(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車線の路面上に配置されて、車両のタイヤによる踏み付けを検出する踏板と、前記車線の少なくとも前記踏板よりも進行方向手前側の所定範囲において前記タイヤが配置される高さにレーザ光を投光するとともに、当該レーザ光の反射光を検出するレーザ検出器と、を有して前記車線を走行する前記車両の車種区分を判別する車種判別装置のコンピュータを、
前記踏板及び前記レーザ検出器の検出結果に基づいて、前記車両の車軸数を特定する車軸数特定手段、
として機能させ、
前記レーザ検出器は、当該レーザ検出器の設置位置よりも進行方向手前側に向けてレーザを投光し、当該レーザ検出器の設置位置よりも進行方向手前側から入射する反射光を検出する
プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態に係る車種判別装置について、
図1〜
図12を参照しながら説明する。
【0023】
(全体構成)
図1は、第1の実施形態に係る料金収受設備の全体構成を示す図である。
第1の実施形態に係る料金収受設備1は、有料道路である高速道路の出口料金所(料金形式によっては入口料金所)に設けられ、高速道路の利用者から、当該利用者が乗車する車両の車種区分に応じた課金を行うための設備である。
図1に示す例では、高速道路の利用者が乗車する車両Aは、出口料金所に設けられた料金収受設備1において高速道路側から一般道路側へと通じる車線Lを走行している。車線Lの両側にはアイランドIが敷設されており、料金収受設備1を構成する各種装置が設置されている。
以下、高速道路側(
図1における+X方向側)を車線Lの「上流側」、又は、車線Lの「進行方向手前側」とも記載する。また、一般道路側(
図1における−X方向側)を車線Lの「下流側」、又は、車線Lの「進行方向奥側」とも記載する。
【0024】
図1に示すように、料金収受設備1は、車種判別装置10と、料金自動収受機20と、発進制御機40と、発進側車両検知器50と、を備えている。
車種判別装置10は、車線Lを走行する車両Aの車種区分(例えば、「軽自動車(二輪車を含む)」、「普通車」、「中型車」、「大型車」及び「特大車」等の区分)を判別する装置である。
車種判別装置10は、車線Lの上流側に設けられ、アイランドI上に設けられた各種検出センサ(進入側車両検知器10A、レーザ検出器10C)と、車線Lの路面上に設けられた踏板(踏板10B)と、を有してなる。
【0025】
料金自動収受機20は、車線Lを走行する車両Aの運転者等(利用者)に課金額等を提示して、料金収受処理を行う機械である。料金自動収受機20の前面(車線L側を向く面)には、課金額を提示するディスプレイや紙幣、硬貨又はクレジットカード等を受け付ける受け付け口等が設けられている。
料金自動収受機20は、車種判別装置10の下流側におけるアイランドI上に設けられ、車種判別装置10によって判別された車両Aの車種区分に応じた金額を課金する。
【0026】
発進制御機40は、料金自動収受機20の下流側に設けられ、車線Lを走行する車両Aの発進の制御を行う装置である。例えば、発進制御機40は、車線Lに進入した車両Aの運転手等が、料金自動収受機20を通じて必要な金額の支払い処理を完了するまで車両Aを発進させないように車線Lを閉塞する。また、支払いが完了した際には、車両Aを退出すべく、車線Lを開放する。
【0027】
発進側車両検知器50は、車線Lの最も下流側に設けられ、車両Aの料金収受設備1からの退出を検知する。
【0028】
図1に示すように、車種判別装置10は、進入側車両検知器10Aと、踏板10Bと、レーザ検出器10Cと、主制御部10Dと、を備えている。
進入側車両検知器10Aは、アイランドI上に設けられ、車線Lを車線幅方向(±Y方向)に挟んで対向する投光塔及び受光塔を通じて、車線Lを走行する車両A(車体)の存在の有無を判別し、車両A一台分の通過(進入)を検出する。
踏板10Bは、車線Lの路面上において車線幅方向に伸びるように配置され、走行する車両Aのタイヤによる踏み付けを検出する。進入側車両検知器10Aと踏板10Bとの車線方向(±X方向)における位置は同じである。踏板10Bは、踏まれた位置及び範囲を検出可能とされており、進入側車両検知器10Aの検出結果と組み合わせることで、車両Aの車軸数、トレッド幅及びタイヤ幅を特定することができる。
レーザ検出器10Cは、車線Lを走行する車両Aのタイヤの位置(フットパターン)を検出するための検出器である。レーザ検出器10Cは、踏板10Bよりも進行方向手前側(例えば、アイランドIの最も上流側)に配置されている。レーザ検出器10Cの具体的態様については後述する。
主制御部10Dは、車種判別装置10全体の動作を司るCPU(Central Processing Unit)である。具体的には、主制御部10Dは、進入側車両検知器10A、踏板10B及びレーザ検出器10Cからの各種検出信号を受け付けるとともに、その検出結果に基づいて、走行する車両Aの車種区分を一意に判別する。
また、主制御部10Dは、判別した車種区分を直ちに料金自動収受機20に通知する。これにより、料金自動収受機20は、車両Aとの料金収受処理において、車種判別装置10によって判別された車種区分に応じた額を課金することができる。
なお、本実施形態において、主制御部10Dは、車種判別装置10(例えば、
図1に示すように、進入側車両検知器10A)に内蔵されている態様で図示しているが、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。例えば、他の実施形態においては、主制御部10DがアイランドI上、又は、遠隔地に設置された車種判別装置10以外の装置に内蔵され、通信ネットワーク等で接続される態様であってもよい。
【0029】
(レーザ検出器の構造)
図2、
図3は、それぞれ、第1の実施形態に係るレーザ検出器の機能を説明する第1の図、第2の図である。
具体的には、
図2は、車線L及び車両Aを横(−Y方向側)から見た状態を図示している。また、
図3は、車線L及び車両Aを上(+Z方向側)から見た状態を図示している。
【0030】
図2に示すように、レーザ検出器10Cは、アイランドIの最も上流側に配置され、高さ方向(±Z方向)における車両Aのタイヤのみが配置される高さ(最低地上高よりも低い高さ)で、車線Lの路面に沿ってレーザ光laを投光する。また、レーザ検出器10Cは、車両Aのタイヤ表面で生じるレーザ光laの反射光を検出する。
また、
図3に示すように、レーザ検出器10Cは、レーザ光laの投光角度θを水平方向に連続的に変化させ、レーザ検出器10Cの設置位置から放射状にレーザ光laを投光することでレーザスキャン(走査)を行う。
このような構成により、レーザ検出器10Cは、車線Lのうち少なくとも、踏板10Bよりも進行方向手前側の所定範囲(スキャン範囲N)において、当該車線Lを走行する車両Aのタイヤとの位置関係に応じたスキャンデータを取得することができる。
