(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
燃焼ガスが内部を排気口側である下流側に向かって流れるボイラー外枠と、前記ボイラー外枠内に少なくとも一部が設置され、前記燃焼ガスにより水を加熱して蒸気を発生させる一以上の蒸発器と、前記ボイラー外枠内であって、一以上の前記蒸発器のうち最も前記下流側の蒸発器である最下流蒸発器の前記下流側に設置され、前記最下流蒸発器に送る水を前記燃焼ガスにより加熱する節炭器と、を備えるボイラーの運転方法において、
前記節炭器の前記下流側に設置され、前記節炭器に送る水を前記燃焼ガスにより加熱する低温熱交換器を設け、
前記節炭器で、前記燃焼ガスと内部を流れる水とを熱交換させることにより、前記水を加熱する一方で、前記燃焼ガスの露点温度よりも高い温度にまで前記燃焼ガスを冷却する節炭器熱交換工程と、
前記低温熱交換器で、前記節炭器での熱交換で冷却された前記燃焼ガスと内部を流れる水とを熱交換させることにより、前記水を加熱する一方で、前記低温熱交換器の少なくとも一部で前記燃焼ガスが凝縮するまで前記燃焼ガスを冷却する低温熱交換工程と、
を実行し、
前記ボイラー外枠には、前記ボイラー外枠から流出した前記燃焼ガスが流れる煙道が接続されていると共に、前記煙道には、前記煙道からの前記燃焼ガスを大気に放出する煙突が接続されており、
前記煙突又は前記煙道内に前記低温熱交換器を設置する、
ボイラーの運転方法。
燃焼ガスが内部を排気口側である下流側に向かって流れるボイラー外枠と、前記ボイラー外枠内に少なくとも一部が設置され、前記燃焼ガスにより水を加熱して蒸気を発生させる一以上の蒸発器と、前記ボイラー外枠内であって、一以上の前記蒸発器のうち最も前記下流側の蒸発器である最下流蒸発器の前記下流側に設置され、前記最下流蒸発器に送る水を前記燃焼ガスにより加熱する節炭器と、を備えるボイラーの運転方法において、
前記節炭器の前記下流側に設置され、前記節炭器に送る水を前記燃焼ガスにより加熱する低温熱交換器を前記節炭器にフランジ接続し、
前記節炭器で、前記燃焼ガスと内部を流れる水とを熱交換させることにより、前記水を加熱する一方で、前記燃焼ガスの露点温度よりも高い温度にまで前記燃焼ガスを冷却する節炭器熱交換工程と、
前記低温熱交換器で、前記節炭器での熱交換で冷却された前記燃焼ガスと内部を流れる水とを熱交換させることにより、前記水を加熱する一方で、前記低温熱交換器の少なくとも一部で前記燃焼ガスが凝縮するまで前記燃焼ガスを冷却する低温熱交換工程と、
を実行するボイラーの運転方法。
燃焼ガスが内部を排気口側である下流側に向かって流れるボイラー外枠と、前記ボイラー外枠内に少なくとも一部が設置され、前記燃焼ガスにより水を加熱して蒸気を発生させる一以上の蒸発器と、前記ボイラー外枠内であって、一以上の前記蒸発器のうち最も前記下流側の蒸発器である最下流蒸発器の前記下流側に設置され、前記最下流蒸発器に送る水を前記燃焼ガスにより加熱する節炭器と、を備えるボイラーの運転方法において、
前記節炭器の前記下流側に設置され、前記節炭器に送る水を前記燃焼ガスにより加熱する低温熱交換器を設け、
前記節炭器で、前記燃焼ガスと内部を流れる水とを熱交換させることにより、前記水を加熱する一方で、前記燃焼ガスの露点温度よりも高い温度にまで前記燃焼ガスを冷却する節炭器熱交換工程と、
前記低温熱交換器で、前記節炭器での熱交換で冷却された前記燃焼ガスと内部を流れる水とを熱交換させることにより、前記水を加熱する一方で、前記低温熱交換器の少なくとも一部で前記燃焼ガスが凝縮するまで前記燃焼ガスを冷却する低温熱交換工程と、
前記燃焼ガス中に含まれる水分が液化したミストを前記燃焼ガスから分離するミスト分離工程と、
を実行し、
前記低温熱交換器は、前記燃焼ガスの流れに対する上下流方向に並ぶ複数の低温熱交換部を有し、
前記ミスト分離工程は、複数の前記低温熱交換部の相互間と、複数の前記低温熱交換部のうちで最も前記下流側の低温熱交換部の下流側の領域とのうち、二以上の領域で実行される、
ボイラーの運転方法。
燃焼ガスが内部を排気口側である下流側に向かって流れるボイラー外枠と、前記ボイラー外枠内に少なくとも一部が設置され、前記燃焼ガスにより水を加熱して蒸気を発生させる一以上の蒸発器と、前記ボイラー外枠内であって、一以上の前記蒸発器のうち最も前記下流側の蒸発器である最下流蒸発器の前記下流側に設置され、前記最下流蒸発器に送る水を前記燃焼ガスにより加熱する節炭器と、を備えるボイラーの運転方法において、
前記節炭器で前記燃焼ガスと内部を流れる水とを熱交換させることにより、前記水を加熱する一方で、前記節炭器の少なくとも一部で前記燃焼ガスが凝縮するまで前記燃焼ガスを冷却する節炭器熱交換工程と、
低沸点媒体ランキンサイクルで、低沸点媒体を循環させるランキンサイクル実行工程と、
前記節炭器で加熱された水を前記低沸点媒体ランキンサイクルへ導く加熱水導入工程と、
前記低沸点媒体ランキンサイクルに導かれ、前記低沸点媒体ランキンサイクルを通った水を前記ボイラーに戻す水回収工程と、
を実行し、
前記ランキンサイクル実行工程は、前記低沸点媒体ランキンサイクルに導入された前記水と液体の前記低沸点媒体とを熱交換させて、前記低沸点媒体を加熱する加熱工程を含む、
ボイラーの運転方法。
燃焼ガスが内部を排気口側である下流側に向かって流れるボイラー外枠と、前記ボイラー外枠内に少なくとも一部が設置され、前記燃焼ガスにより水を加熱して蒸気を発生させる一以上の蒸発器と、前記ボイラー外枠内であって、一以上の前記蒸発器のうち最も前記下流側の蒸発器である最下流蒸発器の前記下流側に設置され、前記最下流蒸発器に送る水を前記燃焼ガスにより加熱する節炭器と、を備えるボイラーの運転方法において、
前記節炭器の前記下流側に設置され、前記節炭器に送る水を前記燃焼ガスにより加熱する低温熱交換器を設け、
前記節炭器で、前記燃焼ガスと内部を流れる水とを熱交換させることにより、前記水を加熱する一方で、前記燃焼ガスの露点温度よりも高い温度にまで前記燃焼ガスを冷却する節炭器熱交換工程と、
前記低温熱交換器で、前記節炭器での熱交換で冷却された前記燃焼ガスと内部を流れる水とを熱交換させることにより、前記水を加熱する一方で、前記低温熱交換器の少なくとも一部で前記燃焼ガスが凝縮するまで前記燃焼ガスを冷却する低温熱交換工程と、
低沸点媒体ランキンサイクルで、低沸点媒体を循環させるランキンサイクル実行工程と、
前記節炭器で加熱された水を前記低沸点媒体ランキンサイクルへ導く加熱水導入工程と、
前記低沸点媒体ランキンサイクルに導かれ、前記低沸点媒体ランキンサイクルを通った水を前記ボイラーに戻す水回収工程と、
を実行し、
前記ランキンサイクル実行工程は、前記低沸点媒体ランキンサイクルに導入された前記水と液体の前記低沸点媒体とを熱交換させて、前記低沸点媒体を加熱する加熱工程を含む、
ボイラーの運転方法。
燃焼ガスが内部を排気口側である下流側に向かって流れるボイラー外枠と、前記ボイラー外枠内に少なくとも一部が設置され、前記燃焼ガスにより水を加熱して蒸気を発生させる一以上の蒸発器と、前記ボイラー外枠内であって、一以上の前記蒸発器のうち最も前記下流側の蒸発器である最下流蒸発器の前記下流側に設置され、前記最下流蒸発器に送る水を前記燃焼ガスにより加熱する節炭器と、を有するボイラーを備えていると共に、前記ボイラー外枠には、前記ボイラー外枠から流出した前記燃焼ガスが流れる煙道が接続され、前記煙道には、前記煙道からの前記燃焼ガスを大気に放出する煙突が接続されている蒸気発生プラントの改造方法において、
前記煙突内又は前記煙道内に前記節炭器に送る水を前記燃焼ガスにより加熱する低温熱交換器を新たに設置する、
蒸気発生プラントの改造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の技術では、ガスタービンプラントに低沸点媒体ランキンサイクルを導入することで、ガスタービンからの排熱の有効利用を図っている。しかしながら、燃焼ガス中の熱をより有効利用することが望まれる。
【0006】
そこで、本願に係る発明は、燃焼ガス中の熱をより有効利用することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための発明に係る
一態様としてのボイラーは、
燃焼ガスが内部を排気口側である下流側に向かって流れるボイラー外枠と、前記ボイラー外枠内に少なくとも一部が設置され、前記燃焼ガスにより水を加熱して蒸気を発生させる一以上の蒸発器と、前記ボイラー外枠内であって、一以上の前記蒸発器のうち最も前記下流側の蒸発器である最下流蒸発器の前記下流側に設置され、前記最下流蒸発器に送る水を前記燃焼ガスにより加熱する節炭器と、前記節炭器の前記下流側に設置され、外部から水を受け入れる流入口を有し、前記流入口から流入して前記節炭器に送る水を前記燃焼ガスより加熱する低温熱交換器と、を備える。
前記ボイラー外枠には、前記ボイラー外枠から流出した前記燃焼ガスが流れる煙道が接続されていると共に、前記煙道には、前記煙道からの前記燃焼ガスを大気に放出する煙突が接続されている。前記低温熱交換器は、前記煙突内又は前記煙道内に設置されている。
本態様では、低温熱交換器により、低温の燃焼ガス中から熱を回収することができる。
【0008】
上記目的を達成するための発明に係る他の態様としてのボイラーは、
