、これを第二中間流路34aとしてもよい。
【0057】
中間ロータディスク41aを含む各ロータディスク41に形成されている貫通孔37は、第二中間流路34aに連通している。
【0058】
ベンチレーション流路22の流入部24は、二つの中間ロータディスク41a間に形成されている径方向外側流路31、外側キャビティ33o、及び、第一中間流路34の径方向外側Droの部分で形成される。ベンチレーション流路22の分配部26は、中間ロータディスク41aを含む各ロータディスク41に形成されている貫通孔37で形成される。
【0059】
貫通孔37が形成されている複数のロータディスク41のうち、最も軸方向上流側Dauのロータディスク41、及びこのロータディスク41よりも軸方向下流側Dadの全てのロータディスク41には、内側キャビティ33iよりも径方向内側Driの位置で、軸方向Daの貫通する孔が形成されている。ベンチレーション流路22の集合部28は、この孔で形成される。
【0060】
中間ロータディスク41aを含む各ロータディスク41の相互間には、中間キャビティ33mと内側キャビティ33iを連通させる第一内側流路35と、内側キャビティ33iと集合部28とを連通させる第二内側流路36と、が形成されている。ベンチレーション流路22における複数の分岐部27のうち、一つの分岐部27は、第一中間流路34の径方向内側Driの部分と、この第一中間流路34に連通する中間キャビティ33mと、この中間キャビティ33mに連通する第一内側流路35と、この第一内側流路35に連通する内側キャビティ33iと、この内側キャビティ33iに連通する第二内側流路36とにより形成される。また、ベンチレーション流路22における複数の分岐部27のうち、他の分岐部27は、第二中間流路34aと、この第二中間流路34aに連通する中間キャビティ33mと、この中間キャビティ33mに連通する第一内側流路35と、この第一内側流路35に連通する内側キャビティ33iと、この内側キャビティ33iに連通する第二内側流路36とにより形成される。
【0061】
中間ロータ軸171は、
図5に示すように、軸線を中心として円筒状の円筒部172と、この円筒部172の軸方向上流側Dauの部分から径方向内側Driに突出する上流側フランジ部173と、この円筒部172の軸方向下流側Dadの部分から径方向内側Driに突出する下流側フランジ部175と、を有する。円筒部172、上流側フランジ部173、及び下流側フランジ部175の径方向内側Driは、中空になっている。この中空部分は、混合空間177を形成する。上流側フランジ部173には、圧縮機10のスピンドルボルト29が挿通されるボルト貫通孔174が形成されている。中間ロータ軸171と圧縮機ロータ軸21とは、このスピンドルボルト29により連結されている。下流側フランジ部175には、後述するタービン110のスピンドルボルト129が挿通されるボルト貫通孔176が形成されている。中間ロータ軸171とタービンロータ軸121とは、このスピンドルボルト129により連結されている。
【0062】
この中間ロータ軸171には、中間ロータ軸171の径方向外側Droから下流側フランジ部175を経て混合空間177に貫通する第一冷却空気流路178が形成されている。
【0063】
中間ロータ軸カバー181は、中間車室191内に配置されている。この中間ロータ軸カバー181は、中間ロータ軸171の径方向外側Droを覆う筒状の内側カバー183と、この内側カバー183の径方向外側Droを覆う筒状の外側カバー182とを有する。外側カバー182の軸方向上流側Dauの端は、圧縮機10のディフューザ16を介してガスタービン車室3に固定されている。また、外側カバー182の軸方向下流側Dadの端は、タービン110の複数の静翼列161のうちで最も軸方向上流側の第一静翼列161aを介してガスタービン車室3に固定されている。内側カバー183は、中間ロータ軸171の径方向外側Droであって、中間ロータ軸171の外周面における第一冷却空気流路178の開口を含む領域を覆う。内側カバー183の軸方向上流側Dauの端は、外側カバー182の内周面に接続されている。内側カバー183の軸方向上流Dauの端よりも軸方向下流側Dadの部分の全ては、外側カバー182の内周面から径方向内側Driに離間している。この外側カバーの内周面と内側カバーの外周面との間の空間は、空気導入空間184を成す。外側カバー182には、冷却空気管189が接続されている。内側カバー183には、軸方向Daで中間ロータ軸171の第一冷却空気流路178の開口と実質的に同じ位置に、径方向外側Droから径方向内側Driに貫通する貫通孔185が形成されている。また、内側カバー183の内周面には、中間ロータ軸171との間をシールする上流側シール186と下流側シール187とが設けられている。上流側シール186は、内側カバー183の貫通孔185よりも軸方向上流側Dauに設けられている。下流側シール187は、内側カバー183の貫通孔185よりも軸方向下流側Dadに設けられている。