なお、本実施形態において、レーザ検出器10Cは、設置された位置から10メートル程度離れた車両のタイヤが検出可能となるようにレーザ光laの出力強度等が調整されている。また、スキャン範囲N全体に渡る一回のスキャン速度は、車両Aの移動速度に対して十分に速い。
また、レーザ検出器10Cは、スキャン範囲N全体に渡るレーザスキャンを所定時間ごと(例えば、10ミリ秒ごと)に繰り返し実行し、複数回のレーザスキャンに対応する複数のスキャンデータを逐次取得する。
【0031】
図4は、第1の実施形態に係る料金収受設備と車両との位置関係の例を示す図である。
具体的には、
図4は、車体サイズが大きい車種区分(「大型車」、「特大車」)に属する車両Aが料金収受設備1に進入した場合の例を示している。
なお、
図4に示す例において、車両Aは、車体の進行方向奥側(−X方向側)に設けられた車軸S1に対応して、進行方向左側(−Y方向側)にタイヤT11を有し、進行方向右側(+Y方向側)にタイヤT12を有している。また、車両Aは、車体の進行方向手前側(+X方向側)に設けられた車軸S2、S3に対応して、それぞれ、進行方向左側にタイヤT21、T31を有し、進行方向右側にタイヤT22、T32を有している。
【0032】
また、
図4に示すように、第1の実施形態に係る料金収受設備1において、料金自動収受機20とその上流側に配置された踏板10Bとの間隔は、間隔d1とされている。また、
図4に示すように、踏板10Bとその上流側に配置されたレーザ検出器10Cとの間隔は、間隔d2とされている。
ここで、「大型車」(又は「特大車」)である車両Aの車長Dが、間隔d1よりも大きい場合を考える。
【0033】
図4に示す例によれば、車長D(>間隔d1)の車両Aの運転座席(進行方向奥側)が料金自動収受機20に到達した段階において、車両Aの進行方向手前側(+X方向側)の一部は、踏板10Bの上を未だ通過していない状態にある。そうすると、車種判別装置10は、運転者等が料金の支払処理を行う段階で、踏板10Bの検出結果に基づいて車両A全体の車軸数を特定できず、ひいては車両Aの車種区分を判別することができない。
そこで、第1の実施形態に係る車種判別装置10は、レーザ検出器10Cの検出結果に基づいて、車両Aのうち踏板10Bよりも進行方向手前側の範囲における車軸数を特定する。
【0034】
(車種判別装置の機能構成)
図5は、第1の実施形態に係る車種判別装置の機能構成を示す図である。
図5に示すように、車種判別装置10は、進入側車両検知器10Aと、踏板10Bと、レーザ検出器10Cと、主制御部10Dと、を備えている。進入側車両検知器10A、踏板10B及びレーザ検出器10Cの構造的な機能及び位置関係については、
図1〜
図4を用いて説明した通りである。
【0035】
本実施形態に係る主制御部10Dは、所定のプログラムを読み込んで実行することで、車軸数特定部101及び車種区分判別部102としての機能を発揮する。以下、車軸数特定部101及び車種区分判別部102の機能について説明する。
【0036】
車軸数特定部101は、踏板10B及びレーザ検出器10Cの検出結果に基づいて、車両Aの車軸数を特定する。
図5に示すように、本実施形態に係る車軸数特定部101は、奥側車軸数特定部101Aと、手前側車軸数特定部101Bと、有している。
【0037】
車種区分判別部102は、車軸数特定部101が特定した車軸数に基づいて、車両Aの車種区分を判別する。また、車種区分判別部102は、判別した車種区分を料金自動収受機20に通知する。
なお、
図5において、車種区分判別部102は、車軸数特定部101が特定した車両Aの車軸数のみを入力するものとして図示しているが、実際には、踏板10Bの検出結果から特定される車両Aのトレッド幅、タイヤ幅等との組み合わせにより、車両Aの車種区分を判別する。また、他の実施形態に係る車種判別装置10は、更に、車両Aの車高を検出可能な車高検出器や、車両Aのナンバープレート情報を検出可能なナンバープレート検出器等の検出結果を組み合わせて、車両Aの車種区分を判別してもよい。
【0038】
次に、車軸数特定部101が有する奥側車軸数特定部101A及び手前側車軸数特定部101Bについて説明する。
奥側車軸数特定部101Aは、踏板10Bの検出結果に基づいて、車両Aのうち踏板10Bよりも進行方向奥側の範囲における車軸数を特定する。具体的には、奥側車軸数特定部101Aは、進入側車両検知器10Aによる車両Aの進入検知中において、踏板10Bが踏まれた回数をカウントする。踏板10Bが踏まれた回数は、即ち、車両Aのうち踏板10Bを踏みつけて当該踏板10Bよりも進行方向奥側に移動した車軸数である(
図4参照)。
【0039】
一方、手前側車軸数特定部101Bは、レーザ検出器10Cの検出結果に基づいて、車両Aのうち踏板10Bよりも進行方向手前側の範囲における車軸数を特定する。具体的には、手前側車軸数特定部101Bは、踏板10Bよりも進行方向手前側のスキャン範囲Nに属するタイヤの車軸数を特定する。
以下、手前側車軸数特定部101Bの詳細な機能について説明する。
【0040】
(手前側車軸数特定部の機能構成)
図6は、第1の実施形態に係る手前側車軸数特定部の機能構成を示す図である。
図6に示すように、本実施形態に係る手前側車軸数特定部101Bは、タイヤ判定部110と、車軸判定部111と、移動方向距離特定部112と、同一車両判定部113と、踏板検出タイヤ特定部114と、を備えている。
【0041】
タイヤ判定部110は、レーザ検出器10Cの検出結果として得られる複数の検出座標が予め規定されたタイヤ形状パターンに当てはまる場合に、当該複数の検出座標に対応する位置に車両Aのタイヤが存在していると判定する。
車軸判定部111は、レーザ検出器10Cの検出結果に基づいて特定される2つのタイヤの位置関係が予め規定されたタイヤ配置パターンに当てはまる場合に、車両Aが当該2つのタイヤに対応する一の車軸を有していると判定し、当該2つのタイヤを対応付ける処理を行う。
移動方向距離特定部112は、レーザ検出器10Cが複数の時刻で検出した複数の検出結果に基づいて、車両Aのタイヤの移動ベクトル(移動方向及び移動距離)を特定する。
同一車両判定部113は、複数のタイヤについての移動ベクトルが一致する場合に、当該複数のタイヤが一の車両に属していると判定し、当該複数のタイヤを対応付ける処理を行う。
踏板検出タイヤ特定部114は、複数のタイヤについての移動ベクトルに基づいて、レーザ検出器10Cによって検出されたタイヤのうち、踏板10Bによって検出されたタイヤ(踏板10Bを踏みつけたタイヤ)を特定する。
【0042】
図7は、第1の実施形態に係るタイヤ判定部の機能を説明する図である。
図7に示すように、レーザ検出器10Cは、タイヤ表面におけるレーザ光laの反射光を受光して、レーザ検出器10Cと各タイヤとの位置関係(方位及び距離)に基づくスキャンデータを取得する。スキャンデータは、水平面(XY平面)におけるレーザ光laの投光角度θと、各投光角度θに対応する計測距離rと、によって仮想のXY座標平面上に特定される座標(検出座標群Q1、Q2)の集合で構成される。
タイヤ判定部110は、スキャン範囲N(
図3、
