(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御手段は、同時に、前眼部観察光学系で撮影される前眼部画像のライブ画像、および、角膜内皮細胞画像のライブ画像のうち少なくともいずれかを、前記モニタ上に表示させる請求項2又は3記載の角膜内皮細胞撮影装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の典型的な実施形態を図面に基づいて説明する。はじめに、
図1を参照して、本実施形態における角膜内皮細胞撮影装置100(以下、「撮影装置100」と省略する)の外観構成を説明する。なお、以下の説明では、
図1のX方向を左右方向、Y方向を上下方向、Z方向を前後方向として説明する。
【0011】
撮影装置100は、被検眼Eの角膜部位の画像を撮影する装置である。撮影装置100は、撮影部1(装置本体)と、基台2と、顔支持ユニット3と、移動台4と、を有している。撮影装置100は、いわゆる据え置き型の装置である。撮影装置100の光学系は、撮影部1の筐体1aの中に収容されている。
【0012】
移動台4は、図示なき摺動機構によって、基台1上で移動できる。移動台4には、XYZ駆動部5が設けられている。XYZ駆動部5によって、撮影部1は、被検眼Eに対して左右方向(X方向)、上下方向(Y方向)及び前後方向(Z方向)に移動される。また、移動台4は、ジョイスティック6の操作によって、基台2上をXZ方向に移動される。また、検者が回転ノブ6aを回転操作することによって、撮影部1はXYZ駆動部5のY駆動によりY方向に移動される。ジョイスティック6の頂部には、スタートスイッチ56が設けられている。モニタ97は、撮影部1の筐体1aの検者側に設けられている。なお、本実施形態では、図示なき摺動機構又はXYZ駆動部5によって撮影部1が被検眼Eに対して相対的に移動される。
【0013】
なお、撮影部1を移動させる構成としては、メカニカルな摺動機構を設けず、駆動部5のモータの駆動によって撮影部1を左右眼に対して移動させる構成であってもよい。また、本装置は、ジョイスティック6のような手動用操作部材としてタッチパネルを有する構成であってもよい。
【0014】
また、本実施形態において、筐体1aには、被検者側側面とは反対側の面にモニタ97が設けられている。但し、モニタ97は、筐体1aの他の位置に配置されてもよいし、撮影装置100とは、別体の装置であってもよい。
【0015】
次に、
図2を参照して、撮影装置100の光学系および制御系を説明する。なお、
図2に示す光学配置は、撮影部1に収容された光学系を上から見たときの配置である。
【0016】
撮影装置100は、主に、角膜撮影光学系10と、Zアライメント検出光学系85と、を主に有する。また、本実施形態の撮影装置100は、正面投影光学系50、第一投影光学系60a,60b、第二投影光学系65a〜65d(
図3参照)、固視光学系70(70a〜70g)、および前眼部観察光学系80、を有する。
【0017】
角膜撮影光学系10は、照明光学系10aおよび受光光学系10bを有する。角膜撮影光学系10は、照明光学系10aによって、照明光源11(第一光源)からの光を被検眼Eの角膜Ecに向けて投光する。また、角膜撮影光学系10は、受光光学系10bによって、照明光源11から照射され角膜Ecで反射された反射光を撮像素子22で受光する。撮影装置100は、角膜撮影光学系10を用いて眼の角膜部位を非接触にて撮影する。
【0018】
照明光学系10aと受光光学系10bの光軸は、例えば、被検眼E上で交差する。照明光学系10a及び受光光学系10bは、ある中心軸に対して対称に配置されると有利である。本実施形態において、照明光学系10aの光軸L2と受光光学系10bの光軸L3とは、光軸L1に関して左右対称である。
【0019】
本実施形態の照明光学系10aは、照明光源11、集光レンズ12、スリット板13、ダイクロイックミラー14、および投光レンズ15、を有する。照明光源11は、角膜部位の撮影に使用する照明光を出射する。本実施形態において、照明光源11は、可視光を出射する。照明光源11としては、例えば、可視LED、フラッシュランプ等が用いられてもよい。また、ダイクロイックミラー14は、可視光を反射し、赤外光を透過する。なお、スリット板13と角膜Ecは、対物レンズ15に関して略共役な位置に配置されている。照明光源11から出射された光は、集光レンズ12で集光されて、スリット板16に形成されたスリットを通過する。スリット板13を通過したスリット光は、ダイクロイックミラー14で反射されて投光レンズ15によって収束されることによって、角膜Ecに照射される。
【0020】
受光光学系10bは、内皮細胞を含む角膜Ecからの反射光を撮像素子22によって受光する。本実施形態の受光光学系10bは、対物レンズ16、ダイクロイックミラー17、マスク18、第1結像レンズ19、全反射ミラー20、第2結像レンズ21、二次元撮像素子22(以下、「撮像素子22」と省略する)、を有する。ダイクロイックミラー17は、可視光を反射し、赤外光を透過する。マスク18は、角膜Ecと略共役な位置に配置される。第1結像レンズ19、及び第2結像レンズ21は、内皮細胞像を撮像素子22上に結像させる結像光学系を形成する。撮像素子22は、内皮細胞を撮影するために使用される。撮像素子22は、角膜Ecと略共役な位置に配置される。撮像素子22としては、例えば、二次元CCDイメージセンサ(Charge coupled device image sensor)、二次元CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)、等が用いられてもよい。