【0064】
冷却系統200からの冷却空気Acをガスタービンロータ2に導く冷却空気導入部材188は、冷却空気管189と中間ロータ軸カバー181とを有して構成される。
【0065】
圧縮機ロータ軸21に形成されているベンチレーション流路22の集合部28は、混合空間177に連通している。よって、圧縮機ロータ軸21のベンチレーション流路22を経た圧縮機抽気Bcomは、混合空間177内に流入する。また、中間ロータ軸カバー181の空気導入空間184には、冷却空気管189からの冷却空気Acが流入する。空気導入空間184内の冷却空気Acは、内側カバー183の貫通孔185、中間ロータ軸171の第一冷却空気流路178を経て、中間ロータ軸171の混合空間177内に流入する。このため、冷却系統200からの冷却空気Acと圧縮機ロータ軸21からの圧縮機抽気Bcomとは、この混合空間177内で混合する。
【0066】
タービン車室111は、
図6に示すように、タービン車室本体112と、このタービン車室本体112内に配置されている翼環113と、翼環113の径方向内側Driに配置されている分割環114と、を有する。翼環113は、タービン車室本体112の径方向内側Driに固定されている。分割環114は、タービン110の各動翼列151の径方向外側Droに位置に配置されている。翼環113の径方向内側Driには、複数の静翼162と複数の分割環114が固定されている。
【0067】
タービン110の静翼162は、
図7に示すように、径方向Drに延びる翼体163と、翼体163の径方向外側Droに設けられている外側シュラウド164と、翼体163の径方向内側Driに設けられている内側シュラウド165と、を有する。外側シュラウド164は、翼環113の径方向内側Driに取り付けられている。内側シュラウド165には、その径方向内側Driにシールリング166が設けられている。タービン110の動翼152は、径方向Drに延びる翼体153と、翼体153の径方向内側Driに設けられているプラットフォーム154と、プラットフォーム154の径方向内側Driに設けられている翼根155と、を有する。翼根155はタービンロータ軸121に埋め込まれている。動翼152には、空気流路156が形成されている。この空気流路156は、翼根155の外面で開口し、翼根155及びプラットフォーム154を経て、翼体153まで延びている。
【0068】
このタービン110で燃焼器80からの燃焼ガスGが通る燃焼ガス流路115は、軸線Arを中心として環状を成している。この燃焼ガス流路115の外周側は、分割環114及び静翼162の外側シュラウド164により画定されている。また、この燃焼ガス流路115の内周側は、動翼152のプラットフォーム154及び静翼162の内側シュラウド165により画定されている。
【0069】
タービンロータ軸121には、複数の動翼列151の相互間の軸方向Daにおける各位置に、言い換えると、複数の静翼列161の軸方向Daにおける各位置に、軸線Arを中心として環状を成し、径方向Drで互いに離間している複数のキャビティ133が形成されている。軸方向Daで隣接する二つの動翼列151の相互間の軸方向Daにおける位置に形成されている複数のキャビティ133は、一つのキャビティ群132を構成する。よって、タービンロータ軸121には、複数のキャビティ群132が軸方向Daに並んで形成されている。
【0070】
一つのキャビティ群132は、タービンロータ軸121内で最も径方向外側Droに形成されている外側キャビティ133oと、この外側キャビティ133oよりも径方向内側Driに形成されている内側キャビティ133iとの二つのキャビティ133で構成されている。
【0071】
タービンロータ軸121は、軸方向Daに積層される複数のロータディスク141と、複数のロータディスク141及び複数の内側キャビティ133iを軸方向Daに貫通するスピンドルボルト129と、を有する。複数のロータディスク141のそれぞれは、軸方向Daで隣り合うロータディスク141相互の相対回転を規制するためのギヤカップリング(不図示)が形成されている。
【0072】
一つのロータディスク141には、一つの動翼列151が取り付けられる。よって、ロータディスク141は、複数の動翼列151毎に存在する。
【0073】
一つのキャビティ群132を構成する複数のキャビティ133は、圧縮機ロータ軸21のキャビティ33と同様、軸方向Daで隣接する二つのロータディスク141間に形成されている。