図4参照)に対応する仮想のXY座標平面を規定するとともに、投光角度θ及び計測距離rに基づいて当該XY座標平面上に座標(検出座標群Q1、Q2)をプロットする。
【0043】
ここで、レーザ検出器10Cが検出した反射光が車両Aのタイヤ表面で生じた反射光であった場合、そのスキャンデータは、
図7に示すように、車両Aの各タイヤの形状に対応する特定の座標パターン(XY座標平面上における各検出座標の配置のパターン)を示す。即ち、レーザ検出器10Cは、車両Aの進入段階において、進行方向奥側かつ進行方向左側から、進行方向手前側かつ進行方向右側に向かって、当該車両Aの進行方向に対して斜めにレーザ光laを投光する(
図3、
図4参照)。そうすると、投光されたレーザ光laは、車両Aのタイヤの前方側(−X方向側)に面する接地面、及び、進行方向左側に面する側面に渡って投光、走査される。したがって、タイヤへの投光に応じて検出された検出座標群Q1、Q2は、当該タイヤの接地面及び側面に基づいて90度に折れ曲がった(L字型の)配列パターンとなる。
【0044】
そこで、タイヤ判定部110は、まず、仮想のXY平面上にプロットされた座標のうち、所定の距離範囲内にプロットされた群(検出座標群Q1、Q2)を特定する。そして、タイヤ判定部110は、特定した検出座標群Q1、Q2と、予め規定されたタイヤ形状パターンP1と、を照合して、各検出座標群Q1、Q2がスキャン範囲N内に存在するタイヤに基づいて検出されたものか否かを判定する。具体的には、タイヤ判定部110は、検出座標群Q1、Q2が、90度に折れ曲がるように区画されたL字型のタイヤ形状パターンP1の領域内に収まるか否かを判定する。
検出座標群Q1、Q2がタイヤ形状パターンP1の領域内に収まる場合には、タイヤ判定部110は、当該検出座標群Q1、Q2の各々に対応する位置にタイヤが存在していると判定する。具体的には、タイヤ判定部110は、検出座標群Q1に基づいて、仮想のXY座標平面上において推定タイヤτ11の位置を特定し、また、検出座標群Q2に基づいて、仮想のXY座標平面上において推定タイヤτ12の位置を特定する処理を行う。
【0045】
図8は、第1の実施形態に係る車軸判定部の機能を説明する図である。
車軸判定部111は、タイヤ判定部110によって仮想のXY座標平面上に特定された2つの推定タイヤτ11、τ12の位置関係を取得して、当該2つの推定タイヤτ11、τ12の位置関係が予め規定されたタイヤ配置パターンP2に当てはまるか否かを判定する。
【0046】
ここで、レーザ検出器10Cは、上述したように、車両Aの進入段階において、当該車両Aに対し、レーザ光laを進行方向奥側かつ進行方向左側(−X、−Y方向側)から進行方向手前側かつ進行方向右側(+X、+Y方向側)に向かって斜めに投光する。このような構成により、レーザ検出器10Cは、車両Aとの位置関係に応じて、当該車両Aの進行方向左側に配されるタイヤ(
図4に示すタイヤT11、T21、T31)と、進行方向右側に配されるタイヤ(
図4に示すタイヤT12、T22、T32)と、の両方を検出することができる。
また、料金収受設備1に敷設された車線Lにより、車両Aの走行方向はある程度限定されたものとなる。したがって、車両Aが有する同一の車軸に対応する2つのタイヤの位置関係もある程度限定される。即ち、
図8に示すように、車線方向(±X方向)の位置がほぼ一致して、なおかつ、車線幅方向(±Y方向)の位置がトレッド幅に応じた距離(概ね1.5m〜2.0m)だけ異なる2つのタイヤは、車両Aが有する同一の車軸(例えば、
図4に示す車軸S1)に対応する2つのタイヤ(例えば、タイヤT11、T12)である可能性が高い。
【0047】
そこで、車軸判定部111は、タイヤ判定部110によってXY座標平面上に特定された2つの推定タイヤτ11、τ12と、車線方向(±X方向)及び車線幅方向(±Y方向)の相対的位置を規定するタイヤ配置パターンP2と、を照合して、当該2つの推定タイヤτ11、τ12が車両Aの同一の車軸に対応するものか否かを判定する。
タイヤ配置パターンP2は、仮想のXY座標平面上において、同一の車軸に対応する2つのタイヤの位置関係に基づいて規定される。具体的には、タイヤ配置パターンP2は、
図8に示すように、仮想のXY座標平面上において、±X方向の位置が一致し、かつ、±Y方向の位置が想定されるトレッド幅に応じた幅だけ異なる2つの領域が区画されてなる。
車軸判定部111は、推定タイヤτ11、τ12が、タイヤ配置パターンP2の領域内に収まるか否かを判定する。
推定タイヤτ11、τ12がタイヤ配置パターンP2の領域内に収まる場合には、車軸判定部111は、当該推定タイヤτ11、τ12の各々に対応する車軸が存在していると判定する。具体的には、車軸判定部111は、仮想のXY座標平面上において推定タイヤτ11、τ12に対応する推定車軸σ1を特定するとともに、当該推定車軸σ1をもって推定タイヤτ11と推定タイヤτ12とを対応付ける処理を行う。
【0048】
図9は、第1の実施形態に係る移動方向距離特定部の機能を説明する図である。
上述したように、本実施形態に係るレーザ検出器10Cは、所定時間Δt(例えば、Δt=10ミリ秒)ごとにスキャン範囲Nのレーザスキャンを繰り返し実行する。移動方向距離特定部112は、複数回のレーザスキャンによって取得された複数のスキャンデータを時系列に分析し、車両Aの走行に伴って移動する各タイヤの移動ベクトル(移動方向及び移動距離)を特定する。
【0049】
例えば、タイヤ判定部110が、ある時刻taに取得されたスキャンデータに基づいてXY座標平面上に推定タイヤτ11’を特定し、続いて、次のタイミング(時刻ta+Δt)に取得されたスキャンデータに基づいて同じXY座標平面上に推定タイヤτ11を特定したとする。
この場合、移動方向距離特定部112は、推定タイヤτ11’に対する推定タイヤτ11の位置が、予め規定された移動方向距離想定範囲P3に当てはまるか否かを判定する。
ここで、移動方向距離想定範囲P3は、仮想のXY座標平面上において、時刻taに推定タイヤτ11’が配される位置を基準にして、同一の推定タイヤτ11’が所定時間Δt経過後に位置すると想定される領域が区画されてなる。例えば、車両Aの走行方向は、車線Lによってある程度制限されている。また、車両Aの走行速度も、当該車両Aが料金自動収受機20の前で停車することを前提に、所定範囲内(5km/h〜20km/h程度)に収まることが想定される。移動方向距離想定範囲P3は、このように想定される車両Aの走行方向及び走行速度に基づいて予め規定される。
移動方向距離特定部112は、時刻ta+ΔtにおいてXY座標平面上に特定された推定タイヤτ11が、移動方向距離想定範囲P3の領域内に属する場合に、当該推定タイヤτ11が、推定タイヤτ11’と同一のタイヤに基づいて検出されたものと判断し、推定タイヤτ11’から推定タイヤτ11までの移動ベクトルR11を特定する。
【0050】
図10は、第1の実施形態に係る同一車両判定部の機能を説明する図である。