燃焼ガスが内部を排気口側である下流側に向かって流れるボイラー外枠と、前記ボイラー外枠内に少なくとも一部が設置され、前記燃焼ガスにより水を加熱して蒸気を発生させる一以上の蒸発器と、前記ボイラー外枠内であって、一以上の前記蒸発器のうち最も前記下流側の蒸発器である最下流蒸発器の前記下流側に設置され、前記最下流蒸発器に送る水を前記燃焼ガスにより加熱する節炭器と、前記節炭器の前記下流側に設置され、外部から水を受け入れる流入口を有し、前記流入口から流入して前記節炭器に送る水を前記燃焼ガスより加熱する低温熱交換器と、を備える。前記節炭器と前記低温熱交換器とは、フランジ接続されている。
本態様では、低温熱交換器により、低温の燃焼ガス中から熱を回収することができる。さらに、本態様では、低温熱交換器の一部で凝縮液が発生し、低温熱交換器が腐食しても、この低温熱交換器を新たな低温熱交換器に容易に交換することができる。
上記目的を達成するための発明に係るさらに他の態様としてのボイラーは、
燃焼ガスが内部を排気口側である下流側に向かって流れるボイラー外枠と、前記ボイラー外枠内に少なくとも一部が設置され、前記燃焼ガスにより水を加熱して蒸気を発生させる一以上の蒸発器と、前記ボイラー外枠内であって、一以上の前記蒸発器のうち最も前記下流側の蒸発器である最下流蒸発器の前記下流側に設置され、前記最下流蒸発器に送る水を前記燃焼ガスにより加熱する節炭器と、前記節炭器の前記下流側に設置され、外部から水を受け入れる流入口を有し、前記流入口から流入して前記節炭器に送る水を前記燃焼ガスより加熱する低温熱交換器と、前記燃焼ガス中に含まれる水分が液化したミストを前記燃焼ガスから分離する複数のミストセパレータと、を備える。前記低温熱交換器は、前記燃焼ガスの流れに対する上下流方向に並ぶ複数の低温熱交換部を有する。複数の前記ミストセパレータのうち、一のミストセパレータは、複数の前記低温熱交換部のうちで最も前記下流側の低温熱交換部の下流側に配置され、残りの前記ミストセパレータは、前記上下流方向における複数の前記低温熱交換部の相互間に配置されている。
本態様では、低温熱交換器により、低温の燃焼ガス中から熱を回収することができる。さらに、本態様では、ミストセパレータでミストを捕捉することで、低温熱交換器が配置されている領域内を流れるミスト量、この低温熱交換器よりも下流側を流れるミスト量を減らすことができる。このため、本態様では、低温熱交換器の腐食、ボイラー外枠の腐食、さらに、煙道や煙突等の腐食を抑えることができる。
ここで、さらに他の態様としてのボイラーにおいて、複数の低温熱交換部は、互いにフランジ接続されていてもよい。この場合、一の低温熱交換部の腐食が進行した場合でも、この一の低温熱交換部を容易に新たな低温熱交換部と交換することができる。
【0009】
ここで、以上の態様のうちいずれのボイラーにおいて、前記低温熱交換器は、前記ボイラー外枠内に設置されて
いてもよい。
【0010】
また、以上の態様のうちのいずれかのボイラーにおいて、前記第一態様の前記ボイラーにおいて、前記ボイラー外枠には、前記ボイラー外枠から流出した前記燃焼ガスが流れる煙道が接続されていると共に、前記煙道には、前記煙道からの前記燃焼ガスを大気に放出する煙突が接続されており、前記低温熱交換器は、前記煙突内又は前記煙道内に設置されて
いてもよい。
【0011】
また、以上の態様のうちのいずれかのボイラーにおいて、前記低温熱交換器は、前記節炭器を形成する材料よりも、前記燃焼ガスの凝縮液に対する耐腐食性の高い材料で形成され
ていてもよい。
【0012】
当該ボイラーでは、低温熱交換器の一部で燃焼ガスの凝縮液が発生しても、この低温熱交換器の腐食を抑えることができる。
【0013】
また、以上の態様のうちのいずれかのボイラーにおいて、前記節炭器と前記低温熱交換器とは、フランジ接続されてい
てもよい。
【0014】
当該ボイラーでは、低温熱交換器の一部で凝縮液が発生し、低温熱交換器が腐食しても、この低温熱交換器を新たな低温熱交換器に容易に交換することができる。
【0015】
また、以上の態様のうちのいずれかのボイラーにおいて、前記節炭器は、前記燃焼ガスと内部を流れる水とを熱交換させることにより、前記水を加熱する一方で、前記燃焼ガスの露点温度より高い温度にまで前記燃焼ガスを冷却する熱交換能力を有し、前記低温熱交換器は、前記節炭器での熱交換で冷却された前記燃焼ガスと内部を流れる水とを熱交換させることにより、前記水を加熱する一方で、前記低温熱交換器の少なくとも一部で前記燃焼ガスが凝縮するまで前記燃焼ガスを冷却する熱交換能力を有
してもよい。
【0016】
当該ボイラーでは、低温熱交換器の一部で燃焼ガスを凝縮させるので、燃焼ガスに含まれる水分の潜熱も回収することができる。
【0017】
また、以上の態様のうちのいずれかのボイラーにおいて、前記低温熱交換器は、前記燃焼ガスの露点温度未満の温度にまで前記燃焼ガスを冷却する熱交換能力を有
してもよい。
【0018】
当該ボイラーでは、燃焼ガス中に含まれる水分の潜熱をより回収することができる。
【0029】
上記目的を達成するための発明に係る一態様としての蒸気発生プラントは、
以上のいずれかのボイラーと、前記流入口から前記ボイラー内に水を供給する給水ラインと、を備える。
【0030】
ここで、前記蒸気発生プラントにおいて、前記給水ラインは、前記燃焼ガスの露点温度未満の温度の水を前記流入口から前記ボイラー内に供給してもよい。
【0031】
また、以上のいずれかの前記蒸気発生プラントにおいて、前記節炭器で加熱された水の一部を前記給水ライン中に導く温水ラインを備えてもよい。
【0032】
前記温水ラインを備える前記蒸気発生プラントにおいて、前記温水ラインを流れる水の流量を調節する流量調節弁を備えてもよい。
【0033】
前記流量調節弁を備える前記蒸気発生プラントにおいて、前記温水ラインからの水が流入した前記給水ライン中の水の温度を検知する温度計を備え、前記流量調節弁は、前記温度計で検知された温度が予め定めた温度範囲内に収まるよう、前記温水ラインを流れる水の流量を調節してもよい。
【0034】
また、以上のいずれかの前記蒸気発生プラントにおいて、低沸点媒体が凝縮と蒸発とを繰り返して循環する低沸点媒体ランキンサイクルを備え、前記低沸点媒体ランキンサイクルは、液体の前記低沸点媒体と前記節炭器で加熱された水の一部とを熱交換させて、前記低沸点媒体を加熱する加熱器を有してもよい。
【0035】
当該蒸気発生プラントでは、燃焼ガスの熱の一部を利用して、低沸点媒体ランキンサイクルを駆動させるので、プラントの出力及び効率を高めることができる。
【0036】
また、前記温水ラインを備える、以上のいずれかの前記蒸気発生プラントにおいて、低沸点媒体が凝縮と蒸発とを繰り返して循環する低沸点媒体ランキンサイクルを備え、前記低沸点媒体ランキンサイクルは、液体の前記低沸点媒体と前記温水ラインを流れる水とを熱交換させて、前記低沸点媒体を加熱する加熱器を有してもよい。
【0037】
当該蒸気発生プラントでは、燃焼ガスの熱の一部を利用して、低沸点媒体ランキンサイクルを駆動させるので、プラントの出力及び効率を高めることができる。
【0038】
上記目的を達成するための発明に係る
他の態様の蒸気発生プラントは、
以上のいずれかの態様のボイラーと、低沸点媒体が凝縮と蒸発とを繰り返して循環する低沸点媒体ランキンサイクルと、を備え、前記低沸点媒体ランキンサイクルは、液体の前記低沸点媒体と前記節炭器で加熱された水の一部とを熱交換させて、前記低沸点媒体を加熱する加熱器を有する。
さら他の態様の蒸気発生プラントは、燃焼ガスが内部を排気口側である下流側に向かって流れるボイラー外枠と、前記ボイラー外枠内に少なくとも一部が設置され、前記燃焼ガスにより水を加熱して蒸気を発生させる一以上の蒸発器と、前記ボイラー外枠内であって、一以上の前記蒸発器のうち最も前記下流側の蒸発器である最下流蒸発器の前記下流側に設置され、外部から水を受け入れる流入口を有し、前記流入口から流入して前記最下流蒸発器に送る水を前記燃焼ガスにより加熱する節炭器と、低沸点媒体が凝縮と蒸発とを繰り返して循環する低沸点媒体ランキンサイクルと、を備える。前記節炭器は、前記燃焼ガスと内部を流れる水との熱交換により、前記水を加熱する一方で、前記節炭器の少なくとも一部で前記燃焼ガスが凝縮するまで前記燃焼ガスを冷却する熱交換能力を有する。前記低沸点媒体ランキンサイクルは、液体の前記低沸点媒体と前記節炭器で加熱された水の一部とを熱交換させて、前記低沸点媒体を加熱する加熱器を有する。
【0039】
当該蒸気発生プラントでも、燃焼ガスの熱の一部を利用して、低沸点媒体ランキンサイクルを駆動させるので、プラントの出力及び効率を高めることができる。
【0040】
また、以上のいずれかの蒸気発生プラントにおいて、前記ボイラーは、ガスタービンから排気された排気ガスを前記燃焼ガスとして用いる排熱回収ボイラーであってもよい。
【0041】
また、前記ボイラーが排熱回収ボイラーである前記蒸気発生プラントにおいて、前記ガスタービンを備えてもよい。
【0042】
上記目的を達成するための発明に係る一態様としてのボイラー
を含む蒸気発生プラントの改造方法は、