【0021】
照明光学系10aから角膜Ecに導かれた光は、角膜Ecで反射されることによって、光軸L3方向(斜め方向)に導かれる。その後、光は対物レンズ16、ダイクロイックミラー17を介して、マスク18にて一旦結像される。マスク18は、内皮細胞像を取得する際にノイズとなる光を遮光する。マスク18を通過した光は、第1結像レンズ19、全反射ミラー20、第2結像レンズ21を介して撮像素子22に結像される。その結果、高倍率の内皮細胞像が取得される。
【0022】
正面投影光学系50は、正面から角膜Ecに向けてXYアライメント用のアライメント指標を投影する。正面投影光学系50は、赤外光源51、投光レンズ52、およびハーフミラー53、を有する。正面投影光学系50は、赤外光源51の点灯によって、XYアライメント検出用の赤外光を光軸L1方向から角膜Ecに投影する。
【0023】
また、第一投影光学系60a,60bおよび第二投影光学系65a〜65dは、XYZアライメント用のアライメント指標を投影する。撮影装置100では、第一投影光学系60および第二撮影光学系65から投影されるアライメント指標を利用しておおまかなアライメントが行われる。
【0024】
第1投影光学系60a,60bは、斜めから角膜Ecに向けて無限遠のアライメント指標を投影する。第1投影光学系60a,60bは、光軸L1に対して所定の角度でそれぞれ傾斜して配置されている。第1投影光学系60a,60bは、赤外光源61a、61bと、コリメータレンズ63a、63bと、をそれぞれ有し、光軸L1を挟んで左右対称に配置され、眼Eに対して無限遠の指標を投影する(
図3参照)。なお、第1投影光学系60a,60bは、光軸L1を通る水平方向と略同一経線上に配置されている(
図3参照)。
【0025】
光源61a、61bから出射された光は、コリメータレンズ63a、63bによってそれぞれコリメートされた後、角膜Ecに投影され、指標i20、i30を形成する(
図4参照)。
【0026】
第2投影光学系65a〜65dは、複数の斜め方向から角膜Ecに向けて有限遠のアライメント指標をそれぞれ投影する。第2投影光学系65a〜65dは、光軸L1に対しそれぞれ傾斜して配置されている。第2投影光学系65a〜65dは、赤外光源66a〜66dをそれぞれ有し、光軸L1を挟んで左右対称に配置され、眼Eに対して有限遠の指標を投影する。なお、第2投影光学系65a、65bは、光軸L1に対して上方に配置され、Y方向に関して互いに同じ高さに配置されている。また、第2投影光学系65c、65dは、光軸L1に対して下方に配置され、Y方向に関して互いに同じ高さに配置されている。また、第2投影光学系65a、65bと、第2投影光学系65c、65dは、光軸L1を挟んで上下対称な関係で配置されている。
【0027】
ここで、光源66a、66bからの光は角膜Ecの上部に向けて斜め上方向から照射され、光源66a、66bの虚像である指標i40、i50が形成される。また、光源66c、66dからの光は角膜Ecの下部に向けて斜め下方向から照射され、光源66c、66dの虚像である指標i60、i70が形成される(
図4参照)。
【0028】
上記のような指標投影光学系によれば、指標i10は、眼Eの角膜頂点に形成される(
図4参照)。また、第1投影光学系60a、60bによる指標i20、i30は、指標i10と同じ水平位置において、指標i10に関し左右対称に形成される。さらに、第2投影光学系65a、65bによる指標i40、i50は、指標i10より上方において、指標i10に関し左右対称に形成される。第2投影光学系65c、65dによる指標i60、i70は、指標i10より下方において、指標i10に関し左右対称に形成される。
【0029】
撮影装置100は、複数の固視光学系(例えば、
図2の固視光学系70)を有している。固視光学系70は、光軸と直交する面上に複数配置された固視灯(可視光源(固視光源)71a〜71i)を持ち、点灯位置が切り替えられることによって、被検眼の視線方向を変更させる。
【0030】
固視光学系70(70a〜70i)は、被検眼Eに対して筐体1aの内部から固視標を投影する。それぞれの固視光学系70a〜70iは、可視光源(固視灯)71a〜71iの一つと、投光レンズ73と、ダイクロイックミラー74とを有する。可視光源(固視灯)71a〜71iは、光軸L4に対して直交する方向に関して異なる位置に配置される。なお、ダイクロイックミラー74は、可視光を反射し、赤外光を透過する。光源71から発せられた可視光は、投光レンズ73により平行光束に変換された後、ダイクロイックミラー74によって反射される。その結果、被検眼Eの眼底に固視標が投影される。例えば、可視光源71aは、光軸L4近傍に配置され、眼Eを正面方向に誘導する。可視光源71は、角膜Ecの中心部の内皮画像を得る際に点灯される。また、複数の可視光源71b〜71iは、光軸L4を中心とする同一円周上に配置されている。