レーザ検出器10Cは、スキャン範囲Nにおけるレーザスキャンを所定時間Δtごとに繰り返すことで、車両Aの走行に伴って当該スキャン範囲Nに入ったタイヤの位置を逐次検出する。そして、上述のタイヤ判定部110及び車軸判定部111は、車両Aの走行に伴って逐次取得されるスキャンデータに基づいて、車両Aが有する複数の車軸(車軸S1等)、及び、当該車軸の各々に対応する複数のタイヤ(タイヤT11、T12等)の位置関係を推定する(
図7、
図8に示す推定車軸σ1及び推定タイヤτ11、τ12等)。
【0051】
ここで、ある時刻tbにおいて、タイヤ判定部110及び車軸判定部111は、推定車軸σ1’で対応付けられた推定タイヤτ11’、τ12’と、推定車軸σ2’で対応付けられた推定タイヤτ21’、τ22’と、をXY座標平面上に特定したとする。また、タイヤ判定部110及び車軸判定部111は、次のタイミング(時刻tb+Δt)において、推定車軸σ1で対応付けられた推定タイヤτ11、τ12と、推定車軸σ2で対応付けられた推定タイヤτ21、τ22と、をXY座標平面上に特定したとする。
この場合、上述の移動方向距離特定部112は、
図9で説明した処理を経て、時刻tbに特定された各推定タイヤτ11’、τ12’、τ21’、τ22’の各々に対し、時刻tb+Δtに特定された各推定タイヤτ11、τ12、τ21、τ22の各々を対応付ける処理を行う。そして、移動方向距離特定部112は、各推定タイヤτ11、τ12、τ21、τ22についての移動ベクトルR11、R12、R21、R22を特定する。
【0052】
ここで、同一車両判定部113は、推定タイヤτ11、τ12、τ21、τ22についての各移動ベクトルR11、R12、R21、R22が一致するか否か(所定の誤差範囲内にあるか否か)を判定し、一致する場合に、当該複数の推定タイヤτ11、τ12、τ21、τ22は同一の車両(推定車両α)に属するものと判定する。即ち、タイヤ判定部110によって特定された複数のタイヤが時系列において同一の方向に同一の距離で移動している場合、当該複数のタイヤは、同一の車両Aに属するものである可能性が高い。したがって、同一車両判定部113は、仮想のXY座標平面上に推定車両αを特定し、移動方向及び移動距離が一致する複数のタイヤ(推定タイヤτ11、τ12、τ21、τ22)を、当該推定車両αをもって対応付ける処理を行う。
【0053】
また、時刻tbから所定時間経過後のある時刻tcにおいて、タイヤ判定部110及び車軸判定部111が、更に、推定車軸σ3’で対応付けられた推定タイヤτ31’、τ32’をXY座標平面上に特定したとする。また、次のタイミング(時刻tc+Δt)において、タイヤ判定部110及び車軸判定部111が、推定車軸σ3で対応付けられた推定タイヤτ31、τ32をXY座標平面上に特定したとする。この場合、移動方向距離特定部112は、更に、各推定タイヤτ31、τ32についての移動ベクトルR31、R32を特定する。
このとき、同一車両判定部113は、新たに特定された移動ベクトルR31、R32が、既に推定車両αによって対応付けられている各移動ベクトルR11、R12、R21、R22に一致しているか否かを判定し、一致する場合に、当該推定タイヤτ31、τ32が同じ推定車両αに属するものと判定する。
【0054】
以上のように、移動方向距離特定部112は、逐次取得されるスキャンデータに基づいて特定されるタイヤについて、移動方向及び移動距離(移動ベクトルR11、R21、・・・)を逐次特定していく。そして、同一車両判定部113は、移動方向距離特定部112によって逐次特定された移動方向及び移動距離が一致するタイヤ群を、同一車両(推定車両α)に属するタイヤとみなして逐次対応付けていく。
手前側車軸数特定部101Bは、車軸判定部111が特定した車軸のうち同一車両(推定車両α)に属する車軸数をカウントすることで、実際に車線Lを走行する車両Aが有する車軸数を特定することができる。
【0055】
図11は、第1の実施形態に係る踏板検出タイヤ特定部の機能を説明する図である。
図4に示したように、踏板10Bは、レーザ検出器10C(スキャン範囲Nの最も下流)よりも間隔d2だけ下流側に配されている。したがって、レーザ検出器10Cのスキャンデータに基づいて特定された車両Aのタイヤ(タイヤT11、T12、・・・)のうちの少なくとも一部は、車両Aの走行に伴って間隔d2だけ下流側に移動した際に、踏板10Bによっても検出される。そうすると、手前側車軸数特定部101Bが特定した車軸(車軸S1、S2、・・・)と、奥側車軸数特定部101A(
図5)が特定した車軸と、が重複する場合が想定される。
【0056】
そこで、踏板検出タイヤ特定部114は、移動方向距離特定部112が特定した各タイヤ(推定タイヤτ11、τ12、・・・)についての移動ベクトルR11、R12、・・・に基づいて、レーザ検出器10Cによって検出されたタイヤのうち、踏板10Bによっても検出されたタイヤを特定する。
【0057】
ここで、踏板検出タイヤ特定部114は、
図11に示すように、スキャン範囲Nよりも下流側に移動してレーザ検出器10Cから検出されなくなった推定タイヤτ11’、τ12’(及び推定車軸σ1’)の位置を特定する。具体的には、踏板検出タイヤ特定部114は、スキャン範囲Nに属している他の推定タイヤτ21’、τ22’、・・・の移動ベクトルR21、R22、・・・と同じ移動方向及び移動距離を示す移動ベクトルR11
*、R12
*を、推定タイヤτ11’、τ12’の各々に適用する。
図11に示す例では、推定タイヤτ21’、τ22’はスキャン範囲Nに属しているため、移動方向距離特定部112によって移動ベクトルR21、R22を特定可能である。一方、スキャン範囲Nから外れた推定タイヤτ11’、τ12’は、上記推定タイヤτ21’、τ22’と同一の車両(推定車両α)に属するものとして対応付けられている。したがって、推定タイヤτ11’、τ12’は、スキャン範囲Nの外に移動した後も、推定タイヤτ21’、τ22’と同じ移動方向及び移動距離だけ移動していることが想定される。
このように、踏板検出タイヤ特定部114は、同一車両に属するものとして対応付けられた他のタイヤの移動方向及び移動距離を適用することで、スキャン範囲Nを通り過ぎたタイヤの位置を追跡し、特定することができる。
【0058】
踏板検出タイヤ特定部114は、スキャン範囲Nを通り過ぎた推定タイヤτ11、τ12のXY座標平面上における位置を、後続の推定タイヤτ21、τ22の移動方向、移動距離に基づいて逐次特定し、その位置がXY座標平面上に規定される踏板10Bの位置よりも下流側に移動したか否かを判定する。ここで、XY座標平面上に規定される踏板10Bの位置は、実際の踏板10Bとレーザ検出器10Cとの間隔d2に基づいて規定される。
そして、踏板検出タイヤ特定部114は、推定タイヤτ11、τ12のXY座標平面上における位置が、踏板10Bの位置よりも下流側に移動したと判定した場合には、当該推定タイヤτ11、τ12が踏板10Bによっても検出されたタイヤとして特定する。
【0059】
なお、推定タイヤτ11、τ12よりも上流側に位置する推定タイヤτ21、τ22がスキャン範囲Nを通り過ぎた場合は、踏板検出タイヤ特定部114は、スキャン範囲N内に位置する推定タイヤτ31、τ32との対応づけに基づいて上記と同様の処理を行い、推定タイヤτ21、τ22のXY座標平面上における位置を特定する。