燃焼ガスが内部を排気口側である下流側に向かって流れるボイラー外枠と、前記ボイラー外枠内に少なくとも一部が設置され、前記燃焼ガスにより水を加熱して蒸気を発生させる一以上の蒸発器と、前記ボイラー外枠内であって、一以上の前記蒸発器のうち最も前記下流側の蒸発器である最下流蒸発器の前記下流側に設置され、前記最下流蒸発器に送る水を前記燃焼ガスにより加熱する節炭器と、を
有するボイラーを備えていると共に、前記ボイラー外枠には、前記ボイラー外枠から流出した前記燃焼ガスが流れる煙道が接続され、前記煙道には、前記煙道からの前記燃焼ガスを大気に放出する煙突が接続されている、ボイラー
を含む蒸気発生プラントの改造方法において、前記煙道には、前記煙道からの前記燃焼ガスを大気に放出する煙突が接続されている。前記煙突内又は前記煙道内に前記節炭器に送る水を前記燃焼ガスにより加熱する低温熱交換器を
新たに設置する。
【0043】
ここで、前記
蒸気発生プラントの改造方法において、前記節炭器を形成する材料よりも、前記燃焼ガスの凝縮液に対する耐腐食性の高い材料で前記低温熱交換器を形成してもよい。
【0044】
また、以上のいずれかの前記
蒸気発生プラントの改造方法において、前記節炭器に対して、前記低温熱交換器をフランジ接続させてもよい。
【0045】
上記目的を達成するための発明に係
る一態様としてのボイラーの運転方法は、
燃焼ガスが内部を排気口側である下流側に向かって流れるボイラー外枠と、前記ボイラー外枠内に少なくとも一部が設置され、前記燃焼ガスにより水を加熱して蒸気を発生させる一以上の蒸発器と、前記ボイラー外枠内であって、一以上の前記蒸発器のうち最も前記下流側の蒸発器である最下流蒸発器の前記下流側に設置され、前記最下流蒸発器に送る水を前記燃焼ガスにより加熱する節炭器と、を備えるボイラーの運転方法において、前記節炭器の前記下流側に設置され、前記節炭器に送る水を前記燃焼ガスより加熱する低温熱交換器を設け、前記節炭器で、前記燃焼ガスと内部を流れる水とを熱交換させることにより、前記水を加熱する一方で、前記燃焼ガスの露点温度よりも高い温度にまで前記燃焼ガスを冷却する節炭器熱交換工程と、前記低温熱交換器で、前記節炭器での熱交換で冷却された前記燃焼ガスと内部を流れる水とを熱交換させることにより、前記水を加熱する一方で、前記低温熱交換器の少なくとも一部で前記燃焼ガスが凝縮するまで前記燃焼ガスを冷却する低温熱交工程と、を実行する。
前記ボイラー外枠には、前記ボイラー外枠から流出した前記燃焼ガスが流れる煙道が接続されていると共に、前記煙道には、前記煙道からの前記燃焼ガスを大気に放出する煙突が接続されている。前記煙突又は前記煙道内に前記低温熱交換器を設置する。
【0046】
当該ボイラーの運転方法では、低温熱交換器により、低温の燃焼ガス中から熱を回収することができる。特に、当該ボイラーの運転方法では、低温熱交換器の一部で、燃焼ガスを凝縮させるので、燃焼ガス中に含まれる水分の潜熱も回収することができる。
上記目的を達成するための発明に係る他の態様としてのボイラーの運転方法は、
燃焼ガスが内部を排気口側である下流側に向かって流れるボイラー外枠と、前記ボイラー外枠内に少なくとも一部が設置され、前記燃焼ガスにより水を加熱して蒸気を発生させる一以上の蒸発器と、前記ボイラー外枠内であって、一以上の前記蒸発器のうち最も前記下流側の蒸発器である最下流蒸発器の前記下流側に設置され、前記最下流蒸発器に送る水を前記燃焼ガスにより加熱する節炭器と、を備えるボイラーの運転方法において、前記節炭器の前記下流側に設置され、前記節炭器に送る水を前記燃焼ガスより加熱する低温熱交換器を前記節炭器にフランジ接続する。前記節炭器で、前記燃焼ガスと内部を流れる水とを熱交換させることにより、前記水を加熱する一方で、前記燃焼ガスの露点温度よりも高い温度にまで前記燃焼ガスを冷却する節炭器熱交換工程と、前記低温熱交換器で、前記節炭器での熱交換で冷却された前記燃焼ガスと内部を流れる水とを熱交換させることにより、前記水を加熱する一方で、前記低温熱交換器の少なくとも一部で前記燃焼ガスが凝縮するまで前記燃焼ガスを冷却する低温熱交換工程と、を実行する。
上記目的を達成するための発明に係るさらに他の態様としてのボイラーの運転方法は、
燃焼ガスが内部を排気口側である下流側に向かって流れるボイラー外枠と、前記ボイラー外枠内に少なくとも一部が設置され、前記燃焼ガスにより水を加熱して蒸気を発生させる一以上の蒸発器と、前記ボイラー外枠内であって、一以上の前記蒸発器のうち最も前記下流側の蒸発器である最下流蒸発器の前記下流側に設置され、前記最下流蒸発器に送る水を前記燃焼ガスにより加熱する節炭器と、を備えるボイラーの運転方法において、前記節炭器の前記下流側に設置され、前記節炭器に送る水を前記燃焼ガスより加熱する低温熱交換器を設ける。前記節炭器で、前記燃焼ガスと内部を流れる水とを熱交換させることにより、前記水を加熱する一方で、前記燃焼ガスの露点温度よりも高い温度にまで前記燃焼ガスを冷却する節炭器熱交換工程と、前記低温熱交換器で、前記節炭器での熱交換で冷却された前記燃焼ガスと内部を流れる水とを熱交換させることにより、前記水を加熱する一方で、前記低温熱交換器の少なくとも一部で前記燃焼ガスが凝縮するまで前記燃焼ガスを冷却する低温熱交換工程と、前記燃焼ガス中に含まれる水分が液化したミストを前記燃焼ガスから分離するミスト分離工程と、を実行する。前記低温熱交換器は、前記燃焼ガスの流れに対する上下流方向に並ぶ複数の低温熱交換部を有する。前記ミスト分離工程は、複数の前記低温熱交換部の相互間と、複数の前記低温熱交換部のうちで最も前記下流側の低温熱交換部の下流側の領域と、複数の前記低温熱交換部の相互間の領域とのうち、二以上の領域で実行される。
【0047】
ここで、以上のいずれかの態様のボイラーの運転方法において、前記低温熱交換器は、前記ボイラー外枠内に前記低温熱交換器を設置
してもよい。
【0048】
また、以上のいずれかの態様のボイラーの運転方法において、前記ボイラー外枠には、前記ボイラー外枠から流出した前記燃焼ガスが流れる煙道が接続されていると共に、前記煙道には、前記煙道からの前記燃焼ガスを大気に放出する煙突が接続されており、前記煙突内又は前記煙道内に前記低温熱交換器を設置
してもよい。
【0052】
ここで、以上のいずれかの態様のボイラーの運転方法において、低沸点媒体ランキンサイクルで、低沸点媒体を循環させるランキンサイクル実行工程と、前記節炭器で加熱された水を前記低沸点媒体ランキンサイクルへ導く加熱水導入工程と、前記低沸点媒体ランキンサイクルに導かれ、前記低沸点媒体ランキンサイクルを通った水を前記ボイラーに戻す水回収工程と、を実行し、前記ランキンサイクル実行工程は、前記低沸点媒体ランキンサイクルに導入された前記水と液体の前記低沸点媒体とを熱交換させて、前記低沸点媒体を加熱する加熱工程を含む。
上記目的を達成するための発明に係る他の態様としてのボイラーの運転方法は、
燃焼ガスが内部を排気口側である下流側に向かって流れるボイラー外枠と、前記ボイラー外枠内に少なくとも一部が設置され、前記燃焼ガスにより水を加熱して蒸気を発生させる一以上の蒸発器と、前記ボイラー外枠内であって、一以上の前記蒸発器のうち最も前記下流側の蒸発器である最下流蒸発器の前記下流側に設置され、前記最下流蒸発器に送る水を前記燃焼ガスにより加熱する節炭器と、を備えるボイラーの運転方法において、前記節炭器で前記燃焼ガスと内部を流れる水とを熱交換させることにより、前記水を加熱する一方で、前記節炭器の少なくとも一部で前記燃焼ガスが凝縮するまで前記燃焼ガスを冷却する節炭器熱交換工程と、低沸点媒体ランキンサイクルで、低沸点媒体を循環させるランキンサイクル実行工程と、前記節炭器で加熱された水を前記低沸点媒体ランキンサイクルへ導く加熱水導入工程と、前記低沸点媒体ランキンサイクルに導かれ、前記低沸点媒体ランキンサイクルを通った水を前記ボイラーに戻す水回収工程と、を実行する。前記ランキンサイクル実行工程は、前記低沸点媒体ランキンサイクルに導入された前記水と液体の前記低沸点媒体とを熱交換させて、前記低沸点媒体を加熱する加熱工程を含む。
【0053】
当該ボイラーの運転方法では、燃焼ガスの熱の一部を利用して、低沸点媒体ランキンサイクルを駆動させるので、ボイラーを含むプラントの出力及び効率を高めることができる。
【発明の効果】
【0054】
本発明の一態様では、燃焼ガス中の熱を有効利用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0056】
以下、本発明に係るボイラー、及びこのボイラーを備える蒸気発生プラントの各種実施形態について、図面を用いて説明する。
【0057】
「第一実施形態」
図1を参照して、本発明に係るボイラー、及びこのボイラーを備える蒸気発生プラントの第一実施形態について説明する。
【0058】
本実施形態の蒸気発生プラントは、ガスタービン10と、発電機41と、排熱回収ボイラー110nと、蒸気タービン121a,121cと、発電機122a,122cと、復水器123と、給水ポンプ124と、煙突60と、を備えている。発電機41は、ガスタービン10jの駆動で発電する。排熱回収ボイラー110nは、ガスタービン10から排気された排気ガスEGの熱で蒸気を発生させる。蒸気タービン121a,121cは、排熱回収ボイラー110nで発生した蒸気で駆動する。発電機122a,122cは、蒸気タービン121a,121cの駆動で発電する。復水器123は、蒸気タービン121aを駆動させた蒸気を水に戻す。給水ポンプ124は、復水器123中の水を排熱回収ボイラー110nに戻す。煙突60は、排熱回収ボイラー110nを通過した排気ガスEGを大気に放出する。