図2の例では、被検者から見て、0度、45度、90度、135度、180度、225度、270度、315度の各位置に45度ずつ配置されている。可視光源71b〜71iは、眼Eの視線方向を周辺方向に誘導することによって、角膜中心部の周辺における内皮画像を得るために用いられる。また、詳細な図示および説明は省略するが、筐体1aの被検者側側面に外部固視光学系が更に設けられていてもよい。また、本実施形態では、位置の異なる複数の固視灯を切り替えて点灯することによって誘導する視線方向を変更する光学系を用いる場合について説明するが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、単一の固視灯を光軸と直交する方向に移動する構成を持ち、被検眼Eの視線方向を変更してもよい。また、他の構成としては、固視光学系は、液晶ディスプレイ、有機EL(エレクトロルミネッセンス)などの表示パネルを持ち、発光位置を制御することにより、被検眼Eの視線方向を変更してもよい。
【0031】
前眼部観察光学系80は、前眼部像を正面から観察および撮影するために用いられる。前眼部観察光学系80は、対物レンズ81、および二次元撮像素子82(以下、「撮像素子82」と省略する)を有する。撮像素子82は、前眼部像およびアライメント指標を撮影する。XY方向のアライメント、およびZ方向の大まかなアライメントは、撮像素子82によって撮影されるアライメント指標像に基づいて行われる。撮像素子82としては、例えば、2次元CCDイメージセンサ、二次元CMOS等が用いられてもよい。なお、前眼部の撮影に使用する光源としては、図示なき前眼部照明光源が用いられる。
【0032】
本実施形態において、Zアライメント検出光学系85は、Z方向の精密なアライメントのために利用される。Zアライメント検出光学系85は、投光光学系85aと、検出光学系85bとを有する。本実施形態において、投光光学系85aの光軸L2と検出光学系85bの光軸L3は、光軸L1に関して左右対称な位置に配置される。Zアライメント検出光学系85は、被検眼角膜Ecに対する角膜撮影光学系10のフォーカス状態を検出するための光(つまり、検出光)を、被検眼角膜Ecに向けて斜めから投光する。一方、検出光学系85bは、複数の画素が配列された検出器89(光検出器)を備え、投光光学系85aから投光された光の角膜Ecからの反射光を検出器89にて受光する。検出光学系85bは、投光光学系85aからの検出光による角膜反射光であって角膜内皮からの反射光を含む角膜反射光を斜め反対方向から受光し、深さ方向に関する角膜反射光の強度分布を検出する。
【0033】
本実施形態の投光光学系85aは、照明光源86、集光レンズ87、ピンホール板88、およびレンズ15を有する。ピンホール板88は、角膜Ecと略共役な位置に配置される。本実施形態の検出光学系85bは、レンズ16、および検出器89を有している。検出器89としては、例えば、一次元受光素子(ラインセンサ)が使用されてもよい。検出器89と角膜Ecは、略共役な位置に配置される。光源86から出射された赤外光は、集光レンズ87を介してピンホール板88を照明する。ピンホール板88の開口を通過した光は、レンズ20を介して角膜Ecに投光される。角膜Ecにて光は光軸L3に向けて反射される。その後、角膜反射光は、レンズ16、およびダイクロイックミラー17を介して検出器89よって受光される。検出器89は、角膜反射光の深さ方向の強度分布を、信号として制御部90へ出力する。
【0034】
また、検出器89からの出力信号は、Z方向のアライメント状態を検出するために利用される。ここで、検出器89上における検出光の受光位置は、Z方向における撮影部1と被検眼Eとの位置関係に応じて変化される。撮影装置100は、検出光の受光位置とアライメント適正位置とのずれを検出することによりZ方向のアライメントずれ量を検出する。
【0035】
次に、撮影装置100の制御系の概略構成について説明する。
【0036】
撮影装置100は、制御部90によって各部の制御が行われる。制御部90は、駆動部5、ジョイスティック6、各種光源11,71,61,86、撮像素子22,82、検出器89、HDD94、画像処理IC95、操作入力部96、およびモニタ97と接続される。なお、モニタ97は、タッチパネルであってもよい。この場合モニタ97は、操作入力部96の一部を兼用する。
【0037】
制御部90は、CPU91と、ROM92と、RAM93とを備える。CPU91は、撮影装置100に関する各種の処理を実行するための処理装置である。ROM92は、各種の制御プログラムおよび固定データが格納された不揮発性の記憶装置である。RAM93は、書き換え可能な揮発性の記憶装置として用いられるが、もちろんこれに限定されない。RAM93には、制御プログラムが実行される際に一時データが格納される。
【0038】
HDD94は、書き換え可能な不揮発性の記憶装置として用いられるが、もちろんこれに限定されない。本実施形態において、HDD94には、後述するメイン処理のプログラムが記憶される。また、撮影装置100によって撮影された被検眼の画像は、HDD94に記憶される。
【0039】
画像処理IC95は、画像処理部として用いられる。画像処理IC95は、撮像素子22から出力される信号を処理することによって、内皮細胞像の画像(以下、「内皮画像」と称する)を生成する。また、撮像素子82から出力される信号を処理することによって、前眼部正面像の画像(以下、「前眼部画像」と称する)を生成する。例えば、内皮細胞像の観察が行われるときには、画像処理IC95では、内皮画像および前眼部画像が逐次生成される。また、生成された各画像は、モニタ97へ逐次出力される。その結果、モニタ97の観察・撮影画面300(