【0074】
各ロータディスク141の径方向外側Droには、一の動翼列151を構成する複数の動翼152の翼根155が取り付けられる翼取付部149が形成されている。
【0075】
各ロータディスク141には、上流側第一凹部143uと、上流側第二凹部145uと、が形成されている。上流側第一凹部143uは、このロータディスク141の軸方向上流側Dauに外側キャビティ133oを形成するために、ロータディスク141中の軸方向上流側Dauの部分から軸方向下流側Dadに向かって凹む。上流側第二凹部145uは、このロータディスク141の軸方向上流側Dauに内側キャビティ133iを形成するために、上流側第一凹部143uより径方向内側Driの位置で、このロータディスク141中の軸方向上流側Dauの部分から軸方向下流側Dadに向かって凹む。よって、上流側第一凹部143uの径方向外側Droには、上流側第一凹部143uの底面に対して、相対的に軸方向上流側Dauに向かって突出する環状の上流側第一アーム部142uが形成されている。また、上流側第一凹部143uと上流側第二凹部145uとの間には、上流側第一凹部143uの底面及び上流側第二凹部145uの底面に対して、相対的に軸方向上流側Dauに向かって突出する環状の上流側第二アーム部144uが形成されている。
【0076】
環状の上流側第二アーム部144uには、軸方向下流側Dadに向かって凹んで、上流側第一凹部143uと上流側第二凹部145uとを連通させる複数の上流側連通溝144upが形成されている。複数の上流側連通溝144upは、周方向Dcに並んでいる。この上流側連通溝144upは、例えば、ロータディスク141における前述のギヤカップリングの歯の先端部を切り欠いたものである。
【0077】
さらに、各ロータディスク141には、下流側第一凹部143dと、下流側第二凹部145dと、が形成されている。下流側第一凹部143dは、このロータディスク141の軸方向下流側Dadに外側キャビティ133oを形成するために、ロータディスク141中の軸方向下流側Dadの部分から軸方向上流側Dauに向かって凹む。下流側第二凹部145dは、このロータディスク141の軸方向下流側Dadに内側キャビティ133iを形成するために、下流側第一凹部143dより径方向内側Driの位置で、ロータディスク141中の軸方向下流側Dadの部分から軸方向上流側Dauに向かって凹む。よって、下流側第一凹部143dの径方向外側Droには、下流側第一凹部143dの底面に対して、相対的に軸方向下流側Dadに向かって突出する環状の下流側第一アーム部142dが形成されている。また、下流側第一凹部143dと下流側第二凹部145dとの間には、下流側第一凹部143dの底面及び下流側第二凹部145dの底面に対して、相対的に軸方向下流側Dadに向かって突出する環状の下流側第二アーム部144dが形成されている。
【0078】
環状の下流側第二アーム部144dには、軸方向上流側Dauに向かって凹んで、下流側第一凹部143dと下流側第二凹部145dとを連通させる複数の下流側連通溝144dpが形成されている。複数の下流側連通溝144dpは、周方向Dcに並んでいる。この下流側連通溝144dpは、例えば、ロータディスク141における前述のギヤカップリングの歯の先端部を切り欠いたものである。
【0079】
外側キャビティ133oは、軸方向Daで隣接する二つのロータディスク141のうちの軸方向上流側Dauのロータディスク141における下流側第一凹部143dと、軸方向下流側Dadのロータディスク141における上流側第一凹部143uとにより画定される。内側キャビティ133iは、軸方向Daで隣接する二つのロータディスク141のうちの軸方向上流側Dauのロータディスク141における下流側第二凹部145dと、軸方向下流側Dadのロータディスク141における上流側第二凹部145uとにより画定される。
【0080】
軸方向Daで隣接する二つのロータディスク141のうちの軸方向上流側Dauのロータディスク141における下流側第一アーム部142dと、軸方向下流側Dadのロータディスク141における上流側第一アーム部142uとは、互いに軸方向Daで対向し且つ離間している。
【0081】
軸方向Daで隣接する二つのロータディスク141のうちの軸方向上流側Dauのロータディスク141における複数の下流側連通溝144dpと、軸方向下流側Dadのロータディスク141における複数の上流側連通溝144upとは、軸方向Daで互いに対向している。連通孔は、下流側連通溝144dpと上流側連通溝144upとにより画定される。トルクピンが装着されるピン孔は、円柱状のトルクピンの形状に対応して円柱状を成す。
【0082】