【0059】
ガスタービン10は、空気Aを圧縮する圧縮機11と、圧縮機11で圧縮された空気中で燃料Fを燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼器21と、高温高圧の燃焼ガスにより駆動するタービン31と、を備えている。圧縮機11は、軸線を中心として回転する圧縮機ロータ13と、この圧縮機ロータ13を回転可能に覆う圧縮機ケーシング17と、有している。タービン31は、燃焼器21からの燃焼ガスにより、軸線を中心として回転するタービンロータ33と、このタービンロータ33を回転可能に覆うタービンケーシング37と、を有している。タービンロータ33は、軸線と平行な軸方向に延びるロータ軸34と、このロータ軸34の外周に固定されている複数の動翼35と、を有している。タービンケーシング37の内周面には、複数の静翼38が固定されている。タービンケーシング37の内周面とロータ軸34の外周面との間は、燃焼器21からの燃焼ガスが通る燃焼ガス流路を成す。
【0060】
燃焼器21は、タービンケーシング37に固定されている。タービンロータ33と圧縮機ロータ13とは、同一の軸線を中心として回転するもので、相互に連結されて、ガスタービンロータ40を成している。このガスタービンロータ40には、前述の発電機41のロータが接続されている。
【0061】
本実施形態では、蒸気タービン121a,121cとして、低圧蒸気タービン121aと高圧蒸気タービン121cとを有している。低圧蒸気タービン121a、高圧蒸気タービン121cには、それぞれ、発電機122a,122cが接続されている。なお、ここでは、各蒸気タービン121a,121cに発電機122a,122cを接続している。しかしながら、低圧蒸気タービン121a、高圧蒸気タービン121cのロータを互いに接続し、合計2基の蒸気タービンに対して、1基の発電機を接続してもよい。
【0062】
排熱回収ボイラー110nは、ボイラー外枠119と、低圧蒸気LSを発生する低圧蒸気発生部111a1と、高圧蒸気HSを発生する高圧蒸気発生部111cと、を有している。低圧蒸気発生部111a1及び高圧蒸気発生部111cは、いずれも、少なくとも一部がボイラー外枠119内に設定されている。
【0063】
ボイラー外枠119は、タービンケーシング37の排気口及び煙突60に接続されている。このため、ボイラー外枠119内には、タービンロータ33を回転させた燃焼ガスが排気ガスEGとしてガスタービン10から流入する。この排気ガスEGは、ボイラー外枠119内を通って、ボイラー外枠119の排気口119eから煙突60を経て、大気に放出される。本実施形態では、ボイラー外枠119の排気口側を排気ガスEGの流れの下流側とし、その反対側を上流側とする。
【0064】
低圧蒸気発生部111a1は、高圧蒸気発生部111cよりも下流側に配置されている。この低圧蒸気発生部111a1は、水を加熱する低圧節炭器112aと、低圧節炭器112aで加熱された水を蒸気にする低圧蒸発器(最下流蒸発器)113aと、低圧蒸発器113aで発生した蒸気を過熱して低圧蒸気LSを生成する低圧過熱器114aと、を有している。本実施形態の低圧蒸気発生部111a1は、さらに、低温熱交換器115aを有している。低圧過熱器114a、低圧節炭器112a及び低温熱交換器115aは、いずれも、ボイラー外枠119内に設置されている。低圧蒸発器113aの一部である蒸発ドラムは、ボイラー外枠119外に設置されている。一方、低圧蒸発器113aの他の一部である伝熱管は、ボイラー外枠119内に設置されている。低圧蒸気発生部111a1を構成する各要素は、下流側に向かって、低圧過熱器114a、低圧蒸発器113a、低圧節炭器112a、低温熱交換器115aの順序で並んでいる。
【0065】
低温熱交換器115aの上流側端は、低圧節炭器112aにフランジ接続されている。つまり、低温熱交換器115aの低圧節炭器112a側の端にはフランジが設けられ、低圧節炭器112aの低温熱交換器115a側の端にもフランジが設けられ、両フランジがボルトで接続されている。低温熱交換器115aの下流側端には、外部から水を受け入れる流入口115iが形成されている。この低温熱交換器115aは、低圧節炭器112aを形成する材料よりも、燃焼ガスの凝縮液に対する耐腐食性の高い材料で形成されている。低圧節炭器112aは、例えば、炭素鋼等で形成されている。一方、低温熱交換器115aは、クロムやニッケル等、耐食性を高める金属を含む合金、例えば、ステンレス等で形成されている。
【0066】
高圧蒸気発生部111cは、低圧節炭器112aで加熱された水を昇圧する高圧ポンプ116cと、この高圧ポンプ116cで昇圧された水を加熱する高圧節炭器112cと、高圧節炭器112cで加熱された水を蒸気にする高圧蒸発器113cと、高圧蒸発器113cで発生した蒸気を過熱して高圧蒸気HSを生成する高圧過熱器114cと、を有している。高圧過熱器114c、高圧節炭器112cは、いずれも、ボイラー外枠119内に設置されている。高圧蒸発器113cの一部である蒸発ドラムは、ボイラー外枠119外に設置されている。一方、高圧蒸発器113cの他の一部である伝熱管は、ボイラー外枠119内に設置されている。また、高圧ポンプ116cは、ボイラー外枠119外に設置されている。高圧蒸気発生部111cを構成する各要素は、下流側に向かって、高圧過熱器114c、高圧蒸発器113c、高圧節炭器112cの順序で並んでいる。低圧節炭器112aには、ここで加熱された水を低圧蒸発器113aに導く低圧水ライン117が接続されている。この低圧水ライン117は、途中で分岐している。この分岐しているラインは、低圧水分岐ライン117cとして高圧節炭器112cに接続されている。この低圧水分岐ライン117cには、高圧ポンプ116cが設けられている。
【0067】
復水器123と低温熱交換器115aの流入口115iとは、給水ライン131で接続されている。この給水ライン131には、前述の給水ポンプ124が設けられている。低圧過熱器114aと低圧蒸気タービン121aの蒸気入口とは、低圧過熱器114aからの低圧蒸気LSを低圧蒸気タービン121aに送る低圧蒸気ライン132で接続されている。低圧蒸気タービン121aの蒸気出口と復水器123とは、低圧蒸気タービン121aを駆動させた低圧蒸気LSが復水器123に供給されるよう互いに接続されている。高圧過熱器114cと高圧蒸気タービン121cの蒸気入口とは、高圧過熱器114cからの高圧蒸気HSを高圧蒸気タービン121cに送る高圧蒸気ライン138で接続されている。高圧蒸気タービン121cの蒸気出口には、高圧蒸気回収ライン139が接続されている。この高圧蒸気回収ライン139は、低圧蒸気ライン132に合流している。
【0068】
低圧水分岐ライン117cは、高圧ポンプ116cよりも高圧節炭器112c側で分岐している。この分岐しているラインは、低圧水循環ライン118cとして、給水ライン131中で給水ポンプ124よりも低温熱交換器115a側の位置に接続されている。低圧水循環ライン118cには、ここを流れる水の流量を調節する流量調節弁126が設けられている。給水ライン131中で、低圧水循環ライン118cとの接続位置よりも低温熱交換器115a側に位置には、ここを流れる水の温度を検知する温度計127が設けられている。流量調節弁126は、この温度計127で検知された水の温度に応じて、低圧水循環ライン118cを流れる水の流量を調節する。低圧節炭器112aで加熱された水の一部を給水ライン131中に導く温水ラインは、低圧水ライン117の一部、低圧水分岐ライン117cの一部、及び低圧水循環ライン118cで構成される。
【0069】
次に、本実施形態の蒸気発生プラントの動作について説明する。
【0070】
ガスタービン10の圧縮機11は、空気Aを圧縮し、圧縮した空気Aを燃焼器21に供給する。また、燃焼器21には、燃料Fも供給される。燃焼器21内では、圧縮された空気A中で燃料Fが燃焼して、高温高圧の燃焼ガスが生成される。この燃焼ガスは、燃焼器21からタービン31内の燃焼ガス流路に送られ、タービンロータ33を回転させる。このタービンロータ33の回転で、ガスタービン10に接続されている発電機41は発電する。
【0071】
タービンロータ33を回転させた燃焼ガスは、排気ガスEGとしてガスタービン10から排気され、排熱回収ボイラー110nを介して、煙突60から大気に放出される。排熱回収ボイラー110nは、ガスタービン10からの排気ガスEGが排熱回収ボイラー110nを通る過程で、この排気ガスEGに含まれている熱を回収する。
【0072】
排熱回収ボイラー110n中で、最も下流側の低温熱交換器115aには、給水ライン131から水が供給される。この低温熱交換器115aに供給される水は、復水器123からの水の他、場合によって低圧節炭器112aで加熱された水の一部が含まれる。低圧節炭器112aで加熱された水の一部は、低圧水分岐ライン117c及び低圧水循環ライン118cを介して、給水ライン131に流入する。低圧水循環ライン118cに設けられている流量調節弁126は、温度計127で検知された水の温度が排気ガスEGの露点温度以上にならない範囲内で、低圧節炭器112aで加熱された水を給水ライン131に送る。よって、低温熱交換器115aには、排気ガスEGの露点温度未満の水が供給される。