図7参照)にて、前眼部正面像および角膜内皮像の観察画像(ライブ画像)が表示される。また、内皮画像の撮影(キャプチャー)が行われるときには、CPU91は、画像処理IC95で生成される内皮画像を、HDD94に記憶させる。
【0040】
次に、
図5を参照して、撮影装置100の動作を説明する。
図5に示すメイン処理は、撮影装置100の電源が投入された場合に実行される。メイン処理では、初めに、前眼部観察光学系80を介して得られる前眼部画像を用いて、被検眼に対する装置のアライメントが行われる(S1〜S6)。固視灯71が点灯される(S1)。ここでは、光軸L4近傍の固視灯71aが点灯される。また、CPU91は、図示無き前眼部観察用光源の点灯を開始すると共に、画像処理IC95による前眼部画像(ライブ画像)の生成と、モニタ97への出力とを開始させる(S2)。更に、CPU91は、モニタ97へ前眼部観察画面200(
図4参照)を表示させる(S3)。前眼部観察画面200は、被検眼Eに対する測定部1の位置のアライメントが行われる場合に表示される。前眼部観察画面200には、リアルタイムに撮影された前眼部画像が表示される。検者は、前眼部観察画面200を確認しながら、ジョイスティック6の操作によって被検眼Eに対する撮影部1の位置を調節する。
【0041】
次に、アライメント用の光源が点灯される(S4)。また、アライメント処理が実行される(S5)。アライメント処理(S5)によって、被検眼Eに対する測定部1のアライメントが行われる。本実施形態では、ジョイスティック6の操作に基づく手動による大まかなアライメントと、自動アライメントとの二段階で、XY方向のアライメントが行われる。ジョイスティック6の操作に基づく手動でのアライメントの間、CPU91は、第二投影光学系65a〜65dによって投影される指標像指標i40、i50、i60、i70の検出が行われる。指標i40、i50、i60、i70が検出されるようになると、CPU91は、指標i40、i50、i60、i70からなる矩形の中心位置を略角膜頂点として検出し、XY方向におけるアライメントずれ方向/偏位量を検出する。CPU91は、アライメントずれが許容範囲に入るように撮影部1をXY方向に移動させる。その結果として、指標像i10が検出されると、CPU91は、指標像i40〜i70によるアライメントを終了し、指標i10を用いたアライメントを行う。指標像i10とアライメント基準位置(例えば、画像中心)に対するずれ量が許容範囲に入るように、CPU91は、撮影部1をXY方向に移動させる。以上のようにして、XY方向のアライメントが行われる。
【0042】
本実施形態において、Z方向のアライメントは、第1の自動アライメントと、第2の自動アライメントとの2段階で行われる。第1の自動アライメントは、無限遠の指標像i20、i30と、有限遠の指標像i60、i70との検出結果が用いられる。指標i10が検出されるようになると、無限遠の指標像i20、i30もまた検出される。CPU91は、指標像i20、i30の間隔と有限遠の指標像i60、i70の間隔とを比較することによりZ方向のアライメントずれ方向/偏位量を求める(第1のアライメント検出)。また、CPU91は、Z方向のアライメントずれが許容範囲に入るように撮影部1をZ方向に移動させる(第1自動アライメント)。ここでは、測定部1が作動距離方向にずれた場合に、無限遠指標i20、i30の間隔がほとんど変化しないのに対して、有限遠の指標像i60、i70の像間隔が変化するという特性を利用して、Z方向のアライメントずれを求める(詳しくは、特開平6−46999号参照)。なお、指標像i60、i70の代わりに、指標像i40、i50が利用されてもよい。また、光軸L1からの指標の距離(指標高さ)に基づいてZ方向のアライメント状態が検出されてもよい。
【0043】
第1の自動アライメントの完了後、第2の自動アライメントが行われる。第2の自動アライメントには、Zアライメント検出光学系85a,85bが用いられる。第2の自動アライメントの間、CPU91は、光源86を点灯させることによって、投光光学系85aから検出光を角膜Ecに継続して投光する(光源86を予め点灯させていてもよい)。継続して投光する場合、常時投光でもよいし、断続的な投光であってもよい。なお、検出光の投光制御は、光源86の点灯制御に限定されるものではない。例えば、投光光学系85aに、遮光駆動部(例えば、AOM)を設け、CPU91による遮光駆動部の制御によって、検出光の投光制御が行われてもよい。
【0044】
また、検出光の角膜反射光は、検出光学系85bの検出器89にて検出される。CPU91は、検出器89から出力される信号に基づいて駆動部5を制御し、撮影部1をZ方向に移動させる。例えば、CPU91は、深さ方向に関する角膜反射光の強度分布を示す波形において、角膜上皮からの反射光に対応するピークPを検出器89から出力される信号によって示される強度分布に基づいて検出する(
図6参照)。検出器89上における上皮ピークの位置Pzが、検出器89の所定画素の位置(例えば、中心の画素の位置)となるように駆動部5を駆動させる。その結果として、撮影装置100では、角膜撮影光学系10のフォーカスが角膜上皮またはその近傍にセットされる。XYZ方向のアライメント状態がアライメント完了の条件を満たしたら、CPU91は、アライメント処理(S5)を終了する。