ロータディスク141には、上流側第二凹部145uの底面から下流側第二凹部145dの底面に貫通して、スピンドルボルト129が挿通されるボルト貫通孔138が形成されている。スピンドルボルト129は、軸方向Daに垂直な断面形状が円形である。一方、ボルト貫通孔138は、軸方向Daの断面形状が卵形等である。このため、スピンドルボルト129をボルト貫通孔138に挿通させた際、スピンドルボルト129の外周面の一部とボルト貫通孔138の内周面の一部との間に隙間138sが形成される。この隙間138sは、上流側第二凹部145uの底面から下流側第二凹部145dの底面に貫通する第一混合空気流路134を形成する。なお、ボルト貫通孔の断面形状は、スピンドルボルト129の外周面の一部とボルト貫通孔138の内周面の一部との間に隙間138sが形成されれば、いかなる形状でもよく、例えば、互いの中心位置が異なり且つ互いに部分的に重なっている二つの円を合せた形状等であってもよい。
【0083】
図6に示すように、複数のロータディスク141のうち、最も軸方向上流側Dauの第一ロータディスク141aの上流側第二アーム部144uより径方向外側Droの部分は、空気導入空間184に面している。この第一ロータディスク141aには、第二冷却空気流路122が形成されている。第二冷却空気流路122は、第一ロータディスク141aで空気導入空間184に面している面から翼取付部149の外面に貫通している。このため、空気導入空間184内の冷却空気Acは、この第二冷却空気流路122及び翼取付部149を経て、この第一ロータディスク141aに取り付けられている第一動翼列151aの各動翼152に送られる。
【0084】
第一ロータディスク141aの上流側第二アーム部144uよりも径方向内側Driの部分、より具体的には、上流側第二凹部45uを形成する面は、混合空間177に面している。このため、第一ロータディスク141aに形成され、その上流側第二凹部45uの底面で開口している第一混合空気流路134内には、混合空気Amが流入する。この混合空気Amは、第一ロータディスク141aの第一混合空気流路134から、第一ロータディスク141aと第二ロータディスク141bの間に形成されている内側キャビティ133i内に流入する。この混合空気Amは、以降、各ロータディスク141に形成されている第一混合空気流路134を経て、各ロータディスク141の相互間に形成されている内側キャビティ133iに流入する。
【0085】
第一ロータディスク141a、及び第一ロータディスク141aよりも軸方向下流側Dadの複数のロータディスク141の各互間に形成されている前述の複数の連通孔は、軸方向Daで隣接する二つのロータディスク141の相互間に形成されている外側キャビティ133oと内側キャビティ133iとを連通させる第二混合空気流路135を形成する。よって、第一ロータディスク141a、及び第一ロータディスク141aよりも軸方向下流側Dadの複数のロータディスク141の各相互間に形成されている内側キャビティ133i内の混合空気Amは、第二混合空気流路135を経て、これらのロータディスク141の各相互間に形成されている外側キャビティ133o内に流入する。なお、ここでは、ロータディスク141における前述のギヤカップリングの歯の先端部を切り欠いたことで形成される連通孔を第二混合空気流路135として利用しているが、別途孔を形成し、これを第二混合空気流路135としてもよい。
【0086】
第一ロータディスク141aよりも軸方向下流側Dadの複数のロータディスク141には、上流側第一凹部143uを形成する面から翼取付部149の外面に貫通する第三混合空気流路136が形成されている。よって、第一ロータディスク141a、及び第一ロータディスク141aよりも軸方向下流側Dadの複数のロータディスク141の各相互間に形成されている内側キャビティ133i内の混合空気Amは、第三混合空気流路136を経て、第一ロータディスク141aよりも軸方向下流側Dadの複数のロータディスク141に取り付けられている動翼152の空気流路156に流入する。
【0087】
混合空気Amが流れるタービンロータ軸121の混合空気流路137は、第一混合空気流路134と、内側キャビティ133iと、第二混合空気流路135と、外側キャビティ133oと、第三混合空気流路136と、を有して構成される。
【0088】
次に、以上で説明したガスタービン設備の動作について説明する。
【0089】
図1及び
図2に示すように、圧縮機ロータ20が回転すると、圧縮機10の空気取入口12から外気Aが空気圧縮流路15内に流入する。空気Aは、この空気圧縮流路15内を軸方向上流側Dauから軸方向下流側Dadに流れていく過程で次第に圧縮されて、圧縮空気Acomとなる。空気圧縮流路15からの圧縮空気Acomは、空気吐出流路17を経て、圧縮機10の空気吐出口18から中間車室191内に流入する。