【0073】
なお、排気ガスEGの露点温度は、例えば、45〜50℃程度である。但し、この露点温度は、一例であり、ガスタービン10の燃焼器21で燃焼する燃料Fの物性等が変われば、排気ガスEGの露点温度は、50℃よりも高くなる場合もあれば、45℃より低くなることもある。排気ガスEGの露点温度が、前述した45〜50℃程度の場合、低温熱交換器115aには、例えば、35〜40℃の水が供給される。
【0074】
低温熱交換器115aは、排気ガスEGと内部を流れる水とを熱交換させることにより、水を加熱する一方で、排気ガスEGを冷却する(低温熱交換工程)。低温熱交換器115aでは、排気ガスEGの露点温度未満の温度の水をこの露点温度よりも高い温度にまで加熱する。また、低温熱交換器115aでは、低温熱交換器115aの少なくとも一部、例えば、低温熱交換器115aの表面中の局所で、排気ガスEGが凝縮するまで排気ガスEGを冷却する。但し、ここでは、低温熱交換器115aを通過した排気ガスEGの温度は、平均するとその露点温度以上である。すなわち、この低温熱交換器115aは、排気ガスEGと内部を流れる水とを熱交換させることにより、水を加熱する一方で、低温熱交換器115aの少なくとも一部で排気ガスEGが凝縮するまで排気ガスEGを冷却する熱交換能力を有する。
【0075】
低温熱交換器115aで加熱された水は、低圧節炭器112aに流入する。低圧節炭器112aでも、排気ガスEGと内部を流れる水とを熱交換させることにより、水を加熱する一方で排気ガスEGを冷却する(節炭器熱交換工程)。低圧節炭器112aでは、排気ガスEGの露点温度よりも高い温度の水をさらに高い温度にまで加熱する。また、低圧節炭器112aでは、排気ガスEGをその露点温度より高い温度にまで冷却する。よって、露点温度よりも高い温度の排気ガスEGが前述の低温熱交換器115aへ流れてゆく。
【0076】
低圧節炭器112aで加熱された水の一部は、低圧蒸発器113aでさらに加熱されて蒸気になる。この蒸気は、低圧過熱器114aでさらに過熱されて低圧蒸気LSとして、低圧蒸気ライン132を介して低圧蒸気タービン121aに供給される。低圧蒸気タービン121aを駆動させた蒸気は、復水器123で水に戻る。復水器123中の水は、給水ポンプ124で昇圧され、給水ライン131を経て、排熱回収ボイラー110nの低温熱交換器115aに送られる。
【0077】
低圧節炭器112aで加熱された水の他の一部は、高圧ポンプ116cで昇圧される。高圧ポンプ116cで昇圧された水の一部は、低圧水循環ライン118cを介して、前述したように、給水ライン131に供給される。また、高圧ポンプ116cで昇圧された水の他の一部は、低圧水分岐ライン117cを介して、高圧節炭器112cに送られる。
【0078】
高圧節炭器112cは、高圧ポンプ116cから送られてきた水を排気ガスEGと熱交換させて加熱する。高圧節炭器112cで加熱された水は、高圧蒸発器113cでさらに加熱されて蒸気になる。この蒸気は、高圧過熱器114cでさらに過熱されて高圧蒸気HSとなる。この高圧蒸気HSは、高圧蒸気ライン138を介して高圧蒸気タービン121cに供給され、高圧蒸気タービン121cを駆動する。高圧蒸気タービン121cを駆動させた蒸気は、高圧蒸気回収ライン139及び低圧蒸気ライン132を経て、低圧蒸気タービン121aに供給され、低圧蒸気タービン121aを駆動する。低圧蒸気タービン121aを駆動させた蒸気は、前述したように、復水器123で水に戻る。
【0079】
本実施形態では、低温熱交換器115aにより、低温の排気ガスEG中から熱を回収することができる。特に、本実施形態では、低温熱交換器115aの一部で、排気ガスEGを凝縮させるので、排気ガスEG中に含まれる水分の潜熱も回収することができる。よって、本実施形態では、排気ガスEG中の熱を有効利用することができ、蒸気発生プラントの効率を高めることができる。
【0080】
また、本実施形態では、新規にボイラーを設置する場合のみならず、既設のボイラーを改造するにあたり、以上で説明した低温熱交換器115aを追設することで、既設のボイラーの効率を高めることができる。
【0081】
本実施形態では、以上のように、低温熱交換器115aの一部で、排気ガスEGを凝縮させる。本実施形態では、低温熱交換器115aを排気ガスEGの凝縮液に対して耐食性の高いステンレス等で形成しているので、凝縮液による低温熱交換器115aの腐食を抑えることができる。また、本実施形態では、低温熱交換器115aを低圧節炭器112aとフランジ接続しているため、容易にこの低温熱交換器115aと低圧節炭器112aとの接続を解除すことができる。このため、本実施形態では、仮に、低温熱交換器115aが腐食による損傷が大きくなっても、容易に、この低温熱交換器115aを新たな低温熱交換器115aと交換することができる。また、低圧節炭器112aとは別に低温熱交換器115aを設けて、両者を接続することにより、排気ガスEGが凝縮し得る低温熱交換器115aのみを耐食性の高い材料とし、低圧節炭器112aは一般の材料とすることができる。こうすることで、高価な耐食性の高い材料を用いる箇所を低温熱交換器115aに限定して、コストを削減しつつ、腐食を防止することができる。
【0082】
ここで、本実施形態では、低温熱交換器115aをステンレス等の耐食性の高い材料で形成すると共に、この低温熱交換器115aを低圧節炭器112aとフランジ接続している。しかしながら、低温熱交換器115aをステンレス等の耐食性の高い材料で形成する場合には、この低温熱交換器115aを低圧節炭器112aとフランジ接続しなくてもよい。また、低温熱交換器115aを低圧節炭器112aとフランジ接続する場合には、この低温熱交換器115aをステンレス等の耐食性の高い材料で形成しなくてもよい。
【0083】
また、本実施形態では、低温熱交換器115aで、露点温度よりも高い温度の排気ガスEGを露点温度以上の温度にまで冷却する。しかしながら、低温熱交換器で、露点温度よりも高い温度の排気ガスEG、又は露点温度以上の温度の排気ガスEGを露点温度未満にまで冷却してもよい。このように、低温熱交換器を変更する場合、低温熱交換器に流入する水の温度が本実施形態と同じ場合には、この低温熱交換器の伝熱面積を本実施形態の低温熱交換器115aの伝熱面積よりも大きくする必要がある。このように、低温熱交換器で、排気ガスEGを露点温度未満にまで冷却すると、排気ガスEG中に含まれる水分の潜熱を本実施形態よりも回収することができる。
【0084】
「第二実施形態」
図2を参照して、本発明に係るボイラー、及びこのボイラーを備える蒸気発生プラントの第二実施形態について説明する。
【0085】
本実施形態の蒸気発生プラントは、第一実施形態における蒸気発生プラントにおける低温熱交換器115aと低圧節炭器112aとを一体化し、これを低圧節炭器112dとしたももので、その他の構成は第一実施形態と同様である。このため、本実施形態の排熱回収ボイラー110oにおける低圧蒸気発生部111a2は、低圧節炭器112dと低圧蒸発器113aと低圧過熱器114aとを有し、機器として独立した低温熱交換器を有していない。
【0086】
本実施形態の低圧節炭器112dの下流側端には、外部から水を受け入れる流入口112iが形成されている。給水ライン131は、この流入口112iに接続されている。この給水ライン131にも、第一実施形態の蒸気発生プラントと同様、低圧水循環ライン118cが接続されている。この低圧水循環ライン118cは、第一実施形態と同様、低圧節炭器112dで加熱された水の一部を給水ライン131中に導く温水ラインの一部を構成する。低圧水循環ライン118cには、ここを流れる水の流量を調節する流量調節弁126が設けられている。給水ライン131中で、低圧水循環ライン118cとの接続位置よりも低温熱交換器115a側に位置には、ここを流れる水の温度を検知する温度計127が設けられている。
【0087】
次に、本実施形態の蒸気発生プラントの動作について説明する。
【0088】
排熱回収ボイラー110o中で、最も下流側の低圧節炭器112dには、給水ライン131から水が供給される。この低圧節炭器112dに供給される水は、復水器123からの水の他、場合によってこの低圧節炭器112dで加熱された水の一部が含まれる。低圧節炭器112dで加熱された水の一部は、低圧水分岐ライン117c及び低圧水循環ライン118cを介して、給水ライン131に流入する。低圧水循環ライン118cに設けられている流量調節弁126は、温度計127で検知された水の温度が排気ガスEGの露点温度以上にならない範囲内で、低圧節炭器112dで加熱された水を給水ライン131に送る。よって、低圧節炭器112dには、排気ガスEGの露点温度未満の水が供給される。
【0089】