【0045】
なお、CPU91は、角膜Ecからの反射光束の強度を角膜Ecの深さ毎に示す波形において、角膜内皮からの反射光束に対応するピークを検出器89から出力される強度分布に基づいて検出してもよい(
図6参照)。検出器89上における内皮ピークの位置が、検出器89上の所定位置(例えば、中心位置)となるように駆動部5を駆動させてもよい。その結果として、撮影装置100では、角膜撮影光学系10のフォーカスが角膜内皮またはその近傍にセットされる。
【0046】
次に、CPU91は、観察・撮影処理を実行する(S6)。観察・撮影処理(S6)では、角膜内皮の観察画像(本実施形態では、内皮画像のライブ画像)の表示と、撮影画像の取得および記憶(キャプチャ)が行われる。観察・撮影処理(S6)が行われることによって、モニタ97上には、内皮観察画面300が表示される(
図7参照)。内皮画像のライブ画像は、内皮観察画面300内の内皮ウインドウ301にて示される。また、内皮観察画面300には、内皮画像と併せて角膜反射光情報が表される。角膜反射光情報は、検出器89にて受光される角膜反射光の角膜の深さ毎の強度(深さ方向(Z方向)に関する角膜反射光の強度分布であって、少なくとも角膜内皮からの反射光に対応する強度分布を含む。)に関する。なお、第2の自動アライメントから引き続き、CPU91は、投光光学系85aから検出光が継続して投光されるように制御する。
【0047】
本実施形態では、深さ方向に関する角膜反射光の強度分布は、波形グラフ302の波形として示される。強度分布を波形として表示する場合は、生の信号が表示されてもよいし、加工された信号(例えば、平滑化処理、振幅強調処理等)が表示されてもよい。
図7に示すように、角膜Ecの上皮と内皮とで検出光は強く反射されるので、2か所で強い反射が得られたことを示す情報が、角膜反射光情報として得られる。この場合、例えば、波形グラフ302には、上皮からの反射を示すピーク(つまり、上皮ピーク)と、内皮からの反射を示すピーク(つまり、内皮ピーク)との2つのピークを有する波形が示される(
図7参照)。但し、検出器89の所定の画素(本実施形態では、中心の画素とする)において、角膜反射光は、最も良好に集光され、その画素から離れた位置にある画素ほど集光され難くなる。このため、内皮からの反射が、所定の画素またはその近傍の画素に入射された場合に対して、より離れた画素に入射される場合ほど、内皮からの反射の検出信号の強度は低くなる。よって、内皮からの反射が、所定の画素から大きく離れた画素に入射することによって、内皮ピークが形成されない場合がある。なお、
図7に示す波形グラフ302は、紙面左側が装置側であり、紙面右側が眼底側である。
【0048】
フォーカス位置が変位すると、波形グラフ302の波形は、画面上で左右方向に変位する。
図7では、フォーカス位置が眼底側に移動する場合に、波形は
図7の紙面左側に変位し、フォーカス位置が角膜の上皮側に移動する場合に、波形は
図7の紙面右側に変位する。本実施形態において、波形グラフ302上での角膜撮影光学系10のフォーカスの位置は、波形グラフ302の左右方向の中心(つまり、
図7では、内皮ウインドウ301の左右方向の中心位置)とされる。よって、本実施形態では、波形グラフ302の左右方向の中心位置に対する波形のピークの位置を目安にして、検者は、フォーカス位置を把握できる。なお、
図7において、角膜反射光情報(波形グラフ302)は、内皮画像に重畳して示されている。しかし、角膜反射光情報は、内皮画像と同時に表示されていればよく、本実施形態の表示態様に限定されるものではない。
【0049】
本実施形態において、内皮観察画面300上には、前眼部ウインドウ303が配置される。CPU91は、画像処理IC95にて生成される前眼部画像のライブ画像を前眼部ウインドウ303に表示させる。前眼部ウインドウ上に角膜反射光情報(例えば、波形グラフ303a)が表示されてもよい。
【0050】
また、内皮観察画面300上には、固視位置グラフィック304が表示される。固視位置グラフィック304は、被検眼Eから見て点灯されている固視灯70の位置を示す。固視位置グラフィック304によって、検者は、角膜中心周辺における内皮画像の撮影位置を容易に把握できる。
【0051】
ここで、
図8A,8Bのフローチャートを参照して、観察・撮影処理(S6)の一例をより具体的に説明する。観察・撮影処理(S6)では、初めに、制御部90における撮影モードがオート撮影モードに設定される(S11)。
【0052】
<オート撮影モード>
オート撮影モードに設定された場合、CPU91は、検出器89から出力される強度分布(又は、信号)に基づいて駆動部6の駆動を制御することによって、角膜撮影光学系10のフォーカス位置を自動的に角膜上皮又は内皮に調節する。本実施形態のオート撮影モードでは、内皮画像の撮影および記憶も自動的に行われる。本実施形態では、制御部90における撮影モードとして、オート撮影モードの他に、マニュアル撮影モードを設定可能である。詳細は後述するが、マニュアル撮影モードでは、角膜撮影光学系10のフォーカス位置が、検者からの指示に応じて調節される。
【0053】
オート撮影モードの設定後、CPU91は、内皮画像の画像形成およびモニタ97への表示の開始を、画像処理IC95に対して指示する(S12)。指示の結果として、内皮ウインドウ301で内皮画像のライブ画像が示される。