【0090】
中間車室191内に流入した圧縮空気Acomの一部は、
図1及び
図5に示すように、燃焼器80内に流入する。この燃焼器80には、燃料供給源からの燃料Fも供給される。燃焼器80内では、この燃料Fが圧縮空気Acom中に燃焼し、高温高圧の燃焼ガスGが生成される。
【0091】
高温高圧の燃焼ガスGは、
図1及び
図6に示すように、燃焼器80からタービン110の燃焼ガス流路115内に流入する。この燃焼ガスGは、燃焼ガス流路115内を流れる過程で、タービンロータ120を回転させる。燃焼器80からタービン110の燃焼ガス流路115内に流入する際の燃焼ガスGの温度は、千数百℃にもなる。この燃焼ガスGの温度は、燃焼ガスGが燃焼ガス流路115内を流れる過程で、次第に低下する。
【0092】
中間車室191内に流入した圧縮空気Acomの他の一部は、
図1及び
図5に示すように、冷却系統200の冷却空気ライン201を経て、冷却器205内に流入する。この圧縮空気Acomは、冷却器205に流入すると冷却されて、冷却空気Acとなる。ここでは、中間車室191内に流入した圧縮空気Acomの温度を、例えば、500℃とする。また、冷却器205により冷却された圧縮空気Acom、つまり冷却空気Acの温度を、例えば、200℃とする。この冷却空気Acは、冷却空気ライン201、及び中間車室191内に設けられている冷却空気管189を経て、中間ロータ軸カバー181の空気導入空間184内に流入する。空気導入空間184内に流入した冷却空気Acの一部は、タービン110の第一ロータディスク141aに形成されている第二冷却空気流路122を経て、この第一ロータディスク141aに取り付けられている第一動翼列151aの各動翼152の空気流路156に流入する。冷却空気Acは、動翼152の空気流路156を流れる過程で、動翼152を冷却する。この冷却空気Acは、この空気流路156を経て、動翼152外、つまり燃焼ガス流路115内に流出する。よって、本実施形態では、第一ロータディスク141aに取り付けられている複数の動翼152、つまり複数の第一段動翼152は、例えば、200℃の冷却空気Acにより冷却される。
【0093】
圧縮機10の空気圧縮流路15内を流れている圧縮空気Acomの一部は、圧縮機抽気Bcomとして、
図1及び
図2に示すように、圧縮機ロータ軸21に形成されているベンチレーション流路22の流入口25からこのベンチレーション流路22内に流入する。言い換えると、圧縮機10の空気圧縮流路15内を流れている圧縮空気Acomの一部は、圧縮機抽気Bcomとして、軸方向Daで隣り合う中間ロータディスク41aの相互間に流入する。ベンチレーション流路22の流入口25からベンチレーション流路22内に流入した圧縮機抽気Bcomは、このベンチレーション流路22で径方向Drに延びる流入部24を経て、軸方向Daに延びる分配部26に流入する。分配部26に流入した圧縮機抽気Bcomは、軸方向Daで互いに異なる位置に形成されている複数の分岐部27に流入する。各分岐部27に流入した圧縮機抽気Bcomは、いずれも、軸方向Daに延びる集合部28に流入し、この集合部28を経て、中間ロータ軸171内の混合空間177に流出する。
【0094】
ところで、
図4に示すように、圧縮機10の動翼52の径方向外側Dro端と、この径方向外側Dro端と径方向Drで対向する圧縮機車室11の内周面との間には、クリアランスがある。このクリアランスは、一般的にチップクリアランスCCと呼ばれ、圧縮機性能の観点から、できる限り小さいことが好ましい。
【0095】
圧縮機ロータ20、特に圧縮機ロータ軸21は、径方向Drの寸法が、圧縮機車室11の径方向Drの厚さ寸法に比べて大きい。このため、圧縮機ロータ20は、圧縮機車室11に対して熱容量が大きく、空気圧縮流路15を流れる圧縮空気Acomの温度変化に対する熱応答性が圧縮機車室11よりも低い。よって、空気圧縮流路15を流れる圧縮空気Acomが温度変化した場合に、圧縮機ロータ20と圧縮機車室11との熱応答性の差により、チップクリアランスCCに変化が生じる。
【0096】
チップクリアランスCCの変化が大きい場合、定常クリアランスを大きくする必要がある。なお、定常クリアランスとは、ガスタービン1の安定運転が継続し、且つ圧縮機ロータ20及び圧縮機車室11が共に継続して同じ温度になっているときのチップクリアランスCCである。この定常クリアランスが大きいと、ガスタービン1の定常運転時、動翼52の径方向外側Dro端と圧縮機車室11の内周面との間を通過する圧縮空気Acomの流量が多くなる。このため、定常クリアランスが大きいと、ガスタービン1の定常運転時における圧縮機性能が低くなるばかりか、ガスタービン性能も低くなる。