低圧節炭器112dは、排気ガスEGと内部を流れる水とを熱交換させることにより、水を加熱する一方で、排気ガスEGを冷却する(節炭器熱交換工程)。低圧節炭器112dでは、排気ガスEGの露点温度未満の温度の水をこの露点温度よりも高い温度にまで加熱する。また、低圧節炭器112dでは、低温熱交換器115aでは、低温熱交換器115aの少なくとも一部、例えば、低温熱交換器115aの表面中の局所で、排気ガスEGが凝縮するまで排気ガスEGを冷却する。但し、ここでは、低温熱交換器115aを通過した排気ガスEGの温度は、平均するとその露点温度以上である。すなわち、この低圧節炭器112dは、排気ガスEGと内部を流れる水とを熱交換させることにより、水を加熱する一方で、低圧節炭器112dの少なくとも一部で排気ガスEGが凝縮するまで排気ガスEGを冷却する熱交換能力を有する。よって、本実施形態の低圧節炭器112dの伝熱面積は、第一実施形態の蒸気発生プラントにおける低圧節炭器112aの伝熱面積より大きい。
【0090】
低圧節炭器112dで加熱された水の一部は、第一実施形態の蒸気発生プラントと同様、低圧蒸発器113aでさらに加熱されて蒸気になる。この蒸気は、低圧過熱器114aでさらに過熱されて低圧蒸気LSとして、低圧蒸気ライン132を介して低圧蒸気タービン121aに供給される。低圧節炭器112dで加熱された水の他の一部は、高圧ポンプ116cで昇圧される。高圧ポンプ116cで昇圧された水の一部は、低圧水循環ライン118cを介して、前述したように、給水ライン131に供給される。また、高圧ポンプ116cで昇圧された水の他の一部は、低圧水分岐ライン117cを介して、高圧節炭器112cに送られる。
【0091】
本実施形態でも、低圧節炭器112dにより、低温の排気ガスEG中から熱を回収することができる。特に、本実施形態では、低圧節炭器112dの一部で、排気ガスEGを凝縮させるので、排気ガスEG中に含まれる水分の潜熱も回収することができる。よって、本実施形態でも、排気ガスEG中の熱を有効利用することができ、蒸気発生プラントの効率を高めることができる。
【0092】
ここで、本実施形態では、低圧節炭器112dで、露点温度よりも高い温度の排気ガスEGを露点温度以上の温度にまで冷却する。しかしながら、低圧節炭器で、露点温度よりも高い温度の排気ガスEGを露点温度未満にまで冷却してもよい。このように、低圧節炭器を変更する場合、低圧節炭器に流入する水の温度が本実施形態と同じ場合には、この低圧節炭器の伝熱面積を本実施形態の低圧節炭器112dの伝熱面積よりも大きくする必要がある。このように、低圧節炭器で、排気ガスEGを露点温度未満にまで冷却すると、排気ガスEG中に含まれる水分の潜熱を本実施形態よりも回収することができる。
【0093】
「第三実施形態」
図3を参照して、本発明に係るボイラー、及びこのボイラーを備える蒸気発生プラントの第三実施形態について説明する。
【0094】
本実施形態の蒸気発生プラントは、第一実施形態における蒸気発生プラントに、低圧節炭器112aで加熱された水の熱を用いて駆動する低沸点媒体ランキンサイクル150を追加したものである。
【0095】
ランキンサイクルは、蒸気でタービンを駆動するサイクルである。一方、低沸点媒体ランキンサイクル150は、水よりも沸点の低い媒体(以下、低沸点媒体とする)を用いてタービン152を駆動するサイクルである。
【0096】
低沸点媒体としては、例えば、以下の物質がある。
・トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、パーフルオロデカリン等の有機ハロゲン化合物
・ブタン、プロパン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等のアルカン
・シクロペンタン、シクロヘキサン等の環状アルカン
・チオフェン、ケトン、芳香族化合物
・R134a、R245fa等の冷媒
・以上を組み合わせたもの
【0097】
低沸点媒体ランキンサイクル150は、液体の低沸点媒体を加熱して蒸発させる蒸発器(加熱器)151と、蒸発した低沸点媒体で駆動するタービン152と、凝縮器153と、低沸点媒体ポンプ154と、を備えている。タービン152には、例えば、このタービン152の駆動で発電する発電機159が接続されている。凝縮器153は、タービン152を駆動させた低沸点媒体を冷却して凝縮させる。この凝縮器153は、熱交換器の一種で、低沸点媒体と水等の冷却媒体とを熱交換させる。低沸点媒体ポンプ154は、凝縮器153で凝縮した低沸点媒体を蒸発器151に戻す。蒸発器(加熱器)151も、熱交換器の一種で、液体の低沸点媒体と低圧節炭器112aで加熱された液体の水とを熱交換させる。
【0098】
低沸点媒体ランキンサイクル150の蒸発器151には、低圧水循環ライン118cが接続されている。具体的には、蒸発器151の加熱水入口が低圧水循環ライン118cの低圧節炭器112a側と接続され、蒸発器151の加熱水出口が低圧水循環ライン118cの給水ライン131側と接続されている。この低圧水循環ライン118c中で蒸発器151と給水ライン131との間には、流量調節弁126が設けられている。
【0099】
低圧節炭器112aで加熱された水の一部は、高圧ポンプ116cで昇圧されてから、低圧水循環ライン118cを介して、低沸点媒体ランキンサイクル150の蒸発器151に供給される(加熱水導入工程)。
【0100】
蒸発器151では、液体の低沸点媒体と低圧節炭器112aで加熱された水とを熱交換させ、低沸点媒体を加熱し、この低沸点媒体を蒸発させる(加熱工程)。この過程で、水は、冷却されて、蒸発器151の加熱水出口から流出する。蒸発器151の加熱水出口から流出した水は、低圧水循環ライン118cを介して、給水ライン131に流入する。この水は、復水器123からの水と混ざり合って、給水ライン131を流れ、低温熱交換器115aに戻る(水回収工程)。
【0101】
蒸発器151で蒸発した低沸点媒体は、低沸点媒体ランキンサイクル150の構成要素であるタービン152を駆動させる。タービン152を駆動させた低沸点媒体は、凝縮器153に送られる。この凝縮器153では、低沸点媒体と冷却媒体とが熱交換され、低沸点媒体が冷却されて凝縮する。凝縮した低沸点媒体は、低沸点媒体ポンプ154により蒸発器151に送られ、前述したように、この蒸発器151で水と熱交換する。以上のように、低沸点媒体は、低沸点媒体ランキンサイクル150内で循環する(ランキンサイクル実行工程)。
【0102】
以上のように、本実施形態では、排気ガスEGの熱を利用して低沸点媒体ランキンサイクル150を駆動させることで、プラントの出力及び効率を高めることができる。
【0103】
なお、本実施形態は、蒸気発生プラントの第一実施形態に低沸点媒体ランキンサイクル150を追加したものであるが、蒸気発生プラントの第二実施形態に低沸点媒体ランキンサイクル150を追加してもよい。
【0104】
また、ここで例示した低沸点媒体ランキンサイクル150は、低沸点媒体ランキンサイクルのもっとも基本的な態様であるが、他の態様の低沸点媒体ランキンサイクルを採用してもよい。例えば、以上の実施形態における低沸点媒体ランキンサイクル150に、凝縮器153で凝縮した低沸点媒体とタービン152を駆動させた低沸点媒体とを熱交換させて、凝縮した低沸点媒体を加熱する予熱器を追加してもよい。また、凝縮器153に対して、複数の蒸発器151を直列又は並列に接続し、複数の蒸発器151毎にタービン152を設けてもよい。
【0105】
「第四実施形態」
図4を参照して、本発明に係るボイラー、及びこのボイラーを備える蒸気発生プラントの第四実施形態について説明する。
【0106】
本実施形態は、上記第三実施形態の変形例である。上記第三実施形態では、低温熱交換器115aをボイラー外枠119内に設置している。本実施形態では、低温熱交換器115aを煙突60内に設置している。ボイラー外枠119の下流端には、煙道61が接続されている。この煙道61の下流端には、煙突60が接続されている。ボイラー外枠119からの排気ガスEGは、煙道61内及び煙突60内を通って、煙突60から大気に放出される。
【0107】
本実施形態における低温熱交換器115aの流入口115iには、上記第一及び第三実施形態と同様、給水ライン131が接続されている。この低温熱交換器115aの上流側端は、ボイラー外枠119内の低圧節炭器112aに接続されている。なお、この低温熱交換器115aの上流側端と低圧節炭器112aとの接続は、上記第一及び第三実施形態と同様、フランジ接続であってもよいが、溶接接続であってもよい。また、この低温熱交換器115aは、第一及び第三実施形態と同様、低圧節炭器112aを形成する材料よりも耐食性の高い材料で形成してもよい。
【0108】
本実施形態では、給水ライン131からの水が、煙突60内の低温熱交換器115aに供給される。低温熱交換器115aは、煙突60内の排気ガスEGと内部を流れる水とを熱交換させることにより、水を加熱する一方で、排気ガスEGを冷却する(低温熱交換工程)。低温熱交換器115aでは、排気ガスEGの露点温度未満の温度の水をこの露点温度よりも高い温度にまで加熱する。また、低温熱交換器115aでは、低温熱交換器115aの少なくとも一部、例えば、低温熱交換器115aの表面中の局所で、排気ガスEGが凝縮するまで排気ガスEGを冷却する。すなわち、この低温熱交換器115aも、第一及び第三実施形態と同様、排気ガスEGと内部を流れる水とを熱交換させることにより、水を加熱する一方で、低温熱交換器115aの少なくとも一部で排気ガスEGが凝縮するまで排気ガスEGを冷却する熱交換能力を有する。
【0109】