【0060】
(主制御部の処理フロー)
図12は、第1の実施形態に係る主制御部の処理フローを示す図である。
図12に示す処理フローは、料金収受設備1の稼働中において定常的に繰り返し実行される。
具体的には、まず、手前側車軸数特定部101Bのタイヤ判定部110は、レーザ検出器10Cのレーザスキャンによって得られた検出結果(スキャンデータ)に基づいて、スキャン範囲Nに1つ又は複数のタイヤが存在するか否かを判定する(ステップS01)。ここで、タイヤ判定部110は、
図7に示したように、仮想のXY座標平面上にプロットされる検出座標群(検出座標群Q1、Q2)と、タイヤ形状パターンP1と、を照合し、その照合結果に基づき当該検出座標群に対応する位置にタイヤ(推定タイヤτ11、τ12等)が存在すると判定する。
なお、タイヤ判定部110の判定結果より、スキャン範囲Nに一つもタイヤが存在しない場合には、手前側車軸数特定部101Bは、直ちに処理フローを終了し、次のタイミングで新たに取得されたスキャンデータについて同じ処理を実行する。
【0061】
次に、手前側車軸数特定部101Bの車軸判定部111は、ステップS01で特定されたタイヤの位置関係に基づいて、2つのタイヤが同一の車軸に対応する対となるタイヤか否かを判定する(ステップS02)。ここで、車軸判定部111は、
図8に示したように、XY座標平面上において位置が特定された2つの推定タイヤτ11、τ12が、タイヤ配置パターンP2に当てはまる場合に、当該2つの推定タイヤτ11、τ12が同一の推定車軸(推定車軸σ1)に対応する対となるタイヤであると判定する。
【0062】
次に、手前側車軸数特定部101Bの移動方向距離特定部112は、ステップS01で特定されたタイヤの位置と、前回のレーザスキャンで特定されたタイヤの位置と、に基づいて、同一タイヤの対応付けを行うとともに、当該タイヤについての移動ベクトルを特定する(ステップS03)。ここで、移動方向距離特定部112は、
図9に示したように、今回(ステップS01で)特定されたタイヤ(推定タイヤτ11)に対し、前回特定されたタイヤ(推定タイヤτ11’)を基準にした移動方向距離想定範囲P3を適用し、各タイヤが同一タイヤであると判定するとともに、当該同一タイヤ(推定タイヤτ11)の移動方向及び移動距離を示す移動ベクトルR11を特定する。
【0063】
次に、手前側車軸数特定部101Bの同一車両判定部113は、ステップS01で特定された複数のタイヤが、同一車両に属するか否かを判定し、当該同一車両が有する車軸数をカウントする(ステップS04)。ここで、同一車両判定部113は、
図10に示したように、ステップS03で特定された移動ベクトル(移動ベクトルR11、R12、R21、R22等)が一致するか否かを判定して、一致するタイヤ(推定タイヤτ11、τ12、τ21、τ22等)が同一車両(推定車両α)に属するものとみなす。そして、同一車両判定部113は、同一車両(推定車両α)に属するタイヤに対応する車軸(推定車軸σ1、σ2・・・)の数をカウントする。
【0064】
次に、手前側車軸数特定部101Bの踏板検出タイヤ特定部114は、スキャン範囲Nから下流側に外れたタイヤのうち、当該スキャン範囲Nの下流側に配置された踏板10Bの上を通過したものを特定する(ステップS05)。ここで、踏板検出タイヤ特定部114は、
図11に示したように、ステップS03で特定された移動ベクトル(例えば、移動ベクトルR21、R22)と同じ移動ベクトル(移動ベクトルR11
*、R12
*)を、スキャン範囲Nから下流側に外れたタイヤ(推定タイヤτ11’、τ12’)について適用する。そして、踏板検出タイヤ特定部114は、スキャン範囲Nから下流側に外れたタイヤのうち踏板10Bよりも下流側に移動したタイヤを特定する。
【0065】
手前側車軸数特定部101Bは、ステップS04でカウントされた車軸数から、ステップS05において踏板10Bよりも下流側に移動したタイヤに対応する車軸数を減算し、踏板10Bよりも上流側(進行方向手前側)の範囲に属する車両Aの車軸数を特定する(ステップS06)。
【0066】
次に、主制御部10Dは、車両Aの運転座席が料金自動収受機20に到達して停車したか否かを判定する(ステップS07)。なお、本実施形態において、主制御部10Dは、料金自動収受機20に設けられた所定の検知センサ(レーザ式検知センサ、超音波センサ等)を通じて、車両Aの運転座席が料金自動収受機20に到達したことを検知する。ここで、主制御部10Dは、進入側車両検知器10A、踏板10B、レーザ検出器10Cの検出結果等に基づいて、車両Aが停車したか否かを判別してもよい。
車両Aが走行中の場合(ステップS07:NO)、手前側車軸数特定部101Bは、上述のステップS01〜ステップS06を繰り返し実行し、レーザ検出器10Cの検出結果に基づいて、車両Aのうち踏板10Bよりも進行方向手前側の範囲における車軸数を特定する。
一方、手前側車軸数特定部101BがステップS01〜ステップS06の処理を実行している間に、奥側車軸数特定部101Aは、並列して、踏板10Bが踏まれた回数をカウントして、車両Aのうち踏板10Bを通過した部分(踏板10Bよりも進行方向奥側の範囲)における車軸数を特定する。
【0067】
車両Aの停車が検出された場合(ステップS07:YES)、車軸数特定部101は、奥側車軸数特定部101A及び手前側車軸数特定部101Bの各々によって特定された車軸数を足し合わせて、車両Aの全車軸数を特定する(ステップS08)。
次に、車種区分判別部102は、車軸数特定部101によって特定された車両A全体の車軸数と、その他の各種情報(踏板10Bの検出結果に基づくトレッド幅、タイヤ幅等)と、を組み合わせて、車両Aの車種区分を一意に判別し、当該判別した車種区分(「大型」、「特大」等)を料金自動収受機20に出力する(ステップS09)。これにより、料金自動収受機20は、車両Aの車種区分に応じた課金額を特定することができる。
【0068】
(作用効果)
以上のように、第1の実施形態に係る車種判別装置10によれば、レーザ検出器10Cが、車線Lの少なくとも踏板10Bよりも進行方向手前側の所定範囲において車両Aのタイヤが配置される高さにレーザ光laを投光し、当該レーザ光laの反射光を検出して得られるスキャンデータを取得する。そして、車軸数特定部101が、踏板10B及びレーザ検出器10Cの検出結果(スキャンデータ)に基づいて、車両Aの車軸数を特定する。
ここで、従来の料金収受システムにおいては、車両Aの運転席部分が料金自動収受機20等に到達した際に当該車両Aの車体全体が踏板10Bの通過を完了できるように、料金自動収受機20と踏板10Bとの間隔(間隔d1)が最大車長(例えば、18m)程度とされていた。しかし、高速道路の入口・出口料金所等における立地条件によっては、料金自動収受機20と踏板10Bとの間隔を最大車長以上とする設置スペースを確保することが困難な場合があった。そこで、本実施形態に係る上記構成とすることで、車線Lにおいて車両Aの運転座席が料金自動収受機20に到達した段階で、車両Aの進行方向手前側の一部が踏板10Bを通過していなかったとしても、レーザ検出器10Cの検出結果に基づいて、車両A全体の車軸数を特定することができる。即ち、料金収受処理を行う段階で車両Aの進行方向手前側の一部が踏板10Bを通過していなかった場合であっても、当該車両Aの車種区分を特定することができ、利用者に対し適切な課金を行うことができる。以上より、本実施形態に係る車種判別装置10によれば、十分な設置スペースを確保できない箇所にも設置可能で、かつ、精度良く車両の車種区分を判別することができる。