【0097】
そこで、本実施形態では、前述したように、圧縮機ロータ軸21中に空気圧縮流路15内から抽気した圧縮機抽気Bcomを流し、圧縮機ロータ軸21内を換気することで、空気圧縮流路15を流れる圧縮空気Acomの温度変化に対する圧縮機ロータ20の熱応答性を高め、チップクリアランスCCの変化を小さくしている。本実施形態では、このように、起動時のチップクリアランスCCの変化が小さくなるので、定常クリアランスを小さくすることができる。よって、本実施形態では、ガスタービン1の定常運転時時における圧縮機性能を高めることができ、結果としてガスタービン性能を高めることができる。
【0098】
軸流圧縮機では、軸方向上流側Dauから軸方向下流側Dadに流れる過程で、その圧力が高まると共にその温度も高まる。このため、停止時と運転時とにおける温度変化は、軸流圧縮機の軸方向上流側Dauの部分よりも軸方向下流側Dad部分の方が大きい。そこで、本実施形態では、
図2に示すように、二つの中間動翼列51aの間を流れる圧縮空気Acomの一部を、最も軸方向下流側Dadのロータディスク41を含め、このロータディスク41から軸方向上流側Dauの複数のロータディスク41の相互間に圧縮機抽気Bcomとして流し、圧縮機ロータ20のうちで、軸方向下流側Dadの部分の熱応答性を高めている。
【0099】
中間ロータ軸171内の混合空間177には、
図1及び
図5に示すように、圧縮機ロータ軸21からの圧縮機抽気Bcomの他に、冷却系統200で生成された冷却空気Acも流入する。冷却系統200の冷却器205で生成された冷却空気Acは、冷却空気ライン201を経て、中間車室191内に設けられている冷却空気管189を経て、中間ロータ軸カバー181の空気導入空間184内に流入する。空気導入空間184内に流入した冷却空気Acの一部は、中間ロータ軸171に形成されている第一冷却空気流路178を経て、この中間ロータ軸171内の混合空間177内に流入する。この冷却空気Acの温度は、前述したように、例えば、200℃である。また、この混合空間177に流入する圧縮機ロータ軸21からの圧縮機抽気Bcomの温度は、例えば、400℃である。混合空間177内では、圧縮機ロータ軸21からの圧縮機抽気Bcomと冷却系統200からの冷却空気Acとが混ざり合って、例えば、300℃の混合空気Amになる。
【0100】
この混合空気Amは、
図1及び
図6に示すように、タービン110の第一ロータディスク141aに形成されている第一混合空気流路134を経て、第一ロータディスク141aと第二ロータディスク141bとの間の内側キャビティ133i内に流入する。この内側キャビティ133iに流入した混合空気Amの一部は、第二混合空気流路135を経て、第一ロータディスク141aと第二ロータディスク141bとの間の外側キャビティ133o内に流入する。この混合空気Amは、第二ロータディスク141bに形成されている第三混合空気流路136を経て、第二ロータディスク141bに取り付けられている複数の動翼152の空気流路156に流入する。混合空気Amは、動翼152の空気流路156を流れる過程で、動翼152を冷却する。この混合空気Amは、この空気流路156を経て、動翼152外、つまり燃焼ガス流路115内に流出する。
【0101】
第一ロータディスク141aと第二ロータディスク141bとの間の内側キャビティ133iに流入した混合空気Amの他の一部は、第二ロータディスク141bに形成されている第一混合空気流路134を経て、第二ロータディスク141bと第三ロータディスク141cとの間の内側キャビティ133i内に流入する。この内側キャビティ133iに流入した混合空気Amの一部は、第二混合空気流路135を経て、第二ロータディスク141bと第三ロータディスク141cとの間の外側キャビティ133o内に流入する。この混合空気Amは、第三ロータディスク141cに形成されている第三混合空気流路136を経て、第三ロータディスク141cに取り付けられている複数の動翼152の空気流路156に流入する。混合空気Amは、動翼152の空気流路156を流れる過程で、動翼152を冷却する。この混合空気Amは、この空気流路156を経て、動翼152外、つまり燃焼ガス流路115内に流出する。
【0102】
よって、本実施形態では、タービンロータ軸121が、例えば、300℃の混合空気Amにより冷却される。さらに、本実施形態では、第二ロータディスク141b及び第三ロータディスク141cに取り付けられている複数の動翼152も、この300℃の混合空気Amにより冷却される。
【0103】