【0054】
次に、CPU91は、検出器89からの信号を取得する(S13)。この信号が処理されることによって、深さ方向(つまり、Z方向、前後方向)に関する角膜反射光の強度分布を示す波形が得られる(S14)。S14の処理によって得られた波形は、波形グラフ302としてモニタ上に表示される(S15)。
【0055】
また、CPU91は、検出器89から出力されるアライメント信号を判定処理することによって、角膜撮影光学系10のフォーカス位置を示すフォーカス位置情報を取得する(S17)。本実施形態では、上皮に対するフォーカス位置情報が取得される。上皮に対するフォーカス位置情報は、例えば、波形グラフ302における上皮のピーク位置と、フォーカス位置(即ち、波形グラフ302の左右方向中心)との差分に対応する(比例する)値として求めることができる。もちろん、上皮に対するフォーカス位置情報の他に、内皮に対するフォーカス位置情報が取得されてもよい。
【0056】
次に、CPU91は、S16の処理によって得られたフォーカス位置情報を、モニタ97上に表示させる(S17)。フォーカス位置情報は、図形によって表されてもよいし、数値で表されてもよい。例えば、本実施形態では、角膜上皮から実際のフォーカス位置までの距離が、テキストボックス307において数値で示される。
【0057】
次に、CPU91は、内皮観察画面300から画面を切り替える指示が入力されているか否かを判定する(S18)。画面を切り替える指示は、操作入力部96への検者の操作によって行われる。例えば、
図7に示す内皮観察画面300上の確認・解析画面切り替えボタンが、タッチパネルにおいて押されることによって、入力されてもよい。この場合、後述する確認画面400へとモニタ97の表示が切り替えられる。画面を切り替える指示が入力されていると判定される場合(S18:Yes)、CPU91は、内皮画像の取得、および表示を停止する(S19)。その後、CPU91は、メイン処理に戻って、S7の処理を実行する。
【0058】
一方、画面を切り替える指示が入力されていなければ(S18:No)、次に、現在設定されている撮影モードが判定される(S20)。当初は、S11の処理によって、オート撮影モードが設定されているので(S20:オート)、S21の処理に移行される。S21の処理では、検者によって撮影操作が入力されたか否かが判定される(S21)。前述したように、撮影装置100では、スイッチ6bが操作されることによって、撮影操作の入力が行われる。撮影操作が入力されていないと判定される場合は(S21:No)、S13の処理に戻って、S13〜S21までの処理を繰り返し実行する。ここで、本実施形態においては、内皮観察画面300の前眼部ウインドウ303において、前眼部画像のライブ画像が表示される。検者は、被検眼の固視が適正に行われていることを前眼部ウインドウ303で確認してから、内皮画像の撮影(キャプチャ)を行うことができる。よって、本実施形態の撮影装置100によれば、固視が安定した適正なタイミングで内皮画像の撮影を行うことが容易である。
【0059】
一方、撮影操作が入力された場合(S21:Yes)、CPU91は、アライメント信号の波形を解析し、内皮ピークの検出処理を行う(S22)。また、S22の処理の結果として、内皮ピークが検出されたか否かが判定される(S23)。内皮ピークが検出された場合は(S23:Yes)、内皮ピークの位置を目標位置として設定する(S24)。CPU91は、波形グラフ302上の現在のフォーカス位置と内皮ピークの検出位置との偏位量(ずれ量)を検出し、検出された偏位量に応じて駆動部5の駆動を開始する(S25)。なお、フォーカス位置が移動される間、CPU91は、XY方向における自動アライメント(つまり、前眼部画像を利用した上述の自動アライメント)を行っていてもよい。
【0060】
目標位置まで移動した後、内皮画像撮影処理がCPU91によって実行される(S26)。内皮画像撮影処理(S26)によって、CPU91は、内皮画像が撮影される。また、撮影された画像は、HDD94に記憶される。なお、ここでは、説明の便宜上、固視位置を変更せずに(例えば、固視灯71を点灯し続けた状態で)一連の撮影動作が行われるものとして説明する。しかし、もちろん、複数の固視位置に固視位置が切り替えられつつ撮影が行われることによって、角膜頂点近傍の周辺撮影が行われてもよい。
【0061】
また、本実施形態の内皮画像撮影処理(S26)は、目標位置周辺の複数のフォーカス位置へ駆動部5を駆動させつつ、各フォーカス位置において内皮画像を検出器89からの信号に基づいて取得する。更に、取得された複数の内皮画像であって、固視位置が同一の画像がそれぞれ解析され、最も多くの内皮細胞が検出される内皮画像が選択される。
【0062】
本実施形態では、選択された画像のみが、HDD94に記憶される。その結果、選択された画像は、後に確認・解析画面400(
図9参照)等に表示される画像として利用される。なお、本実施形態では、選択された画像のみが表示および保存されるものとして説明するが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、選択された画像は、一度に撮影された複数の画像を代表する代表画像として設定されてもよい。この場合、それぞれの画像は、HDD94に記憶され、確認・解析画面400等において表示される。また、代表画像は、例えば、一度に撮影された複数の画像の中で、優先的に表示される画像であってもよく、複数の画像に対応するサムネイルが作成される画像として利用されてもよい。