また、上述の車種判別装置10によれば、仮に、レーザ検出器10Cにおいて反射光の誤検出が突発的に生じた等の要因で、当該レーザ検出器10Cの検出結果に基づいて一部の車軸が正しく特定されなかった場合であっても、車両Aのうち踏板10Bを通過した部分についての車軸数は、踏板10Bの検出結果を用いて確実に特定することができる。したがって、車両Aの車軸数の特定精度を向上させることができる。
【0069】
また、上述の車種判別装置10によれば、奥側車軸数特定部101Aが、踏板10Bの検出結果に基づいて、車両Aのうち踏板10Bよりも進行方向奥側の範囲における車軸数を特定し、また、手前側車軸数特定部101Bが、レーザ検出器10Cの検出結果に基づいて、車両Aのうち踏板10Bよりも進行方向手前側の範囲における車軸数を特定する。
このようにすることで、車両Aのうち踏板10Bを通過した部分についての車軸数は、踏板10Bの検出結果(踏まれた回数)を採用して車軸数を特定するため、車両Aの車軸数の特定精度を向上させることができる。特に、車両Aが「軽自動車」、「普通車」等であった場合、当該車両Aの運転座席が料金自動収受機20に到達した段階で、全ての車軸が踏板10Bを通過している可能性が高い。この場合、当該車両Aの車軸数は、専ら、踏板10Bの検出結果に基づいて特定されるため、従来通りの精度を維持することができる。
【0070】
また、上述の車種判別装置10によれば、手前側車軸数特定部101B(タイヤ判定部110)は、レーザ検出器10Cの検出結果として得られる複数の検出座標が予め規定されたタイヤ形状パターンP1に当てはまる場合に、複数の検出座標に対応する位置にタイヤが存在していると判定する。
このようにすることで、例えば、ゴミや塵等が、レーザ検出器10Cの検出結果と検出された場合に、当該ゴミや塵等を、タイヤとして誤認することを抑制することができる。したがって、レーザ検出器10Cの検出結果による車軸数の特定精度を向上させることができる。
【0071】
また、上述の車種判別装置10によれば、手前側車軸数特定部101B(車軸判定部111)は、レーザ検出器10Cの検出結果に基づいて特定される2つのタイヤの位置関係が予め規定されたタイヤ配置パターンP2に当てはまる場合に、車両Aが当該2つのタイヤに対応する一の車軸を有していると判定する。
このようにすることで、スキャン範囲N内において複数のタイヤの位置が特定された場合に、各タイヤに対応する車軸の存在を精度よく判別することができる。したがって、レーザ検出器10Cの検出結果による車軸数の特定精度を一層向上させることができる。
【0072】
また、上述の車種判別装置10によれば、手前側車軸数特定部101B(移動方向距離特定部112及び同一車両判定部113)は、レーザ検出器10Cが複数の時刻で検出した複数の検出結果に基づいて、タイヤの移動ベクトルを特定するとともに、複数のタイヤの移動ベクトルが一致する場合に、一の車両が当該複数のタイヤを有していると判定する。
このようにすることで、車線Lを走行する一の車両(車両A)と他の車両とを分離することができるので、当該一の車両(車両A)についての車軸数を一層精度よく特定することができる。
例えば、車両Aの進行方向手前側に後続車両が走行していた場合であっても、当該後続車両の走行速度は、車両Aの走行速度とは異なっている可能性が高い。そうすると、車両Aが有するタイヤと移動ベクトルが異なるタイヤは、当該車両Aとは異なる車両(後続車両)が有するタイヤであるものとみなすことができる。同一車両判定部113は、このようにして、一の車両に属するタイヤ(車軸)を特定できるので、精度よく車軸数をカウントすることができる。
【0073】
また、上述の車種判別装置10によれば、手前側車軸数特定部101B(踏板検出タイヤ特定部114)は、複数のタイヤの移動ベクトルに基づいて、レーザ検出器10Cによって検出されたタイヤのうち、踏板10Bによって検出されたタイヤを特定する。
このようにすることで、レーザ検出器10Cの検出結果に基づいて特定された車軸のうち、踏板10Bの検出結果(踏まれた回数)によってもカウントされたものを区別することができる。したがって、同一の車軸が重複してカウントされることを防止することができ、車両Aについての車軸数を一層精度よく特定することができる。
【0074】
以上、第1の実施形態に係る車種判別装置10によれば、十分な設置スペースを確保できない箇所にも設置可能で、かつ、精度良く車両の車種区分を判別することができる。
【0075】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態に係る車種判別装置について、
図13を参照しながら説明する。
なお、第2の実施形態に係る車種判別装置の構造、機能構成等の具体的態様は、第1の実施形態と同様であるため、図示を省略する。ただし、本実施形態においては、一の車両(車両A)につき、踏板10Bよりも上流側に配置される全てのタイヤがレーザ検出器10Cによって検出可能となるように、踏板10Bとレーザ検出器10Cとの間隔d2(
図3参照)が可能な限り短く設置されるものとする。
【0076】
(主制御部の処理フロー)
図13は、第2の実施形態に係る車軸数特定部の処理フローを示す図である。
図13に示す処理フローは、第1の実施形態と同様に、料金収受設備1の稼働中において定常的に繰り返し実行される。
【0077】
具体的には、奥側車軸数特定部101Aは、踏板10Bが踏まれた回数をカウントし、踏板10Bを通過した部分の車軸を特定する(ステップS11)。
奥側車軸数特定部101Aは、車両が停車したか否かを判別し(ステップS12)、車両Aが走行中の場合には(ステップS12:NO)、踏板10Bの検出結果に基づく車軸数のカウントを継続する。
一方、車両Aが停車した場合には(ステップS12:YES)、レーザ検出器10Cがレーザスキャンを実行する。そして、手前側車軸数特定部101Bは、当該レーザスキャンによって得られたスキャンデータに基づいて、車両Aのうち踏板10Bよりも進行方向手前側の範囲における車軸数を特定する(ステップS13)。
次に、車軸数特定部101は、奥側車軸数特定部101A及び手前側車軸数特定部101Bの各々によって特定された車軸数を足し合わせて、車両Aの全車軸数を特定する(ステップS14)。
次に、車種区分判別部102は、車軸数特定部101によって特定された車両A全体の車軸数と、その他の各種情報(踏板10Bの検出結果に基づくトレッド幅、タイヤ幅等)と、を組み合わせて、車両Aの車種区分を一意に判別し、当該判別した車種区分を料金自動収受機20に出力する(ステップS15)。これにより、料金自動収受機20は、車両Aの車種区分に応じた課金額を特定することができる。