仮に、圧縮機ロータ軸21から流出した圧縮機抽気Bcomをそのままタービンロータ軸121に導くとする。この場合、例えば、400℃の空気でタービンロータ軸121に取り付けられている複数の動翼152が冷却されることになる。これに対して、本実施形態では、タービン110の第一動翼列151aの各動翼152を、冷却系統200からの冷却空気Ac(例えば、200℃)で冷却する。また、本実施形態では、タービン110の第一動翼列151aより軸方向下流側Dadの動翼列151の各動翼152を、冷却系統からの冷却空気Acと圧縮機ロータ軸21からの圧縮機抽気Bcomとの混合空気Am(例えば、300℃)で冷却する。
【0104】
このため、本実施形態では、圧縮機ロータ軸21から流出した圧縮機抽気Bcomでタービン110の動翼152を冷却する場合よりも、温度の低い空気でタービン110の動翼152を冷却することができる。しかも、本実施形態では、タービン110の動翼152のうちで、最も高温の燃焼ガスGに晒される第一動翼列151aの各動翼152を200℃の冷却空気Acで冷却する。よって、本実施形態では、燃焼器80で生成される燃焼ガスGの温度をより高くすることができ、結果として、ガスタービン1の出力を向上させることができる。
【0105】
「圧縮機ロータの第一変形例」
以上で説明した実施形態における圧縮機ロータの第一変形例について、
図8を用いて説明する。
【0106】
上記実施形態の圧縮機ロータ20では、空気圧縮流路15内の圧縮空気Acomを圧縮機抽気Bcomとして圧縮機ロータ軸21の軸方向Daの一箇所から圧縮機ロータ軸21内に導いている。すなわち、上記実施形態のベンチレーション流路22は、軸方向Daの一箇所を流入口25としている。
【0107】
しかしながら、
図8に示す本変形例の圧縮機ロータ20aのように、空気圧縮流路15内の圧縮空気Acomを圧縮機抽気Bcomとして圧縮機ロータ軸21aの軸方向Daの複数箇所から圧縮機ロータ軸21a内に導いてもよい。すなわち、本変形例のベンチレーション流路22aは、軸方向Daの複数箇所を流入口25とする。この場合、圧縮機ロータ軸21aの軸方向Daの一の箇所から圧縮機ロータ軸21a内に圧縮機抽気Bcomを導いた後、この圧縮機抽気Bcomを圧縮機ロータ軸21aの軸方向Daで互いに異なる位置に分配すると共に、圧縮機ロータ軸21aの軸方向Daの他の箇所から圧縮機ロータ軸21a内に圧縮機抽気Bcomを導いた後、この圧縮機抽気Bcomを圧縮機ロータ軸21aの軸方向Daで互いに異なる位置に分配してもよい。
【0108】
「圧縮機ロータの第二変形例」
以上で説明した実施形態における圧縮機ロータの第二変形例について、
図9を用いて説明する。
【0109】
上記実施形態の圧縮機ロータ20では、空気圧縮流路15内の圧縮空気Acomを圧縮機抽気Bcomとして圧縮機ロータ軸21内に導いた後、この圧縮機抽気Bcomを軸方向上流側Dauと軸方向下流側Dadとに分配している。すなわち、上記実施形態のベンチレーション流路22は、流入部24を基準にして、分配部26を軸方向上流側Dauに延ばすと共に軸方向下流側Dadにも延ばし、軸方向上流側Dauの分配部26、さらに、軸方向下流側Dadの分配部26のそれぞれに対して複数の分岐部27を接続している。
【0110】
しかしながら、
図9に示す本変形例の圧縮機ロータ20bのように、空気圧縮流路15内の圧縮空気Acomを圧縮機抽気Bcomとして圧縮機ロータ軸21b内に導いた後、この圧縮機抽気Bcomを軸方向上流側Dauの複数箇所にのみ分配してもよい。すなわち、本変形例のベンチレーション流路22bは、流入部24bを基準にして、分配部26bを軸方向上流側Dauにのみ延ばし、この分配部26bに対して複数の分岐部27を接続している。
【0111】
なお、空気圧縮流路15内の圧縮空気Acomを圧縮機抽気Bcomとして圧縮機ロータ軸21bに導いた後、この圧縮機抽気Bcomを軸方向下流側Dadの複数箇所にのみ分配してもよい。
【0112】
「圧縮機ロータの第三変形例」
以上で説明した実施形態における圧縮機ロータの第三変形例について、
図10を用いて説明する。
【0113】
上記実施形態の圧縮機ロータ20では、空気圧縮流路15内の圧縮空気Acomを圧縮機抽気Bcomとして圧縮機ロータ軸21内に導いた後、この圧縮機抽気Bcomを軸方向Daで互いに異なる位置に分配している。すなわち、上記実施形態のベンチレーション流路22は、軸方向Daで互いに異なる位置に複数の分岐部27が存在する。
【0114】
しかしながら、