【0063】
なお、本実施形態において、S26の処理による目標位置およびその周辺の撮影は、フォーカスが目標位置に設定された後に撮影が始まる場合について説明するが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、フォーカス位置が目標位置周辺の撮影範囲へ近づいたときから、撮影が開始されてもよい。また、内皮画像撮影処理(S26)は、フォーカスの目標位置でのみ撮影を行う処理であってもよい。複数のフォーカス位置での撮影が行われる間、CPU91は、XY方向における自動アライメントを行っていてもよい。
【0064】
また、本実施形態の内皮画像撮影処理(S26)の処理においては、内皮画像と同時(略同時を含む)に取得される前眼部画像と、検出器89からの信号の波形に関する波形情報と、内皮画像撮影時の角膜撮影光学系10のフォーカス位置に関するフォーカス位置情報とが、取得された内皮画像に内皮画像と対応付けられてHDD94に記憶される。
【0065】
内皮画像撮影処理(S26)の終了後、CPU91は、装置の撮影モードを、マニュアル撮影モードに切り替える(S27)。撮影モードをマニュアル撮影モードに設定した後、CPU91は、S13に戻って処理を続ける。
【0066】
次に、S23の処理に戻って、オート撮影モードで撮影操作が入力された場合において、内皮ピークが検出されない場合(S23:No)について説明する。この場合は、内皮ピークにフォーカスの目標位置を設定することはできない。そこで、本実施形態では、検出器89からの信号の波形のピークが複数検出されない場合には(S23:No)、CPU91は、撮影モードを、オート撮影モードからマニュアル撮影モードに切り替える(S27)。よって、この場合、角膜撮影光学系10のフォーカス位置は、検者からの指示に応じて調節される。なお、内皮ピークが検出されない場合としては、例えば、内皮からの反射が、検出器89の所定の画素から離れた位置にある画素に入射してる場合、角膜内部に混濁等が生じている場合等が考えられる。また、このとき、モニタ97上に、マニュアル撮影モードへの移行を示す情報、又は、オートモードでの撮影エラーの発生を示す情報が表示されてもよい。この場合、検者は、モニタ97に表示される情報を確認することによって、マニュアル撮影モードでの装置の操作を速やかに開始することができる。
【0067】
<マニュアル撮影モード>
次に、S20に戻って、マニュアル撮影モードにおける動作を説明する。本実施形態において、マニュアル撮影モードでは、フォーカスの調節を、ジョイスティック6を操作することによって検者は手動で行うことができる。また、検者がフォーカスの目標位置を操作入力部96を介して入力することによって、撮影装置100にて目標位置までフォーカスを調節させることができる(以下、セミオートフォーカスと称する)。
【0068】
S20の処理において、撮影モードとしてマニュアル撮影モードが設定されていると判定された場合(S20:マニュアル)、S28の処理が実行される。S28の処理では、セミオートフォーカスのための目標位置の設定操作が入力されたか否かが、CPU91によって判定される(S28)。ここで、目標位置の設定操作は、操作入力部96を介して行われる。本実施形態では、波形グラフ302に関する操作入力によって、設定操作が入力される。例えば、設定操作は、ポインティングデバイス等を用いて波形グラフ302上の位置を指定する操作であってもよい。また、例えば、設定操作は、テンキー等を用いてテキストボックス308に角膜上皮から目標フォーカス位置までの距離を入力する操作であってもよい。
【0069】
目標位置の設定操作が行われた場合は(S28:Yes)、設定操作に基づく位置へ目標位置を設定する(S29)。設定された目標位置は、RAM93に記憶される。このとき、設定されたセミオートフォーカスの目標位置に関する目標位置情報が、内皮観察画面300上に表示されてもよい。例えば、目標位置情報は、図形で示されてもよいし、数値などの文字で示されてもよい。
図7では、波形グラフ302において、目標位置と対応する箇所が強調されることによって(より詳細には、目印306が波形グラフ302上に配置されることによって)、目標位置情報が示される。また、角膜上皮から目標フォーカス位置までの距離が、数値で示される。目標位置の設定後、CPU91は、S30の処理を実行する。一方、S28の処理において、目標位置の設定操作が入力されていないと判定される場合は(S28:No)、S29の処理をスキップしてS30の処理を実行する。
【0070】
S30の処理において、CPU91は、セミオートフォーカスのための目標位置への移動指示が入力されたか否かを判定する(S30)。目標位置への移動指示は、操作入力部96を介して検者によって入力される。移動指示の入力は、例えば、内皮観察画面300のフォーカス移動ボタン309をポインティングデバイス等を用いて操作することによって行われてもよい。
【0071】