低温熱交換器115aで加熱された水は、低圧節炭器112aに流入する。低圧節炭器112aでも、以上の各実施形態と同様、排気ガスEGと内部を流れる水とを熱交換させることにより、水を加熱する一方で排気ガスEGを冷却する(節炭器熱交換工程)。低圧節炭器112aでは、排気ガスEGの露点温度よりも高い温度の水をさらに高い温度にまで加熱する。また、低圧節炭器112aでは、排気ガスEGをその露点温度より高い温度にまで冷却する。
【0110】
本実施形態も、第三実施形態と同様に、低沸点媒体ランキンサイクル150を備えているので、排気ガスEGの熱を利用して低沸点媒体ランキンサイクル150を駆動させることで、プラントの出力及び効率を高めることができる。
【0111】
さらに、本実施形態では、煙突60内に低温熱交換器115aを設置したので、ボイラー外枠119を延長して、このボイラー外枠119内に低温熱交換器115aを設置する場合と比較して、ボイラー外枠119の延長作業を省くことができると共に、蒸気発生プラントの設置スペースを抑えることができる。
【0112】
「第五実施形態」
図5を参照して、本発明に係るボイラー、及びこのボイラーを備える蒸気発生プラントの第五実施形態について説明する。
【0113】
本実施形態は、上記第三実施形態の変形例である。上記第三実施形態では、低温熱交換器115aをボイラー外枠119内に設置している。本実施形態では、低温熱交換器115aを煙道61内に設置している。ボイラー外枠119の下流端には、煙道61が接続されている。この煙道61の下流端には、煙突60が接続されている。ボイラー外枠119からの排気ガスEGは、煙道61内及び煙突60内を通って、煙突60から大気に放出される。
【0114】
本実施形態における低温熱交換器115aの流入口115iには、上記第一実施形態等と同様、給水ライン131が接続されている。この低温熱交換器115aの上流側端は、ボイラー外枠119内の低圧節炭器112aに接続されている。なお、この低温熱交換器115aの上流側端と低圧節炭器112aとの接続は、上記第一及び第三実施形態と同様、フランジ接続であってもよいが、溶接接続であってもよい。また、この低温熱交換器115aは、第一及び第三実施形態と同様、低圧節炭器112aを形成する材料よりも耐食性の高い材料で形成してもよい。
【0115】
本実施形態では、給水ラインからの水が、煙道61内の低温熱交換器115aに供給される。低温熱交換器115aは、煙道61内の排気ガスEGと内部を流れる水とを熱交換させることにより、水を加熱する一方で、排気ガスEGを冷却する(低温熱交換工程)。低温熱交換器115aでは、排気ガスEGの露点温度未満の温度の水をこの露点温度よりも高い温度にまで加熱する。また、低温熱交換器115aでは、低温熱交換器115aの少なくとも一部、例えば、低温熱交換器115aの表面中の局所で、排気ガスEGが凝縮するまで排気ガスEGを冷却する。すなわち、この低温熱交換器115aも、第一及び第三実施形態と同様、排気ガスEGと内部を流れる水とを熱交換させることにより、水を加熱する一方で、低温熱交換器115aの少なくとも一部で排気ガスEGが凝縮するまで排気ガスEGを冷却する熱交換能力を有する。
【0116】
低温熱交換器115aで加熱された水は、低圧節炭器112aに流入する。低圧節炭器112aでも、以上の各実施形態と同様、排気ガスEGと内部を流れる水とを熱交換させることにより、水を加熱する一方で排気ガスEGを冷却する(節炭器熱交換工程)。低圧節炭器112aでは、排気ガスEGの露点温度よりも高い温度の水をさらに高い温度にまで加熱する。また、低圧節炭器112aでは、排気ガスEGをその露点温度より高い温度にまで冷却する。
【0117】
本実施形態も、第三実施形態と同様に、低沸点媒体ランキンサイクル150を備えているので、排気ガスEGの熱を利用して低沸点媒体ランキンサイクル150を駆動させることで、プラントの出力及び効率を高めることができる。
【0118】
さらに、本実施形態では、煙道61内に低温熱交換器115aを設置したので、ボイラー外枠119を延長して、このボイラー外枠119内に低温熱交換器115aを設置する場合と比較して、第四実施形態と同様、ボイラー外枠119の延長作業を省くことができると共に、蒸気発生プラントの設置スペースを抑えることができる。
【0119】
なお、上記第四実施形態及び本実施形態は、いずれも、上記第三実施形態の変形例であるが、上記第一実施形態においても、低温熱交換器115aを煙道内又は煙突内に設置してもよい。
【0120】
「第六実施形態」
図6を参照して、本発明に係るボイラー、及びこのボイラーを備える蒸気発生プラントの第六実施形態について説明する。
【0121】
本実施形態は、上記第三実施形態の変形例である。上記第三実施形態では、低沸点媒体ランキンサイクル150の蒸発器151における加熱水出口と給水ライン131とを、低圧水循環ライン118cで接続している。本実施形態では、低圧節炭器112aと低温熱交換器115aとの間のラインと、低沸点媒体ランキンサイクル150の蒸発器151における加熱水出口とを、低圧水循環ライン118dで接続する。
【0122】
本実施形態では、低沸点媒体ランキンサイクル150の蒸発器151でも、第三実施形態と同様、液体の低沸点媒体と低圧節炭器112aで加熱された水とを熱交換させ、低沸点媒体を加熱し、この低沸点媒体を蒸発させる(加熱工程)。この過程で、水は、冷却されて、蒸発器151の加熱水出口から流出する。蒸発器151の加熱水出口から流出した水は、低圧水循環ライン118dを介して、低圧節炭器112aに流入する(水回収工程)。この低圧節炭器112aには、低温熱交換器115aで加熱された水も流入する。
【0123】
低沸点媒体ランキンサイクル150の蒸発器151で、液体の低沸点媒体との熱交換後の水の温度が、低圧節炭器112aの入口温度に近い場合には、本実施形態のように、低沸点媒体ランキンサイクル150の蒸発器151で、液体の低沸点媒体との熱交換後の水を低圧節炭器112aと低温熱交換器115aとの間に戻すことが好ましい。これは、低温熱交換器115aでの熱回収量が増加するからである。
【0124】
なお、本実施形態は、第三実施形態に適用したものであるが、第四実施形態及び第五実施形態に適用してよい。
【0125】
「第七実施形態」
図7を参照して、本発明に係るボイラー、及びこのボイラーを備える蒸気発生プラントの第七実施形態について説明する。
【0126】
以上で説明した各実施形態の蒸気発生プラントにおけるボイラーは、いずれも排熱回収ボイラーである。しかしながら、ボイラーは、排熱回収ボイラーでなくてもよく、自ら燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成するものであってもよい。本実施形態の蒸気発生プラントは、このようなボイラーを備えているプラントである。
【0127】
本実施形態の蒸気発生プラントは、ボイラー110pと、ボイラー110pで発生した蒸気で駆動する蒸気タービン121pと、蒸気タービン121pの駆動で発電する発電機122pと、蒸気タービン121pを駆動させた蒸気を水に戻す復水器123と、復水器123中の水をボイラー110pに戻す給水ポンプ124と、を備えている。
【0128】
ボイラー110pは、ボイラー外枠119pと、ボイラー外枠119p内に燃料を噴射するバーナー118pと、燃料の燃焼で生成さた燃焼ガスで水を加熱する低温熱交換器115pと、この低温熱交換器115pで加熱された水をさらに加熱する節炭器112pと、節炭器112pで加熱された水を蒸気にする蒸発器113p(最下流蒸発器)と、蒸発器113pで発生した蒸気を過熱する過熱器114pと、を有している。過熱器114p、節炭器112p及び低温熱交換器115pは、いずれも、ボイラー外枠119p内に設置されている。蒸発器113pの一部である蒸発ドラムは、ボイラー外枠119p外に設置されている。一方、蒸発器113pの他の一部である伝熱管は、ボイラー外枠119p内に設置されている。過熱器114p、蒸発器113p、節炭器112p、低温熱交換器115pは、下流側に向かってこの順序で並んでいる。
【0129】
低温熱交換器115pの上流側端は、蒸気発生プラントの第一実施形態と同様、節炭器112pにフランジ接続されている。低温熱交換器115pの下流側端には、外部から水を受け入れる流入口115iが形成されている。この低温熱交換器115pも、節炭器112pを形成する材料よりも、燃焼ガスの凝縮液に対する耐腐食性の高い材料で形成されている。
【0130】
復水器123と低温熱交換器115pの流入口115iとは、給水ライン131で接続されている。この給水ライン131には、前述の給水ポンプ124が設けられている。
【0131】
本実施形態でも、低温熱交換器115pにより、低温の燃焼ガス中から熱を回収することができる。よって、本実施形態では、燃焼ガス中の熱を有効利用することができ、蒸気発生プラントの効率を高めることができる。このように、ボイラーは、排熱回収ボイラーでなくても、蒸気発生器及び節炭器を有するボイラーであれば、いかなるタイプのボイラーであってもよい。よって、例えば、先に説明したガスタービンプラントの各実施形態における排熱回収ボイラーであってもよい。
【0132】