【0078】
(作用効果)
以上のように、第2の実施形態に係る車種判別装置10によれば、レーザ検出器10Cは、車両Aが停車したと判定された後にレーザスキャン(レーザ光laの投光)を開始する。そして、手前側車軸数特定部101Bは、車両Aが停車した後に取得されたスキャンデータに基づいて、踏板10Bよりも進行方向手前側の範囲における車軸数を特定する。
このようにすることで、まず、踏板10Bによって当該踏板10Bよりも進行方向奥側の範囲における車軸数が特定された後、レーザ検出器10Cによって、踏板10Bよりも進行方向手前側の範囲における車軸数の検出処理が行われる。したがって、レーザ検出器10Cを用いた車軸数の特定処理を簡素化することができる。
【0079】
<その他の実施形態>
以上、各実施形態について詳細に説明したが、各実施形態に係る車種判別装置10の具体的な態様は、上述のものに限定されることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を加えることは可能である。
【0080】
例えば、第1の実施形態において、同一車両判定部113は、位置が特定されたタイヤの移動ベクトル(移動方向及び移動距離)に基づいて、同一車両に属するものか否かを判定するものとしたが、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。
例えば、通常、一の車両が有する車軸別のトレッド幅は、概ね同等であることが知られている。そこで、他の実施形態に係る同一車両判定部113は、一の車軸に対応する2つのタイヤの車線幅方向(±Y方向)の距離(トレッド幅)と、他の車軸に対応する2つのタイヤの車線幅方向の距離(トレッド幅)と、が大きく異なる場合は、当該2つの車軸は、それぞれ異なる車両に属するものと判定してもよい。
なお、上述のようにトレッド幅によって同一車両か否かを見分ける場合、シングルタイヤかダブルタイヤかによって、トレッド幅の検出値(一の車軸に対応する2つのタイヤの車線幅方向の距離)にばらつきが生じることが想定されるが、タイヤ幅分程度の誤差を許容することで、大型車と普通車の追走を切り分けることは可能である。
また、通常、一の車両が有する各車軸の車軸中央位置は一致することが知られている。したがって、車軸中央位置(一の車軸に対応する2つのタイヤの車線幅方向の位置の平均値)を特定することで、各車軸が同一車両に属するか否かの判定を行うことも可能である。例えば、車両Aが被牽引車を牽引する牽引車であった場合、牽引車(車両A)と被牽引車とでトレッド幅が大きく異なることが想定される。しかし、牽引車が被牽引車を真っ直ぐに牽引している限りは、当該牽引車及び被牽引車の車軸中央位置はほぼ一致するはずである。したがって、このようにすることで、車両Aが牽引車である場合であっても、特定された各車軸が(牽引車、被牽引車を一体とした)一の車両に属するか否かを高精度に判別することができる。
【0081】
また、第1の実施形態に係る車軸判定部111は、車両Aの進行方向左側に配置されるタイヤ(推定タイヤτ11)と進行方向右側に配置されるタイヤ(推定タイヤτ12)との位置関係が所定の条件を満たす場合には、車両Aが、当該2つのタイヤに対応する一の車軸(推定車軸σ1)を有していると判定するものとして説明した。
しかしながら、レーザ検出器10Cと、車線Lを走行する車両Aのタイヤと、の位置関係によっては、進行方向右側に配置される一のタイヤが進行方向左側に配置される他のタイヤの背後に隠れ、スキャンデータ上に(検出座標群Q1、Q2等として)現れない場合が想定される。例えば、
図4に示す車両Aの進行方向右側に配置されるタイヤT32は、車両Aの進行方向左側に配置されるタイヤT21の背後に隠れ、スキャンデータ上に現れないことが想定される。
しかし、あるタイミングで取得されたスキャンデータにおいて、いくつかのタイヤが他のタイヤの背後に隠れ検出されなかったとしても、車両Aの走行に伴って各タイヤとレーザ検出器10Cとの相対的な位置関係が変化するので、他のタイミングにおいては、上記隠れていたタイヤを検出することができる。即ち、車軸判定部111は、車両Aの走行中において複数の時刻(タイミング)で取得された複数のスキャンデータに基づいて、車両Aが有する全ての車軸の各々につき、同一車軸に属する2つのタイヤの対応付けが可能となる。
【0082】
また、他の実施形態に係る車軸判定部111は、更に、同一の車軸(例えば推定車軸σ1)で対応付けた2つのタイヤ(例えば、推定タイヤτ11、τ12)の車線幅方向の距離を特定することで、当該車軸に対応するトレッド幅を特定してもよい。
このようにすることで、レーザ検出器10Cの検出結果に基づいて車両Aのトレッド幅を特定することができるので、車両Aの車種区分をより精度よく判別することができる。
【0083】
同様に、他の実施形態に係るタイヤ判定部110は、更に、検出座標群のパターンに基づいて、位置を特定したタイヤのタイヤ幅(シングルタイヤかダブルタイヤか)を識別してもよい。
例えば、タイヤ判定部110は、検出座標群Q1、Q2(
図7参照)の車線幅方向(±X方向)の幅が予め規定された所定値未満であった場合は、推定タイヤτ11、τ12が「シングルタイヤ」であると判定し、所定値以上であった場合は、推定タイヤτ11、τ12が「ダブルタイヤ」であると判定する。
このようにすることで、レーザ検出器10Cの検出結果に基づいてタイヤ幅を特定することができるので、車両Aの車種区分をより精度よく判別することができる。
【0084】
また、上述のように、例えば、レーザ検出器10Cの検出結果に基づいて車両Aのトレッド幅、タイヤ幅及び車軸数を特定可能とした場合、車種判別装置10は、踏板10Bの検出結果を用いなくとも車両Aの車種区分を特定できる。したがって、他の実施形態に係る車種判別装置10は、踏板10Bを有さない態様であってもよい。
即ち、他の実施形態に係る車種判別装置10は、踏板10Bを有さず、車線L上の所定範囲において車両Aのタイヤが配置される高さにレーザ光laを投光するとともに、当該レーザ光laの反射光を検出するレーザ検出器10Cと、レーザ検出器10Cの検出結果に基づいて、車両Aの車軸数を特定する車軸数特定部101と、を備える態様としてもよい。
この場合において、車軸数特定部101は、レーザ検出器10Cの検出結果として得られる複数の検出座標が予め規定されたタイヤ形状パターンに当てはまる場合に、当該複数の検出座標に対応する位置にタイヤが存在していると判定するタイヤ判定部110を備えるものとする。
このようにすることで、踏板10Bを敷設する必要がなくなるので車種判別装置10の部品点数を削減でき、製造費を削減することができる。
また、上記踏板10Bを有さない態様において、車軸数特定部101は、レーザ検出器10Cの検出結果に基づいて特定される2つのタイヤの位置関係が予め規定されたタイヤ配置パターンに当てはまる場合に、車両Aが当該2つのタイヤに対応する一の車軸を有していると判定する車軸判定部を備えていてもよい。