図10に示す本変形例の圧縮機ロータ20cのように、空気圧縮流路15内の圧縮空気Acomを圧縮機抽気Bcomとして圧縮機ロータ軸21c内に導いた後、この圧縮機抽気Bcomを軸方向Daで互いに異なる複数箇所に分配せずに、そのまま混合空間177に流出させてもよい。すなわち、本変形例のベンチレーション流路22cは、流入部24を有するものの、この流入部24に対する上記実施形態の分配部26及び分岐部27に相当する部分がない。この場合、軸方向Daで互いに異なる位置に複数の流入部24を形成し、各流入部24に流入した圧縮機抽気Bcomを軸方向Daで互いに異なる複数箇所に分配せずに、そのまま混合空間177に流出させてもよい。
【0115】
「タービンロータの変形例」
以上で説明した実施形態におけるタービンロータの変形例について、
図11を用いて説明する。
【0116】
上記実施形態のタービンロータ120では、冷却系統200からの冷却空気Acを第一動翼列151aにのみ導いている。しかしながら、
図11に示す本変形例のタービンロータ120aのように、この冷却空気Acを第一動翼列151aのみならず、第一動翼列151aより軸方向下流側Dadの第二動翼列151bや第三動翼列151cにも導いてもよい。
【0117】
本変形例のタービンロータ軸121aを構成する複数のロータディスク141のうち、最も軸方向上流側Dauの第一ロータディスク141a、この第一ロータディスク141aの軸方向下流側Dadに隣接する第二ロータディスク141bには、軸方向Daに貫通する第三冷却空気流路123が形成されている。第一ロータディスク141aに形成されている第三冷却空気流路123は、第一ロータディスク141aの第二上流側アーム144uより径方向外側Droの部分であって、空気導入空間184に面した位置から、軸方向下流側Dadに延びて、第一ロータディスク141aの下流側第一凹部143dの底面で開口している。このため、第一ロータディスク141aと第二ロータディスク141bとの間の外側キャビティ133oと空気導入空間184とは、この第三冷却空気流路123により連通している。また、第二ロータディスク141bに形成されている第三冷却空気流路123は、第二ロータディスク141bの上流側第一凹部143uの底面から軸方向下流側Dadに延びて、この第二ロータディスク141bの下流側第一凹部143dの底面で開口している。このため、第一ロータディスク141aと第二ロータディスク141bとの間の外側キャビティ133oと第二ロータディスク141bと第三ロータディスク141cとの間の外側キャビティ133oとは、この第三冷却空気流路123により連通している。
【0118】
本変形例では、第一ロータディスク141aと第二ロータディスク141bとの間の外側キャビティ133oには、第一ロータディスク141aと第二ロータディスク141bとの間の内側キャビティ133i内の混合空気Amが第二混合空気流路135を経て流入する。さらに、この外側キャビティ133oには、空気導入空間184の冷却空気Acが第一ロータディスク141aの第三冷却空気流路123を経て流入する。よって、第一ロータディスク141aと第二ロータディスク141bとの間の外側キャビティ133o内では、例えば、200℃の冷却空気Acと、300℃の混合空気Amとが混合する。この結果、この外側キャビティ133o内では、混合空間177内で生成される混合空気Amよりも温度の低い混合空気Am1が生成される。この混合空気Am1の一部は、第二ロータディスク141bに形成されている第三混合空気流路136を経て、第二ロータディスク141bに取り付けられている第二動翼列151bの各動翼152の空気流路156に流入する。
【0119】
第一ロータディスク141aと第二ロータディスク141bとの間の外側キャビティ133o内の混合空気Am1の他の一部は、第二ロータディスク141bの第三冷却空気流路123を経て、第二ロータディスク141bと第三ロータディスク141cとの間の外側キャビティ133o内に流入する。この外側キャビティ133oには、第二ロータディスク141bと第三ロータディスク141cとの間の内側キャビティ133i内の混合空気Amが第二混合空気流路135を経て流入する。よって、第二ロータディスク141bと第三ロータディスク141cとの間の外側キャビティ133o内では、300℃の混合空気Amと、温度が300℃より低い混合空気Am1とが混合する。この結果、この外側キャビティ133o内では、混合空間177内で生成される混合空気Amよりも温度の低い混合空気Am2が生成される。この混合空気Am2の一部は、第三ロータディスク141cに形成されている第三混合空気流路136を経て、第三ロータディスク141cに取り付けられている第三動翼列151cの各動翼152の空気流路156に流入する。
【0120】
よって、本変形例では、上記実施形態よりも、第二ロータディスク及び第三ロータディスクに取り付けられている複数の動翼152に温度の低い空気を供給することができる。