また、本実施形態でも、新規にボイラー110pを設置する場合のみならず、既設のボイラーを改造するにあたり、以上で説明した低温熱交換器115pを追設することで、既設のボイラーの効率を高めることができる。
【0133】
ここで、本実施形態でも、低温熱交換器115pで、露点温度よりも高い温度の燃焼ガスを露点温度以上の温度にまで冷却する。しかしながら、低温熱交換器115pで、露点温度よりも高い温度の燃焼ガス、又は露点温度以上の温度の燃焼ガスを露点温度未満にまで冷却してもよい。
【0134】
また、本実施形態でも、第四実施形態及び第五実施形態のように、低温熱交換器115pを煙道内又は煙突内に設置してもよい。
【0135】
また、本実施形態でも、蒸気発生プラントの第二実施形態のように、節炭器112pと低温熱交換器115pとを一体化してもよい。
【0136】
また、本実施形態でも、蒸気発生プラントの第三〜第六実施形態のように、低沸点媒体ランキンサイクルを追加してもよい。この場合、例えば、第三実施形態と同様に、節炭器112pで加熱された水の一部を給水ライン131に戻す低圧水循環ライン(温水ライン)を設け、このライン中に低沸点媒体ランキンサイクルの蒸発器等を設ける。又は、例えば、第六実施形態と同様に、節炭器112pで加熱された水の一部を再び節炭器112pと低温熱交換器115pとの間のラインに戻す低圧水循環ライン(温水ライン)を設け、この低圧水循環ライン中に低沸点媒体ランキンサイクルの蒸発器等を設ける。
【0137】
「第八実施形態」
図8を参照して、本発明に係るボイラーの第八実施形態について説明する。
【0138】
本実施形態のボイラー110nは、第一実施形態のボイラーの変形例である。本実施形態のボイラー110nは、排気ガスEGからミストを分離するミストセパレータ141を備えている。
【0139】
本実施形態の低温熱交換器115aも、第一実施形態と同様、ボイラー外枠119内であって、低圧節炭器112aに対して燃焼ガスの流れの下流側に設置されている。低温熱交換器115aの上流側端は、低圧節炭器112aにフランジ接続されている。この低温熱交換器115aは、燃焼ガスの流れの上下流方向に並ぶ複数の低温熱交換部115apを有する。複数の低温熱交換部115ap相互は、フランジ接続されている。例えば、一の低温熱交換部115apの下流側の端にフランジが設けられ、この一の低温熱交換部115apの下流側に配置されている他の低温熱交換部115apの上流側の端にフランジが設けられ、両フランジがボルトで接続されている。
【0140】
ミストセパレータ141は、上下流方向で、低温熱交換器115aが配置されている領域内に配置されている。具体的には、上下流方向で複数の低温熱交換部115ap相互間のそれぞれに配置されている。ミストセパレータ141は、さらに、低温熱交換器115aの下流側にも配置されている。このミストセパレータ141は、慣性衝突式のミストセパレータである。具体的には、このミストセパレータ141は、複数の衝突板142を有している。各衝突板142は、上流側端の上下方向の位置と下流側端の上下方向の位置とが異なっている。すなわち、各衝突板142は、上下流方向に対して傾斜している。複数の衝突板142は、上下方向に間隔をあけて、上下方向に並んで配置されている。
【0141】
なお、ここでは、複数の衝突板142が上下方向に並んでいる。しかしながら、複数の衝突板142は、ボイラー外枠119内での排気ガスEGの流れに交差する方向に並んでいればよく、例えば、排気ガスEGの流れに直交する水平方向に並んでいてもよい。この場合、各衝突板142は、上流側端の水平方向の位置と下流側端の水平方向の位置とが異なることになる。
【0142】
また、本実施形態では、複数の衝突板142でミストセパレータ141を構成している。しかしながら、ミストセパレータ141は、ミストを捕えるための衝突板として役割を担う部材を有すれば、如何なる形態であってもよい。また、ここでは、慣性衝突式のミストセパレータを採用しているが、他の方式のミストセパレータを採用してもよい。
【0143】
ボイラー外枠119の底壁の部分であって、ミストセパレータ141の下方に位置する部分には、ドレンライン145が接続されている。このドレンライン145は、ボイラー外枠119の底壁の内面の位置で開口している。
【0144】
本実施形態の低温熱交換器115aにも、以上の各実施形態と同様、給水ライン131から水が供給される。この低温熱交換器115aには、排気ガスEGの露点温度未満の水が供給される。低温熱交換器115aは、排気ガスEGと内部を流れる水とを熱交換させることにより、水を加熱する一方で、排気ガスEGを冷却する(低温熱交換工程)。水は、燃焼ガスの流れの上下流方向に並ぶ複数の低温熱交換部115ap内を燃焼ガスの流れの上流側に流れる過程で、次第に加熱され、最上流の低温熱交換部115ap内を通過した水の温度は、排気ガスEGの露点温度よりも高い温度になる。排気ガスEGは、複数の低温熱交換部115apが配置されている領域内を下流側に流れる過程で、次第に冷却される。排気ガスEG中の水分の一部は、前述したように、複数の低温熱交換部115apの表面中の局所で凝縮する。しかも、排気ガスEGの平均温度は、複数の低温熱交換部115apが配置されている領域内を下流側に流れる過程で次第に低下する。このため、低温熱交換器115aが配置されている領域内を排気ガスEGが下流側に流れるに連れて、凝縮した水分量が多くなる。凝縮した水分は、ミストとしてボイラー外枠119内、さらに下流側の煙道、及び煙突60内を流れる。
【0145】
凝縮した水分は、腐食性を有する。そこで、本実施形態では、ボイラー外枠119や煙道等の腐食を抑えるため、ミストセパレータ141により、排気ガスEG中からミストを分離する(ミスト分離工程)。ミストは、ミストセパレータ141を構成する衝突板142に衝突することで、凝集して液膜になる。この液膜は、下方に流れ落ち、ドレンライン145を経て、このドレンライン145外に流出する。
【0146】
よって、本実施形態では、低温熱交換器115aが配置されている領域内を流れるミスト量、この低温熱交換器115aよりも下流側を流れるミスト量を減らすことができる。このため、本実施形態では、低温熱交換器115aの腐食、ボイラー外枠119で低温熱交換器115aが配置されている部分及びその下流側に部分の腐食、さらに、煙道等の腐食を抑えることができる。
【0147】
また、本実施形態では、複数の低温熱交換部115ap相互がフランジ接続されているため、一の低温熱交換部115apの腐食が進行した場合でも、この一の低温熱交換部115apを容易に新たな低温熱交換部115apと交換することができる。
【0148】
なお、本実施形態の低温熱交換器115aは、三つの低温熱交換部115apを有する。しかしながら、低温熱交換部115apの数は、二つであっても、四つ以上であってもよい。低温の排気ガスEGからの熱回収量は、燃焼ガスの流れの上下流方向に並ぶ低温熱交換部115apの数が多くなるほど増加する。また、複数の低温熱交換部115apの相互間のそれぞれにミストセパレータ141を配置する場合、低温熱交換部115apの数が多くなるほど、ミストの捕集率が高まると共に、発生したミストを逐次回収することにより排気ガスEG中で凝縮した水分の量を低くすることができる。このため、この場合、ボイラー外枠119等の腐食防止効果を高めることができる。一方、低温熱交換部115apの数が多くなるほど、設置コストが増加する。よって、排熱回収量の増加及び腐食防止効果と、設備コストの増加とを比較考量して低温熱交換部115apの数を定めることが好ましい。
【0149】
また、低温熱交換器115aは、一つのみの低温熱交換部115apを有してもよい。この場合、一つの低温熱交換部115apの上下流方向における中間部分、必要に応じて、この中間部分よりも下流側にミストセパレータ141を設けることになる。
【0150】
本実施形態では、ミストセパレータ141が複数の低温熱交換部115apの相互間のそれぞれに配置されていると共に、低温熱交換器115aの下流側にも配置されている。しかしながら、ミストセパレータ141は、以上で例示したいずれかの一つの位置にのみ配置されていてもよい。
【0151】
本実施形態では、複数の低温熱交換部115ap相互がフランジ接続されている。しかしながら、低温熱交換部115apが耐食性の高い、例えば、ステンレス等で形成されている場合には、複数の低温熱交換部115ap相互を例えば溶接接続してもよい。
【0152】
本実施形態では、低温熱交換器115aがボイラー外枠119内に配置され、この低温熱交換器115aが配置されている領域内にミストセパレータ141が配置されている。しかしながら、
図4に示すように、低温熱交換器115aが煙突60内に配置されている場合や、
図5に示すように、低温熱交換器115aが煙道61内に配置されている場合でも、この低温熱交換器115aが配置されている領域内にミストセパレータ141を配置することが好ましい。
【0153】
また、以上で説明した各実施形態の蒸気発生プラントは、いずれも蒸気タービンを備えている。しかしながら、蒸気発生プラントは、蒸気タービンを備えていなくてもよい。この場合、蒸気発生プラントで発生した蒸気は、例えば、化学プラントにおける反応器等に対する加熱源として、また、建屋の暖房用の熱源として利用される。