また、上記踏板10Bを有さない態様において、車軸数特定部101は、レーザ検出器10Cが複数の時刻で検出した複数の検出結果に基づいて、複数のタイヤの各々の移動方向及び移動距離を特定する移動方向距離特定部112と、複数のタイヤの移動方向及び移動距離が一致する場合に、複数のタイヤが一の車両に属していると判定する同一車両判定部113と、を備えていてもよい。
【0085】
また、第1の実施形態に係るタイヤ判定部110は、複数の検出座標が予め規定されたタイヤ形状パターンに当てはまる場合に、当該複数の検出座標に対応する位置にタイヤが存在していると判定するものとして説明した。ここで、(タイヤ形状パターンに)「当てはまる」との文言は、“検出座標群Q1、Q2の全てがタイヤ形状パターンP1で区画される範囲内に収まる”場合に限定されず、“検出座標群Q1、Q2の一部(大部分)がタイヤ形状パターンP1の範囲内に概ね含まれている”との意味も含まれるものとする。即ち、タイヤ判定部110は、ゴミや塵に起因する突発的な誤検出座標を含むような場合であっても、検出座標群Q1、Q2全体としてタイヤ形状パターンP1とのパターン照合を行い、当該全体としての合致度が高い場合に「タイヤが存在する」と判断する。
車軸判定部111による、検出された2つのタイヤの位置関係とタイヤ配置パターンP2とのパターン照合についても同様である。
【0086】
また、第1の実施形態においては、レーザ検出器10Cのスキャン範囲Nは、踏板10Bよりも進行方向手前側の所定範囲であるものとして説明したが、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。
例えば、他の実施形態に係るレーザ検出器10Cは、踏板10Bよりも進行方向手前側の範囲に加え、踏板10Bよりも進行方向奥側の範囲も含めてレーザスキャンを実行してもよい。
このようにすることで、レーザ検出器10Cの検出結果に基づいて、より広範囲でタイヤの位置を特定可能となるため、車両Aの車軸数をより精度よく特定することができる。
【0087】
また、第1の実施形態においては、レーザ検出器10Cは、進行方向左側のアイランドI上に一つだけ配置される態様として説明したが、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。
例えば、レーザ検出器10Cは、車線Lの進行方向左側及び進行方向右側のアイランドI上に一つ(又は複数)ずつ配置されていてもよい。
このように、レーザ検出器10Cを異なる位置に複数配置することで、当該複数のレーザ検出器10Cから得られたスキャンデータを組み合わせて死角を減らすことができる。したがって、より高精度にタイヤの位置を特定することができる。
また、レーザ検出器10Cは,車両Aのタイヤが配置される高さに光を照射可能な態様であればよく、水平照射のものには限定されない。
また、レーザ検出器10Cは、単一の装置として構成された態様(一の筐体に収められた態様)には限定されない。例えば、レーザ検出器10Cは、レーザ光laを投光する投光器及びレーザ光laの反射光を検出する検出器がアイランドI上に別々に設けられ、各々が同期して動作する態様であってもよい。
【0088】
また、第1の実施形態に係る踏板検出タイヤ特定部114は、複数のタイヤの移動ベクトル(R21、R22等(
図11))に基づいて、レーザ検出器10Cによって検出されたタイヤのうち、踏板10Bによって検出されたタイヤを特定するものとして説明したが、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。
例えば、車軸判定部111は、車線Lへの進入時からの走行に伴い、車両Aの先頭から車軸(推定車軸σ1、σ2、・・・)を順次特定していく。ここで、他の実施形態に係る踏板検出タイヤ特定部114は、特定された各車軸間の車線方向における距離(車軸間隔)を取得する。具体的には、踏板検出タイヤ特定部114は、同一車両(推定車両α)に属すると判定された新たな車軸が特定される度に、推定車軸σ1(第1軸)と推定車軸σ2(第2軸)との間隔Δ12、推定車軸σ2(第2軸)と推定車軸σ3(第3軸)との間隔Δ23、・・・等と、隣り合う車軸同士の車軸間隔を取得する。
そして、車両Aの走行が進み、踏板10Bで第1軸による踏み付けが検出された場合、踏板検出タイヤ特定部114は、当該第1軸の位置(踏板10Bが配される位置)を基準に、先に取得した間隔Δ12、Δ23、・・・に基づいて第2軸、第3軸、・・・が配される位置を推定する。更に、車両Aが走行し、踏板10Bで第2軸による踏み付けが検出された場合、踏板検出タイヤ特定部114は、当該第2軸の位置(踏板10Bが配される位置)を基準に、間隔Δ23等に基づいて第3軸以降が配される位置を推定する。以上のような処理を順次繰り返すことで、踏板検出タイヤ特定部114は、踏板10B上を最後に通過した車軸よりも進行方向手前側に配された各車軸(踏板10Bを通過していない各車軸)の位置を推定する。
このように、踏板検出タイヤ特定部114は、踏板10Bによって検出された車軸(タイヤ)を基準に、レーザ検出器10Cで検出された車軸(タイヤ)の位置を対応付けることで、レーザ検出器10Cによって検出されたタイヤのうち、踏板10Bによって検出されたタイヤを精度よく特定することができる。
【0089】
なお、ステップS07(第1の実施形態)及びステップS12(第2の実施形態)において、主制御部10Dは、走行中の車両Aが料金自動収受機20で停車したか否かの判定を行い、当該車両Aが停車したと判定した場合に車種判別処理を実行するものとして説明したが、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。
例えば、主制御部10Dは、進入側車両検知器10Aが車両Aの進入を検知した段階から車種判別処理を開始する態様であってもよい。具体的には、車軸数特定部101は、レーザ検出器10C及び踏板10Bを通じて特定される車軸数が、車両Aの走行に伴って更新される度に、車種区分判別部102に出力する。そして、車種区分判別部102は、逐次得られる車軸数の特定結果から想定される車種の中で最大料金となる車種区分を判別し、料金自動収受機20に向けて当該判別結果を出力する。これにより、車両Aの運転座席が料金自動収受機20に到達した時点で、車両Aの実際の車種区分に応じた支払料金が確定する。
【0090】
なお、上述の各実施形態においては、車種判別装置10における主制御部10Dの各種機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各種処理を行うものとしている。ここで、上述した主制御部10Dの各種処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって上記各種処理が行われる。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
また、主制御部10Dの各種機能が、ネットワークで接続される複数の装置に渡って具備される態様であってもよい。
【0091】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。