目標位置への移動指示が入力された場合(S30:Yes)、CPU31は、駆動部5の駆動を制御して前眼部撮影光学系10のフォーカス位置を、目標位置まで移動させる(S31)。CPU91は、現在のフォーカス位置と目標位置との偏位量(ずれ量)を検出し、検出された偏位量に応じて駆動部5を駆動する。例えば、波形グラフ302上において予め定められた現在のフォーカス位置(本実施形態では、内皮ウインドウ301の中心)と、目標位置(つまり、波形グラフ302上において目印306が置かれる位置)との偏位量に対応する駆動量で、撮影部1が移動される。また、例えば、上皮位置を基準にしてフォーカスの目標位置が定められる場合は、予め設定されたフォーカス位置(本実施形態では、波形グラフ302の左右方向の中心位置)に対する現在の上皮位置の偏位量と、フォーカスの目標位置と上皮位置との偏位量との差分を検出し、検出された差分に応じて駆動部5を駆動してもよい。なお、前述のオートフォーカスにおける駆動部の制御においても、上皮を基準とした位置情報が利用されてもよい。
【0072】
なお、フォーカス位置が移動される間、CPU91は、XY方向における自動アライメントを行っていてもよい。角膜撮影光学系10のフォーカスが目標位置に設定された後、CPU91は、S32の処理を実行する。一方、S30の処理において、目標位置への移動指示が入力されていないと判定される場合は(S30:No)、S31の処理をスキップしてS32の処理を実行する。
【0073】
S32の処理において、CPU91は、撮影操作が入力されたか否かを判定する(S32)。なお、S32は、前述のS21と同様の処理であり、判定方法の詳細な説明は省略する。撮影操作が入力されていないと判定された場合は(S32:No)、S13の処理に戻る。よって、撮影操作が入力されるまで、S13〜S20およびS28〜S31の処理が繰り返し実行される。よって、検者は、モニタ97上にリアルタイムに表示される内皮画像、波形グラフ302、フォーカス位置情報、および前眼部画像等を確認しながら、ジョイスティック6の操作、又は、セミオートフォーカスを利用して、フォーカスを調節できる。
【0074】
一方、S32の処理において、撮影操作が入力されたと判定された場合は(S32:Yes)、内皮画像撮影処理(S26)を実行する。よって、本実施形態のマニュアル撮影モードでは、撮影操作が行われたときのフォーカス位置、およびその周辺の複数のフォーカス位置で内皮画像の撮影が行われる。
【0075】
図5に戻って、メイン処理の説明を続ける。観察・撮影処理(S6)の終了後、本実施形態では、モニタ97の画面が、確認画面400に切り替えられる(S7)。確認画面400は、観察・撮影処理(S6)によって撮影され、HDD94に記憶された内皮画像が表示される画面である。
【0076】
<確認画面表示>
ここで、確認画面400の一例を、
図9を参照して説明する。確認画面400の拡大表示ウインドウ401では、HDD94にから読み出した内皮画像が表示される。また、確認画面400には、複数のサムネイル404a〜404hが表示される。各サムネイル404は、HDD94に保存された内皮画像のサムネイルである。ポインティングデバイス等の操作によって検者に選択されたサムネイルによって示される内皮画像が、拡大表示ウインドウ401に表示される。本実施形態では、拡大表示ウインドウ401に表示される内皮画像と共に、角膜反射光情報(
図9では、内皮画像のアライメント信号の波形グラフ402)が表示される。検者は、確認画面400に示される波形グラフ402を、再撮影時のフォーカス位置の参考にすることができる。
【0077】
また、内皮画像が撮影された時のフォーカス位置情報が表示される。
図9では、数値(例えば、角膜上皮からフォーカス位置までの距離)としてフォーカス位置情報が示される。フォーカス位置情報は、内皮画像の再撮影を行う際の参考として用られてもよい。例えば、検者は、良好に撮影された内皮画像についてのフォーカス位置情報を参考にして、再撮影時のフォーカス位置を決めることができる。
【0078】
また、確認画面400では、前眼部ウインドウ407において、拡大表示ウインドウ401に表示される内皮画像と対応付けられてHDD94に記憶された前眼部画像が表示される。前眼部ウインドウ407に表示される前眼部画像は、拡大表示ウインドウ401にて表示される内皮画像と同時に(又は略同時に)撮影された画像である。よって、例えば、検者は、内皮画像の撮影が適正に行われていたか否かを、前眼部ウインドウ407の前眼部画像によって確認できる。
【0079】
また、拡大表示ウインドウ401に表示される内皮画像に関する固視位置が、固視位置グラフィック408によって示される。よって、前回撮影時の固視位置が容易に確認できるので、検者は、再撮影時に同じ箇所を容易に撮影できる。
【0080】
また、
図9に示すように、それぞれのサムネイル404a〜404hにおいても検出器89からの信号の波形グラフ405等が表示されてもよい。
【0081】
本発明は、以上説明した実施例に限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
【0082】
例えば、上記実施形態において、フォーカス位置情報を数値として示す場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、図形を用いて表示してもよい。例えば、フォーカス位置(即ち、波形グラフ302の左右方向中心位置)に、目印を用いる等して波形グラフ302上のフォーカス位置を強調してもよい。